(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。外部情報出力端子160は、各種遊技状態を示す信号を出力する遊技情報出力部161と、各種エラーの発生とエラー内容を示すエラー信号を出力するエラー情報出力部162と、を含む。これらの信号が出力されることにより、遊技店側へ各種遊技状態やエラーを通知する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」〜「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図6(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図6(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図6(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図6のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図7(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図7に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図7(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図7(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図7(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図8は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図8(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図8(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普通図柄抽選手段による抽選結果の情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図6の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例)
以下、本実施例について上記の前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の記載は適宜省略する。
<設定変更装置>
ぱちんこ遊技機100の背面側には設定変更装置が設けられる。設定変更装置は、6段階ある遊技仕様を変更するためのボタンと、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する鍵穴と、設定された設定値を記憶する設定メモリと、設置値を点灯表示する設定表示LEDを含む。それぞれ異なる遊技仕様に対応付けられた6段階の設定値は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様となる。通常確率状態における大当り確率をMLとし、確率変動状態における大当り確率をMHとすると、例えば、設定1はML=1/320,MH=1/32であり、設定2はML=1/315,MH=1/31.5である。また、設定3はML=1/310,MH=1/31であり、設定4はML=1/305,MH=1/30.5であり、設定5はML=1/300,MH=1/30であり、設定6はML=1/295,MH=1/29.5である。なお、本実施例では6段階の設定値を説明したが、6段階に限らず複数段階であればよく、例えば2段階(設定1と設定6)や、4段階(設定1と設定2と設定5と設定6)であってもよい。設定キーは、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行する契機となるスイッチであり、その鍵穴はメイン基板200に設けられる。遊技店の従業員が設定キーを鍵穴に挿入して回すと、ボタンを操作して設定変更できる状態となる。設定変更のためのボタンは、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)、エラー解除スイッチ、遊技開始スイッチと兼用されてもよい。すなわち、例えばRAMクリアスイッチと兼用する場合、設定キーが挿入されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが挿入された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。なお、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定確認状態へ移行する。設定表示LEDは、メイン基板200に設けられる性能表示部159と兼用されてもよく、その7セグメントLEDの点灯態様により設定値が表示されてもよい。
<性能表示部>
図2に示す通り、メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する第1始動口11、第2始動口12、および一般入賞口33への賞球数の比率(「ベース」ともいう)を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。4つの7セグメントLEDは横一列に構成され、上2桁には発射球総数と賞球数をカウントした計測期間を他の計測期間と区別するための識別文字が表示され、下2桁にはその計測期間における発射球総数に対する賞球数の比率を表す数字が表示される。例えば、現在の計測期間を示す「bL」、1回前の計測期間であることを示す「b1」、2回前の計測期間であることを示す「b2」、3回前の計測期間であることを示す「b3」といった文字が上2桁に表示される。また、25%を示す「25」、30%を示す「30」、35%を示す「35」といった数字が下2桁に表示される。計測期間は、通常遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)と特別遊技状態を含むすべての遊技状態における発射球総数が60000球に達するごとに区切られる。すなわち、発射球総数が60000球に達するたびにその計測期間が終了して次の計測期間が開始される。なお、上2桁の識別のための文字に対応する7セグメントLEDを用いず、下2桁の数字に対応する7セグメントLEDだけで性能表示部159を構成してもよい。また、ここでいう賞球数は、実際に払い出された賞球数をカウントして求める値ではなく、賞球払出の実行成否にかかわらず入賞をもって賞球払出も実行されたものとみなし、入賞球数に基づいて算出する賞球数であってよい。すなわち、入賞した入賞口の種類(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口33のいずれであるか)に対応した払出予定の賞球数を算出し、その数に基づいて発射球総数に対する賞球数の比率を表してもよい。
まず、製品出荷後の初回の電源投入(全情報がクリアされた状態からの電源投入)からすべての遊技状態における発射球総数のカウントを開始し、発射球総数が300球未満の所定数に達するまでは性能表示部159の上二桁は「bL」等の文字を表示しながら点滅し、下二桁は未計測である旨を表すために、数字ではない記号、例えば「−−」を表示する。発射球総数が300球未満の所定数に達した後、その時点から60000球ごとの計測期間を繰り返す。すなわち、1回目の発射球総数が60000球に達するまでの計測期間において、上二桁の「bL」等の文字は、通常状態(すなわち通常確率状態かつ非時短状態)の発射球数が0〜5999球の場合は点滅状態となり、通常状態の発射球数が6000以上の場合は点灯状態となる。下二桁の賞球比率は、通常状態においてカウントされた発射球数と賞球数に基づいてカウントごとにリアルタイムに数字が算出され、表示される。発射球数が1回目の60000球に達した場合、その時点の賞球比率の値が「1回前の計測期間の賞球比率」として保存され、発射球総数、通常状態の発射球数、通常状態の払出球数のカウントがリセットされ、2回目の60000球に達するまでカウント開始する。以降、このカウントとリセットを60000球単位で繰り返す。
<エラー種類>
以下に複数種類のエラー種別を例示する。以下に例示するエラー種別および条件は一例にすぎず、その趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
「遊技球払出エラー」は、通常は3種類以上のエラー種別が含まれ、例えば「払出個数異常エラー」「払出スイッチ異常エラー(センサ異常)」「払出スイッチ異常エラー(払出動作外遊技球検出)」「払出スイッチ異常エラー(払出動作未完了時の払出動作分の遊技球数検出)」「払出ケースエラー(玉噛みエラー)」「払出ケースエラー(払出個数カウントスイッチ未通過)」などの6種類以上のエラー種別が含まれてもよい。「遊技球払出エラー」は、その払出エラーに分類されるエラー種別に応じて、エラー発生条件が異なり、また、エラー解除条件も異なる。エラー種別にかかわらず、払出エラーの発生時には払出動作は停止されるか、または低速での払出動作となる。エラー解除条件は、エラー解除スイッチの押下有無によって定められ、エラー解除スイッチの押下を必要とするエラー種別と、エラー解除スイッチの押下を必要としないエラー種別とがある。また、エラー解除スイッチの押下をせずとも所定期間経過後に自動解除されるエラー種別もある。エラー表示装置として、エラー種別と対応するランプを点灯させるものやエラー種別を区分けしたエラー番号の数字で表示させるものがあるが、詳細は後述する。また、エラー表示装置でのエラー表示について、(エラー表示装置での)エラー報知と称することもある。
「払出個数異常エラー」は、払出制御基板155において過剰な賞球の払出個数を累積してカウントするための過剰払出累積カウンタによるカウント値が所定数に達することで過剰払出球数が許容値を超えたと判定した場合に発生する。この場合、払出動作を停止するとともに、エラー表示装置の対応するランプを点灯させるか、またはエラー番号(例えば「1」)を表示させる。エラー解除条件として、後述するエラー解除スイッチの操作は必要とせず、電源復帰がなされることにより、払出動作の停止を解除し、エラー表示装置へのエラー表示を解除する。なお、他の種別の遊技球払出エラーと重複した場合には、払出動作の停止を維持するとともに、エラー報知に関しては優先度が高いエラーに対応するエラー報知を優先する。一例として、エラー番号が若い(小さい)エラー種別を優先して表示することとしてもよい。優先表示の例として、(1)重複しているエラーのうち優先度が高いエラーの数字のみ表示する、または、(2)最初に優先度が高いエラーのエラー番号を表示し、その後は1秒ごとに切り替えて順番に表示する(1と4なら、1、4、1、4・・・のように交互に表示)、などとしてもよい。優先表示は、以下記載する他のエラー種別の遊技球払出エラーについても同様である。また、「払出個数異常エラー」が発生した場合に、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点滅させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力することとしてもよい。また、以降にも例示するエラー表示装置へ表示するエラー番号はあくまで一例にすぎず、エラー種別ごとに異なる番号を表示する仕様であってよいし、あるいは、エラー番号による表示ではなく、複数のランプのうちいずれのランプを点灯するかによってエラー種別を示す仕様であってもよい。
「払出スイッチ異常エラー(センサ異常)」は、払い出された遊技球を検知するための払出カウントセンサから払出制御基板155が異常な信号を受けた場合に発生する。この場合、払出動作を停止するとともに、エラー表示装置の対応するランプを点灯させるか、またはエラー番号(例えば「3」)を表示させる。エラー解除条件として、後述するエラー解除スイッチの操作は必要とせず、電源復帰がなされることにより、払出動作の停止を解除し、エラー表示装置へのエラー表示を解除する。なお、他の種別の遊技球払出エラーと重複した場合には、払出動作の停止を維持するとともに、エラー報知に関しては優先度が高いエラーに対応するエラー報知を優先する。
「払出スイッチ異常エラー(払出動作外遊技球検出)」は、払出制御基板155が払出制御の非実行時において払出カウントセンサから入球信号を受けた場合に発生する。この場合、払出動作を停止するとともに、エラー表示装置の対応するランプを点灯させるか、またはエラー番号(例えば「5」)を表示させる。エラー解除条件として、後述するエラー解除スイッチの操作がなされることにより、払出動作の停止を解除し、エラー表示装置へのエラー表示を解除する。なお、他の種別の遊技球払出エラーと重複した場合には、払出動作の停止を維持するとともに、エラー報知に関しては優先度が高いエラーに対応するエラー報知を優先する。
「払出スイッチ異常エラー(払出動作未完了時の払出動作分の遊技球数検出)」は、払出制御基板155が所定球数分の払出動作の完了前に払出カウントセンサから所定球数分を超える入球信号を受けた場合に発生する。この場合、払出動作を停止するとともに、エラー表示装置の対応するランプを点灯させるか、またはエラー番号(例えば「5」)を表示させる。エラー解除条件として、後述するエラー解除スイッチの操作がなされることにより、払出動作の停止を解除し、エラー表示装置へのエラー表示を解除する。なお、他の種別の遊技球払出エラーと重複した場合には、払出動作の停止を維持するとともに、エラー報知に関しては優先度が高いエラーに対応するエラー報知を優先する。
「払出ケースエラー(玉噛みエラー)」は、払出制御基板155が払出モータセンサから受ける信号状態により、遊技球1球分の払出モータ駆動完了時においてスプロケットが所定角度分の回転変位をしていないことを検出した場合に発生する。この場合、払出動作の停止またはリトライ動作を実行するとともに、エラー表示装置の対応するランプを点灯させるか、またはエラー番号(例えば「7」)を表示させる。エラー解除条件として、後述するエラー解除スイッチの操作がなされること、または、エラー発生から所定期間、例えば2分が経過したことにより、払出動作の停止を解除し、エラー表示装置へのエラー表示を解除する。なお、他の種別の遊技球払出エラーと重複した場合には、払出動作の停止を維持するとともに、エラー報知に関しては優先度が高いエラーに対応するエラー報知を優先する。
「払出ケースエラー(払出個数カウントスイッチ未通過)」は、払出制御基板155が所定球数分の払出動作の完了時またはその後の所定期間経過時に払出カウントセンサから所定球数分未満の入球信号しか受けていない場合に発生する。この場合、払出動作の停止または低速での払出動作を実行するとともに、エラー表示装置の対応するランプを点灯させるか、またはエラー番号(例えば「7」)を表示させる。エラー解除条件として、後述するエラー解除スイッチの操作がなされること、または、エラー発生から所定期間、例えば2分が経過したことにより、払出動作の停止を解除または通常の払出動作を再開し、エラー表示装置へのエラー表示を解除する。なお、他の種別の遊技球払出エラーと重複した場合には、払出動作の停止を維持するとともに、エラー報知に関しては優先度が高いエラーに対応するエラー報知を優先する。
次に、遊技球払出エラー以外のエラーについて記載する。
「異常入賞エラー」は、大入賞口有効期間外、すなわち大入賞口への入球を有効または正常とみなす期間以外の期間であって大入賞口への入球を無効または異常とみなす期間において大入賞検出装置25により大入賞口20への遊技球入球が検出されたことをメイン基板200が検知した場合に発生する。ただし、特別遊技実行中の場合、1回の特別遊技における大入賞口有効期間外の大入賞口20への入球が所定回数、例えば3回検出されたことを発生条件としてもよい。「異常入賞エラー」が発生した場合、エラー報知として、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点滅させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、後述するRAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入がなされること、または、エラー発生から所定期間、例えば30秒が経過したことにより、エラー報知を解除する。
「扉・枠開放エラー」には、「扉開放エラー」と「枠開放エラー」が含まれ、これらを別個のエラーとして扱ってもよいし、一体的に「扉・枠開放エラー」としてもよい。別個のエラーとして扱う場合、「扉開放エラー」は、扉枠セット(扉104および透明板103)が開放されたときに発生する。以下、別個のエラーとして扱う場合を例示する。
「扉開放エラー」は、扉枠セットが開放されたとき、すなわち扉開放センサによる扉開放の検出状態がオフからオンに変化したことを払出制御基板155が検知した場合に発生する。この場合、賞球の払出動作を停止するとともに、球貸し動作を停止する。また、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点滅させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。「扉開放エラー」の発生中に第1始動口11、第2始動口12入賞口への入球、または、第2作動口32への通過を検知した場合は、専用の入球通知音を出力する。エラー解除条件として、扉枠セットが閉じられて扉開放センサによる扉開放の検出状態がオンからオフに変化したことを払出制御基板155が検知した場合に「扉開放エラー」は解除される。すなわち、払出動作の停止を解除し、球貸し動作の停止を解除し、演出表示装置60へのエラー報知およびエラー報知音の出力を解除し、入球通知音の出力を停止する。一方、装飾ランプ111の点滅は「扉開放エラー」の解除後も継続され、「扉開放エラー」の解除から所定時間、例えば30秒の経過後に停止される。なお、後述する「大入賞口異常検知エラー」と重複した場合は、払出動作の停止と球貸し動作の停止を維持するとともに、エラー報知に関しては「大入賞口異常検知エラー」のエラー報知を優先する。変形例として、演出表示装置60では「扉開放エラー」と「大入賞口異常検知エラー」の両方がエラー報知されるが、エラー報知音については「扉開放エラー」のみを出力、または「大入賞口異常検知エラー」のみを出力する仕様としてもよい。また、エラー等の検知主体はメイン基板200であってもよい。以上の「扉開放エラー」の仕様は、「扉開放エラー」および「枠開放エラー」を一体的に「扉・枠開放エラー」とする場合にも適用されてよい。変形例においては、「扉開放エラー」が発生しても賞球の払出動作を可能とする一方で、上球皿105や下球皿106への流路を一時的に遮断するようにしてもよい。
また、「扉開放エラー」は、扉枠セット(扉104および透明板103)または内枠セット(前枠102)が開放されたときに発生するような仕様としてもよい。すなわち、「扉開放エラー」は扉開放センサによる扉開放の検出状態または枠開放センサによる枠開放の検出状態がオフからオンに変化したことを払出制御基板155が検知した場合に発生する。この場合、賞球の払出動作を停止するとともに、可動役物66を初期位置へ移動する。また、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点滅させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、扉枠セットまたは枠セットが閉じられて扉開放センサによる扉開放の検出状態または枠開放センサによる枠開放の検出状態がオンからオフに変化したことを払出制御基板155が検知した場合にエラーは解除される。すなわち、払出動作の停止を解除し、演出表示装置60へのエラー報知を解除する。一方、「扉開放エラー」の解除から所定時間、例えば5秒の経過後にエラー報知音の出力が停止されるとともに、装飾ランプ111の点滅はさらに長く継続され、「扉開放エラー」の解除から所定時間、例えば30秒の経過後に停止される。また、エラー等の検知主体はメイン基板200であってもよい。変形例においては、「扉開放エラー」が発生しても賞球の払出動作を可能とする一方で、上球皿105や下球皿106への流路を一時的に遮断するようにしてもよい。
「枠開放エラー」は、内枠セット(前枠102)が開放されたときに発生する。すなわち、「枠開放エラー」は枠開放センサによる枠開放の検出状態がオフからオンに変化したことを払出制御基板155が検知した場合に発生する。この場合、賞球の払出動作を停止するとともに、球貸し動作を停止する。また、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点滅させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、内枠セットが閉じられて枠開放センサによる枠開放の検出状態がオンからオフに変化したことを払出制御基板155が検知した場合に「枠開放エラー」は解除される。すなわち、払出動作の停止を解除し、球貸し動作の停止を解除し、演出表示装置60へのエラー報知を解除する。一方、装飾ランプ111の点滅は「枠開放エラー」の解除後も継続され、「枠開放エラー」の解除から所定時間、例えば30秒の経過後に停止される。また、エラー等の検知主体はメイン基板200であってもよい。変形例においては、「枠開放エラー」が発生しても賞球の払出動作を可能とする一方で、上球皿105や下球皿106への流路を一時的に遮断するようにしてもよい。
