JP2019197293A - 会話支援システムおよび会話支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】会話テキストを容易に整理可能にすると共に、システムが提示する最適なトークフローによってオペレータの会話を支援する技術を提供する。【解決手段】オペレータの会話を支援する会話支援システム10であって、会話テキストに登場する話題遷移情報を記憶する情報記憶部11と、話題遷移情報における話題の集合同士の類似度である集合間類似度を算出する集合類似度処理部12と、話題遷移情報における話題の列を文字列とし、文字列同士の類似度である遷移類似度を算出する遷移類似度処理部13と、会話テキストを所定のトークフローに分類する会話分類処理部14と、リアルタイム会話に現れた話題がどのトークフローのどの話題に該当するのかを特定する話題追跡処理部16と、リアルタイム会話に現れた話題に基づいて、オペレータにトークフローを提示する情報提示部17と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は会話テキストを処理する技術に関する。
特許文献1には、電話対応業務におけるオペレータと顧客との会話テキストから、その会話で登場した話題を抽出し、話題を表すカテゴリの遷移を分析する技術が開示されている。評価の高いオペレータのカテゴリ遷移の傾向を把握し、新人オペレータの教育に活用する可能性も言及されている。
また、特許文献2には、電話対応業務におけるオペレータと顧客の会話を記録した談話データと、この談話データの談話構造の解析結果である談話セマンティクスとに基づいて、予めテーブル化又はデータベース化された各業務におけるトークスクリプトの利用状況を算出する技術が開示されている。
特許第6208794号公報 特開2012−003702号公報
ベテランオペレータは経験に基づき、独自のトークフロー知識を有し、これを実際の電話応対業務に活用している。これにより、ベテランオペレータは特定話題に対する応対をごく短い通話で終話することでより多くの電話対応業務を処理し、業務効率を向上させている。しかし、ベテランオペレータが実際にどのように会話をしているかを確認するにはベテランオペレータの個々の会話について会話パターンの特徴をそれぞれ抽出し、それらを集積する必要があり、さらに、集積するだけでは未整理の膨大な情報でしかなく、容易に利用できない。また、個々の会話の会話パターンの特徴を人手により整理し、利用しやすい情報に編成するのには多大な労力を要する。
特許文献1にて言及されているように、評価の高いベテランオペレータの会話パターンの特徴は新人オペレータの教育に活用できる。しかし、新人オペレータが高いレベルの顧客対応を行うことができるようになるには、評価の高いオペレータの会話から抽出した会話パターンや業務上で最適と判断される会話パターンを覚え、実際の業務の場面で円滑に実行できるように訓練する必要があり、それには一定以上の期間を要する。さらに、新人オペレータが十分な顧客対応スキルを身に着けるまでの期間は実際の顧客対応業務において他のオペレータやスーパーバイザーなどが新人オペレータの業務を支援する必要があり、コールセンター全体の活用効率を低下させる原因となっていた。
特許文献2に開示された技術は、予め決められた会話のトークスクリプトがデータテーブル化又はデータベース化されているが、評価の高いオペレータの会話や業務上で最適と判断されるオペレータの会話からトークスクリプトを自動抽出するものではなく、評価の高いオペレータなどのトークスクリプトを有効活用することができない。また、オペレータと顧客との会話の中でトークスクリプトをリアルタイムに提示することについては全く言及されておらず、トークスクリプトをリアルタイムに有効活用することができない。
本発明の目的は、オペレータを支援するためのトークフローリコメンド知識の抽出、作成や修正を適切に行うことを可能にすると共に、システムが提示する最適なトークフローによって新人オペレータでも容易にベテランオペレータのような対応ができるようにすることで、他のオペレータやスーパーバイザーによる新人オペレータの教育時間を短縮し、コールセンター全体の活用効率の低下を防止する技術を提供することである。
上記課題を解決するため、実際の顧客対応時にオペレータをリアルタイムに支援する会話支援システムであって、会話テキストに登場する1つ以上の話題の列を示す話題遷移情報を複数の会話テキストについて記憶する情報記憶部と、話題遷移情報における話題の集合同士の類似度である第1類似度を算出する集合類似度処理部と、話題遷移情報における話題の列を文字列とし、文字列同士の類似度である第2類似度を算出する遷移類似度処理部と、話題遷移情報の第1類似度および第2類似度に基づき、会話テキストを、所定の会話形式を示すトークフローに分類する会話分類処理部と、話題遷移情報の第1類似度および第2類似度に基づき、オペレータのリアルタイム会話に現れた話題が、会話分類処理部により分類されたトークフローのうち、どのトークフローのどの話題に該当するのかを特定する話題追跡処理部と、リアルタイム会話に現れた話題に基づいて、オペレータに会話を支援するトークフローリコメンド知識を提示する情報提示部と、を有する構成とした。
本発明によれば、オペレータを支援するためのトークフローリコメンド知識の抽出、作成や修正を適切に行うことを可能にすると共に、システムが提示する最適なトークフローによって新人オペレータでも容易にベテランオペレータのような対応ができるようにすることで、他のオペレータやスーパーバイザーによる新人オペレータの教育時間を短縮し、コールセンター全体の活用効率の低下を防止することができる。
会話支援システム10のハードウェア構成を説明するブロック部である。 会話支援システムの機能構成を示すブロック図である。 会話支援システムの全体処理のフローチャートである。 会話支援システムの知識構築処理のフローチャートである。 会話支援システムの会話支援処理のフローチャートである。 会話支援システムの話題追跡処理のフローチャートである。 話題遷移情報に含まれる話題の集合同士の集合間類似度の算出例を示す図である。 話題遷移情報間の集合間類似度および遷移類似度の例を示す表である。 トークフローを作成する様子を示す図である。 トークフローリコメンド知識を編集する様子を示す図ある。 会話支援をシミュレートする様子を示す図である。 会話支援の様子を示す図である。
<会話支援システム>
次に、図面を用いて本発明の実施の形態にかかる会話支援システム10を詳細に説明する。以下の実施の形態では、会話支援システム10を、電話対応業務を行うオペレータ81をリアルタイムで会話支援するシステムに適用した場合を例示して説明する。
図1は、会話支援システム10のハードウェア構成を説明するブロック図である。
<会話支援システムのハードウェア構成>
図1に示すように、会話支援システム10は、処理装置31と、メインメモリ32と、記憶装置33と、音声入力装置34と、操作入力装置35と、表示装置36とを有し、これらの各装置は信号線37(データバスやアドレスバス)を介して接続されている。オペレータ81の会話相手となる顧客82の会話は、無線又は有線の電話回線90などを介して通信装置20により受信され、オペレータ81の会話と共に音声入力装置34に送信される。
処理装置31は、CPU(Central Processing Unit)などの中央処理装置を含み、メインメモリ32に記憶された制御プログラムを実行することで、会話支援システム10の各機能(図2参照)が実現される。なお、処理装置31はCPU自体であってもよい。
メインメモリ32は、ROM(Read Only Memory)などであり、このメインメモリ32には、会話支援システム10の各機能を発揮させる制御プログラムなどが記憶されている。
記憶装置33は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)などであり、処理装置31の処理結果であるデータや閾値などのパラメータが記憶される。例えば、音声入力装置34で受信したオペレータ81と顧客82との会話テキストや、この会話テキストの構成要素である話題を判定するための話題判定ルール800や、トークフローリコメンド知識900などが記憶される。
