JP2019211561A - 偏光変換素子、照明装置及びプロジェクター - Google Patents

偏光変換素子、照明装置及びプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】小型化を実現可能とする偏光変換素子を提供する。【解決手段】偏光変換素子には、青色光LB(r)が進行する方向と交差する方向に、第1の入射領域33eと、第2の入射領域34eとが交互に設けられる。偏光変換素子は、第1の入射領域と第2の入射領域とにそれぞれ対向して設けられ、P偏光の青色光LB(P)を透過させ、S偏光の青色光LB(S)を反射させる偏光分離層と、偏光分離層に対向して第1の入射領域または第2の入射領域とは反対側に設けられる位相差層と、を備える。偏光変換素子では、第1の入射領域に入射された青色光と第2の入射領域に入射された青色光LB(r)は、それぞれS偏光とP偏光の青色光LBとして射出される。【選択図】図6

Description

本発明は、偏光変換素子、照明装置及びプロジェクターに関する。
一般に、高輝度な光源から射出された光を偏光分離膜や反射膜などによって複数の色(波長)かつ所定の偏光方向の光に分離し、それぞれの光を透過型液晶パネルに照射するプロジェクターが知られている。例えば、特許文献1には、前述のように光源からの光を複数の色かつ所定の偏光方向の光に分離するための光学素子として、光入射面と、この光入射面とほぼ平行な光出射面(射出面)と、光入射面及び光出射面と所定の角度をなすように形成された偏光分離膜と、偏光分離膜とほぼ平行に形成された反射膜とを有する複数の偏光分離手段がマトリクス状に配列された光学素子が開示されている。
特開平10−039136号公報
しかし、上述の特許文献1に記載の光学素子では、光入射面のうち約半分の領域に入射光が照射され、残りの約半分の領域は遮光部分として実質的に光入射面として利用されていなかった。そのため、光学素子の大きさは、光入射面に照射される光の照射領域の約2倍必要になり、光学素子、及び光学素子を組み込んだプロジェクターを小型化することが困難であるという問題があった。
小型化を図るために、光学素子の入射側の面全体を利用可能とする方法として、光学素子の入射側の面全体に照射する光の色を時分割で切り替え、1つの透過型液晶パネルに時分割で異なる色の光を照射する方法がある。ところが、従来のように入射光の色を時分割で切り替える方法では、より多くの色の光源が必要になるうえに、光源の切り替え機構や色分離用の光学系を追加しなければならない。その結果、プロジェクターの小型化が困難になる虞があった。
本発明は、上述の事情を勘案したものであって、小型化を実現可能とする偏光変換素子及び偏光変換素子を備えた照明装置及びプロジェクターを提供する。
本発明の第1態様に従えば、入射光が進行する方向と交差する方向に、第1の入射領域と、前記第1の入射領域とは異なる第2の入射領域とが交互に設けられ、前記第1の入射領域と前記第2の入射領域とにそれぞれ対向して設けられ、第1の偏光方向を有する前記入射光を透過させ、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向を有する前記入射光を反射させる偏光分離層と、前記偏光分離層に対向して前記第1の入射領域または前記第2の入射領域とは反対側に設けられる位相差層と、を備え、前記第1の入射領域に入射された入射光と前記第2の入射領域に入射された入射光は、それぞれ互いに異なる偏光方向の射出光として射出されることを特徴とする偏光変換素子が提供される。
上述の第1態様に係る偏光変換素子によれば、第1の入射領域と第2の入射領域の両方の領域に入射光が照射可能になり、光源から射出された光の入射領域の略全体が有効に利用される。したがって、従来に比べて偏光変換素子の小型化が図られる。また、入射光が偏光方向ごとに分離され、偏光変換素子の射出面から異なる偏光方向の光が射出される。
第1態様に係る偏光変換素子において、前記第1の入射領域には、第1の波長を有する入射光が入射され、前記第2の入射領域には、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する入射光が入射されてもよい。
上述の第1態様に係る偏光変換素子によれば、第1の入射領域と、第2の入射領域のそれぞれの領域に、互いに異なる波長の光が入射されることにより、互いに異なる波長の光が互いに異なる偏光方向の光で射出される。
また、本発明の第1態様に従えば、上述の偏光変換素子と、前記第1の波長を有する入射光を射出する第1の光源と、前記第2の波長を有する入射光を射出する第2の光源とを備えることを特徴とする照明装置が提供される。
上述の第1態様に係る照明装置によれば、第1の光源及び第2の光源から射出された第1の波長を有する入射光及び第2の波長を有する入射光が偏光変換素子の入射領域の略全体(すなわち、第1の入射領域及び第2の入射領域)にわたって入射される。また、偏光変換素子からは互いに異なる波長の光が互いに異なる偏光方向の光で射出され、これらの光を含む照明光が生成される。上述の偏光変換素子を備えるので、照明装置の小型化が容易に図られる。
また、本発明の第1態様に従えば、上述の照明装置と、前記第1および第2の光源からの光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、前記画像光を投写する投写光学系と、を備えることを特徴とするプロジェクターが提供される。
上述の第1態様に係るプロジェクターによれば、第1の光源及び第2の光源から射出された入射光が上述の偏光変換素子によって第1の偏光方向の光と第2の偏光方向の光に分離され、光変調装置によって2つ以上の光変調装置に振り分けられる。また、振り分けられた各偏光方向の光に応じて画像光が形成され、投影される。また、偏光変換素子の入射側に、入射光の偏光量を調整する変調量調整素子を設けることで、複数の光変調装置のそれぞれに振り分ける光量が調節可能になる。そのため、光源の数が抑えられ、光学系の構成がより簡易になる。したがって、プロジェクターの小型化が図られる。
第1態様に係るプロジェクターにおいて、前記第1の波長を有し、かつ前記第2の入射領域に入射される入射光を射出する第3の光源を有してもよい。
