(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
[第1実施形態について]
次に第1実施形態におけるパチンコ遊技機1について説明する。本実施の形態では、可変表示(変動表示とも称する)において、各種図柄の動作が異なる場合がある。図8は、各種図柄における変動の開始と停止のタイミングを示すタイミングチャートである。図8(a)は特別図柄、図8(b)は小図柄、図8(c)は予告数が1以下である場合の飾り図柄、図8(d)は予告数が2以上である場合の飾り図柄における変動の開始と停止とのタイミングを示している。
まず、図8(a)に示すように、可変表示の実行条件である始動条件が成立(たとえば、遊技球が始動入賞口を通過(入賞を含む))した後、可変表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立すると、特別図柄の変動が開始される。特別図柄表示装置上では、特別図柄の変動が7セグの点灯により示され、所定の変動時間が経過すると、変動が停止する。
また、画像表示装置5の画面右上では特別図柄に対応して可変表示を行う小図柄の変動が行われる。小図柄とは、飾り図柄に表示される数字と同じ数字(異なる数字でもよい)を画面隅部等で常に可変表示させることで飾り図柄が各種演出により隠されたとしても可変表示中であることを確認できるようにした図柄のことである。小図柄は、可変表示が終了して表示結果が確定するときにのみ停止表示される。図8(b)に示すように、特別図柄の変動開始と同じタイミングで小図柄の変動が開始し、特別図柄の変動停止と同じタイミングで小図柄の変動が停止する。
また、画像表示装置5の画面中央では飾り図柄の変動が行われる。図8(c),(d)に示すように、飾り図柄の変動開始タイミングは、変動開始時の予告演出における予告の数によって、異なっている。図8(c)に示すように、予告数が1以下の場合には、特別図柄や小図柄と同じタイミングで変動が開始する。そして、特別図柄や小図柄と同じタイミングで変動が停止する。一方、図8(d)に示すように、予告数が2以上の場合には、特別図柄や小図柄の変動開始タイミングから500ms遅れて変動が開始する。そして、特別図柄や小図柄と同じタイミングで変動が停止する。
ここで、飾り図柄や小図柄は、特別図柄の可変表示に対応して遊技制御用マイクロコンピュータ100が演出制御用CPU120へ送信する変動パターンコマンドに基づいて変動を開始する。そして、特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドに基づいて変動を終了する。
この実施の形態では、演出制御用CPU120が変動パターンコマンドを受信したとしても変動開始時の予告数が2以上の場合には、すぐに変動が開始されないようになっている。これにより、変動開始時の処理の負担を軽減することができる。
なお、図8(c)と図8(d)とでは、同じ種類の変動パターンコマンドを受信した場合に、変動時間は同じであるが飾り図柄の変動開始タイミングが異なる。よって、例えば、同じ種類のスーパーリーチを行う場合などに時間の尺を合わせる必要が生じる。このような場合には、スーパーリーチへ発展するまでの通常変動の時間を短くしたり、スーパーリーチが終了した後の数字図柄が仮停止する期間を短くすることにより、スーパーリーチ中の演出時間を同じにすればよい。
図9は、各種図柄と予告演出との関係を説明するための図である。図9(a)は、変動停止時の画像表示装置5の画面を示している。また、画面の右側には、特別図柄の可変表示を示す第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4B)が示されている。図9(a)の状態から変動が開始され、変動開始時に予告が発生しない場合を図9(b),(c)に示し、変動開始時に予告が3つ発生する場合を図9(d)〜(f)に示す。
図9(a)に示すように、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、左飾り図柄161F001、中飾り図柄161F002、右飾り図柄161F003が表示される。各飾り図柄は、数字画像および数字画像の上に表示されるキャラクタ画像より形成される。キャラクタ画像は変動開示時および変動停止時に動作する。可変表示中は、数字図柄のみが変動する。また、画像表示装置5の画面上の右上の小図柄表示領域161F004に飾り図柄と同様の3つの数字から形成される小図柄が表示される。小図柄は、飾り図柄と比較し見立たない小さな数字画像のみで形成されている。また、小図柄は、画像表示装置5の画面上で常に視認可能となるように表示順序が最も手前となっている。また、第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4B)には、はずれであることを示す線が横に一本表示されている。
図9(a)の状態から変動が開始されると、図9(b)のように、各図柄が動作する。図9(b)に示すように、変動開始時の予告が無い場合には、特別図柄の可変表示に対応して、小図柄が下向きの矢印で示すように可変表示を開始する。また、特別図柄の可変表示に対応して左飾り図柄161F001、中飾り図柄161F002、右飾り図柄161F003のキャラクタ画像が手を上げる動作をする。その後、数字画像とキャラクタ画像から成る各飾り図柄が数字図柄のみとなり、図9(c)に下向きの矢印で示すように数字図柄による可変表示が開始される。
図9(a)の状態から変動が開始されるときに変動開始時の予告が3つ有る場合には、図9(d)のように各図柄が動作する。図9(d)に示すように、変動開始時の予告として、画像表示装置5の左下隅にタイマ予告のためのタイマ画像161F005が表示される。タイマ予告は、表示された数字が時間経過とともにカウントダウンし、タイマの値が0となったときに何等かの演出が実行される予告である。タイマ予告は、大当り時に実行される割合が高い期待度の高い予告である。
また、画面の右下にはキャラクタとともに「チャンス!」というセリフ画像161F006が表示されるセリフ予告が実行される。セリフ予告は大当り期待度に応じてセリフの内容やセリフを発するキャラクタを変化させる予告である。また、画像表示装置5の画面を薄暗い背景画像161F007とする背景予告が実行される。背景予告は、背景の色によりその後の展開を予告する演出である。これらの予告演出は、飾り図柄に重畳して表示されて実行される。つまり、予告演出を飾り図柄よりも視認性が高い状態で実行可能である。
また、図9(d)に示すように、変動開始時に3つの予告が重なった場合、特別図柄の可変表示に対応して小図柄が可変表示を開始するが、飾り図柄は何も動作しない。そして、図9(e)に示すように、特別図柄の可変表示が開始してから500ms後に左飾り図柄161F001、中飾り図柄161F002、右飾り図柄161F003のキャラクタ画像が手を上げる動作をする。その後、数字画像とキャラクタ画像から成る各飾り図柄が数字図柄のみとなり、図9(f)に下向きの矢印で示すように数字図柄による可変表示が開始される。
図9(b)に示すように、変動開始時においては、キャラクタ画像が動作する演出が実行される。そして、変動開始時には、複数の予告が実行されることがあるので、これらの処理が重なってしまい処理落ちになる恐れもある。しかしながら、本実施の形態においては、このような変動開始時の処理落ちを防ぐために、図9(d)〜(f)に示すように、変動開始時に予告が複数重なるときには、所定動作を実行する飾り図柄の変動開始を特別図柄および小図柄の変動開始時よりも500ms遅らせて実行する。このようにすれば、変動開始時に飾り図柄のキャラクタ画像が動作した場合の処理負担を軽減することができる。なお、変動開始時に予告が複数重なるときは、変動開始時の飾り図柄におけるキャラクタ画像の動作を予告が複数重ならない通常のときと比べ簡単なものとしてもよい。
また、図9(b)に示すように、飾り図柄と小図柄とを比べると表示面積は、飾り図柄の方が小図柄よりも大きくなっている。また、飾り図柄と小図柄とを比べると変動開始時の動作は、飾り図柄の方が小図柄よりも大きくなっている。このようになっているので、小図柄は変動開始時の処理負担は少ないが、飾り図柄は変動開始時の処理負担が大きい。しかしながら、本実施の形態においては、図9(d)〜(f)に示すように、変動開始時に予告が複数重なるときには、動作の大きい飾り図柄の変動開始を特別図柄および小図柄の変動開始時よりも500ms遅らせて実行する。このようにすれば、変動開始時に飾り図柄のキャラクタ画像が大きく動作する場合の処理負担を軽減することができる。
また、図9(d)に示すように、予告演出を飾り図柄よりも視認性が高い状態で実行可能である。このようにすれば、飾り図柄が変動を開始する以前に予告演出に注目させることができる。
また、図9(d)に示すように、複数の予告演出を同時に実行可能である。このようにすれば、複数の予告演出が同時に実行されたとしたときの画像処理の負担を軽減することができる。
図10は、予告数決定テーブルおよび予告内容決定テーブルを示す図である。図10(A)は、大当り時予告数決定テーブル、図10(B)は、はずれ時予告数決定テーブルを示す。また、図10(C)は、大当り時予告内容決定テーブル、図10(D)は、はずれ時予告内容決定テーブルを示す。可変表示の表示結果が大当りである場合には、大当り時予告数決定テーブルと大当り時予告内容決定テーブルを用いて、予告数とその演出内容が決定される。また、可変表示の表示結果がはずれである場合には、はずれ時予告数決定テーブルとはずれ時予告内容決定テーブルを用いて、予告数とその演出内容が決定される。これらのテーブルは、ROM121に記憶されている。また、図10で決定されるのは、変動開始時の予告のみであるが、リーチ前やリーチ後の予告を同時に決定してもよい。
図10(A)の大当り時予告数決定テーブルでは、図10(A)に示す割合にしたがって、変動開始時の予告の数が0、1、2、3のいずれかに決定される。予告数が0に決定される割合は10%、予告数が1に決定される割合は20%、予告数が2に決定される割合は30%、予告数が3に決定される割合は40%となるように設定されている。このように、大当り時では、予告数の少ないものより予告数の多いものが選択される割合が高くなっている。
図10(B)のはずれ時予告数決定テーブルでは、図10(B)に示す割合にしたがって、変動開始時の予告の数が0、1、2、3のいずれかに決定される。予告数が0に決定される割合は40%、予告数が1に決定される割合は30%、予告数が2に決定される割合は20%、予告数が3に決定される割合は10%となるように設定されている。このように、はずれ時では、予告数の多いものより予告数の少ないものが選択される割合が高くなっている。
図10(A),図10(B)に示すデータの設定により、予告数が多い場合には、大当りに対する期待度が高くなる。
図10(C)の大当り時予告内容決定テーブルでは、図10(C)に示す割合にしたがって、予告演出の種類がセリフ予告、背景予告、タイマ予告のいずれかに決定される。予告演出の種類がセリフ予告に決定される割合は20%、予告演出の種類が背景予告に決定される割合は30%、予告演出の種類がタイマ予告に決定される割合は50%となるように設定されている。このように、大当り時では、「セリフ予告<背景予告<タイマ予告」という選択割合となるようにデータが設定されている。
図10(D)のはずれ時予告内容決定テーブルでは、図10(D)に示す割合にしたがって、予告演出の種類がセリフ予告、背景予告、タイマ予告のいずれかに決定される。予告演出の種類がセリフ予告に決定される割合は50%、予告演出の種類が背景予告に決定される割合は30%、予告演出の種類がタイマ予告に決定される割合は20%となるように設定されている。このように、はずれ時では、「セリフ予告>背景予告>タイマ予告」という選択割合となるようにデータが設定されている。
図10(C),図10(D)に示すデータの設定により、「セリフ予告<背景予告<タイマ予告」の順に大当りに対する期待度が高くなるように設定される。
これらのテーブルを用いて、予告数と予告演出の種類を決定するが、まず、予告の数を決定する。その後、その予告数に応じた数だけ予告演出の種類が決定される。たとえば、予告数決定テーブルにより予告数が2に決定された場合には、まず、1の予告の種類がテーブルの中から選択される。その後、もう一つの予告の種類は、先に選択された予告が再度選択されることが禁止された同テーブルから選択される。つまり、予告数が複数の場合に、同じ予告が選択されることがないようになっている。なお、決定される予告数毎に選択される予告演出の割合が異なる複数のテーブルを用いてもよい。また、同じテーブルを用いる場合に再度同じ予告が選択された場合には強制的に予告の内容を書き換えてもよい。
また、図10に示すテーブルでは、選択される予告の種類は、セリフ予告、背景予告、タイマ予告の3種のみであるが、より多くの種類を設けておき、多くの種類の中から選択するようにしてもよい。また、予告数の異なる予告の組合せのパターンを複数設けておき、その中からいずれかの予告のパターンが選択されるようにしてもよい。なお、予告内容決定テーブルで予告の種別を決定するときに、さらにその予告で実行される詳細な予告演出の内容(例えば、タイマ予告においてタイマが0になったときに実行される演出の内容等)は、記載を省略している。
図11は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理とは、図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120が実行する可変表示開始設定処理(S171)の中で実行される。
まず、演出制御用CPU120は、予告数決定テーブルにより、予告数を決定する(ステップS161FS001)。次いで、演出制御用CPU120は、予告内容決定テーブルにより、予告数に応じた数の予告演出を決定し(ステップS161FS002)、ステップS161FS003へ移行する。
ステップS161FS003では、演出制御用CPU120は、予告数が2以上であるか否かを判定する。演出制御用CPU120は、予告数が2以上である場合には(ステップS161FS003でY)、変動開始時に飾り図柄の可変表示を特別図柄の可変表示よりも500ms遅らせて変動するように設定し(ステップS161FS004)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、予告数が2以上でない、つまり、予告数が1または0である場合には(ステップS161FS003でN)、ステップS161FS004を行わずに、処理を終了する。なお、予告数の数により変動開始時に飾り図柄を遅らせる時間を異ならせるようにしてもよい。具体的には、予告数が2のときには200ms遅らせるようにし、予告数が3のときには500ms遅らせるようにしてもよい。
このように、予告数が0か1の場合には、予告演出と飾り図柄の変動が同時に開始するのに対し、予告数が2以上の場合には、変動開始時に飾り図柄の可変表示を特別図柄の可変表示よりも500ms遅らせて開始することで、予告演出開始後に飾り図柄の変動を開始させることができる。このようにすれば、変動開始時の処理の負担を軽減することができる。
なお、予告数が2以上の場合でも、その予告演出の内容が地味な場合には、飾り図柄の変動開始を特別図柄の変動開始に遅らせなくてもよい。なぜなら、画像処理の負担が少ない地味な予告の場合には、画像処理に時間がかからないので、飾り図柄の変動開始を500ms遅らさらなくてもよいからである。なお、予告数を確認するのではなく、変動開始時の画像処理の負担を計測し、処理負担が大きい場合に飾り図柄を遅らすようにしてもよい。
次に、大当り中やデモ中に実行される処理について以下に説明する。なお、以下の飾り図柄は単なる数字のみとして説明しているが、上記したような数字図柄とキャラクタ画像とから形成される飾り図柄であってもよい。また、小図柄の記載についても省略しているが小図柄が表示されていてもよい。
[注意喚起について]
本実施の形態では、遊技者に対して各種の注意喚起が実行される。注意喚起としては、遊技者に対して遊技についての様々な注意をパチンコ遊技機1を用いて報知する制御が行われる。例えば、注意喚起として、過度な遊技を抑制させるための報知が行われる。本実施の形態では、画像表示装置5の画面上に各種の注意喚起に対応する画像が表示される。なお、このような注意喚起は、画像を表示するだけではなく音を出力することともに実行されるようにしてもよい。以下では、注意喚起として画像表示装置5に表示される注意喚起表示の一例について具体的に説明する。
[のめり込み防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技者に対してパチンコ遊技機1やスロットマシンへの遊技に対してのめり込み過ぎることを防止するための表示としてののめり込み防止表示がある。のめり込み防止表示では、例えば、「パチンコ・スロットは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」という文字と文字の周りを囲む画像とが表示される。また、のめり込み防止画像には、文字の内容は同じであるが文字の周りを囲む画像や表示面積が異なる複数種類態様の画像が設けられている。このようなのめり込み防止表示により、遊技者に対して遊技にのめり込むことを抑制または注意、遊技者に対して遊技に大金を注ぎ込むことを抑制または注意が行われる。
[取り忘れ防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのプリペイドカード等の取り忘れに関するカード取り忘れ防止の表示としての取り忘れ防止表示がある。取り忘れ防止表示では、例えば、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意ください。」という文字とともにカードの排出を示す画像が表示される。なお、カードではなく遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのコイン等の別の形状のものを対象として注意喚起を実行してもよい。
[その他の注意喚起表示について]
その他の注意喚起表示として「18歳未満の遊技は法令により禁止されています。」という18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示、「不正行為は犯罪です。」という不正行為を抑制するための注意喚起表示、「攻略法を装った詐欺にご注意ください。」という詐欺行為を抑制するための注意喚起表示等が文字と画像とにより表示される。なお、その他の注意喚起表示は、上記に示すもの以外であってもよく、例えば、パチンコ遊技機1の外枠等に可動式の役物を設けた場合に、当該可動式の役物の動きにより、けがをしないように注意するものであってもよい。
[表示タイミングついて]
上記のような注意喚起表示は、所定期間に亘り遊技を実行していない場合に移行される客待ちデモ状態中、大当り遊技状態が終了したときのエンディング期間中、演出内容を変更するためのメニュー画面の表示期間中等の各表示期間において表示される。注意喚起表示は、表示の種類や表示期間に応じて様々な表示態様で表示される。このような、注意喚起表示について以降に説明する。
図12は、客待ちデモ状態中および大当り終了後の各種表示について説明するための図である。図12(a)は、客待ちデモ状態中(以下、単にデモ中とも称する)におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。また、図12(b),(c)は、大当り終了後のエンディング期間中におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。図12(b)は、1回目の大当り終了後の表示を示し、図12(c)は、大当りが連続したときの2回目以降の大当り終了後の表示を示している。
本実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信後に所定期間経過すると非遊技中であると判定し、デモンストレーション画面の表示を実行する。客待ちデモ指定コマンドは、始動入賞が発生せず第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがない場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ100側から演出制御用CPU120側に送信される。デモ状態は、新たな始動入賞の発生等の遊技が開始されたことに伴って終了する。
図12(a)に示すように、デモ中には、画像表示装置5の画面上に最終のハズレの停止図柄である3図柄(例えば、「375」等の3つの数字図柄等)の表示が15秒間表示された後に、パチンコ遊技機1の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間表示される。その後、注意喚起表示として、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが6秒間表示される。詳細な表示内容については、図14で後述する。
また、図12(a)に示すように、パチンコ遊技機1を初期化した場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から画面上の表示が始まる。それに対し、客待ちデモ中に停電により電力供給が停止され再開する停電復旧があった場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から演出が開始されるのではなく、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが実行されるタイミングから画面上の表示が始まる。
次に、図12(b)に示すように、1回目の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。エンディング表示では、エンディングの背景画像が10秒間表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示が実行され、その後、大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す確変回数表示(時短回数表示)が表示される。また、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにプリペイドカード取り忘れ防止表示とのめり込み防止表示とが表示される。その後、パチンコ遊技機1の製造者を示すメーカーロゴ表示(製造者情報とも称する)とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
また、図12(c)に示すように、2回目以降の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。ここで、2回目以降の大当りとは、最初の大当りを含む大当り終了後の100回の変動表示中(確変状態中や時短状態中)に再度大当りとなったときの大当りである。このような連続した2回目以降の大当りでは、1回目の大当りと同じように、エンディング表示として、10秒間エンディングの背景画像が表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示と大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す情報である確変回数表示(時短回数表示)とが表示される。しかし、1回目の大当りとは異なり、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにのめり込み防止表示が表示されるが、プリペイドカード取り忘れ防止表示は表示されない。その後、パチンコ遊技機1の製造者を示すメーカーロゴ表示とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
図12に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短いため、大当りが終了したときに過度に注意喚起表示を行うことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
[節電モードついて]
次に、節電モードについて説明する。本実施の形態では、所定時間客待ちデモ状態が継続したときは、画像表示装置5の液晶のバックライトの輝度を低く抑えて省電力状態とする節電モードが実行される。節電モードは、図12で示した3図柄表示の15秒、機能紹介ムービーの39秒、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との6秒の合計60秒のデモ状態が3回実行された後に移行される。つまり、客待ちデモ状態が開始されてから3分経過後に節電モードへと移行する。また、節電モードは、遊技を開始することを条件に終了する。例えば、節電モードは、遊技球を遊技領域に打込んだことにより終了する。また、節電モードは、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aを遊技者が操作することにより終了する。なお、節電モードは、ハンドルにセンサが設けられている場合に、当該センサに触れることで遊技者の操作を検知することにより終了するようにしてもよい。
このような、節電モードは、遊技店員によりON/OFFの設定が可能となっている。節電モードの設定方法は、例えば、演出制御基板12に機械的なハードスイッチを設け、このハードスイッチが特定の態様となっている状態で電源投入されると、設定画面が表示されるようにすればよい。ここで、特定の態様とは、0〜9、A〜Fの項目にスイッチを切替可能なもので、例えば、項目Fに設置されている状態である。項目Fに設置された状態で電源投入がされると節電モードが実行するか否かの設定画面が表示される。その後、ハードスイッチを0〜5のいずれかにすれば遊技者が音量調整可能な状態となり(0が最少音、5が最大音)、6〜Bのいずれかにすれば遊技者が音量調整できず音量が固定される状態となる(6が最少音、Bが最大音)。なお、光量調整は、どの状態でも設定可能である。光量調整のみの場合であれば、メニュー画面を開いたとしても音量調整はできないようになる。また、C〜Eが選択されている場合は、0と同じ状態である。
図13は、客待ちデモ状態中および節電モード中の各種表示について説明するための図である。図13(a)は、客待ちデモ状態中から節電モード中へ移行する際の各種表示を示している。また、図13(b)は、客待ちデモ状態中において、特に、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との表示態様について示している。
図13(a)に示すように、客待ちデモ状態として3図柄表示、機能紹介ムービー、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とを1セットとするデモ状態が3回実行された後に節電モードに移行される。節電モードでは、画像表示装置5の液晶のバックライトの輝度が低下するため画面が暗くなる。よって、節電モード中は、暗い画面において3図柄表示が15秒実行された後、機能紹介ムービーが39秒実行されることとなる。しかしながら、節電モード中は、機能紹介ムービーの後にその他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが表示されることはない。節電モード中は、機能紹介ムービーの後に再び3図柄表示へと移行される。
そして、節電モードが終了したときには、最初に表示される画面においてのめり込み防止表示が5秒間表示される。その後、始動入賞による図柄の変動表示が開始されなければ、再度3図柄表示から始まるデモ状態に移行する。
次に、その他注意喚起表示と、のめり込み防止表示との表示態様について図13(b)により説明する。その他注意喚起表示としては、前述した18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示等がある。ここでは、説明の都合上、複数種類のその他注意喚起表示のうち、18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示を注意喚起A、不正行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起B、詐欺行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起Cとして説明する。
図13(b)に示すように、その他注意喚起表示とのめり込み表示とは6秒間の間に表示と消去とが実行される。ここで、表示の単位として1F(フレーム)を用いる。本実施の形態では、1Fが1/30秒に相当する。まず、複数のその他注意喚起表示のうち注意喚起Aが15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、142Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Aは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Bは、6Fの非表示期間の後、注意喚起Aのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、136Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Bは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Cは、12Fの非表示期間の後、注意喚起Aおよび注意喚起Bのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、130Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Cは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
のめり込み防止表示は、35Fの非表示期間の後、注意喚起A、注意喚起Bおよび注意喚起Cのフェードイン期間の終了後に10Fのフェードイン期間に亘りフェードインし、112Fの表示期間に亘り表示される。その後、のめり込み防止表示は、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。のめり込み防止表示のフェードイン期間は、他の注意喚起表示よりも短く設定されている。このようにすれば、最終ののめり込み防止表示を他の注意喚起よりも早く出現させることができ、表示にメリハリを付けることができる。
図13(b)に示すように、注意喚起A、注意喚起B、注意喚起Cおよびのめり込み防止表示は、順番にフェードインし、重なる期間において表示された後、同じタイミングでフェードアウトする表示制御が行われる。なお、他の注意喚起のフェードイン期間とのめり込み防止のフェードイン期間は重なっていないが、重なるようにフェードインされてもよい。
このように、のめり込み防止表示と他の注意喚起表示とを同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示することができる。これによれば、複数の注意喚起を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。
また、のめり込み防止表示をその他の注意喚起表示と同一の期間に表示可能であり、その他の注意喚起表示をフェードインさせた後、のめり込み防止表示をフェードインさせ、その他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[客待ちデモ状態中の画面]
次に、画像表示装置5の画面で表示される各種表示について説明する。図14は、客待ちデモ状態中における画面を示す図である。図14(a)に示すように、客待ちデモ状態の開始時には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が画面中央部ではずれ表示結果となる態様で表示される。このような3図柄表示は、15秒間に亘り表示される。次いで、図14(b)に示すように、パチンコ遊技機1の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間に亘り表示される。
次いで、図14(c)〜(f)にかけて、3つの他の注意喚起表示130が左から順番にフェードインする。他の注意喚起表示130は、画面中央上側に表示される。その後、図14(g),(h)に示すように、他の注意喚起表示130の下方にのめり込みを防止するためののめり込み防止画像131がフェードインする。その後、図14(i)に示すように、他の注意喚起表示130およびのめり込み防止画像131が同じタイミングでフェードアウトする。そして、図14(j)に示すように、フェードアウト後に所定期間画面が非表示となる。
図14に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像131を他の注意喚起表示130と同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示する制御が行われる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図14に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像131を他の注意喚起表示130と同一の期間に表示可能であり、他の注意喚起表示130をフェードインさせた後、のめり込み防止画像131をフェードインさせ、他の注意喚起表示130とのめり込み防止画像131とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行われる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[メニュー画面]