ここで、トークフローとは、オペレータにおける特定の解決課題(例えば、解約率の低減)を実現するために用いる、話題と、話題の遷移パターンとを含む情報である。なお本明細書においてトークフローを話題遷移情報とも言う。話題判定ルール800とは、オペレータ81と顧客82との会話の構成要素である話題を判定するためのルールである。また、トークフローリコメンド知識900とは、予め決められた評価の高いオペレータのトークフロー、又はコールセンター側で業務上で最適と判断されるトークフローに基づいてオペレータ81の会話をリアルタイムかつ適切なタイミングでリコメンドするための知識(情報)である。トークフローリコメンド知識900は、評価の高いオペレータのトークフロー、又は業務上で最適と判断されるトークフローと、当該トークフローに対する後述の集合間類似度J及び遷移類似度Qを含む情報である。
音声入力装置34は、オペレータ81と顧客82とのリアルタイムの通話(会話音声)を、通信装置20を介して受信した後、この通話(会話音声)を会話テキスト(テキストデータ)に変換して記憶装置33に送信する。ここで、実施形態では、オペレータと顧客との通話をテキストデータに変換した情報を会話テキストと言う。そして、オペレータと顧客との通話において、オペレータ又は顧客が発した最小単位の音声を発話と言い、ある纏まった意味内容を示す一纏まりの発話を話題(例えば、図7に示すK1〜K4)と言う。つまり、オペレータ又は顧客が発した複数の発話により話題が構成され、複数の話題によりある意味内容を示す通話(会話テキスト)が構成されている。
操作入力装置35は、オペレータ81が操作するマウスやキーボードなどの操作装置に接続されており、オペレータ81による操作装置の操作を受け付ける。
表示装置36は、コンピュータディスプレイなどの装置であり、オペレータ81により視認可能に設けられている。この表示装置36には、会話支援システム10によるオペレータ81に対する会話支援画面(例えば、図12参照)などが表示される。
<会話支援システムの機能構成>
次に会話支援システム10の各機能を説明する。会話支援システム10の各機能は、前述した処理装置31がメインメモリ32に記憶された制御プログラムを実行することで発揮される。
図2は、会話支援システム10の機能構成を示すブロック図である。
会話支援システム10の主要な機能として、情報記憶部11と、集合類似度処理部12と、遷移類似度処理部13と、会話分類処理部14と、会話音声認識部15と、話題追跡処理部16と、情報提示部17と、を有して構成されている。情報記憶部11と、集合類似度処理部12と、遷移類似度処理部13と、会話分類処理部14とは、主に会話支援システム10によるトークフローリコメンド知識900の構築を行う機能を発揮し、情報記憶部11と、会話音声認識部15と、話題追跡処理部16と、情報提示部17は、主に会話支援システム10によるオペレータのリアルタイム会話支援を行う機能を発揮する。情報記憶部11は、どちらの機能にも使用される。
初めに情報記憶部11は、オペレータ81と顧客82との会話の構成要素である話題を判定するための話題判定ルール800、所定の会話形式を示す話題遷移情報(トークフロー)を構成する話題の列の情報を含むトークフローリコメンド知識900など、を記憶する。また、情報記憶部11は、音声入力装置34によりオペレータ81と顧客82との各リアルタイム会話のテキストデータ(会話テキスト)に含まれる1つ以上の話題から成る、話題の列を示す話題遷移情報100〜102(図7参照)を記憶する。
集合類似度処理部12は、話題遷移情報100〜102に含まれる話題K1〜K4の集合同士の類似度である集合間類似度J(第1類似度)を算出する(図7参照)。この集合類似度処理部12による集合間類似度Jの算出処理の詳細は後述する。
遷移類似度処理部13は、話題遷移情報100〜102に含まれる話題K1〜K4の列を文字列とし、文字列の並び順(順序)まで含めた文字列同士の類似度である遷移類似度Q(第2類似度)を算出する(図8参照)。この遷移類似度処理部13による遷移類似度Qの算出処理の詳細は後述する。
会話分類処理部14は、話題遷移情報100〜102の集合間類似度Jと遷移類似度Qとに基づいて、話題遷移情報100〜102を所定のトークフローに分類する処理を行う。この会話分類処理部14による話題遷移情報100〜102の所定のトークフローへの分類処理の詳細は後述する。
前述した情報記憶部11と、集合類似度処理部12と、遷移類似度処理部13と、会話分類処理部14とにより、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話におけるトークフローリコメンド知識900を構築する処理(知識構築処理)が実行される。このトークフローリコメンド知識の構築処理(知識構築処理)の詳細は後述する。
会話音声認識部15は、音声入力装置34によりオペレータ81と顧客82との各リアルタイム会話から取得された音声情報を会話テキスト(テキストデータ)に変換する処理をリアルタイムで実行する。
話題追跡処理部16は、情報記憶部11に記憶された話題判定ルール800に基づいて会話テキストに現れる話題を判定し、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話の話題の列と、トークフローリコメンド知識900に含まれるトークフローの話題の列とを比較し、どのトークフローのどの話題がリアルタイム会話に現れたか判定する処理をリアルタイムに実行する。この話題追跡処理部16による話題判定処理の詳細は後述する。
情報提示部17は、オペレータ81と顧客82との各リアルタイム会話の会話テキストに現れた話題に基づいて、該当するトークフローにおけるオペレータ81の会話を支援するリコメンド情報を表示装置36に提示する。ここで、リコメンド情報とは、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話の現在の話題から、評価の高いオペレータのトークフローや業務上で最適と判断されるトークフローにおける、当該話題以降の話題の遷移パターンを提示する情報をいう。
前述した情報記憶部11と、会話音声認識部15と、話題追跡処理部16と、情報提示部17とにより、知識構築処理で構築されたトークフローリコメンド知識900のリコメンド情報を適切なタイミングでリアルタイムに提示する会話支援処理が実行される。会話支援処理の詳細は後述する。
<全体処理>
次に、会話支援システム10の全体処理の流れを説明する。
図3は、会話支援システム10の全体処理のフローチャートである。
図3に示すように、会話支援システム10の全体処理は、情報記憶部11に記憶されたトークフローリコメンド知識900を蓄積するための知識構築処理(ステップS101)と、蓄積されたトークフローリコメンド知識900に基づいて最適なリコメンド情報を適切なタイミングでリアルタイムにオペレータ81に提示する会話支援処理(ステップS102)を有する。
<知識構築処理>
初めに、知識構築処理S101の具体的な処理の流れを説明する。
図4は、会話支援システム10の知識構築処理S101のフローチャートである。
図7は、話題遷移情報100〜102に含まれる話題の集合同士の集合間類似度Jの算出例を説明する図である。
図8は、話題遷移情報100〜102間の集合間類似度Jおよび遷移類似度Qの例を説明する表である。
図9は、トークフローリコメンド知識900を作成する様子を示す図である。
図4に示すように、ステップS201において、集合類似度処理部12は、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話で出現した話題遷移情報100〜102に含まれる話題K1〜K4の全体の集合同士の類似度を算出する。この集合類似度処理部12により算出された類似度を集合間類似度J(第1類似度)という。
具体的には図7に示すように、集合類似度処理部12は、初めに話題遷移情報100に含まれる話題(実施の形態では、話題K1〜K4)の全体集合と、話題遷移情報101に含まれる話題(実施の形態では、話題K1〜K4)の全体集合との集合間類似度Jを算出する。例えば、集合間類似度Jを、Jaccard係数、Dice係数、又はSimpson係数などを用いて算出することができる。以下、Jaccard係数を用いて集合間類似度Jを算出する場合について説明する。
実施形態では、話題遷移情報100を構成する話題の全体集合S1は、話題K1、K2、K3、K4により構成されており、話題遷移情報101を構成する話題の全体集合S2は、話題K1、K2、K3、K4により構成されている。ここで、Jaccard係数は、話題遷移情報100の全体集合S1と、話題遷移情報101の全体集合S2との積集合を、全体集合S1と全体集合S2との和集合で割った値で表すことができる(数式1参照)。
