JP2019198252A - 近位尿細管上皮細胞株及びその使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】近位尿細管の性質を正確に反映した近位尿細管上皮細胞株を提供する。【解決手段】Gamma−Glutamyltransferase 1(Ggt1)、Tight Junction Protein ZO−1(ZO−1)、E−Cadherin、β−Catenin及びMegalinを発現しており、アルブミン取り込み能を有しており、培地へのアルブミン又はTransforming growth factor−β(TGF−β)の添加により上皮間葉移行を誘導することができ、細胞外マトリックス中で3次元培養することによりスフェロイドを形成することができる、近位尿細管上皮細胞株。【選択図】なし

Description

本発明は、近位尿細管上皮細胞株及びその使用に関する。より詳細には、本発明は、近位尿細管上皮細胞株、腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法、近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニング方法及びスクリーニングキットに関する。
腎臓の近位尿細管は、尿中に濾過された有用物質の再吸収、代謝物の排出を担う主要な部位である。また、近位尿細管は、薬物代謝及び薬物排泄において重要な役割を果たしており、虚血性や薬物毒性に起因する急性腎症の標的部位である。また、腎線維化は慢性腎症における近位尿細管障害に次いで起こる反応であり、近位尿細管を修復することが慢性腎症の進展を抑制するうえで重要である。したがって、近位尿細管に関する知見は、例えば腎線維症の発症機構の解明や、治療技術の開発に重要である。
従来、尿細管細胞株が複数知られている。例えば、非特許文献1には、イヌ腎臓由来の遠位尿細管上皮細胞株であるMDCK細胞が記載されている。また、非特許文献2にはマウス近位尿細管上皮細胞株であるTKPTS細胞が記載されており、非特許文献3にはヒト近位尿細管上皮細胞株であるHK−2細胞が記載されており、非特許文献4にはヒト近位尿細管上皮細胞株であるRPTEC細胞が記載されている。
Gaush CR., et al., Characterization of an established line of canine kidney cells (MDCK)., Proc Soc Exp Biol Med., 122, 931-935, 1966. Ernest S., et al., Expression and function of P-glycoprotein in a mouse kidney cell line., Am J Physiol., 269, C323-333, 1995. Ryan M. J., et al., HK-2: an immortalized proximal tubule epithelial cell line from normal adult human kidney., Kidney Int., 45 (1), 48-57, 1994. Simon-Friedt B. R., The RPTEC/TERT1 cell line as an improved tool for in vitro nephrotoxicity assessments, Biol Trace Elem Res., 166 (1), 66-71, 2015.
しかしながら、非特許文献1に記載されている細胞株は遠位尿細管上皮細胞株であり、近位尿細管上皮細胞株ではない。また、非特許文献2〜4に記載されている細胞株は、近位尿細管の性質を正確に反映したものであるとはいえない。そこで、本発明は、近位尿細管の性質を正確に反映した近位尿細管上皮細胞株を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]Gamma−Glutamyltransferase 1(Ggt1)、Tight Junction Protein ZO−1(ZO−1)、E−Cadherin、β−Catenin及びMegalinを発現しており、アルブミン取り込み能を有しており、培地へのアルブミン又はTransforming growth factor−β(TGF−β)の添加により上皮間葉移行を誘導することができ、細胞外マトリックス中で3次元培養することによりスフェロイドを形成することができる、近位尿細管上皮細胞株。
[2]不死化しやすい遺伝的背景を有している、[1]に記載の近位尿細管上皮細胞株。
[3]前記遺伝的背景がp53遺伝子のノックアウトである、[2]に記載の近位尿細管上皮細胞株。
[4]受託番号がNITE BP−02674である、[1]〜[3]のいずれかに記載の近位尿細管上皮細胞株。