上述の第1態様に係るプロジェクターによれば、第1の光源及び第3の光源がそれぞれ点灯制御されることで、偏光変換素子に入射する光の量が調整される。
第1態様に係るプロジェクターにおいて、前記第1の光源または前記第3の光源の配置を調整する第1の位置調整装置を備えてもよい。
上述の第1態様に係るプロジェクターによれば、第1の光源または第3の光源の位置が第1の位置調整装置により調整されることにより、2つの入射領域を通過する光線の割合が容易に調整可能になる。このことによって、光変調装置の照明光量が適宜調整され、プロジェクターの高効率化につながる。
第1態様に係るプロジェクターにおいて、第1の光源および前記第2の光源から射出された光を合成するとともに、前記偏光変換素子に入射させる光合成部を有し、前記光合成部の位置を調整する第2の位置調整装置を備えてもよい。
上述の第1態様に係るプロジェクターによれば、第2の光源の位置が調整されることにより、2つの入射領域を通過する光線の割合が容易に調整され、光変調装置の照明光量が調整可能になり、プロジェクターの高効率化につながる。
第1態様に係るプロジェクターにおいて、前記第1の光源または前記第2の光源と前記偏光変換素子との間の光路を前記入射光の光軸に対して傾ける角度調整装置を備えてもよい。
上述の第1態様に係るプロジェクターによれば、入射光の偏光変換素子への入射角度が調整されることによって、第1の入射領域及び第2の入射領域を通過する光線の割合が調整されるので、光変調装置の照明光量が容易に調整可能になり、プロジェクターの高効率化につながる。
上述の第1態様に係るプロジェクターにおいて、前記角度調整装置を前記光変調装置の駆動と連動して駆動させてもよい。
上述の第1態様に係るプロジェクターによれば、角度調整装置による偏光変換素子への入射光の入射角度移動及び第1の入射領域及び第2の入射領域を通過する光線の割合が光変調装置の駆動と連動することで、場面ごとのパネル調光が可能となり、さらに効率化・高出力化が可能になる。
第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す概略図である。 図1に示すプロジェクターの照明装置の概略図である。 図2に示す照明装置の偏光変換素子を入射側から見たときの斜視図である。 図3に示す偏光変換素子の上面図である。 第1実施形態において、図3に示す偏光変換素子に照射される青色光及び黄色光の照射分布を示す斜視図である。 図3に示す偏光変換素子の第2の入射領域にランダム偏光の青色光が入射したときの偏光分離の様子を表す概略図である。 図3に示す偏光変換素子の第1の入射領域にランダム偏光の黄色光が入射したときの偏光分離の様子を表す概略図である。 第2実施形態に係るプロジェクターの構成を示す概略図である。 図8に示すプロジェクターの照明装置の概略図である。 第2実施形態において、偏光変換素子に照射される青色光の照射分布を示す斜視図である。 第2実施形態において、偏光変換素子に照射される青色光の照射分布の変形例を示す斜視図である。 第2実施形態において、偏光変換素子に照射される黄色光の照射分布を示す斜視図である。 第2実施形態のプロジェクターの色分離光学系に入射したS偏光の青色光のふるまいを示す概略図である。 第2実施形態のプロジェクターの色分離光学系に入射したP偏光の青色光及びS偏光の緑色光のふるまいを示す概略図である。 第2実施形態のプロジェクターの色分離光学系に入射したS偏光の赤色光のふるまいを示す概略図である。 第2実施形態のプロジェクターの合成光学装置において各色の画像光が合成される様子を示す概略図である。 第3実施形態に係るプロジェクターの照明装置の概略図である。 第3実施形態において、偏光変換素子に照射される青色光の照射分布の変形例を示す斜視図である。 第3実施形態において、偏光変換素子に照射される黄色光の照射分布の変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第1実施形態)
はじめに、本発明の第1実施形態に係る偏光変換素子及びプロジェクターの一例について説明する。図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1Aの構成を示す概略図である。
<プロジェクター>
図1に示すように、第1実施形態のプロジェクター1Aは、スクリーンSCR上にカラー映像を表示する投写型画像表示装置である。プロジェクター1Aは、照明装置2Aと、色分離光学系3と、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bと、合成光学装置5と、投写光学系6とを備える。
照明装置2Aからは、少なくとも赤色光LR、緑色光LG、青色光LBの三原色の光を含む照明光WLが射出される。色分離光学系3は、照明光WLを赤色光LRと、緑色光LGと、青色光LBとに分離する。なお、本明細書において、赤色光LRとは590nm以上700nm以下のピーク波長を有する可視青色光を示し、緑色光LGとは500nm以上590nm以下のピーク波長を有する可視緑色光を示し、青色光LBとは400nm以上500nm以下のピーク波長を有する可視青色光を示す。
色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7a及び第2のダイクロイックミラー7bと、第1の全反射ミラー8a、第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cとを備える。第1のダイクロイックミラー7aは、照明装置2Aからの照明光WLを青色光LBと、その他の光(緑色光LG及び赤色光LR)とに分離する。第1のダイクロイックミラー7aは、青色光LBを反射するとともに、分離された緑色光LG及び赤色光LRを透過させる。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射するとともに赤色光LRを透過させる。
第1の全反射ミラー8aは、青色光LBを光変調装置4Bに向けて反射する。第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cは、赤色光LRを光変調装置4Rに導く。緑色光LGは、第2のダイクロイックミラー7bから光変調装置4Gに向けて反射される。