|S1とS2との積集合|/|S1とS2との和集合| ・・・(1)
ここで、話題遷移情報100の全体集合S1と、話題遷移情報101の全体集合S2との積集合は話題K1、K2、K3、K4の4つであり、話題遷移情報100の全体集合S1と、話題遷移情報101の全体集合S2との和集合はK1、K2、K3、K4の4つであるから、|S1とS2との積集合|/|S1とS2との和集合|=4/4=1.0となる。
同様に、集合類似度処理部12は、話題遷移情報101を構成する話題の全体集合S2(話題K1、K2、K3、K4)と、話題遷移情報102を構成する話題の全体集合S3(話題K3、K4)との積集合を、全体集合S2と全体集合S3との和集合で割ることで、話題遷移情報101と話題遷移情報102との集合間類似度Jを算出する。
実施の形態では、話題遷移情報101の全体集合S2と、話題遷移情報102の全体集合S3との積集合は話題K3、K4の2つであり、話題遷移情報101の全体集合S2と、話題遷移情報102の全体集合S3との和集合は話題K1、K2、K3、K4の4つであるから、|S1とS2との積集合|/|S1とS2との和集合|=2/4=0.5となる。
なお、前述した集合間類似度Jの算出方法は、話題遷移パターンの曖昧性を吸収して、大量の通話の中から類似した通話を特定できるものであれば、Jaccard係数、Dice係数、又はSimpson係数を用いて算出する方法に限定されるものではない。また、話題遷移情報に含まれる話題Kの個数は1つ以上であればよく、前述した個数(話題K1〜K4の4個)に限定されるものではない。また、前述した話題遷移情報101と話題遷移情報102との集合間類似度Jの算出で例示したように、異なる話題数の全体集合同士に基づいて集合間類似度Jを算出することもできる。
集合類似度処理部12は、集合間類似度Jが所定の閾値Jth(第1閾値)以上であり、類似していると判断した話題遷移情報と、集合間類似度Jが所定の閾値Jth未満であり、類似していないと判断した話題遷移情報とをそれぞれグループ化する。実施の形態では、閾値Jthが0.6に設定されており、集合類似度処理部12は、集合間類似度Jがこの閾値Jth(例えば、0.6)以上となった話題遷移情報100と話題遷移情報101とを同一のグループG1としてグループ化し、閾値Jth未満となった話題遷移情報102を他のグループG2としてグループ化する。
次に、ステップS202において、遷移類似度処理部13は、集合間類似度Jが閾値Jth以上となったグループG1の話題遷移情報100、101に対して、話題遷移情報100、101に含まれる話題K1〜K4の列を文字列に置き換え、各話題遷移情報100、101の文字列の並び順も含めた文字列同士の類似度を算出する。この遷移類似度処理部13により算出された各話題遷移情報100、101の文字列同士の類似度を遷移類似度Q(第2類似度)という。
具体的には図8に示すように、遷移類似度処理部13は、情報記憶部11に記憶されたトークフローリコメンド知識900を構成する所定の話題遷移情報SL1の話題の集合K1、K2、K3、K4を基準に、話題遷移情報100、101の遷移類似度Qを算出する。この話題遷移情報SL1は、トークフローリコメンド知識900を構成する話題遷移情報(トークフロー)であり、評価の高いオペレータの所定のトークフローにおける最適な会話(話題)をテキストデータにして予め記憶されているものである。
初めに遷移類似度処理部13は、トークフローリコメンド知識900の話題遷移情報SL1に含まれる話題の全体集合(話題K1、K2、K3、K4)と、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話から取得した話題遷移情報100、101に含まれる話題の全体集合との間の集合間類似度Jに基づいて、話題遷移情報100、101の集合間類似度Jが所定の閾値Jth(例えば、0.6)以上となった話題遷移情報のグループG1のみを抽出する。実施の形態では、話題遷移情報100と101の集合間類似度J(実施の形態では、J=1.0)が閾値Jth(実施の形態では、Jth=0.6)以上となるので、話題遷移情報100と101が処理対象として抽出される。
遷移類似度処理部13は、抽出された話題遷移情報100と101の話題の列R1、R2を文字列に置き換える。実施形態では、遷移類似度処理部13は、話題遷移情報100の話題の列R1(話題K1、K2、K3、K4)を文字列1234に置き換え、話題遷移情報101の話題の列R2(話題K1、K3、K4、K2)を文字列1342に置き換える。
そして、遷移類似度処理部13は、トークフローリコメンド知識900の話題遷移情報SL1の文字列L1と、抽出された話題遷移情報100、101との間の遷移類似度Qを算出する。実施の形態では、遷移類似度Qは、話題遷移情報100、101の文字列(1234、1342)を何回編集(挿入、削除、置換)したら目的とする話題遷移情報SL1の文字列(1234)と完全に一致するかにより算出できる。この方法によって算出される、目的とする文字列になるまでに必要な編集回数を編集距離と言う。例えば、話題遷移情報100の文字列1234は、1度も編集せずに話題遷移情報SL1の文字列1234と完全に一致するので、話題遷移情報100の遷移類似度Q=1−(編集距離/長い方の文字列)=1−(0/4)=1.0となる。一方、話題遷移情報101の文字列1342は、話題3と話題2を置換した後、さらに話題3と話題4とを置換することで目的とする話題遷移情報SL1の文字列1234と完全に一致するので、話題遷移情報101の第2類似度Q=1−(編集距離/長い方の文字列)=1−(2/4)=0.5となる。
なお、遷移類似度処理部13は、話題遷移情報100〜102の文字列の遷移類似度Qの算出において、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話に出現する話題の列の文字列にリアルタイム会話に現れた話題を現れた順番に連結しながら、連結する度に遷移類似度Qを算出する。
なお、前述した遷移類似度Qの算出方法は、話題遷移パターンの序列を考慮して、大量の通話の中から類似した通話を特定できるものであれば、前述した編集距離を用いた算出方法に限定されるものではない。また、話題遷移情報に含まれる話題Kの個数は1つ以上であればよく、前述した個数(話題K1〜K4の4個)に限定されるものではない。また、異なる話題数の全体集合同士に基づいて遷移類似度Qを算出することもできる。
ステップS203において、会話分類処理部14は、ステップS202で算出された遷移類似度Qが所定の閾値Qth(第2閾値)以上となった話題遷移情報100を、トークフローリコメンド知識900を構成する話題遷移情報SL1と同一の会話と判断して同一のトークフローとして分類する。一方、会話分類処理部14は、遷移類似度Qが所定の閾値Qth(例えば、0.6)未満の話題遷移情報101を、「その他」のトークフローに分類する。
ステップS204において、会話分類処理部14は、ステップS203で「その他」のトークフローに分類された話題遷移情報(例えば、話題遷移情報101)が、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話で出現した話題遷移情報の全体量に対してどの程度の割合かを算出し、割合が所定の閾値(例えば、20%)未満となっていれば(ステップS204:No)、トークフローリコメンド知識900の拡充(蓄積)が必要ないと判断して処理を終了し、割合が所定の閾値(例えば、20%)以上であれば(ステップS204:Yes)、トークフローリコメンド知識900の拡充(蓄積)が必要であると判断し、ステップS205に進む。
ステップS205において、会話分類処理部14は、ステップS201で集合間類似度Jが所定の閾値Jth以上となったリアルタイム会話で出現する話題遷移情報について、さらにステップS202で遷移類似度Qが所定の閾値Qth以上となった話題遷移情報を、トークフローリコメンド知識900の話題遷移情報SL1と同一の会話形式を有するグループとしてグループ化する。一方、会話分類処理部14は、「その他」のトークフローに分類された話題遷移情報(例えば、話題遷移情報101及び話題遷移情報102)を、閾値Jth又は閾値Qthの両方又は何れか一方の値を下げながら、再度、集合間類似度Jを算出し、算出した集合間類似度Jが所定の閾値Jth以上となった話題遷移情報について、さらに遷移類似度Qを算出し、算出した遷移類似度Qが所定の閾値Qth以上となった話題遷移情報を同一のグループとして新たにグループ化する。
