JP2019215740A - 支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを抑制しつつ、要救助者の発見を支援する。【解決手段】支援システム(1)は、認識手段(11)と、該認識手段による認識結果に基づいて場内者に係る情報を示すリストを生成する生成手段(12)と、撮像手段(13)と、撮像手段により撮像された画像を解析して、場内者を検出するとともに、場内者の挙動を検出する解析手段(14)と、検出された場内者及び挙動に基づいて警報を発する報知手段(15)と、を備える。報知手段は、(I)検出された場内者の人数が、リストにより示される場内者の人数より少ない場合、並びに、(II)検出された挙動に、(1)水面付近での頭の上下動、(2)第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合、のうち少なくとも一方の場合に警報を発する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばプール等の水域において、要救助者の発見を支援する支援システムの技術分野に関する。
この種のシステムでは特に水難事故の発生の抑制が図られる。水難事故の発生を抑制する方法として、遊泳者にアイテムを装着させる方法と、監視カメラを用いて遊泳者を監視する「目」を増やす方法とが提案されている。
前者の例として、遊泳者に取り付けられる電子タグと、水中聴音器及び報知ユニットを有するスイムモニターユニットとを備えるシステムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムでは、遊泳者の潜水時間が閾値を超えたときに電子タグから超音波信号が発せられ、該超音波信号が水中聴音器により受信された場合に、報知ユニットがストロボを発光させる。
後者の例として、少なくとも2台のカメラ各々により撮像された画像から、プール内の対象の軌跡を検出して、該軌跡が異常に長時間にわたり疑わしい軌跡(特に、動かなくなった軌跡、沈んでいく軌跡)が検出されたときに警告信号を発するシステムが提案されている(特許文献2参照)。
特表2010−534514号公報 特表2003−518251号公報
水中における遊泳者の動きに起因して超音波が発生することが多い。そして、遊泳者が多くなれば、それだけ発生する超音波も多くなる。このため、特許文献1に記載の技術では、遊泳者の動きに起因して発生する超音波がノイズとなり、電子タグから発せられる超音波信号が水中聴音器により適切に受信されない可能性がある。特許文献2に記載の技術では、カメラを水中に設置する必要があり、導入コストが比較的高くなるという問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、コストを抑制しつつ、要救助者の発見を支援することができる支援システムを提供することを課題とする。
本発明の支援システムは、上記課題を解決するために、水域を含む特定領域に入場する人及び前記特定領域から退場する人を認識する認識手段と、前記認識手段による認識結果に基づいて、前記特定領域内に存在する人である場内者に係る情報を示すリストを生成する生成手段と、前記特定領域の少なくとも一部を撮像する一又は複数の撮像手段と、前記一又は複数の撮像手段により撮像された画像を解析して、前記場内者を検出するとともに、前記場内者の挙動を検出する解析手段と、前記検出された場内者及び前記検出された挙動に基づいて警報を発する報知手段と、を備え、前記報知手段は、(I)前記検出された場内者の人数が、前記リストにより示される場内者の人数より少ない場合、並びに、(II)前記検出された挙動に、(1)水面付近での頭の上下動、(2)第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合、のうち少なくとも一方の場合に警報を発する。
認識手段は、特定領域に入場する人及び該特定領域から退場する人を認識する。「特定領域」は、当該支援システムを適用すべき領域を意味する。「水域」は、水で覆われた領域を意味し、例えば海、湖、川等の自然物に限らず、例えばプール、入浴施設の浴槽等の人工物も含む。「特定領域」の具体例として、フェンスや壁等で囲われたプール及びプールサイドを含む領域や、杭やブイ等で区画された海岸近傍の海水浴エリア、が挙げられる。人の認識には、顔認識技術や、会員証等の識別情報を用いた認識技術等の既存技術を適用可能である。
生成手段は、認識手段による認識結果に基づいて、場内者に係る情報を示すリストを生成する。リストに含まれる情報は、認識手段における認識方法に応じて変化してよい。認識方法として顔認識技術が用いられる場合、リストには、例えば顔画像、顔認識において推定された性別や年齢、顔認識が行われた時刻等が含まれていてよい。例えば学校やスポーツクラブのプール等、利用者が予めわかっている場所では、利用者に係る情報(例えば顔写真、名前、性別、年齢、所属、連絡先等)を予め登録しておき、該登録された情報から、認識手段による認識結果該当する情報を抽出することにより、リストが生成されてもよい。この場合、リストには、例えば顔写真、名前、性別、年齢、所属、連絡先等が含まれる。
撮像手段は、特定領域の少なくとも一部を撮像する。尚、撮像手段が一つだけの場合、典型的には、特定領域全体を撮像可能なように撮像手段が設置される。撮像手段が複数の場合、各撮像手段の撮像範囲を合わせた範囲が、特定領域全体に相当する範囲になるように各撮像手段が設置される。
解析手段は、撮像手段により撮像された画像を解析して、場内者を検出するとともに、場内者の挙動を検出する。画像の解析には、既存技術を適用可能である。解析手段は、ディープラーニングを用いた画像解析を実行可能に構成されていることが望ましい。解析手段により検出される場内者の挙動は、例えば水難事故の兆候を示す挙動等、特定の挙動に限定されてよい。解析手段は、場内者の挙動として、少なくとも(1)水面付近での頭の上下動、(2)第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞、を検出する。
