JP2019210685A - 塔状構造物の解体方法 - Google Patents

塔状構造物の解体方法 Download PDF

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JP2019210685A
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裕子 関根
Hiroko Sekine
裕子 関根
法典 坂本
Norimichi Sakamoto
法典 坂本
拓己 金子
Takumi Kaneko
拓己 金子
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Abstract

【課題】低コストで作業安全性に優れた塔状構造物の解体方法を提供する。【解決手段】塔状構造物10の下部の側部の略同一高さの2箇所に係合部14を設けるステップと、係合部14の外側に対応する位置に回転用治具架台16を設けるステップと、塔状構造物10を吊持装置26で吊って、塔状構造物10の係合部14と回転用治具架台16の側部に設けられた係合部24の位置合わせを行うステップと、塔状構造物10の係合部14と回転用治具架台16の係合部24とを回転用係合軸30で回転自在に接続するステップと、吊持装置26で塔状構造物10を回転用係合軸30の軸線回りに回転させながら、塔状構造物10を倒すステップとを備えるようにする。【選択図】図4

Description

本発明は、例えば風車タワーなどの塔状構造物の解体方法に関するものである。
従来、風力発電用風車のタワーは、上下方向に数分割(例えば2または3分割)したタワー要素を、ボルトで上下に連結したものが広く用いられている。こうした既設のタワーを解体して撤去する場合には、クレーン等でタワーを吊持した状態でボルトを外す作業を行っていた。
一方、従来の塔状構造物の解体方法として、例えば特許文献1〜4に記載の技術が知られている。特許文献1は、折り曲げる動作を繰り返して塔状構造物を解体するものである。特許文献2は、高圧水で壁体を切断撤去する動作を繰り返して塔状構造物を解体するものである。特許文献3は、塔状構造物の下部にあけた開口に貫通梁を通し、ジャッキで貫通梁を上昇させて塔状構造物を吊り上げ、塔状構造物の下部を切断撤去する動作を繰り返して塔状構造物を解体するものである。特許文献4は、塔状構造物の左右両側に設けた軸受に、塔状構造物の下端部を貫通させた軸を取り付けるとともに、ジャッキから送出されるワイヤロープの先端を塔状構造物の重心上方に取り付け、ジャッキでワイヤロープを伸縮調整させて、塔状構造物を傾倒方向に横倒して解体するものである。
国際公開第2016/092609号公報 特開2017−197971号公報 特開2016−199960号公報 特開2000−213183号公報
しかしながら、上記の従来の特許文献1〜3に記載の方法は、解体までに多大な時間を要し、作業コストが増大するおそれがある。また、上記の従来の特許文献4に記載の方法は、複雑な装置を用いるとともに作業手順が複雑なため作業コストが増大するおそれがある。また、上記のクレーンで吊持した状態でボルトを外すことによる解体方法についても、多大な時間を要するため作業コストが増大するおそれがある。また、ボルトを外すために高所作業が発生するという問題もある。このため、低コストで作業安全性に優れた解体方法が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低コストで作業安全性に優れた塔状構造物の解体方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る塔状構造物の解体方法は、既設の塔状構造物を解体するための方法であって、塔状構造物の下部の側部の略同一高さの2箇所に係合部を設けるステップと、塔状構造物の係合部の外側に対応する位置に回転用治具架台を設けるステップと、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の側部に設けられた係合部の位置合わせを行うステップと、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の係合部とを回転用係合軸で回転自在に接続するステップと、吊持装置で塔状構造物を回転用係合軸の軸線回りに回転させながら、塔状構造物を倒すステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法は、上述した発明において、塔状構造物を倒した後、塔状構造物に取り付けられているボルトを取り外すステップ、または、塔状構造物を切断もしくは破砕するステップをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法は、上述した発明において、塔状構造物の下部の側部の2箇所に設けられる係合部は、塔状構造物の塔軸の軸心を通る同一水平線上に位置することを特徴とする。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法は、上述した発明において、塔状構造物の下部の同一水平線上に位置する2箇所に軸受穴を設けた後、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の軸受穴と回転用治具架台を水平方向に貫通して設けられた軸受穴の位置合わせを行い、回転用治具架台の軸受穴から塔状構造物の軸受穴に回転用係合軸を通して双方を回転自在に接続することを特徴とする。