「大入賞口異常検知エラー」は、大入賞口有効期間外において大入賞検出装置25により大入賞口20への遊技球入球が検出されたことをメイン基板200が検知した場合に発生する。この場合、メイン基板200はそのエラーに係る大入賞口20への入球を無効にする。また、エラー報知として、扉枠や遊技盤80に設けられた装飾ランプ111および演出表示装置60の背面側に設けられたランプを点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、電源再投入がなされた場合に、または、扉枠セットが閉じられて扉開放センサによる扉開放の検出状態がオンからオフに変化したことを払出制御基板155が検知した場合に、ランプ点灯、エラー報知の表示、エラー報知音の出力などのエラー報知を停止することで「大入賞口異常検知エラー」を解除する。「大入賞口異常検知エラー」のエラー解除条件は、装飾ランプ111等のLEDの消灯条件を除いて「枠開放エラー」のエラー解除条件と同様である。
また、「大入賞口異常検知エラー」は、(1)小当り遊技実行中における大入賞口有効期間中に大入賞口20への所定数A(例えば11球)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、(2)小当り遊技実行中以外であって特別遊技中における大入賞口20の連続開放期間、すなわち連続的に大入賞口20が開放する期間であって特別遊技中における各ラウンド遊技の合計期間において大入賞口20への可変数N(大当り図柄の種類に対応する可変値であり、特別遊技のラウンド数が同一となる大当り図柄同士であってもNは相違し得る)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、(3)大入賞口20の連続開放期間以外の所定期間に大入賞口20への所定数B(例えば3球)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、(4)「大入賞口異常検知エラー」の発生中、すなわち上記(1)または(2)または(3)の条件充足による発生中に大入賞口20への所定数C(例えば1球)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、のうち少なくともいずれかをメイン基板200が検知した場合に発生するような仕様としてもよい(A,B,Cの値はA>B>Cとなるとともに、AがNの最小値と同じ値になるように設計される)。この場合、エラー報知として、演出ボタン109、演出ボタン109の装飾LED、その他の装飾ランプ111を点滅または点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として電源再投入がなされた場合に、エラー報知を停止することでエラーを解除する。ただし、演出表示装置60へのエラー報知は、電源再投入によるエラー解除がなされない場合であっても、エラー報知の開始から所定時間、例えば300秒が経過したときに停止される。また、エラー報知音の出力は、電源再投入によるエラー解除がなされない場合であっても、エラー報知音の出力開始から所定時間、例えば90秒が経過したときに停止される。なお、「大入賞口異常検知エラー」の発生は遊技の進行には影響しない。また、小当り遊技を搭載しない遊技機においては、(5)特別遊技中における大入賞口20の連続開放期間、すなわち連続的に大入賞口20が開放する期間であって特別遊技中における各ラウンド遊技の合計期間において大入賞口20への可変数N(大当り図柄の種類に対応する可変値であり、特別遊技のラウンド数が同一となる大当り図柄同士であってもNは相違し得る)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、(6)大入賞口20の連続開放期間以外の所定期間に大入賞口20への所定数B(例えば3球)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、(7)「大入賞口異常検知エラー」の発生中、すなわち上記(5)または(6)の条件充足による発生中に大入賞口20への所定数C(例えば1球)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、のうち少なくともいずれかをメイン基板200が検知した場合に発生するような仕様としてもよい。
また、「大入賞口異常検知エラー」は、大入賞検出装置25が著しく長い時間(例えば、300秒)遊技球を検出し続けたこと、すなわち遊技球がセンサ付近に滞留するなどして遊技球検知状態(オン状態)が長時間継続していることをメイン基板200が検知した場合に発生するような仕様としてもよい。ただし、「大入賞口異常検知エラー」の原因の検出が合計10個以上となった場合に、エラー報知として扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、エラー発生から所定時間、例えば1秒後に点灯を終了する。また、「大入賞口異常入賞エラー」の原因の検出が合計30個以上となった場合に、エラー報知としてエラー報知音を出力し、エラー発生から所定時間、例えば30秒後にエラー報知音の出力を終了する。
「入賞口異常検知エラー」は、(1)電波センサ(例えば、入賞口付近に設けられた電波センサが望ましい)による異常電波の検出、(2)各種入賞・入球検出装置(第1始動入賞検出装置16、第2始動入賞検出装置17、大入賞検出装置25、一般入賞検出装置38、アウト口34の入球検出装置)における一定時間オン継続(すなわち、遊技球がセンサ付近に滞留するなどして遊技球検知状態(オン状態)が一定時間継続していること)の検出、(3)特別遊技中における大入賞口20への所定球数以上の入球の大入賞検出装置25による検出、のうちいずれかをメイン基板200が検知した場合に発生する。この場合、メイン基板200はそのエラーに係る入球を無効にする。すなわち、入賞口の種類によらず、いずれかの入賞口にて上記のようなエラー条件を充足した場合にエラーと判定されるエラー種別である。また、エラー報知として、扉枠や遊技盤80に設けられた装飾ランプ111および演出表示装置60の背面側に設けられたランプを点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、電源再投入がなされた場合に、または、扉枠セットが閉じられて扉開放センサによる扉開放の検出状態がオンからオフに変化したことを払出制御基板155が検知した場合に、ランプ点灯、エラー報知の表示、エラー報知音の出力などのエラー報知を停止することで「入賞口異常検知エラー」を解除する。
「普通電動役物入賞異常エラー」は、(1)第2始動口12の有効期間中、すなわち第2始動口12への入球を有効または正常とみなす期間中に第2始動口12への所定数A(例えば15球)以上の入球が第2始動入賞検出装置17により検出されたこと、(2)第2始動口12の非有効期間中、すなわち第2始動口12への入球を無効または異常とみなす期間中に第2始動口12への所定数B(例えば10球)以上の入球が第2始動入賞検出装置17により検出されたこと、(3)「普通電動役物入賞異常エラー」の発生中、すなわち上記(1)または(2)の条件充足による発生中に大入賞口20への所定数C(例えば1球)以上の入球が大入賞検出装置25により検出されたこと、のいずれかをメイン基板200が検知した場合に発生する(A,B,Cの値は、遊技の進行に影響しないようA>B>Cとなるように設計される。例えば異常である可能性が低い状況では大きめの数値が設定され、異常である可能性が高い状況では小さめの数値が設定されるなど、現在の状況に応じた適切な値が設定される。)。この場合、エラー報知として、演出ボタン109、演出ボタン109の装飾LED、その他の装飾ランプ111を点滅または点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として電源再投入がなされた場合に、エラー報知を停止することでエラーを解除する。ただし、演出表示装置60へのエラー報知は、電源再投入によるエラー解除がなされない場合であっても、エラー報知の開始から所定時間、例えば300秒が経過したときに停止される。また、エラー報知音の出力は、電源再投入によるエラー解除がなされない場合であっても、エラー報知音の出力開始から所定時間、例えば90秒が経過したときに停止される。なお、演出ボタン109の装飾LEDの表示態様は演出内容に依存しない一方、演出表示装置60の表示態様は演出内容に依存しつつエラー表示も実行される。すなわち、演出の進行上、演出ボタン109を白色にて発光させるべき状況やタイミングであっても、エラー状態である場合はエラー状態を示す態様である赤色にて発光させるが、演出の進行上、演出表示装置60にて所定の予告演出を表示すべき状況やタイミングであれば、その所定の予告演出を表示しつつ、その前面にてエラー報知を表示する。
また、「普通電動役物入賞異常エラー」は、第2始動口12の有効期間外において第2始動入賞検出装置17により第2始動口12への所定数A(例えば10球)以上の遊技球入球が検出されたこと、または、大入賞口20の有効期間外において大入賞検出装置25により大入賞口20への所定数A(例えば10球)以上の遊技球入球が検出されたこと、のいずれかをメイン基板200が検知した場合に発生するような仕様としてもよい。この場合、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、エラー発生から所定時間、例えば1秒後に消灯する。また、「普通電動役物入賞異常エラー」は、第2始動口12の有効期間外において第2始動入賞検出装置17により第2始動口12への所定数B(例えば30球)以上の遊技球入球が検出されたこと、または、大入賞口20の有効期間外において大入賞検出装置25により大入賞口20への所定数B(例えば30球)以上の遊技球入球が検出されたこと、のいずれかをメイン基板200が検知した場合にも発生する。この場合、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、RAMクリアスイッチが押下されたまま電源再投入がなされた場合、または、エラー発生から所定時間、例えば30秒が経過した場合に、エラー報知音の出力を停止してエラーを解除する。なお、これらのエラーの発生は遊技の進行には影響しない。
また、「普通電動役物入賞異常エラー」は、非時短状態においては第2始動口12に遊技球が所定球数、例えば1球入球した場合に発生し、この場合、各種LEDを点灯させ、電源再投入または異常発生後から所定時間、例えば300秒経過でエラーを解除するような仕様としてもよい。その場合、「普通電動役物入賞異常エラー」は、時短状態かつ普通電動役物有効期間内、すなわち第2始動口12への入球を有効または正常とみなす期間中においては第2始動口12に遊技球が所定球数、例えば6球入球した場合に発生し、時短状態かつ普通電動役物有効期間外、すなわち第2始動口12への入球を無効または異常とみなす期間中においては第2始動口12に遊技球が所定球数、例えば5球入球した場合に発生し、時短状態かつ当該異常発生後においては第2始動口12に遊技球が所定球数、例えば1球入球した場合に発生するようにしてもよい。これらの場合、特別図柄の変動および大入賞口20の作動を中断し、エラー報知として、演出表示装置60へエラー報知を表示し、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、扉を開放させながら電源再投入がなされた場合に、エラーを解除してエラー報知を終了する。
また、「普通電動役物入賞異常エラー」は、非時短状態、かつ、特別遊技中または小当り遊技中に第2始動入賞検出装置17が第2始動口12への入球を検出したことをメイン基板200が検知した場合に発生する。すなわち、開放延長状態でないときに第2始動入賞検出装置17が第2始動口12への入球を検出したことをメイン基板200が検知した場合に発生する。この場合、エラー報知として、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、電源再投入がなされた場合、または、エラ−発生から所定時間、例えば300秒が経過した場合に、エラー報知を終了する。なお、この仕様は第2始動口12に保留機能がない遊技機である場合に適用される。例えば、第2始動口12に保留機能がなく、小当り遊技が実行されることでV入賞口が備えられた大入賞口が開放しその開放中にV入賞口へ入球すると大当りへと昇格するような遊技機である場合に適用されることが望ましい。このエラーが検出されてから第1始動口11に対応する特別図柄が所定回数、例えば5回変動終了するまでに再度のエラー検出、または、このエラーが検出されてから第1始動口11に対応する特別図柄が変動する前にV入賞口に入球、または、このエラーが検出されてから待機デモ画面が表示される前にV入賞口に入球した場合にエラー報知を実行する。
「始動口入賞異常エラー」は、第1始動口11における入球数と排出球数の差が所定数(例えば100球)以上となったことをメイン基板200が検知した場合に発生する。この場合、エラー報知として、演出ボタン109、演出ボタン109の装飾LED、その他の装飾ランプ111を点滅または点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として電源再投入がなされた場合に、エラー報知を停止することでエラーを解除する。ただし、演出表示装置60へのエラー報知は、電源再投入によるエラー解除がなされない場合であっても、エラー報知の開始から所定時間、例えば300秒が経過したときに停止される。また、エラー報知音の出力は、電源再投入によるエラー解除がなされない場合であっても、エラー報知音の出力開始から所定時間、例えば90秒が経過したときに停止される。なお、「始動口入賞異常エラー」の発生は遊技の進行には影響しない。第1始動入賞検出装置16は非接触センサであってよく、図示しない第1始動口11の排出検出装置は接触センサであってよい。あるいは、第1始動入賞検出装置16は接触センサであってもよく、図示しない第1始動口11の排出検出装置は非接触センサであってもよい。
また、「始動口入賞異常エラー」は、電源投入時からの第1始動入賞検出装置16が検出した遊技球数と不正行為確認用センサが検出した遊技球数との差が所定数以上となったことをメイン基板200が検知した場合に発生するような仕様としてもよい。この場合、エラー報知として、演出表示装置60へエラー報知を表示し、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、電源再投入がなされた場合にエラーを解除し、電源再投入がなされない場合であっても、エラー発生から所定時間、例えば90秒が経過した場合にエラー報知音の出力を終了し、エラ−発生から所定時間、例えば300秒が経過した場合にエラー報知の表示とランプ点灯を終了する。
「皿満タンエラー」として、賞球払出装置または遊技球貸出装置の作動によって下球皿106が満杯となり、その満杯が下球皿106における図示しない満タンセンサにより検出されたことを払出制御基板155が検知した場合に発生する。この場合、払出動作を停止するとともに、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として下球皿106の満杯が解消されたことが判明、すなわち満タンセンサへの遊技球の接触がなくなって満タンセンサの検知が解消された場合に、払出動作の停止を解除し、エラー報知を停止することでエラーを解除する。なお、エラー報知音は、所定の大当り図柄での停止時、かつ、条件装置が作動状態(オン)であるか非作動状態(オフ)であるかを示す条件装置作動フラグのオン時(特に、同一ラウンド数で構成される特別遊技であっても、賞球の獲得がより容易である長開放大当りに係る特別遊技時)にのみ出力される。また、エラー等の検知主体はメイン基板200であってもよい。
「排出エラー」は、各種入賞検出装置(第1始動入賞検出装置16、第2始動入賞検出装置17、大入賞検出装置25、一般入賞検出装置38)および各入賞口からの排出を検出する図示しない排出検出装置により入球数と排出球数との差が所定数、例えば100球を超えたことをメイン基板200が検知した場合に発生する。この場合、エラー報知として、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、RAMクリアスイッチが押下されたまま電源再投入がなされた場合にエラーを解除する。ただし、電源再投入がなされない場合であっても、エラー発生から所定時間、例えば30秒後に、装飾ランプ111を消灯し、演出表示装置60へのエラー報知の表示を停止し、エラー報知音の出力を停止することにより、エラー報知を終了する。なお、これらのエラーの発生は遊技の進行には影響しない。「排出エラー」は、「異常入賞エラー」よりもエラー報知態様が多く、エラー報知終了条件が少ない。
「大入賞口異常排出エラー」は、大入賞検出装置25により検出された特別遊技中における大入賞口20の入球数より、図示しない排出検出装置により検出された大入賞口20からの排出球数、または、図示しない通過検出装置により検出された大入賞口20における特定領域の通過球数の方が多いことをメイン基板200が検知した場合に発生する。この場合、エラー報知として、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、電源再投入がなされた場合、または、エラー発生から所定時間(例えば300秒)が経過した場合に、エラー報知を終了する。
「大入賞口入出球不一致エラー」は、大入賞検出装置25により検出された特別遊技中における大入賞口20の入球数より、図示しない排出検出装置により検出された大入賞口20からの排出球数、または、図示しない通過検出装置により検出された大入賞口20における特定領域の通過球数の方が少ないことをメイン基板200が検知した場合に発生する。この場合、特別図柄の図柄変動および大入賞口20の作動を停止し、エラー報知として、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、演出表示装置60へエラー報知を表示し、エラー報知音を出力する。エラー解除条件として、電源再投入がなされた場合に、エラー報知を終了する。
「誘導装置異常エラー」は、大入賞口20の内部において特定領域と通常領域のいずれかに遊技球を誘導する図示しない誘導装置の位置センサにより誘導装置の正常な動作との相違が検出され、そのようなエラーの原因となる検出が合計5回以上となったことをメイン基板200が検知した場合に発生する。この誘導装置は、特別遊技中の特定ラウンド目(例えば4ラウンド目)に特定領域へ遊技球を誘導するよう動作し、特定ラウンド目以外のラウンドでは動作せずに通常領域へ遊技球を誘導するよう構成される。すなわち、特定ラウンド目以外に特定領域へ遊技球を誘導する動作をした場合や、特定ラウンド目に特定領域へ誘導する動作をしなかった場合にエラーと判断される。この場合、エラー報知として、演出表示装置60へエラー報知を表示し、扉枠に設けられた装飾ランプ111を点灯させ、エラー発生から5分経過後にエラー報知を終了する。
<外部情報出力端子から出力される信号>
外部情報出力端子160から出力される信号は、例えば予備信号、アウト信号、賞球信号、扉・枠開放信号、大当り信号、入賞信号、セキュリティ信号、始動口信号、ゲート信号等である。ただし、以下に例示する信号の内容および条件は一例にすぎず、その趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
予備信号は、常にオフであることを示す予備的な信号であり、例えば、電源投入後の任意のタイミングから、常時、オフ信号を示す。なお、当該信号は、機種ごとの遊技性の複雑さに応じて使用の有無が異なる。
アウト信号は、IN/OUT系の信号の一つであり、遊技領域81に配置された全ての入球口(アウト口を含む)へ入球した遊技球個数(すなわち、遊技領域81に打ち込まれた遊技球個数)を示す。例えば、総排出確認センサにて検出された遊技球数(例えば、総排出確認数カウンタの値であるが、入球数カウンタの値であってもよい)が所定数、例えば10の倍数に達する毎に、0.2秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.2秒間に亘ってオフ信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。
賞球信号は、IN/OUT系の信号の一つであり、遊技機が払い出した遊技球個数を示す。この場合、払出カウントセンサにて検出された遊技球数が所定数、例えば10の倍数に達する毎に、0.1秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.1秒間に亘ってオフ信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。また、扉・枠開放信号の出力条件を初めて満たすタイミングにおいては、所定期間の経過後(例えば1割り込み分=0.004秒)から出力開始するよう構成してもよく、且つ、次回の出力を待機している場合には、今回の出力期間が満了した直後に(上記した所定期間が経過せずとも)出力開始するよう構成してもよい。
扉・枠開放信号は、ユニット監視系の信号の一つであり、例えば遊技機のガラス扉(例えば透明板103)が開放中であることを示す。この場合、扉ユニット開放検知センサが、オフからオンに変化したことを契機に(または、オフからオンに変化した後の所定期間、例えば0.1秒間オンが連続したことを契機としてもよい)、当該検知センサがオンである期間中(例えば、ガラス扉が開放状態(オン)であるか閉鎖状態(オフ)であるかを示す扉開放中フラグがオンである期間中)、常時オン信号を出力する。但し、オンからオフに変化した後、所定期間、例えば0.1秒間が経過するまではオン信号を出力し続けてもよい。
また、扉・枠開放信号は、遊技機の前枠102が開放中であることを示してもよい。この場合、前枠ユニット開放検知センサがオフからオンに変化したことを契機に(または、オフからオンに変化した後、所定期間、例えば0.1秒間オンが連続したことを契機としてもよい)、当該検知センサがオンである期間中(例えば、前枠102が開放状態(オン)であるか閉鎖状態(オフ)であるかを示す枠開放中フラグがオンである期間中)、常時オン信号を出力する。但し、オンからオフに変化した後、所定期間、例えば0.1秒間が経過するまではオン信号を出力し続けてもよい。
