JP2019211440A - イオン移動度分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のイオン移動度分析装置では、イオンゲートが配置される部分が高電位となるため、イオンゲートの制御部が大型化し、高価格化するという課題がある。【解決手段】イオン移動度分析装置は、第1方向に延びる内部空間を有するドリフトチューブ11と、第1方向に延びる内部空間を有しドリフトチューブ11に接続されるイオンチャンバ10と、ドリフトチューブ11とイオンチャンバ10との境界部に設置され接地電位に保たれているイオンゲート19と、イオンチャンバ10内にイオンを供給するイオン源(14、15、35)と、ドリフトチューブ11内のイオンゲート19とは反対側に配置されているイオン検出電極21と、イオンチャンバ10に第1の高電圧を印加する第1電圧源HV1と、イオン検出電極21に第1の高電圧とは逆極性の第2の高電圧を印加する第2電圧源HV2と、イオン検出電極21からの信号を検出して接地電位下で動作するデータ処理装置PCに送信する信号転送部SPとを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、イオン移動度分析装置に関する。
分析対象の分子をイオン化して略大気圧のガス中を移動させ、ガス中でのイオンの移動度の違いに伴う移動時間の差により対象の分子を分析する方法が、イオン移動度分光測定法(Ion Mobility Spectrometry=IMS)として知られている。
イオン移動度分光測定法を行うイオン移動度分析装置は、その内部でイオンを発生させる円筒状のイオンチャンバと、その内部でイオンを移動させる円筒状のドリフトチューブとが直列に接続され、その境界部にはイオンゲートが設けられている。イオンチャンバ内で生成され、所定のタイミングでイオンゲートを通過した分析対象のイオンは、ドリフトチャンバ内に形成されている電場により、概ね大気圧のガスで満たされたドリフトチューブ内を移動する。分析対象イオンがイオンゲートを通過してからドリフトチューブの反対側の端部に設けられたイオン検出電極に到達するまでの所要時間が計測される。イオンを移動させる電場を形成するために、イオンチャンバとドリフトチューブの両端部の間には、数10kVの電位差が印加されている。なお、イオンチャンバやドリフトチューブのサイズによって印加電圧の値は異なる。(特許文献1参照)
国際公開2016/079780号
従来のイオン移動度分析装置では、イオン検出電極からの信号を検出する検出回路の構成を簡便化するために、イオン検出電極および検出回路が配置されるドリフトチューブの端部が、扱い易い接地電位に設定されている。従って、イオンチャンバ側には数10kVの高電圧が印加され、イオンゲートが配置されるイオンチャンバとドリフトチューブとの境界部にも、その半分程度の電圧の高電圧が印加される。
このため、高精度な時間制御が要求されるイオンゲートの制御部には、高電圧への耐性も要求されることとなり、大型化および高コスト化するという課題があった。
本発明のイオン移動度分析装置は、第1方向に延びる内部空間を有するドリフトチューブと、前記第1方向に延びる内部空間を有し、前記ドリフトチューブに接続されるイオンチャンバと、前記ドリフトチューブと前記イオンチャンバとの境界部に設置され、接地電位に保たれているイオンゲートと、前記イオンチャンバ内にイオンを供給するイオン源と、前記ドリフトチューブ内の、前記イオンゲートとは反対側に配置されているイオン検出電極と、前記イオンチャンバに、第1の高電圧を印加する第1電圧源と、前記イオン検出電極に、前記第1の高電圧とは逆極性の第2の高電圧を印加する第2電圧源と、前記イオン検出電極からの信号を検出し、接地電位下で動作するデータ処理装置に送信する信号転送部と、を備える。
本発明によれば、イオンゲートを接地電位とするため、イオンゲートに接続されるイオンゲート制御部の高電圧耐性が不要となり、イオンゲート制御部の簡略化が図れる。
図1は、第1実施形態のイオン移動度分析装置の断面図。 図2は、イオンゲートおよびイオンゲート制御部を示す図。図2(a)は、イオンゲートとイオンゲート制御部の概略を示し、図2(b)および図2(c)は、イオンゲートに印加する電圧の時間変化を示す。 図3は、第2実施形態のイオン移動度分析装置の断面図。
(イオン移動度分析装置の第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のイオン移動度分析装置100を示す断面図である。
