JP2019198417A - 弁形成用バルーンポンピングシステム - Google Patents

弁形成用バルーンポンピングシステム Download PDF

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Abstract

【課題】弁狭窄症、特にAS(大動脈弁狭窄症)において、低侵襲かつ十分な治療効果を得ることが可能な弁形成システムを提供する。【解決手段】弁拡張用のバルーン1を備える弁形成用バルーンポンピングシステムであって、患者の心電図データを取得する心電図データ取得手段と、心電図データに基づいて患者の予測心周期を算出する、予測心周期算出手段と、患者の動脈圧データを取得する動脈圧データ取得データ手段と、動脈圧データに基づいて、予測心周期を補正する手段、カテーテル8を介してバルーン内へキャリア流体の導入及び排出を行うバルーン動作手段と、を備え、バルーンは、患者の大動脈内の大動脈弁を含む領域に留置され、バルーン動作手段におけるキャリア流体の導入及び排出は、予測心周期に基づく患者の拍動に同期して行う。【選択図】図1

Description

本発明は、症候性の重症大動脈弁狭窄症(AS)に対する弁形成術に用いるバルーンポンピングシステムに関する。
我が国においては、80歳以上の人口が1000万人を超え、超高齢化が進んでいる。大動脈弁狭窄症(AS)は加齢とともに有病率が増加し、症候性となると生命予後は極めて不良な疾患である。ASでは臨床症状(狭心症、失神、心不全)が出現した場合には手術の絶対適応であるが、いったん症状が出現すれば予後は急速に悪化する。狭心症が出現してからの平均生存期は5年、失神発作からは3年、心不全症状からは2年で左室機能が低下してからの予後は多くの検討で不良である。
従来、症候性のASの成人患者に対する治療方法の第一選択としては、外科的に人工弁(生体・機械)を留置するAVR(外科的大動脈弁置換術)が採用されていた。また、高齢者等の加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存等の影響により、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態のフレイルな患者に対しては、AVRを適応しにくく、その他の選択肢として、2013年から日本国内でもX線透視と各種イメージングとカテーテルを用いて経皮的に人工弁を留置するTAVR(経カテーテル的大動脈弁留置術)が施行されていた。
上記AVRは開心術のため侵襲性が高く、80歳以下の症例には良好な治療成績を収めているが80歳以上の症例ではその成績は不良である。AVRで使用される弁には主にカーボン製の機械弁とウシの心膜またはブタ弁を用いた生体弁があり、機械弁は血栓性の合併症のリスクを抑制するために抗凝固剤を生涯服用しなければならず、患者の大きな負担となっており、生体弁は耐久性に劣るため再手術が必要な場合もあり、やはり患者にとって大きな負担となっていた。一般的に、65歳未満には機械弁、65歳以上には生体弁が留置されている。
一方、AVRの改善として施行されたTAVRは、通常のAVRに比べて手術ダメージ(低浸襲)がかなり低く、手術後の患者の早期日常生活復帰が可能という利点があるが、長期留置の実績がなく未知数であり耐久性は5〜7年と考えられている。また、TAVRもAVRと同様に、術後、患者は異物留置に伴う血栓形成の予防ため抗血栓薬を服用しなければならず、他の疾患で手術、事故や怪我による出血の発生の問題も考えられる。さらにTAVRによる治療費用は総額で700万円〜1200万円(諸経費を含む)と高額であり、費用対効果の面で大きな課題があり、実用化促進という観点での障壁が存在する。
