JP2019216006A - 観察装置及び観察方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビーム照射時に対象物から飛散物が発生しても、安定して照射状況を観察できる観察装置及び観察方法を提供する。【解決手段】電子ビームBを粉末材料Aへ照射した場合の照射状況を観察する観察装置10であって、粉末材料Aにおける電子ビームBの照射位置を観察するための観察部11と、粉末材料Aにおける電子ビームBの照射位置の像を反射させて観察部11へ導く反射面12aを有する反射部12とを備え、反射面12aが粉末材料Aと同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、電子ビームなどの照射状況を観察する観察装置及び観察方法に関する。
従来、電子ビームなどの照射状況を観察する装置及び方法として、例えば、実願昭61−169041号のマイクロフィルムに記載されるように、電子ビームを被溶接物に照射し、その照射位置の像をミラーで反射させて観察する装置及び方法が知られている。この装置及び方法は、シャッタ機構を設け、被観測時にミラーや観察機器を保護しようとするものである。
このような観察装置及び観察方法においては、電子ビームの照射時に被溶接部から発生する金属蒸気などの飛散物がミラーなどに付着し、電子ビームの照射状況がすぐに観察できなくなるおそれがある。シャッタ機構を設けたとしても、電子ビームの照射状況を観察する時にはシャッタ機構を開く必要があり、飛散物がミラーなどに付着することを防ぐのは難しい。
そこで、ビーム照射時に対象物から発せられる飛散物が付着しても、安定して照射状況を観察できる観察装置及び観察方法の開発が望まれている。
本発明の一態様に係る観察装置は、エネルギビームを対象物へ照射した場合の照射状況を観察する観察装置において、対象物におけるエネルギビームの照射位置を観察するための観察部と、対象物におけるエネルギビームの照射位置の像を反射させて観察部へ導く反射面を有する反射部とを備え、反射面は、対象物と同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されている。この観察装置によれば、対象物におけるエネルギビームの照射位置の像を反射させて観察部へ導く反射面を有する反射部を備えることにより、照射位置を直視しないように観察部を配置することができ、照射時に対象物から発生する飛散物が観察部に付着することを抑制することができる。また、反射面が対象物と同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されることにより、照射時に対象物から飛散物が反射面に付着した場合であっても、反射部の反射性能が低下することを抑制することができる。このため、観察部を用いた照射位置の観察を安定して行うことができる。また、本発明の一態様に係る観察装置において、観察部は、照射位置の像を拡大する拡大光学系を含んで構成されていてもよい。この場合、観察部の拡大光学系において、対象物に一番近いレンズを凹面状反射面で代替して構成することにより、このレンズの汚れのおそれを排除することができる。
また、本発明の一態様に係る観察装置において、反射面は凹面状に湾曲していてもよい。この場合、反射面が凹面状に湾曲しているため、エネルギビームの照射位置の像を拡大させて反射させることができる。従って、観察部へ照射位置の像が拡大されて導かれることとなり、照射位置の観察が良好に行える。
また、本発明の一態様に係る観察装置において、観察部と対象物におけるエネルギビームの照射位置との間に設けられ、エネルギビームの照射時に対象物から発生する飛散物が観察部へ付着することを抑制する遮蔽部を備えていてもよい。この場合、遮蔽部を備えることにより、照射時に対象物から発生する飛散物が観察部に付着することを抑制することができる。このため、観察部を用いた照射位置の観察をより安定して行うことができる。また、本発明の一態様に係る観察装置において、照射位置の画像の輝度に基づいて照射位置の温度を計測する計測部を備えていてもよい。
また、本発明の一態様に係る観察方法は、エネルギビームを対象物へ照射した場合の照射状況を観察する観察方法において、エネルギビームを対象物へ照射する照射工程と、対象物と同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成される反射面を有する反射部を用い、エネルギビームの照射位置の像を反射面で反射させて観察部へ導く反射工程と、反射面で反射する前記エネルギビームの照射位置の像を観察する観察工程とを含んで構成される。この観察方法によれば、対象物におけるエネルギビームの照射位置の像を反射面で反射させて観察部へ導くことにより、照射位置を直視しないように観察部を配置することができ、照射時に対象物から発生する飛散物が観察部に付着することを抑制することができる。また、対象物と同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成される反射面を用いて照射位置の像を反射させて観察することにより、照射時に対象物から飛散物が反射面に付着した場合であっても、反射部の反射率が変化することを抑制することができる。このため、観察部を用いた照射位置の観察を安定して行うことができる。また、本発明の一態様に係る観察方法において、観察工程では、照射位置の像を拡大して観察してもよい。
