JP2019209796A - 運行計画の評価システムおよび評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】列車運行計画を評価しようとする場合において、列車運行に関わるステークホルダーごとに優先したい評価観点がさまざまに異なる中で、それら評価観点を総合した評価を導く必要がある。さらにその総合的な評価において、列車運行計画の中のどの部分を特に改善する必要があるのか示すことが求められる。また、列車運行上突発的に発生しうる輸送障害に対するロバスト性も含めた評価とすることが求められる。【解決手段】運行計画データを部分要素に分解する分解部203と、部分要素の評価値を算出する部分要素評価部205と、評価値それぞれを重み付けした上で結合し全体評価値を算出する部分評価値結合部207と、算出した全体評価値と、この全体評価値とは別の評価値との比較から部分評価値結合部207での算出方法を修正する算出方法修正部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、運行計画の好適性を評価する技術に関する。
列車に代表される運行計画を作成または変更しようとする場合、乗客流動の需要との整合、車両検査計画との整合、輸送収益の最大化、消費エネルギーの抑制・ピーク均一化など、さまざまな観点を同時に考慮する必要がある。このようなさまざまな観点をどのように考慮して運行計画の作成や変更を行うかは、熟練した人間の経験や感覚に基づく判断に頼っている場合が多い。しかしながら、人間の感覚では考慮しきれないような広い選択肢からの最適解の探索や、計画作成・変更を行う担当者(以下、指令員)の熟練度に依らない均質な判断を実現するためには、運行計画の作成/変更の定式化・自動化が必要である。運行計画の作成や変更の定式化・自動化を考える上では、まず与えられた運行計画の良し悪しを定量的に評価できることが求められる。
このような運行計画の良し悪しの評価として、例えば特許文献1では、列車運行に必要なエネルギーに基づいて評価する方法が考案されている。さらに特許文献2では、実際の列車運行が当初運行計画からどの程度乖離したかを、絶対遅延時間、駅毎遅延時間、列車間隔不良本数、追越余裕不良本数、払戻しコスト、運行中止列車数、顧客迷惑度等のさまざまな観点から評価し、これらの各評価値を正規化して尺度を揃え、一斉に可視化する方法が考案されている。また特許文献3では、さまざまな観点で運行計画を評価する仕組みを備え、さらにその各観点の評価値をどのようなバランスで考慮するかをユーザーが指定することで、運行計画に変更が必要か否かを判断する方法が示されている。
特開2014-156232号公報 特開平07-132830号公報 特開2014-210530号公報
しかしながら、これらの方法は、実際の運行計画の作成/変更判断を行う場面において生じうる大きな問題に対する解決策を何ら提示していない。それは、運行計画の作成/変更判断を行おうとする場合、特許文献2や特許文献3が挙げたようなさまざまな運行計画の評価観点が存在するが、運行計画の作成/変更判断に関わるステークホルダーもまた、複数存在するという点である。列車運行計画の場合で言えば、オペレーションセンターにいる指令員、駅で利用客と直に対面している駅員、車両基地において車両の整備や点検、清掃を行っている作業員、実際に列車に乗車している乗務員などが挙げられる。また、一口に指令員といっても、輸送サービスとしての列車運行計画を管掌する担当者、車両の運用を管掌する担当者、乗務員の運用を管掌する担当者、設備の運用や保守を管掌する担当者など、さまざまなステークホルダーが混在している。これらのステークホルダーは、それぞれが立場に応じて優先したい評価観点を持っている。場合によっては、各ステークホルダーが優先したい評価観点間で、同じ運行計画に対する評価が異なる可能性もあるが、仮にそのような場合でも、最終的にはすべてのステークホルダーが妥協できる単一の運行計画を見出さなければならない。
この意味で、特許文献1は単一の評価観点しか考慮しておらず、また特許文献2の方法では、さまざまな評価観点を等しい尺度で可視化することはできても、それらをどのように組み合わせて運行計画全体を評価するかについては触れられていない。特許文献3では複数の評価観点の重みを考慮して全体の評価を行うことができるが、肝心の重み付けについては人間の判断に頼る構成となっている。
