JP2019508712A - 電磁界測定システム - Google Patents

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Abstract

電磁界測定システムにおいて、プローブ基板(701)と伝送線路基板(703)とがT字状構造を構成し、プローブ基板(701)はT字状構造のキャップ部を構成し、伝送線路基板(703)はT字状構造の軸部を構成する。プローブ基板(701)は、第1プローブ素子(709)と、第2プローブ素子(710)と、基準平面(711)とを有するプローブ(700)を含む。第1プローブ素子(709)と第2プローブ素子(710)とは、これらのプローブ素子の間に対称軸(712)が存在するように配置されて、該対称軸(712)は伝送線路基板(703)に対して垂直である。伝送線路基板(703)は、プローブ(700)と結合した伝送線路構造を含む。伝送線路構造は、第1プローブ信号と第2プローブ信号とを測定処理装置へと個別に導くものであり、該測定処理装置は第1プローブ信号と第2プローブ信号とに基づいて測定結果を提供可能である。【選択図】図7

Description

本発明の態様は電磁界測定システムに関する。該システムは、例として、比吸収率(specific absorption rate、SAR)を測定するために使用することができる。本発明の他の態様は、そうしたシステムに関する電磁界を測定する方法に関する。
特許文献1は電磁界を測定するためのシステムを記載している。システムは、平面に配置したアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、電磁波の対の直交成分を表す対の信号を提供するように構成される。信号伝送用プリント回路は、アンテナ装置を配置した平面に対して直交して配置される。プリント回路は、アンテナ装置が提供する対の信号を測定モジュールに伝送するため、アンテナ装置と結合した伝送線路を含む。
国際公開2011/080332号
さらにより正確な電磁界の測定を実現する解決策が求められている。
この求めによりよく対処するために、以下の点が考慮される。国際公開第2011/080332号に公開されているものなどの電磁界を測定するシステムでは、電磁界の散乱が生じることがある。特に、信号伝送線路を含む基板はこうした散乱を引き起こすことがある。散乱電磁界は基板から放射され、基板に入ることさえある。散乱電磁界はシステム内に干渉信号を誘導し得る。
干渉信号は、特に信号伝送線路を含む基板に平行な電磁界成分を表す測定信号に影響を及ぼし得る。この基板の存在により、プローブは基板に垂直な成分よりもこの電磁界成分に対して感応しにくくなり得る。プローブは、この電磁界成分を表す信号成分を提供することができるが、その信号成分は比較的弱いものであり得る。したがって、この信号成分に重畳する干渉信号は、測定の精度に比較的大きな影響を及ぼすことがある。
本発明の態様において、明細書に添付の請求項1に記載の電磁界測定システムが提供される。本発明の別の態様は、請求項15に記載の電磁界を測定する方法に関し、該方法は請求項1に記載のシステムに関わる。
本発明のシステムでは、2つのプローブ素子は、これらのプローブ素子の間に対称軸が存在するように配置され、該対称軸は伝送線路を含む基板に対して垂直である。一方のプローブ素子は、該基板に平行な電磁界成分を表す比較的弱い成分を含む信号を提供することができる。他方のプローブ素子は、同じ比較的弱い成分だが符号が反対であるものを含む信号を提供することができる。基板から放射される散乱電磁界によって誘導される干渉信号は、同じ符号を有する。この符号の関係により、信号伝送線路を含む基板に平行な電磁界成分に対して干渉除去効果がもたらされる。したがって、より正確な電磁界の測定を達成することができる。
本発明の実施形態は、明細書に添付の従属請求項に記載される1つ以上の追加の特徴を含み得る。
例示の目的で、本発明の一部の実施形態の詳細な説明が添付の図面に関して記載される。
図1は、電磁界測定システムのブロック図である。 図2は、電磁界測定システムにおけるプローブモジュールの概略側面図である。 図3は、プローブモジュールの概略上面図である。 図4は、プローブモジュールの概略正面図である。 図5は、プローブモジュールの概略背面図である。 図6は、図4および図5の線A−Aで示される平面に沿って切断したときの、プローブモジュールの上部分の概略断面図である。 図7は、プローブモジュールのプローブ基板上のプローブの概略上面図である。 図8は、プローブモジュールの伝送線路基板の伝送線路構造の半透明の概略上面図である。 図9は、図8の線B−Bで示される平面に沿って切断したときの、伝送線路構造のプローブ結合部の概略断面図である。 図10は、図8の線C−Cで示される平面に沿って切断したときの、伝送線路構造のヘッド部の概略断面図である。 図11は、図8の線D−Dで示される平面に沿って切断したときの、伝送線路構造の移行部の概略断面図である。 図12は、図8の線E−Eで示される平面に沿って切断したときの、伝送線路構造のマイクロストリップ線路部の概略断面図である。
図1は、電磁界測定システム100を概略的に示す。システム100はブロック図で表される。電磁界測定システム100は、例として、比吸収率(SAR)を測定するために使用することができる。電磁界測定システム100は、電磁界プローブ装置101、測定処理装置102、およびコントローラ103を含む。電磁界プローブ装置101は複数のプローブモジュール104〜111を含む。
図2は、電磁界測定システム100のプローブモジュール104〜111のいずれかに相当し得るプローブモジュール200を概略的に示す。この図は、プローブモジュール200の概略側面図を示す。プローブモジュール200は、プローブ基板201と伝送線路基板202とを含む。プローブ基板201および伝送線路基板202は、例えば、市販の電気回路用プリント回路基板材料から構成されてもよい。
プローブ基板201と伝送線路基板202とはT字状構造を構成する。伝送線路基板202は、このT字状構造の軸部を構成する一方で、プローブ基板201はこのT字状構造のキャップ部を構成する。伝送線路基板202はプローブ基板201に直交して配置される。伝送線路基板202のプローブ結合部分203は、図2に示すように、プローブ基板201を通過し、プローブ基板201から延びることができる。