光変調装置4Bは、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色の画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を形成する。光変調装置4Rは、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を形成する。光変調装置4B,4G,4Rには、例えば透過型の液晶パネルが用いられる。光変調装置4B,4G,4Rの入射側には、偏光板12B,12G,12Rが配置される。偏光板12B,12G,12Rの入射側には、それぞれフィールドレンズ10B,10G,10Rが配置される。
合成光学装置5には、光変調装置4B,4G,4Rからの各画像光が入射する。合成光学装置5は、青色、緑色、赤色の各画像光を合成し、合成された画像光を投写光学系6に向けて射出する。合成光学装置5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられる。
投写光学系6は、合成光学装置5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大させつつ投射する。スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像が表示される。投写光学系6には、例えば、鏡筒と、鏡筒内に配置される複数のレンズとによって構成される組レンズが用いられる。
<照明装置>
続いて、プロジェクター1Aの照明装置2Aについて説明する。図2は、照明装置2Aの構成を示す概略図である。図2に示すように、照明装置2Aは、光源装置20と、コリメートレンズ24と、インテグレーター光学系31と、本発明の一実施形態に係る偏光変換素子32と、重畳レンズ43とを備える。
第1実施形態の光源装置20は、青色光LBを射出する第1の光源装置20aと、黄色光LYを射出する第2の光源装置20bとを備える。黄色光LYは、緑色光LG及び赤色光LRを含む。第1の光源装置20aと第2の光源装置20bは、光軸A0に直交する方向に沿って、光軸A0からずれて、かつ互いに所定の間隔をあけて並べられる。このように第1の光源装置20a及び第2の光源装置20bが並べて配置されることで、集光光学系などを含む光源光学系が省略される。第1の光源装置20a及び第2の光源装置20bには、例えば、端面発光型のレーザ、発光ダイオード(LED)などが用いられる。なお、第2の光源装置20bは、励起されることによって黄色の蛍光を発する蛍光体を有してもよい。第1の光源装置20a及び第2の光源装置20bの位置や角度は、微調整可能であることが好ましい。
コリメートレンズ24は、入射側が光軸A0に直交する平面で構成され、射出側が光の射出方向の前側に凸となる凸曲面で構成された平凸レンズである。
コリメートレンズ24を通った青色光LB及び黄色光LYは、インテグレーター光学系31に向けて射出される。インテグレーター光学系31は、例えば、レンズアレイ31a,31bから構成されている。レンズアレイ31a,31bは、それぞれ複数のマイクロレンズが光軸A0に直交する方向に沿ってアレイ状に配列されたものからなる。複数のマイクロレンズの大きさは、次に詳しく説明する偏光変換素子32の第1の入射領域33e及び第2の入射領域34eの大きさに合わせて適宜設定されている。
レンズアレイ31bの各々のマイクロレンズから射出された青色光LB及び黄色光LYは、集光しつつ、第1の入射領域33e又は第2の入射領域34eに入射する。
<偏光変換素子>
図3は、偏光変換素子32を入射側から見たときの斜視図である。図4は、偏光変換素子32の上面図である。図3及び図4に示すように、偏光変換素子32には、青色光(入射光)LB及び黄色光(入射光)LYが進行する方向と交差する方向に、第1の入射領域33eと第2の入射領域34eとが交互に隣接して設けられる。偏光変換素子32は、偏光分離層36と、位相差層38とを備える。
偏光分離層36は、青色光LB及び黄色光LYが入射する入射面35の第1の入射領域33eと第2の入射領域34eとにそれぞれ対向して設けられる。偏光分離層36は、P偏光の青色光LBまたはP偏光の黄色光LY(第1の偏光方向を有する入射光)を透過させ、S偏光の青色光LBまたはS偏光の黄色光LY(第2の偏光方向を有する入射光)を反射させる。偏光分離層36には、例えば、誘電体多層膜が用いられる。
位相差層38は、第1の入射領域33eに対向する偏光分離層36または第2の入射領域34eに対向する偏光分離層36のいずれか一方に対して、入射面35(第1の入射領域33eまたは第2の入射領域34e)とは反対側に設けられる。位相差層38は、偏光分離層36から透過した、又は反射された青色光LBまたは黄色光LYに対して所定の位相差を付与する。第1実施形態では、所定の位相差は、青色光LBまたは黄色光LYの半波長分である。したがって、位相差層38は、偏光分離層36から透過した、又は反射され、かつP偏光の青色光LBまたはP偏光の黄色光LYをS偏光に変換し、偏光分離層36から透過した、又は反射され、かつS偏光の青色光LBまたはS偏光の黄色光LYをP偏光に変換する。
第1実施形態の偏光変換素子32は、石英等のように、青色光LB及び黄色光LYに対する全光透過率が95%以上である透明材料で板状に形成される。そのため、入射面35と射出面37とは、互いに略平行になる。第1実施形態では、第1の入射領域33eと第2の入射領域34eには、青色光LB及び黄色光LYが入射(進行)する方向と交差する入射面35に、交互に隙間なく隣接して設けられる。第1の射出領域33fと第2の射出領域34fには、青色光LB及び黄色光LYが射出(進行)する方向と交差する射出面37に、交互に隙間なく隣接して設けられる。位相差層38は、第2の射出領域34fに設けられる。
図4に示すように、偏光分離層36は、入射面35及び射出面37に対して上面視で所定の角度をなすように傾斜し、透明材料に埋設される。入射面35及び射出面37に対する偏光分離層36の角度は、偏光分離層36を透過した青色光LBまたは黄色光LYが位相差層38を通過可能、かつ偏光分離層36で反射された青色光LBまたは黄色光LYが位相差層38を回避可能になるように、適宜設定され、例えば、45°である。
