JP2019502305A - 人工衛星通信サブシステムの軌道内検証システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
a.アップリンク信号と称される刺激が、地上から送信され、人工衛星通信ペイロードによって受信され、
b.アップリンク信号は人工衛星通信ペイロードによって修正され、ダウンリンク信号として地球に向けて返送され、
c.ダウンリンク信号(ペイロード応答)は地上テスト設備によって受信され、通信ペイロード性能の判断及び評価のために解析される。
従来のペイロードIOT解析では、刺激及び応答の両方の正確な知識が必要であり、校正されたRFアップリンク信号及びダウンリンク信号を多様な地理的位置において同期及び同時測定する洗練されたシステムを必要とする。このような解析は、天候、RF電装パス損失及び干渉、校正されていない地上測定システムコンポーネントのように応答や測定精度に影響を及ぼす背景因子の影響を除去することが難しいことから、より複雑になる。
a.アップリンク信号を削除する。テスト設備の一方側全体を除去することによって大幅に簡略化するとともに、アップリンク及びダウンリンク測定を同期する必要性を排除する。
b.DUTの入力を隔離することでアップリンクの不確定性を除去することで背景因子の半分を削減する。DUTの入力を隔離することで、ノイズスペクトラムを生成するために使用される非常に特徴的な熱的プロファイルや、DUT周波数応答、出力パワー及びノイズ指数の測定を可能とするパワーレベルが得られる。
c.後述する“太陽校正(Sun calibration)”技術を通じて、ダウンリンクパスの完全なキャリブレーションを提供する。
d.信号測定のダイナミックレンジがノイズの負荷特性を用いて拡張することを許容する。
a.アップリンク刺激を置換する:上述したように、全てのテストには刺激が必要になる。刺激の特性は、本願明細書で述べられるように、効果的且つ定量化可能なノイズペデスタルを生成するようにDUTが動作可能でなければならないという点で、DUTと「適合」しなければならない。従来のペイロードIOTでは、アップリンク信号は、ペイロードから所望の応答を引き出すために選択された固有の周波数、振幅、偏波及び変調値を有する。ペイロードIOVは全く異なっており、常に存在し、ノイズパワー式N=kTB(Nはパワー密度、kはボルツマン定数、Tはケルビン温度、Bはヘルツ単位の帯域幅である)によって良好に規定される熱ノイズを用いる。人工衛星における通信ペイロードは、典型的には、温度制御環境にある。そのため、人工衛星における入力負荷は実質的に同温度に留まり、安定なノイズ信号を生じる。ペイロード温度でテレメトリデータを得ることができるので、必要に応じてペイロードの温度を調整するか、又は、打ち上げ前と軌道内との温度の差を補償するために計算を行うことができる。ノイズはエネルギ源として明確に定義されているため、IOVはテスト用の刺激としてノイズを使用し、アップリンク信号の必要性を排除する。IOVは、ペイロード入力で生成されたノイズを使用する。言い換えると、内部的にノイズが生成される。これにより、ペイロードの入力をブロックして外部の影響を排除し、ペイロードの入力セクションに起因する熱ノイズのみに刺激を分離する更なるテスト改善が可能になる。内部ノイズを刺激として使用すると、地上のテスト施設から衛星上のペイロードの入力までのソース位置が効果的にもたらされ、信号の不安定性、干渉及びアップリンク信号測定の不確実性を引き起こす外的要因の問題が排除される。
b.セルフパフォーマンステスト:様々な設定(例えば、ゲインや動作モード)でペイロードの応答を測定することで、ペイロードのテストを更に強化できる。ペイロードの内部設定を調整することによって、調整可能な外部アップリンク信号を必要とせずに、異なる動作点での性能を得ることができる。テレメトリシグネチャー(すなわちペイロードハードウェアのオンボード測定量)とともにトランスポンダ応答を同時に測定することにより、システムが予め定義されたコマンドシーケンスを使用してその動作範囲内でステップされるので、ペイロードの完全な評価が可能になる。試験測定の例には、ノイズ指数、周波数応答、利得ステップ、ALC制御ループ性能、アンテナ送信クロスポール性能、送信アンテナパターン、増幅器送信EIRP及び増幅器テレメトリデータvsEIRPが含まれる。