伝送線路基板202は、図2に示すようにカバー204を備えてもよい。カバー204は電磁シールド体をなすことができる。したがって、カバー204は、例えば導電性素子を含むことができる。伝送線路基板202は、カバー204の下に配置され得るフロントエンド回路205を含むことができる。伝送線路基板202は、さらにコネクタ部206を備えてもよい。コネクタ部206は、プローブモジュール200を、図1に示す測定処理装置102およびコントローラ103に連結することができる。
図3は、さらにプローブモジュール200を概略的に示す。この図はプローブモジュール200の概略上面図を示す。プローブ基板201は、この例では8つのプローブである、プローブ301〜308のアレイを含む。さらに、プローブ基板201はスロット部309を含むことができ、該スロット部に沿ってプローブ301〜308が配置される。スロット部309はプローブ301〜308と交差する。図2に示す伝送線路基板202のプローブ結合部分203は、プローブ基板201のスロット部309を貫通する。
この例では、スロット部309は、左スロット310と右スロット311との2つのスロットを含む。4つのプローブ301〜304が左スロット310に沿って配置され、該左スロット310は4つのプローブ301〜304のそれぞれと交差する。他の4つのプローブ305〜308は右スロット311に沿って配置され、該右スロット311は4つのプローブ305〜308のそれぞれと交差する。伝送線路基板202のプローブ結合部分203は、左プローブ結合タブ312と右プローブ結合タブ313である2つのプローブ結合タブを含む。左プローブ結合タブ312は、プローブ基板201の左スロット310を貫通する。右プローブ結合タブ313は右スロット311を貫通する。
図2に示すフロンエンド回路205はスイッチ装置を含むことができ、該スイッチ装置は、プローブ301〜308のアレイにおいてプローブを選択して、選択されたプローブがコネクタ部206に電気的に接続できるようにする。コネクタ部206は、図1に示すコントローラ103から、プローブ選択制御信号、または他のいずれかの制御信号を受信することができる。
図4はさらに、プローブモジュール200を概略的に示す。この図は、プローブモジュール200の概略正面図を示す。この正面図において、伝送線路基板202の前面401が見てとれる。この前面401は導電材料のシールド平面402を含み、該シールド平面402を以下において前部シールド平面402という。前部シールド平面402は、「オウムのくちばし」と称され得る特定の形態を有する2つの部分を含み得る外形を有する。この特定の形態は電磁信号のチョーク部をなす。
図4では、左プローブ結合タブ312の主面403が見てとれる。この主面は、便宜上および図面上の理由から、以下において左タブ前面403という。同様に、右プローブ結合タブ313の主面404が見てとれ、これは以下において右タブ前面404という。図2に関して前述したコネクタ部206およびカバー204も図4に見受けられる。
左タブ前面403は複数の導電性舌部群405〜408を含む。同様に、右タブ前面404も複数の導電性舌部群409〜412を含む。図3に示す8つのプローブ301〜308のそれぞれに対して1つの導電性舌部群が存在する。導電性舌部群は、左導電性舌部、中間導電性舌部、および右導電性舌部である3つの導電性舌部を含む。図4では、これらの導電性舌部のそれぞれは、比較的小さい黒色の矩形領域として表される。
図5はさらに、プローブモジュール200を概略的に示す。図5はプローブモジュール200の背面図を示す。この背面図では、伝送線路基板202の背面501が見てとれる。この背面501もまた、導電材料のシールド平面502を含み、該シールド平面502を以下において後部シールド平面502という。後部シールド平面502は、図4に示す前部シールド平面402と少なくとも部分的に相補的である。後部シールド平面502は、これも「オウムのくちばし」の形態の2つの部分を含み得る外形を有する。これらの部分は、図4に示す前部シールド平面402に存在するものと比べて、類似しており対称である。
図5では、左プローブ結合タブ312の別の主面503が見てとれる。この別の主面は、便宜上および図面上の理由から、以下において左タブ背面503という。同様に、右プローブ結合タブ313の別の主面504が見てとれ、これは以下において右タブ背面504という。図2に関して前述したコネクタ部206も図5において見受けられる。
左タブ背面503は、複数の導電性舌部505〜508を含む。同様に、右タブ背面504も、複数の導電性舌部509〜512を含む。図3に示す8つのプローブ301〜308のそれぞれに対して1つの導電性舌部が存在する。
図6は、プローブモジュール200の上部分を概略的に示す。この図は、図4および図5の線A−Aで示される平面に沿って切断したときの、プローブモジュール200の上部分の概略断面図を示す。図6では、プローブ基板201の左スロット310と、この左スロット310を貫通する伝送線路基板202の左プローブ結合タブ312とが見てとれる。
図6では、伝送線路基板202が、この例では4つである、複数の導電層601〜604を含むことが示される。より具体的には、伝送線路基板202は、前面401に外側導電層601を含み、背面501に別の外側導電層602を含む。これらの外側導電層はそれぞれ、便宜上および明瞭性の理由から、以下において前部外側導電層601および後部外側導電層602という。図4に示す前部シールド平面402は、前部外側導電層601に含まれる。図5に示す後部シールド平面502は、後部外側導電層602に含まれる。
伝送線路基板202は、伝送線路基板202の前面401に最も近接する内側導電層603と、背面501に最も近接する別の内側導電層604との2つの内側導電層をさらに含む。これらの内側導電層をそれぞれ、便宜上および明瞭性の理由から、以下において前部最近接内側導電層603および後部最近接内側導電層604という。図6はさらに、複数の貫通孔接続部605〜611が伝送線路基板202の4つの導電層601〜604の間に延びることを示す。これらについては以下に詳述する。