メニュー画面は、例えば、客待ちデモ状態中において、画像表示装置5で、遊技者により選択可能な各種設定項目を選択肢形式(メニュー形式)のアイコン画像で提示する表示画面である。メニュー画面は、階層構造となっている。主な設定項目が一覧形式で表示可能な最初の画面から1つの項目を選択すると、選択された項目ごとに詳細な設定が可能となる。例えば、主な設定項目として、遊技を実行するときの演出に対応するキャラクタの選択、音量・光量調整、演出のカスタマイズの選択等が可能である。
メニュー画面では、前後方向および左右方向に操作可能なスティックコントローラ31Aが傾倒操作されることに応じて、上下方向および左右方向に項目の選択が可能であり、プッシュボタン31Bが操作されると選択していた項目に決定される。1つ前の画面に戻る場合には、「戻る」の項目でプッシュボタン31Bを操作すればよい。
[メニュー操作中の画面]
図15は、メニュー操作中における画面を示す図である。図15(a),(b)に示す客待ちデモ状態中の画面から、プッシュボタン31Bを操作することにより、図15(c)のメニュー画面132が表示される。メニュー画面132には、選択可能な複数の項目が表示されているが図面を省略する。メニュー画面132の下方には、のめり込み防止画像131が表示される。
ここで、メニュー画面132は複数の画像の階層構造で構成されている。そして、メニュー画面132のいずれの階層でものめり込み防止画像が表示される。なお、メニュー画面132の表示階層毎にのめり込み防止画像の表示態様を異ならせてもよい。このようにすれば、メニュー画面132に表示される内容に応じた態様でのめり込み防止画像を表示することができる。
また、本実施の形態では、注意喚起を実行する前後の演出状態に応じてのめり込み防止画像の表示態様が異なる。具体的には、のめり込み防止画像による注意喚起を実行する前の演出状態として、メニュー画面132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。また、後述するように、のめり込み防止画像による注意喚起を実行した後の演出状態として、大当り遊技中において選択した確変中のモードの違いによりエンディング時ののめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。
図15(c)におけるメニュー画面で、スティックコントローラ31Aの操作とプッシュボタン31Bとによりキャラクタ選択の項目に決定された場合には、図15(d)の画面が表示される。ここで、図15(d)のデフォルトの表示態様は、いずれのキャラクタも設定されていない状態の表示態様である。図15(d)に示すように、複数種類のキャラクタとしてキャラクタXとキャラクタYとのうちいずれかが選択可能な画面が表示される。キャラクタの選択画面においても、のめり込み防止画像131が表示される。このときののめり込み防止画像131は、図15(c)の表示態様と同じである。また、こののめり込み防止画像131がデフォルトの表示態様である。なお、図15(c)のときののめり込み防止画像の表示態様と図15(d)のときののめり込み防止画像の表示態様とは表示態様が異なるようにしてもよい。表示態様が異なるとは、例えば、違う位置に表示されるもの、違う位置で異なる表示がされるもの(一方に比べて縮小表示されるもの)等である。
図15(d)の後に、遊技者がプッシュボタン31Bを操作し、キャラクタXが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図15(e)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像133が表示される。図15(e)ののめり込み防止画像133は、図15(c),(d)に示すのめり込み防止画像131とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ31Aの左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン31Bを操作することにより選択された音量や光量に決定される。
また、図15(d)の後に、遊技者がプッシュボタン31Bを操作し、キャラクタYが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図15(f)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像134が表示される。図15(f)ののめり込み防止画像134は、図15(c),(d)に示すのめり込み防止画像131、および、図15(e)に示すのめり込み防止画像133とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ31Aの左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン31Bを操作することにより選択された音量や光量に決定される。
ここで、いずれのキャラクタも選択せず、デフォルトの表示態様のままであった場合には、図15(c),(d)に示すようなデフォルトののめり込み防止画像131が音量・光量調整アイコンの下方に引き続き表示される。
図15(e),(f)の状態からスティックコントローラ31Aの操作とプッシュボタン31Bとの操作によりメニュー画面を終了すると、図15(g)の画面となる。図15(g)では、のめり込み防止画像135が画像表示装置5の画面の中央で大きく表示される。このように、メニュー画面132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像135が表示されるように制御される。その後、始動入賞が生じなければ、図15(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。なお、図15(g)に示すのめり込み防止画像が、選択したキャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。また、大当り遊技状態中の表示が、キャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。
ここで、メニュー画面においてのめり込み防止表示がされないものであれば、客待ちデモ状態中にメニュー画面を開くことでのめり込み防止表示が途切れてしまうと、のめり込み防止表示を見る機会が減ってしまう。そこで、本実施の形態では、メニュー画面の階層のいずれの階層にものめり込み防止表示を表示することで、のめり込み防止表示を見る機会を増加させることができる。さらに、メニュー画面の終了時には、画面の中央で大きくのめり込み防止表示が表示されるので、のめり込み防止表示に遊技者を注目させることができる。
なお、メニュー画面の終了時には、通常の客待ちデモ状態で最後の方に設定されているのめり込み防止表示を最初に表示させる制御を行うことで、メニュー画面の終了時に最初にのめり込み防止表示が表示されるようにしてもよい。
また、メニュー画面中に選択されたキャラクタを判定する判定手段を備えるようにすればよい。メニュー画面中に選択されたキャラクタ情報は、例えば、RAM122に記憶され、その情報を元に演出制御用CPU120が設定されたキャラクタを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
また、遊技者の操作に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるのではなく、遊技中の演出状態に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。例えば、特定の演出状態への移行抽選に当選し、当該特定の演出状態となったことに応じて、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。より具体的には、所定の抽選や所定のゲーム数により背景変化するものにおいて、背景変化前と背景変化後とでのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。
[節電モード中の画面]
次に節電モード中における画面について説明する。図16は、節電モード中における画面を示す図である。客待ちデモ状態として図16(a)に示す3図柄表示、図16(b)に示す機能紹介ムービーが実行された後に、図16(c)に示す注意喚起表示130とのめり込み防止画像131とが表示される。このような、図16(a)〜(c)のデモ状態が3回実行された後に図16(d)に示す節電モードへと移行する。
節電モード中は、画面の輝度が低下するが、客待ちデモ状態中の演出は継続される。図16(d)に示すように、画面の輝度が低下している状態において3図柄表示が実行された後に、図16(e)に示す機能紹介ムービーが実行される。節電モード中は、その後に注意喚起表示130とのめり込み防止画像131とが表示されることはなく、図(f)に示す画面の輝度が低下している状態における3図柄表示が実行された後に、図16(g)に示す機能紹介ムービーが実行され、以下繰返される。
図16(g)に示す状態から節電モード中からプッシュボタン31Bが操作されることにより節電モードが終了すると、図16(h)の画面へと移行する。図16(h)では、画面の輝度が元の明るさに戻るとともに、のめり込み防止画像135が画像表示装置5の画面の中央で大きく表示される。その後、始動入賞が生じなければ、図16(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。
[大当り終了後の画面]
次に大当り終了後の画面について説明する。図17は、大当り終了後における画面を示す図である。図17(a)は、大当り遊技中の画面を示している。大当り遊技中は、15ラウンドのラウンド遊技が実行され、ラウンド遊技終了後に図17(b)に示すエンディング期間に亘ってエンディングの背景画像示すエンディング画像138が表示される。エンディング画像138は、図示しないキャラクタ等が背景として表示されるエンディング映像である。エンディング画像138のフェードイン後、モード情報がフェードインし、その後、大当り後の確変回数情報(または時短回数情報)がフェードインする。モードには、AモードとBモードとが設けられており、大当り遊技中にいずれのモードにするかの選択が可能となっている。各モードによって、大当り終了後に実行される確変状態や時短状態で実行される演出が異なる。
エンディング期間には、エンディング画像とは別に、画面の左下隅の目立たない位置に残高情報が記憶されたプリペイドカードの取り忘れ防止画像137が表示され、その下方にのめり込み防止画像136が表示される。エンディング期間では、エンディング画像、および、モードや確変回数情報が表示された後に、取り忘れ防止画像137と、のめり込み防止画像136とが表示される。取り忘れ防止画像137およびのめり込み防止画像136の表示の詳細については、図17(c)〜(f)において説明する。なお、目立たない位置とは、画面の中央よりも端側の位置等の中央から外れた位置である。また、エンディング期間におけるのめり込み防止画像136の文字の内容は、客待ちデモ状態におけるのめり込み防止画像131の文字の内容と同じである。
図17(c)に示すように、エンディング期間においては、プリペイドカードの取り忘れ防止画像137がのめり込み防止画像136よりも先にフェードインする。その後、図17(d)に示すように、のめり込み防止画像136がフェードインする。そして、図17(e)に示すように、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とが所定時間表示される。その後、図17(f)に示すように、同じタイミングで取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とがフェードアウトする。
図17(a)〜(f)では、エンディング画像138、モード情報、確変回数情報(または時短回数情報)、取り忘れ防止画像137、のめり込み防止画像136の順でフェードインし、これらの画像がフェードアウトした後に図17(g)の表示となる。図17(g)では、パチンコ遊技機1の製造者を示すメーカーロゴ表示としての製造者画像139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像139の下方にのめり込み防止画像131が表示される。
このような1回目の大当りの後、図17(h)に示すように、確変状態中や時短状態中に連続して大当り表示結果となったときには、図17(i)に示す大当り遊技中に制御される。連続した2回目の大当りでは、大当り遊技中にBモードが選択されたものとする。そのような場合、図17(j)に示すように、エンディング期間に亘ってエンディング画像138が表示される。エンディング画像138では、図示しないエンディング画像が表示される。また、エンディング画像138の後にBモードの情報、100回の確変回数(時短回数)の情報とが表示される。しかしながら、2回目の大当り遊技の終了後には、1回目の大当り遊技の終了後のときのように、取り忘れ防止画像137が表示されず、のめり込み防止画像136のみが画面の左下に小さく表示される。なお、2回目以降の大当り遊技の終了後には、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136との両方が表示されないようにしてもよい。
そして、エンディング画像138の表示が消去された後に、図17(k)の表示となる。図17(k)では、製造者画像139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像139の下方にのめり込み防止画像140が表示される。のめり込み防止画像140は、図17(g)に示すのめり込み防止画像131とは異なる態様で表示される。このような、のめり込み防止画像の表示態様の違いは、遊技者が大当り遊技中に選択したモードの種類によるものである。なお、図17(g)ののめり込み防止画像131や図17(k)ののめり込み防止画像140は、客待ちデモ状態中に表示されるのめり込み防止画像131よりも表示面積が小さくなるようにしてもよい。
また、大当り遊技中に選択されたモードを判定する判定手段を備えるようにすればよい。大当り遊技中に選択されたモード情報は、例えば、RAM122に記憶され、その情報を元に演出制御用CPU120が設定されたモードを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
図17に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像136を取り忘れ防止画像137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像136と取り忘れ防止画像137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行われる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図17に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像136を取り忘れ防止画像137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行われる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
なお、取り忘れ防止画像137をエンディング画像138が表示された後、製造者画像139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。また、取り忘れ防止画像137を表示し続ける場合には、1回目の大当りの後は、エンディング画像138の表示から製造者画像139の表示にかけて取り忘れ防止画像137を表示するが、連続した2回目の大当り以降では、エンディング画像138の表示中は取り忘れ防止画像137を表示するが製造者画像139を表示する際に取り忘れ防止画像137を表示しないようにしてもよい。また、のめり込み防止画像136をエンディング画像138が表示された後、製造者画像139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。のめり込み防止画像を表示し続ける場合には、エンディング画像138が製造者画像139に切替るときにも共通ののめり込み防止画像を表示し続けるようにすればよい。
また、エンディング期間中に表示される各種の画像は、1つの画像の表示が完全に終了した後に次の画像が表示されるようにしてもよい。また、画像がフェードインするタイミングが一部重なるものと重ならないものがあってもよい。また、エンディング画像138、モード情報および確変回数情報は同時に表示されるようにし、その後、取り忘れ防止画像137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像136をフェードインさせてもよい。
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
本実施の形態では、図8に示すように小図柄の可変表示は特別図柄の可変表示に対応して開始される一方で、予告数が2以上の飾り図柄の可変表示は特別図柄の可変表示から500ms遅れて開始される。このようにすれば、変動開始時の処理の負担を軽減することができる。
本実施の形態では、図9に示すように、変動開始時にキャラクタ画像が動作する。このようにすれば、変動開始時に所定動作が行われた場合の処理負担を軽減することができる。
本実施の形態では、図9に示すように、飾り図柄と小図柄とでは飾り図柄の方が可変表示の際の動作が大きい。このようにすれば、変動開始時に飾り図柄の可変表示の動作が大きい場合の処理負担を軽減することができる。
本実施の形態では、図9(d)に示すように、予告演出を飾り図柄よりも視認性が高い状態で実行可能である。このようにすれば、飾り図柄が変動を開始する以前に予告演出に注目させることができる。
本実施の形態では、図9(d)に示すように、複数の予告演出を同時に実行可能である。このようにすれば、複数の予告演出が同時に実行された場合の処理負担を軽減することができる。
本実施の形態では、客待ちデモ状態のときには、図14(h)に示すように画像表示装置5の画面の下部にのめり込み防止画像131を大きく表示し、エンディング期間では、図17(b)に示すように画像表示装置5の画面の左下隅にのめり込み防止画像136を小さく表示する制御を行っている。このようにすれば、大当りが終了したときに過度にのめり込み防止の注意喚起を実行することで、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
本実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を画像表示装置5に表示可能である。そして、図12に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短くなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行うことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
本実施の形態では、図14(h),図17(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示面積が小さくなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行うことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
本実施の形態では、図14(h),図17(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像が遊技者に対して目立たない画面の隅に表示される。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行うことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
本実施の形態では、図17に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像136を取り忘れ防止画像137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像136と取り忘れ防止画像137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行われる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
本実施の形態では、図17に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像136を取り忘れ防止画像137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行われる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
本実施の形態では、図12,図17に示すように、エンディング期間に表示されるエンディング画像138および製造者画像139が表示されている期間に亘ってのめり込み防止画像131,のめり込み防止画像136が表示される。このようにすれば、全ての情報を別々で表示することでエンディング期間が間延びすることを防ぎ、大当り遊技状態が終了した後の限られた期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図12,図17に示すように、モード情報や確変回数情報が表示された後に、のめり込み防止画像136がされる。このようにすれば、先に遊技に関する情報を表示することで、遊技者を表示に注目させることができ、大当り遊技状態が終了した後の期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図17(g)に示すように、エンディング画像138の後に遊技機の製造者を示す製造者画像139を表示し、その下方にのめり込み防止画像131を表示する。このようにすれば、製造者情報を表示させつつ、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図17に示すように、取り忘れ防止画像137の後にのめり込み防止画像136をフェードインし、製造者画像139に切替ることに関連して取り忘れ防止画像137の表示は終了するが、のめり込み防止画像131は、製造者画像139の表示が終了するまで継続して表示される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図12,図17(j)に示すように大当りが連続した場合には、取り忘れ防止画像137は1回目の大当りのときにしか表示しないが、のめり込み防止画像136は大当り毎に表示する制御を行っている。これによれば、大当り遊技状態に連続して制御されたときにおいて好適に注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図15(e),(f)に示すように、メニュー画面132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行する前の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図17(b),(k)に示すように、大当り遊技中において確変中のモードの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行した後の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作に応じて設定されたキャラクタやモードに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、大当り遊技中において選択した確変中のモードによりのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。なお、大当り中に楽曲(楽曲に対応する映像)の選択が可能なものであってもよい。このような場合には、大当り中に選択した楽曲(楽曲に対応する映像)によってのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。
本実施の形態では、大当り遊技状態に制御されたときに設定されているキャラクタに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図12に示すように、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像が表示されるまでの実行時間が異なるように制御されていた。より具体的には、客待ちデモ遊技中において、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像の表示が開始されるまでの時間が異なる。このようにすれば、好適なタイミングでのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図15に示すように、のめり込み防止画像を音量・光量調整アイコンとは重ならない位置に表示するように制御される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
本実施の形態では、図15に示すように、メニュー画面132は複数の画像による階層構造で構成されている。そして、のめり込み防止画像はメニュー画面132のいずれの階層にも表示されるように制御される。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。
本実施の形態では、図15(g)に示すように、メニュー画面132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
本実施の形態では、図13(a),図16に示すように、節電モード中に画面輝度が低下した輝度低下画像が画像表示装置5に表示されているときには、のめり込み防止画像を表示しないように制御される。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
本実施の形態では、図16(h)に示すように、節電モードを終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
本実施の形態では、図16(b)に示すように、客待ちデモ状態中において、機能紹介ムービーを画像表示装置5に表示可能である。そして、図16(e),(g)に示すように、節電モード中において、のめり込み防止画像以外の機能紹介ムービーを画像表示装置5に表示可能である。このようにすれば、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
[変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
前述した実施の形態では、画像表示装置5において、特別図柄の変動開始に対応して実行される図柄として小図柄について説明した。しかし、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が可変表示していることを示す図柄として、画像表示装置において常に視認可能な態様で一定の動作により可変表示される第4図柄を設けてもよい。第4図柄は、特別図柄、飾り図柄、および、普通図柄に次ぐ第4の図柄として設けられた図柄である。第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示に同期して第1特別図柄(または第2特別図柄)に対応する第4図柄の可変表示(点滅表示等)が行われる。このような第4図柄についても画像処理負担は少ないため、変動開始時には、予告数に関わらず特別図柄と変動開始タイミングを同じにすることができる。
前述した実施の形態では、変動開始時に実行される予告演出の数が2以上の場合に飾り図柄の変動が特別図柄の変動開始時よりも遅れる場合について説明した。しかしながら、予告演出の数が0や1の場合であっても飾り図柄の変動が特別図柄の変動開始時よりも遅れるようにしてもよい。特に、変動開始時に飾り図柄が大きく動作をするような場合には画像処理の負担が大きいので、予告演出の数が少ない場合であっても飾り図柄の変動を特別図柄の変動開始時よりも遅らせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、飾り図柄は、数字画像とキャラクタ画像とから構成されていた。そして、変動開始時において、小図柄は数字が可変表示するだけの動作であり、飾り図柄はキャラクタ画像が動作した後に数字画像が可変表示するものであった。しかし、飾り図柄に関して、数字画像も所定の動作を行うようにしてもよい。また、飾り図柄自体で予告演出を実行するようにしてもよい。飾り図柄で予告を行う場合には、例えば、飾り図柄を変動開始時に拡大させるようにしてもよいし、キャラクタ画像が前方へ飛び出すような通常とは異なる動作を実行するようにしてもよいし、数字画像やキャラクタ画像の動作や大きさの組合せであってもよい。このような場合にも画像処理の負担が大きいので、特別図柄の変動よりも飾り図柄の変動開始を遅らすようにすればよい。
前述した実施の形態では、変動開始時の飾り図柄の所定の動作して、飾り図柄がエフェクト画像を纏うようにしてもよい。例えば、偶数図柄を青色、奇数図柄を緑色、奇数図柄の中でも3図柄と7図柄とを赤色とし、同じ色の数字図柄が停止するときに、飾り図柄の周りにエフェクト画像を表示することにより、その後の展開をエフェクト画像の色で予告(期待度順に青、緑、赤等)するようにしてもよい。しかし、エフェクト画像の表示は画像処理の負担が増加するため、このような場合にも特別図柄の変動よりも飾り図柄の変動開始を遅らすようにすればよい。
前述した実施の形態では、1つの予告が実行された場合であっても、この実行される1つの予告が画像処理の負担が大きい派手な予告である場合には、特別図柄の変動よりも飾り図柄の変動開始を遅らすようにしてもよい。
前述した実施の形態では、飾り図柄の表示や実行される演出が異なる演出モードの種類により、特別図柄の変動よりも飾り図柄の変動開始を遅らす場合と、特別図柄の変動よりも飾り図柄の変動開始を遅らさない場合があるようにしてもよい。例えば、飾り図柄の動作が大きい演出モードにおいては飾り図柄の変動開始を遅らせ、飾り図柄の動作が小さい演出モードにおいては飾り図柄の変動開始を遅らせないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、変動開始時に実行される予告演出の種類により、飾り図柄が変動を開始するまでの期間を異ならせてもよい。例えば、処理負担がそれほどかからない予告演出の組合せの場合には、飾り図柄を遅らせる時間を短くし、処理負担が大きい予告演出の組合せの場合には、飾り図柄を遅らせる時間を長くしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起が音の出力や光の発光により実行されてもよい。そして、のめり込み防止に関する注意喚起が実行される状況により表示態様のみではなく音や光の態様が異なるようにしてもよい。なお、表示を変えずに音と光とのみの態様変えてもよいし、音は同じであるが、表示と光との組合せの態様を変えてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起を客待ちデモ状態中や大当り遊技状態のタイミング以外のタイミングで実行されるようにしてもよい。例えば、変動表示中にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。このような場合には、のめり込み防止に関する注意喚起を複数変動に亘って出すものでもよいし、一変動内のみで出すようなものでもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起を出すタイミングとして、時短終了後の1回転目のタイミングや、電源が投入された朝一番のタイミングや、変動表示が1000回実行されたときのタイミングであってもよい。