c.自己診断能力:従来のペイロードIOTにおける性能評価は、アップリンク信号とダウンリンク信号との間の変換を決定するための分析を必要とする。アップリンクは本質的に各テストに固有であるため、各評価も固有となり、様々なテスト間の比較には、ある程度の不確実性がある。対照的に、一定の内部ノイズのIOVの使用は、ばらつきが大幅に減少し、高いレベルの再現性が得られる。IOV方法論では、自己生成入力ノイズ信号は、ほとんどの通常動作で一定である。結果として、ダウンリンク信号は、テストからテストまで同じでなければならず、自動化された後処理技術を使用して、2つのテストの間で測定された信号のステップと形状を直接比較する簡略化された性能評価が可能となる。テスト間の不一致は、ペイロードのパフォーマンスの変化を示す。相対的な信号ステップの評価は、従来の絶対値測定と比較して、はるかに高い再現性を提供する。
d.太陽校正−RF地上局設備:従来のペイロードIOTでは、地上局のアンテナシステムは、DUTをテストする前に校正しなければならない。そのサイズ及び複雑さのために、アンテナシステムの全ての部分が完全に校正されるわけではない。例えば、大型アンテナの性能は、全周波数帯域にわたって外部ブロードバンド信号源が利用できないために、フィールド内の選択された周波数でしか校正できないことが多い。また、これらの影響を完全に除去するための直接的な機能がないため、大気影響はペイロードIOTテスト中に完全には考慮されない。本願明細書で述べられる太陽校正技術は、これら2つの問題に対処するために使用される。太陽は、プランクの法則に示されるように、RF周波数スペクトルにわたって明確で安定したエネルギーレベルを持つ、非常に安定したRFエネルギ源である。同様に、太陽は人工衛星のRF信号によって経験するのと同じ大気効果を経験し、天気の影響や他の大気の損失を除去する正確な方法を可能にする(つまり、太陽と地上局との間の損失は、人工衛星と地上局との間のものと同じである)。太陽をテストソースとして使用することで、関心のある帯域全体で太陽の周波数スペクトルを測定することで、あらゆるRFテスト施設の性能を十分に特性評価し、校正することが可能となる。宇宙空間から、大気圏及び地球局を通ってRF測定装置までの経路を十分に特徴付けるこの能力は、これまでフィールドで達成できなかった測定精度を提供する。この高いレベルの精度は、再現性が高く、性能評価のため容易に比較可能な試験測定を可能にする。
e.太陽校正−パワー:太陽校正の第2態様は、パワー測定のためのグローバル基準として機能する能力である。従来のペイロードIOTでは、地球ベースの各テストセットは、認定された「標準」アンテナに対するパワー測定のために独立的に校正されている。この校正では、テストセットと標準との両方がリモートソースを測定する必要があり、それらの測定値は較正係数によって等しくなる。従来のペイロードIOTアプローチの精度は以下によって制限される。
i.ソースが相対的に小さなターゲット(典型的には静止軌道内の既存の通信衛星)であるので、両方がソースにどの程度整列しているか。
ii.感度の違い。標準は、典型的には、テストセットよりも数桁小さい。この大きな差は、感度を説明するために大きな校正値を生成する。標準の測定値の小さな誤差は、校正値のために拡大され、誤差の不確実性が増加する。
iii.テスト周波数の制限。人工衛星は、典型的には、利用可能性又はペイロード設計のために、限られた周波数でテストを行う。結果として、校正はスペクトル全体にわたって連続的でなかったり、所望のテスト周波数にないこともある。
i.太陽は衛星よりもはるかに大きなターゲットであり、その位置はよくわかっているので、正確に見つけて正確に指摘するのが簡単である。
ii.校正された標準が必要でない。太陽のエネルギは、以前にテストされた人工衛星ペイロードのような既存のソースの既知の性能と直接的に同等である。
iii.地球設備は全て同じ大きさなので、テストセット間のキャリブレーション時の誤差倍率が大幅に少なくなる。
iv.太陽は、プランクの法則に従って、十分に定義されたエネルギ分布で全スペクトルにわたってRF信号を生成する。スペクトル上の任意の単一点を校正することによって、スペクトル全体の校正を決定できる。
ステップ905 − 太陽、基準キャリア及びテストキャリアの特定の帯域幅にわたってトレース電力を捕捉し、ノイズ電力を積算する。
ステップ910 − Δ1=基準キャリア/太陽デルタ=2−1を計算し、Δ2=テストキャリア/太陽デルタ=3−1を計算する。
ステップ915 − テストキャリアEIRP=基準キャリアEIRP−Δ1+Δ2
