本発明は、エアロゾル発生システムに使用する、特に、電子たばこに使用するカートリッジを製造する方法に関連する。カートリッジは、カートリッジ内に貯蔵されたエアロゾル形成媒体を示す、カスタム化可能な電気抵抗を有する電気抵抗器を備える。
よく使用される電子たばこは、モジュール構造を有し、通常、エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵構成要素を有する交換可能なカートリッジを備える。カートリッジ内に含まれるエアロゾル形成基体は、成分、風味、強度またはその他の特性において大きく変わり得る。消費者は、カートリッジを随意に交換することを望む場合がある。しかしながら、最適な気化条件は、カートリッジ内に含まれるエアロゾル形成基体の成分に依存し得る。したがって、気化ユニットを、消費者によって選択された特定または具体的なエアロゾル形成基体に完全に適合させるためには、気化装置の制御設定を適宜自動的に変更するために、電子たばこ内に、交換可能なカートリッジまたはカートリッジ内に貯蔵されるエアロゾル形成基体を識別可能な自動認識手段を含めることが望ましい。
EP2 399 636 A1は、上記のような交換可能なカートリッジを備えるエアロゾル発生装置を対象としており、ここでカートリッジは、カートリッジを他のカートリッジと区別するための1つ以上の電気構成要素を含んでいる。電気構成要素は、1つ以上の、電気抵抗器、キャパシタンス、またはインダクタンスであり得る。エアロゾル発生装置は、1つ以上の電気構成要素の電気抵抗を判定するための手段を備える。エアロゾル発生装置は、メモリユニット内に記憶されたルックアップテーブルをさらに含んでもよく、ルックアップテーブルでは、電気構成要素の特性がそれぞれのカートリッジを識別するデータに関連付けられている。異なるカートリッジの区別を可能とするために、複数の電気構成要素が使用され得る。
EP2 399 636 A1に開示される製造方法において、および、その他の既知の製造方法では、電気構成要素は、そのアセンブリ中であって、通常は、カートリッジにエアロゾル形成基体が充填される前に、カートリッジに提供されなければならない。したがって、従来は、アセンブリ段階中であって、そしていずれの場合でも、それぞれのエアロゾル形成基体がカートリッジに提供される前に、電気構成要素を判定または予め定義しておく必要がある。この必須の逐次的製造方法は、カートリッジ製造工程のフレキシビリティを減少させる。
従来の製造技術のさらなる欠点は、アセンブリ中に、複数のカートリッジにその特定または具体的かつ明白な抵抗器の組み合わせを装備することを可能とするために、いくつかの異なる電気構成要素、例えばいくつかの異なる抵抗器をアセンブリ場所に提供しなければならないことである。
本発明は、従来のカートリッジ製造工程を、単純化するため、およびフレキシビリティを増大させるために、上記課題を克服することを目的としている。
本発明の第一の態様によれば、エアロゾル発生システムに使用するのに適したカートリッジの製造方法が提供されている。本方法は、液体貯蔵部分を提供する工程、所定の初期抵抗を有する電気抵抗器を提供する工程、そして、電気抵抗器をカートリッジに取り付ける工程を含む。電気抵抗器の電気抵抗は、結果として得られる電気抵抗値が液体貯蔵部分内に含まれるエアロゾル形成基体を示すよう、物理的操作によってカスタム化される。
換言すると、電気抵抗器の電気抵抗は、、結果として得られる電気抵抗の特定または具体的な値が液体貯蔵部分内に含まれるエアロゾル形成基体を示すよう、物理的操作によってカスタム化される。
本明細書を通して、抵抗器、電気抵抗器、または基本抵抗器という用語は同義的に用いられ得る。基本抵抗器という用語は、抵抗器がまだカスタム化されていないことを強調したい場合に用いられる。
各カートリッジには、最初に、基本初期抵抗を有する、同一のカスタム化可能な基本抵抗器を備えるため、本発明は、エアロゾル発生システム用のカートリッジの生成および製造を大きく単純化する。したがって、複数のカートリッジを生成するのに、ベースとして1つのタイプの抵抗器のみが必要であり、ここでカートリッジの各タイプまたはこのカートリッジ内に含まれるエアロゾル形成基体の各タイプは、特定または具体的な個々の抵抗値によって定義される。