また、扉・枠開放信号は、遊技機の受け皿枠(例えば扉104)が開放中であることを示してもよい。この場合、球皿ユニット開放検知センサがオフからオンに変化したことを契機に(または、オフからオンに変化した後、所定期間、例えば0.1秒間オンが連続したことを契機としてもよい)、当該検知センサがオンである期間中、常時オン信号を出力する信号である。但し、オンからオフに変化した後、所定期間、例えば0.1秒間が経過するまではオン信号を出力し続けてもよい。
ここで、上記3種類の扉・枠開放信号のうちいずれかを一つの機種に適用してもよいし、3種類のうち2つまたは3つを各ユニット間の構成に応じて同一の出力信号として適用してもよい。後者の場合、いずれかの開放検知センサがオンである期間中は、オン信号を出力し続ければよい。また、各ユニットの開放検知センサは、メイン基板200に接続していてもよいし、払出制御基板155側に接続されていてもよい(メイン基板200と払出制御基板155とは、双方向通信が可能であるため)。
図柄確定回数信号は、図柄変動系の信号の一つであり、例えば大入賞口20を開放させる契機となり得る図柄変動の全てを対象としてその図柄変動回数を示す。この場合、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了した場合(なお、変動表示が終了した後、図柄を固定表示している期間が終了したタイミングであってもよいし、終了タイミングではなく変動開始タイミングや変動期間中のタイミングであってもよい)、0.5秒間に亘ってオン信号を出力する。なお、出力期間は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示期間が採り得る最短期間よりも短くなるよう構成しておくことが好適である。また、特別図柄の変動固定時間(例えば0.5秒)中である期間、オン信号を出力するよう構成してもよい。
また、図柄確定回数信号は、例えば大入賞口20を開放させる契機となり得る図柄変動の一部である第2特別図柄を対象としてその図柄変動回数を示す仕様であってもよい。この場合、第2特別図柄の変動表示が終了した場合(なお、変動表示が終了した後、図柄を固定表示している期間が終了したタイミングであってもよいし、終了タイミングではなく変動開始タイミングや変動期間中のタイミングであってもよい)、0.5秒間に亘ってオン信号を出力する信号である。なお、出力期間は、第2特別図柄の変動表示期間が採り得る最短期間よりも短くなるよう構成しておくことが好適である。
また、図柄確定回数信号は、例えば大入賞口20を開放させる契機となり得る図柄変動の一部である第1特別図柄を対象としてその図柄変動回数を示す仕様であってもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示が終了した場合(なお、変動表示が終了した後、図柄を固定表示している期間が終了したタイミングであってもよいし、終了タイミングではなく変動開始タイミングや変動期間中のタイミングであってもよい)、0.5秒間に亘ってオン信号を出力する信号である。なお、出力期間は、第1特別図柄の変動表示期間が採り得る最短期間よりも短くなるよう構成しておくことが好適である。
第1大当り信号は、大当り系の信号の一つであり、大入賞口20を開放させ得る状態である特別遊技が実行されている期間中(役物連続作動装置作動中)であることを示す。ここで「特別遊技が実行中である期間」は、ラウンド遊技が複数回実行されている期間(ラウンド後の大入賞口閉鎖期間含む)だけでなく、開始デモや終了デモの期間も含む。より具体的には、開始デモ(1ラウンド目が開始するまで大入賞口の閉鎖を維持する期間)+1ラウンド+ラウンド後閉鎖時間(ラウンド間時間)+2ラウンド+ラウンド後閉鎖時間(ラウンド間時間)+・・・最終ラウンド+ラウンド後閉鎖時間+終了デモ(最終ラウンド終了から特別遊技終了まで/特別遊技終了直後の初回変動が開始されるまで大入賞口の閉鎖を維持する期間)の期間である。この信号は、特別遊技が開始された場合(なお、開始デモ期間の開始前、期間中、終了後を出力タイミングとしてもよい)、特別遊技が実行中である期間中(例えば、役物連続作動装置が作動状態(オン)であるか非作動状態(オフ)であるかを示す役物連続作動装置作動フラグ又は条件装置作動フラグがオンである期間中)は、常時オン信号を出力する信号である。
第1大当り信号は、大当り図柄の種類や、特別遊技開始直前(大当り図柄が停止する際)の遊技状態、特別遊技終了後に移行する遊技状態の種類に応じて、その出力期間が異なるよう構成してもよい。例として、16ラウンド確変大当りに対応した大当り図柄が停止した場合と、4ラウンド通常大当りに対応した大当り図柄が停止した場合において、(1)16ラウンド確変大当りが非時短状態にて大当りした場合、開始デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば5秒であり、終了デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば30秒であり、開始デモ時間中及び終了デモ時間中に演出表示装置60に表示される画像はキャラクタAの画像となり、更には遊技球を借りるために必要な記録媒体の取り忘れ防止を促すための画像を終了デモ時間中に表示し、(2)4ラウンド通常大当りが非時短状態にて大当りした場合、開始デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば5秒であり、終了デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば10秒であり、開始デモ時間中及び終了デモ時間中に演出表示装置60に表示される画像はキャラクタBの画像となり、更には遊技球を借りるために必要な記録媒体の取り忘れ防止を促すための画像を終了デモ時間中に表示し、(3)16ラウンド確変大当りが時短状態にて大当りした場合、開始デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば4秒であり、終了デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば6秒であり、開始デモ時間中に演出表示装置60に表示される画像はキャラクタCの画像となり、遊技球を借りるために必要な記録媒体の取り忘れ防止を促すための画像を終了デモ時間中に表示しない、(4)4ラウンド通常大当りが時短状態にて大当りした場合、開始デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば4秒であり、終了デモ時間にて第1大当り信号が出力されている期間は例えば10秒であり、開始デモ時間中に演出表示装置60に表示される画像はキャラクタBの画像となり、遊技球を借りるために必要な記録媒体の取り忘れ防止を促すための画像を終了デモ時間中に表示しないよう構成してもよい。上記時間値については一例であり適宜変更可能であるが、その大小関係や差分関係については上記のような関係が望ましい。
第2大当り信号は、大当り系の信号の一つであり、大入賞口20を開放させ得る状態である特別遊技が実行されている期間中(役物連続作動装置作動中)であること、及び、大入賞口20を開放させる契機となる図柄変動の時間短縮遊技中(変動時間短縮機能作動中)であることを示す。この信号は、特別遊技が開始された場合、及び、時間短縮遊技が開始された場合、特別遊技が実行中である期間中(例えば、役物連続作動装置作動フラグ及び/又は条件装置作動フラグがオンである期間中)、及び、時間短縮遊技が実行されている期間中(例えば、特別図柄が時短状態(オン)であるか非時短状態(オフ)であるかを示す特別図柄時短フラグ、及び/又は、普通図柄が時短状態(オン)であるか非時短状態(オフ)であるかを示す普通図柄時短フラグがオンである期間中)は、常時オン信号を出力する信号である。
また、第1大当り信号および第2大当り信号は、特定の入球口への入球がなければ大入賞口20を開放させ得る条件を充足しても特別遊技が実行されないような遊技機である場合、大入賞口20を開放させ得る条件を充足したこと(役物連続作動装置に係る条件装置を作動させることとなる図柄の組み合わせが表示されたこと)、及び、大入賞口20を開放させ得る期間中(役物連続作動装置作動中)であることを示してもよい。この場合、大当り図柄に係る図柄の変動表示が終了した後から、所定期間(例えば、0.5秒であるが、次回の割り込み処理にて信号を出力する場合には、割り込み処理の周期を加算した、0.504秒)が経過した場合(なお、変動表示が終了した後、図柄を固定表示している期間が終了した場合(又は開始した場合、期間中である場合)を出力タイミングとしてもよい)、前記出力タイミング後となる期間中、及び、特別遊技が実行中である期間中(例えば、条件装置作動フラグがオンである期間中)は、常時オン信号を出力する。なお、大当り図柄に係る図柄の変動表示が終了した後、特定の入球口へ遊技球が入球するまで特別遊技が実行されず、特別遊技の実行が開始されることで出力開始となるため、特別遊技の開始タイミングが特定の入球口への入球タイミングに依存する本仕様においては上記の出力期間は可変である。
また、第1大当り信号および第2大当り信号は、小当りを契機としたV入賞口への入球に基づく大当りを実行可能な遊技機に適用した場合、信号の出力開始タイミングは、小当りを契機としたV入賞口への入球に基づく大当りの場合はV入賞口への入球を検出したタイミング、大当り図柄の停止を契機とした大当りの場合には条件装置作動フラグオフからオンのタイミング(大当り開始のタイミング)であり、大当りが終了するまで(条件装置作動フラグオンからオフまで)オン信号を出力した後にオフとなる。
第3大当り信号は、確率変動状態への移行可否を決定するための入球領域、例えば特定領域を備えた大入賞口20を備えた遊技機にて適用され、特定領域を備えた大入賞口20が短開放する(例えば、最大開放時間が0.01秒である)ラウンド実行中(特別電動役物作動中)であって、且つ、当該入球領域への入球検出が有効となっている状態であるときに、遊技球が当該入球領域へ入球したことを示してもよい。この場合、大入賞口20を短開放するラウンド実行中であって、且つ、特定領域への入球検出が有効となっている状態であるときに、遊技球が特定領域へ入球した場合、1秒間に亘ってオン信号を出力する。なお、1回の特別遊技の実行時において、前記出力タイミングを満たす1個目以外の場合は、出力しないよう構成しておくことが好適となる。
その他の信号として、遊技機を一意に識別するための情報を示す信号を出力してもよい。例えば、遊技機製造業者の識別コード(2バイト)、遊技機型式名識別コード(64バイト)、メインCPU290の固有情報(チップコードレジスタ値=4バイト)を順に出力してもよい。この信号は、電源投入後の任意のタイミング、例えば、電源投入後から約10秒後に、当該固有情報を1フレーム(スタートビット1ビット+データビット8ビット+パリティビット1ビット+ストップビット1ビット)毎に分割したものを、シリアル伝送方式(調歩同期、200bps)にてすべて出力するまでの期間、出力する信号である。なお、他の信号種別とは、信号形式(定格電圧、定格電流)を異ならせておくことが好適である。
入賞信号は、IN/OUT系の信号の一つであり、遊技機からの払い出し予定である遊技球個数を出力する。この信号は、賞球払出し対象となる各入賞口の入球センサにて遊技球の入球を検出した際に、払い出すべき賞球数を合計し、当該合計した賞球数(例えば、賞球数カウンタの値)が所定数、例えば10の倍数に達する毎に、0.1秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.1秒間に亘ってオフ信号を出力する信号である。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。また、入賞信号の出力条件を初めて満たすタイミングにおいては、所定期間、例えば1割り込み分=0.004秒の経過後から出力開始するよう構成してもよく、且つ、次回の出力を待機している場合には、今回の出力期間が満了した直後に(上記した所定期間が経過せずとも)出力開始するよう構成してもよい。
セキュリティ信号は、セキュリティ系の信号の一つであり、例えば遊技機にてRAM初期化操作が行われたことを示す。この場合、RAM初期化操作を伴う、電源投入後の任意のタイミング、具体的には電源投入後から所定期間、例えば1割り込み分=0.004秒の経過後から、0.2秒間に亘ってオン信号を出力する。なお、IN/OUT系や入賞検知系における出力期間と同一の出力期間となるよう構成してもよい。なお、セキュリティ信号は、RAM初期化操作が行われたことを示すだけでなく、以降に記載するような条件(エラー判定・不正判定などの条件)を充足することでも出力される。この場合、セキュリティ信号を出力する条件は、以降に記載する条件のうち少なくとも1つ以上を備えていることが望ましい。
セキュリティ信号は、大入賞口20を開放させ得る期間中(特別電動役物の作動から作動終了後における所定期間経過まで)以外の期間、例えば、大入賞口20への入球を有効または正常とみなす期間(オン)であるか無効または異常とみなす期間(オフ)であるかを示す大入賞口20の有効期間中フラグがオフである期間において、大入賞口20への入球を検出したことを示してもよい。この場合、特別遊技中における各ラウンドの実行期間(排出待ち期間やラウンド間期間を含む)以外、例えば、大入賞口20の有効期間中フラグがオフである期間において、大入賞検出装置25にて遊技球の入球を検出した場合に、0.2秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.2秒間に亘ってオフ信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。
セキュリティ信号は、磁石センサエラー、すなわち磁石の接近を感知するセンサによる異常な磁気の検出があったことを示してもよい。この場合、磁石センサからの信号がオンとなった場合(但し、当該オンとなった後から所定期間、例えば1秒以内に、再度オンとなった場合には出力タイミングを満たさない)に、0.2秒間に亘ってオン信号を出力する。なお、出力タイミングと、出力期間との関係性から、出力期間は重複し得ないよう構成されている。
セキュリティ信号は、電波センサエラー、すなわち電波を感受するセンサによる異常な電波の検出があったことを示してもよい。この場合、電波センサからの信号がオンとなった場合(但し、当該オンとなった後から所定期間、例えば1秒以内に、再度オンとなった場合には出力タイミングを満たさない)に、0.2秒間に亘ってオン信号を出力する。なお、出力タイミングと、出力期間との関係性から、出力期間は重複し得ないよう構成されている。
セキュリティ信号は、払出制御基板155側にて電波センサエラー、すなわち電波を感受するセンサによる異常な電波の検出があったことを示してもよい。この場合、払出制御基板155側に入力される電波センサからの信号がオンとなった場合(但し、当該オンとなった後から所定期間、例えば1秒以内に、再度オンとなった場合には出力タイミングを満たさない)に、0.2秒間に亘ってオン信号を出力する信号である。なお、出力タイミングと、出力期間との関係性から、出力期間は重複し得ない。また、払出制御基板155側からメイン基板200側に対して、電波センサからの信号がオンとなった旨のコマンドを送信し、当該コマンドを受信したメイン基板200が信号を出力するよう構成してもよい。
セキュリティ信号は、賞球払い出しの対象となる各入賞口への不正な入球(例えば、所定時間内における所定回数以上の入球、入球検出センサが所定時間以上オン継続、特別遊技中における大入賞口への入球数が、特別遊技の実行態様毎に定められた所定個数以上、ある入球有効期間中における設計値を超える数の入球、等)があったことを示してもよい。この場合、(1)各入賞口への入球を検出するためのスイッチで一の入球を検出した後、各入賞口毎に定められた期間内に再度、一の入球を検出した事象が、合計して所定回数以上発生した場合、及び、(2)各入賞口への入球を検出するためのスイッチで、所定期間に亘って入球を検出し続けた場合、及び、(3)ある特別遊技、例えば16ラウンド大当りの実行中において、大入賞口への入球センサにて検出された入球数が、当該期間中を通して規定数、例えば160を超えた場合、の(1)〜(3)のいずれかを満たした場合に、0.2秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.2秒間に亘ってオフ信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機するよう構成されている。また、(3)の場合には、特別遊技の実行内容に応じて、規定数を異ならせておくことが好適である(例1:最大ラウンド数が10ラウンドの場合には、規定数=100。例2:大入賞口が短開放のみを行う場合には、(3)を適用しない)。また、(1)〜(3)のうち1つだけを採用する仕様としてもよい。
セキュリティ信号の出力条件は上記が主な条件であるが、それ以外の条件について更に以降に記載する。以降については、遊技機にてRAM初期化操作が行われたことを条件とすることに加えて、更なる出力条件について記載する。
セキュリティ信号は、遊技機にてRAM初期化操作が行われたこと、及び、遊技機にて検出可能な不正行為が行われていることを示してもよい。ここでいう不正行為は、例えば不正入賞(大入賞口20を開放させ得る期間中(特別電動役物の作動時)以外の期間において、大入賞口20への入球を所定個数、例えば5個以上検出したこと、又は普通電動役物が開放し得ない期間中において、普通電動役物への入球を所定個数、例えば5個以上検出したこと)、電波センサエラー(電波を感受するセンサが異常な電波を検出したこと、又は、当該センサが未接続であること)、盤面スイッチエラー(遊技盤面に設けられた、近接センサによって物体の接近を検出したこと)、磁石センサエラー(磁石の接近を感知するセンサが異常な磁気を検出したこと、又は、当該センサが未接続であること)等である。この場合、(1)RAM初期化操作が行われた後の任意のタイミング、(2)不正入賞または電波センサエラーの検出時、(3)盤面スイッチエラーまたは磁石センサエラーの検出時、のいずれかを満たした場合に、(1)の場合には、第1期間、例えば30秒間に亘ってオン信号を出力し、(2)の場合には、第2期間、例えば30秒間に亘ってオン信号を出力し、(3)の場合には、第3期間、例えば各不正行為の検出中に亘ってオン信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、すべての出力期間を重複させ、すべての出力期間が満了するまで、オン信号の出力を維持するよう構成されている。また、(1)の場合と、(2)の場合とでは、出力期間を異ならせておいてもよい。
また、セキュリティ信号は、遊技機にてRAM初期化操作が行われたこと、及び、遊技機にて検出可能な不正行為が行われていることを示してもよい。ここでいう不正行為は、例えば、異常入賞エラー(大入賞口20を開放させ得る期間中(特別電動役物の作動時)以外の期間において、大入賞口20への入球を検出した、普通電動役物が開放し得ない期間中(閉鎖直後の所定期間を除く)において、普通電動役物への入球を検出した、等)、磁石センサエラー(磁石の接近を感知するセンサが異常な磁気を検出、等)、排出エラー(賞球払い出し対象となる各入球口への入球を検出するためのスイッチで検出された入球数と、当該スイッチよりも下流にある入球確認用のスイッチにて検出された入球数との差が所定数、例えば100を超えた、等)である。この場合、(1)RAM初期化操作が行われた後の任意のタイミング、(2)異常入賞エラーまたは磁石センサエラーの検出時、(3)排出エラーの検出時、のいずれかにおいて、(1)、(2)の場合には、0.2秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.2秒間に亘ってオフ信号を出力し、(3)の場合には、次回の(1)を満たすまでオン信号を出力する。なお、出力期間が重複(但し、(3)以外)した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機するよう構成されている。また、(1)、(2)に係る出力期間であっても、(3)に係る出力タイミングとなった時点でオン信号の出力を維持し、(3)に係る出力期間中において、(1)、(2)に係る出力タイミングとなった場合であっても、オン信号の出力を維持するよう構成されている。
また、セキュリティ信号は、遊技機に電源投入されたこと、及び、遊技機にて検出可能な不正行為が行われていることを示してもよい。ここでいう不正行為は、例えば、異常入賞(開放制御を行っている大入賞口とは異なる大入賞口への入球)、磁石センサエラー(磁石の接近を感知するセンサが異常な磁気を検出)、電波センサエラー(電波を感受するセンサが異常な電波を検出)、振動センサエラー(振動を感受するセンサが、所定条件下=大当り時における各ラウンドの実行中以外で、異常な振動を検出)、スイッチ異常エラー(各入賞口への入球を検出するためのスイッチで入球検出された一方、当該スイッチよりも下流にある入球確認用のスイッチにて入球検出されない)、大入賞口異常排出エラー(大入賞口への入球を検出するためのスイッチで検出された入球数と比較して、当該スイッチよりも下流にある排出確認用のスイッチにて検出された入球数の方が多い)、大入賞口入出球不一致エラー(大入賞口への入球を検出するためのスイッチで検出された入球数と比較して、当該スイッチよりも下流にある排出確認用のスイッチにて検出された入球数の方が少ない、等)である。この場合、(1)電源投入後の任意のタイミング、例えば電源投入後から所定期間(1割り込み分=0.004秒)の経過後、または、(2)前記不正行為の検出時(検出時から所定期間(1割り込み分=0.004秒)の経過後であってもよい)において、(1)の場合には、第1期間、例えば30秒間に亘ってオン信号を出力し、(2)の場合には、第2期間、例えば18秒間に亘ってオン信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間を破棄した上で、新たに、次回の出力を開始するよう構成されている(次回の出力タイミングを満たした場合、所定期間、例えば1割り込み分=0.004秒の経過後において、今回出力している1信号の出力期間を破棄した上で、新たに、次回の出力を開始するよう構成してもよい)。また、同一の出力信号であっても、(1)の場合と、(2)の場合とでは、出力期間を異ならせておくことが好適である。
