JP2019198573A - ガス処理装置 - Google Patents

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Koichi Takagi
克幸 ▲高▼橋
克幸 ▲高▼橋
Katsuyuki Takahashi
寺澤達矢
Tatsuya Terasawa
達矢 寺澤
進二 石田
Shinji Ishida
進二 石田
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Abstract

【課題】従来より簡略化されたガス処理装置を提供する。【解決手段】ガス処理装置は、空気中の有害成分を除去する。ガス処理装置は、ガス処理装置外の空気が導入されるリアクタと、リアクタ内にラジカルを生成する電極部を備えている。電極部は、高電位側電極が電源に接続されているとともに、低電位側電極が接地されている。このガス処理装置では、高電位側電極と低電位側電極の間の距離をa1(m)とし、高電位側電極の電圧上昇率(dV/dt)をa2としたときに、電源が、下記式(1)を満足するように電極間に電圧を印加する。a2/a1>1×1011・・・(1)【選択図】図1

Description

本明細書は、ガス処理装置に関する技術を開示する。
空気中の有害成分(有害ガス)を除去し、空気を浄化するガス処理装置が知られている。特許文献1には、コロナ放電によってラジカルを生成し、生成したラジカルを利用して有害ガスを分解するガス処理装置が開示されている。なお、特許文献1では、有害ガスは、ラジカルによって完全に分解されない。特許文献1では、ラジカルを利用して有害ガスを半励起状態にし、半励起状態の有害ガスを触媒に接触させ、有害ガスの分解を行う。すなわち、特許文献1は、触媒で有害ガスを効率的に分解するために、ラジカルを利用して前処理を行っている。
特開2000−279492号公報
特許文献1は、安全性及びエネルギー効率を考慮し、ラジカルによって半励起状態にした有害ガスを触媒に接触させるという方法を採用している。すなわち、特許文献1は、安全性等を考慮し、有害ガスの除去を、ラジカルと触媒を用いて行っている。特許文献1は、生成したラジカルによって有害ガスを完全に分解させないため、有害ガスの分解過程において副生成物も生じる。特許文献1のガス処理装置では、分解されずに残存した有害ガスに加え、分解過程で生じた副生成物も触媒で分解することが必要である。そのため、特許文献1のガス処理装置は、大型の触媒が必要となり、装置全体のサイズが大型化する。有害ガスの分解に寄与するラジカルを効率よく生成することができれば、触媒に達する空気に含まれる有害ガス及び副生成物の量が減少し、それらを分解するための触媒を小型化(あるいは、省略)することができ、ひいては装置を小型化することができる。本明細書は、有害ガスの分解に寄与するラジカルを効率よく生成することが可能なガス処理装置を提供することを目的とする。
本明細書で開示するガス処理装置は、空気中の有害成分を除去することができる。そのガス処理装置は、ガス処理装置外の空気が導入されるリアクタと、リアクタ内にラジカルを生成する電極部を備えていてよい。電極部は、高電位側電極が電源に接続されているとともに、低電位側電極が接地されていてよい。このガス処理装置では、高電位側電極と低電位側電極の間の距離をa1(m)とし、高電位側電極の電圧上昇率(dV/dt)をa2としたときに、電源が、下記式(1)を満足するように電極間に電圧を印加してよい。
a2/a1>1×1011・・・(1)
上記ガス処理装置では、電極間の電位差を急峻に変化(上昇)させる。具体的には、電極間の電圧変化の傾き(電圧上昇率)が、正弦波で電圧を印加したときの電圧上昇率よりも大きい。その結果、電極部の電界上昇率((d/dt)・(V/x))が、正弦波で電圧を印加したときの電界上昇率より大きくなる。なお、「x」は、電極間の距離、すなわち、放電ギャップ長である。本発明者の研究により、電極部の電界上昇率を大きくすると、印加した電圧に対する有害成分の処理量が増加することが判明した。すなわち、電界上昇率を大きくすることにより、電圧の大きさは変えることなく、多くの有害成分を分解することができるという知見が得られた。上記ガス処理装置は、この知見に基づくものであり、電極に対して正弦波よりも電圧変化の傾きが大きな波形で電圧を印加するものである。すなわち、上記ガス処理装置は、高い電界上昇率を用いた誘電体バリア放電によってストリーマ放電を発生させることにより、有害ガスの分解に寄与するラジカルを効率よく生成することができる。なお、上記式(1)は、従来よりも有害成分の分解効率(消費電力に対する有害成分の分解量の割合)が明確に向上する範囲を規定したものである。