この図に関して図2に示し、図3〜6に関するプローブモジュール200の前述の記載は、図1に示す電磁界測定システム100のプローブモジュール104〜111のいずれにも適用され得る。
図7は、図2〜図6に関して前述したプローブモジュール200のプローブ301〜308のいずれかに相当し得るプローブ700を概略的に示す。図7は、プローブ700が配置されているプローブ基板701の一部の概略上面図を示す。このように、このプローブ基板701は、図3に示すプローブ基板201に対応し得る。図7に示すプローブ700は、図3に示す左スロット310および右スロット311に対応し得る、スロット702に沿って配置される。図7に示すように、伝送線路基板のプローブ結合タブ703は、スロット702を通って延びている。後述において、このプローブ結合タブ703は図2〜図6に関して前述した伝送線路基板202に属することが、図面上の理由から想定される。つまり、図7に示すプローブ結合タブ703は、図3に示す左プローブ結合タブ312、および右プローブ結合タブ313に対応し得る。
上述のように、プローブ結合タブ703は、プローブ700のために、その前面に導電性舌部群704を含む。導電性舌部群704は、図7に示すように、左導電性舌部705と、中間導電性舌部706と、右導電性舌部707とを含む。プローブ結合タブ703は、図7に示すように、プローブ700のために、その背面に導電性舌部708を含む。この導電性舌部は以下において後部導電性舌部708という。
プローブ700は、ストリップの形態の2つの導電素子709、710を含む。これら2つの導電素子709、710はそれぞれ、便宜上および明瞭性の理由から、以下において左プローブ素子709および右プローブ素子710という。プローブ700は、導電材料の基準平面711をさらに含む。左プローブ素子709および右プローブ素子710は、スロット702の前側に配置される。基準平面711はスロット702の後側に配置される。
左プローブ素子709と右プローブ素子710との間には、対称軸712が存在する。この対称軸712は、伝送線路基板202に対して垂直であり得、より具体的には、その前面401およびその背面501に対して垂直であり得る。また、左プローブ素子709と右プローブ素子710とは、互いに直交して配置されていてもよい。これは、左プローブ素子709の長さ方向軸が伝送線路基板202に対して45°の角度を有することを意味する。右プローブ素子710の長さ方向軸も伝送線路基板202に対して45°の角度を有するが、符号が反対である。
左プローブ素子709は、プローブ結合タブ703の前面の左導電性舌部705と導電的に結合することができる。右プローブ素子710は、右導電性舌部707と導電的に結合することができる。基準平面711は後部導電性舌部708と導電的に結合することができる。
図7に示すプローブ700は、電磁界の存在下で以下のように動作することができる。電磁界は、基準平面711に対して左プローブ素子709に信号を誘導する。この信号を以下において左プローブ信号という。電磁界は、基準平面711に対して右プローブ素子710に別の信号を誘導する。この信号を以下において右プローブ信号という。
より詳細には、電磁界は、互いに対して直交するとともに、プローブ基板701に一致する平面に存在する2つの成分を有し得る。一方の成分は、伝送線路基板202に平行に、より具体的にはその前面401およびその背面501に平行に配向され得る。この成分を以下において水平電磁界成分という。他方の成分は、伝送線路基板202に直交して配向され得る。この成分を以下において垂直電磁界成分という。
伝送線路基板202は、垂直電磁界成分よりも水平電磁界成分に大きな影響を及ぼし得る。これは、伝送線路基板202が比較的大きくかつ水平電磁界成分と平行な種々の導電平面を含むためである。これらの導電平面は、図4に示す前部シールド平面402、図5に示す後部シールド平面502、ならびに図2および図4に示すカバー204を含む。これらの導電平面は、プローブ700を水平電磁界成分に対して比較的不感応にし得る。
さらに、伝送線路基板202は電磁界の散乱を起こし得る。この散乱は、伝送線路基板202から放射される散乱電磁界をもたらす。したがって、プローブ700は、測定される電磁界に加えてこの散乱電磁界を受信することになり得る。さらに、散乱電磁界またはその少なくとも一部は伝送線路基板202に入ることさえある。
この条件では、左プローブ信号はいくつかの信号成分を含む。これらの信号成分は、測定される電磁界の水平電磁界成分によって誘導される信号成分と、垂直電磁界成分によって誘導される他の信号成分とを含む。一方および他方の信号成分はそれぞれ、便宜上および明瞭性の理由から、以下において水平信号成分および垂直信号成分という。水平信号成分および垂直信号成分は、所望の信号成分である。これらに加えて、左プローブ信号は、伝送線路基板202内に、散乱電磁界によって誘導される寄生信号成分をさらに含む。
右プローブ信号もまた、上述のものと類似するいくつかの成分を含む。すなわち、これらの信号成分は、測定される電磁界の水平電磁界成分によって誘導される水平信号成分と、垂直電磁界成分によって誘導される垂直信号成分とを含む。これらの所望の信号成分に加えて、右プローブ信号もまた、伝送線路基板202内に、散乱電磁界によって誘導される寄生信号成分をさらに含む。この寄生信号成分は、通常、左プローブ信号の寄生信号成分に類似している。したがって、散乱電磁界によって誘導される一方および他方の寄生信号成分は、以下においてコモンモード干渉信号成分という。
左プローブ信号および右プローブ信号における前述の各水平信号成分は、通常比較的弱いものである。これは、前述のように伝送線路基板202の存在のため、プローブ700が垂直電磁界成分よりも水平電磁界成分に感応しにくいことを理由とする。
プローブ700では、図7に示すように、左プローブ信号の垂直信号成分が大きさおよび符号の両方について右プローブ信号の垂直信号成分に対応するように、左プローブ素子709と右プローブ素子710とが配置されている。また、左プローブ信号の水平信号成分は、大きさについて右プローブ信号の水平信号成分に対応することができる。しかしながら、これらの2つの前述の信号成分は反対の符号を有する。この例では、左プローブ信号の水平信号成分は正の符号を有する一方で、右プローブ信号の水平信号成分は負の符号を有すると想定される。左プローブ信号のコモンモード干渉信号成分は、右プローブ信号のコモンモード干渉信号成分に対応する。