報知手段は、検出された場内者の人数(撮像手段により撮像された場内者の人数に相当)が、リストにより示される場内者の人数(即ち、リストに含まれる場内者の人数)より少ない場合に警報を発する。
例えば水面が波打っている場合や、水面で反射した光の強度が比較的大きい場合、水中の様子を撮像手段で鮮明に撮像できない可能性がある。このとき、水中に潜っている人がいると、該潜っている人が、解析手段により検出されない可能性がある(所謂ロスト)。すると、解析手段により検出された場内者は、リストにより示される場内者よりも少なくなる。
従って、検出された場内者の人数が、リストにより示される場内者の人数より少ない場合に警報が発せられれば、監督者(例えば監視員、ライフセーバ、学校の教諭、コーチ等)に注意喚起を行うことができる。そして、警報に気付いた監督者が適切に行動すれば、例えば要救助者を比較的早期に発見することができ、水難事故の発生を抑制することができる。
上述の検出された場内者の人数がリストにより示される場内者の人数より少ない場合に代えて又は加えて、報知手段は、検出された挙動に、(1)水面付近での頭の上下動、(2)第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合に警報を発する。
人が意思を持って泳いでいる場合、人の頭部は水平方向に動く。他方で、溺れている(又は溺れかけている)人の頭部は水面付近で上下方向(即ち、垂直方向)に動く。従って、「水面付近での頭の上下動」は、水難事故の兆候を示す挙動といえる。
潜水時間が比較的長い場合、水難事故につながるおそれがある。従って、「第1所定時間以上の潜水」は、水難事故の兆候を示す挙動といえる。ここで「第1所定時間」は、警報を発するか否かを決定する値であり、典型的には可変値として設定されているが、固定値として設定されていてもよい。「第1所定時間」は、場内者の平均年齢若しくは年齢分布や、例えば水域の種別(例えばプール、海、川等)、水深、波の大きさ、流れの有無、気温、水温、風速等の環境条件を考慮して、或いは、環境条件に起因する体温変化の程度や体調変化の起こりやすさを考慮して、設定されることが望ましい。
撮像手段で水域を撮像する場合、例えば水の透明度や光の反射具合等によっては、画像から水面を検出できない可能性がある。水面が検出されないと、解析手段により「水面付近での頭の上下動」及び「第1所定時間以上の潜水」が検出されない可能性がある。ところで、人が意思を持って潜水している場合、水平方向及び/又は垂直方向に多かれ少なかれ動くことが多い。他方で、溺れている(又は溺れかけている)人は、狭小範囲にとどまっていることが多い。従って、「水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞」は、水難事故の兆候を示す挙動といえる。ここで「第2所定時間」は、警報を発するか否かを決定する値であり、典型的には可変値として設定されているが、固定値として設定されていてもよい。「第2所定時間」は、上述した「第1所定時間」と同様に、場内者の平均年齢等や環境条件を考慮して、或いは、環境条件に起因する体温変化の程度や体調変化の起こりやすさを考慮して、設定されることが望ましい。
従って、検出された挙動に、(1)水面付近での頭の上下動、(2)第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合に警報が発せられれば、監督者に注意喚起を行うことができる。そして、警報に気付いた監督者が適切に行動すれば、例えば要救助者を比較的早期に発見することができ、水難事故の発生を抑制することができる。
当該支援システムでは、解析手段により検出された場内者の人数がリストにより示される場内者の人数より少ない場合に警報が発せられる構成であるが故に、或いはこれに代えて又は加えて、水面上での挙動(例えば水面付近での頭の上下動)が検出された場合に警報が発せられる構成であるが故に、水中に潜っている人を撮像手段により鮮明に撮像する必要がない。つまり、当該支援システムでは、撮像手段を水中に設置する必要がない。このため、当該支援システムでは、例えば防水加工の程度が比較的低いカメラを撮像手段として採用することができる。加えて、当該支援システムでは、例えば遊泳者が何らかのアイテムを所持する必要がない(即ち、当該支援システムが該アイテムを備える必要がない)。従って、当該支援システムは、その構築コストを抑制することができる。
以上説明したように、当該支援システムによれば、コストを抑制しつつ、要救助者の発見を支援することができる。尚、当該支援システムは、要救助者の発見を目的とはしておらず、要救助者の発見の「支援(例えば監督者への注意喚起)」を目的としていることに留意されたい。「支援」を目的としているからこそ、上述の如く、人を特定することなく警報を発する構成とすることができるのである。
本発明の支援システムの一態様では、前記解析手段は、前記検出された場内者の位置を示す位置情報、及び、前記検出された場内者を特定するための特定情報を生成する。ここで、位置情報は、例えば撮像手段の設置位置、光軸方向及び画角、該撮像手段により撮像された画像中での場内者の位置(例えば座標)等に基づいて求めればよい。特定情報は、例えば撮像手段により撮像された画像に対して顔認識を行い、顔認識の結果に基づいて生成すればよい。
警報を発することに加えて、位置情報及び特定情報の少なくとも一方に基づく情報を報知するように報知手段を構成すれば、要救助者の発見に有用な情報を提供することができ、実用上非常に有利である。