IOVは、従来のペイロードIOTと比べて、多くの利点を提供する。以下に強調して示すように、これらの利点は、衛星通信中継器のライフ軌道内での性能が仕様を満たしていること、及び、関連する全てのハードウェアが打ち上げのストレスから生存していることを確認するプロセスを変えることに役立つ。
・簡素化された地上設備のハードウェア及びソフトウェア要件:地上で必要とされるのは、信号アナライザを有する受信専用アンテナだけである。ペイロードIOTに対応していない施設は、一般的にはコスト節減の観点から検討することができる。
・各リモートサイトで使用されるテストベンチ設定の複雑さが軽減され、ハードウェア及びソフトウェアのトラブルシューティングが軽減され、合理化される。
・RFアップリンク送信がないため、レシーバ入力を負荷に切り替えてテストを実行することから、アップリンク周波数の調整が不要になる。これにより、過剰なオーバードライブのようなRFアップリンク信号の不適切な適用によるペイロードの損傷のリスクもなくなる。
・ダウンリンク周波数調整の必要性の低減 − ノイズ信号キャリア密度は、飽和CW信号よりも調整が容易である。調整の制約が少なくなれば、ブラックアウト期間が短くなる。
・RF標準を使用した施設校正の要件はない。太陽リファレンスは、全てのリモート施設の正確な相対校正のための安定したRFソースを提供する。
・各トランスポンダの構成手順を実行するのに必要な時間内に大気の変動が安定したままであれば、どのような天候でもテストを実行できる。特定のトランスポンダでシーケンスを実行するのに必要な時間は、様々なトランスポンダのゲインモード及び状態を経て移行するために利用される特定のコマンドセットに依存する。この期間は、衛星特有の通信中継器ハードウェアの能力にも依存するが、通常は60〜120秒の範囲内に収まる。
・中継器入力を無効にした状態でテストを行うと、打ち上げ前と軌道内の両方のフェーズテストで、安定で高度な再現性がある(自己診断)設定が可能となる。これにより、結果の処理、分析、提示も簡素化される。
・ペイロードIOTと比較して、各トランスポンダブロックのテストに最低で80〜90%の時間短縮が必要となる。アンテナマッピングのために、同時に複数のビームをテストする能力があり、その結果、時間と燃料の両方を節約できる。簡略化されたテストスイートとテスト時間の短縮は、最終的なステーション上の経度に向かってドリフトしながらテストするオプションも提供する。これを利用すると、衛星試験を行うために指定された経度で衛星を再配置又は停止する必要がないため、大幅な燃料節減になる。
・自動化は、1)トランスポンダコマンドシーケンス、2)地上設備測定の初期化、データキャプチャ及び結果転送、3)結果処理、解析、ウェブベースの表示など、IVの全ての面で利用できる。従来のペイロードIOTメソッドを使用して100%の自動化を実現することは不可能である。強化された自動化は、マンパワー及びスケジュールの大幅な削減に直接つながる。
・簡略化されたリモートシステムのトラブルシューティング:信号アナライザのような同様のRFテスト装置を使用する全てのリモート施設は、基本的なトレースキャプチャモードに設定される。
・ウェブベース結果のプレゼンテーションでは、ペイロードチームがIOV全体のホーム施設に留まることができるオプションが提供される。
Telstar12Vプログラムでは、従来の中継器ペイロードIOTを効果的且つ効率的に実行する可能性に影響を与えるいくつかの駆動要因があった。例えば:
1.複数の周波数帯にまたがる地域及びスポットビーム能力と、15degWのインサービス経度、又は、近傍でのテストが必要な場合(推進剤の使用及びスケジュールを最小限に抑えるため)、周波数調整は試験時間を制限してスケジュールを延長する重要な役割を果たしていた。
2.従来のペイロードIOTシステムを第三者のRF施設に展開/インターフェースする要件と、非ループバックモード(個別のTx/Rxサイト)でテストを実施する必要があるため、システムの管理、操作、トラブルシューティングが複雑になっていた。
これらの制約は、以前の衛星ペイロードIOTキャンペーンと一致する短期間(すなわち、典型的には数週間)にペイロードIOTを良好に完了する可能性に影響を与えていた。
1.最小のRFテスト装置を必要とする「パッシブ」試験であり、信号アナライザのみが必要である。
2.ステーションの要件を含む測定プロセス、機器のセットアップ、及び、テストソフトウェアの複雑さを単純化する。
3.測定時間(秒vs分)を大幅に短縮する。
