JP2019220347A - 鉛蓄電池用リブ付きセパレータ及びそのセパレータを用いた鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池用リブ付きセパレータ及びそのセパレータを用いた鉛蓄電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸の沈降防止と、極板間のガスの滞留防止とを両立し、成層化を抑制し得る鉛蓄電池用リブ付きセパレータ、及びそのセパレータを用いた耐久性の高い鉛蓄電池を提供する。【解決手段】水平リブ3aはベース面2の下端に設けられており、V字リブ3bは右辺の角度がπ/6radからπ/3radで、左辺の角度が2π/3radから5π/6radで、頂点4から端部右5R、及び端部左5Lまでの高さの比が0.95から1.05で設けられており、右斜めリブ3cは、水平リブ3aとのなす角がπ/6radからπ/3radで、始点右6Rから延伸して設けられており、左斜めリブ3dは、水平リブ3aとのなす角が2π/3radから5π/6radで、始点左6Lから延伸して設けられており、V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dは夫々複数条設けられていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、鉛蓄電池用リブ付きセパレータのリブの改良、及びそのセパレータを用いた鉛蓄電池に関するものである。
流動性をもつ電解液を正負極板間に有してなる鉛蓄電池には、図4に示すように柔軟な合成樹脂製肉薄シートの極板と当接するベース面上に、長さ方向を該ベース面の垂直方向に向けて設けたリブを有す、リブ付きセパレータが用いられることが知られている。前記リブは、鉛蓄電池の使用時に正極板から発生する酸素ガスの強い酸化力により、前記ベース面が酸化して孔が開く等による短絡を防ぐために、正極板とベース面とが直接接触しないように、正極板と当接する面に設けられている。また前記リブは、充電末期に極板から顕著に発生する酸素ガスや水素ガス(以下、これらをガスという)の排出経路としても機能する(例えば、特許文献1、図4)。
近年、燃費の向上や排気ガスの削減を目的に、アイドリングストップシステムを導入した自動車(以下、ISS車という)が普及している。ISS車用の鉛蓄電池は、従来のSLI(始動・照明・点火)用の鉛蓄電池に比べ、使用時の負荷が大きくなる。例えばISS車用の鉛蓄電池は、発進の度にエンジンを始動する大電流の放電を繰り返し、さらに、エンジン停止中もエアコンやカーナビ、カーステレオ等の機器を駆動する電力を賄うため、深い放電状態となる。また停車の度にエンジンが停止するため、オルタネータによる発電の機会も少なくなる。特に継続走行距離の短い市街地での走行などでは、放電に比べ浅い充電が繰り返されるため、ISS車用の鉛蓄電池は、十分な充電がされず部分充電状態となる。鉛蓄電池を部分充電状態で使用した場合、極板から濃度の高い硫酸が生じて沈降する一方、上記充電末期に発生するガスによる電解液の攪拌が期待できず、成層化が起き短寿命となり易い。ゆえに、ISS車用の鉛蓄電池には成層化対策が求められる。
成層化とは上述の通り、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸が電槽セル内底部に向かって沈降し、電解液の硫酸濃度が電槽セル内の下方では高く、上方では低い状態が続く現象のことである。該成層化は、例えば電解液の上下比重差として測定される。前記成層化が起こると、極板下部では不動態化した硫酸鉛が蓄積するサルフェーションが進行し、充電効率が低下する。また濃淡電池が形成されて自己放電が急速に進行し、鉛蓄電池は短寿命となる。
係る事情から、出願人等は特許文献2に開示するように、鉛蓄電池の負極板にキャパシタ電極材料を組み合わせて充電受入性を高め、高い充電状態を維持できるように改良された鉛蓄電池を提案している。上記のように鉛蓄電池の充電受入性を高めることで、ISS車に搭載した場合でも、充電状態が充電末期に到達することでガスを十分に発生させられる。
特許文献1に記載のセパレータを用いた鉛蓄電池をISS車に適用する場合は、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸が、垂直方向に向けて設けられたリブの隙間を通って多量に沈降するため、充電末期にガスが発生しても電解液の攪拌が不十分となり、成層化が起き易い問題があった。
これに対し本発明の出願人は特許文献3において、ISS車に適用する鉛蓄電池の成層化を防止する手段として、図5に示すようなリブ付きセパレータを開示している。該リブ付きセパレータの合成樹脂製肉薄シートのベース面上に設けたリブは、その長さ方向を水平方向に設けており、前記リブの両端部の上面は内側部分の上面より高い位置にあり、前記リブの下面は、前記リブの長さ方向の中央部分が最も低い位置にあり、中央部分から両端に向けて上り勾配に形成されている。