解析手段が位置情報及び特定情報を生成する態様では、前記報知手段は、前記検出された場内者の人数が、前記リストにより示される場内者の人数より少ない場合、警報を発するとともに、前記特定情報及び前記リストに基づいて不明者を特定し、前記特定された不明者に係る情報を前記リストから抽出して報知してよい。このように構成すれば、監督者が、探すべき人(即ち、不明者)を比較的容易に認識することができる。
解析手段が位置情報及び特定情報を生成する態様では、前記報知手段は、前記検出された挙動に、(1)水面付近での頭の上下動、(2)前記第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での前記第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合、警報を発するとともに、前記特定情報及び前記位置情報に基づいて、(1)前記挙動としての、水面付近での頭の上下動が検出された場内者、(2)前記挙動としての、前記第1所定時間以上の潜水が検出された場内者、及び/又は、(3)前記挙動としての、水域の狭小範囲内での前記第2所定時間以上の停滞が検出された場内者、に係る情報及び位置を報知してよい。このように構成すれば、監督者が、要救助者を比較的容易に発見することができる。
解析手段が位置情報及び特定情報を生成する態様では、前記報知手段は、前記特定情報に基づいて、前記検出された場内者に、前記リストにより示される場内者以外の人が含まれている場合、警報を発してよい。このように構成すれば、特定領域内に、例えば不審者が侵入していることを監督者に報知することができる。
本発明の支援システムに係る他の態様では、前記一又は複数の撮像手段のうち少なくとも一つは、前記水域を俯瞰する視点から撮像可能に設置されている。「水域を俯瞰する視点」とは、比較的高い位置から水域を見下ろす視点を意味する。この態様によれば、水中の様子を鮮明に撮像することができる。この理由は次のとおりである。
例えば、光軸が水平方向に沿うように撮像手段の一例としての監視カメラを設置して、該監視カメラにより水域を撮像すると、水面に対して比較的大きい入射角で入射する光の反射光も、監視カメラに入射することとなる。比較的大きい入射角で光が水面に入射すると、水面を透過する光よりも水面で反射する光が多くなる。つまり、比較的大きい入射角で光が水面に入射すると、監視カメラに入射する光は、水面を透過して水中で反射した光よりも、水面で反射した光が多くなる。この結果、水中の様子が不鮮明な画像が監視カメラで撮像されることが多くなる。
他方で、光軸が垂直方向に近づくように撮像手段の一例としての監視カメラを設置して、該監視カメラにより水域を撮像すると、水面に対して比較的小さい入射角で入射する光の反射光だけが、監視カメラに入射することとなる。比較的小さい入射角で光が水面に入射すると、水面で反射する光よりも水面を透過する光が多くなる。つまり、比較的小さい入射角で光が水面に入射すると、監視カメラに入射する光は、水面で反射した光よりも、水面を透過して水中で反射した光が多くなる。この結果、水中の様子が鮮明な画像が監視カメラで撮像されることとなる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る支援システムの概念を示す概念図である。 実施形態に係る支援システムの一具体例を示す構成図である。 プールの平面図である。 プールの立面図である。 報知画面の一例を示す図である。
支援システムに係る実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。ここでは、支援システムがプールで使用される場合を一例として挙げる。
(支援システムの概念)
実施形態に係る支援システムの概念について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る支援システムの概念を示す概念図である。
図1において、支援システム1は、認識手段11、生成手段12、撮像手段13、解析手段14及び報知手段15を備えて構成されている。
認識手段11は、プールの敷地(例えば図3におけるプールエリア及びプールサイドを合わせた領域)に入る人及びプールの敷地から出る人を認識する。本実施形態に係る「プールの敷地」は、本発明に係る「特定領域」の一具体例に相当する。生成手段12は、認識手段11による認識結果に基づいて、プールの敷地内に存在する人である場内者に係る情報を示すリストを生成する。ここで、「場内者」には、遊泳者(例えばプールの利用者)に限らず、遊泳者を監督する監督者も含まれる。
撮像手段13は、プールの敷地を撮像する。解析手段14は、撮像手段13により撮像された画像を解析して、場内者を検出するとともに、場内者の挙動を検出する。報知手段15は、生成手段12により生成されたリスト、及び、解析手段14による解析結果に基づいて警報を発する。
(支援システムの具体例)
次に、支援システム1の具体的な構成について図2を参照して説明する。図2は、実施形態に係る支援システムの一具体例を示す構成図である。
図2において、支援システム1は、監視カメラ13a及び13b、認識用カメラ21、認識用端末22、メインパーソナルコンピュータ30(以降、適宜“メインPC30”と称する)、報知用モニタ40a及び40b(適宜“報知用モニタ40”とも称する)を備えて構成されている。尚、監視カメラは、3台以上備えられていてもよいし、1台であってもよい。報知用モニタは、3台以上備えられていてもよいし、1台であってもよい。認識用カメラは、2台以上備えられていてもよい。
メインPC30は、その内部に論理的に実現される処理ブロックとして又は物理的に実現される処理回路として、画像解析部31、判定部32及びデータベース(DB)33を備えて構成されている。
認識用端末22、監視カメラ13a及び13b、メインPC30、報知用モニタ40a及び40bは、ネットワークを介して互いに接続されている。該ネットワークは、支援システム1専用に構築されたネットワーク(例えば、Local Area Network:LAN)であることが望ましいが、例えばインターネット等の広域ネットワークであってもよい。
