以下、本発明の一実施形態に係る遊技機としてパチスロを例に挙げ、図面を参照しながら、その構成及び動作について説明する。なお、本実施形態では、ボーナス作動機能及びART機能を備えたパチスロについて説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりパチスロにメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値という)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。内部当籤役の決定により、後述の有効ライン(入賞判定ライン)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
このようにして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段もまた、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るものであると判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置などによる映像の表示、各種ランプによる光の出力、スピーカによる音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
具体的には、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値が抽出される。演出用の乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述の副制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、例えば、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係るパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ1は、図2に示すように、外装体2(遊技機本体)を備える。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aの開口を開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有する。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3R(変動表示手段、表示列)が横一列に並べて設けられている。以下、各リール3L,3C,3R(メインリール)を、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rともいう。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有する。そして、シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向(リールの回転方向)に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、腰部パネル12と、台座部13とを備える。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられる。ヒンジは、パチスロ1の前方側(遊技者側)から見て、ドア本体9の左側の側端部に設けられる。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に設けられている。このフロントパネル10は、開口10aを有する枠状部材で構成される。フロントパネル10の開口10aは、表示装置カバー30によって塞がれ、表示装置カバー30は、キャビネット2aの内部に配置された後述の表示装置11と対向して配置される。
表示装置カバー30は、黒色の半透明な合成樹脂により形成される。それゆえ、遊技者は、後述の表示装置11により表示された映像(画像)を、表示装置カバー30を介して視認することができる。また、本実施形態では、表示装置カバー30を黒色の半透明な合成樹脂で形成することにより、キャビネット2a内への外光の入り込みを抑制して、表示装置11により表示された映像(画像)を鮮明に視認できるようにしている。
フロントパネル10には、ランプ群21が設けられている。ランプ群21は、例えば、遊技者側から見て、フロントパネル10の上部に設けられたランプ21a、21bを含む。ランプ群21を構成する各ランプは、LED(Light Emitting Diode)等で構成され(後述の図15中のLED群85参照)、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
腰部パネル12は、ドア本体9の略中央部に設けられる。腰部パネル12は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源(後述のLED群85に含まれるLED)とを有する。
台座部13は、フロントパネル10と腰部パネル12との間に設けられる。台座部13には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置(メダル投入口14、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、スタートレバー16、3つのストップボタン17L,17C,17R、精算ボタン(不図示)、特別な演出の際に押し下げ可能な演出用ボタン(不図示)等)とが設けられる。なお、メダル投入口14に係る操作は、メダルの投入である。
図柄表示領域4は、正面から見て、3つのリール3L,3C,3Rに重畳する領域で、且つ、3つのリール3L,3C,3Rより遊技者側の位置に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rを視認可能にするサイズを有する。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを視認することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リールの周面に設けられた複数の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)が表示される(リール表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。そして、本実施形態では、リール表示窓4の枠内において、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶ擬似的なライン(センターライン)を、入賞か否かの判定を行う有効ラインとして定義する。
リール表示窓4は、台座部13に設けられた枠部材31の開口により形成される。また、リール表示窓4を画成する枠部材31の下方には、略水平面の台座領域が設けられる。そして、遊技者側から見て、台座領域の右側にはメダル投入口14が設けられ、左側にはMAXベットボタン15a及び1ベットボタン15bが設けられる。
メダル投入口14は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口14から受け入れられたメダルは、予め設定された所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えたメダルの枚数分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能(遊技媒体貯留手段))。
MAXベットボタン15a及び1ベットボタン15bは、キャビネット2aの内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、MAXベットボタン15aの内部には、メダル投入が可能な時に点灯するベットボタンLED(不図示)が設けられている。また、精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
なお、遊技者がMAXベットボタン15aを押下操作すると、単位遊技のベット枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタン15bが1回、押下操作される度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタン15bが3回操作されると、単位遊技のベット枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。以下では、MAXベットボタン15aの操作、1ベットボタン15bの操作及びメダル投入口14にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)をいずれも「投入操作」という。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rともいう。
また、リール表示窓4の下方の略水平面の台座領域の略中央には、情報表示器6が設けられる。なお、情報表示器6は、透明の窓カバー(不図示)によって覆われている。
情報表示器6には、特典として遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という)の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグメントLED(以下、「7セグLED」という)や、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、「クレジット枚数」という)などの情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDが設けられる。なお、本実施形態では、メダルの払出枚数表示用の2桁の7セグLEDは、エラー発生及びエラー種別の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDとしても用いられる。それゆえ、エラー発生時には、メダルの払出枚数表示用の2桁の7セグLEDの表示態様は、払出枚数の表示態様からエラー種別の情報の表示態様に切り替わる。
さらに、情報表示器6には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(不図示)が設けられている。指示モニタ(指示表示器)は、例えば、2桁の7セグメントLEDにより構成される。そして、指示モニタでは、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で、2桁の7セグLEDが点灯、点滅又は消灯することにより、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。
なお、ここでいう、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左リール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中リール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右リール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示するなどの態様のことである。
情報表示器6は、後述の図15に示すように、ドア中継端子板68及び遊技動作表示基板81を介して主制御基板71に電気的に接続され、情報表示器6の表示動作は、主制御基板71内の後述の主制御回路90により制御される。また、上述した各種7セグLEDの制御方式は、ダイナミック点灯制御である。
なお、本実施形態のパチスロ1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知する構成を設ける。具体的には、後述のプロジェクタ213を含む投影ブロック201及び各種被投影部材を含む被投影ブロック202(図3及び後述の図5〜図8参照)により構成される後述の表示装置11により停止操作の情報を報知する。
このような構成を適用した場合、指示モニタにおける報知の態様と、副制御基板72により制御されるその他の手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。一方、後述の表示装置11等のその他の手段によるサブ側(副制御基板側)での報知では、停止操作の情報を直接的に報知してもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタでは報知する押し順と一義的に対応する数値「1」を表示するが、その他の手段(例えば、表示装置11等)では、左リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知してもよい。
このような構成のパチスロ1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。また、このような停止操作の情報の報知の有無は、遊技状態に応じて制御されるようにしてもよい。例えば、ナビが発生しない一般遊技状態(例えば非ART遊技状態等)では停止操作の情報を報知せずに、ナビが発生する報知遊技状態(例えばART遊技状態等)において停止操作の情報を報知するようにしてもよい。
また、遊技者側から見て、リール表示窓4の左方には、サブ表示装置18が設けられる。サブ表示装置18は、図2に示すように、ドア本体9の前面部のうち、台座部13の略水平面の台座領域から略垂直に立設するように設けられる。サブ表示装置18は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイで構成され、各種情報を表示する。
また、サブ表示装置18の表示面上には、タッチセンサ19が設けられている(後述の図15参照)。タッチセンサ19は、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。そして、本実施形態のパチスロ1は、タッチセンサ19を介して受け付けた遊技者の操作(タッチセンサ19から出力されるタッチ入力情報)に応じて、サブ表示装置18の表示を切り替え可能にする機能を有する。なお、サブ表示装置18は、タッチセンサ19から出力されるタッチ入力情報に基づいて後述の副制御基板72(後述の図15参照)により制御される。
ドア本体9の下部には、メダル払出口24、メダル受皿25、2つのスピーカ用孔20L,20R等が設けられる。メダル払出口24は、後述のメダル払出装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿25は、メダル払出口24から排出されたメダルを貯める。また、2つのスピーカ用孔20L,20Rからは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音声が出力される。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、キャビネット2aの内部構造を示す図であり、図4は、フロントドア2bの裏面側の内部構造を示す図である。
キャビネット2aは、図3に示すように、上面板27aと、底面板27bと、左右の側面板27c,27dと、背面板27eとを有する。そして、キャビネット2a内の上部には、表示装置11が配設される。
表示装置11は、後述のプロジェクタ213を含む投影ブロック201と、後述のプロジェクタ213から出射された映像光が投影される後述の複数種の被投影部材を含む被投影ブロック202とを有する。また、被投影ブロック202内には、遊技状態に応じて、被投影部材を切り換えるための機能(後述の被投影部材移動機構305)も設けられる。
表示装置11では、後述する仮想空間上での画像合成処理により生成された画像データ(後述のPJ対応画像データ)に対応する映像光が所定の被投影部材に投影され、映像表示演出等が行われる。具体的には、表示装置11では、投影対象となる被投影部材(オブジェクト)の形状や、後述のプロジェクタ213と被投影部材との位置関係(投影距離や角度など)に基づいて映像光を生成し、その映像光が、後述のプロジェクタ213から被投影部材の表面に投影される。このような演出機能を設けることにより、高度で且つ迫力のある演出を行うことができる。なお、表示装置11の具体的な構成及び動作については、後で図面を参照しながら詳述する。
キャビネット2a内の下部には、メダル払出装置51(以下、ホッパー装置という)と、メダル補助収納庫52と、電源装置53とが配設される。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板27bの中央部に取り付けられる。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は、精算ボタンが押下されてメダルの精算が実行されるときに、メダルを払い出す。そして、ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口24(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置される。また、メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板27bに対して着脱可能に取り付けられている。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53b(電源供給手段)とを有している(後述の図15参照)。この電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板27cに取り付けられている。電源装置53は、サブ電源装置(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
また、キャビネット2a内の電源装置53の上方には、副制御基板72(後述の図15参照)を収容する副制御基板ケース57が配設される。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72には、後述の副制御回路150(後述の図18参照)が搭載されている。この副制御回路150は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御基板72は、本発明に係る制御部の一具体例を示すものである。副制御回路150の具体的な構成については後述する。
キャビネット2a内の副制御基板ケース57の上方には、副中継基板61が配設される。この副中継基板61は、副制御基板72と後述の主制御基板71とを接続する配線が実装された中継基板である。また、副中継基板61は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板や各種装置部(ユニット)などとを接続する配線が実装された中継基板である。
また、図3には示さないが、キャビネット2a内には、キャビネット側中継基板44(後述の図15参照)が配設される。このキャビネット側中継基板44は、主制御基板71(後述の図15参照)と、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ75(後述の図15参照)及びメダル払出カウントスイッチ(不図示)のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。
フロントドア2bの裏面側の中央部には、図4に示すように、ミドルドア41が、配設され、リール表示窓4(図2参照)を裏側から開閉可能に取り付けられている。また、図4には示さないが、ミドルドア41のリール表示窓4側には、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられ、ミドルドア41のリール表示窓4側とは反対側には、主制御基板71(後述の図15参照)が収納された主制御基板ケース55が取り付けられている。なお、3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ(不図示)が接続されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路90(後述の図16参照)を有する。主制御回路90(主制御手段)は、内部当籤役の決定、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。また、本実施形態では、例えば、報知遊技(ART等)の決定の有無の抽籤処理、ナビ情報の指示モニタへの表示処理、各種試験信号の送信処理などの制御も主制御回路90により行われる。なお、主制御回路90の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bの裏面側において、ミドルドア41の下方には、スピーカ65L,65Rが配設される。スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔20L,20R(図2参照)と対向する位置に配置されている。
また、スピーカ65Rの上方には、セレクタ66と、ドア開閉監視スイッチ67とが配設される。セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口14に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(遊技媒体検出手段:不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左斜め下に配置される。このドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ1の外部に出力する。
また、図4には示さないが、フロントドア2bを裏面において、ミドルドア41により開閉された領域であり且つリール表示窓4の下方には、ドア中継端子板68が配設される(後述の図15参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ、副中継基板61、セレクタ66、遊技動作表示基板81、試験機用第1インターフェースボード401及び試験機用第2インターフェースボード402のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、ドア開閉監視スイッチ67、後述のBETスイッチ77、スタートスイッチ79等が挙げられる。
<表示装置の構成>
次に、表示装置11の構成について、図5を参照して説明する。図5は、表示装置11の外観斜視図である。
表示装置11は、図5に示すように、投影ブロック201と、投影ブロック201の下方に配置された被投影ブロック202とを備える。この表示装置11は、投影ブロック201に設置された後述のプロジェクタ213によって映像光を生成し、該映像光を被投影ブロック202に設けられた被投影部材(後述の台形部材302等)の投影面に投射する。
[投影ブロック]
次に、投影ブロック201の構成について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、投影ブロック201の分解斜視図である。図7は、投影ブロック201の縦断面図である。なお、後述のプロジェクタ213を含む投影ブロック201は、本発明に係る投影部の一具体例を示すものである。
投影ブロック201は、図6に示すように、ベース部材211と、反射部材212と、プロジェクタ213とを有する。ベース部材211は、下面が開口された中空の略箱状部材で構成され、上板部221と、前板部222と、後板部223と、左側板部224と、右側板部225とを有する。
上板部221の裏面(被投影ブロック202側の面)には、プロジェクタ213が取り付けられている。また、前板部222には、反射部材取付け部227が設けられ、この反射部材取付け部227は、前板部222よりも前方(遊技者側)に突出した突状部材で構成される。
反射部材取付け部227の前部片234は、板状部材で構成され、前部片234の表面(反射部材取付け部227の突面)の面方向が斜め上方となり且つ裏面の面方向が斜め下方となるように傾斜している。そして、前部片234の裏面(プロジェクタ213及び被投影ブロック202側の面)には、反射部材212が取り付けられている。
反射部材212は、図7に示すように、前部片234と略同じサイズ(大きさ)を有し且つ表面が長方形である板状部材で構成されたミラーホルダ236と、ミラーホルダ236に固定された反射ミラー237とを有する。なお、ミラーホルダ236は、前部片234の裏面にねじ等の固定部材を用いて固定されている。
反射ミラー237は、ミラーホルダ236のプロジェクタ213及び被投影ブロック202側の面に固定されている。この反射ミラー237は、反射面の面方向が斜め下方となるように傾斜し、プロジェクタ213から出射された映像光を、被投影ブロック202の被投影部材(後述の台形部材302等)に向けて反射する。
プロジェクタ213は、図7に示すように、プロジェクタ本体241と、取付ブラケット242とを有する。取付ブラケット242は、表面が略長方形の板状部材で構成され、取付ブラケット242の裏面(被投影ブロック202側の面)にプロジェクタ本体241が取り付けられている。なお、取付ブラケット242は、ベース部材211の上板部221の裏面にねじ等の固定部材を用いて固定されている。
プロジェクタ本体241は、ケース251(図6参照)と、照明ユニット252と、液晶プリズムユニット253と、投射レンズ254と、複数のヒートシンク255と、複数のファン256とを有する。なお、図7では、1つのヒートシンク255及び1つのファン256のみを示す。
ケース251は、中空の筐体で構成される。ケース251の内部には、照明ユニット252、液晶プリズムユニット253、投射レンズ254、ヒートシンク255及びファン256が収納されている。また、ケース251の前面(反射部材212側)には、投射レンズ254によって塞がれる開口部が設けられている。
ケース251の内部において、投射レンズ254の後方(ミラーホルダ236側とは反対方向)には、液晶プリズムユニット253が配置され、液晶プリズムユニット253の後方には、照明ユニット252が配置されている。そして、照明ユニット252の周囲には、複数のヒートシンク255が配置され、複数のファン256は、複数のヒートシンク255に隣接して配置されている。
照明ユニット252は、例えば、複数の光源を有する。複数の光源は、赤色の光を出射する光源R(不図示)と、緑色の光を出射する光源G(不図示)と、青色の光を出射する光源B(不図示)とで構成される。したがって、液晶プリズムユニット253には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の光がそれぞれ入射される。
なお、本発明はこれに限定されず、光源としては、例えば、1つの高輝度放電ランプを使用してもよい。この場合は、色分解ミラー(ダイクロイックミラー)を使用して、高輝度放電ランプから出射された光を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の光に分解する。
液晶プリズムユニット253は、例えば、3つの液晶パネルと、色合成用のクロスプリズム(ダイクロイックプリズム)とを有する。3つの液晶パネルは、赤色の光が入射する液晶パネルR(不図示)と、緑色の光が入射する液晶パネルG(不図示)と、青色の光が入射する液晶パネルB(不図示)とで構成される。クロスプリズムは、各液晶パネルによって生成された3つの映像光を1つの映像光として合成する。
投射レンズ254は、反射部材212の反射ミラー237に対向して配置されている。それゆえ、液晶プリズムユニット253から出射された映像光は、投射レンズ254を通過して反射ミラー237に入射される。複数のヒートシンク255は、照明ユニット252によって発生した熱を放熱する。また、複数のファン256は、複数のヒートシンク255に空気を送風して、複数のヒートシンク255を冷却する。
[被投影ブロック]
次に、被投影ブロック202の構成について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、被投影ブロック202の分解斜視図である。図9は、被投影ブロック202に設けられた被投影部材の移動機構の分解斜視図である。
被投影ブロック202は、図8に示すように、収納ケース301と、台形部材302と、擬似リール部材303と、平面スクリーン部材304と、被投影部材移動機構305とを備える。なお、台形部材302、擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304のそれぞれは、本発明に係る表示部の一具体例を示すものである。また、台形部材302は、本発明に係る第1の表示部の一具体例を示すものであり、擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304のそれぞれは、本発明に係る第2の表示部の一具体例を示すものである。また、被投影部材移動機構305は、本発明に係る可動制御手段の一具体例を示すものである。
(1)収納ケース
収納ケース301は、前面及び上面が開口された中空の筐体であり、台座部311と、背面壁312と、左側壁313と、右側壁314とを有する。各壁は、表面が略長方形の板状部材で構成され、台座部311及び背面壁312は、それぞれ、収納ケース301の底部及び背面部を形成し、左側壁313及び右側壁314は、それぞれ、収納ケース301の左側面部及び右側面部を形成する。
(2)台形部材
台形部材302は、表面が台形状の床板部321と、3つの壁板部322,323,324とで構成され、収納ケース301の台座部311上にねじ等の固定部材により固定されている。
床板部321は、台座部311の載置面311aに載置されている。この際、床板部321の下辺(長辺)部が正面(遊技者側)に位置するように、床板部321が台座部311上に載置されている。なお、床板部321の台座部311の載置面311aに当接した面とは反対側の面321a(平面)は、投影面となる。床板部321の投影面321aには、プロジェクタ213から出射され、その後、反射部材212により反射された映像光が投影される。
壁板部322は、表面が略長方形状の板状部材で構成され、床板部321の上辺部に連続して形成されている。この際、壁板部322の表面と、床板部321の表面との間の角度が略垂直になるように、壁板部322が床板部321の上辺部に連続して形成される。そして、壁板部322のフロントドア2b側(遊技者側)の平面が投影面322aとなる。壁板部322の投影面322aには、床板部321の投影面321aと同様に、プロジェクタ213から出射され、その後、反射部材212により反射された映像光が投影される。
壁板部323は、板状部材で構成され、床板部321の左辺部及び壁板部322の左辺部に連続して形成されている。この際、壁板部323の表面と、床板部321の表面との間の角度が略垂直になるように、壁板部323が床板部321の左辺部及び壁板部322の左辺部に連続して形成される。そして、壁板部323の壁板部324側の平面が投影面323aとなる。なお、壁板部323の投影面323aと壁板部322の投影面322aとの間の角度は、鈍角(90度より大きい角度)となるので、投影面323aは、フロントドア2bの開口10aを介して遊技者から視認可能となる。壁板部323の投影面323aには、床板部321の投影面321aと同様に、プロジェクタ213から出射され、その後、反射部材212により反射された映像光が投影される。
壁板部324は、板状部材で構成され、床板部321の右辺部及び壁板部322の右辺部に連続して形成されている。この際、壁板部324の表面と、床板部321の表面との間の角度が略垂直になるように、壁板部324が床板部321の右辺部及び壁板部322の右辺部に連続して形成される。そして、壁板部324の壁板部323側の平面が投影面324aとなる。なお、壁板部324の投影面324aと壁板部322の投影面322aとの間の角度は、鈍角(90度より大きい角度)となるので、投影面324aは、フロントドア2bの開口10aを介して遊技者から視認可能となる。壁板部324の投影面324aには、床板部321の投影面321aと同様に、プロジェクタ213から出射され、その後、反射部材212により反射された映像光が投影される。
本実施形態では、台形部材302の投影面321a,322a,323a,324aの一部の領域に映像光が投影される。そして、投影面321a,322a,323a,324aは、映像光が投影される投影領域と、映像光が投影されない非投影領域を有する。なお、投影面321a,322a,323a,324aの投影領域には、銀色(灰色)の塗料が塗布されている。一方、投影面321a,322a,323a,324aの非投影領域には、黒色の塗料が塗布されている。
このように、投影面321a,322a,323a,324aの非投影領域に黒色の塗料を塗布することにより、非投影領域で光が反射することを抑制して、キャビネット2a内における光の乱反射を抑制することができる。また、非投影領域に黒色の塗料を塗布することにより、被投影部材の振動、回転、崩壊、形状変化、彩色変化、一部分の強調表現等が可能になる。
(3)擬似リール部材
擬似リール部材303は、図8及び図9に示すように、円弧板部331と、一対の回動腕332A,332B(回動腕332Bは、後述の図11参照)とを備える。
円弧板部331は、円弧状に延在した板体(側面の延在形状が円弧状である板体)で構成される。それゆえ、円弧板部331には、内周面331aと、外周面331bとが形成される。円弧板部331の内周面331aには、パチスロ1の機種に関連した装飾が設けられている。一方、外周面331bは、滑らかな曲面で構成され、プロジェクタ213から出射された映像光が投影される投影面となる(後述の図11参照)。また、円弧板部331の内周面331a及び外周面331bには、シルバー(又は灰色)の塗料が塗布されている。
一対の回動腕332A,332Bは、円弧板部331の円弧状の一対の側面部にそれぞれ連続して形成され、表面が略扇状の板体で構成される。一対の回動腕332A,332Bは、被投影部材移動機構305の後述する支持板351A,351Bにそれぞれ回動可能に支持されている。擬似リール部材303は、内周面331aが前方(遊技者側)に向く待機位置と、外周面331bが前方に向く露出位置との間で回動する。擬似リール部材303の動作については、後述の図11及び図12を参照して後で説明する。
(4)平面スクリーン部材
平面スクリーン部材304は、図8に示すように、表面が略長方形の板状部材で構成され、第1平面304a(図8上では下面)と、第2平面304b(図8上では上面)とを有する。平面スクリーン部材304の第1平面304aには、シルバー(又は灰色)の塗料が塗布されている。一方、第2平面304bには、白色の塗料が塗布され、第2平面304bは、プロジェクタ213から反射部材212を介して投射される映像光の投影面となる。
平面スクリーン部材304は、第1平面304aの面方向が斜め下方となる待機位置と、第2平面(投影面)304bの面方向が前方(遊技者側)となる露出位置との間を回動する。そして、平面スクリーン部材304が露出位置に配置されると、第2平面(投影面)304bに映像光が投影される。
平面スクリーン部材304は、被投影部材移動機構305の後述する一対のクランクアーム378A,378Bに支持され、この一対のクランクアーム378A,378Bの回動により、平面スクリーン部材304が回動する。なお、クランクアーム378A,378Bは、それぞれ、支持板351A,351Bに回動可能に支持されている。
(5)被投影部材移動機構
被投影部材移動機構305は、図8及び図9に示すように、支持板351A,351Bと、擬似リール部材移動機構352と、平面スクリーン部材移動機構353とを備える。
支持板351A,351Bは、ともに、表面が縦長の略長方形の板状部材に構成され、支持板351A,351Bは互いに、左右方向(擬似リール部材303の長辺方向)に、適当な距離(台形部材302の幅より大きい間隔)をあけて対向して配置されている。また、支持板351A,351Bは、収納ケース301の台座部311の載置面311aに、ねじ等の固定部材を用いて固定されている。そして、支持板351Aと支持板351Bとの間には、擬似リール部材303が配置されている。
また、支持板351A,351Bは、それぞれ、擬似リール部材303の回動腕332A,332Bを回動可能に支持している。そして、支持板351A,351Bには、平面スクリーン部材移動機構353の後述するシャフト374が貫通する貫通孔と、擬似リール部材303における回動腕332A,332Bの回動軸335が貫通する貫通孔が設けられている。
さらに、支持板351Bには、ストッパ355と、第1センサ356と、第2センサ357とが設けられている。ストッパ355は、擬似リール部材移動機構352の後述する駆動ギア362の回転範囲を制限するための部材である。第1センサ356は、平面スクリーン部材304を待機位置に移動させた場合に、平面スクリーン部材移動機構353の後述するクランクアーム378Bを検出する。第2センサ357は、平面スクリーン部材304を露出位置に移動させた場合に、平面スクリーン部材移動機構353の後述するクランクアーム378Bを検出する。
擬似リール部材移動機構352は、駆動モータ361と、駆動ギア362とを有する。駆動モータ361は、収納ケース301における右側壁314のモータ固定部314bに、ねじ等の固定部材を用いて固定されている。この際、駆動モータ361の回転軸(不図示)が、駆動ギア362と噛み合うように、駆動モータ361が右側壁314に取り付けられる。
駆動ギア362は、表面が略半円状の歯車部材で構成され、支持板351Bに回転可能に支持されている。この駆動ギア362は、支持板351Bの収納ケース301の右側壁314に対向する面に配置されている。また、駆動ギア362の中心部には、擬似リール部材303の回動腕332B(後述の図11参照)の回動軸335が接続されている。
平面スクリーン部材移動機構353は、駆動モータ371と、中間ギア372,373と、シャフト374と、クランクギア375,376と、クランクアーム378A,378Bとを有する。駆動モータ371は、支持板351Bに、ねじ等の固定部材を用いて固定されている。この際、駆動モータ371の回転軸371aが、中間ギア372に噛み合うように、駆動モータ371が支持板351Bに取り付けられている。
中間ギア372は、支持板351Bと、収納ケース301の右側壁314との間に配置されている。中間ギア372の中心部には、収納ケース301の右側壁314に設けられた貫通孔314a(図8参照)を貫通して突出したシャフト374の一方の端部が接続されている。
中間ギア373は、支持板351Aと、収納ケース301の左側壁313との間に配置されている。中間ギア373の中心部には、収納ケース301の左側壁313に設けられた貫通孔313a(図8参照)を貫通して突出したシャフト374の他方の端部が接続されている。
シャフト374は、支持板351A,351Bを貫通して設けられ、支持板351A,351Bを回転可能に支持している。なお、中間ギア373は、上述のように、シャフト374を介して中間ギア372と接続されているので、中間ギア373は、中間ギア372と一緒に回転する。
クランクギア375は、支持板351Bと、収納ケース301の右側壁314との間に配置されており、右側壁314に回転可能に支持されている。この際、クランクギア375は、中間ギア372と噛み合うように配置されている。また、中間ギア372の支持板351Bに対向する面には、クランクピン375aが形成されている。
クランクギア376は、支持板351Aと、収納ケース301の左側壁313との間に配置されており、左側壁313に回転可能に支持されている。この際、クランクギア376は、中間ギア373と噛み合うように配置されている。また、中間ギア373の支持板351Aに対向する面には、クランクピン376aが形成されている。
クランクアーム378Aは、支持板351Aと、収納ケース301の左側壁313との間に配置されており、支持板351Aに回転可能に支持されている。クランクアーム378Aは、略L字状に延在した板状部材で構成されたアーム部381と、アーム部381の一方の端部に設けられた接続部382とを有する。
アーム部381には、支持板351Aに回転可能に係合する回動軸384と、直線状に延在した係合溝385とが設けられている。係合溝385は、アーム部381における収納ケース301の左側壁313と対向する面に設けられている。この係合溝385には、クランクギア376のクランクピン376aが摺動可能に係合している。
接続部382は、表面が長方形の板状部材で構成される。接続部382の一方の表面は、アーム部381に連続しており、他方の表面(平面)は、平面スクリーン部材304の第1平面304aに当接している(図8参照)。この接続部382は、平面スクリーン部材304の第1平面304aにねじ等の固定部材を用いて固定されている。
クランクアーム378Bは、支持板351Bと、収納ケース301の右側壁314との間に配置されており、支持板351Bに回転可能に支持されている。クランクアーム378Bは、略L字状に延在した板状部材で構成されたアーム部391と、アーム部391の一方の端部に設けられた接続部392とを有する。
アーム部391には、支持板351Aに回転可能に係合する回動軸(不図示)と、直線状に延在した係合溝395と、第1検出片396と、第2検出片397とが設けられている。係合溝395は、アーム部391における収納ケース301の右側壁314と対向する面に設けられている。この係合溝395には、クランクギア375のクランクピン375aが摺動可能に係合している。