なお、偏光変換素子32は、必ずしも透明素材で板状に形成されていなくてもよい。すなわち、空間内に、偏光分離層36と位相差層38が図3及び図4に示す相対配置をとるように、空間内に配置されていてもよい。その場合、第1の入射領域33e及び第2の入射領域34eと、第1の射出領域33f及び第2の射出領域34fとは、空間内に設定される。
図5は、第1実施形態において、偏光変換素子32に照射される青色光LB及び黄色光LYの照射分布を示す斜視図である。第1実施形態では、前述のように第1の光源装置20a及び第2の光源装置20bが光軸A0上から互いに反対側に離れている。そのため、第1の光源装置20aから射出される青色光LB及び第2の光源装置20bから射出される黄色光LYがレンズアレイ31a,31bに対して所謂オフアクシスで入射する。このことによって、青色光LB及び黄色光LYがインテグレーター光学系31を通過してレンズアレイ31bから射出されると、図5に示すように、偏光変換素子32の第1の入射領域33eにスポット状の黄色光(第1の波長を有する入射光)LYが複数照射される。一方、偏光変換素子32の第2の入射領域34eにスポット状の青色光(第2の波長を有する入射光)LBが複数照射される。
図6は、偏光変換素子32の第2の入射領域34eにランダム偏光の青色光LB(r)が入射したときの偏光分離の様子を表す概略図である。図6に示すように、第1の入射領域33eから偏光変換素子32に入射した青色光LB(r)は、偏光分離層36によってP偏光の青色光LB(P)とS偏光の青色光LB(S)とに分離される。青色光LB(P)は、偏光分離層36及び位相差層38をこの順に透過し、第1の射出領域33fから射出される。青色光LB(S)は、偏光分離層36によって入射面35と略平行な方向に沿って反射された後、偏光分離層36によって青色光LB(r)の入射方向と略平行な方向に沿って反射され、位相差層38に入射する。位相差層38によって、青色光LB(S)は、青色光LB(P)に変換され、第2の射出領域34fから射出される。つまり、第2の入射領域34eに青色光LB(r)が入射すると、第1の射出領域33f及び第2の射出領域34fから青色光LB(P)が射出される。なお、ランダム偏光の黄色光LY(r)が第2の入射領域34eに入射した場合も、第1の射出領域33f及び第2の射出領域34fからP偏光の黄色光LY(P)が射出される。
図7は、偏光変換素子32の第1の入射領域33eに黄色光LY(r)が入射したときの偏光分離の様子を表す概略図である。図7に示すように、第2の入射領域34eから偏光変換素子32に入射した黄色光LY(r)は、偏光分離層36によって黄色光LY(P)とS偏光の黄色光LY(S)とに分離される。黄色光LY(P)は、偏光分離層36を透過し、位相差層38に入射する。位相差層38によって、黄色光LY(P)は、黄色光LY(S)に変換され、第2の射出領域34fから射出される。黄色光LY(S)は、偏光分離層36によって入射面35と略平行な方向に沿って反射された後、偏光分離層36によって黄色光LY(r)の入射方向と略平行な方向に沿って反射され、第1の射出領域33fから射出される。つまり、第1の入射領域33eに黄色光LY(r)が入射すると、第1の射出領域33f及び第2の射出領域34fから黄色光LY(S)が射出される。なお、青色光LB(r)が第1の入射領域33eに入射した場合も、第1の射出領域33f及び第2の射出領域34fからS偏光の青色光LB(S)が射出される。
偏光変換素子32を透過した青色光LB及び黄色光LYは、照明光WLとして重畳レンズ43に入射する。重畳レンズ43はインテグレーター光学系31と協同し、被照明領域における照明光WLの照度分布を均一化する。このようにして、照明装置2Aは照明光WLを射出する。
以上説明した第1実施形態に係る偏光変換素子32によれば、以下の効果を奏する。
第1実施形態の偏光変換素子32は、青色光LB及び黄色光LYが進行する方向と交差する方向に隣接するように交互に設けられた、第1の入射領域33eと第2の入射領域34eを有する。このことによって、偏光変換素子32において隙間なく交互に配置された第1の入射領域33eと第2の入射領域34eの両方の領域に青色光LB及び黄色光LYを照射でき、偏光変換素子32の入射領域の略全体を有効に利用できる。また、偏光変換素子32は、第1の入射領域33eと第2の入射領域34eとのそれぞれに対向する偏光分離層36に射出側で対向する偏光分離層36と、偏光分離層36に対向して第1の入射領域33e又は第2の入射領域34eとは反対側に設けられた位相差層38とを備える。このような偏光変換素子32によれば、ランダム偏光の青色光LB及び黄色光LYをP偏光及びS偏光ごとに分離し、偏光変換素子32の射出面37からP偏光又はS偏光の光を射出できる。以上より、偏光変換素子32を良好に機能させつつ、偏光変換素子32の小型化を容易に図ることができる。
また、第1実施形態の偏光変換素子32によれば、第1の入射領域33eと、第2の入射領域34eのそれぞれの領域に、互いに異なる色(波長)の光を入射させた際に、異なる色の光を異なる偏光方向で射出できる。第1実施形態では、偏光変換素子32の第1の入射領域33eにランダム偏光の黄色光LYを入射させ、第2の入射領域34eにランダム偏光の青色光LBを入射させる。この場合、偏光変換素子32の第1の射出領域33f及び第2の射出領域34fから、P偏光の黄色光LY(P)とS偏光の青色光LB(S)とを射出させることができる。
また、第1実施形態に係る照明装置2Aによれば、以下の効果を奏する。
第1実施形態の照明装置2Aは、上述の偏光変換素子32と、第1の光源装置20a及び第2の光源装置20bとを備える。第1実施形態の照明装置2Aによれば、第1の光源装置20a及び第2の光源装置20bから射出された青色光LB(r)及びLY(r)を偏光変換素子32の入射面35(すなわち、入射領域)の略全体にわたって入射させることができる。このことによって、照明装置2Aの小型化を容易に図ることができる。
また、第1実施形態に係るプロジェクター1Aによれば、以下の効果を奏する。
