JP2019202152A5 - - Google Patents

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チタン又はチタン合金製のボディ上における改善した血液凝固及び/又は細胞接着のためのトポグラフィを調製する方法
本発明は、チタン又はチタン合金製のボディ上における改善した血液凝固及び/又は細胞接着のためのトポグラフィを調製する方法、本方法によって取得可能なボディ、及び歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントのためのボディの使用に関する。
歯科インプラントなどのインプラントは、当該技術分野において周知である。これらは一般的に、生体適合性であり、その上有利な機械的特性を有する材料からなる。現在使用されている歯科インプラントはしばしばチタン又はチタン合金であり、これは生体適合性が特に優れた機械的強度を示すこととは異なる。
インプラントに対するヒトの身体の許容性は、インプラント表面によって決定される。異物として検知され免役システムによって拒絶された場合インプラントは炎症の原因となる可能性があり、患者へ痛みを引き起こすだけでなく、インプラントを除去するか交換するための再手術の必要も発生させる。
ヒトの身体によるインプラントの拒絶を避けるためには、インプラント表面は、細胞がインプラント表面へ付着し、天然の身体組織(特に骨組織又は軟組織)がインプラントの周囲で生育し始めるような手法で操作されなければならない。
歯科インプラントの場合、例えば、生顎骨(living jaw bone)とインプラント表面との直接的な構造的及び機能的結合が、埋め込み後速やかに達成されることが必要とされる。これは当該技術分野において、「骨統合特性(osteointegration)」(又は「骨結合(osseointegration)」)と称される:良好な骨統合特性とは、インプラントと骨との持続性のある結合が得られるように、インプラントが短い治療期間内で安全に骨化することを意味する。
骨結合特性の重要性に加えて、歯科インプラントと周囲の歯槽骨縁上(supracrestal)結合細胞(以下、「軟組織」と称する)との良好な相互作用もまたインプラント埋め込み成功のために重大であるという証拠が増加している。これは、軟組織が口腔環境と歯科インプラントの骨内部分との間を効果的に塞ぐことを確立する基本的役割を担っており、したがって、軟組織接触面及びインプラントの骨組織接触面上へのバクテリア付着に対する障壁としての基本的役割も担っているという見解によって支持されている。
周囲の軟組織又は骨組織の細胞の付着は、インプラントが血液と接触すると直ちに表面へ付着する(すなわち、吸着する)たんぱく質によって支配されている。インプラント表面に吸着したたんぱく質は、それぞれの組織の細胞の行動(例えば、分化)に影響すると想定されている。
歯科インプラントと各々の組織との速やかかつ強力な相互作用を達成するためには、したがって表面上におけるこれらのたんぱく質の付着性が決定的に重要である。
たんぱく質の付着性に影響する重要な要素の1つは、表面の親水性である。
近年、特異的なナノ構造の存在もまた、たんぱく質の付着性において重要な役割を果たしている可能性があるということが見出されてきている。
特に、国際公開第2013/056844(A)号パンフレットには、体表面(特に、インプラント)上における改善したたんぱく質付着性のための構造を提供する方法が記載されている。該方法には酸エッチング基体(acid-etched basic body)を水溶液中において保存するステップが含まれ、これによってナノ構造が基体の表面上に形成される。国際公開第2013/056844(A)号パンフレットによれば、ナノ構造の形成は結果として、それらが時間と共に「成長(grow)」又は「発達(build up)」する中で次第に発生する。
さらに、R.A. Gittens et al. (Biomaterials 32 (2011) 3395 - 3403) は、臨床的に関連する表面上において骨結合を促進するマイクロスケール及びナノスケール粗面度の両方の階層結合に焦点をおいた研究を報告している。
国際公開第2013/056844(A)号パンフレットの方法にしたがって達成された良好な結果もあるがなお、インプラント埋め込み後に周囲の組織との速やかかつ強力な相互作用を達成するボディを提供する必要がある。
これを考慮して、本発明によって解決される目的は、周囲の組織との改善した相互作用を可能にする手法で、チタン又はチタン合金製のボディ上にトポグラフィを調製する方法を提供することである。特に、血液凝固及び/又は細胞接着を媒介する少なくとも1つの血液たんぱく質の比較的選択的な付着性(つまり、ボディとの組織相互作用)を可能にする、ボディの表面を改変するための簡便かつ再現性のある方法が提供されるべきである。
本発明の目的は、請求項1に記載の方法によって解決される。本発明の好ましい実施形態は、従属クレームにて規定される。
請求項1によれば、本発明に記載の方法は、チタン又はチタン合金(すなわち、歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントに使用される最も一般的な材料)製のボディ上における改善した血液凝固及び/又は細胞接着のためのトポグラフィの調製を目的としている。
該方法は、以下のステップ:
(a)表面の少なくとも一部を、鉱酸を含む第1エッチング液でエッチングすること、及び、
(b)ステップ(a)下においてエッチングした表面を、第1エッチング液とは異なる第2エッチング液でエッチングすること(該第2エッチング液はフッ化水素酸(HF)を含む)、
を含む。
驚くべきことに、本発明に記載の併用エッチング法(combined etching)によって、速やかな血液凝固を可能にし、それ故にフィブリンネットワークの形成及び/又は周囲の組織の細胞の強力な付着を可能にする表面が達成されることが発見されている。特に、以下に記述する特定の実施例の方法によって詳述される通り、ボディの改善した骨統合特性が達成される。
ボディの表面が比較的疎水性である場合においてでさえ、改善した組織相互作用(特に、骨統合特性)を達成することができることがさらに発見されている。この発見は、親水性表面が良好な骨統合特性を達成するための重要な必要条件であるという確立した学説を考慮すると、最も驚くべきことである。
理論によって拘束されることを望むものではないが、改善した血液凝固及び/又は細胞接着は本発明の方法(以下のメカニズムにしたがう)によって取得可能なボディの特異的なトポグラフィによるものであることが想定される。