また、セキュリティ信号は、遊技機にてRAM初期化操作が行われたこと、及び、遊技機にて検出可能な不正行為が行われていることを示してもよい。ここでいう不正行為は、例えば、磁石センサエラー(磁石の接近を感知するセンサが異常な磁気を検出)、大入賞口異常検知エラー(大入賞口の最長開放期間内(又は、複数回のラウンドを実行する場合には、その合計期間)において設計上入球可能な入球数と比較して、大入賞口への入球を検出するためのスイッチで検出された入球数の方が多い)、始動口入賞異常エラー1(ある始動口への入球を検出するためのスイッチで検出された入球数と比較して、当該スイッチよりも下流にある不正防止用のスイッチにて検出された入球数の方が少ない)、始動口入賞異常エラー2(普通電動役物の最長開放期間内(閉鎖後のインターバルを含む)において設計上入球可能な入球数と比較して、普通電動役物への入球を検出するためのスイッチで検出された入球数の方が多い、或いは、普通電動役物が開放し得ない期間中において、普通電動役物への入球を検出するためのスイッチで入球が検出された、等)である。この信号は、(1)RAM初期化操作が行われた後の任意のタイミング、(2)前記不正行為の検出時に、(1)の場合には、第1期間、例えば30秒間に亘ってオン信号を出力し、(2)の場合には、第2期間、例えば30秒間に亘ってオン信号を出力する信号である。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間を破棄した上で、新たに、次回の出力を開始するよう構成されている。また、(1)の場合と、(2)の場合とでは、出力期間を異ならせておいてもよい。
また、セキュリティ信号は、遊技機にてRAM初期化操作又はエラー解除操作(賞球の払い出し動作が行われにも拘わらず、払い出し不足となった事象が所定期間内に所定回数発生した場合のエラーを解除する操作)が行われたこと、及び、遊技機にて検出可能な不正行為が行われていることを示してもよい。ここでいう不正行為は、例えば、不正入賞1(大入賞口20を開放させ得る期間中(特別電動役物の作動時)以外の期間において、大入賞口20への入球を検出)、不正入賞2(普通電動役物が開放し得ない期間中(閉鎖直後の所定期間を除く)において、普通電動役物への入球を検出するためのスイッチで入球が検出)、磁石センサエラー(磁石の接近を感知するセンサが異常な磁気を検出(0.1秒以上に亘って検出))、電波センサエラー(電波を感受するセンサが異常な電波を検出(0.01秒以上に亘って検出))、入賞口スイッチエラー(各入賞口への入球を検出するためのスイッチで、所定期間、例えば0.2秒以上に亘って入球を検出し続けた、等)である。この信号は、(1)RAM初期化操作又はエラー解除操作が行われた後の任意のタイミング、(2)前記不正行為(不正入賞1、不正入賞2)の検出時、(3)前記不正行為(磁石センサエラー、電波センサエラー、入賞口スイッチエラー)の検出時、のいずれかにおいて、(1)の場合には、第1期間、例えば30秒間に亘ってオン信号を出力し、(2)の場合には、第2期間、例えば30秒間に亘ってオン信号を出力し、(3)の場合には、第3期間、例えば各不正行為の検出中及び各不正行為が未検出となった後の30秒間に亘ってオン信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間を破棄した上で、新たに、次回の出力を開始するよう構成されている。また、(1)の場合と、(2)の場合とでは、出力期間を異ならせておいてもよい。
また、セキュリティ信号は、遊技機にてRAM初期化操作が行われたこと、及び、遊技機にて検出可能な不正行為が行われていることを示してもよい。ここでいう不正行為は、例えば、大入賞口不正入賞エラー(大入賞口20を開放させ得る期間中(特別電動役物の作動時)以外の期間において、大入賞口20への入球を所定個数、例えば5個以上検出。但し、1回のラウンドにおいてのみ大入賞口20を開放させ得る期間中(特別電動役物作動中)は除く)、所定始動口不正入賞エラー(普通電動役物が開放し得ない期間中において、普通電動役物への入球を検出)、磁石センサエラー(磁石の接近を感知するセンサが異常な磁気を検出)、誘導磁界検知エラー(電波を感受するセンサが異常な電波を検出、等)である。この信号は、(1)RAM初期化操作が行われた後の任意のタイミング、及び、(2)前記不正行為の検出時において、0.05秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.05秒間に亘ってオフ信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機するよう構成されている。また、IN/OUT系、図柄変動系、入賞検知系における出力期間と同一の出力期間となるよう構成してもよい。
また、セキュリティ信号は、誘導装置異常エラー又は排出エラーを検出したことを示してもよい。誘導装置異常エラーは、大入賞口内に設けられている、ハネ型の形状である誘導装置が開閉するべきタイミングで開閉していない(開放態様通りに開放していない)場合に、排出エラーは、大入賞口20への入球を検出するためのスイッチ(例えば大入賞検出装置25)で検出された入球数と比較して、当該スイッチよりも下流にある排出確認用のスイッチ(例えば、排出口の入球検出装置)にて検出された入球数の方が多い場合に、誘導装置異常エラーと判断したタイミング又は排出エラーと判断したタイミングから0.200秒オンとなった後、0.200秒オフとなる。なお、他の信号と出力期間が重複した場合には、先に出力していた信号の0.200秒オンから0.200秒オフの出力期間の、0.200秒オフが終了するまで待機した後にオンとなる(実行中の出力が終了するまで待機)。なお、誘導装置異常エラーとは、誘導装置に設けられた位置センサにより、現在の誘導装置の状態が開放状態か閉鎖状態かを認識可能とし、その開放/閉鎖状態が、現在の遊技状態(誘導装置が開放状態とすべき状態又はしてもよい状態か、そうでない状態か)に応じた適切なものであるかを判断し、不適切である場合に発生するエラーである。具体的には、小当り遊技開始から小当り遊技終了後の所定期間経過までは開放状態であってもエラーとはしないが、それ以外の期間であるとエラーとする等であり、この場合、大当り中に検知された場合はエラーと見做さなくてもよい。
全始動口信号は、入賞検知系の信号の一つであり、大入賞口20を開放させる契機となる図柄変動に係る始動口の全てを対象として各始動口への入球回数を示す。この信号は、第1始動口11への入球を検出するためのスイッチで一の入球を検出した場合、及び、第2始動口12への入球を検出するためのスイッチで一の入球を検出した場合、0.1秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.1秒間に亘ってオフ信号を出力する。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。また、第2始動口12への不正な入球を検出した場合には、当該入球を契機として出力タイミングを満たさないよう構成してもよい。
第1始動口信号は、入賞検知系の信号の一つであり、大入賞口20を開放させる契機となる図柄変動に係る始動口の一部、例えば第1始動口11を対象としてその始動口への入球回数を示す。この信号は、第1始動口11への入球を検出するための第1始動入賞検出装置16で一の入球を検出した場合、0.1秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.1秒間に亘ってオフ信号を出力する信号である。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。
第2始動口信号は、入賞検知系の信号の一つであり、大入賞口20を開放させる契機となる図柄変動に係る始動口の一部、例えば第2始動口12を対象としてその始動口への入球回数を示す。この信号は、第2始動口12(普通電動役物90が搭載されているもの)への入球を検出するためのスイッチで一の入球を検出した場合、0.1秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.1秒間に亘ってオフ信号を出力する信号である。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。また、第2始動口12(普通電動役物90が搭載されているもの)への不正な入球を検出した場合には、当該入球を契機として出力タイミングを満たさないよう構成してもよい。
ゲート信号は、入賞検知系の信号の一つであり、普通電動役物(電チューであり、例えば普通電動役物90)を開放させる契機となる図柄変動に係る始動口(例えば第1作動口31、第2作動口32)の全てを対象としてその始動口への入球回数を示す。この信号は、作動口(通過ゲート)への入球を検出するためのスイッチ(例えば第1通過検出装置36、第2通過検出装置37)で一の入球を検出した場合、0.1秒間に亘ってオン信号を出力した後、0.1秒間に亘ってオフ信号を出力する信号である。なお、出力期間が重複した場合には、今回出力している1信号の出力期間が満了するまで、次回の出力を待機する。
追加外部端子信号は、追加外部端子系の信号の一つであり、例えば非時間短縮遊技状態における小当り遊技中にV入賞口に遊技球が入球したことを示す。この場合、非時間短縮遊技状態における小当り遊技中にてV入賞口有効期間(V入賞口に遊技球が入球することにより大当りの移行権利を獲得できる期間)内にV入賞口に遊技球が入球したタイミング、0.200秒オンとなった後0.200秒オフとなる。
追加外部端子信号は、小当り遊技中であることを示してもよい。この場合、小当り遊技に係る大入賞口20の開放開始タイミング(例えば、小当りフラグがオンとなったタイミング)、小当り遊技に係る大入賞口20の開放時間終了タイミングまでオンとなる。
追加外部端子信号は、大入賞検出装置25が遊技球を検出したことを示してもよい。この場合、大入賞検出装置25がオフからオンとなった(例えば大入賞検出装置25が遊技球の入球を検出した)場合、0.200秒オンとなった後0.200秒オフとなる。なお、他の信号と出力期間が重複した場合には、先に出力していた信号の0.200秒オンから0.200秒オフの出力期間の、0.200秒オフが終了するまで待機した後にオンとなる(実行中の出力が終了するまで待機)。
<端子ユニット>
ぱちんこ遊技機100の背面側には、外部情報出力端子160が設けられる。図2に示される通り、外部情報出力端子160は、ぱちんこ遊技機100の背面側における右上付近の裏セット機構152に設けられるが、本実施例における外部情報出力端子160の具体的な構成例については後述の図27,28で説明する。外部情報出力端子160は、ぱちんこ遊技機100においてエラーが発生した場合におけるエラー発生とエラー内容を遊技店側に通知するためのエラー信号や、各種遊技状態を示す遊技状態信号を出力する端子である。
図26は、エラーの種類とエラー信号との対応関係を示す。ぱちんこ遊技機100において発生し得るエラーは、外部情報出力端子160を通じて遊技店側に通知するエラーと、特に通知しないエラーとに分けられる。また、ぱちんこ遊技機100において発生し得るエラーは、遊技者等の不正に起因して発生し得るエラーと、不正以外に起因して発生し得るエラーとに分けることもできる。
主に遊技者等の不正に起因して発生し得るエラーは複数種類がある。例えば、異常入賞エラー(図の5番)、異常通過エラー(6番)、排出エラー(7番)、接続異常エラー(8番)などの相対的に重要度が低いエラーと、磁石センサエラー(1番)、電波センサエラー(2番)、振動センサエラー(3番)、異常動作エラー(4番)などの相対的に重要度が高いエラーである。「異常入賞エラー」は、始動口や大入賞口への未開放時や有効期間外の入賞、過剰な入賞などが含まれてよい。「異常通過エラー」は、大入賞口20の未開放時や有効期間外の特定領域通過、過剰な通過などが含まれてよい。「接続異常エラー」は、メイン基板200と接続されているべき各種入賞口や図柄等表示ユニットや外部情報出力端子160などが、メイン基板200と接続されていない場合に発生するエラーである。「異常動作エラー」は、賞球数に影響がある各種動作に関連して異常が発生した場合のエラーである。例えば遊技球を案内する経路を切り換える部材に異常が発生した場合の経路切換板エラー、乱数更新処理に異常が発生した場合の乱数更新エラー、信号線等に断線が発生した場合の断線エラー等がある。不正に起因する場合と不正以外に起因する場合の両方が考えられる警告として、例えばRAMクリアを伴う電源投入があったことを示す通知(9番)や、扉・枠開放があったことを示すエラー(11番)がある。なお、9番の警告としてRAMクリアを伴う電源投入があったことを示す通知を例示したが、変形例として、RAMクリアを伴わない電源投入があった場合にも同様の通知をする仕様としてもよい。他の警告として、例えば設定変更・設定確認の実行を示す通知(10番)がある。一方、不正に起因しないエラーには、例えば通信エラー(12番)、皿満タンエラー(13番)、遊技球払出エラー(14番)、遊技球等貸出装置未接続エラー(15番)がある。「通信エラー」は、メイン基板200、サブ基板300、演出表示装置60、払出制御基板155などの装置間で通信不能状態であることを示すエラーである。「遊技球払出エラー」は前述の通りである。
複数種類のエラーのうち、そのエラーを示す信号が共通の端子から出力されるエラーと、その共通する端子とは別の端子から出力されるエラーとがある。相対的に重要度の高いエラーや警告は基本的に警告情報(以下「セキュリティ信号」と称する)として共通の端子から出力されるが、他のエラーを示す信号は別端子から出力され得る。例えば不正に起因する可能性が高いエラーのように重要度の高いエラーは重複して複数発生する可能性は高くないだけでなく、一つでも発生すればそのエラー状態を解消する必要性が高いため、共通の端子から共通のセキュリティ信号として遊技店側に通知する。一方、相対的に重要度の低いエラーは、セキュリティ信号とは区別して遊技店側に通知するために、別端子から別信号として通知する。例えば、不正行為に起因する可能性が高い磁石センサエラーと異常入賞エラーは、同じセキュリティ信号として共通の端子から出力され、遊技店員の保守作業に起因する可能性が高い扉・枠開放エラーは扉・枠開放エラー信号として別端子から出力される。一方、RAMクリアを伴う電源投入があったことを示す警告は、不正の有無にかかわらず確実に遊技店側に通知すべき事象であるため、セキュリティ信号として共通の端子から出力される。また、設定変更状態または設定確認状態へ移行する旨を示す情報もまた、セキュリティ信号として共通の端子から出力されてもよい。なお、上述の通り、セキュリティ信号の対象となるエラーの中で、上述の磁石センサエラー(1番)、電波センサエラー(2番)、振動センサエラー(3番)、異常動作エラー(4番)は特に重要度が高いエラーであるが、これらと比べると異常入賞エラー(5番)、異常通過エラー(6番)、排出エラー(7番)、接続異常エラー(8番)、電源投入があったことを示す通知(9番)、設定変更・設定確認の実行を示す通知(10番)は相対的に重要度が低いとされるものの、セキュリティ信号の対象とならないエラーと比べれば相対的に重要度は高い。
エラーの種類によっては、外部情報出力端子160からエラーを示す信号出力はするが音声や演出表示装置60への表示によるエラー報知は出力しないものがある。異常を検知した事実を遊技者に伝えずに遊技店側に通報するためである。その場合、エラー報知音の出力、演出表示装置60へのエラー報知の表示の少なくともいずれかは行われないため、演出表示または演出音声出力については制限されない。すなわち、エラー報知音の実行に伴って演出音が中断や中止されるようなことや、演出表示装置60でのエラー報知が実行されることで演出表示装置60での演出が中断や中止されるようなことや、演出表示装置60でのエラー報知が優先表示されることで演出の一部がエラー報知に隠れるといったことが回避される。例えば、異常入賞エラーが発生した場合、セキュリティ信号が外部情報出力端子160から出力されるが、エラー報知音を出力しない仕様の場合は演出音声の出力は制限されない。この場合、演出表示装置60ではエラー報知が表示されることで、演出表示装置60での演出が中断ないし中止される、または、エラー報知が優先表示されることで演出の一部がエラー報知に隠れる。その他の例としては、異常入賞エラーが発生した場合、セキュリティ信号が外部情報出力端子160から出力されるが、演出表示装置60ではエラー報知が行われない仕様の場合は演出表示装置60での演出が中断や中止されない、または、演出の一部が隠れたりすることがない。この場合、エラー報知音を出力し、演出音声の出力が制限される。
図26の表に示す通り、1〜4番のエラー時は、共通のセキュリティ信号が出力されるとともにエラー報知音も出力される。5〜8番のエラー時は、セキュリティ信号が出力されるとともに、エラー報知音も出力される仕様であってもよいし、エラー報知音は出力されない仕様であってもよい。9番のRAMクリアを伴う電源投入の警告時や10番の設定変更・設定確認時もまた、セキュリティ信号が出力されるとともに、エラー報知音も出力される仕様であってもよいし、エラー報知音は出力されない仕様であってもよい。11番の扉・枠開放エラー時もまた、扉・枠開放エラー信号が出力されるとともに、エラー報知音も出力される仕様であってもよいし、エラー報知音は出力されない仕様であってもよい。11番の扉・枠開放エラーのエラー報知音は、例えば「扉が開いています!」といった言葉で注意喚起する音声であってよい。12,14,15番のエラーは不正の可能性が低いエラーであり、相対的に重要度が低いことから、信号出力や演出表示装置60でのエラー報知はせずにぱちんこ遊技機100の背面側に設けられる後述のエラー表示装置にて表示する。一方、13番の皿満タンエラーの場合は、球皿(例えば下球皿106)から遊技球を箱に抜き取るための玉抜きボタン(玉抜きレバー)の画像とともに「球を抜いて下さい」といった文字をエラー報知として演出表示装置60の画面に表示し、その表示から10秒経過しても玉抜きがなされずエラーが解除されない場合は、「球を抜いて下さい」といった言葉で注意喚起する音声をエラー報知音として出力する。なお、変形例として、異常入賞エラー、異常通過エラー、排出エラー、接続異常エラーのいずれかが発生した場合でもその旨を示すエラー報知をしないだけでなくセキュリティ信号も出力しない仕様としてもよい。また、図26の表において「あり/なし」と記載する項目は、その出力や表示が「あり」の仕様の場合と「なし」の仕様の場合のどちらかが実機ごとに仕様として採用されることを示す。
磁石センサエラーと扉・枠開放エラーとがそれぞれ発生し、同時期にこれらのエラー状態が重なった場合、セキュリティ信号と扉・枠開放信号は同時に外部情報出力端子160から出力され得る、すなわち重複して出力され得る。一方、それぞれに対応するエラー報知音は重複出力されず、一方のみに対応したエラー報知音がスピーカー108から出力される。この場合、より重要度の高いエラーに対応するエラー報知音が優先的に出力されてもよい。なお、上記のエラーの重複後、磁石センサエラーが解除されたが、扉・枠開放エラーが解除されなかった場合、磁石センサエラーに対応するエラー報知音の停止後に、扉・枠開放エラーに対応するエラー報知音を出力する。
外部情報出力端子160から出力される信号により示される遊技状態としては、賞球、図柄確定回数、始動口入賞、大当り、遊技球排出、設定変更、設定確認等がある。大当りを示す信号は複数種類(第1大当り信号、第2大当り信号など)があり、それぞれ別端子から出力される。特別遊技中に出力される第1大当り信号と、特別遊技中および高ベース状態中(時短状態および時短を伴う確変状態)に出力される第2大当り信号があり、第1大当り信号と第2大当り信号とは別端子から出力される。
上述の通り、電源投入があった場合にも、電源投入を示す警告情報としてセキュリティ信号が外部情報出力端子160から所定期間にわたって出力される。電源投入を示すセキュリティ信号の出力期間中にエラーが発生した場合、そのエラーが磁石センサエラーなど不正行為に起因する可能性が高いエラーである場合は上記の所定期間を超える期間にわたってセキュリティ信号が出力され(すなわち出力期間が延長され)る。一方、扉・枠開放があったことを示すエラーなど、不正以外に起因して発生し得る特定のエラーである場合は上記の所定期間にてセキュリティ信号の出力が終了される(すなわち出力期間は延長されない)。このように、セキュリティ信号の出力期間中に発生するエラーの種類によってセキュリティ信号の出力期間の延長有無が異なり得る。
電源投入には2つの場合がある。一つは、RAMクリアスイッチの押下を伴わない電源投入による電源復帰の場合である。もう一つは、RAMクリアスイッチの押下を伴う電源投入による電源復帰の場合である。なお、電源投入は、不具合に基づく電源断から電源投入される場合もあり、また、不正操作により電源断および電源投入がなされる場合もあり得る。