第1実施形態のプロジェクター1Aは、偏光変換素子32と、第1の光源装置20aと、第2の光源装置20bと、光変調装置4B,4G,4Rと、投写光学系6とを備える。第1実施形態のプロジェクター1Aによれば、第1の光源装置20aから射出された青色光LB及び第2の光源装置20bから射出された黄色光LYを、偏光変換素子32によってS偏光の青色光LB(P)とP偏光の黄色光LY(P)に分離し、これらの光を重畳レンズ43によって重畳できる。第1実施形態のプロジェクター1Aでは、青色光LB(P)及び黄色光LY(P)を照明光WLとして、色分離光学系3に入射させ、照明光WLから赤色光LR、緑色光LG、青色光LBを分離し、分離した赤色光LR、緑色光LG、青色光LBを光変調装置4B,4G,4Rに振り分ける。第1実施形態のプロジェクター1Aによれば、光変調装置4B,4G,4Rによって、P偏光又はS偏光の赤色光LR、緑色光LG、青色光LBに応じて画像光を形成し、形成された画像光をスクリーンSCRに投影できる。第1実施形態のプロジェクター1Aによれば、上述の偏光変換素子32を備えることによって、プロジェクター1Aの小型化を容易に図ることができる。
偏光変換素子32の入射側に、青色光LB及び黄色光LYの偏光量を調整する変調量調整素子45を設けてもよい。変調量調整素子45を設けることによって、複数の光変調装置4B,4G,4Rのそれぞれに振り分ける光量を調節できる。この構成によれば、光源装置の数を抑え、プロジェクター1Aの光学系の構成をより簡易にし、プロジェクター1Aの小型化を容易に図ることができる。
なお、第1のダイクロイックミラー7aと第2のダイクロイックミラー7b及び光変調装置4B,4G,4Rの偏光特性に応じて、偏光変換素子32の第1の入射領域33eにランダム偏光の青色光LBを入射させ、第2の入射領域34eにランダム偏光の黄色光LYを入射させてもよい。この場合、偏光変換素子32の第1の射出領域33f及び第2の射出領域34fから、P偏光の青色光LB(P)とS偏光の黄色光LY(S)を射出させることができる。
(第2実施形態)
はじめに、本発明の第2実施形態に係る偏光変換素子及びプロジェクターの一例について説明する。図8は、第2実施形態に係るプロジェクター1Bの構成を示す概略図である。なお、第2実施形態の説明で使用する図面において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図8では、スクリーンSCRの図示を省略する。
<プロジェクター>
図8に示すように、プロジェクター1Bは、照明装置2Bを備える。また、光変調装置4Rの入射側には、第1の全反射ミラー8aに近い側から、フィールドレンズ10R、位相差板13R、偏光板14Rがこの順に配置される。同様に、光変調装置4Gの入射側には、第2のダイクロイックミラー7bに近い側からフィールドレンズ10G、位相差板13G、偏光板14Gがこの順に配置される。光変調装置4Bの入射側には、第3の全反射ミラー8cに近い側からフィールドレンズ10B、位相差板13B、偏光板14Bがこの順に配置される。光変調装置4R,4G,4Bの射出側には、偏光板15R,15G,15Bが配置される。
位相差板13Rは、赤色光LRに感度を有し、通過する赤色光LRに半波長分の位相差を付与する。位相差板13G,13Bは、青色光LBのみに感度を有し、通過する青色光LBに半波長分の位相差を付与する。偏光板14R,14B,15Gは、入射する光のうちP偏光のみを透過させる。偏光板14G,15R,15Bは、入射する光のうちS偏光のみを透過させる。
<照射装置>
図9は、照明装置2Bの構成を示す概略図である。図9に示すように、第2実施形態の照明装置2Bでは、第2の光源装置20b及びコリメートレンズ24aは光軸A0上にそれらの中心が位置するように配置される。また、第2の光源装置20bとインテグレーター光学系31のレンズアレイ31aとの間に、合成ミラー(光合成部)51が設けられる。合成ミラー51は、上面視(または側面視)において透過面51tを第1の光源装置20a側に向け、光軸A0に対して所定の角度をなして傾斜するように配置される。
合成ミラー51における透過面51tとは反対側の反射面51rから光軸A0に直交する方向に沿って合成ミラー51から離れた位置に、第1の光源装置20a及びコリメートレンズ24bが配置される。第1の光源装置20aの射出面は、反射面51rに対向する。このような構成において、第2の光源装置20bから射出された黄色光LBは、コリメートレンズ24aによってコリメートされ、合成ミラー51を透過し、インテグレーター光学系31に入射する。一方、第1の光源装置20aから射出された青色光LBは、コリメートレンズ24bによってコリメートされ、合成ミラー51によって反射され、インテグレーター光学系31に入射する。
合成ミラー51には、合成ミラー51の位置を調整する調整装置(第2の位置調整装置、角度調整装置)52が設けられる。ここで、「合成ミラー51の位置を調整する」とは、上面視において合成ミラー51を回動させ、光軸A0に対する合成ミラー51の反射面51rの角度を調整することを意味する。調整装置52によって合成ミラー51の位置が調整されることによって、レンズアレイ31a,31bに対する青色光LBの入射角度、及び偏光変換素子32に照射される青色光LBの位置が調整可能になる。なお、レンズアレイ31a,31bに対する黄色光LYの入射角度、及び偏光変換素子32に照射される黄色光LYの位置が微調整可能とする点で、第2の光源装置20bが上面視において回動可能であってもよい。
<プロジェクターの照射原理>
プロジェクター1Bの照射原理及び手順について説明する。先ず、第1の光源装置20aから射出されたランダム偏光の青色光LB(r)は、コリメートレンズ24aでコリメートされ、合成ミラー51を透過し、インテグレーター光学系31によって複数のスポットに変換されるとともに集光する。青色光LB(r)は、偏光変換素子32の入射面35の近傍で結像する。