4.アクティブCW(すなわちペイロードIOT)テストと比較した場合、低減された周波数調整要件を提供する。
1)テスト施設の校正と応答:アンテナ給電とIFL(施設間リンク)を含む受信設備の周波数応答が考慮されない限り、記録されたノイズペデスタル内に勾配とリップルを導入することによって測定結果に影響を与える。
2)RF干渉:ミュートされていないアップリンク又は隣接衛星からの望んでいない信号は、測定が実行されるのを妨害したり、妨げたりすることがある。
3)システムノイズ効果:ノイズの付加特性の結果として、受信システムノイズフロアは、低レベル(ノイズフロアに近づく)でペデスタルの形状を歪ませる。
1.レシーバスイッチ入力 − 通常のスループット構成におけるトランスポンダを伴っており、この構成によりアンテナ受信温度の測定が可能となる。
2.ミュートON/OFF − 最初の同期及びノイズフロアの参照のために1回実行される。
3.レシーバスイッチ出力 − レシーバノイズ指数を測定し、テスト結果を破壊する可能性のある外部ノイズ信号からテストチャネルを分離するために実行される。
4.ミュートオン/オフ − 2回目の同期のために実行される。
5.FGステップLOWからHIGH − アンプの固定ゲイン(FG)を選択して、全範囲でステップを増やす。チャネルゲインが増加すると、相対的なステップサイズは、コンポーネントが適切に動作しているかどうかを示す。
6.ALCステップLOWからHIGH − アンプは自動レベルコントロール(ALC)モードに切り替えられ、レベルが全範囲に亘って選択されたステップで増加する。このテストはテスト5に似ているが、異なる回路を検証する。
7.CAMP(Channel Amplifier)スイッチOUT/IN − ALCダイナミックレンジを測定するために実行される。
8.ミュートCAMP − 終了シーケンス
また、このシーケンス内に埋め込まれているのは、RFノイズペデスタルデータを捕捉するために使用される信号アナライザの設定を制御するために、リモートステーショントレースサーバとインターフェースするコマンドである。これらの追加コマンドを考慮すると、チャネルごとにIOV測定シーケンスを完了するまでに約2分かかった。もちろん、異なるシステム及び構成は、異なるコマンドシーケンス及びタイミングを必要としてもよい。
・トランスポンダ周波数応答
・EIRPを含むTWTA伝達曲線
・TWTA固定ゲイン及びALCゲインステップ
・TWTAテレメトリ校正
・ALC制御ループの性能
・レシーバノイズ指数
・送信アンテナの交差偏波特性
従来のIOT方法及びシステムを使用すると、上記測定は、RFデータの手作業によるレビュー及び分析に追加の時間を要して完了するまでに約20分かかるであろう。T12VのIOVでは、低パワーCWアップリンクを使用してオンボードレシーバの変換周波数測定を完了した。より低パワーCWレベルは、隣接する衛星との潜在的干渉を確実に防止する。
この測定のためのデータは、ノイズペデスタルトレースキャプチャのいずれかから直接得ることができる。T12Vでは、ALC最大ゲイン状態で得られたノイズペデスタルトレースキャプチャを利用した。図17は、T12V打ち上げ前テスト中に得られたチャネル周波数応答の例示的なプロットであり、周波数応答マスク、ノイズペデスタル応答及び地上テストからの掃引(従来の)応答のトレースを含む。IOVの軌道内フェーズの完了に続いて、打ち上げ前と軌道内のフェーズノイズペデスタルの結果を重ね合わせて周波数応答マスクと比較することにより、軌道内測定周波数応答が打ち上げ前の測定からずれていないことを確認する。
TWTA伝達曲線は、コマンドの固定ゲインとALCステップシーケンスとの複合応答から得られたノイズペデスタル平均トレース値から生成された。図5及び図13の両方の上のトレースに描かれているように、更に具体的には図18でハイライト(破線領域)されているように、固定ゲイン及びALCモードステッピングをカバーする領域内では、TWTAの入力へのノイズ信号駆動が線形領域を経てTWTA出力がフラットになる飽和領域に至るまで増加する。厳密に同じシーケンスが打ち上げ前及び軌道中に実行されるので、各ステップ変化時のテレメトリ(Ih及びIb)値とともにRFステップ変化量を利用して、TWTA伝達特性が打ち上げ後に変化していないことを評価することができる。両方のIOVフェーズの間に測定されたRFステップ変化の大きさは、ステップごとに0.5dBで一致しなければならない。TWTA EIRPは、図9に示すような太陽校正技術を用いて計算した。