設定変更状態への移行を示す信号(セキュリティ信号として出力してもよい)の出力期間は、設定変更状態の期間以上の期間、または、設定変更状態への移行から30秒以上の期間のうち長い方である。同様に、設定確認状態への移行を示す信号(セキュリティ信号として出力してもよい)の出力期間は、設定確認状態の期間以上の期間、または、設定確認状態への移行から30秒以上の期間のうち長い方。ただし、電源投入を示すセキュリティ信号の出力と合わせて計30秒以上となるように出力してもよい。その場合、信号の出力期間中に、設定変更状態または設定確認状態であることを示す報知を実行し、設定変更状態または設定確認状態の終了後に電源復帰を示す報知を実行することで、両者の合計時間が30秒以上となるようにしてもよい。
セキュリティ信号の出力中にRAMクリアスイッチの押下を伴う電源投入があった場合、その電源投入後も外部情報出力端子160からセキュリティ信号が出力される。ただし、変形例として、セキュリティ信号の出力中にRAMクリアスイッチの押下を伴わない電源投入があった場合にもセキュリティ信号が出力される仕様としてもよい。また、特別遊技の実行中は大当り状態であることを示す大当り信号が外部情報出力端子160から出力されるが、大当り状態においてRAMクリアスイッチの押下を伴わない電源投入があった場合、その電源投入後も外部情報出力端子160から大当り信号が出力される。この場合、電源投入を示すセキュリティ信号は外部情報出力端子160から出力されない。一方、大当り状態においてRAMクリアスイッチの押下を伴う電源投入があった場合は、その電源投入後は外部情報出力端子160から大当り信号が出力されないが、電源投入を示すセキュリティ信号は外部情報出力端子160から出力される。このように、セキュリティ信号または大当り信号の出力期間において電源復帰があった場合、RAMクリアスイッチの押下有無に応じてその後のセキュリティ信号または大当り信号の出力継続有無は異なり得る。なお、セキュリティ信号と大当り信号の両方の出力期間中にRAMクリアスイッチの押下を伴わない電源復帰があった場合、その復帰後はセキュリティ信号と大当り信号の両方が出力継続される。ただし、電源復帰後の信号出力タイミングはセキュリティ信号の出力が先で、大当り信号の出力が後である。
セキュリティ信号の出力期間中であっても、そのセキュリティ信号の出力契機が磁石センサエラーである場合と異常入賞エラーである場合とで、演出制限有無の傾向が異なる。すなわち、相対的に重要度が高い不正行為に起因する可能性が高いエラーが発生した場合は、演出の出力が制限される傾向(第1の傾向)となり、相対的に重要度が低い不正行為に起因する可能性が高いエラーが発生した場合は、演出の出力が制限されないまたは制限が小さい傾向(第2の傾向)となる。ここで「第1の傾向」は、演出の出力の制限度合いが強い傾向であり、例えば演出表示装置60においてはエラー報知の表示により演出が一切表示されない、または、エラー報知の表示により演出表示のほとんどが表示されないかエラー報知の表示に隠される。この場合、音声出力としてはエラー報知音のみが出力されて演出音声は出力されない。また「第2の傾向」は、演出の出力の制限度合いが弱い傾向であり、例えば演出表示装置60においてはエラー報知の表示により演出のごく一部が表示されないかエラー報知の表示に少しだけ隠される。この場合、音声出力としてはエラー報知音は出力されず演出音声のみが出力されるか、エラー報知音と演出音声が並行して出力される。演出が制限される場合であっても、演出制御手段304による演出表示等の処理は継続しつつ、その演出表示に被さるようにエラー表示をすることで、実質的に遊技者からは演出が視認困難となる状態も「制限」に含んでもよい。いずれのエラーの場合でも演出を制限はするが、その制限の態様が異なり、例えば磁石センサエラーなどの重要度が高いエラーの場合にだけエラー報知を表示することとしてもよい。あるいは、磁石センサエラーなどの重要度が高いエラーの場合はエラー報知を表示する一方で異常入賞エラーなどの重要度が低いエラーの場合は演出表示を残しつつ小さなエラー報知を表示することとしてもよい。また、セキュリティ信号の対象のうち、磁石センサエラーなどの相対的に重要度が高いエラーの場合、エラー報知音の出力期間においては演出音声の出力が制限され得る。異常入賞エラーなどの相対的に重要度が低いエラーの場合でも、エラー報知音を出力する場合はその出力期間において演出音声の出力が制限され得る。なお、扉・枠開放エラーや皿満タンエラーの場合にも、エラー報知中における演出制限有無の傾向が異なる。
図27,28は、外部情報出力端子160の外観例である。図27は、外部情報出力端子160の第1の例を示す。図28は、外部情報出力端子160の第2の例を示す。外部情報出力端子160は、複数の出力端子のコネクタが集合してユニット化された端子ユニット(いわゆる端子台)として構成される。外部情報出力端子160は、例えば10個のコネクタ500(第1〜10コネクタ500a〜j)が横一列に連結された端子ユニットである。第1〜10コネクタ500a〜jは、それぞれ2つのケーブル挿入孔501と2つのロックボタン502を含む。ロックボタン502を押下して開放されたケーブル挿入孔501にケーブル503を挿入し、ロックボタン502を戻すことでケーブル503がケーブル挿入孔501に固定される。外部情報出力端子160には、メイン基板200および払出制御基板155からの出力信号が入力される。
<出力端子の色>
複数の出力端子のコネクタ500は、その種類の区別のために個別に彩色される。具体的には、ロックボタン502の色彩がコネクタ500ごとに異なる。例えば、第1コネクタ500aは白色、第2コネクタ500bは緑色、第3コネクタ500cは灰色、第4コネクタ500dは黄色、第5コネクタ500eは黒色である。第6コネクタ500fは桃色、第7コネクタ500gは青色、第8コネクタ500hは赤色、第9コネクタ500iは水色、第10コネクタ500jは紫色である。図27の例は一つのコネクタ500に含まれる2つのケーブル挿入孔501と2つのロックボタン502がコネクタ500の連続する方向に横並びに配置される形式である。図28の例は一つのコネクタ500に含まれる2つのケーブル挿入孔501と2つのロックボタン502がコネクタ500の連続する方向と直交する縦方向にて対向して配置される形式である。ぱちんこ遊技機100を設置する遊技店は、任意でいずれかのコネクタ500にケーブル503を接続し、その情報を遊技店側のコンピュータ(いわゆるホールコンピュータ)に情報を入力することができる。ケーブル503の接続に際しては、図29で説明する出力端子説明部を従業員が参照し、ホールコンピュータに入力したい情報に対応するコネクタ500を選んでケーブル503を挿入する。
<出力端子の説明部>
図29は、出力端子説明部を例示する。出力端子説明部510は、複数の出力端子のコネクタ500のそれぞれから出力される情報とその出力端子の色との対応関係の説明が記載されたシールである。出力端子説明部510は、遊技盤80の裏側における視認性の高い箇所、例えばぱちんこ遊技機100の背面側に設けられた所定の部品ケースに貼付される。出力端子説明部510には、コネクタ番号と、コネクタの外観色と同じ見本色と、色名と、出力される情報との対応関係の表が印刷される。例えば、コネクタ番号「1」は「白」色であり、第1見本色521とともに「賞球」(賞球信号)が出力される。コネクタ番号「2」は「緑」色であり、第2見本色522とともに「扉・枠開放」(扉・枠開放信号)を示す情報が出力される。コネクタ番号「3」は「灰」色であり、第3見本色523とともに「図柄確定回数」(図柄確定回数信号)を示す情報が出力される。コネクタ番号「4」は「黄」色であり、第4見本色524とともに「始動口1」(第1始動口信号)への入賞を示す情報が出力される。コネクタ番号「5」は「黒」色であり、第5見本色525とともに「始動口2」(第2始動口信号)を示す情報が出力される。コネクタ番号「6」は「桃」色であり、第6見本色526とともに「当り1」(第1大当り信号)を示す情報が出力される。コネクタ番号「7」は「青」色であり、第7見本色527とともに「当り2」(第2大当り信号)を示す情報が出力される。コネクタ番号「8」は「赤」色であり、第8見本色528とともに「アウト」(アウト信号)を示す情報が出力される。コネクタ番号「9」は「水」色であり、第9見本色529とともに「メイン賞球」(入賞信号)を示す情報が出力される。コネクタ番号「10」は「紫」色であり、第10見本色530とともに「セキュリティ」(セキュリティ信号)を示す情報が出力される。
出力端子説明部510のシールは、透過性の低いシールであって、例えば黄色の背景色をベースに黒色の文字列と各見本色が対応づけられて線で区切られるとともに、全体の周囲が赤色の枠線520で囲まれた表が印刷されて形成される。ただし、変形例としては他の色、例えば透過性のあるシールに白色などの文字列や線で構成される表が印刷される形でもよい。出力端子説明部510は、その貼付された箇所の下にある部品の視認性を部分的に妨げるおそれもあるため、特にメイン基板200に含まれるメインCPU290には重ならない位置に貼付される。例えば、メイン基板200のケースに出力端子説明部510を貼付する場合には、出力端子説明部510の一部がメインCPU290の上を覆わないようにメインCPU290から離れた位置に貼付する。あるいは、メイン基板200以外の基板や装置のケース、例えばサブ基板300のケースに貼付する仕様であってもよい。このような出力端子説明部510の態様およびその貼付態様により、特にメインCPU290に何らかの細工を施すなどの不正がなされていないかを一目で把握できるよう視認性を確保できる。また、出力端子説明部510は、性能表示部159の視認性を妨げない位置に貼付される。これにより、性能表示部159の機能を妨げず、十分に発揮させることができる。
出力端子説明部510として、端子色の対応表が印刷されたシールがいずれかの部位に貼付される他、端子ユニットのケースまたはその近傍に端子ユニットがその場所に設置されていることを示すシールがさらに貼付されてもよい。端子ユニットの場所を示すシールもまた、黄色の背景色をベースに黒色の「外部端子」の文字列が記載されて全体が赤色の枠線で囲まれる形で印刷されてもよい。
出力端子説明部510の貼付先は、外部情報出力端子160の端子ユニットのケースであってもよいし、端子ユニット以外の部品ケース、例えばメイン基板200のケース、リアカバー、サブ基板300のケース等であってもよい。通常、外部情報出力端子160の端子ユニットは、省スペースのためにコンパクトに設計されることから、図27,28に示すように横幅に比して縦幅が短い。一方、出力端子説明部510はその内容が読みやすいように視認性を高めるため、ある程度大きくする必要がある。したがって、外部情報出力端子160の端子ユニットと比べて、出力端子説明部510のシールの方がその縦幅が大きい。そこで、出力端子説明部510は、外部情報出力端子160の端子ユニット以外の部品ケースに貼付される。なお、変形例として、出力端子説明部510は、シールの形ではなく、部品ケースに直接印刷を施す形で構成してもよいし、樹脂製の部品ケース上に表および文字が浮き出すように射出成形する形で構成してもよい。
<払出制御基板>
図30,31は払出制御基板155の基板ケースユニットの図である。図30は、払出制御基板155の基板ケースユニットの第1の例を示す。図31は、払出制御基板155の基板ケースユニットの第2の例を示す。第1の例では、払出制御基板155においてエラー表示装置512とRAMクリアスイッチ516が設けられる。エラー表示装置512は、主に払出制御基板155において発生したエラーをランプの点灯態様により示す装置である。第1の例におけるエラー表示装置512は、5個のランプで構成され、それぞれが別個のエラーに対応し、発生したエラーに対応するランプが点灯される。エラー表示装置512によって点灯報知されるエラーの多くは外部情報出力端子160からエラー信号が出力されない種類のエラーである。払出制御基板155は、透過性のある基板ケースユニット517によって覆われるように収容され、基板ケースユニット517を透過して払出制御基板155上のエラー表示装置512やRAMクリアスイッチ516が視認できる。その基板ケースユニット517の外表面に、透過性のあるシール状のエラー説明部513が貼付される。エラー説明部513には、エラー表示装置512の各ランプと対応することを示すためのランプ対応マーク518とエラーの種類との対応関係の説明が記載される。エラー説明部513は、エラー表示装置512に重ならない近傍位置にて、エラー表示装置512の5個のランプ位置と5種類のエラー名およびランプ対応マーク518の表示位置とが対応するように貼付される。各ランプに対応するエラー名として「払出エラー」「通信エラー」「皿満タンエラー」「扉・枠開放エラー」「遊技球等貸出装置未接続エラー」と記載される。なお、「払出エラー」は、前述の「遊技球払出エラー」を指し、以降も同様である。エラー説明部513に含まれる5個のランプ対応マーク518の間隔とエラー表示装置512の5個のランプの間隔は必ずしも一致していなくてもよく、ランプ対応マーク518の個数とエラー明の表示順序の関係がエラー表示装置512の5個のランプの個数と表示順序と対応していれば足りる。エラー表示装置512の複数のLEDがそれぞれどの種類のエラーに対応しているかが直感的に把握しやすいように示される。変形例においては、エラー表示装置512による点灯態様(すなわち、どのランプが点灯して、どのランプが点灯していないか)とエラーの種類との対応関係の説明がエラー説明部513に記載されてもよい。例えば、複数のエラーが発生した場合、優先度の高いエラーのみを点灯後(すなわち1個のみ点灯)、その点灯に係るエラーを解除して次に優先度の高いエラーを点灯させる仕様としてもよいし、複数のランプを同時に点灯させる仕様としてもよい。あるいは、同時に1つしか点灯させないが、点灯させるランプを500msごとに切り換えることによって実質的に複数のエラーを表示できる仕様としてもよい。他の変形例として、エラー説明部513の一部がエラー表示装置512の少なくとも一部に重なるように貼付されてもよい。その場合、払出制御基板155上のCPUやエラー表示装置512の視認性は妨げない位置ないし態様にてエラー説明部513を貼付する。さらに他の変形例として、エラー説明部513は、シールの形ではなく、払出制御基板155のケースに直接印刷を施す形で構成してもよいし、樹脂製の部品ケース上に表および文字が浮き出すように射出成形する形で構成してもよい。さらに他の変形例として、払出制御基板155以外の基板のケースユニット上(例えば電源基板158、メイン基板200、発射制御基板157などの基板ケース)や基板ケースの周辺部位(例えば図2に示されるぱちんこ遊技機100の背面側に設けられた各基板以外の装置、部品、およびそれらの周囲など)にエラー説明部513を貼付、印刷、成形等してもよい。その場合、出力端子説明部510とエラー説明部513の貼付(印刷、成形)箇所が重ならないようにする。
RAMクリアスイッチ516は、エラー解除スイッチにも兼用される。エラー説明部513には、RAMクリアスイッチ516(兼エラー解除スイッチ)の位置を示すための文字列と矢印が記載される。図30の例では、「RAMクリア/エラー解除スイッチ」の文字列とともに、RAMクリアスイッチ516が設けられた方向を示す矢印が記載される。変形例においては、RAMクリアスイッチ516とエラー解除スイッチとが兼用スイッチではなく、それぞれ独立したスイッチとして設けられてもよい。その場合、エラー解除スイッチは図30のように払出制御基板155上に設けられるが、RAMクリアスイッチ516は払出制御基板155以外の基板、例えばメイン基板200に設けられる。
図31に示す第2の例でもまた、払出制御基板155においてエラー表示手段としてエラー表示装置514と、RAMクリアスイッチ516と、が設けられる。エラー表示装置514もまた、主に払出制御基板155において発生したエラーを点灯態様により示す装置であるが、本図の例はいわゆる7セグメント表示装置の形で実装される。第2の例におけるエラー表示装置512は、7個(またはドットも含めた8個)のセグメントランプで構成され、7セグメントによって表現される数字のそれぞれが別個のエラーに対応し、発生したエラーに対応する数字がランプ点灯によって表示される。第2の例における払出制御基板155もまた、透過性のある基板ケースユニット517によって覆われるように収容され、基板ケースユニット517を透過して払出制御基板155上のエラー表示装置512やRAMクリアスイッチ516が視認できる。基板ケースユニット517にもまた、エラー表示装置512の視認性を妨げない位置に、透過性のあるシール状のエラー説明部515が貼付される。エラー説明部515には、エラー表示装置514により表示される数字とエラーの種類との対応関係の説明が記載される。図31に示すエラー説明部515は、数字とエラー名の対応関係として、数字「1」が「払出エラー」、数字「2」が「通信エラー」、数字「3」が「皿満タンエラー」、数字「4」が「扉・枠開放エラー」、数字「5」が「遊技球等貸出装置未接続エラー」と対応することが記載される。変形例として、非エラー状態、すなわち正常動作中はその旨を示す特定の数字または文字を表示してもよい。また、他のエラーとして、例えば「電波センサエラー」や「電源投入エラー」などのように、セキュリティ信号として出力される対象となるエラーについてエラー表示装置512、514でもエラー表示する仕様でもよい。なお、変形例として、エラー説明部515もまた、シールの形ではなく、払出制御基板155のケースに直接印刷を施す形で構成してもよいし、樹脂製の部品ケース上に表および文字が浮き出すように射出成形する形で構成してもよい。図31の例でもまた、「RAMクリア/エラー解除スイッチ」の文字列とともに、RAMクリアスイッチ516が設けられた方向を示す矢印が記載される。
<エラー報知>
図30,31で説明した、セキュリティ信号の対象でないエラー、例えば皿満タンエラーや遊技球等貸出装置未接続エラー(「プリペイドカードユニット未接続エラー」や「CRユニット未接続エラー」ともいう)は、そのエラーを示す信号を外部情報出力端子160から出力せず、ぱちんこ遊技機100の背面側に設けたエラー表示装置512、514の点灯態様にてエラー報知をする。演出表示装置60の画面にはエラー報知を表示しないため、演出表示装置60における演出表示は制限されず継続可能であり、演出音声も出力が制限されない。また、遊技球等貸出装置未接続エラーの場合、遊技球の発射は停止する(遊技者が発射ハンドル107を手で回動させても遊技球を発射することができない)が、皿満タンエラーの場合、遊技球の発射は停止されない(遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると遊技球を発射することができる)。これに対し、不正行為を要因とする可能性が高い磁石センサエラーなどの相対的に重要なエラーは、そのエラーを示す信号を外部情報出力端子160から出力するだけでなく、遊技機背面側のエラー表示装置512、514ではなく演出表示装置60の画面と音声出力を用いてエラー報知する。その場合は、演出表示装置60における演出表示と演出音声出力は制限が掛かる。なお、設定変更の実行中を示す表示や設定変更後の設定確認の表示には、性能表示部159が用いられてもよいし、遊技盤80の正面側に設けられた装飾ランプ111等の装置を用いてその点灯回数や点灯態様により表示してもよい。
セキュリティ信号の対象となるエラーと異なるエラーであって不正以外に起因するエラー(例えば、皿満タンエラーなど)が発生した場合、外部情報出力端子160はそのエラーを示す信号を出力せず、エラー報知音の出力やエラー報知の表示を実行する。例えば皿満タンエラーの場合、皿満タンエラー発生時から、球皿(例えば下球皿106)から遊技球を箱に抜き取るための玉抜きボタン(玉抜きレバー)の画像とともに「球を抜いて下さい」といった文字をエラー報知として演出表示装置60の画面に表示する。そのエラー報知は、表示中の演出より前面のレイヤーで表示する。そのエラー報知の表示から10秒経過しても玉抜きがなされずエラーが解除されない場合は、「球を抜いて下さい」といった言葉で注意喚起する音声をエラー報知音として出力する。なお、遊技機背面側のエラー表示装置512、514によるエラー報知も同時に行われ、このエラー報知は、皿満タンエラー発生時からエラー報知が開始される。また、例えば、演出表示装置60でのエラー報知は行わず、エラー報知音とエラー表示装置512、514によるエラー報知としてもよい。
特別遊技の実行中に大入賞口20への入賞があった場合は賞球払出個数に関する演出である賞球演出の実行とともに賞球払出が実行される。ただし、特別遊技中に大入賞口20への入賞があった際に賞球払出に関するエラーが発生している場合、当該入賞に係る賞球演出は実行される一方で、当該入賞に係る賞球払出は制限される。賞球払出を一時的に制限する場合でも演出は進行させることで、遊技者に違和感が生じることを抑制できる。賞球払出に関するエラーは、賞球払出に関するエラーは、払出装置など、賞球払出に関係する構成要素に異常が発生する等の要因によって賞球払出に支障が出ていることを検知した場合のエラーであってよい。例えば「払出個数異常エラー」「払出スイッチ異常エラー(センサ異常)」「払出スイッチ異常エラー(払出動作外遊技球検出)」「払出スイッチ異常エラー(払出動作未完了時の払出動作分の遊技球数検出)」「払出ケースエラー(玉噛みエラー)」「払出ケースエラー(払出個数カウントスイッチ未通過)」である。賞球演出は、賞球払出数の累計を画面に表示する演出であってよく、例えば賞球払出数の合計が100球に達するたびに「100個!」「200個!」といった切りのよい累積個数(所定数の倍数)を演出表示装置60の画面に強調表示し、その累積個数によって変化する音声を出力する演出であってよい。累積個数は、賞球払出数そのものの累積数であってもよいし、賞球払出数から発射球数(例えば、大入賞口20への入賞球数)を差し引いた差球数の累積数であってもよい。賞球演出は、より大きな個数に達したことを契機として「10000個到達!」といった所定の大台の個数を表示する演出であってもよい。また、賞球演出は、オーバー入賞(1ラウンドにおける大入賞口20への入賞規定カウント数、例えば9個や10個を超えて入賞したこと)があった場合にオーバー入賞を示す表示とその旨の音声を出力して強調する演出を含んでもよい。また、賞球演出は、大入賞口20の近傍、例えば大入賞口20と同じ打球目標位置に設けられた一般入賞口33への入賞に対する演出を含んでもよい。例えば、一般入賞口33に係る賞球数が3個の場合は「プラス3個ゲット!」のような、付加的な賞球を強調する表示およびその旨を示す音声を出力する演出である。また、賞球払出が一時的に制限される場合でも、性能表示部159にて表示される賞球比率を算出するための発射球総数および総賞球数のカウントは継続する。この場合の発射球総数は実測値であってよいが、総賞球数は理論値、すなわちエラー解除後に払い出されることが予定されている賞球数を含む計算上の値であってよい。