電気抵抗器は適切な任意の材料からなってもよい。望ましい材料は、例えば、ニクロム、アルミニウム、銅または任意の類似の材料からなるシート材料などの、金属シート材料である、修正が容易な材料である。また、抵抗器は、タングステンからなってもよい。操作が容易であり、抵抗率が比較的高く、高温においても耐酸化性であることから、ニクロムが有用である。抵抗率が低い材料を用いる場合でも、抵抗器の寸法は、カスタム化する際に、測定可能な抵抗値の差異を生成するよう選択可能である。空気および酸化への露出を減少させるために、適切な被覆層によって材料が被覆されてもよい。
また、各カートリッジに提供される基本抵抗器は、任意の適切な形状を有し得る。基本抵抗器は、最初は、長方形、円形、半円形状、またはその任意の適切な組み合わせなどの、所定の幾何形状を有し得る。
基本抵抗器の材料は、例えば、穿孔、クリッピング、穿刺、切断、型押し、または変形などの物理的手段によって容易に修正され得る。当然ながら、当業者であれば、基本抵抗器を修正するのに、別の方法が適切であり得ることを容易に理解する。例えば、その抵抗をカスタム化するために、基本抵抗器に材料が加えられてもよい。圧着、型押し、または加圧によって、追加の材料が基本抵抗器に接合されてもよい。さらに、適切な型押しまたは塗装技術を用いて、その上に金属層を印刷することで基本抵抗器をカスタム化することが可能である。また、抵抗は、所定量の溶融金属をその表面に塗布することで修正されてもよい。ここで具体的には、はんだ材料などの特定の低溶融金属材料が使用されてもよい。
また、当業者は、基本抵抗器の抵抗を修正および調整するために、1つ以上のカスタム化技術を組み合わせ得る。
電気抵抗器は、任意の適切な位置においてカートリッジに取り付けられてもよい。電気抵抗器は、カートリッジの通常の交換操作中に消費者が抵抗器にアクセスできないよう、カートリッジの内側に取り付けられてもよい。
また、電気抵抗器は、カートリッジの外側、例えばカートリッジの端面上に取り付けられてもよい。電気抵抗器をカートリッジの外側に提供することにより、カートリッジ製造工程後にいつでも基本抵抗器をカスタム化することが可能である。したがって、カートリッジの製造と基本抵抗器のカスタム化とを、全く異なる位置において実行することが可能となり得る。最も従来的なカスタム化は、カートリッジが充填される直前直後に、充填位置において実行され得る。
したがって、製造中、以後の充填工程において提供されるエアロゾル形成基体の実際のタイプとは独立して、各カートリッジは同一の構造を有する。この利点により、その製造の際に、カートリッジのそれぞれの個々のタイプの正確な数を精確に定義する必要がなくなるため、製造中のロジスティクスが大きく促進される。代わりに、製造中、全てのカートリッジは同様のカスタム化可能な基本抵抗器を等しく備える。いずれのカートリッジがいずれの抵抗を備えるべきかの決定は、いずれのエアロゾル形成基体をそれぞれのカートリッジに充填するかの決定がなされるまで延期される。したがって、単一のタイプのカートリッジのみが充填位置に提供され、その後このカートリッジが、いずれのカートリッジにいずれのエアロゾル形成基体を充填するかの決定がなされた後に、様々な抵抗を備えるようカスタム化されるため、生成モード全体はさらにより効率的である。
不要な、または意図しない操作から抵抗器をさらに保護するために、カートリッジは、電気抵抗器を被覆するよう適合されたキャップをさらに備えてもよい。こうして、電気抵抗は、意図的なカスタム化のためにアクセス可能であるが、同時に、操作から保護され、これにより、消費者に対する最大の安全性が確保される。
また、カートリッジは、使用時には電源に接続され、エアロゾル発生システムの電気回路によって制御される、ヒーター要素を備えてもよい。電気ヒーターと電気抵抗器を制御回路に接触させるための電気接点は、点状接点、長方形状接点、円状接点、または同心環状接点として提供されてもよい。小さな接触領域は、コンパクトな構造を可能にするが、接点を閉じるためには、カートリッジが特定または具体的な配向を回復することが必要な場合がある。これとは対照的に、大きな接点領域、特に環状接点では、カートリッジの特定または具体的な配向を必要とせず、そのため消費者にとってシステムの操作が単純化される。
第二の態様において、本発明は、エアロゾル発生システムに使用するのに適したカートリッジを対象としており、ここでカートリッジは、液体貯蔵部分と所定の初期抵抗を有する電気抵抗器とを備えており、電気抵抗器は、結果として得られる電気抵抗値が液体貯蔵部分内に含まれるエアロゾル形成基体を示すよう、物理的操作によってカスタム化可能である。