少子超高齢化が進む中、医療制度も転換期を迎えており、増え続ける医療費の適正化を図るためには、効率的な医療サービスの提供が不可欠である。例えば、日本の国民皆保険制度は、何人もが時期、場所を問わず医療が受けられるという、世界でも類を見ないものであり、今後もこの国民皆保険制度を維持するためには、少子超高齢化により増大する医療費に対応した医療サービスの適切な提供方法を見直す必要があると言える。AVRやTAVRは、ASに対して根治療法であるが、超高齢(平均82.9歳)の患者にTAVRを留置した場合の2年生存率は70%程度で、他の疾患を含め3割程度の患者が亡くなっており、1例あたり700〜1200万円要する医療サービスを提供し続けることは財政面で大きな課題がある。このこともTAVRの問題点として看過できない点であるといえよう。
一方、AVRやTAVR以外の選択肢として、30年以上の歴史をもつ姑息的治療であるBAV(大動脈弁バルーン形成術)が知られている。このBAVは急性期治療効果が高く、1990年代に一時的な実施が進んだが、再狭窄がきわめて多く長期成績に乏しく、脳梗塞や心破裂の合併症の出現リスクが高いことから、重症心不全発症例に対し症状緩和やAVRやTAVRにつなげるための緊急避難的な橋渡しの施術として位置づけられてきた。また、上述に加え、治療の標準化がなされてこなかったことから有効性・安全性の両面において発展が遅れており、姑息的と認識されている大きな要因のひとつと考えられてきた。
しかしながら、このようなBAVであっても視点を変えると、AVR及びTAVRと比較して、緊急時にPCI(経皮的冠動脈形成術)のように簡易に導入できる治療であるという点でたとえ一時的緩和療法であっても実臨床の場では特に有用である。さらにBAVは、心不全回避については多くの臨床で1年またはそれ以上の期間における効果が見込まれるため、根治療法(AVR又はTAVR)へ橋渡しが可能か、ASを解除できればADL(日常生活動作)が向上するのか、又は身体のみならず精神的、社会的フレイルではないか等の様々なケースに対応して真に根治療法の必要な症例を柔軟に選択できるため、症候性ASの多くが超高齢者であるという現実と合わせるとそもそも根治療に対する精神的・肉体的・経済的な障壁を持つ患者にとって非常に有用な治療選択肢と言える。
また、BAVの1回あたりの治療費の総額は概ね50〜150万円(諸経費を含め)で、入院日数は7日以内(翌日退院も可)であり、治療後は抗凝固療法の服用の必要はなく、症状が再増悪した場合にも繰り返し治療を行うことができる。従って、AVR又はTAVRと比較して、患者にとっての身体的負及び金銭的負担が非常に小さい治療方法と言える。
ここで具体的に、BAVは元来、動脈硬化等で狭窄、石灰化等で可動性の悪くなった大動脈弁に対しX線透視下で動脈または静脈からバルーンカテーテルを留置し、バルーンを拡張・収縮を繰り返すことで大動脈弁の可動性を向上させる治療である。
ここで具体的に、従来のBAVのバルーン拡張は、大動脈の大循環の大元の血流を遮断するため、バルーンがその血圧・血流の影響を受けスリップし留置性(位置決め)に問題があった。換言すれば、バルーンの挙動を術者(医師)が完全にはコントロールできないため心破裂や穿孔・損傷、大動脈弁逆流・不整脈等の合併症が出現するという問題があった。これに加え、血流遮断に伴うバルーンのスリップにより、大動脈弁に対して十分なバルーンの拡張効果も得られにくいという問題も指摘されてきた。これに対して、バルーンのスリップを抑制する為に一時ペーシングカテーテルを留置し、180bpm以上の頻拍ペーシングを行う事で心拍出量を低下させ、バルーン拡張を行う方法が実施されているが、ペーシング時間が長くなるとASで心機能が低下している症例では、末梢の血液循環が更に悪化するため大きな危険が伴い、術者(医師)の精神的負担が過大という実情も否定できない。
また、血流の遮断による患者の身体への負担とバルーン性能(耐久性・リラップ)から、従来、BAVのバルーンの拡張回数は10回程度までとする必要があった。なお、圧較差の改善は、バルーンサイズ又は拡張回数を増やすことで、その効果の向上が期待できる。
従来のBAVに用いられる医療装置として、例えば特許文献1で正確な形状制御を提供し且つ引き裂き及び穿刺に対する高い抵抗を持ちながらも、液体又は気体の流れを維持することができるバルーンが開示されている。特許文献1の医療装置では、医者の手技によってバルーンを拡張させるものであり、また、潅流させることによって膨張時間を向上させることが可能となっている。