また別の課題として、運行計画の変更を実行していくためには、運行計画内のどの部分に特に改善の必要があるかという、要改善箇所の特定が必要であり、特に対象とする路線規模や列車種別が複雑になればなるほど、与えられた運行計画のどこから手を付ければよいかという判断は大きな課題となる。しかしながら特許文献1〜3の方法は、いずれもこの課題に触れていない。
さらに別の課題として、列車運行においては、事前に予期することが難しいが、運行に対して大きな影響を与える事象が発生しうる。例えば、突発的な車両故障や設備故障、線路内人立入り等による遅延や運転見合わせなどの輸送障害が該当する。このような、いつ発生するか事前に分からない事象に対して、与えられた運行計画がどの程度のロバスト性を有しているかについても、安定した運行を実現する上で重要な尺度であるが、上記の特許文献では特に触れられていない。
本発明はこれらに鑑みてなされたものであり、その目的は、さまざまな評価観点をふまえた好適な運行管理評価を提供することにある。
本発明の提案する運行計画の評価システムは、運行計画データを部分要素に分解する分解部と、前記部分要素の評価値を算出する部分要素評価部と、前記評価値それぞれを重み付けした上で結合し全体評価値を算出する部分評価値結合部と、前記全体評価値と、前記全体評価値とは別の評価値との比較から前記部分評価値結合部での算出方法を修正する算出方法修正部とを備える。
本発明によれば、さまざまな評価観点をふまえた好適な運行管理評価を提供できる。
運行計画評価システムのシステム構成の一例を表すブロック図である。 運行計画評価システムの機能構成の一例を表すブロック図である。 運行計画評価システムにおける、運行計画の部分評価処理の一例を表す処理フローである。 運行計画評価システムにおける、運行計画の部分評価処理の他の例を表す処理フローである。 運行計画評価システムにおける、ロバスト性の観点に基づく運行計画の部分評価処理の一例を表す処理フローである。 運行計画評価システムが、教示データに従って評価の仕組みを自動的に変更する場合の機能構成の一例を表すブロック図である。 運行計画評価システムが、与えられた運行計画のうち特に改善が必要な箇所を抽出する処理の一例を表す処理フローである。 運行計画評価システムが、与えられた運行計画のうち特に改善が必要な箇所をユーザーに対して提示する画面デザインの一例である。 運行計画評価システムが、システムの評価結果に対するユーザーからのフィードバックに応じて、運行計画評価のパラメータを調整する処理の一例を表す処理フローである。
以下説明する実施例の列車運行計画評価方法によれば、運行計画全体を、立場が異なるステークホルダー間であっても評価の合意を得やすい部分に分解し、部分ごとに評価を行う。それら部分ごとの評価値を結合して運行計画全体の評価値を得るが、その結合の仕方に対して、機械学習に代表されるような、規則性を反復的に学習する方法を用いることで、部分の評価と全体の評価との関係性を、継続的に改善可能な仕組みの中で自動的に判断する。また、全体評価の根拠となっている部分評価に立ち返ることで、運行計画の中で特に改善が必要な箇所を特定し提示する。さらに、部分評価の1つとして運行計画上の余裕度(余分に与えられた停車時分や列車間隔、予備編成や予備乗務員の配置数等)を計ることで、その計画のロバスト性を考慮可能とする。
本発明によれば、与えられた運行計画の良し悪しを、さまざまな評価観点を総合的に考慮して定量的に示すことができ、運行計画に変更が必要であるか否かの判断に利用することができる。この効果は、運行計画の部分評価観点を多数用意できること、および部分評価値結合の計算方法を修正する際に、模範的な全体評価値を再現するようにしたことにより得られる。この模範評価として、複数のステークホルダーの要求が適切に整合されるものを用いれば、結果的にさまざまな評価観点を総合的に考慮した結合式を得ることができるからである。
また、運行計画の中でどの部分に最も改善の必要があるかを示すことによって、運行計画変更の着手点を示すことができる。これにより、運行計画変更を検討する場合の選択肢を効率的に枝刈りすることができる。さらに、運行計画におけるロバスト性を考慮することで、輸送障害が発生した場合でも乱れにくい/当初計画に戻しやすい運行計画を選択することができる。