本発明によれば、ビーム照射時に対象物から発せられる飛散物がミラーに付着しても、安定して正確に照射状況の観察を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る観察装置10の構成概要図である。本実施形態に係る観察装置10は、三次元造形装置1の観察装置として適用したものである。観察装置10の説明に先立ち、三次元造形装置1について説明する。
三次元造形装置1は、粉末材料Aに電子ビームBを照射して粉末材料Aを溶融させ凝固させて三次元の物体を造形する装置である。この三次元造形装置1は、粉末材料Aに対し電子ビームBを照射し粉末材料Aを溶融させて物体の一部を造形する工程を繰り返し、凝固した粉末材料を積層させて物体の造形を行う。その際、造形する工程の前に、粉末材料Aに電子ビームBを照射して粉末材料Aの予備加熱を行ってもよい。電子ビームBは、エネルギ粒子である電子のビームであり、エネルギビームである。このエネルギビームには、電子ビームのほか、イオンビームなどの荷電粒子ビーム、レーザビームなどが含まれる。
三次元造形装置1は、ビーム出射部2、造形部3及び制御部4を備えて構成されている。ビーム出射部2は、造形部3の粉末材料Aに対し電子ビームBを出射し、粉末材料Aを溶融させる。例えば、ビーム出射部2は、粉末材料Aに電子ビームBを照射して粉末材料Aの予備加熱を行った後に、粉末材料Aに電子ビームBを照射し粉末材料Aを溶融させて三次元の物体の造形を行っていく。
ビーム出射部2は、電子銃部21、収差コイル22、フォーカスコイル23及び偏向コイル24を備えている。電子銃部21は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動し、電子ビームBを出射する。電子銃部21は、例えば、下方に向けて電子ビームBを出射するように設けられている。収差コイル22は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。収差コイル22は、電子銃部21から出射される電子ビームBの周囲に設置され、電子ビームBの収差を補正する。フォーカスコイル23は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。フォーカスコイル23は、電子銃部21から出射される電子ビームBの周囲に設置され、電子ビームBを収束させ、電子ビームBの照射位置におけるフォーカス状態を調整する。偏向コイル24は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。偏向コイル24は、電子銃部21から出射される電子ビームBの周囲に設置され、制御信号に応じて電子ビームBの照射位置を調整する。偏向コイル24は、電磁的なビーム偏向を行うため、機械的なビーム偏向と比べて、電子ビームBの照射時における走査速度を高速なものとすることができる。電子銃部21、収差コイル22、フォーカスコイル23及び偏向コイル24は、例えば、筒状を呈するコラム26内に設置される。なお、収差コイル22の設置を省略する場合もある。
造形部3は、所望の物体を造形する部位であり、チャンバ30内に粉末材料Aを配している。造形部3は、ビーム出射部2の下方に設けられている。造形部3は、箱状のチャンバ30を備えており、チャンバ30内において、プレート31、昇降機32、リコータ33及びホッパ34を備えている。チャンバ30はコラム26と結合されており、チャンバ30の内部空間は電子銃部21が配置されるコラム26の内部空間と連通している。
プレート31は、造形される物体を支持する部材である。プレート31上で物体が造形されていき、プレート31は、造形されていく物体を支持する。プレート31は、例えば円形の板状体のものが用いられる。プレート31は、電子ビームBの出射方向の延長線上に配置され、例えば水平方向に向けて設けられる。プレート31は、下方に設置される昇降ステージ35に支持されて配置され、昇降ステージ35と共に上下方向に移動する。昇降機32は、昇降ステージ35及びプレート31を昇降させる機器である。昇降機32は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。例えば、昇降機32は、物体の造形の初期において昇降ステージ35と共にプレート31を上部へ移動させておき、プレート31上で粉末材料Aが溶融凝固されて積層されるごとにプレート31を降下させる。昇降機32は、プレート31を昇降できる機構であれば、いずれの機構のものを用いてもよい。