前述した実施の形態では、遊技者あるいは店側でのめり込み防止に関する注意喚起を実行する頻度、タイミング、場面等を変更できるようにしてもよい。例えば、元々のめり込み過ぎるまで遊技をすることがないという遊技者にとっては、のめり込み防止に関する注意喚起を不快に感じる恐れがある。よって、遊技者がプッシュボタン31B等の操作手段を用いメニュー画面からのめり込み防止に関する注意喚起の実行を制限できるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行っていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示を先にフェードインさせた後に、他の注意喚起表示をフェードインさせるようにしてもよい。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起表示の表示期間を長くとることができる。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行っていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインさせた後に、いずれか一方の表示を先にフェードアウトしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインした後に、同一のタイミングでフェードアウトするようにしてもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同時にフェードイン(またはフェードアウト)するときと、異なるタイミングでフェードイン(またはフェードアウト)するときとで表示態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像138とともに、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とが表示された後に、製造者画像139が表示される場合を説明した。そして、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とは一度消去された後に、製造者画像139とともにのめり込み防止画像1331が再び表示されていた。しかしながら、エンディング画像138が表示されているときに表示されたのめり込み防止画像は、製造者画像139の表示が終了するまで表示し続けるようにしてもよい。具体的には、のめり込み防止画像を表示したままで、エンディング画像138と取り忘れ防止画像137の表示から製造者画像139の表示に切替わるようにすればよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像138とともに、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とが表示された後に、製造者画像139が表示される場合を説明した。しかし、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像138を表示した後に、製造者画像139を表示し、その後、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とを表示してもよい。そして、大当りが連続した場合には、2回目以降の大当りにおいて製造者画像139を表示した後に、取り忘れ防止画像137とのめり込み防止画像136とを表示しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短い場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短いようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示期間を長くすることにより、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さい場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さくなるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間において、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときと大当り終了後のエンディング期間のときとで、のめり込み防止画像の素材として同じ素材を用いるようにしてもよい。このようにすれば、データ容量を削減することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示される場合を説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示されるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示位置を目立たせることができ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中は、画面の隅で常にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。また、前述した実施の形態では、始動入賞が発生しデモ状態が終了したときには、すぐにのめり込み防止に関する注意喚起を終了してもよいし、始動入賞が発生した後の所定期間のめり込み防止に関する注意喚起を実行した後に終了するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当りのエンディング期間において、図14(h)に示したような他の注意喚起表示が実行されるようにしてもよい。このような場合であっても、まずエンディング画像としてエンディング映像を表示し、モードの表示や大当り後の確変回数(または時短回数)といった遊技に関する情報を表示した後に、他の注意喚起表示が表示されるようにすればよい。また、他の注意喚起表示は、製造者画像139が表示された後に表示されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図12,図17に示すように、1回目の大当りでは、取り忘れ防止画像137と、のめり込み防止画像136とが表示され、連続した2回目以降の大当りでは、取り忘れ防止画像137が表示されず、のめり込み防止画像136のみが表示される場合について説明した。しかしながら、1回目の大当りと2回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものではなく、2回目までの大当りと3回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものでもよく、大当りが所定回数連続したことを条件として注意喚起の態様が異なるものでもよい。例えば、大当りが5回までは、取り忘れ防止画像137を表示せず、のめり込み防止画像136のみを表示し、大当りが5回以上連続したときは、取り忘れ防止画像137とともにのめり込み防止画像136も表示されないように制限してもよい。
前述した実施の形態では、確変状態には制御されるが出玉を得られない突然確変大当りを設けてもよい。そして、突然確変大当りに制御された場合には、1回目の大当りまたは連続した大当りに関係なく取り忘れ防止画像137とともにのめり込み防止画像136を表示しないようにしてもよい。このように、不利な大当りに当選したときには、有利な大当りに当選したときと異なる態様としてもよい。
前述した実施の形態では、確変大当りのときには、取り忘れ防止画像137を表示せず、のめり込み防止画像136のみを表示し、通常大当りのときには、取り忘れ防止画像137を表示するとともに、のめり込み防止画像136を表示してもよい。このように、大当りの種類により注意喚起の態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を画像表示装置5に表示可能であった。しかしながら、のめり込み防止画像は、文字の内容が全く同じものに限らず、表現が類似しており同じ情報を伝えるものであれば別の態様であってもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、メニュー画面におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なっていた。しかしながら、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、大当り遊技状態終了後のエンディング期間におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。また、通常遊技状態において複数種類の演出モードを設定可能とし、その設定されたモードに応じて、客待ちデモ状態中やエンディング期間中ののめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、注意喚起としてのめり込み防止画像の表示態様と、のめり込み防止の表示に対応する音の出力とが含まれているようにしてもよい。そして、遊技者が選択したモードによってのめり込み防止画像として共通の画像を表示し、のめり込み防止の表示に対応する音として異なる音を出力するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止画像の表示の有無を設定可能なスイッチを設けてもよい。例えば、このようなスイッチは、演出制御基板12の所定位置に設けるようにすればよい。そして、スイッチをONした状態で電源が投入されることにより、節電モードを実行するか否かの設定と、のめり込み防止画像の表示の有無の設定が実行できるようにすればよい。このようにすれば、遊技店側において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。なお、のめり込み防止画像の表示の有無とは別に、のめり込み防止画像の表示の大小や表示位置を変更できる操作手段が別途設けられていてもよい。
前述した実施の形態では、図12に示すように、初期化時には、客待ちデモ状態の最初のタイミングである3図柄表示の頭からの画面が表示され、停電復旧時には、客待ちデモ状態の途中のタイミングであるその他注意喚起表示とのめり込み防止表示が実行されるタイミングの画面から表示される場合について説明した。しかし、初期化時と停電復旧時とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行するタイミングが異なっていればよく、別のタイミングであってもよい。例えば、初期化時に通常背景を15秒程度表示し、その後、客待ちデモ状態を開始させ、最後のタイミングでのめり込み防止表示が実行されてもよい。また、停電復旧時には、その他注意喚起表示を実行することなくのめり込み防止表示が実行されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図14の客待ちデモ状態中の方が、図15のメニュー画面の表示中よりものめり込み防止表示を画面の中央で大きく表示するようにしてもよい。このようにすれば、状況に合わせのめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。なお、メニュー画面の表示中の方が客待ちデモ状態中よりものめり込み防止表示の表示面積が大きくなるようにしてもよい。また、客待ちデモ状態中とメニュー画面の表示中とで、のめり込み防止表示の表示位置が異なることにより遊技者からの見えやすさが異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、画面輝度を低下させた節電モード中においても客待ちデモ状態中の演出が継続されていた。しかしながら、節電モード中は客待ちデモ状態中の演出を実行しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中において、のめり込み防止画像を常に表示するようにしてもよい。このような場合に、節電モード中において、のめり込み防止画像の表示を消去するようにしてもよい。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
前述した実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。例えば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、識別情報の可変表示(例えば、特別図柄)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、識別情報の可変表示に対応して可変表示を行う装飾情報(例えば、飾り図柄)と、識別情報の可変表示に対応して可変表示を行うとともに、前記装飾情報とは異なる対応情報(例えば、小図柄)と、識別情報の可変表示が開始されることに関連して特定演出(例えば、予告演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120)とを備え、前記特定演出が実行されるときに、前記対応情報の可変表示は前記識別情報の可変表示の開始に対応して開始される一方で、前記装飾情報の可変表示は前記識別情報の可変表示の開始に対応して開始されず(例えば、図8に示すように小図柄の可変表示は特別図柄の可変表示に対応して開始される一方で、予告数が2以上の飾り図柄の可変表示は特別図柄の可変表示から500ms遅れて開始される)、さらに、前記識別情報の可変表示として第1可変表示(第1特別図柄の可変表示等)を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段(第1特別図柄表示器908a等)と、前記識別情報の可変表示として第2可変表示(第2特別図柄の可変表示等)を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段(第2特別図柄表示器908b等)と、未だ開始されていない前記第1可変表示に関する情報を第1保留記憶情報として記憶する第1保留記憶手段(RAM9055、図37の第1保留記憶バッファ等)と、未だ開始されていない前記第2可変表示に関する情報を第2保留記憶情報として記憶する第2保留記憶手段(RAM9055、図37の第2保留記憶バッファ等)と、未だ開始されていない前記第2可変表示について前記有利状態に制御されるか否かを判定する先読み判定手段(演出制御用マイクロコンピュータ90200、図53のステップ155FS520等)とを備え、前記第1可変表示手段と前記第2可変表示手段とが同時に可変表示可能であり(図25のS9026A,S9026B等)、前記第1可変表示の実行中に前記第2可変表示に基づいて前記有利状態に制御されるときは、当該第1可変表示について、可変表示を中断した後、当該有利状態の終了後に、中断した前記第1可変表示を再開可能とする中断手段(遊技制御用マイクロコンピュータ90560、図35のステップ155FS314〜ステップ155FS316等)と、前記第2可変表示に基づいて前記有利状態に制御されているときに、前記先読み判定手段により未だ開始されていない前記第2可変表示について前記有利状態に制御されると判定されたことに基づいて、特別演出(保留連報知演出)を実行可能(図51(c)等)である特別演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90200、図53のステップ155FS534等)と、前記第1可変表示の実行中(図53のステップ155FS521でY等)に前記第2可変表示に基づいて前記有利状態に制御されたときには、当該有利状態において前記特別演出の実行を制限する(図53のように実行しない等)特別演出制限手段(演出制御用マイクロコンピュータ90200、図53のステップ155FS521等)とをさらに備える遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、変動開始時の処理の負担を軽減することができる。また、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのを低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
なお、図8に示す実施形態においては、予告数が2以上の飾り図柄の可変表示は一律に特別図柄の可変表示から500ms遅れて開始されるようにしたが、予告数が多くなるほど遅れる時間が長くなるようにしてもよい。例えば、予告数が3であれば特別図柄の可変表示から750ms遅れて開始され、予告数が4であれば特別図柄の可変表示から1000ms遅れて開始されるようにしてもよい。また、大当りとなる期待度が大きいほど遅れる時間が長くなるようにしてもよい。例えば、予告数が2以上で大当り期待度が中程度の場合は特別図柄の可変表示から500ms遅れて開始され、予告数が2以上で大当り期待度が高い場合は特別図柄の可変表示から750ms遅れて開始され、予告数が2以上で大当り期待度が極めて高い(大当りが確定する場合を含む)場合は特別図柄の可変表示から1000ms遅れて開始されるようにしてもよい。このようにすれば、変動開始時の処理の負担を軽減することができるとともに、遅れる時間が長くなるほど多くの予告や大当りを期待でき、遊技の興趣が向上する。
また、特定演出が実行されるときに、対応情報の可変表示は識別情報の可変表示の開始に対応して開始される一方で、装飾情報の可変表示は識別情報の可変表示の開始に対応して開始されないようにする制御は、第1可変表示手段と第2可変表示手段のうち、いずれか一方の可変表示手段についてのみ実行されるようにしてもよい。そのようにしても、双方の可変表示手段について実行させない場合に比べれば、変動開始時の処理の負担を軽減することができる。
また、特定演出が実行されるときに、対応情報の可変表示は識別情報の可変表示の開始に対応して開始される一方で、装飾情報の可変表示は識別情報の可変表示の開始に対応して開始されないようにする制御は、所定の遊技状態(例えば、高確率状態等)においてのみ実行されるようにしてもよい。そのようにしても、遊技状態に関わらず実行させない場合に比べれば、変動開始時の処理の負担を軽減することができる。
さらに、変動開始時の処理の負担を軽減することができ、また、特別演出による演出の面白みを向上させることができる遊技機の形態の一例として、可変表示(特別図柄、飾り図柄、背景図柄の可変表示等)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(小当り遊技状態、大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、第1可変表示(第1特別図柄の可変表示等)を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段(第1特別図柄表示器908a等)と、第2可変表示(第2特別図柄の可変表示等)を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段(第2特別図柄表示器908b等)と、未だ開始されていない前記第1可変表示に関する情報を第1保留記憶情報として記憶する第1保留記憶手段(RAM9055、図37の第1保留記憶バッファ等)と、未だ開始されていない前記第2可変表示に関する情報を第2保留記憶情報として記憶する第2保留記憶手段(RAM9055、図37の第2保留記憶バッファ等)と、未だ開始されていない前記第2可変表示について前記有利状態に制御されるか否かを判定する先読み判定手段(演出制御用マイクロコンピュータ90200、図53のステップ155FS520等)とを備え、前記第1可変表示手段と前記第2可変表示手段とが同時に可変表示可能であり(図25のS9026A,S9026B等)、前記第1可変表示の実行中に前記第2可変表示に基づいて前記有利状態に制御されるときは、当該第1可変表示について、可変表示を中断した後、当該有利状態の終了後に、中断した前記第1可変表示を再開可能とする中断手段(遊技制御用マイクロコンピュータ90560、図35のステップ155FS314〜ステップ155FS316等)と、前記第2可変表示に基づいて前記有利状態に制御されているときに、前記先読み判定手段により未だ開始されていない前記第2可変表示について前記有利状態に制御されると判定されたことに基づいて、特別演出(保留連報知演出)を実行可能(図51(c)等)である特別演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90200、図53のステップ155FS534等)と、前記第1可変表示の実行中(図53のステップ155FS521でY等)に前記第2可変表示に基づいて前記有利状態に制御されたときには、当該有利状態において前記特別演出の実行を制限する(図53のように実行しない等)特別演出制限手段(演出制御用マイクロコンピュータ90200、図53のステップ155FS521等)とをさらに備える遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図18はパチンコ遊技機(弾球遊技機)901を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図18に示すように、パチンコ遊技機901は、額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口9013に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部909aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口9014に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部909bという。)と、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部909cという。)とがある。
可変表示は、変動表示または変動とも呼ばれ、前述の確変図柄の他に、第1特別図柄、第2特別図柄、背景図柄、普通図柄等の各種識別情報としての図柄を動作させる表示として実行される。可変表示態様としては、スクロール表示、および、その場切換え表示等の各種変動パターンでの表示態様が含まれる。
なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄表示部909cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909b)に対して1つの背景図柄表示部909cが設けられ、背景図柄表示部909cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置909(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置909の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)908aおよび第2特別図柄表示器908bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器908aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aの近傍には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器908bの近傍には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部909aは、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部909bは、第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部909aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部909bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。第1特別図柄表示器908aおよび第1可変表示部909aによる可変表示は、第1可変表示と呼ばれる場合がある。第2特別図柄表示器908bおよび第2可変表示部909bによる可変表示は、第2可変表示と呼ばれる場合がある。
演出表示装置909の表示画面には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部9018cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部9018cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部9018cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部9018cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部9018cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を1にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が1である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が0である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を1にし、合算保留記憶数の上限値を5にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。第1始動口スイッチ9013aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置909の右方には、ゲート9032が設けられている。ゲート9032を通過した遊技球は、ゲートスイッチ9032aによって検出される。また、ゲート9032の下方には、作動ゲート9017が設けられている。作動ゲート9017を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ9017aによって検出される。
作動ゲート9017の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する遊技者に有利な有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ9023aで検出される。第1カウントスイッチ9023aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置9020の下方には、小当り用の特殊入賞口9024を形成する特殊可変入賞球装置9022と、第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015とが設けられており、図18に示すように、左側に特殊可変入賞球装置9022が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置9015が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口9024や第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置9022は、第2特別図柄表示器908bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口9024を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置9015は、普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口9014を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図18に示すように、可変入賞球装置9015と比較して特殊可変入賞球装置9022の方が若干大きい。また、図18に示すように、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置9020に入賞することなく遊技領域907を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置9015の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置9015の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口9014が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞し、特殊可変入賞球装置9022の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口9014が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置9015の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置9022の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置9022の底面部材が後退移動されて特殊入賞口9024が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口9024に入賞する。さらに、特殊入賞口9024も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置9022の底面部材の上を移動して、そのままアウト口9026の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図18に示すように、特殊可変入賞球装置9022が左側に配置され、可変入賞球装置9015が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置9015の方から特殊可変入賞球装置9022の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置9015の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置9022の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口9024内には、特殊入賞口9024内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ9025a、図22参照)が設けられている。第2カウントスイッチ9025aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置9022において開状態となった特殊入賞口9024を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口9013や第2始動入賞口9014といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置9022が開放制御されて特殊入賞口9024が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖制御されて特殊入賞口9024が閉状態となれば、特殊入賞口9024に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口9014内には、第2始動入賞口9014内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ9014aが設けられている。第2始動口スイッチ9014aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
この実施の形態では、第1始動入賞口9013が、遊技領域907の左方に打込まれた遊技球の方が、遊技領域907の右方に打込まれた遊技球よりも進入しやすくなるように遊技釘が設定されているため、大当り遊技中および後述するKT状態中を除く通常の遊技状態である場合に、遊技者は遊技領域907の左方を狙って発射操作(いわゆる左ち操作)を行う。一方、ゲート9032、作動ゲート9017、特別可変入賞球装置9020(大入賞口)、可変入賞球装置9015(第2始動入賞口9014)、および特殊可変入賞球装置9022(特殊入賞口9024)が遊技領域907の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域907の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、例えば、演出表示装置909において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置909の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028bおよび右枠ランプ9028cが設けられている。また、左枠ランプ9028bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ9051が設けられ、右枠ランプ9028cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ9052が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル905を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部909aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部909bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置9020が開放される。特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置9020の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置9020の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。この実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、遊技者にとって有利な有利状態としての小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置9022が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、この実施の形態では、小当り遊技状態とは、大当り遊技状態と比較すると有利度が低い(本例では、獲得できる出玉が少ない)ものの遊技者にとって有利な有利状態としての遊技状態であり、小当り遊技状態の前と後とで遊技状態が他の遊技状態に遷移しないものである。小当り遊技状態では、1回の入賞により15個の賞球が払出される。