なお、以下では専ら鉄道における運行計画の評価について述べるが、各方法は、航空機やバスなどの他の輸送機関の運行計画や、工場における製品製造計画など、さまざまな評価観点を複合的に組み合わせて計画を作成/変更する必要のあるシステムに対して広く適用できるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明を実現する運行計画評価システムの構成例である。運行計画評価システムは、運行計画評価装置101、運行計画取込み装置102、運行計画評価結果表示装置103が、ネットワーク110によって接続されて構成される。運行計画評価装置101は汎用の計算機であり、その内部に運行計画評価プログラム104と、そのプログラムが使用する運行計画評価のための各種データ105を有する。運行計画取込み装置102は、運行計画を外部から取り込むための装置であり、運行計画を保存した保存媒体の読取装置である。なお、運行計画取込み装置によって運行計画を取り込む代わりに、運行計画を有するシステム(運行計画作成システム、運行管理システム等)からネットワークを通じて運行計画を受領する仕組みとしても良い。運行計画評価結果表示装置103は、ディスプレイ106およびそこに表示する画面情報を生成するためのプログラム107、および入力装置108およびそこからの入力情報を処理するためのプログラム109から成る。ここで入力装置108は計算機用の汎用的な入力装置、例えばマウスやキーボード、タッチパネル等である。なお、ここでは運行計画評価装置101、運行計画取込み装置102、運行計画評価装置101が独立した装置としてネットワークで接続されている例を示したが、これはあくまでも一例であり、これらの装置が持つ機能を単一の計算機にまとめる構成としても良い。また、運行計画評価システムの評価結果を人間が確認する必要が無い場合(例えば、運行計画変更を自動立案するシステムに直接評価結果を渡す場合)は、運行計画評価結果表示装置103は設けなくても良い。
図2は、運行計画の評価を行うための機能構成例である。運行計画評価システムにおいて、まず運行計画データ201が、運行計画データ入力部202によってシステムに取り込まれる。次に、部分要素分解部203が、システムの保有するデータである分解ルール204に従って、運行計画を部分要素に分解する。続いて、部分要素評価部205が、システムの保有する評価式206に従って、分解された各部分要素の評価値を計算する。
各部分要素の評価値が計算できたら、部分評価値結合部207が、システムの保有する結合式208、およびシステムの保有する重み付けパラメータ群209を元に部分評価値を結合させ、運行計画全体の評価値を算出する。さらに、要改善箇所特定部210が、各部分要素の運行計画全体の評価値への寄与を調べることで、運行計画全体の中で特に改善が必要な箇所を特定する。このように特定された運行計画全体の評価値および特に改善が必要な箇所を元に、評価結果出力部211が評価結果212を出力する。
さらに、運行計画評価システムの評価基準を調整したい場合には、システムが出力した評価結果212を、調整を行う担当者213が確認し、調整担当者自身の判断による評価値214をシステムに入力する。重み付けパラメータ変更部215は、この外部からの入力を受け付ける評価値入力受付部を備え、システムの評価結果212と調整担当者による評価結果214を元にして、それらの差が無くなるように、重み付けパラメータ群209に含まれるパラメータを変更する。
図3には、運行計画の部分評価の一例として、単一の列車をその旅程に沿って評価する場合のフローを示す。図3に示す処理において、運行計画評価システムは、対象となる列車単位での運行計画を取得301し、さらにその列車の走行区間単位での運行計画を取得302する。取得された列車の取得された走行区間について、その区間における混雑率の評価303、走行時分の評価304、消費エネルギーの評価305を実行する。これらの評価を行う際は、予め基準値となる値を設定しておき、その値からの乖離度合いを算出する方法が考えられる。なお、図3はあくまでも一例であり、評価値を機械的に算出可能な評価観点および方法であれば、図3に挙げた以外の観点や算出方法を使用しても構わない。以上のような処理を対象となる列車および対象となる走行区間に対して反復することにより、運行計画に含まれる列車1つずつについての評価値を算出する。
なお、上記のような観点で評価を行うためには、過去の運行実績に関する統計データを用いることも効果的である。すなわち、過去に同様の条件下で走行した列車の実績を元に、統計的に見て期待される混雑度・走行時分・消費エネルギー等を当該列車の運行計画と比較することで、評価値の算出を行う。この場合、運行計画評価システムは、図2の機能構成に加えて、過去の運行実績データの保持部、および部分評価の基準値を生成するための統計処理部を設ける。あるいは、予想される旅客人員数や気象条件等を元に、当該列車の運行のシミュレーションを行い、シミュレーション結果に基づいて評価値を算出しても良い。この場合、運行計画評価システムは、図2の機能構成に加えて、運行計画のシミュレーションを実行する機能を備える。いずれにせよ、評価値を機械的に算出できる仕組みであれば利用可能である。