プレート31は、造形タンク36内に配置されている。造形タンク36は、チャンバ30内の下部に設置されている。この造形タンク36は、例えば、円筒状に形成され、プレート31の移動方向に向けて延びている。この造形タンク36は、プレート31と同心円状の断面円形に形成される。造形タンク36の内側形状に合わせて、昇降ステージ35が形成される。つまり、造形タンク36の内側形状が水平断面で円形の場合、昇降ステージ35の外形も円形とされる。これにより、造形タンク36に供給される粉末材料Aが昇降ステージ35の下方へ漏れ落ちることを抑制しやすくなる。また、粉末材料Aが昇降ステージ35の下方へ漏れ落ちることを抑制するために、昇降ステージ35の外縁部にシール材を設けてもよい。なお、造形タンク36の形状は、円筒状に限定されず、断面矩形の角筒状であってもよい。
リコータ33は、プレート31の上方に粉末材料Aを供給し粉末材料Aの表面を均す部材である。例えば、リコータ33は、棒状又は板状の部材が用いられ、水平方向に移動することにより電子ビームBの照射領域に粉末材料Aを供給し、粉末材料Aの表面を均す。リコータ33は、図示しないアクチュエータ及び機構により移動制御される。なお、粉末材料Aを均す機構としては、リコータ33以外の機構を用いることができる。ホッパ34は、粉末材料Aを収容する収容器である。ホッパ34の下部には、粉末材料Aを排出する排出口34aが形成されている。排出口34aから排出された粉末材料Aは、プレート31上へ流入し、又は、リコータ33によりプレート31上へ供給される。プレート31、昇降機32、リコータ33及びホッパ34は、チャンバ30内に設置される。チャンバ30内は、真空状態又はほぼ真空な状態とされている。なお、プレート31上に粉末材料Aを層状に供給する機構としては、リコータ33及びホッパ34以外の機構を用いることができる。
粉末材料Aは、多数の粉末体により構成される。粉末材料Aとしては、例えば金属製の粉末が用いられる。また、粉末材料Aとしては、電子ビームBの照射により溶融及び凝固できるものであれば、粉末より粒径の大きい粒体を用いてもよい。粉末材料Aの具体的な材料としては、例えば、チタン、チタン合金、コバルト合金、ニッケル合金、アルミ合金などが用いられる。チタン合金としては、例えばTi6Al4V, Ti-Alなどが用いられる。また、コバルト合金としては、例えばCo-Cr, Co-Cr-Moなどが用いられる。ニッケル合金としては、例えばNi-Cr-Feなどが用いられる。アルミ合金としては、例えばAl-10Si-0.4Mgなどが用いられる。
制御部4は、三次元造形装置1の装置全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを含んで構成される。制御部4は、プレート31の昇降制御、リコータ33の作動制御、電子ビームBの出射制御、及び偏向コイル24の作動制御を行う。制御部4は、プレート31の昇降制御として、昇降機32に制御信号を出力して昇降機32を作動させ、プレート31の上下位置を調整する。制御部4は、リコータ33の作動制御として、電子ビームBの出射前にリコータ33を作動させ、プレート31上へ粉末材料Aを供給して均す。制御部4は、電子ビームBの出射制御として、電子銃部21に制御信号を出力し、電子銃部21から電子ビームBを出射させる。
制御部4は、偏向コイル24の作動制御として、偏向コイル24に制御信号を出力して、電子ビームBの照射位置を制御する。例えば、粉末材料Aの予備加熱を行う場合、制御部4は、ビーム出射部2の偏向コイル24に制御信号を出力し、プレート31に対し電子ビームBを走査して照射させる。また、予備加熱は、プレート31に対して行われてもよい。つまり、粉末材料Aをプレート31上に供給する前においてプレート31に電子ビームBを照射して、プレート31に対して予備加熱を行ってもよい。
制御部4は、物体の造形を行う場合、例えば造形すべき物体の三次元CAD(Computer-Aided Design)データを用いる。物体の三次元CADデータは予め入力される物体の形状データである。制御部4は、三次元CADデータに基づいて二次元のスライスデータを生成する。スライスデータは、例えば、造形すべき物体の水平断面のデータであり、上下位置に応じた多数のデータの集合体である。制御部4は、このスライスデータに基づいて、電子ビームBが粉末材料Aに対し照射する領域を決定し、その領域に応じて偏向コイル24に制御信号を出力する。これにより、制御部4はビーム出射部2の偏向コイル24に制御信号を出力し、物体形状に応じた物体領域に対し電子ビームBを照射させる。
三次元造形装置1は、電子ビームBの照射状況を観察するための観察機器として、観察装置10を具備している。観察装置10は、観察部11、反射部12及び遮蔽部13を備えている。観察部11、反射部12及び遮蔽部13は、チャンバ30内に設置されている。