左プローブ素子70と右プローブ素子710との配置は、測定の精度を改善させるものである。例として、右プローブ信号から左プローブ信号を減算することで、またはその逆で、比較的高い精度で水平電磁界成分を表す測定信号を得ることができる。この減算は干渉除去効果をもたらす。左プローブ信号のコモンモード干渉信号成分と右プローブ信号のコモンモード干渉信号成分とは、少なくともある程度は相殺される。左プローブ信号および右プローブ信号のそれぞれの垂直信号成分も、減算の結果として相殺される。残っているのは、左プローブ信号および右プローブ信号のそれぞれの水平信号成分の合計である。この合計は、水平電磁界測定信号をなす。
したがって、左プローブ素子709と右プローブ素子710との配置により、これらのプローブ素子がもたらす各水平信号成分の干渉の低減が可能になる。この干渉の低減は、前述したようにこれらの水平信号成分が比較的弱いので、特に適している。これに対し、各垂直信号成分は比較的強いものである。つまり、これらは水平信号成分よりも高いレベルの干渉をある程度許容することができる。干渉除去効果はあまり必要ではない。左プローブ信号と右プローブ信号とを合計することで、十分な精度で垂直電磁界成分を表す測定信号を得ることができる。この合計は干渉除去効果をもたらさない。
図2に示すプローブモジュール200のフロントエンド回路205は、伝送線路基板に平行な電磁界の水平成分を表す水平測定信号を得るために、左プローブ信号から右プローブ信号を減算することができる。さらに、フロントエンド回路205は、伝送線路基板202に垂直な電磁界の垂直成分を表す垂直測定信号を得るために、左プローブ信号と右プローブ信号とを加算することができる。別の実施形態では、減算および加算のこれらの演算は、図1に示す電磁界測定システム100の測定処理装置102において実行されてもよい。
このように、図7のプローブ700のこの図面に関する前述の記載は、図3に示すプローブモジュール200のプローブ301〜308のいずれにも、ならびに、図1に示す電磁界測定システム100のプローブモジュール104〜111のプローブのいずれにも適用することができる。
図8は、プローブモジュール200の伝送線路基板202における伝送線路構造800を概略的に示す。この図は、伝送線路構造800の半透明の概略上面図を示し、図2および図4に示すカバー204は省略する。図8では、図6に示す伝送線路基板202の異なる導電層601〜604における特徴を表すために異なるタイプの線路が含まれる。実線は前部外側導電層601の特徴を表している。破線は前部最近接内側導電層603の特徴を表す。点線は、後部最近接内側導電層604の特徴を表す。実線の比較的小さな円は貫通孔接続部を表す。図8はさらにいくつかの1点鎖線を示す。1点鎖線は断面図を得るための切断がなされる平面を示す。
伝送線路構造800は、プローブ結合部801、ヘッド部802、移行部803、およびマイクロストリップ線路部804である、いくつかの部分を有する。プローブ結合部801は、図3に示す伝送線路基板202のプローブ結合部分203に存在する。マイクロストリップ線路部804は、図2に示すフロントエンド回路205まで延びることができる。マイクロストリップ線路部804は、明瞭性の理由から図8では省略されているカバー204の下に少なくとも部分的に位置していてもよい。カバー204は、マイクロストリップ線路部804の電磁シールド体をなすことができる。
プローブ結合部801、ヘッド部802、および部分的に移行部803において、伝送線路構造800は、前部最近接内側導電層603に3つの導電性ストリップ805、806、807を含む。便宜上および明確性のために、これらの3つの導電性ストリップの1つを、以下では左前部内側導電性ストリップ805とし、もう1つを中間前部内側導電性ストリップ806とし、さらにもう1つを右前部内側導電性ストリップ807という。前述のプローブ結合部801、ヘッド部802、および部分的に移行部803において、伝送線路構造800は、後部最近接内側導電層604に導電性ストリップをさらに含む。この導電性ストリップは、便宜上および明瞭性の理由から、以下において後部内側導電性ストリップ808という。図8が示す正面図では、後部内側導電性ストリップ808は、中間前部内側導電性ストリップ806の下に位置する。
マイクロストリップ線路部804、および部分的に移行部803において、伝送線路構造800は、前部外側導電層601に2つの導電性ストリップ809、810を含む。便宜上および明瞭性の理由から、これらの2つの導電性ストリップの1つを、左外側導電性ストリップ809とし、もう1つを右外側導電性ストリップ810という。左外側導電性ストリップ809は、これも伝送線路構造800の前部外側導電層601に含まれる前部シールド平面402の指形状開口部811内に存在する。同様に、右外側導電性ストリップ810も、前部シールド平面402の指形状開口部812内に存在する。
マイクロストリップ線路部804、および部分的に移行部803において、伝送線路構造800は、シグナルグランドと導電的に結合する2つの導電平面813、814をさらに含む。これらの一方である導電平面813は、伝送線路構造800の前部最近接内側導電層603に含まれる。他方の導電平面814は、後部最近接内側導電層604に含まれる。一方および他方の導電平面はそれぞれ、便宜上および明瞭性の理由から、以下において前部内側グランド平面813および後部内側グランド平面814という。
ヘッド部802に存在する中間前部内側導電性ストリップ806は、手から延びる指のように、マイクロストリップ線路部804に存在する前部内側グランド平面813から延びる。同様に、ヘッド部802に存在する後部内側導電性ストリップ808は、マイクロストリップ線路部804に存在する後部内側グランド平面814から延びる。
移行部803において、伝送線路構造800は2つの貫通孔接続部815、816を含む。一方の貫通孔接続部815は、左前部内側導電性ストリップ805と左外側導電性ストリップ809とを互いに導電的に結合する。他方の貫通孔接続部816は、右前部内側導電性ストリップ807と右外側導電性ストリップ810とを互いに導電的に結合する。一方および他方の貫通孔接続部はそれぞれ、便宜上および明瞭性の理由から、以下において左移行貫通孔接続部815および右移行貫通孔接続部816という。