この形状によれば、正極板と負極板とを上記リブ付きセパレータを介して積層された極板群を備える鉛蓄電池において、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸は、リブの上面で捕捉され、成層化が抑制される。また、特許文献3のリブ付きセパレータであれば、特許文献2のような充電受入性の高い鉛蓄電池と組み合わせて使用した場合でも、充電時に生じるガスは前記リブの下面に沿って上昇し、前記リブの端部から極板上方に抜ける。前記ガスが極板と電解液との間に滞留すると、活物質と電解液との接触面積の減少に伴い、充放電の際、局所的に電流密度が増加する箇所が生じ、極板の劣化を招き、短寿命の一因となる。そのため、前記ガスの排出経路の確保が重要である。
特開平9−97601号公報 特許第5576660号公報 特開2005−197145号公報
しかしながら、特許文献3に開示されるリブ付きセパレータは、濃度の高い硫酸の沈降防止とガスの滞留防止の両立において、改良の余地があった。
そこで本発明は、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸の沈降防止と、極板間のガスの滞留防止とを両立し、成層化を抑制し得る鉛蓄電池用リブ付きセパレータ、及びそのセパレータを用いた耐久性の高い鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るリブ付きセパレータは、シートのベース面上に厚さ方向に垂直なリブを設けたリブ付きセパレータにおいて、前記リブは水平リブと、V字リブと、右斜めリブと、左斜めリブとを含み、前記水平リブは前記リブ付きセパレータを平面視したとき、上下方向の下端に設けられており、前記V字リブは前記水平リブに対して右辺の角度がπ/6radからπ/3radまでの範囲、かつ左辺の角度が2π/3radから5π/6radまでの範囲であって、前記右辺と前記左辺とで成す頂点から前記右辺と前記左辺の夫々の端部までの高さの比が0.95から1.05までの範囲であって、前記ベース面上に下に凸となるように設けられており、前記右斜めリブは前記水平リブとの交点を始点とし、前記水平リブとのなす角がπ/6radからπ/3radまでの範囲であって、右斜め上方向に延伸して設けられており、該始点は前記頂点よりも右側に位置するものであり、前記左斜めリブは前記水平リブとの交点を始点とし、前記水平リブとのなす角が2π/3radから5π/6radまでの範囲であって、左斜め上方向に延伸して設けられており、該始点は前記頂点よりも左側に位置するものであり、前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブは前記ベース面上に夫々複数条設けられ、互いに隣接する前記V字リブ、前記右斜めリブ、前記左斜めリブ、及び前記水平リブの夫々の端部間の垂直方向の間隔は、8mmから15mmまでの範囲で設けられていることを特徴とする。いずれのリブも、短手方向の断面において、ベース面と連続した上面及び下面と、前記上面及び前記下面と連続した頂面とを備える矩形状を有するものであって、かつ該リブ付きセパレータを介して正極板と負極板とを交互に積層し極板群とした際、対向する極板の表面、又は他のリブ付きセパレータと前記頂面で当接する。ここで、前記リブの断面が矩形でない多角形である場合は、極板群を形成した際に、該リブ付きセパレータと対向する極板の表面、又は他のリブ付きセパレータと当接する面を頂面と定義する。
前記V字リブの右辺の角度は、π/3radを超えると傾斜が急であるため、V字形状が縦長の形状になり、極板上部で生じた濃度の高い硫酸が電槽セル内底部まで沈降することを抑制する効果が小さくなる。π/6rad未満だと傾斜が緩いため、生じたガスの排気がし難い。同様に、前記V字リブの左辺の角度は、2π/3rad未満だと傾斜が急であるため、V字形状が縦長の形状になり、極板上部で生じた濃度の高い硫酸が電槽セル内底部まで沈降することを抑制する効果が小さくなる。5π/6radを超えると傾斜が緩いため、生じたガスの排気がし難い。したがって、前記V字リブの右辺、及び左辺の夫々の角度はπ/6radからπ/3radまでの範囲、及び2π/3radから5π/6radまでの範囲で形成されることが好ましい。
同様の理由から、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブの前記水平リブとのなす角は夫々π/6radからπ/3radまでの範囲、及び2π/3radから5π/6radまでの範囲で形成されることが好ましい。
また前記水平リブは前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブを設けることで、前記V字リブより下方でポケットを形成し、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸を、該ポケットを成すリブの上面で捕捉でき、電解液の成層化を抑制する。
上記構成において、前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブが、前記ベース面上に夫々複数条設けることで、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸を捕捉する領域が上下方向に分散され、濃度の高い硫酸の沈降が抑制される。上下方向に分散して捕捉された濃度の高い硫酸は、比較的少量であるため周囲の電解液に拡散し易く、電槽セル内の上部と下部の電解液比重の偏りを抑制できる。