ボディが組織内(特に、骨組織内)へ埋め込まれる場合、周囲の血液からの水分子と最初に接触する。次のステップにおいて、イオン及びたんぱく質はインプラントの表面上に蓄積し、吸着するが、実際に材料へ浸透することはない。上述の通り、この「たんぱく質付着性」又は「たんぱく質吸着」は、後の細胞応答に決定的であると考えられている。
本発明によって取得可能な特異的なトポグラフィによって、「たんぱく質保持構造」がボディの表面(すなわち、特異的なたんぱく質の改善した付着性を可能にする構造)上に提供される。
付属の実施例に記載の方法によって示される通り、得られたトポグラフィはフィブリノゲンの比較的選択的な付着を可能にし、血液凝固において重要な役割を果たすためにフィブリンネットワークの形成がこれに起因し得る。これに関連して、実施例はまた、比較的濃いフィブリンネットワークが比較例と比べ本発明によるボディ上では形成されることも示している。
本発明の文脈において使用される用語「エッチング」とは、材料を溶解し、それによりボディの表面から除去するエッチング液を使用するあらゆる構造又はボディのトポグラフィの変形を包含するものと広範に理解される。エッチングは、したがって、減法的な表面処理(実質的には例えば、陽極酸化処理の場合のようなあらゆる加法的な表面処理と対照的である)に関連する。特定の実施形態によれば、用語「エッチング」は、ボディの天然の酸化皮膜の単なる除去とは関連しない。なぜならば、この天然の酸化物除去はトポグラフィの形成又は変質に伴わないからである。本実施形態の意義の範囲内のエッチングは、同様に「酸洗い」処理と対照をなしている。酸洗い処理は表面不純物の除去に使用され、優先的に均質物質の除去を目的としている。
特に、ステップ(a)による表面をエッチングすることにより、顕微鏡的なトポグラフィの構造が形成され、ステップ(b)による表面をエッチングすることによって、顕微鏡的なトポグラフィの構造中に超顕微鏡的なトポグラフィの構造が形成される。したがって、異なるトポグラフィのスケールの構造がステップ(b)とステップ(a)とで形成され、階層的なトポグラフィをもたらす。
以下でさらに詳述する通り、減法的なプロセスステップ(a)は、好ましくは周知のSLA(登録商標)処理による酸エッチングと一致する。特に、ステップ(a)はしたがって、エッチングに先立ち、機械的な減法的処置(さらにとりわけ、サンドブラスト処理)を含む前処理に関連する。
ステップ(a)と同様に、ステップ(b)もまた減法的なプロセスステップであり、このステップにより、材料がボディから除去されることを意味している。超顕微鏡的なトポグラフィの構造が「顕微鏡的なトポグラフィの構造中に形成される」という用語は、したがって「ステップ(a)の後に得られた顕微鏡的なトポグラフィの構造を有する中間のボディから材料をさらに除去することによって形成される」ものとして理解される。
本発明の方法によって得られた超顕微鏡的なトポグラフィの構造は、したがって、最初はボディに含有され、ステップ(a)及びステップ(b)の後はボディの表面に残留している材料で作成される。超顕微鏡的なトポグラフィの構造が形成される手法はしたがって、全ての点で国際公開第2013/056844号に記載のナノ構造の編成とは異なり、経時的な構造の成長又は発達と関連し、結果として加算的方法と関連する。
減法的であるプロセスステップ(b)により、超顕微鏡的なトポグラフィの構造の材料組成は本質的に、処理前のボディの表面の材料組成、及びプロセスステップ(a)後に存在する顕微鏡的なトポグラフィの構造の材料組成と一致する。ボディが各々の酸化皮膜が自発的に形成される表面を有するチタン又はチタン合金製であるため、超顕微鏡的なトポグラフィの構造の形成をその上に伴う顕微鏡的なトポグラフィの構造も同様に、各々その上で形成された酸化皮膜を有するチタン又はチタン合金製である。
ステップ(a)及びステップ(b)の両方がエッチングステップであるため、本発明の方法は「二重エッチング」法であると考えることができる。したがって、あらゆる観点において、たった1度の単回エッチングステップ(すなわち、単回減法的表面処理ステップ)を含む方法とは異なる。特に、2ステップ処理とは明らかに対照的である(2ステップ処理では、表面を化学的に修飾するため、及び/又はそのトポグラフィを構築するため、単回エッチングステップは加算的表面処理ステップ(陽極酸化ステップなど)に先立つ)。
本発明の好ましい実施形態によれば、顕微鏡的なトポグラフィの構造は、以下:
(i)Saが三次元における表面の算術平均偏差であって、0.1μm〜2.0μmの範囲、好ましくは0.4μm〜1.8μmの範囲、より好ましくは0.8μm〜1.7μmの範囲、及び最も好ましくは0.9μm〜1.5μmの範囲であり;
(ii)Stが三次元におけるプロファイルの谷から山までの高さに対する最大ピークであって、1.0μm〜20.0μmの範囲であり、好ましくは3.0μm〜18.0μm、より好ましくは4.5μm〜13.0μm、及び最も好ましくは6.0μm〜12.0μmの範囲であり;並びに/又は、
(iii)Sskが三次元におけるプロファイルの歪度であって、−0.6〜1.0、好ましくは−0.4〜0.6、より好ましくは−0.3〜0.5の範囲である、
表面パラメータのうち少なくとも1つによって規定される。
表面パラメータは当業者に周知であり、パラメータRa、Rt、及びRskに対する三次元の類似パラメータは各々、二次元でEN ISO 4287にて規定されている。特に上記の値は、例えば当業者に周知であるWinSAMソフトウェア(Windows用SAM(表面分析法))によって取得可能な値と関連する。
a、St、及びSskに関する上記の値は特に、ボディの骨接触面(すなわち、ボディ(特にインプラント)上にそのように位置してインプラント埋め込み後に骨組織と接触する表面領域)と関連する。ボディの軟組織接触面に関して、好ましい値はさらに小さい。特にSaは、軟組織接触面に対して好ましくは0.05μm〜0.5μm、より好ましくは0.05μm〜0.3μmの範囲の値である。
記載した通り、上で規定した顕微鏡的なトポグラフィの構造は典型的に、エッチングの前にサンドブラスト処理をさらに含むステップ(a)によって得られる。
顕微鏡的なトポグラフィの構造に関して、表面パラメータは、好ましくは「SLA(登録商標)」又は「SLActive(登録商標)」表面の範囲(ステップ(a)に記載のエッチングがSLA(登録商標)又はSLActive(登録商標)プロトコルにしたがって実施される上述の好ましい実施形態にて示される)内である。