しかしながら、特許文献1の医療装置では、上述のように、バルーンが拡張している間は血流を阻害し、血行動態を破綻させる可能性を回避できず、治療中は血流を止める必要があり、患者の心臓に大きな負担がかかってしまうという問題があった。また、バルーンの拡張及び収縮は術者(医者)の手技によるため時間当たりに多くの回数のバルーンの拡張及び収縮を行えず、患者への負担も考慮すると、この装置を使用したバルーンの拡張・収縮は複数回行うことが難しいため、狭窄した大動脈弁の拡張を安全かつ効率的に行うことができず、結果として患者にとって十分な治療効果を得ることが難しいという実情があった。
特表2014−509218
従って、本願発明では、弁狭窄症、特にAS(大動脈弁狭窄症)において、血流・血圧の影響を受けず、低侵襲かつ十分な治療効果を得ることが可能な大動脈弁形成システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では、弁拡張用のバルーンを備える弁形成用バルーンポンピングシステムであって、患者の心電図データ(筋の活動電位)を取得する心電図データ取得手段と、前記心電図データに基づいて患者の予測心周期(1回の拍動で心房・心室が収縮し拡張する過程)を算出する、予測心周期算出手段と、カテーテルを介して前記バルーン内へキャリア流体の導入及び排出を行うバルーン動作手段と、を備え、前記バルーンは、患者の大動脈内の大動脈弁を含む領域に留置され、前記バルーン動作手段における前記キャリア流体の導入及び排出は、前記予測心周期に基づく患者の心周期に同期して行う、ことを特徴とする弁形成用バルーンポンピングシステム、を提供する。
上記構成の弁形成用バルーンポンピングシステムでは、大動脈弁に留置されたバルーンは患者の「心周期と同期」して、即ち大動脈弁を通過する血流にあわせて拡張及び収縮を行うため、血流を阻害することなく、またバルーンがその血流の影響を受けることなく、バルーンの拡張を行うことができるシステムを提供している。従って、本システムによれば、複数回のバルーンの拡張を行いつつも血流を阻害することがなく、従来問題となっていた血流に対するバルーン挙動のコントール不全がなくなり、患者の心臓への負担が小さく低侵襲である点で有利である。むしろ本システムを導入すれば、バルーンポンピングの効果で血行動態をサポートすることが可能となる。
具体的に換言すれば、バルーンは「拍動(心周期)に同期」することで1分間に40〜100回前後の拡張及び収縮に挙動がコントロールされ、より効率的な大動脈弁の治療を行うことが可能となる。また、本システムによれば、血流にあわせてバルーンの拡張及び収縮がコントロールにされる結果、積極的に血行流動態を補助することとなり、治療をしながら同時に心機能を補助することも可能となり、治療中の患者負担の減少及び本システム導入を選択する医師の精神的・肉体的な障壁の減少を促進する点で有利である。
また、上記構成の弁形成用バルーンポンピングシステムでは、心電図データを指標に患者の予測心周期を算出している。バルーンの拡張及び収縮の周期については後に詳述するが、心電図データの最大ピークのQRS時間におけるS波〜T波の終わりの時間においてバルーンを収縮させるため、検出が容易なR波から収縮までの時間猶予(ラグ)を利用することで、心電図データを指標としたバルーンの拡張及び収縮を、簡易かつ精密に制御することが可能となる。これにより、患者への非常に高い安全性及び治療効果を達成している。
また、本弁形成用バルーンポンピングシステムにおいて、患者の動脈圧波形データを取得する動脈圧波形データ取得手段と、前記動脈圧波形データに基づいて前記予測心周期を補正する予測心周期補正手段と、を備える、ことができる。
上記構成の弁形成用バルーンポンピングシステムによれば、心電図データに誤りがある場合に、動脈圧波形を感知することで、心電図データから算出した予測心周期を補正し、より適正な予測心周期を得る、すなわち患者の心周期をより高精度で知ることができる。これにより、患者の心臓・血行動態に負荷をかけることなく、より好適なバルーン拡張及び収縮を行うことが可能で、さらに高い治療効果と安全性が達成可能である。