第1検出片396は、接続部392と係合溝395との間の位置に設けられ、アーム部391の一方(図9上では、裏面側)の側部から外側に突出している。平面スクリーン部材移動機構353が平面スクリーン部材304を待機位置に移動させると、第1検出片396は、支持板351Bに設けられた第1センサ356により検出される。
第2検出片397は、第1検出片396の下方に設けられており、アーム部391の一方の側部から外側に突出している。平面スクリーン部材移動機構353が平面スクリーン部材304を露出位置に移動させると、第2検出片397は、支持板351Bに設けられた第2センサ357により検出される。
接続部392は、表面が長方形の板状部材で構成される。接続部392の一方の表面は、アーム部391に連続しており、他方の表面(平面)は、平面スクリーン部材304の第1平面304aに当接している(図8参照)。この接続部392は、平面スクリーン部材304の第1平面304aにねじ等の固定部材を用いて固定されている。
[台形部材の使用時状態]
次に、台形部材302を映像光の投影対象としたときの状態について、図10を参照して説明する。図10は、台形部材302が映像光の投影対象となっているときの被投影ブロック202の縦断面図である。なお、図5が、台形部材302が映像光の投影対象となっているときの被投影ブロック202の斜視図になる。
台形部材302を映像光の投影対象とした状態では、図10に示すように、擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304がそれぞれの待機位置に配置される。
擬似リール部材303が待機位置に配置されると、擬似リール部材303は、台形部材302の後方に位置し、円弧板部331の内周面331aが前方を向いた状態となる。このとき、駆動ギア362の一方の半径部(一方の径方向側部)がストッパ355に当接する(図9参照)。そのため、被投影ブロック202を右側方(右側壁314側)から見た場合、駆動ギア362の右回り(時計回り)への回動がストッパ355によって係止されている。
また、平面スクリーン部材304が待機位置に配置されると、平面スクリーン部材304は、台形部材302の上方に位置し、第1平面304aが下方を向いた状態となる。このとき、第1センサ356は、平面スクリーン部材移動機構353のクランクアーム378Bに設けられた第1検出片396を検出する。これにより、副制御回路150は、平面スクリーン部材304が待機位置に配置されたことを検知する。
待機位置に配置された擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304(被投影部材)は、台形部材302とフロントパネル10の開口10a(図2参照)との間に介在しない。したがって、この状態では、遊技者側から見て、台形部材302が、フロントパネル10の開口10aに露出した状態となり、映像光の投影対象となる。
投影対象となった台形部材302の投影面321a,322a,323a,324a(投影面324aは図8参照)には、投影ブロック201のプロジェクタ213から反射ミラー237を介して入射された映像光が投影される。これにより、演出に用いる映像が投影対象である台形部材302の各投影面に表示され、遊技者に視認可能となる。
本実施形態では、台形部材302の床板部321及び3つの壁板部322,323,324(壁板部324は図8参照)の投影面321a,322a,323a,324aに映像光を投影して、演出に用いる映像を表示する。これにより、コストを上昇させることなく、且つ、簡易な構成で映像に立体感や奥行きが感じられる斬新な演出を行うことができる。その結果、映像表示演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
本実施形態では、被投影部材として適用した台形部材302は、投影される映像光の光軸に対して異なる角度で交差する4つの投影面を有する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、本発明に係る被投影部材として、例えば、映像光の光軸に対して異なる角度で交差する2つ又は3つの投影面を有する被投影部材を用いてもよいし、映像光の光軸に対して異なる角度で交差する5つ以上の投影面を有する被投影部材を用いてもよい。
また、本実施形態では、台形部材302を所定の位置に固定する構成例を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る台形部材として、例えば、プロジェクタから出射された映像光が投影されない待機位置と、プロジェクタから出射された映像光が投影される露出位置との間で移動可能な台形部材を用いてもよい。また、この場合、台形部材の移動態様としては、例えば、適当な軸を中心に回動する態様であってもよいし、直線移動する態様であってもよい。
[擬似リール部材の動作]
次に、擬似リール部材303の動作について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、擬似リール部材303が映像光の投影対象となっているときの被投影ブロック202の状態を示す図である。図12は、擬似リール部材303が映像光の投影対象となっているときの被投影ブロック202の縦断面図である。
擬似リール部材303を映像光の投影対象とする場合には、擬似リール部材303を待機位置(図10に示す状態)から露出位置(図11及び図12に示す状態)へ移動させる。なお、この際、平面スクリーン部材304は、待機位置に配置された状態に維持される。
擬似リール部材303を露出位置へ移動させるには、擬似リール部材移動機構352の駆動モータ361を駆動し、図面上において被投影ブロック202を右側方(右側壁314側)から見て、駆動ギア362を左回り(反時計回り)に回転させる(図11中の太矢印参照)。
駆動ギア362には、擬似リール部材303の回動腕332Bに設けられた回動軸335が接続されているので、駆動ギア362を左回りに回転させると、擬似リール部材303が待機位置から左回りに回動する。そして、駆動ギア362の他方の半径部がストッパ355に当接すると、駆動ギア362の左回りの回転がストッパ355によって係止される。その結果、図11及び図12に示すように、擬似リール部材303は、露出位置に配置される。
擬似リール部材303が露出位置に配置されると、擬似リール部材303により台形部材302の前方が覆われた状態となる。また、この際、待機位置に配置された平面スクリーン部材304は、擬似リール部材303とフロントパネル10の開口10a(図2参照)との間に介在しない。したがって、この状態では、遊技者側から見て、擬似リール部材303が、フロントパネル10の開口10aに露出した状態となり、映像光の投影対象となる。
投影対象となった擬似リール部材303の外周面331b(以下、「投影面331b」という)には、投影ブロック201のプロジェクタ213から反射ミラー237を介して入射された映像光が投影される。これにより、演出に用いる映像が投影対象である擬似リール部材303に表示され、遊技者に視認可能となる。
なお、擬似リール部材303を露出位置から待機位置へ移動させるには、擬似リール部材移動機構352の駆動モータ361を駆動して、図面上において被投影ブロック202を右側方から見て、駆動ギア362を右回り(時計回り)に回転させる。
駆動ギア362が右回りに回転すると、擬似リール部材303が露出位置から右回りに回動する。そして、駆動ギア362の一方の半径部がストッパ355に当接すると(図9の状態)、駆動ギア362の右回りの回転がストッパ355によって係止される。その結果、図10に示すように、擬似リール部材303は、待機位置に配置される。
本実施形態では、擬似リール部材303の湾曲する投影面331bにリールを表す映像光を投影する。これにより、フロントパネル10(フロントドア2b)の開口10aに対向するキャビネット2a内に、リールが物理的に存在しているように見せることができる。その結果、コストを上昇させることなく、且つ、簡易な構成で映像に立体感や奥行きが感じられる斬新な演出を行うことができ、映像を表示する演出の興趣を高めることができる。
[平面スクリーン部材の動作]
次に、平面スクリーン部材304の動作について、図13及び図14を参照して説明する。図13は、平面スクリーン部材304が映像光の投影対象となっているときの被投影ブロック202の状態を示す図である。図14は、平面スクリーン部材304が映像光の投影対象となっているときの被投影ブロック202の縦断面図である。
平面スクリーン部材304を映像光の投影対象とする場合には、平面スクリーン部材304を待機位置(図10に示す状態)から露出位置(図13及び図14に示す状態)へ移動させる。なお、この際、擬似リール部材303は、待機位置に配置された状態に維持される。
平面スクリーン部材304を露出位置へ移動させるには、平面スクリーン部材移動機構353の駆動モータ371を駆動し、図面上において被投影ブロック202を右側方(右側壁314側)から見て、中間ギア372を右回り(時計回り)に回転させる(図13中の太矢印参照)。
中間ギア372には、シャフト374の一方の端部が接続されており、シャフト374の他方の端部には、中間ギア373(図9参照)が接続されている。そのため、図面上において被投影ブロック202を右側方から見て、中間ギア372が右回りに回転すると、中間ギア373も右回りに回転する。
中間ギア372,373が右回りに回転すると、図面上において被投影ブロック202を右側方から見て、クランクギア375,376(図9参照)が左回り(反時計回り)に回転する。また、クランクギア375のクランクピン375aは、クランクアーム378Bの係合溝395に係合しており、クランクギア376のクランクピン376aは、クランクアーム378Aの係合溝385に係合している。
したがって、クランクギア375,376(図9参照)が左回りに回転すると、クランクピン375a,376がそれぞれクランクアーム378A,378Bを左回り(反時計方向)に回転させるように押圧する。その結果、図面上において被投影ブロック202を右側方から見て、クランクアーム378A,378Bに接続された平面スクリーン部材304が待機位置から左回りに回動する。
そして、第2センサ357が、クランクアーム378Bの第2検出片397を検出すると、駆動モータ371の駆動が停止し、平面スクリーン部材304の回動が停止する。その結果、図13及び図14に示すように、平面スクリーン部材304は、露出位置に配置される。
平面スクリーン部材304が露出位置に配置されると、平面スクリーン部材304により台形部材302の前方が覆われた状態となる。また、この際、待機位置に配置された擬似リール部材303は、平面スクリーン部材304とフロントパネル10の開口10a(図2参照)との間に介在しない。したがって、この状態では、遊技者側から見て、平面スクリーン部材304が、フロントパネル10の開口10aに露出した状態となり、投影対象となる。
投影対象となった平面スクリーン部材304の投影面304bには、投影ブロック201のプロジェクタ213から反射ミラー237を介して入射された映像光が投影される。これにより、演出に用いる映像が投影対象である平面スクリーン部材304に表示され、遊技者に視認可能となる。例えば、平面スクリーン部材304の平面である投影面304bに、2次元の映像を表す映像光を投影することにより、液晶表示装置などのフラットパネルを用いた表示装置で映像を表示したときと同様の映像を遊技者に見せることができる。
なお、平面スクリーン部材304を露出位置から待機位置へ移動させるには、平面スクリーン部材移動機構353の駆動モータ371を駆動し、図面上において被投影ブロック202を右側方から見て、中間ギア372,373を左回り(反時計回り)に回転させる。
中間ギア372,373が左回りに回転すると、図面上において被投影ブロック202を右側方から見て、クランクギア375,376(図9参照)が右回りに回転する。そして、クランクギア375,376が右回りに回転すると、クランクピン375a,376がそれぞれクランクアーム378A,378Bを右回りに回転させるように押圧する。その結果、図面上において被投影ブロック202を右側方から見て、クランクアーム378A,378Bに接続された平面スクリーン部材304が露出位置から右回りに回動する。
その後、第1センサ356が、クランクアーム378Bの第1検出片396を検出すると、駆動モータ371の駆動が停止し、平面スクリーン部材304の回動が停止する。その結果、図10に示すように、平面スクリーン部材304は、待機位置に配置される。
なお、本実施形態では、上述のように、平面スクリーン部材304の投影面304bに白色の塗料が塗布されている。そして、平面スクリーン部材304の投影面304bに2次元の映像を表す映像光を投影する。白色及び銀色(灰色)は、少なくとも可視光線の反射率が約一定であり、白色は、銀色よりも光の反射率が高い。それゆえ、白色の投影面304bに投影された2次元の映像を、例えば、銀色の塗料を塗布した投影面304bに投影した2次元の映像よりも見えやすくすることができる。
一方、台形部材302の投影面321a,322a,323a,324a、及び、擬似リール部材303の投影面331bに、銀色(灰色)の塗料が塗布されている。それゆえ、台形部材302の投影面321a,322a,323a,324a、及び、擬似リール部材303の投影面331bでは、これらの投影面に白色の塗料を塗布した場合よりも、3次元の映像をより立体的に見えるようにすることができる。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図15を参照して説明する。図15は、パチスロ1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に設けられた主制御基板71と、フロントドア2bに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板74、設定用鍵型スイッチ54(設定スイッチ)及びキャビネット側中継基板44を有する。さらに、パチスロ1は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板47、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ75、リセットスイッチ76及び電源装置53を有する。なお、ホッパー装置51の構成については上述したので、ここでは、その説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
設定用鍵型スイッチ54は、主制御基板ケース55に設けられる。設定用鍵型スイッチ54は、パチスロ1の設定(設定1〜設定6)を変更するとき、もしくは、パチスロ1の設定を確認するときに使用される。
キャビネット側中継基板44は、主制御基板71と、外部集中端子板47、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ75、リセットスイッチ76及び電源装置53のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティ信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられる。メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52に設けられ、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ76は、例えば、パチスロ1の設定を変更する際に用いられる。
電源装置53は、電源基板53bと、電源基板53bに接続された電源スイッチ53aとを有する。電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときに押下される。電源基板53bは、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されるとともに、副中継基板61を介して副制御基板72にも接続される。
また、パチスロ1は、ドア中継端子板68、並びに、該ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81、副中継基板61、試験機用第1インターフェースボード401及び試験機用第2インターフェースボード402を有する。なお、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
BETスイッチ77(投入操作検出手段)は、MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15bが遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押下されたことを検出する。スタートスイッチ79(開始操作検出手段)は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80(停止操作検出手段)は、回転しているメインリールを停止させるための回路と、停止可能なメインリールをLEDなどにより表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板80には、ストップスイッチ(不図示)が設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、情報表示器6(7セグ表示器)及びLED82に接続される。LED82には、例えば、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、「投入枚数」という)に対応して点灯する、メダル投入枚数表示用の3つのLED(以下、「第1LED」〜「第3LED」という)や、遊技動作表示基板81から入力される信号に基づいて、メダル投入が可能であることを表示するマーク、遊技開始を表示するマーク、再遊技を行うマークなどを点灯させるLEDなどが含まれる。第1LED〜第3LED(表示手段)では、メダルが1枚投入されると、第1LEDが点灯し、メダルが2枚投入されると、第1及び第2LEDが点灯し、メダルが3枚(遊技開始可能枚数)投入されると、第1LED〜第3LEDが点灯する。なお、情報表示器6については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
試験機用第1インターフェースボード401及び試験機用第2インターフェースボード402はともに、パチスロ1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71の主制御回路90には、試験機用第1インターフェースボード401及び試験機用第2インターフェースボード402に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード401を介して出力され、例えば、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号などは、試験機用第2インターフェースボード402を介して出力される。
副制御基板72は、ドア中継端子板68及び副中継基板61を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ1は、副中継基板61を介して副制御基板72に接続された、スピーカ群84、LED群85、24hドア開閉監視ユニット63、タッチセンサ19及び被投影部材移動機構305(表示ユニット)を有する。なお、タッチセンサ19及び被投影部材移動機構305については、上述したので、ここでは、その説明を省略する。
スピーカ群84は、左上のスピーカ64L、右上のスピーカ64R、左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rのような、各種スピーカを含んで構成される。LED群85は、フロントパネル10に設けられたランプ群21や、腰部パネル12の装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源などを含んで構成される。24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴情報を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41が開放されたときに、表示装置11によりエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路150)に出力する。
また、パチスロ1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板86及び表示装置中継基板87を有する。なお、ロムカートリッジ基板86及び表示装置中継基板87は、副制御基板72とともに副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、サブCPU151により実行される各種制御プログラムと、演出用の画像(映像)、音声(スピーカ群84)、光(LED群85)及び通信のデータを管理するための基板である。なお、ロムカートリッジ基板86は、本発明に係る不揮発性記憶部(記憶部)の一具体例を示すものである。
表示装置中継基板87は、副制御基板72と、表示装置11に含まれるプロジェクタ213、及び、サブ表示装置18との間の接続配線を中継する基板である。なお、プロジェクタ213及びサブ表示装置18については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
<主制御回路>
次に、図16を参照して、主制御基板71に実装される主制御回路90の構成について説明する。図16は、パチスロ1の主制御回路90の構成例を示すブロック図である。
主制御回路90は、マイクロプロセッサ91と、クロックパルス発生回路92と、電源管理回路93と、スイッチングレギュレータ94(電源供給手段)とを備える。
マイクロプロセッサ91は、遊技機用のセキュリティ機能付きマイクロプロセッサである。なお、本実施形態のマイクロプロセッサ91では、ソースプログラム上で規定可能な該マイクロプロセッサ91に特有の様々な命令コード(メインCPU101専用命令コード)が設けられている。本実施形態では、このメインCPU101専用命令コードを用いることにより、処理の効率化やプログラム容量の削減などを実現している。マイクロプロセッサ91の内部構成については、後述の図17を参照して詳述する。
クロックパルス発生回路92は、メインCPU作動用のクロックパルス信号を生成し、該生成したクロックパルス信号をマイクロプロセッサ91に出力する。マイクロプロセッサ91は、入力されたクロックパルス信号に基づいて、制御プログラムを実行する。
電源管理回路93は、電源基板53b(図15参照)から供給される直流12Vの電源電圧の変動を管理する。そして、電源管理回路93は、例えば、電源が投入された際(電源電圧が0Vから起動電圧値(10V)を上回った際)には、リセット信号をマイクロプロセッサ91の「XSRST」端子に出力し、電断が発生した際(電源電圧が12Vから停電電圧値(10.5V)を下回った際)には、電断検知信号をマイクロプロセッサ91の「XINT」端子に出力する。すなわち、電源管理回路93は、電源投入時に、マイクロプロセッサ91にリセット信号(起動信号)を出力する手段(起動手段)、及び、電断発生時に、マイクロプロセッサ91に電断検知信号(停電信号)を出力する手段(停電手段)も兼ねる。
スイッチングレギュレータ94は、DC/DC変換回路であり、マイクロプロセッサ91の直流駆動電圧(直流5Vの電源電圧)を生成し、該生成した直流駆動電圧をマイクロプロセッサ91の「VCC」端子に出力する。
<マイクロプロセッサ>
次に、図17を参照して、マイクロプロセッサ91の内部構成について説明する。図17は、マイクロプロセッサ91の内部構成を示すブロック図である。
マイクロプロセッサ91は、メインCPU101と、メインROM102(第1記憶手段)と、メインRAM103(第2記憶手段)と、外部バスインターフェース104と、クロック回路105と、リセットコントローラ106と、演算回路107と、乱数回路110と、パラレルポート111と、割込みコントローラ112と、タイマ回路113と、第1シリアル通信回路114と、第2シリアル通信回路115と、を有する。そして、マイクロプロセッサ91を構成するこれらの各部は信号バス116を介して互いに接続されている。
メインCPU101は、クロック回路105で生成されたクロックパルスに基づいて、各種制御プログラムを実行して、遊技動作全般に係る制御を行う。ここで、メインCPU101の制御動作の一例としてリール停止制御について説明する。
メインCPU101は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3L(メインリール)のステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU101は、各リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リールの所定の位置に設けられ、各メインリールの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片とを備えたリール位置検出部(不図示)により検出される。
ここで、各リール3L,3C,3L(メインリール)の回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM103に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM103に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リールに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理する。したがって、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路150に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
外部バスインターフェース104は、マイクロプロセッサ91の外部に設けられた各種構成部(例えば、各リール等)が接続された外部信号バス(不図示)と、マイクロプロセッサ91とを電気的に接続するためのインターフェース回路である。クロック回路105は、例えば分周器(不図示)等を含んで構成され、クロックパルス発生回路92から入力されたCPU作動用のクロックパルス信号を、その他の構成部(例えば、タイマ回路113)で使用される周波数のクロックパルス信号に変換する。なお、クロック回路105で生成されたクロックパルス信号は、リセットコントローラ106にも出力される。
リセットコントローラ106は、電源管理回路93から入力されたリセット信号に基づいて、IAT(Illegal Address Trap)やWDT(watchdog timer)のリセットを行う。演算回路107は、乗算回路及び除算回路を含んで構成される。例えば、ソースプログラム上において、乗算命令(「MUL」命令)を実行するときには、演算回路107がこの命令に基づく乗算処理を実行する。
乱数回路110は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535又は0〜255)を発生させる。また、図示しないが、乱数回路110は、2バイトのハードラッチ乱数を得るための乱数レジスタ0と、2バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ1〜3と、1バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ4〜7とで構成されている。なお、メインCPU101は、乱数回路110で発生させた所定範囲の乱数の中から1つの値を、例えば内部抽籤用の乱数値として抽出する。パラレルポート111は、マイクロプロセッサ91と、マイクロプロセッサ91の外部に設けられた各種回路(例えば、電源管理回路93等)との間で入出力される信号のポート(メモリーマップI/O)である。また、パラレルポート111は、乱数回路110及び割込みコントローラ112にも接続される。スタートスイッチ79はパラレルポート111のPI0〜PI4のいずれかの入力ポートに接続され、スタートスイッチ79がオン状態になったタイミング(オンエッジ)で、パラレルポート111から乱数回路110の乱数レジスタ0へラッチ信号が出力される。そして、乱数回路110では、ラッチ信号が入力されることにより乱数レジスタ0がラッチされ、2バイトのハードラッチ乱数が取得される。
割込みコントローラ112は、パラレルポート111を介して電源管理回路93から入力される電断検知信号、又は、タイマ回路113から1.1172ms周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、メインCPU101による割込処理の実行タイミングを制御する。電源管理回路93から電断検知信号が入力された場合、又は、タイマ回路113からタイムアウト信号が入力された場合には、割込みコントローラ112は、割込処理開始指令を示す割込要求信号をメインCPU101に出力する。メインCPU101は、タイマ回路113からのタイムアウト信号に応じて割込みコントローラ112から入力される割込要求信号に基づいて、入力ポートチェック処理、リール制御処理、通信データ送信処理、7セグLED駆動処理、タイマ更新処理等の各種割込処理を行う。
タイマ回路113(PTC)は、クロック回路105で生成されたクロックパルス信号(メインCPU作動用のクロックパルス信号を分周器(不図示)で分周された周波数のクロックパルス信号)で動作する(経過時間をカウントする)。そして、タイマ回路113は、1.1172msecの周期で割込みコントローラ112にタイムアウト信号(トリガー信号)を出力する。
第1シリアル通信回路114は、主制御基板71から副制御基板72にデータ(各種制御指令(コマンド))を送信する際のシリアル送信動作を制御する回路である。第2シリアル通信回路115は、主制御基板71から試験機用第2インターフェースボード402にデータを送信する際のシリアル送信動作を制御する回路である。
<副制御回路>
[副制御回路の構成]
次に、図18を参照して、副制御基板72に実装される副制御回路150(副制御手段)の構成について説明する。図18は、パチスロ1の副制御回路150の構成例を示すブロック図である。
副制御回路150は、主制御回路90と電気的に接続されており、主制御回路90から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路150は、基本的に、サブCPU151、サブRAM152、GPU(Graphics Processing Unit)153、VRAM(Video RAM)154、ドライバ155、サウンドチップ157、及びデジタルアンプ158を含んで構成される。なお、VRAM154(描画用RAM)には、後述のフレームバッファ及びスクリーンバッファが含まれる。なお、サブCPU151は、本発明に係る制御処理部の一具体例を示すものであり、GPU153は、本発明に係る画像処理部の一具体例を示すものであり、VRAM154は、揮発性記憶部の一具体例を示すものである。
サブCPU151は、ロムカートリッジ基板86に接続される。また、ドライバ155は、表示装置中継基板87に接続される。すなわち、ドライバ155は、表示装置中継基板87を介してプロジェクタ213及びサブ表示装置18に接続される。
サブCPU151は、主制御回路90から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とによって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU151が実行する制御プログラムが記憶される。例えば、制御プログラムには、主制御回路90との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用の乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクを実行するための各種プログラムが含まれる。また、制御プログラムには、決定した演出内容に基づいて表示装置11による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ群84による音の出力を制御する音声制御タスク等を実行するための各種プログラムも含まれる。
データ記憶領域には、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータ(後述の画像データ及び仮想オブジェクトデータ等を含む)を記憶する記憶領域が含まれる。また、データ記憶領域には、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等も含まれる。
サブRAM152には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路90から送信されるサブフラグ(内部当籤役)等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
サブCPU151、GPU153(レンダリングプロセッサ)、VRAM154及びドライバ155は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を表示装置11(プロジェクタ213)及び/又はサブ表示装置18で表示させる。なお、表示装置11(プロジェクタ213)及びサブ表示装置18は、副制御基板72により、それぞれ個別に制御される。
また、サブCPU151は、サウンドチップ157及びデジタルアンプ158と協動して、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音を、サウンドチップ157及びデジタルアンプ158を介して接続されるスピーカ群84により出力させる。また、サブCPU151は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群85の点灯及び消灯を制御する。
[演出登録タスク]
本実施形態のパチスロ1では、主制御回路90から送信されたコマンドデータを副制御回路150で受信した際に、副制御回路150は、受信したコマンドデータに基づいて、該コマンドデータの種別に対応する演出を決定し、表示装置11(プロジェクタ213)、サブ表示装置18、スピーカ群84、LED群85を駆動して演出制御を行う。
ここで、図19を参照して、副制御回路150(サブCPU151)により実行される、コマンドデータの種別に対応する演出の決定タスク(演出登録タスク)について説明する。なお、図19は、本実施形態における演出登録タスクの処理手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU151は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S1)。次いで、サブCPU151は、メッセージキューにメッセージが有るか否かを判別する(S2)。S2において、サブCPU151が、メッセージキューにメッセージが無いと判別したとき(S2がNO判定の場合)、サブCPU151は、後述のS5の処理を行う。
一方、S2において、サブCPU151が、メッセージキューにメッセージが有ると判別したとき(S2がYES判定の場合)、サブCPU151は、メッセージから遊技情報を複写する(S3)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役に関する情報(メイン抽籤フラグ等)、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAM152に設けられた格納領域(不図示)に複写される。
次いで、サブCPU151は、演出内容決定処理を行う(S4)。この処理では、サブCPU151は、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等を行う。
S4の処理後又はS2がNO判定の場合、サブCPU151は、アニメーションデータの生成及び登録処理を行う(S5)。なお、アニメーションデータの生成及び登録処理は、S4の演出内容決定処理において登録された演出データ(演出内容)に基づいて行われる。本実施形態では、この処理の中で、各種被投影部材に投影される映像光の画像データの作成処理を行う。なお、各種被投影部材に投影される映像光の画像データ(後述のPJ対応画像データ)の作成処理については、後で詳述する。また、本実施形態では、S5の処理中に各種被投影部材に投影される映像光の画像データ(プロジェクタ213から出射される映像光に対応する映像信号)を生成する例を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、S4の演出内容決定処理の中で実行してもよいし、アニメーションデータの生成処理と登録処理とを別個に実施してもよい。
次いで、サブCPU151は、サウンドデータの登録処理を行う(S6)。次いで、サブCPU151は、ランプデータの登録を行う(S7)。なお、これらの登録処理は、S4の演出内容決定処理において登録された演出データ(演出内容)に基づいて行われる。そして、S7の処理後、サブCPU151は、処理をS1に戻し、S1以降の処理を繰り返す。
<画像データの作成手法>
次に、本実施形態のパチスロ1で実行される各種演出において、各種被投影部材(台形部材302、擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304)の投影面に投影される映像光の画像データ(プロジェクタ213から出射される映像光に対応する映像信号)の作成手法について説明する。
[画像データの作成手法の概要]
図20A及び20Bを参照して、各種被投影部材に投影される映像光の画像データの作成手法の概要を説明する。なお、図20Aは、画像データの作成処理における画像データの変換過程を示す図であり、図20Bは、画像データの変換過程において実行される主な処理のフローを示す図である。
本実施形態における、各種被投影部材に投影される映像光の画像データ(後述のPJ対応画像データ)の作成手法では、図20Bに示すように、リソース画像・オブジェクト合成処理、視点変更画像データ取得・設定処理及びSB画像データ設定処理がこの順で実行される。以下、各処理の内容を説明する。
(1)リソース画像・オブジェクト合成処理
リソース画像・オブジェクト合成処理では、まず、ロムカートリッジ基板86に格納された投影対象となる被投影部材(台形部材302、擬似リール部材303、平面スクリーン部材304)の仮想オブジェクトデータ(3次元データ)が選択(取得)される。なお、仮想オブジェクトデータは、例えば、被投影部材の3次元CADデータから生成(変換)されたデータであり、被投影部材の3次元構造(座標)を示すデータである。なお、仮想オブジェクトデータは、本発明に係る表示部に画像を表示するための情報の一具体例を示すものである。
また、リソース画像・オブジェクト合成処理では、被投影部材に投影する画像データのリソース画像データ(2次元データ)が、ロムカートリッジ基板86から選択(取得)される。なお、リソース画像データは、本発明に係る原画像データの一具体例を示すものである。
仮想オブジェクトデータ及びリソース画像データの選択処理は、サブCPU151により制御され、サブCPU151は、ロムカートリッジ基板86に格納されている複数種の画像データ及び複数種の仮想オブジェクトデータの中から、決定されている演出内容に対応するリソース画像データ及び仮想オブジェクトデータをそれぞれ選択する。また、選択されたリソース画像データ及び仮想オブジェクトデータは、VRAM154内において、後述のフレームバッファ(FB)及びスクリーンバッファ(SB)以外のバッファ領域(仮想バッファ)に展開される。なお、仮想バッファは、本発明に係る第1のバッファの一具体例を示すものであり、フレームバッファは、本発明に係る第2のバッファ(所定のバッファ)の一具体例を示すものであり、スクリーンバッファは、本発明に係る第3のバッファ(特定のバッファ)の一具体例を示すものである。
次いで、サブ側の演算処理上の仮想空間(VRAM154)において、選択された仮想オブジェクトを配置する。具体的には、選択された仮想オブジェクトデータをVRAM154上に展開する。次いで、仮想空間上において、遊技者側から仮想オブジェクトに向かう方向(以下、「遊技者の目線方向」と称す:実際の遊技機では、表示装置カバー30及び表示装置11(図2、図3参照)と対向する遊技者側の位置からの方向)に、選択したリソース画像データの映像光が仮想オブジェクトの投影面に仮想的(擬似的)に照射(投影)された場合に、仮想オブジェクトの投影面に投影される(映し出される)画像の画像データ(以下、「仮想投影画像データ」と称す)を演算処理により算出(生成)する。この仮想投影画像データは、GPU153が仮想オブジェクトデータ及びリソース画像データに対して3次元CG処理(3次元座標計算等を含む)を施して両データを合成することにより生成される。この合成演算処理は、従来の3次元画像プログラミング等で使用されているアルゴリズムを用いて実行することができる。なお、仮想投影画像データは、本発明に係る第1の視点画像(所定の視点画像)のデータの一具体例を示すものであり、遊技者の目線方向は、本発明に係る第1の方向(所定の方向)の一具体例を示すものである。