[5]腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法であって、被験物質の存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下で、[1]〜[4]のいずれかに記載の近位尿細管上皮細胞株を培養する工程と、前記近位尿細管上皮細胞株における、Ggt1又はMegalinの発現量を測定する工程と、を含み、被験物質の存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下における、Ggt1又はMegalinの発現量の低下量が、前記被験物質の非存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下における発現量の低下量と比較して減少することが、前記被験物質が腎線維症の予防又は治療剤であることを示す、スクリーニング方法。
[6]腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法であって、被験物質及びアルブミンの存在下で、[1]〜[4]のいずれかに記載の近位尿細管上皮細胞株を培養する工程と、前記近位尿細管上皮細胞株による前記アルブミンの取り込みを測定する工程と、を含み、被験物質の存在下における前記アルブミンの取り込み量が、前記被験物質の非存在下における取り込み量と比較して低下することが、前記被験物質が腎線維症の予防又は治療剤であることを示す、スクリーニング方法。
[7]近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニング方法であって、被験物質の存在下、細胞外マトリックス中で、[1]〜[4]のいずれかに記載の近位尿細管上皮細胞株を3次元培養する工程と、前記近位尿細管上皮細胞株のスフェロイド形成率を測定する工程と、を含み、被験物質の存在下におけるスフェロイド形成率が、前記被験物質の非存在下におけるスフェロイド形成率と比較して有意に変化することが、前記被験物質が近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子であることを示す、スクリーニング方法。
[8][1]〜[4]のいずれかに記載の近位尿細管上皮細胞株を備える、腎線維症の予防若しくは治療剤又は近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニングキット。
本発明によれば、近位尿細管の性質を正確に反映した近位尿細管上皮細胞株を提供することができる。
(a)〜(d)は、実験例1の結果を示す蛍光顕微鏡写真である。 (a)及び(b)は、実験例2の結果を示す蛍光顕微鏡写真である。 (a)は、実験例3において培養した近位尿細管上皮細胞株(MuRTE細胞株)の顕微鏡写真である。(b)は、実験例3におけるRT−PCRの結果を示すアガロースゲル電気泳動の写真である。 (a)〜(c)は、実験例4の結果を示す蛍光顕微鏡写真である。 実験例5の結果を示す顕微鏡写真である。 実験例5の結果を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実験例6におけるRT−PCRの結果を示すアガロースゲル電気泳動の写真である。 実験例7におけるRT−PCRの結果を示すアガロースゲル電気泳動の写真である。 (a)〜(c)は、実験例7におけるフローサイトメトリーの結果を示すグラフである。
[近位尿細管上皮細胞株]
1実施形態において、本発明は、Ggt1、ZO−1、E−Cadherin、β−Catenin及びMegalinを発現しており、アルブミン取り込み能を有しており、培地へのアルブミン又はTGF−βの添加により上皮間葉移行を誘導することができ、細胞外マトリックス中で3次元培養することによりスフェロイドを形成することができる、近位尿細管上皮細胞株を提供する。これらの特性は、近位尿細管の性質を正確に反映している。このため、本実施形態の細胞株は、基礎研究や医薬品のスクリーニング等に有用である。
本実施形態の細胞株は、不死化しやすい遺伝的背景を有していることが好ましい。不死化しやすい遺伝的背景としては、例えばp53遺伝子のノックアウトが挙げられる。
実施例において後述するように、発明者らは、p53遺伝子のノックアウトマウスの腎臓から本実施形態の近位尿細管上皮細胞株を樹立することに成功した。したがって、不死化しやすい遺伝的背景を有する動物の腎臓から細胞株を樹立すれば、ある確率で、近位尿細管の性質を正確に反映した近位尿細管上皮細胞株を得ることができると考えられる。このような細胞株の樹立方法は、様々なマウス系統やラット等の実験動物にも応用することができる。
マウスには、馬杉腎炎、LPS腎炎、アドリアマイシン腎症、ストレプトゾトシン投与による糖尿病性腎症モデル等、多数の薬物誘導腎症モデルが知られている。近年、これらの薬物誘導腎症を遺伝子改変マウスに適用し、創薬の分子標的の同定、作用機序の解明等が行われている。しかしながら、動物愛護の観点から、生体を用いた評価系の削減が求められている。これに対し、本実施形態の細胞株を用いることにより、動物試験を減らことができる。