チャネル増幅器アッテネータの動作は、予め定められたゲイン状態が固定ゲインモードとALC動作モードの両方に対して指令されたときに、性能と機能の両方の観点から検証された。IOV後処理分析を使用して、全範囲及び個々のステップの観点からのすべての指令されたステップのRF振幅の変化が、軌道内性能(例えば、0.5dB)発射前からかなりの逸脱はなかった。図19の上部には、IOVシーケンス内の各ゲイン状態遷移に対する測定されたdB変化の棒グラフが描かれている。
TWTA出力vsテレメータ付TWTAヘリックス電流(Ih)及びTWTAバス電流(Ib)のグラフが、図20の2つの曲線に示されている。適切に実行されるTWTAの場合、打ち上げ前(地上)の結果を軌道内の結果と比較すると、両方の曲線は1−2ビット重複しなければならない。各曲線は、テスト中のTWTAの時間同期テレメトリ(Ih&Ib)に対してプロットされた平均トレース捕捉レベルの後処理によって得られる。
IOVについては、ALC回路の動作は、TWTAを駆動しているオンボードレシーバからのノイズ信号のIN/OUTを切り替えることによって確認される。このスイッチは、CAMPの直前でこの測定に使用され、ALC最大ゲイン状態で、TWTAへのノイズ駆動を取り除く位置に命令される。CAMP ALC回路を正しく実行するには、軌道内で測定したノイズペデスタルデルタレベルが、工場出荷前の測定値と10分の1dB以内に一致する必要がある。より具体的には、CAMP入力がスイッチアウトされると、CAMP内のALCループは、出力ドライブをTWT定数に保持するようにゲインを最大にする。しかしながら、信号レベルは、ALCループが(約)60dBのノイズ信号レベルを克服するにはゲインが不十分であるので、信号レベルは低下する。TWTAからの対応する測定されたパワー損失は、ALCループゲインの増加から入力パワーの低下を引いた値に正比例する。図21は、Nimiq 1(上)とT12V(下)の打ち上げ前工場テストの両方で実行された本測定結果を示している。両図で囲まれた領域は、CAMPスイッチのコマンドが実行されたときにハイライト表示される。
このテストは、任意のトランスポンダの送信ノイズペデスタルとアンテナに切り替えられた受信機入力とを比較し、次いで負荷に切り替えることによって実行される。ピークの相対的変化は、所定量(TEarth及びTloadから算出)内にある。測定結果は、受信者のフロントエンド状態を確認する。図22Aは、地球のESA Kuバンド温度モデルの描画図を示す。図22Bは、Nimiq 1オンボード受信機が受信アンテナポートと負荷との間で切り替えられたときに送信されたノイズペデスタル信号レベル変化の実際の軌道内測定結果を示す。地球の様々な地域にESA Kuバンド温度モデルを使用して、テスト時にNimiq 1によって受信された積算地球ノイズ温度は240ケルビン(TEarth)であると推定された。テスト時に利用可能な温度テレメトリを使用して、20℃のオンボードレシーバ負荷温度を正確に知ることができた。この値は293ケルビンに変換される。Pn=kTB内では他のすべてが一定(すなわちk&B)であるので、アンテナと負荷との間の予測デルタ電力=10log(293/240)=0.867dBである。Nimiq 1で実施されたテストのための受信アンテナと負荷との切り替え時の送信されたノイズペデスタルの実際の変化は、約0.8dB又は予測から0.07dB以内と測定された。その結果、校正されたRFアップリンクを使用する必要なしに、Nimiq 1レシーバの入力性能を確認できた。T12Vの場合、製造メーカは、レシーバノイズ指数テストを実行するために、IOVの軌道内フェーズの間に利用された各受信反射器について計算された受信積算ノイズ温度データを提供した。
ALC最大(図17を参照)における周波数応答を決定するために使用されるのと同じトレース捕捉を使用して、追加の測定を行う必要なしに、任意のトランスポンダの送信アンテナのクロスポール性能を算出できる。交差偏波は、考慮される偏波に直交する偏波である。例えば、アンテナからの電界が水平偏波されることを意味する場合、交差偏波は垂直偏波となる。偏波が右手円偏波(RHCP)である場合、交差偏波は左手円偏波(LHCP)である。IOVの軌道内フェーズの間、各受信設備は、両方のアンテナに偏波チェーンを受信するように割り当てられた信号アナライザを有する。各IOVシーケンスの実行中、クロスポールノイズペデスタル成分の大きさは、同ポールALC最大ゲイン状態ノイズペデスタルと同時に記録される。後処理アルゴリズムは、このデータを利用して、測定された各チャネルのアンテナクロスポール性能を計算する。