本発明に係る塔状構造物の解体方法によれば、既設の塔状構造物を解体するための方法であって、塔状構造物の下部の側部の略同一高さの2箇所に係合部を設けるステップと、塔状構造物の係合部の外側に対応する位置に回転用治具架台を設けるステップと、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の側部に設けられた係合部の位置合わせを行うステップと、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の係合部とを回転用係合軸で回転自在に接続するステップと、吊持装置で塔状構造物を回転用係合軸の軸線回りに回転させながら、塔状構造物を倒すステップとを備えるので、従来の方法と比較して簡単かつ低コストで塔状構造物を解体することができる。また、高所作業が発生しないので作業安全性にも優れている。したがって、低コストで作業安全性に優れた塔状構造物の解体方法を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法によれば、塔状構造物を倒した後、塔状構造物に取り付けられているボルトを取り外すステップ、または、塔状構造物を切断もしくは破砕するステップをさらに備えるので、地上の作業でボルトを取り外したり、切断、破砕することができ高所作業を要しない。したがって、作業安全性に優れるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法によれば、塔状構造物の下部の側部の2箇所に設けられる係合部は、塔状構造物の塔軸の軸心を通る同一水平線上に位置するので、塔状構造物は水平線回りに傾倒する。このため、傾倒作業時の吊持操作を容易に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法によれば、塔状構造物の下部の同一水平線上に位置する2箇所に軸受穴を設けた後、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の軸受穴と回転用治具架台を水平方向に貫通して設けられた軸受穴の位置合わせを行い、回転用治具架台の軸受穴から塔状構造物の軸受穴に回転用係合軸を通して双方を回転自在に接続するので、塔状構造物の軸受穴と回転用治具架台の軸受穴の接続を容易に行うことができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る塔状構造物の解体方法の実施の形態のステップ1を示す図である。 図2は、本発明に係る塔状構造物の解体方法の実施の形態のステップ2を示す図である。 図3は、本発明に係る塔状構造物の解体方法の実施の形態のステップ3を示す図であり、(1)は正面図、(2)はA−A線に沿った断面図である。 図4は、本発明に係る塔状構造物の解体方法の実施の形態のステップ4を示す図である。 図5は、本発明に係る塔状構造物の解体方法の実施の形態のステップ5を示す図である。
以下に、本発明に係る塔状構造物の解体方法の実施の形態について、既設の風車タワーを解体する場合を例にとり図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、略円柱状の風車タワー10(塔状構造物)が風車基礎12の上に立設している。風車基礎12は地盤G内に設けられ、風車タワー10は地面GLから出ている。本実施の形態では、複数のタワー要素が上下方向にボルトで連結した鋼製の風車タワーを想定しているが、本発明はこれに限るものではなく、例えばコンクリート製の風車タワーであってもよい。
この風車タワー10を解体するために、まず、風車タワー10の下部の前後(側部)の2箇所に、凹状に窪んだ穴14(係合部、軸受穴)をあける。この2箇所の穴14は、風車タワー10の柱軸Z(塔軸)の軸心を通る同一水平線上に位置する。穴14は風車タワー10を水平方向に貫通する穴として形成してもよい。
次に、図2に示すように、穴14の外側、つまり風車タワー10の下部の前後両サイドに回転用治具架台16を設ける。この回転用治具架台16は、側面視で略三角形状の鋼製またはコンクリート製の架台であり、地面GLに接地する台座18と、台座18上に固定した柱部20と、台座18の左右端部と柱部20の上端部を連結する補強部22とからなる。柱部20の上側には、水平方向に貫通した貫通穴24(係合部、軸受穴)が設けられている。
次に、図3に示すように、クレーン26(吊持装置)のワイヤーロープ28を風車タワー10の上部に掛けて風車タワー10を吊持し、風車タワー10と風車基礎12とを連結するボルト等を取り外す。これにより風車タワー10と風車基礎12との連結が解かれる。続いて、クレーン26で風車タワー10を吊り上げ、風車タワー10の穴14と、回転用治具架台16の貫通穴24との位置合わせを行う。
位置合わせが済んだら、両サイドの回転用治具架台16の貫通穴24から回転用棒30(回転用係合軸)をそれぞれ通し、その先端を風車タワー10の2箇所の穴14に入れ込む。これにより、風車タワー10の2箇所の穴14と、両サイドの回転用治具架台16の貫通穴24とが両側2本の回転用棒30で軸線X回りに回転自在に接続される。本実施の形態では、貫通穴24から回転用棒30を挿し込めばよいので、穴14と貫通穴24の接続を容易に行うことができる。
なお、穴14を貫通穴として形成した場合には、片側の回転用治具架台16の貫通穴24から1本の回転用棒30を挿し入れて、その先端側を穴14と反対側の回転用治具架台16の貫通穴24とに挿通配置してもよい。
次に、図4に示すように、クレーン26のブーム26Aの長さを調整して、風車タワー10を回転用棒30の軸線X回りに回転させながら、風車タワー10を傾倒する。ここで、軸線Xは穴14と貫通穴24を繋ぐ水平線であることから、風車タワー10は水平線回りに傾倒する。このため、クレーン26の吊持操作を容易に行うことができる。
その後、図5に示すように、風車タワー10を地面GLに横倒しにする。ここで、横倒しにする地面GLの上にあらかじめ複数の受材32を配置しておき、これらの上に風車タワー10を横倒しにするようにすることが望ましい。このようにすれば、後工程の風車タワー10の解体作業が容易になる。
最後に、ワイヤーロープ28の吊り具を風車タワー10の上部から取り外す。また、風車タワー10の各タワー要素を連結するボルトを取り外し、複数のタワー要素に分割する。分割したタワー要素は車両等で運搬撤去する。