図4には、運行計画の部分評価の他の例として、編成間での走行距離の偏りを評価するフローを示す。この場合では、例えば運行計画の中で、編成によって稼働率が大きく異なると、車上機器の磨耗度に差が生まれるなど、リソース管理上の不都合が生じる可能性が高いため、編成間での走行距離の偏りが少ない状態を好適とみなして評価することが想定される。
図4に示す処理において、運行計画評価システムは、まず評価対象とする期間を設定401する。次に、運行計画に含まれる各編成について、走行距離を取得してその情報を保持402する。次に、保持された各編成の情報を元に、統計的な処理403(具体的には、平均値の算出および分散の算出などが挙げられる)を実行する。算出された編成走行距離についての統計情報を元にして、運行計画に含まれる各編成の、走行距離の統計的な観点での偏り具合(具体的には、偏差値の算出を行うことが考えられる)を算出404する。なお、図4もまたあくまでも一例であり、図3の場合と同じように、他の部分評価観点や他の部分評価値算出方法を用いても良い。
図3や図4に挙げたような部分評価は、ステークホルダーの置かれた立場によってどの程度重要視するかは異なるものの、その部分要素単体で見た場合には、評価値に対する合意が比較的得やすいものと考えられる。このため、本実施例における運行計画の部分評価は、定められた評価方法206に従って機械的に進めることができる。
図5には、運行計画のロバスト性に関する部分評価の例として、駅における番線占有状況を評価するフローを示す。ある駅において、考慮対象とする期間内において全ての番線が占有されている時間が長いとすると、例えば運行乱れによって予定に無かった列車を急遽収容しようとしても、収容する先が無く、当該列車が機外停止したり、進路のデッドロックが発生したりするリスクが高まる。したがって、番線占有率が高い状況が長時間続くことは、運行計画のロバスト性の観点で好ましくないと言える。
図5に示す処理において、運行計画評価システムは、はじめにロバスト性を評価する期間を設定501する。これは、運行計画の検討者が必要であると判断する期間を設定する。次に、各駅の各番線を、その駅に対する進入方面およびその駅からの進出方向によってグルーピング502する。これは、その駅の配線構造などにしたがって自動的に決定しても良いし、運行管理者が手動で設定しても良い。続いて、グルーピングされた各駅の各番線グループについて、運行計画をもとに、そのグループに含まれる番線が占有される時間帯を洗い出してリスト化503する。洗い出された番線グループ使用状況を元に、その番線グループの占有率が規定以上となっている状態を探し出し、その状態が継続する時間の長さを評価504する。なお、ここでの規定値は、その路線の運行形態上、避けたいと判断される番線グループ占有率を予め設定しておくことが想定される。
なお、運行計画のロバスト性の評価の観点としては、図5に挙げた番線占有状況以外に、各列車の各種時分(停車時分、折返し時分、駅間走行時分等)や列車間の続行時隔における余分量の大小、基地に配置された予備編成や乗務員区所にある予備人員等のリソースのうち、現在の計画で既に使用されているリソースの割合、等、遅延が発生した場合の回復のための余力や、将来的な運行計画変更のためのリソースの残存具合を評価観点とすることができる。いずれにせよ、ロバスト性の評価は、そもそも「発生するかどうか分からない」事象に対する評価であるため、図5に挙げたような、ロバスト性を考慮する期間、番線占有率が「高い」と判断する基準値なども含めて、予め検討し設定しておく必要がある。具体的には、対象となる路線の特性(運行本数、運行形態、線形等)を元に考慮したいリスクの分析を行い、そのリスク分析結果に応じて、ロバスト性として考慮すべき観点およびその評価基準を設定する。
部分評価の観点としては、図2〜5に挙げたものに限らず、考慮に含めたい観点を任意に設定すれば良い。あるいは、図6に示すように、さまざまな運行計画の例を教示データとして与え、機械学習によってそれらの教示データに含まれる規則性を運行計画評価システムが自ら学習し、部分評価の観点および評価尺度を自動的に設定・編集しても構わない。図6では、図2と同様にして運行計画データ入力部が取り込んだ教示データとしての運行計画データ201に対して、特徴量抽出部601が規則性を分析・学習し、学習された特徴量に基づいて、分解ルール204、評価式206、結合式208、重み付けパラメータ群209のうち必要なものを変更する。前述のロバスト性の考慮に関しても、さまざまな運行計画あるいはリスク分析の教示例に基づいて、運行計画評価システムが自らパラメータ(例えば、評価する期間や、考慮する事象の種類)を学習する仕組みとしても良い。