「SLA(登録商標)」及び「SLActive(登録商標)」処理はどちらも各々の分野において周知であり、骨親和性(osteophilic)インプラントの調製を考慮して進歩した技術と関連する。特に「SLA(登録商標)」は、インプラントの表面をサンドブラストした後、それを第1の鉱酸を含むエッチング液で処理することを含む一方で、「SLActive(登録商標)」は、「SLA」表面を窒素中又は等張食塩液中のいずれかにおいて調節することで、「SLA(登録商標)」表面の高い親水性(そうしなければ大気との相互作用により貯蔵の間失われてゆく)を維持することをさらに含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1エッチング液はしたがって、HClとH2SO4との混合物を含むか、又はHClとH2SO4との混合物から本質的になる。さらにとりわけ、80℃以上の温度のHClとH2SO4との混合物はステップ(a)に使用される。あるいは、少なくとも1つの鉱酸のあらゆるその他の溶液(特に、HCl、H2SO4、H3PO4、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの鉱酸を含む溶液)をプロセスステップ(a)に使用することができる。HFが第1エッチング液に含有されている場合、HFの濃度は第2エッチング液のHF濃度よりも低い。特に好ましい実施形態によれば、第1エッチング液は少なくともおおよそのHFを欠いている。この点において、本発明は欧州特許第1477141号に記載の技術と明確に区別され、これによればHFは、第2のステップにて表面をエッチングする前に、第1のステップにて自然酸化物を除去するために使用される。
ステップ(a)の前に、巨視的なトポグラフィの構造が表面へと、より好ましくはサンドブラストによって提供されることがさらに好ましい。例えば、粒径250〜500μmのコランダムをブラスティング材料として使用することができる。本実施形態において、SLA(登録商標)技術のサンドブラストステップもまた本発明の方法に適用される。
特に好ましい実施形態によれば、本発明はしたがってSLA(登録商標)プロトコルに記載のものと同一のステップを含むが、SLA(登録商標)エッチングステップの後にステップ(b)をさらに含む。
好ましくは、本方法は、ステップ(b)にて形成された超顕微鏡的なトポグラフィの構造によって、ステップ(a)にて形成された顕微鏡的なトポグラフィの構造を規定する少なくとも1つの表面パラメータ(Sa、St、及びSskからなる群から選択される)が、多くとも50%、好ましくは多くとも20%変化する、より好ましくは多くとも10%変化する、そして最も好ましくは本質的に不変であり続ける手段で実行される。
したがって、SLA(登録商標)技術による確立した巨視的及び顕微鏡的なトポグラフィの構造は、変更できないか、又はプロセスステップ(b)によって無視し得る程度でのみ変更される。これは、表面の巨視的及び顕微鏡的なトポグラフィの構造に拡大して焦点を当てたほとんど同一の写真を示すが、超顕微鏡的なトポグラフィの構造に拡大して焦点を当てた表面の完全に異なる写真を示す、付属の図によってさらに図示される。
特に、本発明によって達成することができる超顕微鏡的なトポグラフィの構造は、少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm伸展する超顕微鏡的構造を含むか、又は少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm伸展する超顕微鏡的構造から本質的になる。好ましくは、超顕微鏡的構造は、少なくとも二次元へ20nm〜1000nm、好ましくは30nm〜500nm、より好ましくは40nm〜300nm、さらにより好ましくは50nm〜250nm、そして最も好ましくは100nm〜200nm伸展する。
ボディの特異的な材料及びプロセスパラメータに応じて、異なる超顕微鏡的構造を得ることができる。特に超顕微鏡的構造は、付随する図面によってまた図示される通り、少なくとも1ヶ所の直線エッジの形状を有し、より特には鋭いエッジ状及び/又はのこぎり状である。代替的又は付加的に、超顕微鏡的構造は互いに関して段階的又はカスケード式の様式で配列することができる。より特には、超顕微鏡的構造は間に凹部を有する鋭いエッジクリフ又はカラムの形状であり得る。
好ましくは、第2エッチング液中におけるフッ化水素酸の濃度は、0.01体積%〜4体積%、好ましくは0.05体積%〜2体積%、より好ましくは0.1体積%〜1体積%の範囲である。最も好ましくは、第2エッチング液中におけるフッ化水素酸の濃度は、0.2体積%〜0.5体積%の範囲である。
さらに好ましい実施形態によれば、ステップ(b)下におけるエッチングは、0.1分間〜30分間、好ましくは0.5分間〜20分間、より好ましくは0.5分間〜10分間、最も好ましくは1分間〜5分間の範囲の期間で実施される。
ステップ(b)に記載のフッ化水素酸の濃度及び処理の期間を上記の好ましい範囲内に保つことによって、所望の超顕微鏡的なトポグラフィの構造を達成することができる一方で、巨視的及び顕微鏡的なトポグラフィの構造の特色をどちらも無処置のままにすることができる。特に、顕微鏡的なトポグラフィの構造を規定する表面パラメータSa、St、及びSskのうち少なくとも1つは本質的に不変のままであり続け、これは上記の通り好ましい。
比較的短い期間のエッチングは、本発明の方法と国際公開第2013/056844号にて言及されているナノ構造の成長(はるかに長い期間に及ぶ)との違いをさらに強調する。
ステップ(b)におけるエッチングが、10℃〜90℃の範囲で、好ましくは10℃〜60℃の範囲で、より好ましくは15℃〜40℃の範囲で、さらにより好ましくは15℃〜30℃の範囲で、そして最も好ましくは室温(20℃)で実施されることがさらに好ましい。
さらに好ましい実施形態によれば、ボディはチタン・ジルコニウム合金で作成される。なぜならば、この材料について、特定の関連性の表面トポグラフィが本発明の方法によって達成することができるからである。より好ましくは、ボディは13〜17%ジルコニウムを含むバイメタルのチタン・ジルコニウム合金で作成される。特に好ましいチタン・ジルコニウム合金は、商品名Roxolid(登録商標)(Institut Straumann AG、スイス)にて市販されており、この商品の特性は当該技術分野において当業者に周知である。達成されるべき目的に応じて、ボディはチタン製であってもよい。なぜならば、チタン製のボディ(特に、チタンインプラント)に関してもまた、改善した血液凝固及び/又は細胞接着のトポグラフィが本発明の方法によって達成することができるということが発見されているからである。
上で指摘した通り、本発明の方法は特に、歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントへ周囲の組織との強力な相互作用を可能にする表面を提供することを目的としている。好ましい実施形態によれば、ボディは歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントであり、トポグラフィは使用中に骨組織又は軟組織とそれぞれ接触させられることを意図するボディの表面の少なくとも一部上に提供される。