前記バルーンは、複数のバルーンで構成されても良い。
上記構成の弁形成用バルーンポンピングシステムによれば、大動脈弁を拡張するためのバルーンが複数のバルーンから構成され、1つのバルーンを用いるものと比較して、各バルーンの体積(経)が小さいため、バルーンが事故等により損傷・損壊した場合にバルーン内から漏出したキャリア流体の量が少なく、キャリア流体による血管塞栓等の合併症のリスクを低減できる。また、複数の各バルーンを、任意の順番、速度で拡張することで、患者の大動脈や大動脈弁の形状・状態等に合わせて、拡張度合いや速度に差をつける等、適切な拡張方法が自由に選択され得る点でも有利である。
なお、ここでキャリア流体とは、バルーンの拡張及び収縮が可能な気体又は液体であり、コスト、安全性、取り扱いの簡便さから好ましくはヘリウムガスが採用される。
また、本弁形成用バルーンポンピングシステムは、大動脈弁以外の弁狭窄症の治療に対して用いても良い。
本発明の弁形成用バルーンポンピングシステムを利用すれば、AS(大動脈弁狭窄症)等の弁狭窄症に対して、患者の心機能に負担を掛けず、複数回バルーンを拡張でき十分な治療効果を得ることが可能であり、また、バルーンの拡張及び収縮時には、弁機能の補助効果を奏することにより患者の治療中の負担をさらに減少させることが可能である。
また、本発明の弁形成用バルーンポンピングシステムによれば、血流及び血圧によるバルーンの影響がないため、その挙動による合併症の軽減が可能である。
さらに、本発明の弁形成用バルーンポンピングシステムによれば、血流及び血圧によるバルーンの挙動を防ぐための一時ペーシングが不要となるため、頻拍ペーシングによる患者の血行動態破綻のリスクを避けることができる。
本発明の弁形成用バルーンポンピングシステムによれば、機械的にポンピングが行わるため、術者(医師)はバルーンカテーテルを目的部位に留置するだけで治療が開始され、治療終了までモニタリングだけで施行が可能であり、術者(医師)にとって簡易な操作で治療が可能となる。従って、従来、術者(医師)の技量に依存していた治療の有効性と安全性が、より標準化される。
本発明の弁形成用バルーンポンピングシステムを用いた例の模式図である。 本発明の弁形成用バルーンポンピングシステムを用いた例の写真図である。 一般的な心周期図(心電波形及び動脈・左室圧波)である。 本発明の弁形成用バルーンポンピングシステムのフローチャート図である。 従来のBAV使用時のバルーンのスリップを示す図である。 従来のBAV使用時のバルーンのスリップの他の例を示す図である。
以下、本発明の弁形成用バルーンポンピングシステム(以下、「バルーンシステム」とも称する)を図とともに説明する。本願発明のバルーンシステムでは、バルーンの拡張及び収縮のタイミング(速度)のコントロールが重要であり、概ねバルーンと、バルーン制御手段と、心電図計/動脈圧計と、心電図/動脈圧波形データ記憶手段と、予測心周期算出手段と、バルーン制御手段と、バルーン動作手段と、から構成される。まず、バルーンの拡張及び収縮の動き及びタイミング(速度)について図を用いて説明する。
図1は本発明のバルーンシステムのバルーンの実施例の模式図を示す。本発明のバルーンシステムのバルーン1(バルーンカテーテルのバルーン部)は、心臓の左心室2の上方に位置する大動脈弁4の領域に、ガイドワイヤー6に沿ってバルーンカテーテル8(バルーンカテーテルのシャフト部)によって、術者(医師)の手技で留置される。図1では、バルーンが拡張しているものを示している。バルーンは後述するバルーン動作手段によって、心周期に同期して高速で拡張及び収縮を繰り返す。
図2は本発明のバルーンシステムのバルーンの実施例のX線写真図を示し、図1におけるバルーン1部分を拡大したものである。図2はバルーン1の拡張時のものを示す。バルーン1は図2の拡張時と図示しない収縮時の状態を繰り返しながら高速で拡張及び収縮が行なわれる。