賞球払出の制限により対処すべき種類のエラーには、そのエラー状態を解除するために所定のエラー解除手段の操作を要するエラーの種類と、そのエラー状態を解除するために所定のエラー解除手段の操作を要しないエラーの種類と、が含まれる。エラー解除手段の操作を要するエラーは、不正行為に起因する可能性が高いエラーのようにその原因が解消されたことが確認されるまでエラーを解除すべきでない種類のエラーである。例えば、「払出スイッチ異常エラー(払出動作外遊技球検出)」「払出スイッチ異常エラー(払出動作未完了時の払出動作分の遊技球数検出)」などである。エラー解除手段の操作を要しないエラーは、解除手段により解除しなくともエラーの原因が解消される可能性がある種類のエラーである。例えば、「払出個数異常エラー」「払出スイッチ異常エラー(センサ異常)」や「皿満タンエラー」のように遊技者が球皿から遊技球を抜くことで解消するような種類である。エラー解除手段の操作により解除される一方で、エラー解除手段の操作がない場合でも他の条件を満たしたときに解除される種類のエラーもある。例えば、「払出ケースエラー(玉噛みエラー)」「払出ケースエラー(払出個数カウントスイッチ未通過)」などである。エラー解除手段としては、専用のエラー解除スイッチをぱちんこ遊技機100の背面側に設けてもよいし、本実施例のようにRAMクリアスイッチ516が兼用されてもよい。また、エラーの種類によってエラー報知を実行する優先度が定められている。ここでいうエラー報知は、演出表示装置60におけるエラー報知だけでなく、エラー表示装置512、514におけるエラー報知も含む。特に払出制御基板155のエラー表示装置514は一つの7セグメントLEDで構成され、同時に一つしかエラー報知ができないため、エラー表示装置514を用いてエラー表示されるべき複数種のエラーが同時発生した場合は優先度の高いエラーを表示する。なお、賞球払出の制限などの制御は払出制御基板155によりなされるが、賞球演出はサブ基板300により制御される。よって、払出制御基板155により賞球払出が制限される場合でも、その制御とは並行してサブ基板300による独立した制御により賞球演出が実行される。
<節電モード>
演出制御手段304は、その動作モードとして、電力消費を制限する節電モードと、節電モードに移行していないモード、すなわち電力消費を制限しない非節電モードとがある。節電モードへ移行した場合、装飾ランプ111などの光源(例えばLED)は減光または消灯させるなど発光が制限される一方、演出表示装置60の光源(例えばバックライト)は減光や消灯をさせないまま、非節電モードで表示する画像より暗い色調の画像を表示させる。すなわち、演出表示装置60の電力消費は制限されずに明度や輝度が低く明るさが抑制された画像や、彩度が低く抑制された画像(例えば、黒や灰色が強調された画像)が演出表示装置60に表示される。装飾ランプ111は減光または消灯により節電となるが、演出表示装置60は見た目上は節電しているように見せるが、バックライトは消灯しない。バックライトを消灯すると復帰に時間を要するため、大当りなど出玉に影響する重要な内容を適切なタイミングで表示することが困難となるためである。また、演出表示装置60にエラー報知が表示される間は節電モードに移行しない。節電モードにおいては、演出表示装置60の画面の一部に「節電中です」といった文字列を表示させる。節電モード中であっても、ぱちんこ遊技機100の背面側に設けられる性能表示部159は消灯させない。
操作入力手段は、演出ボタン109以外の操作手段であって、所定の用途において操作される十字キー110等の第1の操作手段と、通常の演出において操作される演出ボタン109を含む第2の操作手段と、を含む。第2の操作手段、特に演出ボタン109は、通常の演出において遊技者に押下等の操作が要求される操作手段である。これに対し、十字キー110等の第1の操作手段は、主に演出で要求する操作以外の目的、例えば音量調節や光量調節等の所定の機能を発揮させるための操作手段である。例えば左右キーで音量を調節でき、上下キーで光量を調節できる。音量も光量も、例えば5段階のレベルで調節できる。また、第1の操作手段は、十字キー110の例だけでなく、所定の機能を発揮させるための操作手段であるタッチパネルであってもよい。あるいは、特殊な状況で出現する所定の演出においてのみ遊技者に押下等の操作を要求する演出レバー等の操作手段であってもよい。あるいは、ぱちんこ遊技機100の背面側に設けられた、遊技店の従業員等が操作するRAMクリアスイッチ516やエラー解除スイッチ等の操作手段であってもよい。節電モードにおいては、第1の操作手段が操作されても節電モードを解除せず、第2の操作手段が操作された場合には節電モードを解除する。遊技者は第1の操作手段を操作することで装飾ランプ111の光量を調整することができるが、光量をどのレベルに設定した場合であっても、節電モード中はあらかじめ定められた一定の光量(光量が0の場合も含む)となる。節電モード中は完全消灯もしくは規定の低い光量に設定される。また、セキュリティ信号の出力中は、現在の光量設定によらず、セキュリティ信号出力時のためにあらかじめ定められた光量に設定される。なお、演出ボタン109は、長押し、すなわち1回の押下ではあるがその押下状態を継続する操作がなされる期間中は複数回の押下がなされているものとみなすこと(自動連打)が可能となるように構成される。例えば、複数回のボタン操作を連続的に行う連打操作によって所定値や所定の状態が段階的に変化する演出において、演出ボタン109の長押しによる自動連打が適用され得る。一方、音量調整や光量調整においても十字キー110の押下により音量や光量を段階的に変化させることができ、音量調整中や光量調整中には現在の段階を示す画像が表示される。ただし、音量調整や光量調整において十字キー110を長押ししても自動連打とはならず、1回しかレベルは変化しない仕様である。また、演出ボタン109の長押しによる自動連打中においても、十字キー110を並行して操作することによる音量調整や光量調整は可能である。さらに、音量調整中や光量調整中に演出ボタン109の押下を要求するボタン演出が出現した場合であっても演出ボタン109の操作は可能であり、その場合に演出ボタン109が操作されても、表示中の音量調整画面や光量調整画面の表示は消えずに維持される。
<音量設定とエラー音>
エラーが発生している状態におけるエラー報知音は、遊技者が設定した音量設定には依存せず、音量設定とは無関係にあらかじめエラー報知音用に定められた規定の音量にて出力される。エラー報知音は、例えば最大レベルの音量にて出力される。一方、非エラー状態中の演出音声は、遊技者によりあらかじめ設定された遊技者音量設定に依存し、その設定された音量にて出力される。また、不正以外に起因し得る特定種類のエラー、例えば扉・枠開放エラーなどのエラーが発生した場合は、エラー報知音の出力中であっても、遊技者が操作できる現在の音量設定を遊技者に提示する音量設定画面が演出表示装置60に表示され得る。これにより、エラーが解除された後に反映されることとなる音量をエラー報知中にも設定できる。ただし、遊技者が音量調節してもエラー報知音の音量は音量設定に依存しないため変わらない。また、音量調節中における設定確認のために出力する確認音は、遊技者により設定された音量設定に依存せず、音量レベルを変化させるたびにその変化後の音量にて出力される。これにより、聴覚的に音量レベルを確認できる。ただし、変形例として、音量調節中における設定確認のために出力する確認音を、遊技者により設定された音量設定に依存せず、確認音のためにあらかじめ定められた一定の音量にて出力される仕様としてもよい。変形例として、不正以外に起因し得る特定のエラー、例えば扉・枠開放エラーなどのエラーが発生した場合に、エラー報知音の出力中は音量設定画面が演出表示装置60に表示されない仕様としてもよいし、音量設定画面は表示されるがその設定は直ちには反映されずにエラーが解除された後に反映される仕様としてもよい。もしくは、音量設定画面は表示されるが、設定しても反映されず、エラー解除後も反映されない仕様としてもよい。なお、扉・枠開放エラーが発生した場合に限らず、磁石センサエラーや異常入賞エラーが発生した場合にも同様に処理してもよい。
異常入賞エラーや扉・枠開放エラーなど、エラー報知音の出力を伴う特定種類のエラーが発生していない状態における演出音声の出力中に遊技者により操作入力がなされた場合は演出音声の音量が変更されるとともに音量設定画面の表示内容が変更される一方で、特定種類のエラーが発生している状態におけるエラー報知の音声の出力中に遊技者により操作入力がなされた場合はエラー報知の音声の音量は変更されないが音量設定画面の表示内容は変更される。演出表示装置60において音量設定画面を図柄変動表示より優先して表示するとともに、エラー報知の画面を音量設定画面より優先して表示する。ただし、変形例として、音量設定画面をエラー報知の画面より優先して表示する仕様としてもよいし、音量設定画面とエラー報知の画面を実質的に同等に表示する仕様としてもよい。ここでいう「優先」は、例えば優先度が高いエラー報知を演出表示装置60の画面に全面表示することを意味してもよいし、それぞれを別レイヤーに分けて表示するとともに優先度が高いエラー報知をより上位のレイヤーまたはより前面のレイヤーに表示することを意味してもよい。あるいは、優先度が高いエラー報知を先に表示したり、大きく表示したり、長く表示したりしてもよい。演出中において、所定の第1の状況では遊技者の操作による音量設定が可能となるが、別の第2の状況では遊技者の操作による音量設定は不可となる。例えば、図柄変動表示のみの演出中である第1の状況では遊技者の操作による音量設定が可能となるが、十字キー110を用いる演出の実行中である第2の状況では十字キー110の用途が重ならないよう、演出を優先して遊技者の操作による音量設定は不可となる。
<管理メニュー画面>
電源オフの状態からRAMクリアスイッチを押下しながら電源投入した場合、図32のような管理メニュー画面が演出表示装置60に表示される。
図32は、管理メニュー画面の例を示す。図32(a)の管理メニューでは、遊技店員などの管理者が設定できる、すなわち遊技者は設定できない事項を表示する。本例では、実機の設定、日時の再設定、経過日数の初期化、節電モードの設定が可能である。管理メニュー画面は、電源オフ状態からRAMクリアスイッチを押下しながら電源投入した場合に表示される。管理メニュー画面においては、十字キー110の上下ボタンの操作によりいずれかの設定項目を選択し、演出ボタン109の押下により設定項目を決定する。本図では、「実機の設定」を選択した場合を示す。夫々の設定の終了後には、カーソルを一番下の「設定終了」に合わせ、演出ボタン109を押下することで、設定が終了する。尚、管理メニュー画面の終了方法はこれには限定されず、「実機の設定」等で各種設定の変更を決定したことによっても終了するよう構成してもよい。尚、各メニューにおいて、演出ボタン109を押下することで設定項目を決定すれば、「設定終了」にて演出ボタン109を押下して管理メニュー画面の表示を終了しなくとも、決定した設定は実行されており、且つ、記憶されるよう構成されている。例えば、音量調節機能をオフ(すなわち調節不可となる状態)に設定した後、管理メニュー画面が表示されている状況にて、電源をオフにしたり遊技球が始動口に入球したりすることにより管理メニューの表示が終了しても、決定した設定は反映される。あるいは「設定終了」にて演出ボタン109を押下して管理メニュー画面の表示を終了しない限り、決定した設定が反映されないよう構成してもよい。また、管理メニューの表示中にエラー(例えば、大当り中ではない状態にて大入賞口に所定個数の遊技球の入球が検出された場合に発生する不正入賞エラー)が発生した場合、管理メニューの表示を維持したままエラー発生に伴う画面表示及び音声の出力を実行するよう構成してもよい。そのように構成した場合には、エラー発生に伴う画面表示の方が管理メニュー画面の表示よりも表示優先度が高いため、エラー発生に伴う画面表示の方が管理メニュー画面の表示よりも前面レイヤーに表示される。尚、これには限定されず、管理メニューの表示中にエラーが発生した場合には、管理メニューの表示を消去してエラー発生に伴う画面を表示するよう構成してもよい。
図32(b)は「実機の設定」が選択された場合の表示画面の一例を示す。本例では、「音量調節機能」が設定可能となっており、十字キー110の上下ボタンを操作することにより、夫々の設定項目を選択することができ(「音量調節機能」が選択されている)、十字キー110左右ボタンを操作することにより、機能のオン・オフを切り換えることができるよう構成されている。尚、機能を「オン」に決定すると、音量調節機能が禁止状態(オン)であるか許可状態(オフ)であるかを示す音量調節禁止フラグがオフとなり、機能を「オフ」に決定すると音量調節禁止フラグがオンとなる。尚、イベント2、イベント3、イベント4については、適宜設定可能な項目を設けてもよく、例えば、「自動ボタン操作設定」のオン・オフを切り換えることができるようにしてもよい。尚、本実施形態においては、「光量調節」の機能は、てんかん防止等を考慮して常に有効とし、オン・オフの選択ができないよう構成されている。尚、「光量調節」の機能についてオン・オフの設定が可能となるよう構成してもよいが、そのように構成した場合には、光量のデフォルト値は最大値にしない、「光量調節」の機能をオフにした場合は光量を最大値以外に設定する、等のように構成することが好適である。
図33は、カスタマイズ案内の例を示す。図33(a)が第1カスタマイズ案内の画面例であり、図33(b)が第2カスタマイズ案内の画面例であり、図33(c)が待機デモの画面例である。図柄変動の停止から、非遊技中状態にて5秒経過した場合に、第1カスタマイズ案内が表示される。第1カスタマイズ案内において、演出ボタン109を押下すれば自動ボタン操作設定の変更が可能となる旨が表示されるが、音量・光量の調節方法については表示されない。尚、第1カスタマイズ案内の表示は半透明となっており、第1カスタマイズ案内の表示と装飾図柄とが重なって表示されていても装飾図柄を視認できる。また、第1カスタマイズ案内の表示中に演出ボタン109を押下することにより、実機のカスタマイズ(自動ボタン操作設定の変更)が可能となる。
第1カスタマイズ案内の表示後、さらに非遊技中状態にて70秒、すなわち非遊技期間となってから75秒が経過した場合に第2カスタマイズ案内が表示される。第2カスタマイズ案内では、第1カスタマイズ案内の表示態様に加えて、表示領域の下部に、すなわち第1カスタマイズ案内の下方に、音量調節の案内画像と光量調節の案内画像が表示される。第2カスタマイズ案内は、第1カスタマイズ案内と同様に半透明である。
第2カスタマイズ案内の表示後、さらに非遊技中状態にて165秒、すなわち非遊技期間となってから240秒が経過した場合、待機デモ画面が表示される。待機デモ画面では、第1カスタマイズ案内及び第2カスタマイズ案内の表示は消去され、ストーリー表示等が表示されるように構成されている。尚、待機デモ画面は、半透明とはなっておらず、待機デモ画面の表示と装飾図柄とが重なって表示された場合には、装飾図柄が視認不可能又は視認困難(装飾図柄の表示の方が待機デモ画面の表示よりも表示領域が小さい、装飾図柄の表示の方が待機デモ画面の表示よりも後面レイヤーに表示される、等)となるよう構成されている。尚、音量調節禁止フラグがオンである場合には、第2カスタマイズ案内にてオン調節に係る表示はされないよう構成されている。
図34は、カスタマイズ案内の例を示す。図34(a)は、演出表示装置60上にて第1カスタマイズ案内、又は、第2カスタマイズ案内が表示されている場合に、遊技者が十字キー110の左右ボタンを操作した場合に表示される、音量調節の設定画面の表示態様を示す。具体的には、第1カスタマイズ案内、又は、第2カスタマイズ案内が表示されている場合に、遊技者が十字キー110の左右ボタンを操作すると音量調節画面が表示され、音量調節画面の表示中に十字キー110の左ボタンを押下した場合には、スピーカー108からの確認用サウンドが小さくなると共に、上側のスピーカ模式図の音量表示の点灯部分(白い部分)が減っていき(音量レベルが小さくなることを示している)、十字キー110の右ボタンが押下された場合には、スピーカー108からの確認用サウンドが大きくなると共に、上側のスピーカ模式図の音量表示の点灯部分(白い部分)が増えていき(音量レベルが大きくなることを示している)、演出ボタン109を押下することにより、選択中の音量レベルに決定されるように構成されている。
図34(b)は、演出表示装置60上にて第1カスタマイズ案内、又は、第2カスタマイズ案内が表示されている場合に、十字キー110の上下ボタンを操作した場合に表示される、光量調節の設定画面の表示態様を示している。具体的には、遊技者が十字キー110の上下ボタンを操作すると光量調節画面が表示され、光量調節画面の表示中に第1カスタマイズ案内、又は、第2カスタマイズ案内が表示されている場合に、十字キー110の上ボタンが押下された場合には、演出表示装置60上に表示された花びら状の点灯部分が、「0個→6個→12個」の3段階で増えていき(光量レベルが大きくなることを示している)、十字キー110の下ボタンが押下された場合には、演出表示装置60上に表示された花びら状の点灯部分が、12個→6個→0個の3段階で減っていき(光量レベルが小さくなることを示している)、演出ボタン109を押下することにより、選択中の光量レベルに決定されるよう構成されている。尚、待機デモ画面が表示されている場合に十字キー110を操作しても、音量調節画面及び光量調節画面は表示されないが、音量レベル及び光量レベル自体は変更可能となっている。尚、同図においては、光量レベルに対応した表示を花びら状の表示とし、点灯部分が「0個→6個→12個」の3段階で増加していくよう構成したが、これには限定されず、点灯部分が「1個→2個→3個」の3段階で増加していくよう構成してもよいし、花びら状の表示を3つ設けて(表示領域の大きさの異なる、大・中・小の花びら3つ)、「小→中→大」の3段階で増加していくよう構成してもよい。
図34(c)は、演出表示装置60上にて第1カスタマイズ案内、第2カスタマイズ案内又は待機デモ画面が表示されている場合に、演出ボタン109を操作した場合に表示される、カスタマイズ実行中画面の表示態様を示す。遊技者が演出ボタン109を操作するとカスタマイズ画面が表示され、カスタマイズ画面にて十字キー110の左右ボタンを押下すると、自動ボタン操作設定の「ON」「OFF」の間でカーソルが移動し、演出ボタン109の押下により、選択されているカーソルの設定に決定される。「ON」で決定された場合、自動ボタン操作設定画面は消去され、「自動ボタン操作設定がオンになりました、遊技中のボタン押下によって自動ボタン操作がオフになります」と表示される。「OFF」で決定された場合、自動ボタン操作設定画面は消え、「自動ボタン操作設定がオフになりました、遊技中のボタン長押しによって自動ボタン操作がオンになります」と表示される。
<音量調整画面および光量調整画面>
図35は、音量調整画面および光量調整画面の例を示す。非時短状態における音量調整画面は、図柄変動停止中における図柄変動待機状態、または、図柄変動中に、音量調整が可能である。音量調整は、十字キー110の左右キーの操作に基づいてなされる。音量を示す表示、音量調整方法を示す十字キーの表示、音量調整画面の終了方法を示す演出ボタンの表示、画面を半透明にする画像の表示、を含む音量調整画面の表示中に演出ボタン109が操作された場合、音量調整画面の表示を終了する。非時短状態において変動待機(変動停止)中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示が表示され、これらのすべてと重複して音量調整画面が表示されてもよいし、これらの一部と重複して音量調整画面が表示されてもよい。例えば、音量調整画面は第1装飾図柄と重複するが、第2装飾図柄とは重複しないよう構成してもよい。これにより、特に視認性を担保したい表示を除き、音量調整画面を重複させる構成とすることができる。非時間短縮遊技状態において変動中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示、当該変動の演出用保留表示、保留があれば第1の遊技側の第1保留表示が表示される。図示していないが、変動中には音量調整画面を変動待機(変動停止)中よりも小さく表示するのが好適である。例えば、変動待機(変動停止)中の音量調整画面を単純に縮小したもの(音量を示す表示、音量調整方法を示す十字キーの表示、音量調整画面を終了させることを示す演出ボタンの表示、画面を半透明にする画像の表示のそれぞれを縮小したもの)でも良いし、音量を示す表示のみとしたり、音量を示す表示と音量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとしても良い。音量を示す表示のみとしたり、音量を示す表示と音量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとする場合は、変動待機(変動停止)中の表示態様と同一でも良いが、異ならせても良い(例えば、形状が異なっていたり、形状が同一でも縮小する等)。また、音量調整画面と第2装飾図柄が重複しないよう構成してもよい。さらに、小さく表示した音量調整画面は、変動中の第2装飾図柄とは重複せず、変動中の第1装飾図柄とは重複するよう構成してもよい。これにより、第2装飾図柄の視認性を担保した上で、音量調整画面を表示することができる。尚、変動中には音量調整画面を表示しておらず、十字キーの左右ボタンの操作が行われた場合に、音量調整画面を表示するよう構成してもよい。表示プライオリティは、第2装飾図柄>第2保留表示>音量調整画面>第1装飾図柄>第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)、となっている。尚、表示プライオリティは、第2装飾図柄=第2保留表示、第2装飾図柄<第2保留表示、第1装飾図柄<第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)、であっても良い。尚、待機中ムービーの表示中に音量調整に関するボタン操作(十字キーの左右ボタンの操作)が行われた場合には、待機中ムービーの表示を終了し、音量調整画面を表示する。