上でさらに指摘した通り、そして実施例によってさらに詳述される通り、改善した骨統合特性は、表面が比較的疎水性である場合においてさえも、本発明により提供されるトポグラフィによって達成することができる。したがって、表面は空気中で歯科インプラントを保存した後にも良好な骨結合特性を提供するため、保護的な環境にて歯科インプラントを保存する必要がない。究極的に、これは歯科インプラントの非常に簡便な包装を可能にする。
用語「疎水性の(hydrophobic)」又は「疎水性(hydrophobicity)」は、用語「親水性の(hydrophilic)」又は「親水性(hydrophilicity)」(本発明の文脈にて使用される場合、水と接触した場合、90°未満、より好ましくは30°未満、最も好ましくは10°未満の表面の接触角を指す)とは反対の意味で使用される。
本発明の特異的な実施形態によれば、ボディの表面は疎水性である。本発明に関して、用語「疎水性」又は「疎水性」は特に、水と接触した場合に90°より大きな表面の接触角に関する。言及した通り、本発明によって達成可能な特異的トポグラフィは、優れた骨結合特性が比較的高い接触角の場合においてでさえ得られることを可能にする。したがって、インプラントに対して非常に簡便な包装及び保存方法を選択することができるが、依然として長期間の保存後でさえも優れた骨結合特性をもたらすことが可能である。
さらに特異的な実施形態によれば、ボディの表面は、水と接触した場合に未満90℃の接触角を有する親水性であり、より特異的には未満30°、最も特異的には未満10°の接触角を有する超親水性である。親水性又は超親水性である表面は血液によるインプラントの即時の湿潤を導くことで、そこに含有される水分子及びイオンの高速接触をもたらし、続いて表面上の血液凝固媒介たんぱく質及び/又は細胞接着媒介たんぱく質の蓄積及び付着をもたらす。これにより、表面と周囲の組織とのよりさらなる改善した相互作用を得ることができる。
上述の方法とは別に、本発明はまた、本方法によって取得可能なボディにも関連する。
特に本発明は、ボディ(表面が、顕微鏡的なトポグラフィの構造、及び顕微鏡的なトポグラフィの構造中に形成された超顕微鏡的なトポグラフィの構造によって規定される)に関する。
上述の通り、顕微鏡的なトポグラフィの構造は、以下:
(i)Saが三次元における表面の算術平均偏差であって、0.1μm〜2.0μmの範囲、好ましくは0.4μm〜1.8μmの範囲、より好ましくは0.8μm〜1.7μmの範囲、及び最も好ましくは0.9μm〜1.5μmの範囲であり;
(ii)Stが三次元におけるプロファイルの谷から山までの高さに対する最大ピークであって、1.0μm〜20.0μmの範囲であり、好ましくは3.0μm〜18.0μmの範囲、より好ましくは4.5μm〜13.0μmの範囲、及び最も好ましくは6.0μm〜12.0μmの範囲であり;並びに/又は、
(iii)Sskが三次元におけるプロファイルの歪度であって、−0.6〜1.0、好ましくは−0.4〜0.6、より好ましくは−0.3〜0.5の範囲である、
表面パラメータのうち少なくとも1つによって規定される。
特に上記の値は、例えば当業者に周知であるWinSAMソフトウェア(Windows用SAM(表面分析法))によって取得可能な値と関連する。
言及した通り、超顕微鏡的なトポグラフィの構造は、少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm伸展する超顕微鏡的構造を含むか、又は少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm伸展する超顕微鏡的構造からなる。
よりさらに、上述の方法にしたがって、少なくともいくつかの超顕微鏡的構造は、少なくとも1ヶ所の直線エッジの形状を有し、特に鋭いエッジ状及び/又はのこぎり状である。代替的又は付加的に、超顕微鏡的構造は互いに関して段階的又はカスケード式の様式で配列することができる。
本方法の好ましい特徴として上述される全ての特徴はまた、本発明のボディの好ましい特徴でもあり、逆もまた同じであるということを理解されたい。
よりさらなる態様によれば、本発明はまた、歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントに関するあらゆる前述の請求項によるボディの使用にも関する。この点において、ボディは、歯科インプラントもしくは歯科インプラントアバットメント、又は歯科インプラントもしくは歯科インプラントアバットメントの一部として使用することができる。ボディが歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントの一部として使用される場合、残る部分の少なくとも一部がそれぞれチタン又はチタン合金以外の材料で作成されていてもよいことを理解されたい。
ボディが歯科インプラントアバットメントとして使用された場合、Sa、St、及びSskの値は、特にボディの骨接触面に関しては、上述した値以下であることが好ましい。特にSaは、ボディが歯科インプラントアバットメントである場合、好ましくは0.05μm〜0.5μm、より好ましくは0.05μm〜0.3μmの範囲である。これは、歯科インプラントアバットメントと得られる周囲の軟組織との特に強力な相互作用を可能にする。
図1は、拡大率約1000倍の試料RXD SLA HFの表面のSEM画像に関する。10マイクロメートルに対応するスケールは画像左下の角に示す。 図2は、拡大率約1000倍の試料RXD SLActive HFの表面のSEM画像に関する。10マイクロメートルに対応するスケールは画像左下の角に示す。 図3は、拡大率約1000倍の試料RXD SLActiveの表面のSEM画像に関する。10マイクロメートルに対応するスケールは画像左下の角に示す。 図4は、拡大率約20000倍の試料RXD SLA HFの表面のSEM画像に関する。200マイクロメートルに対応するスケールは画像左下の角に示す。 図5は、拡大率約50000倍の試料RXD SLActive HFの表面のSEM画像に関する。200マイクロメートルに対応するスケールは画像左下の角に示す。 図6は、拡大率約20000倍の試料RXD SLActiveの表面のSEM画像に関する。200マイクロメートルに対応するスケールは画像左下の角に示す。
図7は、アルブミン、フィブリノゲン、及びフィブロネクチンについて、RXD SLA HF表面上において上で規定された低たんぱく質濃度で測定した蛍光強度に関する図表を示す。 図8は、アルブミン、フィブリノゲン、及びフィブロネクチンについて、RXD SLA HF表面上において上で規定された高たんぱく質濃度で測定した蛍光強度に関する図表を示す。