なお、上述した仮想オブジェクトデータ及びリソース画像データの取得(展開)処理から両データの合成処理(仮想投影画像データの生成処理)までの一連の処理は、図20Bに示すリソース画像・オブジェクト合成処理で行われ、この処理は、サブCPU151の指令に基づいて、GPU153により実行される。また、このリソース画像・オブジェクト合成処理は、VRAM154上で行われる。
GPU153により3次元空間座標を有する仮想オブジェクトデータと2次元空間座標を有するリソース画像データとを合成する際、リソース画像データの2次元座標を3次元座標に変換するが、この変換処理では、例えば、リソース画像データの全ての座標に対して順次、座標変換処理を施してもよいし、全座標数のうちの所定の基準数(例えば、全座標数のうちの半分等)の座標に対して座標変換処理を施してもよい。なお、後者の手法を採用する場合、例えば、1以上の座標を間に挟む所定の間隔で配置された座標に対して座標変換処理を施す。そして、座標変換処理が施された座標間に位置する座標の値は、例えば線形補間等の処理により算出される。また、後者の手法を採用する場合には、変換の基準数(座標数)を、GPU153の処理性能に応じた数(変換量)に設定することが望ましい。なお、GPU153の処理性能は、GPU153の処理速度と、GPU153が内包するコアの数(一般的なGPUのコア数は64〜2048程度である)とに応じて決定され、GPU153の処理性能が低い場合には、変換の基準数(座標数)を小さくし、GPU153の処理性能が十分高い低い場合には、変換の基準数(座標数)を大きくする。
上述のように、本実施形態の仮想投影画像データの生成処理(リソース画像データと仮想オブジェクトデータとの合成処理)では、リソース画像内の所定数(全座標数又は所定の基準数)の2次元座標を、3次元CG処理により、直接、3次元座標に変換するので、例えば、仮想オブジェクト302pの4つの投影面321p,322p,323p,324p間の各境界部分(例えば、投影面322pの下辺部分と、投影面321pの上辺部分との間の境界部分等)における画像の歪みを最小限に抑えることができる。
なお、本実施形態では、仮想オブジェクトデータ及びリソース画像データをロムカートリッジ基板86から選択して取得し、該取得した両データをVRAM154上で合成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、まず、複数種の仮想オブジェクトデータ及び複数種のリソース画像データをロムカートリッジ基板86からVRAM154上の上述した仮想バッファ、フレームバッファ及びスクリーンバッファ以外の領域にローディングする(読み出する)。そして、ローディングされた複数種の仮想オブジェクトデータ及び複数種のリソース画像データの中から、所定の仮想オブジェクトデータ及び所定のリソース画像データを選択し、その後、該選択された両データを本実施形態と同様にして、仮想バッファ、フレームバッファ及びスクリーンバッファに展開して合成してもよい。また、この場合、ロムカートリッジ基板86に格納されている複数種のリソース画像データのうち、例えば、遊技状態や演出状態などに基づいて、対応する演出グループに属する複数のリソース画像データのみをローディングしてもよい。
(2)視点変更画像データ取得・設定処理
視点変更画像データ取得・設定処理では、まず、仮想空間上で仮想オブジェクトの投影面に対して遊技者の目線方向からリソース画像データの映像光(投影光)が仮想投影された状態(仮想投影画像データが生成された状態)において、被投影部材の投影面に実際に入射される映像光の入射方向(以下、「実際の映像光の入射方向」と称す)から、仮想オブジェクトの投影面に映し出されている仮想投影画像を仮想的(擬似的)に撮影したときの画像データ(以下、「仮想撮影画像データ」と称す)を演算処理により生成する。すなわち、仮想オブジェクトの投影面に対して遊技者の目線方向からリソース画像データの映像光が仮想投影された状態において、視点を変更して、仮想オブジェクトの投影面に仮想投影された画像のデータを算出する。なお、仮想撮影画像データは、本発明に係る第2の視点画像のデータの一具体例を示すものであり、実際の映像光の入射方向は、本発明に係る第2の方向の一具体例を示すものである。
この仮想撮影処理では、まず、仮想空間において仮想オブジェクトに対する実際の映像光の入射方向が設定(セット)される。本実施形態では、実際の映像光の入射方向として、プロジェクタ213から反射ミラー237を介して被投影部材の投影面に入射される映像光の入射方向、すなわち、反射ミラー237から被投影部材の投影面に向かう方向が設定される。
次いで、GPU153の3次元CG処理(実際の映像光の入射方向(仮想カメラの位置)からの座標計算等を含む)により、仮想オブジェクトの投影面に投影された仮想投影画像を、実際の映像光の入射方向側から仮想的に撮影した場合に得られる仮想撮像画像に変換する(VRAM154上に展開された仮想投影画像データを仮想撮像画像データに変換する)。なお、この仮想撮影画像データの生成処理(仮想投影画像データから仮想撮像画像データへの変換処理)は、従来の3次元画像プログラミング等で使用されているアルゴリズムを用いて実行することができる。
なお、本実施形態では、上述した仮想撮像画像データ生成時の視点変更処理及び仮想撮影画像データの生成処理は、図20Bに示す視点変更画像データ取得・設定処理で行われ、この処理は、サブCPU151の指令に基づいて、GPU153により実行される。また、この視点変更画像データ取得・設定処理は、VRAM154上で行われる。
ここで、図21に、仮想空間において、被投影部材の仮想オブジェクトの投影面に対して遊技者の目線方向から、リソース画像の映像光を仮想投影した場合の様子、及び、実際の映像光の入射方向から、仮想オブジェクトの投影面に映し出されている仮想投影画像を仮想的に撮影した場合の様子を示す。また、図22に、仮想空間上におけるリソース画像の仮想投影動作により生成される仮想投影画像の一具体例を示す。なお、図21及び図22では、映像光の投影対象の被投影部材が台形部材302である場合の例を示す。
仮想空間上に配置された台形部材302の仮想オブジェクト302pに対して遊技者の目線方向(図21中の矢印A2方向)からリソース画像データの映像光を仮想投影すると、図21に示すように、仮想オブジェクト302pの4つの投影面321p,322p,323p,324pのそれぞれにリソース画像が仮想的に映し出された状態となり、仮想投影画像が生成される。この結果、リソース画像は、図22に示すように、台形部材302の投影面の形状が反映された奥行きのある3次元的な画像(仮想投影画像)に変換される。この仮想投影画像は、実空間において、遊技者側から台形部材302の投影面を見た場合に視認される実際の画像と同様の画像となる。なお、この際、映像光の投影対象が台形部材302や擬似リール部材303である場合には、その投影面の形状が3次元形状であるので、奥行きのある3次元的な仮想投影画像が得られるが、映像光の投影対象が平面スクリーン部材304である場合には、平面的な仮想投影画像が得られる。
そして、台形部材302の仮想オブジェクト302pの4つの投影面321p,322p,323p,324pのそれぞれにリソース画像が仮想的に映し出された状態において、実際の映像光の入射方向(図21中の矢印A1方向)から、仮想オブジェクトの投影面に映し出されている仮想投影画像を仮想的に撮影すると、仮想投影画像が矢印A1方向からの仮想撮影画像に変換される。
上述のように生成された仮想撮影画像に対応する映像光(投影光)を、実際に、プロジェクタ213から反射ミラー237を介して被投影部材の投影面に投影した場合、実際の映像光の入射方向(反射ミラー237側)から被投影部材の投影面を見ると、該投影面に映し出されている画像は、仮想空間上で生成された仮想撮影画像と同様の画像になる。そして、この状況において、遊技者側から台形部材302の投影面を見た場合に見える実際の画像は、仮想空間上で生成された仮想投影画像と同様の画像になる。すなわち、仮想撮影画像データに対応する映像光(投影光)を、プロジェクタ213から反射ミラー237を介して被投影部材の投影面に実際に投影すると、遊技者側からは、被投影部材の投影面の形状が反映された仮想投影画像と同様の投影画像(奥行きのある3次元画像)を見ることができる。
なお、本実施形態において、上述したリソース画像データから仮想撮影画像データまでの一連の画像データ変換処理では、被投影部材の投影面のサイズ(スクリーンサイズ)に対応する画像データでなく、被投影部材の投影面のサイズの2倍のサイズの画像データが処理対象の画像データとして用いられる。
具体的には、処理対象の画像データとして、被投影部材の投影面に投影される画像(投影対象画像)の画像データの上端部に投影面のサイズと同じサイズのダミー画像データを付加した画像データ(仮想空間上において画像の高さ(上下)方向のサイズが投影対象画像のそれの2倍となる画像データ)を用いる。すなわち、上述したリソース画像データから仮想撮影画像データまでの一連の画像データ変換処理において処理対象となる画像データは、映像光の高さ方向の投影画角(視野角)を2倍にしたときのサイズの画像データ(以下、「2倍画角データ」ともいう)となる。それゆえ、例えば、スクリーン(投影面)のサイズ(投影される画像サイズ)が1280ピクセル(横)×800ピクセル(縦)である場合には、処理対象の画像データ(2倍画角データ)のサイズは、1280ピクセル(横)×1600ピクセル(縦)となる。
また、本実施形態では、ロムカートリッジ基板86に格納されているリソース画像データを予め2倍画角データで構成している。それゆえ、リソース画像・オブジェクト合成処理でリソース画像データを読み出す時点において、処理対象の画像データの態様は2倍画角データとなっている。ただし、本発明はこれに限定されず、ロムカートリッジ基板86に格納されているリソース画像データを投影対象画像のみを含む画像データ(スクリーン(投影面)サイズの画像データ)とし、リソース画像・オブジェクト合成処理において、読み出されたリソース画像データに、ダミー画像データを付加して2倍画角データを生成してもよい。
本実施形態において、処理対象の画像データとして上述した構成の2倍画角データを用いる理由は、次の通りである。通常、プロジェクタ213からの出射光を被投影部材の投影面に投影すると、プロジェクタ213の光学特性上、投影面に投影された映像の上端部又は下端部の中心に画像の歪みが発生する。これは、一般的なプロジェクタでは、予め、映像光を変則的な角度(短長辺が存在する台形状の画角)でスクリーンに投射することを前提として、投射用レンズが設計されているためである。なお、画像の歪みの発生位置(映像の上端部又は下端部の中心)は、例えば、筐体内部におけるプロジェクタ213の取り付け態様(プロジェクタ213の上(天井)面を上に向けて取り付けるか、下に向けて取り付けるか(逆さ付けか))や投射用レンズの使用領域(上半分又は下半分)などに応じて変化する。本実施形態のパチスロ1では、投影面に投影された映像の上端部中心に画像の歪みが発生するように投影ブロック201が構成されている例を説明する。
また、リソース画像データは、一般的には、液晶表示装置用のデータとして生成されていることが多く、本実施形態においてもリソース画像データは、液晶表示装置用のデータとして生成されている。そして、液晶表示装置では、画像の歪みは画面に中心位置に発生するので、GPU153(又はVDP)は、リソース画像データに対して画像の中心の歪みを抑制(補正)する処理を行っている。
そこで、本実施形態のように、GPU153の処理対象データとして、仮想投影及び仮想撮影の対象となる画像(投影対象画像)の上部にダミー画像を設けた2倍画角データを用いた場合には、GPU153により、2倍画角データの画像の中心において画像の歪みを抑制(補正)するための処理が行われる。この場合、2倍画角データの画像の中心は、ダミー画像と投影対象画像との境界線上の中心になるので、投影対象画像の上端部の中心位置の画像の歪みが抑制(補正)される。この結果、プロジェクタ213により被投影部材の投影面に実際に映像が投影された際に映像の歪みが発生する位置の画像が補正される。なお、本実施形態では、この画像の歪みの補正処理を、フレームバッファに展開(格納)された2倍画角データに対して行うが、本発明はこれに限定されず、例えば、仮想バッファに展開された2倍画角データに対して画像の歪みの補正処理を行ってもよい。
すなわち、本実施形態では、GPU153の処理対象データとして、上述した構成の2倍画角データを用いることにより、液晶表示装置用に生成されたリソース画像データ(2倍画角データ)における画像の歪みの発生位置(2倍画角データの中心)と、プロジェクタ213により実際に投射される画像において発生する歪みの位置(投影対象画像の上端部中心)とが一致するように調整されている。その結果、PJ対応画像データの生成処理の段階において、プロジェクタ213により被投影部材の投影面に実際に映像が投影された場合に発生する画像の歪みを予め抑制(補正)することが可能になり、高画質の演出映像を遊技者に提供することができる。
なお、リソース画像データとして、例えば、プロジェクタ用のデータ(映像の上端部又は下端部の中心に歪みが発生する画像データ)を予め用意した場合には、リソース画像データから仮想撮影画像データまでの一連の画像データ変換処理において、ダミー画像を設けない等倍画角データを処理対象データとして用いてもよい。この場合には、GPU153により、等倍画角データの画像の上端部又は下端部の中心において画像の歪みを抑制(補正)するための処理が行われる。
また、図20Bに示す視点変更画像データ取得・設定処理において生成された仮想撮影画像データは、VRAM154(描画用RAM)に設けられたフレームバッファ(FB)にセットされ、このセット処理は、GPU153(レンダリングプロセッサ)により制御される。なお、上述のように、フレームバッファ(FB)にセットされる画像データは、2倍画角データ(仮想撮影画像データ+ダミー画像データ)であるので、VRAM154に設定されるフレームバッファ(FB)のサイズ(仮想撮影画像データの格納領域のサイズ)もまた、被投影部材の投影面のサイズ(スクリーンサイズ)の2倍になる。
(3)SB画像データ設定処理
SB画像データ設定処理では、VRAM154のフレームバッファ(FB)にセットされた2倍画角データ(仮想撮影画像データ+ダミー画像データ)のうち、投影対象画像の画像データ、すなわち、仮想撮影画像データのみが、VRAM154に設けられたスクリーンバッファ(SB)に転送される。具体的には、フレームバッファの格納領域内において仮想撮影画像データが格納された領域の画像データがスクリーンバッファにコピーされる(ダミー画像データはスクリーンバッファに転送されない)。
これにより、被投影部材の投影面に実際に投影される映像光の画像データ(以下、「PJ対応画像データ」という)が生成されて、PJ対応画像データがVRAM154のスクリーンバッファに格納される。なお、このPJ対応画像データを生成するための処理(仮想撮影画像データのスクリーンバッファへの転送処理)は、GPU153により制御される。また、PJ対応画像データは処理対象の画像データの1/2のサイズとなるので、PJ対応画像データがセットされるVRAM154のスクリーンバッファのサイズを、フレームバッファのサイズの1/2にすることができる。
ここで、図23に、SB画像データ設定処理の概要を示す。図20Bに示す視点変更画像データ取得・設定処理において、仮想撮影画像データがVRAM154のフレームバッファ(FB)にセットされると、図23面上において、フレームバッファ(FB)の上半分の領域にダミー画像データが格納され、下半分の領域に仮想撮影画像データが格納される。次いで、図20B中のSB画像データ設定処理が行われると、フレームバッファ内の仮想撮影画像データが格納されている領域のデータのみが、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)に転送(コピー)され、該転送された画像データがPJ対応画像データとしてセットされる。
その後、スクリーンバッファにセットされたPJ対応画像データは、映像信号(例えば、「V−by−one(登録商標)」、「Display Port(登録商標)」、「LVDS」、「Clockless Link(登録商標)」、アナログRGBコンポーネント映像信号等のインターフェース仕様の映像信号)に変換され、該映像信号がプロジェクタ213に出力される。そして、プロジェクタ213は、入力された映像信号に基づいて、PJ対応画像データに対応する映像光を出射する。本実施形態では、上述のようにして、被投影部材の投影面に実際に投影される映像光の画像データ(PJ対応画像データ)を生成する。なお、以下では、上述した本実施形態のPJ対応画像データ(及びその映像信号)の生成手法を「仮想投影撮影法」と称す。
[被投影部材の可動時のPJ対応画像データの生成概要]
上記図21〜図23では、PJ対応画像データの生成例として、映像光の投影対象の被投影部材が台形部材302(単一で被可動の被投影部材)のみである例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上述した仮想投影撮影法によるPJ対応画像データの生成手法は、例えば、投影対象の被投影部材が切り替わる過程の演出において映像光を投影する場合にも適用することができる。
ここで、図24A〜24Eを参照して、投影対象の被投影部材が台形部材302から擬似リール部材303に切り替わる過程におけるPJ対応画像データの生成概要を説明する。図24A〜24Eは、投影対象の被投影部材が台形部材302から擬似リール部材303に切り替わる過程において、仮想空間上で配置される、台形部材302の仮想オブジェクト302pと擬似リール部材303の仮想オブジェクト303pとの間の位置関係の時間変化(時系列変化)を示す図である。
なお、図24A〜24Eでは、台形部材302の仮想オブジェクト302p及び擬似リール部材303の仮想オブジェクト303p間の位置関係を明確にするため、擬似リール部材303の仮想オブジェクト303pを簡略化して示す。具体的には、擬似リール部材303の仮想オブジェクト303pのサイズを実際のサイズ(図11及び図12参照)より小さくして示している。
図24Aは、台形部材302から擬似リール部材303への切り替え開始後(擬似リール部材303の駆動開始後)、遊技者側から見て擬似リール部材303が台形部材302の上部に見え始めるような位置まで移動したときの台形部材302の仮想オブジェクト302p及び擬似リール部材303の仮想オブジェクト303p間の位置関係を示す図である。図24Bは、擬似リール部材303が台形部材302の上部まで移動したときの台形部材302の仮想オブジェクト302p及び擬似リール部材303の仮想オブジェクト303p間の位置関係を示す図である。図24Cは、擬似リール部材303が台形部材302の上方前面部付近まで移動したときの台形部材302の仮想オブジェクト302p及び擬似リール部材303の仮想オブジェクト303p間の位置関係を示す図である。図24Dは、擬似リール部材303が台形部材302の前面に移動開始したときの台形部材302の仮想オブジェクト302p及び擬似リール部材303の仮想オブジェクト303p間の位置関係を示す図である。そして、図24Eは、擬似リール部材303が台形部材302の前面(投影面)を覆うような位置に移動し、台形部材302から擬似リール部材303への被投影部材の切り替え動作が終了したときの台形部材302の仮想オブジェクト302p及び擬似リール部材303の仮想オブジェクト303p間の位置関係を示す図である。
このように、擬似リール部材303(可動被投影部材)が台形部材302の前面に移動する場合には、まず、所定間隔のタイミング毎(時系列毎)に、対応する位置に移動した擬似リール部材303の仮想オブジェクト303pと、台形部材302の仮想オブジェクト302pとを合成した仮想オブジェクト(以下、「合成仮想オブジェクト」という)の仮想オブジェクトデータ(以下、「合成仮想オブジェクトデータ」という)を取得する。例えば、図24A〜24Eのそれぞれにおいて、対応する位置に移動した動作中の擬似リール部材303の仮想オブジェクト303pと、台形部材302の仮想オブジェクト302pとの合成仮想オブジェクトデータを取得する。
なお、仮想空間上において、仮想オブジェクト303pを、対応する位置に移動させるための制御手法は次の通りである。まず、擬似リール部材303を図24Aの状態から図24Eの状態まで移動させる際に駆動される駆動モータ361のパルス出力データ(不図示)に基づいて生成され、かつ、映像を表示するためのフレームレート(本実施形態では30fps)に対応した擬似リール部材303の移動角の時系列データ(以下、「移動角データ」)を取得する。次いで、取得された移動角データを用いて、GPU153の3次元CG処理(3次元座標計算等を含む)により、所定間隔のタイミング毎(例えばフレーム毎)に、対応する位置に仮想オブジェクト303pを移動させ、該移動した仮想オブジェクト303pのデータ(仮想オブジェクトデータ)を生成する。
本実施形態では、可動被投影部材が動作中である場合に取得する所定間隔のタイミング毎(例えばフレーム毎)の移動角データは、予め用意され、ロムカートリッジ基板86に格納されている。なお、本実施形態では、これに限定されず、例えば、所定間隔のタイミング毎に対応する位置に移動した仮想オブジェクト303pのデータ(仮想オブジェクトデータ)を予め生成してロムカートリッジ基板86に格納しておき、所定間隔のタイミング毎に、対応する位置に移動した擬似リール部材303の仮想オブジェクト303pと、台形部材302の仮想オブジェクト302pとを合成して、合成仮想オブジェクトデータを生成してもよい。さらに、例えば、所定間隔のタイミング毎の合成仮想オブジェクトデータを予め生成してロムカートリッジ基板86に格納しておき、所定間隔のタイミング毎に、対応する合成仮想オブジェクトデータを読み出して用いてもよい。また、合成仮想オブジェクトデータが取得される所定間隔は、例えば、映像(動画)のフレームレート、映像表示演出の内容等に応じて任意に設定することができる。
次いで、仮想空間に配置された合成仮想オブジェクトに対して遊技者の目線方向(図21中の矢印A2方向)からリソース画像データ(ダミー画像を含む2倍画角データ)の映像光を仮想投影し、リソース画像と合成仮想オブジェクトとを合成した仮想投影画像を生成する。そして、合成仮想オブジェクトの投影面にリソース画像が仮想的に映し出された状態において、実際の映像光の入射方向(図21中の矢印A1方向)から合成仮想オブジェクトの投影面に映し出されている仮想投影画像を仮想的に撮影し、仮想撮影画像データ(ダミー画像を含む2倍画角データ)を取得する。
すなわち、本実施形態において、投影対象の被投影部材が台形部材302から擬似リール部材303に切り替わる場合には、擬似リール部材303(可動被投影部材)の仮想オブジェクト303pと台形部材302の仮想オブジェクト302pとの合成仮想オブジェクトデータを所定間隔のタイミング毎に生成すること以外の処理は、上記図21〜図23で説明した映像光の投影対象の被投影部材が台形部材302(単一で被可動の被投影部材)のみである場合の処理と同様となる。
なお、ここでは、投影対象の被投影部材が台形部材302から擬似リール部材303に切り替わる場合に、仮想投影撮影法によるPJ対応画像データの生成手法を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、投影対象の被投影部材が台形部材302から平面スクリーン部材304に切り替わる場合にも、所定間隔のタイミング毎に生成された平面スクリーン部材304と台形部材302との合成仮想オブジェクトデータを用いることにより、上述した仮想投影撮影法によるPJ対応画像データの生成手法をそのまま適用することができる。また、例えば、可動被投影部材と非可動投影部材とを使用して連動した映像表示演出を実行する場合にも、所定間隔のタイミング毎に生成された可動被投影部材と非可動投影部材との合成仮想オブジェクトデータを用いることにより、上述した仮想投影撮影法によるPJ対応画像データの生成手法をそのまま適用することができる。さらに、例えば、3つ以上の被投影部材を使用して連動した映像表示演出を実行する機能を備えるような遊技機においても、3つ以上の被投影部材の合成仮想オブジェクトデータを用いることにより、上述した仮想投影撮影法によるPJ対応画像データの生成手法をそのまま適用することができる。
[PJ対応画像データの生成手順]
次に、図25を参照して、副制御回路150において行われる、仮想投影撮影法によるPJ対応画像データの生成処理(リソース画像・オブジェクト合成処理から映像信号の出力処理までの一連の処理)の具体的な処理手順を説明する。なお、図25は、仮想投影撮影法による、PJ対応画像データ及びそれに対応する映像信号の生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU151は、ロムカートリッジ基板86に格納された各種リソース画像データの中から、今回、映像表示するリソース画像データを選択する(S11)。なお、S11の処理で選択する画像データは、リソース画像の上端部に、リソース画像と同サイズのダミー画像が付加された2倍画角データである。また、この処理では、GPU153(レンダリングプロセッサ153)は、サブCPU151の指令に基づいて、選択されたリソース画像データ(2倍画角データ)をVRAM154(描画用RAM)に展開する。
次いで、サブCPU151は、ロムカートリッジ基板86に格納された各種仮想オブジェクトデータの中から、今回、投影対象となる被投影部材の仮想オブジェクトデータを選択する(S12)。この処理において、投影対象となる被投影部材が、一つの被投影部材である場合には、当該被投影部材の仮想オブジェクトデータのみが選択される。また、この処理において、投影対象となる被投影部材が複数である場合には、現タイミングに対応する合成仮想オブジェクトデータが選択される。そして、この処理では、GPU153は、サブCPU151の指令に基づいて、選択された仮想オブジェクトデータをVRAM154に展開する。
なお、S11及びS12の処理において、選択されたリソース画像データ及び仮想オブジェクトデータは、VRAM154内において、フレームバッファ(FB)及びスクリーンバッファ(SB)以外のバッファ領域(仮想バッファ)に展開される。また、S11及びS12の処理順序は、任意であり、S12の処理の後にS11の処理を行ってもよい。
次いで、GPU153は、仮想空間(VRAM154)上において、選択された仮想オブジェクトを配置し、該仮想オブジェクトの投影面に対して、遊技者側から仮想オブジェクトに向かう方向(遊技者の目線方向)に、選択されたリソース画像データの映像光を仮想的に投影(照射)し、仮想オブジェクトの投影面に映し出される仮想投影画像の画像データ(仮想投影画像データ)を生成(算出)する(S13)。この処理では、GPU153の3次元CG処理(3次元座標計算等を含む)により、S11でVRAM154上に展開されたリソース画像データ(ダミー画像データを含む2倍画角データ)が、S12でVRAM154上に展開された仮想オブジェクトデータと合成されて仮想投影画像データ(ダミー画像データを含む2倍画角データ)が生成(算出)される。
次いで、GPU153は、仮想空間上において、プロジェクタ213から反射ミラー237を介して被投影部材の投影面に入射される投影光の入射方向(実際の映像光の入射方向)から、仮想オブジェクトの投影面に映し出されている仮想投影画像を仮想的に撮影したときの仮想撮影画像データ(ダミー画像データを含む2倍画角データ)を生成(算出)する(S14)。この処理では、GPU153の3次元CG処理(座標計算等を含む)により、視点変更処理が行われ、仮想撮影画像データ(ダミー画像データを含む2倍画角データ)が生成(算出)される。
次いで、GPU153は、S14で生成された仮想撮影画像データ(ダミー画像データを含む2倍画角データ)をVRAM154のフレームバッファ(FB)に展開(セット)する(S15)。次いで、GPU153は、フレームバッファ(FB)に展開された2倍画角データのうち、仮想撮影画像データが格納されている領域(図23中では、フレームバッファの下半分の領域)の画像データをPJ対応画像データとして、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)にコピー(転送)する(S16)。
そして、GPU153は、S16でスクリーンバッファ(SB)にコピーされたPJ対応画像データを映像信号に変換して、該映像信号をプロジェクタ213に出力する(S17)。本実施形態では、上述のようにして、プロジェクタ213に出力するPJ対応画像データ(映像信号)を生成する。
[各種効果]
上述のように、本実施形態では、仮想空間上に配置された被投影部材の仮想オブジェクトに映像光を仮想的に投影したときに仮想オブジェクトの投影面に映し出される画像の画像データ(仮想投影画像データ及び仮想撮像画像データ)を用いて、実際に、被投影部材に投影する映像光の画像データ(PJ対応画像データ)を生成する。それゆえ、プロジェクタ213により実際に映像光を被投影部材に投影する際に、投影画像データを被投影部材の投影面(スクリーン)の形状に対応付けるための補正処理を行う必要が無くなる。この結果、本実施形態では、CG作成に係るコストの増大を抑制しつつ、3次元CG技術を駆使した高画質で多彩な映像表示演出を実行することができる。
また、上述のように、本実施形態では、リソース画像データから仮想撮影画像データを生成するまでの画像データ変換処理において処理対象とする画像データは、被投影部材の投影面のサイズ(スクリーンサイズ)に対応する画像データではなく、投影対象画像の上部に該画像と同じサイズのダミー画像を付加した画像データ(2倍画角データ)である。この場合、投影対象画像の上端部中心に歪みが発生するが、上述のように、本実施形態ではPJ対応画像データの生成処理の段階において、投影対象画像の上端部中心の歪みが予め抑制(補正)されている。それゆえ、本実施形態では、被投影部材の投影面(スクリーン)に実際に映し出される映像の歪みを抑制することができ、高画質の演出映像を遊技者に提供することができる。
また、本実施形態では、映像光が照射される被投影部材が複数存在しても、複数の被投影部材の合成仮想オブジェクトに対して上述した仮想投影撮影法(映像光の仮想投影処理及び仮想撮影処理)によるPJ対応画像データの生成手法を適用することにより、実際に、被投影部材に投影する映像光の画像データを生成することができる。それゆえ、本実施形態では、プロジェクタを用いて画像を立体物(立体スクリーン)等のオブジェクトに投射する場合であっても、オブジェクトに対する投影画像のズレを最小限に抑制することができる。
さらに、本実施形態では、複数の被投影部材に可動被投影部材(擬似リール部材303等)が含まれ、且つ、該可動被投影部材が動作中であっても、所定間隔のタイミング毎の合成仮想オブジェクトに対して上述した仮想投影撮影法によるPJ対応画像データの生成手法を適用することにより、実際に、被投影部材に投影する画像データを生成することができる。それゆえ、本実施形態では、例えば、被投影部材の構成(数、形状、配置関係)や連動性などが複雑になっても容易に、高画質で多彩な映像表示演出を実行することができる。
<演出処理>
まず、演出処理に先立って、再度、図4及び図18を参照して、サウンド演出に関する構成について説明する。
本実施形態のパチスロ1は、図4に示すように、左上のスピーカ64L、右上のスピーカ64R、左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rの合計4つのスピーカを有している。左上のスピーカ64L、右上のスピーカ64R、左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rから、それぞれ異なる内容の音を出力することが可能となっている。例えば左上のスピーカ64Lからはナビボイス音を出力しているときに、左下のスピーカ65Lからは楽曲を出力することができる。なお、左上のスピーカ64L、右上のスピーカ64R、左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rから、同じ内容の音を出力することも可能である。
本実施形態の場合、左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rからは、BGMを常時出力するように構成されており、複数ゲーム期間に亘って連続した一連のBGMを、ループ再生により繰り返し出力する。すなわち、一連のBGMの再生がその先頭から終端まで再生完了すると、再度先頭からの再生が行われる構成となっている。また、BGMとは異なる1ゲーム単位で出力される演出効果音が連続した複数ゲームに亘って出力される場合には、この演出効果音を左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rから出力するように構成されている。これに対して、BGMとは異なる1ゲーム単位で出力される演出効果音が1ゲームのみ出力される場合には、この演出効果音を左上のスピーカ64L及び右上のスピーカ64Rから出力するように構成されている。また、ベット操作が行われた際に出力されるベット音等も、左上のスピーカ64L、右上のスピーカ64Rから出力されるようになっている。なお、左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rから出力されるBGMは、必ずしも音楽である必要はなく、所定の連続する効果音であってもよい。
また、本実施形態において、図18に示すロムカートリッジ基板86のデータ記憶領域に記憶されているサウンドデータには、楽曲音のサウンドデータ、ナビボイス音のサウンドデータ、台詞音のサウンドデータ、SE音のサウンドデータが含まれる。楽曲音のサウンドデータは、ボーカル音のサウンドデータと伴奏音のサウンドデータから構成される。ボーカル音は、歌唱された音声であり、伴奏音は、楽器等の演奏音である。
台詞音は、遊技の演出において表示装置11に表示されるキャラクタの台詞を内容とする音声である。SE(Sound Effect)音は、遊技の演出において適宜出力される効果音であり、例えば所定の小役や所定の内部当籤役が当籤した際に出力される効果音が含まれる。なお、データ記憶領域には、複数種類の楽曲音のサウンドデータ及び台詞音のサウンドデータが記憶されている。
[演出処理の第1実施形態]
次に、演出処理の第1実施形態について説明する。
図26は、本実施形態で使用されるのが好適な、副制御回路150におけるサウンド演出に関するハードウェア構成図である。
図26に示すように、サウンドチップ157は、DSP(Digital Signal Processor)1571及びオーディオRAM1572を備える。
サブCPU151、DSP1571、オーディオRAM1572、及びデジタルアンプ158は、演出内容により指定されたサウンドデータをアナログ信号に変換し、音として左上のスピーカ64L、右上のスピーカ64R、左下のスピーカ65L及び右下のスピーカ65Rに出力させる。すなわち、DSP1571は、サブCPU151から転送されたサウンドデータを、デジタルアンプ158を介して増幅した後にスピーカ64L、64R、65L、65Rから出力するよう構成されている。
図27は、本実施形態で使用されるのが好適なサウンドデータテーブルの一例を示す図である。サウンドデータテーブルは、各種演出内容に対応するサウンド演出を実現する際に参照されるテーブルである。図27において、表記“−”は、対応する条件等が定義されていない状態を表す。
サブCPU151は、図27に示すサウンドデータテーブルを用いて、決定した演出内容に対応するコマンド番号(図27に示すcmd No)に対応付けられたサウンドデータをロムカートリッジ基板86からDSP1571に転送し、サウンド演出を実行する。
図27に示すように、各コマンド番号には、コマンド内容と、ロムカートリッジ基板86に保存されているサウンドデータのファイル名と、各サウンドデータに係る各パラメータと、各サウンドデータの実行時におけるボリュームと、各サウンドデータの再生開始条件と、各サウンドデータの切替条件と、各サウンドデータの割込み条件とが対応付けられている。
ファイル名は、ロムカートリッジ基板86に保存されているサウンドデータのファイル名である。サブCPU151は、各サウンド演出を実行する場合に、各コマンド番号に対応付けられたファイル名のサウンドデータを、ロムカートリッジ基板86からDSP1571に転送し、スピーカ64L、64R、65L、65Rによって再生することで実行する。なお、本実施形態において、サウンドデータは、例えば、wav形式で保存されるが、他の形式であってもよい。
図27では、コマンド番号“541”に係るコマンドは、キャラクタC2が電話で聞いている声(電話相手であるキャラクタC1が電話で話している声)を再生するためのコマンドである。すなわち、コマンド番号“541”は、電話相手であるキャラクタC1が電話で話している声を電話越しで聞いたときの声(電話越しに聞こえるキャラクタC1の声)を再生するためのコマンドである。ここでは、一例として、コマンド番号“541”は、“聞こえていますか?私の声が”という台詞音を再生するためのコマンドである。
図27では、コマンド番号“542”に係るコマンドは、キャラクタC1が電話で話している声を再生するためのコマンドである。ここでは、一例として、コマンド番号“542”は、“聞こえていますか?私の声が”という台詞音を再生するためのコマンドである。
すなわち、コマンド番号“541”及びコマンド番号“542”に係る各コマンドは、“聞こえていますか?私の声が”という同じ台詞音を再生するためのコマンドであるが、コマンド番号“541”の方は電話越しに聞こえる声(以下、「電話ボイス」と称する)であり、コマンド番号“542”の方は通常の声(以下、「通常ボイス」と称する)であり、両者のサウンドデータは相違する。
なお、台詞の内容自体は、“聞こえていますか?私の声が”という内容に限られず、任意である。以下では、コマンド番号“541”に係るサウンドデータを、「電話ボイスに係るサウンドデータ」と称し、コマンド番号“542”に係るサウンドデータを、「通常ボイスに係るサウンドデータ」とも称する。
なお、通常ボイスに係るサウンドデータ及び電話ボイスに係るサウンドデータは、同時に再生し始めると、“聞こえていますか?私の声が”というそれぞれの台詞音が重なるように形成される。例えば、電話ボイスに係るサウンドデータは、通常ボイスに係るサウンドデータを加工することで生成されてもよいし、逆であってもよい。ただし、通常ボイスに係るサウンドデータ及び電話ボイスに係るサウンドデータは、同時に再生し始めると、それぞれの台詞音にわずかなずれがある態様で形成されてもよい。台詞音のわずかなずれとは、遊技者がずれとして認識できない範囲又は遊技者に違和感を与えない範囲のものであってよい。
また、電話ボイスに係るサウンドデータは、台詞音以外の音として、キャラクタC2の背景で発生する音(例えばキャラクタC2が音楽を聞いている場合は、音楽の音)を含んでもよいし、通常ボイスに係るサウンドデータは、台詞音以外の音として、キャラクタC1の背景で発生する音(例えば外の車の音)を含んでもよい。
図27では、コマンド番号“550”、コマンド番号“551”及びコマンド番号“552”は、互いに関連するコマンドに関する。図27では、コマンド番号“550”、コマンド番号“551”及びコマンド番号“552”に係る各コマンドは、特定のキャラクタC3が有する各種の必殺技に関する。具体的には、コマンド番号“550”は、“必殺技A”が対応付けられ、この場合、必殺技Aファイルは、キャラクタC3が台詞“必殺技A(技名)”を叫ぶ声(台詞音)を出力するためのサウンドデータである。コマンド番号“551”は、“必殺技B”が対応付けられ、この場合、必殺技Bファイルは、キャラクタC3が台詞“必殺技B(技名)”を叫ぶ声を出力するためのサウンドデータである。コマンド番号“552”は、“必殺技C”が対応付けられ、この場合、必殺技Cファイルは、キャラクタC3が台詞“必殺技C(技名)”を叫ぶ声を出力するためのサウンドデータである。
図27では、コマンド番号“571”、“572”、コマンド番号“573”、“574”及びコマンド番号“575”、“576”は、互いに関連するコマンドである。図27では、コマンド番号“571”、“572”、コマンド番号“573”、“574”及びコマンド番号“575”、“576”に係る各コマンドは、特定のキャラクタC3が、敵と戦うシーンに関し、特定のキャラクタC3が有する各種の必殺技を、再生開始から約3秒後に、繰り出すシーンに係る音声を再生するためのコマンドである。コマンド番号“571”、“572”は、“必殺技A”が対応付けられ、この場合、必殺技A勝利音声ファイル及び必殺技A敗北音声ファイルは、キャラクタC3が必殺技Aを繰り出すシーンに係るサウンドデータである。コマンド番号“573”、“574”は、“必殺技B”が対応付けられ、この場合、必殺技B勝利音声ファイル及び必殺技B敗北音声ファイルは、キャラクタC3が必殺技Bを繰り出すシーンに係るサウンドデータである。コマンド番号“575”、“576”は、“必殺技C”が対応付けられ、この場合、必殺技C勝利音声ファイル及び必殺技C敗北音声ファイルは、キャラクタC3が必殺技Cを繰り出すシーンに係るサウンドデータである。