バルーン1の材質として、拡張及び収縮が可能なプラスチック・樹脂・ナイロン・天然素材等が採用され、バルーンのサイズは拡張時に全ての大動脈に対して当接できる短径を有し、大動脈が損傷しない程度まで十分に拡張できる程度の長経を有する。バルーン1の拡張及び収縮は、カテーテル8を通じて、気体又は流体が導入及び排出されることで行われ、導入及び排出される気体又は液体としては、例えば、安価かつ身体への毒性が低いヘリウムガスや、術者(医者)が視認しやすい造影剤等が好ましい。
次に図3を用いて、本発明のバルーンシステムのバルーンの拡張及び収縮のタイミング(速度)について説明する。図3は一般的な心周期(心電図波形・動脈血圧波形・左室波形)を示し、横軸が時間、縦軸がそれぞれ心電値、動脈圧値、左室圧値を示す。図中赤線のRR時間が心電図波形の1周期を意味し、波形は、時間経過で概ねピークとしてP、Q、R、S、Tの順に波を繰り返す。心電波形の1周期は心周期に相当し、P波は心房の興奮状態、R波は心室の興奮状態、T波は心室が興奮状態から低下している状態に相当している。
青線は動脈圧波形の1周期を示し、横軸が時間、縦軸が動脈圧値す動脈圧波形は、大動脈弁後の動脈の血流量と相関することを示す。黄色線は左室圧波形の1周期を示し、横軸が時間、縦軸が左心圧値す左室圧波形は、左室のポンプ機能と相関することを示す。収縮期では、左心室が収縮し大動脈弁が解放されており、多くの血流が心臓から動脈へと送り出され、拡張期では、左心室が拡張し、大動脈弁が閉鎖され、動脈(末梢側)の血流量は小さくなる。動脈圧と左室圧の同時圧格差が弁機能の状態を表す。
本発明のバルーンシステムでは、S波〜T波の終わりの時間(図3における大動脈弁開放〜大動脈弁閉塞)でバルーン1を収縮させ、それ以外の時間においてバルーン1を拡張させる。これにより、大動脈弁を通過する血流が大きいときにはバルーン1が収縮し、血流が小さいときにはバルーンが拡張することとなり本来の大動脈弁が開閉する動作に近づく。この工程よって心周期に同期してバルーン1の拡張及び収縮を行なうことが可能となり、バルーン1は血行動態を阻害することがなく、拡張及び収縮を繰り返す。上述のとおり、バルーン1の収縮は概ねS波〜T波の終わりの時間を基準として行なうが、必ずS波〜T波の終わりの時間である必要はなく、患者の状態等により、急な変化が発生した場合等は血行動態等確保(補助循環機能)のための最適な拡張及び収縮の周期が採用される。
S波〜T波の終わりの時間でのバルーン1の収縮は、R波ピークを検出し、R波の所定時間後から次の S波〜T波の終わりの時間が開始すると判断してバルーン1の収縮を開始し、バルーン1の収縮の開始後から所定時間経過後、バルーン1を拡張させる。すなわちバルーン1の収縮のタイミングは、R波の検出時間に基づき患者の心電データから予測されるS波〜T波の終わりの時間を指標とする。
心電計の誤差等によって、予測心周期と実際の患者の拍動と心電波形周期が合致しない場合には、過去の心電波形を元に補正をかけてS波〜T波の終わりの時間を指標としつつ最適な心周期、バルーン1の拡張及び収縮の周期を採用する手段を設けることが好ましい。
図3の赤線は一般的かつ概ね正常な動脈圧波形を示すが、大動脈弁が正常に働かない場合や、収縮期に大動脈弁領域が閉鎖されると、異常な動脈圧波形となる(図示せず)。本発明のバルーンシステムの他の実施例では、異常な動脈圧波形データを取得すると、それをもとに、心電データから算出した予測心周期を補正し、より適切に患者の心周期に同期してバルーン1の拡張及び収縮を行う。具体的には、左心室の収縮期にバルーンも収縮(大動脈弁が解放)し、拡張期にバルーン1も拡張(大動脈弁が閉鎖)するように、バルーン1の動作を補正する。これにより、突発的な異常心電、心電図データの誤り又はバルーン1の誤った拡張又は収縮が起こった場合にも、動脈圧波形データに基づいて、バルーンの拡張と収縮を補正することで患者の血行動態の破綻を防止し、患者の身体への負担を軽減する。
なお、本発明のバルーンシステムにおいて、動脈圧波形データを元にバルーンの拡張及び収縮を行っても良い。この場合は、動脈圧から左室圧と動脈圧の圧格差を算出し、左室内圧と動脈圧の圧格差が高い場合は、バルーンを収縮し、その圧格差が低くなればバルーンを拡張することで、血行動態を適宜補助しながらバルーンの拡張及び収縮を行う。