このように、この実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、第1遊技価値(可変入賞球装置9020の開放等)を遊技者に付与可能な第1価値付与可能状態(大当り遊技状態等)と、当該第1価値付与可能状態よりも少ない第2遊技価値(特殊可変入賞球装置9022の開放等)を遊技者に付与可能な第2価値付与可能状態(小当り遊技状態等)とを含む。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、この実施の形態における遊技状態について説明する。まず、この実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置9022が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置9015が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、この実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域907の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口9013への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口9014への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS902208B,S902209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器908aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部909cでは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部909cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とは同時に可変表示可能である。第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部909cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部909cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図19〜図21は、特殊可変入賞球装置9022を示す図である。以下では、図19〜図21を参照して特殊可変入賞球装置9022について説明する。なお、この実施の形態については、図19〜図21を用いて特殊可変入賞球装置9022の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置9022よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置9015の構造も特殊可変入賞球装置9022の構造と同様である。
図19〜図21に示すように、特殊可変入賞球装置9022は、左右方向に長い矩形板状のベース板部90101を備えている。特殊可変入賞球装置9022は、このベース板部90101が遊技領域907に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域907に固定支持される。ベース板部90101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口9024(可変入賞球装置9015の場合は第2始動入賞口9014)が形成されるとともに、ベース板部90101における特殊入賞口9024よりも上方の位置には、底面部材9023が後退移動した際に、底面部材9023を遊技領域907の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔90102が形成されている。なお、この実施形態において特殊入賞口9024は詳しくは、ベース板部90101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材9023は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔90102は、底面部材9023の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材9023は、図20に示す前進移動された状態と、図21に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部90101の背面側(後方)には、底面部材9023を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図19〜図21に戻り、ベース板部90101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部90112が形成されており、この流路形成台部90112の上部には、前進移動した状態の底面部材9023の上方側端部(右端部)である上流領域9023Uと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部90113と、底面部材9023の下方側端部(左端部)である下流領域9023Lと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部90114とが形成されている。
また、流路形成台部90112の上部には、上流側流路部90113および下流側流路部90114の底面部材9023側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口9024を左右および下方から囲うようにして、底面部材9023の下方に落下した遊技球を特殊入賞口9024に案内する案内流路部90115が形成されている。
上流側流路部90113および下流側流路部90114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部90115の底部は、特殊入賞口9024側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口9024の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部90115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口9024側(遊技領域907の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部90116が配設されている。
またさらに、流路形成台部90112の前部(遊技者側)には、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆う被覆部90117が一体に形成されている。この被覆部90117は、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠902側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、この実施形態では、被覆部90117が流路形成台部90112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置9022では、ベース板部90101と被覆部90117との間において、上流側流路部90113、底面部材9023、および下流側流路部90114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、この実施形態では、ベース板部90101および被覆部90117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片90118が形成されている。
この実施形態において、規制片90118は、ベース板部90101および被覆部90117に一体形成され、ベース板部90101から前方に突出する、または被覆部90117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片90118がない場合よりも遅延させる。これら規制片90118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部90101および被覆部90117に交互に形成されている。また、規制片90118は、底面部材9023の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、この実施形態では、被覆部90117のうちの上流側流路部90113を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されるとともに、被覆部90117のうちの下流側流路部90114を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されている。また、ベース板部90101および被覆部90117のうちの底面部材9023を覆う部位には、ベース板部90101および被覆部90117に交互に形成された規制片90118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片90118の数は、特段限定されるものではない。また、この実施形態では、規制片90118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部90117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片90118の配置により、図20を参照し、この実施形態の特殊可変入賞球装置9022(および同様に構成された可変入賞球装置9015)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)を基本的に通過する。一方で、図21を参照し、底面部材9023が後退移動した特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部90112の案内流路部90115に落下することが可能となり、この案内流路部90115を流下して、特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞することが可能となる。
図22は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図22には、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載され、特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021、特殊可変入賞球装置9022を開閉するソレノイド90106、および可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド90206を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ90560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。なお、主基板9031には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部909cと、図柄保留記憶表示部9018cとの表示制御を行う。
図23は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図23に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90202および入力ポート90203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90209に、演出表示装置909の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90202に入力する。入力ドライバ90202は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図23には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図22に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90205を介してランプドライバ基板9035に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90204を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ90351を介してランプドライバ90352に入力される。ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028b、右枠ランプ9028cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ9025に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022内に特殊入賞口ランプ9024aが設けられており、ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ9024aに供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入出力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU90201とランプドライバ基板9035および音声出力基板9070との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置909に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU90201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP90209に出力する。VDP90209は、演出制御用CPU90201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置909の表示制御を行うVDP90209が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90209は、演出制御用マイクロコンピュータ90200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90209は、VRAM内の画像データを演出表示装置909に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図23に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など)を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070やランプドライバ基板9035にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図24は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップFS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップFS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS904)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理を実行する(ステップS9010〜ステップS9015)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS908)。ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9091)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9092)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9091およびS9092の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9093)、その内容に従って演出制御基板9080に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップFS9094)。そして、ステップS9015に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9013)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS9014)。初期化コマンドとして、演出表示装置909に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップFS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図25に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bについては、ステップS9032で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
図26は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2´:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5´:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6´:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7´:ランダム1´の初期値を決定する(ランダム1´初期値決定用)
(6)ランダム8´:ランダム6´の初期値を決定する(ランダム6´初期値決定用)
図25に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2´)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器908aや特別可変入賞球装置9020を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器908bや特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU9056は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9026C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器9010や可変入賞球装置9015を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU9056は、保留記憶処理を行う(ステップS9027a)。保留記憶処理では、CPU9056は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU9056は、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、例えば、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013aまたは第2始動口スイッチ9014aからの検出信号を入力した場合には、賞球数1個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。また、例えば、CPU9056は、第1カウントスイッチ9023aまたは第2カウントスイッチ9025aからの検出信号を入力した場合には、賞球数15個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口9024に遊技球が入賞して第2カウントスイッチ9025aで検出されても、後述する賞球増加表示の表示や入賞演出が直ちに実行されず遅れて実行される場合があるのであるが、賞球の払い出しに関しては、ステップS9030の賞球処理において、第2カウントスイッチ9025aからの検出信号を入力した場合には、直ちに賞球数15個を指定する払出制御コマンドが出力され、払出制御用マイクロコンピュータによって球払出装置9097が駆動されて直ちに15個の賞球が払い出される。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU9056は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図27(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図27(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図27(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図27(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図27(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1´と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図27(B)に記載されている各数値が設定されている。また、図27(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当り決定処理(図45のステップS90162B参照)が行われて小当りとなる場合があるとともに、既に説明したように、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなっている。従って、この実施の形態では、KT状態において、大当り遊技状態よりも小当り遊技状態に制御される頻度が高くなっている。
CPU9056は、所定の時期に大当り判定用乱数(ランダム1´)の値を抽出して、その大当り判定用乱数値が図27(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、その大当り判定用乱数値が図27(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図27(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図27(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、図27(B)に示すように、小当りになる確率(割合)は、122/487となるように設定されており、概ね1/4程度となるように設定されている。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図27(B)に示す小当り判定テーブルを用いた抽選処理を行い、概ね1/4程度の確率で小当りとすることに決定される(ただし、後述するように、強制はずれとされる場合がある)。
図28は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル90131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2´)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図28(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図28(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS902207A,S902208A,S902207B,S902210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS902208B,S902209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902210A,S902211A,S902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902213A,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902215B,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図29〜図31は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図29〜図31に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図29〜図31に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#28の28種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜28)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図29(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図29(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図29(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図29(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第1変動パターン#07のように、KT状態において第1特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となる場合には、図30(D)〜(F)および図31(G)〜(I)等に示すような、KT状態において第2特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となる場合と比べて、変動時間が長く設定されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図30(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図30(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#03のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、小当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#03が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口9024への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図30(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図30(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口9024への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図30(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図30(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#04〜#06のいずれかに決定される。
なお、図30(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#04に決定される。また、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#05(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置9015の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置9022内の特殊入賞口9024には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口9024に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御して特殊入賞口9024への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図30(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図30(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#07〜#11のいずれかに決定される。また、図30(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#07に決定される場合がある。また、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#09に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれや小当りと決定し、第2変動パターン#08や第2変動パターン#10にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置9における背景図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図30(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図30(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#12〜#14のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置909において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図30(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目としてはずれや小当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#12や第2変動パターン#13に決定される。また、図30(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#14に決定される。
なお、この実施の形態では、図29に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が5分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、5分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図31(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図31(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#15〜#19のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図31(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#15に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#17)に決定される場合がある。また、図31(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#19が決定される。また、図31(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#16や第2変動パターン#18が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図31(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図31(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#20〜#24のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図31(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#20に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#22に決定される場合がある。また、図31(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#24が決定される。また、図31(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#21や第2変動パターン#23が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図31(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図31(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#25〜#28のいずれかに決定される。
なお、図31(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25に決定される場合がある。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#27に決定される。また、図31(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される場合がある。また、図31(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#28が決定される。