イオン移動度分析装置100は、試料中の成分をイオン化するイオン化領域Aを内側に形成するイオンチャンバ10と、イオン移動度の違いを利用してイオンを分離するドリフト領域Cを内側に形成するドリフトチューブ11とを備えている。この実施例では、イオン化領域Aおよびドリフト領域Cは、ともに図1中のZ方向に延びる空間である。また、イオンチャンバ10とドリフトチューブ11とは同一内径の略円筒形状体であって一体化されている。
イオンチャンバ10とドリフトチューブ11とにはそれぞれ、加熱のためのヒートパイプ12、13が周設されている。
イオンチャンバ10の周面には、液体試料の噴霧方向がイオンチャンバ10の中心軸に略直交する方向となるように、大気圧化学イオン化(APCI)用スプレーノズル15が取り付けられている。
なお、イオンチャンバ10の中心軸とドリフトチューブ11の中心軸とは一致しており、かつZ方向に平行であり、以下の説明ではこれを単に中心軸AXという。
スプレーノズル15には、不図示の液体クロマトグラフ装置(LC)から液体試料が供給され、これをネブライズガス(通常は窒素、ヘリウムなどの不活性ガス)のガス流に乗せ、さらに高温(300〜500℃程度)に加熱した乾燥管を通してイオンチャンバ10内に噴霧するものである。
イオンチャンバ10とドリフトチューブ11の境界部には、2つの櫛型状電極が図中のZ方向に垂直な同一平面に配置されたイオンゲート(BNゲート)19が設けられている。なお、図1では、イオンゲート19が2つの櫛型状電極からなることを示すために2つの櫛型状電極をZ方向に分離して描いているが、実際には上述のとおり2つの櫛型状電極はZ方向に垂直な同一平面にある。イオンチャンバ10内の、ドリフトチューブ11に接続されている側の端部と反対側である端部には、コロナ放電を行うための針電極14が設置されている。この針電極14とイオンゲート19との間には、中心軸AXの延伸方向(Z方向)に所定の間隔で複数の前段リング状電極16が設けられている。この前段リング状電極16は、スプレーノズル15とイオンゲート19との間にも少なくとも1個以上設けられ、針電極14とスプレーノズル15との間にも少なくとも1個以上設けられている。
イオンチャンバ10内の前段リング状電極16に連なるように、ドリフトチューブ11内にも中心軸AXの延伸方向(Z方向)に所定の間隔で複数の後段リング状電極17が設けられている。
また、ドリフトチューブ11内にあって、イオンチャンバ10に接続されている側と反対側の端部にはイオン検出電極21が設置されており、このイオン検出電極21と最終段の後段リング状電極17との間には、グリッド状電極18が設けられている。
イオン検出電極21が位置する付近のドリフトチューブ11の周面にはガス導入管22が接続され、このガス導入管22を通してドリフトチューブ11内には一定流量の中性ガス(例えば窒素ガス)が供給される。ドリフトチューブ11に流される中性ガスは、導入前にドリフトチューブ11と同程度の温度(200℃前後)に加熱されている。
ドリフトチューブ11内に供給された中性ガスは、イオン検出電極21から針電極14の方向に流れ、イオンチャンバ10の端部に設けられている排気口23から排出される。
第1の実施形態においては、イオンゲート19は、これを制御するイオンゲート制御部20を介して低電位直流電圧源VRに接続されている。低電位直流電圧源VRからイオンゲート制御部20に印加される電位については、後述する。
一方、複数の前段リング状電極16のそれぞれは、一端が低電位直流電圧源VRに接続され、他端が10kV程度の第1の高電圧を発生する第1電圧源HV1に接続された直列抵抗アレイによる第1分圧器24に接続されている。また、複数の後段リング状電極17、グリッド状電極18、およびイオン検出電極21のそれぞれは、一端が低電位直流電圧源VRに接続され、他端が10kV程度であって上記の第1の高電圧とは逆符号の第2の高電圧を発生する第2電圧源HV2に接続された直列抵抗アレイによる第2分圧器26に接続されている。
これにより、複数の前段リング状電極16、後段リング状電極17、及びグリッド状電極18には、各電極までのイオンゲート19からの距離に応じてそれぞれ異なる電圧が印加される。
また、針電極14には第3電圧源HV3から、第1電圧源よりも絶対値として数kV電圧が高く、針電極14の先端にコロナ放電に必要な電場が発生するような電圧が印加される。
これらの構成により、イオンチャンバ10およびドリフトチューブ11の内部には、針電極14からイオン検出電極21に向けて電場が形成される。