第一の態様について記載したように、換言すると、電気抵抗器は、結果として得られる電気抵抗の特定または具体的な値が液体貯蔵部分内に含まれるエアロゾル形成基体を示すように、物理的操作によってカスタム化可能である。
第三の態様において、本発明は、エアロゾル発生システム、特に、上記カートリッジと、電源および電子回路を含む装置部分とを備える電子たばこを対象としている。電子回路は、カスタム化可能な抵抗器の電気抵抗を判定するよう、および、電気抵抗を、カートリッジを識別するデータと関連付けるよう適合される。
カートリッジは、エアロゾル発生システムの装置部分に交換可能に取り付けられ得る。
装置部分は、ルックアップテーブルを記憶するためのメモリ装置を備えてもよく、このルックアップテーブルは、カスタム化された抵抗器の電気抵抗を表すデータを含み、各電気抵抗値は、カートリッジを識別するデータに関連付けられている。
好ましくは、ルックアップテーブルは、1つ以上の抵抗値を表すデータをさらに含み得るが、各抵抗値は、加熱要素に加えられる異なるエネルギープロファイルを表すパラメータにさらに関連付けられている。各抵抗値は、異なるカートリッジ識別子に関連付けられている。これは、エアロゾル発生システムが、異なるエアロゾル形成基体を含むカートリッジがエアロゾル発生システムに挿入されている場合であっても、一定量、例えば、容積または質量のエアロゾルをユーザーに送達するよう構成され得ることを意味する。
例えば、1つのカートリッジ内に含まれる特定のエアロゾル形成基体は、別のカートリッジ内に含まれる異なるエアロゾル形成基体よりも、気化されるのにより多くのエネルギーを必要とする場合がある。抵抗値または特定のカートリッジ識別子を、ルックアップテーブルに記憶される加熱プロファイルに関連付けることで、カートリッジ内に貯蔵されるエアロゾル形成基体のタイプとは独立して、一定量のエアロゾルをユーザーに送達することができる。
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
図1は、カートリッジへの抵抗器の取り付けの、様々な可能性を示す。
図2は、本発明の加熱装置を制御するためおよび本発明のカートリッジを識別するための電子回路図である。
図3は、基本抵抗器が、幅は固定で長さは可変の中央スリットを備える、本発明の一実施形態を示す。
図4は、基本抵抗器が、長さは固定で幅は可変の中央くぼみを備える、本発明の別の実施形態を示す。
図1には、一般的に使用されているエアロゾル発生システム10の一例が図示されている。図1のエアロゾル発生システム10は、電気的に加熱されたエアロゾル発生システム10であり、装置部分14とカートリッジ16とを有する2部分からなるハウジング12を備える。装置部分14には、電池18の形態の電源および電気制御回路20が提供されている。カートリッジ16は、エアロゾル形成基体24を含む液体貯蔵部分22、毛細管芯26、および加熱コイル28の形態の加熱要素を備える。この実施形態では、液体貯蔵部分22は、中央気流チャネル30を画定する円筒形構造である。毛細管芯26の端部は液体貯蔵部分22内へ延びてもよい。毛細管芯26の中央部分は、気流チャネル30にわたって延び、少なくともその一部は加熱コイル28によって囲まれている。加熱コイル28は、適切な電気的接続(図示せず)を介して電気回路20に接続されている。ハウジング10は、空気吸込み口32と、マウスピース側端の空気出口34も含む。
使用時、動作は以下の通りである。液体エアロゾル形成基体24は、液体貯蔵部分22から、毛細管作用によって、液体貯蔵部分22内へと延びる芯26の端部から加熱コイル28によって囲まれた芯26の中央部分まで送られる。ユーザーが空気出口34で装置を吸うと、周囲空気は空気吸込み口32を通して吸い込まれる。パフ検出システム(図示せず)は、パフを感知すると、加熱コイル28を起動する。電池18が電気エネルギーを加熱コイル28に供給して、加熱コイル28によって囲まれる芯26の中央部分を加熱する。芯26の中央部分にあるエアロゾル形成基体24が、加熱コイル28によって気化され、過飽和蒸気を生成する。過飽和蒸気は空気吸込み口32からの気流と混合され、気流中で運ばれる。気流チャネル30内で、蒸気は凝縮して吸引可能なエアロゾルを形成し、これが空気出口34に向かって運ばれ、ユーザーの口内に入る。
