JP2019195632A - 隠し経鼻胃管 - Google Patents
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Abstract
【課題】患者の栄養摂取を補助し、患者の顔面外観を損なわない隠し経鼻胃管を提供する。【解決手段】管及び分離式蓋を有する隠し経鼻胃管であって、管1の一端に進入部を有し、他端に患者の鼻腔内に差込可能な投与部12を有し、進入部及び投与部と管とが連通し、分離式蓋2は投与部を閉鎖可能であり、分離式蓋は係止部21を有し、係止部の一端が分離式蓋の側表面から突出する。【選択図】図2
Description
本発明は、経鼻胃管に関し、特に、患者の栄養摂取を補助し、かつ患者の外観を損なわない医療用経鼻胃管に係るものである。
臨床的に、経鼻胃管は摂食量不足、昏睡、食道疾患など、正常に摂食できない患者に用いられ、定時、定量的に栄養を経鼻胃管によって患者の胃の中へ注入することで、必要栄養素の摂取を補助することができるものである。
図9b、図10に示されるように、従来の経鼻胃管9は中空の管であり、その一端が患者Pの鼻腔Nより胃部Sへ突き入れられ、経鼻胃管9の他端は鼻腔Nの外部に残され、かつ残された一端は固定式蓋91を有し、固定式蓋91は経鼻胃管9の一端に連接されるものである。経鼻胃管9によって栄養を患者の胃部Sへ注入する必要がなくなった場合、固定式蓋91が経鼻胃管9を閉じることができる。
従来の経鼻胃管9では、固定式蓋91を有する一端が鼻腔Nの内部へ引っ込むことを防ぐことができないので、医療人員は従来の経鼻胃管9の一部を鼻腔Nの外部へ露出させ、かつテープTで露出した経鼻胃管9を患者Pの鼻の皮膚に貼り付けることで経鼻胃管9を固定する必要があった。しかしながら露出した経鼻胃管9は、「象の鼻」のように見える上に、露出した経鼻胃管9及びテープTは患者の顔面外観を深刻に損なうので、患者の自信を低下させ、患者は人前に出たくなくなってしまう。さらに、露出した経鼻胃管9を患者が活動中に不注意で引っ張ってしまうことも起こり易く、位置移動した経鼻胃管9は安全面のリスクがあるので、患者の行動が制限され、外出の意欲を低下させてしまう。よって、従来の経鼻胃管を改善する必要があった。
本発明は上記問題を解決するために隠し経鼻胃管を提供し、この隠し経鼻胃管を栄養投与のために使用されていない場合に、患者の顔面外観を保ち、かつ管が引っ張られて位置移動してしまわないように、隠し経鼻胃管の管及び投与部を患者の鼻腔内に隠すことができ、栄養投与が必要な場合に、隠し経鼻胃管及び投与部を便利に引っ張り出すことができる隠し経鼻胃管を提供することを目的とする。
本発明の明細書全文にわたって述べられる方向を示す用語、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上(頂)」、「下(底)」、「内」、「外」、「側」などは、主に、添付図面上における方向を示すもので、本発明の各実施例に対する説明と理解を補助するためのものであり、本発明はこれらの方向に限定されるものではない。
本発明の隠し経鼻胃管は、管及び分離式蓋を有し、前記管の一端に進入部を有し、他端に患者の鼻腔内に差込可能な投与部を有し、前記進入部及び前記投与部と前記管とが連通し、前記分離式蓋は前記投与部を閉鎖可能であり、前記分離式蓋は係止部を有し、前記係止部の一端が前記分離式蓋の側表面から突出することを特徴とする。
これにより、本発明の隠し経鼻胃管は、管及び投与部を患者の体内に隠すことができ、かつ係止部により患者の鼻外部に当接することで、管の投与部が鼻腔の深部まで引っ込むことを防ぐ。また、蓋を投与部に対して回すことで、係止部が鼻中隔の下方に位置するように調整し、さらに係止部を鼻の縁に隠すことができる。これにより、栄養投与に使用されていないときは管を鼻外部に露出させる必要も、テープで鼻の皮膚に固定させる必要もなく、管及び投与部を完全に患者の体内に隠すことができ、管の露出した部分が引っ張られて位置移動してしまうことを防ぐ上に、患者の顔面外観を保ち、患者の自信を向上させる効果を有する。さらに、栄養投与が必要な場合、係止部により容易に管を患者の鼻腔から引っ張り出すことで投与でき、かつ警告部の設置により、介護者は経鼻胃管を外部に引っ張り出した長さを迅速に認識して把握でき、管を引っ張りすぎることを防ぐことができる。
また、前記投与部の外径は7mm以下であることを特徴とする。これにより、投与部が患者の鼻腔内に置かれる際に露出したり不快感をもたらしたりすることなく、使い心地を向上させる効果を有する。