図29(B)の第1変動パターン#07のように、KT状態において第1特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となる場合には、図30(D)〜(F)および図31(G)〜(I)等に示すような、KT状態において第2特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となる場合と比べて、変動時間が長く設定されているので、後述する図51等で示すようなKT状態における特別演出である第2特別図柄での小当りの保留連報知演出を実行する場合に、保留連報知演出を実行したにもかかわらず、第1特別図柄の変動表示による大当りが先に発生してしまうのを防ぐことができる。より具体的には、第1特別図柄の可変表示と、小当りとなる第2特別図柄の可変表示とが同時に実行開始されても、第2特別図柄の可変表示の小当りが確実に消化される。
また、図29(B)のKT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間(2秒)は図29(A)の非KT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間のうちの最短時間(15秒)よりも短い等、KT状態のような所定状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間が、非KT状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間のうちの最短時間よりも短いことにより、第1可変表示をより早期に消化でき、第2可変表示を対象とした後述する保留連報知演出のような特別演出の実行が制限されにくくなるようにすることができる。
また、図29(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)が、図30および図31に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長いので、第2可変表示に関する後述する保留連報知演出のような特別演出を実行したにもかかわらず、第2可変表示に基づく小当り遊技状態よりも先に、第1可変表示に基づいて大当り遊技状態に制御されてしまうのを防ぐことができる。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置909において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#04,#07,#09,#15,#20,#22,#25,#27の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、例えば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。例えば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図30および図31に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図32は、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図32(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示し、図32(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示している。
まず、図32(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図32(1)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図32(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図32(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置9015が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図32(1)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図32(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置9022の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口9024に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図32(1)に示すように、可変入賞球装置9015の開放を終了した後、次の可変入賞球装置9015の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図32(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図32(2)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図32(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図32(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置9015が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図32(2)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置9015の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図32(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が進入しやすく特殊入賞口9024に遊技球が入賞しやすい。例えば、この実施の形態では、大当り遊技状態では1ラウンドあたり遊技球が最大で10球入賞可能であるのと比較すると遊技球の入賞頻度が低いものの、第2KT状態では1回の小当り遊技中に1〜3個程度遊技球が入賞することが可能である。
なお、この実施の形態において、「入賞頻度」とは、例えば、遊技領域907に発射した遊技球数に対して大入賞口や特殊入賞口9024への遊技球の入賞割合を示している。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置9015を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)によって普通図柄プロセス処理(ステップS9026C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS9026Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(例えば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置9015を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口9024への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置9015の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図32(1)に示すような可変入賞球装置9015を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図32(2)に示す可変入賞球装置9015を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置9015の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置9015がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置9015の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置9015を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置9015をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置9015の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置9015に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、図32に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置9015が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート9032を通過した遊技球が可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022に到達するまでに可変入賞球装置9015が開放せず、特殊入賞口9024の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート9032を通過してから可変入賞球装置9015に到達する前に可変入賞球装置9015の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
図33および図34は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図33に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
後述する第1始動口スイッチ通過処理(図35の155FS312)においては、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、第1始動入賞口9013への入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値等を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行なう。また、後述する第2始動口スイッチ通過処理(図44の155FS322)においては、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、第2始動入賞口9014への入賞時に、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りまたは小当りとなることを指定する値、および、大当りの種別等を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行なう。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ90200では、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、表示結果が小当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると図33および図34に示された内容に応じて第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示状態や背景図柄表示部909cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。なお、図33および図34に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板9031から演出制御基板9080に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板9031から演出制御基板9080に送信される。
図35は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS9026A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aおよび特別可変入賞球装置9020を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口9013に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップ155FS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップ155FS312)。
CPU9056は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かを、第1特別図柄プロセスフラグによって判定でき、第2大当り遊技が実行中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。すなわち、CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理で扱われる第2特別図柄プロセスフラグに基づいて、第2大当り遊技または第2小当り遊技が実行中であると判定する。
次に、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2特別図柄に関する大当り遊技状態および小当り遊技状態に対応する第2入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップ155FS314)、ステップ155FS315,ステップ155FS316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップ155FS317,ステップ155FS318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値である。よって、CPU9056のステップ155FS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップ155FS315では、CPU9056は、第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して第1中断指定コマンドを未送信であるという条件が成立するか否かを確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされている場合)には処理を終了する。一方、ステップ155FS315で、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合(第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされていない場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して第1中断指定コマンドを送信し(ステップ155FS316)、処理を終了する。ステップ155FS316では、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットする。演出制御用マイクロコンピュータ90200は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。
また、ステップ155FS314で第2入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値でない場合、すなわち、第2特別図柄に関する大当り遊技状態および小当り遊技状態に対応しない場合には、CPU9056は、送信済みフラグがセットされているか否かを確認することにより、ステップ155FS316による第1中断指定コマンドを送信した後か否かを確認する(ステップ155FS317)。第1中断指定コマンドを送信した後でないとき(第1飾り図柄の変動が中断されていないとき)は、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。一方、第1中断指定コマンドを送信した後であるとき(第1飾り図柄の変動が中断されているとき)は、第1再開指定コマンドを送信し(ステップ155FS318)、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。ステップ155FS318では、第1中断指定コマンドの送信時にステップ155FS316でセットされた送信済みフラグをリセットする。演出制御用マイクロコンピュータ90200は、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップ155FS314〜ステップ155FS318により、第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示の実行中に第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示に基づいて大当り遊技状態または小当り遊技状態のような有利状態に制御されるときは、第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示について、可変表示を中断した後、当該有利状態の終了後に、中断した第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示を再開可能とする制御が実行される。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS90300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS90301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS90303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS90304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304Aに対応した値(この例では8)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS9032)において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、作動ゲート9017への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート9017への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS90305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS90306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS90307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図36は、ステップ155FS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS90212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90214)。次いで、CPU9056は、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図37参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS90215)。なお、ステップS90215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1´)、大当り種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム5´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5´)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
次に、S90215で抽出した乱数等に基づいて、変動開始時と同様の大当り判定および変動パターン種別判定等を実行することにより、今回の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する(S90216)。
そして、S90216での判定結果に基づいて、今回の始動入賞に対応するコマンドとして、第1有効始動入賞指定コマンド(S90217)、図柄指定コマンド(S90218)、および、変動種別指定コマンド(S90219)を順次送信し、処理を終了する。
図37は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図37に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では1)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1´)、大当り種別判定用乱数(ランダム2´)、変動パターン決定用乱数(ランダム5´)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。第1保留記憶バッファの保留記憶情報は、第1保留記憶情報と呼ばれる。第2保留記憶バッファの保留記憶情報は、第2保留記憶情報と呼ばれる。
図38は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS90300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値が「0」となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値が「0」となっている場合とは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS9050A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU90560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS9051A)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS9052A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054A)。すなわち、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS9063A)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS9064A以降の処理を行うことなくステップS9068Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS9063Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1´)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS9065Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1´)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS9063Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS9064A〜S90161Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1´)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1´)を読み出し(ステップS9064A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066A)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS9067A)。そして、ランダム2´にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160A)、大当り種別を記憶し(ステップS90161A)、ステップS9068Aへ移行する。また、ステップS9066Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS9068Aへ移行する。
ステップS9063Aで第2特別図柄の大当り変動中でないと判定されるケースとしては、はずれとなる変動中と小当りとなる変動中とが含まれている。したがって、第2特別図柄が小当りとなる変動中においては、第2特別図柄について、ステップS9065Aによる大当り判定が実行可能である。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS9068Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS9068A)。なお、図示は省略したが、ステップS9068Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図39は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS90301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、遊技状態に応じて図29(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS90201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS90201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5´)とにもとづいて、図29に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS901700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS901701)。
また、ステップS901700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS901702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器908aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS901703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS901706)。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
図40は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS90303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS901121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901122A)、演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123A)。そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU9056は、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS901125A)。なお、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU9056は、ステップS901123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行うとともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
ステップS901125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS90302で送信された第1表示結果指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図35に示す第1特別図柄プロセス処理および図44に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップ155FS312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップ155FS322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS901125AのN)、そのまま処理を終了する。
図41は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS902010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU9056は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS902011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS902012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU9056は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS902013)、ステップS902014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS902014において、CPU9056は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU9056は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS902015)。
次いで、CPU9056は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS902017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS902018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS902019)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS902020)。
図42は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU9056は、作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS902501)。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していれば、CPU9056は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS902502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS902503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート9017を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ9017aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図43は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS902201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203A)、処理を終了する。
ステップS902204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205AのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902208A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902211A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902212A)。また、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902213A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS902214A)。