ここで、監視カメラ13a及び13b、認識用カメラ21、並びに、報知用モニタ40a及び40bの設置位置の一例について図3及び図4を参照して説明する。図3は、プールの平面図である。図4は、プールの立面図である。尚、図3及び図4は、設置位置の概念を示すものであり、相互に対応していないことに留意されたい。図3に示す「プールエリア」は、本発明に係る「水域」の一具体例に相当する。
監視カメラ13a及び13bは、夫々の撮像範囲を合わせた範囲が、プールの敷地全体に相当する範囲となるように設置される。認識用カメラ21は、プールの敷地の出入口付近を撮像可能なように設置される。報知用モニタ40a及び40bは、監督者から見やすい位置に設置される。
監視カメラ13a及び13bの少なくとも一方は、図4に示すように、プールエリアを俯瞰する視点から撮像可能なように、比較的高い位置(例えばプールサイドの上面から5メートルの位置等)に設置される。尚、図4では、監視カメラ13a及び13bの少なくとも一方は、支柱に取り付けられているが、設置方法は限定されない。例えば屋内のプールであれば、監視カメラ13a及び13bの少なくとも一方は天井に取り付けられてもよい。屋外のプールであっても、該プールに隣接する比較的高い建造物(例えば校舎、体育館等)が存在する場合、監視カメラ13a及び13bの少なくとも一方は該建造物に取り付けられてもよい。
報知用モニタ40は、図4に示すように、例えば監督者の目線の高さに設置されることが望ましい。尚、監督者が監視台を利用する場合や、監督者用の待機所が設けられている場合には、監視台や待機所にも報知用モニタ40が設置されることが望ましい。
ここで、監視カメラ13a及び13b、並びに、報知用モニタ40a及び40bは、PoE(Power Over Ethernet)による電力供給が可能な通信ケーブル(図示せず)によりネットワークに接続されていることが望ましい。このように構成すれば、通信ケーブルを介して監視カメラ13a及び13b、並びに、報知用モニタ40a及び40b各々に電力を供給することができるので、これらの機器にバッテリを搭載する場合に比べて、小型軽量化を図ることができる。通信ケーブルは、その一部が地上に現れない態様で配設されることが望ましい(例えば地中への埋設、排水溝中への配設等)。このように構成すれば、通信ケーブルが、場内者の通行を妨げることを抑制することができる。
尚、監視カメラ13a及び13b、並びに、報知用モニタ40a及び40bに、電源ケーブルを用いて電力を供給することも可能である。しかしながら、通信ケーブルの他に電源ケーブルを用意しなければならずコストが増加するとともに、配線が比較的複雑になる。屋外のプールや海水浴場等の屋外施設で当該支援システム1が使用される場合、使用期間は年間で1〜2ヶ月程度に限られる。このとき、当該支援システム1専用の電源設備を用意するとなるとコストが増加する。他方で、既存の電源設備から、例えば延長ケーブル等を用いて電力を引こうとすると場内者の感電リスクが増加するおそれがある。
上述のPoEによる電力供給が可能な通信ケーブルを用いる場合、例えばPoEスイッチングハブ、PoEインジェクション等を既存の電源設備の周辺に設置すればよく、当該支援システム1専用の電源設備を用意せずとも、場内者の感電リスクを抑制することができる。
図2に戻り、認識用端末22は、認識用カメラ21により撮像された画像である認識用画像から、プールの敷地に入る人及びプールの敷地から出る人(即ち、プールの敷地に出入りする人)を認識する。本実施形態に係る「認識」は、個人を特定可能な態様で認識することを意味する。具体的には例えば、認識用端末22は、認識用画像に顔認識処理を施し、プールの敷地に出入りする人の顔を検出する。
認識用端末22は、プールの敷地に出入りする人の認識結果に基づいて、場内者に係る情報を示すリストを生成する。具体的には例えば、認識用端末22は、認識用画像に顔認識処理を施すことにより検出された顔を示す顔画像と、任意の識別情報(例えば固有番号)とを関連付けることにより、一の人に係る情報を生成する。認識用端末22は、この処理を、プールの敷地に入る人全てについて行うことにより、上記リストを生成する。認識用端末22は、認識用画像からプールの敷地に入る人が認識されるたびに、上記リストを生成(又は更新)する。他方で、認識用端末22は、認識用画像からプールの敷地から出る人が認識された場合、該認識された人の顔画像と、上記リストに含まれる顔画像とを用いて顔認証処理を行い、該当する人に係る情報を上記リストから削除する。
上記リストには、顔画像に加えて、例えば入場時刻(例えば認識用画像が撮像された時刻に相当)や、可能であれば顔画像から推定される性別、年齢、等が含まれていてよい。例えば学校やスポーツクラブ等のプールのように、利用者が予めわかっている場所では、利用者に係る情報(例えば顔写真、名前、性別、年齢、所属、連絡先等)が、例えばメインPC30のデータベース33に登録されていることが望ましい。この場合、認識用端末22は、認識用画像に顔認識処理を施すことにより検出された顔と、データベース33に登録されている顔写真とを用いて顔認証処理を行い、検出された顔に対応する利用者の情報をデータベース33から取得する。そして、認識用端末22は、認識用画像に顔認識処理を施すことにより検出された顔を示す顔画像に加えて、データベース33から取得された情報に基づいてリストを生成してよい。
監視カメラ13a及び13b各々は、ネットワークを介して、メインPC30に画像(以降、適宜“監視画像”と称する)を逐次送信する。メインPC30の画像解析部31は、監視カメラ13a及び13b各々から送信された監視画像を解析する。ここで、画像解析部31は、ディープラーニングを用いた解析を実行可能に構成されていることが望ましい。