送信アンテナ輪郭の軌道内測定は、IOVとは独立して実行されるが、内部負荷に切り替えることによって通信レシーバの入力を分離するIOVの概念を利用することによって、依然として大きな利益を得ることができる。オンボードアクティブチャネル(ALC最大ゲイン状態に設定されることが好ましい)によって生成されたノイズペデスタルデータは、衛星送信アンテナパターンは送信アンテナカバレッジ領域内の所定の位置角度に再配向(旋回)されるので、ノイズペデスタル送信レベルの変化を捕捉するためにIOVに利用される同じ受信地上設備によって監視することができる。このユニークなオンボードレシーバ構成により、隣接する衛星又は不要なアップリンク信号が測定を損なう可能性がなくなる。
上述の実施形態に加えて、本発明のシステムは、任意の衛星周波数帯域:L−帯域(1−3GHz)、X帯域(約7−8GHz)、Ku帯域(約11−15GHz)及びKa帯域(約17−31GHz)で使用することができる。本発明のシステム及び方法は、低地球軌道(LEO)又は高楕円軌道(HEO)のような任意の種類の衛星コンステレーションと共に使用することもできる。
1以上の現在の好ましい実施形態を例として説明した。当業者には、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形および修正を行うことができることが明らかであろう。
Claims (24)
- 人工衛星の打ち上げ後に実施される人工衛星の軌道内ペイロード検証方法であって、
前記人工衛星において、RFターミネーション又はオフラインに構成されたペイロード入力を含み、その結果、熱ノイズ信号が前記人工衛星の前記ペイロードによって自己生成される特定状態に、前記ペイロードの動作パラメータを構成する工程と、
前記人工衛星において、前記熱ノイズ信号を処理するとともに前記人工衛星から地上局に送信する工程と、
前記地上局において、前記送信された熱ノイズ信号を受信する工程と、
前記地上局において、前記受信された熱ノイズ信号を、前記特定状態と同じペイロード状態におけるベースラインデータと比較し、前記通信ペイロードの前記性能及び機能が変化したか否かを判断する工程と、
を備える、人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。 - 前記人工衛星の打ち上げ前に、
前記特定状態と同じ状態に前記ペイロードの前記動作パラメータを構成する工程と、
前記軌道内テストデータと比較するための前記ベースラインデータのセットを生成するように内部ノイズを処理する工程と、
を更に備える、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。 - 前記比較する工程は、前記軌道内テストデータ及び前記ベースラインデータのセットの間における変化程度を計量する工程を備える、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記比較する工程は、前記軌道内テストデータ及び前記ベースラインデータのセットとの間の前記変化程度が閾値を超えるか否かを判断する工程を備える、請求項3に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記軌道内データのセット及び前記ベースラインデータのセットの分析は、信号アナライズ又は同等の装置から得られたデータを用いて実施される、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記通信ペイロードに対する前記入力は、非従来モードに切り替えられることによって、前記ペイロードの入力を外部ソースから隔離するとともに、変化しない内部生成されたノイズの使用を許可するためにオフライン位置に切り替えられたレシーバ入力と隔離される、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記オフライン位置は、受動負荷、整合負荷又は終端器への接続を備える、請求項6に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記人工衛星の前記ペイロードは、前記ソースからの熱ノイズが安定した熱制御環境下にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- ノイズ基準として太陽を用いて前記地上局を校正する工程を更に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記地上局で受信した衛星信号から太陽ノイズ変化を控除する工程を更に備える、請求項9に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- ノイズ基準として太陽を用いて前記受信した衛星ノイズ信号の大気中の無線周波数の減衰及びシンチレーションの効果を補償する工程を更に備える、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 