ここで、コマンド番号“571”、“572”、コマンド番号“573”、“574”及びコマンド番号“575”、“576”に対応付けられた各サウンドデータは、対応する必殺技を叫ぶ台詞音を含まない。必殺技を叫ぶ台詞音の出力は、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”又は“576”のコマンドとともに実行されるコマンド番号“550”、コマンド番号“551”又はコマンド番号“552”のコマンドにより実現される。
コマンド番号“571”とコマンド番号“572”との間の相違は、キャラクタC3が必殺技Aを繰り出した後の勝敗の相違である。具体的には、コマンド番号“571”に対応付けられる必殺技A勝利音声ファイルは、特定のキャラクタC3が有する必殺技Aを繰り出することで、敵に勝利するシーンに関する。コマンド番号“572”に対応付けられる必殺技A敗北音声ファイルは、特定のキャラクタC3が有する必殺技Aを繰り出したものの、敵に敗北するシーンに関する。コマンド番号“573”とコマンド番号“574”との間の相違も同様であり、コマンド番号“575”とコマンド番号“576”との間の相違も同様である。なお、敵に勝利すると、所定の特典(後述)が付与されることが遊技者に伝わり、敵に敗北すると、所定の特典(後述)が付与されないことが遊技者に伝わる。なお、変形例では、勝敗結果は、次の遊技以降に判明する仕様であってもよい。
コマンド番号に対応付けられたパラメータは、デジタルアンプ158のチャンネル(CH)を含む。なお、図示していないが、他のパラメータとして、サウンドデータの転送レート(kbps)や、サウンドデータの再生パターン(ループ再生を行うか否かなど)、タイプ等が含まれてもよい。なお、サウンドデータの転送レート(kbps)は、各コマンド番号に対応付けられたサウンドデータを再生する場合に、DSP1571からデジタルアンプ158に1秒間に転送することができるファイル容量を示すパラメータである。タイプは、サウンドデータの転送方法を規定するパラメータであり、例えばロムカートリッジ基板86からオーディオRAM1572を介してDSP1571に転送される方式や、ロムカートリッジ基板86からDSP1571に直接的に転送される方式等を規定する。なお、ロムカートリッジ基板86からオーディオRAM1572を介してDSP1571に転送される方式は、ロムカートリッジ基板86からDSP1571に直接的に転送される方式よりも応答性の観点から有利であるので、使用頻度の高いサウンドデータに対応付けられることが好ましい。
チャンネル(CH)は、デジタルアンプ158への出力チャンネルを示すパラメータである。ここで、本実施形態に係るパチスロ1において、デジタルアンプ158は、6つのチャンネルを有しており、それぞれ、CH1〜CH6と設定されている。
サブCPU151は、例えば、CH1が対応付けられたコマンド番号に基づくサウンド演出及びCH2が対応付けられたコマンド番号に基づくサウンド演出を実行する場合、デジタルアンプ158のCH1、CH2に、各チャンネルに対応するサウンドデータを入力し、CH1に入力されたサウンドデータ及びCH2に入力されたサウンドデータを合成した音声を、デジタルアンプ158から再生するサウンド演出を実行するよう構成されている。
なお、サブCPU151は、同一チャンネルに連続したサウンドデータを入力した場合、最初に所定のチャンネルに入力したサウンドデータを出力している最中であっても、後から所定のチャンネルに入力したサウンドデータによって、最初に入力したサウンドデータを上書きし、後から入力したサウンドデータをスピーカ64L、64R、65L、65Rから再生するよう構成されている。
図27では、電話ボイスに係るコマンド番号“541”及び通常ボイスに係るコマンド番号“542”は、同時の再生が可能なように、異なるCHに対応付けられる。具体的には、図27に示すように、コマンド番号“541”は、CH5が対応付けられ、コマンド番号“542”は、CH6が対応付けられている。
また、図27では、コマンド番号“550”、“551”及び“552”は、それぞれ、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、“576”のいずれかと同時の再生が可能なように、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、“576”とは異なるCHが対応付けられる。具体的には、図27に示すように、コマンド番号“550”、“551”及び“552”は、CH6が対応付けられ、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、“576”は、CH5が対応付けられている。
ボリュームは、各コマンド番号に対応付けられたサウンドデータを出力する場合の音量の指示値に対応する。サブCPU151は、各コマンド番号に対応付けられたサウンドデータを実行する場合に、各コマンド番号に対応付けられたボリュームの指示値をデジタルアンプ158に転送する。
本実施形態では、後述のように、サブCPU151は、特定のコマンド番号に対応付けられたサウンドデータを出力する場合に、途中からボリュームの指示値を変更してデジタルアンプ158に転送する場合がある。
具体的には、図27では、電話ボイスに係るコマンド番号“541”は、2種類のボリューム“255”及び“0”が対応付けられている。また、通常ボイスに係るコマンド番号“542”は、2種類のボリューム“0”及び“255”が対応付けられている。ここでは、ボリュームは0〜255の値で規定され、数値が大きいほど大きい音量である。なお、“0”は、ミュート音量に対応する。ボリューム“255”は、遊技者が可聴な音量であり、例えば、設定可能な最大音量である。したがって、ボリューム“255”に係る音量は、ミュート音量よりもはるかに大きい。2種類のボリューム“0”及び“255”が対応付けられていることは、後述の切替条件が成立した際にボリューム“0”及び“255”間で切り替えられることを表す。
例えば、電話ボイスに係るコマンド番号“541”は、切替条件が成立する前はボリューム“255”が対応付けられ、切替条件が成立した後はボリューム“0”が対応付けられている。この場合、サブCPU151は、電話ボイスに係るコマンド番号“541”に対応付けられたサウンドデータをデジタルアンプ158に転送する場合に、切替条件が成立する前は、ボリュームの指示値を“255”に設定し、切替条件が成立すると、ボリュームの指示値を“0”に設定(変更)する。
同様に、通常ボイスに係るコマンド番号“542”は、切替条件が成立する前はボリューム“0”が対応付けられ、切替条件が成立した後はボリューム“255”が対応付けられている。この場合、サブCPU151は、通常ボイスに係るコマンド番号“542”に対応付けられたサウンドデータをデジタルアンプ158に転送する場合に、切替条件が成立する前は、ボリュームの指示値を“0”に設定し、切替条件が成立すると、ボリュームの指示値を“255”に設定(変更)する。
他のコマンド番号“550”、“551”、“552”、“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”は、ボリューム“255”だけが対応付けられている。
サウンドデータに係る再生開始条件は、各コマンド番号に対応付けられたサウンドデータの出力を開始させる際に満たされる条件である。再生開始条件は、コマンド番号ごとに設定される。例えば、図27では、電話ボイスに係るコマンド番号“541”は、再生開始条件が“スタートスイッチオン”である。これは、コマンド番号“541”に対応付けられたサウンドデータの出力が、スタートスイッチ79がオンするイベントを契機(トリガ)として開始されることを表す。通常ボイスに係るコマンド番号“542”も同様である。再生開始条件“スタートスイッチオン”は、スタートスイッチ79がオンしてから微小時間経過したことや、リールの回転が開始されること等の他の条件で置換されてもよい。
また、図27では、各種の必殺技に関するコマンド番号“550”、“551”、及び“552”は、再生開始条件が“スタートスイッチオン(第1条件の一例)からの3秒経過”である。これは、コマンド番号“550”に対応付けられたサウンドデータの出力が、スタートスイッチ79がオンしてから3秒が経過したイベントを契機(トリガ)として開始されることを表す。なお、コマンド番号“550”、“551”、及び“552”に係る再生開始条件のうちの、“スタートスイッチオン”は、リールの回転が開始されること等の他の条件で置換されてもよい。
切替条件は、特定のコマンド番号に対応付けられた2種類のボリュームを切り替える際の条件である。切替条件は、特定のコマンド番号に対してのみ対応付けられる。図27では、切替条件は、電話ボイスに係るコマンド番号“541”及び通常ボイスに係るコマンド番号“542”に対応付けられている。電話ボイスに係るコマンド番号“541”及び通常ボイスに係るコマンド番号“542”は、後述する特定のコマンド番号の組み合わせであり、セットで登録される。コマンド番号“541”及びコマンド番号“542”に対応付けられる切替条件は、同じである。図27では、コマンド番号“541”及びコマンド番号“542”に対応付けられる切替条件は、“第3停止操作”である。これは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンがオンするイベントが切替条件を満たさせることを表す。
なお、変形例では、切替条件は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第1停止に係るストップボタンがオンすると満たされてもよいし、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第2停止に係るストップボタンがオンすると満たされてもよい。あるいは、切替条件は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンが押された状態から離されると(オンした後にオフすると)、満たされてもよい。
また、他の変形例では、切替条件は、所定の操作から所定の時間経過した場合に満たされてもよい。例えば、切替条件は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第1停止に係るストップボタンがオンしてから所定時間ΔT2が経過すると、満たされてもよい。また、切替条件は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第2停止に係るストップボタンがオンしてから所定時間ΔT3が経過すると、満たされてもよい。また、切替条件は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンがオンしてから所定時間ΔT4が経過すると、満たされてもよい。
割込み条件は、所定のコマンド番号に対応付けられたサウンドデータの出力を強制的に実行する際の条件に対応する。割込み条件は、所定のコマンド番号に対してのみ対応付けられる。図27では、割込み条件は、各種の必殺技に関するコマンド番号“550”、コマンド番号“551”及びコマンド番号“552”に対応付けられている。コマンド番号“550”、コマンド番号“551”及びコマンド番号“552”に対応付けられる割込み条件は、“スタートスイッチオンから3秒経過前の第3停止操作”である。すなわち、スタートスイッチ79がオンしてから3秒経過前に、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンがオンすると、割込み条件が満たされる。なお、割込み条件のうちの、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンがオンする条件(第2条件の一例)は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第2停止に係るストップボタンがオンするという条件や、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第1停止に係るストップボタンがオンするという条件、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンが押された状態から離されるという条件等により置換されてもよい。
なお、図27に示したサウンドデータテーブルは、あくまで一例であり、多種多様な態様で変形可能である。例えば、図27に示したサウンドデータテーブルは、2つ以上の別々のテーブルにより実現されてもよい。また、再生開始条件や割込み条件は、テーブル形式ではなく、サブCPU151が実行するプログラムにより実現されてもよい。
図28Aは、アニメーションデータテーブルの一例を示す図である。アニメーションデータテーブルは、各種演出内容に対応する映像演出を実現する際に参照されるテーブルである。図28Bは、コマンド番号に対応付けられるアニメーションデータに従って生成される映像の説明図である。
サブCPU151は、図28Aに示すアニメーションデータテーブルを用いて、決定した演出内容に対応するコマンド番号(図28Aに示すcmd No)に対応付けられたアニメーションデータをロムカートリッジ基板86からDSP1571に転送し、映像演出を実行する。
図28Aに示すように、各コマンド番号には、ロムカートリッジ基板86に保存されているアニメーションデータのファイル名と、各アニメーションデータの再生開始条件とが対応付けられている。
ファイル名は、ロムカートリッジ基板86に保存されているアニメーションデータのファイル名である。サブCPU151は、各映像演出を実行する場合に、各コマンド番号に対応付けられたファイル名のアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を表示装置11(プロジェクタ213)及び/又はサブ表示装置18で表示させる。
図28Aでは、コマンド番号“641”は、キャラクタC2が電話で話を聞いているシーン(図30参照)のアニメーションデータに従って映像を作成するためのコマンドである。図28Aでは、コマンド番号“642”は、キャラクタC1が電話で話しているシーン(図31参照)のアニメーションデータに従って映像を作成するためのコマンドである。コマンド番号“641”は、上述した電話ボイスに係るコマンド番号“541”との組み合わせで使用され、コマンド番号“642”は、上述した通常ボイスに係るコマンド番号“542”との組み合わせで使用される。
コマンド番号“642”及びコマンド番号“641”は、電話で話すキャラクタC1と話を聞くキャラクタC2の一連のシーンに関するコマンドであるが、コマンド番号“641”の方はキャラクタC2側のシーンであり、コマンド番号“642”の方はキャラクタC1側のシーンであり、両者のアニメーションデータは相違する。コマンド番号“642”に対応付けられるアニメーションデータ及びコマンド番号“641”に対応付けられるアニメーションデータは、協動して一連の画像演出を形成する。
図28Aでは、コマンド番号“6501”、“6502”、コマンド番号“6511”、“6512”及びコマンド番号“6521”、“6522”は、互いに関連するコマンドである。また、コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”“6521”、“6522”は、上述したサウンドデータに係るコマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、“576”にそれぞれ対応する。例えば、コマンド番号“6501”は、上述したサウンドデータに係るコマンド番号“571”との組み合わせで使用され、コマンド番号“6502”は、上述したサウンドデータに係るコマンド番号“572”との組み合わせで使用される。換言すると、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、“576”に対応付けられるサウンドデータは、それぞれ、コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”“6521”、“6522”のうちの、対応するコマンド番号に対応付けて生成される映像に同期するように、生成される。
図28Aでは、コマンド番号“6501”、“6502”、コマンド番号“6511”、“6512”及びコマンド番号“6521”、“6522”に係る各コマンドは、特定のキャラクタC3が、敵と戦うシーンに関する。具体的には、コマンド番号“6501”、“6502”、コマンド番号“6511”、“6512”及びコマンド番号“6521”、“6522”に係るコマンドは、特定のキャラクタC3が有する各種の必殺技を、再生開始から約3秒後に、繰り出すシーンを含むアニメーションデータに従って映像を作成するためのコマンドである。コマンド番号“6501”、“6502”は、“必殺技A”が対応付けられ、この場合、必殺技A勝利映像ファイル及び必殺技A敗北映像ファイルは、キャラクタC3が必殺技Aを繰り出すアニメーションデータ部分(図28BのフレームM1からフレームM2までの部分に対応)を含む。コマンド番号“6511”、“6512”は、“必殺技B”が対応付けられ、この場合、必殺技B勝利映像ファイル及び必殺技B敗北映像ファイルは、キャラクタC3が必殺技Bを繰り出すアニメーションデータ部分(図28BのフレームM1からフレームM2までの部分に対応)を含む。コマンド番号“6521”、“6522”は、“必殺技C”が対応付けられ、この場合、必殺技C勝利映像ファイル及び必殺技C敗北映像ファイルは、キャラクタC3が必殺技Cを繰り出すアニメーションデータ部分(図28BのフレームM1からフレームM2までの部分に対応)を含む。なお、キャラクタC3は、キャラクタC1又はキャラクタC2と同じであってもよいし、キャラクタC1及びキャラクタC2とは異なってもよい。
なお、コマンド番号“6501”、“6502”、コマンド番号“6511”、“6512”及びコマンド番号“6521”、“6522”に対応付けて生成される各映像は、対応する必殺技を繰り出すまでのシーンは共通の映像(例えば攻撃のモーションに係る映像)(図28Bのフレーム1からフレームM1までの再生時間が3秒間の部分)であってよい。この場合、遊技者は、必殺技を繰り出すシーンまでは、必殺技の種類が判別できないので、必殺技の種類を知りたい遊技者は、遊技テンポを遅らせる傾向となる。この結果、射幸性を抑制できる。
コマンド番号“6501”とコマンド番号“6502”との間の相違は、キャラクタC3が必殺技Aを繰り出した後の勝敗の相違である。具体的には、コマンド番号“6501”に対応付けられる必殺技A勝利映像ファイルは、特定のキャラクタC3が有する必殺技Aを繰り出したことで、敵に勝利するアニメーションデータ部分(図28BのフレームM2から最終フレームまでの部分に対応)を含む。コマンド番号“6502”に対応付けられる必殺技A敗北映像ファイルは、特定のキャラクタC3が有する必殺技Aを繰り出したにもかかわらず、(敵に跳ね返される、かわされる等により)敵に敗北するアニメーションデータ部分(図28BのフレームM2から最終フレームまでの部分に対応)を含む。
コマンド番号“6511”とコマンド番号“6512”との間の相違も同様であり、コマンド番号“6521”とコマンド番号“6522”との間の相違も同様である。すなわち、コマンド番号“6511”、“6512”及びコマンド番号“6521”、“6522”に対応付けて生成される各映像は、必殺技を繰り出した後の結果シーンが、それぞれの結果(勝利又は敗北)に応じた異なる映像(図28BのフレームM2から最終フレームまでの部分)であってよい。なお、敵に勝利すると、所定の特典(後述)が付与されることが遊技者に伝わり、敵に敗北すると、所定の特典(後述)が付与されないことが遊技者に伝わる。
コマンド番号“6501”、“6502”は、サウンドデータに係るコマンド番号“550”との組み合わせで使用され、コマンド番号“6511”、“6512”は、サウンドデータに係るコマンド番号“551”との組み合わせで使用され、コマンド番号“6521”、“6522”は、サウンドデータに係るコマンド番号“552”との組み合わせで使用される。
また、コマンド番号“6501”、“6502”は、それぞれ、サウンドデータに係るコマンド番号“571”、“572”との組み合わせで使用され、コマンド番号“6511”、“6512”は、それぞれ、サウンドデータに係るコマンド番号“573”、“574”との組み合わせで使用され、コマンド番号“6521”、“6522”は、それぞれ、サウンドデータに係るコマンド番号“575”、“576”との組み合わせで使用される。例えば、コマンド番号“6501”は、コマンド番号“571”との組み合わせで使用される。
アニメーションデータに係る再生開始条件は、各コマンド番号に対応付けられた映像の出力を開始させる際に満たされる条件である。コマンド番号に対応付けられた映像とは、当該コマンド番号に対応付けられたアニメーションデータに従って生成された映像を意味する。再生開始条件は、コマンド番号ごとに設定される。図28Aでは、コマンド番号“642”を除くすべてのコマンド番号に対して、再生開始条件が“スタートスイッチオン”が対応付けられている。これは、コマンド番号“642”を除くすべてのコマンド番号に対応付けられた映像の出力が、スタートスイッチ79がオンするイベントを契機(トリガ)として開始されることを表す。なお、“スタートスイッチオン”は、スタートスイッチ79がオンしてから微小時間経過したことや、リールの回転が開始されること等の他の条件で置換されてもよい。
コマンド番号“642”には、第3停止操作が対応付けられている。これは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンがオンするイベントが、コマンド番号“642”に係る映像の再生開始条件(切替条件)を満たさせることを表す。コマンド番号“642”に係る映像の再生開始条件は、上述した切替条件と一致する。コマンド番号“642”に対応付けられた映像は、コマンド番号“641”に対応付けられた映像と切り替わる態様で出力される。
なお、図28Aでは、必殺技Aに対して2種類の映像(すなわち勝利用と敗北用)が生成可能であるが、3つ以上の映像が生成可能とされてもよい。必殺技B及び必殺技Cについても同様である。また、キャラクタC1が電話で話しているシーンのアニメーションデータや、キャラクタC2が電話で話を聞いているシーンのアニメーションデータも複数種類用意されてもよい。この場合、バリエーションに富んだ演出を実現できる。
次に、副制御回路150により実行される演出処理について説明する。演出処理は、サウンド演出処理と、画像演出処理とを含む。副制御回路150では、上述したように、受信したコマンドデータに基づいて、該コマンドデータの種別に対応する演出を決定し、表示装置11(プロジェクタ213)、サブ表示装置18、スピーカ群84、LED群85を駆動して演出制御を行う。その際、図19を参照して上述したように、副制御回路150は、コマンドデータの種別に対応する演出の決定タスク(演出登録タスク)を実行する。
副制御回路150のサブCPU151は、演出登録タスクの結果に基づいて、演出処理を行う。例えば、サブCPU151は、登録処理で登録されたアニメーションデータやサウンドデータを出力することで、決定された演出内容を実現する。
図29は、第1実施形態による演出処理に関連した機能の一例を示すブロック図である。
副制御回路150は、図29に示すように、第1サウンド演出処理部1500と、第2サウンド演出処理部1502と、第1画像演出処理部1504と、第2画像演出処理部1506とを含む。第1サウンド演出処理部1500、第2サウンド演出処理部1502、第1画像演出処理部1504、及び第2画像演出処理部1506は、サブCPU151が記憶部(例えばロムカートリッジ基板86)に記憶されたプログラムを実行することで実現できる。
第1サウンド演出処理部1500は、切替条件が対応付けられる特定のコマンド番号の組み合わせに係る処理を実行する場合に機能する。第1サウンド演出処理部1500は、組み合わせに係る各特定のコマンド番号に対応付けられたサウンドデータを出力(再生)する。具体的には、第1サウンド演出処理部1500は、DSP1571、オーディオRAM1572、及びデジタルアンプ158と協動して、組み合わせに係る各特定のコマンド番号に対応付けられたサウンドデータに係る音をスピーカ64L、64Rを介して出力する。
特定のコマンド番号の組み合わせは、協動又は連携してサウンド演出を実現するための組み合わせである。本実施形態では、特定のコマンド番号の組み合わせは、図27に示すコマンド番号“541”とコマンド番号“542”との組み合わせである。なお、特定のコマンド番号の組み合わせは、1つに限らず、複数存在してもよい。
第1サウンド演出処理部1500は、CH5(第1チャンネルの一例)において、電話ボイスに係るサウンドデータ(第1の音の一例)を、コマンド番号“541”に対応付けられた2種類のボリュームである通常音量(第1の音量の一例)とミュート音量(音量=0)(第3の音量の一例)とで選択的に再生する。なお、コマンド番号“541”に対応付けられた通常音量は、図27に示すように、ボリューム“255”である。
第1サウンド演出処理部1500は、CH6(第2チャンネルの一例)において、通常ボイスに係るサウンドデータ(第2の音の一例)を、コマンド番号“542”に対応付けられた2種類のボリュームである通常音量(第4の音量の一例)とミュート音量(音量=0)(第2の音量の一例)とで選択的に再生する。なお、コマンド番号“542”に対応付けられた通常音量は、図27に示すように、ボリューム“255”である。
なお、本実施形態では、通常ボイスに係るサウンドデータに対応付けられた通常音量と、電話ボイスに係るサウンドデータに対応付けられた通常音量とは、同じであるが、異なってもよい。
第1サウンド演出処理部1500は、再生開始条件が成立すると、スピーカ64L、64R(音出力手段の一例)を介して、電話ボイスに係るサウンドデータを通常音量で、通常ボイスに係るサウンドデータをミュート音量で、それぞれ略同時に再生開始する処理(以下、「第1音声再生処理」と称する)を行う。“略同時”とは、ソフトウェアによるタイムラグのような微小な時間を許容する概念である。なお、変形例では、第1音声再生処理は、通常ボイスに係るサウンドデータを、ミュート音量に代えて、微小な音量(ボリューム“255”よりも有意に小さい音量)で再生してもよい。
再生開始条件は、任意であるが、本実施形態では、一例として、図27に示しかつ上述したように、コマンド番号“541”及びコマンド番号“542”に対応付けられている再生開始条件である。本実施形態では、一例として、再生開始条件は、スタートスイッチ79がオンになると満たされる。
具体的には、第1音声再生処理では、第1サウンド演出処理部1500は、DSP1571に対して、電話ボイスファイルをCH5かつボリューム“255”の指示値で入力するとともに、通常ボイスファイルをCH6かつボリューム“0”の指示値で入力する。この結果、DSP1571は、サブCPU151から入力されたサウンドデータをそれぞれのボリュームの指示値が実現されるように加工した上で、デジタルアンプ158の対応するチャンネルに入力する。デジタルアンプ158は、入力された各サウンドデータを増幅した後に、例えば、スピーカ64L、64R、65L、65Rのうちの、スピーカ64L、64Rから出力する。なお、ボリュームの調整機能は、デジタルアンプ158で実現されてもよい。
第1サウンド演出処理部1500は、第1音声再生処理中に、切替条件が成立すると、電話ボイスに係るサウンドデータの音量を通常音量からミュート音量に減少させ、かつ、通常ボイスに係るサウンドデータの音量をミュート音量から通常音量に増加させて、再生を継続する処理(以下、「第2音声再生処理」と称する)を実行する。なお、変形例では、第2音声再生処理は、電話ボイスに係るサウンドデータを、ミュート音量に代えて、微小な音量(ボリューム“255”よりも有意に小さい音量)で再生してもよい。あるいは、他の変形例では、第2音声再生処理は、電話ボイスに係るサウンドデータの再生を停止してもよい。この場合、DSP1571への電話ボイスに係るサウンドデータの転送が停止されてもよいし、デジタルアンプ158への電話ボイスに係るサウンドデータの入力が停止されてもよい。
具体的には、第2音声再生処理では、第1サウンド演出処理部1500は、通常音量で再生中の電話ボイスファイルのボリュームの指示値を“255”から“0”に減少させるとともに、ミュート音量で再生中の通常ボイスファイルのボリュームの指示値を“0”から“255”に増加させる。この結果、DSP1571は、それぞれボリュームが変更された通常ボイスに係るサウンドデータ及び電話ボイスに係るサウンドデータを、例えば、スピーカ64L、64R、65L、65Rのうちの、スピーカ64L、64Rから出力する。
第2音声再生処理は、所定の再生終了条件が成立するまで継続される。所定の再生終了条件は、例えば通常ボイスファイルの再生及び電話ボイスファイルの再生が終了した場合や、次の遊技に係るスタートスイッチ79がオンになった場合等であってよい。あるいは、所定の再生終了条件は、例えば、メダルが投入された場合や、MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15bが遊技者により押下された場合に満たされてよい。
ここで、本実施形態では、切替条件は、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間が不定となる態様で、成立可能である。例えば、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1、すなわちスタートスイッチ79がオンになってから第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1は、遊技者ごとに又は遊技ごとに異なりうる。
この点、対比として第1比較例では、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1が変化しうることを考慮して、異なるΔT1ごとに用意された通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとの組み合わせが使用される。しかしながら、第1比較例では、ΔT1ごとに、異なる通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとの組み合わせを作成し選択する必要がある。例えば、50種類のΔT1がある場合、長さの異なる50個の通常ボイスファイルと、長さの異なる50個の電話ボイスファイルとを作成し選択する必要がある。この場合、設計工数が増加しかつ必要な記憶領域が増加するという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態では、第1サウンド演出処理部1500を備えることで、上述した第1比較例で生じる不都合を低減できる。すなわち、本実施形態では、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまで(時間ΔT1)は、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとの一の組み合わせに基づいて第1音声再生処理が実行され、切替条件が成立すると、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとの同じ一の組み合わせに基づいて第2音声再生処理が実行される。したがって、本実施形態では、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルの組み合わせを複数用意することを要せずに、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1が変化することに対応できる。
第2サウンド演出処理部1502は、割込み条件が対応付けられる所定のコマンド番号に係る処理を実行する場合に機能する。第2サウンド演出処理部1502は、所定のコマンド番号に対応付けられたサウンドデータを出力(再生)する。具体的には、第2サウンド演出処理部1502は、DSP1571、オーディオRAM1572、及びデジタルアンプ158と協動して、所定のコマンド番号に対応付けられたサウンドデータに係る音をスピーカ64L、64Rを介して出力する。
本実施形態では、所定のコマンド番号は、図27に示すコマンド番号“550”、コマンド番号“551”及びコマンド番号“552”である。なお、所定のコマンド番号は、3つに限らず、1つ、2つ、又は4つ以上存在してもよい。また、第2サウンド演出処理部1502は、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”に対応付けられたサウンドデータを出力(再生)する。
第2サウンド演出処理部1502は、CH5において、再生開始条件が成立すると、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”のいずれかに係るサウンドデータを出力するベース音声出力処理を実行する。ベース音声出力処理は、所定の終了条件が成立するまで継続される。所定の終了条件は、例えば、メダルが投入された場合や、MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15bが遊技者により押下された場合に満たされる。
また、第2サウンド演出処理部1502は、CH6において、再生開始条件の成立からの所定時間ΔTの経過に基づいて特定演出音を出力する通常出力処理(第1処理の一例)を実行する。再生開始条件は、上述したとおりである。なお、所定時間ΔTは、任意であるが、本実施形態では、3秒である。所定時間ΔTは、遊技者による遊技テンポ(1回の遊技に要する時間)を遅らせるように適合されてよく、また、3秒以外の他の秒数であってもよい。
特定演出音は、所定の特典が付与される期待度を示唆可能である。特典の例としては、遊技媒体(メダル等)の払い出し、遊技媒体を消費することなく再度、内部抽籤処理を行う再遊技(リプレイ)の作動、遊技媒体の払い出し機会が増加するボーナスゲームの作動、ART等を挙げることができる。所定の特典は、これらの各種特典のうちの、ボーナスゲームの作動やARTのような、遊技媒体の払い出し機会が比較的大きく増加する特典である。
特定演出音は、好ましくは、期待度に応じて複数種類出力可能である。これにより、遊技者は、特定演出音の種類の相違に応じて、所定の特典が付与される期待度を判断できるので、遊技の興趣を高めることができる。図27では、特定演出音は、必殺技Aファイル、必殺技Bファイル、及び必殺技Cファイルの各サウンドデータに対応する。例えば、必殺技Aの方が必殺技Bよりも期待度が高く、必殺技Bの方が必殺技Cよりも期待度が高い。この場合、遊技者は、所定時間ΔTが経過するまで第3停止操作を行わずに、必殺技A〜必殺技Cのうちのどの必殺技になるかを楽しみにして特定演出音の出力を待つことができる。この結果、遊技者による遊技テンポ(1回の遊技に要する時間)が長くなりやすくなり、射幸性を抑制できる。
また、第2サウンド演出処理部1502は、CH6において、割込み条件(再生開始条件から3秒経過前に成立する条件)の成立に基づいて、通常出力処理を禁止しかつ特定演出音を出力する後出力処理(第2処理の一例)を実行する。後出力処理は、通常出力処理により出力されない特定演出音を、出力されるはずの特定演出音の種類を知りたい遊技者のために、出力する処理である。後出力処理において通常出力処理を禁止するのは、後出力処理は、通常出力処理に代えて特定演出音を出力する処理であるためである。すなわち、後出力処理が通常出力処理ともに実行される場合は、特定演出音が重複して出力されうり、かかる重複した特定演出音の出力は違和感を遊技者に与えるおそれがあるためである。
ここで、本実施形態では、割込み条件のうちの、第3停止操作が検出されるという条件は、再生開始条件が成立してから当該条件が成立するまでの時間が不定となる態様で、成立可能である。例えば、再生開始条件が成立してから、第3停止操作が検出されるまでの時間ΔT1、すなわちスタートスイッチ79がオンになってから第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1は、遊技者ごとに又は遊技ごとに異なりうる。したがって、第3停止操作が検出されるまでの時間ΔT1が、3秒(所定時間ΔT)未満となる場合や、第3停止操作が検出されるまでの時間ΔT1が、3秒(所定時間ΔT)以上となる場合がある。
この点、対比として第2比較例では、再生開始条件が成立してから、第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1が3秒(所定時間ΔT)以上である場合に限り、特定演出音が出力される。すなわち、第2比較例では、再生開始条件が成立してから、第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1が3秒(所定時間ΔT)未満であると、特定演出音が出力されることなく、当該遊技が終了されることになる。かかる第2比較例では、遊技テンポを遅らせる観点を重視することで、遊技テンポを遅らせたくないが特定演出音の種類だけは知りたいという特定の遊技者に、不便を感じさせるという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態では、第2サウンド演出処理部1502を備えることで、上述した第2比較例で生じる不都合を低減できる。すなわち、本実施形態では、再生開始条件が成立してから第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1が3秒(所定時間ΔT)以上である場合は、再生開始条件が成立してから3秒の経過に基づいて、特定演出音が出力され、再生開始条件が成立してから第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1が3秒(所定時間ΔT)未満である場合は、第3停止操作が行われること(すなわち割込み条件の成立)に基づいて、特定演出音が出力される。これにより、遊技テンポを遅らせることを誘発させることで射幸性を抑制できつつ、遊技テンポを遅らせたくないが特定演出音の種類(及び該種類により示唆される期待度)だけは知りたいという特定の遊技者のニーズに応えることができる。すなわち、演出をじっくりと楽しみたい遊技者は、再生開始条件が成立してから3秒以上後に第3停止操作を行うことで、通常のタイミングで特定演出音を聞くことができる。他方、遊技テンポを遅らせたくないが特定演出音の種類だけは知りたいという特定の遊技者は、再生開始条件が成立してから3秒未満内に第3停止操作を行うことで早い遊技テンポを維持しながら、第3停止操作後に特定演出音を聞くことができる。
第1画像演出処理部1504は、第1サウンド演出処理部1500により特定のコマンド番号の組み合わせに係る処理が実行される場合に機能する。本実施形態では、第1画像演出処理部1504は、第1サウンド演出処理部1500と並列で、コマンド番号“641”及びコマンド番号“642”に係る画像演出処理を実行する。
第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“641”に対応付けられた再生開始条件が成立すると、表示装置11(画像出力手段の一例)を介して、コマンド番号“641”に対応付けられた映像(第1の画像の一例)を出力する処理(以下、「聞き手側再生処理」と称する)を行う。コマンド番号“641”に対応付けられた映像は、上述のように、電話ボイスに係るシーンの映像であり、具体的には、図30に模式的に示すような、キャラクタC2が電話で話を聞いているシーンの映像である。
具体的には、第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“641”に対応付けられた再生開始条件が成立すると、図19のS5で生成された映像(コマンド番号“641”に対応付けられた映像)を出力する。この際、第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“641”に対応付けられた映像を、切替条件が成立するまで又は映像が最後のフレームに至るまで、休止等させることなく出力する。
第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“642”に対応付けられた再生開始条件が成立すると、表示装置11を介して、コマンド番号“642”に対応付けられた映像(第2の画像の一例)を出力する処理(以下、「話し手側再生処理」と称する)を行う。コマンド番号“642”に対応付けられた映像は、上述のように、通常ボイスに係るシーンの映像であり、具体的には、図31に模式的に示すような、キャラクタC1が電話で話しているシーンの映像である。
具体的には、第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“642”に対応付けられた再生開始条件が成立すると、図19のS5で生成された映像(コマンド番号“642”に対応付けられた映像)を出力する。この際、第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“642”に対応付けられた映像を、映像が最後のフレームに至るまで又は所定の終了条件が成立するまで、休止等させることなく出力する。所定の終了条件は、上述の通りである。