移行部803において、前部内側グランド平面813は2つのU字状開口部817、818を有し、その一方が左移行貫通孔接続部815の周りに位置し、他方が右移行貫通孔接続部816の周りに位置する。一方および他方のU字状開口部はそれぞれ、便宜上および明瞭性の理由から、以下において左前部内側U字状開口部817および右前部内側U字状開口部818という。後部内側グランド平面814は、2つの同様のU字状開口部を有し、その一方が左移行貫通孔接続部815の周りに位置し、他方が右移行貫通孔接続部816の周りに位置する。一方および他方のU字状開口部は、以下において左後部内側U字状開口部819および右後部内側U字状開口部820という。
伝送線路構造800は、図7に示すプローブ700などのプローブから図2に示すフロントエンド回路への左プローブ信号の伝送を可能にする信号経路を提供する。この左信号経路は、左前部内側導電性ストリップ805と、左移行貫通孔接続部815と、左外側導電性ストリップ809とを含む。対称的に、伝送線路構造800は、当該プローブ700から図2に示すフロントエンド回路205への右プローブ信号の伝送を可能にする信号経路をさらに提供する。この右信号経路は、右前部内側導電性ストリップ807と、右移行貫通孔接続部816と、右外側導電性ストリップ810とを含む。
伝送線路構造800は、前部シールド平面401と後部シールド平面501との間に延びる貫通孔接続部の様々なアレイ821、822、823をさらに含むことができる。これらのアレイは、貫通孔接続部の左アレイ821、貫通孔接続部の中間アレイ822、および貫通孔接続部の右アレイ823を含む。
貫通孔接続部の左アレイ821は、上述の2つの信号経路と、左側の隣接する伝送線路構造の信号経路または別の潜在的干渉源との間のシールドフェンスをなす。同様に、貫通孔接続部の右アレイ823は、2つの信号経路と、右側の隣接する伝送線路構造の信号経路または別の潜在的干渉源との間のシールドフェンスをなす。貫通孔接続部の中間アレイ822は、伝送線路構造800自体の左信号経路と右信号経路との間のシールドフェンスをなす。これは、これらの信号経路間の相互干渉を無効にするものである。左プローブ信号と右プローブ信号とは適切に分離されている。
図9はさらに、伝送線路構造800のプローブ結合部801を概略的に示す。この図は、図8の線B−Bで示される平面に沿って切断したときの、プローブ結合部801の断面図を示す。プローブ結合部801は、伝送線路基板202の薄肉突出部に含まれる。この薄肉突出部は、図3〜図5に示す左プローブ結合タブ312、右プローブ結合タブ313、または図7に示すプローブ結合タブ703などのプローブ結合タブを構成する。伝送線路基板202の薄肉突出部では、図9に示すように、前部最近接内側導電層603と後部最近接内側導電層604とが外層をなしている。
プローブ結合部801は、左前部内側導電性ストリップ805のヘッド部分を含む。このヘッド部分は、図7に示す左導電性舌部705などの左導電性舌部をなすことができる。プローブ結合部801は、右前部内側導電性ストリップ807のヘッド部分をさらに含む。このヘッド部分は、図7に示す右導電性舌部707などの右導電性舌部をなすことができる。プローブ結合部801は、中間前部内側導電性ストリップ806のヘッド部分をさらに含むことができる。このヘッド部分は、図7に示す中間導電性舌部706などの中間導電性舌部をなすことができる。プローブ結合部801は、後部内側導電性ストリップ808のヘッド部分をさらに含んでもよい。このヘッド部分は、図7に示す後部導電性舌部708などの後部導電性舌部をなすことができる。
図10はさらに、伝送線路構造800のヘッド部802を概略的に示す。この図は、図8の線C−Cで示される平面に沿って切断したときの、ヘッド部802の断面図を示す。この切断平面は、前部シールド平面402と、後部シールド平面502と、1つは貫通孔接続部の左アレイ821に属する貫通孔接続部824であり、もう1つは中間アレイ822に属する貫通孔接続部825であり、さらにもう1つは右アレイ823に属する貫通孔接続部826である3つの貫通孔接続部とを通過する。そのように、これらの素子は図10に示され参照される。
ヘッド部802は、左前部内側導電性ストリップ805の主要部分と、中間前部内側導電性ストリップ806の主要部分と、右前部内側導電性ストリップ807の主要部分とを含む。ヘッド部802は、後部内側導電性ストリップ808の主要部分をさらに含む。そのように、これらの導電性ストリップは図10に示され参照される。
ヘッド部802では、中間アレイ822の貫通孔接続部825は、前部シールド平面402、中間前部内側導電性ストリップ806、後部内側導電性ストリップ808、および後部シールド平面502である素子を互いに導電的に結合する。ヘッド部802に位置する中間アレイ822の他の貫通孔接続部についても同様であり得る。前述の素子はシグナルグランドと導電的に結合されている。左アレイ821および右アレイ823の貫通孔接続部は、前部シールド平面402と後部シールド平面502と互いにを導電的に結合する。これらのアレイ821、823の他の貫通孔接続部についても同様であり得る。
ヘッド部802では、前述の導電性ストリップ805〜808は、互いに対してかつ前部シールド平面402および後部シールド平面502に対して、特定の空間的関係を有することができる。この特定の空間的関係は、ヘッド部802において、左信号経路が所望の範囲にある特性インピーダンスを有するようになっている。右信号経路についても同様である。
図11はさらに、伝送線路構造800の移行部803を概略的に示す。この図は、図8の線D−Dで示される平面沿って切断したときの移行部803の断面図を示す。この切断面は、前部シールド平面402、後部シールド平面502、ならびに左アレイ821に属する貫通孔接続部827および右アレイ823に属する貫通孔接続部828を通過する。そのように、これらの素子は図11に示され参照される。
