JP2019207459A - 身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する装置、方法及びプログラム - Google Patents

身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する装置、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】運動中の様々な姿勢での身体形状に適する衣服の設計を支援する。【解決手段】装置1において、取得部21は、姿勢ごとに、身体の複数の特徴点の位置を示す複数の位置データを取得する。存在位置生成部22は、姿勢ごとに、複数の位置データに基づき、複数の特徴点から選択した対象特徴点と参照特徴点につき、参照特徴点に対して対象特徴点が存在可能な位置を示す存在位置データを生成する。合成位置生成部23は、複数の姿勢について生成された複数の存在位置データに基づき、対象特徴点の存在位置の平均である合成位置を示す合成位置データを生成する。存在位置データは、姿勢ごとに、複数の特徴点の各々を順次対象特徴点として生成される。合成位置データは、姿勢ごとに順次生成された複数の存在位置データに基づき、順次選択された対象特徴点について生成される。生成された複数の合成位置データに基づき、身体形状データが形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する装置、方法及びプログラムに関する。
スポーツで使用される衣服は着用者の運動し易さを考慮して設計される。その衣服の設計の対象となる身体形状は、運動中の身体の姿勢により様々に変化する。そのため、静的な立位の姿勢での身体形状に適するように衣服を設計すると、運動中の姿勢、すなわち動的な姿勢の身体形状には適さない衣服を設計してしまうおそれがある。その結果、そのような衣服を着用して運動すると、姿勢によっては身体を動かし難くなる可能性がある。
運動中の身体形状に適する衣服を設計する方法として、例えば、運動中の特定の姿勢をとった場合を想定し、そのときの身体形状に適するように衣服を設計する方法や、特許文献1に記載の方法が挙げられる。特許文献1には、身体形状を表す三次元のポリゴンデータを生成し、身体形状の時系列の動きを示す身体動作情報を用いてポリゴンデータの変位を算出し、算出されたポリゴンデータの変位に基づいて、皮膚表面の伸縮や歪みの分布を算出する方法が記載されている。それにより、皮膚表面の伸縮量の大きい箇所に伸縮度の高い素材を配置し着心地の良い衣服を設計できる、と記載されている。
特許第3831348号公報
運動中の特定の姿勢での身体形状に適するように衣服を設計する方法では、作製された衣服は、特定の姿勢には適しているが、他の姿勢には適しているとは必ずしも言えない。そのため、その衣服は、他の姿勢では、身体を動かし難くするおそれがある。そこで、本発明の発明者は、今回新たに、運動中の身体形状に適する衣服を設計する方法として、運動中の複数の姿勢に対応した複数の身体形状を取得し、それらを一つに合成した身体形状を形成して、その合成された身体形状に基づき衣服を設計する方法を考えた。
ここで、特許文献1の方法では、身体形状の時系列動きによる皮膚表面の伸縮や歪みを把握できるので、運動中の複数の姿勢の各々における身体形状を形成できるかもしれない。しかし、その場合でも、この方法は、それら複数の姿勢に対応した複数の身体形状を一つの身体形状に合成することは行っておらず、したがって、合成された身体形状に対応した衣服を設計できるとは言えない。
本発明の目的は、運動中の様々な姿勢での身体形状に適する衣服の設計を支援することが可能な装置、方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の装置は運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する装置であって、運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得部と、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点とし、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成部と、前記複数の姿勢について生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成部と、を備え、前記存在位置生成部は、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、前記合成位置生成部は、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、装置である。
本発明の方法は運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する方法であって、運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得ステップと、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点とし、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成ステップと、前記複数の姿勢について生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成ステップと、を備え、前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、方法である。
本発明のプログラムは運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得ステップと、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点とし、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成ステップと、前記複数の姿勢について生成された前複数の記存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成ステップと、を備え、前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、方法、をコンピュータに実行させるプログラムである。
本発明により、運動中の様々な姿勢での身体形状に適する衣服の設計を支援することが可能な装置、方法及びプログラムを提供することができる。
運動中の複数の姿勢での複数の身体形状を一つの身体形状に合成する方法を示す模式図である。 実施の形態に係る装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る装置の機能の構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る装置の機能を説明する模式図である。 実施の形態に係る装置の機能を説明する模式図である。 実施の形態に係る装置の機能を説明する模式図である。 実施の形態に係る装置の機能を説明する模式図である。 実施の形態に係る装置の機能を説明する模式図である。 実施の形態に係る装置の機能を説明する模式図である。 実施の形態に係る装置の動作(方法・プログラム)を示すフロー図である。
本発明の開示は、具体的には以下の態様に関する。
[態様1]
運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する装置であって、運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得部と、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点として、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いの周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成部と、前記複数の姿勢について生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成部と、を備え、前記存在位置生成部は、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、前記合成位置生成部は、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、装置。
本態様1に記載の装置は、運動中に生じ得る複数の姿勢の各々ごとに、身体における複数の特徴点とそれらに対応する複数の位置とを関連付けた複数の位置データを取得し、全姿勢分の複数の位置データを合成し、全姿勢に共通の複数の合成位置データを生成する。この全姿勢に共通の複数の合成位置データにより、全姿勢の身体形状を合成した身体形状を形成することができる。そして、この全姿勢の身体形状を合成した身体形状に基づいて、衣服を設計することで、運動中の様々な姿勢の身体形状のいずれに対しても適し、運動し易い衣服を設計することが可能となる。
[態様2]
前記存在位置生成部は、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記二つの参照特徴点のうちの一方の第1参照特徴点を中心とし、前記第1参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第1球面と、前記二つの参照特徴点のうちの他方の第2参照特徴点を中心とし、前記第2参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第2球面とが交わってできる円の円周上の位置を、前記対象特徴点の存在可能な位置として算出する、態様1に記載の装置。