このように、本実施形態では、コマンド番号“641”及びコマンド番号“642”の組み合わせに対しては、最初にコマンド番号“641”に係る映像を出力している最中であっても、コマンド番号“642”の再生開始条件が成立すると、コマンド番号“642”に係る映像が出力される。すなわち、コマンド番号“641”に係る映像を出力している状態で、コマンド番号“642”の再生開始条件が成立すると、コマンド番号“641”に係る映像からコマンド番号“642”に係る映像に切り替えられる。なお、映像の切替に際しては、コマンド番号“641”に係る映像がフェードアウトしかつコマンド番号“642”に係る映像がフェードインする態様が実現されてもよい。また、映像の切替に際しては、コマンド番号“641”に係る映像の表示枠が縮小されながら背景側へ移動しかつコマンド番号“642”に係る映像の表示枠が拡大されながら前面側へ移動するアニメーションが実現されてもよい。
第2画像演出処理部1506は、割込み条件が対応付けられる所定のコマンド番号に係る処理が第2サウンド演出処理部1502によって実行される場合に機能する。本実施形態では、第2画像演出処理部1506は、第2サウンド演出処理部1502と並列で、コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”、“6521”、及び“6522”に係る画像演出処理を実行する。
第2画像演出処理部1506は、コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”、“6521”、及び“6522”のいずれかに対応付けられた再生開始条件が成立すると、表示装置11(画像出力手段の一例)を介して、対応する映像を出力する処理を行う。
具体的には、第2画像演出処理部1506は、コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”、“6521”、及び“6522”のいずれかに対応付けられた再生開始条件が成立すると、図19のS5で生成された映像(コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”、“6521”、及び“6522”のいずれかに対応付けられた映像)を出力する。例えば、第2画像演出処理部1506は、コマンド番号“6501”に対応付けられた再生開始条件が成立すると、図19のS5で生成された映像(コマンド番号“6501”に対応付けられた映像)を出力する。この際、第1画像演出処理部1504は、映像の最後のフレームまで休止等させることなく出力する。したがって、出力開始から約3秒後に、キャラクタC3が必殺技を繰り出すシーンが出力されることになる。
次に、図32〜図36を参照して、第1サウンド演出処理部1500及び第1画像演出処理部1504により協動して実現される演出処理の一例を説明する。
図32は、第1サウンド演出処理部1500により実現されるサウンド演出処理の一例の概略フローチャートである。図32に示す処理は、図19のS6でコマンド番号“541”及び“542”に係るサウンドデータが登録された場合に実行される。
ステップS320では、第1サウンド演出処理部1500は、コマンド番号“541”及び“542”に係る再生開始条件が満たされたか否かを判定する。コマンド番号“541”及び“542”に係る再生開始条件は、同じであり、“スタートスイッチオン”である。コマンド番号“541”及び“542”に係る再生開始条件が満たされた場合は、ステップS322に進み、それ以外の場合は、再生開始条件の成立待ち状態となる。
ステップS322では、第1サウンド演出処理部1500は、第1音声再生処理を実行する。第1音声再生処理は、上述のように、コマンド番号“541”に対応付けられた電話ボイスに係るサウンドデータを通常音量(指示値=“255”)で、コマンド番号“542”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータをミュート音量(指示値=“0”)で、それぞれ略同時に再生開始する処理である。この場合、電話ボイスに係るサウンドデータと通常ボイスに係るサウンドデータとの合成サウンドデータがスピーカ64L、64Rから出力される。この結果、遊技者にとっては、ミュート音量の通常ボイスは聞こえず、通常音量の電話ボイスだけが聞こえる。
ステップS324では、第1サウンド演出処理部1500は、切替条件が成立したか否かを判定する。切替条件は、上述のように、第3停止操作が検出されると満たされる。切替条件が成立した場合は、ステップS326に進み、それ以外の場合は、ステップS322に戻る。
ステップS326では、第1サウンド演出処理部1500は、第2音声再生処理を実行する。第2音声再生処理の一例は図33を参照して後述する。
ステップS328では、第1サウンド演出処理部1500は、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述の通りである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS326に戻る。このようにして所定の終了条件が成立するまで第2音声再生処理が継続される。
図33は、第2音声再生処理(図32のステップS326)の一例を示す概略フローチャートである。
ステップS3260では、第1サウンド演出処理部1500は、コマンド番号“541”に係るボリュームの指示値の前回値が“0”でありかつコマンド番号“542”に係るボリュームの指示値の前回値が“255”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS3262に進み、それ以外の場合は、ステップS3264に進む。
ステップS3262では、第1サウンド演出処理部1500は、コマンド番号“541”及びコマンド番号“542”に係るボリュームの指示値を変更せずに、コマンド番号“541”に対応付けられた電話ボイスに係るサウンドデータ及びコマンド番号“542”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータの再生を継続する。
ステップS3264では、第1サウンド演出処理部1500は、コマンド番号“541”に係るボリュームの指示値を前回値から所定幅だけ減らし、かつ、コマンド番号“542”に係るボリュームの指示値を前回値から所定幅だけ増やす。なお、所定幅は、例えば10msec程度の時間をかけてボリュームの指示値が“0”から“255”へ又は“255”から“0”へと変化するように設定されてよい。
例えば、音制御の処理周期が4msecであり、所定幅が16段階に対応する幅であるとすると、コマンド番号“541”に係るボリュームの指示値は、4msecごとに、255、239、223、・・・、15、0といった具合に、16段階ずつ徐々に減少される。他方、コマンド番号“542”に係るボリュームの指示値は、4msecごとに、0、15、31、・・・、239、255といった具合に、16段階ずつ徐々に増加される。この場合、4msec×16=64msecの時間をかけてボリュームの指示値が“0”から“255”へ又は“255”から“0”へと変化するように設定されることになる。
また、処理周期が4msecであり、所定幅が64段階に対応する幅であるとすると、コマンド番号“541”に係るボリュームの指示値は、4msecごとに、255、191、127、63、0といった具合に、64段階ずつ徐々に減少される。他方、コマンド番号“542”に係るボリュームの指示値は、4msecごとに、0、63、127、191、255といった具合に、64段階ずつ徐々に増加される。この場合、4msec×4=16msecの時間をかけてボリュームの指示値が“0”から“255”へ又は“255”から“0”へと変化するように設定されることになる。
なお、ここでは、音制御の処理周期ごとに、ボリュームの指示値を所定幅だけ変化させているが、これに限られない。例えば、音制御の所定数Nsの処理周期ごとに、ボリュームの指示値を所定幅だけ変化させてもよい。
一般的に、電話ボイスから通常ボイスへの切り替わりの際のフェード時間を、Tfとすると、Tfは、以下のとおりである。
Tf=m/k×Ns×Ts
ここで、mは、ボリュームの指示値の段階数(分解能)であり、例えば256であるが、これに限られない。kは、所定幅に対応する段階数(1回当たりに変化する段階数)である。Tsは音制御の処理周期であり、例えば4msecであるが、これに限られず、例えば8msecであってもよい。
ステップS3266では、第1サウンド演出処理部1500は、ステップS3264で変更したボリュームの各指示値に基づいて、コマンド番号“541”に対応付けられた電話ボイスに係るサウンドデータ及びコマンド番号“542”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータの再生を継続する。この場合、電話ボイスに係るサウンドデータと通常ボイスに係るサウンドデータとの合成サウンドデータがスピーカ64L、64Rから出力される。最終的に、コマンド番号“541”に係るボリュームの指示値が“0”となると(同時にコマンド番号“542”に係るボリュームの指示値が“255”となる)、遊技者にとっては、ミュート音量の電話ボイスは聞こえず、通常音量の通常ボイスだけが聞こえる。
図33に示す処理によれば、通常ボイスに係るサウンドデータの音量を通常音量からミュート音量に徐々に減少させ、かつ、電話ボイスに係るサウンドデータの音量をミュート音量から通常音量に徐々に増加させることができる。すなわち、通常ボイスをフェードアウトさせながら、電話ボイスをフェードインさせることができる。これにより、通常ボイスから電話ボイスへの切替の際の違和感(急な音声の変化による違和感)を抑制できる。なお、変形例では、かかる徐変を行わずに、“0”から“255”へ又は“255”から“0”へ一周期で切り替えてもよい。この場合、急に音声が変化することで、遊技者にシーンが変わったことを印象付けることができ、演出効果を高めることができる。また、フェードイン/フェードアウトを伴う切替と、フェードイン/フェードアウトを伴わない切替とは、演出の目的に応じて選択的に使用されてもよい。例えば、所定の特典が付与される期待度に応じて、フェードイン/フェードアウトを伴う切替と、フェードイン/フェードアウトを伴わない切替とが選択的に使用されてもよい。また、フェードイン/フェードアウトのためのフェード時間についても、演出の目的に応じて多段階に変化されてもよい。
図34は、第1画像演出処理部1504により実現される画像演出処理の一例の概略フローチャートである。図34に示す処理は、図9のS5でコマンド番号“641”及び“642”に係るアニメーションデータが登録された場合に実行される。
ステップS340では、第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“641”に対応付けられた再生開始条件が満たされたか否かを判定する。コマンド番号“641”に係る再生開始条件は、“スタートスイッチオン”である。コマンド番号“641”に係る再生開始条件が満たされた場合は、ステップS342に進み、それ以外の場合は、再生開始条件の成立待ち状態となる。
ステップS342では、第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“641”に対応付けられたアニメーションデータに基づいて、聞き手側再生処理を行う。聞き手側再生処理は、上述のように、表示装置11を介して、コマンド番号“641”に対応付けられた映像(以下、「聞き手側映像」と称する)を出力する処理である。
ステップS344では、第1画像演出処理部1504は、切替条件が成立したか否かを判定する。切替条件は、コマンド番号“641”に対応付けられた再生開始条件と同じであり(及び上述のステップS324と同じであり)、上述のように、第3停止操作が検出されると満たされる。切替条件が成立した場合は、ステップS346に進み、それ以外の場合は、ステップS342に戻る。
ステップS346では、第1画像演出処理部1504は、コマンド番号“642”に対応付けられたアニメーションデータに基づいて、話し手側再生処理を行う。話し手側再生処理は、上述のように、表示装置11を介して、コマンド番号“642”に対応付けられた映像「(以下、「話し手側映像」と称する)」を出力する処理である。
ステップS348では、第1画像演出処理部1504は、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述のステップS328と同じである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS346に戻る。このようにして所定の終了条件が成立するまで話し手側再生処理が継続される。
図35及び図36は、図32〜図34に係る演出処理の説明図であり、図35及び図36は、異なるタイミングで切替条件が成立した場合をそれぞれ示す。図35及び図36は、横軸方向が時間の経過を示し、上段から、第1画像演出処理部1504により実現される映像出力のイメージ図、シーンの変化態様、台詞、電話ボイスの音量の変化態様、及び通常ボイスの音量の変化態様が示される。
図35及び図36では、時点T1で再生開始条件が成立する。再生開始条件が成立すると、第1音声再生処理が実行されることで電話ボイスに係るサウンドデータの音量が通常音量となり、通常ボイスに係るサウンドデータの音量がミュート音量となる。また、再生開始条件が成立すると、聞き手側再生処理が実行されることで聞き手側映像が出力される。これにより、再生開始条件が成立すると、聞き手側のシーンの演出が実現される。
図35では、時点T2−1で切替条件が成立する。切替条件が成立すると、第2音声再生処理が実行されることで通常ボイスに係るサウンドデータの音量が通常音量となり、電話ボイスに係るサウンドデータの音量がミュート音量となる。また、再生開始条件が成立すると、話し手側再生処理が実行されることで話し手側映像が出力される。これにより、再生開始条件が成立すると、話し手側のシーンの演出が実現される。
これに対して、図36では、時点T2−1よりも前の時点T2−2で切替条件が成立する。切替条件が成立すると、第2音声再生処理が実行されることで通常ボイスに係るサウンドデータの音量が通常音量となり、電話ボイスに係るサウンドデータの音量がミュート音量となる。また、再生開始条件が成立すると、聞き手側再生処理が実行されることで聞き手側映像が出力される。これにより、再生開始条件が成立すると、聞き手側のシーンの演出が実現される。
図35では、台詞音“聞こえていますか?私の声が”のうちの、“聞こえていますか?”の部分が聞き手側のシーンの演出で再生され、“私の声が”の部分が話し手側のシーンの演出で再生されている。
これに対して、図36では、台詞音“聞こえていますか?私の声が”のうちの、“聞こえて”の部分が聞き手側のシーンの演出で再生され、“いますか?私の声が”の部分が話し手側のシーンの演出で再生されている。
このように、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1の相違に応じて、台詞音“聞こえていますか?私の声が”のうちの、切り替わる位置が変化する。本実施形態では、上述のように、通常ボイスに係るサウンドデータの音量と電話ボイスに係るサウンドデータの音量とを変化させることで、かかる切り替わる位置を起点として、遊技者に聞こえる音声を変化させることができる。これにより、映像のシーンの切り替わりに同期して異なる音声が出力されるので、遊技者は、違和感なく演出を楽しむことができる。
また、上述のように、台詞音“聞こえていますか?私の声が”のうちの、切り替わる位置は、時間ΔT1に応じて多様に変化しうるが、本実施形態では、電話ボイス及び通常ボイスに係る各音量を変化させるタイミングを、時間ΔT1に応じて変化させるだけで、多様な時間ΔT1に対応したサウンド演出を実現できる。
なお、本実施形態では、一例として、サウンドデータとは異なり、話し手側映像の出力は、時間ΔT1とは無関係に、同じフレームに係る映像から開始される。ただし、聞き手側映像は、時間ΔT1に応じた開始位置から再生が開始されてもよい。また、話し手側映像及び聞き手側映像が、台詞の吹き出し(字幕)を含む場合、話し手側映像は、吹き出しが切替後の台詞部分だけを含むように生成されてもよい。
このような台詞の吹き出しは、遊技店の環境を考慮すると有用となり得る。遊技店では、他の遊技機からの音や店内放送の音声、遊技媒体の払い出し音などに起因して、通常ボイスや電話ボイスが聞き取り難くなる場合があるためである。
ここで、話し手側映像及び聞き手側映像が、台詞の一部又は全部の吹き出し(字幕)を含む場合、吹き出しの文字の色やフォント等により、所定の特典が付与される期待度が示唆可能とされてもよい。例えば、所定の特典が付与される期待度が高い場合に、聞き手側映像では比較的低い期待度を示唆する文字の色(例えば白色)とされるが、話し手側映像に切り替わると、話し手側映像では比較的高い期待度を示唆する文字の色(例えば赤色)に変化されてもよい。この場合、遊技者は、話し手側映像での文字の色を楽しみにしながら聞き手側映像から話し手側映像への切替を楽しむことができる。このように、期待度示唆を分かりやすく関連付けることでサウンド演出の興趣を高めることができる。
また、上述の吹き出しの文字の色やフォント等に代えて又は加えて、他の要素を用いて、聞き手側映像から話し手側映像への切替の前後で期待度を変化させたり、切替後に期待度示唆演出が発生させてたりしてもよい。例えば、話し手側映像及び/又は聞き手側映像が複数種類用意され、所定の特典が付与される期待度に応じて再生される話し手側映像及び/又は聞き手側映像の種類が変更されてもよい。具体的には、一例として、背景が昼夜の2種類の話し手側映像及び聞き手側映像がそれぞれ用意されてもよい。この場合、例えば背景が昼の話し手側映像が再生されたときと、背景が夜の話し手側映像が再生されたときとで期待度が異なり、例えば背景が夜の話し手側映像が再生されたときの方が期待度が高い。また、背景以外にも、キャラクタC1及び/又はキャラクタC2の表情や服装などが異なるような各種の話し手側映像及び聞き手側映像が用意されてもよい。このようにすることで、切替演出への注目を高めることができる。
また、同様の観点から、通常ボイス及び/又は電話ボイスについても2種類以上用意され、所定の特典が付与される期待度に応じて通常ボイスの種類が変更されてもよい。例えば、通常ボイス及び/又は電話ボイスは、種類に応じて声のトーンやスピードなどが異なってもよい。
また、本実施形態では、一例として、電話シーンにおいて聞き手側のシーンが話し手側のシーンよりも先に設定されているが、逆であってもよい。
次に、図37〜図41を参照して、第2サウンド演出処理部1502及び第2画像演出処理部1506により協動して実現される演出処理の一例を説明する。
図37は、第2サウンド演出処理部1502により実現されるサウンド演出処理(CH6に係るサウンド演出処理)の一例の概略フローチャートである。図37に示す処理は、図19のS6でコマンド番号“550”、“551”、及び“552”のいずれかに係るサウンドデータが登録された場合に実行される。
ステップS370では、第2サウンド演出処理部1502は、スタートスイッチ79がオンとなったか否かを判定する。スタートスイッチ79がオンとなった場合は、ステップS372に進み、それ以外の場合は、スタートスイッチ79がオンとなるのを待つ状態となる。
ステップS372では、第2サウンド演出処理部1502は、3秒でタイムアウトするタイマを起動する。
ステップS374では、第2サウンド演出処理部1502は、タイマがタイムアウトしたか否かを判定する。タイマがタイムアウトすると、ステップS378に進み、それ以外の場合は、ステップS376に進む。
ステップS376では、第2サウンド演出処理部1502は、第3停止操作が検出されたか否かを判定する。第3停止操作が検出された場合は、ステップS378に進み、それ以外の場合は、ステップS374に戻る。すなわち、ステップS374及びステップS376では、タイマがタイムアウトするか、第3停止操作が検出されるか、いずれかを待つ状態となる。そして、第3停止操作が検出されるか、又は、タイマがタイムアウトすると、ステップS378に進む。なお、タイマがタイムアウトする場合も、第3停止操作が検出される場合も、ステップS378に進むが、タイマがタイムアウトする前に第3停止操作が検出された場合は、ステップS374に戻ることなくステップS378に進むことになるので、通常出力処理(タイマがタイムアウトすることに基づいて特定演出音を出力する処理)が禁止されていることになる。
ステップS378では、第2サウンド演出処理部1502は、特定演出音を出力する処理を実行する。この際、出力する特定演出音は、コマンド番号“550”、“551”、及び“552”のうちの、図19のS6で登録されたコマンド番号に対応付けられている。すなわち、第2サウンド演出処理部1502は、必殺技Aファイル、必殺技Bファイル、及び必殺技Cファイルのうちの、図19のS6で登録されたコマンド番号に係るファイルを出力する。なお、ステップS374で“YES”となってステップS378に至った場合のステップS378の処理は、上述した通常出力処理に対応し、ステップS376で“YES”となってステップS378に至った場合のステップS378の処理は、上述した後出力処理に対応する。
ステップS380では、第2サウンド演出処理部1502は、特定演出音の出力が完了したか否かを判定する。特定演出音の出力が完了した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS378に戻る。このようにして特定演出音の出力が完了するまで特定演出音の出力処理(通常出力処理又は後出力処理)が継続される。
図37に示す処理によれば、第3停止操作が検出されることなくタイマがタイムアウトすると通常出力処理が実行され、タイマがタイムアウトする前に第3停止操作が検出されると後出力処理が実行される。これにより、上述したように、遊技者による遊技テンポを遅らせることを誘発させることで射幸性を抑制しつつ、遊技テンポを遅らせたくないが特定演出音の種類だけは知りたいという特定の遊技者のニーズに応えることができる。
なお、図37では、一旦、特定演出音の出力処理(通常出力処理又は後出力処理)が開始されると、特定演出音の出力が完了するまで、特定演出音の出力処理が継続される。これにより、通常出力処理及び後出力処理のいずれの場合でも、遊技者に特定演出音を最後まで聞いてもらうことで、特定演出音による演出効果を高めることができる。ただし、変形例では、特定演出音の出力処理が開始された後に、特定演出音の出力が完了するまでに所定の終了条件が成立すると、特定演出音の出力処理が終了されてもよい。所定の終了条件は、上述のとおり、例えば、メダルが投入された場合や、MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15bが遊技者により押下された場合であるが、特定演出音の出力処理に係る所定の終了条件は、上述とは異なる条件であってもよい。
例えば、特定演出音の出力処理に係る所定の終了条件は、ボーナス入賞によるボーナス作動時に満たされてもよい。具体的には、特定演出音の出力処理に係る所定の終了条件は、ボーナスに係る図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示され、ボーナスが作動した場合に満たされてよい。この場合、ボーナス入賞に係る効果音(ファンファーレ等)が出力され、当該効果音の出力開始以降には、特定演出音は出力されない(途中で停止される)。特定演出音は、上述のように、所定の特典が付与される期待度を示唆可能であるが、ボーナスが作動した時点で、かかる示唆は不要となるためである。すなわち、ボーナスが既に作動している場合は、期待度示唆の観点からは示唆を行うまでもなく有利な状態が確定的に報知されている状況であるので、ボーナス作動に係る演出を優先的に実行する方が、興趣が高まるからである。
また、特定演出音の出力処理に係る所定の終了条件は、ボーナス確定演出の発生時に満たされてもよい。例えば、特定演出音の出力処理に係る所定の終了条件は、「ボーナス確定!」や「当たり確定!」等の音声など、所定の特典が付与されることを特定演出音よりも高い信頼度で示唆できるサウンド演出が実行される場合は、その時点で、特定演出音による示唆は不要となるためである。すなわち、所定の特典が付与される状態の確定報知演出が発生した際にも、これ以上の期待度示唆演出は行わなくてもよいとの観点から、特定演出音は出力されないこととしてもよい(途中で停止されてもよい)。
また、特定演出音の出力処理に係る所定の終了条件は、パチスロ1における所定のエラーの発生時に満たされてもよい。所定のエラーは、任意であるが、例えば、注意喚起度が高いエラーであり、より具体的には、想定されない挙動により遊技者に損害が生じる可能性があるようなエラーや、不正な行為(いわゆるゴト行為)を防止するためのエラーである。かかる所定のエラーが発生した場合に出力されるエラー報知音(例えば、「エラーが発生しましたので、係員をお呼びください」といった趣旨の音声や他の警報音)は、他の音声よりも優先して出力されることが望ましい。このような観点から、エラー報知音が出力されると、特定演出音は出力されないこととしてもよい(途中で停止されてもよい)。なお、所定のエラーとしては、その他、ドア開放エラー、遊技媒体の詰まり、ホッパーエンプティ、ホッパージャム、オーバーフロー等のエラーや、主制御回路90や副制御回路150での通信異常や設定値異常、RAM異常等のような各種エラーであってもよい。
図38は、第2サウンド演出処理部1502により実現されるサウンド演出処理(CH5に係るサウンド演出処理)の一例の概略フローチャートである。図38に示す処理は、図19のS6でコマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”のいずれかに係るサウンドデータが登録された場合に、図37の処理と並列的に実行される。以下の図38の説明では、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”のうちの、登録されたコマンド番号を、単に「登録音声コマンド番号」と称する。
ステップS382では、第2サウンド演出処理部1502は、登録音声コマンド番号に対応付けられた再生開始条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”のいずれも、再生開始条件は、上述のように、“スタートスイッチオン”である。再生開始条件が満たされた場合は、ステップS384に進み、それ以外の場合は、再生開始条件が満たされるのを待つ状態となる。
ステップS384では、第2サウンド演出処理部1502は、登録音声コマンド番号に対応付けられたサウンドデータを出力する(ベース音声出力処理)。
ステップS386では、第2サウンド演出処理部1502は、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述の通りである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS384に戻る。
図39は、第2画像演出処理部1506により実現される画像演出処理の一例の概略フローチャートである。図39に示す処理は、図9のS5でコマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”、“6521”、及び“6522”のいずれかに係るアニメーションデータが登録された場合に、図37及び図38の各処理と並列的に実行される。以下の図39の説明では、コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”、“6521”、及び“6522”のうちの、登録されたコマンド番号を、単に「登録映像コマンド番号」と称する。
ステップS390では、第2画像演出処理部1506は、登録映像コマンド番号に対応付けられた再生開始条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、コマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”、“6521”、及び“6522”のいずれも、再生開始条件は、上述のように、“スタートスイッチオン”である。再生開始条件が満たされた場合は、ステップS392に進み、それ以外の場合は、再生開始条件が満たされるのを待つ状態となる。
ステップS392では、第2画像演出処理部1506は、登録映像コマンド番号に対応付けられたアニメーションデータに基づいて、映像の再生処理を行う。
ステップS394では、第2画像演出処理部1506は、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述したとおりである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS392に戻る。このようにして、所定の終了条件が成立するまで、登録映像コマンド番号に対応付けられたアニメーションデータに基づく映像の再生処理が継続される。
なお、図39では、登録映像コマンド番号に対応付けられたアニメーションデータに基づいて生成される映像の出力態様は、第2サウンド演出処理部1502による特定演出音の出力処理が通常出力処理及び後出力処理のいずれの場合でも同じであるが、異なってもよい。例えば、第2サウンド演出処理部1502による特定演出音の出力処理が後出力処理である場合は、再生中の映像が、対応する必殺技が繰り出されるシーンの開始位置までスキップされてもよい。この場合、再生中の音声(図38の登録音声コマンド番号に対応付けられたサウンドデータ)についても、対応する必殺技が繰り出されるシーンの開始位置までスキップされてもよい。
図40及び図41は、図37〜図39に係る演出処理の説明図であり、図40及び図41は、異なるタイミングで第3停止操作が検出された場合をそれぞれ示す。図42は、第3比較例による演出処理の説明図である。図40〜図41は、横軸方向が時間の経過を示し、上段から、第3停止操作の検出状態及び特定演出音の出力状態が示される。図40及び図41において、第3停止操作の検出状態において、表記“ON”は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのうちの、第3停止に係るストップボタンがオンしていることを表し、特定演出音の出力状態において、表記“再生”は特定演出音が出力されている状態を表す。
図40及び図41では、時点T11で再生開始条件が成立する。再生開始条件が成立すると、登録映像コマンド番号に対応付けられた映像が出力される。なお、この際、登録映像コマンド番号とセットとなるサウンド演出に係る登録音声コマンド番号(コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”のうちの1つ)に対応付けられたサウンドデータが、同期して再生される(図38参照)。
図40では、時点T22−1でタイマがタイムアウトする(再生開始条件が成立してから3秒経過する)。タイマがタイムアウトすると、特定演出音が出力され始める。そして、図40では、特定演出音の出力が完了した後の時点T33−1で第3停止操作が検出される。なお、時点T33−1で第3停止操作が検出されても、それに応じて特定演出音が(重複的に)出力されることはない。その後、時点T44−1で所定の終了条件が満たされ、今回の遊技が終了となる。この場合、第3停止操作が時点T22−1よりも後に検出されるので、後出の図41に比べて遊技テンポが遅くなる。
これに対して、図41では、時点T22−1でタイマがタイムアウトする(再生開始条件が成立してから3秒経過する)前の時点T33−2で第3停止操作が検出される。この場合、第3停止操作が検出されると、特定演出音が出力され始める(時点T22−2)。そして、図41では、特定演出音の出力が完了する前(かつタイマがタイムアウトする前)の時点T44−2で所定の終了条件が満たされ、今回の遊技が終了となる。なお、この場合、今回の遊技が終了しても、特定演出音の出力が継続されることになる。なお、変形例では、上述のように、所定の終了条件が満たされると、特定演出音の出力が終了されてもよい。
このように、再生開始条件が成立してから3秒経過する前に第3停止操作が検出されるか否かに応じて、特定演出音が出力され始めるタイミングが変化する。すなわち、再生開始条件が成立してから3秒経過する前に第3停止操作が検出される場合は、特定演出音が出力され始めるタイミングが、再生開始条件が成立してから3秒後よりも早められる。
なお、図42に示す第3比較例は、再生開始条件が成立してから3秒経過する場合に限り特定演出音が出力される構成である。第3比較例では、時点T22−1でタイマがタイムアウトする前の時点T33−2で第3停止操作が検出されると、図42に示すように、特定演出音が出力されることなく所定の終了条件が満たされる可能性が高くなる。この結果、遊技テンポの速い遊技者は、特定演出音を聞けずに遊技を続けることになり、興趣が低下する。
なお、本実施形態では、電話ボイスのサウンドデータと通常ボイスのサウンドデータとが合成された上で同じスピーカ64L、64Rから出力されているが、変形例では、電話ボイスのサウンドデータと通常ボイスのサウンドデータとは、それぞれ別々のスピーカ64L、64Rから出力されてもよい。例えば、電話ボイスのサウンドデータは、スピーカ64Lから出力され、通常ボイスのサウンドデータは、スピーカ64Rから出力されてもよい。
また、本実施形態では、電話ボイスのサウンドデータ及び通常ボイスのサウンドデータに対する音量変更処理(ミュート音量から通常音量への変更やその逆の変更)はDSP1571が実現するが、サブCPU151側で実現してもよい。
また、本実施形態は、電話シーンにおいて、聞き手側のシーンと話し手側のシーンの2つのシーンの切替に関するものであるが、本発明は、3つ以上のシーンの切替にも適用できる。
また、本実施形態は、電話シーンにおいて、聞き手側のシーンが話し手側のシーンに切り替わるが、聞き手側のシーンが話し手側のシーンに切り替わり、その後、再び話し手側のシーンから聞き手側のシーンに切り替わるような態様に対しても、本発明は適用可能である。
また、本実施形態は、電話ボイスと通常ボイスとの間の音声の切り替わりに関するが、音声でない音(例えばSE音や楽曲音)の切り替わりにも適用可能である。例えば、楽曲音に関しては、伴奏音のみを含むサウンドデータと、伴奏音及びボーカル音を含むサウンドデータとを切り替える際や、伴奏音のみを含むサウンドデータと、ボーカル音のみを含むサウンドデータとを切り替える際等に、本発明が適用されてもよい。
また、本実施形態は、電話ボイスと通常ボイスとの間の切替条件は、遊技者の操作に関連した条件であるが、本発明は、これに限られない。例えば、電話ボイスと通常ボイスとの間の切替条件は、遊技者の操作が影響しない条件(ただし、好ましくは、再生開始条件が成立してから不定のタイミングで成立する条件)であってもよい。
[演出処理の第2実施形態]
次に、演出処理の第2実施形態について説明する。演出処理の第2実施形態は、上述した演出処理の第1実施形態に対して、特定演出音の出力のためのチャンネルの使用の仕方が異なる。以下では、主に、上述した演出処理の第1実施形態に対して異なる部分について説明する。演出処理の第2実施形態では、図28Aに示したアニメーションデータテーブルが使用される。
図43は、本実施形態で使用されるのが好適なサウンドデータテーブルの一例を示す図である。サウンドデータテーブルは、各種演出内容に対応するサウンド演出を実現する際に参照されるテーブルである。図43において、表記“−”は、対応する条件等が定義されていない状態を表す。図44は、コマンド番号“5500”に係るサウンドデータ(割込み用サウンドデータ)とコマンド番号“5710”に係るサウンドデータ(通常サウンドデータ)との相違の説明図である。
図43に示すサウンドデータテーブルは、図27に示したサウンドデータテーブルに対して、割込み条件が無くなり、コマンド番号“550”、“551”、“552”が、コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、“5521”で置換され、かつ、コマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”が、コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”で置換された点が異なる。
コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、及び“5521”には、コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”と同じチャンネル(ここでは、CH6)が対応付けられる。
コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、及び“5521”は、再生開始条件“スタートスイッチオンから3秒経過前の第3停止操作”が対応付けられる。以下では、コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、及び“5521”に対応付けられるサウンドデータを、「割込み用サウンドデータ」とも称する。
コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”は、再生開始条件“スタートスイッチオン”が対応付けられる。以下では、コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”に対応付けられるサウンドデータを、「通常サウンドデータ」とも称する。
通常サウンドデータは、上述した演出処理の第1実施形態におけるコマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”に対応付けられるサウンドデータに対して、必殺技を叫ぶ台詞音を含む点が異なる。すなわち、上述した演出処理の第1実施形態におけるコマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”に対応付けられるサウンドデータは、必殺技を叫ぶ台詞音(特定演出音)を含まないのに対して、演出処理の第2実施形態における通常サウンドデータは、必殺技を叫ぶ台詞音(特定演出音)を含む。それ以外については同じである。具体的には、コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”に対応付けられるサウンドデータ(通常サウンドデータ)は、それぞれ、上述した演出処理の第1実施形態におけるコマンド番号“571”、“572”、“573”、“574”、“575”、及び“576”に対応付けられるサウンドデータと、必殺技を叫ぶ台詞音(特定演出音)を含む点以外は、同じである。例えば、コマンド番号“5710”は、必殺技Aを叫ぶ台詞音を含む点以外は、上述した演出処理の第1実施形態におけるコマンド番号“571”と同じであり、コマンド番号“5720”は、必殺技Aを叫ぶ台詞音を含む点以外は、上述した演出処理の第1実施形態におけるコマンド番号“572”と同じである。
ここで、通常サウンドデータと割込み用サウンドデータとの間の相違は、必殺技を繰り出すシーンまでのサウンドデータ部分を含むか否かである。具体的には、通常サウンドデータは、図44に模式的に示すように、必殺技を繰り出すシーンまでのサウンドデータ部分A1と、必殺技を繰り出すシーン(すなわち必殺技を叫ぶシーン)のサウンドデータ部分A2と、必殺技を繰り出した後の結果シーンのサウンドデータ部分A3とを含む。他方、割込み用サウンドデータは、サウンドデータ部分A2と、サウンドデータ部分A3だけを含む。なお、サウンドデータ部分A1は、再生時の長さが約3秒(所定時間ΔTに対応する長さ)である。
コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”は、アニメーションデータに係るコマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”“6521”、“6522”とそれぞれセットで使用される。例えば、コマンド番号“5710”は、アニメーションデータに係るコマンド番号“6501”とセットで使用され、コマンド番号“5720”は、アニメーションデータに係るコマンド番号“6502”とセットで使用され、以下同様である。
また、コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、及び“5521”は、アニメーションデータに係るコマンド番号“6501”、“6502”、“6511”、“6512”“6521”、“6522”とそれぞれセットで使用される。例えば、コマンド番号“5500”は、アニメーションデータに係るコマンド番号“6501”とセットで使用され、コマンド番号“5501”は、アニメーションデータに係るコマンド番号“6502”とセットで使用され、以下同様である。
図45は、第2実施形態による演出処理に関連した機能の一例を示すブロック図である。第2実施形態による演出処理に関連した機能は、上述した第1実施形態による演出処理に関連した機能(図29参照)に対して、第2サウンド演出処理部1502が第2サウンド演出処理部1502Aで置換された点が異なる。第1サウンド演出処理部1500、第1画像演出処理部1504、及び第2画像演出処理部1506は、上述した第1実施形態と同様であってよい。