ステップS206において、会話分類処理部14は、ステップS205で新たにグループ化された複数の話題遷移情報のうち、代表的と考えられる話題遷移情報(代表話題遷移情報とも言う)を1つ抽出し、この抽出した代表話題遷移情報に対するグループ内の他の話題遷移情報の集合間類似度J及び遷移類似度Qを算出する。そして、会話分類処理部14は、算出した集合間類似度J及び遷移類似度Qが所定の閾値Jth及び閾値Qth以上となった話題遷移情報を、代表話題遷移情報と同一の会話形式を有するトークフローとして情報記憶部11に記憶し、ステップS204に戻る。
ここで、上記したステップS204のトークフローリコメンド知識900の拡充の要否の判断は人為的に行ってもよい。例えば、ベテランオペレータが「その他」に分類されたトークフローに分類されたものの割合に基づいて、トークフローリコメンド知識900の拡充が必要であると判断した場合に、手動でトークフローリコメンド知識900の拡充処理を行うようにしてもよい。また、上記したステップS205の集合間類似度Jのグループ化を手動で行うようにしてもよい。例えば、ベテランオペレータが集合間類似度Jの閾値Jthの値と遷移類似度Qの閾値Qthの値を人手で微調整しつつ、この微調整した閾値Jth及び閾値Qthに基づいて、手動で話題遷移情報の新たなグループ化を行うようにしてもよい。また、上記したステップS206の代表話題遷移情報の抽出は、評価の高いオペレータなどが経験則に基づいて人為的に抽出してもよい。例えば、評価の高いオペレータにより予め決められた代表話題遷移情報を手動で設定してもよく、業務上で最適と思われる代表話題遷移情報を手動で設定してもよい。
また、会話支援システム10において、会話分類処理部14が所定のルールに基づいて抽出してもよい。例えば、会話分類処理部14は、「その他」グループに含まれる話題遷移情報(トークフロー)のうち、会話形式(話題の並び順)が同一である最も数の多い話題遷移情報(トークフロー)を代表話題遷移情報として自動的に抽出してもよく、又は「その他」グループに含まれる話題遷移情報が、どのオペレータの過去のリアルタイム会話に基づくものかを関連付けて記憶しておき、その中で最も評価の高いオペレータのリアルタイム会話又は業務上で最適と判断されるリアルタイム会話に基づく話題遷移情報(トークフロー)を代表話題遷移情報として自動的に抽出してもよい。なお、代表話題遷移情報の抽出方法はこれに限定されるものではなく、「その他」グループに含まれる話題遷移情報を何れかのトークフローに適切に分類できる方法であれば何れの方法であってもよい。
会話分類処理部14は、ステップS204で「その他」のトークフローに分類された話題遷移情報の割合が所定の閾値(例えば、20%)未満となり、トークフローリコメンド知識900の拡充(蓄積)が必要ないと判定されるまで、ステップS204〜S206の処理を繰り返す。
会話支援システム10では、上記した知識構築処理S101(具体的には、ステップS201〜S206の処理)を行うことで、オペレータ81と顧客82との会話において特定のトークフローに分類されないで、その他のトークフローに分類される話題遷移情報を特定のトークフロー又は新たなトークフローに分類(カテゴライズ)することができる。上記したステップS201〜206の処理をトークフローカテゴライズ機能と言ってもよい。
例えば、図9に示すように、前述したトークフローカテゴライズ機能によりカテゴライズされた結果は表示装置36に表示される。表示装置36の表示画面の左上領域には、オペレータ81と顧客82との会話の文脈を表すトークフローと、トークフローに含まれる話題数、その話題数の全トークフローの全話題数に対する割合が表示領域400に表形式で表示されている。表示装置36の右上領域には、各トークフローの話題数の全トークフローの全話題数に対する割合がグラフ形式で表示されている。
この結果、表示装置36に表示されたトークフローの話題数の割合を見ることで、前述した知識構築処理S101で拡充したトークフローリコメンド知識900を用いた場合に、どの程度の頻度でトークフローがオペレータ81にリコメンドされるのかを把握することができ、オペレータ81にリコメンドされる頻度が低い場合には知識構築処理S101によりトークフローリコメンド知識900を再度蓄積(拡充)する必要があることが分かる。
例えば、会話支援システム10では、表示装置36の表示領域402に表示されたオペレータ81と顧客82との会話のトークフローのシミュレーションにおいてリコメンドの頻度が低いと判断した場合、その他のトークフローに分類される話題遷移情報の割合が小さくなるように知識構築処理S101を再度行い、例えば、その他のトークフローに分類された話題遷移情報の割合が所定の割合(例えば、20%)未満となるまで前述したトークフローリコメンド知識900の蓄積を行う。実施の形態では、会話分類処理部14は、その他のトークフローに分類された話題遷移情報の割合が初めの63%から目的とする20%未満となるまで知識構築処理S101を繰り返し行う。その結果、トークフローリコメンド知識900では、その他のトークフローに分類される話題遷移情報の割合が小さくなり(例えば、20%未満)、特定のトークフローに分類される話題遷移情報の割合が高くなり、もしくは、別の新たに作成されたトークフローに分類される話題遷移情報の割合を高くすることができる。
その結果、会話支援システム10では、オペレータ81に対するリコメンドの頻度を高くすることができ、オペレータ81に対する会話支援をより適切に行うことができる。
<会話支援処理>
次に、前述した会話支援処理S102の具体的な処理の流れを説明する。
図5は、会話支援システム10の会話支援処理S102のフローチャートである。
ステップS301において、会話音声認識部15は、音声入力装置34を介して受信したオペレータ81と顧客82との通話(会話)の音声をリアルタイムで認識し、会話テキスト(テキストデータ)にリアルタイムで変換する処理を行う。
ステップS302において、話題追跡処理部16は、会話音声認識部15で認識した会話音声の会話テキストに基づいて、受信した会話がどのトークフローのどの話題であるかを特定する処理(話題追跡処理)を行う。この話題追跡処理の詳細は後述する。
ステップS303において、情報提示部17は、話題追跡処理の結果、オペレータ81と顧客82との会話から特定した所定のトークフローの話題において、リコメンド情報をオペレータ81にリアルタイムで提示する処理を行う。
<話題追跡処理>
次に、前述した話題追跡処理S302の具体的な処理の流れを説明する。
図6は、会話支援システム10の話題追跡処理S302のフローチャートである。
ステップS401において、話題追跡処理部16は、オペレータ81と顧客82との会話音声のテキストデータ(会話テキスト)から不要語(例えば、「あっ」、「あの」など)の削除を行う。削除する不要語は予め設定されていてもよく、又は所定のルールに基づいて決められるようにしていてもよい。例えば、話題追跡処理部16は、会話テキストを、意味を有する最小単位となる形態素に区切り、概念検索により不要語辞書データベース(図示せず)に登録されている表現との関連度を算出する。そして、話題追跡処理部16は、概念検索の関連度が所定以上である会話テキストを不要語として会話テキストから削除する。このように会話音声のテキストデータから不要語を削除することで、話題追跡処理部16による話題の検出を容易にし、話題の検出精度を高めることができる。
ステップS402において、話題追跡処理部16は、オペレータ81のリアルタイム会話をテキストデータ化した発話の連結を行う。会話音声認識部15でテキストデータ化された発話(例えば、話題を構成する1文字)を、先にテキストデータ化された発話に順次連結する。
ステップS403において、話題追跡処理部16は、ステップS402で発話が連結されるごとに、当該連結された発話からある纏まった意味を有する話題を検出したか否かを判断する。これにより、話題追跡処理部16は、ある纏まった話題を検出するごとに後述するトークフローの特定(ステップS405)を行うので、オペレータ81のリアルタイム会話の中で可能な限り早いタイミングでトークフローを特定することができ、オペレータ81の会話支援をリアルタイムで行うことができる。