第1実施形態のイオン移動度分析装置100では、イオンゲート19を接地電位に維持しているため、イオンチャンバ10およびドリフトチューブ11の各端部には、10kV程度の高電圧が印加される。そのため、イオンチャンバ10の図1中の左端部近傍、およびドリフトチューブ11の図1中の右端部近傍には、安全性を向上するために従来のイオン移動度分析装置と同様に、それぞれ耐電圧カバー31、32を設けることが好ましい。
ところで、従来のイオン移動度分析装置においては、イオンゲートおよびその制御部には、10kV程度の高電圧が印加されていた。従って、イオンゲートの制御部には高電圧に対しての絶縁耐性が要求され、また制御部に電力を供給する絶縁電源が必要となり、制御部の設計および製造コストが高額化していた。
第1実施形態においては、イオンゲート19は、これを制御するイオンゲート制御部20を介して低電位直流電圧源VRに接続されている。これにより、第1の実施形態においてはイオンゲート制御部20の電子回路に要求される高電圧耐性が従来の装置に比べて大幅に簡素化され、また絶縁電源は不要となるため、イオンゲート制御部20の簡素化および低コスト化が図れる。
さらに、従来のイオン移動度分析装置においては、イオン検出電極が接地電位とされていたため、その反対側に配置されるイオン源には、イオンゲート部に印加される電圧の2倍程度の高電圧を印加する必要があった。そのため、イオン源が配置される装置の前半部(イオンの流れの上流部)に数10kVの高電圧が印加され、放電を防ぐための沿面距離や空間距離が大きくなり、装置の小型化が困難であった。
第1実施形態においては、上述のごとくイオンゲート19が接地電位(低電位)となるため、スプレーノズル15および針電極14のイオン源に印加する電位を、従来に比べて半分程度に低下させることができる。これにより、スプレーノズル15および針電極14の周辺(装置の前半部)の絶縁構造を簡素化(沿面距離や空間距離を短縮)することができ、装置の小型化が図れる。
低電位直流電圧源VRが発生する電位は、イオンゲート制御部20に要求される耐高電圧設計が簡素化され、かつ、イオン源(14,15)、イオンチャンバ10およびイオン検出電極21にそれぞれ印加される第3、第1および第2の高電圧の絶対値を低減することのできる電位に設定する。
低電位直流電圧源VRが発生する電位の一例は、イオン移動度分析装置100が設置される施設から供給される真の接地電位に対して、プラスマイナス1000V程度以内である。
従来のイオン移動度分析装置では、イオンゲート制御部に10kV程度の高電位が印加されていたが、これに比べて1000V(1kV)の電位は十分に低く、これによりイオンゲート制御部20に要求される耐高電圧設計が簡素化される。
あるいは、低電位直流電圧源VRが発生する電位は、真の接地電位に対してプラスマイナス100V程度以下とすることもできる。イオンゲート制御部20をこのような低電位に設定することで、絶縁設計がより容易になり、一層の低コスト化が図れる。
さらに、低電位直流電圧源VRが発生する電位を、真の接地電位に対してプラスマイナス10V程度以下とすることもできる。この場合には、イオンゲート制御部20に使用する電子部品の耐圧性が不要となるため、低コストである一般的な電子部品を使用することができる。
または、低電位直流電圧源VRを廃止し、イオンゲート制御部20の電位をイオン移動度分析装置100が設置される施設から供給される真の接地電位に設定することもできる。この場合には、低電位直流電圧源VR自体を省略できるという利点がある。
なお、10kV程度の高電圧を扱うイオン移動度分析装置100においては、プラスマイナス1000V(1kV)程度以内の電位は、相対的に接地電位とみなして良い範囲である。よって、本明細書では、イオン移動度分析装置100が設置される施設から供給される真の接地電位からプラスマイナス1000V程度以内の電位を、接地電位と呼ぶ。
第1実施形態のイオン移動度分析装置100において、試料中のイオンを分析する動作を説明する。
第1実施形態のイオン移動度分析装置100では、分析対象の分子をイオン化するためのイオン化領域Aとイオンを分離して検出するためのドリフト領域Cとの間には、溶媒の気化が不十分な分析対象イオン(微小液滴イオン)に対し溶媒の気化を促進させる脱溶媒領域Bが設けられている。
不図示の液体クロマトグラフ装置(LC)で分離された成分を含む液体試料がAPCI用スプレーノズル15に到達すると、スプレーノズル15内の乾燥管による加熱と、ネブライズガスの助けを受けて液体試料は微小液滴としてイオンチャンバ10内のイオン化領域Aに噴霧される。イオンチャンバ10はヒートパイプ12によって高温(一般に150〜300℃程度)に加熱されているため、微小液滴に含まれる溶媒はさらに気化し、試料中の分析対象成分が気体分子となる。