画像解析部31は、具体的には先ず、監視画像に第1の画像処理を施して、監視画像に写っている(即ち、監視カメラ13a又は13bにより撮像された)場内者を検出する。第1の画像処理には、例えばパターン認識等の既存の技術を適用可能であるので、その詳細な説明は省略する。画像解析部31は、検出された場内者各々について、例えば監視画像中での場内者の位置、該監視画像を撮像した監視カメラ13a又は13bの光軸方向、画角、設置位置等に基づいて、場内者の実際の位置(例えば、縦、横、高さ又は深さ)を示す位置情報を生成する。これらの結果、画像解析部31により、場内者の人数及び位置が検出される。
画像解析部31は、監視画像に顔認識処理を施して、検出された場内者の顔を検出する。画像解析部31は、検出された顔とリストに含まれる顔画像とを用いて顔認証処理を行う。そして、検出された顔に該当する顔画像がリストに含まれていた場合、画像解析部31は、該顔画像に対応する人に係る情報と、監視画像から顔が検出された場内者とを紐付ける情報である特定情報を生成する。この結果、監視画像から顔が検出された場内者が特定される。
画像解析部31は、更に、時間的に連続する複数の監視画像に第2の画像処理を施すことにより、場内者の挙動を検出する。挙動検出に係る第2の画像処理には、既存の技術を適用可能であるので、その詳細な説明は省略する。尚、検出される挙動の詳細については後述する。
メインPC30の判定部32は、画像解析部31による監視画像の解析結果に基づいて、警報を発するか否かを判定する。警報を発すると判定されたことを条件に、判定部32は、警報を発するように報知用モニタ40を制御する。
認識用カメラ21及び認識用端末22が、認識手段11の一具体例に相当する。認識用端末22が、生成手段12の一具体例に相当する。監視カメラ13a及び13bが、撮像手段13の一具体例に相当する。画像解析部31が、解析手段14の一具体例に相当する。判定部32及び報知用モニタ40が、報知手段15の一具体例に相当する。
(警報の具体例)
次に、画像解析部31により検出される場内者の挙動の一例を挙げつつ、当該支援システム1が発する警報の具体例について説明する。
本実施形態ではプールの敷地が、(I)陸上部(図3の“プールサイド”に相当)及び(II)水域(図3の“プールエリア”に相当)に区分される。水域は、更に、(1)水面より上の空間である「アクアゾーン」、(2)水面である「ボーダーゾーン」及び(3)水面より下の空間である「アンダーゾーン」に区分される。
上述の如く画像解析部31により位置情報が生成されるので、当該支援システム1は、各場内者が、陸上部、並びに、アクアゾーン、ボーダーゾーン及びアンダーゾーンを含む水域のいずれに位置しているかを把握することができる。
警報:認識ロスト
判定部32は、画像解析部31により検出された場内者の人数が、認識用端末22により生成されたリストが示す場内者の人数より少ない場合、警報を発すると判定する。このとき、判定部32は、画像解析部31により生成された特定情報に基づいて、上記リストから、画像解析部31により検出されなかった場内者である不明者の候補を抽出する。判定部32は、更に、画像解析部31により生成された位置情報に基づいて、抽出された不明者の候補が最後に検出(認識)された位置を取得する。
ここで、画像解析部31により、一の時刻において検出された場内者の全員の顔が検出されるとは限らない。つまり、一の時刻において検出された場内者の人数と、該検出された場内者のうち顔が検出された場内者の人数とは一致するとは限らない。一の時刻において検出された場内者の人数より、顔が検出された場内者の人数が少ない場合、上記特定情報を用いても上記リストから不明者を特定することはできない。そこで、判定部32は、上記リストに含まれる場内者のうち、一の時刻において検出された場内者のうち顔が検出された場内者(即ち、特定情報を用いて特定可能な場内者)以外の場内者を、不明者の候補として抽出する。
判定部32は、例えば「カメラで見つけられない人がいます。探してください。」等の警報メッセージと、上記抽出された不明者の候補の顔画像及び最後に検出された位置と、を含む画像(図5参照)を表示するとともに、警告音を発するように、報知用モニタ40を制御する。
警報:ボーダー
画像解析部31は、場内者の挙動として、「水面付近(即ち、ボーダーゾーン)での頭の上下動」を検出する。溺れている(又は溺れかけている)人は、呼吸をしようと必死に水面に顔を出そうとするが、かえって浮力を失い水中に沈むという挙動になることが多い。つまり、「水面付近での頭の上下動」は、水難事故の兆候を示す挙動といえる。尚、意思を持って泳いでいる人も息継ぎに起因して頭が上がるが、泳いでいるが故に頭は水平方向に動く。このため、意思を持って泳いでいる人の挙動は、「水面付近での頭の上下動」としては検出されない。
画像解析部31は、場内者の挙動として、「水面付近での頭の上下動」に加えて、「頭の周囲に水しぶきをあげること」を検出してもよい。溺れかけている人で、体力が比較的残っている人は、体を水面上に出そうともがくことが多い。この結果、頭の周囲に水しぶきがあがることが多い。ただし、意思を持って泳いでいる人も、泳法によっては頭の周囲に水しぶきがあがる。このため、「頭の周囲に水しぶきをあげること」を単独で検出するのではなく、「水面付近での頭の上下動」と組み合わせて検出されることが望ましい。
判定部32は、画像解析部31により検出された場内者の挙動に、「水面付近での頭の上下動」が含まれている場合、警報を発すると判定する。このとき、挙動として「水面付近での頭の上下動」を検出された場内者である要救助者の顔が、画像解析部31により検出されていれば、判定部32は、画像解析部31により生成された特定情報に基づいて、認識用端末22により生成されたリストから要救助者に係る情報を取得する。また、画像解析部31は、画像解析部31により生成された位置情報に基づいて、要救助者の位置を取得する。