図10は、偏光変換素子32に照射される青色光LBの照射分布を示す斜視図である。図11は、偏光変換素子32に照射される青色光LBの照射分布の変形例を示す斜視図である。なお、第1の光源装置20aはLEDを備えると想定し、図10及び図11では、入射面35における青色光LB(r)の照射領域は長軸及び短軸を有する楕円形状で図示される。図10に示すように、入射面35における青色光LB(r)の照射領域は、第1の入射領域33eと第2の入射領域34eとの両方の領域にまたがる。そのため、P偏光の青色光LB(P)とS偏光の青色光LB(S)の両方の光が射出面37から射出される。
図10に示す青色光LB(r)の照射パターンに比べて、図11に示す青色光LB(r)の照射パターンでは、第1の入射領域33eに入射する青色光LB(r)が減少する。その場合、射出面37から射出される青色光LB(S)のパワーは、青色光LB(P)のパワーよりも低くなる。すなわち、第1の入射領域33e及び第2の入射領域34eに入射する青色光LB(r)の割合が調整されれば、射出面37から射出される青色光LB(P),LB(S)のパワーが調整される。例えば、第1の入射領域33eまたは第2の入射領域34eの一方の領域に入射する青色光LB(r)の面積は、第1の入射領域33eまたは第2の入射領域34eの他方の領域に入射する青色光LB(r)の総面積の0.2倍以上0.8倍以下であることが好ましい。
図12は、偏光変換素子32に照射される黄色光LYの照射分布を示す斜視図である。第2の光源装置20bから射出されたランダム偏光の黄色光LY(r)は、コリメートレンズ24bでコリメートされ、合成ミラー51で反射され、インテグレーター光学系31によって複数のスポットに変換されるとともに集光する。黄色光LY(r)は、青色光LB(r)と同様に、偏光変換素子32の入射面35の近傍で結像する。図12は、第2実施形態において、偏光変換素子32に照射されるランダム偏光の黄色光LY(r)の照射分布を示す斜視図である。第1実施形態と同様に、黄色光LY(r)は、第1の入射領域33eのみに複数のスポットとして照射される。そのため、S偏光のLB(S)のみが射出面37から射出される。
偏光変換素子32の射出面37から射出された青色光LB(P),LB(S)及び黄色光LY(S)は、照明光WLとして図8に示す色分離光学系3に入射する。ここで、前述した第2実施形態における第1のダイクロイックミラー7aと第2のダイクロイックミラー7bのそれぞれの透過・反射特性をまとめて表1に示す。
Figure 2019211561
図13は、第2実施形態の色分離光学系3に入射した青色光LB(S)のふるまいを示す概略図である。色分離光学系3に入射した青色光LB(P),LB(S)のうち、青色光LB(S)は、第1のダイクロイックミラー7a及び第1の全反射ミラー8aで反射され、図13に示すように、フィールドレンズ10Bでコリメートされ、位相差板13Bに入射する。位相差板13Bに入射した青色光LB(S)は、位相差板13B及び偏光板14Bによって、P偏光の青色光LB(P)に変換され、光変調装置4Bに入射する。光変調装置4BではS偏光かつ青色の画像光IB(S)が形成され、形成された画像光IB(S)は偏光板15Bを通り、合成光学装置5に入射する。
図14は、第2実施形態の色分離光学系3に入射した青色光LB(P)のふるまいを示す概略図である。色分離光学系3に入射した青色光LB(P),LB(S)のうち、青色光LB(P)は、第1のダイクロイックミラー7aを通り、第2のダイクロイックミラー7bで反射され、フィールドレンズ10Gに入射する。続いて、青色光LB(P)は、フィールドレンズ10Gでコリメートされ、図14に示すように、位相差板13Gに入射する。位相差板13Gに入射した青色光LB(P)は、位相差板13G及び偏光板14Gによって、青色光LB(S)に変換され、光変調装置4Gに入射する。
また、色分離光学系3に入射した緑色光LG(S)も第1のダイクロイックミラー7aを通り、第2のダイクロイックミラー7bで反射され、フィールドレンズ10Gに入射する。緑色光LG(S)は、フィールドレンズ10Gでコリメートされ、図14に示すように、位相差板13Gに入射する。位相差板13Gに入射した緑色光LG(S)は、位相差板13G及び偏光板14Gによって、緑色光LG(P)に変換され、光変調装置4Gに入射する。
光変調装置4GではP偏光の青色の画像光IB(P)が形成されるとともにS偏光かつ緑色の画像光IG(S)が形成され、形成された画像光IB(P),IG(S)は偏光板15Gを通り、合成光学装置5に入射する。
図15は、第2実施形態の色分離光学系3に入射した赤色光LR(S)のふるまいを示す概略図である。色分離光学系3に入射した赤色光LR(S)は、第1のダイクロイックミラー7a及び第2のダイクロイックミラー7bを透過し、第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cで反射され、フィールドレンズ10Rに入射する。続いて、赤色光LR(S)は、フィールドレンズ10Rでコリメートされ、図15に示すように、位相差板13Rに入射する。位相差板13Rに入射した赤色光LR(S)は、位相差板13R及び偏光板14Rによって、P偏光の赤色光LR(P)に変換され、光変調装置4Rに入射する。光変調装置4RではS偏光かつ赤色の画像光IR(S)が形成され、形成された画像光IR(S)は偏光板15Rを通り、合成光学装置5に入射する。
図16は、第2実施形態の合成光学装置5における各色の画像光が合成される様子を示す概略図である。合成光学装置5は、前述したクロスダイクロイックプリズムで構成され、第1の反射膜9a及び第2の反射膜9bを備える。第1の反射膜9a及び第2の反射膜9bは、上面視において、画像光IB(S),IB(P),IG(S),IR(S)のそれぞれの進行方向を中心に互いに反対側に傾斜し、かつ互いに直交するように配置される。
スクリーンSCRに投影できる。ここで、第2実施形態の合成光学装置5の第1の反射膜9a及び第2の反射膜9bの透過・反射特性をまとめて表2に示す。
Figure 2019211561
合成光学装置5では、光変調装置4Bからの画像光IB(S)が第1の反射膜9aを透過するとともに第2の反射膜9bで反射される。光変調装置4Gからの画像光IB(P),IG(P)が第1の反射膜9a及び第2の反射膜9bを透過する。光変調装置4Rからの画像光IR(S)が第2の反射膜9bを透過するとともに第1の反射膜9aで反射される。画像光IB(S),IB(P),IG(S),IR(S)は合成され、投写光学系6に向けて合成光学装置5から射出される。