以上のようにして実行された部分評価による部分要素iの評価値viを、式(1)のようにして重み付けを持って結合させ、運行計画全体の評価値Vallを得る。
Figure 2019209796
ここで、重み付けのパラメータ群ωiを決定する必要があるが、ここには例えば機械学習を用いることができる。すなわち、教示データとなる運行計画を与えれば、その教示データにおける部分評価値viと全体評価値Vallの関係性を再現できるよう、パラメータ群ωiを決定する。
ここで、部分評価値viは図2〜5に挙げたような方法で、与えられた運行計画から機械的に算出できる。与えられた運行計画における全体評価値Vallについては、熟練の人間が経験的・感覚的に下した評価値を与える方法が考えられる。この場合のパラメータ群ωiの機械学習は、熟練の人間の感覚をシステムによって再現しようとすることを意味する。あるいは、人間が総合的に良いと判断する運行計画と、総合的に悪いと判断する運行計画をそれぞれ多数集め、そのグループ分けを再現できるようにパラメータ群ωiを調整しても良い。また、すべての部分評価値を単一のスカラー量にまとめることはせず、結合可能なもの同士のみを結合させた多次元のベクトル量として採用しても良い。
また、部分評価値の結合において、式(1)のような直接的な結合に代えて、多階層の結合によって全体評価値を算出する式(2)のような仕組みを用いても良い。
Figure 2019209796
さらに、式(2)において階層間の評価値の伝播を計算する際に活性化関数を用いる等の処理を加えれば、深層学習の定式化として扱うことができ、世の中で広く知られた深層学習の手法を適用してパラメータ群を決定することができる。
いずれにせよ、パラメータ群{Ωi, ωk ij}は与えられた教示データに従ってシステムに学習させれば良く、教示データが追加されるのに合わせて継続的に調整することができる。
次に、図7では、運行計画全体の中で特に改善する必要性が高い部分を提示する仕組みを示す。全体の評価値が式(2)によって算出されているとき、1つ前の階層において評価値に対して(評価値を下げる方向で)最も主要な寄与を持つ成分uk iを取り出す。同様にして、寄与度の大きい成分に対して1つ前の階層で大きく寄与している成分を取り出す操作を繰り返せば、全体の評価値に対して最も好ましくない方向に寄与している部分評価について、対象になっている箇所およびその評価観点を取り出すことができる。これは例えば、「列車Aの駅Xにおける停車時分が不足している」というような形式となる。このような寄与が明らかになれば、「列車Aの駅Xにおける停車時分を伸ばす」という、具体的な運行計画変更を立案することができる。なお、ここでは全体評価に対する寄与の分析を最下層まで行う例を示したが、中間層において具体的な運行計画変更を立案できるような問題点を取り出すことができたならば、それをそのまま提示しても良い。
なお、運行計画全体の中で特に改善する必要性が高い部分を提示する相手が人間である場合には、図8のように、運行計画を可視化したダイヤ図表上で、その部分を図示することで、運行計画評価を視覚化することができる。図8では、運行計画を時刻と駅並びのx-y平面上で表したダイヤスジ画面801において、改善が必要な箇所802とその内容803を表示している。
なお、図8のような、運行計画として問題のある部分をダイヤスジ画面上で表示する仕組み自体は既存のダイヤ作成システムや運行管理システム等で実現されているが、本実施例における表示では、単に事前に設定されたルールに従って問題のあると判定された箇所を図示しているのではなく、運行計画全体の評価を行った上で、その中で特に改善の必要のある箇所を図示している。すなわち、運行計画を変更しようとする場合は、表示された箇所の問題解消から着手することによって、運行計画を最も効果的に改善することが出来る。このような運行計画改善手法の支援のため、ある運行計画全体の評価値に対して特に好ましくない影響を与えているとシステムが判断して出力した部分要素に対して、その部分要素と異なる部分要素を入力できる入力処理部を備えることもできる。新たな部分要素が指定された場合には、その指定された部分要素を、その運行計画全体の評価値に対して特に好ましくない影響を与えていると判断できるよう、部分要素の結合の重み付けを自動的に変更する。改善必要箇所である部分要素の代替案の入力を受信する入力処理部を有することで、運行計画修正後の評価も迅速に得ることができる。
