JP2019508631A - 燃焼チャンバ装置および燃焼チャンバ装置を含むシステム - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、発電時の往復動燃焼機関およびガスタービンの欠点を軽減するための方法および方法を実施するためのシステムを提供することにある。本発明は、燃焼チャンバの内部に多機能バルブを、燃焼プロセスにとってより好ましい状態を作り出すように配置するという考案に基づいている。多機能バルブは、出力バルブとして機能し得るが、圧縮チャンバの内容物に最終的な追加圧縮を提供することもでき、かつ燃焼プロセスにおいて放出されるエネルギーの一部をも捕捉し得る。

Description

本発明は、多機能バルブを有する燃焼チャンバ装置に関し、かつ装置を含む発電システムに関する。
ガスタービンにおいて、第1のゾーンは、燃焼チャンバで生成される温度に曝される。したがって、ガスタービンへの入力ガスの温度は、ガスタービンの効率を制限する。ピストンエンジンにおいて、燃焼は周期的であり、燃焼中に超高温の使用を許容する。しかしながら、往復動ピストンおよびクランク機構は、ピストンが高い質量を有しかつ全てのエネルギーがピストンの機械仕事および熱に変換されることによって、ピストンエンジンの運転速度を制限する。妥当な効率に達するためには、ピストンは、十分に密封されかつ潤滑されなければならない。
従来技術による、ある典型的なエンジンシステムは、燃料タンクと、燃焼機関とから成る。内燃機関は、対応する往復動ピストンのセットを有する気筒セットを備える。上述の装置に関連する問題点の1つは、可動ピストンおよび他の可動パーツが、燃焼機関の運転温度に多大な影響を与えるオイルで常に潤滑されなければならないことにある。これに続いて、効率を考える場合には、運転温度が1つの重要な因子である。可動パーツは、一定の潤滑を必要とし、よって、上述のエンジンは、耐久性を著しく低下させることなく摂氏100度未満の運転温度に耐える。生成される熱の大部分は、比較的温度が低い廃熱であるが、これは、廃熱をエネルギー生産または他の目的に利用することを困難にする。
特許文献1は、爆発タービンプラントを開示している。この爆発タービンプラントは、インパルスロータと、爆発ガスを発生させるためのピストンレス爆発チャンバと、ガスを膨張させかつこれを、専らガスの間欠的パフにより駆動されるロータへ方向づけるためのノズルとを備える。
米国特許第2,095,984号明細書
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を緩和するような方法および方法を実施するためのシステムを提供することにある。本発明の目的は、独立請求項に記載されていることを特徴とする燃焼チャンバ装置およびシステムによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示されている。
本発明は、燃焼チャンバの内部に多機能バルブを、燃焼プロセスにとってより好ましい状態を作り出すように配置するという考案に基づいている。多機能バルブは、出力バルブとして作用し得るが、燃焼チャンバの内容物に最終的な追加圧縮を与えることもでき、かつ燃焼プロセスにおいて放出されるエネルギーの一部を捕捉することもあり得る。燃焼チャンバ装置は、ガスタービンの外側に位置決めされ、よって圧縮空気は、燃焼チャンバへ、燃焼プロセスを制御された最適な状態で実行しかつプロセスからの残留熱を用いるように供給されることが可能である。
本発明の装置およびシステムの利点は、多機能バルブを用いて入力段階の間の燃焼チャンバにおける燃焼ゾーンを画定し、燃料−空気混合気の着火に先立って燃焼チャンバ内に高圧を達成できることを確実にすることにある。また、この燃焼チャンバ装置は、燃料−空気混合気の圧力がさらに上昇する、燃焼チャンバ内での最終圧縮の実行をも可能にし、これにより、機械的エネルギーを必要とする圧縮機によって圧力を上昇させる必要性が低減される。本発明によれば、熱は、典型的なガスタービンと同様に、システムから比較的高温で排出される。この高温排気は、排気熱の利用にとって好ましい状態を作り出す。
以下、添付の図面を参照して、好ましい実施形態により、本発明をより詳細に説明する。
本発明の一実施形態による、第1の電動発電機システムを示す。 本発明の一実施形態による、蒸気循環システムを有する第2の電動発電機システムを示す。 本発明の一実施形態による、噴射器システムまたは放射器システムを有する第3の電動発電機システムを示す。 2つの燃焼チャンバを有するシステムの詳細を示す。 ある実施形態による、システムにおける経時的な圧力変化を示す。 ある実施形態による、燃焼チャンバ内の様々な利用可能エネルギー源の使用を示す。 本発明の一実施形態による、1つの燃焼チャンバ装置を示す。 本発明の一実施形態による、1つの燃焼チャンバ装置を示す。 本発明の一実施形態による、1つの燃焼チャンバ装置を示す。 本発明の一実施形態による、1つの燃焼チャンバ装置を示す。
図1の単純な例を参照すると、発電機システムは、動力シャフト51および圧縮機24と軸方向に、または伝動装置20を介して連結されるタービン22を備える。本システムは、動力シャフト51で駆動されることが可能な電動発電機も備えてもよく、または、発電機は、軸方向にタービン22へ連結されてもよい。タービン22のロータは、タービンを流れる流体によってタービンへエネルギーが供給されると回転する。タービンロータの回転は、伝動装置20を駆動し、かつ共に伝動装置へ連結される動力シャフト51および圧縮機24を駆動する。タービン、発電機、動力シャフトおよび圧縮機は、伝動装置へ、駆動シャフト、軸または他の適切な動力伝達手段によって連結されてもよい。この装置は、タービン22へ供給されるエネルギーを、動力シャフト51の機械仕事に、かつ燃焼チャンバ10用に空気を圧縮する圧縮機24による空気圧力に変換する。ある実施形態において、圧縮機24は、圧縮空気を空気タンク32内へ蓄積し、空気タンク32は、次に、空気タンク32に蓄積された圧縮空気を燃焼チャンバ10に供給する。圧縮機24は、好ましくは、高効率でありかつ燃焼チャンバ10および空気タンク32へ高圧を提供することができるスクリュー圧縮機である。ある実施形態において、本システムは、空気タンクへさらに高い圧力を提供するために、第1のスクリュー圧縮機24と直列に連結される第2のスクリュー圧縮機を備える。ある実施形態において、本システムは、空気タンクへ空気を供給するために、遠心圧縮機等の軸流圧縮機24と、軸流圧縮機24と直列に連結されるスクリュー圧縮機とのコンビネーションを備える。これらの圧縮機のうちの1つ以上または全ては、例えば、軸流、遠心、スクリュー、ピストンまたは他の何らかのタイプの圧縮機であってもよい。一連の圧縮機は、並列または直列に連結される圧縮機タイプのうちの1つまたは複数のタイプのコンビネーションであってもよい。1つまたは複数の圧縮機は、好ましくは、空気タンクに対して2MPaを超える圧力を作り上げるように整えられる。ある実施形態において、1つまたは複数の圧縮機は、空気タンクに対して3MPa、3.5MPaまたは4MPaを超える圧力を作り上げるように整えられる。ある実施形態において、圧縮機24は、電気モータで駆動されてもよい。ある実施形態では、圧縮機間で空気を冷却するために、直列に連結される第1の圧縮機と第2の圧縮機との間に中間冷却器を設けることができる。ある実施形態では、圧縮機間で空気を冷却するために、直列に連結される幾つかの、または全ての圧縮機段の間に中間冷却器を設けることができる。よって中間冷却器は、燃焼サイクルの膨張段階間で、燃焼チャンバへ短い高圧蒸気パルスの形態で噴射され得る蒸気を発生させるために使用されることが可能である。ある実施形態において、直列に連結されるスクリュー圧縮機は、共通のシャフトを共用することができ、よって、連続する圧縮段は、共通のシャフトに沿って仕切られ、かつ各圧縮段間には、圧縮ガスから熱を抽出するための中間冷却器が設けられる。任意の圧縮段からの圧縮空気は、燃焼チャンバ10、空気チャンバ27、空気タンク32、またはシステムの他の何らかの部分へ流入するように方向づけられることが可能である。
燃焼チャンバ内の燃焼は、爆燃燃焼であり、爆轟燃焼ではない。爆轟燃焼は、圧力がシステムに、具体的には被制御バルブに損傷を与える可能性のあるレベルにまで上昇しやすいことから、望ましくない現象である。爆燃燃焼は、本発電システムのコンテキストでは望ましくない爆轟燃焼とは根本的に異なる。爆燃は、火炎前面が燃料−空気混合気を秒速約1メートルから秒速数百メートルまでの火炎速度で通過する亜音速燃焼プロセスであり、反応熱をゆっくりと放出する。爆轟は、未燃焼の燃料−空気混合気に対して秒速数千メートルで伝播する超音速燃焼波を生成する。爆轟波は、直後の反応域内で放出されるエネルギーにより駆動される衝撃波である。
記載するシステムは、ハンフリーサイクルのエンジンを略基礎とする。ブレイトンサイクルとの主たる相違点は、ブレイトンサイクルの定圧熱付加プロセスが定容熱付加プロセスに置き換わることにある。理想的なハンフリーサイクルは、流入ガスの可逆的かつ断熱的圧縮、定容熱付加、ガスの可逆的かつ断熱的膨張および定圧排熱、という4つのプロセスより成る。要するに、ハンフリーサイクルのエンジンは、1つまたは複数のステップにおいて、ガスの圧縮および膨張の大部分が燃焼チャンバの外側で生じるデバイスである。大部分は、好ましくは50%超であるが、実施形態によっては、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超または45%超であってもよい。