第2実施形態の合成光学装置5では、互いに波長の異なる青色光LB(P)と緑色光LG(S)の光変調装置4Gへの入射方向が重なるため、光変調装置4Gでは時分割で画像光IB(P),IG(P)のいずれか一方が形成される。これに伴い、照明装置2の第1の光源装置20aと第2の光源装置20bは、時分割で、すなわち所定の時間間隔をあけて交互に点灯するように制御される。また、光変調装置4Gでは第1の光源装置20aの点灯時かつ第2の光源装置20bの消灯時に画像光IB(P)が形成され、第2の光源装置20bの点灯時かつ第2の光源装置20bの点灯時に画像光IG(P)が形成される。第1の光源装置20aと第2の光源装置20bの点灯及び消灯の切り替えの時間周期は、プロジェクター1Bのユーザが投写光学系6からスクリーンSCRに投射された画像光IB(P)による青色の画像と画像光IG(P)による緑色の画像とを1つのカラー画像と認識可能となる時間周期(所謂、ビデオレート)以下に設定される。制御を容易にする観点から、第1の光源装置20aと第2の光源装置20bの点灯及び消灯の切り替えの時間周期は、一定であることが好ましいが、上述のようにユーザが投写光学系6からスクリーンSCRに投射された画像光IB(P)による青色の画像と画像光IG(P)による緑色の画像とを1つのカラー画像と認識可能であれば、必ずしも一定でなくてもよい。
以上説明した第2実施形態の偏光変換素子32は第1実施形態の偏光変換素子32と同様の構成を備えるので、第2実施形態の偏光変換素子32によれば第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、第2実施形態の照明装置2Bは第1実施形態の照明装置2Aと同様の構成を備えるので、第2実施形態の照明装置2Bによれば第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、第2実施形態に係るプロジェクター1Bによれば、以下の効果を奏する。
第2実施形態のプロジェクター1Bは、第1の光源装置20aと第2の光源装置20bから射出された青色光LB及び黄色光LYを合成するとともに、偏光変換素子32に入射させる合成ミラー51を有する。また、第2実施形態のプロジェクター1Bは、合成ミラー51の位置を調整する調整装置52を備える。第2実施形態のプロジェクター1Bによれば、2つの入射領域を通過する光線(青色光LB)の割合が容易に調整され、光変調装置の照明光量が調整可能になり、プロジェクターの高効率化につながる。
また、第2実施形態のプロジェクター1Bの照明装置2Bでは、第1の入射領域33e及び第2の入射領域34eに入射する青色光LB(r)の割合を調整することによって、射出面37から射出される青色光LB(P),LB(S)のパワーを調整できる。このことによって、色や場面ごとのパネル調光が可能となり、さらに効率化・高出力化が可能になる。
また、第2実施形態のプロジェクター1Bでは、調整装置52を光変調装置4Gの駆動と連動して駆動させる。すなわち、光変調装置4Gは、第1の光源装置20aの点灯時かつ第2の光源装置20bの消灯時に画像光IB(P)を形成するように駆動され、第2の光源装置20bの点灯時かつ第2の光源装置20bの消灯時に画像光IG(P)を形成するように駆動される。このような構成によれば、色や場面ごとのパネル調光が可能となり、さらに効率化・高出力化が可能になる。
(第3実施形態)
はじめに、本発明の第3実施形態に係る偏光変換素子及びプロジェクターの一例について説明する。なお、第3実施形態の説明で使用する図面において、第1実施形態及び第2実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
<プロジェクター>
図示していないが、第3実施形態に係るプロジェクターは、図8に示す第2実施形態に係るプロジェクター1Bの照明装置2Bを図17に示す照明装置2Cに置き換えたものである。
<照明装置>
図17は、第3実施形態の照明装置2Cの構成を示す概略図である。図17に示すように、照明装置2Cの光源装置20は、第1の光源装置20aと、第2の光源装置20bに加え、青色光(第1の波長を有する入射光)LBを射出する第3の光源装置20cを備える。第1の光源装置20a及び第3の光源装置20cは、光軸A0上から互いに反対側に離れている。
第1の光源装置20aには、光軸A0に直交する方向に第1の光源装置20aの位置や光軸A0に対する角度を調整可能な調整装置(第1の位置調整装置)61を備える。なお、光源装置20では、調整装置61に替えて、第3の光源装置20cに、第3の光源装置20cの位置や光軸A0に対する角度を調整可能な調整装置(第1の位置調整装置、図示略)が設けられてもよい。
第3実施形態では、第2実施形態で説明した調整装置52は省略可能である。その代わりに、偏光変換素子32には、偏光変換素子32の光軸A0に対する位置を制御可能な制御装置63が設けられる。
図18は、第3実施形態において、偏光変換素子32に照射される青色光LBの照射分布を示す斜視図である。第1の光源装置20aから射出される青色光LB1(r)及び第3の光源装置20cから射出される青色光LB2(r)は、レンズアレイ31a,31bに対して所謂オフアクシスで入射する。このことによって、図18に示すように、偏光変換素子32の第1の入射領域33eにスポット状の青色光LB1(r)が複数照射される。一方、偏光変換素子32の第2の入射領域34eにスポット状の青色光LB2(r)が複数照射される。そのため、偏光変換素子32の射出面37からは、S偏光の青色光LB1(S)及びP偏光のLB2(P)のみが射出される。
図19は、第3実施形態において、偏光変換素子32に照射される黄色光LYの照射分布を示す斜視図である。第1実施形態と同様に、黄色光LY(r)は、第1の入射領域33eのみに複数のスポットとして照射される。そのため、偏光変換素子32の射出面37からは、S偏光のLB(S)のみが射出される。
<プロジェクターの照射原理>