本態様2に記載の装置は、運動中に生じ得る複数の姿勢の各々ごとに、対象特徴点と参照特徴点との距離は概ね変わらないとして、第1球面と第2球面とが交わってできる円の円周上の位置を、対象特徴点の移動可能な、したがって存在可能な位置として推定する。それゆえ、対象特徴点の存在し得る範囲を比較的簡単な方法で比較的精度よく推定することができる。それにより、全姿勢に共通の複数の合成位置データを容易に生成することができる。
[態様3]
前記合成位置生成部は、前記複数の姿勢における前記複数の円に基づいて、前記二つの参照特徴点を前記複数の姿勢について互いに重ねたとき、前記二つの参照特徴点を結ぶ方向における前記複数の円の平均の位置に存在し、前記複数の円の半径の平均と同じ半径を有する円である合成円において、当該合成円の円周上の位置であって、前記複数の円の円周上における前記複数の対象特徴点の平均の位置を、前記対象特徴点の合成位置として算出する、態様2に記載の装置。
本態様3に記載の装置は、複数の姿勢の各々における対象特徴点の存在可能な位置として推定された円周上の位置を用いて、したがって全姿勢分の対象特徴点の存在可能な位置を用いて、対象特徴点の合成位置を算出する。したがって、全姿勢に共通の複数の合成位置データを的確に生成することができる。
[態様4]
前記存在位置生成部は、最初に、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうちの所定の二つの特徴点を前記二つの参照特徴点とし、前記二つの参照特徴点の周囲に位置する一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成し、その後、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データ及び前記存在位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、未だ前記参照特徴点及び前記対象特徴点として選択されていない一つの特徴点を対象特徴点とし、既に前記参照特徴点及び/又は前記対象特徴点として選択された特徴点のうちの二つの特徴点を前記二つの参照特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成する、態様1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
本態様4に記載の装置は、運動中に生じ得る複数の姿勢の各々ごとに、最初に、所定の二つの特徴点を二つの参照特徴点として、存在位置データ、延いては合成位置データを生成する処理を開始している。そのため、例えば、所定の二つの特徴点として複数の特徴点のうちの身体の中心付近のものを用いるなど、複数の特徴点の分布や対称性等を考慮した工夫により、存在位置データ、延いては合成位置データの精度をより高めることができる。それにより、全姿勢に共通の複数の合成位置データを精度よく生成することができる。
[態様5]
前記合成位置生成部は、前記対象特徴点の平均の位置を、前記複数の姿勢の各々の重要度に応じた加重平均で算出する、態様1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
本態様5に記載の装置は、対象特徴点の平均の位置を、複数の姿勢の各々の重要度に応じた加重平均で算出する。すなわち、対象特徴点の平均の位置が重要度の高い姿勢での位置に近くなるように、対象特徴点の平均の位置を算出する。それにより、複数の合成位置データで定まる身体形状を、重要度の高い姿勢に近づけることができ、対象となる運動により適した身体形状を生成することができる。
[態様6]
前記身体の表面における複数の特徴点は、複数の骨特徴点を含む、態様1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
本態様6に記載の装置は、身体の表面における複数の特徴点が、複数の骨特徴点を含むので、複数の特徴点から対象特徴点と二つの参照特徴点とを選択したとき、各姿勢における身体形状の変化を適切に把握することができる。それゆえ、対象特徴点の存在し得る範囲を精度よく推定することができる。それにより、全姿勢に共通の複数の合成位置データを容易に生成することができる。
[態様7]
前記複数の姿勢は、互いに異なる複数の身体による実質的に同一な姿勢、並びに/又は、同一身体による筋収縮時の姿勢及び筋弛緩時の姿勢を含む、態様1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
本態様7に記載の装置は、互いに異なる複数の身体による実質的に同一な姿勢や、同一身体による筋収縮時の姿勢及び筋弛緩時の姿勢を含むので、運動中の様々な姿勢の身体形状を、より汎用性が高くなるように形成することができる。それにより、汎用性が高く、より運動し易い衣服を設計することが可能となる。
[態様8]
前記複数の位置データは、前記身体における前記複数の特徴点にマーカを配置して行うモーションキャプチャにより取得される、態様1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
本態様8に記載の装置は、複数の位置データを、身体の複数の特徴点にマーカを配置して行うモーションキャプチャにより取得できるので、動的な身体形状をより正確に取得することができる。それにより、より的確に、全姿勢に共通の複数の合成位置データを生成することができる。
[態様9]
生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データを形成する身体形状形成部を更に備える、態様1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
本態様9に記載の装置は、全姿勢に共通の複数の合成位置データに基づいた身体形状を示す身体形状データを形成することができる。それにより、その身体形状を用いて対象として衣服を設計することで、運動中の様々な姿勢の身体形状のいずれに対しても適し、運動し易い衣服を設計することが可能となる。
[態様10]
運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する方法であって、運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得ステップと、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点として、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成ステップと、前記複数の姿勢について生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成ステップと、を備え、前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、方法。
本態様10に記載の方法は、態様1に記載の装置の動作で実現される方法と同様の方法であるため、態様1の場合と同様の効果を奏することができる。
[態様11]
運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得ステップと、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点として、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成ステップと、前記複数の姿勢について生成された前複数の記存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成ステップと、を備え、前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、方法、をコンピュータに実行させるプログラム。
本態様11に記載のプログラムは、態様1に記載の装置の動作で実現される方法と同様の方法を実行するため、態様1の場合と同様の効果を奏することができる。
[態様12]
前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々について、前記複数の位置データに基づいて、前記二つの参照特徴点のうちの一方の第1参照特徴点を中心とし、前記第1参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第1球面と、前記二つの参照特徴点のうちの他方の第2参照特徴点を中心とし、前記第2参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第2球面とが交わってできる円の円周上の位置を、前記対象特徴点の存在可能な位置として算出するステップを含む、態様11に記載のプログラム。
[態様13]
前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢における前記複数の円に基づいて、前記二つの参照特徴点を前記複数の姿勢について互いに重ねたとき、前記二つの参照特徴点を結ぶ方向における前記複数の円の平均の位置に存在し、前記複数の円の半径の平均と同じ半径を有する円である合成円において、当該合成円の円周上の位置であって、前記複数の円の円周上における前記複数の対象特徴点の平均の位置を、前記対象特徴点の合成位置として算出するステップを含む、態様12に記載のプログラム。
[態様14]
前記存在位置生成ステップは、最初に、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうちの所定の二つの特徴点を前記二つの参照特徴点とし、前記二つの参照特徴点の周囲に位置する一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成するステップと、その後、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データ及び前記存在位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、未だ前記参照点特徴点及び前記対象特徴点として選択されていない一つの特徴点を対象特徴点とし、既に前記参照点特徴点及び/又は前記対象特徴点として選択された特徴点のうちの二つの特徴点を前記二つの参照特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成するステップと、を含む、態様11乃至13のいずれか一項に記載のプログラム。