また、運行計画を複数パターン与えられた場合に、それらの運行計画の違いまたは共通点を特徴付ける特徴量を自動的に抽出する比較処理部と、その抽出された特徴量に基づいて、運行計画の部分評価の観点を自動的に追加、または既存の部分評価の観点を自動的に変更、または部分要素の評価値の結合の重み付けを自動的に変更する比較対応処理部とを備えることもできる。
次の図9では、システムの学習内容を調整するための、ユーザーによる教示データ提供の仕組みを示す。
運行計画評価システムは、運行計画が与えられると、システムが現在持っているパラメータ群にしたがって評価を行い、その結果を出力する。調整を行う担当者がこの評価結果を確認し、システムの評価結果に異議がある場合には、担当者が妥当と考える評価値を入力する。運行計画評価システムは、システムによる評価値と担当者による評価値の双方を取得901し、それらの差異の計算902を行う。計算された差異が許容範囲内であるかどうかの判定903を行い、許容範囲内であればそのまま処理を終了する。許容範囲内で無い場合は、部分評価値の結合を行う各階層について、評価値に差異を生んだパラメータの特定904と、特定されたパラメータの値の修正905を実施する。このようにして修正されたパラメータ群に従って再度運行計画の評価906を行い、システムによる評価値と担当者による評価値の差異の計算902に戻る。
あるいは処理901、902で、運行計画全体の評価値を比較対象とする代わりに、運行計画において最も改善が必要と判断する箇所を比較対象としても良い。すなわち、運行計画評価システムは、与えられた運行計画において、現在持っているパラメータ群にしたがって評価した場合に最も改善が必要であると判断する部分を、その観点と共に提示する。調整を行う担当者は、システムが注目した部分を図8に示したようなインターフェースで確認し、意義がある場合には、担当者が最も注目すべきと判断する部分(対象の箇所もしくは観点)を入力する。担当者から注目すべき部分を受け取った運行計画評価システムは、新たに与えられた部分を最も改善すべき部分として判断するよう、パラメータ群を変更する。
以上説明した実施例では、運行計画データを部分要素に分解する分解部203と、部分要素の評価値を算出する部分要素評価部205と、評価値それぞれを重み付けした上で結合し全体評価値を算出する部分評価値結合部207と、算出した全体評価値とは別の全体評価値を模範評価値として与えられた場合に部分評価値結合部207での算出方法を修正する算出方法修正部である重み付けパラメータ変更部215とを備える。この構成により、評価観点の異なる様々なステークホルダーがいる状況であっても、適切な評価値を提供できる運行計画評価システムが実現可能である。重み付けを機械学習で修正し部分評価と全体評価の関係性を定式化することで、従来の人手によるもののように評価方法の定義者の知識や考え方に依存することなく、定量的かつバランスの良い評価が可能になる。ここで「全体評価値をもとに」とは、全体評価値をそのまま用いるものだけでなく、「全体評価を行った上で特定された、改善が必要な箇所の比較結果をもとに」したものも含む。
また、本実施例の評価システムを、運行計画案を作成する運転計画案作成部と、評価システムで算出された全体評価値を用いて運行計画案の適否を判断する判断部とを有する運転計画案作成システムに用いれば、質の高い運行計画案を提供可能なシステムを実現できる。
なお、パラメータ群の調整に機械学習を用いる場合には、図9に示したようなパラメータ変更のより一般的な形として、機械学習の枠組みの中で良く知られた誤差逆伝播法を用いることができる。
いずれにせよ、担当者は自らの判断結果だけをシステムに伝えれば良く、パラメータそのものの調整を行う必要は無い。すなわち、システムの内部的な仕組みを知らない担当者でも運行計画評価の基準を調整することができる。また、担当者が自らの判断根拠を論理的に説明できなくても、自らの経験と感覚に基づく判断をシステムに教示すれば、システムがその教示に合わせて自動的に判断を改善することができる。本実施例の持つこのような特性によれば、熟練の担当者の持つ暗黙知を、効果的にシステムに取り込むことができる。