中間基準として太陽ノイズを利用する既知の基準無線周波数信号ソースの移動による前記受信した衛星ノイズ信号のパワーレベルを判断する工程を更に備える、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記熱ノイズ信号はノイズペデスタル又は連続のノイズペデスタルを含む、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 処理及び分析の後に、前記軌道内データセット及び前記ベースラインデータセットを保存する工程を更に備える、請求項1に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記軌道内データセット及び前記ベースラインデータセットは、
トランスポンダ周波数応答と、
トランスポンダ出力パワー、EIRPと、
アンプ伝達曲線及びリニアアンプ固定ゲイン及びALCゲインステップと、
増幅テレメトリ校正及び応答と、
ALC制御ループ性能と、
レシーバノイズ指数と、
送信アンテナ交差偏波特性と、
を含むリストから少なくとも1つの性能測定を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。 - 前記ベースラインデータセットは、RF出力データ及びペイロードテレメトリデータを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記軌道内データセットは、RF出力データ及びペイロードテレメトリデータを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記ペイロードは通信ペイロードを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記ペイロード入力は、前記通信ペイロードの1チャンネルへの入力を含む、請求項18に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記ペイロード入力は、前記通信ペイロードのマルチチャンネルへの同時入力を含む、請求項18に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記特定状態は、予め規定された繰り返し命令シーケンスを介して進行する一連の状態を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 前記ペイロードによって送信された処理済の前記熱ノイズ信号は、ハードウェア固有のシグネチャーを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の人工衛星の軌道内ペイロード検証方法。
- 軌道内にある人工衛星と、
地上局と、
を備え、
前記人工衛星は、
RFターミネーション又はオフラインに構成されたペイロード入力を含み、その結果、熱ノイズ信号が前記人工衛星のペイロードによって自己生成される特定状態に、前記ペイロードの動作パラメータを構成し、
前記熱ノイズ信号を処理するとともに前記人工衛星から地上局に送信するように動作可能であり、
前記地上局は、
前記送信された熱ノイズ信号を受信し、
前記受信された熱ノイズ信号を、前記特定状態と同じペイロード状態におけるベースラインデータと比較し、前記通信ペイロードの前記性能及び機能が変化したか否かを判断するように動作可能である、人工衛星システム。 - RFターミネーション又はオフラインに構成されたペイロード入力を含み、その結果、熱ノイズ信号が通信ペイロードによって自己生成される特定状態に、前記通信ペイロードの動作パラメータを構成する手段と、
前記熱ノイズ信号を処理するとともに人工衛星から地上局に送信する手段と、
を備える、人工衛星通信ペイロード。
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