[態様15]
前記合成位置生成ステップは、前記対象特徴点の平均の位置を、前記複数の姿勢の各々の重要度に応じた加重平均で算出するステップを含む、態様11乃至14のいずれか一項に記載のプログラム。
[態様16]
前記複数の姿勢は、互いに異なる複数の身体による実質的に同一な姿勢、並びに/又は、同一身体による筋収縮時の姿勢及び筋弛緩時の姿勢を含む、態様11乃至15のいずれか一項に記載のプログラム。
[態様17]
前記身体の表面における複数の特徴点は、複数の骨特徴点を含む、態様11乃至16のいずれか一項に記載のプログラム。
[態様18]
前記複数の位置データは、前記身体における前記複数の特徴点にマーカを配置して行うモーションキャプチャにより取得される、態様11乃至17のいずれか一項に記載のプログラム。
[態様19]
生成された前記複数の特徴点における前記複数の前記合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データを形成する身体形状形成ステップを更に備える、態様11乃至18のいずれか一項に記載のプログラム。
本態様12乃至19に記載のプログラムは、それぞれ態様2乃至9に記載の装置の動作で実現される方法と同様の方法を実行するプログラムであるため、態様2乃至9の場合と同様の効果を奏することができる。
以下、実施の形態に係る、運動中の様々な姿勢での身体形状に適する衣服の設計を支援する装置、方法及びプログラム、すなわち運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する装置、方法及びプログラムについて、図面を参照して説明する。ただし、本発明は、下記の実施の形態に制限されることはなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。
図1は実施の形態に係る、運動中の複数の姿勢の複数の身体形状を一つの身体形状に合成する方法を示す模式図である。この図の例では、ラグビーにおけるスクラムの姿勢Aの身体形状と立位の姿勢Bの身体形状とを合成して、一つの合成された身体形状を形成している。
実施の形態に係る装置1の構成例につて説明する。
図2は、実施の形態に係る装置1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。装置1は、コンピュータに例示される情報処理機能を有する装置である。装置1は、運動中の複数の姿勢での複数の身体形状を一つの身体形状に合成する。すなわち、装置1は、運動中の複数の姿勢での複数の身体形状を示すデータに基づいて、複数の身体形状が合成された一つの身体形状を示すデータを生成する。装置1としては、例えばスーパーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)、カーナビゲーション装置、情報処理機能を有する自動車やディスプレイやテレビジョンのようなコンピュータ又はコンピュータを搭載した電子装置が挙げられる。本実施の形態では、パーソナルコンピュータである。
本実施の形態では、装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14と、入力部15と、出力部16と、表示部17と、送受信部18と、メディアドライブ19とを備えている。CPU11は、装置1にインストールされたコンピュータプログラム、例えばROM12に記憶された、又は、記憶装置14に記憶されRAM13にロードされたコンピュータプログラムを実行し、各種の機能を実現する。ROM12、RAM13及び記憶装置14は、CPU11が利用するデータ及び生成したデータを不揮発的に又は揮発的に記憶する。メディアドライブ19は、コンピュータプログラムや各種のデータが記憶された記憶媒体から、それらのコンピュータプログラムや各種のデータを装置1にインストールするときに用いられる。送受信部18は、有線又は無線により、通信回線網(図示されず)を介して、又は、介さずに接続された他のコンピュータやデータベース(例示:クラウドストレージ)のような外部機器からコンピュータプログラムや各種のデータを装置1にダウンロード/インストールするとき、あるいは、装置1で生成された各種のデータを上記の外部機器にアップロードするときに用いられる。入力部15は、ユーザ操作により生成されるデータをCPU11に出力する。出力部16は、CPU11により生成されたデータをユーザ認識可能に出力する。表示部17は、CPU11により生成されたデータをユーザ視認可能に出力する。ROM12、RAM13及び記憶装置14の全部または一部はCPU11と一体であってもよい。
記憶装置14としては、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)が挙げられる。メディアドライブ19としては、例えば、リムーバルな記憶媒体であるCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu−ray(登録商標)ディスクなどのドライブであるCDドライブ、DVDドライブ、Blu−ray(登録商標)ディスクドライブが挙げられる。入力部15としては、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、音声認識装置が挙げられる。出力部16としては、例えばプリンタ、音声出力装置が挙げられる。表示部17としては、例えばディスプレイ、スクリーンが挙げられる。送受信部18が接続する通信回線網としては、例えばインターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)が挙げられ、無線の接続としては、例えば無線LAN(Wi−Fi)、Bluetooth(登録商標)が挙げられる。
図3は、実施の形態に係る装置1の機能の構成例を示すブロック図である。装置1にコンピュータプログラム(ソフトウェア)がインストールされ、そのコンピュータプログラムと装置1のハードウェア(図2)とが協働することで、運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援するための複数の機能(図3)が実現される。装置1は、(アプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider,ASP)型の方法やシンクライアント(Thin client)型の方法で実現されてもよい。装置1は、その複数の機能として、取得部21と、存在位置生成部22と、合成位置生成部23と、を備えており、本実施の形態では、更に、身体形状形成部24と、衣服設計部25と、記憶部26と、を備えている。
取得部21は、運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する。
ここで、運動とは、ラグビー、ゴルフ、テニス、ジョギングのようなスポーツ(遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動)を含み、歩くことや段差を昇降することのような一般的な身体の動きを含んでもよい。本実施の形態では、ラグビーを運動の例として説明する。また、運動中の身体の姿勢とは、運動中の身体の構えであり、具体的には運動中の身体形状である。運動がラグビーの場合、その姿勢は、例えばスクラム、立位、左パス/右パス、右キャッチ/左キャッチ、キック、ラインアウト、タックル、スローインが挙げられる。本実施の形態では、スクラム(姿勢A)及び、立位(姿勢B)である。
特徴点とは、身体の表面に位置し、人に依らずに特定し得る点状の部分であって、その点状の部分が複数、集まることで身体形状を表現し得る部分である。本実施の形態では、骨特徴点(身体の表面から骨の特定の位置が把握できる部分)や、関節の中心や、筋肉の収縮・弛緩、軟組織の動揺などの影響を受ける部分である。本実施の形態では、骨特徴点としては、仙骨、第7頸椎、胸骨、肩峰、上腕骨外上顆、上腕骨内上顆、尺骨茎状突起、橈骨茎状突起、上前腸骨棘、大転子、大腿骨外顆、大腿骨内顆、腓骨外踝、脛骨内踝、が挙げられる。関節の中心としては、肩関節中心、股関節中心、肘関節中心、膝関節中心、手関節中心、足関節中心が挙げられる。ただし、肩関節中心及び股関節中心は公知の推定方法で求められる位置(後述)である。肘関節中心は、上腕骨外上顆と上腕骨内上顆との中点である。膝関節中心は、大腿骨外顆と大腿骨内顆との中点である。足関節中心は、腓骨外踝と脛骨内踝との中点である。手関節中心は、尺骨茎状突起と橈骨茎状突起との中点である。筋肉の収縮・弛緩、軟組織の動揺などの影響を受ける部分としては、上腕部、前腕部、大腿部、下腿部、体幹下部、体幹中部、及び体幹上部、が挙げられる。本実施の形態では、それらは、それぞれの長手方向中央部及びその周辺部にマトリクス状に配置されたマーカの位置とするので、以下では、上腕マーカ、前腕マーカ、大腿マーカ、下腿マーカ、体幹下部マーカ、体幹中部マーカ、及び体幹上部マーカと称する。これら各マーカは各部分に単数個又は複数個、配置されている。なお、体幹下部マーカ、体幹中部マーカ、及び体幹上部マーカは、仙骨から第7頸椎の距離を100%として、それぞれ0〜30%の体幹下部の範囲、30〜60%の体幹中部の範囲、及び60〜100%の体幹上部の範囲に配置される。