図9は、14分間のインキュベーション後の拡大率約800倍である試料RXD SLActive HFの表面のSEM画像に関する。50マイクロメートルに対応するスケールは画像右下の角に示す。 図10は、14分間のインキュベーション後の拡大率約800倍である試料RXD SLActiveの表面のSEM画像に関する。50マイクロメートルに対応するスケールは画像右下の角に示す。
1.インビトロ検査に関する実施例
1.1.材料及び方法
材料
ディスク(直径5mm、厚さ1mm)をバイメタルのTiZr合金の棒(Roxolid(RXD);13〜17%Zr)から調製した。
「SLA」処理
はじめに、試料を、「SLA(登録商標)」試料を調製するためのプロトコルにしたがって処理した。特異的に、試料を、コランダムを用いて大きな砂(粒径250〜500μm)でサンドブラストし、続いてサンドブラストした表面を沸騰したHClとH2SO4との混合物中でエッチングした。
試料「RXD SLA HF」及び「RXD SLActive HF」
SLA(登録商標)処理(本発明の方法のステップ(a)を含む)によって達成した試料の第1部を、0.2%フッ化水素酸(100mlに対する体積:0.5mlの40%HF、99.5mlのH2O)を含む水溶液中にて2分間(方法のステップ(b)に相当)室温で処理した。
次いで、400mlの超純水中に試料を含有するテフロンビーカーを設置することで、試料を超純水中ですすぎ、試料を超音波処理に3回(およそ20mlの超純水中で各1分間)供した。その後、試料をアルゴン流中で送風乾燥し、アルミホイル中に乾燥した状態で保存した。
これにより、本発明による試料「RXD SLA HF」を達成した。
さらに、試料「RXD SLActive HF」を調製した。この試料はフィブリンネットワーク形成の評価において論ずる。特異的に、これらの試料は上述の「RXD SLA HF」と類似して調製したが、乾燥試料を空気中で保存する代わりに、保存を市販のSLActive(登録商標)インプラントに使用されるバイアル内の0.9%NaCl溶液(pH値およそ5)中において実施した点が異なる。
試料「RXD SLActive」
比較の目的で、SLA(登録商標)処理によって達成された試料の第2部を、SLActive(登録商標)プロトコルにしたがって0.9%NaCl溶液中に直接浸漬して保存することで、比較試料「RXD SLActive」を達成した。
保存及び滅菌
全ての試料は最短期間2ヶ月に渡り保存した。
RXD SLA HF及びRXD SLActive試料の両方を、γ(ガンマ)線滅菌(25〜42kGy)し、その後それらの表面を以下に記載する評価方法にしたがって分析した。滅菌の前後でディスクに対して行った比較実験は、γ(ガンマ)線滅菌の影響は以下の評価方法によって得られた結果に対して全く無かったことを示した。
1.2.評価方法
1.2.1.接触角測定
接触角測定は、親水性又は疎水性の程度を判定するために実施した。「RXD SLA HF」及び「RXD SLActive」に対して、3つの試料ディスクを分析した。
接触角は、超純水(EasyDrop DSA20E、Kruss GmbH)を用いた液滴試験を利用して判定した。0.3μl(マイクロリ、トル)の液滴直径をRXD SLA HF試料(すなわち乾燥保存した試料)に対して選択し、0.1μl(マイクロリットル)をRXD SLActive試料(すなわち生理食塩水中で保存した試料)に対して選択した。RXD SLActive試料をAr流中において送風乾燥し、その後接触角測定を行った。RXD SLA HF試料は受け取ったまま測定した。接触角は表面の液滴の輪郭に対し弓形関数を当てはめることで算出した。
接触角測定の結果は表1aに示す。
Figure 2019202152
表1aに示した通り、全てのRXD SLA HFディスクは、純水と接触させた場合、接触角約135°を示す疎水性であったのに対し、RXD SLActiveディスクは水による完全な湿潤を示す親水性であった。
さらなる実験において、RXD SLActive HF試料はまた、それらの接触角についても評価した。結果を表1bに示す。
Figure 2019202152
これらの結果はRXD SLA HF及びRXD SLActive試料に関する以前の発見を確証させるものであり、さらにRXD SLActive HF試料の完全な湿潤を示すために、その表面は上述の規定の範囲内である超親水性と見なすことができ、RXD SLActive試料の表面に関する場合もまた同様である。したがって、本発明に記載の超顕微鏡的構造はそれらが形成された表面の親水性に対して悪影響は一切有しなかった。
1.2.2.SEM(走査型電子顕微鏡法)
ナノ構造の外観及び形態を、走査型電子顕微鏡法(SEM)を用いて評価した。
SEM測定を各タイプの表面に対する3枚のディスクにて実施した。測定はZeiss Supra 55型の走査型電子顕微鏡にて実施した。概観SEM画像を、20kVの加速電圧でEverhart-Thornley検出器を用いて取得し、高解像度画像を5、kVの加速電圧でレンズ内(in-lens)検出器を用いて取得した。
試料のSEM画像は図1〜6に示す。
図1〜図6に見て取れるように、試料はSLA(登録商標)処理によって(すなわち、沸騰したHClとH2SO4との混合物中においてサンドブラスト及びエッチングすることによって)得た、巨視的及び顕微鏡的なトポグラフィの構造を示す。
しかしながら、超顕微鏡的なトポグラフィの構造の見かけには明白な差異が存在する。特異的に、超顕微鏡的構造は減法的なプロセスステップ(b)、すなわちHFを含むエッチング液を用いたエッチングによって形成される。
超顕微鏡的構造は少なくとも1ヶ所の直線エッジ形状を有し、より特には、図4から特に見て取れるような鋭いエッジ状又はのこぎり状でもある。さらなる実験は、超顕微鏡的なトポグラフィの構造がRXD SLA HF試料をNaCl又は空気中で保存した後に維持されていることを示す。
また同様の構造が、図4及び図5(これらは異なる拡大率で撮影された)によって示される通り、SLA(登録商標)又はSLActive(登録商標)表面が出発点とされた場合にも得られた。
減法的なプロセスステップ(b)を含む本発明の方法によって形成された超顕微鏡的構造は、大きさ及び形状のどちらにおいてもRXD SLActive試料上のナノ構造とは完全に異なる。これらは国際公開第2013/056844号に記載の技術にしたがって形成されたため、時間と共に徐々に「成長」又は「発達」することにより形成される。
1.2.3.粗面度パラメータ判定
粗面度画像は、20倍レンズを備える共焦点顕微鏡(μsurf探索装置、NanoFocus AG、オーバーハウゼン、ドイツ)を用いて取得した。3回の測定を各試料ディスクに行い、3枚のディスクは各タイプの表面に対して測定した。粗面度パラメータは上述のWinSAMソフトウェアを用いて算出した。798μm(マイクロメートル)×798μm(マイクロメートル)の大きさの粗面度画像全体を、3D粗面度パラメータの算出に使用した。