また、電動発電機システムは、燃焼プロセスを開始するために、圧縮機24、空気チャンバまたは空気タンク32から圧縮空気を、かつ燃料タンク30から燃料を受け入れるように配置される燃焼チャンバ10も備える。圧縮空気は、空気タンクから燃焼チャンバ10内へ、制御可能な多機能バルブによって放出される。圧縮空気は、燃焼チャンバへ入る前に、燃焼チャンバからの熱を圧縮空気へ伝達する熱回収ユニット40によって予熱される。最後の圧縮機の後では、再生器を用いて、燃焼チャンバへ、または燃焼チャンバを迂回するバイパスダクトへ、供給される前の圧縮空気を加熱することができる。再生器は、例えば排気ガスまたは燃焼チャンバからの廃熱を用いて、圧縮空気を加熱してもよい。圧縮空気は、他の手段で、例えば、システムが始動され、かつ燃焼チャンバが室温にあるときに、抵抗器によって電気的に予熱されてもよい。
ある実施形態において、1つまたは複数の空気チャンバ27は、各々、内部に容積を画定するシリンダと、シリンダ内部の容積を変えるための可動ピストンとを備え、容積は、シリンダおよびピストンによって画定される。シリンダは、空気のための入力および出力を備え、入力および出力は、好ましくは、1つまたは複数のバルブによって制御される。ピストンは、好ましくは、シリンダおよびピストンにより画定される空間への空気の流入を可能にするための、クラップバルブまたはフラップバルブ等のバルブを備える。シリンダは、好ましくは、シリンダ上に、またはシリンダ壁内に1つまたは複数の空気ダクトを備え、1つまたは複数の空気ダクトに各々冷気または熱気を通すことによってシリンダおよびその内容物を加熱または冷却する。この場合、熱気は、シリンダより高温であることを意味し、かつ冷気は、シリンダより低温であることを意味する。圧縮機からの、または直列に連結される圧縮機のいずれかの段からの圧縮空気は、1つまたは複数の空気チャンバへ流入するように配置されることが可能である。ある実施形態では、各圧縮段からの圧縮空気の流れが専用の空気チャンバへ流れ込むべく配置されるように、システムは、直列に連結される圧縮機の各段に1つの空気チャンバを備える。ある実施形態では、直列に連結される圧縮機の各段の後に空気チャンバへの圧縮空気の流れを整えることによって、単一の空気チャンバ内の空気圧を徐々に上げることができる。
空気チャンバは、空気チャンバを冷却し、空気チャンバを徐々に充填し、空気チャンバおよびその内容物を加熱し、かつ最後に、圧縮されかつ加熱された空気を空気チャンバから排気することを含むステップで動作されることが可能である。このプロセスは、所定のサイクル時間を有するサイクルで繰り返す。空気チャンバからの加熱空気は、好ましくは、熱交換器を介して燃焼チャンバへ排出される。熱交換器は、空気チャンバの一部であっても、空気チャンバと連結していてもよい。ある実施形態では、空気チャンバのシリンダの空気ダクトが熱交換器を形成する。
空気チャンバの動作における冷却ステップは、蒸気または周囲空気または他の何らかのガス等の流体の流れを、空気チャンバを介して、または空気チャンバの空気ダクトを介して整えることにより実現されることが可能である。冷却空気は、大気圧、すなわち約100kPaであってもよい。冷却ステップは、サイクル時間の例えば7.5%または6〜10%を要してもよく、例えば、120秒サイクルでは9秒、または、より短いサイクルでは9秒未満を要してもよい。
充填ステップでは、各空気チャンバが、専用の圧縮段からの空気で満たされ、あるいは、空気チャンバが1つである場合、これは、空気チャンバ内が所望される圧力に達するまで、1つまたは複数の圧縮機からの空気で徐々に満たされる。空気チャンバへの入力バルブが開かれると、圧縮空気は、空気チャンバへ流入するように整えられる。段階的充填は、好ましくは、直列に連結される圧縮機の複数段から圧縮空気の流れを整えることによって達成される。所望される圧力は、変わることがあるが、大気圧より高い。ある実施形態において、所望される圧力は、例えば、少なくとも1.5MPa、2MPa、3MPa、4MPaまたは他の何らかの圧力であってもよい。充填ステップは、サイクル時間の例えば1%未満、または0.5〜2%を要してもよく、例えば、120秒サイクルでは1秒、または、より短いサイクルでは1秒未満を要してもよい。
加熱ステップは、熱気の流れを、例えば熱交換器から空気チャンバの空気ダクトを介して整えることにより実現される。空気チャンバ、延ては空気チャンバ内の空気の加熱は、さらに、空気チャンバ内の空気の圧力を高める。加熱ステップは、サイクル時間の例えば40%または30〜60%を要してもよく、例えば、120秒サイクルでは50秒、または、より短いサイクルでは50秒未満を要してもよい。
排気ステップでは、空気チャンバの出力バルブが開かれ、圧縮されかつ加熱された空気が燃焼チャンバへ流入するように整えられる。好ましくは、加熱空気は、燃焼チャンバへ入る前に熱交換器25を通って流れる。圧縮されかつ加熱された空気の排出は、空気チャンバのピストンによって促進されてもよい。排気ステップは、サイクル時間の例えば50%または40〜60%を要してもよく、例えば、120秒サイクルでは60秒、または、より短いサイクルでは60秒未満を要してもよい。
燃料は、燃料タンクから放出または圧送されて燃焼チャンバへ噴射され、または、燃焼チャンバへの導入前に空気と混合される。燃料は、好ましくは、ディーゼルまたは液化天然ガス(LNG)である。ある実施形態において、燃料は、ガソリン、天然ガス、エタノール、バイオディーゼル、またはこれらの燃料のうちの2つ以上による混合物である。ある実施形態において、燃料は、ソーダ回収ユニットの副産物である水素と一酸化炭素との混合物を含む。ある実施形態では、燃料と共に、水または蒸気が燃焼チャンバへ噴射されてもよい。ある実施形態において、燃料は、炭塵または褐炭塵をそのまま、または天然ガス、ディーゼルまたは他の適切な燃料に混合されて含む。
燃焼チャンバ内へ噴射された燃料は、燃焼チャンバ内の高圧および高温によって着火し、または、専用の点火システムによって点火される。燃焼チャンバ内の高圧は、空気タンクから燃焼チャンバへ空気を放出することによって整えられる。予熱に加えて、燃焼チャンバの熱は、燃焼チャンバ内の放出された空気を加熱し、より高い圧力を作り上げる。着火は、専用のエネルギー源によって、またはシステムが始動されかつ燃焼チャンバがまだその運転温度に達していない時点で、連続的にトリガされてもよい。点火専用のエネルギー源は、例えば、イグニッションコイル、コンデンサ、予燃焼チャンバ、グロープラグ、プレグロー装置、ヒータ装置、プラズマ点火およびレーザ点火であってもよい。ある実施形態において、システムは、アンティチャンバまたは予燃焼チャンバを備える。燃料混合気は、燃焼プロセスを開始するために、予燃焼チャンバ内で点火されることが可能である。多燃料システムでは、燃焼チャンバへ、例えばメタンと空気との混合気を供給することができ、かつこれを、ディーゼルの直接噴射で着火させることができる。燃焼プロセスは、燃焼チャンバを加熱する、かつ燃焼チャンバへ導入される燃料および圧縮空気を加熱することにより燃焼プロセスを稼働させ続ける、熱を生成する。ある実施形態では、システム始動後の燃焼サイクル中に、イグニッションも使用される。ある実施形態では、熱回収ユニット40または他の熱抽出手段を用いて、燃焼チャンバまたは燃焼プロセスからの熱が水または蒸気へ伝達され、高圧蒸気が生成される。高圧蒸気は、燃焼プロセスの膨張段階の間で燃焼チャンバ内に噴射される。蒸気は、短い高圧パルスで噴射され、2つの膨張段階間のパルスの量は、例えば、1〜10、2〜8、3〜6、または4、5、7または8等の他の何らかの量であってもよい。
ある実施形態において、システムは、地域暖房システムに向けて熱を生成するための、熱交換器等の手段を備える。電動発電機システムが生成する熱エネルギーの一部は、システムから抽出されて、熱交換器により、地域暖房システムの加熱水へ移動されることが可能である。電気エネルギーと熱エネルギーとのこの組み合わされた生成により、システム全体の効率が上がる。
ある実施形態において、システムは、電動発電機システムの熱エネルギーを用いて吸収冷房システムを稼働させるための、熱交換器等の手段を備える。電動発電機システムが生成する熱エネルギーの一部は、システムから抽出されて、熱交換器により、気候が温暖な地域ではシステムの全体効率を上げ得る吸収冷房システムへ移動されることが可能である。
燃焼チャンバ10は、好ましくは、燃料および圧縮空気のための入力手段と、燃焼生成物、すなわち排気ガスのための出力とを有する中空容器である。これらの入力および出力は制御可能であって、燃料の着火前に燃焼チャンバ内に圧力を蓄積しかつ着火後に燃焼生成物を放出するために、燃焼サイクルの特定の段階で閉鎖されかつ開放されてもよい。入力および出力は、各々入口および出口として理解することができるが、本文を通じて入力および出力という用語を用いる。1つまたは複数のバルブは、燃焼チャンバとの間の流れを制御するために使用されることが可能である。多機能バルブ73、74は、好ましくは、出力バルブとして使用されるが、付加的な出力バルブも使用可能である。ある実施形態において、入力バルブのうちの1つ以上は、所謂ラジアルバルブであり、すなわち燃焼チャンバカバーを中心として半径方向に位置決めされる。入力バルブは、燃焼チャンバに対して傾斜した位置、すなわち燃焼チャンバ壁に対して非垂直位置に固定されることが可能である。ある実施形態において、燃焼プロセスを制御するために燃焼チャンバ10へ機能的に連結される1つまたは複数の入力バルブは、ガスの入力により燃焼チャンバに対して制御されたガスの渦巻が生じるように、燃焼チャンバ壁の法線に対して傾斜位置に固定される。傾斜されたバルブ位置により、傾斜したバルブを介してガスが噴射されると、燃焼チャンバ内にガスの渦巻が生じる。このタイプの渦巻は、傾斜したバルブによって制御することができるのに対して、垂直に位置合わせされたバルブにより生成されるランダムな渦巻の制御は、不可能ではないにしても極めて困難である。入力バルブは、適切な傾斜角度を選択することにより、および/またはバルブ開放のタイミングを計ることにより、渦巻を制御するために使用されることが可能である。燃焼チャンバにおける燃焼プロセスは、少なくともディーゼルサイクルに似たサイクルプロセスである。空気タンクからの予熱された圧縮空気は、燃焼チャンバへ導入され、かつ燃料は、空気−燃料混合気が着火する、または点火されるまで燃焼チャンバ内へ噴射される。空気−燃料混合気の燃焼は、その体積を膨張させ、よって、燃焼生成物および圧縮空気は、出力バルブが開放されると出力を通って放出される。燃焼サイクルの運転速度は、入力および出力バルブを制御することによって制御される。運転速度は、システムの特性により規定される所定の限度内で自由に選択されてもよい。運転速度を制限し得るこのような特性は、例えば、バルブの動作速度、空気タンク内の空気圧、燃料の種類、他であってもよい。しかしながら、運転速度は、可動ピストンまたは類似する可動質量の物理的限界によって制限されないことから、システム毎に最適性能に合わせて調整されてもよい。