上記構成において、複数条設けられた前記V字リブは、右辺と左辺とで成す頂点から前記右辺と前記左辺の夫々の端部までの高さの比が0.95から1.05までの範囲であれば、同一のリブにおいて左右の端部の高さが略同じとなるため、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸が高さの低い端部側から溢れて沈降することを抑制できる。また、前記高さの比が0.95から1.05までの範囲であれば、夫々の前記頂点がベース面上の同一直線上に位置していても良いし、同一直線上に位置せず左右に疎らに位置しても良い。
また上記構成において、互いに隣接する前記V字リブ、前記右斜めリブ、前記左斜めリブ、及び前記水平リブの夫々の端部間の垂直方向の間隔は、8mm未満だと前記間隔が狭すぎて生じたガスの排気がし難い。15mmを超えると、前記間隔が広すぎて濃度の高い硫酸を捕捉する領域が広くなり、電解液の成層化を抑制する効果が小さくなる。したがって、互いに隣接する前記V字リブ、前記右斜めリブ、前記左斜めリブ、及び前記水平リブの夫々の端部間の垂直方向の間隔は、8mmから15mmまでの範囲で形成されることが好ましい。
本発明の請求項2に係るリブ付きセパレータは、上記構成において、前記V字リブが前記水平リブと直交する中心線を対称軸とした線対称に設けられていることを特徴とする。前記V字リブを線対称とすることで、同一のリブにおいて左右の端部の高さが同じになるため、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸が高さの低い端部側から溢れて沈降することを防ぎ、さらにガスも左右から均等に排気できるため、極板間でのガス滞留を防止する上で有利にはたらく。
本発明の請求項3に係るリブ付きセパレータは、上記構成において、複数条設けられた前記V字リブの内、最下段に位置するV字リブの頂点が前記水平リブと交点を有すように設けられていることを特徴とする。前記最下段に位置するV字リブの頂点と前記水平リブとが交点で接合されることで、極板群に所定の群圧が掛かった際に、前記最下段に位置するV字リブの頂点が前記水平リブを支え、前記水平リブの折れ曲がりによるベース面の破れ等を抑制できる。
本発明の請求項4に係るリブ付きセパレータは、上記構成において、前記右斜めリブと前記左斜めリブとが前記中心線を対称軸とした線対称に設けられていることを特徴とする。前記右斜めリブと前記左斜めリブとを線対称に設けることで、前記V字リブを線対称に設けた場合と同様の理由により、左右の斜めリブにおいて左右の端部の高さが同じになるため、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸が高さの低い端部側から溢れて沈降することを防ぎ、さらにガスも左右から均等に排気できるため、極板間でのガス滞留を防止する上で有利にはたらく。
本発明の請求項5に係る鉛蓄電池は、上記請求項1乃至4のいずれかに係るリブ付きセパレータが用いられていることを特徴とする。前記請求項1乃至4のいずれかに係るリブ付きセパレータを鉛蓄電池に用いることで、耐久性の高い鉛蓄電池を提供することができる。
本発明の請求項6に係る鉛蓄電池は、上記請求項5に係る鉛蓄電池であって、極板群に掛かる群圧が5kPaから30kPaまでの範囲であることを特徴とする。前記極板群に掛かる群圧が5kPa未満では圧迫力が弱すぎて、リブと極板との間に隙間が生じ、そこから濃度の高い硫酸が流出する場合がある。また30kPaを超えると、電槽セル内に極板群が収容できない場合や収容後に電槽が膨らみ破損する場合がある。前記極板群に掛かる群圧を5kPaから30kPaまでの範囲にすることで、リブと極板との間に隙間が生じ難く、濃度の高い硫酸は前記リブ上面に良好に捕捉される。また、電槽セル内に前記極板群を破損させることなく収容できる。したがって、前記極板群に掛かる群圧は5kPaから30kPaまでの範囲であることが望ましい。
本発明のリブ付きセパレータは、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸を前記V字リブの上面で捕捉できる。さらに前記水平リブは前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブを設けることで、前記V字リブより下方でポケットを形成し、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸を、該ポケットを成すリブの上面で捕捉できる。したがって、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸は前記水平リブ、前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブにより、電槽セル内底部に沈降しないよう捕捉され、電解液の成層化を抑制できる。