針電極14の先端と図中左端の前段リング状電極16とのZ方向の間隔は数mm〜10mm程度であり、第3電圧源HV3から針電極14に印加される高電圧によって針電極14の先端には電場が集中し、針電極14からコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって針電極14の先端の周囲にある大気やドリフトチューブ11から流れて来た中性ガスなどがイオン化され、一次イオンが生成される。生成された一次イオンは、イオンチャンバ10内部の電場により、イオン化領域Aに移動する。
イオン化領域Aに達した一次イオンは、スプレーノズル15から射出された微小液滴の
液体試料、あるいはすでに脱溶媒された気体分子と反応してこれをイオン化し、これにより分析対象のイオンが生成される。従って、スプレーノズル15と針電極14は、イオン源であると解釈することができる。
なお、生成されるべき試料成分のイオンの極性は一次イオンの極性と同じであり、一次イオンの極性は針電極14への印加電圧の極性によって決まる。
したがって、分析対象であるイオンの極性に応じて第3電圧源HV3から針電極14へ印加されるべき電圧の極性が決定される。また、それに応じて、第1電圧源HV1および第2電圧源HV2の電圧の極性も変更される。
分析対象であるイオンが陽イオンの場合には、第1電圧源HV1にはプラスの高電圧を発生させ、第2電圧源HV2にはマイナスの高電圧を発生させる。分析対象であるイオンが陰イオンの場合には、第1電圧源HV1にはマイナスの高電圧を発生させ、第2電圧源HV2にはプラスの高電圧を発生させる。
イオン化領域A付近で生成された分析対象イオンは、前段リング状電極16に印加されている電圧により形成される電場の作用により、イオンゲート19の方向に移動する。イオン化領域Aでは、溶媒が完全には気化しない状態の、液滴を含有する分析対象イオンも生成され、気相の分析対象イオンとともに電場の作用によってイオンゲート19へと向かう。
上述のとおり、イオンチャンバ10、ドリフトチューブ11はヒートパイプ12、13によって200℃前後の温度に加熱されており、また、ドリフトチューブ11に流される中性ガスも、導入前に同程度の温度に加熱されている。そのため、液滴を含有する分析対象イオンも、脱溶媒領域Bを通過するときに高温の中性ガスに晒され、溶媒の気化が一層促進されて脱溶媒化し、気相の分析対象イオンとなる。
なお、脱溶媒領域Bにおいては、内部の電位ポテンシャルの勾配をイオンゲート19に近づくほど小さく設定することで、イオンゲート19が閉鎖状態であるときに該イオンゲート19に到達した分析対象イオンを、イオンゲート19の手前に滞留又は拡散させることもできる。この場合にも、滞留した分析対象イオンは、イオンゲート19が開放状態となった期間に、イオンゲート19を通過してドリフト領域Cに入る。このような電位ポテンシャルの勾配の設定は、複数の前段リング状電極16のそれぞれの間隔を調整することにより、あるいは第1分圧器24を構成する直列抵抗アレイ内の各電気抵抗25の大きさを調整することにより、行うことができる。
イオンゲート19は、イオンゲート制御部20からイオンゲート19を構成する2つの櫛形状電極に印加される電圧により、イオンが通過可能な開放状態とイオンの通過が阻止される閉鎖状態とを周期的に繰り返す。
イオンゲート19が開放状態である時間は分析対象イオンがイオンゲート19を通過した時点からイオン検出電極21に到達するまでに要するドリフト時間に比べて十分に短い。イオン移動度分析装置100は、イオンゲート19が開放状態であるタイミングを起点として、分析対象イオンがイオンゲート19からイオン検出電極21までのドリフトに要した時間を計測する。
図2(a)は、イオンゲート19およびイオンゲート制御部20の概要を表す図である。
イオンゲート19は、BNゲート(Bradbury-Nielsen gate)と呼ばれるもので、図中の同一XY平面内に電気的に絶縁されて配置された2つの櫛形状電極19a、19bを有している。以下では、2つの櫛形状電極19a、19bを、合わせて櫛形状電極対とも呼ぶ。櫛形状電極19a、19bのそれぞれは100μm程度の幅を有し、2つの櫛形状電極19a、19bが同一平面上で接触しないように配置されている。
櫛形状電極19a、19bのそれぞれには、低電位直流電圧源VRが出力する低電位(VR)に対して、イオンゲート制御部20内のパルス電圧発生装置20a、20bにより100V程度の所定の電位差が付加された電位V1、V2が印加される。