具体的には、大動脈弁が解放されており、かつバルーン1が血管内をスリップするおそれがある期間にバルーン1を収縮させ、その他の期間はバルーンを拡張させる。図3において、バルーン1を大動脈弁開放時に収縮、大動脈弁閉鎖時に拡張のタイミングイを同期することで、血流によりバルーンのスリップ及び、バルーン1によって血行動態を破綻することなく、大動脈弁の開放及び閉鎖、すなわち心周期に合わせてバルーン1の拡張及び収縮が繰り返し可能となる。
図4におけるバルーン1が収縮拡張を開始するタイミング(速度)は、バルーンの材質や形状、患者の血行及び血管の状態、測定位置からバルーン1までの距離によって可変であり、施術ごとに最適な値を採用することが好ましい。また、実際の患者の心周期と動脈圧波形周期が合致しない場合には、実際の動脈圧波形周期を元に補正をかけて最適な心周期、バルーン1の拡張及び収縮の周期を採用する手段を設けることが好ましい。
次に図4を用いて、本発明のバルーンシステムのバルーン1の拡張及び収縮の流れを説明する。本発明のバルーンシステムでは、まず患者に心電図計(対極板)を取り付け、心電波形を測定する(S10)。バルーン1の拡張及び収縮の心周期への同期を行うための計測機器であり、バルーンシステムの施術中に患者の体表に取り付けて測定を行う。
測定された心電波形は、心電図データ記憶手段に記憶される(S20)。心電図データ記憶手段には、リアルタイムでデータが記憶され、過去のデータも十分量蓄積することが可能である。過去のデータを用いて、患者の状態や機器の誤差等によって実際の患者の心周期と予測心周期が合致しない場合に、データの補正を行うことができる。
記憶されたデータを元に、予測心周期算出手段により、心周期を算出する(S30)。心周期は、図3を用いて上述したように、心電波形を用いて算出する。患者の状態、環境等によって最適な心周期を算出し、上述の過去のデータに基づく補正計算も同時に行う。
計算された予測心周期に基づいて、バルーン1の制御を行う(S40)。バルーンの拡張及び収縮周期を決定する。図3を用いて上述したように、心電波形のS波〜T波の終わりの時間にバルーン1を収縮させ、その他の期間に拡張させることを決定する。
決定したバルーン制御に基づいて、バルーン1を動作する(S50)。決定されたバルーンの拡張及び収縮周期に合わせて、バルーンを拡張及び収縮させる。バルーンの拡張及び収縮には、カテーテルを通じてキャリア流体(気体又は液体)の導入及び排出によって行う。なお、液体を採用する場合は、予測心周期に同期したバルーン1の高速での拡張及び収縮を行うために、大経のカテーテル及び粘性の低い液体を採用することが好ましい。気体又は液体の導入及び排出は、バルーン制御に基づいた信号によって機械制御のポンピングで行うことが考えられる。機械制御により安定したバルーンの拡張及び収縮が可能となる。
また、本発明のバルーンシステムの他の実施例として、図4に示す動脈圧計を用いる場合(S15、25、35)について説明する。心電図計(S10)と併せ、動脈圧計(バルーンカテーテルに設置しても良い)を用い、動脈圧を測定する(S15)。測定された動脈圧は、動脈圧波形データ記憶手段に記憶される(S25)。動脈圧波形データ記憶手段には、リアルタイムでデータが記憶されていき、過去のデータも十分量蓄積することが可能である。患者の状態や機器の誤差によって実際の患者の血行動態や心周期と予測心周期が合致しない場合に、逐次、データの補正を行うことができる。
記憶されたデータを元に、予測心周期補正手段により、予測心周期算出手段(S30)で算出された予測心周期を補正する(S35)。補正は動脈圧波形の適正値から差分がある場合に、差分を減少させるように予測心周期からバルーンの拡張及び収縮動作を補正する。そして、補正されたデータに基づいてバルーン制御手段(S40)を実行する。
次に図5及び図6を用いて、本発明のバルーンシステムと、従来のBAVとの実施時の差異を説明する。図5は、従来のBAVを用いた際の、バルーンの動きを示すX線写真図であり、(a)及び(b)は同一施術におけるバルーンの位置の時間変化を示す。大動脈弁近傍の血管内に留置され、拡張するバルーン1(図の破線囲い)が、(a)と(b)とで位置が変化している(スリップしている)。図5(a)では、図の縦に伸びる背骨の左側端近傍に位置するが、図5(b)では中央近傍に位置し、右下にバルーン1が移動していることが分かる。