以上のようにして実行された運行計画評価の結果は、運行計画変更を立案する担当者に対する判断材料として提示することができる。あるいは、自動的に運行計画変更案を立案するシステムに対して評価結果を提供することで、計画変更立案の根拠としても良い。いずれにしても、運行計画が定量的に評価され、かつ最も改善すべき部分が明示されることによって、改善効果の高い計画変更案を立案することができる。
なお、上記に挙げた実施形態はあくまでも一例であり、ここに挙げなかった部分評価の観点を加えたり、部分評価と全体評価の関係式として別の数式を用いたり、ユーザーに対する評価結果を別のインターフェースによって通知したりすることを排除するものではない。
101 運行計画評価装置
102 運行計画取込み装置
103 運行計画評価結果表示装置
104 運行計画評価プログラム
105 データ
106 ディスプレイ
107 プログラム
108 入力装置
109 プログラム
110 ネットワーク
201 運行計画データ
202 運行計画データ入力部
203 部分要素分解部
204 分解ルール
205 部分要素評価部
206 評価式
207 部分評価値結合部
208 結合式
209 重み付けパラメータ群
210 要改善箇所特定部
211 評価結果出力部
212 評価結果
213 担当者
214 評価値
215 重み付けパラメータ変更部

Claims (12)

  1. 運行計画データを部分要素に分解する分解部と、
    前記部分要素の評価値を算出する部分要素評価部と、
    前記評価値それぞれを重み付けした上で結合し全体評価値を算出する部分評価値結合部と、
    前記全体評価値と、前記全体評価値とは別の評価値との比較から前記部分評価値結合部での全体評価値算出方法を修正する算出方法修正部と、
    を備える運行計画評価システム。
  2. 前記算出方法修正部が、前記別の評価値として、外部からの入力を受け付ける評価値入力受付部を備える請求項1の運行計画評価システム。
  3. 前記算出方法修正部は、前記部分評価値結合部での重み付けを変更する重み付け変更部である請求項1の運行計画評価システム。
  4. 前記部分要素のそれぞれについて前記全体評価値への寄与を調べることで改善必要箇所を特定する改善個所特定部を有する請求項1の運行計画評価システム。
  5. 前記改善必要箇所を出力する出力部と、前記改善必要箇所である部分要素の代替案の入力を受信する受信部を有する請求項4の運行計画評価システム。
  6. 前記部分要素評価部が、運行計画の余裕度を評価する請求項1の運行計画評価システム。
  7. 前記運行計画の余裕度は、番線占有状況、列車の時分、列車間の時隔、リソースのいずれかの余裕度を含む請求項6の運行計画評価システム。
  8. 運行計画データから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記分解部に分解ルールを提供する分解ルール提供部と、
    前記部分要素評価部に評価式を提供する評価式提供部と、
    前記部分評価値結合部に結合式を提供する結合式提供部と、
    前記部分評価値結合部に重み付けパラメータを提供する重み付けパラメータ提供部とを備え、
    前記特徴量から、前記分解ルール、前記評価式、前記結合式、前記重み付けパラメータの少なくとも一つを修正する請求項1の運行計画評価システム。
  9. 前記特徴量抽出部は、前記運行計画データが複数与えられた場合に、共通点または相違点を特徴づける特徴量を抽出する請求項8の運行計画評価システム。
  10. 前記部分評価値結合部は、前記評価値の多階層の結合により全体評価値を算出する請求項1の運行計画評価システム。
  11. 運行計画データを部分要素に分解する分解部と、
    前記部分要素の評価値を算出する部分要素評価部と、
    前記評価値それぞれを重み付けした上で結合し全体評価値を算出する部分評価値結合部と、
    前記全体評価値と、前記全体評価値とは別の評価値との比較から前記部分評価値結合部での全体評価算出方法を修正する算出方法修正部とを備えた運行計画評価システムと、
    運行計画案を作成する運転計画案作成部と、
    前記評価システムで算出された全体評価値を用いて、前記運行計画案の適否を判断する判断部と、
    を有する運転計画案作成システム。
  12. 運行計画データを部分要素に分解して部分要素の評価値を算出し、
    前記評価値それぞれを重み付けした上で結合して全体評価値を算出し、
    前記全体評価値と、前記全体評価値とは別の評価値との比較からに前記重み付けを機械学習で修正する運行計画評価方法。
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