観察部11は、粉末材料Aにおける電子ビームBの照射位置を観察するための機器である。粉末材料Aは、電子ビームBが照射される対象物として機能する。観察部11は、例えば、光学レンズ系及びカメラを備えて構成される。光学レンズ系は、例えば光軸に沿って複数のレンズを配置して構成される。また、この光学レンズ系としては、例えば観察すべき像を拡大する拡大光学レンズ系が用いられる。カメラは、電子ビームBの照射位置の像を撮影する撮影機器である。このカメラとしては、例えば1秒間に数百枚以上の撮影が行える高速度カメラが用いられる。観察部11は、例えば、チャンバ30の内壁部、床部又は天井部に支持されて取り付けられる。観察部11の光学レンズ系の前には、保護ガラスを配置してもよい。
反射部12は、粉末材料Aにおける電子ビームBの照射位置の像を反射させて観察部11へ導く反射面12aを有する部材である。反射部12は、例えば板状の部材により構成され、電子ビームBの照射位置に反射面12aを向けて設けられる。反射部12は、観察部11と比べて、電子ビームBの照射位置から近い位置に設けられている。この反射部12は、例えば、チャンバ30の内壁部、床部又は天井部に支持されて取り付けられる。
反射面12aは、粉末材料Aと同一材料により形成されている。反射部12は、その全体が反射面12aと同一材料により構成されていてもよいし、反射面12aと反射面12a以外の部分がそれぞれ異なる材料により構成されていてもよい。反射面12aは、例えば、チタン、チタン合金、コバルト合金、ニッケル合金、アルミ合金などの材料により形成され、粉末材料Aに応じた材料により形成される。反射面12aの材料として、チタン合金としては、例えばTi6Al4V, Ti-Alなどが用いられる。また、コバルト合金としては、例えばCo-Cr, Co-Cr-Moなどが用いられる。ニッケル合金としては、例えばNi-Cr-Feなどが用いられる。アルミ合金としては、例えばAl-10Si-0.4Mgなどが用いられる。このように、反射面12aが粉末材料Aと同一材料により形成されることにより、粉末材料Aに電子ビームBが照射され、照射位置から金属蒸気などの飛散物Mが発生し、その飛散物Mが反射面12aに付着した場合であっても、反射面12aの反射性能が低下することが抑制される。なお、反射面12a及び粉末材料Aを構成する材料は、上述したものに限られず、他の材料を用いてもよい。
ここで、粉末材料Aと同一材料としては、ほぼ同一の材料も含まれる。つまり、反射面12aを構成する材料は、粉末材料Aとほぼ同一の材料であってもよい。例えば、反射面12aを構成する材料は、粉末材料Aと主成分が同一の材料であってもよい。また、反射面12aを構成する材料は、飛散物Mが反射面12aに付着する前と付着した後で、反射面12aで反射される光の輝度が実質的に変わらないような材料であってもよい。これらの場合、粉末材料Aに電子ビームBが照射され、照射位置から金属蒸気などの飛散物Mが発生し、その飛散物Mが反射面12aに付着したときであっても、反射面12aの反射率が大きく変化することが抑制されるからである。また、反射面12aは、粉末材料A(対象物)と同一の光学特性を持つ材料により形成されていてもよい。ここで、光学特性が同一の材料としては、光学特性がほぼ同一の材料も含まれる。また、反射面12aは、粉末材料A(対象物)と同一の光学特性を持つ同一材料により形成されていてもよい。ここでいう光学特性には光の反射特性が含まれる。
反射面12aは、凹面状に湾曲している。このため、反射部12は、凹面鏡として機能する。つまり、反射面12aで反射される照射位置の像は、拡大されて観察部11に導かれる。従って、観察部11は、照射位置の像の分解能を低下させることなく、照射位置の像を入射させることができる。なお、反射面12aを凹面状とせずに平面状のものを用いる場合もある。
観察部11と電子ビームBの照射位置との間には、遮蔽部13が設けられている。遮蔽部13は、電子ビームBの照射時に粉末材料Aから発生する飛散物Mが観察部11へ付着することを抑制するための部材である。遮蔽部13は、例えば板材により形成され、チャンバ30の内壁部、床部又は天井部に支持されて取り付けられる。遮蔽部13が設けられることにより、飛散物Mが、電子ビームBの照射位置から観察部11へ一直線に飛散して観察部11の入力部へ付着することが抑制される。なお、この遮蔽部13の設置を省略する場合もある。
観察部11は、表示部14に電気的に接続されている。表示部14は、観察部11にて撮像された画像を表示する表示機器である。表示部14は、画像を表示するディスプレイを備えている。また、表示部14は、画像の録画機能を備えたものを用いてもよい。表示部14は、チャンバ30の外部に設置されている。また、表示部14として、例えばモニタを備えたコンピュータを用いてもよい。
