JP2019188561A - 物品把持装置及び物品把持装置の制御装置 - Google Patents

物品把持装置及び物品把持装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高速に物品を処理可能な物品把持装置及び物品把持装置の制御装置を提供する。【解決手段】 実施形態に係る物品把持装置は、物品を把持する把持機構と、前記把持機構を移動させるアーム機構と、状態検出センサと、コントローラとを具備する。状態検出センサは、前記把持機構が前記物品を把持した際の把持の状態を測定し、測定結果を出力する。コントローラは、前記物品を把持した前記把持機構を移動させている間に前記物品が落下するか否かを推測する為の安定性評価パラメータと、前記状態検出センサの測定結果とに基づいて、前記把持機構及び前記アーム機構の動作を制御する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、物品把持装置及び物品把持装置の制御装置に関する。
小包などの物品(荷物)を配送する仕分システムでは、収集した荷物を配送先ごとに仕分ける作業が必要となる。例えば、物品を把持する把持機構と、把持機構を移動させるアーム機構とを有するロボットアーム(物品把持装置)と、ロボットアームの動作を制御する制御装置と、制御装置に動作を指示する情報処理装置とを備える仕分システムが実用化されている。
ロボットアームの把持機構は、物品に吸着する吸着パッドを備える。把持機構は、吸着パッドが物品の表面に接し、且つ吸着パッド内が負圧になった場合に、物品を把持することができる。
ロボットアームの制御装置は、情報処置装置から供給された動作計画に基づいて、アーム機構により把持機構を移動させる。さらに、制御装置は、把持機構により物品を把持させ、アーム機構により把持機構を移動させ、物品を仕分先まで移動させる。
仕分システムで仕分される物品は、様々な形状のものがある。例えば、物品は、寸法、重量、表面の状態(凹凸及び曲率など)、包装状態などの特性が一様ではない。この為、把持機構の吸着パッドを物品に吸着させて、物品を把持した場合に、物品の把持が安定しない可能性がある。物品の把持が安定しない状態で、アーム機構により把持機構を移動させた場合に、物品が把持機構の吸着パッドから離れ、落下する可能性がある。このように、物品の把持が安定しない場合、アーム機構による把持機構の移動の速度を抑える必要があり、物品の処理の速度が低下する。また、前述の特性が異なる物品が混載されている場合、それらの特性を把持する前に得られる情報(例えばカメラ画像など)だけから識別することは困難である。よって、混載されている物品のうち最も把持が安定しないものを基準に、一律に処理速度を低下させざるをえないという課題がある。
特開2013−111744号公報
本発明が解決しようとする課題は、高速に物品を処理可能な物品把持装置及び物品把持装置の制御装置を提供することである。
実施形態に係る物品把持装置は、物品を把持する把持機構と、前記把持機構を移動させるアーム機構と、状態検出センサと、コントローラとを具備する。状態検出センサは、前記把持機構が前記物品を把持した際の把持の状態を測定し、測定結果を出力する。コントローラは、前記物品を把持した前記把持機構を移動させている間に前記物品が落下するか否かを推測する為の安定性評価パラメータと、前記状態検出センサの測定結果とに基づいて、前記把持機構及び前記アーム機構の動作を制御する。
図1は、第1の実施形態に係る仕分システムの概略的な構成例について説明する為の説明図である。 図2は、第1の実施形態に係る操作端末の構成例について説明する為の説明図である。 図3は、第1の実施形態に係るロボットアームの構成例について説明する為の説明図である。 図4は、第1の実施形態に係るロボットアームの構成例について説明する為の説明図である。 図5は、第1の実施形態に係るロボットアームの動作について説明する為のフローチャートである。 図6は、第1の実施形態に係るロボットアームの動作について説明する為のフローチャートである。 図7は、第1の実施形態に係るロボットアームにより物品を把持する例について説明する為の説明図である。 図8は、第1の実施形態に係るロボットアームにより物品を把持する例について説明する為の説明図である。 図9は、第1の実施形態に係るロボットアームにより物品を把持する例について説明する為の説明図である。 図10は、第1の実施形態に係るロボットアームにより物品を把持する例について説明する為の説明図である。 図11は、第1の実施形態に係るロボットアームにより物品を把持する例について説明する為の説明図である。 図12は、第1の実施形態に係るロボットアームにより物品を把持する例について説明する為の説明図である。 図13は、安定性評価パラメータに基づいて物品の把持の安定性を評価する分類処理について説明する為の説明図である。 図14は、学習用データの生成に関する処理の例について説明する為のフローチャートである。 図15は、第1の実施形態に係るロボットアームの動作の他の例について説明する為のフローチャートである。 図16は、第2の実施形態に係るロボットアームの構成例について説明する為の説明図である。 図17は、第2の実施形態に係るロボットアームの構成例について説明する為の説明図である。 図18は、第2の実施形態に係るロボットアームの動作の例について説明する為のフローチャートである。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る仕分システム1の概略的な構成例について説明する為の説明図である。