また、前記投与部と前記進入部との間に警告部を有することを特徴とする。これにより、介護者は隠し経鼻胃管を引っ張る動作を即時に停止し、管を引っ張りすぎることを防ぐことができ、使用安全性を向上させる効果を有する。
また、前記警告部が色の目立つ環状体であることを特徴とする。これにより、介護者は隠し経鼻胃管を外部に引っ張り出した長さを迅速に認識して把握でき、管を引っ張りすぎることを防ぐことができ、使用安全性を向上させる効果を有する。
また、前記警告部が突出した環状体であることを特徴とする。これにより、介護者は隠し経鼻胃管を外部に引っ張り出した長さを迅速に認識して把握でき、管を引っ張りすぎることを防ぐことができ、使用安全性を向上させる効果を有する。
また、前記分離式蓋は詰込部により前記投与部の内壁に詰め込み、前記分離式蓋はさらに縁部を有し、前記縁部の寸法と前記投与部の最大寸法とが一致することを特徴とする。これにより、分離式蓋が投与部を確実に閉鎖でき、かつ容易に分離式蓋を開ける効果を有する。
また、前記係止部において前記分離式蓋の側表面から突出する一端に鈎部を有することを特徴とする。これにより、管の投与部が鼻腔の深部まで引っ込まないように確保し、かつ投与部を容易に取り出せる効果を有する。
また、前記係止部は突出した棒であり、前記棒の両端は前記分離式蓋の側表面から突出し、かつ前記両端それぞれに鈎部を有することを特徴とする。これにより、管の投与部が鼻腔の深部まで引っ込まないように確保し、かつ投与部を容易に取り出せる効果を有する。
また、前記係止部の第一端が前記分離式蓋の側表面に連接され、前記係止部の第二端が半径方向に沿って外に向かって延伸することを特徴とする。これにより、管の投与部が鼻腔の深部まで引っ込まないように確保し、かつ投与部を容易に取り出せる効果を有する。
また、前記分離式蓋が前記投与部に結合され、かつ前記分離式蓋が前記投与部に対して回転可能であることを特徴とする。これにより、患者の鼻の縁に対する係止部の位置を調整できるので、患者は需要により係止部をより快適な位置や係止部を隠し易い位置に調整することができ、使用利便性を向上させる効果を有する。
本発明の実施例について、以下、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本発明の第一実施例は、管1及び分離式蓋2を有し、分離式蓋2が管1に結合される。
管1は所定の長さを有し、その一端に進入部11を有する。進入部11を有する一端が患者の鼻腔から差し込まれて胃内に置かれることができるように、管1は柔軟性を有することが好ましい。進入部11の端部は丸い縁111を有することが好ましく、これにより進入部11が患者の消化管内で容易に移動でき、移動する際に患者の消化管内に傷を作ることを防ぐことができる。管1の他端は投与部12を有し、投与部12と管1とが連通することで、流動食を投与部12より注入し、管1及び進入部11より患者の胃部へ送り込むことができる。流動食を投与部12から注入し易くするように、投与部12は開口が広がるようになり、かつ断面が円状であることが好ましい。さらに、投与部12の寸法が患者の鼻穴の口径よりやや小さくなるように、かつ投与部12が患者の鼻腔内に置かれる際に露出したり不快感をもたらしたりすることがない前提で、投与部12の寸法は7mm以下であることが好ましい。
管1は警告部13を有することが好ましい。警告部13が投与部12と進入部11との間に位置し、警告部13と投与部12との間に警告距離Lを形成することで、介護者が管1を引っ張りすぎて進入部11を胃部から脱出させることを防ぐ。警告部13について、色の目立つ、または突出した環状体など認識され易い構造を使用しても良く、或いは警告部13の色と他の部分の色とが異なるようにすることもでき、本発明ではこれらに限定されない。これにより、介護者は隠し経鼻胃管を外部に引っ張り出した長さを迅速に認識して把握でき、管1を引っ張りすぎることを防ぐことができる。さらに、医療人員が管1の進入深さを正確に記録して把握できるように、管1は複数の目盛14を有することができる。
分離式蓋2は管1の投与部12に結合されることができ、かつ投与部12から便利に取り外されることができる。分離式蓋2は投与部12を閉鎖するのに用いられることができ、これにより胃部或いは管1内の液体が投与部12より流れ出ることを防ぐ。分離式蓋2は係止部21を有し、係止部21は分離式蓋2の側表面から突出することで、分離式蓋2が患者の鼻の外部、例えば鼻中隔の下縁に係止することができ、これにより管1の投与部12が鼻穴の開口に位置するように維持し、管1の投与部12が鼻腔の深部まで引っ込んで取り出せなくなることを防ぐ。本実施例において、係止部21は突出した棒であっても良く、係止部21の第一端21aが分離式蓋2の外表面に一体成形されても良く、これにより係止部21の第二端21bが分離式蓋2の側表面から延伸して突出する。