図44は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS9026B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器908b、特別可変入賞球装置9020、および特殊可変入賞球装置9022を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口9014に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップ155FS321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップ155FS322)。
CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理で扱われる第1特別図柄プロセスフラグに基づいて、第1大当り遊技が実行中であると判定可能である。
次に、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1特別図柄に関する大当り遊技状態に対応する第1入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップ155FS324)、ステップ155FS325,ステップ155FS326の処理を実行した後、第2特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップ155FS327,ステップ155FS328の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行う。この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値である。よって、CPU9056のステップ155FS324の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップ155FS325では、CPU9056は、第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して第1中断指定コマンドを未送信であるという条件が成立するか否かを確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされている場合)には処理を終了する。一方、ステップ155FS325で、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合(第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされていない場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して第1中断指定コマンドを送信し(ステップ155FS326)、処理を終了する。ステップ155FS326では、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットする。演出制御用マイクロコンピュータ90200は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。
また、ステップ155FS324で第1入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値でない場合、すなわち、第1特別図柄に関する大当り遊技状態に対応しない場合には、CPU9056は、送信済みフラグがセットされているか否かを確認することにより、ステップ155FS326による第1中断指定コマンドを送信した後か否かを確認する(ステップ155FS327)。第1中断指定コマンドを送信した後でないとき(第2飾り図柄の変動が中断されていないとき)は、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行う。一方、第1中断指定コマンドを送信した後であるとき(第1飾り図柄の変動が中断されているとき)は、第1再開指定コマンドを送信し(ステップ155FS328)、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行う。ステップ155FS328では、第1中断指定コマンドの送信時にステップ155FS326でセットされた送信済みフラグをリセットする。演出制御用マイクロコンピュータ90200は、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップ155FS324〜ステップ155FS328により、第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示の実行中に第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示に基づいて大当り遊技状態のような有利状態に制御されるときは、第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示について、可変表示を中断した後、当該有利状態の終了後に、中断した第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示を再開可能とする制御が実行される。
ステップS90350〜S90360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS90350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。また、大当りとしない場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90354Aに対応した値(この例では11)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(はずれとした場合(強制はずれとした場合を含む))には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS90354A):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、作動ゲート9017への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート9017への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS90355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS90356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS90357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS90358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置9022を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口9024に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド90106を駆動して特殊可変入賞球装置9022を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS90359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置9022の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022の開放時間0.8秒(図32参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ9025aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS90360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。
図45は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS90350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値が「0」となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値が「0」となっている場合とは、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置9022を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS9050B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第2保留記憶数が0であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS9051B)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS9052B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054B)。すなわち、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS9060Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS9063B)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS90162Bに進む。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1´)を読み出し(ステップS9064B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066B)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS9067B)。そして、ランダム2´にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160B)、大当り種別を記憶し(ステップS90161B)、ステップS9068Bへ移行する。
また、ステップS9063Bにおいて第1特別図柄の大当り変動中である場合と、ステップS9066Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS90162B)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数(小当り判定用の乱数でもよい)が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS90163B)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなることを示す小当りフラグをセットする(ステップS90164B)。そして、ステップS9068Bへ移行する。
そして、ステップS9068Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する。なお、図示は省略したが、ステップS9068Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図38の第1特別図柄通常処理では、第2特別図柄が大当り変動中の場合にのみ第1特別図柄の変動表示の実行が制限され、図45の第2特別図柄通常処理では、第1特別図柄が大当り変動中の場合にのみ第2特別図柄の変動表示の実行が制限される。したがって、特別な状態を除き、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に可変表示することが可能である。第1特別図柄と第2特別図柄との同時可変表示は、遊技者の発射操作の左右の打ち分け態様、および、遊技球の遊技領域7内での流下態様等により生じ得る。
また、図45の第2特別図柄通常処理においては、第1特別図柄が大当り変動中であるときには、大当り判定が実行されないが、小当り判定は実行可能である。これにより、第1特別図柄で大当りとなる変動表示と、第2特別図柄で大当りとなる変動表示とについては、同時に実行されない。第1特別図柄で大当りとなる変動中であるときに、第2特別図柄の変動表示は、小当りとなる変動表示またははずれ表示結果となる可変表示が実行される。そのような第2特別図柄で大当りとなる可変表示に基づく大当り遊技状態の終了後は、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に変動表示が実行可能となる。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351)は、図39に示した第1変動パターン設定処理(ステップS90301)と同様である。すなわち、図39に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか否か、小当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353)は、図40に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS90303)と同様である。すなわち、図40に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354)では、概ね図41に示した第1特別図柄停止処理(ステップS90304)と同様の処理が実行される。すなわち、図41に示す第1特別図柄停止処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、概ね第2特別図柄停止処理が説明されたことになる。ただし、第2特別図柄停止処理では、小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2小当り開放前処理(ステップS90358)に対応した値に設定する。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS90354A)は、図42に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A)と同様である。すなわち、図42に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
図46は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS90357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS902201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203B)、処理を終了する。
ステップS902204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205BのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207B)する。次いで、CPU9056は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS902208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS902208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902210B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
ステップS902208B〜S902210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902213B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902214B)。また、CPU9056は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902215B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
そして、CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS90350)に対応した値に更新する(ステップS902216B)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図47は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90201は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS90704)。次いで、演出制御用CPU90201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部909aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部909bの表示制御を実行する。また、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS90706)。また、大入賞口への入賞により獲得した賞球数を示す賞球数表示の表示を制御する賞球数表示処理を実行する(ステップS90707)。また、図柄保留記憶表示部9018cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS90708)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90709)。その後、ステップS90702に移行する。
図48〜図50は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。なお、この実施の形態では、ステップS90622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS90623)、演出制御用CPU90201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90624)。なお、この実施の形態では、ステップS90624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS90625)、演出制御用CPU90201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS90627)、演出制御用CPU90201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS90630)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90631)。また、演出制御用CPU90201は、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグがセットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90632)。また、演出制御用CPU90201は、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数をカウントするための賞球数カウンタをリセットする(ステップS90633)とともに、演出表示装置909において賞球数表示が表示されていれば、賞球数表示を消去する制御を行う(ステップS90634)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS90635)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90636)。また、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS90637)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグがセットされていれば、確変状態フラグや第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90638)。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS90640)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90641)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS90642)。また、演出制御用CPU90201は、第2KT状態フラグがセットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90643)。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS90645)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90646)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS90647)。また、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグがセットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90648)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90650)、演出制御用CPU90201は、大入賞口への遊技球の入賞が発生したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90651)とともに、賞球数カウンタに15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90653)、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口9024への遊技球の入賞が発生したことを示す特殊入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90654)とともに、賞球数カウンタに15(特殊入賞口9024への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90655)。
なお、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が入賞したときと特殊入賞口9024に遊技球が入賞したときとで賞球数が同じ15個である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大入賞口に遊技球が入賞したときには賞球数を15個とする一方で、特殊入賞口9024に遊技球が入賞したときには賞球数を10個とするなど、賞球数を異ならせてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1有効始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90656A)、当該コマンドを受信したことを示す第1有効始動入賞フラグをセットし(ステップS90656B)、ステップS90611に移行する。受信した演出制御コマンドが第2有効始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90656C)、当該コマンドを受信したことを示す第2有効始動入賞フラグをセットし(ステップS90656D)、ステップS90611に移行する。
受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンドであれば(ステップS90656E)、第1始動入賞口9013への始動入賞と、第2始動入賞口9014への始動入賞とのどちらの始動入賞時の図柄指定コマンドであるかを、S90656A〜S90656Dでセットされる第1,第2有効始動入賞フラグのどちらがセットされているかに基づいて判断し、第1始動入賞時受信コマンドバッファまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファに、受信したコマンドにより指定された図柄指定データを格納し(ステップS90656F)、ステップS90611に移行する。
第1始動入賞時受信コマンドバッファは、第1有効始動入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、および、変動種別指定コマンドの受信に基づいて、第1始動入賞口9013への始動入賞順に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560での第1保留記憶情報と同様に、まだ実行されていない変動表示についての始動入賞時の大当り判定情報および変動パターン種別判定情報を4つ記憶するバッファ領域である。
第2始動動入賞時受信コマンドバッファは、第2有効始動入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、および、変動種別指定コマンドの受信に基づいて、第2始動入賞口9014への始動入賞について、遊技制御用マイクロコンピュータ90560での第2保留記憶情報と同様に、まだ実行されていない変動表示についての始動入賞時の大当り判定情報、小当り判定状態、および、変動パターン種別判定情報を1つ記憶するバッファ領域である。これらのバッファ領域は、演出制御用マイクロコンピュータ90200のRAMに設けられている。
第1始動入賞時受信コマンドバッファに格納された情報は、対応する変動表示が実行されたものが消去されるとともに、格納場所がシフトされ、新たな空き領域に新たな第1始動入賞に関する情報が格納される。第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納された情報は、対応する変動表示が実行されたものが消去されるとともに、新たな空き領域に新たな第2始動入賞に関する情報が格納される。
受信した演出制御コマンドが変動種別指定コマンドであれば(ステップS90656G)、第1始動入賞口9013への始動入賞と、第2始動入賞口9014への始動入賞とのどちらの始動入賞時の図柄指定コマンドであるかを、S90656A〜S90656Dでセットされる第1,第2有効始動入賞フラグのどちらがセットされているかに基づいて判断し、第1始動入賞時受信コマンドバッファまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファに、受信したコマンドにより指定された変動種別指定データを格納し(ステップS90656H)、ステップS90611に移行する。これにより、第1始動入賞時受信コマンドバッファには、始動入賞順に、大当り判定結果、および、変動種別判定結果が関連付けられて最大4つ記憶される。一方、第2始動入賞時受信コマンドバッファには、大当り判定結果、および、変動種別判定結果が関連付けられて1つだけ記憶される。
このような第1始動入賞時受信コマンドバッファおよび第2始動入賞時受信コマンドバッファへの始動入賞時の各種判定データが保留記憶情報に対応して記憶されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90200においては、遊技制御用マイクロコンピュータ90560と同様に、第1保留記憶情報および第2保留記憶情報を認識可能となる。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS90660)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において客待ちデモンストレーション表示を開始する制御を行う(ステップS90661)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS90670)。そして、ステップS90611に移行する。
[KT状態中の保留連報知演出]
次に、この実施の形態におけるKT状態中の保留連報知演出について説明する。この実施の形態では、第1KT状態および第2KT状態のようなKT状態中において、有利状態に制御されているときに、第2保留記憶情報を先読みして、未だ開始されていない第2可変表示について前記有利状態に制御されると判定されたことに基づいて、特別演出として保留連報知演出を実行する場合がある。
この実施の形態では、保留連報知演出として、有利状態として小当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が小当り表示結果となるときに特別演出を実行する小当りの保留連報知演出を実行する例を説明する。なお、保留連報知演出としては、有利状態として小当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が大当り表示結果となるときに特別演出を実行する大当りの保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
また、保留連報知演出としては、有利状態として大当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が小当り表示結果となるときに特別演出を実行する小当りの保留連報知演出を実行するようにしてもよい。また、保留連報知演出としては、有利状態として大当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が大当り表示結果となるときに特別演出を実行する大当りの保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
次にKT状態中の演出について説明する。この実施の形態では、大当り遊技状態の終了後、第1KT状態または第2KT状態のような小当りが発生しやすいKT状態となる場合がある。前述のように、第1KT状態では小当りが発生しても特殊入賞口への入賞による出玉(賞球)を獲得しにくく、持ち球が増えにくい。一方、第2KT状態では小当りが発生すると特殊入賞口への入賞による出玉(賞球)を獲得しやすく、持ち球が増えやすい。
図51は、KT状態中に演出表示装置909で実行される演出を示す演出図面である。大当り遊技状態の終了後にKT状態となったときには、図51(a)に示すような、KT状態中の画面となる。KT状態では、図51(a)に示すように、演出表示装置909において、右打ち操作がされるので、主に、第2可変表示部909bと、背景図柄表示部909c(左・中・右の3つの表示領域)とで可変表示が実行される(図柄中下向きや矢印は変動中状態を示す)。また、演出表示装置909での画面の左上には、大当りで獲得した獲得出玉とKT状態中の出玉との合計数を示す合計獲得画像90194が表示される。また、画面の右側には、現在KT状態中であることを示す「RUSH」の文字が表示される。
図51(a)の変動状態から小当り表示結果となる場合には、図51(b)のように、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。なお、図51(b)の白抜きの偶数図柄は、青色である。また、画面の中央下部では、小当り中に獲得した出玉がたとえば「+15」という文字の第1獲得画像90197として表示される小当り出玉獲得演出が実行される。
図51(b)に示すように、小当り遊技状態となったときに、特殊可変入賞球装置9022への遊技球の入賞が検出されると、特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞したことを報知する第1獲得画像90197が表示される。このような小当り出玉獲得演出が実行されれば、遊技球を獲得したことが明確に報知されるので、小当り状態に制御されたことが分かり易く、また、演出に勢いを付けることができる。よって、小当り状態に制御されたときの興趣を向上することができる。
また、図51(a)の変動状態から小当り表示結果となる場合であり、かつ、第2保留記憶情報に小当り状態に制御される保留記憶情報があるときは、図51(c)のような小当り出玉獲得演出が行われる。図51(c)では、図51(b)と同様に、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。そして、小当り遊技状態となったときに、特殊可変入賞球装置9022への遊技球の入賞が検出されると、特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞したことを報知する第1獲得画像90197を表示する代わりに、画面の中央下部には、特別演出として、小当り中に獲得した出玉が「GET」という文字の第2獲得画像90198として表示する小当り出玉獲得演出が実行される。このような第2保留記憶に小当り状態に制御される保留記憶情報があるときに実行される出玉獲得演出(この例では「GET」の文字の第2獲得画像90198を表示する演出)は、保留記憶情報に小当り状態に制御される保留記憶があることを報知する保留連報知演出と呼ばれる特別演出である。
図51(c)に示すように、小当り状態中において第2保留記憶情報に小当り状態に制御される保留記憶情報があるときには、その旨を報知する保留連報知演出が実行されることにより、図51(c)に示すように小当り状態中において第2保留記憶情報に小当り状態に制御されると判定された保留記憶情報がない場合の第1獲得画像90197と、第2保留記憶情報に小当り状態に制御されると判定された保留記憶情報がある場合の第2獲得画像90198とは、異なる態様で表示される。このようにすれば、小当り状態に制御されると判定された第2保留記憶情報がある場合に、遊技者に特別感を与えることができる。よって、今後の遊技状態に期待を持たせることができる。