話題追跡処理部16は、ある纏まった意味を有する話題を検出できなかったと判断した場合(ステップS403:No)、ステップS401に戻って不要語の除去(ステップS401)、発話の連結(ステップS402)を再度行い、連結された発話からある纏まった意味を有する話題を検出するまでステップS401とS402の処理を繰り返す。一方、話題追跡処理部16は、連結された発話から所定の意味を有する話題を検出したと判断した場合(ステップS403:Yes)、ステップS404に進む。
ステップS404において、話題追跡処理部16は、集合類似度処理部12により算出されたトークフローリコメンド知識900の話題遷移情報と、ステップS403で検出した話題を構成要素とする話題遷移情報との集合同士の類似度である集合間類似度Jを取得する。この集合間類似度Jは、集合類似度処理部12により前述したステップS201と同様の処理により算出される。
ステップS405において、話題追跡処理部16は、ステップS403で検出した話題を構成要素とする話題遷移情報の集合間類似度Jが所定の閾値Jth(例えば、0.6)未満となり、何れの話題遷移情報(トークフロー)も特定できないと判断した場合(ステップS405:No)、ステップS401に戻って、何れかの話題遷移情報(トークフロー)を特定できるまでステップS401〜ステップS405の処理を繰り返す。これにより、オペレータ81と顧客82のリアルタイムのトークフローが、トークフローリコメンド知識900のどのトークフローであるのかを特定するまで、リアルタイムの会話テキストから検出した話題を加えた話題の集合とトークフローリコメンド知識900の話題遷移情報の話題の集合との類似度を判断することで、リアルタイムのトークフローが、トークフローリコメンド知識900のどのトークフローであるのかを特定することができる。
また、話題追跡処理部16は、ステップS403である纏まった意味のある話題を検出する度に、ステップS405で検出した話題を含む話題遷移情報の集合間類似度Jに基づいてトークフローの特定を行っている。これにより、オペレータ81のリアルタイム会話の中で可能な限り早いタイミングでトークフローを特定することができ、オペレータ81の会話支援をリアルタイムで行うことができる。
一方、話題追跡処理部16は、ステップS403で検出した話題を構成要素とする話題遷移情報の集合間類似度Jが所定の閾値Jth以上となり、オペレータ81のリアルタイムのトークフローがトークフローリコメンド知識を構成する話題遷移情報(トークフロー)のうち、どのトークフローであるのかを特定できたと判断した場合(ステップS405:Yes)、ステップS406に進む。なお、話題追跡処理部16は、何れかの話題遷移情報(トークフロー)を特定した場合、その後の話題遷移情報(トークフロー)を特定する処理(ステップS405)を省略してもよい。
ステップS406において、話題追跡処理部16は、遷移類似度処理部13により算出された、ステップS405で特定した話題遷移情報(トークフロー)の話題の文字列と、トークフローリコメンド知識900の話題遷移情報(トークフロー)の話題の文字列との遷移類似度Qを取得する。この遷移類似度Qは、遷移類似度処理部13により前述したステッS202と同様の処理により算出される。
ステップS407において、話題追跡処理部16は、ステップS405で特定した話題遷移情報の話題の文字列と、トークフローリコメンド知識900の話題遷移情報の話題の文字列との遷移類似度Qが所定の閾値Qth(例えば、0.6)以上であると判断した場合、話題遷移情報を構成する特定の話題を特定できた判断し(ステップS407:Yes)、ステップS408に進む。
一方、話題追跡処理部16は、オペレータ81のリアルタイム会話で特定した話題遷移情報(トークフロー)と、トークフローリコメンド知識900の話題遷移情報(トークフロー)との遷移類似度Qが閾値Qth(例えば、0.6)未満である場合、オペレータ81のリアルタイム会話で特定したトークフローの所定の話題が、ステップS405で特定したトークフローに含まれる話題のうちのどの話題であるのかを特定することができないと判断し(ステップS407:No)、ステップS401に戻って、再度、オペレータ81のリアルタイム会話の話題を追加した後の話題の集合と、トークフローリコメンド知識900のトークフローの話題の集合との遷移類似度Qを算出し、遷移類似度Qが閾値Qth(例えば、0.6)以上となり、話題が特定されたか否かを判定する処理を繰り返す。
このように、話題追跡処理部16は、ステップS405で、オペレータ81のリアルタイム会話(トークフロー)に類似するトークフローをトークフローリコメンド知識900の中から特定することで、オペレータ81のリアルタイム会話で出現した話題が、特定したトークフローの中のどの話題に位置しているかを判断することができる。よって、話題追跡処理部16は、特定したトークフローにおいて、次に出現する話題を特定することができる結果、オペレータ81に適切なリコメンド情報をリアルタイムで提示することができる。
ステップS408において、話題追跡処理部16は、ステップS408で特定した話題に対応するリコメンド知識を表示装置36などに提示する必要があるか否かを判断し、提示する必要があると判断した場合(ステップS408:Yes)、ステップS303に進み、情報提示部17によるオペレータ81に対する話題に対応するリコメンド情報の提示をリアルタイムで行う。
一方、話題追跡処理部16は、ステップS408で特定した話題に対応するリコメンド情報を提示する必要がないと判断した場合(ステップS408:No)、ステップS401へ戻り、オペレータ81にリコメンド情報の提示が必要と判断するまで、ステップS401〜S408の処理を繰り返し行う。これにより、話題追跡処理部16は、オペレータ81と顧客82とのトークフローにおいて、オペレータ81へのリコメンド情報の提示が必要なタイミングをリアルタイムで、かつ適切に判断し、オペレータ81に提示することができる。
なお、話題追跡処理部16によるリコメンド情報を提示する必要があるか否かの判断は、特定した話題に対して、提示する必要があるリコメンド情報が予め設定されているか否かに基づいて行われる。この提示するリコメンド情報の設定は、評価の高いベテランオペレータなどがトークフローリコメンド知識900を予め編集することで行われる。
<トークフローリコメンド知識の編集例>
次に、トークフローリコメンド知識900の編集例を説明する。
図10は、トークフローリコメンド知識900を編集する様子を示す図ある。
トークフローリコメンド知識900は、集合間類似度Jの閾値Jthと、遷移類似度Qの閾値Qthと、話題遷移情報(トークフロー)とにより構成されており、トークフローリコメンド知識900を編集するために、これらの情報が表示装置36に表示されている。
図10に示すように、トークフローリコメンド知識900の編集は、例えば、評価の高いオペレータにより視認可能に構成された表示装置36(例えば、コンピュータディスプレイ)に表示された編集画面361上で行われる。編集画面361の左側の表示領域500には、予め設定されたオペレータと顧客とのトークフロー(文脈タイトル)が表示され、それぞれ選択できるようになっている。編集画面361の右側の表示領域600には、表示領域500で選択されたトークフロー(文脈タイトル)のリコメンドの内容(リコメンド情報)、集合間類似度の閾値Jth、遷移類似度の閾値Qthが表示され、それぞれオペレータにより任意に設定できるようになっている。
実施の形態では、編集画面361の表示領域500に表示されたトークフローの中から「プランA保険のキャンペーンセール」が選択され、表示領域600にその詳細内容(トークフローリコメンド知識900)が表示されている。表示領域600では、集合間類似度の閾値Jthが60%(0.6)、遷移類似度の閾値Qthが100%(1.0)に設定されている。また、表示領域600では、リコメンド内容が編集できるようになっている。
表示領域600において、オペレータは、顧客との過去の会話の経験から「プランA保険のキャンペーンセール」のトークフローで、例えば「新規入会率の向上」を目的とする場合に最適と考えるリコメンドをリコメンド内容に記載する。そして、オペレータは、集合間類似度の閾値Jthの値を調整することで、オペレータ81と顧客82との会話におけるトークフローを特定するタイミングを変えつつ、遷移類似度の閾値Qthの値を調整することで、特定したトークフローにおけるリコメンド情報の提示タイミング(提示位置)を変えて、特定したトークフローにおいて、最適なリコメンドを最適なタイミングで提示できるように設定する。