燃焼チャンバは、好ましくは、燃焼チャンバの少なくとも一部において単純な形を有し、最も好ましくは、迅速で清浄かつ完全な燃焼プロセス、および燃焼チャンバ内を移動するように配置される多機能バルブの単純設計を可能にするための円筒形を有する。単純な形状は、より高い運転温度を可能にし、これにより、効率が高まり、かつ燃焼プロセス中に生成される有害な粒子およびガスの量が低減される。燃焼チャンバは、高温で機能するように整えられる。単純な形状に加えて、燃焼チャンバの材料も、性能または耐久性を著しく低下させることなく高温に耐えなければならない。燃焼チャンバの材料は、セラミック、金属、合金であっても、好ましくは、2つ以上の材料の組合せであってもよい。例えば、燃焼チャンバは、セラミックの内部コーティングを有する合金の覆いを含んでもよい。合金の覆いは、高圧および強い力に耐え、一方で、セラミックの内部コーティングは、高い表面温度に耐える。燃焼チャンバの構成は、好ましくは、摂氏400度の運転温度に耐えるように整えられる。ある実施形態において、燃焼チャンバは、摂氏500度、600度、700度または800度またはこれを超える運転温度に耐えるように整えられる。燃焼チャンバ自体は、可動部分を備えず、よって、高温に耐えるように燃焼チャンバを設計することは比較的簡単な作業である。最も高い熱的応力を受ける可動部分は、燃焼チャンバの入力における入力バルブ、および燃焼チャンバ内の多機能バルブである。入力バルブは、各入口サイクルの間に流入空気により冷却される際に、これほどの高温には曝されない。しかしながら、これらの温度で動作するように設計される入手が容易なバルブが存在することから、耐久性のある入力バルブシステムを設計しかつ実現することは比較的容易な作業であるはずである。多機能バルブの動作は、好ましくは、多機能バルブの燃焼に対する暴露が必要最小限となるように設計される。また、冷却システムも、多機能バルブに合わせて整えられることが可能である。
図7a〜図7dは、本発明の有利な一実施形態による燃焼チャンバ装置を示す。この燃焼チャンバ装置は、本明細書に記載するシステムの実施形態において使用可能である。いずれの実施形態においても、燃焼チャンバ、入力バルブおよび出力バルブという用語は、燃焼チャンバ装置を指す場合がある。燃焼チャンバ装置は、燃焼チャンバ70を備え、燃焼チャンバ70は、燃焼チャンバ70内へ例えば燃料、空気および/または蒸気を供給するための入力バルブ71と、燃焼生成物を燃焼チャンバ70から、例えばタービンへ放出するための出力72とを有する。さらに、燃焼チャンバ70は、多機能バルブ73、74を備える。多機能バルブ73、74は、好ましくは、バルブディスク73と、ステム74とを備え、かつこれは、好ましくは、バルブディスク73を様々な位置へ移動させるための線形駆動装置によって動作される。多機能バルブ73、74の線形駆動装置は、例えば、電気式、空気圧式、液圧式または機械式であってもよい。
燃焼チャンバ70は、中心軸X−Xと、軸方向の第1の端部分70Aと、軸方向の反対側の第2の端部分70Bと、第1の端部分70Aと第2の端部分70Bとの間の中間部分70Cとを有する、中空容器で形成されてもよい。中間部分70Cの軸方向の第1の端は、第1の端部分70Aに一致し、かつ中間部分70Cの反対側の第2の端は、第2の端部分70Bに一致する。空気および/または燃料および/または蒸気は、燃焼チャンバ70の軸方向の第1の端部分70Aへ供給されてもよい。燃焼チャンバ70の出力72は、燃焼チャンバ70の軸方向の第2の端部分70B内に位置合わせされてもよい。ステム74は、バルブディスク73へ付着され、かつ燃焼チャンバ70の軸方向の第2の端部分70Bから突き出す。多機能バルブ73、74は、燃焼チャンバ70内で軸方向に移動可能である。バルブディスク73は、その軸方向の各側面で、燃焼チャンバ70の内部を2つのチャンバ部分に分割する。第1のチャンバ部分は、バルブディスク73と燃焼チャンバ70の軸方向の第1の端部分70Aとの間に形成される。第2のチャンバ部分は、バルブディスク73と燃焼チャンバ70の軸方向の第2の端部分70Bとの間に形成される。第1のチャンバ部分は、容量可変燃焼チャンバを形成してもよい。第1のチャンバ部分は、バルブディスク73が燃焼チャンバ70の軸方向の第2の端部分70Bへ向かって移動すると、出力72へと開く。出力72は、バルブディスク73が燃焼チャンバ70の軸方向の第2の端部分70Bにおける退縮位置にある場合には、全開状態である。入力バルブ71は、燃料および/または空気および/または蒸気を、燃焼チャンバ70へと軸方向X−Xに方向づけてもよい。出力72は、燃焼生成物を燃焼チャンバ70から半径方向へ、すなわち軸方向X−Xに対して垂直方向へ放出する。出力72は、燃焼チャンバ70の第2の端部分の半径方向の外面に位置合わせされる。バルブディスク73の外周は、燃焼チャンバ70の内周から僅かに離れている。したがって、バルブディスク73の外周と燃焼チャンバ70の内周との間に、金属間接触は、存在しない。ステム74は、中空であってもよく、かつバルブディスク73は、例えば蒸気である媒体用の半径方向通路を装備していてもよい。したがって、媒体は、ステム74を介してバルブディスク73の外周へ供給されてもよい。したがって、媒体は、バルブディスク73と燃焼チャンバ70との間のシールとして機能してもよい。バルブディスク74の、第1のチャンバ部分に面する表面は、中実であってもよい。好適には、燃焼チャンバ70におけるバルブディスク73は、1つしか存在しない。
燃焼チャンバ装置を、その動作を明確にするために3つのゾーンに分割する。燃焼ゾーン81は、図7bに示す最上ゾーンである。入力バルブ71は、燃焼ゾーン81への入力を可能にする。図7cは、燃焼ゾーン81と、図7dに示す排気ゾーン83との間の膨張ゾーン82を示す。出力72は、排気ゾーン83から配置される。多機能バルブは、ゾーンを分割しかつ結合するように配置される。多機能バルブの最上位置において、膨張ゾーン82および排気ゾーン83は、バルブディスク73により燃焼ゾーン81から分割される。多機能バルブの中間位置では、排気ゾーン83が、燃焼ゾーン81と膨張ゾーン82との組合せから分割される。多機能バルブの最低位置では、燃焼ゾーン81、膨張ゾーン82および排気ゾーン83が燃焼チャンバ70内で連続する空間を形成する。したがって、多機能バルブは、バルブディスク73と、バルブディスク73に取り付けられるステム74とを備え、バルブディスク73は、燃焼チャンバ70内にゾーン81、82、83を、またはゾーンの組合せを画定すべく燃焼チャンバ70内で移動可能であるように配置される。
図7aの入力段階において、入力バルブ71は、燃焼チャンバ70内に例えば燃料、空気および/または蒸気を供給するために開いている。多機能バルブは、中間位置に示されていて、燃焼ゾーン81および膨張ゾーン82が燃焼チャンバ内で1つの空間を形成している。したがって、入力は、燃焼ゾーンおよび膨張ゾーンの双方を満たす。入力段階が完了すると、空間は、加圧された燃料、空気および/または蒸気で満たされる。入力バルブ71が閉鎖されると、多機能バルブを図7bに示すその最上位置へ移動させることにより、さらなる圧力上昇を達成することができ、よって、バルブは、ピストンとして作用して、入力された燃料混合気を燃焼ゾーンへと圧縮する。言い替えれば、多機能バルブは、燃料および空気が供給されて入力バルブ71が閉鎖されると、燃焼チャンバ70の画定された部分の容積を縮小することにより、燃料−空気混合気、空気またはガス等の燃焼チャンバの入力された内容物を圧縮するように配置される。
ある実施形態では、入力段階の間、多機能バルブは、最上位置にあり、よって、多機能バルブにより追加の圧縮を達成することはできない。
ある実施形態において、燃焼チャンバ装置は、燃料を燃焼させるための燃焼チャンバ70と、空気を供給するための入力を制御するように配置される入力バルブ71と、燃焼チャンバへ燃料を供給するように入力を制御するための手段と、燃焼生成物を燃焼チャンバ70から放出するための出力72とを備える。燃焼チャンバ装置は、さらに、燃焼チャンバ70の一部分を燃焼ゾーン81に画定し、燃料−空気混合気の着火に先行して、燃焼ゾーン81から出力72への流体の流れを妨げ、かつ着火後は、画定を排除して、燃焼ゾーン81から出力72への流体の流れを許容するように配置される多機能バルブを備える。したがって、本発明の一態様は、入力と出力との間に、ハンフリーサイクルのエンジンにおける着火時の燃焼チャンバを画定する可動エレメントを設けることである。ある実施形態において、可動エレメント、例えば多機能バルブは、クランクシャフトを回転させるように配置される連結ロッドへ例えば旋回可能に連結されることも可能である。これにより、燃焼プロセスのエネルギーの一部は、クランクシャフトの機械的エネルギーに変換され、これは、次に、例えば電動発電機を駆動して機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するために使用されることが可能である。可動エレメントは、細長いステム、ステムの延長部、または可動エレメントと線形的に動くように支持される連結ロッドとの間の延長ロッドを用いて線形的に動くように配置される。