次に、三次元造形装置1の動作を説明すると共に、本実施形態に係る観察装置10の動作、及び観察方法について説明する。
図1に示すように、まず、電子ビームBの照射領域に粉末材料Aが供給される。制御部4は、リコータ33を作動させるように制御信号を出力し、リコータ33を水平方向へ移動させる。これにより、プレート31上の照射領域に粉末材料Aが供給される。そして、物体を造形すべく、ビーム出射部2から電子ビームBが出射され、粉末材料Aに照射される。すなわち、制御部4は、電子銃部21、偏向コイル24に制御信号を出力する。これにより、電子銃部21から電子ビームBが出射され、偏向コイル24の作動により電子ビームBが物体を造形すべき領域に照射される。この電子ビームBの照射により、粉末材料Aが溶融し固化することで物体が造形されていく。
このとき、電子ビームBの照射状況は、観察装置10により観察される。すなわち、電子ビームBの照射位置の像は、反射部12の反射面12aにより反射され、観察部11に入力される。観察部11は、照射位置の像を撮像し、撮像した画像データを表示部14へ出力する。これにより、表示部14には電子ビームBの照射位置の画像が表示され、その照射状況を観察することができる。
その際、反射部12として、凹面状に湾曲した反射面12aを形成したものを用いることにより、電子ビームBの照射位置の像が拡大されて観察部11に入力されることとなる。このため、表示部14には、拡大された照射位置の画像を表示することができる。この拡大された照射位置の画像は、画像処理により拡大された画像と異なり、分解能を低下させずに拡大された画像となるので、その照射状況の観察が良好に行える。
ところで、電子ビームBが粉末材料Aに照射されると、粉末材料Aの溶融に伴って飛散物Mが発生する。例えば、粉末材料Aの溶融に伴い、粉末材料Aの蒸気が飛散物Mとして発生し拡散する。この飛散物Mは、反射面12aに到達し、反射面12aの表面に付着する。しかしながら、反射面12aと粉末材料Aが同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されているため、反射面12aに飛散物Mが付着しても、反射面12aの反射率が大きく変化することがない。従って、反射面12aに飛散物Mが付着することにより、照射状況の観察が短時間で行えなくなることが抑制され、照射状況の観察を正確に安定して行うことができる。
また、電子ビームBの照射位置と観察部11の間には遮蔽部13が設置されている。このため、電子ビームBの照射時に粉末材料Aから発生する飛散物Mが観察部11に付着することを抑制することができる。このため、観察部11を用いた照射位置の観察をより正確に安定して行うことができる。
電子ビームBの照射により、物体の一つの断面領域が造形されたら、電子ビームBの照射が停止される。そして、昇降機32が作動して、昇降ステージ35及びプレート31が所定の距離だけ降下される。そして、リコータ33が作動し、再び照射領域に粉末材料Aが供給され、電子ビームBの照射が行われる。この工程が繰り返し行われ、所望の物体が造形される。
以上説明したように、本実施形態に係る観察装置10及び観察方法によれば、粉末材料Aにおける電子ビームBの照射位置の像を反射させて観察部11へ導く反射面12aを有する反射部12を備えることにより、照射位置を直視しないように観察部11を配置することができ、照射時に粉末材料Aから発生する飛散物Mが観察部11に付着することを抑制することができる。また、反射面12aが粉末材料Aと同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されることにより、照射時に粉末材料Aから飛散物Mが反射面12aに付着した場合であっても、反射部12の反射性能が低下することを抑制することができる。このため、観察部11を用いた照射位置の観察を正確に安定して行うことができる。
また、照射状況の観察手法として、照射位置の画像の輝度に基づいて温度測定を行う場合がある。この場合、照射位置の画像の輝度に基づいて照射位置の温度を計測する計測部が設けられる。この計測部における計測方法には、放射温度計測方法を用いてもよい。放射温度計測方法の種類としては、測定する放射光の波長の数に応じて、単色による放射温度計測、二色による放射温度計測、多色による放射温度計測があるが、それらのいずれを上記計測部に用いてもよい。計測部は、観察部11内に設けられていてもよいし、観察部11の外部に設けられていてもよい。計測部は、例えば、照射位置の画像を画像処理することにより照射位置の温度を計測するものが用いられる。このように非接触で温度測定を行う場合、放射の輝度が温度の関数として表現される。このため、汚れによるレンズ等の透過率の低下、ミラー反射率の変化は温度の低下や変化として認識されてしまう。この場合、反射面12aが粉末材料Aと同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されることにより、反射面12aの反射特性の変化が抑制されるため、測定精度の低下を抑えることができる。