特徴点の位置とは、特徴点の身体の表面の位置であり、例えば、空間に固定されたグローバル座標系の座標で表現することができる。本実施の形態では、例えば、空間に固定されたグローバル座標系を(x、y、z)座標系としたとき、スクラム(姿勢A)について、仙骨の位置として(xA1、yA1、zA1)、第7頸椎の位置として(xA2、yA2、zA2)、…のように表現することができ、立位(姿勢B)について、仙骨の位置として(xB1、yB1、zB1)、第7頸椎の位置として(xB2、yB2、zB2)、…のように表現することができる。ただし、座標系の取り方は上記の例に限定されず、他の座標系を用いることができる。また、必要に応じて局所座標系(仙骨基準、肩関節中心基準など)を用いることができ、局所座標系とグローバル座標系とは相互に変換可能である。したがって、例えば姿勢Aの脊椎の位置が姿勢Bの脊椎の位置に重なるように、姿勢Aの特徴点の位置(座標)を変換してもよい。
位置データは、特徴点とその位置とを一対一に関連付けたデータであり、運動中の姿勢ごと、かつ、特徴点ごとに取得される。姿勢ごとの、複数の特徴点での複数の位置データにより、身体形状を表現することができる。本実施の形態では、一つの位置データとしては、例えば、仙骨:(xA1、yA1、zA1)、のように表現することができる。姿勢ごとの、複数の特徴点での複数の位置データとしては、例えば、スクラム(姿勢A)に対して、仙骨:(xA1、yA1、zA1)、第7頸椎:(xA2、yA2、zA2)、…のように表現することができ、立位(姿勢B)に対して、仙骨:(xB1、yB1、zB1)、第7頸椎:(xB2、yB2、zB2)、…のように表現することができる。
これらの運動中の姿勢ごとの、複数の特徴点での複数の位置データは、事前に取得されている。ただし、位置データの取得の方法としては特に制限はない。例えば、公知の光学式、磁気式、機械式などのモーションキャプチャの方法や、運動体の3次元動画を解析する方法などにより取得することができる。光学式のモーションキャプチャは、身体の表面の複数の特徴点の各々にマーカを配置し、身体の運動に伴う複数のマーカの位置の移動を複数台のカメラで取得する方法である。それにより、運動中の姿勢ごとに、複数の特徴点での複数の位置を示す複数の位置データを取得することができる。モーションキャプチャにより取得されたグローバル座標系における姿勢ごとの複数の位置データは、モーションキャプチャ用の情報処理装置の記憶装置、あるいは他の情報処理装置の記憶装置、又はそれらの情報処理装置のメディアドライブ内の記憶媒体に記憶される。取得部21は、そのモーションキャプチャ用の情報処理装置などの記憶装置から送受信部18を介して、又は記憶媒体からメディアドライブ19を介して記憶部26に位置データを格納する。なお、モーションキャプチャにより取得されたグローバル座標系における姿勢ごとの複数の位置データは、直接、装置1(の記憶部26)に記憶されてもよい。
記憶部26は、CPU11内の記憶領域や、ROM12、RAM13、記憶装置14、及びメディアドライブ19の記憶領域を利用し、少なくとも、身体の表面に設定された特徴点を示す特徴点データと、複数の姿勢の各々における複数の位置データとを記憶する。必要に応じて、取得部21、存在位置生成部22、合成位置生成部23、身体形状形成部24、及び衣服設計部25の機能に必要なデータや機能により生成されたデータを記憶する。本実施の形態では、特徴点データ31と、取得部21で取得された姿勢A位置データ32及び姿勢B位置データ33とを記憶している。ただし、特徴点データ31は、例えば、仙骨、第7頸椎、胸骨、…のような複数の特徴点を含む。姿勢A位置データ32は、スクラム(姿勢A)での仙骨:(xA1、yA1、zA1)、第7頸椎:(xA2、yA2、zA2)、…のようなスクラム(姿勢A)における複数の特徴点での複数の位置データを含む。姿勢B位置データ33は、立位(姿勢B)での仙骨:(xB1、yB1、zB1)、第7頸椎:(xB2、yB2、zB2)、…のような立位(姿勢B)における複数の特徴点での複数の位置データを含む。
存在位置生成部22は、複数の姿勢の各々ごとに、複数の位置データに基づいて、複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、対象特徴点の周囲の二つの特徴点を二つの参照特徴点としてそれぞれ選択する。あるいは、複数の特徴点のうち、二つの特徴点を二つの参照特徴点とし、二つの参照特徴点の周囲の一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択する。また、そして、存在位置生成部22は、対象特徴点が二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、対象特徴点ごとに、対象特徴点と存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する。各姿勢における、対象特徴点ごとの存在位置データは、対象特徴点と、対象特徴点の現在の位置(座標など)を含む存在可能な位置(座標など)とを関連付けている。本実施の形態では、例えば、姿勢A(スクラム)において、胸骨の存在位置データは、胸骨と、胸骨の現在の位置を含む存在可能な位置と、を関連付けており、例えば、姿勢B(立位)において、肩峰の存在位置データは、肩峰と、肩峰の現在の位置を含む存在可能な位置と、を関連付けている。
ただし、対象特徴点及び二つの参照特徴点は互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択される。本実施の形態において、対象特徴点及び参照特徴点が互いに周囲に位置する、とは、二つの参照特徴点の各々と対象特徴点との距離が姿勢に依らず一定であると仮定し得る位置である。すなわち、姿勢に依らず、一方の参照特徴点と対象特徴点との距離が一定であり、他方の参照特徴点と対象特徴点との距離が一定であると仮定し得る位置である。一定と仮定し得るとは、二つの参照特徴点の各々と対象特徴点との間に、「関節」のような特徴点間の相対的な位置関係を大きく変動させる部位が無いことをいう。対象特徴点と参照特徴点との距離が、姿勢で大きく変わる場合、存在可能な位置の計算精度が低下するおそれがあるためである。
また、本実施の形態では、計算精度の観点から、ある特徴点を対象特徴点として選択したとき、その対象特徴点に対する二つの参照特徴点としては、姿勢に依らず、同一の二つの特徴点が選択される。ただし、姿勢ごとにその対象特徴点に対する最適な二つの特徴点を選択して二つの参照特徴点としてもよい。
なお、計算精度の観点から、最初に二つの参照特徴点として選択される二つの特徴点(所定の二つの特徴点)としては、対象とする姿勢に依らず互いの相対的な位置関係が大きく変わらない、ほぼ同じ位置となる二つの特徴点を選択することが好ましい。本実施の形態では、最初の二つの参照特徴点(所定の二つの特徴点)は、ラグビーのスクラム(姿勢A)及び立位(姿勢B)に依らず互いの相対的な位置関係が大きく変わらない、ほぼ同じ位置となる仙骨及び第7頸椎である。また、同様に計算精度の観点から、その後に、対象特徴点として選択される一つの特徴点としては、未だ参照点特徴点及び対象特徴点として選択されていない一つの特徴点を選択することが好ましく、二つの参照特徴点として選択される二つの特徴点としては、既に参照点特徴点及び/又は対象特徴点として選択された特徴点のうちの二つの特徴点を選択することが好ましい。
本実施の形態では、存在位置生成部22は具体的には以下のように機能する。図4〜図7は、実施の形態に係る装置の機能、特に存在位置生成部22の機能を説明する模式図である。ただし、図4〜図7において、(a)はスクラム(姿勢A)での身体形状Ba及び特徴点の一部、すなわち上腕部(上腕マーカ)の特徴点P、肩関節中心の特徴点Q、肘関節中心の特徴点Rをそれぞれ模式的に示している。一方、図4〜図7において、(b)は立位(姿勢B)での身体形状Bb及び特徴点の一部、すなわち上腕部の特徴点P’、肩関節中心の特徴点Q’、肘関節中心の特徴点R’をそれぞれ模式的に示している。
存在位置生成部22は、スクラム(姿勢A)の存在位置データを生成する。
まず、存在位置生成部22は、図4(a)に示すように、スクラム(姿勢A)において、一つの特徴点Pを対象特徴点Pとし、対象特徴点Pの周囲の二つの特徴点Q、Rを二つの参照特徴点Q、Rとしてそれぞれ選択する。あるいは、二つの特徴点Q、Rを二つの参照特徴点Q、Rとし、二つの参照特徴点Q、Rの周囲の一つの特徴点Pを対象特徴点Pとしてそれぞれ選択する。
次いで、存在位置生成部22は、スクラム(姿勢A)において、二つの参照特徴点Q、R及び対象特徴点Pの位置データに基づいて、対象特徴点Pが二つの参照特徴点Q、Rに対して相対的に存在可能な位置を算出する。すなわち、存在位置生成部22は、まず、図5(a)に示すように、複数の位置データに基づき、二つの参照特徴点Q、Rのうちの一方の第1参照特徴点Qを中心とし、第1参照特徴点Qと対象特徴点Pとの距離PQを半径とする第1球面SA1を算出する。同様に、存在位置生成部22は、複数の位置データに基づき、二つの参照特徴点Q、Rのうちの他方の第2参照特徴点Rを中心とし、第2参照特徴点Rと対象特徴点Pとの距離PRを半径とする第2球面SA2を算出する。そして、存在位置生成部22は、図6(a)に示すように、第1球面SA1と第2球面SA2とが交わってできる円sの円周を、対象特徴点Pの存在可能な位置として算出する。それにより、存在位置生成部22は、対象特徴点Pと存在可能な位置(円sの円周)とを関連付けた存在位置データを生成する。ただし、円sは、半径が極めて小さく、実質的に点である場合を含む。この姿勢での、対象特徴点Pの存在位置データは、記憶部26に記憶される。ただし、存在可能な位置としての円の円周は、円周を特定できるものであれば特に制限はなく、例えば、座標系の円周の式で表現してもよいし、円周上の点の座標の集合で表現してもよい。
存在位置生成部22は、スクラム(姿勢A)に続いて、スクラム(姿勢A)の場合〈図4(a)〜図7(a))と同様にして、立位(姿勢B)の存在位置データを生成する。