制御される燃料の入力は、例えば、燃料直噴システムまたは入力バルブによって実現されることが可能である。また、燃料の入力は、燃料−空気混合気を入力として供給することにより空気の入力を制御する入力バルブと同じ入力バルブで制御されることも可能である。
入力段階の後、燃料−空気混合気は、着火し、または点火され、かつ燃料混合気の燃焼は、その温度および圧力を上昇させ、これにより、燃料混合気が急激に膨張する。この燃焼段階の間、多機能バルブは、中間位置への後退が許容され、燃焼生成物は、燃焼が開始された燃焼ゾーン81に加えて膨張ゾーン82も占有できるようになる。多機能バルブが電気的線形駆動装置で駆動される場合、膨張段階の間に、電気的線形駆動装置を発電機として用いることにより、燃料混合気の膨張のエネルギーの一部を電気エネルギーに変換することができる。したがって、多機能バルブの電気的線形駆動装置は、バルブディスク73およびステム74が外力により、すなわちバルブディスク73上の圧力差により動かされると、発電するように配置される。同様に、多機能バルブの空気圧式、液圧式および機械的線形駆動装置の場合、多機能バルブにより行われる作業は、空気圧、液圧および機械仕事に変換されることが可能である。クランクシャフトへの連結ロッドと連結される多機能バルブを有する記載の実施形態は、クランクシャフトの運動が回転であるものの、多機能バルブの機械的線形駆動装置の一例である。線形駆動装置およびタービンで変換されるエネルギー間の割合は、調整が可能であって、好ましくは、システムの最大全体効率に合わせて最適化される。
図7cは、多機能バルブが中間位置まで後退した後の状況を示す。バルブディスク73に対する熱的応力を低減するために、多機能バルブは、中間位置からその最下位置まで迅速に移動されることが可能であって、これにより、高圧の燃焼生成物は、排気ゾーン83まで膨張しかつ出力72を介して燃焼チャンバからタービンへと出ることができる。燃焼チャンバ内では、多機能バルブによる中間位置および最下位置間の移動中に生じる可能性のある、多機能バルブの半径方向振動を低減または排除するために、1つまたは複数の支持体を使用することができる。ある実施形態では、線形駆動装置により捕捉されるエネルギーを最大にするために、排気ゾーン83の容積が最小化される。燃焼チャンバからの燃焼生成物の排出は、入力バルブ71を開放し、かつ蒸気または空気を高圧で供給することによって促進されることが可能であり、これにより、燃焼チャンバおよび多機能バルブも冷却され、かつタービンへ提供されるエネルギーも追加される。
燃焼チャンバ70は、好ましくは、燃焼チャンバの内壁とバルブディスクとの間の過剰な漏れを防止するために、膨張ゾーン82内の、すなわち多機能バルブの最上位置と中間位置との間における、多機能バルブのバルブディスク73より僅かに大きい内径を有する。これは、入力段階の間、燃焼ゾーンおよび膨張ゾーン内の圧力を増加させることにおいて有利である。また、これは、燃焼段階および膨張段階の間に、多機能バルブの電気駆動装置により電気へ変換できるエネルギーの量を最大にするためにも有利である。しかしながら、多機能バルブをその最下位置へ動かす場合には、燃焼チャンバが膨張ゾーン82よりも排気ゾーン83においてより大きい直径を有することが有益であり得る。これは、出力72を介する排気を促進し、かつ多機能バルブのバルブディスク73に対する熱的応力を低減することもできる。多機能バルブの最下位置において、バルブディスク73は、好ましくは、バルブディスクが燃焼生成物の排気流からほんの僅かな量の熱エネルギーしか受け入れないように、リセス内に収容される。
膨張ゾーン82内で、すなわち多機能バルブの最上位置と中間位置との間において、多機能バルブのバルブディスク73と燃焼チャンバ70の内壁との間に形成される間隙の密封は、様々な配置によって実現可能である。ある実施形態では、密封が使用されず、よって、間隙を介する僅かな圧力漏れが許容される。バルブディスク73を通る漏れは、いずれも、最終的に出力72を介してタービンへ流れ込む。したがって、場合によっては、僅かな漏れは、許容され得る。ある実施形態では、リングガスケット、例えば金属リングガスケット、を用いて間隙が密封される。ある好ましい実施形態において、空気、液体水および/または蒸気は、バルブディスク73へのダクトを介して供給され、空気、液体水および/または蒸気の流れがバルブディスク73内の1つまたは複数の出力を介して間隙へ供給される。ダクトは、好ましくは、空気または水、すなわち液体水および/または蒸気、のバルブディスク73への流れ、およびバルブディスク73から間隙への流れを可能にするために、多機能バルブのステム74内に配置される。空気、液体水および/または蒸気の流れは、完全な密封を提供するものではないが、多機能バルブおよび燃焼チャンバを冷却するという追加的な利点を有する。さらに、液体水および/または蒸気は、間隙を潤滑し、よってバルブディスクと燃焼チャンバの内壁との直接的接触を防止する手助けをし、これにより、これらの機械的摩耗が低減される。多機能バルブの最下位置では、空気、液体水および/または蒸気の流れを冷却目的で継続することもでき、かつ、バルブディスクをその最下位置で収容するリセス内に配置される入力およびダクトを用いて、再循環用の流れを捕捉することもできる。ある実施形態において、バルブディスク73は、流体を冷却するための入力および出力と、入力と出力との間を延びるバルブディスク内の1つまたは複数のダクトとを備える。バルブディスクを介する冷却流体の循環は、多機能バルブの最下位置において各入力段階の前にバルブディスクを冷却するために整えられる。
燃焼チャンババルブを備えるシステムは、好ましくは、多機能バルブの線形駆動装置を制御して多機能バルブの位置を変えるために、複数の圧力センサ、温度センサおよび/または質量流量センサを備える。多機能バルブの線形駆動装置の制御は、吸込み側の質量空気流量センサ、圧力センサおよび/または温度センサ、燃料質量流量センサ、タービンの前またはタービンの後の、燃焼チャンバ内の圧力センサおよび/または温度センサ、熱回収ユニット内の温度センサおよび/または質量流量センサ、入力される水および/または蒸気の質量流量センサ、温度センサまたは圧力センサ、およびラムダセンサの測定データを基礎とすることが可能である。制御は、センサのうちの1つまたは複数のセンサの測定値を基礎とすることが可能である。
燃焼チャンバの出力は、燃焼生成物および圧縮空気から成る流れを燃焼チャンバからタービン22内へ導く。燃焼チャンバの高圧に起因して、流れは、出力が開放されると高速で放出される。燃焼生成物の放出は、出力および空気入力を同時に所定の時間期間に渡って開けておくことにより強化されてもよい。タービン22は、流れがタービンを介して流れると回転するロータを備える。ロータの回転は、伝動装置20を駆動し、伝動装置20は、先に述べたように動力シャフト51および圧縮機24を駆動する。流れは、タービンの後に排気管90へ案内され、排気ガス98がシステムから放出される。動力シャフト51は、システムの出力を提供し、よってこれは、例えば、機械仕事を電気エネルギーに変換するために、車両のドライブトレイン、または電動発電機へ連結されることが可能である。
燃焼チャンバ10、70は、好ましくは、タービン22の外側における別個のユニットである。燃焼チャンバ10から放出される燃焼生成物は、燃焼チャンバ10、70とタービン22とを連結するパイプ、チューブまたは他の何らかのチャネルによってタービン22へと案内される。ある実施形態において、システムは、複数の燃焼チャンバを備える。この場合、各燃焼チャンバは、その燃焼チャンバをタービン22へ連結するパイプ、チューブまたは他の何らかのチャネルを有する。好ましくは、複数の燃焼チャンバは、その燃焼生成物を順次放出するように、すなわち全て同時には放出しないように配置され、タービン22への燃焼生成物のより安定した流れが提供される。ある実施形態において、タービン22へのより安定した流れは、燃焼プロセスの膨張段階の間に燃焼チャンバ内に噴射される短い高圧蒸気パルスによって達成される。ある実施形態では、タービンに対して高いエネルギーピークを生成するために、2つ以上の燃焼チャンバが各燃焼生成物を同時に放出するように配置される。
ある実施形態において、動力シャフト51により駆動される発電機は、発電機により生成される電気エネルギーを蓄えるための1つまたは複数のキャパシタ、スーパーキャパシタまたはバッテリを備える蓄電システムに給電する。このタイプのシステムは、車両用途において、車両の電気モータのための電気エネルギーを生成して蓄積するために使用されることが可能である。同じく車両用途において、システムは、追加の空気タンクを備えることができ、または、それを2つの目的のためのハイブリッド空気タンクとして用いる車両の空気タンクへ連結されてもよい。追加の空気タンクは、電動発電機システムの圧縮機からの、または車両の圧縮機からの圧縮空気で満たされてもよい。車両の制動からのエネルギーは、車両の圧縮機によって圧縮空気に変換され、かつ追加の空気タンクに貯蔵されることが可能である。車両は、排気ブレーキを備えることもあり、これもやはり、追加の空気タンクの圧力を高めるために追加の空気タンクへ連結されることが可能である。追加の空気タンクの圧縮空気は、電動発電機システムの圧縮機へ供給されることが可能であり、空気の圧力は、ここで最終的な所望されるレベルまで上昇される。