本実施形態の近位尿細管上皮細胞株は、受託番号がNITE BP−02674である細胞株であることが好ましい。実施例において後述するように、受託番号がNITE BP−02674である近位尿細管上皮細胞株は、近位尿細管の性質を正確に反映していることが確認されている。また、樹立した細胞株によっては、遺伝子導入効率が低い場合がある。しかしながら、本実施形態の近位尿細管上皮細胞株はリポフェクション法により効率よく遺伝子導入することができることも確認された。したがって、本実施形態の近位尿細管上皮細胞株は、遺伝子導入を伴う検討に利用することもできる。
[腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法]
(第1実施形態)
1実施形態において、本発明は、被験物質の存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下で、上述した近位尿細管上皮細胞株を培養する工程と、前記近位尿細管上皮細胞株における、Ggt1又はMegalinの発現量を測定する工程と、を含み、被験物質の存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下における、Ggt1又はMegalinの発現量の低下量が、前記被験物質の非存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下における発現量の低下量と比較して減少することが、前記被験物質が腎線維症の予防又は治療剤であることを示す、腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法を提供する。
上皮間葉移行とは、上皮細胞がその細胞極性や周囲細胞との細胞接着機能を失い、遊走、浸潤能を得ることで間葉系様の細胞へと変化する現象である。近位尿細管上皮細胞にアルブミン又はTGF−βを作用させると上皮間葉移行が生じることが知られている。上皮間葉移行は腎線維化に関わると考えられている。
Ggt1及びMegalinは、近位尿細管上皮細胞のマーカーであり、アルブミン又はTGF−βの存在下における、Ggt1又はMegalinの発現量の低下は、近位尿細管上皮細胞が上皮間葉移行を示していることの指標となる。
したがって、被験物質の存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下における、Ggt1又はMegalinの発現量の低下の程度が減少することは、上記被験物質が近位尿細管上皮細胞の上皮間葉移行を抑制すること、すなわち、上記被験物質が腎線維症の予防又は治療剤であることを示す。
被験物質としては特に制限されず、例えば、天然化合物ライブラリ、合成化合物ライブラリ、既存薬ライブラリ、代謝物ライブラリ等が挙げられる。
(第2実施形態)
1実施形態において、本発明は、被験物質及びアルブミンの存在下で、上述した近位尿細管上皮細胞株を培養する工程と、前記近位尿細管上皮細胞株による前記アルブミンの取り込みを測定する工程と、を含み、被験物質の存在下における前記アルブミンの取り込み量が、前記被験物質の非存在下における取り込み量と比較して低下することが、前記被験物質が腎線維症の予防又は治療剤であることを示す、腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法を提供する。
実施例において後述するように、上述した近位尿細管上皮細胞株は、アルブミンの取り込みを示す。また、近位尿細管上皮細胞がアルブミンを取り込むと上皮間葉移行を示し、腎線維症へとつながる。
したがって、近位尿細管上皮細胞によるアルブミンの取り込み量を低下させる被験物質は、近位尿細管上皮細胞の上皮間葉移行を抑制するものであり、腎線維症の予防又は治療剤であるということができる。
被験物質としては上述したものと同様のものを用いることができる。また、アルブミンを蛍光物質等で標識しておくと、蛍光顕微鏡で観察することにより、近位尿細管上皮細胞にアルブミンが取り込まれたか否かを判断することができるため、スクリーニングを容易に実施することができる。
[近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニング方法]
1実施形態において、本発明は、被験物質の存在下、細胞外マトリックス中で、上述した近位尿細管上皮細胞株を3次元培養する工程と、前記近位尿細管上皮細胞株のスフェロイド形成率を測定する工程と、を含み、被験物質の存在下におけるスフェロイド形成率が、前記被験物質の非存在下におけるスフェロイド形成率と比較して有意に変化することが、前記被験物質が近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子であることを示す、近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニング方法を提供する。