このように、本実施の形態の解体方法によれば、回転治具架台16を使用することで、既設の風車タワー10をタワー要素に分割することなく、1本のまま横倒しにして撤去することができる。このため、従来の方法と比較して簡単に風車タワー10を解体することができる。また、風車タワー10を横倒しにするまでに多大な時間を要しないので、作業コストを抑制することができる。さらに、地上の作業でタワー要素を連結するボルトを取り外すことができ、高所作業が減るので作業安全性にも優れている。したがって、本実施の形態によれば、低コストで作業安全性に優れた塔状構造物の解体方法を提供することができる。
上記の実施の形態においては、風車タワー10の下部や回転治具架台16に設ける係合部(穴14、貫通穴24)が軸受穴として機能する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、風車タワー10の下部の側部と、回転治具架台16の側部とに互いに向けて突出する軸部を設け、双方の軸部を、両端に軸受穴を有する回転用係合軸で回転自在に連結してもよい。この場合、回転用係合軸は風車タワー10と回転治具架台16の間から挿入配置するため、軸方向に伸縮可能な構造のものを用いる。このようにしても上記と同様の作用効果を奏することができる。また、風車タワー10の下部の側部と、回転治具架台16の側部のいずれか一方に軸部を、他方に軸受穴を設けておき、これら軸部と軸受穴を、一端に軸受穴を有して他端に軸部を有する回転用係合軸で回転自在に連結してもよい。このようにしても上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施の形態においては、風車タワー10に穴14を設け、その後、その外側に回転用治具架台16を設ける場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、穴14の外側に対応する位置に回転用治具架台16をあらかじめ設けておき、その後、風車タワー10に穴14を設けてもよい。このようにしても上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施の形態においては、風車タワー10に設ける2箇所の穴14が同一水平線上に位置する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、水平線から若干斜めに傾いた略同一高さに2箇所の穴14を設けるとともに、それに対応する位置に回転用治具架台16を設け、双方を回転用棒30で接続してもよい。このようにしても、クレーン26で風車タワー10を地面GLに傾倒することができる。
以上説明したように、本発明に係る塔状構造物の解体方法によれば、既設の塔状構造物を解体するための方法であって、塔状構造物の下部の側部の略同一高さの2箇所に係合部を設けるステップと、塔状構造物の係合部の外側に対応する位置に回転用治具架台を設けるステップと、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の側部に設けられた係合部の位置合わせを行うステップと、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の係合部とを回転用係合軸で回転自在に接続するステップと、吊持装置で塔状構造物を回転用係合軸の軸線回りに回転させながら、塔状構造物を倒すステップとを備えるので、従来の方法と比較して簡単かつ低コストで塔状構造物を解体することができる。また、高所作業が発生しないので作業安全性にも優れている。したがって、低コストで作業安全性に優れた塔状構造物の解体方法を提供することができる。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法によれば、塔状構造物を倒した後、塔状構造物に取り付けられているボルトを取り外すステップ、または、塔状構造物を切断もしくは破砕するステップをさらに備えるので、地上の作業でボルトを取り外したり、切断、破砕することができ高所作業を要しない。したがって、作業安全性に優れている。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法によれば、塔状構造物の下部の側部の2箇所に設けられる係合部は、塔状構造物の塔軸の軸心を通る同一水平線上に位置するので、塔状構造物は水平線回りに傾倒する。このため、傾倒作業時の吊持操作を容易に行うことができる。
また、本発明に係る他の塔状構造物の解体方法によれば、塔状構造物の下部の同一水平線上に位置する2箇所に軸受穴を設けた後、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の軸受穴と回転用治具架台を水平方向に貫通して設けられた軸受穴の位置合わせを行い、回転用治具架台の軸受穴から塔状構造物の軸受穴に回転用係合軸を通して双方を回転自在に接続するので、塔状構造物の軸受穴と回転用治具架台の軸受穴の接続を容易に行うことができる。
本実施例では風車タワーの場合の解体方法について説明したが、他の塔状構造物の場合、例えばコンクリート製煙突のようなものでは、塔状構造物を倒した後、その状態で切断や破砕を行うことで同様な効果が期待できる。さらに、本実施例のような場合でも、塔状構造物を倒した後、その状態で切断や破砕を行うことも可能である。
以上のように、本発明に係る塔状構造物の解体方法は、風力発電用風車を支持する既設のタワーなどの塔状構造物を低コストで解体するのに有用であり、特に、解体作業の安全性を高めるのに適している。
10 風車タワー(塔状構造物)
12 風車基礎
14 穴(係合部、軸受穴)
16 回転用治具架台
18 台座
20 柱部
22 補強部
24 貫通穴(係合部、軸受穴)
26 クレーン(吊持装置)
26A ブーム
28 ワイヤーロープ
30 回転用棒(回転用係合軸)
32 受材
G 地盤
GL 地面
X 軸線
Z 柱軸