従って、温度測定が正確に安定して行える。汚れの影響を除去する技術として二色温度計測法(二色による放射温度計測)があるが、この計測法でも反射率の低下に波長依存性がある場合は、むしろ精度の低下を招いてしまう。これに対し、本実施形態に係る観察装置10及び観察方法を二色による放射温度計測に組み合わせて用いることにより、反射率の低下が抑制されるため、正確な温度計測に大きな効果を発揮できる。特に、従来の技術では、単色による放射温度計測を用いた場合は、上述のような汚れの影響を受けやすいが、本実施形態の観察装置10及び観察方法を組み合わせることで、単色による放射温度計測を用いた場合であっても、汚れの影響を抑制できる。
また、本実施形態に係る観察装置10及び観察方法によれば、反射面12aが粉末材料Aと同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されることにより、反射面12aの反射率の低下が抑制される。このため、観察される照射位置の画像の輝度を適切に計測することができる。すなわち、画像の自動認識等の画像処理においては輝度の変化は物体認識の障害となる。輝度の変動により、同じものが違うものに認識されてしまう危険などがあるからである。
また、本実施形態に係る観察装置10及び観察方法によれば、反射面12aが凹面状に湾曲している。このため、電子ビームBの照射位置の像を拡大させて反射させることができる。従って、観察部11へ照射位置の像が拡大されて導かれることとなり、照射位置の観察が良好に行える。また、観察部11の拡大光学レンズ系の照射位置に一番近いレンズを凹面状反射面で代替して構成することができ、このレンズの汚れのおそれを排除することができる。
また、本実施形態に係る観察装置10及び観察方法によれば、電子ビームBの照射時に粉末材料Aから発生する飛散物Mが観察部11へ付着することを抑制する遮蔽部13を備えている。このため、電子ビームBの照射時に粉末材料Aから発生する飛散物Mが観察部11に付着することを抑制することができる。従って、観察部11を用いた照射位置の観察をより安定して行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲の記載の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形態様を取ることができる。
例えば、上述した実施形態においては、電子ビームBの照射位置の像が一つの反射部12により反射されて観察部11へ導かれる場合について説明したが、照射位置の像を反射する反射部は複数設けられていてもよい。例えば、図2に示すように、二つの反射部12、反射部121が設置され、照射位置の像が反射部12により反射され、さらに反射部121に反射されて観察部11へ導かれてもよい。また、反射部の設置数は、三つ以上であってもよい。この場合であっても、上述した実施形態に係る観察装置及び観察方法と同様な作用効果が得られる。さらに、複数の反射部を設けることにより、照射位置の像の導かれる方向を大きく変えることができるため、観察部11の光学レンズ系の向きを照射位置と反対側へ向けることができる。従って、遮蔽部13の設置を省略することができる。
また、上述した実施形態においては、エネルギビームとして電子ビームBを粉末材料Aに照射する状況を観察する場合について説明したが、本発明に係る観察装置及び観察方法は、電子ビームB以外のエネルギビームを照射する際にその照射状況を観察するものであってもよい。例えば、荷電粒子ビーム又はイオンビームを粉末材料に照射して物体を造形する装置に適用してもよい。また、本発明に係る観察装置及び観察方法は、レーザビームを粉末材料Aに照射するものであってもよい。
また、上述した実施形態では、電子ビームBを粉末材料Aに照射して三次元の物体を造形する装置に適用する場合について説明したが、本発明に係る観察装置及び観察方法は、それ以外の装置に適用してもよい。例えば、粉末材料でない材料、例えば板状の材料又はブロック状の材料などにエネルギビームを照射して溶接などの加工を行う装置に適用してもよい。