よって、会話支援システム10では、これらの閾値Jth及びQthの値を調整することで、トークフローの特定タイミングと、特定したトークフローにおけるリコメンド情報の提示タイミングを調整することができ、評価の高いオペレータのリコメンドタイミング、又は業務上で最適と判断されるリコメンドタイミングに応じた適切なタイミングで最適なリコメンド情報を提示できるように設定することができる。また、リコメンドの内容を編集できるようになっているので、評価の高いオペレータが自身の経験に基づいて、特定のトークフローにおいて、ある課題解決のために最適な内容のリコメンド情報を作成することができる。これにより、会話支援システム10は、経験の少ないオペレータであっても、最適な内容のリコメンドを提示することができ、特定のトークフローにおける課題解決を行うことができる可能性を高めることができる。
なお、上記したトークフローリコメンド知識900の編集は、会話支援システム10が情報記憶部11に記憶されたトークフローリコメンド知識900や、オペレータ81の過去の会話テキストなどに基づいて自動で作成してもよい。このように構成すると、会話支援システム10は、多くのリコメンド情報の中から特定のトークフローに最適なリコメンド情報を短時間で編集することができる。
このトークフローリコメンド知識900の編集結果は、表示装置36上でオペレータ81と顧客82との会話のシミュレーションで確認することができる。このシミュレーション結果を確認することで、顧客82と会話を行うオペレータ81に適切なタイミングで最適なリコメンドを提示できているか否かを確認することができる。
<会話シミュレーション機能>
図11は、会話支援システム10において、オペレータへの会話支援をシミュレートする様子を示す図である。
会話支援シミュレーションにおける表示装置36には、図10で設定した集合間類似度の閾値Jth(%)、オペレータと顧客との会話の全文、話題の順番(カテゴリ名の序列)が表示される。なお、表示装置36には、集合間類似度の閾値Jthの設定値を変更した(例えば、閾値を下げた)場合のシミュレーション結果が複数パターン同時に表示されるようになっており、閾値Jthを変えた結果の比較が容易にできるようになっている。これにより、集合間類似度の閾値Jthの設定値をどの値にしたら、オペレータの会話支援を適切に行えるのかを容易に判断することができる。図11に示す実施の形態では、集合間類似度の閾値Jthが60%と50%の場合が例示して表示されているが、画面を下側にスクロールさせることで、それ以外の閾値の場合も表示される。
なお、オペレータ81と顧客82との会話の全文は、情報記憶部11に記憶された過去のオペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話の会話テキストを用いてもよく、評価の高いオペレータが自身の経験に基づいて入力してもよい。
このように、会話支援システム10では、集合間類似度Jの閾値Jthを徐々に下げた場合のトークフローの特定タイミングをシミュレーションにより確認することができる。
なお、会話支援システム10では、トークフローリコメンド知識900のトークフローと、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話のトークフローとを、リアルタイム会話の話題が出現するごとに逐次連結しながら遷移類似度Qを算出することで、リコメンドが表示されるタイミングもシミュレーションすることができる。
<会話支援システムによる会話支援の様子>
次に、前述した会話支援システム10による会話支援の様子を説明する。
図12は、会話支援システム10によるオペレータ81への会話支援の様子を示す図である。
図12に示すように、会話支援システム10によるオペレータ81の会話支援の様子は表示装置36に表示される。表示装置36の表示画面361では、左側領域にオペレータ81と顧客82との会話が行われている様子がリアルタイムで表示されている。表示画面361の右側領域には会話支援システム10によるリコメンド情報群が表示されている。
オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話が行われている場合、会話支援システム10では、リアルタイム会話における集合間類似度Jと遷移類似度Qとに基づいてトークフローが特定される。実施の形態では、会話支援システム10は、例えば、リアルタイム会話から「プランAのご案内」のトークフローを特定した後、当該トークフローに対応する予め設定されたリコメンド情報群を表示する。
そして、会話支援システム10は、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話(話題)において、特定されたトークフローのどの話題まで進んだかを判断し、進んだ話題にチェック850を付加する。これにより、オペレータ81は、特定されたトークフローのどの話題まで進んだのかをチェック850により視認することができ、次のリコメンド(例えば、「一生の買い物であることの共感」)の内容とリコメンドのタイミングを適切に判断することができる。
以上説明した通り、実施の形態では、
(1)実際の顧客対応時にオペレータ81をリアルタイムに支援する会話支援システム10であって、1発話以上の会話テキストで構成される話題1つ以上から成る話題K1〜K4の列を示す話題遷移情報100〜102を複数の会話テキストについて記憶する情報記憶部11と、話題遷移情報100〜102における話題K1〜K4の集合同士の類似度である集合間類似度J(第1類似度)を算出する集合類似度処理部12と、話題遷移情報100〜102における話題K1〜K4の列を文字列とし、文字列同士の類似度である遷移類似度Q(第2類似度)を算出する遷移類似度処理部13と、話題遷移情報100〜102の集合間類似度Jおよび遷移類似度Qに基づき、会話テキストを、所定の会話形式を示すトークフローに分類する会話分類処理部14と、集合間類似度Jおよび遷移類似度Qに基づき、オペレータ81のリアルタイム会話に現れた話題が、会話分類処理部14により分類されたトークフローのうち、どのトークフローのどの話題に該当するのかを特定する話題追跡処理部16と、リアルタイム会話に現れた話題に基づいて、オペレータ81に会話を支援するトークフローリコメンド知識900を提示する情報提示部17と、を有する構成とした。
このように構成すると、話題の列により示される会話テキストを、会話テキストに含まれる話題の集合同士の集合間類似度Jと、会話テキストに含まれる話題の列を文字列とする文字列同士の遷移類似度Qとに基づき所定の会話形式を示すトークフローに分類するので、会話をその会話の中で登場する話題とその登場順序により整理することができると共に、所定のトークフローにおいて最適なトークフローリコメンド知識900を適切なタイミングでオペレータ81に提示することができる結果、会話支援におけるトークフローの活用を適切に行うことができる。
(2)また、会話分類処理部14は、集合間類似度Jおよび遷移類似度Qに基づいて類似する会話テキストをグループ化し、該グループの会話形式を示す新たなトークフローを作成する構成とした。
このように構成すると、会話テキストに含まれる話題の集合同士の集合間類似度Jと話題の列を文字列とする文字列同士の遷移類似度Qとに基づき新たな会話形式のトークフローを作成することができるので、新たに作成するトークフローを含むトークフローに会話を分類することができる。
(3)また、会話分類処理部14は、集合間類似度Jおよび遷移類似度Qによりいずれの既存のトークフローにも分類されなかった会話テキストを集合間類似度Jおよび遷移類似度Qによりグループ化する構成とした。
このように構成すると、既存のトークフローに分類されない会話テキストから新たな会話形式のトークフローを作成することができるので、未分類の会話をトークフローに分類することができる。その結果、会話テキストの全体量に対して、トークフローに分類できる会話テキストの割合を高めることができ、会話支援において会話テキストを有効に活用することができる。
(4)また、会話分類処理部14は、集合間類似度Jに閾値Jth(第1閾値)を適用し、遷移類似度Qに閾値Qth(第2閾値)を適用して会話テキストをグループ化して該グループの会話テキストが分類される新たなトークフローを作成する処理を、閾値Jthと閾値Qthのいずれか一方または両方を下げながら未分類の会話テキストが所定基準以下となるまで繰り返す構成とした。
このように構成すると、トークフローにより会話テキストの多くを網羅することができる。