次に、図2を参照すると、ある実施形態において、発電機システムは、動力シャフトにより駆動される発電機26と、蒸気循環システムとをさらに備える。発電機を有する発電機システムを、電動発電機システムと呼ぶ。蒸気循環システムは、蒸気タンク34と、熱回収ユニット40と、熱交換器42と、コンデンサ50と、水タンク36とを備える。ある実施形態において、蒸気循環システムは、さらに、第2のタービンを備える。水および蒸気は、蒸気循環システム内を循環し、システムにおいて、水タンク36に水が蓄積され、かつ蒸気タンク34に蒸気が蓄積される。ある実施形態において、蒸気タンクおよび水タンクは、単一のタンクであって、水は、タンクの底に蓄積され、かつ蒸気は、タンク上部に蓄積される。蒸気の流れは、システム内の圧力差に基づくが、必要であれば、ポンプまたは類似装置によって補助される場合もある。流れは、制御されて作動され得る幾つかのバルブによって制御される。
蒸気は、蒸気タンク34から熱回収ユニット40へ流れるように整えられる。熱回収ユニット40は、燃焼チャンバ10、70と熱的連結状態にあり、よって、燃焼チャンバは、熱回収ユニットを加熱し、ユニットにおいて、熱は、熱回収ユニットを介して流れる蒸気へと運ばれる。熱回収ユニットは、燃焼チャンバへの熱的連結を有する別個のユニットであっても、燃焼チャンバの固定的な一部分であってもよい。ある実施形態において、熱回収ユニットは、燃焼チャンバ内部の配管、または燃焼チャンバ表面のチュービングをならしてもよい。燃焼チャンバからの熱が、熱回収ユニットを流れる蒸気へ伝わると、蒸気は急激に加熱して膨張する。蒸気の流れは、次に、タービン22へ導かれ、タービン22において、蒸気流は、燃焼チャンバ10、70からタービン22内へ放出される燃焼生成物および圧縮空気と同時にタービン22のロータを回転させる。
ある実施形態において、蒸気は、ヒートポンプを用いて生成されることが可能である。ヒートポンプは、必要とされる温度差が小さい場合に効果的であることが知られている。したがって、ヒートポンプは、沸点における、または沸点に近い水に熱エネルギーを追加するための優れた代替手段である。例えば、沸点近くまで、または沸点まで予熱された水から蒸気を生成する場合、空気−水ヒートポンプまたは水−水ヒートポンプを用いることができる。蒸気の生成は、ヒートポンプに加えて、既に述べたものを含む他のエネルギー源によって補助されることが可能である。ある実施形態では、排気流の蒸気が水に凝縮され、かつ凝縮により放出される熱がヒートポンプの熱源として使用される。凝縮が起こる温度は、排気ガスおよび蒸気の圧力に依存する。温度は、大気圧下で摂氏100度であるが、より高い圧力においては、例えば、摂氏200度、300度、400度または500度であることもある。ヒートポンプは熱を用いて水を蒸発させ、システムに新鮮蒸気を供給する。ある実施形態では、システムの1つまたは複数の中間冷却器により提供される熱が、ヒートポンプの熱源として使用される。
ある実施形態において、熱回収ユニット40は、断熱材料で置き換えられ、かつ燃焼チャンバ10、70への時間依存蒸気噴射は、燃焼チャンバの安定した運転温度を保持する。時間依存蒸気噴射は、好ましくは、燃焼プロセスの膨張段階間に燃焼チャンバ内へ噴射される短い高圧蒸気パルスである。噴射される高圧蒸気パルスは、その短パルスタイプの長さに起因して、低減された量の蒸気しか必要としない。噴射の後、蒸気は、燃焼チャンバを出てタービン22へ入る。
ある実施形態において、システムは、システム内の蒸気の量および/または温度を増すための追加のバーナを備える。バーナは、好ましくは、他のシステム部分と同じ種類の燃料を用いる。燃料は、バーナで燃焼されて熱を発生し、この熱が次に蒸気を加熱し、かつ/または、燃料の燃焼によって水が加熱され、蒸気が生成される。追加のバーナは、十分な量の蒸気を生成するに足る「廃熱」を生成しないシステムにおいて使用可能である。システムは、他の外部熱源を使用するようにも適合化され、よって熱は、そのまま、または圧縮空気または蒸気に変換されて、外部源からシステムへ入力されることが可能である。外部源は、システムの燃焼チャンバと同じ燃料または異なる燃料を用いることができる。使用可能な外部源からの熱エネルギーの例は、例えば、重機プロセスの廃熱、車両のエンジンまたは制動系の廃熱、地熱エネルギー、他であり得る。システムが過剰な熱を生成する実施形態では、システムにより生成される熱の一部を、外部プロセスにおいて、例えばランキンプロセスまたはスターリングプロセスにおいて、機械仕事に変換することができる。追加のバーナの使用は、所望される量の蒸気を所望される温度および圧力で達成できることを保証する。
ある実施形態において、蒸気は、燃焼生成物と同じタービン22へと方向づけられない。この実施形態では、システムは、蒸気流専用の第2のタービンを備え、一方で、(第1の)タービン22は、燃焼生成物および圧縮空気の流れ専用である。燃焼生成物および圧縮空気の流れは、さらにタービン22の後、蒸気流が第2のタービンに入る前にこれを加熱するために、追加の熱交換器を介して流れるように整えられてもよい。第2のタービンの構成は、既知の複合サイクル発電プラントと同様であってもよい。
タービンから、蒸気、圧縮空気および燃焼生成物の流れは、熱交換器42を介してコンデンサ50へ流れ、ここで、蒸気は、水に凝縮され、かつ圧縮空気および燃焼生成物は、排気管90を介してシステム外へ案内される。第2のタービンの実施形態では、燃焼生成物および圧縮空気の流れは、熱交換器42を介して直に排気管へ流れるように整えられ、かつ蒸気流は、熱交換器42およびコンデンサ50を介して水タンク36へ流れるように整えられる。
排気流から水を凝縮させると、システムに不純物が蓄積される場合があり、望ましくない。ある実施形態では、コンデンサに、比較的清浄な水をシステムに凝縮できる新鮮な大気を供給することによって、これを解決する。
蒸気から、かつ/または大気から凝縮された水は、水タンク36へ流入するか、水タンク36内へ圧送される。コンデンサ50と水タンク36との間には、再度サイクルに入る前の水を浄化するために、イオン交換体52が配置されてもよい。水タンク36は、水を蓄積し、水は、次に、熱交換器42へ案内されるか、圧送される。熱交換器は、蒸気、圧縮空気および燃焼生成物の流れからの熱を、熱交換器を通って流れる水に伝達する。熱交換器の熱は、水を蒸発させて蒸気にし、蒸気は、次に、再び蒸気タンク34へ流入するように案内される。蒸気タンク34から、高圧蒸気は、短い高圧パルスを生成する短いバーストで燃焼チャンバへ放出されることが可能である。
図3は、燃焼チャンバ10、70からの燃焼生成物の流れと、熱回収ユニット40から、または熱交換器42からの蒸気とを結合するための、例えば噴射器または放射器12である縮小−拡大ノズルを有するポンプをさらに備えること以外は、図2のシステムに類似する電動発電機システムを示していて、放射器12は、タービンのロータを回転させるために、蒸気および燃焼生成物をタービン22内へ案内する。縮小−拡大ノズルを有するポンプは、本明細書本文において放射器と呼ぶが、ある実施形態において、ポンプは、例えば噴射器、蒸気噴射器または蒸気放射器でもある可能性がある。放射器12は、タービンと燃焼チャンバ、およびその熱回収ユニットとの間にある。燃焼生成物および圧縮空気は放射器内に放出され、ここで、熱回収ユニットからの蒸気は、燃焼チャンバからの熱物質により過熱される。蒸気の過熱は、蒸気の急速な膨張を引き起こす。放射器12は、過熱蒸気、燃焼生成物および圧縮空気の流れをタービン22内へ案内し、流れは、ここでタービンのロータを回転させる。ある実施形態では、短い高圧蒸気パルスが放射器12内へ噴射され、蒸気は、ここからタービンへ流れ、ロータまたはタービンを回転させる。ある実施形態では、燃焼チャンバ10とタービン22との間の放射器12において、アフターバーナを使用することができる。しかしながら、タービンの入力ガスは、好ましくは低温であるべきであり、かつアフターバーナは、排気ガスの温度を上げることから、排気ガスの温度は、監視されかつ制御されなければならない。ある実施形態では、アフターバーナは、連続的でなく、断続的に使用される。
ある実施形態において、システムは、燃焼チャンバ10、70からの燃焼生成物の放出を調整するために、放射器12および燃焼チャンバ10、70の出力に関連する調整可能なノズルおよびバルブも備える。ノズルは、変更され得る所定の設計および形状を有する。ノズルは、熱回収ユニット40からタービン22へ流れる蒸気のバイパス流における放射器内部にある。ノズルの形は、出力内のバルブが開いている際の、燃焼チャンバからの燃焼生成物の放出に大きく影響する。ノズルの形を変えることにより、燃焼生成物の放出は、蒸気のバイパス流によって増加され得る。
ある実施形態において、燃焼生成物、すなわち排気ガス、の一部は、タービン22の低い温度/圧力領域へ、または、排気ガスが燃焼チャンバからの排気であれば低圧タービンへ案内される。この実施形態では、吸込み側の圧力が、低い温度/圧力領域における圧力より高いことから、1つまたは複数の放射器14aまたは14bを省くことができる。