次に、図51(a)の状態から、確変大当りとなったとき(高確率/第1KT状態または高確率/第2KT状態)には、図51(d)に示すような画面となる。図51(d)に示すように、表示結果として確変大当り状態に制御されることを示す「777」の奇数図柄の組合せよりなる確変大当り図柄が表示される。その後、図51(e)に示すように、確変大当りが開始され、確変大当りに対応する映像が表示される。なお、図40(d)の塗りつぶしの奇数図柄は、赤色である。なお、小当りによる出玉獲得が望めない高確率/第1KT状態と小当りによる出玉獲得が望める高確率/第2KT状態とでは、確変大当り図柄の種類を異ならせてもよい。たとえば、高確率/第1KT状態となるときには、「333」の奇数図柄で表示し、高確率/第2KT状態となるときには、「777」で表示することで特別感を出すことができる。また、「3」図柄と「7」図柄とで数字の色を異ならせてもよい。
また、図51(a)の状態から、通常大当りとなったとき(低確率/第1KT状態)には、図51(f)に示すように、KT状態の終了を示す「END」の図柄が表示される。そして、図51(g)に示すように、通常大当りの大当り遊技状態が開始され、通常大当りに対応する映像が表示される。また、通常大当り終了後に、100回の低確率/第1KT状態の変動が終了すると、非KT状態に制御される。
図51に示すように、表示結果には、図51(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果と、図51(d)に示す赤図柄の組合せから構成される確変大当り表示結果とが含まれる。そして、小当り表示結果が導出表示されたときには小当り状態に制御され、確変大当り表示結果が導出表示されたときには大当り状態に制御される。このように、小当り表示結果であるか大当り表示結果であるかにより表示結果を異ならせることで、制御される遊技状態を分かり易く示すことができる。
このように、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されているときに、先読みにより未だ開始されていない第2可変表示について、小当り遊技状態のような有利状態に制御されると判定されたことに基づいて、保留連報知演出のような特別演出が実行可能となることにより、特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
そして、特別演出として、小当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出を、図51(d)〜(g)の「1600GET」というような大当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出と異なる図51(c)の「GET」というような演出態様で実行することにより、保留連報知演出のような特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図51に示す保留連報知演出を実行するか否かを抽選により選択決定する保留連報知演出有無決定テーブルを説明する。図52は、保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。保留連報知演出有無決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ90200のROMに記憶されている。
図52の保留連報知演出有無決定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90200により更新される乱数の1つとしての保留連報知演出実行有無決定用の乱数SR2´(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「実行する」と「実行しない」とに割振られている。SR2´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2´の値の個数が示されている。保留連報知演出有無決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「実行する>実行しない」という大小関係の割合となるようにデータが設定されている。なお、その割合の大小関係は逆の割合であってもよい。
次に、図51に示したKT状態での小当り遊技状態において小当りの保留連報知演出を行なうために演出制御用マイクロコンピュータ90200で実行される処理を説明する。図47の背景図柄プロセス処理では、小当りに関するプロセスとして、小当り開放前演出処理のプロセスと、小当り開放中演出処理のプロセスと、小当り終了演出処理の大当りプロセスとが含まれている。小当り開放前演出処理のプロセスは、小当り遊技状態となって特殊入賞口9024が開放する前の演出を実行するためのプロセスである。小当り開放中演出処理のプロセスは、小当り遊技状態における特殊入賞口9024が開放中の演出を実行するためのプロセスである。小当り終了演出処理の大当りプロセスのプロセスは、小当り遊技状態における特殊入賞口9024の閉鎖後における小当りの終了演出を実行するためのプロセスである。これらのプロセスは、小当り開放前演出処理、小当り開放中演出処理、小当り終了演出処理という順番で実行される。小当り開放前演出処理は、小当り開始指定コマンドを受信したことに応じて実行される。小当り終了演出処理は、小当り終了指定コマンドを受信したことに応じて実行される。
図51に示したKT状態での小当り遊技状態において小当りの保留連報知演出は、小当り開放前演出処理の一部を構成する保留連報知演出設定処理と、小当り開放中演出処理の一部を構成する小当り出玉獲得演出処理とを用いて実行される。
図53は、保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理を示すフローチャートである。図53(A)に保留連報知演出設定処理が示され、図53(B)に小当り出玉獲得演出処理が示されている。
図53(A)の保留連報知演出設定処理では、演出制御用CPU90201が以下のような処理を実行する。まず、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報があるか否かを、前述の第2始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づく保留先読みにより確認する(ステップ155FS520)。第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報がない場合は、処理を終了する。一方、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報がある場合は、第1飾り図柄プロセス処理(S90705A)で実行されているプロセスを確認することにより、第1特別図柄の変動中であるか否かを確認する(ステップ155FS521)。
第1特別図柄の変動中であるときは、処理を終了する。一方、第1特別図柄の変動中でないときは、前述の第1始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づく保留先読みにより、第1保留記憶数が1以上であるか否かを確認する(ステップ155FS522)。第1保留記憶数が1以上であるときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶数が1以上でないときは、SR2´の値を抽出し、図52の保留連報知演出有無決定テーブルを用いて保留連報知演出の実行の有無を選択決定する(ステップ155FS523)。次に、保留連報知演出の実行有に決定されたか否かを確認する(ステップ155FS524)保留連報知演出の実行有に決定されていない(実行無に決定)ときは、処理を終了する。一方、保留連報知演出の実行有に決定されたときは、保留連報知演出有フラグをセットし(ステップ155FS525)、処理を終了する。
このように、KT状態における小当り遊技状態において、第2保留記憶情報に小当り表示結果となる保留記憶情報があるときには、抽選により100%未満の所定割合で保留連報知演出が実行可能となるように、保留報知演出を実行するか否かが決定される。なお、KT状態における小当り遊技状態において、第2保留記憶情報に小当り表示結果となる保留記憶情報があるときには、100%の割合で保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
また、ステップ155FS521により、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されたときには、当該有利状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。これにより、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのを低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
また、ステップ155FS522により、第1保留記憶数が1以上あるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されたときには、当該有利状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。このように、第2可変表示に基づいて有利状態に制御されているときに第1保留記憶情報が記憶されている場合も、特別演出の実行が制限されるので、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができる。
また、図28等に示すように、第1可変表示に基づく大当り遊技状態には、確変大当りと通常大当りとのような複数種類の大当り種別があるが、第2可変表示についての特別演出の実行の制限により、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、第1可変表示に基づく大当り遊技状態のような有利状態に制御されたときに、通常大当りの大当り遊技状態のように、有利状態のうち遊技者にとって不利な方の有利状態となった場合に、遊技の興趣が著しく低下するのを防ぐことができる。
図53(B)の小当り出玉獲得演出処理では、演出制御用CPU90201が以下のような処理を実行する。まず、特殊入賞口9024への入賞の検出が検出されたときに、特殊入賞口入賞指定コマンドの受信に基づいてセットされる特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ155FS530)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていないときは、処理を終了する。一方、特殊入賞口入賞フラグがセットされているときは、当該特殊入賞口入賞フラグをリセットする(ステップ155FS531)。この場合は、小当りの特殊入賞口9024開放中に入賞があった場合であるので、図51(b)または図51(c)のいずれかの表示態様で小当り時の出玉獲得演出を実行する。
特殊入賞口入賞フラグをリセットした後は、前述の保留連報知演出有フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ155FS532)。保留連報知演出有フラグがセットされてないときは、図51(b)に示すような保留連報知演出なしの小当り出玉獲得演出を設定して実行し(ステップ155FS533)、処理を終了する。一方、保留連報知演出有フラグがセットされているときは、図51(c)に示すような保留連報知演出ありの小当り出玉獲得演出を設定して実行し(ステップ155FS534)、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップ155FS535)、処理を終了する。
また、図53の保留連報知演出設定処理においては、第1特別図柄の変動中であるとき(155FS521)と、第1保留記憶数が1以上であるとき(155FS522)との2つの条件を、保留連報知演出を制限するために用いる例を示したが、これに限らず、これらのうちのいずれか1つの条件のみを保留連報知演出を制限する条件としても用いてもよい。
図51に示す大入賞口への入賞に基づく出玉獲得演出は、図47の賞球数表示処理において実行される。図53に示された保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理のような処理に基づいて実行されるKT状態における小当り出玉獲得演出および保留連報知演出は、図47の賞球数表示処理において、大当り遊技状態での出玉獲得演出とともに実行されるようにしてもよい。
図53のステップ155FS520〜155FS523、155FS532,155FS534等に示すように、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されているときに、先読み判定により第2可変表示について、小当り遊技状態に制御されると判定されたことに基づいて、保留連報知演出のような特別演出が実行可能となることにより、特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
[保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理の変形例]
次に、図53で説明した保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理の変形例を説明する。図54は、保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理の変形例を示すフローチャートである。
図54の処理が図53の処理と異なるのは、図53のステップ155FS521,ステップ155FS522の代わりに、ステップ155FS521A,ステップ155FS522Bが設けられていることである。図54(A)の保留連報知演出設定処理では、ステップ155FS520により第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報がある場合は、まず、前述の第1始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づく保留先読みにより、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるか否かを確認する(ステップ155FS521A)。第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報がないときは、第1特別図柄の変動中であるか否かを確認する(ステップ155FS522B)。第1特別図柄の変動中であるときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶数が1以上でないときは、図53と同様のステップ155FS523の処理を実行する。
なお、図54の保留連報知演出設定処理においては、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるとき(155FS521A)と、第1特別図柄の変動中であるとき(155FS522B)との2つの条件を、保留連報知演出を制限するために用いる例を示したが、これに限らず、これらのうちのいずれか1つの条件のみを保留連報知演出を制限する条件としても用いてもよい。
このような変形例では、ステップ155FS521Aにより、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されたときには、当該有利状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。これにより、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
図53および図54に示した保留連報知演出に関す演出制御のうち、図53の155FS521,155FS522、および、図54の155FS521A,155FS522Bに示すような保留連報知演出を制限する制御としては、演出を実行しない(演出実行禁止)例を示したが、これに限らず、演出の実行割合をある程度の割合で実行するが、実行する割合を所定割合よりも低くするようにしてもよい。つまり、図53および図54に示した保留連報知演出に関す演出制御のうち保留連報知演出を制限する制御としては、演出の実行を禁止制御の他に、演出の実行割合を低くする制御を実行するようにしてもよい。
[賞球数表示処理の変形例]
次に、賞球数表示処理(S90707)の変形例を説明する。以下に説明する賞球数表示処理においても、図51(c)に示したような保留連報知演出に関する演出制御(演出制限制御を含む)を実行してもよい。前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
また、前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置909の表示画面の中央付近において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第2KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第1KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
このような場合、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が行われるのであるが、KT状態を終了し低確率/非KT状態に戻ったときに賞球数カウンタの値がリセットされる(0にクリアされる)とともに賞球数表示の表示が終了するようになる。
図55〜図58は、賞球数表示処理(ステップS90707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU90201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90500)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU90201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS90501)、第1賞球増加演出の実行中であることを示す第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90502)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第1賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90506に移行する。
第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第1賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90503)。また、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90504)。そして、ステップS90510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が表示されているのであるが、賞球数表示が表示されているときに大入賞口や特殊入賞口9024に遊技球が入賞すると、賞球数表示で示される賞球数が1つずつ増加していくような態様の賞球増加演出が実行される。この実施の形態では、賞球増加演出には第1賞球増加演出〜第3賞球増加演出の3種類がある。第1賞球増加演出は、大当り遊技中に大当りパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第2賞球増加演出は、第1KT状態中に第1KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第3賞球増加演出は、第2KT状態中に第2KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的低速の第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。
この実施の形態では、大入賞口入賞フラグがセットされていた(大入賞口への入賞が発生した)ということは、大当り遊技中であり大当りパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90503において大当りパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度で賞球数が1ずつ増加していく第1賞球増加演出が開始される。
大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ)、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90505)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第1賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS90510に移行する。
ステップS90502またはステップS90505で第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第1賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS90506)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90507)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90508)。そして、ステップS90510に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90509)、第1賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90652参照)のであるが、ステップS90500〜S90509の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、1回の大入賞口への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の大入賞口への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の大入賞口への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第1賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第1賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも大当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
次いで、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90510)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口9024への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS90511)、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90512)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、ステップS90523に移行する。第2KT状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90513)。第1KT状態フラグもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、非KT状態中に稀に特殊入賞口9024への入賞が発生したとしても、そもそも賞球数表示が行われていないので、賞球増加演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。
第1KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態中であれば)、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出の実行中であることを示す第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90514)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第2賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90519に移行する。
第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第2賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90515)。また、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90516)。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態フラグがセットされていた(第1KT状態中)ということは、第1KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90515において第1KTパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく第2賞球増加演出が開始される。
特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口9024への入賞が発生していなければ)、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90517)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90533に移行する。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90518)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第2賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS90540に移行する。
ステップS90514またはステップS90518で第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第2賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS90519)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90520)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90521)。そして、ステップS90540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90522)、第2賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90655参照)のであるが、ステップS90510〜S90522の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第1KT状態中では1回の特殊入賞口9024への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口9024への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口9024への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第2賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第2賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも小当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
ステップS90512で第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909においてエフェクト演出を開始する制御を行う(ステップS90523)。次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出の実行中であることを示す入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90524)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、待機中の入賞演出の数をカウントするための入賞演出待機数カウンタの値を1加算する(ステップS90525)。そして、ステップS90529に移行する。
入賞演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、入賞演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS90526)とともに、演出表示装置909において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS90527)。また、演出制御用CPU90201は、入賞演出実行中フラグをセットする(ステップS90528)。そして、ステップS90529に移行する。
次いで、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90529)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90533に移行する。
第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を開始する制御を行う(ステップS90530)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90531)。また、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90532)。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態フラグがセットされていた(第2KT状態中)ということは、第2KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90531において第2KTパターンにより表示され拡大表示されている賞球数表示において第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく第3賞球増加演出が開始される。
ステップS90517またはステップS90529で第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90533)。なお、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS90523でエフェクト演出を開始するときに、エフェクト演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。エフェクト演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909においてエフェクト演出を終了する制御を行う(ステップS90534)。
次いで、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.5秒経過したか否か)を確認する(ステップS90535)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90536)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90537)。そして、ステップS90540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を終了する制御を行う(ステップS90538)。また、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90539)、第3賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90655参照)のであるが、ステップS90510,S90517,S90529〜S90532,S90535〜S90539の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、エフェクト演出が実行されるとともに賞球数表示が拡大表示され、第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第2KT状態中では1回の特殊入賞口9024への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.5秒×15=7.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口9024への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口9024への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第3賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて15.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。