上記ガス処理装置では、電源は、下記式(2)を満足するように電極間に電圧を印加してよい。
a2/a1>1×1014・・・(2)
上記式(2)は、電極に対して所謂パルス波で電圧を印加するものに相当する。上記式(2)を満足することにより、有害成分の分解効率をさらに向上させることができる。
上記ガス処理装置では、リアクタ内における空気の移動方向において、電極部より下流に、オゾン分解能を有する触媒が設けられていてよい。ラジカル生成に伴って生じたオゾンを除去することができる。なお、電極部の下方に触媒を配置するという技術は公知である。しかしながら、公知技術では、触媒は、有害成分とオゾンの双方を分解するために配置される。すなわち、従来のガス処理装置では、触媒は、有害成分を分解するための触媒成分とオゾンを分解するための触媒成分を備えていることが必要である。そのため、従来のガス処理装置では、大型の触媒が必要である。それに対して、上記ガス処理装置では、有害成分自体はラジカルによって分解されるので、触媒はオゾン分解能を有していれば足り、小型の触媒でよい。
ガス処理装置の概略図を示す。 図1のII−II線に沿った断面図を示す。 ガス処理装置の変形例を示す。 ガス処理装置の変形例を示す。 電界上昇率とラジカル生成量の関係を説明するための図を示す。 実施例のまとめを示す。
図1及び図2を参照し、ガス処理装置100について説明する。ガス処理装置100は、空気中の有害成分を分解し、空気から有害成分を除去することができる。例えば、ガス処理装置100は、揮発性有機化合物(VOC),菌類,野菜等から生じるエチレンガス等の空気中に含まれる有害成分を分解・除去するために用いられる。
ガス処理装置100は、リアクタ(反応容器)4と、電極部30と、導電管10を備えている。なお、詳細は後述するが、電極部30の一部を、導電管10の一部が兼ねている。リアクタ4は、円筒状であり、絶縁性(誘電性)を有している。特に限定されないが、リアクタ4の材料として、アルミナ等の金属酸化物、ホウケイ酸ガラス等の耐熱ガラスが挙げられる。
導電管10は、円筒状であり、リアクタ4内を通過している。導電管10は、両端がリアクタ4から突出した状態で、フランジ8(8a,8b)によってリアクタ4に固定されている。導電管10の一端は空気導入部10aを構成しており、他端は空気排出部10bを構成している。また、導電管10の中間部10cは、正極電極26(電極部30の一部)を構成している。導電管10の材料として、ステンレス鋼,アルミニウム(Al),銅(Cu),炭素(C),チタン(Ti),白金(Pt)等を用いることができる。導電管10(正極電極26)には、電源16が接続されている。
中間部10cに対向するように、リアクタ4の外側に負極電極28が設けられている。負極電極28は、テープ状の金属であり、リアクタ4の外周に巻き付けられている。負極電極28の材料として、正極電極26と同様に、ステンレス鋼,アルミニウム,銅(,炭素,チタン,白金等を用いることができる。負極電極28は、接地されている。正極電極26(導電管10の中間部10c)と負極電極28によって、電極部(電極対)30が構成されている。正極電極26と負極電極28は、誘電体(リアクタ4)を介して対向している。正極電極26と負極電極28の間の距離は、0.2mm〜10mmの間で調整される。なお、正極電極26は高電位側電極の一例であり、負極電極28は低電位側電極の一例である。
中間部10cの一端側(空気導入部10a側)に、開孔12が設けられている。また、中間部10cの他端側(空気排出部10b側)に、開孔14が設けられている。換言すると、導電管10が伸びる方向において、開孔12と開孔14の間が導電管10の中間部10cである。なお、開孔12,14は、導電管10の周方向に、間欠的に、複数設けられている。また、開孔12,14は、導電管10が伸びる方向において、フランジ8aと8bの間に設けられている。そのため、開孔12,14は、導電管10の内側の空間とリアクタ4内の空間20を連通している。導電管10が伸びる方向において、開孔12,14の間(すなわち、中間部10c)には、封止材6が充填されている。そのため、空気は、中間部10c内を移動することができない。封止材6として、シリコンゴム,フッ素ゴム等を用いることができる。なお、導電管10の開孔14より他端側に、触媒2が配置されている。触媒2については後述する。