尚、挙動として「水面付近での頭の上下動」を検出された場内者の顔が検出されていない場合、判定部32は、画像解析部31により生成された特定情報に基づいて、上記リストから、画像解析部31により顔が検出されなかった場内者を、要救助者の候補として抽出してもよい。
判定部32は、例えば「水面上で水しぶきをあげる、或いは、頭の激しい上下動を繰り返している人がいます。」等の警報メッセージと、要救助者(又は要救助者の候補)の顔画像及び位置と、を含む画像(図5参照)を表示するとともに、警告音を発するように、報知用モニタ40を制御する。
警報:アンダー
画像解析部31は、場内者の挙動として、「第1所定時間以上の潜水(言い換えれば、アンダーゾーンに第1所定時間以上いること)」を検出する。潜水しているか否かは、画像解析部31により生成された位置情報に基づいて判定すればよい。例えば位置情報により示される高さ(又は深さ)が、水面の高さより低ければ、潜水していると判定すればよい。
ここで、画像解析部31は、上述の如く、顔認識処理により監視画像から場内者の顔を検出するので、場内者を区別した上で場内者の挙動を検出することができる。このため、画像解析部31は、例えば「第1所定時間以上の潜水」等の時間経過を伴う挙動を検出できるのである。尚、潜水している場内者の顔が検出されない期間があってよい。なぜなら、画像解析部31は、時間的に連続する複数の監視画像から場内者の挙動を検出しているので、監視画像中の潜水している場内者に相当する領域の時間変化を追跡すれば、いずれかの時点で、潜水している場内者の顔が検出されるからである。
判定部32は、画像解析部31により検出された場内者の挙動に、「第1所定時間以上の潜水」が含まれている場合、警報を発すると判定する。このとき、判定部32は、画像解析部31により生成された特定情報に基づいて、認識用端末22により生成されたリストから、挙動として「第1所定時間以上の潜水」を検出された場内者である要救助者に係る情報を取得する。また、画像解析部31は、画像解析部31により生成された位置情報に基づいて、要救助者の位置を取得する。
判定部32は、例えば「水面下に一定時間以上潜っている人がいます。」等の警報メッセージと、要救助者の顔画像及び位置と、を含む画像(図5参照)を表示するとともに、警告音を発するように、報知用モニタ40を制御する。
警報:ステイ
画像解析部31は、場内者の挙動として、「水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞」を検出する。「水域」であるので、「アクアゾーン」、「ボーダーゾーン」及び「アンダーゾーン」のいずれであるかは問われない。
監視カメラ13a及び13bで水域(図3の“プールエリア”に相当)を撮像する場合、例えば水の透明度や光の反射具合等によっては、監視画像から水面を検出できない可能性がある。水面が検出できない場合、画像解析部31により、上述した「水面付近での頭の上下動」及び「第1所定時間以上の潜水」が検出されない可能性がある。
ところで、人が意思を持って何らかの行動をとる場合、水平方向及び/又は垂直方向に多かれ少なかれ動くことが多い。他方で、溺れている(又は溺れかけている)人は、狭小範囲にとどまっていることが多い。従って、「水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞」は、水難事故の兆候を示す挙動といえる。このため、画像解析部31により、場内者の挙動として、「水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞」が検出される構成とすれば、水面が検出できない場合であっても、溺れている(又は溺れかけている)可能性のある人を検出することができる。
判定部32は、画像解析部31により検出された場内者の挙動に、「水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞」が含まれている場合、警報を発すると判定する。このとき、判定部32は、画像解析部31により生成された特定情報に基づいて、認識用端末22により生成されたリストから、挙動として「水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞」を検出された場内者である要救助者に係る情報を取得する。また、画像解析部31は、画像解析部31により生成された位置情報に基づいて、要救助者の位置を取得する。
判定部32は、例えば「一箇所に長時間とどまっている人がいます。」等の警報メッセージと、要救助者の顔画像及び位置と、を含む画像(図5参照)を表示するとともに、警告音を発するように、報知用モニタ40を制御する。
警報:アンノウン
判定部32は、画像解析部31により検出された場内者の人数が、認識用端末22により生成されたリストが示す場内者の人数より多い場合、或いは、監視画像に顔認識処理が施されることにより検出された顔に該当する場内者が、上記リストに含まれていない場合、警報を発すると判定する。
判定部32は、例えば「登録されていない人(不審者)がエリア内にいます。」等の警報メッセージを表示するとともに、警告音を発するように、報知用モニタ40を制御する。監視画像に顔認識処理が施されることにより検出された顔に該当する場内者が、認識用端末22により生成されたリストに含まれていないことに起因して警報が発せられる場合、判定部32は、上記リストに含まれていない場内者の顔画像と、該場内者の位置とを、警報メッセージと併せて表示するように、報知用モニタ40を制御してもよい。
上述した警報(即ち、認識ロスト、ボーダー、アンダー、ステイ、アンノウン)は、その警報レベルが、例えば警報が発せられてからの経過時間、当該支援システム1が導入されている施設や水域の種別、要救助者や不明者の年齢、等に応じて変更されてよい。また、認識用端末22により生成されたリストに、場内者の、例えば名前、年齢、連絡先等が含まれている場合、判定部32は、顔画像や位置に加えて、例えば名前、年齢、連絡先等を含む画像を表示するように、報知用モニタ40を制御してよい。