図6は、従来のBAVを用いた際の、バルーン1の動きを示す他の例のX線写真図であり、(a)及び(b)は同一施術におけるバルーン1の位置の時間変化を示す。大動脈弁近傍の血管内に留置され、拡張するバルーン1(図の破線囲い)が、(a)と(b)とで位置が変化している(スリップしている)。図6(a)では、図の縦に伸びる背骨の左側端近傍に位置するが、図6(b)では背骨の左端からさらに左上方向に位置し、バルーン1が移動していることが分かる。さらに、図6(b)では、図6(a)と比較して、バルーン1の上方から伸びるガイドワイヤー6が大きく湾曲している。すなわち、血管の図における左側の内面に対してガイドワイヤー6が当接することで、応力が加わりガイドワイヤー6が押し曲げられていることが分かる。
図5、6を示して説明したように、従来のBAVの施術では、バルーン1が拡張すると血行動態を破綻させるため、血流によってバルーン1が血管内をスリップする(移動する)。バルーン1のスリップは、同時にガイドワイヤー6にも繋がる。スリップしたバルーン1とガイドワイヤー6が血管・心臓内膜や弁に過度に接触すると血管損傷及心破裂・大動脈弁逆流、不整脈等が発生し患者にとって非常に危険である。また、図6(b)のように動くことで、し、血管を傷つけるおそれもある。
この従来のBAVに対して、本発明のバルーンシステムを用いて施術する場合には、先述した構成により血行動態を破綻することなくバルーンの拡張を行うため、図示しないが、従来例である図5及び図6に示すようなバルーンのスリップは発生せず、また、ガイドワイヤーの血管への過度接触により刺激(ガイドワイヤーの大きな湾曲)も発生しない。従って、本発明のバルーンシステムを用いた場合、バルーンや血管への損傷・破損及び心機能を確保しつつ患者の身体への負担を防止最小限に軽減にしながら、大動脈弁の拡張が可能となる施術を行うことができる。
なお、上述したが、本発明は大動脈弁に限らず、他の弁にも適用可能である。また、大動脈弁を拡張させるために、バルーンを複数用い、各バルーンを任意の速度及びタイミングで拡張及び収縮可能としても良い。さらに、血流補助技術(例えばIABP)にも適用可能である。また、本発明は上記以外にも、当業者にとって一般的な範囲において適宜設計変更してもよい。
1 バルーン
2 左心室
4 大動脈弁
6 ガイドワイヤー
8 バルーンカテーテル(シャフト部)

Claims (4)

  1. 弁拡張用のバルーンを備える弁形成用バルーンポンピングシステムであって、
    患者の心電図データを取得する心電図データ取得手段と、
    前記心電図データに基づいて患者の予測心周期を算出する、予測心周期算出手段と、カテーテルを介して前記バルーン内へキャリア流体の導入及び排出を行うバルーン動作手段と、を備え、
    前記バルーンは、患者の大動脈内の大動脈弁を含む領域に留置され、
    前記バルーン動作手段における前記キャリア流体の導入及び排出は、前記予測心周期に基づく患者の拍動に同期して行う、
    ことを特徴とする弁形成用バルーンポンピングシステム。
  2. 患者の動脈圧波形データを取得する動脈圧波形データ取得手段と、前記動脈圧波形データに基づいて前記予測心周期を補正する、予測心周期補正手段と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の弁形成用バルーンポンピングシステム。
  3. 前記バルーンは、複数のバルーンで構成される、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の弁形成用バルーンポンピングシステム。
  4. 前記キャリア流体は、ヘリウムガスである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弁形成用バルーンポンピングシステム。

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