図7(b)に示すように、まず、立位(姿勢B)において、一つの特徴点P’を対象特徴点P’とし、対象特徴点P’の周囲の二つの特徴点Q’、R’を二つの参照特徴点Q’、R’としてそれぞれ選択する。あるいは、二つの特徴点Q’、R’を二つの参照特徴点Q’、R’とし、二つの参照特徴点Q’、R’の周囲の一つの特徴点P’を対象特徴点P’としてそれぞれ選択する。次に、存在位置生成部22は、複数の位置データに基づき、二つの参照特徴点Q’、R’のうちの一方の第1参照特徴点Q’を中心とし、第1参照特徴点Q’と対象特徴点P’との距離P’Q’を半径とする第1球面SA1’を算出する。同様に、存在位置生成部22は、複数の位置データに基づき、二つの参照特徴点Q’、R’のうちの他方の第2参照特徴点R’を中心とし、第2参照特徴点R’と対象特徴点P’との距離P’R’を半径とする第2球面SA2’を算出する。そして、存在位置生成部22は、第1球面SA1’と第2球面SA2’とが交わってできる円s’の円周を、対象特徴点P’の存在可能な位置として算出する。それにより、存在位置生成部22は、対象特徴点P’と存在可能な位置(円s’の円周)とを関連付けた存在位置データを生成する。対象特徴点P’の存在位置データは、記憶部26に記憶される。
合成位置生成部23は、複数の姿勢について生成された複数の存在位置データに基づいて、対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出する。そして、合成位置生成部23は、対象特徴点と合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する。合成位置データは、対象特徴点と、複数の姿勢での対象特徴点の位置が合成された合成位置(座標など)とを関連付けている。本実施の形態では、例えば、上腕マーカと、姿勢A(スクラム)及び姿勢B(立位)での上腕マーカの位置が合成された合成位置とを関連付けている。各姿勢での存在位置データを、対象特徴点ごとに複数の姿勢について平均する方法は特に制限はない。ただし、「平均の位置」とは、存在位置生成部22により決定された特徴点P、P’、Q、Q’、R、R’の位置及び円s、s’の円周を特定するパラメータの値の平均から計算される位置であり、合成位置P”(後述)である。その各パラメータの値の平均から計算する方法の一例は以下に示すとおりである。
本実施の形態では、合成位置生成部23は具体的には以下のように機能する。図8は、実施の形態に係る装置の機能、特に合成位置生成部23の機能を説明する模式図である。ただし、特徴点P、P’、Q、Q’、R、R’円s、s’については、図4〜図7の説明のとおりである。
合成位置生成部23は、図8(a)に示すように、複数の姿勢、例えばスクラム(姿勢A)及び立位(姿勢B)について二つの参照特徴点Q、Rと二つの参照特徴点Q’、R’とをそれぞれ互いに重ねる。ただし、線分QRと線分Q’R’との長さが相違する場合、まず、両方の線分の長さの平均値を求める。次に、その平均値を基準として、各線分の長さがその平均値の長さとなる倍率を算出する。そして、その倍率に基づいて、対象特徴点や円の位置等を相似的に変更する。このとき、参照特徴点Q、Q’と参照特徴点R、R’とを結ぶ直線CLは、円s、s’の中心o、o’を通過する。ここで、仮にあらゆる姿勢において二つの参照特徴点と対象特徴点との距離が一定であるならば、円s、s’は一致する。しかし、実際には、姿勢の変化に伴う身体形状の変化、例えば筋の膨隆や皮膚の伸縮、慣性による変形などの影響により、円s、s’は互いに一致しなくなる。そこで、合成位置生成部23は、図8(b)及び(c)に示すように、まず、円s、s’の平均形状の円である合成円s”を求める。合成円s”は、二つの参照特徴点Q、R(又はQ’、R’)を結ぶ方向、すなわち直線CLの方向における複数の円s、s’の位置の平均の位置に存在し、複数の円s、s’の半径r、r’の平均の半径を有する円である。言い換えると、合成円s”は、中心o”が直線CLの方向において複数の円s、s’の中心o、o’の中間の位置に存在し、半径r”が複数の円s、s’の半径r、r’の平均と同じである。次に、合成位置生成部23は、図8(c)に示すように、合成円s”の円周上の位置であって、複数の円s、s’の円周上における複数の対象特徴点P、P’の平均の位置を、対象特徴点P、P’の合成位置P”として算出する。言い換えると、合成円s”上の位置であって、直線CL方向から見て、中心oと対象特徴点Pとを結ぶ線分と、中心o’と対象特徴点P’とを結ぶ線分との成す角αの半分の角β(=α/2)の位置が合成位置P”として算出される。それにより、合成位置生成部23は、対象特徴点と合成位置P”とを関連付けた合成位置データを生成する。この対象特徴点での合成位置データ(座標など)は、記憶部26に記憶される。なお、直線CLの方向から見て、円s”上の任意の点t”(図示されず)と中心o”とを結ぶ線分t”o”を基準として、線分t”o”と線分oPとが成す角と、線分t”o”と線分o’P’とが成す角の平均の角度の位置が、合成位置P”として算出されてもよい。
このように、存在位置生成部22及び合成位置生成部23の機能により、一つの対象特徴点について、複数の姿勢での複数の位置データが合成されて、一つの合成位置データが生成される。
存在位置生成部22は、図4〜図7を参照して説明された方法により、複数の姿勢の各々ごとに、複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成する。そして、合成位置生成部23は、図8を参照して説明された方法により、複数の姿勢について順次生成された複数の存在位置データに基づいて、順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成する。それにより、複数の特徴点に対して、複数の合成位置データが生成される。複数の特徴点での複数の合成位置データは、複数の姿勢での身体形状が合成され一つの合成身体形状を表現しているということができる。複数の合成位置データは記憶部26に記憶される。
本実施の形態では、本実施の形態で選択した複数の姿勢、すなわちスクラム(姿勢A)及び立位(姿勢B)の身体形状は、いずれも脊柱が極度に変形したような状態ではないため、仙骨と第7頸椎の相対的な位置関係は大きく変わらない。そこで、本実施の形態では、存在位置生成部22は、まずスクラム(姿勢A)及び立位(姿勢B)での仙骨及び第7頸椎の位置が互いに一致するように、スクラム(姿勢A)における複数の位置データに座標変換を行い、その後に上述の機能を実行する。
また、本実施の形態では、存在位置生成部22が複数の特徴点から参照特徴点及び対象特徴点として選択する特徴点の順番は予め決定されている。図9は、存在位置生成部22が選択する特徴点の順番を示している。仙骨及び第7頸椎を基準として、概ね基準から外側・下側に離れて行く向きに、具体的には図中の矢印の向きに順番に特徴点が選択される。その順番は、二つの参照特徴点の選択の順番と、その二つの参照特徴点に対して、選択すべき周囲に位置する一つの特徴点とを示している。図9に示す順番はすべての姿勢において共通であり、その順番を示すデータ(図9)は例えば特徴点データ31又は存在位置生成部22に含まれる。
このうち、肩峰、肩関節中心、上腕骨外上顆、上腕骨内上顆、尺骨茎状突起、橈骨茎状突起、肘関節中心、手関節中心、上腕部、前腕部は上半身の特徴点であり、図示しないが左半身及び右半身にそれぞれ存在する。また、上前腸骨棘、大転子、股関節中心、大腿骨外顆、大腿骨内顆、腓骨外踝、脛骨内踝、膝関節中心、足関節中心、大腿部、下腿部は下半身の特徴点であり、図示しないが左半身及び右半身にそれぞれ存在する。体幹下部マーカ、体幹中部マーカ、及び体幹上部マーカは、体幹の特徴点であり、図示しないが背側及び腹側にかつ左右両側それぞれ複数個ずつ存在する。
そして、本実施の形態において、仙骨及び第7頸椎の相対的な位置関係は複数の姿勢でほぼ同じであるから、仙骨及び第7頸椎は対象特徴点とはしない。また、肩関節中心及び股関節中心は、精度の高い公知の推定方法による位置を用いるため、対象特徴点とはしない。具体的には、左右の肩峰間の距離の17%だけ肩峰から下方の点を肩関節中心の位置とする(G.Rab et.al.、Gait and Posture、15、(2002)、p.113−119)。また、大転子と上前腸骨棘とを結ぶ線上で、大転子から1/3の位置にある点を股関節点として、左右の大転子間の距離の19.7%の距離だけ股関節点から身体の内側へ水平に入った点を股関節中心とした(DIF−B法(修正版):倉林準ら、バイオメカニズム学会誌、Vol.27、No.1、(2003)、p.29−36)。また、肘関節中心は上腕骨外上顆と上腕骨内上顆との中点として算出され、手関節中心は尺骨茎状突起と橈骨茎状突起との中点として算出され、膝関節中心は大腿骨外顆と大腿骨内顆との中点として算出され、足関節中心は腓骨外踝と脛骨内踝との中点として算出される。
したがって、本実施の形態では、対象特徴点となる特徴点は、胸骨、肩峰、上腕骨外上顆、上腕骨内上顆、尺骨茎状突起、橈骨茎状突起、上前腸骨棘、大転子、大腿骨外顆、大腿骨内顆、腓骨外踝、脛骨内踝、上腕マーカ、前腕マーカ、大腿マーカ、下腿マーカ、体幹下部マーカ、体幹中部マーカ、及び体幹上部マーカである。一方、参照特徴点となり得る特徴点は、仙骨及び第7頸椎と、所定の方法で算出された後の肩関節中心、股関節中心、肘関節中心、手関節中心、膝関節中心、及び足関節中心と、対象特徴点として算出された後の胸骨、肩峰、上腕骨外上顆、上腕骨内上顆、尺骨茎状突起、橈骨茎状突起、上前腸骨棘、大転子、大腿骨外顆、大腿骨内顆、腓骨外踝、脛骨内踝、上腕マーカ、前腕マーカ、大腿マーカ、下腿マーカ、体幹下部マーカ、体幹中部マーカ、及び体幹上部マーカである。
上半身の特徴点の選択の順番については、例えば、以下のとおりである(図9)。