ここで、この実施の形態では、第3賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第2速度が0.5秒と比較的遅いので、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球数が増加する演出が終了しない場合もある。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS90707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に第3賞球増加演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって第3賞球増加演出が継続して実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって第3賞球増加演出が実行されてもよい)。
次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90540)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90541)。なお、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS90527で入賞演出を開始するときに、入賞演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。入賞演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において入賞演出を終了する制御を行う(ステップS90542)。
次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS90543)。入賞演出待機数カウンタの値が0でなければ(すなわち、未実行の待機中の入賞演出があれば)、演出制御用CPU90201は、入賞演出待機数カウンタの値を1減算する(ステップS90544)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS90545)とともに、演出表示装置909において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS90546)。
入賞演出待機数カウンタの値が0であれば(すなわち、未実行の待機中の入賞演出がなければ)、演出用CPU90201は、入賞演出実行中フラグをリセットする(ステップS90547)。
この実施の形態では、ステップS90524〜S90528,S90540〜S90547の処理が実行されることによって、第2KT状態中に特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、賞球増加表示が表示されるとともに入賞演出が実行される。この場合、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口9024への入賞が発生する場合もありうるのであるが、そのような場合には実行中の入賞演出が終了するまで待機し、その実行中の入賞演出が終了してから次の賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する(遅れて賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する)。
ここで、この実施の形態では、賞球増加表示の表示や入賞演出が遅れて実行される場合があることから、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球増加表示の表示や入賞演出を実行できない場合も考えられる。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS90707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に賞球増加表示の表示や入賞演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行されてもよい)。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口9024への入賞が発生したときにエフェクト演出も実行されるのであるが、エフェクト演出に関しては特殊入賞口9024への入賞が発生したタイミングで直ちに実行される(ステップS90523,S90533,S90534参照)。
また、この実施の形態では、特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加表示の表示や入賞演出を実行する場合を示しているが、例えば、さらに特殊入賞口ランプ9024aを点灯表示させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行するように構成してもよい。この場合、一般入賞口への入賞が発生した場合には、賞球増加演出において一律に第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよいし、第2KT状態であれば一般入賞口への入賞が発生した場合であっても、賞球増加演出において第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよい。また、このように構成した場合であっても、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)であれば、一般入賞口への入賞が発生しても賞球増加演出を実行しないように構成してもよい。
次に、この実施の形態における賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図59〜図62は、賞球増加演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図59は、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図60は、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図61および図62は、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。なお、図59〜図62において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図59を用いて、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図59(A)に示す例では、大当り遊技中である場合には、演出表示装置909において、大当りパターンによる賞球数表示90300が表示されるとともに、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図59に示すように、大当りパターンによる賞球数表示90300として、演出表示装置909の表示画面の左下端部において賞球数表示90300を表示する場合が示されている。
次いで、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したものとする。この場合、図59(B)に示すように、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第1賞球増加演出が実行される(ステップS90500〜S90509参照)。この実施の形態では、第1賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図59(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第1賞球増加演出が終了する。
次に、図60を用いて、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図60(A)に示す例では、第1KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第1KTパターンによる賞球数表示90303が表示されるとともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示90304が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図60に示すように、第1KTパターンによる賞球数表示90303として、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示90303を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図60(B)に示すように、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第2賞球増加演出が実行される(ステップS90510〜S90522参照)。この実施の形態では、第2賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図60(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第2賞球増加演出が終了する。
次に、図61および図62を用いて、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図61(A)に示す例では、第2KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第2KTパターンによる賞球数表示90305が表示されるとともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示90306が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図61および図62に示すように、第2KTパターンによる賞球数表示90305として、演出表示装置909の表示画面の中央付近において賞球数表示90305を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図61(B)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS90523参照)とともに、賞球数表示90305の拡大表示が開始される(ステップS90530参照)。なお、図61(B)に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示90305の周囲に所定のエフェクト画像90307(例えば、キラキラ光るような態様の画像)が表示される場合が示されている。また、特殊入賞口9024への入賞が発生すると、図61(B)に示すように、賞球増加表示が表示される(ステップS90526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。なお、図61(B)に示す例では、入賞演出として所定のキャラクタ90308が表示される演出が実行されるとともに、賞球増加表示として「+15」などの文字表示90309が表示される場合が示されている。
また、図61(C)に示すように、演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出が開始され、第3賞球増加演出が開始される(ステップS90510,S90517,S90529〜S90539参照)。この実施の形態では、図61(C)〜図62(H)に示すように、第3賞球増加演出では、第1賞球増加演出や第2賞球増加演出と比較して、第2速度として比較的遅い速度(本例では、0.5秒)で賞球数表示の更新が行われる。
次いで、図61(D)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし(入賞演出は継続している)、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図62(E)に示すように、演出表示装置909においてエフェクト演出が開始される(ステップS90523参照)。ただし、この場合、まだ入賞演出の実行中であるので、新たな賞球増加表示の表示と入賞演出はまだ実行されない。
次いで、図62(F)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし、さらに、図62(G)に示すように、入賞演出を終了したものとする。そして、入賞演出を終了すると、未実行の待機中の入賞演出があることにもとづいて、図62(H)に示すように、遅れて賞球増加表示が表示される(ステップS90526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。
そして、その後、図62(E)で追加で発生した特殊入賞口9024への入賞にもとづく賞球数分も含めて全ての賞球数表示の更新が行われるまで、第2賞球増加演出が実行される。
なお、図61および図62に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示90305の周囲にキラキラ光るような態様のエフェクト画像90307を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト演出として、賞球数表示90305を覆うような態様の画像を表示するなど、何らかの形式で賞球数表示90305に作用するような態様の演出を実行するように構成してもよい。そのように賞球数表示90305に作用することにより、賞球数表示90305が視認しにくくなるような演出を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に獲得した賞球数にKT状態中に獲得した賞球数を加算して賞球数表示を行っていく場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り遊技中に獲得した賞球数とKT状態中に獲得した賞球数とを別々に表示するように構成してもよい。例えば、大当り遊技中である場合には、図59に示した態様で演出表示装置909の表示画面の左下端部に大当り遊技で獲得した賞球数を表示するとともに、図60に示した態様で演出表示装置909の表示画面の右上端部に第1KT状態中に獲得した賞球数も表示したり、図61(A)に示した態様で演出表示装置909の表示画面の中央付近に第2KT状態中に獲得した賞球数も表示したり(KT状態中に獲得した賞球数を別個独立に表示する)してもよい。
また、例えば、(1)KT状態が一旦終了して大当り遊技が開始するときに、KT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を消去し、大当り遊技中に表示する賞球数表示に合算して表示するように構成してもよいし、(2)KT状態を終了して非KT状態に移行するまでKT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を継続するように構成してもよい。なお、(2)の態様によれば、KT状態中のみの賞球の獲得数を認識することができることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングについて説明する。図63は、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図63に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、特殊入賞口9024が開放状態であるときに1つ目の入賞が発生すると、賞球数表示の拡大表示が開始され(ステップS90530参照)、1つ目の入賞に対する賞球数の更新表示が開始されて第3賞球増加演出が開始される(ステップS90510,S90517,S90529〜S90539参照)とともに、エフェクト演出が実行される(ステップS90523参照)。また、図63に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。
次いで、図63に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、第2賞球増加演出や入賞演出の実行中であるときに2つ目の入賞が発生すると、2つ目の入賞にもとづくエフェクト演出が直ちに実行されるとともに、2つ目の入賞で増加した分の賞球数も引き継いで第3賞球増加演出が継続して実行される。また、図63に示す例では、2つ目の入賞が発生したときに未だ入賞演出を実行中であることから、2つ目の入賞に対する入賞演出が直ちには実行されず、図63に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出を終了してから、遅れて2つ目の入賞に対する入賞演出が実行される。
そして、その後、特殊入賞口9024(特殊可変入賞球装置9022)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合や、全ての入賞演出を終了していなければ、図63に示すように、特殊入賞口9024の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出や入賞演出を継続して実行可能である。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図53のステップ155FS521により、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されたときには、当該有利状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。これにより、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのを低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
(2) 図28等に示すように、第1可変表示に基づく大当り遊技状態には、確変大当りと通常大当りとのような複数種類の大当り種別があるが、第2可変表示についての特別演出の実行の制限により、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、第1可変表示に基づく大当り遊技状態のような有利状態に制御されたときに、通常大当りの大当り遊技状態のように、有利状態のうち遊技者にとって不利な方の有利状態となった場合に、遊技の興趣が著しく低下するのを防ぐことができる。
(3) 図53のステップ155FS520〜155FS523、155FS532,155FS534等に示すように、特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 特別演出として、小当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出を、大当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出と異なる演出態様で実行することにより、保留連報知演出のような特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図53のステップ155FS522に示すように、第1保留記憶数が1以上あるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されたときには、当該有利状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)されるので、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができる。
(6) 図29に示すように、図29(B)のKT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間(2秒)は図29(A)の非KT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間のうちの最短時間(15秒)よりも短い等、KT状態のような所定状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間が、非KT状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間のうちの最短時間よりも短いことにより、第1可変表示をより早期に消化でき、第2可変表示を対象としたる保留連報知演出のような特別演出の実行が制限されにくくなるようにすることができる。
(7) 図29(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)が、図30および図31に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長いので、第2可変表示に関する保留連報知演出のような特別演出を実行したにもかかわらず、第2可変表示に基づく小当り遊技状態よりも先に、第1可変表示に基づいて大当り遊技状態に制御されてしまうのを防ぐことができる。
(8) 図54のステップ155FS521Aに示すように、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されたときには、当該有利状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)されるので、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
(9) また、図53のステップ155FS521により、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような有利状態に制御されたときには、当該有利状態において保留連報知演出のような特別演出の実行を制限(禁止)する制御を実行可能とし、図29(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)が、図30および図31に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長くなるように設定することにより、第2可変表示に関する保留連報知演出のような特別演出を実行したにもかかわらず、第2可変表示に基づく小当り遊技状態よりも先に、第1可変表示に基づいて大当り遊技状態に制御されてしまうのを防止することができる。これにより、特別演出による演出の面白みをより一向上させることができる。
なお、この実施の形態においては、「第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づいて有利状態に制御されるときは、当該第1可変表示について、可変表示を中断した後、当該有利状態の終了後に、中断した第1可変表示を再開可能とする中断手段」に対応する実施形態として、実行中の第1可変表示を強制的に外れ表示結果で停止表示させて当該第1可変表示を終了させ、第2可変表示に基づく有利状態の終了後に第1保留記憶数が0でない場合に次の第1可変表示を開始することによって可変表示を中断・再開するようにしたが、第1可変表示の可変表示自体は続行させ、第1変動時間タイマの減算処理(図40のステップS901121A)を行わないようにして第1変動時間タイマのタイムアウトに基づく表示結果の停止表示を行わせず、第2可変表示に基づく有利状態の終了後に第1変動時間タイマの減算処理を再開させ、再開された第1変動時間タイマの減算処理によって第1変動時間タイマがタイムアウトするまでの間、第1可変表示の可変表示を実行させることによって可変表示を中断・再開するようにしてもよい。つまり、第2可変表示に基づく有利状態の期間においては第1可変表示に基づく有利状態に制御されないようにすれば、実行中の第1可変表示を強制的に外れ表示結果で停止表示させてもよいし、第1変動時間タイマの減算処理を中断させるものの、見掛け上は第1可変表示が続行されるようにしてもよい。
[有利状態での保留連報知演出に関するその他の例]
次に、前述した有利状態および保留連報知演出のその他の例を説明する。前述の実施の形態では、有利状態において実行する保留連報知演出の一例として、小当り遊技状態に小当りとなる保留記憶情報を対象として保留連報知演出を実行する例を遊技者に有利な有利状態として小当り遊技状態における保留連報知演出を説明した。以下に、このような有利状態における保留連報知演出のその他の例を説明する。
(1) 第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき有利状態としての小当り遊技状態に制御されたときに、当該小当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出を実行する制御をしてもよい。
このような保留連報知演出を実行する場合には、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき有利状態としての小当り遊技状態に制御されたときに、当該小当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報と対象とした保留連報知演出の実行を制限する制御と同様の保留連の制限制御を、小当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出について適用してもよい。
(2) 第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき有利状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出を実行する制御をしてもよい。
このような保留連報知演出を実行する場合には、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき有利状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報と対象とした保留連報知演出の実行を制限する制御と同様の保留連の制限制御を、大当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出について適用してもよい。
(3) 第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき有利状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出を実行する制御をしてもよい。
このような保留連報知演出を実行する場合には、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき有利状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報と対象とした保留連報知演出の実行を制限する制御と同様の保留連の制限制御を、大当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出について適用してもよい。
(4) また、図29(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)を、図30および図31に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長い時間に設定する制御は、(1)〜(3)のそれぞれの演出制御をする遊技機に適用してもよい。
[その他の変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 図51等では、小当り遊技状態において保留連報知演出を実行しないときに「+15」というような賞球の獲得個数を直接示す表示をし、小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときに、「GET」というような賞球の獲得を示唆する表示をする例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときに、「GET」以外の表示をすることにより遊技者が保留連報知演出であることを認識可能となる演出をしてもよい。
(2) 図51等のような小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときには、「GET」というような賞球の獲得の示唆のみではなく、「GET15」というような賞球の獲得個数を示唆可能な表示をしてもよい。その場合には、「GET」という表示と「15」という表示とを別の表示領域で分けて表示してもよい。また、図51等のような小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときには、「GET」というような賞球の獲得の示唆のみではなく、「GET15」というような賞球の獲得個数を示唆可能な表示をしてもよい。
(3) 図34に示したように、保留記憶情報の先読み等に用いられる始動入賞時に出力される演出制御コマンド(図柄指定コマンド、変動種別指定コマンド)、第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドに伴なって出力されることにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応するコマンドであるかを示したが、これに限らず、たとえば、図柄指定コマンドおよび変動種別指定コマンドのそれぞれの上位バイトのデータまたは下位バイトのデータにより第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応するコマンドであるかを特定可能なものとしてもよい。
(4) 小当り表示結果としては、図51等に示すような通常の変動表示に用いられる数字の図柄以外の特定のキャラクタ、特定の文字、または、特定の図形等の小当り専用の識別情報(図柄)を導出表示させるようにしてもよい。
(5) 保留連報知演出は、図52等に示すように、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報があるときに、抽選により実行するか否かを選択する例を示したが、これに限らず、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報があるときには、100%の割合で必ず実行するようにしてもよい。
(6) 保留連報知演出は、図53(B)、図54(B)等に示すように、小当り開放中演出として実行する例を示したが、これに限らず、小当り終了時演出として実行してもよい。
(7) 前述の実施の形態では、また、保留連報知演出は、図53、図54等に示すように、2つのプログラム処理に分けた例を説明したが、1つのプログラム処理で実行するようにしてもよい。
(8) 前述の実施の形態では、また、保留連報知演出は、小当りの演出に関するプロセスで実行する例を示したが、図47の賞球数表示処理(S90707)において、実行するようにしてもよい。
(9) また、上記の各実施の形態では、複数回の大当りが連続した場合(いわゆる連荘時)において、連荘終了時に表示される結果表示では、大当り中に獲得した賞球数と、第2KT状態中のみにおいて獲得した賞球数と、総獲得数表示とを別々に画面上に大きく表示するようにしてもよい。これにより、どの遊技状態においてどのくらいの遊技球を獲得できたのかを認識することができる。
(10) また、上記の各実施の形態では、メイン表示装置とサブ表示装置とを設け、賞球表示の処理をいずれか一方または両方の表示装置において実行するようにしてもよい。
(11) また、上記の各実施の形態では、通常想定される1回の小当り遊技状態で獲得できる賞球数よりも多くの賞球があった場合に、演出の表示態様や音の態様を変化させるようにしてもよい。例えば、通常1回の小当りで特殊入賞口に2個の入賞による30個の賞球がある場合においては、特殊入賞口に3個以上の入賞があったときに、通常とは異なる演出の表示態様や音の態様としてもよい。
(12) なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(13) また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
(14) また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(15) また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(16) また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図22に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(17) また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
(18) また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
(19) また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
(20) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。