実施例において後述するように、上述した近位尿細管上皮細胞株は、3次元培養することによりスフェロイドを形成する。そこで、近位尿細管上皮細胞株のスフェロイド形成率を有意に変化させる被験物質は、近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子であるということができる。
スフェロイド形成率は、例えば、マトリゲル10μLあたり約200個の近位尿細管上皮細胞株を播種して3次元培養を行い、7〜14日後に形成されたスフェロイドを観察し、下記式(1)等により計算することができる。
スフェロイド形成率(%)=内腔を有するスフェロイドの数/顕微鏡下で観察した細胞又は細胞塊の数×100 …(1)
本実施形態のスクリーニング方法により、近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子をスクリーニングすることができる。被験物質としては上述したものの他、shRNAライブラリー、siRNAライブラリー等を用いることができる。
例えば、shRNAライブラリー、siRNAライブラリーを細胞に導入した結果、スフェロイド形成率が有意に変化した場合、導入したshRNA、siRNAにより発現が阻害された遺伝子が、近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子であると考えられる。
本実施形態のスクリーニング方法により同定された因子は、例えば、iPS細胞、ES細胞等の多能性幹細胞から近位尿細管細胞を分化誘導する技術の開発等に有用である。
[腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニングキット]
1実施形態において、本発明は、上述した近位尿細管上皮細胞株を備える、腎線維症の予防若しくは治療剤又は近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニングキットを提供する。本実施形態のキットを用いることにより、上述した腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング、近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニング等を行うことができる。
次に、実験例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[実験例1]
(近位尿細管上皮細胞株の樹立)
p53遺伝子ノックアウトマウスの腎臓から細胞株を樹立した。具体的には、まず、8週齢のp53遺伝子ノックアウトマウスから腎臓を摘出した。続いて、摘出した腎臓を、カルシウム、マグネシウム不含有のリン酸バッファー(PBS)で洗浄してペトリディッシュに入れ、カミソリを用いて腎皮質を切り取った。続いて、腎皮質を細断しミンチ状にした。
続いて、ミンチ状にした組織を消化酵素TrypLE Express(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて37℃、15分間消化した。続いて、消化した組織に尿細管上皮培養培地(型式「REGM」、ロンザ社)を加えて、消化反応を止め、組織を100μmのセルストレイナーに通した。セルストレイナー上にトラップされた組織塊は2.5mL注射シリンジのプランジャーを用いて穏やかに解し、REGMでリンスした。回収した細胞浮遊液をもう一度、新しい100μmのセルストレイナーに通し、75×gで5分間遠心した。続いて、上清を捨て、細胞ペレットを新しいREGMで懸濁し、再び75×gで5分間遠心した。
続いて、細胞ペレットを新しいREGMで再懸濁し、これをNunclon Delta surface処理された細胞培養ディッシュ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)に播種し、37℃、5%CO下で培養した。
最初の継代まで2日に1回培地を交換した。細胞が80%コンフルエントになった時、TrypLE Express処理により細胞を継代した。1回目の継代以降、3日に1回培地を交換した。継代を10回行った後、1,000個の細胞を10cmの培養ディッシュに播種し、培養した。続いて、位相差顕微鏡下でマイクロピペットを用いて、均一な細胞で形成されたコロニーを剥がして吸い込み、96ウェルプレートにそれぞれ移植し、培養を続けた。さらに4回の継代を行い、この間、増殖能が劣る細胞株は廃棄した。続いて、100個の細胞(継代数15)を6ウェルプレートに播種し、もう一度上記と同様にしてコロニーの単離と培養を行った。
以上の操作によりクローナルな細胞株が得られた。得られた細胞株は、3日に1回、1:4の比率で継代した。