詳しく述べると、分離式蓋2は詰込部22により投与部12の内壁に詰め込むことで投与部12を閉じることができる。分離式蓋2はさらに縁部23を有することができ、縁部23の寸法と投与部12の最大寸法とが一致することが好ましい。縁部23は同じく患者の鼻腔に隠されることができ、露出したり不快感をもたらしたりすることはない。他の実施例において、分離式蓋2を従来の係止方式や螺合方式などにより投与部12に結合することもでき、本発明ではこれらに限定されない。
図1、2に示されるように、上記構造により、本発明の隠し経鼻胃管を取り付ける前に、患者の鼻穴から胸腔の剣状突起の末端までの距離に基づいて、適切な長さを有する管1を選択することができ、さらに分離式蓋2を管1の投与部12に結合し、医療人員が管1の進入部を患者の鼻腔から食道を経由して胃部まで差し込む。取り付けた後、投与部12を患者の鼻穴に近づかせるように、患者はさらに管1を胃部に向かって押し込むことができ、これにより管1及び投与部12は患者の鼻腔から胃部までの間に隠れることができる。この後、係止部21を投与部12に対して回すことで、係止部21の第二端21bを適切な位置まで回して患者の鼻の下縁に当接させ、これにより係止部21を患者の鼻の下縁に隠して、かつ管1の投与部12を固定し、管1の投与部12が鼻腔の深部まで引っ込むことを防ぐことができる。以上により、本発明の隠し経鼻胃管を取り付けた後、管1を鼻腔の外部に露出させずに患者の体内に隠すことができ、かつテープで患者の顔面に固定する必要がないので、顔面の外観を維持し、患者の自尊心を保たせる効果を有し、及び患者が活動中に不注意で管1を引っ張ってしまうことを防ぐ。さらに、患者は自ら分離式蓋2を管1に対して回すことで、患者の鼻の縁に対する係止部21の位置を調整できるので、患者は需要により係止部21をより快適な位置や係止部21を隠し易い位置に調整することができる。
図1、3に示されるように、本発明の隠し経鼻胃管を用いて患者に栄養投与する場合、介護者は管1の投与部12を警告部13が露出しないように引っ張ることで、進入部11が患者の胃部から脱出することを防ぐことができる。管1を適切な距離まで引っ張った後、介護者は分離式蓋2を投与部12から取り外し、シリンジなどの器具で流動食を投与部12に注入することができ、これにより流動食が管1により胃内へ流し込み、患者の栄養摂取を補助することができる。
さらに図2を参照すると、流動食の注入後及び洗浄後、介護者は分離式蓋2を投与部12に押し戻すことで、流動食や胃液が投与部12から逆流することを防ぐことができる。続いて、係止部21の第二端21bが患者の鼻外部に当接するまで投与部12を鼻腔内へ押し込むと、管1及び投与部12を鼻腔から胃部までの間に隠し直すことができる。係止部21は鼻中隔の下縁に貼り付くことができるので、他者に見つかり難い。
図4、5に示されるように、本発明の第二実施例において、係止部24の第二端24bは鈎部241を有することができる。鈎部241は鼻翼の外側に引っ掛かり、或いは患者のもう一方の鼻穴に入ることができるので、投与部12が鼻腔の深部まで引っ込まないように確保し、かつ投与部12を容易に取り出せる効果を有する。
図6に示されるように、本発明の第三実施例において、係止部25は二つの鈎部251を有する。係止部25の両端が分離式蓋2の側表面を越えるように外へ向かって延伸し、かつ係止部25の両端にそれぞれ鈎部251が形成され、二つの鈎部251はそれぞれ患者の鼻翼の外側及び他方の鼻穴の中に引っ掛かり、或いはそれぞれ二つの鼻翼の外側に引っ掛かることができる。これにより、係止部25は二つの鈎部251によって管1が鼻腔の深部まで引っ込むことをより確実に防ぐことができ、かつ容易に取り出せる効果を有し、さらに、係止部25が鼻の片側にのみ圧力をかけることを避け、患者の長時間使用における使い心地を改善することができる。
図7に示されるように、本発明の第四実施例において、係止部26の第一端26aは分離式蓋2の縁部23の側表面に一体成形によって連接されても良く、これにより係止部26の第二端26bが半径方向に沿って外に向かって延伸する。図8、9aに示されるように、第二端26bは患者の鼻中隔の下縁に引っ掛かることができ、これにより投与部12が鼻腔の深部まで引っ込まないように確保し、かつ投与部12を容易に取り出せる効果を有する。さらに、係止部26の長さを短くすることで、係止部26をより上手く隠す効果を有する。