第3実施形態のプロジェクターの照射原理及び手順は、基本的に第2実施形態のプロジェクター1Bと同様である。ただし、第3実施形態では、照明装置2の第1の光源装置20aと第2の光源装置20bと第3の光源装置20cは、時分割で、すなわち所定の時間間隔をあけて個別に点灯するように制御される。また、光変調装置4Gでは第1の光源装置20a及び第3の光源装置20cの点灯時かつ第2の光源装置20bの消灯時に画像光IB(P)が形成され、第1の光源装置20a及び第3の光源装置20cの消灯時かつ第2の光源装置20bの点灯時に画像光IG(P)が形成される。
以上説明した第3実施形態の偏光変換素子32は第1実施形態の偏光変換素子32と同様の構成を備えるので、第3実施形態の偏光変換素子32によれば第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、第3実施形態の照明装置2Cは第1実施形態の照明装置2Aと同様の構成を備えるので、第3実施形態の照明装置2Cによれば第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、第3実施形態に係るプロジェクターによれば、以下の効果を奏する。
第3実施形態に係るプロジェクターの照明装置2Cは、第3の光源装置20cをさらに備える。第3実施形態に係るプロジェクターによれば、第1の光源装置20aと第3の光源装置20cがそれぞれ点灯制御されることで、偏光変換素子32に入射する光の量が調整される。
また、第3実施形態のプロジェクターの照明装置2Cは、調整装置61をさらに備え、調整装置61により、偏光変換素子32の第1の入射領域33eと第2の入射領域34eへの青色光LBの割合(すなわち、光線入射割合)を調整できる。第3実施形態のプロジェクターによれば、第1の入射領域33eと第2の入射領域34eを通過する光線の割合を容易に調整し、光変調装置4R,4G,4Rへの照明光量を適宜調整できる。このことによって、第3実施形態のプロジェクターの高効率化につながる。
また、第3実施形態のプロジェクターでは、第1の光源装置20aと第3の光源装置20cのそれぞれから射出される青色光LB1(r),LB2(r)のパワーを調整する、または調整装置61によって第1の光源装置20aの光軸A0に対する位置を調整することによって、第1の入射領域33e及び第2の入射領域34eに入射する青色光LB(r)の割合を調整し、第2実施形態と同様に、射出面37から射出される青色光LB(P),LB(S)のパワーを調整できる。このことによって、色や場面ごとのパネル調光が可能となり、さらに効率化・高出力化が可能になる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述の各実施形態では、3つの光変調装置4R,4G,4Bを備えるプロジェクター1A,1Bを例示したが、本発明に係るプロジェクターは1つの光変調装置でカラー映像を表示するプロジェクターであってもよい。また、光変調装置として、デジタルミラーデバイスが用いられてもよい。
1A,1B…プロジェクター、2A,2B,2C…照明装置、4B,4G,4R…光変調装置、6…投写光学系、20a…第1の光源装置(第1の光源)、20b…第2の光源装置(第2の光源)、20c…第3の光源装置(第3の光源)、32…偏光変換素子、33e…第1の入射領域、34e…第2の入射領域、36…偏光分離層、38…位相差層、52…調整装置(第2の位置調整装置、角度調整装置)、61…調整装置(第1の位置調整装置)、63…、LB,LB(r)…青色光(入射光)、LY,LY(r)…黄色光(入射光)

Claims (9)

  1. 入射光が進行する方向と交差する方向に、第1の入射領域と、前記第1の入射領域とは異なる第2の入射領域とが交互に設けられ、
    前記第1の入射領域と前記第2の入射領域とにそれぞれ対向して設けられ、第1の偏光方向を有する前記入射光を透過させ、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向を有する前記入射光を反射させる偏光分離層と、
    前記偏光分離層に対向して前記第1の入射領域または前記第2の入射領域とは反対側に設けられる位相差層と、
    を備え、
    前記第1の入射領域に入射された入射光と前記第2の入射領域に入射された入射光は、それぞれ互いに異なる偏光方向の射出光として射出されることを特徴とする偏光変換素子。
  2. 前記第1の入射領域には、第1の波長を有する入射光が入射され、
    前記第2の入射領域には、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する入射光が入射される、
    請求項1に記載の偏光変換素子。
  3. 請求項2に記載の偏光変換素子と、
    前記第1の波長を有する入射光を射出する第1の光源と、
    前記第2の波長を有する入射光を射出する第2の光源と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
  4. 請求項3に記載の照明装置と、
    前記第1および第2の光源からの光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、
    前記画像光を投写する投写光学系と、
    を備えることを特徴とするプロジェクター。
  5. 前記第1の波長を有し、かつ前記第2の入射領域に入射される入射光を射出する第3の光源を有する請求項4に記載のプロジェクター。
  6. 前記第1の光源または前記第3の光源の配置を調整する第1の位置調整装置を備える請求項5に記載のプロジェクター。
  7. 前記第1の光源および前記第2の光源から射出された光を合成するとともに、前記偏光変換素子に入射させる光合成部を有し、
    前記光合成部の位置を調整する第2の位置調整装置を備える請求項4に記載のプロジェクター。
  8. 前記第1の光源または前記第2の光源と前記偏光変換素子との間の光路を前記入射光の光軸に対して傾ける角度調整装置を備える請求項4に記載のプロジェクター。
  9. 前記角度調整装置を前記光変調装置の駆動と連動して駆動させる請求項8に記載のプロジェクター。
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