顕微鏡的なトポグラフィの構造の値(粗面度)は、遮断波長30μm(x=31μm、y=30μm、20×19像点)の移動平均ガウスフィルタを用いて判定した。その後、粗面度の値を振幅濃度による制限を伴うKFL分析によって算出した。
特異的に、Sa(三次元における表面の算術平均偏差)、St(三次元におけるプロファイルの谷から山までの高さに対する最大ピーク)、及びSsk(歪度)は、二次元における各々のパラメータRa、Rt、及びRskに関するEN ISO 4287に対する分析で判定した。三次元におけるパラメータに関して、ISO 25178にさらに照会される。ここでは記号Szがプロファイルの谷から山までの高さに対する最大ピークとして使用されている(本発明において使用される記号Stの代わり)。
表2aは、2つの試料の微小粗面度(microroughness)値の平均値を表す。表は、少なくともRXD SLActive及びRXD SLA HF両方のSa及びStの値が、SLA(登録商標)/SLActive(登録商標)インプラントに対して典型的に観測されたものと同一の範囲内に位置することを示している。特異的に、RXD SLA HFのSa値及びSt値は、RXD SLActive試料の各々の値から15%未満逸脱している。
Figure 2019202152
さらなる実験において、RXD SLActive HF試料もまた、その上に形成された顕微鏡的なトポグラフィの構造について評価した。結果(RXD SLA HF及びRXD SLActiveについての結果とは別である)を表2bに示す。
Figure 2019202152
これらの結果はRXD SLA HF及びRXD SLActive試料に関する以前の発見を確証させるものであり、さらにRXD SLActiveに対して判定された結果と比べて、RXD SLActive HF試料に対して判定されたトポグラフィパラメータのわずかな偏差のみを示す。特異的に、15%未満のSa値及びSt値の偏差がRXD SLActive試料と比べてRXD SLActive HF試料に見られた。
1.2.4.たんぱく質吸着測定
アルブミン(ウシ血清(BSA)由来)、Alexa Fluor 647抱合体、Invitrogen、米国)、フィブリノゲン(ヒト血漿由来;HPF、Alexa Fluor 546抱合体、Invitrogen、米国)、及びフィブロネクチン(ウシ血漿由来ローダミンフィブロネクチン;BSF、Cytoskeleton, Inc.、米国)をモデルたんぱく質として使用して、異なる表面上におけるこれらの吸着行動(又は「付着性」)を、蛍光スキャナーを用いる蛍光顕微鏡法によって調査した。
0.5mg/mlのアルブミン及び0.5mg/mlのフィブリノゲンの保存液を取扱説明書にしたがって作成した。保存のため、これらの保存液を0.5mlの分割量に分け−20℃で冷凍した。フィブロネクチン溶液は20μgバイアルから直接作成し、保存液は作成しなかった。
全てのたんぱく質吸着溶液は、10mmの4−(2−ヒドロキシルエチエル(hydroxylethyl))−ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)及び150mmのNaClを用いてpH7.4で調製した、HEPES 2緩衝液で作成した。使用する前に、HEPES 2緩衝液をろ過した(Whatman FP 30/0.2 CA-S、サイズ0.2μm、最高圧力7バール)。
低たんぱく質濃度実験のため、たんぱく質溶液は濃度を判定した濾過済みHEPES 2及び蛍光標識たんぱく質からなった(以下の表3を参照)。高濃度実験のため、非標識たんぱく質をさらに加えヒト血液中の実際のたんぱく質濃度をシミュレートした(表3)。非標識たんぱく質の可溶性を増強するために、HEPES 2を37℃まで加熱し(水浴、INCO 2/108、Memmert GmbH&Co、ドイツ)、その後溶液の調製を行った。異なるたんぱく質は別々に試験した;したがって、調製したたんぱく質溶液は常に1種類のたんぱく質のみを含有した。標識たんぱく質は非標識のものと同様に振舞うことが想定される。
蛍光マーカーの不安定性による結果として可能性のある不確定度を減少させるために、たんぱく溶液は吸着実験の直前に新たに調製した。
適用した方法は、蛍光標識たんぱく質の適用及び強度測定、並びに蛍光走査画像の比較に基づいた。
アルブミン及びフィブリノゲン実験のため、試料を通常2mlのたんぱく溶液中に10分間浸漬した。吸着方法は24ウェルプレートで実施した。フィブロネクチンを用いた実験は96ウェルプレート及び0.3mlのたんぱく溶液を用いるだけでなく、10分間の吸着時間で実施した。全ての吸着実験は室温で実施した。
表面へ吸着されなかったたんぱく質は、試料を2mlの純HEPES 2中へ10秒間浸すことによって除去した。次に、これらを5mlのHEPES 2中で5秒間旋回させ、続いて同じ5mlのHEPES 2を用いてすすいだ。さらに、試料を超純水で3秒間すすぎ、窒素流(圧力約1バール)中で乾燥させ、室温にて24ウェルプレートで保存した。吸着したたんぱく質の蛍光ラベルの退職を避けるため、ウェルプレートをアルミホイルで覆った。
実験条件を以下の表3に示す。
Figure 2019202152
表面に付着したたんぱく質の量を、マイクロアレイ蛍光スキャナー(Axon Genepix 4200A、Molecular Devices、米国)を用いて定性的に測定した。強度測定のため、解像度を100μm/ピクセルに設定しラインごとに1回のみのスキャンを実施した。撮像のため、解像度を5μm/ピクセルに設定しラインごとに3回のスキャンを実施した。アルブミン吸着を読み取るために、波長635nmのレーザーを使用した一方で、フィブリノゲン及びフィブロネクチン吸着表面のスキャンは532nmのレーザーを用いて実施した。最良の焦点を試料ごとに別々に判定した。
蛍光スキャナーの光電子増倍管(PMT)は350〜600のゲイン間の直線に特異的とした。そのため、全てのスキャンはこのPMT範囲で実施した。ゲインは、試料の蛍光シグナルのグレースケール限界を維持するため、表面、たんぱく質、及び濃度の各組み合わせに適応させた。選択した全てのゲインを表4にてリスト化する。
Figure 2019202152
たんぱく質吸着の均一性を評価するため、高解像度画像を互いに外観調査によって比較した。
蛍光走査によって得られた蛍光強度データを図7,8に示す。
図7及び図8に提示されている全ての値は、SLActive(登録商標)プロトコル(Ti SLActive)にしたがって処理したチタンボディについて測定した、それぞれの強度に規準化している。エラーバーは標準偏差を示している。