(5)また、会話分類処理部14は、情報記憶部11の会話テキストのうち、いずれかのトークフローに分類された会話テキストの割合と、トークフロー毎に該トークフローに分類された会話テキストの割合と、を算出する構成とした。
このように構成すると、会話テキストのうちどの程度を網羅して整理することができたか、会話テキストをどの程度分散させて分類することができたかを評価することができる。
(6)また、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話から取得された音声情報をテキストに変換する処理をリアルタイムで実行する会話音声認識部15と、を有し、情報記憶部11は、会話の構成要素である話題を判定するための話題判定ルールと、所定の会話形式を示すトークフロー100〜102に含まれる話題K1〜K4の列の情報を含むトークフローリコメンド知識900と、をさらに記憶すると共に、話題追跡処理部16は、話題判定ルールに基づき会話音声認識部15で変換されたテキストに現れる話題を判定し、リアルタイム会話の話題の列と前記トークフローリコメンド知識900に含まれるトークフローの話題の列とを比較し、どのトークフローのどの話題がリアルタイム会話に現れたかを判定する処理をリアルタイムで実行する構成とした。
このように構成すると、会話支援システム10は、会話テキストを音声認識し、会話テキストに現れる話題を判定し、どのトークフローのどの話題がリアルタイム会話に現れたか判定し、オペレータに会話を支援するリコメンド情報(トークフローリコメンド知識)を提示するので、オペレータの会話をシステムにより支援することができる。
(7)また、話題追跡処理部16は、リアルタイム会話の話題の集合とトークフローの話題の集合との類似度である集合間類似度J(第1類似度)と、リアルタイム会話の話題の列とトークフローの話題の列との類似度である遷移類似度Q(第2類似度)とに基づいて、リアルタイム会話がどのトークフローの話題まで進んだかを判定する構成とした。
このように構成すると、話題追跡処理部16は、話題の集合および話題の列の類似度でリアルタイム会話がどのトークフローのどの話題まで進んだかを判定するので、リアルタイム会話の途中でも、リアルタイム会話が該当するトークフローおよび話題を高い精度で判断することができる。
(8)また、話題追跡処理部16は、リアルタイム会話との集合間類似度Jが閾値Jth(第1閾値)以上であるトークフローについてのみリアルタイム会話との遷移類似度Q(第2類似度)を算出し、該遷移類似度Qが閾値Qth(第2閾値)以上であれば、当該トークフローがリアルタイム会話の該当するトークフローと判断する構成とした。
このように構成すると、話題追跡処理部16は、リアルタイム会話の話題の順序に依存せずにリアルタイム会話に類似する会話のトークフローを見つけ、そのトークフローに基づきリアルタイム会話に登場した話題にたいして適切なリコメンド情報(トークフローリコメンド知識)を提示することができる。また、集合間類似度Jで候補のトークフローを絞り込んで遷移類似度Qを算出するので、演算量を低減することができる。
(9)また、リコメンド情報(トークフローリコメンド知識)は、リアルタイム会話の現在の話題から、トークフローにおける次の話題への遷移を推奨する情報である構成とした。
このように構成すると、オペレータ81はリアルタイム会話の進行に応じて次にどの話題へ誘導するのが良いかを知ることができる。
(10)また、情報提示部は、リアルタイム会話の該当するトークフローの話題の列と、該話題の列のどの話題まで進行しているかと、をリアルタイムで画面に表示する構成とした。
このように構成すると、オペレータ81はリアルタイム会話の進行を確認しながら、次にどの話題に遷移するのが良いかを知ることができる。
(11)また、情報記憶部11は、蓄積された複数の会話テキストである蓄積会話テキストについて、該蓄積会話テキストに登場する1つ以上の話題K1〜K4の列を示す話題遷移情報100〜102を更に記憶し、会話支援システム10は、話題遷移情報100〜102における話題K1〜K4の集合同士の集合間類似度J(第1類似度)を算出する集合類似度処理部12と、話題遷移情報100〜102における話題K1〜K4の列を文字列とし、文字列同士の遷移類似度Q(第2類似度)を算出する遷移類似度処理部13と、話題遷移情報100〜102の集合間類似度Jおよび遷移類似度Qに基づき、蓄積会話テキストを、所定の会話形式を示すトークフローに分類し、集合間類似度Jおよび遷移類似度Qによりいずれの既存のトークフローにも分類されなかった蓄積会話テキストを集合間類似度Jおよび遷移類似度Qによりグループ化し、該グループの会話形式を更に有する、構成とした。
このように構成すると、会話支援システム10は、情報記憶部11に記憶された蓄積会話テキストで出現する話題遷移情報100〜102が、何れのトークフローにも分類されなかった場合、分類されなかった話題遷移情報を集合間類似度Jと遷移類似度Qとを用いて再グループ化を行うので、何れのトークフローにも分類されない話題遷移情報を減らすことができ、話題遷移情報の利用効率を高めることができる。
(12)また、シミュレーション用会話テキスト(例えば、図11に示すオペレータ81と顧客82との会話の全文)が与えられると、話題追跡処理部16は、シミュレーション用会話テキストを先頭から順次、話題判定ルール800に基づいて分析し、該シミュレーション用会話テキストに現れる話題を判定し、シミュレーション用会話テキストの話題の列とトークフローリコメンド知識900に含まれるトークフローの話題の列とを比較し、どのトークフローのどの話題がシミュレーション用会話テキストに現れたか判定し、情報提示部17は、シミュレーション用会話テキストに現れた話題に基づいてトークフローリコメンド知識900(リコメンド情報)を提示する構成とした。
このように構成すると、会話支援システム10では、シミュレーション用会話テキストを用いてトークフローリコメンド知識900の提示タイミングや提示頻度をシミュレーションできるので、その結果を話題判定ルールやトークフローリコメンド知識の改善に利用することができる。
(13)また、シミュレーション用会話テキスト(図11参照)が与えられると、話題追跡処理部16は、シミュレーション用会話テキストを先頭から順次、話題判定ルールに基づいて分析し、該シミュレーション用会話テキストに現れる話題を判定し、シミュレーション用会話テキストの話題の列とトークフローリコメンド知識900に含まれるトークフローの話題の列とを比較し、どのトークフローのどの話題がシミュレーション用会話テキストに現れたか判定し、情報提示部17は、シミュレーション用会話テキストに現れた話題に基づいてトークフローリコメンド知識900を提示する構成とした。
このように構成すると、シミュレーション用会話テキストを用いてトークフローリコメンド知識900の提示タイミングや提示頻度をシミュレーションできるので、その結果を話題判定ルールやトークフローリコメンド知識の改善に利用することができる。
(14)また、話題追跡処理部16は、集合間類似度Jを算出するモジュールを集合類似度処理部12と共用し、遷移類似度Qを算出するモジュールを遷移類似度処理部13と共用し、集合間類似度Jおよび遷移類似度Qに基づいて、リアルタイム会話がどのトークフローのどの話題まで進んだかを判定する構成とした。
このように構成すると、話題追跡処理部16は、集合間類似度Jと遷移類似度Qとを算出する処理モジュールを共用にしているので、各々の処理部を個別に設けるよりも処理効率(処理速度)を高くすることができると共に、処理部の開発効率を向上させることができる。
なお、図10において、トークフローリコメンド知識900の編集は、情報記憶部11に記憶された評価の高いオペレータの過去の会話テキストに基づいて、会話支援システム10が自動で行うようにしてもよい。このようにすると、トークフローリコメンド知識900の編集を短時間で効率よく行うことができる。
また、会話支援システム10のハードウェア構成又は機能構成の一部を共通のモジュールとしてもよい。例えば、集合間類似度Jを算出する集合類似度処理部12と遷移類似度Qを算出する遷移類似度処理部13とを1つの共通のモジュールとしても、この共通のモジュールで算出された集合間類似度Jと遷移類似度Qとに基づいて、オペレータ81と顧客82とのリアルタイム会話がどのトークフローのどの話題まで進んだかを判定することができる。