上記要素に加えて、カスタム化可能な抵抗器40がカートリッジ16に提供されてもよい。カスタム化可能な抵抗器40は、制御回路20に接続され、制御回路20が、液体貯蔵部分22、そして、特に、液体貯蔵部分22内に含まれるエアロゾル形成基体24のタイプを識別することを可能にする。図1b〜1dに示すように、カスタム化可能な抵抗器40は、カートリッジ16の様々な位置に置かれ得る。図1bにおいて、カスタム化可能な抵抗器40は、液体貯蔵部分22内に置かれる。この実施形態では、抵抗器40は、ユーザーから見えず、また、エアロゾル発生システム10の通常の操作中の損傷から保護される。しかしながら、この実施形態では、カスタム化を、カートリッジ16のアセンブリ中に実行しておく必要がある。
図1cおよび1dの実施形態では、カスタム化可能な抵抗器40は、使用時にはエアロゾル発生システム10の装置部分14に接続される、カートリッジ16の端面に提供される。本実施形態では、カートリッジ16のアセンブリ後であっても抵抗器40にアクセス可能である。したがって、抵抗器40は、いつでもカスタム化が可能であり、アセンブリ段階において抵抗器40をカスタム化しておく必要はない。代わりに、抵抗器40は、カートリッジ16にエアロゾル形成基体24が充填される後にカスタム化されてもよい。通常の使用中、つまり、カートリッジ16が装置部分14に接続されている場合には、抵抗器40はユーザーから見えない。したがって、この実施形態においても、通常の操作条件下では、抵抗器40は、使用中の意図しない損傷から保護される。
カスタム化可能な抵抗器40は、様々な形状をとり得る。図1bおよび1cにおいて、抵抗器は長方形のシート状の形状である。図1dにおいて、抵抗器は大円形状を有する。図1cおよび1dの右手側において、抵抗器40は、カスタム化前(穴42なし)およびカスタム化後(穴42あり)で図示されている。
図1に図示するエアロゾル発生システム10は、本発明のカートリッジを有利に使用し得るエアロゾル発生システムの一例に過ぎない。当業者であれば、本発明の識別システムを、交換可能なカートリッジ16を用いるエアロゾル発生システム10のその他の既知の設計に使用し得ることを容易に理解する。
図2には、本発明の一実施形態の電気回路図が示されている。本実施形態では、加熱装置、例えば加熱コイル28が2つの電気接点T1、T2に接続され、これらは次にエアロゾル発生システムに提供された電源(図示せず)の2つの接点に接続される。これに加えて、図2の回路図は、さらなる電気接点T3を図示する。カスタム化可能な抵抗器40は、接点T2と接点T3の間に提供される。エアロゾル発生システム10の制御回路20は、以下に説明するように、カスタム化可能な抵抗器40の値を判定するよう適合される。
当業者に既知であるように、抵抗Rの抵抗器の両端の電圧降下Vは、抵抗Rと抵抗器Rを流れる電流Iとの積に比例している。抵抗器Rの両端に印加される所与の電位差に対して、抵抗器Rを流れる電流の大きさまたはサイズを測定することで、制御回路は関係R=V/lを用いて抵抗器Rの値を判定することができる。
カートリッジに関連付けられた抵抗器Rの値を判定すると、制御回路は、判定した抵抗値を用いてルックアップテーブルを検索することで、判定した抵抗値からカートリッジのタイプを判定する。
ルックアップテーブルは、1つ以上の異なる抵抗値を含んでもよく、それぞれの抵抗値は、エアロゾル発生システムで使用可能なカートリッジの識別子に関連付けられている。識別子は、カートリッジ内に含まれる液体のタイプを示し得る。
制御装置は、制御装置によって判定されるカートリッジの抵抗値に最も値が近い、ルックアップテーブルに記憶された抵抗値に関連付けられた、ルックアップテーブルに記憶されたカートリッジ識別子としてカートリッジのタイプを判定し得る。ルックアップテーブルは、制御回路に組み込まれた読み出し専用メモリ(ROM)に記憶されてもよく、あるいは、別個のメモリストアに記憶されてもよい。
図3では、カスタム化可能な抵抗器40の1つの可能な実施形態を例示する。本実施形態では、基本抵抗器40はニクロムからなる長方形バーであり、これは抵抗器で一般的に使用される材料である。ニクロムは、メートル当たり1〜1.5x10-6オームの電気抵抗を有する。以下の計算において、ニクロムは、1x10-6の電気抵抗を有するものとする。ニクロムバーは、10ミリメートルの長さL、1ミリメートルの厚さT、および3ミリメートルの幅Wを有する。厚さTおよび幅Wは、3平方ミリメートルのバーの断面積Aを画定する。基本バーの抵抗は、以下の式に従って、その幾何寸法および電気抵抗から判定可能である。