図7によれば、全てのたんぱく質のはるかに低い吸着が、低たんぱく質濃度の親水性Ti SLActive及びRXD SLActive表面よりも疎水性RXD SLA HF表面について測定された。
高たんぱく質濃度において、フィブリノゲンの非常に選択的な吸着が、図8に示す通り確立したTi SLActive上に吸着したフィブリノゲンの1つに匹敵する強度を伴い、本発明に記載のRXD SLA HFについて測定された。低たんぱく質濃度及び高たんぱく質濃度のどちらにおいても、アルブミンの非特異的な吸着はRXD SLA HFについて比較上のTi SLActive及びRXD SLActiveと比べてはるかに低く測定された。
1.2.5.ヒト全血液インキュベーション後のフィブリンネットワーク形成の評価
RXD SLActive HF試料をヒト全血液でインキュベートし、フィブリンネットワーク形成についてSEM及びCLSM(共焦点レーザー走査顕微鏡法)撮像によって分析した。
特異的に、健常人から得たヒト全血液を、3IU/mlのヘパリンナトリウム(最終濃度0.5IUヘパリン/ml血液)で直接部分的にヘパリン処置し、中止後1時間以内に実験で使用した。
試料を試料ホルダーに設置し、新たに採取した血液を、全ての試料が4mm厚の血液層に覆われるまで加えた。空気とのさらなる接触を防ぐため、試料ホルダーを蓋で閉じ、パラフィルムで密閉し、その後10rpmの回転撹拌機(tumbling shaker)上で室温にてインキュベートした。
インキュベーション時間を実験ごとに測定した。このため、全血を標識フィブリノゲン(Alexa488)でスパイクすることにより、蛍光顕微鏡を用いて試料上の血液凝固をライブ監視することを可能にした。対照として、試料RXD SLActive(及びRXD SLA)を使用し、2つの時点を選択した(t1:薄い、t2:濃い、参照試料に存在するフィブリンネットワーク)。
インキュベーションの後、血液を除去し、試料を、予熱したPBSを試料へ加えることで3回洗浄し、次いで10rpmの回転撹拌機で1分間、各洗浄ステップに対してインキュベートした。その後、試料を新しい96ウェルプレートへとさらなる処理のために移動した。
SEM撮像のため、試料を加工Karnovsky溶液中に1時間室温(RT)で固定し、次いで2回PBS中で洗浄した。その後、試料をエタノールの勾配系列(50、70、80、90、及び100%)の溶液中に浸漬することによって脱水し、続いてヘキサメチルジシラザン(HMDS)中で30分間インキュベートした。そして、試料を新しい96ウェルプレートに設置し、室温で一晩乾燥させた。翌日、試料を金/パラジウムでスパッタコート(sputter-coat)した(high vacuum coater Leica EM ACE 600、スイス)。SEM撮像を、Hitachi S-4800(Hitachi High-Technologies、カナダ)を用いて2kVの加速電圧及び10μAの電流フローで実施した。
CLSM分析のため、試料を30分間5%ヤギ血清及び1%FCSを有するPBS中でインキュベートし、その後血小板を、Alexa546標識ファロイジンで1時間室温にて染色した。血小板及びフィブリンネットワーク(Alexa488標識フィブリノゲンで血液をスパイクしたため可視である)をCLSM(拡大率10倍、40倍)で撮像した。SEM撮像によって見て取れるフィブリンネットワークの被覆及び厚さに応じて、1つの時点(t1又はt2)のみ撮像した。表面上にフィブリンによる完全な被覆を示す試料上で、フィブリンネットワークの厚さをZスタック画像から測定した。フィブリンネットワークの厚さを評価するために、2つの試料から4枚のZスタック画像(試料ごとに2枚の画像、画像ごとに4〜6の測定値を有する)を分析して、試料表面からフィブリンネットワークの上面までの距離をZeiss ZENソフトウェアの測定関数を用いて計測した。CLSM分析を3つの別個の実験で実施した。
SEM撮像の半定量分析により、RXD SLActive HF試料の、RXD SLActive試料と比べてより高いフィブリンネットワーク厚及びより大きな試料被覆の傾向を明らかとなった。
これは、図9,10の画像によって証明される。
フィブリンネットワークの存在、分布、及び厚さを評価するため、SEM画像の半定量分析を表5にまとめた。表5は4つの異なる実験について、2つの試料に関する各事例で得られた0〜4の定性順位の値、及びに表に示される2つの異なるインキュベーション期間を示す。順位は、わずかな可視フィブリン繊維(0)血液細胞を有するパッチから始まり、試料表面を完全に覆う厚いフィブリンネットワーク(4)までである。
Figure 2019202152
全血(部分的に0.5IU/mlのヘパリン処置をした)でそれぞれ15分間及び17分間インキュベートした試料上に形成されたフィブリンの厚さを上述の通り評価した。結果を表6に示す。
Figure 2019202152
したがって、高いフィブリン厚が比較試料よりも本発明による試料において測定された。
2.インビボ分析に関する実施例
ウサギにおいて生物力学的研究を実施して、骨結合における表面トポグラフィの影響を調査した。骨とインプラントとの付着は引き抜き試験によって直接評価した。
2.1.材料及び方法
加えて、ウサギにおいて生物力学的研究を実施して、インビボでのチタンインプラントディスクの骨結合を調査した。これらのさらなる実験のため、ディスクをインビトロ実験について記載したように調製したが、直径6.2mm及び厚さ2mmのRoxolidディスクを使用した。各々の試料は以下、「RXD SLA HF II」と称する。
2.2.試料表面の性質決定
試料は、上述の手段を接触角測定及び粗面度パラメータ判定に用いて分析した。
接触角測定に関して、平均値123.2°が「RXD SLA HF II」に対して測定された。
粗面度パラメータ判定による結果は表7に示す。
Figure 2019202152
表7に示される結果は上で得られた発見を確証させるものであり、すなわち、少なくともRXD SLA HF IIのSa値及びSt値がSLA(登録商標)/SLActive(登録商標)インプラントに対して典型的に観測されたものと同一の範囲内に位置するということである。また、インビボ調査の試料に関して、Sa、St、及びSskは、プロセスステップ(b)、すなわち超顕微鏡的なトポグラフィの構造の形成によってのみ実質を伴わず変化した。
2.3.生物力学的引き抜き測定
上述の通り、引き抜き試験をウサギにて実施した。この目的のため、ウサギは標準的な外科手術の間鎮静され、脛骨ごとに2枚のディスクインプラント、すなわちウサギごとに合計4つのインプラントを施された。
インプラントは骨の過成長から保護するためにテフロンキャップを用いて提供し、事前に成形されたチタンバンドで安定化し、皮質骨にて2つのチタンねじを用いて保持した。インプラント施術後、軟組織層を復位し、吸収性の縫合で傷口を閉じた。