続いて、樹立した細胞株(以下、「MuRTE細胞株」又は「MuRTE細胞」という場合がある。)をパラホルムアルデヒド固定し、免疫染色により解析し、近位尿細管上皮細胞のマーカータンパク質の発現を検討した。近位尿細管上皮細胞のマーカータンパク質として、ZO−1、E−Cadherin、β−Catenin及びMegalinの発現を検討した。
図1(a)〜(d)は、それぞれ、MuRTE細胞株における、ZO−1、E−Cadherin、β−Catenin及びMegalinの発現を確認した結果を示す蛍光顕微鏡写真である。スケールバーは50μmを示す。免疫染色の結果、MuRTE細胞株は、ZO−1、E−Cadherin、β−Catenin及びMegalinを発現することが確認された。また、後述するように、MuRTE細胞株は、近位尿細管上皮細胞マーカーの1種であるGgt1を発現することも確認された。以上の結果から、MuRTE細胞株が近位尿細管上皮細胞株であることが明らかとなった。
樹立したMuRTE細胞株を、独立行政法人製品評価技術基盤機構(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託した(受託日:平成30年4月5日、受託番号:NITE BP−02674、微生物の識別の表示「MuRTE細胞」)。
[実験例2]
(MuRTE細胞株への遺伝子導入効率の検討)
実験例1で樹立したMuRTE細胞株への遺伝子導入効率を検討した。MuRTE細胞株を8ウェルチャンバースライドに播種し、緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現ベクター(型式「pEGFP−C1」、アドジーン社)を0.7μg/mLの終濃度でリポフェクションした。リポフェクションには市販のキット(型式「Lipofectamine 3000 #L3000001」、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いた。
続いて、MuRTE細胞株におけるGFPの発現を蛍光顕微鏡で検討した。図2(a)及び(b)は、緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現ベクターを導入したMuRTE細胞株の顕微鏡写真である。倍率は、10倍である。図2(a)は明視野の顕微鏡写真であり、図2(b)は、図2(a)と同じ視野の蛍光顕微鏡写真である。
その結果、MuRTE細胞株のほとんどがGFPを発現していることが明らかとなった。この結果は、実験例1で樹立したMuRTE細胞株への遺伝子導入効率が高いことを示す。
従来知られている尿細管細胞株は遺伝子導入効率が低く、遺伝子導入にウイルスベクター等を使用する必要がある場合があった。これに対し、MuRTE細胞株は、より簡便に遺伝子導入を効率よく行うことができることが明らかとなった。
[実験例3]
(MuRTE細胞株の上皮間葉移行の検討)
実験例1で樹立したMuRTE細胞株が上皮間葉移行を示すか否かを検討した。上述したように、近位尿細管上皮細胞の培地にアルブミン又はTGF−βを作用させると上皮間葉移行が生じることが知られている。
具体的には、MuRTE細胞株の培地に、終濃度20μg/mLのアルブミン(ウシ血清アルブミン(BSA)、メルク社)、又は、終濃度5ng/mLのTGF−β(型式「#240−B」、R&Dシステムズ社)を添加し、24時間培養した。続いて、MuRTE細胞株を回収して全RNAを抽出し、尿細管上皮マーカーであるGgt1の発現をRT−PCRにより検討した。尿細管上皮マーカーの発現量の低下は、上皮間葉移行が生じたことを示す。
図3(a)は通常の培地(型式「REGM」、ロンザ社)、ウシ血清アルブミンを添加したDMEM培地(DMEM+BSA)、TGF−βを添加したDMEM(DMEM+TGF−β)で培養したMuRTE細胞株の顕微鏡写真である。スケールバーは100μmである。
また、図3(b)は、各MuRTE細胞株におけるGgt1遺伝子のRT−PCRの結果を示すアガロースゲル電気泳動の写真である。対照として、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(Gapdh)遺伝子の発現を検討した。その結果、MuRTE細胞株は、アルブミン又はTGF−βの存在下で上皮間葉移行を示すことが明らかとなった。
[実験例4]
(MuRTE細胞株によるアルブミンの取り込みの検討)
実験例1で樹立したMuRTE細胞株がアルブミンの取り込みを示すか否かを検討した。まず、ウシ血清アルブミン(BSA)を蛍光色素であるHiLyte Fluor555(Anaspec社)で標識した。
続いて、蛍光標識したBSAをMuRTE細胞株の培地に添加し、蛍光顕微鏡で継時的に観察した。また、蛍光顕微鏡観察用の試料調製時に4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)含有の褪色防止封入剤(商品名「ProLong Diamond with DAPI」、型式「#P36962」、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を添加して核を染色した。図4(a)〜(c)は、それぞれ、蛍光標識したBSAを培地に添加した直後(0分後)、15分後及び30分後のMuRTE細胞株の蛍光顕微鏡写真である。倍率は40倍である。