各姿勢について、仙骨及び第7頸椎が最初の二つの参照特徴点(この場合、所定の二つの参照特徴点)、胸骨が最初の対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、第7頸椎及び胸骨が二つの参照特徴点、肩峰が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、肩関節中心は、左右の肩峰間の距離の17%だけ肩峰から下方の点が肩関節中心の位置なので対象特徴点とはされない。次に、肩峰及び肩関節中心が二つの参照特徴点、上腕骨外上顆が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、肩峰及び肩関節中心が二つの参照特徴点、上腕骨内上顆が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、上腕骨外上顆及び上腕骨内上顆が二つの参照特徴点、尺骨茎状突起が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、上腕骨外上顆及び上腕骨内上顆が二つの参照特徴点、橈骨茎状突起が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、肘関節中心は、上腕骨外上顆と上腕骨内上顆との中点の位置なので対象特徴点とはされない。次に、手関節中心は、尺骨茎状突起と橈骨茎状突起との中点の位置なので対象特徴点とされない。次に、肩関節中心及び肘関節中心が二つの参照特徴点とし、上腕マーカが対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、肘関節中心及び手関節中心が二つの参照特徴点、前腕マーカが対象特徴点としてそれぞれ選択される。上腕マーカや前腕マーカがそれぞれ複数個ある場合には、複数のマーカの各々が対象特徴点として個別に選択される。
下半身の特徴点の選択の順番については、例えば、以下のとおりである(図9)。
各姿勢について、仙骨及び第7頸椎が最初の二つの参照特徴点(この場合、所定の二つの参照特徴点)、上前腸骨棘が最初の対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、仙骨及び上前腸骨棘が二つの参照特徴点、大転子が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、股関節中心は、大転子と上前腸骨棘とを結ぶ線上で、大転子から1/3の位置にある点を股関節点とし、左右の大転子間の距離の19.7%の距離だけ股関節点から身体の内側へ水平に入った点が股関節中心の位置なので、特徴対象点とはされない。次に、大転子及び股関節中心が二つの参照特徴点、大腿骨外顆が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、大転子及び股関節中心が二つの参照特徴点、大腿骨内顆が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、大腿骨外顆及び大腿骨内顆が二つの参照特徴点、腓骨外踝が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、大腿骨外顆及び大腿骨内顆が二つの参照特徴点、脛骨内踝が対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、膝関節中心は、大腿骨外顆と大腿骨内顆との中点の位置なので対象特徴点とされない。次に、足関節中心は、腓骨外踝と脛骨内踝との中点の位置なので対象特徴点とされない。次に、股関節中心及び膝関節中心が二つの参照特徴点、大腿マーカが対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、膝関節中心及び足関節中心が二つの参照特徴点、下腿マーカが対象特徴点としてそれぞれ選択される。大腿マーカや下腿マーカがそれぞれ複数個ある場合には、複数のマーカの各々が対象特徴点として個別に選択される。
次に、体幹の特徴点の選択の順番については以下のとおりである。左右の上前腸骨棘の中点(A点)及び仙骨が二つの参照特徴点、体幹下部マーカが対象特徴点としてそれぞれ選択される。次に、仙骨と第7頸椎との中点(B点)及びA点と胸骨上縁との中点(C点)が二つの参照特徴点、体幹中部マーカが対象特徴点としてそれぞれ選択される。次いで、第7頸椎及び胸骨が二つの参照特徴点、体幹上部マーカが対象特徴点としてそれぞれ選択される。体幹下部マーカや体幹中部マーカや体幹上部マーカがそれぞれ複数個ある場合には、複数のマーカの各々が対象特徴点として個別に選択される。
なお、上半身及び下半身の特徴点のうち、左半身及び右半身の両方に存在する特徴点については、左半身及び右半身の両方の特徴点がそれぞれ対象特徴点として選択される。また、体幹の特徴点については、背側及び腹側の両方の特徴点がそれぞれ対象特徴点として選択される。
身体形状形成部24は、生成された複数の特徴点における複数の合成位置データに基づいて、身体における複数の特徴点の位置が複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データを形成する。身体形状データは、記憶部26に記憶される。
衣服設計部25は、三次元の身体形状データに基づいて、公知の方法により衣服を設計する。設計された衣服に基づいて、公知の方法により衣服を製造してもよい。
次に、実施の形態に係る装置1の動作(実施の形態に係る方法・プログラム)について説明する。
図10は、実施の形態に係る装置1の動作(実施の形態に係る方法・プログラム)を示すフロー図である。本実施の形態では、装置1の動作を、運動としてラグビー、複数の姿勢としてスクラム及び立位を例として説明する。
事前に、運動中の姿勢ごとに、複数の特徴点での複数の位置データが取得される。本実施の形態では、複数の特徴点での複数の位置データは、光学式のマーカ(例示:反射板)を身体の表面における複数の特徴点に配置して行われる公知のモーションキャプチャの方法により取得される。モーションキャプチャにより取得された姿勢ごとの複数の特徴点での複数の位置データ(グローバル座標系)は、モーションキャプチャ用の情報処理装置の記憶装置に記憶される。
取得ステップS1では、取得部21が、スクラム(姿勢A)及び立位(姿勢B)の各々ごとに、複数の特徴点について、特徴点とその位置とを関連付けている、姿勢A位置データA及び姿勢B位置データ33を取得する。姿勢A位置データ32及び姿勢B位置データ33は記憶部26に記憶される。
次に、存在位置生成ステップS2では、存在位置生成部22が、スクラム(姿勢A)について、姿勢A位置データ32に基づいて、複数の特徴点のうち、二つの特徴点を二つの参照特徴点とし、二つの参照特徴点の周囲の一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択する。そして、存在位置生成部22が、対象特徴点が二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、対象特徴点と存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する。次いで、存在位置生成部22が、立位(姿勢B)について、姿勢B位置データ33に基づいて、複数の特徴点のうち、二つの特徴点を二つの参照特徴点とし、二つの参照特徴点の周囲の一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択する。そして、存在位置生成部22が、対象特徴点が二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、対象特徴点と存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する。ただし、スクラム(姿勢A)及び立位(姿勢B)のどちらの存在位置データが先に生成されてもよい。
特に、本実施の形態では、存在位置生成ステップS2は、最初に、複数の姿勢の各々ごとに、複数の位置データに基づいて、複数の特徴点のうちの所定の二つの特徴点を前記二つの参照特徴点とし、二つの参照特徴点の周囲に位置する一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択して、存在位置データを生成する。
すなわち、まず、存在位置生成ステップS2において、存在位置生成部22は、特徴点の選択の順番(図9)に従い、最初にスクラム(姿勢A)につき、仙骨及び第7頸椎を最初の二つの参照特徴点(所定の二つの参照特徴点)とし、胸骨を最初の対象特徴点として、存在可能な位置を算出し、胸骨の存在位置データを生成する。同様に、存在位置生成部22は、立位(姿勢B)につき、仙骨及び第7頸椎を最初の二つの参照特徴点(所定の二つの参照特徴点)とし、胸骨を最初の対象特徴点として、存在可能な位置を算出し、胸骨の存在位置データを生成する。
次に、合成位置生成ステップS3において、合成位置生成部23は、スクラム(姿勢A)での胸骨の存在位置データと、立位(姿勢B)での胸骨の存在位置データとに基づいて、胸骨の平均の位置を合成位置として算出して、胸骨と合成位置とを関連付けた胸骨の合成位置データを生成する。
合成位置生成部23は、この段階で、図9に示す、すべての特徴点(本実施の形態では、所定の二つの参照特徴点である仙骨及び第7頸椎を除く)について、対象特徴点として合成位置データが生成されたか否かを確認する(ステップS4)。その結果、胸骨の合成位置データしか生成されていないので(ステップS4:No)、工程を存在位置生成ステップS2に戻す。
存在位置生成ステップS2において、存在位置生成部22は、特徴点の選択の順番(図9)に従い、スクラム(姿勢A)につき、第7頸椎及び胸骨を二つの参照特徴点とし、肩峰を対象特徴点として、存在可能な位置を算出し、肩峰の存在位置データを生成する。左右の肩峰について行う。同様に、存在位置生成部22は、立位(姿勢B)につき、第7頸椎及び胸骨を二つの参照特徴点とし、肩峰を対象特徴点として、存在可能な位置を算出し、肩峰の存在位置データを生成する。左右の肩峰について行う。
次に、合成位置生成ステップS3において、合成位置生成部23は、スクラム(姿勢A)での肩峰の存在位置データと、立位(姿勢B)での肩峰の存在位置データに基づいて、肩峰の平均の位置を合成位置として算出して、肩峰と合成位置とを関連付けた肩峰の合成位置データを生成する。左右の肩峰について行う。
合成位置生成部23は、この段階で、図9に示す、すべての特徴点(所定の二つの参照特徴点である仙骨及び第7頸椎を除く)について、対象特徴点として合成位置データが生成されたか否かを確認する(ステップS4)。その結果、胸骨及び肩峰の合成位置データしか生成されていないので(ステップS4:No)、工程を存在位置生成ステップS2に戻す。