導電管10は、送風機(図示省略)に接続されている。そのため、送風機を駆動すると、ガス処理装置100外の空気が、空気導入部10aから導電管10内に導入される。上記したように、中間部10cには封止材6が充填されている。そのため、空気導入部10aから導入された空気は、開孔12を通じて導電管10の外部(リアクタ4内の空間20)に移動する。空間20に移動した空気は、電極部30(電極26,28の間)を通過し、開孔14を通じて導電管10内に戻る。導電管10内に戻った空気は、触媒2を通過した後、空気排出部10bからガス処理装置100外に排出される。ガス処理装置100は、有害成分を含む空気を空気導入部10aからリアクタ4内に導入し、リアクタ4内で空気中の有害成分を除去し、清浄な空気を空気排出部10bから排出する。
ガス処理装置100では、送風機を駆動するとともに、電極26,28間(電極部30)に電圧を印加し、空間20にラジカルを発生させる。空間20内に存在する有害成分は、ラジカルと反応して分解する。空間20内に空気を流通させることにより、空気中の有害成分を除去し、空気を清浄化することができる。
ガス処理装置100では、電源16は、1×1011(V/(m・s))以上の電界上昇率で電極26,28間に電圧を印加する。電界上昇率は、電極26,28間の電圧上昇率(電圧を印加する際の電圧波形の傾き:dV/dt)と電極26,28間の距離(m)に依存する。具体的には、電界上昇率は、電極26,28間の電圧上昇率を、電極26,28間の距離で除した値である。電界上昇率をαとし、電極26,28間の距離をa1とし、電極26,28間の電圧上昇率をa2としたときに、電圧上昇率αは下記式(3)で示される。
α=a2/a1・・・(3)
ガス処理装置100では、電源16は、下記式(1)を満足するように電極26,28間に電圧を印加する。
a2/a1>1×1011・・・(1)
詳細は後述するが、典型的に、電圧間に印加する電圧を大きくすると、電極間に発生する高エネルギーの電子が増加し、多くのラジカルが生成される。すなわち、電圧間に高電圧を印加すると、多くのラジカルを生成することができる。しかしながら、上記式(1)を満足するように電圧間に電圧を印加すると、印加する電圧を大きくすることなく、多くのラジカルを生成することができる。生成されるラジカルが増えるに従い、より多くの有害成分を分解することができる。ガス処理装置100は、上記式(1)を満足するように電極26,28間に電圧を印加することにより、電極26,28間に印加する電圧を大きくすることなく、空気中の多くの有害成分を分解・除去することができる。なお、正弦波で電圧を印加した場合、電界上昇率はおよそ5×1010(V/(m・s))以下となる。上記式(1)を満足するように電極26,28間に電圧を印加する場合、その電圧波形は、明らかに正弦波と異なり、方形波、あるいは、パルス波である。
ここで、図3及び図4を参照し、ガス処理装置100の変形例について説明する。図3及び図4は、各々ガス処理装置200,300の断面を示しており、ガス処理装置100における図2の断面に相当する。
上記したように、ガス処理装置100では、リアクタ4が円筒状であり、リアクタ4の外周に負極電極28が巻きつけられており、リアクタ4に空気を導入するための導電管10が正極電極26を兼ねている。それに対して、図3に示すように、ガス処理装置200では、リアクタ204が角筒状であり、棒状の正極電極226及び負極電極228によって電極部230が構成されている。ガス処理装置200では、正極電極226と負極電極228の双方が、リアクタ204内に挿入されている。なお、ガス処理装置200では、電極226,228の少なくとも一方が、誘電体(図示省略)で被覆されている。すなわち、ガス処理装置200においても、正極電極226と負極電極228は、誘電体を介して対向している。
ガス処理装置200では、電極226,228が、リアクタ204に空気を導入する通路(ガス処理装置100の導電管10に相当)とは別に設けられている。そのため、ガス処理装置200は、ガス処理装置100と比較して、リアクタ204内のデッドスペースを小さくすることができる(図2と比較参照)。換言すると、ガス処理装置200は、ガス処理装置100と比較して、サイズ(外形サイズ)を小さくすることができる。また、ガス処理装置200の場合、電極226,228の形状が、リアクタ204の形状に依存しない。そのため、リアクタ204内の容積(空間20の体積)に依存することなく、電極226,228間の距離を調整することができる。なお、ガス処理装置200の場合、リアクタ204の材料は誘電体でなくてよく、例えば導電体(金属等)であってもよい。