また、充電時に極板から生じるガスは前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブの下面に沿って上昇し、前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブの端部
から極板上方に抜ける。したがって、極板間でのガス滞留を防止する上で有利にはたらく。
また正極板と負極板とを、本発明のリブ付きセパレータを介在させて交互に積層した極板群に掛かる群圧を5kPaから30kPaまでの範囲にすることで、リブと極板との間に隙間が生じ難く、濃度の高い硫酸は前記リブ上面に良好に捕捉される。また、電槽セル内に前記極板群を破損させることなく収容できる。
以上の通り本発明によれば、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸の沈降防止と、極板間のガスの滞留防止とを両立し、成層化を抑制し得る鉛蓄電池用リブ付きセパレータ、及びそのセパレータを用いた耐久性の高い鉛蓄電池を提供することができる。
本発明のリブ付きセパレータの実施形態を示す正面図である。 本発明のリブ付きセパレータを袋状にして、極板を収容する工程を示す説明図である。 本発明のリブ付きセパレータの実施形態におけるリブ配置パターンを示す展開図である。 本発明の比較例1のリブ付きセパレータを示す正面図である。 本発明の比較例2のリブ付きセパレータを示す正面図である。
以下に、本発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。
図1は本発明のリブ付きセパレータ1の実施形態を示す正面図である。リブ付きセパレータ1は、負極板7を収納するように袋状に加工されており、正極板(図示せず)と当接する外側となるシートのベース面2上に厚さ方向に垂直なリブが設けられており、内側となるシートのベース面2上にはリブを設けないフラットな面である。前記リブは水平リブ3aと、V字リブ3bと、右斜めリブ3cと、左斜めリブ3dとを含んでいる。水平リブ3aはリブ付きセパレータ1を介して正極板と負極板7とを交互に積層し、これを積層方向に平面視したとき、正極集電耳側、及び負極集電耳側を上とする上下方向の下端に設けられている。V字リブ3bは水平リブ3aに対して右辺の角度がπ/6radからπ/3radまでの範囲、かつ左辺の角度が2π/3radから5π/6radまでの範囲であって、前記右辺と前記左辺とで成す頂点4から前記右辺、及び前記左辺の夫々の端部右5R、及び端部左5Lまでの高さの比が0.95から1.05までの範囲であって、ベース面2上に下に凸となるように設けられている。右斜めリブ3cは水平リブ3aとの交点を始点右6Rとし、水平リブ3aとのなす角がπ/6radからπ/3radまでの範囲であって、右斜め上方向に延伸して設けられており、該始点右6Rは頂点4よりも右側に位置する。左斜めリブ3dは水平リブ3aとの交点を始点左6Lとし、水平リブ3aとのなす角が2π/3radから5π/6radまでの範囲であって、左斜め上方向に延伸して設けられており、該始点左6Lは頂点4よりも左側に位置する。V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dはベース面2上に夫々複数条設けられている。互いに隣接するV字リブ3b、右斜めリブ3c、左斜めリブ3d、及び水平リブ3aの夫々の端部間の垂直方向の間隔Dvは8mmから15mmまでの範囲で設けられている。
上記構成をとる本発明の実施形態に係るリブ付きセパレータ1を鉛蓄電池に用いることで、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸をV字リブ3bの上面3tで捕捉できる。さらに水平リブ3aは右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dを設けることで、V字リブ3bより下方でポケットを形成し、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸を、該ポケットを成すリブの上面3tで捕捉できる。したがって、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸は水平リブ3a、V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dにより、電槽セル内底部に沈降しないよう捕捉され、電解液の成層化を抑制できる。
また上記構成をとる本発明の実施形態に係るリブ付きセパレータ1を鉛蓄電池に用いることで、充電時に正極板から生じるガスは、V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dの下面3uに沿って上昇し、V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dの端部から正極板上方に抜ける。したがって、極板間でのガス滞留を防止する上で有利にはたらく。