時間短縮遊技状態における音量調整について説明する。時間短縮遊技状態においては、変動待機(変動停止)中又は変動中に音量調整が可能に構成されている。時間短縮遊技状態において変動待機(変動停止)中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示、右打ち指示表示が表示され、これらの全てと重複して音量調整画面が表示されてもよいし、これらの一部と重複して音量調整画面が表示されてもよい。例えば、音量調整画面は第1装飾図柄と重複するが、第2装飾図柄とは重複しないよう構成してもよい。これにより、特に視認性を担保したい表示を除き、音量調整画面を重複させる構成とすることができる。時間短縮遊技状態において変動中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示、当該変動の演出用保留表示、保留があれば第2の遊技側の第1保留表示、右打ち指示表示が表示される。図示していないが変動中には音量調整画面を変動待機(変動停止)中よりも小さく表示するのが好適である。例えば、音量調整画面と第2装飾図柄が重複しないよう構成してもよい。例えば、変動待機(変動停止)中の音量調整画面を単純に縮小したもの(音量を示す表示、音量調整方法を示す十字キーの表示、音量調整画面を終了させることを示す演出ボタン109の表示、画面を半透明にする画像の表示のそれぞれを縮小したもの)でも良いし、音量を示す表示のみとしたり、音量を示す表示と音量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとしても良い。音量を示す表示のみとしたり、音量を示す表示と音量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとする場合は、変動待機(変動停止)中の表示態様と同一でも良いが、異ならせても良い(例えば、形状が異なっていたり、形状が同一でも縮小する等)。また、音量調整画面と第2装飾図柄が重複しないよう構成してもよい。さらに、小さく表示した音量調整画面は、変動中の第2装飾図柄とは重複せず、変動中の第1装飾図柄とは重複するよう構成してもよい。これにより、第2装飾図柄の視認性を担保した上で、音量調整画面を表示することができる。尚、変動中には音量調整画面を表示しておらず、十字キーの左右ボタンの操作が行われた場合に、音量調整画面を表示するよう構成してもよい。表示プライオリティは、右打ち指示表示>第2装飾図柄>第2保留表示>音量調整画面>第1装飾図柄>第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)、となっている。尚、表示プライオリティは、右打ち指示表示>第2保留表示>第2装飾図柄、第2装飾図柄>第2保留表示>右打ち指示表示、第2保留表示>第2装飾図柄>右打ち指示表示、であってもよく、さらに、第2装飾図柄=第2保留表示、第1装飾図柄<第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)であっても良い。
非時間短縮遊技状態における光量調整について説明する。非時間短縮遊技状態においては、変動待機(変動停止)中に十字キー110の上下キーを操作することにより光量調整が可能である。尚、光量調整画面(光量を示す表示、光量調整方法を示す十字キーの表示、光量調整画面を終了させることを示す演出ボタンの表示、画面を半透明にする画像の表示)の表示中に演出ボタン109の操作がなされたときに光量調整画面の表示を終了する。非時間短縮遊技状態において変動待機(変動停止)中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示が表示され、これらの全てと重複して光量調整画面が表示されてもよいし、これらの一部と重複して光量調整画面が表示されてもよい。非時間短縮遊技状態において変動中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示、当該変動の演出用保留表示、保留があれば第1の遊技側の第1保留表示が表示される。図示していないが変動中には光量調整画面を変動待機(変動停止)中よりも小さく表示するのが好適である。例えば、変動待機(変動停止)中の光量調整画面を単純に縮小したもの(光量を示す表示、光量調整方法を示す十字キーの表示、光量調整画面を終了させることを示す演出ボタン109の表示、画面を半透明にする画像の表示のそれぞれを縮小したもの)でも良いし、光量を示す表示のみとしたり、光量を示す表示と光量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとしても良い。光量を示す表示のみとしたり、光量を示す表示と光量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとする場合は、変動待機(変動停止)中の表示態様と同一でも良いが、異ならせても良い(例えば、形状が異なっていたり、形状が同一でも縮小する等)。また、光量調整画面と第2装飾図柄が重複しないよう構成してもよい。さらに、小さく表示した光量調整画面は、変動中の第2装飾図柄とは重複せず、変動中の第1装飾図柄とは重複するよう構成してもよい。これにより、特に視認性を担保したい表示を除き、光量調整画面を重複させる構成とすることができる。非時間短縮遊技状態において変動中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示、当該変動の演出用保留表示、保留があれば第1の遊技側の第1保留表示が表示され、光量調整画面は表示されない。尚、変動中にも光量調整が可能となるよう構成してもよく、変動中に光量調整画面を表示しておらず、十字キーの上下キーが操作された場合に光量調整画面を表示するよう構成してもよい。表示プライオリティは、第2装物図柄>第2保留表示>光量調整画面>第1装飾図柄>第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)、となっている。尚、表示プライオリティは、第2装飾図柄=第2保留表示、第2装飾図柄<第2保留表示、第1装飾図柄<第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)、であっても良い。尚、待機中ムービーの表示中に光量調整に関するボタン操作(十字キーの上下キーの操作)が行われた場合には、待機中ムービーの表示を終了し、光量調整画面を表示する。
時間短縮遊技状態における光量調整について説明する。時間短縮遊技状態においては、変動待機(変動停止)中に光量調整が可能に構成されている。時間短縮遊技状態において変動待機(変動停止)中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示、右打ち指示表示が表示され、これらの全てと重複して光量調整画面が表示されてもよいし、これらの一部と重複して光量調整画面が表示されてもよい。例えば、光量調整画面は第1装飾図柄と重複するが、第2装飾図柄とは重複しないよう構成してもよい。例えば、変動待機(変動停止)中の光量調整画面を単純に縮小したもの(光量を示す表示、光量調整方法を示す十字キーの表示、光量調整画面を終了させることを示す演出ボタン109の表示、画面を半透明にする画像の表示のそれぞれを縮小したもの)でも良いし、光量を示す表示のみとしたり、光量を示す表示と光量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとしても良い。光量を示す表示のみとしたり、光量を示す表示と光量調整方法を示す十字キーの表示の2つの組合せのみとする場合は、変動待機(変動停止)中の表示態様と同一でも良いが、異ならせても良い(例えば、形状が異なっていたり、形状が同一でも縮小する等)。また、光量調整画面と第2装飾図柄が重複しないよう構成してもよい。さらに、小さく表示した光量調整画面は、変動中の第2装飾図柄とは重複せず、変動中の第1装飾図柄とは重複するよう構成してもよい。これにより、特に視認性を担保したい表示を除き、光量調整画面を重複させる構成とすることができる。時間短縮遊技状態において変動中であれば、第1装飾図柄、第2装飾図柄、第1の遊技側の第2保留表示、第2の遊技側の第2保留表示、当該変動の演出用保留表示、保留があれば第2の遊技側の第1保留表示、右打ち指示表示が表示され、光量調整画面は表示されない。尚、変動中にも光量調整が可能となるよう構成してもよく、変動中に光量調整画面を表示しておらず、十字キーの上下キーが操作された場合に、光量調整画面を表示するよう構成してもよい。表示プライオリティは、右打ち指示表示>第2装飾図柄>第2保留表示>光量調整画面>第1装飾図柄>第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)、となっている。尚、表示プライオリティは、右打ち指示表示>第2保留表示>第2装飾図柄、第2装飾図柄>第2保留表示>右打ち指示表示、第2保留表示>第2装飾図柄>右打ち指示表示、であってもよく、さらに、第2装飾図柄=第2保留表示、第1装飾図柄<第1保留表示(及び当該変動の演出用保留表示)であっても良い。
<役物演出>
演出制御手段304は、例えば異常入賞エラー等の重要度が高い特定のエラーが発生した場合は、演出表示装置60の画面全体を用いてエラー報知を表示するため、演出表示装置60を用いる演出表示は制限される。一方、演出制御手段304は、不正以外に起因する重要度が低い所定のエラー、例えば皿満タンエラーや遊技球等貸出装置未接続エラーが発生した場合は、演出表示装置60の画面全体を用いたエラー報知は実行しないため、演出表示装置60を用いる演出表示は制限されない。なお、エラー報知中において、演出表示装置60を用いない演出、例えば機種名のロゴなどが象られた可動役物が上下動や左右にスライド動作するような演出は制限されなくてもよい。ただし、可動役物の動作を停止させる必要がある所定のエラーが発生した場合には、その可動役物を用いた演出は制限される。例えば可動役物が扉側に設置されている機種において扉・枠開放エラーが発生した場合、扉が開放された状態では可動役物が隣の台に衝突するおそれもあるため、その可動役物を用いた演出が制限され、その可動役物の動作が停止される。
特定の可動役物を用いた演出の実行中に特定のエラーが発生した場合、(1)規定時間経過前に可動役物を初期位置に戻す動作である役物復帰動作を実行する、(2)規定時間経過時(経過後)に役物復帰動作を実行する、(3)規定時間経過後でも役物復帰動作しない、のいずれかを実行する。ただし、この場合の「特定のエラー」は、演出表示装置60の画面でエラー報知がなされるような、不正に起因する重要なエラーであり、可動役物に関連する重要度の低いエラー(例えば皿満タンエラーや異常入賞エラーなど)を除く。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
以上の実施例に基づき、以下のような態様にて本発明は実現され得る。
本発明の第1の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、を備える。エラー判定条件がそれぞれ異なる第1のエラーおよび第2のエラーが発生したことを契機として、そのエラー発生を示す第1の情報が共通の出力端子から出力され、第1のエラーおよび第2のエラーとはエラー判定条件が異なる第3のエラーが発生したことを契機として、そのエラー発生を示す第2の情報が共通の出力端子とは別の出力端子から出力される。
「出力端子」は、例えば前提技術にいう外部情報出力端子160である。「端子ユニット」は、例えば前提技術にいう「外部情報出力ポート」等のユニットである。「第1のエラー」および「第2のエラー」は、例えば不正行為の監視を主な目的として検知するエラーである。それらのエラー発生を示す「第1の情報」は、例えばセキュリティ信号とも呼ばれる警告情報の信号であってよい。「第2の情報」は、例えば扉・枠開放検知等を通知する信号であってよい。「第1の情報」「第2の情報」が出力される複数の出力端子を含む端子ユニットは、端子ごとに色分けされた端子台(または端子板)であってよい。「第1のエラー」と「第2のエラー」は異なる種類のエラーであって、そのいずれもが、例えば磁気検知、電波検知、振動検知、異常動作検知、異常入賞検知、異常通過検知、異常排出検知、異常スイッチ検知等の主に不正行為に起因する可能性があるエラーのいずれかであってよいが、不具合によって偶発的ないし一時的に発生し得るエラーも含まれ得る。「第3のエラー」は、第1のエラーおよび第2のエラーとは異なるエラーであり、例えば遊技者および遊技店従業員のどちらの行為にも起因し得る扉・枠開放検知等を通知するエラーである。
本発明の第2の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技の進行を制御するプロセッサを含む主制御基板と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、を備える。所定の部品上において、複数の出力端子のそれぞれから出力される情報の説明が記載された出力端子説明部が設けられ、複数の出力端子は、個別に彩色されることでその種類を区別可能に構成されており、出力端子説明部には、複数の出力端子のそれぞれから出力される情報とその出力端子の色との対応関係について記載されており、出力端子説明部は、主制御基板に含まれるプロセッサの視認性を妨げない位置に設けられる。
「プロセッサ」は、例えば中央処理装置(CPU)やグラフィック処理装置(GPU)などの装置であってよく、CPUは例えばメイン基板200に設けられたメインCPU290であってよい。出力端子は、各端子が他の端子と区別しやすいように各端子が少なくとも部分的に彩色されれば足り、必ずしも全体が彩色されていることを要しない。「所定の部品」は、弾球遊技機に含まれるいずれの構成要素であってよく、例えば弾球遊技機の背面側に設けられる部品が収容されるケースおよびその周辺であってよい。「出力端子説明部」は、出力される情報と端子との対応関係が文字で説明されてもよいし、端子の色を表すために説明の一部に端子と同じ彩色が施されてもよい。プロセッサが不正な方法で交換や細工がされていないことを外観上把握しやすくすることを妨げない態様にて出力端子説明部の設置場所および設置態様が設計される。
本発明の第3の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられた、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技において開放される大入賞口と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、エラー内容を表示するエラー表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、を備える。エラー判定条件がそれぞれ異なる第1のエラーおよび第2のエラーがあり、第1のエラーが発生した場合は遊技球の発射停止がなされるが、第2のエラーが発生した場合は遊技球の発射停止はなされず、第1のエラーが発生した場合はそのエラー発生を示す情報が出力端子から出力されないが、第2のエラーが発生した場合はそのエラー発生を示す情報が出力端子から出力され、第1のエラーが発生した場合はエラー表示手段にてエラー表示が行われる一方で演出表示手段にてエラー表示が行われないが、第2のエラーが発生した場合は演出表示手段にてエラー表示が行われる一方でエラー表示手段にてエラー表示が行われず、第1のエラーが発生した場合は音声出力手段における演出音声の出力が制限されない一方、第2のエラーが発生した場合は音声出力手段における演出音声の出力が制限され、第1のエラーが発生した場合は演出表示手段における演出表示が制限されない一方、第2のエラーが発生した場合は演出表示手段における演出表示が制限される。
「エラー表示手段」は、弾球遊技機のいずれかの箇所に設けられ、例えば弾球遊技機の背面側のいずれかの基板上に設けられてもよい。「エラー表示手段」は、例えば払出制御基板上に設けられた複数のLEDを含むLED表示装置であってもよい。「演出表示手段」は、例えば液晶表示装置であってもよい。第3の態様における「第1のエラー」は、主に不正行為以外に起因するエラー、例えば遊技機が遊技球貸出装置との間で電気的に遮断されていることを検知した場合のエラーであってよい。第3の態様における「第2のエラー」は、例えば磁石センサエラー等の、主に不正行為に起因する可能性の高いエラーであってよい。音声出力の「制限」は、例えば一時的に、音声出力を中断すること、音量を下げること、出力期間を短くすること、簡易的な音声出力に切り替えること、のいずれであってもよい。演出表示の「制限」は、例えば一時的に、演出表示を中断すること、表示の明度を暗くすること、表示期間を短くすること、簡易的な演出表示に切り替えること、他の画像を演出表示の上位レイヤーに重ねることで本来視認できるはずの演出内容が視認困難となること、のいずれであってもよい。
本発明の第4の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられた、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技において開放される大入賞口と、大入賞口を含む入賞口への入賞に伴う賞球払出を制御する払出制御基板と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、を備える。賞球払出に関するエラーが発生した場合は賞球払出を制限可能であり、特別遊技の実行中は賞球払出個数に関する演出である賞球演出が演出表示手段の画面に表示され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があった場合は賞球演出の実行とともに賞球払出が実行され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があった際に賞球払出に関するエラーが発生している場合、当該入賞に係る賞球演出は実行される一方で、当該入賞に係る賞球払出は制限され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があったにもかかわらず当該入賞に係る賞球払出が当該特別遊技の終了後に実行される場合、当該特別遊技の終了後において賞球払出が実行されている状況であっても、当該状況においては賞球演出が実行されない。
「賞球払出に関するエラー」は、払出装置など、賞球払出に関係する構成要素に異常が発生する等の要因によって賞球払出に支障が出ていることを検知した場合のエラーであってもよい。「賞球演出」は、払い出される賞球数を表示する演出であってよく、特別遊技中以外には発生しない演出であってもよい。賞球払出の「制限」は、例えば一時的に賞球払出を中断することであってよく、賞球払出の実行を所定の期間後へ延期することであってもよい。「特別遊技の終了後において賞球払出が実行されている状況」は、賞球払出が一時的に制限された結果として、制限されていた分の賞球払出が特別遊技の終了後になってから実行されている状況や、賞球払出が追いつかずに特別遊技終了後まで続いた状況を指してよい。
本発明の第5の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、出力端子を含む端子ユニットと、を備える。電源投入があったことを契機として第1の情報が出力端子から出力され、電源投入があった場合、第1の情報は電源投入後の所定期間にわたり出力され、電源投入後に出力される第1の情報の出力期間中に第1のエラーが発生した場合、第1の情報は電源投入後の所定期間を超える期間にわたり出力され、電源投入後に出力される第1の情報の出力期間中に第1のエラーとはエラー判定条件が異なる第2のエラーが発生した場合、第1の情報は電源投入後の所定期間経過後に出力が終了される。
第5の態様における「電源投入」は、単なる電源オフの状態からの電源投入を指してもよいが、それ以外に、RAMクリアスイッチの押下、すなわち遊技状態を記憶する手段の初期化を伴う電源投入であってもよい。あるいは、RAMクリアスイッチの押下を伴わない、すなわち遊技状態を記憶する手段の初期化を伴わない電源断および電源復帰であってもよい。「第1の情報」は、例えばセキュリティ信号とも呼ばれる警告情報の信号であってもよい。第5の態様における「第1のエラー」は、不正行為の監視を主な目的として検知するエラーであってもよく、例えば磁石センサエラー等の主に不正行為に起因する可能性の高いエラーであってもよい。第5の態様における「第2のエラー」は、不正行為以外にも起因し得るエラーであり、例えば扉・枠開放や球皿満杯を検知した場合のエラーでもよい。