以下同様にして、図9に示す、すべての特徴点(仙骨及び第7頸椎を除く)について、対象特徴点として合成位置データが生成されるまで(ステップS4:Yes)、図9の説明で示された順番に従って、存在位置生成ステップS2及び合成位置生成ステップS3を繰り返す。
なお、肩関節中心及び股関節中心の各々については、ステップS2はスキップ(省略)される。そして、肩関節中心については、ステップS3において、既に合成位置を算出された肩峰に基づいて上述の各推定方法による一点を合成位置として算出する。股関節中心については、ステップS3において、既に合成位置を算出された大転子及び上前腸骨棘に基づいて上述の各推定方法による一点を合成位置として算出する。一方、肘関節中心、手関節中心、膝関節中心及び足関節中心の各々についても、ステップS2はスキップ(省略)される。そして、肘関節中心については、ステップS3において、既に合成位置を算出された上腕骨外上顆と上腕骨内上顆との中点の一点を合成位置として算出する。手関節中心については、ステップS3において、既に合成位置を算出された尺骨茎状突起と橈骨茎状突起との中点の一点を合成位置として算出する。膝関節中心については、ステップS3において、既に合成位置を算出された大腿骨外顆と大腿骨内顆との中点の一点を合成位置として算出する。足関節中心については、ステップS3において、既に合成位置を算出された腓骨外踝と脛骨内踝との中点の一点を合成位置として算出する。
本実施の形態では、次に、身体形状形成ステップS5において、身体形状形成部24は、生成された複数の特徴点における複数の合成位置データに基づいて、身体における複数の特徴点の位置が複数の合成位置となる身体形状を、身体形状データとして形成する。身体形状データは、記憶部26に記憶される。
本実施の形態では、次に、衣服設計ステップS6において、衣服設計部25は、三次元の身体形状データに基づいて、公知の方法により衣服を、衣服設計データとして形成する。衣服設計データは、記憶部26に記憶される。
以上のように、本実施の形態に係る装置1は動作し、方法・プログラムが実行される。
本装置・方法・プログラムは、運動(例示:ラグビー)中に生じ得る複数の姿勢(例示:スクラム、立位)の各々ごとに、身体における複数の特徴点(例示:仙骨、第7頸椎、胸骨、上前腸骨棘、…)とそれらに対応する複数の位置(例示:座標)とを関連付けた複数の位置データを取得する。そして、全姿勢分の複数の位置データを合成し、全姿勢に共通の複数の合成位置データを生成する。この全姿勢に共通の複数の合成位置データにより、全姿勢の身体形状を合成した身体形状を形成することができる。そして、この全姿勢の身体形状を合成した身体形状に基づいて、衣服を設計することで、運動中の様々な姿勢の身体形状のいずれに対しても適し、運動し易い衣服を設計することが可能となる。
なお、二つの参照特徴点及び対象特徴点の選択の順番は、図9の順番の例に限定されるものではない。二つの参照特徴点としては、所定の二つの特徴点及び既に合成位置データが生成された特徴点のうちから選択される二つの特徴点であり、対象特徴点としては、所定の二つの特徴点及び既に合成位置データが生成された特徴点以外の特徴点であればよい。ただし、二つの参照特徴点と対象特徴点とは互いに周囲に位置すれば、したがって、あらゆる姿勢において二つの参照特徴点と対象特徴点との距離が一定であると仮定し得る特徴点であればよい。また、所定の二つの特徴点は、仙骨及び第7頸椎に限定されるものではなく、他の二つの特徴点、例えば左右の上前腸骨棘であってもよい。
本装置・方法・プログラムは、好ましい態様として、運動中に生じ得る複数の姿勢(例示:スクラム、立位)の各々ごとに、対象特徴点P(、P’)と参照特徴点Q,R(、Q’、R’)との距離は概ね変わらないとして、第1球面SA1(、SA1’)と第2球面SA2(、SA2’)とが交わってできる円s(、s’)の円周上の位置を、対象特徴点の移動可能な、したがって存在可能な位置として推定する。それゆえ、対象特徴点の存在し得る範囲を比較的簡単な方法で比較的精度よく推定することができる。それにより、全姿勢に共通の複数の合成位置データを容易に生成することができる。
本装置・方法・プログラムは、好ましい態様として、複数の姿勢(例示:スクラム、立位)の各々における対象特徴点P(、P’)の存在可能な位置として推定された円s(、s’)の円周上の位置を用いて、したがって全姿勢分の対象特徴点の存在可能な位置を用いて、対象特徴点の合成位置を算出する。すなわち、二つの参照特徴点Q、R/Q’、R’を複数の姿勢について互いに重ねたとき、複数の円の平均の位置に存在し、複数の円s/s’の半径の平均と同じ半径を有する円である合成円s”において、当該合成円s”の円周上の位置であって、複数の円s/s’の円周上における複数の対象特徴点P/P’の平均の位置を、対象特徴点の合成位置P”として算出する、したがって、全姿勢に共通の複数の合成位置データを的確に生成することができる。
本装置・方法・プログラムは、好ましい態様として、運動中に生じ得る複数の姿勢(例示:スクラム、立位)の各々ごとに、最初に、所定の二つの特徴点(例示:仙骨、第7頸椎)を二つの参照特徴点として、存在位置データ、延いては合成位置データを生成する処理を開始している。そのため、例えば、所定の二つの特徴点として、複数の特徴点のうちの身体の中心付近のものを用いるなど、複数の特徴点の分布や対称性等を考慮した工夫により、存在位置データ、延いては合成位置データの精度をより高めることができる。それにより、全姿勢に共通の複数の合成位置データを精度よく生成することができる。
本装置・方法・プログラムは、別の実施の形態として、合成位置生成部23が行う合成位置生成ステップS3において、対象特徴点の平均の位置を、複数の姿勢(例示:スクラム、立位)の各々の重要度に応じた加重平均で算出してもよい。すなわち、対象特徴点の平均の位置が、重要度の高い姿勢(例示:スクラム)での位置に近くなるように、対象特徴点の平均の位置を算出してもよい。具体的には、図8(b)において、例えばスクラム(姿勢A)の重要度が高い場合、円s”の位置を、立位(姿勢B)の円s’の位置よりもスクラム(姿勢A)の円sの位置に近くなるようにする。更に、図8(c)に示すように、直線CLの方向から見たP”の位置を、立位(姿勢B)のP’の位置よりもスクラム(姿勢A)のPの位置に近くなるようにする。近さの程度は重要度の程度により適宜設定する。それにより、複数の合成位置データで定まる身体形状を、重要度の高い姿勢に近づけることができ、対象となる運動により適した身体形状を生成することができる。
本装置・方法・プログラムは、好ましい態様として、身体の表面における複数の特徴点が、複数の骨特徴点(例示:仙骨、第7頸椎、胸骨、上前腸骨棘、…)を含むので、複数の特徴点から対象特徴点と二つの参照特徴点とを選択したとき、各姿勢における身体形状の変化を適切に把握することができる。それゆえ、対象特徴点の存在し得る範囲を精度よく推定することができる。それにより、全姿勢に共通の複数の合成位置データを容易に生成することができる。
本装置・方法・プログラムは、好ましい態様として、複数の姿勢が、同一身体による筋収縮時の姿勢(例示:スクラム)及び筋弛緩時(例示:立位)の姿勢を含んでいる。しかし、それとは別に、又は、それと同時に、別の実施の形態として、複数の姿勢が、互いに異なる複数の身体による実質的に同一な姿勢(例示:スクラム)を含んでもよい。この場合、同一な姿勢でも、複数の身体間で特徴点間の距離が相違することが考え得る。その場合には、例えば、身体の長さや幅の比を用いて、複数の位置データを補正した後、上記の装置の動作・方法・プログラムを実行する。それにより、運動中の様々な姿勢の身体形状を、より汎用性が高くなるように形成することができる。それにより、汎用性が高く、より運動し易い衣服を設計することが可能となる。
本装置・方法・プログラムは、好ましい態様として、複数の位置データを、身体の複数の特徴点にマーカを配置して行うモーションキャプチャにより取得できるので、動的な身体形状をより正確に取得することができる。それにより、より的確に、全姿勢に共通の複数の合成位置データを生成することができる。
本装置・方法・プログラムは、全姿勢に共通の複数の合成位置データに基づいた身体形状を示す身体形状データを形成することができる。それにより、その身体形状を用いて対象として衣服を設計することで、運動中の様々な姿勢の身体形状のいずれに対しても適し、運動し易い衣服を設計することが可能となる。
1 装置
21 取得部
22 存在位置生成部
23 合成位置生成部

Claims (19)

  1. 運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する装置であって、
    運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得部と、
    前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点として、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成部と、
    前記複数の姿勢について生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成部と、
    を備え、
    前記存在位置生成部は、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、
    前記合成位置生成部は、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、
    生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、
    装置。