図1に示す実施形態において、V字リブ3bの右辺の角度は、π/3radを超えると傾斜が急であるため、V字形状が縦長の形状になり、正極板上部で生じた濃度の高い硫酸が電槽セル内底部まで沈降することを抑制する効果が小さくなる。π/6rad未満だと傾斜が緩いため、生じたガスの排気がし難い。同様に、V字リブ3bの左辺の角度は、2π/3rad未満だと傾斜が急であるため、V字形状が縦長の形状になり、正極板上部で生じた濃度の高い硫酸が電槽セル内底部まで沈降することを抑制する効果が小さくなる。5π/6radを超えると傾斜が緩いため、生じたガスの排気がし難い。したがって、前記V字リブ3bの右辺、及び左辺の夫々の角度はπ/6radからπ/3radまでの範囲、及び2π/3radから5π/6radまでの範囲で形成されることが好ましい。
同様の理由から、前記右斜めリブ3c、及び前記左斜めリブ3dの前記水平リブ3aとのなす角は夫々π/6radからπ/3radまでの範囲、及び2π/3radから5π/6radまでの範囲で形成されることが好ましい。
また水平リブ3aは右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dを設けることで、V字リブ3bより下方でポケットを形成し、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸を、該ポケットを成すリブの上面3tで捕捉でき、電解液の成層化を抑制する。
また、図1に示す実施形態において、V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dは、ベース面2上に夫々複数条設けられている。このようにリブをそれぞれ複数条設け、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸を捕捉する領域を、上下方向に分散することで、濃度の高い硫酸の沈降が抑制される。上下方向に分散して捕捉された濃度の高い硫酸は、比較的少量であるため周囲の電解液に拡散し易く、電槽セル内の上部と下部の電解液比重の偏りを抑制できる。
また、図1に示す実施形態において、複数条設けられたV字リブ3bは右辺と左辺とで成す頂点4から、夫々の端部右5R、及び端部左5Lまでの高さの比が0.95から1.05までの範囲であれば、同一のリブにおいて左右の端部の高さが略同じとなるため、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸が高さの低い端部側から溢れて沈降することを抑制できる。また、前記高さの比が0.95から1.05までの範囲であれば、夫々の前記頂点4が図1に示すようにベース面2上の同一直線上に位置していても良いし、同一直線上に位置せず左右に疎らに位置しても良い。
また、図1に示す実施形態において、互いに隣接するV字リブ3b、右斜めリブ3c、左斜めリブ3d、及び水平リブ3aの夫々の端部間の垂直方向の間隔Dvは、8mm未満だと間隔Dvが狭すぎて生じたガスの排気がし難い。15mmを超えると間隔Dvが広すぎて濃度の高い硫酸を捕捉する領域が広くなり、電解液の成層化を抑制する効果が小さくなる。したがって、互いに隣接するV字リブ3b、右斜めリブ3c、左斜めリブ3d、及び水平リブ3aの夫々の端部間の垂直方向の間隔Dvは、8mmから15mmまでの範囲で形成されることが好ましい。
また、図1に示す実施形態において、V字リブ3bが水平リブ3aと直交する中心線8を対称軸とした線対称に設けられている。このようにV字リブ3bを線対称とすることで、同一のリブにおいて左右の端部の高さが同じになるため、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸が高さの低い端部側から溢れて沈降することを防ぎ、さらにガスも左右から均等に排気できるため、極板間でのガス滞留を防止する上で有利にはたらく。
また、図1に示す実施形態において、最下段に位置するV字リブ3bの頂点4が水平リブ3aと交点9を有すように設けられている。このように最下段に位置するV字リブ3bの頂点4と水平リブ3aとが交点9で接合されることで、極板群に所定の群圧が掛かった際に、最下段に位置するV字リブ3bの頂点4が水平リブ3aを支え、水平リブ3aの折れ曲がりによるベース面2の破れ等を抑制できる。
また、図1に示す実施形態において、右斜めリブ3cと左斜めリブ3dとが中心線8を対称軸とした線対称に設けられている。このように右斜めリブ3cと左斜めリブ3dとを線対称に設けることで、V字リブ3bを線対称に設けた場合と同様の理由により、左右のリブにおいて左右の端部の高さが同じになるため、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸が高さの低い端部側から溢れて沈降することを防ぎ、さらにガスも左右から均等に排気できるため、極板間でのガス滞留を防止する上で有利にはたらく。
本発明の実施形態に係る鉛蓄電池は、正極板と負極板7とを、上記リブ付きセパレータ1を介在させて交互に積層した極板群が、電槽セル内に挿入された鉛蓄電池である。上記リブ付きセパレータ1を鉛蓄電池に用いることで、耐久性の高い鉛蓄電池を提供できる。