2つの櫛形状電極19a、19bの電位V1、V2が等しいと、イオンゲート19は開放状態となる。同一平面にある2つの櫛形状電極19a、19b間に電位差が印加され、イオンが+Z方向に通過することを妨げる電場が形成されると、イオンゲート19は閉鎖状態となる。
図2(b)は、イオンゲート19に印加する電圧の時間変化の一例を示す。t2で表される時間帯においては、櫛形状電極19aの電位V1がVR+ΔV/2で、櫛形状電極19bの電位V2がVR−ΔV/2であり、櫛形状電極19aと櫛形状電極19bに電位差ΔVが印加されており、イオンゲート19は閉鎖状態である。
一方、t1で表される時間帯においては、櫛形状電極19aの電位V1と櫛形状電極19bの電位V2はともにVRであり同電位であるため、イオンゲート19は開放状態である。
イオン移動度分析装置100は、分析対象イオンがイオンゲート19からイオン検出電極21までのドリフトに要した時間を計測して、分析対象イオンの分析を行う装置であるから、イオンゲート19の開放、閉鎖には、高精度な時間制御が要求される。
従来のイオン移動度分析装置においては、イオンゲートおよびその制御部には、10kV程度の高電圧が印加されており、制御部には高電圧耐性と高精度の動作が要求されていた。このため、制御部の構成は複雑にならざるをえず、高コスト化が避けられなかった。
第1実施形態のイオン移動度分析装置100では、イオンゲート制御部20は接地電位に保たれているため、電子回路に要求される高電圧耐性が従来の装置に比べて大幅に簡素化され、イオンゲート制御部20の簡素化および低コスト化が図れるという利点がある。
図2(c)は、イオンゲート19に印加する電圧の時間変化の他の例を示す。図2(b)の例と異なり、図2(c)の例では、櫛形状電極19aの電位V1と櫛形状電極19bの電位V2のうちの一方のみを制御することで、イオンゲート19の開閉を行う。すなわち、櫛形状電極19aの電位V1は常にVR+ΔVとし、櫛形状電極19bの電位V2のみをVRとVR+ΔVとの変化させることで、イオンゲート19の開閉を行う。
図2(c)の例では、イオンゲート19の開放するわずかな時間(t1)の間だけ、パルス電圧発生装置20bを駆動すればよいので、パルス電圧発生装置20a、20bの省電力化が図れる。
なお、イオンゲート19は、上述したBNゲートに限られるものではなく、2つの格子形状電極が図中のZ方向に離れて対向して配置された、いわゆるチンダルゲートを用いることもできる。以下では、チンダルゲートを構成する2つの格子形状電極を、合わせて格子形状電極対とも呼ぶ。チンダルゲートを用いた場合であっても、上述のBNゲートを用いた場合と同様に、イオンゲート制御部20が、チンダルゲートを構成する格子形状電極対に電位差を印加することによりイオンを遮蔽し、格子形状電極対に同電位を印加することによりイオンを通過させることができる。
イオンゲート19を通過した分析対象イオンは、ドリフト領域Cに形成されている電場により、ドリフト領域C内を移動してイオン検出電極21に至る。分析対象の各イオンは、ドリフト領域Cに満たされる中性ガスの内部での移動度がそれぞれ異なるので、各イオンによりドリフト領域Cの移動に要する時間が異なる。イオン検出電極21は、各時間に到達したイオンの量(電荷の量)に応じた電気信号を後続の検出回路28に伝える。検出回路28は検出電極21からの電気信号に対して、増幅、電流電圧変換、アナログ/デジタル変換、およびフィルター処理等の信号処理のうちの少なくとも1つを行う。
上述のとおり、第1の実施形態においては、イオン検出電極21には第2の高電圧が印加されている。従って、イオン検出電極21と電気回線で接続されイオン検出電極21からの電気信号を処理する検出回路28にも、絶縁破壊の防止のために第2の高電圧が印加されている、すなわち、第2の高電圧でフローティングされている。第1の実施形態においては、図1に示すとおり、検出回路28が構成されている回路基板29は第2電圧源HV2に接続され、第2の高電圧でフローティングされている。
検出回路28は、信号処理した信号を、さらに光信号に変換する回路を有している。検出回路28にて変換された光信号は、光ファイバ30を介して接地電位の下に設置された入力装置IFに送信される。そして、入力装置IFで再び電気信号に変換され、コンピュータ等のデータ処理装置PCに入力される。光ファイバ30は、電気的な絶縁材料であるので、第2の高電圧でフローティングされた検出回路28から、接地電位の下に設置された入力装置IFへ、電気的な絶縁状態を保ったまま光信号を送信することができる。