(技術的効果)
当該支援システム1では、画像解析部31により検出された場内者の挙動として、(1)水面付近での頭の上下動、(2)第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合に警報が発せられる(上述の“警報:ボーダー”、“警報:アンダー”、“警報:ステイ”参照)。警報を発することにより監督者に注意喚起を行うことができる。上述の(1)〜(3)は、水難事故の兆候を示す挙動といえるので、警報に気付いた監督者が適切に行動すれば、水難事故の発生が抑制されることが期待できる。
当該支援システム1では、警報メッセージに加えて、例えば顔画像や位置等が報知用モニタ40に表示される。このため、監督者が注意を向けるべき対象及び位置を比較的容易に認識することができる。
当該支援システム1では、監視カメラ13a及び13bは、プールエリアを俯瞰する視点から撮像可能なように比較的高い位置に設置される(図4参照)。このため、当該支援システム1によれば、水中の様子を鮮明に撮像することができる。なぜなら、監視カメラ13a及び13b各々には、水面に対して比較的小さい入射角で入射する光の反射光が比較的多く入射することになるが、この場合、水面で反射した光よりも、水面を透過して水中で反射した光が多くなるからである。
上記の「水中の様子を鮮明に撮像することができる」という効果の背反として、水面が検出されない可能性がある。そこで、当該支援システム1では、上述の如く、「アクアゾーン」、「ボーダーゾーン」及び「アンダーゾーン」のいずれであるかを限定せずに、場内者の挙動として「水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞」が検出された場合に警報が発せられる(上述の“警報:ステイ”参照)。つまり、当該支援システム1によれば、監視画像から水面が検出されない場合であっても警報が発せられ、監督者に注意喚起を行うことができる。
当該支援システム1では、画像解析部31により検出された場内者の人数が、認識用端末22により生成されたリストが示す場内者の人数より少ない場合に警報が発せられる(上述の“警報:認識ロスト”参照)。例えば比較的混雑している場合、或いは、混雑していなくとも特定の場所に人が集まっている場合、監視画像中において一の人が、他の人の陰になり、画像解析部31により検出されない可能性がある。水難事故の兆候を示す挙動が検出されていなくとも、このような場合に警報が発せられれば、監督者に注意喚起を行うことができ、その結果、要救助者の見落としを抑制することができる。
加えて、検出された場内者の人数が、上記リストが示す場内者の人数より少ないことをもって警報が発せられる構成であるが故に、全ての場内者を常に検出できるよう、例えば監視カメラの台数を増やしたり、水中に監視カメラを設置したりということが不要である。或いは、遊泳者が、何らかのアイテム(例えば、特許文献1に記載の電子タグ)を所持することが不要である。このため、当該支援システム1によれば、構築コストを抑制することができる。
尚、仮に遊泳者にアイテムを所持させるとすると、例えばプールの利用者のピーク時の人数に相当する数量に、紛失等に備えた予備の数量を加えた分のアイテムを用意しなければならない。加えて、例えば、アイテムの使用料をプールの利用料に上乗せしたり、保証金を預かったりすると、支援システムが適切に利用されないおそれがある。また、アイテムのメンテナンスや保管に係るコストも発生する。つまり、遊泳者にアイテムを所持させると、支援システムの構築コストや運用コストが比較的大きくなるにもかかわらず、支援システムに期待される効果が得られにくくなるおそれがある。
当該支援システム1では、画像解析部31により検出された場内者の人数が、認識用端末22により生成されたリストが示す場内者の人数より多い場合、或いは、監視画像に顔認識処理が施されることにより検出された顔に該当する場内者が、上記リストに含まれていない場合に、警報が発せられる(上述の“警報:アンノウン”参照)。
このような場合、未登録者がプールの敷地内にいる可能性が比較的高い。未登録者には、例えばホテルのプライベートビーチに誤って侵入してしまった遊泳者等、過失により侵入する者がいる一方で、悪意を持って故意に侵入する者もいる。従って、このような場合に警報が発せられれば、監督者に注意喚起を行うことができ、その結果、例えば不審者の早期発見が期待できる。特に教育現場においては、このような警報が発せられる構成とすることで、安心・安全を担保することができる。
<変形例>
上述した実施形態では、認識用カメラ21により撮像された認識用画像を用いて認識用端末22により顔認識処理が行われるが、例えば次のような構成であってもよい。即ち、少なくとも利用者の顔写真を、該利用者を識別するための識別情報に関連付けて、例えばメインPC30のデータベース33に予め登録しておく。そして、例えば学生証や会員証、バーコード付きのロッカーキー等、上記識別情報を示すものを、読取装置(認識用カメラ21であってもよいし、例えばバーコードリーダー等の他の装置であってもよい)が読み取り、識別情報を取得した場合に、認識用端末22が、読取装置が取得した識別情報に基づいて、データベース33から利用者の顔写真を取得して、場内者に係る情報を示すリストを生成する。
<応用例1>
認識用端末22により生成された場内者に係る情報を示すリストが、監督者に提示されてよい。該リストが報知用モニタ40の一部に表示されることによりリストの提示が行われてもよいし、リストを提示するための専用のモニタ等が設けられてもよい。
このように構成すれば、例えば中規模〜大規模な遊泳施設で事故が起きた場合であって、事故の当事者が意識を失っている場合に、例えば該当事者の身元の特定や、救急車の要請、該当事者の家族、知人の探索等を比較的速やかに行うことができる。
<応用例2>