図4に示すように、ガス処理装置300では、リアクタ304の外面に板状の正極電極326が取り付けられており、棒状の負極電極328がリアクタ304内に挿入されている。リアクタ304の材料は誘電体であり、ガス処理装置100のリアクタ4と同様、金属酸化物,耐熱ガラス等を用いることができる。ガス処理装置300においても、負極電極328の位置を調整することにより、リアクタ304内の空間20の体積に依存することなく、電極326,328間の距離を調整することができる。なお、電極326が負極電極であり、電極328が正極電極であってもよい。このことは、ガス処理装置100にも適用される。すなわち、ガス処理装置100において、電極26が負極電極であり、電極28が正極電極であってもよい(図1,2参照)。また、ガス処理装置300において、板状の正極電極326と棒状の負極電極328の双方をリアクタ304内に挿入してもよい。この場合、電極326,328の間に誘電体が介在していればよい。
以上のように、本明細書で開示するガス処理装置では、リアクタの形状、電極の形状及び配置は、必要に応じて、種々に変更することができる。但し、電極間の電界強度を大きくするため、正極電極よりも負極電極のサイズを小さくすることが好ましい。本明細書で開示するガス処理装置において重要なことは、1×1011(V/(m・s))以上の電界上昇率で電極間(正極電極−負極電極間)に電圧を印加することであり、1×1011(V/(m・s))以上の電界上昇率で電極間に電圧を印加することができれば、ガス処理装置の形態は特に限定されない。
図1に戻り、触媒2について説明する。上記したように、ガス処理装置100では、電極26,28間に電圧を印加して空間20にラジカルを発生させ、ラジカルによって有害成分を分解する。ラジカル生成に伴い、空間20にオゾンが生じることがある。ガス処理装置100では、リアクタ4内における空気の移動方向(図1の矢印参照)において、電極部30より下流に、オゾン分解能を有する触媒2を配置している。電極部30(正極電極26と負極電極28が対向している部分)と触媒2は接触しておらず、両者の間には隙間18が設けられている。空気が隙間18を移動する間に、空気中の有害成分の分解が進む。特に限定されないが、隙間18の距離(電極部30と触媒2の距離)は、1〜30cmに調整される。
図5を参照し、電極間に生じる電界と、空間(電極間の空間)の電子エネルギーの関係について説明する。図5の縦軸は特定の空間内に存在する電子数を示し、横軸は電子エネルギー(eV)を示している。図5(a)は、電界上昇率を変えることなく(電圧波形を変えることなく)、電極間に生じる電界を強くした結果を示している(曲線40→曲線42)。図5(b)は、電極間に生じる電界を変えることなく、電界上昇率を大きくした結果を示している(曲線40→曲線44)。なお、グラフの横軸に示している「t」は、空気分子の電子励起が起こる閾値を示しており、電子エネルギーが閾値「t」を超えると、空気分子の励起が起こる。
図5(a)に示すように、電極間に生じる電界を強くすると、各電子エネルギーに対応する電子数の分布はほぼ変化せず、電子数が全体的に増える(曲線40→曲線42)。すなわち、特定の空間における電子エネルギーの総量が増える。その結果、電極間に生じる電界を強くすると、閾値「t」を超える電子数も増える。すなわち、電極間の距離を変えずに電極間に印加する電圧を大きくすると、多くのラジカルが生じ、空気中の有害成分の分解量が増加する。しかしながら、電極間に生じる電界を強くしても、電子励起に寄与する電子と寄与しない電子との比は変わらないので電子励起のエネルギー効率は変わらない。
また、図5(b)に示すように、電界上昇率を大きくすると、各電子エネルギーに対応する電子数の分布が変化する(曲線40→曲線44)。その結果、電界上昇率を大きくすると、高エネルギーの電子が増加し、閾値「t」を超える電子数が増える。電界上昇率を大きくすると、電子が電界で加速されて分子を励起し、二次電子が連鎖的に増えてプラズマとなる。プラズマが電極間に広がると、空間のインピーダンスが低下し,電界がかからなくなる。分子の電子励起からプラズマが両電極間に広がるまでの時間をΔtとすると、Δtの間に上昇する電圧ΔVは,ΔV=(dV/dt)Δtとなる。そのため、dV/dtが大きいと電圧ΔVが大きくなる分、高い電界で電子が加速されるので高エネルギー電子が増える。すなわち、電界上昇率((d/dt)・(V/x),x:放電ギャップ長)を大きくすることにより、特定の空間における電子エネルギーの総量は変わらず、高エネルギーの電子数が増え、多くのラジカルが生じ、空気中の有害成分の分解量が増加する。そのため、上記式(1)を満足するように電極間に電圧を印加すると、印加する電圧を大きくすることなく(電子エネルギーの総量を変えることなく)、高エネルギーの電子数が増え、多くのラジカルを生成することができる。