検出回路28から入力装置IFに送信される光信号は、アナログ信号であってもデジタル信号であってもよい。
また、検出回路28は、イオン検出電極21からの電気信号を、上述の光信号に限らず、RF周波数等の電波の信号や磁気信号に変換して入力装置IFへ送信する構成とすることもできる。光およびRF周波数等の電波は、いずれも電磁波に含まれる。
イオン検出電極21からの電気信号を、磁気信号に変換する場合には、例えば絶縁板を挟んで検出回路28側と入力装置IF側とに2つのコイルを設置し、検出回路28側のコイルに信号電流を流し、入力装置IF側のコイルに電磁誘導により電流を誘起させて送信することができる。これらの送信方法によっても、第2の高電圧でフローティングされた検出回路28から、接地電位の下に設置された入力装置IFへ、電気的に絶縁状態を保ったまま信号を送信することができる。
これらの、検出回路28、回路基板29、光ファイバ30、入力装置IFは、合わせて信号転送部SPと解釈することができる。
なお、以上の第1実施形態のイオン移動度分析装置100において、イオンチャンバ10とドリフトチューブ11とは、特に峻別されるべきものではない。第1実施形態においては、上述のとおりイオンチャンバ10とドリフトチューブ11は、同一内径の略円筒形状体であって一体化されているものとしている。上述の一体化された略円筒形状体のうち、イオンゲート19よりもスプレーノズル15側をイオンチャンバ10、イオンゲート19よりもイオン検出電極21側をドリフトチューブ11と解釈すればよい。
また、以上の第1実施形態のイオン移動度分析装置100において、ドリフトチューブ11内の電場の勾配にも変化を設けることもできる。ドリフトチューブ11内の電場の勾配は、複数の後段リング状電極17のそれぞれの間隔を調整し、または第2分圧器26を構成する直列抵抗アレイの各電気抵抗27の大きさを調整して設定すればよい。
また、直列抵抗アレイによる第1分圧器24および第2分圧器26に代えて、イオンチャンバ10およびドリフトチューブ11の側面部自体を分圧器として使用することもできる。この場合には、イオンチャンバ10およびドリフトチューブ11を高抵抗の導体で形成するか、またはそれらの内壁に高抵抗の導体部を形成しても良い。イオンチャンバ10およびドリフトチューブ11を、金属環と絶縁体の環の積層体としても良い。
(イオン移動度分析装置の第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態のイオン移動度分析装置100aを示す断面図である。上述の第1実施形態のイオン移動度分析装置100と共通する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態のイオン移動度分析装置100aでは、イオンチャンバ10内に分析対象イオンを供給するイオン源として、エレクトロスプレイイオン源(ESI)を用いる。すなわち、イオンチャンバ10の周面に、上述の第1実施形態のAPCI用スプレーノズル15に代えて、ESI35を設置している。
ESI35に、不図示の液体クロマトグラフ装置(LC)から供給される液体試料は、第4高電圧源HV4からESI35の先端の金属キャピラリー35aに印加されている高電圧による電場中を通過しつつ噴霧されることで、帯電した液滴となる。その帯電液滴が、ネブライザーガスによるせん断力や液滴表面におけるクーロン反発力により微細化され、さらに熱によって溶媒が気化する過程で、気相の分析対象イオンが生成される。
ここでは、ESI35からの液体試料の噴霧の方向を中心軸AXに対し直交する方向ではなく、中心軸AXに対し斜めに交差する角度でイオンゲート19に向く方向としている。これは、帯電液滴やそれから生成された分析対象イオンがイオンゲート19に向かって進むことを促進するためである。また、軸上配置しないことで、脱溶媒が不十分な場合に存在する帯電液滴が直接イオンゲートに付着し、装置の動作を不安定にすることを防ぐことも期待できる。
この第2実施形態のイオン移動度分析装置100aにおいても、上述の第1実施形態と同様にイオンゲート19は接地電位に維持されている
なお、イオンチャンバ10内に分析対象イオンを供給するイオン源として、大気圧光イオン化(APPI)によるイオン源を用いても良い。この場合には、上述の第1実施形態のイオン移動度分析装置100から針電極14および第3電圧源HV3を除き、代りにイオン化領域Aに対して、光(紫外線)を照射する光源を配置する。