  2. 前記存在位置生成部は、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記二つの参照特徴点のうちの一方の第1参照特徴点を中心とし、前記第1参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第1球面と、前記二つの参照特徴点のうちの他方の第2参照特徴点を中心とし、前記第2参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第2球面とが交わってできる円の円周上の位置を、前記対象特徴点の存在可能な位置として算出する、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記合成位置生成部は、前記複数の姿勢における前記複数の円に基づいて、前記二つの参照特徴点を前記複数の姿勢について互いに重ねたとき、前記二つの参照特徴点を結ぶ方向における前記複数の円の平均の位置に存在し、前記複数の円の半径の平均と同じ半径を有する円である合成円において、当該合成円の円周上の位置であって、前記複数の円の円周上における前記複数の対象特徴点の平均の位置を、前記対象特徴点の合成位置として算出する、
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記存在位置生成部は、
    最初に、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうちの所定の二つの特徴点を前記二つの参照特徴点とし、前記二つの参照特徴点の周囲に位置する一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成し、
    その後、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データ及び前記存在位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、未だ前記参照特徴点及び前記対象特徴点として選択されていない一つの特徴点を対象特徴点とし、既に前記参照特徴点及び/又は前記対象特徴点として選択された特徴点のうちの二つの特徴点を前記二つの参照特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記合成位置生成部は、前記対象特徴点の平均の位置を、前記複数の姿勢の各々の重要度に応じた加重平均で算出する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記身体の表面における複数の特徴点は、複数の骨特徴点を含む、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記複数の姿勢は、互いに異なる複数の身体による実質的に同一な姿勢、並びに/又は、同一身体による筋収縮時の姿勢及び筋弛緩時の姿勢を含む、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記複数の位置データは、前記身体における前記複数の特徴点にマーカを配置して行うモーションキャプチャにより取得される、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データを形成する身体形状形成部を更に備える、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する方法であって、
    運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得ステップと、
    前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点として、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成ステップと、
    前記複数の姿勢について生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成ステップと、
    を備え、
    前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、
    前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、
    生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、
    方法。
  11. 運動中の身体形状の変化に対応した衣服の設計を支援する方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    運動中の身体の複数の姿勢の各々ごとに、前記身体の表面に設定された特徴点とその位置とを関連付ける位置データを、身体の表面に設定された複数の特徴点について複数の位置データとして取得する取得ステップと、
    前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、一つの特徴点を対象特徴点とし、前記対象特徴点以外の二つの特徴点を二つの参照特徴点として、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点が互いに周囲に位置するようにそれぞれ選択し、前記対象特徴点及び前記二つの参照特徴点の位置データに基づいて、前記対象特徴点が前記二つの参照特徴点に対して相対的に存在可能な位置を算出して、前記対象特徴点と前記存在可能な位置とを関連付けた存在位置データを生成する存在位置生成ステップと、
    前記複数の姿勢について生成された前複数の記存在位置データに基づいて、前記対象特徴点の平均の位置を合成位置として算出して、前記対象特徴点と前記合成位置とを関連付けた合成位置データを生成する合成位置生成ステップと、
    を備え、
    前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の特徴点の各々を、順次、対象特徴点として選択し、存在位置データを生成し、
    前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢について順次生成された前記複数の存在位置データに基づいて、前記順次選択された対象特徴点について、合成位置データを生成し、
    生成された前記複数の特徴点における前記複数の合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データが形成される、
    方法、をコンピュータに実行させるプログラム。
  12. 前記存在位置生成ステップは、前記複数の姿勢の各々について、前記複数の位置データに基づいて、前記二つの参照特徴点のうちの一方の第1参照特徴点を中心とし、前記第1参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第1球面と、前記二つの参照特徴点のうちの他方の第2参照特徴点を中心とし、前記第2参照特徴点と前記対象特徴点との距離を半径とする第2球面とが交わってできる円の円周上の位置を、前記対象特徴点の存在可能な位置として算出するステップを含む、
    請求項11に記載のプログラム。
  13. 前記合成位置生成ステップは、前記複数の姿勢における前記複数の円に基づいて、前記二つの参照特徴点を前記複数の姿勢について互いに重ねたとき、前記二つの参照特徴点を結ぶ方向における前記複数の円の平均の位置に存在し、前記複数の円の半径の平均と同じ半径を有する円である合成円において、当該合成円の円周上の位置であって、前記複数の円の円周上における前記複数の対象特徴点の平均の位置を、前記対象特徴点の合成位置として算出するステップを含む、
    請求項12に記載のプログラム。
  14. 前記存在位置生成ステップは、
    最初に、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうちの所定の二つの特徴点を前記二つの参照特徴点とし、前記二つの参照特徴点の周囲に位置する一つの特徴点を対象特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成するステップと、
    その後、前記複数の姿勢の各々ごとに、前記複数の位置データ及び前記存在位置データに基づいて、前記複数の特徴点のうち、未だ前記参照特徴点及び前記対象特徴点として選択されていない一つの特徴点を対象特徴点とし、既に前記参照特徴点及び/又は前記対象特徴点として選択された特徴点のうちの二つの特徴点を前記二つの参照特徴点としてそれぞれ選択して、当該対象特徴点の存在位置データを生成するステップと、を含む、
    請求項11乃至13のいずれか一項に記載のプログラム。
  15. 前記合成位置生成ステップは、前記対象特徴点の平均の位置を、前記複数の姿勢の各々の重要度に応じた加重平均で算出するステップを含む、
    請求項11乃至14のいずれか一項に記載のプログラム。
  16. 前記複数の姿勢は、互いに異なる複数の身体による実質的に同一な姿勢、並びに/又は、同一身体による筋収縮時の姿勢及び筋弛緩時の姿勢を含む、
    請求項11乃至15のいずれか一項に記載のプログラム。
  17. 前記身体の表面における複数の特徴点は、複数の骨特徴点を含む、
    請求項11乃至16のいずれか一項に記載のプログラム。
  18. 前記複数の位置データは、前記身体における前記複数の特徴点にマーカを配置して行うモーションキャプチャにより取得される、
    請求項11乃至17のいずれか一項に記載のプログラム。
  19. 生成された前記複数の特徴点における前記複数の前記合成位置データに基づいて、前記身体における前記複数の特徴点の位置が前記複数の合成位置となる身体形状を示す身体形状データを形成する身体形状形成ステップを更に備える、
    請求項11乃至18のいずれか一項に記載のプログラム。
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