以上により、本発明の隠し経鼻胃管は、管及び投与部を患者の体内に隠すことができ、かつ係止部により患者の鼻外部に当接することで、管の投与部が鼻腔の深部まで引っ込むことを防ぐ。また、蓋を投与部に対して回すことで、係止部が鼻中隔の下方に位置するように調整し、さらに係止部を鼻の縁に隠すことができる。これにより、栄養投与に使用されていないときは管を鼻外部に露出させる必要も、テープで鼻の皮膚に固定させる必要もなく、管及び投与部を完全に患者の体内に隠すことができ、管の露出した部分が引っ張られて位置移動してしまうことを防ぐ上に、患者の顔面外観を保ち、患者の自信を向上させる効果を有する。さらに、栄養投与が必要な場合、係止部により容易に管を患者の鼻腔から引っ張り出すことで投与でき、かつ警告部の設置により、介護者は隠し経鼻胃管を外部に引っ張り出した長さを迅速に認識して把握でき、管を引っ張りすぎることを防ぐことができる。
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
1 管
11 進入部
111 縁
12 投与部
13 警告部
14 目盛
2 分離式蓋
21 係止部
21a 第一端
21b 第二端
22 詰込部
23 縁部
24 係止部
24a 第一端
24b 第二端
241 鈎部
25 係止部
251 鈎部
26 係止部
26a 第一端
26b 第二端
9 経鼻胃管
91 固定式蓋
L 警告距離
N 鼻腔
S 胃部
P 患者
T テープ
11 進入部
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13 警告部
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23 縁部
24 係止部
24a 第一端
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26 係止部
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26b 第二端
9 経鼻胃管
91 固定式蓋
L 警告距離
N 鼻腔
S 胃部
P 患者
T テープ
Claims (10)
- 管及び分離式蓋を有する隠し経鼻胃管であって、
前記管の一端に進入部を有し、他端に患者の鼻腔内に差込可能な投与部を有し、前記進入部及び前記投与部と前記管とが連通し、
前記分離式蓋は前記投与部を閉鎖可能であり、前記分離式蓋は係止部を有し、前記係止部の一端が前記分離式蓋の側表面から突出することを特徴とする、隠し経鼻胃管。 - 前記投与部の外径は7mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記投与部と前記進入部との間に警告部を有することを特徴とする、請求項1に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記警告部が色の目立つ環状体であることを特徴とする、請求項3に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記警告部が突出した環状体であることを特徴とする、請求項3に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記分離式蓋は詰込部により前記投与部の内壁に詰め込み、前記分離式蓋はさらに縁部を有し、前記縁部の寸法と前記投与部の最大寸法とが一致することを特徴とする、請求項1に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記係止部において前記分離式蓋の側表面から突出する一端に鈎部を有することを特徴とする、請求項1に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記係止部は突出した棒であり、前記棒の両端は前記分離式蓋の側表面から突出し、かつ前記両端それぞれに鈎部を有することを特徴とする、請求項1に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記係止部の第一端が前記分離式蓋の側表面に連接され、前記係止部の第二端が半径方向に沿って外に向かって延伸することを特徴とする、請求項1に記載の隠し経鼻胃管。
- 前記分離式蓋が前記投与部に結合され、かつ前記分離式蓋が前記投与部に対して回転可能であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の隠し経鼻胃管。
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