移行部803は、左前部内側導電性ストリップ805のテール部分と、中間前部内側導電性ストリップ806のテール部分と、右前部内側導電性ストリップ807のテール部分とを含む。移行部803は後部内側導電性ストリップ808のベース部分をさらに含む。移行部803は、左外側導電性ストリップ809のヘッド部分と右外側導電性ストリップ810のヘッド部分とをさらに含み、これらはともにマイクロストリップ線路部804内に延びている。これらの導電性ストリップ803〜810は図11に示され参照される。
図11は、左移行貫通孔接続部815と、この貫通孔接続部815の周りに位置する左前部内側U字状開口部817および左後部内側U字状開口部819とをさらに示す。この図は、右移行貫通孔接続部816と、この貫通孔接続部816の周りに位置する右前部内側U字状開口部818および右後部内側U字状開口部820とをさらに示す。図11は、左外側導電性ストリップ809が存在する前部シールド平面402の指形状開口部811と、右外側導電性ストリップ810が存在する指形状開口部812とをさらに示す。
図12はさらに、伝送線路構造800のマイクロストリップ線路部804を概略的に示す。この図は、図8の線E−Eで示される平面沿って切断したときの断面図を示す。この切断平面は、前部シールド平面402、前部内側グランド平面813、後部内側グランド平面814、および後部シールド平面502と、貫通孔接続部の左アレイ821に属する貫通孔接続部829、中間アレイに属するもう1つの貫通孔接続部830、および右アレイに属するさらにもう1つの貫通孔接続部831の3つの貫通孔接続部とを貫通する。そのように、これらの素子は図12に示され参照される。
図12は、左外側導電性ストリップ809と、左外側導電性ストリップ809が存在する前部シールド平面402の指形状開口部811とを示す。この図は、右外側導電性ストリップ810と、右外側導電性ストリップ810が存在する前部シールド平面402の指形状開口部812とをさらに示す。
マイクロストリップ線路部804では、前述の導電性ストリップ809、810は、前部内側グランド平面813に対して、また前部シールド平面402に対して特定の空間的関係を有することができる。この特定の空間的関係は、マイクロストリップ線路部804において、左信号経路が所望の範囲にある特性インピーダンスを有するようになっている。さらに、この特性インピーダンスは、ヘッド部802の特性インピーダンスと十分に一致することができる。同様のことがヘッド部802およびマイクロストリップ線路部804の右信号経路についても当てはまる。
図8に示し、この図および図9〜図12に関して説明する伝送線路構造800の前述の記載は、図2〜図6に示すプローブモジュール200の伝送線路基板202における任意の伝送線路構造に適用することができる。この記載は、図1に示す電磁界測定システム100のプローブモジュール104〜111のいずれかの伝送線路基板におけるいずれの伝送線路構造にも適用することができる。
図1に示す電磁界測定システム100は、基本的に以下のように動作することができる。図面上の理由から、プローブモジュール104〜111は、図2〜図6に関して前述したプローブモジュール200にそれぞれ類似していると想定する。プローブモジュール104〜111は、プローブモジュール104〜111のプローブ基板によって構成される測定面を画定することができる。さらに、プローブモジュール104〜111のプローブは、図7に関して前述したプローブ700にそれぞれ類似していると想定する。各プローブは、測定面上で固有の位置を有することができる。プローブは、プローブが格子点をなす2次元格子として配置することができる。さらに、各プローブの各伝送線路構造は、図8〜12に関して前述した伝送線路構造800に類似していると想定する。
電磁界プローブ装置101は、例えば人の頭部など人体部位の物理モデルに配置することができる。物理モデルは、当該身体部位における生物学的組織のものと類似する誘電特性を有する物質を含むことができる。国際公開第2013/079621号はそのような物質を記載している。物理モデルの近くには、例えば携帯電話などの電磁界放射デバイスが配置される。この被試験デバイスは、物理モデルを貫通する電磁界を発生するようになっている。電磁界プローブ装置101のプローブは、貫通した電磁界を受信する。
前述の条件において、プローブは、図7に示すプローブ700に関して前述した左プローブ信号および右プローブ信号を提供する。図2に関して、プローブを含むプローブモジュール200のフロントエンド回路205は、左プローブ信号および右プローブ信号を処理して、プローブに関する対の測定信号を取得する。例として、フロントエンド回路205は、上述のように、左プローブ信号から右プローブ信号を減算する、またはその逆のことを行うことができ、さらに、これら2つの信号を加算することができる。他の例として、フロントエンド回路205は、左プローブ信号および右プローブ信号を単に増幅することができ、この場合、対の測定信号が左プローブ信号の増幅したものと右プローブ信号の増幅したものとを含む。
いずれの場合でも、対の測定信号は、プローブの位置における電磁界の2つの直交する成分を表す。これらの2つの直交する成分は、プローブを含むプローブ基板と一致する平面に存在する。この平面はまた、前述の測定面とも一致する。
測定処理装置102は、電磁界プローブ装置101が提供する各測定信号を処理する。また、測定処理装置102は、各測定信号が関連する各プローブの各位置における電磁界の一方の成分および他方の成分の振幅および位相を検出する。このように、測定処理装置102は、測定面上の電磁界の振幅および位相マップを得る。
電磁界の2次元振幅および位相マップが得られると、測定処理装置102は、このマップに基づいて測定面の周りの電磁界の3次元モデルを生成することができる。この3次元モデルにより、被試験デバイスに関する比吸収率を測定することが可能になる。測定処理装置102は、国際公開第2011/080332号および欧州特許出願公開第EP2610628号明細書に記載されている原理に従って動作することができる。
[備考]
図面に関して前述した詳細な説明は、特許請求の範囲にて規定される本発明および追加の特徴の単なる例示である。本発明は種々の方法で実施することができる。これを例示するためにいくつかの代替形を簡単に示す。
本発明は、電磁界の測定に関連する多数のタイプの製品または方法に適用することができる。例として、本発明は、原則として、電磁界の2次元測定を行うように、ならびに2次元測定に含まれる振幅および位相情報を使用してこの2次元測定に基づいてこの電磁界の3次元表示を構築するように適合された任意のタイプの製品に適用することができる。