第2サウンド演出処理部1502Aは、割込み用サウンドデータが対応付けられる所定のコマンド番号に係る処理を実行する場合に機能する。本実施形態では、所定のコマンド番号は、図43に示すコマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、及び“5521”である。コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、及び“5521”は、上述のように、コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”とそれぞれセットで使用される。例えば、コマンド番号“5500”は、コマンド番号“5710”とセットで使用され、コマンド番号“5501”は、コマンド番号“5720”とセットで使用され、以下同様である。
第2サウンド演出処理部1502Aは、CH6において、再生開始条件が成立すると、音声出力処理を実行する。
ここで、通常サウンドデータの再生開始条件は、“スタートスイッチオン”であるのに対して、割込み用サウンドデータの再生開始条件は“スタートスイッチオンから3秒経過前の第3停止操作”であるので、通常サウンドデータの再生開始条件の方が、割込み用サウンドデータの再生開始条件よりも早く満たされる。
第2サウンド演出処理部1502Aは、CH6において、通常サウンドデータの再生開始条件が満たされると、通常サウンドデータを出力する通常音声出力処理を実行する。通常音声出力処理は、所定の終了条件が成立するまで継続される。所定の終了条件は上述したとおりである。ただし、通常音声出力処理は、後述の割込み音声出力処理によって置換(割込み)される場合がある。この場合、通常音声出力処理は、後述の割込み音声出力処理によって置換された時点で実質的に終了となる。
第2サウンド演出処理部1502Aは、CH6において、割込み用サウンドデータの再生開始条件が満たされると、割込み用サウンドデータを出力する通常音声出力処理を実行する。割込み音声出力処理は、所定の終了条件が成立するまで継続される。所定の終了条件は上述したとおりである。
ここで、割込み用サウンドデータの再生開始条件は“スタートスイッチオンから3秒経過前の第3停止操作”である。通常サウンドデータの再生開始条件が成立してから、第3停止操作が検出されるまでの時間ΔT1、すなわちスタートスイッチ79がオンになってから第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1は、遊技者ごとに又は遊技ごとに異なりうる。したがって、第3停止操作が検出されるまでの時間ΔT1が、3秒(所定時間ΔT)未満となる場合や、第3停止操作が検出されるまでの時間ΔT1が、3秒(所定時間ΔT)以上となる場合がある。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、本実施形態では、第2サウンド演出処理部1502Aを備えることで、通常サウンドデータの再生開始条件が成立してから第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1が3秒(所定時間ΔT)以上である場合は、通常サウンドデータの再生により特定演出音が出力され、再生開始条件が成立してから第3停止操作が行われるまでの時間ΔT1が3秒(所定時間ΔT)未満である場合は、割込み用サウンドデータの再生により特定演出音が出力される。これにより、遊技テンポを遅らせることを誘発させることで射幸性を抑制できつつ、遊技テンポを遅らせたくないが特定演出音の種類(及び該種類により示唆される期待度)だけは知りたいという特定の遊技者のニーズに応えることができる。
次に、図46を参照して、第2サウンド演出処理部1502Aにより実行される音声出力処理について更に説明する。
図46は、CH6において第2サウンド演出処理部1502Aにより実現されるサウンド演出処理の一例の概略フローチャートである。図46に示す処理は、図19のS6でコマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、“5521”、“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”のうちの、一のセットに係るサウンドデータ(例えば、コマンド番号“5500”と“5710”のセット)が登録された場合に実行される。以下の図46の説明では、コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、及び“5521”のうちの、登録されたコマンド番号を、単に「登録音声割込みコマンド番号」と称する。また、コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”のうちの、登録されたコマンド番号を、単に「登録音声通常コマンド番号」と称する。
ステップS460では、第2サウンド演出処理部1502Aは、登録音声通常コマンド番号に対応付けられた再生開始条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、コマンド番号“5710”、“5720”、“5730”、“5740”、“5750”、及び“5760”のいずれも、再生開始条件は、上述のように、“スタートスイッチオン”である。登録音声通常コマンド番号に対応付けられた再生開始条件が満たされた場合は、ステップS462に進み、それ以外の場合は、登録音声通常コマンド番号に対応付けられた再生開始条件が満たされるのを待つ状態となる。
ステップS462では、第2サウンド演出処理部1502Aは、登録音声通常コマンド番号に対応付けられた通常サウンドデータを出力する。すなわち、第2サウンド演出処理部1502Aは、DSP1571、オーディオRAM1572、及びデジタルアンプ158と協動して、通常サウンドデータに係る音をスピーカ64L、64Rを介して出力する。
ステップS464では、第2サウンド演出処理部1502Aは、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述の通りである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS466に進む。
ステップS466では、第2サウンド演出処理部1502Aは、登録音声割込みコマンド番号に対応付けられた再生開始条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、コマンド番号“5500”、“5501”、“5510”、“5511”、“5520”、“5521”のいずれも、再生開始条件は、上述のように、“スタートスイッチオンから3秒経過前の第3停止操作”である。登録音声割込みコマンド番号に対応付けられた再生開始条件が満たされた場合は、ステップS468に進み、それ以外の場合は、ステップS462に戻る。
ステップS468では、第2サウンド演出処理部1502Aは、登録音声割込みコマンド番号に対応付けられた割込み用サウンドデータを出力する。すなわち、第2サウンド演出処理部1502Aは、DSP1571、オーディオRAM1572、及びデジタルアンプ158と協動して、割込み用サウンドデータに係る音をスピーカ64L、64Rを介して出力する。
ステップS470では、第2サウンド演出処理部1502Aは、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述の通りである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS468に戻る。
図46に示す処理によれば、スタートスイッチ79がオンとなってから第3停止操作が検出されることなく3秒が経過すると、通常サウンドデータに含まれる特定演出音が出力され、スタートスイッチ79がオンとなってから3秒が経過する前に第3停止操作が検出されると、割込み用サウンドデータに含まれる特定演出音が出力される。これにより、上述したように、遊技者による遊技テンポを遅らせることを誘発させることで射幸性を抑制しつつ、遊技テンポを遅らせたくないが特定演出音の種類だけは知りたいという特定の遊技者のニーズに応えることができる。
[演出処理の第3実施形態]
次に、演出処理の第3実施形態について説明する。演出処理の第3実施形態は、上述した演出処理の第1実施形態に対して、電話ボイスと通常ボイスとで音像位置(音を聞いたときの遊技者が感じる音源方向)を変化させる点が異なる。なお、この種の音像定位に関する技術は広く知られており、ここでは詳説しない。以下では、主に、上述した演出処理の第1実施形態に対して異なる部分について説明する。演出処理の第3実施形態では、図28Aに示したアニメーションデータテーブルが使用される。
図47は、本実施形態で使用されるのが好適なサウンドデータテーブルの一例を示す図である。サウンドデータテーブルは、各種演出内容に対応するサウンド演出を実現する際に参照されるテーブルである。
図47に示すサウンドデータテーブルは、図27に示したサウンドデータテーブルに対して、コマンド番号“541”、“542”がコマンド番号“541B”、“542B”で置換され、かつ、各コマンド番号に音像位置が対応付けられる点が異なる。
コマンド番号“541B”、“542B”に対応付けられるサウンドデータは、コマンド番号“541”、“542”に対応付けられる上述したサウンドデータに対して、音像位置が対応付けられる点が異なり、音像位置に関連する処理以外は、使用方法等も同様である。
コマンド番号“541B”、“542B”には、それぞれ異なる音像位置が対応付けられる。図47では、コマンド番号“541B”には、“遊技者の左側”が対応付けられ、コマンド番号“542B”には、“遊技者の右側”が対応付けられる。
図48は、第3実施形態による演出処理に関連した機能の一例を示すブロック図である。第3実施形態による演出処理に関連した機能は、上述した第1実施形態による演出処理に関連した機能(図29参照)に対して、第1サウンド演出処理部1500が第1サウンド演出処理部1500Bで置換された点が異なる。第2サウンド演出処理部1502、第1画像演出処理部1504、及び第2画像演出処理部1506は、上述した第1実施形態と同様であってよい。
第1サウンド演出処理部1500Bは、切替条件が対応付けられる特定のコマンド番号の組み合わせに係る処理を実行する場合に機能する。本実施形態では、特定のコマンド番号の組み合わせは、図47に示すコマンド番号“541B”とコマンド番号“542B”との組み合わせである。なお、特定のコマンド番号の組み合わせは、1つに限らず、複数存在してもよい。
第1サウンド演出処理部1500Bは、CH5(第1チャンネルの一例)において、電話ボイスに係るサウンドデータ(第1の音の一例)を、コマンド番号“541B”に対応付けられた2種類のボリュームである通常音量(第1の音量の一例)とミュート音量(音量=0)(第3の音量の一例)とで選択的に再生する。コマンド番号“541B”に対応付けられた通常音量は、図47に示すように、ボリューム“255”である。
また、第1サウンド演出処理部1500Bは、CH5において、電話ボイスの音像位置が遊技者の左側になるように、音像位置の指示値を、DSP1571に与える。DSP1571は、電話ボイスが遊技者の左側から聞こえるように、スピーカ64L、64Rからの出力態様を制御する。すなわち、DSP1571は、スピーカ64L、64R(又はスピーカ64L、64R、65L、65R)に出力するサウンドデータの音量及び位相等を制御することにより、遊技者の左側に音像が形成されるような音像定位でスピーカ64L、64R(又はスピーカ64L、64R、65L、65R)から電話ボイスに係る音声を出力させる。なお、第1サウンド演出処理部1500Bは、CH5において、電話ボイスの音量として通常音量を指示する間だけ、出力される音が遊技者の左側から聞こえるように音像位置を指示する。
なお、上記のような3次元空間内の指定位置(遊技者の左側等)に音像を定位させる方法は、頭部伝達関数に基づく演算により実現されてもよい。頭部伝達関数とは、パチスロ1前方にいる遊技者がパチスロ1を臨む方向に3次元空間を仮想的に設定し、この3次元空間内の特定の位置で発生したと想定された音声が、遊技者の両耳のそれぞれに到達するまでの音響特性を求める関数である。頭部伝達関数は、例えば、パチスロ1の前方に、遊技者の頭部に見立てた剛球のモデルを配置した場合に、ある位置で発生する音声が、この剛球の両耳の相当位置に到達するまで音圧を、時間および座標位置の関数である近似式として算出するといった、公知の手法を用いることができる(例えば、浜田、「2チャンネルスピーカによる3D再生〜原理から応用まで」JAS journal 1998年4月号臨時増刊)。より具体的には、例えば、3次元空間内の指定位置に音源を設定し、この3次元空間と遊技者の位置を含む空間をセル状に細分化する。そして、セルごとの圧力伝達関数を解くことにより、音源からインパルス波形の音声が出力された場合の、剛球の両耳相当位置に到達する音声をシミュレーションしたインパルス応答を、頭部伝達関数として求める。このようにして求められたインパルス応答特性は、指定位置ごとに、あらかじめ記憶される。DSP1571は、転送されるサウンドデータに対し、指定位置に応じたインパルス応答特性の畳み込み演算を行う。その際、再生する音場(音源はスピーカ64L、64R)におけるクロストーク成分を除去するディジタルフィルタによる信号処理が実行されてよい。このようにして加工されたサウンドデータがスピーカ64L、64Rから出力されると、その音を聞いた遊技者には、音源が指定位置にあるように聞こえる。すなわち、音像処理手段201の処理により、3次元空間内の指定位置に音像を定位させることができる。
第1サウンド演出処理部1500Bは、CH6(第2チャンネルの一例)において、通常ボイスに係るサウンドデータ(第2の音の一例)を、コマンド番号“542B”に対応付けられた2種類のボリュームである通常音量(第4の音量の一例)とミュート音量(音量=0)(第2の音量の一例)とで選択的に再生する。コマンド番号“542B”に対応付けられた通常音量は、図47に示すように、ボリューム“255”である。
また、第1サウンド演出処理部1500Bは、CH6において、通常ボイスの音像位置が遊技者の右側になるように、音像位置の指示値を、DSP1571に与える。DSP1571は、通常ボイスが遊技者の右側から聞こえるように、スピーカ64L、64Rからの出力態様を制御する。すなわち、DSP1571は、スピーカ64L、64R(又はスピーカ64L、64R、65L、65R)に出力するサウンドデータの音量及び位相等を制御することにより、遊技者の右側に音像が形成されるような音像定位でスピーカ64L、64R(又はスピーカ64L、64R、65L、65R)から通常ボイスに係る音声を出力させる。なお、第1サウンド演出処理部1500Bは、CH6において、通常ボイスの音量として通常音量を指示する間だけ、出力される音が遊技者の右側から聞こえるように音像位置を指示する。
第1サウンド演出処理部1500Bは、再生開始条件が成立すると、スピーカ64L、64Rを介して、電話ボイスに係るサウンドデータを通常音量で、通常ボイスに係るサウンドデータをミュート音量で、それぞれ略同時に再生開始する処理(第1音声再生処理)を行う。なお、変形例では、第1音声再生処理は、通常ボイスに係るサウンドデータを、ミュート音量に代えて、微小な音量(ボリューム“255”よりも有意に小さい音量)で再生してもよい。
第1サウンド演出処理部1500Bは、第1音声再生処理中に、切替条件が成立すると、電話ボイスに係るサウンドデータの音量を通常音量からミュート音量に減少させ、かつ、通常ボイスに係るサウンドデータの音量をミュート音量から通常音量に増加させて、再生を継続する処理(第2音声再生処理)を実行する。なお、変形例では、第2音声再生処理は、電話ボイスに係るサウンドデータを、ミュート音量に代えて、微小な音量(ボリューム“255”よりも有意に小さい音量)で再生してもよい。他の変形例では、第2音声再生処理は、電話ボイスに係るサウンドデータの再生を停止してもよい。
次に、図49を参照して、第1サウンド演出処理部1500Bにより実行される音声出力処理について更に説明する。
図49は、CH6において第1サウンド演出処理部1500Bにより実現されるサウンド演出処理の一例の概略フローチャートである。図49に示す処理は、図19のS6でコマンド番号“541B”及び“542B”に係るサウンドデータが登録された場合に実行される。
ステップS491では、第1サウンド演出処理部1500Bは、コマンド番号“541B”及び“542B”に係る再生開始条件が満たされたか否かを判定する。コマンド番号“541B”及び“542B”に係る再生開始条件は、同じであり、“スタートスイッチオン”である。コマンド番号“541B”及び“542B”に係る再生開始条件が満たされた場合は、ステップS492に進み、それ以外の場合は、再生開始条件の成立待ち状態となる。
ステップS492では、第1サウンド演出処理部1500Bは、音像位置の指示値を、“遊技者の左側”に設定する。
ステップS493では、第1サウンド演出処理部1500Bは、第1音声再生処理を実行する。第1音声再生処理は、上述のように、コマンド番号“541B”に対応付けられた電話ボイスに係るサウンドデータを通常音量(指示値=“255”)で、コマンド番号“542B”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータをミュート音量(指示値=“0”)で、それぞれ略同時に再生する処理である。この場合、電話ボイスに係るサウンドデータと通常ボイスに係るサウンドデータとの合成サウンドデータは、音像位置の指示値“遊技者の左側”に従って、遊技者の左側から聞こえるように、スピーカ64L、64Rから出力される。この結果、遊技者にとっては、通常音量の電話ボイスだけが左側から聞こえるように感じやすくなる。
ステップS494では、第1サウンド演出処理部1500Bは、切替条件が成立したか否かを判定する。切替条件は、上述のように、第3停止操作が検出されると満たされる。切替条件が成立した場合は、ステップS495に進み、それ以外の場合は、ステップS493に戻る。
ステップS495では、第1サウンド演出処理部1500Bは、音像位置の指示値を、“遊技者の右側”に設定する。
ステップS496では、第1サウンド演出処理部1500Bは、第2音声再生処理を実行する。第2音声再生処理は、上述のように、コマンド番号“541B”に対応付けられた電話ボイスに係るサウンドデータの音量をミュート音量(指示値=“0”)に変更し、コマンド番号“542B”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータの音量を通常音量(指示値=“255”)に変更した上で、それぞれの再生を継続する処理である。この場合、電話ボイスに係るサウンドデータと通常ボイスに係るサウンドデータとの合成サウンドデータは、音像位置の指示値“遊技者の右側”に従って、遊技者の右側から聞こえるように、スピーカ64L、64Rから出力される。この結果、遊技者にとっては、通常音量の通常ボイスだけが右側から聞こえるように感じやすくなる。なお、第2音声再生処理は、上述した第1実施形態のようにフェードインとフェードアウトを伴う態様で実現されてもよい(図33参照)。
ステップS497では、第1サウンド演出処理部1500Bは、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述の通りである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS496に戻る。このようにして所定の終了条件が成立するまで第2音声再生処理が継続される。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、本実施形態では、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1は、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとの一の組み合わせに基づいて第1音声再生処理が実行され、切替条件が成立すると、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとの同じ一の組み合わせに基づいて第2音声再生処理が実行される。これにより、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルの組み合わせを複数用意することを要せずに、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1が変化することに対応できる。
また、本実施形態では、通常ボイスと電話ボイスとが異なる音像位置となるように出力されるので、遊技者は、通常ボイスと電話ボイスとの間の切り替わりを、より直感的に理解できるので、演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとは異なるサウンドデータであるが、変形例では、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルとは同じであってもよい。この場合でも、通常ボイスと電話ボイスとは遊技者にとって聞こえる方向が違うため、異なる態様で聞こえることになり、違和感のない演出(シーンの切り替わり)を実現できる。また、同様の変形例では、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルのうちの、いずれか一方、例えば、CH6に係るコマンド番号“542B”が省略されてもよい。この場合、コマンド番号“541B”には、ボリューム“255”のみが対応付けられ、音像位置の指示が切替条件の成立に応じて変化される。具体的には、切替条件が成立するまでは遊技者の左側に音像位置が指示されるが、切替条件が成立すると遊技者の右側に音像位置が指示される。かかる構成によっても、同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、上述した第1実施形態をベースとして、音像位置の制御が付加されているが、上述した第2実施形態をベースとして、音像位置の制御が付加されてもよい。すなわち、図43に示すサウンドデータテーブルにおいても、コマンド番号“541”、“542”がコマンド番号“541B”、“542B”で置換され、かつ、各コマンド番号に音像位置が対応付けられてもよい。
[演出処理の第4実施形態]
次に、演出処理の第4実施形態について説明する。演出処理の第4実施形態は、上述した演出処理の第1実施形態に対して、DSP1571が通常ボイスのサウンドデータを加工して電話ボイスのサウンドデータを生成した上で、出力する点が異なる。以下では、主に、上述した演出処理の第1実施形態に対して異なる部分について説明する。演出処理の第4実施形態では、図28Aに示したアニメーションデータテーブルが使用される。
図50は、本実施形態で使用されるのが好適なサウンドデータテーブルの一例を示す図である。サウンドデータテーブルは、各種演出内容に対応するサウンド演出を実現する際に参照されるテーブルである。
図50に示すサウンドデータテーブルは、図27に示したサウンドデータテーブルに対して、コマンド番号“541”がコマンド番号“541C”で置換され、かつ、コマンド番号“541C”に加工内容が対応付けられる点が異なる。
コマンド番号“541C”に対応付けられるサウンドデータは、コマンド番号“542”に対応付けられる上述したサウンドデータと全く同じである。すなわち、図50に示すように、コマンド番号“541C”及びコマンド番号“542”に対応付けられるファイル名は、ともに“通常ボイスファイル”である。
コマンド番号“541C”には、加工処理の内容を規定した加工内容が対応付けられる。図50では、コマンド番号“541C”には、加工内容“通常ボイスから電話ボイスへの加工”が対応付けられる。
図51は、第4実施形態による演出処理に関連した機能の一例を示すブロック図である。第4実施形態による演出処理に関連した機能は、上述した第1実施形態による演出処理に関連した機能(図29参照)に対して、第1サウンド演出処理部1500が第1サウンド演出処理部1500Cで置換された点が異なる。第2サウンド演出処理部1502、第1画像演出処理部1504、及び第2画像演出処理部1506は、上述した第1実施形態と同様であってよい。
第1サウンド演出処理部1500Cは、切替条件が対応付けられる特定のコマンド番号の組み合わせに係る処理を実行する場合に機能する。本実施形態では、特定のコマンド番号の組み合わせは、図50に示すコマンド番号“541C”とコマンド番号“542”との組み合わせである。なお、特定のコマンド番号の組み合わせは、1つに限らず、複数存在してもよい。
第1サウンド演出処理部1500Cは、CH5(第1チャンネルの一例)において、電話ボイスに加工されることになるサウンドデータ(通常ボイスに係るサウンドデータ)を、コマンド番号“541C”に対応付けられた2種類のボリュームである通常音量(第1の音量の一例)とミュート音量(音量=0)(第3の音量の一例)とで選択的に再生する。コマンド番号“541C”に対応付けられた通常音量は、図50に示すように、ボリューム“255”である。
また、第1サウンド演出処理部1500Cは、CH5において、通常ボイスが電話ボイスに加工されるように加工指示を、DSP1571に与える。DSP1571は、通常ボイスが電話ボイスに変換されるように通常ボイスに係るサウンドデータを加工し、加工したサウンドデータ(第1の音の一例)を、スピーカ64L、64Rから電話ボイスに係る音声を出力させる。なお、DSP1571における加工処理の内容はあらかじめ規定される。DSP1571は、加工指示が与えられると、入力されたサウンドデータに対して、あらかじめ規定された加工処理を行う。なお、加工処理により加工されたサウンドデータは、上述した第1実施形態によるコマンド番号“541”に対応付けられたサウンドデータと同様であってよい。
第1サウンド演出処理部1500Cは、CH6(第2チャンネルの一例)において、通常ボイスに係るサウンドデータ(第2の音の一例)を、コマンド番号“542”に対応付けられた2種類のボリュームである通常音量(第4の音量の一例)とミュート音量(音量=0)(第2の音量の一例)とで選択的に再生する。コマンド番号“542”に対応付けられた通常音量は、図50に示すように、ボリューム“255”である。
第1サウンド演出処理部1500Cは、再生開始条件が成立すると、スピーカ64L、64Rを介して、電話ボイスに加工されたサウンドデータを通常音量で、通常ボイスに係るサウンドデータをミュート音量で、それぞれ略同時に再生開始する処理(以下、「加工指示を伴う第1音声再生処理」と称する)を行う。なお、変形例では、第1音声再生処理は、通常ボイスに係るサウンドデータを、ミュート音量に代えて、微小な音量(ボリューム“255”よりも有意に小さい音量)で再生してもよい。
第1サウンド演出処理部1500Cは、第1音声再生処理中に、切替条件が成立すると、電話ボイスに加工されたサウンドデータの音量を通常音量からミュート音量に減少させ、かつ、通常ボイスに係るサウンドデータの音量をミュート音量から通常音量に増加させて、再生を継続する処理(第2音声再生処理)を実行する。なお、変形例では、第2音声再生処理は、電話ボイスに加工されたサウンドデータを、ミュート音量に代えて、微小な音量(ボリューム“255”よりも有意に小さい音量)で再生してもよい。他の変形例では、第2音声再生処理は、電話ボイスに係るサウンドデータの再生を停止してもよい。また、更なる他の変形例では、第2音声再生処理においては、電話ボイスへの加工処理は省略されてもよい。CH5からのサウンドデータはミュート音量で出力されるので、どのようなサウンドデータであっても、遊技者に聞こえる音に影響しないためである。
次に、図52を参照して、第1サウンド演出処理部1500Cにより実行される音声出力処理について更に説明する。
図52は、CH6において第1サウンド演出処理部1500Cにより実現されるサウンド演出処理の一例の概略フローチャートである。図52に示す処理は、図19のS6でコマンド番号“541C”及び“542”に係るサウンドデータが登録された場合に実行される。
ステップS520では、第1サウンド演出処理部1500Cは、コマンド番号“541C”及び“542”に係る再生開始条件が満たされたか否かを判定する。コマンド番号“541C”及び“542”に係る再生開始条件は、同じであり、“スタートスイッチオン”である。コマンド番号“541C”及び“542”に係る再生開始条件が満たされた場合は、ステップS522に進み、それ以外の場合は、再生開始条件の成立待ち状態となる。
ステップS522では、第1サウンド演出処理部1500Cは、加工指示を伴う第1音声再生処理を実行する。加工指示を伴う第1音声再生処理は、上述のように、コマンド番号“541C”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータを、電話ボイスに係るサウンドデータに加工した上で通常音量(指示値=“255”)で、コマンド番号“542”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータをミュート音量(指示値=“0”)で、それぞれ略同時に再生開始する処理である。この場合、加工されたサウンドデータ(電話ボイスに係るサウンドデータ)と通常ボイスに係るサウンドデータとの合成サウンドデータがスピーカ64L、64Rから出力される。この結果、遊技者にとっては、通常音量の電話ボイスだけが聞こえる。
ステップS524では、第1サウンド演出処理部1500Cは、切替条件が成立したか否かを判定する。切替条件は、上述のように、第3停止操作が検出されると満たされる。切替条件が成立した場合は、ステップS526に進み、それ以外の場合は、ステップS522に戻る。
ステップS526では、第1サウンド演出処理部1500Cは、第2音声再生処理を実行する。第2音声再生処理は、上述のように、コマンド番号“541C”に対応付けられたサウンドデータ(加工されたサウンドデータ)の音量をミュート音量(指示値=“0”)に変更し、コマンド番号“542”に対応付けられた通常ボイスに係るサウンドデータの音量を通常音量(指示値=“255”)に変更した上で、それぞれの再生を継続する処理である。この場合、加工されたサウンドデータ(電話ボイスに係るサウンドデータ)と通常ボイスに係るサウンドデータとの合成サウンドデータがスピーカ64L、64Rから出力される。この結果、遊技者にとっては、通常音量の通常ボイスだけが聞こえる。なお、第2音声再生処理は、上述した第1実施形態のようにフェードインとフェードアウトを伴う態様で実現されてもよい(図33参照)。
ステップS528では、第1サウンド演出処理部1500Cは、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。所定の終了条件は、上述の通りである。所定の終了条件が成立した場合は、終了し、それ以外の場合は、ステップS526に戻る。このようにして所定の終了条件が成立するまで第2音声再生処理が継続される。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、本実施形態では、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1は、通常ボイスファイルに基づいて第1音声再生処理が実行され、切替条件が成立すると、同じ通常ボイスファイルに基づいて第2音声再生処理が実行される。これにより、通常ボイスファイルと電話ボイスファイルの組み合わせを複数用意することを要せずに、再生開始条件が成立してから切替条件が成立するまでの時間ΔT1が変化することに対応できる。
なお、本実施形態では、CH5及びCH6を用いているが、変形例では、いずれか一方、例えば、CH6に係るコマンド番号“542”が省略されてもよい。この場合、コマンド番号“541C”には、ボリューム“255”のみが対応付けられ、加工指示の有無が切替条件の成立に応じて変化される。具体的には、切替条件が成立するまでは加工指示に基づき通常ボイスから電話ボイスへの加工が実現されるが、切替条件が成立すると加工指示が送信されず通常ボイスがそのまま出力される。かかる構成によっても、同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、通常ボイスに係るサウンドデータが用意され、加工指示により電話ボイスに係るサウンドデータへと加工されているが、逆であってもよい。すなわち、電話ボイスに係るサウンドデータが用意され、加工指示により通常ボイスに係るサウンドデータへと加工されてもよい。
なお、本実施形態では、上述した第1実施形態をベースとして、加工指示の制御が付加されているが、上述した第2実施形態をベースとして、加工指示の制御が付加されてもよい。すなわち、図43に示すサウンドデータテーブルにおいても、コマンド番号“541”がコマンド番号“541C”で置換され、かつ、コマンド番号“541C”に加工内容が対応付けられてもよい。
<各種変形例>
以上、本発明に係る一実施形態の遊技機の構成及びその動作について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他の種々の実施形態及び変形例が含まれる。
[変形例1]
上記実施形態では、投影対象の被投影部材が複数存在する場合(例えば、図24参照)、仮想空間上において、複数の被投影部材の合成仮想オブジェクトに対して、上述した仮想投影撮影法(映像光の仮想投影処理及び仮想撮影処理)によるPJ対応画像データの生成手法を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、次のような手順で、PJ対応画像データを生成してもよい。
まず、合成仮想オブジェクトを各被投影部材の仮想オブジェクトを分解する。次いで、分解された各仮想オブジェクトに対して、上記実施形態と同様に、リソース画像の映像光の仮想投影処理を実行して仮想投影画像データを作成する。なお、合成仮想オブジェクトは、本発明に係る第1の仮想オブジェクトの一具体例を示すものであり、各被投影部材の仮想オブジェクトは、本発明に係る第2の仮想オブジェクトの一具体例を示すものである。また、各被投影部材の仮想撮影画像データは、本発明に係る第1の視点画像のデータの一具体例を示すものである。
次いで、各仮想オブジェクトの仮想投影画像データを合成する。次いで、合成された仮想投影画像データに対して、上記実施形態と同様にして、仮想撮影処理(視点変更処理)を実行して仮想撮影画像データを作成し、該仮想撮影画像データをVRAM154のフレームバッファに記憶する。そして、フレームバッファに格納された仮想撮影画像データに対して、上記実施形態と同様に画像の転送(コピー)処理を実行して、PJ対応画像データを生成する。なお、合成された仮想投影画像データは、本発明に係る合成画像のデータの一具体例を示すものである。
ここで、図53を参照して、この例の手法の一例を説明する。なお、図53は、変形例1におけるPJ対応画像データの生成手法の概要を説明するための図である。
図53に示す例では、投影対象となる複数の被投影部材として、上記実施形態で説明した台形部材302と、一対の円柱状の被投影部材501,502(以下、「一対の円柱状部材501,502」という)と、楕円球状の被投影部材503(以下、「楕円球部材503」という)とが設けられている例を説明する(図53中の投射オブジェクト参照)。また、この例では、台形部材302の前面(遊技者側)に一対の円柱状部材501,502が配置され、一対の円柱状部材501,502の前面(遊技者側)に楕円球部材503が配置されている例を説明する。さらに、一対の円柱状部材501,502はそれぞれ、各円柱状部材の延在方向の中心軸を回転軸として回転駆動可能な可動被投影部材である。なお、円柱状部材501,502及び楕円球部材503のそれぞれもまた、本発明に係る表示部の一具体例を示すものである。
この例のPJ対応画像データを生成手法では、まず、仮想空間上において、投射オブジェクトの仮想オブジェクト(合成仮想オブジェクト)を、台形部材302の仮想オブジェクトAと、一対の円柱状の被投影部材501,502の仮想オブジェクトBと、楕円球状の被投影部材503の仮想オブジェクトCとに分解する。次いで、分解された各仮想オブジェクトに対して、遊技者の目線方向から、リソース画像の映像光を仮想投影して、各仮想オブジェクトデータと、リソース画像データとが合成された各仮想オブジェクトの仮想投影画像データを生成する。
次いで、生成された各仮想オブジェクトの仮想投影画像データを合成する。なお、この際、各仮想オブジェクトの配置関係を考慮して複数の仮想オブジェクトの仮想投影画像データが合成される。具体的には、仮想空間上において、複数の仮想オブジェクトが重なる領域では、最前面(最も遊技者側)に位置する仮想オブジェクトの投影面に映し出された画像が表示されるように複数の仮想投影画像データが合成される。その結果、図53中の最下部に示す合成後の仮想投影画像データ(以下、「合成仮想投影画像データ」という)が生成される。その後、上記実施形態と同様にして、合成仮想投影画像データを仮想撮影画像データに変換し、該仮想撮影画像データに基づいて、PJ対応画像データを生成する。
上述したこの例のPJ対応画像データの生成手法を用いた場合、投影対象となる被投影部材が複数存在し且つ複数の被投影部材で立体的なスクリーンが構成されていても、被投影部材の仮想オブジェクト毎に仮想撮影画像データを生成し、該生成された複数の仮想投影画像データを合成して、複数の被投影部材からなる立体スクリーンの合成仮想投影画像データを生成することができる。それゆえ、この例の手法でPJ対応画像データを作成した場合には、実際の映像光を複数の被投影部材からなる立体スクリーンに投影した際の映像の投影位置の理想位置からのズレを最小限に抑制することができる。すなわち、この例の手法では、複数の被投影部材からなる立体スクリーン(オブジェクト)に対する投影画像のズレを最小限に抑制することができる。
また、この例においても、上記実施形態と同様に、プロジェクタ213により実際に映像光を被投影部材に投影する際に、投影画像データを被投影部材の投影面(スクリーン)の形状に対応付けるための補正処理が不要となるので、CG作成に係るコストの増大を抑制しつつ、3次元CG技術を駆使した高画質で多彩な映像表示演出を実行することができる。
[変形例2]
上記実施形態では、仮想空間上における画像の仮想投影処理及び仮想撮影処理において、投影対象画像の上部に該画像と同サイズのダミー画像を付加した2倍画角データを処理(演算)対象の画像データとして用いた。そして、PJ対応画像データを生成するときには、VRAM154のフレームバッファ(FB)に展開された2倍画角データのうち、仮想撮影画像データが格納されている領域の画像データをPJ対応画像データとして、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)にコピーする手法を用いた。しかしながら、2倍画角データをPJ対応画像データに変換する手法(2倍画角データからPJ対応画像データを抽出する手法)は、上記実施形態の例に限定されない。
例えば、仮想空間上における仮想撮影処理により生成された仮想撮影画像データを含む2倍画角データをフレームバッファ(FB)に展開する前に、2倍画角データから仮想撮影画像データを抽出する処理を設けてもよい。変形例2では、その一例として、仮想撮影画像データを含む2倍画角データに対して射影変換処理を施して、2倍画角データから仮想撮影画像データを抽出する例を説明する。
3次元CG技術において、射影変換処理は、通常、仮想空間上に配置された仮想立体物をスクリーン上に投影する際に用いられる演算処理である。まず、図54A及び27Bを参照して、一般的な射影変換処理の説明を行う。
図54Aは、プロジェクタ側(光源側)の所定位置(図54A中の「near」)に配置された長方形状のオブジェクトを、スクリーンの配置位置(図54A中の「far」)に拡大して投影したときの様子を示す図である。また、図54Bは、図54A中の「near」に配置された長方形状のオブジェクトの座標を、スクリーン上(図54A中の「far」)に投影した際の長方形状のオブジェクトの座標に変換するために用いられるプロジェクション行列P(射影変換行列)を示す図である。
なお、プロジェクション行列Pは、4行4列の正方行列である。プロジェクション行列Pでは、[1(行),1(列)]成分の値は「x」であり、[2,2]成分の値は「y」であり、[3,1]成分の値は「a」であり、[3,2]成分の値は「b」であり、[3,3]成分の値は「c」であり、[3,4]成分の値は「−1」であり、[4,3]成分の値は「d」である。なお、他の成分の値は「0」である。
また、プロジェクション行列P内の各成分の値(x,y,a,b,c,d)は、図54A及び27Bに示すように、長方形状のオブジェクトの位置「near」、スクリーンの位置「far」、投影前(射影変換前)の長方形状のオブジェクトの高さ(縦)方向の座標を規定するパラメータ「top」及び「bottom」、投影前の長方形状のオブジェクトの幅(横)方向の座標を規定するパラメータ「left」及び「right」、投影後(射影変換後)の長方形状のオブジェクトの高さ方向の長さ(高さ)「height」及び幅方向の長さ(幅)「width」、プロジェクタ(光源)から出射される光(投影光)の視野角「fovy」(投影画角)、並びに、スクリーンのアスペクト比「aspect」に基づいて算出される。