(イオン移動度分析装置の実施形態の効果)
(1)以上の実施形態のイオン移動度分析装置は、Z方向(第1方向)に延びる内部空間を有するドリフトチューブ11と、Z方向(第1方向)に延びる内部空間を有しドリフトチューブ11に接続されるイオンチャンバ10と、ドリフトチューブ11とイオンチャンバ10との境界部に設置され接地電位に保たれているイオンゲート19と、イオンチャンバ10内にイオンを供給するイオン源(針電極14、APCI用スプレーノズル15、ESI35)と、ドリフトチューブ11内のイオンゲート19とは反対側に配置されているイオン検出電極21とを備えている。さらに、イオンチャンバ10に第1の高電圧を印加する第1電圧源HV1と、イオン検出電極21に第1の高電圧とは逆極性の第2の高電圧を印加する第2電圧源HV2と、イオン検出電極21からの信号を検出し接地電位下で動作するデータ処理装置PCに送信する信号転送部SPとを備えている。
このような構成としたので、イオンゲート19およびイオンゲート19を制御するイオンゲート制御部20が概ね接地電位となり、従来は必要であったイオンゲート制御部20の高電圧耐性構造、及びイオンゲート制御部に電力を供給するための絶縁電源を簡略化し、イオンゲート制御部20の低コスト化が図れるという効果がある。
さらに、イオン移動度分析装置の概ね中央部に位置するイオンゲートが概ね接地電位となるため、装置の両端に印加する高電圧の絶対値が従来に比べて概ね半減される。従来のイオン移動度分析装置では、放電防止のために、電極間に配置する絶縁体の沿面距離や電極間の空間距離を大きくとる必要があり、装置の小型化が困難であった。本実施形態ではイオンゲートを概ね接地電位にすることで、装置に印加する電圧が小さくなるため、放電防止のための構造が簡素化でき、装置の小型化が可能になる。
(2)さらに、信号転送部SPの少なくとも一部を第2の高電圧でフローティングされている構成とすることで、第2の高電圧が印加されているイオン検出電極21に電気的に接続される信号転送部SPを構成する電気回路(検出回路28)の絶縁破壊を防止できる。
(3)さらに、イオンチャンバ10の内部には、開口部を持つ前段リング状電極16がZ方向(第1方向)に複数並んで配置されるとともに、前段リング状電極16のそれぞれには第1の高電圧がイオンゲート19からの距離に応じて分圧された電圧が印加され、ドリフトチューブ11の内部には、開口部を持つ後段リング状電極17がZ方向(第1方向)に複数並んで配置されるとともに、後段リング状電極17のそれぞれには、第2の高電圧がイオンゲート19からの距離に応じて分圧された電圧が印加される構成とすることもできる。
この構成により、イオンチャンバ10およびドリフトチューブ11の内部で、分析対象イオンを効率良く移動(ドリフト)させることができる。
(4)(3)において、さらに、イオンゲート19とイオン源(14、15、35)との間には、少なくとも1つの前段リング状電極16が配置されている構成とするもできる。この構成により、イオン源とイオンゲート19の間にイオン輸送効率が高まるような電位差を設けることができ、イオン源からイオンゲート19まで、分析対象イオンを脱溶媒化しつつ効率良く移動させることができる。
(5)(3)または(4)において、さらに、イオン源はイオンチャンバ10内に分析対象である液体試料を噴霧する大気圧化学イオン化用スプレーノズル(試料噴霧部)15と、スプレーノズル15よりもイオンゲート19から離れた位置に配置され、第3の高電圧が印加される針電極14とを含む構成とすることができる。
この構成により、大気圧化学イオン化(APCI)により、分析対象イオンを効率良く生成することができる。
(6)さらに、信号転送部SPは、イオン検出電極21からの信号を電磁波信号に変換してデータ処理装置PCに送信する構成とすることにより、少なくとも一部に第2の高電圧が印加されている信号転送部SPからデータ処理装置PCへの信号の送信を簡便に行うことができる。
(7)さらに、イオンゲート19は、第1方向に直交する同一平面上に2つの櫛形状電極が電気的に接触しないように配置された櫛形状電極対、または第1方向に離れて対向した2つの格子形状電極が電気的に接触しないように配置された格子形状電極対であるすることもできる。そして、櫛形状電極対または格子形状電極対に所定の電位差を印加してイオンを遮蔽し、櫛形状電極対または格子形状電極対に等電位を印加してイオンを通過させるイオンゲート制御部を有する構成とすることもできる。この構成により、概ね接地電位に保たれているイオンゲート制御部20により、正確に、かつより簡素化してイオンゲート19を制御することができる。