また、本発明は、電子ビームなどのエネルギビームを照射して溶接を行う際の観察装置及び観察方法に適用してもよい。この場合、照射状況の観察手法として、上述したように、照射位置の画像の輝度に基づいて温度測定を行う手法を用いればよい。電子ビームなどのエネルギビームを照射して溶接を行う場合、溶融する領域は被溶接物の表面の数mmの微小な領域に限られる。溶融領域を詳細に観察するためには、拡大光学系を観察部位の至近に配置し、被溶接物の表面輝度分布の画像を高解像度で取得することが必要となる。しかしながら、溶接時において、電子ビームの照射時に被溶接部から発生する金属蒸気などの飛散物が拡大光学系のレンズなどに付着すると、電子ビームの照射状況が正確に観察できなくなるおそれがある。すなわち、レンズの透過率が低下し、観察部位の輝度が低下したかのような誤った観察結果が得られてしまう。これに対し、本発明に係る観察装置及び観察方法によれば、溶接時の照射位置の観察に適用する場合であっても、被溶接部における電子ビームの照射位置の像を反射させて観察部へ導くため、照射位置を直視しないように観察部を配置することができる。従って、観察部のレンズなどに飛散物が付着することが抑制され、正確に安定した観察が行える。また、拡大光学系を含む観察部を用いることにより、観察部の拡大光学系において対象物に一番近いレンズを凹面状反射面で代替して構成することができる。これにより、このレンズの汚染のおそれを排除することができる。
1 三次元造形装置
2 ビーム出射部
3 造形部
4 制御部
10 観察装置
11 観察部
12 反射部
12a 反射面
13 遮蔽部
14 表示部
21 電子銃部
22 収差コイル
23 フォーカスコイル
24 偏向コイル
31 プレート
32 昇降機
33 リコータ
34 ホッパ
A 粉末材料
B 電子ビーム
2 ビーム出射部
3 造形部
4 制御部
10 観察装置
11 観察部
12 反射部
12a 反射面
13 遮蔽部
14 表示部
21 電子銃部
22 収差コイル
23 フォーカスコイル
24 偏向コイル
31 プレート
32 昇降機
33 リコータ
34 ホッパ
A 粉末材料
B 電子ビーム
Claims (7)
- エネルギビームを対象物へ照射した場合の照射状況を観察する観察装置において、
前記対象物における前記エネルギビームの照射位置を観察するための観察部と、
前記対象物における前記エネルギビームの照射位置の像を反射させて前記観察部へ導く反射面を有する反射部と、を備え、
前記反射面は、前記対象物と同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成されている、
観察装置。 - 前記観察部は、前記照射位置の像を拡大する拡大光学系を含む、請求項1に記載の観察装置。
- 前記反射面は、凹面状に湾曲している、請求項1又は2に記載の観察装置。
- 前記観察部と前記対象物における前記エネルギビームの照射位置との間に設けられ、前記エネルギビームの照射時に前記対象物から発生する飛散物が前記観察部へ付着することを抑制する遮蔽部を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の観察装置。
- 前記照射位置の画像の輝度に基づいて前記照射位置の温度を計測する計測部を更に備える、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の観察装置。 - エネルギビームを対象物へ照射した場合の照射状況を観察する観察方法において、
前記エネルギビームを前記対象物へ照射する照射工程と、
前記対象物と同一材料又は同一の光学特性を持つ材料により形成される反射面を有する反射部を用い、前記エネルギビームの照射位置の像を前記反射面で反射させて観察部へ導く反射工程と、
前記反射面で反射する前記エネルギビームの照射位置の像を観察する観察工程と、
を含む観察方法。 - 前記観察工程では、前記照射位置の像を拡大して観察する、請求項6に記載の観察方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018111980A JP2019216006A (ja) | 2018-06-12 | 2018-06-12 | 観察装置及び観察方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018111980A JP2019216006A (ja) | 2018-06-12 | 2018-06-12 | 観察装置及び観察方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2019216006A true JP2019216006A (ja) | 2019-12-19 |
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ID=68918819
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JP2018111980A Pending JP2019216006A (ja) | 2018-06-12 | 2018-06-12 | 観察装置及び観察方法 |
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-
2018
- 2018-06-12 JP JP2018111980A patent/JP2019216006A/ja active Pending
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