そして、図54A中の位置「near」の長方形状のオブジェクトの座標に、図54Bのプロジェクション行列Pを乗算すると(プロジェクション行列Pにより座標変換を行うと)、スクリーン上(図54A中の位置「far」)に投影(拡大して表示)された長方形状のオブジェクトの座標が算出される。
この例では、図54Bのプロジェクション行列Pを変形して用い、仮想撮影画像データを含む2倍画角データから仮想撮影画像データを抽出する。すなわち、この例では、スクリーンサイズの2倍のサイズの画像データ(2倍画角データ)をスクリーンサイズの画像データ(等倍画角データ)に変換する。なお、この例で用いる2倍画角データは、上記実施形態と同様に、被投影部材の投影面に投影される画像(投影対象画像)の上端部に該画像と同じサイズのダミー画像を付加した画像データとする(図23参照)。
図55に、この例において、仮想撮影画像データを含む2倍画角データから仮想撮影画像データ(PJ対応画像データ)を抽出する際に用いるプロジェクション行列Peを示す。この例では、プロジェクション行列Peとして、図55に示すように、プロジェクション行列P′とオフセット行列Oとを乗算した行列を用いる。なお、プロジェクション行列Peは、本発明に係る特定の変換パラメータの一具体例を示すものである。
プロジェクション行列P′は、4行4列の正方行列であり、図54Bで示す一般的なプロジェクション行列Pにおいて、視野角(fovy)を1/2(所定の角度)に設定した射影変換行列である。この例では、上述のように、2倍画角データが等倍画角データに変換されるので、視野角(投影画角)は、一般的なプロジェクション行列Pのそれの半分の値に設定される。また、オフセット行列Oは、[1(行),1(列)]成分、[2,2]成分、[3,3]成分、[4,4]成分及び[4,2]成分の値が「1」であり、他の成分の値が「0」である4行4列の正方行列で構成される。なお、プロジェクション行列P′は、本発明に係る所定の射影変換パラメータの一具体例を示すものであり、オフセット行列Oは、本発明に係る所定のオフセットパラメータの一具体例を示すものである。
そして、この例では、仮想撮影画像データを含む2倍画角データをフレームバッファ(FB)に展開する前に、2倍角データの座標に対してプロジェクション行列Peを乗算する。これにより、仮想撮影画像データを含む2倍画角データから仮想撮影画像データのみが抽出される。なお、本明細書では、この抽出結果の具体例を示さないが、発明者の検証実験では、この例で処理対象とする構成の2倍角データに図55に示すプロジェクション行列Peを乗算(射影変換)することにより、仮想撮影画像データを含む2倍画角データから仮想撮影画像データが抽出されることを確認している。
この例の手法により、抽出された仮想撮影画像データは、上記実施形態と同様に、VRAM154のフレームバッファ(FB)に展開される。そして、VRAM154のフレームバッファ(FB)に展開された仮想撮影画像データがPJ対応画像データとして、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)にコピーされる。
上述のように、この例では、フレームバッファ(FB)に展開される画像データのサイズは、上記実施形態のそれの半分となるので、フレームバッファ(FB)のサイズも上記実施形態のそれの半分にすることができる。それゆえ、この例では、スクリーンサイズと同サイズのフレームバッファ(FB)を使用して、上記実施形態と同様の3次元CG処理を行うことができるので、VRAM154の使用状況に無駄が発生せず、GPU153の処理効率を向上させることができる。
また、この例においても、上記実施形態と同様に、プロジェクタ213により実際に映像光を被投影部材に投影する際に、投影画像データを被投影部材の投影面(スクリーン)の形状に対応付けるための補正処理が不要となるので、CG作成に係るコストの増大を抑制しつつ、3次元CG技術を駆使した高画質で多彩な映像表示演出を実行することができる。
なお、この例の画像データの変換処理では、本発明に係る特定の変換パラメータ、所定の射影変換パラメータ及び所定のオフセットパラメータの一具体例として行列式(行列演算子)を用い、行列式による演算により、画像データを変換する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、変換処理前後の画像データ(変換前データ及び変換後データ)を予め用意しておき、所定の変換指令等により直接、変換前データを変換後データに置き換えるような処理を行ってもよい。この場合には、所定の変換指令等が特定の変換パラメータ、所定の射影変換パラメータ及び所定のオフセットパラメータの一具体例となる。
[変形例3]
上記実施形態では、実際に、プロジェクタ213から被投影部材に投影する映像光のPJ対応画像データの作成手法として、仮想投影撮影法を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、PJ対応画像データの作成手法として、テクスチャマッピング(プロジェクションマッピング)法と称される手法を採用してもよい。
変形例3では、テクスチャマッピング法によりPJ対応画像データを作成する手法について説明する。なお、テクスチャマッピング法は、2次元の画像を3次元状の物体(モデル)に仮想的に貼り付けることにより3次元的な画像を生成する手法である。
(1)テクスチャマッピング法の概要
図56は、テクスチャマッピング法によるPJ対応画像データの作成手法の概要を示す図である。なお、図56に示す例では、投影対象の被投影部材が台形部材302(図8参照)である場合の例を示すが、以下に説明する技術は、投影対象の被投影部材が擬似リール部材303又は平面スクリーン部材304である場合にも同様に適用可能である。
図56には、リソース画像データ内の領域Aの画像データが台形部材302の投影面322a(図8参照)にマッピングされ、領域Bの画像データが台形部材302の投影面321aにマッピングされ、領域Cの画像データが台形部材302の投影面323aにマッピングされ、領域Dの画像データが台形部材302の投影面324aにマッピングされた例を示す。
この例で用いられるリソース画像データは、上記実施形態のそれと同様に構成することができる。また、この例において、テクスチャマッピング法によるPJ対応画像データの作成処理の過程で処理対象となる画像データは、上記実施形態と同様に、投影対象の画像の上端部に該画像と同じサイズのダミー画像が付加された2倍画角データである。
そして、テクスチャマッピング法では、2倍画角データ内のリソース画像データの各画素データを、各画素の座標に対応する台形部材302のテクスチャデータ(リソース画像の座標データ及び台形部材302の構造に関する座標データ)を使用してテクスチャ座標(UV座標)に貼り付ける演算を行うことにより、テクスチャマッピング後の画像データ(2次元の画像データ)が作成される。図56では、説明を簡略化するため、リソース画像データ内の領域A〜領域Dの各頂点の座標の画素データのみが台形部材302の対応する投影面の各頂点の座標(テクスチャ座標)に貼り付けられている様子を示す。なお、テクスチャデータは、本発明に係るテクスチャ情報又は表示部に画像を表示するための情報の一具体例を示すものであり、テクスチャマッピング後の画像データは、本発明に係る擬似3次元画像データの一具体例を示すものである。
なお、テクスチャデータのテクスチャ座標は、台形部材302の3次元CADデータから生成(変換)されたデータである。具体的には、テクスチャデータでは、リソース画像の領域A〜領域Dの各頂点座標のデータ(x1,y1)〜(x8,y8)、及び、該領域A〜領域Dの各頂点座標に対応する台形部材302の仮想オブジェクトデータ内の頂点座標(x1′,y1′)〜(x8′,y8′)が設定されている。そして、マッピング処理では、GPU153は、リソース画像の領域A〜領域Dの各頂点座標((x1,y1)〜(x8,y8))の各画素データを、台形部材302の仮想オブジェクトデータ内の対応する頂点座標((x1′,y1′)〜(x8′,y8′))にそれぞれマッピングする。また、このマッピング処理では、GPU153は、仮想オブジェクトデータ内の頂点座標間の座標をテクスチャデータの座標データ(頂点座標)に基づいて線形補間により算出し、リソース画像データの頂点座標以外の座標の各画素データを仮想オブジェクトデータ内の対応する座標にそれぞれマッピングする。
次いで、テクスチャマッピング後の画像データが生成されると、該画像データを含む2倍画角データは、VRAM154のフレームバッファ(FB)に展開される。その後、フレームバッファ(FB)に展開された2倍画角データのうち、投影対象となるテクスチャマッピング後の画像データが格納されている領域の画像データがPJ対応画像データとして、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)にコピー(転送)される。
なお、テクスチャマッピング法によりPJ対応画像データを作成する手法は、例えば、図24で説明した、投影対象の被投影部材が台形部材302から擬似リール部材303に切り替わる場合にも適用可能である。この場合、所定間隔のタイミング毎に生成された、動作中の擬似リール部材303(可動被投影部材)のテクスチャデータと台形部材302のテクスチャデータとの合成テクスチャデータにリソース画像データをマッピングする(貼り付ける)ことにより、PJ対応画像データを生成することができる。
また、この例のPJ対応画像データの作成手法は、例えば、図53に示すような、投影対象の被投影部材が複数の被投影部材からなる立体スクリーンである場合にも適用可能である。この場合には、複数の被投影部材の合成テクスチャデータ(立体スクリーンのテクスチャデータ)を取得し、該合成テクスチャデータにリソース画像データをマッピングする(貼り付ける)ことにより、PJ対応画像データを生成することができる。また、この場合、変形例1と同様に、複数の被投影部材の合成テクスチャデータを各被投影部材のテクスチャデータに分解し、該分解された各被投影部材のテクスチャデータに対応するリソース画像をマッピングし、各被投影部材のマッピング後の画像データを合成してPJ対応画像データを生成してもよい。
(2)テクスチャマッピング法によるPJ対応画像データの作成手順
次に、図57を参照して、副制御回路150において行われる、テクスチャマッピング法によるPJ対応画像データの生成処理の具体的な処理手順を説明する。なお、図57は、テクスチャマッピング法による、PJ対応画像データ及びそれに対応する映像信号の生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU151は、ロムカートリッジ基板86に格納された各種リソース画像データの中から、今回、映像表示するリソース画像データを選択する(S21)。なお、S21の処理で選択する画像データは、リソース画像の上端部に、リソース画像と同サイズのダミー画像が付加された2倍画角データである。また、この処理では、GPU153(レンダリングプロセッサ153)は、サブCPU151の指令に基づいて、選択されたリソース画像データをVRAM154(描画用RAM)に展開する。
次いで、サブCPU151は、ロムカートリッジ基板86に格納された各種被投影部材のテクスチャデータ(被投影部材の構造に関する3次元データ)の中から、今回、投影対象となる被投影部材のテクスチャデータを選択する(S22)。この処理において、投影対象となる被投影部材が、一つの被投影部材である場合には、当該被投影部材のテクスチャデータのみが選択される。また、この処理において、投影対象となる被投影部材が複数である場合には、現タイミングに対応する合成テクスチャデータが選択される。そして、この処理では、GPU153は、サブCPU151の指令に基づいて、選択されたテクスチャデータをVRAM154に展開する。
なお、S21及びS22の処理において、選択されたリソース画像データ及びテクスチャデータは、VRAM154内において、フレームバッファ及びスクリーンバッファ以外のバッファ領域(仮想バッファ)に展開される。また、S21及びS22の処理順序は、任意であり、S22の処理の後にS21の処理を行ってもよい。
次いで、GPU153は、テクスチャマッピング処理を行う(S23)。この処理では、S21の処理で選択されたリソース画像データとS22の処理で選択された被投影部材のテクスチャデータとを用いて、リソース画像の各画素データを、対応する被投影部材の投影面の位置に貼り付ける処理(マッピング)を行う。
次いで、GPU153は、S23で生成されたマッピング処理後の画像データを含む2倍画角データをVRAM154のフレームバッファ(FB)に展開(セット)する(S24)。次いで、GPU153は、フレームバッファ(FB)に展開された2倍画角データのうち、投影対象となるマッピング処理後の画像データが格納されている領域(図23中では、フレームバッファの下半分の領域)の画像データをPJ対応画像データとして、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)にコピー(転送)する(S25)。
そして、GPU153は、S25でスクリーンバッファ(SB)にコピーされたPJ対応画像データを映像信号に変換して、該映像信号をプロジェクタ213に出力する(S26)。この例では、上述のようにして、プロジェクタ213に出力するPJ対応画像データ(映像信号)を生成する。
(3)各種効果
この例のように、PJ対応画像データの作成手法としてテクスチャマッピング法を採用した場合、より簡易な処理でPJ対応画像データを作成することができるので、CG作成に係るコストの増大を抑制しつつ、3次元CGを駆使した高画質で多彩な演出を実行することができる。また、この例では、被投影部材に映像光を投影した後のムービーを用意することができるので、GPU(VDP(Video Display Processor))の処理性能が低くても、問題なくムービーを再生することができ、テクスチャマッピング(プロジェクションマッピング)を汎用的に使用することができる。
さらに、この例においてもPJ対応画像データの作成過程で処理対象となる画像データは、投影対象画像の上部に該画像と同じサイズのダミー画像を付加した画像データ(2倍画角データ)である。それゆえ、この例においても、上記実施形態と同様に、画像データの作成段階で、被投影部材の投影面(スクリーン)に実際に映し出される映像の歪みを抑制することができ、高画質の演出映像を遊技者に提供することができる。
なお、テクスチャマッピング法によるPJ対応画像データの作成手法では、リソース画像データの各画素データを、各画素の座標に対応する被投影部材のテクスチャデータの座標に貼り付けるだけの処理であるので、上記実施形態で説明した仮想投影撮影法を用いた手法に比べて簡易な手法である。しかしながら、テクスチャマッピングを用いた手法では、仮想投影撮影法を用いた手法に比べて、例えば、図56に示す台形部材302の投影面間の境界付近で画像の歪みが発生し易くなるので、高画質という観点では、上記実施形態で説明した仮想投影撮影法を用いた手法の方が優位となる。
また、図56及び図57で説明した例では、GPU153を使用してリアルタイムでテクスチャマッピング処理を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のような手法を用いてもよい。まず、3次元CGツール等で予めリソース画像を被投影部材にマッピングした画像データを作成し、該マッピング後の画像データをロムカートリッジ基板86に格納する。次いで、画像表示時には、サブCPU151が、ロムカートリッジ基板86に格納された各種マッピング後の画像データの中から所定の画像データを選択し、該画像データをPJ対応画像データとしてプロジェクタ213に出力する。
また、図56及び図57で説明した例では、PJ対応画像データを生成する際には、VRAM154のフレームバッファ(FB)に展開された2倍画角データのうち、投影対象となるマッピング処理後の画像データが格納されている領域の画像データをPJ対応画像データとして、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)にコピーする例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記変形例2で説明した手法と同様に、投影対象のマッピング処理後の画像データを含む2倍画角データに対して、図55に示したプロジェクション行列Peを乗算(射影変換)して、2倍画角データから投影対象となるマッピング処理後の画像データ(等倍画角データ)を抽出してもよい。この場合、抽出された投影対象のマッピング処理後の画像データ(等倍画角データ)は、VRAM154のフレームバッファ(FB)に展開され、該展開された等倍画角データがPJ対応画像データとして、VRAM154のスクリーンバッファ(SB)にコピー(転送)される。
[その他の各種変形例]
上記実施形態では、平面スクリーン部材304の投影面304bを平面で構成し、その投影面に白色の塗料を塗布した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、平面スクリーン部材304の投影面304b(第2平面)に印刷シートを貼り付けてもよい。また、この場合、例えば、印刷シートを複数の領域に分けて、それぞれの領域に異なる絵画や記号を形成してもよい。そして、プロジェクタ213から出射される映像光により、異なる絵画や記号に所定の順番で照明を当てるような映像(画像)を表示してもよい。この場合、いずれかの絵画(記号)が選択される、所謂、ルーレット演出を行うことができる。
また、上記実施形態では、擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304を移動させる構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る被投影部材としては、被投影部材全体が移動するものに限定されず、例えば、被投影部材に可動部を設け、被投影部材の一部(可動部)が移動する構成にしてもよい。この場合、可動部の動作に合わせた映像光を投影することにより、躍動感のある映像を表示することができ、映像を用いた演出の興趣を高めることができる。
また、上記実施形態では、キャビネット2aの内部におけるフロントパネル10の開口10aに対向する位置に、プロジェクタ213を有する表示装置11を配置する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る遊技機では、例えば、腰部パネル12に開口を設け、キャビネット2aの内部における腰部パネル12の開口に対向する位置に、プロジェクタを有する表示装置を配置してもよい。また、上記実施形態では、キャビネット2aの内部に表示装置11を配置する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る遊技機では、例えば、フロントドア2bにプロジェクタを有する表示装置を配置してもよい。
また、本発明に係る遊技機では、擬似リール部材303の投影面331bに投影する映像として、スタートレバー16の操作(開始操作)に応じて、図柄が変動する映像を採用してもよい。そして、この場合には、擬似リール部材303の投影面331bにおいて、ストップボタン17L,17C,17Rの押圧操作(停止操作)に合わせて、変動する図柄を停止する映像を表示してもよい。
また、上記実施形態では、被投影部材の投影面(スクリーン)に対して、その表面側からプロジェクタの光を投射して映像を表示する方式(フロントプロジェクション)を採用した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スクリーンに対して、その裏面(背面)側からプロジェクタの光を投射して映像を表示する方式(リアプロジェクション)を採用してもよく、この場合においても最適な効果を得ることができる。また、本発明に係る遊技機では、表示装置として、プロジェクタの代わりに、例えば、液晶表示装置や、有機・無機EL等の表示装置を用いることができる。
また、上記実施形態では、本発明に係る遊技機として、パチスロ遊技機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明に係る遊技機が、例えば、パチンコ遊技機であってもよい。
例えば、パチンコ遊技機においては、複数回の図柄の変動に対して連続演出(例えば先読み演出)を行う場合があるが、各図柄の変動時間は、保留玉の状態や、特図1と特図2の相違等に応じて変化しうる。例えば、電話シーンに関して、一の図柄の変動が聞き手側のシーンに関し、次の一の図柄の変動が話し手側のシーンに関する場合、聞き手側のシーンの長さが変化しうる。かかる場合に本発明を適用すれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。具体的には、聞き手側のシーンに係る変動中は、電話ボイスのサウンドデータを通常音声で、かつ、通常ボイスのサウンドデータをミュート音声で略同時に再生開始し、次の変動に切り替わると、電話ボイスに係るサウンドデータをミュート音声に、かつ、通常ボイスに係るサウンドデータを通常音声にそれぞれ変更した上で、再生を継続する。なお、この場合、次の変動の開始(演出時間の経過)が切替条件を満たすことになる。
また、パチンコ遊技機においては、特定演出音の出力処理に係る所定の終了条件は、図柄の変動終了時に当たり図柄が表示されたとき、あるいは、大当たり開始演出が開始されたときに満たされてよい。この場合、パチスロ1においてボーナスが作動した場合と同様、当たり図柄が表示された時点等で、特定演出音による期待度の示唆は不要となるためである。
また、上記実施形態では、通常ボイスに係るサウンドデータと電話ボイスに係るサウンドデータとが略同時に再生開始されているが、これに限られない。例えば、図58に示すように、通常ボイスに係るサウンドデータ5802は、電話ボイスに係るサウンドデータ5800の再生開始タイミングt1から一定時間T7だけ遅れた再生開始タイミングt2に再生開始されてもよい。この場合、一定時間T7は、例えば、スタートスイッチオンのタイミングt1から第3停止操作のタイミングt3までの時間の取り得る範囲の最小時間(例えば図58の時間T8)よりも短く設定される。また、この場合、通常ボイスに係るサウンドデータ5802及び電話ボイスに係るサウンドデータ5800は、それぞれ、再生開始タイミングt2及び再生開始タイミングt1から再生開始された場合に、台詞音“聞こえていますか?私の声が”が略重なるように生成される。例えば、電話ボイスに係るサウンドデータ5800が、通常ボイスに係るサウンドデータの元データ(図示せず)を加工して生成される場合、再生開始タイミングt2から再生開始される通常ボイスに係るサウンドデータ5802は、通常ボイスに係るサウンドデータの元データのうち、最初の一定時間T7の部分を削除したものである。このような変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、電話ボイスに係るコマンド番号“541”及び通常ボイスに係るコマンド番号“542”に対応付けれた切替条件は、“第3停止操作”であるが、上述のように、切替条件はこれに限られず、多様な態様で実現可能である。例えば、演出用操作手段に対する操作の検出に関連付けた切替条件を用いる場合、当該演出用操作手段の操作有効期間を設定し、操作有効期間中に操作が検出された場合は、その時点で切替条件が成立することとしてよい。また、操作有効期間中に操作が検出されない場合は、操作有効期間が終了した時点で切替条件が成立することとしてよい。あるいは、操作有効期間中に操作が検出されない場合は、切替条件が不成立とされてもよい。この場合、通常ボイスから電話ボイスに切り替わることなく、当該演出を終了可能としてもよい(聞き手側再生処理の実行状態で当該演出を終了可能としてもよい)。このような変形例によれば、遊技者は、操作タイミングに応じて異なる演出パターンを楽しむことができる。
なお、本変形例において、切替条件を成立させる演出用操作手段の操作態様は、通常の操作態様に限られない。切替条件を成立させる演出用操作手段の操作態様は、多様であってよく、これにより、多彩な遊技性を実現してもよい。例えば、切替条件を成立させる演出用操作手段の操作態様は、所定回数の連続操作(例えばボタン等の連打)であってもよいし、所定時間以上の継続的な操作(例えばボタン等の長押し)であってもよい。
また、本変形例において、演出用操作手段としては、演出用ボタン、タッチパネル、遊技者の手の接近を検出可能な近接センサ(例えば赤外線センサ)、レバー、ジョグダイアル等を適宜採用できる。また、演出用操作手段自体を可動部として構成し、操作有効期間中だけ演出用操作手段が遊技者の操作により可動とされてもよい。この場合、可動部にボタン(演出用操作手段の一要素)が更に設けられてもよい。
[その他の本実施形態に係る遊技機の拡張性]
本実施形態のパチスロ1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口14に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン15a、若しくは1ベットボタン15bを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置51が駆動してメダル払出口24からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路90(主制御基板71)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路90(主制御基板71)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチスロ1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(清算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自信が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタ66やホッパー装置51を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路90(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることに基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるパチンコや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタ66やホッパー装置51等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
<付記(本発明のまとめ)>
[第1〜第4の遊技機]
従来、CGROM(Character Generator ROM)に動画像データを読み込んで展開し、3次元動画像を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する機能を備えた遊技機が提案されている(例えば、特開平7―155438号公報参照)。
ところで、近年、液晶ディスプレイ等の表示装置が搭載された遊技機では、3次元CG(Computer Graphics)技術を駆使した高画質で多彩な演出が主流となっている。そして、その多彩な演出を行うためのCGデータを予め作成し、該作成したCGデータをCGROMに記憶しているため、CG作成に係るコストが、年々、増大している。
本発明は、上記第1の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の目的は、CG作成に係るコストの増大を抑制しつつ、3次元CG技術を駆使した高画質で多彩な演出を実行可能にする遊技機を提供することである。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第1−1の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部を用いた前記画像の表示動作を制御する制御部(例えば、副制御基板72)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を有し、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された前記仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記仮想オブジェクトのデータに基づいて生成し、
前記仮想空間上において、前記仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部に記憶し、
前記揮発性記憶部に記憶された前記第2の視点画像のデータを映像信号に変換して、該映像信号を出力する
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第1−2の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、を備え、
前記制御処理部は、前記記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
仮想空間上に配置された前記仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記仮想オブジェクトのデータに基づいて生成し、
前記仮想空間上において、前記仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成する
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第1−3の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に前記画像に対応する映像光を投影する投影部(例えば、プロジェクタ213を含む投影ブロック201)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、を備え、
前記制御処理部は、前記記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
仮想空間上に配置された前記仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記仮想オブジェクトのデータに基づいて生成し、
前記仮想空間上において、前記仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成し、
前記第1の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する遊技者の目線方向であり、前記第2の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する前記映像光の入射方向である
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第2−1の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部を用いた前記画像の表示動作を制御する制御部(例えば、副制御基板72)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を有し、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された前記仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記仮想オブジェクトのデータに基づいて生成して、当該第1の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第1のバッファ(例えば、仮想バッファ)に記憶し、
前記仮想空間上において、前記仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第2のバッファ(例えば、フレームバッファ)に記憶し、
前記表示部に表示される前記画像のデータを、前記第2の視点画像のデータが記憶された前記第2のバッファから前記揮発性記憶部の第3のバッファ(例えば、スクリーンバッファ)に転送し、該第3のバッファに記憶されているデータ(例えば、PJ対応画像データ)を映像信号に変換して、該映像信号を出力する
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第2−2の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を備え、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された前記仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記仮想オブジェクトのデータに基づいて生成して、当該第1の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第1のバッファ(例えば、仮想バッファ)に記憶し、
前記仮想空間上において、前記仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第2のバッファ(例えば、フレームバッファ)に記憶し、
前記表示部に表示される前記画像のデータを、前記第2の視点画像のデータが記憶された前記第2のバッファから前記揮発性記憶部の第3のバッファ(例えば、スクリーンバッファ)に転送し、該第3のバッファに記憶されているデータ(例えば、PJ対応画像データ)を映像信号に変換して、該映像信号を出力し、
前記第3のバッファのサイズが前記画像のサイズと同じであり、前記第2のバッファのサイズが前記第3のバッファのサイズより大きい
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第2−3の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に前記画像に対応する映像光を投影する投影部(例えば、プロジェクタ213を含む投影ブロック201)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を備え、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された前記仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記仮想オブジェクトのデータに基づいて生成して、当該第1の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第1のバッファ(例えば、仮想バッファ)に記憶し、
前記仮想空間上において、前記仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第2のバッファ(例えば、フレームバッファ)に記憶し、
前記表示部に表示される前記画像のデータを、前記第2の視点画像のデータが記憶された前記第2のバッファから前記揮発性記憶部の第3のバッファ(例えば、スクリーンバッファ)に転送し、該第3のバッファに記憶されているデータ(例えば、PJ対応画像データ)を映像信号に変換して、該映像信号を出力し、
前記第1の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する遊技者の目線方向であり、前記第2の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する前記映像光の入射方向である
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第3−1の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部を用いた前記画像の表示動作を制御する制御部(例えば、副制御基板72)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部の構造に関するテクスチャ情報(例えば、テクスチャデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を有し、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記テクスチャ情報を選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、前記所定の原画像データに前記テクスチャ情報を反映させた擬似3次元画像データ(例えば、マッピング後の画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記テクスチャ情報に基づいて生成し、
前記揮発性記憶部で生成された前記擬似3次元画像データを映像信号に変換して、該変換された映像信号を出力する
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第3−2の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部の構造に関するテクスチャ情報(例えば、テクスチャデータ)が記憶された記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、を備え、
前記制御処理部は、前記記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記テクスチャ情報を選択し、
前記画像処理部は、
前記所定の原画像データに前記テクスチャ情報を反映させた擬似3次元画像データ(例えば、マッピング後の画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記テクスチャ情報に基づいて生成する
ことを特徴とする遊技機。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第3−3の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に前記画像に対応する映像光を投影する投影部(例えば、プロジェクタ213を含む投影ブロック201)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部の構造に関するテクスチャ情報(例えば、テクスチャデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を備え、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記テクスチャ情報を選択し、
前記画像処理部は、
前記所定の原画像データに前記テクスチャ情報を反映させた擬似3次元画像データ(例えば、マッピング後の画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記テクスチャ情報に基づいて生成して、前記揮発性記憶部の所定のバッファ(例えば、フレームバッファ)に記憶し、
前記表示部に表示される前記画像のデータを、前記擬似3次元画像データが記憶された前記所定のバッファから前記揮発性記憶部の特定のバッファ(例えば、スクリーンバッファ)に転送し、該特定のバッファに記憶されているデータ(例えば、PJ対応画像データ)を映像信号に変換して、該映像信号を出力し、
前記特定のバッファのサイズが前記画像のサイズと同じであり、前記所定のバッファのサイズが前記特定のバッファのサイズより大きい
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第4−1の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部を用いた前記画像の表示動作を制御する制御部(例えば、副制御基板72)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の画像データ(例えば、リソース画像データを含む2倍画角データ)、及び、前記表示部に前記画像を表示するための情報(例えば、仮想オブジェクトデータ又はテクスチャデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を有し、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の画像データの中から所定の画像データを選択し、且つ、前記表示部に前記画像を表示するための情報を選択し、
前記画像処理部は、
前記表示部に前記画像を表示するための情報に基づいて前記所定の画像データに対して所定の処理が施された画像データから、特定の変換パラメータ(例えば、プロジェクション行列Pe)を用いて、前記表示部により表示される前記画像のデータを抽出し、該抽出された前記画像のデータを映像信号に変換して、該映像信号を出力し、
前記特定の変換パラメータは、視野角が所定の角度に設定された、前記所定の処理が施された画像データに対して射影変換処理を行うための所定の射影変換パラメータ(例えば、プロジェクション行列P′)と、所定のオフセットパラメータ(例えば、オフセット行列O)とに基づいて生成されたパラメータである