上記では、種々の実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、各実施形態は、それぞれ単独で適用しても良いし、組み合わせて用いても良い。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
100,100a:イオン移動度分析装置、10:イオンチャンバ、11:ドリフトチューブ、12,13:ヒートパイプ、14:針電極、15:大気圧化学イオン化(APCI)用スプレーノズル、16:前段リング状電極、17:後段リング状電極、18:グリッド状電極、19:イオンゲート、20:イオンゲート制御部、21:イオン検出電極、24:第1分圧器、26:第2分圧器、28:検出回路、29:回路基板、30:光ファイバ、31,32:耐電圧カバー、35:ESI、VR:低電位直流電圧源、HV1:第1電圧源、HV2:第2電圧源、HV3:第3電圧源、HV4:第4電圧源、IF:入力装置、PC:データ処理装置

Claims (7)

  1. 第1方向に延びる内部空間を有するドリフトチューブと、
    前記第1方向に延びる内部空間を有し、前記ドリフトチューブに接続されるイオンチャンバと、
    前記ドリフトチューブと前記イオンチャンバとの境界部に設置され、接地電位に保たれているイオンゲートと、
    前記イオンチャンバ内にイオンを供給するイオン源と、
    前記ドリフトチューブ内の、前記イオンゲートとは反対側に配置されているイオン検出電極と、
    前記イオンチャンバに、第1の高電圧を印加する第1電圧源と、
    前記イオン検出電極に、前記第1の高電圧とは逆極性の第2の高電圧を印加する第2電圧源と、
    前記イオン検出電極からの信号を検出し接地電位下で動作するデータ処理装置に送信する信号転送部と、を備えるイオン移動度分析装置。
  2. 請求項1に記載のイオン移動度分析装置において、
    前記信号転送部の少なくとも一部は前記第2の高電圧でフローティングされている、イオン移動度分析装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のイオン移動度分析装置において、
    前記イオンチャンバの内部には、開口部を持つ前段リング状電極が前記第1方向に複数並んで配置されるとともに、前記前段リング状電極のそれぞれには、前記第1の高電圧が前記イオンゲートからの距離に応じて分圧された電圧が印加され、
    前記ドリフトチューブの内部には、開口部を持つ後段リング状電極が前記第1方向に複数並んで配置されるとともに、前記後段リング状電極のそれぞれには、前記第2の高電圧が前記イオンゲートからの距離に応じて分圧された電圧が印加される、イオン移動度分析装置。
  4. 請求項3に記載のイオン移動度分析装置において、
    前記イオンゲートと前記イオン源との間には、少なくとも1つの前記前段リング状電極が配置されている、イオン移動度分析装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載のイオン移動度分析装置において、
    前記イオン源は、
    前記イオンチャンバ内に分析対象である液体試料を噴霧する試料噴霧部と、
    前記試料噴霧部よりも前記イオンゲートから離れた位置に配置され、第3の高電圧が印加される針電極とを含む、イオン移動度分析装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のイオン移動度分析装置において、
    前記信号転送部は、前記イオン検出電極からの信号を、電磁波信号に変換して前記データ処理装置に送信する、イオン移動度分析装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のイオン移動度分析装置において、
    前記イオンゲートは、前記第1方向に直交する同一平面上に、2つの櫛形状電極が電気的に接触しないように配置された櫛形状電極対、または、前記第1方向に離れて対向した2つの格子形状電極が電気的に接触しないように配置された格子形状電極対であるとともに、
    前記櫛形状電極対または前記格子形状電極対に、所定の電位差を印加してイオンを遮蔽し、前記櫛形状電極対または前記格子形状電極対に等電位を印加してイオンを通過させるイオンゲート制御部を有する、イオン移動度分析装置。
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