図4は、2つの燃焼チャンバ10aおよび10bと、放射器12とを有する燃焼システムの一実施形態の詳細を示す。燃焼チャンバおよび放射器の数は、この例に限定されない。この実施形態に関しては、例を示しかつシステムのケイパビリティを表すために、2つの燃焼チャンバおよび1つの放射器を選んだ。ある実施形態では、電気燃焼システムは、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の燃焼チャンバと、ゼロ、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の放射器とを有する。ある実施形態では、放射器が必須ではなく、システムは、1つの放射器もなしに動作することができる。
各燃焼チャンバ10a、10bは、入力バルブの有無に関わらず制御可能な1つまたは複数の入力101、102と、出力バルブにより開放または制御可能な1つまたは複数の出力111、112とを備える。ガスは、圧力が高い領域から低い領域へ流れる傾向があることから、入力および出力は、入力および出力の圧力を制御することにより、バルブなしで制御されてもよい。ある実施形態では、入力および出力の少なくとも幾つかは、バルブではなくガスの振動または揺動によって制御される。管路内のガスの移動は、その管路およびガスに固有の1つまたは複数の振動数、所謂固有振動数で振動する傾向がある。パルス作用は、周期的燃焼によって生成され、流れシステムの固有振動数によって強化される。固有の振動周波数は、周期的燃焼プロセスを固有ガス振動の振動数に一致するように制御することにより、これらが互いに増幅し合うように活用されることが可能である。ある実施形態において、燃焼サイクルは、システム内を流れる圧縮空気の固有振動周波数と整合される。ある実施形態において、バルブの作動は、パルスタービンの所望される周期的動作と調和するように最適化される。ある実施形態において、燃焼サイクル、システム内を流れる圧縮空気の固有振動周波数、およびシステム内を流れる蒸気の固有振動周波数は、これらが互いに増幅し合うように、全て同じ位相に整合される。蒸気および圧縮空気の流れの固有振動周波数は、管路設計と整合されることが可能である。ある実施形態では、燃焼サイクルは、システム内を流れる圧縮空気の固有振動周波数と整合され、かつシステム内を流れる蒸気の固有振動周波数と整合されるが、蒸気および圧縮空気の固有振動数は、互いに整合されない。好ましくは、流れシステムは、流れ損失が最小となるように最適化される。
ある実施形態において、システムは、燃焼チャンバへの高圧の圧縮空気を生成するために直列に連結される圧縮機を備える。ある典型的な方法では、圧縮空気が第1の圧縮機から第2の圧縮機へ、かつ第2の圧縮機から第3の圧縮機へ、等々と供給される。圧縮空気の圧力は、圧縮機段毎に蓄積し、最後に、一連の圧縮機のうちの最後の圧縮機からの圧縮空気が燃焼チャンバへ、または空気チャンバへ放出される。圧縮空気の量(質量)は、各圧縮段で同じであることから、これは、エネルギー消費である。圧縮段は、単一の圧縮機である可能性もあれば、並列連結の、すなわち各々が共通の入力および出力を有する幾つかの圧縮機である可能性もある。ある実施形態において、直列に連結されるスクリュー圧縮機は、共通のシャフトを共用することができ、よって、連続する圧縮段は、共通のシャフトに沿って仕切られ、かつ各圧縮段間には、圧縮ガスから熱を抽出するための中間冷却器が設けられる。任意の圧縮段からの圧縮空気は、燃焼チャンバ10、70、空気チャンバ、空気タンク32またはシステムの他の何らかの部分へ流入するように方向づけられることが可能である。ある実施形態において、圧縮空気の質量の一部は、燃焼チャンバに放出され、かつ圧縮空気の質量の残りの部分は、一連の圧縮機における後続の圧縮機に放出される。燃焼チャンバ内の圧力は、圧縮空気が圧縮段間で燃焼チャンバに放出されるにつれて徐々に上がる。熱は、圧縮段間で、1つまたは複数の中間冷却器を用いることにより、圧縮空気から抽出されることが可能である。同様に、圧縮されるべき空気の量も、圧縮段間で空気の一部が燃焼チャンバに放出されるにつれて、以後の圧縮段で減少する。複数の圧力タンクは、大気圧から最後の圧縮機からの最高圧力までの様々な圧力の圧縮空気を貯蔵するために使用されることが可能である。さらなる利点は、段階的な空気供給により、他の入力を、所望される圧力の間に燃焼チャンバへ供給できることにある。例えば、燃焼チャンバは、最初に圧縮空気の第1の放出を受け入れ、次に燃料入力を、次に圧縮空気の第2の放出を、次に蒸気入力を、そして最後に圧縮空気の第3の放出を所望される最終圧力まで受け入れることも可能である。入力の順序およびタイミングは、システム変数に基づいて最適化されることが可能である。
ある実施形態において、燃焼チャンバは、2つの交互的サイクルで動作するように整えられる。第1のサイクルは、本明細書に記載の通りに燃料が燃焼チャンバへ供給される燃焼サイクルのうちのいずれか、すなわちトッピングサイクルであってもよい。第2のサイクルは、燃焼チャンバが、周囲空気、蒸気または他の何らかのガス等の流体の流れを燃焼チャンバを介して整えることにより冷却される冷却サイクル、すなわちボトミングサイクルである。燃焼チャンバを冷却することにより、燃焼チャンバからの熱エネルギーが燃焼チャンバを介して流れる流体に伝達され、よって、燃焼チャンバの温度が下がる。双方のサイクルに要する時間は、同じであってもよい。ある実施形態では、第1のサイクルが第2のサイクルより長く、または、第1のサイクルが第2のサイクルより短い。
図6は、所望される効果を達成するために、燃焼チャンバが利用可能な種々のエネルギー源で動作するように整えられる実施形態を示す。所望される典型的な効果には、燃料経済性および温度制御および電力制御が含まれる。例えば、タービンは、タービンを保護するために入力ガスの温度限界を有するが、典型的には、燃焼温度が高いほど、燃料経済性が高くなる。燃焼チャンバが高温トッピングサイクルでのみ動作する場合、タービンの入力温度は、システムの効率を制限する。例えば廃熱または外部源からの膨大な量の圧縮空気または蒸気の供給は、タービンへの平均入力ガス温度を低下させるためにトッピングサイクル後のボトミングサイクルにおいてこの利用可能空気または蒸気を使用することができる場合、トッピングサイクルにおけるより高い燃焼温度および圧力の使用を可能にする。図6において、実線は、トッピングサイクルにおける、燃料の燃焼により達成された圧力を示し、点線は、ボトミングサイクルにおける、圧縮空気または蒸気の燃焼チャンバへの入力により達成された圧力を示す。サイクルtc1およびtc5は、燃料が燃焼されるトッピングサイクルであり、tc2、tc3、tc4およびtc6は、燃料が燃焼されないボトミングサイクルである。tc1では、燃料の燃焼が、燃料着火後の圧縮ガスまたは蒸気の短時間噴射によって補われる。これにより、トッピングサイクルにおいてより高い温度を使用することができるようになり、よって効率が高まり、かつ燃料経済性が向上する。外部源が、蒸気へと変換される多量の熱を発生すれば、システムは、蒸気によって延長された時間期間に渡り、その期間中になんら燃料を用いることなく稼働することができる。好ましくは、異なる源からの利用可能エネルギーは、センサにより常に監視され、トッピングサイクルかボトミングサイクルかの決定は、好ましくは、例えば、利用可能なエネルギー源および要求される電力に基づいてその都度行われる。トッピングサイクルおよびボトミングサイクルは、同時に、互いに対する位相差によって、交互順に、またはパターンに従って、使用されることが可能である。これは、技術上周知の制御ハードウェアおよびソフトウェアにより、これらの規則および条件に従うように制御システムをプログラミングすることによって達成が可能である。
ある実施形態において、各燃焼チャンバは、主排気バルブ111により制御される出力を備える。ある実施形態において、各燃焼チャンバは、2つの出力を備え、一方の出力は、主排気バルブ111により制御され、もう一方の出力は、補助排気バルブ112により制御される。ある実施形態では、各燃焼チャンバは、バルブにより制御されない開放出力を備える。ある実施形態では、各燃焼チャンバは、燃料用入力101を備える。ある実施形態では、各燃焼チャンバは、燃料および加圧空気用の入力101、102を備える。ある実施形態では、各燃焼チャンバは、燃料、加圧空気および蒸気用の入力を備える。ある実施形態では、各燃焼チャンバは、燃料、加圧空気、蒸気および水のうちの1つ以上のための入力を備える。蒸気は、少なくとも部分的に、システムの燃焼プロセスの廃熱を用いて生成されてもよい。ある実施形態において、蒸気は、燃焼プロセスの膨張段階間で燃焼チャンバ内へ噴射される、短い高圧蒸気パルスの形態で噴射される。この実施形態では、燃焼チャンバの圧力および温度条件が蒸気パルスの噴射によって制御されることから、排気バルブは、省かれてもよい。ある実施形態では、蒸気は、燃焼チャンバ内へ、かつ/または放射器12へ、かつタービン22へ噴射される。双方の燃焼チャンバの出力が閉鎖されると、蒸気は、直に放射器12へ噴射されることが可能である。ある実施形態では、熱交換器の後にORCタービンまたはスターリングエンジンを用いて、摂氏約200度の温度範囲の排気ガスおよび蒸気を冷却することができる。