(実施例)
以下、ガス処理装置100を用いて、有害成分の一例であるエチレンガスの分解を行った結果について説明する。実施例では、リアクタ4として、長さ40mm,外径20mm,内径17mm,厚み1.5mmのホウケイ酸ガラスを用いた。また、導電管10の外径は16mmとした。すなわち、正極電極26と負極電極28の間の距離を0.5mmとした。なお、負極電極28の長さは120mmとした。このガス処理装置100に対して、窒素80wt%,酸素20wt%のキャリアガスを用いて、エチレン200ppmを流量3L/分で導入した。
実施例1〜5は、電極26,28間に、周波数500ppsのパルス波で、8〜15kVで電圧を印加した。実施例6〜10は、電極26,28間に、周波数500Hzの矩形波(方形波)で、8〜15kVで電圧を印加した。比較例1〜5は、電極26,28間に、周波数500Hzの正弦波で、8〜15kVで電圧を印加した。各々の試料について、FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いて空気排出部10bのエチレン濃度を測定し、エチレン分解量を算出した。また、算出したエチレン分解量を用いて、入力したエネルギー(電圧)に対するエチレン分解効率を算出した。なお、エチレン分解効率は、下記式(4)に基づいて算出した。
η=60×q×A×M/(n×P)・・・(4)
上記式(4)において、「η」はエチレン分解効率,「q」はガス流量(m/h),「A」はエチレン分解量(ppm),「M」はエチレン分子量(分子量:28),「n」はエチレン1モルあたりの体積(m),「P」は消費電力(kW)を表す。
図6に、電極26,28間に印加した電圧(電圧波高値),電圧上昇率(dV/dt),電界上昇率((d/dt)・(V/x))及びエチレン分解効率を示す。図6に示すように、矩形波又はパルス波で電圧を印加すると(実施例1〜10)、正弦波で電圧を印加(比較例1−5)するより電圧上昇率が大きくなり、その結果電界上昇率が大きくなっている。特に、パルス波で電圧を印加することにより、電界上昇率が大きくなることが確認された。また、矩形波又はパルス派で電圧を印加すると、加えるエネルギー(電圧)の増加に伴い、エチレン分解効率が上昇する傾向が確認された。一方、正弦波で電圧を印加すると(比較例1〜5)、加えるエネルギーの増加(電圧の増加)に伴いエチレン分解量が増加するものの、エチレン分解効率はほぼ一定であることが確認された。なお、本実施例では、矩形波及びパルス波の双方において、14kV以上の電圧を印加することにより、エチレン分解効率が大きく向上することが確認された。
本実施例より、上記式(1)を満足するように電圧を印加することにより、エチレン分解効率が向上することが確認された。なお、パルス波で電圧を印加したときに、エチレン分解効率が顕著に上昇することが確認された(実施例1〜5)。そのため、電極26,28間の距離をa1とし、電極26,28間の電圧上昇率をa2としたときに、下記式(2)を満足することがより好ましいことが確認された。
a2/a1>1×1014・・・(2)
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
4:リアクタ
16:電源
26:高電位側電極
28:低電位側電極
30:電極部
100:ガス処理装置

Claims (3)

  1. 空気中の有害成分を除去するガス処理装置であって、
    ガス処理装置外の空気が導入されるリアクタと、
    高電位側電極が電源に接続されているとともに低電位側電極が接地されており、リアクタ内にラジカルを生成する電極部と、
    を備えており、
    高電位側電極と低電位側電極の間の距離をa1(m)とし、高電位側電極の電圧上昇率(dV/dt)をa2としたときに、前記電源が、下記式(1)を満足するように電極間に電圧を印加するガス処理装置。
    a2/a1>1×1011・・・(1)
  2. 前記電源は、下記式(2)を満足するように電極間に電圧を印加する請求項1に記載のガス処理装置。
    a2/a1>1×1014・・・(2)
  3. リアクタ内における空気の移動方向において、電極部より下流に、オゾン分解能を有する触媒が設けられている請求項1または2に記載のガス処理装置。
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