その結果、MuRTE細胞株の内部におけるHiLyte Fluor555の蛍光強度が継時的に高くなる様子が観察された。この結果から、MuRTE細胞株がアルブミンの取り込みを示すことが明らかとなった。
[実験例5]
(MuRTE細胞株によるスフェロイド形成能の検討)
実験例1で樹立したMuRTE細胞株をマトリゲル中で3次元培養し、スフェロイド形成能を有するか否かを検討した。また、比較のために、代表的なヒト尿細管上皮細胞株であるHK−2細胞株についても同様の検討を行った。
具体的には、TrypLE Express処理した細胞株を25μmのセルストレイナーに通し、遠心した。続いて、細胞ペレットをGrowth factor reduced Matrigel(型式「#356230」、コーニング社)で懸濁し、細胞浮遊液(1μLあたり細胞20個)を20μLずつ、培養プレート又はチャンバースライドのウェルに滴下した。続いて、37℃で15分間保温し、マトリゲルを重合(ゲル化)した後、ウェルにREGMを加えて、37℃、5%COで7〜14日間培養した。培地は3日に1回交換した。
図5は、3次元培養の結果を示す顕微鏡写真である。スケールバーは20μmを示す。図5中、「MuRTE」はMuRTE細胞株の結果であることを示し、「HK−2」はHK−2細胞株の結果であることを示す。また、「明視野」は明視野の顕微鏡写真であることを示し、「ファロイジン」はファロイジンを用いてアクチンフィラメントを染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真であることを示し、「ヘキスト」はヘキスト33342染色により核を染色した結果を示す蛍光顕微鏡写真であることを示し、「マージ」は、ファロイジン染色の結果とヘキスト33342染色の結果を合成した結果を示す写真であることを示す。
その結果、MuRTE細胞株がスフェロイド形成能を有することが明らかとなった。形成されたスフェロイドは内腔を有していた。一方、HK−2細胞はスフェロイドを形成できないことが明らかとなった。
続いて、MuRTE細胞株から形成されたスフェロイドの薄切切片を透過型電子顕微鏡で観察した。図6はスフェロイドの薄切切片の透過型電子顕微鏡写真である。スケールバーは2μmを示す。図6中、「Nu」は核を示し、「TJ」はタイトジャンクションを示し、「Mv」は微小絨毛を示す。
その結果、形成されたスフェロイドは、内腔側に刷子縁(Brush border)と呼ばれる近位尿細管に特徴的な構造を有することが確認された。この結果は、MuRTE細胞株が近位尿細管の性質を正確に反映していることを更に支持するものである。
[実験例6]
(MuRTE細胞株における排出輸送体(efflux transporter)遺伝子の発現の検討)
薬物性腎障害の評価は、新薬開発において大きな問題となる。多くの化合物は、種々の排出輸送体を介して尿細管毒性を示すことから、腎臓毒性モデルは、種々の排出輸送体遺伝子を発現していることが必要である。
RT−PCRにより、MuRTE細胞における排出輸送体遺伝子の発現を検討した。排出輸送体遺伝子としては、Slc47a1(別名 multidrug and toxin extrusion protein 1(Mate1))、Abcc2(別名 multidrug resistance−associated protein 2(Mrp2))、Abcc4(別名 Mrp4)、Abcb1a(別名 multidrug resistance protein 1A(Mdr1a))、Slc22a2(別名 organic cation transporter 2(Oct2))の発現を検討した。また、陽性対照としてGapdh遺伝子の発現も検討した。また、比較のために、マウス由来の腎臓組織を同様のRT−PCRに供した。
図7は、RT−PCRの結果を示す写真である。図7中、「#15」、「#24」、「#61」、「#71」は、それぞれ、実験例1で樹立した細胞株のクローン番号を表す。クローン#61がMuRTE細胞株である。また、「Kidney」はマウス由来の腎臓組織の結果であることを表し、「Non specific」は非特異的なバンドであることを表す。
その結果、MuRTE細胞は、Slc47a1、Abcc2、Abcc4、Abcb1aの各遺伝子を発現することが明らかとなった。また、後述する実験例6の結果から、MuRTE細胞が、Slc22a2遺伝子も発現することが明らかとなった。
以上の結果から、MuRTE細胞が腎臓毒性モデルとして有用であることが明らかとなった。
[実験例7]
(MuRTE細胞株へのシスプラチンの投与の検討)