図4のシステムにおける燃焼サイクルは、以下のステップを有する可能性もある。まず、加圧空気が空気入力102を介して燃焼チャンバ10a、10bへ供給され、かつ燃料が燃料入力101を介して燃焼チャンバ10a、10bへ供給される。ある実施形態では、燃料、特に気体燃料は、燃焼チャンバへ供給される前に圧縮されることが可能である。例えば一酸化炭素または水素のような燃料は、大気圧より高い圧力で燃焼チャンバへ供給されてもよい。燃焼チャンバ内の圧力は、残留熱に起因して、かつおそらくは多機能バルブによって蓄積され、最終的に、燃焼チャンバ内の燃料が、例えば2〜3MPaの圧力で着火して、燃焼生成物およびより多くの圧力を産生する。多機能バルブは、その最下位置へ移動され、よって燃焼生成物および圧力は、燃焼チャンバ10aと放射器12との間の主排気バルブ111を開放することにより、放射器12へ放出される。ある実施形態では、主排気バルブが省かれ、よって、多機能バルブがその最下位置へ移動されると、燃焼生成物は、放射器12まで自由に移動する。ある実施形態では、圧力波過給機が主排気バルブに取って代わる。好ましくは、各燃焼チャンバにおける燃焼サイクルは、燃焼チャンバからの排気流がより安定しかつさほどパルス状でないように、他の燃焼チャンバとの位相差によって実行される。燃焼生成物は、燃焼チャンバから放射器12へ流れ、かつ放射器から出力113を介してタービン22へ流れる。同時に、液体水および/または水蒸気、すなわち蒸気は、入力および/または多機能バルブを介して燃焼チャンバ10aへ噴射されることが可能であり、よって、燃焼チャンバからの燃焼生成物の換気が改善される。好ましくは、蒸気は、燃焼チャンバ内へ、高い蒸気圧、例えば数MPa〜10MPaの範囲の短いパルスで噴射される。また、蒸気の噴射は、図5から分かるように、圧力を、上昇されたレベルで延長された時間期間に渡って保つことにも役立つ。また、水および/または水蒸気の噴射は、燃焼チャンバの温度を低下させ、かつ温度の制御を容易にする。燃焼チャンバは、燃焼チャンバの排気側に、燃焼チャンバカバー内に形成される、水および/または蒸気循環用ダクトを有してもよい。燃焼チャンバのダクトのうちの1つ以上は、多機能バルブのダクトへ連結されてもよい。水および/または蒸気は、ダクトへ噴射されることが可能であり、これらの水および/または蒸気は、次いで、ダクトの小さい開口から浸み出る。燃焼チャンバの排気側から、噴射されて浸み出ている水および/または蒸気へ熱が伝達され、燃焼チャンバが冷却される。ある実施形態では、主排気バルブ上で同様のダクトおよび冷却システムが使用される。噴射は、主排気バルブ111の温度を下げ、これにより、主排気バルブ111の寿命を延ばすことができる。燃焼チャンバ内および放射器内の圧力が、例えば4〜5MPaまで下がると、主排気バルブ111は、閉鎖される。バルブのうちの1つ以上は、例えば、制御ユニットを介して電子制御されてもよい。ある実施形態では、蒸気パルスが燃焼チャンバ内へ噴射される場合、主排気バルブ111を省くことができ、よって主排気出力が専ら多機能バルブによって制御される。
主排気バルブを含む実施形態では、主排気バルブ111の閉鎖後、バルブ103を介して放射器に液体水および/または水蒸気、すなわち蒸気を噴霧することができ、これにより、放射器12内の圧力が例えば6.5MPaまで上がる。放射器12内の所定の圧力、例えば6.5MPaで、第2の燃焼チャンバ10bの主排気バルブ111が開いて燃焼生成物を放射器12へ放出し、かつそこからタービン22へ放出する。同時に、第1の燃焼チャンバ10aの二次排気バルブ112は開いたままであって、残留燃焼生成物を第1の燃焼チャンバ10aから換気する。換気は、加圧空気または蒸気を入力101、102を介して燃焼チャンバへ導入することにより、強化されることが可能である。二次排気バルブ112は、残留燃焼生成物を、1つまたは複数の第2の放射器14a、14bを介してタービン22へ導いてもよい。ある実施形態では、蒸気は、燃焼チャンバ内へ、かつ/または放射器12へ、かつタービン22へ噴射される。双方の燃焼チャンバの出力が閉鎖されると、蒸気は、直に放射器12へ噴射されることが可能である。ある実施形態では、単一の第2の放射器は、2つの燃焼チャンバによって使用可能であるように、複数の入力を備えることができる。第1の燃焼チャンバ10aが換気されて、圧力が十分低いレベルに、例えば2、1、0.5または0.2MPaにまで低下すると、二次排気バルブ112が閉鎖されて、燃焼サイクルの次のサイクルを始めることができる。
ある実施形態において、第2の放射器14a、14bは、入力114を介して原動蒸気または原動ガスを受け入れるように配置される。原動ガスは、好ましくは、例えば6、8または10MPaの圧力で加圧された水蒸気である。原動ガスは、第2の放射器14a、14bを介して方向づけられ、バルブ104を介して放射器12へ排出される。原動ガスは、第2の放射器を通過すると、燃焼チャンバを第2の放射器へ連結する出力バルブ112が開いていれば、燃焼チャンバ10a、10bからの残留燃焼生成物を引き寄せる吸込み効果を生む。バルブ104は、好ましくは制御バルブである。バルブ104のスループットおよび/または開方向は、調整可能である。ある実施形態において、システム内で生成される全ての余剰蒸気は、バルブ104および/または第2の放射器14a、14bを介してタービンへ供給されることが可能である。
ある実施形態において、中間蒸気タップを用いるタービン22からの逆流は、第3の放射器に導入されることが可能である。タービンからの逆流または中間蒸気は、第3の放射器に導入される蒸気または燃焼生成物または蒸気と燃焼生成物との混合物を含んでもよい。第3の放射器における中間蒸気の圧力は、バルブを使用しかつ水蒸気等のガスを第3の放射器に導入することによって、十分なレベルまで上昇される。蒸気および燃焼生成物は、ガスの体積を増加させ、かつガスの温度を下げる。ガスの混合気は、第3の放射器から放射器12へ、例えば第2の放射器14a、14bおよびバルブ104を介して、またはシステムの他の何らかの入力バルブへ導入される。ある実施形態では、中間蒸気タップを用いる出力は、熱交換器の直後に導入されることも可能である。
ある実施形態において、タービンは、例えば商用航空機のターボファンエンジンに取って代わる、航空用途におけるバイパスファンを回転させるように配置される。ある実施形態において、システムは、燃焼チャンバに連結されかつバルブで制御される酸素タンクを備える。燃焼チャンバは、酸素の量が燃焼には不十分である高層大気において酸素タンクからの酸素を使えるように、燃料タンクからのロケット燃料と、下層大気からの大気とを用いるロケットエンジンの燃焼チャンバとして使用可能である。
図5は、ある実施形態による、システム内圧力の時間依存性を示す。燃焼サイクルは、システム内で圧力をかなり広範囲に変化させることから、タービン22は、システムが時間依存的に制御されない限り、最適入力を受けない。好ましくは、全ての入力101、102、103、104は、タービンへの出力113を最適圧力に保つように時間依存的に制御される。燃料および空気以外に時間依存入力がないタービンへの出力は、図5における曲線200のようになる。燃焼サイクルの開始時に、圧力は、急激に蓄積されて、主排気バルブ111が開く直前、または主排気バルブがない場合には多機能バルブがその最下位置に移動される直前にピークに達し、燃焼生成物がタービンを介して流れるにつれて急速に下がる。ここで、主排気バルブ111または多機能バルブが開いた直後に、燃焼チャンバへ液体水および/または水蒸気が噴射されると、燃焼チャンバの残留熱によって液体水は蒸発しかつ蒸気は加熱することから、圧力はさほど急激には低下しなく、よって噴射が主排気バルブ111または多機能バルブの開放による衝撃を軽減する。同様に、主排気バルブ111または多機能バルブが閉鎖されると、バルブ103を介して放射器に液体水および/または水蒸気、すなわち蒸気を噴霧することができ、これにより、放射器12内の圧力が上昇し、よってタービンへの出力圧力が高まる。液体水、蒸気および空気の量は、タービンへの出力の過度な低下を防止するために、時間依存的に制御される。タービンへの出力を上昇された比較的一定のレベルに保つことは、システムの効率に大きく影響する。タービンは、ほとんどの時間、比較的一定の出力により最適な動作範囲内で駆動され得るが、まばらで短いバーストを最大限に活用することはできない。
タービンへの出力は、水、蒸気および空気の噴射によって上昇レベルで保全されることが可能である。この上昇レベルは、図5の破線201で示されている。しかしながら、主排気バルブが省かれていれば、または常時開状態であれば、このような高い圧力を保全するためには、多くの蒸気および空気を必要とする。蒸気の噴射が超短かつ高圧パルスの形態であれば、主排気バルブを省くことができ、よってシステムは単純化され、信頼性が高まる。曲線202は、噴射が短い蒸気パルスの形態である場合の、燃焼サイクル中の圧力レベルを表す。短い蒸気パルスは、平均圧力を、主排気バルブを必要としない十分に高いレベルに保全することができる。短い蒸気パルスは、燃焼によって生じる圧力パルスより高いピーク圧力を有し得る。例えば、2つの燃焼チャンバが存在する実施形態において、短い蒸気パルスは、燃料が着火し、かつ燃焼生成物が第1の燃焼チャンバから放出された後に、システムへ(例えば、第1の燃焼チャンバへ)供給されることが可能である。蒸気パルスの供給は、第2の燃焼チャンバの排気バルブが閉鎖されている間に継続されることが可能である。その間、第2の燃焼チャンバからあらゆる残留蒸気および燃焼生成物がフラッシュされる。第2の燃焼チャンバは、圧縮空気の流入によってフラッシュされ、圧縮空気は、例えば二次排気バルブ112を介して流れ、二次排気バルブ112は、次に、空気および残留物を例えば低圧タービンへ運ぶ。フラッシングの後、第2の燃焼チャンバは、圧縮空気で満たされ、燃料が第2の燃焼チャンバへ噴射され、混合気が着火し、または点火される。燃料が点火されて、第2の燃焼チャンバから燃焼生成物が放出されると、第1の燃焼チャンバの排気バルブまたは多機能バルブが閉鎖される間に短い蒸気パルスをシステムへ(例えば第2の燃焼チャンバへ)供給することができ、第1の燃焼チャンバが、先の第2の燃焼チャンバと同様にフラッシュされ、充填されかつ点火され、以下同様である。これにより、プロセスを通じてタービンを効率的に使用するに足る高い圧力が可能にされる。