本発明は種々の方法で実施することができる。プローブ素子は必ずしも互いに直交して配置される必要はない。例として、プローブ素子の間が60°の角度であってもよい。電磁界の2つの直交する成分を表す2つの信号は、適切な重み係数を有する2つのプローブ信号の2つの線形結合を行うことによって得ることができる。さらに、プローブは、任意の適切な形状を有するプローブ素子を含むことができ、該プローブ素子は必ずしもストリップの形状を有する必要はない。同様のことが導電性基準平面にも当てはまり、該導電性基準平面は必ずしも矩形または正方形の形状を有する必要はない。例として、代替の実施形態では、導電性基準平面は、円形または楕円の形状を有することができる。
電磁界の2つの直交する成分を表す2つの信号を得るために、2つのプローブ信号の2つの線形結合を行う種々の方法が存在する。一組の2つの線形結合は、一般に、
として表され、UおよびUは、電磁界の2つの直交する成分を表す対の信号を表し、Uは左プローブ信号を表し、Uは右プローブ信号を表し、α、βはそれぞれ、第1線形結合(1)における左プローブ信号および右プローブ信号の重み係数を表し、α、βはそれぞれ、第2線形結合(2)における左プローブ信号および右プローブ信号の重み係数を表す。このように、一組の2つの線形結合は、一対の信号が電磁界の2つの直交する成分を適切に表すように適切な値を有することができる一組の4つの重み係数α、β、α、βによって特徴付けられる。適切な値は、2つのプローブ素子が互いに対してどのように配置されるかに依存する。詳細な説明は、4つの重み係数がそれぞれ1であり、非重み付け減算および非重み付け加算に対応する例を提供する。この例では図7に示す2つのプローブ素子709、710が互いに直交して配置されるため、これらは適切な値である。この例でUおよびUが電磁界の2つの直交する成分を表す対の信号を適切に表す重み係数値の他の組が多数存在する。例として、α=1、β=0、α=0、β=1は、UおよびUが電磁界の2つの直交する成分を適切に表す別の組の重み係数値をなす。
プローブ基板を適用する種々の方法が存在する。例として、プローブ基板は、プローブの2次元アレイを含むことができる。このようなプローブ基板は、図3に示すプローブ基板200などのプローブの1次元アレイをそれぞれ含む、図1に示す複数のプローブ基板104〜111の代わりに用いられてもよい。別の実施形態では、プローブ基板は、単一のプローブのみを含むことができる。
伝送線路基板を適用する種々の方法が存在する。例として、そのような基板は、3つの導電層のみ、または4つを超える導電層を含むことができる。例として、1つ以上の追加の導電層を、フロントエンド回路の適用を容易にするために設けることができる。
一般に、本発明を実施する種々の方法があり、異なる実施形態が異なるトポロジーを有し得る。任意の所与のトポロジーにおいて、構成要素がいくつかの機能を実行してもよく、またはいくつかの構成要素がともに単一の機能を実行してもよい。これに関して図面は非常に模式的である。ハードウェアまたはソフトウェア、またはその両方の組合せによって実装され得る多数の機能が存在する。ソフトウェアベースの実装についての記載はハードウェアベースの実装を排除するものではなく、逆もまた同様である。1つ以上の専用回路および1つ以上の適切にプログラムされたプロセッサを含むハイブリッド実装も可能である。例として、図面に関して上述した様々な機能は、特定の回路トポロジーが特定の機能を規定する1つ以上の専用回路によって実施されてもよい。
本発明に従って電磁界を測定可能にする一組の命令、すなわちソフトウェアを保存および割り当てる多数の方法が存在する。例として、ソフトウェアは、例えば、メモリ回路、磁気ディスク、または光ディスクなどの適切なデバイス読み取り可能媒体に保存されてもよい。ソフトウェアが保存されているデバイス読み取り可能媒体は、ソフトウェアを実行することができる個々の製品としてまたは別の製品とともに供給されてもよい。そのような媒体は、ソフトウェアを実行可能にする製品の一部であってもよい。ソフトウェアは、有線、無線、またはハイブリッドであり得る通信ネットワークを介して配布することもできる。例として、ソフトウェアはインターネットを介して配布することができる。ソフトウェアは、サーバーを使用してダウンロード可能にすることができる。ダウンロードは支払いの対象となり得る。
前述の備考において、図面に関する詳細な説明は本発明の限定ではなく例示であることが実証される。本発明は、添付の特許請求の範囲内にある多数の代替方法で実施することができる。特許請求の範囲の同等物の意味および範囲に該当するすべての変更は、その範囲内に包含される。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む(comprising)」という用語は、特許請求の範囲に挙げられた要素またはステップ以外の他の要素またはステップの存在を排除するものではない。要素またはステップに先行する単語「a」または「an」という用語は、複数のそのような要素またはステップの存在を排除するものではない。それぞれの従属請求項がそれぞれの追加の特徴を規定するという単なる事実は、特許請求の範囲に反映されているもの以外の追加の特徴の組合せを除外するものではない。

Claims (15)

  1. 第1プローブ素子(709)、第2プローブ素子(710)および基準平面(711)を有するプローブ(700)を含み、電磁界が、前記基準平面に対して、導電性の前記第1プローブ素子に第1プローブ信号を誘導するとともに、前記基準平面に対して、前記第2プローブ素子に第2プローブ信号を誘導する、プローブ基板(701)と、
    前記プローブと結合され、前記第1プローブ信号および前記第2プローブ信号に基づいて測定結果を提供するように構成された測定処理装置(102)へと前記第1プローブ信号および前記第2プローブ信号を個別に導くように構成された伝送線路構造(800)を含む伝送線路基板(202)とを備え、
    前記プローブ基板と前記伝送線路基板とはT字状構造を構成し、前記プローブ基板は前記T字状構造のキャップ部を構成するとともに、前記伝送線路基板は前記T字状構造の軸部を構成し、