骨インプラント付着はインプラント埋め込みから4週間後に試験した。
手術手順及び引き抜き試験の説明に関するより詳細な情報は、Ronold and Ellingsen Ronold and Ellingsen (Biomaterials 23 (2002) 2201) and Monjo et al. (Monjo et al., Biomaterials 29 (2008) 3771) により、他で既に発表されている。
表8は、インプラント埋め込みから4週間後に測定した引き抜き力[N]を示す。
Figure 2019202152
表8から明らかに見て取ることができるように、非常に高い引き抜き力が本発明にしたがって調製したRXD SLA HFで測定された。RXD SLA HFの表面の比較的高い疎水性を考慮すると、この結果は最も驚くべきことであり、本発明の減法的なプロセスステップ(b)にて達成された超顕微鏡的なトポグラフィの構造の関連性を強調するものである。

Claims (16)

  1. チタン又はチタン合金製のボディ上における改善した血液凝固及び/又は細胞接着のためのトポグラフィを調製するための方法であって、
    方法は以下のステップ:
    (a)前記ボディの表面の少なくとも一部を、鉱酸を含む第1エッチング液でエッチングすること及び、
    (b)ステップ(a)にてエッチングした前記表面を、前記第1エッチング液とは異なる第2エッチング液でエッチングすること、ここで前記第2エッチング液はフッ化水素酸を含む
    を含み、
    前記表面をステップ(a)にしたがってエッチングすることにより顕微鏡的なトポグラフィの構造を形成し、前記表面をステップ(b)にしたがってエッチングすることにより顕微鏡的なトポグラフィの構造中において超顕微鏡的なトポグラフィの構造を形成し、
    前記顕微鏡的なトポグラフィの構造が、以下の表面パラメータ:
    (i)S a が三次元における前記表面の算術平均偏差であって、0.1μm〜2.0μmの範囲である;
    (ii)S t が三次元におけるプロファイルの谷から山までの高さに対する最大ピークであって、1.0μm〜20.0μmの範囲である;及び/又は、
    (iii)S sk が三次元における前記プロファイルの歪度であって、−0.6〜1.0の範囲である;
    のうち少なくとも1つによって規定され、かつ
    ステップ(b)にて形成した前記超顕微鏡的なトポグラフィの構造によって、ステップ(a)にて形成した前記顕微鏡的なトポグラフィの構造を規定する少なくとも1つの表面パラメータ(S a 、S t 、及びS sk からなる群から選択される)が、多くとも50%変化する、方法。
  2. ステップ(b)にて形成した前記超顕微鏡的なトポグラフィの構造によって、ステップ(a)にて形成した前記顕微鏡的なトポグラフィの構造を規定する少なくとも1つの表面パラメータ(S a 、S t 、及びS sk からなる群から選択される)が、多くとも20%変化する、請求項1に記載の方法
  3. 前記超顕微鏡的なトポグラフィの構造が、少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm展する超顕微鏡的構造を含むか、又は少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm展する超顕微鏡的構造からなる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップ(a)に先立って、巨視的なトポグラフィの構造を前記表面へ供するステップをさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ボディが、チタン・ジルコニウム合金製ある、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第2エッチング液中におけるフッ化水素酸の濃度が、0.01体積%〜4体積%範囲である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップ(b)下における処理が、0.1分間〜30分間範囲の期間で実施される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップ(b)下における前記処理が、10℃〜90℃の範囲の温度で施される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1エッチング液が、HClとH2SO4との混合物を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ボディが歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントであって、前記トポグラフィが、使用中に骨組織又は軟組織とそれぞれ接触させられることを意図する前記ボディの前記表面の少なくとも一部上に提供される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法によって取得可能なボディ。
  12. 前記表面が、顕微鏡的なトポグラフィの構造、及び顕微鏡的なトポグラフィの構造中において形成される超顕微鏡的なトポグラフィの構造によって規定されている、請求項11に記載のボディ。
  13. 前記顕微鏡的なトポグラフィの構造が、以下表面パラメータ:
    (i)Saが三次元における前記表面の前記算術平均偏差であって、0.1μm〜2.0μmの範囲である;
    (ii)Stが三次元における前記プロファイルの谷から山までの高さに対する前記最大ピークであって、1.0μm〜20.0μmの範囲である;及び/又は、
    (iii)Sskが三次元における前記プロファイルの前記歪度であって、−0.6〜1.0範囲である;
    のうち少なくとも1つによって規定される、請求項12に記載のボディ。
  14. 前記超顕微鏡的なトポグラフィの構造が、少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm展する超顕微鏡的構造を含むか、又は少なくとも二次元方向へ多くとも1000nm展する超顕微鏡的構造からなる、請求項12又は13に記載のボディ。
  15. 少なくともいくつかの超顕微鏡的構造が、少なくとも1ヶ所の直線エッジ(straight-line edge)の形状を有する、請求項14に記載のボディ。
  16. 歯科インプラント又は歯科インプラントアバットメントのための、請求項1〜15のいずれか一項に記載のボディの使用。
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