また、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池は、前記極板群に掛かる群圧を5kPaから30kPaまでの範囲としたものである。前記極板群に掛かる群圧が5kPa未満では圧迫力が弱すぎて、リブと極板との間に隙間が生じ、そこから濃度の高い硫酸が流出する場合がある。また30kPaを超えると、電槽セル内に極板群が収容できない場合や収容後に電槽が膨らみ破損する場合がある。したがって、前記極板群に掛かる群圧は5kPaから30kPaまでの範囲であることが望ましい。
また、図1に示す実施形態において、水平リブ3a、V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dはいずれも、破断することなく長手方向に連続してベース面2上に設けられている。夫々のリブの長さは、極板群を形成した際に、前記リブが当接した正極板の端よりも、前記リブの端部が外側に位置する長さにすれば、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸を前記リブの上面3tで漏らさず捕捉できるため、より好ましい。
なお図示しないが、本発明の実施形態において、水平リブ、V字リブ、右斜めリブ、及び左斜めリブはいずれも短手方向の断面において、ベース面と連続した上面及び下面と、前記上面及び前記下面と連続した頂面とを備える矩形状を有するものであって、かつ該リブ付きセパレータを介して正極板と負極板とを交互に積層し極板群とした際、対向する極板の表面、又は他のリブ付きセパレータと前記頂面で当接する。また、前記リブに軟質材を用いると極板との密着性が高まり、濃度の高い硫酸はリブ上面でより良好に捕捉される。また、前記リブを中空材料とし弾性変形させて用いても良好な密着性が得られる。水平リブ、V字リブ、右斜めリブ、及び左斜めリブの断面形状は矩形状である例を示したが、矩形に限定されず、その他の多角形、円形など極板と密着する形状であれば任意である。
図2は、本発明のリブ付きセパレータ1を袋状にして、負極板7を収容する工程を示す説明図である。本発明のリブ付きセパレータ1は、図2(A)に示すように、一定の寸法に切断し長方形のシート状に展開したリブ付きシート状セパレータ10を、図2(B)に示す通り負極板7を包むようにその中央線10eに沿って二つ折りにし、負極板7の下端をこの中央線10eに合わせて、図2(C)に示すように一方の側面10aと他方の側面10bとを重ね合わせ、その重ね合わせた一方の側面10aと他方の側面10bとの両側部同士を自動接合機器、本発明では2つの歯車間を通過させて接合するギヤシール方法で接合して図2(D)に示すように袋状に加工している。
本実施形態では、負極板7を収納するようにリブ付きセパレータ1を袋状に加工し、正極板と当接するように外側となるシートのベース面2上には厚さ方向に垂直なリブを設け、内側となるシートのベース面2上にはリブを設けないフラットな面であるリブ付きセパレータ1に負極板7を収容し、正極板と交互に積層し極板群とすることを例示したが、リブ付きセパレータ1を袋状に加工せず、リブ付きシート状セパレータ10を中央線10eで切断して得られる2枚の半リブ付きシート状セパレータを、夫々リブを設けた面で正極板を挟むように当接させ、また夫々フラットな面で負極板を挟むように当接させて交互に積層し極板群としても構わないし、前記半リブ付きシート状セパレータの表裏ベース面2上にリブを設け、正極板、及び負極板にリブが当接するようにしたリブ付きセパレータを介して正極板と負極板とを交互に積層し極板群としても構わない。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明のリブ付きセパレータ1を下記の方法により製造した。まず、高密度ポリエチレン樹脂粉末と無機粉末(平均粒径5μmのシリカ粉末)と鉱物オイル(パラフィン系オイル)とをミキサーで混合し、該混合物を二軸押出機にてシート状に押し出し、一方のロールに図3に示したリブ配置パターンの溝を刻設した成形ロール間を通過させて加圧成形し、前記複数条のリブを設けたベース面の厚み0.3mmの肉薄シートを得た。その後、溶剤に浸漬して鉱物オイルの一部を除去してリブ付きシート状セパレータを得た。
一定の寸法に切断し長方形のシート状に展開したリブ付きシート状セパレータ10を、図2に示すようにリブが形成された面を外側に向け、負極板7を包むように中央線10eに沿って二つ折りにした後、一方の側面10aと他方の側面10bとを重ね合わせ、その重ね合わせた一方の側面10aと他方の側面10bとを両側部10c、10d同士をギヤシール方法で接合して袋状に加工し、袋状のリブ付きセパレータ1を得た。この工程において、必要に応じて前記リブ付きシート状セパレータ10の左右の端にリブのない領域を設け、ギヤシール方法を施すための綴じ代としても良い。