    前記第1プローブ素子と前記第2プローブ素子とは、これらのプローブ素子の間に対称軸(712)が存在するように配置され、前記対称軸は前記伝送線路基板に対して垂直である、電磁界測定システム(100)。
  2. 前記伝送線路構造(800)は、
    前記第1プローブ素子(709)と導電的に結合した第1導電性ストリップ(805)と、
    前記第2プローブ素子(710)と導電的に結合した第2導電性ストリップ(807)と、
    前記第1導電性ストリップと前記第2導電性ストリップとの間に配置されるとともに、前記プローブ(700)の前記基準平面(711)と導電的に結合した中間導電性ストリップ(806)とを有するヘッド部(802)を含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記伝送線路構造(800)の前記ヘッド部(802)における前記第1導電性ストリップ(805)と前記第2導電性ストリップ(807)とは、前記プローブ(700)の導電性の前記基準平面(711)と導電的に結合した2つの導電性シールド平面(402、502)の間に挟まれている、請求項2に記載のシステム。
  4. シールドフェンス(822)は、前記伝送線路構造(800)の前記ヘッド部(802)における前記第1導電性ストリップ(805)と前記第2導電性ストリップ(807)との間に配置され、前記2つの導電性シールド平面(402、502)と前記ヘッド部の前記中央導電性ストリップ(806)とを互いに導電的に結合する貫通孔接続部のアレイによって構成される、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記伝送線路構造(800)の前記ヘッド部(802)における前記第1導電性ストリップ(805)と前記第2導電性ストリップ(807)とがその間に配置された2つのさらなるシールドフェンス(821、823)を含み、該シールドフェンスは、前記2つの導電性シールド平面(402、502)を互いに導電的に結合する貫通孔接続部のアレイによって構成される、請求項4に記載のシステム。
  6. 伝送線路構造(800)はマイクロストリップ線路部(804)を含み、前記ヘッド部(802)は前記プローブ(700)と前記マイクロストリップ線路部との間にあり、前記マイクロストリップ線路部は、
    前記ヘッド部の前記第1導電性ストリップ(805)と導電的に結合した第1導電性ストリップ(809)と、
    前記ヘッド部の前記第2導電性ストリップ(807)と導電的に結合した第2導電性ストリップ(810)と、
    前記マイクロストリップ線路部の前記第1導電性ストリップおよび前記第2導電性ストリップに平行に配置されるとともに、これらの導電性ストリップに対向し、前記ヘッド部の前記中間導電性ストリップ(806)と導電的に結合するグランド平面(813)とを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
  7. 前記伝送線路構造(800)は、
    前記2つの導電性シールド平面の一方の導電性シールド平面(402)を含む第1導電層(601)と、
    前記ヘッド部(802)の前記第1導電性ストリップ(805)、前記第2導電性ストリップ(807)、および前記中間導電性ストリップ(806)を含む第2導電層(603)と、
    前記2つの導電性シールド平面の他方の導電性シールド平面(502)を含む第3導電層(602)とを備える、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記第1導電層(601)は、前記伝送線路構造(800)の前記マイクロストリップ線路部(804)における前記第1導電性ストリップ(809)と前記第2導電性ストリップ(810)とを含み、
    前記第2導電層(603)は、前記マイクロストリップ線路部における前記グランド平面(813)を含み、
    前記伝送線路基板(202)は、前記マイクロストリップ線路部における前記第1導電性ストリップおよび前記第2導電性ストリップを、前記伝送線路構造の前記ヘッド部(802)における前記第1導電性ストリップ(805)および前記第2導電性ストリップ(807)にそれぞれ導電的に接続する第1貫通孔接続部(815)と第2貫通孔接続部(816)とを含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記プローブ基板(701)はスロット(702)を含み、
    前記伝送線路基板(202)は、前記プローブ基板の前記スロットを貫通するプローブ結合タブ(703)を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のシステム。
  10. 前記第1プローブ素子(709)および前記第2プローブ素子(710)は前記スロット(702)の一方側に配置され、前記基準平面(711)は前記スロットの他方である反対側に配置される、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記第1プローブ素子(709)と前記第2プローブ素子(710)とは、互いに直交して配置される、請求項1〜10のいずれかに記載のシステム。
  12. 前記第1プローブ信号と前記第2プローブ信号とを加算するように構成され、前記第2プローブ信号から前記第1プローブ信号を減算するように構成された回路(205、102)を含む、請求項1〜11のいずれかに記載のシステム。
  13. 複数のプローブモジュール(104〜111)を含み、前記プローブ基板(701)と前記伝送線路基板(202)とがともにプローブモジュール(200)を構成し、その他の前記プローブモジュールも同様である、請求項1〜12のいずれかに記載のシステム。
  14. プローブのそれぞれは、前記プローブ(700)が格子点をなす2次元格子として配置される、請求項13に記載のシステム。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の電磁界測定システム(100)に関する、電磁界を測定する方法。

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