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第4−2の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の画像データ(例えば、リソース画像データを含む2倍画角データ)、及び、前記表示部に前記画像を表示するための情報(例えば、仮想オブジェクトデータ又はテクスチャデータ)が記憶された記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、を備え、
前記制御処理部は、前記記憶部に記憶された前記複数の画像データの中から所定の画像データを選択し、且つ、前記表示部に前記画像を表示するための情報を選択し、
前記画像処理部は、
前記表示部に前記画像を表示するための情報に基づいて前記所定の画像データに対して所定の処理が施された画像データから、特定の変換パラメータ(例えば、プロジェクション行列Pe)を用いて、前記表示部により表示される前記画像のデータに変換し、
前記特定の変換パラメータは、視野角が所定の角度に設定された、前記所定の処理が施された画像データに対して射影変換処理を行うための所定の射影変換パラメータ(例えば、プロジェクション行列P′)と、所定のオフセットパラメータ(例えば、オフセット行列O)とに基づいて生成されたパラメータである
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第4−3の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の画像データ(例えば、リソース画像データを含む2倍画角データ)、及び、前記表示部に前記画像を表示するための情報(例えば、仮想オブジェクトデータ又はテクスチャデータ)が記憶された記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、を備え、
前記制御処理部は、前記記憶部に記憶された前記複数の画像データの中から所定の画像データを選択し、且つ、前記表示部に前記画像を表示するための情報を選択し、
前記画像処理部は、
前記表示部に前記画像を表示するための情報に基づいて前記所定の画像データに対して所定の処理が施された画像データから、特定の変換パラメータ(例えば、プロジェクション行列Pe)を用いて、前記表示部により表示される前記画像のデータを抽出し、
前記特定の変換パラメータは、視野角が所定の角度に設定された、前記所定の処理が施された画像データに対して射影変換処理を行うための所定の射影変換パラメータ(例えば、プロジェクション行列P′)と、所定のオフセットパラメータ(例えば、オフセット行列O)とに基づいて生成されたパラメータであり、
前記所定の処理が施された画像データのサイズが、前記特定の変換パラメータを用いて抽出された画像データのサイズより大きい
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第1〜第4の遊技機によれば、CG作成に係るコストの増大を抑制しつつ、3次元CG技術を駆使した高画質で多彩な演出を実行することができる。
[第5及び第6の遊技機]
従来、CGROM(Character Generator ROM)に動画像データを読み込んで展開し、3次元動画像を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する機能を備えた遊技機が提案されている(例えば、特開平7―155438号公報参照)。
ところで、近年、液晶ディスプレイ等の表示装置が搭載された遊技機では、3次元CG(Computer Graphics)技術を駆使した高画質で多彩な演出が主流となっている。そして、その多彩な演出を行うためのCGデータを予め作成し、該作成したCGデータをCGROMに記憶しているため、CG作成に係るコストが、年々、増大している。また、従来、この技術分野では、プロジェクトマッピング(テクスチャマッピング)法と呼ばれる手法により、プロジェクタを用いて画像を立体物(立体スクリーン)等のオブジェクトに投射する技術が提案されているが、この場合、オブジェクトに対する投影画像のズレを無くすための調整が最大の懸念材料となっている。
本発明は、上記第2の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第2の目的は、CG作成に係るコストの増大を抑制するとともに、プロジェクタを用いて画像を立体物(立体スクリーン)等のオブジェクトに投射する場合に、オブジェクトに対する投影画像のズレを最小限に抑制することが可能な遊技機を提供することである。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第5−1の遊技機を提供する。
固定された第1の表示部(例えば、台形部材302)及び可動可能な第2の表示部(例えば、擬似リール部材303)を含み、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の少なくとも一方が画像の表示対象となり得る表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部を用いた前記画像の表示動作を制御する制御部(例えば、副制御基板72)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記画像の表示対象となる前記表示部の形態に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記第2の表示部を可動制御する可動制御手段(例えば、被投影部材移動機構305)と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を有し、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記所定の原画像データの表示対象となる前記表示部の形態に対応する所定の仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された前記所定の仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記所定の仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記所定の仮想オブジェクトのデータに基づいて生成して、当該第1の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第1のバッファ(例えば、仮想バッファ)に記憶し、
前記仮想空間上において、前記所定の仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第2のバッファ(例えば、フレームバッファ)に記憶し、
前記表示部に表示される前記画像のデータを、前記第2の視点画像のデータが記憶された前記第2のバッファから前記揮発性記憶部の第3のバッファ(例えば、スクリーンバッファ)に転送し、該第3のバッファに記憶されているデータ(例えば、PJ対応画像データ)を映像信号に変換して、該映像信号を出力し、
前記可動制御手段により前記第2の表示部が可動制御される場合には、前記所定の仮想オブジェクトのデータとして、前記第2の表示部の動作状況に応じた前記表示部の形態に対応する前記仮想オブジェクトのデータを用いる
ことを特徴とする遊技機。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第5−2の遊技機を提供する。
固定された第1の表示部(例えば、台形部材302)及び可動可能な第2の表示部(例えば、擬似リール部材303)を含み、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の少なくとも一方が画像の表示対象となり得る表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記画像の表示対象となる前記表示部の形態に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記第2の表示部を可動制御する可動制御手段(例えば、被投影部材移動機構305)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を備え、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記所定の原画像データの表示対象となる前記表示部の形態に対応する所定の仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された前記所定の仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記所定の仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記所定の仮想オブジェクトのデータに基づいて生成して、当該第1の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第1のバッファ(例えば、仮想バッファ)に記憶し、
前記仮想空間上において、前記所定の仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第2のバッファ(例えば、フレームバッファ)に記憶し、
前記表示部に表示される前記画像のデータを、前記第2の視点画像のデータが記憶された前記第2のバッファから前記揮発性記憶部の第3のバッファ(例えば、スクリーンバッファ)に転送し、該第3のバッファに記憶されているデータ(例えば、PJ対応画像データ)を映像信号に変換して、該映像信号を出力し、
前記可動制御手段により前記第2の表示部が可動制御される場合には、前記所定の仮想オブジェクトのデータとして、前記第2の表示部の動作状況に応じた前記表示部の形態に対応する前記仮想オブジェクトのデータを用い、
前記第3のバッファのサイズが前記画像のサイズと同じであり、前記第2のバッファのサイズが前記第3のバッファのサイズより大きい
ことを特徴とする遊技機。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第5−3の遊技機を提供する。
固定された第1の表示部(例えば、台形部材302)及び可動可能な第2の表示部(例えば、擬似リール部材303)を含み、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の少なくとも一方が画像の表示対象となり得る表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に前記画像に対応する映像光を投影する投影部(例えば、プロジェクタ213を含む投影ブロック201)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記画像の表示対象となる前記表示部の形態に対応した仮想オブジェクトのデータ(例えば、仮想オブジェクトデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記第2の表示部を可動制御する可動制御手段(例えば、被投影部材移動機構305)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を備え、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記所定の原画像データの表示対象となる前記表示部の形態に対応する所定の仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された前記所定の仮想オブジェクトに第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に前記所定の仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び前記所定の仮想オブジェクトのデータに基づいて生成して、当該第1の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第1のバッファ(例えば、仮想バッファ)に記憶し、
前記仮想空間上において、前記所定の仮想オブジェクト上に投影された前記第1の視点画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部の第2のバッファ(例えば、フレームバッファ)に記憶し、
前記表示部に表示される前記画像のデータを、前記第2の視点画像のデータが記憶された前記第2のバッファから前記揮発性記憶部の第3のバッファ(例えば、スクリーンバッファ)に転送し、該第3のバッファに記憶されているデータ(例えば、PJ対応画像データ)を映像信号に変換して、該映像信号を出力し、
前記可動制御手段により前記第2の表示部が可動制御される場合には、前記所定の仮想オブジェクトのデータとして、前記第2の表示部の動作状況に応じた前記表示部の形態に対応する前記仮想オブジェクトのデータを用い、
前記第1の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する遊技者の目線方向であり、前記第2の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する前記映像光の入射方向である
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第6−1の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部を用いた前記画像の表示動作を制御する制御部(例えば、副制御基板72)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部により構成される表示形態に対応した第1の仮想オブジェクトのデータ(例えば、合成仮想オブジェクトのデータ)が記憶された不揮発性記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、
前記画像処理部による前記処理の実行時に使用される揮発性記憶部(例えば、VRAM154)と、を有し、
前記制御処理部は、前記不揮発性記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記所定の原画像データの表示対象となる前記表示部の表示形態に対応する前記第1の仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記揮発性記憶部を使用して、前記第1の仮想オブジェクトを、前記表示形態に対応する複数の第2の仮想オブジェクト(例えば、各被投影部材の仮想オブジェクト)に分解し、
前記揮発性記憶部を使用して、仮想空間上に配置された各第2の仮想オブジェクトに対して、第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から、前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に各第2の仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、各被投影部材の仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び各第2の仮想オブジェクトのデータに基づいて生成し、
各第2の仮想オブジェクトに対して生成された前記第1の視点画像を合成して、前記第1の仮想オブジェクト上に仮想的に投影された合成画像のデータ(例えば、合成された仮想投影画像データ)を生成し、
前記仮想空間上において、前記第1の仮想オブジェクト上に投影された前記合成画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成して、当該第2の視点画像のデータを前記揮発性記憶部に記憶し、
前記揮発性記憶部に記憶された前記第2の視点画像のデータを映像信号に変換して、該映像信号を出力する
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第6−2の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部により構成される表示形態に対応した第1の仮想オブジェクトのデータ(例えば、合成仮想オブジェクトのデータ)が記憶された記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、を備え、
前記制御処理部は、前記記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記所定の原画像データの表示対象となる前記表示部の表示形態に対応する前記第1の仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記第1の仮想オブジェクトを、前記表示形態に対応する複数の第2の仮想オブジェクト(例えば、各被投影部材の仮想オブジェクト)に分解し、
仮想空間上に配置された各第2の仮想オブジェクトに対して、所定の方向(例えば、遊技者の目線方向)から、前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に各第2の仮想オブジェクト上に投影される所定の視点画像のデータ(例えば、各被投影部材の仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び各第2の仮想オブジェクトのデータに基づいて生成し、
各第2の仮想オブジェクトに対して生成された前記所定の視点画像を合成して、前記第1の仮想オブジェクト上に仮想的に投影された合成画像のデータ(例えば、合成された仮想投影画像データ)を生成する
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第6−3の遊技機を提供する。
画像が表示される表示部(例えば、各種被投影部材)と、
前記表示部に前記画像に対応する映像光を投影する投影部(例えば、プロジェクタ213を含む投影ブロック201)と、
前記表示部に表示する前記画像を生成するための複数の原画像データ(例えば、リソース画像データ)、及び、前記表示部により構成される表示形態に対応した第1の仮想オブジェクトのデータ(例えば、合成仮想オブジェクトのデータ)が記憶された記憶部(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、
前記表示部に表示する前記画像の生成処理を制御する制御処理部(例えば、サブCPU151)と、
前記制御処理部による制御に応じて前記画像の出力に関する処理を行う画像処理部(例えば、GPU153)と、を備え、
前記制御処理部は、前記記憶部に記憶された前記複数の原画像データの中から所定の原画像データを選択し、且つ、前記所定の原画像データの表示対象となる前記表示部の表示形態に対応する前記第1の仮想オブジェクトのデータを選択し、
前記画像処理部は、
前記第1の仮想オブジェクトを、前記表示形態に対応する複数の第2の仮想オブジェクト(例えば、各被投影部材の仮想オブジェクト)に分解し、
仮想空間上に配置された各第2の仮想オブジェクトに対して、第1の方向(例えば、遊技者の目線方向)から、前記所定の原画像データに対応する映像を仮想的に投射した場合に各第2の仮想オブジェクト上に投影される第1の視点画像のデータ(例えば、各被投影部材の仮想投影画像データ)を、前記所定の原画像データ及び各第2の仮想オブジェクトのデータに基づいて生成し、
各第2の仮想オブジェクトに対して生成された前記第1の視点画像を合成して、前記第1の仮想オブジェクト上に仮想的に投影された合成画像のデータ(例えば、合成された仮想投影画像データ)を生成し、
前記仮想空間上において、前記第1の仮想オブジェクト上に投影された前記合成画像を第2の方向(例えば、実際の映像光の入射方向)から仮想的に撮影した場合に取得される第2の視点画像のデータ(例えば、仮想撮影画像データ)を生成し、
前記第1の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する遊技者の目線方向であり、前記第2の方向が、前記表示部の前記画像の表示面に対する前記映像光の入射方向である
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第5及び第6の遊技機によれば、CG作成に係るコストの増大を抑制するとともに、プロジェクタを用いて画像を立体物(立体スクリーン)等のオブジェクトに投射する場合に、オブジェクトに対する投影画像のズレを最小限に抑制することができる。
[第7の遊技機]
従来、上述した構成の遊技機において、第1のチャンネルから出力されているBGMをフェードアウトさせるとともに第2のチャンネルから1ゲーム演出の効果音を出力し、1ゲーム演出の効果音の出力後に第1のチャンネルから出力されるBGMをフェードインさせることでBGMを継続出力させる遊技機が提案されている(例えば特開2014−209939号公報参照)。
ところで、近年、遊技機では、音声の演出内容が多様化し、サウンドデータの作成(制作)においても効率化が求められている。例えば、2つ以上のシーンが切り替わりながら一連の演出を形成する場合、切り替わるタイミングが不定となると、切り替わるタイミングのバリエーションに応じて多くのサウンドデータを作成する必要がある。多くのサウンドデータが必要となると、その分だけ多くの実装の記憶領域が必要となるという問題もある(第3の課題)。
本発明は、上記第3の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第3の目的は、音声の演出内容の多様化に対応でき、かつ、サウンドデータの作成の効率化を図ることができる遊技機を提供することである。
上記第3の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第7−1〜第7−8の遊技機を提供する。
[第7−1の遊技機]
音に関する制御を実行可能な音制御手段(例えば第1サウンド演出処理部1500、1500B、1500C)と、音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ64L、64R)とを備える遊技機(1)であって、
前記音制御手段(例えば第1サウンド演出処理部1500、1500B、1500C)は、
所定条件(例えばコマンド番号“541”、“542”、“641”、及び“642”が登録かつスタートスイッチオン)が成立すると、前記音出力手段(例えばスピーカ64L、64R)を介して、第1チャンネル(例えばCH5)に対応付けられた第1の音(例えば電話ボイスのサウンドデータ)を第1の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)で再生開始し、かつ、第2チャンネル(例えばCH6)に対応付けられた第2の音(例えば通常ボイスのサウンドデータ)を、前記第1の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)よりも小さい第2の音量(例えばボリューム“0”のミュート音量)でかつ前記第1の音の再生開始タイミングに対して略同時に又は一定時間(例えば図58の一定時間T7)だけ遅れた再生開始タイミングで再生開始する処理(例えば図32のステップS322:第1音声再生処理)と、
切替条件(例えば“第3停止操作”)が成立すると、前記第1の音(例えば電話ボイスのサウンドデータ)の音量を前記第1の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)から第3の音量(例えばボリューム“0”のミュート音量)に減少させ又は前記第1の音(例えば電話ボイスのサウンドデータ)の再生を停止し、かつ、前記第2の音(例えば通常ボイスのサウンドデータ)の音量を前記第2の音量(例えばボリューム“0”のミュート音量)から第4の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)に増加させる処理(例えば図32のステップS326:第2音声再生処理)とを、
実行可能であり、
前記音出力手段(例えばスピーカ64L、64R)を介して前記第1の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)で出力された前記第1の音(例えば電話ボイスのサウンドデータ)と、前記音出力手段(例えばスピーカ64L、64R)を介して前記第4の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)で出力された前記第2の音(例えば通常ボイスのサウンドデータ)とは、一連の音演出(例えば台詞音“聞こえていますか?私の声が”)を形成する、遊技機(1)。
上記の第7−1の遊技機によれば、所定条件が成立すると、第1の音が第1の音量で出力され、かつ、第2の音が第2の音量で出力される。このとき、第2の音量は第1の音量よりも小さいので、遊技者には第1の音の方が聞こえやすくなる。また、切替条件が成立すると、第1の音が第3の音量で出力され、かつ、第2の音が第4の音量で出力される。このとき、第3の音量は第4の音量よりも小さいので、遊技者には第2の音の方が聞こえやすくなる。このようにして、切替条件が成立すると、音量を変更するだけで、第1の音が聞こえやすい状態から、第2の音が聞こえやすい状態に変化させることができる。この結果、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて、音量を変更するタイミングを変化させるだけで、多様な演出内容を実現することが可能となる。
[第7−2の遊技機]
前記第1の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)及び前記第4の音量(例えばボリューム“255”の通常音量)は、遊技者が可聴な音量であり、
前記第2の音量(例えばボリューム“0”のミュート音量)及び前記第3の音量(例えばボリューム“0”のミュート音量)は、遊技者が聴くことが困難又は不能な音量である、第7−1の遊技機(1)。
上記の第7−2の遊技機によれば、所定条件が成立すると、第1の音が、遊技者が可聴な音量(第1の音量)で出力され、かつ、第2の音が、遊技者が聴くことが困難又は不能な音量(第2の音量)で出力される。このとき、遊技者には第1の音だけが聞こえやすくなる。また、切替条件が成立すると、第1の音が、遊技者が聴くことが困難又は不能な音量(第3の音量)で出力され、かつ、第2の音が、遊技者が可聴な音量(第4の音量)で出力される。このとき、遊技者には第2の音だけが聞こえやすくなる。このようにして、切替条件が成立すると、音量を変更するだけで、第1の音だけが聞こえやすい状態から、第2の音だけが聞こえやすい状態に変化させることができる。この結果、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて、音量を変更するタイミングを変化させるだけで、多様な演出内容を実現することが可能となる。
[第7−3の遊技機]
前記切替条件(例えば“第3停止操作”)は、前記所定条件(例えばコマンド番号“541”、“542”、“641”、及び“642”が登録かつスタートスイッチオン)が成立してから前記切替条件(例えば“第3停止操作”)が成立するまでの時間(ΔT1)が不定となる態様で、成立可能である、第7−1の遊技機(1)。
上記の第7−3の遊技機によれば、切替条件が不定なタイミングで成立可能である場合でも、考えられるタイミングごとに第1の音及び第2の音に係るサウンドデータを用意する必要がなく、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて効率的に対応できる。
[第7−4の遊技機]
遊技者が操作可能な操作手段(例えばメダル投入口14、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、スタートレバー16、3つのストップボタン17L,17C,17R、精算ボタン、演出ボタン)を備え、
前記切替条件(例えば“第3停止操作”)は、前記操作手段(例えばメダル投入口14、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、スタートレバー16、3つのストップボタン17L,17C,17R、精算ボタン、演出ボタン)を遊技者が操作したことに基づいて成立する、第7−3の遊技機(1)。
上記の第7−4の遊技機によれば、切替条件が、遊技者による操作に起因して不定なタイミングで成立可能である場合でも、考えられるタイミングごとに第1の音及び第2の音に係るサウンドデータを用意する必要がなく、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて効率的に対応できる。
[第7−5の遊技機]
前記操作手段は、回転するリールに対する第1停止操作に対応付けられた操作ボタン(例えばストップボタン17L,17C,17Rのうちの1つ)、回転するリールに対する第2停止操作に対応付けられた操作ボタン(例えばストップボタン17L,17C,17Rのうちの1つ)、及び回転するリールに対する第3停止操作に対応付けられた操作ボタン(例えばストップボタン17L,17C,17Rのうちの1つ)のうちのいずれか1つである、第7−4の遊技機(1)。
上記の第7−5の遊技機によれば、切替条件が、遊技者による第1停止操作や第2停止操作等に起因して不定なタイミングで成立可能である場合でも、考えられるタイミングごとに第1の音及び第2の音に係るサウンドデータを用意する必要がなく、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて効率的に対応できる。
[第7−6の遊技機]
画像に関する制御を実行可能な画像制御手段(例えば第1画像演出処理部1504)と、
画像を出力可能な画像出力手段(例えば表示装置11)とを更に備え、
前記画像制御手段(例えば第1画像演出処理部1504)は、
前記所定条件(例えばコマンド番号“541”、“542”、“641”、及び“642”が登録かつスタートスイッチオン)が成立すると、前記画像出力手段(例えば表示装置11)を介して第1の画像(例えば電話ボイスに係るシーンの映像)を出力する処理(例えば図34のステップS342の処理)と、
前記切替条件(例えば“第3停止操作”)が成立すると、前記画像出力手段(例えば表示装置11)を介して第2の画像(例えば通常ボイスに係るシーンの映像)を出力する処理(例えば図34のステップS346の処理)とを
実行可能であり、
前記画像出力手段(例えば表示装置11)を介して出力された前記第1の画像(例えば電話ボイスに係るシーンの映像)と前記第2の画像(例えば通常ボイスに係るシーンの映像)とは、一連の画像演出(例えば台詞“聞こえていますか?私の声が”を電話で聞く側と話す側の各シーンの画像の切り替わり)を形成する、第7−1〜第7−5のいずれかの遊技機(1)。
上記の第7−6の遊技機によれば、所定条件が成立すると、遊技者には第1の音だけが聞こえやすくなる状態が形成されるとともに、第1の画像が出力される。また、切替条件が成立すると、遊技者には第2の音だけが聞こえやすくなる状態が形成されるとともに、第2の画像が出力される。このようにして、切替条件が成立すると、第1の音だけが聞こえやすい状態及び第1の画像が出力される状態から、第2の音だけが聞こえやすい状態及び第2の画像が出力される状態に変化させることができる。この結果、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータと、2種類の画像とを用いて、音量を変更するタイミングを変化させかつ画像の切替タイミングを変化させるだけで、多様な演出内容を実現することが可能となる。
[第7−7の遊技機]
前記音演出は、第1のキャラクタ(例えばキャラクタC1)の音声に関し、
前記画像演出は、前記第1のキャラクタ(例えばキャラクタC1)の発話シーンに関する、第7−6の遊技機(1)。
上記の第7−7の遊技機によれば、第1のキャラクタの音声に関する第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて、音量を変更するタイミングを変化させるだけで、第1のキャラクタの発話シーンに関して多様な演出内容を実現することが可能となる。例えば、同じ第1のキャラクタの音声であっても、シーンによっては聞こえ方を変える方が、遊技者にとって違和感のない演出となる場合がある。この点、上記の第7−7の遊技機によれば、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて、シーンを切り替えながら違和感のない演出内容を効率的に実現することが可能となる。
[第7−8の遊技機]
前記第1画像(例えば電話ボイスに係るシーンの映像)は、前記第1のキャラクタ(例えばキャラクタC1)が電話で話しているシーンに関し、
前記第2画像(例えば通常ボイスに係るシーンの映像)は、第2のキャラクタ(例えばキャラクタC2)が電話越しに前記第1のキャラクタ(例えばキャラクタC1)の声を聴いているシーンに関する、第7−7の遊技機(1)。
上記の第7−8の遊技機によれば、第1のキャラクタが電話で話しているシーンと、第2のキャラクタが電話越しに第1のキャラクタの声を聴いているシーンとを切り替える切替タイミングが不定となる場合であっても、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて、音量を変更するタイミングを切替タイミングに合わせて変化させるだけで、かかるシーンの切替を伴う演出内容を実現することが可能となる。例えば、第1のキャラクタが電話で話しているシーンと、第2のキャラクタが電話越しに第1のキャラクタの声を聴いているシーンとでは、同じ第1のキャラクタの音声であっても、聞こえ方を変える方が、遊技者にとって違和感のない演出となる。この点、上記の第7−8の遊技機によれば、第1の音及び第2の音に係る2種類のサウンドデータを用いて、シーンを切り替えながら違和感のない演出内容を実現することが可能となる。
[第8の遊技機]
従来、上述した構成の遊技機において、当籤役が特別の入賞態様を示す当籤役である場合、1つの識別情報列の変動表示が行われているときに遊技者の停止操作が検知されたタイミングで第1の効果音を出力し、その後に遊技者の停止操作が検知されなくなったタイミングで第2の効果音を出力する遊技機が提案されている(例えば特開2007−289490号公報参照)。かかる構成の遊技機は、遊技者の遊技テンポを遅くさせることで射幸性を抑制しようとするものである。
しかしながら、上記のような遊技機では、遊技者が期待する効果音が出音されないことがあり、遊技の興趣が低下するおそれがあった。例えば、特定演出音を、ある条件を満たす場合にのみ出力可能とすると、遊技者が当該条件を満たすように遊技テンポを遅らせる可能性があるが、遊技テンポを遅らせたくない特定の遊技者にとっては、期待する特定演出音を聞くことなく遊技を続けることになり、遊技の興趣が低下するおそれがある(第4の課題)。
本発明は、上記第4の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第4の目的は、遊技者の遊技テンポを遅くさせることで射幸性を抑制しつつ、遊技テンポを遅らせたくない特定の遊技者にも特定演出音を出力可能とする遊技機を提供することである。
上記第4の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第8−1〜第8−6の遊技機を提供する。
[第8−1の遊技機]
音に関する制御を実行可能な音制御手段(例えば第2サウンド演出処理部1502、1502A)と、音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ64L、64R)とを備える遊技機(1)であって、
前記音制御手段(例えば第2サウンド演出処理部1502、1502A)は、
第1条件(例えばスタートスイッチオン)の成立からの所定時間(ΔT:例えば3秒)の経過に基づいて特定演出音(例えば必殺技の台詞音)を出力する第1処理(例えば通常出力処理)と、
前記第1条件(例えばスタートスイッチオン)の成立から前記所定時間(ΔT:例えば3秒)の経過前の第2条件(例えば第3停止操作)の成立に基づいて、前記特定演出音を出力する第2処理(例えば後出力処理:図37のステップS376で“YES”となってステップS378に至った場合のステップS378の処理)とを、選択的に実行可能である、
遊技機(1)。
上記の第8−1の遊技機によれば、第1条件の成立からの所定時間の経過に基づいて特定演出音が出力される。これにより、所定時間を比較的長く設定することで、特定演出音を聞きたい遊技者に対して遊技テンポを遅らせることを誘発させることができる。これにより、射幸性を抑制できる。他方、第1条件の成立から所定時間の経過前の第2条件の成立に基づいて特定演出音が出力される。遊技テンポを遅らせたくない特定の遊技者は、遊技テンポが速いが故に、第1条件の成立からの所定時間の経過前に第2条件を成立させる可能性が高い。この場合も、特定演出音が出力される。したがって、遊技テンポを遅らせたくない特定の遊技者にも特定演出音が出力可能となる。なお、第1条件の成立から所定時間の経過前の第2条件の成立に基づいて特定演出音が出力される場合は、第1処理が選択(実行)されることはなく、特定演出音が重複して出力されることが防止される。このようにして、上記の第8−1の遊技機によれば、遊技者の遊技テンポを遅くさせることで射幸性を抑制しつつ、遊技テンポを遅らせたくない特定の遊技者にも特定演出音を出力可能とすることができる。
[第8−2の遊技機]
当該遊技機(1)は、所定の判定(例えば乱数値による抽籤)に基づいて遊技者に特典(例えばボーナスの作動)を付与可能であり、
前記特定演出音は、前記特典が付与される期待度を示唆可能である、第8−1の遊技機(1)。
上記の第8−2の遊技機によれば、特典が付与される期待度を示唆可能である特定演出音は、遊技者にとって聞きたい演出音の1つとなる可能性が高い。したがって、特定演出音を聞きたい遊技者に対して遊技テンポを遅らせることを、より高い確率で誘発させることができる。また、遊技テンポを遅らせたくない特定の遊技者にも、かかる特定演出音が出力可能となる。
[第8−3の遊技機]
前記特定演出音は、前記期待度に応じて異なる種類(例えばコマンド番号“550”、“551”及び“552”の3種類)が出力可能である、第8−2の遊技機(1)。
上記の第8−3の遊技機によれば、期待度に応じて異なる種類の特定演出音が出力可能であるので、特定演出音の種類は、遊技者にとって判別したい要素の1つとなる可能性が高い。したがって、特定演出音を聞きたい遊技者に対して遊技テンポを遅らせることを、より高い確率で誘発させることができる。また、遊技テンポを遅らせたくない特定の遊技者にも、かかる特定演出音の種類が判別できるように特定演出音が出力可能となる。
[第8−4の遊技機]
前記第2条件(例えば第3停止操作)は、前記第1条件(例えばスタートスイッチオン)が成立してから前記第2条件(例えば第3停止操作)が成立するまでの時間が不定となる態様で、成立可能である、第8−1の遊技機(1)。
上記の第8−4の遊技機によれば、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの時間が不定であると、第1条件の成立から所定時間の経過前に第2条件が成立する場合や、第1条件の成立から所定時間の経過後に第2条件が成立する場合が生じうる。第1条件の成立から所定時間の経過後に第2条件が成立する場合は、第2条件が成立する前に第1処理により特定演出音が出力される。他方、第1条件の成立から所定時間の経過前に第2条件が成立する場合は、第1処理による特定演出音の出力に代えて(第1処理が禁止され)、第2処理による特定演出音の出力が実現される。これにより、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの時間が不定である場合でも、第1処理又は第2処理により特定演出音の出力が可能である。
[第8−5の遊技機]
前記第2条件は、遊技者が行う所定動作(例えば第3停止操作や、メダル投入口(14)へのメダル投入等)の検出に基づいて成立する、第8−1〜第8−4の遊技機(1)。
上記の第8−5の遊技機によれば、第2条件は、遊技者が行う所定動作の検出に基づいて成立するので、遊技者は、第1条件の成立から所定時間の経過前に第2条件が成立しないように、所定動作を行うタイミングを調整できる。これにより、第1処理による特定演出音の出力を聞きたい遊技者に対して、所定動作を行うタイミングを遅らせる(その結果、遊技テンポを遅らせる)ことを誘発させることができる。
[第8−6の遊技機]
前記所定動作は、スタートレバー(16)の操作、回転するリールに対する第1停止操作に対応付けられた操作ボタン(例えばストップボタン17L,17C,17Rのうちの1つ)の操作、回転するリールに対する第2停止操作に対応付けられた操作ボタン(例えばストップボタン17L,17C,17Rのうちの1つ)の操作、回転するリールに対する第3停止操作に対応付けられた操作ボタン(例えばストップボタン17L,17C,17Rのうちの1つ)の操作、MAXベットボタン(15a)の操作、1ベットボタン(15b)の操作、及びメダル投入口(14)へのメダル投入のうちのいずれか1つである、第8−5の遊技機(1)。
上記の第8−6の遊技機によれば、遊技者が行う所定動作が遊技テンポに関連するので、遊技テンポを遅らせることを容易に誘発させることができる。