当該支援システム1では、メインPC30の画像解析部31が、監視カメラ13a及び13bにより撮像された監視画像に対し顔認識処理を施すとともに、場内者の位置情報を生成する。例えば迷子になった子供の顔写真を、画像解析部31に入力することで、該顔写真と顔認識処理の結果とに基づいて顔認証処理を行い、該顔写真に相当する場内者の位置を提示する構成とすれば、迷子を比較的速やかに発見、保護することができる。迷子の発生は、事故や事件につながる可能性が比較的高いので、このような構成とすることで、安心・安全を担保することができる。
或いは、認識用端末22により生成された場内者に係る情報を示すリストに、画像解析部31により生成された位置情報が含まれる構成とされてもよい。そして、該リストが監督者に提示される構成とすれば、該リストに含まれる、例えば顔画像(又は顔写真)、位置情報から、迷子を比較的速やかに発見、保護することができる。
<応用例3>
上述したように、メインPC30の画像解析部31は、監視カメラ13a及び13bにより撮像された時間的に連続する複数の監視画像から場内者の挙動を検出する。画像解析部31は、場内者の挙動として、例えばプールエリアの一端から他端までの移動を検出してよい。そして、画像解析部31は、検出された移動にかかる時間を求めてよい。このように構成すれば、例えば学校のプール等における水泳のタイムの計測にも、当該支援システム1を利用することができる。このとき、監督者(例えば教諭)はタイムの計測作業から解放されるので、監督業務に専念することができる。この結果として、水難事故の発生の抑制が期待できる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う支援システムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…支援システム、11…認識手段、12…生成手段、13…撮像手段、13a、13b…監視カメラ、14…解析手段、15…報知手段、21…認識用カメラ、22…認識用端末、30…メインパーソナルコンピュータ、31…画像解析部、32…判定部、33…データベース、40、40a、40b…報知用モニタ

Claims (6)

  1. 水域を含む特定領域に入場する人及び前記特定領域から退場する人を認識する認識手段と、
    前記認識手段による認識結果に基づいて、前記特定領域内に存在する人である場内者に係る情報を示すリストを生成する生成手段と、
    前記特定領域の少なくとも一部を撮像する一又は複数の撮像手段と、
    前記一又は複数の撮像手段により撮像された画像を解析して、前記場内者を検出するとともに、前記場内者の挙動を検出する解析手段と、
    前記検出された場内者及び前記検出された挙動に基づいて警報を発する報知手段と、
    を備え、
    前記報知手段は、(I)前記検出された場内者の人数が、前記リストにより示される場内者の人数より少ない場合、並びに、(II)前記検出された挙動に、(1)水面付近での頭の上下動、(2)第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合、のうち少なくとも一方の場合に警報を発する
    ことを特徴とする支援システム。
  2. 前記解析手段は、前記検出された場内者の位置を示す位置情報、及び、前記検出された場内者を特定するための特定情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の支援システム。
  3. 前記報知手段は、前記検出された場内者の人数が、前記リストにより示される場内者の人数より少ない場合、警報を発するとともに、前記特定情報及び前記リストに基づいて不明者を特定し、前記特定された不明者に係る情報を前記リストから抽出して報知することを特徴とする請求項2に記載の支援システム。
  4. 前記報知手段は、前記検出された挙動に、(1)水面付近での頭の上下動、(2)前記第1所定時間以上の潜水、及び(3)水域の狭小範囲内での前記第2所定時間以上の停滞、の少なくとも一つが含まれている場合、警報を発するとともに、前記特定情報及び前記位置情報に基づいて、(1)前記挙動としての、水面付近での頭の上下動が検出された場内者、(2)前記挙動としての、前記第1所定時間以上の潜水が検出された場内者、及び/又は、(3)前記挙動としての、水域の狭小範囲内での前記第2所定時間以上の停滞が検出された場内者、に係る情報及び位置を報知する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の支援システム。
  5. 前記報知手段は、前記特定情報に基づいて、前記検出された場内者に、前記リストにより示される場内者以外の人が含まれている場合、警報を発することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の支援システム。
  6. 前記一又は複数の撮像手段のうち少なくとも一つは、前記水域を俯瞰する視点から撮像可能に設置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の支援システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023135699A1 (ja) * 2022-01-13 2023-07-20 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
WO2024142726A1 (ja) * 2022-12-28 2024-07-04 有限会社パシフィックネットワーク 遊泳者監視装置及び遊泳者監視方法
JP7559622B2 (ja) 2021-03-05 2024-10-02 三菱電機株式会社 浴室監視システム

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