ある実施形態において、放射器12内の圧力は、常時、例えば、2、3、4または5MPa超に保たれる。ある実施形態において、噴射される水、蒸気および空気の量、およびこれらを噴射する時点は、システムの測定量に基づいて決定される。このような測定量は、例えば、温度、圧力、湿度、ガス組成、バルブの状態または他の何らかのプロセス量であってもよい。量は、例えば、センサによって測定されてもよい。ある実施形態において、噴射される水、蒸気および空気の量、およびこれらを噴射する時点は、燃焼サイクルの段階に基づいて決定される。水、蒸気の時間依存性噴射は、タービン22へ導入されるガスの温度を制御することによって、タービン22の信頼性も高める。水および蒸気の噴射は、タービンへ導入されるガスの平均温度を下げ、よって、燃焼チャンバにおけるより高い圧力(延ては、より高い温度)の使用を可能にする。
ある実施形態において、発電機システムは、ターボチャージャ付き燃焼機関と共に使用される。発電機システムは、燃焼機関のターボチャージャへ補助エネルギーを供給することができるが、これは、3つの点で有益であり得る。第1に、ターボチャージャの圧力比を、燃焼機関の運転速度(rpm)および/または負荷に関係なく制御することができる。これは、燃焼機関の排出量および汚染物質の制御において有益であり、かつ燃焼機関の負荷応答も改善する。また、パルス・タービン・システムに属する圧縮機も、空気入力の供給に使用することができる。第2に、システムは、発電機システムのターボチャージャまたはタービンのシャフトから機械力の出力を提供してもよく、これにより、システムに供給される追加エネルギーの量に依存する追加の電力が供給される。第3に、発電機システムは、燃焼機関の排気流の少なくとも一部をエネルギー源として用いることができる。また、燃焼チャンバへの空気入力は、燃焼機関の空気供給システム自体によって、またはルーツ送風機等の追加の空気供給ポンプで補充された空気供給システムによって整えられてもよい。また、発電機システムの圧縮機が空気入力の供給に使用されてもよい。
当業者には、技術が進歩するにつれて、本発明の概念を様々な方法で実施できることが明らかであろう。本発明およびその実施形態は、上述の例に限定されず、特許請求の範囲内で変わり得る。

Claims (14)

  1. 燃料を燃焼させるための燃焼チャンバ(70)と、空気を供給するための入力を制御するように配置される入力バルブ(71)と、前記燃焼チャンバ(70)へ燃料を供給するように入力を制御するための手段と、燃焼生成物を前記燃焼チャンバ(70)から放出するための出力(72)とを備え、前記燃焼チャンバ(70)は、中心軸(X−X)と、軸方向の第1の端部分(70A)と、軸方向の反対側の第2の端部分(70B)とを有する中空容器で形成される、燃焼チャンバ装置において、
    前記空気および前記燃料は、前記燃焼チャンバ(70)の前記軸方向の第1の端部分(70A)へ供給され、
    前記出力(72)は、前記燃焼チャンバ(70)の前記軸方向の第2の端部分(70B)に位置合わせされ、
    前記装置は、さらに、前記燃焼チャンバ(70)内で軸方向に移動可能である多機能バルブ(73、74)を備え、前記多機能バルブ(73、74)は、バルブディスク(73)と、前記バルブディスク(73)上へ取り付けられかつ前記燃焼チャンバ(70)の前記軸方向の第2の端部分(70B)から突き出すステム(74)とを備え、これにより、前記バルブディスク(73)は、前記燃焼チャンバ(70)の内部を前記バルブディスク(73)の軸方向の各側面において2つのチャンバ部分に分割し、第1のチャンバ部分は、前記バルブディスク(73)と前記燃焼チャンバ(70)の前記軸方向の第1の端部分(70A)との間に形成されて、前記バルブディスク(73)が前記燃焼チャンバ(70)の前記軸方向の第2の端部分(70B)へ向かって移動すると、前記出力(72)内へ開く容量可変燃焼チャンバを形成することを特徴とする、燃焼チャンバ装置。
  2. 前記多機能バルブ(73、74)は、前記多機能バルブ(73、74)の前記ステム(74)に作用する電気的線形駆動装置で動作されることを特徴とする、請求項1に記載の燃焼チャンバ装置。
  3. 前記電気的線形駆動装置は、前記燃焼チャンバ(70)の前記第1の部分において、着火した空気および燃料の混合気の膨張によって前記バルブディスク(73)および前記ステム(74)が動かされると発電するための発電機として使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の燃焼チャンバ装置。
  4. 前記多機能バルブ(73、74)は、前記バルブディスク(73)内に少なくとも1つのダクトを備え、かつ前記ダクトを通る水の流れによって冷却されるように配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼チャンバ装置。
  5. 前記多機能バルブ(73、74)は、前記バルブディスク(73)内に出力を有する少なくとも1つのダクトを備え、前記多機能バルブ(73、74)は、前記ダクトを介して水を供給しかつ前記出力から水を噴霧するように配置されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃焼チャンバ装置。
  6. 前記多機能バルブ(73、74)は、燃料および空気が前記第1のチャンバ部分へ供給されていて、前記入力バルブ(71)が閉鎖されると前記燃焼チャンバ(70)の前記第1のチャンバ部分の容積を減らすことにより、前記燃焼チャンバ(70)の前記入力内容物を圧縮するように配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃焼チャンバ装置。
  7. 1つまたは複数の圧縮機(24)と連結されるタービン(22)であって、前記タービン(22)へ供給されるエネルギーを回転可能な動力シャフトの機械エネルギーに変換しかつ1つまたは複数の圧縮機(24)によって空気を圧縮するためのタービン(22)と、
    燃料タンク(30)からの燃料および圧縮空気を受け入れて燃焼プロセスを開始し、かつ前記タービン(22)へ燃焼生成物を出力して前記タービンのロータを回転させ、これにより前記動力シャフトを回転させるように配置される燃焼チャンバ(10、70)と、
    前記燃焼チャンバ(10、70)へ機能的に連結される、圧縮段階と膨張段階とを含むサイクルプロセスである燃焼プロセスを制御するための入力バルブと、
    前記圧縮空気を前記燃焼チャンバ(10)へ供給するための1つまたは複数の制御可能な入力バルブと、
    前記1つまたは複数の入力バルブを制御するための制御ユニットと
    を有する発電システムにおいて、
    前記システムは、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃焼チャンバ装置を備えることを特徴とする、発電システム。
  8. 前記システムは、空気チャンバ(27)内の空気を加熱するための手段を有する空気チャンバ(27)をさらに備え、前記空気チャンバ(27)は、前記1つまたは複数の圧縮機(24)から圧縮空気を受け入れ、前記圧縮空気を加熱し、かつ加熱された前記圧縮空気を前記燃焼チャンバ(10)へ排出するように配置されることを特徴とする、請求項7に記載の発電システム。
  9. 前記空気チャンバ(27)は、前記空気チャンバ(27)を流体で冷却するための手段をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の発電システム。
  10. 前記空気チャンバ(27)は、前記空気チャンバ(27)内部の前記空気を加熱または冷却するために、前記空気チャンバ(27)内に、周囲空気または加熱空気を流すための1つまたは複数の空気ダクトをさらに備えることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の発電システム。
  11. 前記タービン(22)から排出される前記燃焼生成物と熱的に相互作用する、前記排出される燃焼生成物からの熱を蒸気に変換するための熱交換器(42)と、
    前記蒸気を前記タービン(22)へ供給するための1つまたは複数の入力バルブ(102、103、104、114)と、
    前記1つまたは複数の入力バルブ(102、103、104)を制御して、前記タービン(22)への時間依存蒸気噴射を発生させるための制御ユニットと
    をさらに備えることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の発電システム。
  12. 蒸気を蓄積するための蒸気タンク(34)と、
    前記蒸気を水に凝縮させるためのコンデンサ(50)と、
    前記水を蓄積するための水タンク(36)と、
    前記水を、前記水タンク(36)から、前記水を前記蒸気タンク(34)へ流れ込むように整えられる蒸気に気化させるための前記熱交換器(42)へ圧送するための手段と
    をさらに備えることを特徴とする、請求項11に記載の発電システム。
  13. 前記燃焼チャンバ(10)は、サイクル式に動作するように配置されることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項に記載の発電システム。
  14. 前記燃焼チャンバ(10)は、2つの交互するサイクルで動作するように配置され、第1のサイクルは、燃料が前記燃焼チャンバ(10)へ供給される燃焼サイクルであり、かつ第2のサイクルは、前記燃焼チャンバ(10)を冷却するために、流体が前記燃焼チャンバ(10)を通って流れるように整えられる冷却サイクルであることを特徴とする、請求項7〜13のいずれか1項に記載の発電システム。
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