癌化学療法では、高い頻度で患者が急性腎症を発症し、薬物の減量や中止を余儀なくされる。また、最も頻用される抗癌剤であるシスプラチンの投与によって、しばしば急性尿細管壊死が生じる。
本実験例では、MuRTE細胞の培地に、終濃度0、1、5、10μMのシスプラチンを添加し、シスプラチンを排出する排出輸送体をコードするSlc22a2遺伝子の発現をRT−PCRにより検討した。また、陽性対照としてGapdh遺伝子の発現も検討した。また、フローサイトメトリーにより死細胞の割合を測定した。
図8は、RT−PCRの結果を示す写真である。その結果、シスプラチンの投与量が増加するとSlc22a2遺伝子の発現が亢進することが明らかとなった。
また、図9(a)〜(c)は、それぞれ、シスプラチンの終濃度0、5、10μMにおける死細胞の割合を測定した結果を示すグラフである。その結果、シスプラチンの投与量が増加すると死細胞の割合が増加することが明らかとなった。
以上の結果から、MuRTE細胞を用いることによって、シスプラチンによる腎障害発症機構の解明や予防法の開発を行うことができることが明らかとなった。また、MuRTW細胞は、シスプラチン以外の薬物による腎障害発症機構の解明や予防法の開発にも用いることができると考えられる。
本発明によれば、近位尿細管の性質を正確に反映した近位尿細管上皮細胞株を提供することができる。
NITE BP−02674

Claims (8)

  1. Gamma−Glutamyltransferase 1(Ggt1)、Tight Junction Protein ZO−1(ZO−1)、E−Cadherin、β−Catenin及びMegalinを発現しており、
    アルブミン取り込み能を有しており、
    培地へのアルブミン又はTransforming growth factor−β(TGF−β)の添加により上皮間葉移行を誘導することができ、
    細胞外マトリックス中で3次元培養することによりスフェロイドを形成することができる、近位尿細管上皮細胞株。
  2. 不死化しやすい遺伝的背景を有している、請求項1に記載の近位尿細管上皮細胞株。
  3. 前記遺伝的背景がp53遺伝子のノックアウトである、請求項2に記載の近位尿細管上皮細胞株。
  4. 受託番号がNITE BP−02674である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の近位尿細管上皮細胞株。
  5. 腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法であって、
    被験物質の存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下で、請求項1〜4のいずれか一項に記載の近位尿細管上皮細胞株を培養する工程と、
    前記近位尿細管上皮細胞株における、Ggt1又はMegalinの発現量を測定する工程と、を含み、
    被験物質の存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下における、Ggt1又はMegalinの発現量の低下量が、前記被験物質の非存在下且つアルブミン又はTGF−βの存在下における発現量の低下量と比較して減少することが、前記被験物質が腎線維症の予防又は治療剤であることを示す、スクリーニング方法。
  6. 腎線維症の予防又は治療剤のスクリーニング方法であって、
    被験物質及びアルブミンの存在下で、請求項1〜4のいずれか一項に記載の近位尿細管上皮細胞株を培養する工程と、
    前記近位尿細管上皮細胞株による前記アルブミンの取り込みを測定する工程と、を含み、
    被験物質の存在下における前記アルブミンの取り込み量が、前記被験物質の非存在下における取り込み量と比較して低下することが、前記被験物質が腎線維症の予防又は治療剤であることを示す、スクリーニング方法。
  7. 近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニング方法であって、
    被験物質の存在下、細胞外マトリックス中で、請求項1〜4のいずれか一項に記載の近位尿細管上皮細胞株を3次元培養する工程と、
    前記近位尿細管上皮細胞株のスフェロイド形成率を測定する工程と、を含み、
    被験物質の存在下におけるスフェロイド形成率が、前記被験物質の非存在下におけるスフェロイド形成率と比較して有意に変化することが、前記被験物質が近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子であることを示す、スクリーニング方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の近位尿細管上皮細胞株を備える、腎線維症の予防若しくは治療剤又は近位尿細管の管腔構造の形成に関与する因子のスクリーニングキット。
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