図1に示すリブ配置パターンにおいて、水平リブ3a、V字リブ3b、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dの断面形状は、いずれも幅0.4mm、高さ0.5mmの矩形とした。V字リブ3bは右辺の角度をπ/4rad、左辺の角度を3π/4radの範囲とし、前記右辺と前記左辺とで成す頂点4から、夫々の端部右5R、及び端部左5Lまでの高さの比を1.00とする中心線8を対称軸とした線対称とし、最下段に位置するV字リブ3bの頂点4と水平リブ3aとを交点9で接合した。互いに隣接するV字リブ3b、右斜めリブ3c、左斜めリブ3d、及び水平リブ3aの夫々の端部間の垂直方向の間隔Dvは10mmとした。また、互いに隣接するV字リブ3bの水平方向の間隔Dhは10mmとした。また、右斜めリブ3c、及び左斜めリブ3dは水平リブ3aとのなす角を夫々π/4rad、及び3π/4radの範囲とする中心線8を対称軸とした線対称とした。
上記袋状のリブ付きセパレータ1を用いた鉛蓄電池を以下の手順によって製造した。公知の方法により製造した未化成の正極充填板と負極充填板とを、上記袋状のリブ付きセパレータ1に負極充填板を収納した状態で、正極充填板と交互に積層して極板群を組み立て、これを電槽セル内に極板群に掛かる群圧を20kPaで収容し、そこに比重1.280、液温20℃の電解液を注入して常法に従って電槽化成をし、5時間率容量で50AhのD23型の実施例1の液式鉛蓄電池を製造した。
(比較例1)
前記混合物を図4に示すように、垂直方向に向けて設けられた縦リブ11の端部間の水平方向の間隔Dhが10mmであって、複数条の縦リブ11のみで構成されたリブ配置パターンに、刻設された成形ロール間を通過させて加圧成形したこと以外は、実施例1と同じ方法により袋状のリブ付きセパレータ1を作製し、比較例1の液式鉛蓄電池を製造した。
(比較例2)
前記混合物を図5に示すように、V字リブ3bの端部間の垂直方向の間隔Dvが実施例1と同様の10mmであって、V字リブ3bの右辺の角度がπ/36radで、左辺の角度が35π/36radの範囲とする、中心線8を対称軸とした線対称である複数条のV字リブ3bのみで構成されたリブ配置パターンに、刻設された成形ロール間を通過させて加圧成形したこと以外は、実施例1と同じ方法により袋状のリブ付きセパレータ1を作製し、比較例2の液式鉛蓄電池を製造した。
上記の実施例1、比較例1、及び比較例2の液式鉛蓄電池について、以下の手順に従って充放電試験を繰り返し実施して、成層化の有無を確認した。満充電状態から、0.2C相当の電流量で5時間率容量の50%を放電し、その後0.1C相当の電流量で放電電気量の105%分を充電するサイクルを3回繰り返した後、室温で16時間以上静置し、比重計によって電槽の各セル内の上部と下部の電解液比重を測定し、係る電解液の上下比重差から成層化を評価した。このとき、上下比重差が0.005以上を成層化が起きたと判断した。また、試験中に電槽セル内の極板群から電解液中に抜け出るガスの様子を観察し、ガス抜け性を評価した。このとき、セパレータのベース面上に垂直方向に向けて縦リブを設けた比較例1のガス抜け性を100%とし、実施例1、及び比較例2のガス抜け性を評価した。
(実施例、比較例の結果)
実施例1、比較例1、及び比較例2について、上記試験後の電解液の上下比重の測定結果とガス抜け性の評価結果を表1に示した。なお、上部電解液比重、及び下部電解液比重については、全6セルの平均値を示した。
表1から明らかなように、実施例1の鉛蓄電池は試験後の電解液の上下比重差が0.002であり、成層化が抑制された。これは、第一の理由として、充電時に正極板から生じた濃度の高い硫酸が、セパレータのベース面上に設けられた水平リブ、V字リブ、右斜めリブ、及び左斜めリブの上面に捕捉されて電槽セル内底部への沈降が防止されたことによると考えられる。第二の理由として、前記V字リブの右辺、及び左辺の角度の範囲、前記右斜めリブと前記左斜めリブの前記水平リブとのなす角の範囲、及び互いに隣接する前記V字リブ、前記右斜めリブ、前記左斜めリブ、及び前記水平リブの夫々の端部間の垂直方向の間隔を夫々好適な範囲とすることで、充電末期に生じるガスが前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブの下面に沿って上昇し、リブの端部から正極板上方にガス抜けが生じたことで、極板間のガスの滞留が防止されると共に電解液の攪拌も良好に行われたことによると推定される。
比較例1は、セパレータのベース面上に垂直方向に向けて縦リブが設けられているため、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸が、前記縦リブの隙間を通って多量に沈降するため、充電末期に発生するガスの抜け性が良好でも、電解液の攪拌が不十分となり成層化が起き、上下比重差が生じたものと推定される。
一方比較例2は、緩やかに傾斜したV字リブが設けられているため、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸を前記V字リブの上面で捕捉し、電槽セル内底部への沈降を抑制するが、生じたガスの排気がし難く、電解液の攪拌がままならない。また、水平リブが設けられていないため、充電時に正極板の下部から生じた濃度の高い硫酸はセパレータのベース面下部で捕捉されず電槽セル内底部に沈降するため、多少の成層化が起き、上下比重差が生じたものと推定される。