本発明の第6の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、演出において発光可能な発光手段と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、演出における発光手段の発光および演出表示手段の表示を制御する演出制御手段と、を備える。動作モードとして節電モードと非節電モードとがあり、節電モードである場合でも非節電モードである場合でも、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを示すための図柄が変動していない遊技待ち状況を有する。節電モードへ移行した場合、発光手段における光源を減光または消灯させる一方で、演出表示手段における光源の減光および消灯をさせないまま非節電モードでの遊技待ち状況にて表示されている画像よりも暗い画像を表示させ、演出表示手段にて所定のエラーを報知している間は節電モードに移行しない。
「発光手段」は、遊技機枠や遊技盤80に設けられた装飾ランプ111などのLEDであってよい。「節電モード」においては、演出表示装置60の画面に「節電中です」などの文字列を表示することで節電モード状態にあることを示してもよい。「非節電モードでの画像より暗い画像を表示」は、例えば非節電モードでの遊技待ち状況にて表示されている画像より明度や輝度が低く、外観上は暗く見える画像を表示してもよいし、非節電モードでの遊技待ち状況にて表示されている画像より明度や輝度が低くなるように画像調整をしながら表示してもよい。
本発明の第7の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、演出における演出表示手段および音声出力手段の出力を制御する演出制御手段と、を備える。所定のエラーが発生した場合、エラー報知の音声が音声出力手段より出力され、遊技者による操作入力に応じて音声出力手段から出力される音声の音量を設定可能であり、所定のエラーのうち特定種類のエラーが発生していない状態における演出音声は遊技者により設定された音量設定に基づく音量にて出力し、特定種類のエラーが発生している状態におけるエラー報知の音声は遊技者により設定された音量設定に基づかずに所定の音量にて出力し、特定種類のエラーが発生している状況においてエラー報知の音声の出力中であっても、現在の音量設定を遊技者に提示する音量設定画面を演出表示手段に表示し得る。
第7の態様における「所定のエラー」は、そのエラー発生時にエラー報知の音声を出力する対象となる種類のエラーであってよい。「所定のエラー」のうち「特定種類のエラー」以外のエラー発生時は、音量設定画面が表示されない仕様であってもよい。
本発明の第8の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、音声を出力する音声出力手段と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、を備える。エラー判定条件がそれぞれ異なる第1のエラーおよび第2のエラーが発生したことを契機として、そのエラー発生を示す第1の情報が共通の出力端子から出力され、第1のエラーおよび第2のエラーとはエラー判定条件が異なる第3のエラーが発生したことを契機として、そのエラー発生を示す第2の情報が共通の出力端子とは別の出力端子から出力され、第1のエラーの発生を契機に第1の警告音が出力可能であり、第3のエラーの発生を契機に第2の警告音が出力可能であり、第1のエラーおよび第3のエラーがともに発生した場合、それぞれのエラー発生を示す第1の情報および第2の情報のいずれもが同時に出力される一方、それぞれのエラーに対応する第1の警告音および第2の警告音が音声出力手段から同時に出力されるのではなく、第1の警告音および第2の警告音のうちいずれか一方のみが音声出力手段から出力される。
第8の態様における「第1のエラー」「第2のエラー」「第3のエラー」は、その発生時に警告音を出力する種類のエラーと出力しない種類のエラーを含んでもよい。またエラーの種類によって警告音は異なってもよい。例えば扉・枠開放エラーの場合は、扉・枠が開放していることを報知するために「扉が開いています」といった音声の警告音を出力してもよいが、不正行為に起因する可能性の高いエラーの場合にはブザー音を出力するなどして警告してもよい。第1の警告音および第3の警告音のうちいずれかが音声出力手段から出力される場合、重要度が高い方のエラーに対応する警告音の出力を優先することとしてもよいし、先に発生したエラーの警告音の出力を優先することとしてもよい。
本発明の第9の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技の進行を制御するプロセッサを含む主制御基板と、各入賞口への入賞に伴う賞球払出を制御する払出制御基板と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、を備える。所定の部品上において、複数の出力端子のそれぞれから出力される情報の説明が記載された出力端子説明部が設けられ、複数の出力端子は、個別に彩色されることでその種類を区別可能に構成されており、出力端子説明部には、複数の出力端子のそれぞれから出力される情報とその出力端子の色との対応関係について記載されており、出力端子説明部は、主制御基板に含まれるプロセッサの視認性を妨げない位置に設けられ、払出制御基板には、発生したエラーの種類を示すエラー表示手段が設けられており、払出制御基板が収容されるケースには、エラー表示手段による表示態様とエラーの種類との対応関係について記載されたエラー説明部が設けられ、出力端子説明部は、エラー説明部とは異なる部品上に設けられ、エラー説明部は、エラー表示手段の視認性を妨げない位置に設けられる。
「エラー表示手段」によって表示されるエラーは、そのほとんどが賞球払出に関するエラーを対象とするが、賞球払出以外に関するエラーを対象に含んでもよい。払出制御基板が収容されるケースに「エラー説明部」が設けられる一方、払出制御基板が収容されるケースには「出力端子説明部」は設けられなくてよい。エラー説明部は、エラー表示手段と重ならない位置、すなわちエラー説明部の少なくとも一部がエラー表示手段の少なくとも一部を覆うこととならない位置に設けられてもよいし、エラー表示手段と重なる位置、すなわちエラー説明部の少なくとも一部がエラー表示手段の少なくとも一部を覆うこととなる位置であってもその視認性を妨げない形状や色などの態様にて設けられれば足りる。
本発明の第10の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられた、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技において開放される大入賞口と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、エラー内容を表示するエラー表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、を備える。エラー判定条件がそれぞれ異なる第1のエラーおよび第2のエラーがあり、第1のエラーが発生した場合は遊技球の発射停止がなされるが、第2のエラーが発生した場合は遊技球の発射停止はなされず、第1のエラーが発生した場合はそのエラー発生を示す情報が出力端子から出力されないが、第2のエラーが発生した場合はそのエラー発生を示す情報が出力端子から出力され、第1のエラーが発生した場合はエラー表示手段にてエラー表示が行われる一方で演出表示手段にてエラー表示が行われないが、第2のエラーが発生した場合は演出表示手段にてエラー表示が行われる一方でエラー表示手段にてエラー表示が行われず、第1のエラーが発生した場合は音声出力手段における演出音声の出力が制限されない一方、第2のエラーが発生した場合は音声出力手段における演出音声の出力が制限され、第1のエラーが発生した場合は演出表示手段における演出表示が制限されない一方、第2のエラーが発生した場合は演出表示手段における演出表示が制限され、第1のエラーおよび第2のエラーとはエラー判定条件が異なる第3のエラーが発生した場合、出力端子は第3のエラーの発生を示す情報を出力せず、第3のエラーの発生を示す警告音を音声出力手段から出力するか第3のエラーの発生を示す警告表示を演出表示手段に表示する。
第10の態様における「第3のエラー」は、出力端子からの信号出力の対象とならないエラーであって不正行為に起因しないエラー、例えば遊技球等貸出装置未接続エラーなどであってもよい。「第3のエラー」の発生を示す警告表示は、演出表示手段による表示だけでなく、エラー表示手段による表示であってもよい。
本発明の第11の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられた、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技において開放される大入賞口と、大入賞口を含む入賞口への入賞に伴う賞球払出を制御する払出制御基板と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、を備える。賞球払出に関するエラーが発生した場合は賞球払出を制限可能であり、特別遊技の実行中は賞球払出個数に関する演出である賞球演出が演出表示手段の画面に表示され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があった場合は賞球演出の実行とともに賞球払出が実行され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があった際に賞球払出に関するエラーが発生している場合、当該入賞に係る賞球演出は実行される一方で、当該入賞に係る賞球払出は制限され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があったにもかかわらず当該入賞に係る賞球払出が当該特別遊技の終了後に実行される場合、当該特別遊技の終了後において賞球払出が実行されている状況であっても、当該状況においては賞球演出が実行されず、賞球払出に関するエラーを複数種類有し、複数種類の賞球払出に関するエラーには、そのエラー状態を解除するために所定のエラー解除手段の操作を要するエラーと、そのエラー状態を解除するために所定のエラー解除手段の操作を要しないエラーと、が少なくとも含まれる。
第11の態様における「所定のエラー解除手段」は、専用のエラー解除スイッチとして設けられてもよいし、他のスイッチと兼用される形で設けられてもよい。
本発明の第12の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、遊技状態を示す情報を記憶する記憶手段と、を備える。記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入があったことを契機として第1の情報が出力端子から出力され、記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入があった場合、第1の情報は記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入後の所定期間にわたり出力され、記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入後に出力される第1の情報の出力期間中に第1のエラーが発生した場合、第1の情報は記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入後の所定期間を超える期間にわたり出力され、記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入後に出力される第1の情報の出力期間中に第1のエラーとはエラー判定条件が異なる第2のエラーが発生した場合、第1の情報は記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入後の所定期間経過後に出力が終了され、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技の実行中は他の出力端子から第1の情報とは異なる第2の情報が出力され、特別遊技の実行中に記憶手段の記憶内容の初期化を伴わない電源投入があった場合、その電源投入後も第2の情報が出力される一方で、第1の情報は出力されず、特別遊技の実行中に記憶手段の記憶内容の初期化を伴う電源投入があった場合、その電源投入後は第2の情報が出力されない一方で、第1の情報は出力される。
第12の態様における「第2の情報」は、特別遊技の実行中を示す情報であってもよい。ここで「記憶手段」に記憶される「遊技状態を示す情報」は、「確変状態」や「時短状態」といった遊技状態の種類だけでなく、保留されている当否抽選値における大当りに該当する抽選値の有無といった情報も含む。例えば、現在の遊技状態(高確/低確、高ベース/低ベース、時短/非時短、特別遊技/非特別遊技など)や保留の有無、変動中か否か、変動中であれば変動経過時間又は残り変動時間、回数限定の遊技状態であればその遊技状態の残り回数又は経過回数、特別遊技中であれば残ラウンド数又は経過ラウンド数又は現在のラウンド数に加えて現在のラウンドの経過時間又は残り時間やカウント数などを「遊技状態を示す情報」として記憶してもよい。
本発明の第13の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、演出において発光可能な発光手段と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、演出における発光手段の発光および演出表示手段の表示を制御する演出制御手段と、操作入力が可能な第1の操作入力手段と、操作入力が可能であって第1の操作入力手段とは異なる第2の操作入力手段と、を備える。動作モードとして節電モードと非節電モードとがあり、節電モード中に第1の操作入力手段が操作されても非節電モードへ移行しない一方で、節電モード中に第2の操作入力手段が操作された場合には非節電モードへ移行する。
第13の態様における「第2の操作入力手段」は、通常の演出において操作される操作入力手段であって、例えば予告演出やリーチ演出を実行する際に遊技者に押下等の操作を要求する演出ボタンが該当してもよい。「第1の操作入力手段」は、主に演出において遊技者に要求する操作以外の目的、例えば音量調節や光量調節等の所定の機能を発揮させるためのタッチセンサや十字キー等の操作手段であってもよい。あるいは、特殊な状況で出現する所定の演出においてのみ遊技者に押下等の操作を要求するレバー等の操作手段であってもよい。これらの場合、第1の操作入力手段が演出ボタンA、第2の操作入力手段が演出ボタンBのような組合せであってもよい。また「第1の操作入力手段」は、ぱちんこ遊技機の背面側に設けられた、遊技店の従業員等が操作する操作手段であってもよい。
本発明の第14の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、演出における演出表示手段および音声出力手段の出力を制御する演出制御手段と、を備える。所定のエラーが発生した場合、エラー報知の音声が音声出力手段より出力され、遊技者による操作入力に応じて音声出力手段から出力される音声の音量を設定可能であり、所定のエラーのうち特定種類のエラーが発生していない状態における演出音声は遊技者により設定された音量設定に基づく音量にて出力し、特定種類のエラーが発生している状態におけるエラー報知の音声は遊技者により設定された音量設定に基づかずに所定の音量にて出力し、特定種類のエラーが発生している状況においてエラー報知の音声の出力中であっても、現在の音量設定を遊技者に提示する音量設定画面を演出表示手段に表示し得るとともに、特定種類のエラーが発生していない状態における演出音声の出力中に遊技者により操作入力がなされた場合は、演出音声の音量が変更されるとともに音量設定画面の表示内容が変更される一方で、特定種類のエラーが発生している状態におけるエラー報知の音声の出力中に遊技者により操作入力がなされた場合は、エラー報知の音声の音量は変更されないが音量設定画面の表示内容は変更される。
第14の態様における「特定種類のエラー」のエラー報知音は、音量設定にかかわらず所定の音量で出力されてもよい。また、演出表示装置において音量設定画面を図柄変動表示より優先して表示してもよく、エラー報知の画面を音量設定画面より優先して表示してもよい。
本発明の第15の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、を備える。エラー判定条件がそれぞれ異なる第1のエラーおよび第2のエラーが発生したことを契機として、そのエラー発生を示す第1の情報が共通の出力端子から出力され、第1のエラーおよび第2のエラーとはエラー判定条件が異なる第3のエラーが発生したことを契機として、そのエラー発生を示す第2の情報が共通の出力端子とは別の出力端子から出力され、電源投入があったことを契機としても、第1の情報が共通の出力端子から出力可能であり、電源投入があった場合、第1の情報は電源投入後の所定期間にわたり出力され、電源投入後に出力される第1の情報の出力期間中に第1のエラーまたは第2のエラーが発生した場合、第1の情報は電源投入後の所定期間を超える期間にわたり出力され、電源投入後に出力される第1の情報の出力期間中に第3のエラーが発生した場合、第1の情報は電源投入後の所定期間経過後に出力が終了される。
本発明の第16の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられた、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技において開放される大入賞口と、複数の出力端子を含む端子ユニットと、エラー内容を表示するエラー表示手段と、音声を出力する音声出力手段と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、大入賞口を含む入賞口への入賞に伴う賞球払出を制御する払出制御基板と、を備える。エラー判定条件がそれぞれ異なる第1のエラーおよび第2のエラーがあり、第1のエラーが発生した場合は遊技球の発射停止がなされるが、第2のエラーが発生した場合は遊技球の発射停止はなされず、第1のエラーが発生した場合はそのエラー発生を示す情報が出力端子から出力されないが、第2のエラーが発生した場合はそのエラー発生を示す情報が出力端子から出力され、第1のエラーが発生した場合はエラー表示手段にてエラー表示が行われる一方で演出表示手段にてエラー表示が行われないが、第2のエラーが発生した場合は演出表示手段にてエラー表示が行われる一方でエラー表示手段にてエラー表示が行われず、第1のエラーが発生した場合は音声出力手段における演出音声の出力が制限されない一方、第2のエラーが発生した場合は音声出力手段における演出音声の出力が制限され、第1のエラーが発生した場合は演出表示手段における演出表示が制限されない一方、第2のエラーが発生した場合は演出表示手段における演出表示が制限され、賞球払出に関するエラーが発生した場合は賞球払出を制限可能であり、特別遊技の実行中は賞球払出個数に関する演出である賞球演出が演出表示手段の画面に表示され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があった場合は賞球演出の実行とともに賞球払出が実行され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があった際に賞球払出に関するエラーが発生している場合、当該入賞に係る賞球演出は実行される一方で、当該入賞に係る賞球払出は制限され、特別遊技の実行中に大入賞口への入賞があったにもかかわらず当該入賞に係る賞球払出が当該特別遊技の終了後に実行される場合、当該特別遊技の終了後において賞球払出が実行されている状況であっても、当該状況においては賞球演出が実行されない。
本発明の第17の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、音声を出力する音声出力手段と、演出において発光可能な発光手段と、演出における表示内容が画面に表示される演出表示手段と、演出における音声出力手段の出力、発光手段の発光、および、演出表示手段の表示を制御する演出制御手段と、エラー内容を表示するエラー表示手段と、を備える。所定のエラーが発生した場合、エラー報知の音声が音声出力手段より出力され、動作モードとして節電モードと非節電モードとがあり、節電モードである場合でも非節電モードである場合でも、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを示すための図柄が変動していない遊技待ち状況を有する。節電モードへ移行した場合、発光手段における光源を減光または消灯させる一方で、演出表示手段における光源の減光および消灯をさせないまま非節電モードでの遊技待ち状況にて表示されている画像よりも暗い画像を表示させ、演出表示手段またはエラー表示手段にて所定のエラーを報知している間は節電モードに移行せず、遊技者による操作入力に応じて音声出力手段から出力される音声の音量を設定可能であり、所定のエラーのうち特定種類のエラーが発生していない状態における演出音声は遊技者により設定された音量設定に基づく音量にて出力し、特定種類のエラーが発生している状態におけるエラー報知の音声は遊技者により設定された音量設定に基づかずに所定の音量にて出力し、特定種類のエラーが発生している状況においてエラー報知の音声の出力中であっても、現在の音量設定を遊技者に提示する音量設定画面を演出表示手段に表示し得る。
以上の各態様において記載する用語や概念の解釈ないし説明は、他の態様において記載する同じ用語や概念の解釈ないし説明として適用され得る。