したがって、カスタム化可能な基本抵抗器40の抵抗は、3,33オームとなる。ニクロムは、切断および穿刺が容易である。図3に図示するように、したがって、ニクロムバーの総抵抗は、バーの穴42を切断することで変更し得る。図3の実施形態で、1ミリメートルの幅を有する穴またはスリット42が、長方形バーの中央に提供される。穴42の幅は一定に維持され、穴42の長さが変更される。このようにして、広範な異なる抵抗値が取得され得る。結果として得られる抵抗は、カスタム化された抵抗器40を、図3dに図示する等価回路図に対応する図3cに図示されるように、複数の個々の抵抗器R1、R2からアセンブリされるものとして近似させることで計算され得る。抵抗器R2の断面積は、1平方ミリメートルである。
直列または並列に接続された抵抗器の総抵抗を計算するために既知の式を用いて、カスタム化されたニクロムバーの総抵抗は、以下の式に従って計算され得る。
1ミリメートルの一定の幅と、0〜4ミリメートルで可変の長さを有する穴42を備えるカスタム化されたバーの、結果として得られる総抵抗値を以下の表に示す。
電子回路が、信頼できる方法で抵抗値を区別可能なように、穴が正確に再生成されることが重要である。この場合における穴の形成方法の精度は、+/−5%以上であることが好ましい。
長方形バーはニクロム材料からなっているため、バーの形状は機械的手段によって容易に変更可能である。図3の実施形態において、穴は、長さの可変な穴42を形成するための様々な穿孔ビットを含む適切なツールによって材料内に穿刺されてもよい。平坦な抵抗器バー40のカスタム化は、カートリッジ16の製造中のいつに実行されてもよい。有利には、カスタム化は、いずれのエアロゾル形成基体24をカートリッジ16に充填するかの決定がなされた後に行われる。したがって、カスタム化は通常、エアロゾル形成基体がカートリッジ16に充填される後に行われる。
電気制御回路20は、カートリッジ16のタイプ、したがって現在挿入されているカートリッジ16に提供されているエアロゾル形成基体24のタイプ、を確認するために抵抗値を判定する。エアロゾル形成基体24のタイプを判定すると、電気制御回路20は、ヒーター装置28の起動のための設定を、エアロゾル形成基体24の特定または具体的なタイプに調整することができる。このようにして、エアロゾル発生システム10で使用できることができる様々なエアロゾル形成基体24に対して、最適な気化条件が保証され得る。
図4では、カスタム化可能な抵抗器40の別の実施形態を例示する。本実施形態においても、基本抵抗器40は、図3に図示されるニクロムバーと同一の基本寸法を有する、ニクロムからなる長方形バーである。図4の実施形態では、2つの横方向のくぼみ44が長方形バーの長手方向縁部の中央に設けられる。この場合、くぼみ44の長さは4ミリメートルであって一定に維持され、くぼみ44の奥行きが変えられる。このようにして、広範な異なる抵抗値が取得され得る。結果として得られる抵抗は、カスタム化された抵抗器40を、図4dに図示する等価回路図に対応する図4cに図示されるように、3つの直列接続した抵抗器R1、R2、R1からアセンブリされるものとして近似させることで計算され得る。
直列接続された抵抗器の総抵抗を計算するために上記式を使用して、4ミリメートルの一定の長さと0〜2ミリメートルで可変の奥行きを有するくぼみ44を備えるカスタム化されたバーの、結果として得られる総抵抗値を以下の表に示す。
図4eに図示するように、奥行きが2倍の単一のくぼみ44がカスタム化可能な抵抗器の長手方向の縁部に提供される場合、同一の値が得られる。
ここでも、電気制御回路20は、カートリッジ16のタイプを確認するために、抵抗値を判定する。これに基づいて、電気制御回路20は、ヒーター装置28の起動のための設定を、エアロゾル発生システム10に使用するエアロゾル形成基体24の特定または具体的なタイプに調整することができる。
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことにより、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態は今や当業者には明らかとなろう。例えば、図3に図示する実施形態では、カスタム化可能な抵抗器の電気抵抗を変更するために、穴の長さを一定に維持し、穴の幅を変化させることも可能である。さらに、追加の穴またはくぼみ、穴とくぼみの組み合わせ、あるいは、長方形以外の形状を有する穴およびくぼみ、を使用してもよい。