以上のように本発明のリブ付きセパレータは、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸をV字リブ、右斜めリブ、及び左斜めリブの上面で捕捉できる。さらに水平リブは前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブを設けることで、前記V字リブより下方でポケットを形成し、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸を、該ポケットを成すリブの上面で捕捉できる。したがって、充電時に正極板から生じる濃度の高い硫酸は、前記水平リブ、前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブにより電槽セル内底部に沈降しないよう捕捉され、電解液の成層化を抑制できる。
また、V字リブの右辺、及び左辺の夫々の角度はπ/6radからπ/3radまでの範囲、及び2π/3radから5π/6radまでの範囲、右斜めリブ、及び左斜めリブの水平リブとのなす角は夫々π/6radからπ/3radまでの範囲、及び2π/3radから5π/6radまでの範囲、互いに隣接する前記V字リブ、前記右斜めリブ、前記左斜めリブ、及び前記水平リブの夫々の端部間の垂直方向の間隔は、8mmから15mmまでの範囲で形成されるため、充放電時に生じるガスは前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブの下面に沿って上昇し、リブの端部から正極板上方に抜け、極板間でのガス滞留を防止する上で有利にはたらく。
また正極板と負極板とを、本発明のリブ付きセパレータを介在させて交互に積層した極板群に掛かる群圧を、5kPaから30kPaまでの範囲にすることで、リブと極板との間に隙間が生じ難く、濃度の高い硫酸は前記リブ上面に良好に捕捉される。また、電槽セル内に前記極板群を破損させることなく収容できる。
以上の通り本発明によれば、充電時に極板から生じる濃度の高い硫酸の沈降防止と、極板間のガスの滞留防止とを両立し、成層化を抑制し得る鉛蓄電池用リブ付きセパレータ、及びそのセパレータを用いた耐久性の高い鉛蓄電池を提供することができる。
1 リブ付きセパレータ
2 ベース面
3a 水平リブ
3b V字リブ
3c 右斜めリブ
3d 左斜めリブ
3t 上面
3u 下面
4 頂点
5R 端部右
5L 端部左
6R 始点右
6L 始点左
7 極板
8 中心線
9 交点
10 リブ付きシート状セパレータ
10a,10b 側面
10c,10d 両側部
10e 中央線
11 縦リブ

Claims (6)

  1. シートのベース面上に厚さ方向に垂直なリブを設けたリブ付きセパレータにおいて、
    前記リブは水平リブと、V字リブと、右斜めリブと、左斜めリブとを含み、
    前記水平リブは前記リブ付きセパレータを平面視したとき、上下方向の下端に設けられており、
    前記V字リブは前記水平リブに対して右辺の角度がπ/6radからπ/3radまでの範囲、かつ左辺の角度が2π/3radから5π/6radまでの範囲であって、前記右辺と前記左辺とで成す頂点から前記右辺と前記左辺の夫々の端部までの高さの比が0.95から1.05までの範囲であって、前記ベース面上に下に凸となるように設けられており、
    前記右斜めリブは前記水平リブとの交点を始点とし、前記水平リブとのなす角がπ/6radからπ/3radまでの範囲であって、右斜め上方向に延伸して設けられており、該始点は前記頂点よりも右側に位置するものであり、
    前記左斜めリブは前記水平リブとの交点を始点とし、前記水平リブとのなす角が2π/3radから5π/6radまでの範囲であって、左斜め上方向に延伸して設けられており、該始点は前記頂点よりも左側に位置するものであり、
    前記V字リブ、前記右斜めリブ、及び前記左斜めリブは前記ベース面上に夫々複数条設けられ、互いに隣接する前記V字リブ、前記右斜めリブ、前記左斜めリブ、及び前記水平リブの夫々の端部間の垂直方向の間隔は、8mmから15mmまでの範囲で設けられていることを特徴とする鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
  2. 前記V字リブが前記水平リブと直交する中心線を対称軸とした線対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
  3. 複数条設けられた前記V字リブの内、最下段に位置するV字リブの頂点が前記水平リブと交点を有するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
  4. 前記右斜めリブと前記左斜めリブとが前記中心線を対称軸とした線対称となるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータが用いられていることを特徴とする鉛蓄電池。
  6. 請求項5に記載の鉛蓄電池であって、極板群に掛かる群圧が5kPaから30kPaまでの範囲であることを特徴とする鉛蓄電池。
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