Claims (4)

  1. 既設の塔状構造物を解体するための方法であって、
    塔状構造物の下部の側部の略同一高さの2箇所に係合部を設けるステップと、塔状構造物の係合部の外側に対応する位置に回転用治具架台を設けるステップと、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の側部に設けられた係合部の位置合わせを行うステップと、塔状構造物の係合部と回転用治具架台の係合部とを回転用係合軸で回転自在に接続するステップと、吊持装置で塔状構造物を回転用係合軸の軸線回りに回転させながら、塔状構造物を倒すステップとを備えることを特徴とする塔状構造物の解体方法。
  2. 塔状構造物を倒した後、塔状構造物に取り付けられているボルトを取り外すステップ、または、塔状構造物を切断もしくは破砕するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の塔状構造物の解体方法。
  3. 塔状構造物の下部の側部の2箇所に設けられる係合部は、塔状構造物の塔軸の軸心を通る同一水平線上に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の塔状構造物の解体方法。
  4. 塔状構造物の下部の同一水平線上に位置する2箇所に軸受穴を設けた後、塔状構造物を吊持装置で吊って、塔状構造物の軸受穴と回転用治具架台を水平方向に貫通して設けられた軸受穴の位置合わせを行い、回転用治具架台の軸受穴から塔状構造物の軸受穴に回転用係合軸を通して双方を回転自在に接続することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の塔状構造物の解体方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP4230799A1 (en) 2022-02-18 2023-08-23 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Cutting method, disassembly method, repair method, and operation method

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