また、会話支援システム10の一部のハードウェア構成又は機能構成をクラウド上に設けてもよい。このようにすると、クラウド上に設けたハードウェア構成又は機能構成を複数の会話支援システムで共通に利用することができる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は、前述した実施の形態を全て組み合わせてもよく、何れか2つ以上の実施の形態を任意に組み合わせても好適である。
また、本発明は、前述した実施の形態の全ての構成を備えているものに限定されるものではなく、前述した実施の形態の構成の一部を、他の実施の形態の構成に置き換えてもよく、また、前述した実施の形態の構成を、他の実施の形態の構成に置き換えてもよい。
また、前述した実施の形態の一部の構成について、他の実施の形態の構成に追加、削除、置換をしてもよい。
10:会話支援システム、11:情報記憶部、12:集合類似度処理部、13:遷移類似度処理部、14:会話分類処理部、15:会話音声認識部、16:話題追跡処理部、17:情報提示部、31:処理装置、32:メインメモリ、33:記憶装置、34:音声入力装置、35:操作入力装置、36:表示装置、361:表示画面、37:信号線、81:オペレータ、82:顧客、900:トークフローリコメンド知識、100〜102:話題遷移情報(トークフロー)、J:集合間類似度、Q:遷移類似度、K1〜K4:話題

Claims (14)

  1. 実際の顧客対応時にオペレータをリアルタイムに支援する会話支援システムであって、
    会話テキストに登場する1つ以上の話題の列を示す話題遷移情報を複数の会話テキストについて記憶する情報記憶部と、
    前記話題遷移情報における前記話題の集合同士の類似度である第1類似度を算出する集合類似度処理部と、
    前記話題遷移情報における話題の列を文字列とし、文字列同士の類似度である第2類似度を算出する遷移類似度処理部と、
    前記話題遷移情報の前記第1類似度および前記第2類似度に基づき、前記会話テキストを、所定の会話形式を示すトークフローに分類する会話分類処理部と、
    前記話題遷移情報の前記第1類似度および前記第2類似度に基づき、前記オペレータのリアルタイム会話に現れた話題が、前記会話分類処理部により分類されたトークフローのうち、どのトークフローのどの話題に該当するのかを特定する話題追跡処理部と、
    前記リアルタイム会話に現れた話題に基づいて、前記オペレータに会話を支援するトークフローリコメンド知識を提示する情報提示部と、を有する会話支援システム。
  2. 前記会話分類処理部は、前記第1類似度および前記第2類似度に基づいて類似する会話テキストをグループ化し、該グループの会話形式を示す新たなトークフローを作成する、請求項1に記載の会話支援システム。
  3. 前記会話分類処理部は、前記第1類似度および前記第2類似度によりいずれの既存のトークフローにも分類されなかった会話テキストを前記第1類似度および前記第2類似度によりグループ化する、請求項2に記載の会話支援システム。
  4. 前記会話分類処理部は、前記第1類似度に第1閾値を適用し、前記第2類似度に第2閾値を適用して前記会話テキストをグループ化して該グループの会話テキストが分類される新たなトークフローを作成する処理を、前記第1閾値と前記第2閾値のいずれか一方または両方を下げながら未分類の会話テキストが所定基準以下となるまで繰り返す、請求項3に記載の会話支援システム。
  5. 前記会話分類処理部は、前記情報記憶部の会話テキストのうち、いずれかのトークフローに分類された会話テキストの割合と、トークフロー毎に該トークフローに分類された会話テキストの割合と、を算出する、請求項1に記載の会話支援システム。
  6. 前記オペレータと前記顧客とのリアルタイム会話から取得された音声情報をテキストに変換する処理をリアルタイムで実行する会話音声認識部と、を有し、
    前記情報記憶部は、会話の構成要素である話題を判定するための話題判定ルールと、所定の会話形式を示すトークフローに含まれる話題の列の情報を含むトークフローリコメンド知識と、をさらに記憶すると共に
    前記話題追跡処理部は、前記話題判定ルールに基づき前記会話音声認識部で変換されたテキストに現れる話題を判定し、前記リアルタイム会話の話題の列と前記トークフローリコメンド知識に含まれるトークフローの話題の列とを比較し、どのトークフローのどの話題が前記リアルタイム会話に現れたかを判定する処理をリアルタイムで実行する、請求項1に記載の会話支援システム。
  7. 前記話題追跡処理部は、前記リアルタイム会話の話題の集合と前記トークフローの話題の集合との類似度である第1類似度と、前記リアルタイム会話の話題の列と前記トークフローの話題の列との類似度である第2類似度とに基づいて、前記リアルタイム会話がどのトークフローの話題まで進んだかを判定する、請求項6に記載の会話支援システム。
  8. 前記話題追跡処理部は、前記リアルタイム会話との前記第1類似度が第1閾値以上であるトークフローについてのみ前記リアルタイム会話との前記第2類似度を算出し、該第2類似度が第2閾値以上であれば、当該トークフローが前記リアルタイム会話の該当するトークフローと判断する、請求項7に記載の会話支援システム。
  9. 前記トークフローリコメンド知識は、前記リアルタイム会話の現在の話題から、前記トークフローにおける次の話題への遷移を推奨する情報である、請求項6に記載の会話支援システム。
  10. 前記情報提示部は、前記リアルタイム会話の該当するトークフローの話題の列と、該話題の列のどの話題まで進行しているかと、をリアルタイムで画面に表示する、請求項9に記載の会話支援システム。
  11. 前記情報記憶部は、蓄積された複数の会話テキストである蓄積会話テキストについて、該蓄積会話テキストに登場する1つ以上の話題の列を示す話題遷移情報を更に記憶し、
    前記会話支援システムは、
    前記話題遷移情報における前記話題の集合同士の第1類似度を算出する集合類似度処理部と、
    前記話題遷移情報における前記話題の列を文字列とし、文字列同士の第2類似度を算出する遷移類似度処理部と、
    前記話題遷移情報の前記第1類似度および前記第2類似度に基づき、前記蓄積会話テキストを、所定の会話形式を示すトークフローに分類し、前記第1類似度および前記第2類似度によりいずれの既存のトークフローにも分類されなかった蓄積会話テキストを前記第1類似度および前記第2類似度によりグループ化し、該グループの会話形式を更に有する、請求項6に記載の会話支援システム。
  12. シミュレーション用会話テキストが与えられると、
    前記話題追跡処理部は、前記シミュレーション用会話テキストを先頭から順次、前記話題判定ルールに基づいて分析し、該シミュレーション用会話テキストに現れる話題を判定し、前記シミュレーション用会話テキストの話題の列と前記トークフローリコメンド知識に含まれるトークフローの話題の列とを比較し、どのトークフローのどの話題が前記シミュレーション用会話テキストに現れたか判定し、
    前記情報提示部は、前記シミュレーション用会話テキストに現れた話題に基づいて前記トークフローリコメンド知識を提示する、請求項6に記載の会話支援システム。
  13. 前記話題追跡処理部は、前記第1類似度を算出するモジュールを前記集合類似度処理部と共用し、前記第2類似度を算出するモジュールを前記遷移類似度処理部と共用し、前記第1類似度および前記第2類似度に基づいて、前記リアルタイム会話がどのトークフローのどの話題まで進んだかを判定する、請求項12に記載の会話支援システム。
  14. 実際の顧客対応時にオペレータをリアルタイムに支援する会話支援方法であって、
    会話テキストに登場する1つ以上の話題の列を示す話題遷移情報を複数の会話テキストについて記憶し、
    前記話題遷移情報における前記話題の集合同士の類似度である第1類似度を算出し、
    前記話題遷移情報における話題の列を文字列とし、文字列同士の類似度である第2類似度を算出し、
    前記話題遷移情報の前記第1類似度および前記第2類似度に基づき、前記会話テキストを、所定の会話形式を示すトークフローに分類し、
    前記話題遷移情報の前記第1類似度および前記第2類似度に基づき、前記オペレータのリアルタイム会話に現れた話題が、前記分類されたトークフローのうち、どのトークフローのどの話題に該当するのかを特定し、
    前記リアルタイム会話に現れた話題に基づいて、前記オペレータの会話を支援するトークフローリコメンド知識の提示をコンピュータが実行する会話支援方法。
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