仕分システム1は、かご車2に積載された仕分対象である物品3を所定の仕分先に仕分けるシステムである。
かご車2は、物品3を収容する収容部とキャスターとが組み合わされた容器である。なお、かご車2は、仕分対象の物品3が積載される容器の一例であり、荷台、またはパレットなど、物品3を積載することができるものであれば如何なるものであってもよい。
物品3の仕分先は、例えばベルトコンベア4である。なお、仕分先は、ベルトコンベア4に限定されるものではなく、仕分用のカゴであっても良いし、作業台などであっても良い。
仕分システム1は、ロボットアーム5、情報処理装置6、及び操作端末7を備える。また、仕分システム1は、距離センサ8をさらに備える。ロボットアーム5、情報処理装置6、操作端末7、及び距離センサ8は、ネットワーク9を介して互いに通信可能に構成されている。
まず、距離センサの構成について説明する。
距離センサ8は、対象物までの距離を計測するセンサである。距離センサ8は、対象物と距離センサ8との距離を示す点が配列された点群により構成された距離画像を取得する。即ち、距離画像は、互いに直交する三次元空間における点の集合である。言い換えると、距離画像は、二次元状に配列された複数の点毎の、距離センサ8との距離を示す距離値の集合である。距離センサ8は、距離画像を、ネットワーク9を介して情報処理装置6に供給する。
距離センサ8は、例えば異なる2点(瞳位置)から対象物を撮像した際の視差に基づいて対象物までの距離を計測するステレオカメラである。即ち、距離センサ8は、レンズと、レンズにより結像された光を画像に変換する撮像素子とが組み合わされたカメラを2つ以上備える。このような構成により、距離センサ8は、上記の距離画像と同時に、色情報を有する座標(画素)が二次元的に配列されたラスタ画像を取得する。なお、ラスタ画像は、カラー画像であっても単色画像であってもよい。距離センサ8は、ラスタ画像を、ネットワーク9を介して情報処理装置6に供給する。
距離センサ8のレンズは、ロボットアーム5により持ち上げられる物品3が積載されたかご車2を含む領域を撮影することができるように画角が調整されている。例えば、距離センサ8のレンズは、光軸がかご車2の底面に対向するように調整される。例えば、距離センサ8のレンズは、距離センサ8のレンズの光軸と、上記のz方向(鉛直方向)とが平行になるように調整される。即ち、距離センサ8は、かご車2の底面に対向する方向からかご車2を含む所定範囲を撮像し、距離画像、及びラスタ画像を取得する。なお、かご車2を含む所定範囲の画像をかご車画像と称する。かご車画像は、距離画像とラスタ画像とのいずれであってもよいが、本実施形態では、かご車画像は距離画像であると仮定して説明する。
なお、距離センサ8は、対象物からの光を分光し、撮像素子の異なる位置に入射させる構成であってもよい。また、距離センサ8は、レーザによる1次元スキャナであってもよい。
次に、操作端末7について説明する。
操作端末7は、操作に基づく情報を情報処理装置6に供給する装置である。即ち、操作端末7は、情報処理装置6の操作インタフェースとして機能する。操作端末7は、通信インタフェース、制御部、及びタッチパネルなどにより構成される。
次に、情報処理装置6の構成について説明する。
図2は、情報処理装置6の構成例について説明する為の説明図である。
情報処理装置6は、ロボットアーム5に動作計画と、ロボットアーム5による把持の安定性を評価する為のパラメータ(安定性評価パラメータ)を供給する装置である。情報処理装置6は、パーソナルコンピュータ(PC)などの、データの処理及びデータの保存を行うことができる装置により構成される。情報処理装置6は、通信インタフェース11及び制御部12を備える。
通信インタフェース11は、情報処理装置6以外の他の機器と通信する為のインタフェースである。通信インタフェース11は、ネットワーク9を介してロボットアーム5、操作端末7、及び距離センサ8と通信する為の通信規格などに対応した端子及び回路を備える。通信インタフェース11は、制御部12の制御に基づいて、ロボットアーム5、操作端末7、及び距離センサ8などと通信する。
制御部12は、種々の処理を実行する処理部である。制御部12は、プロセッサ13及びメモリ14を備える。
プロセッサ13は、演算処理を実行する演算素子である。プロセッサ13は、例えばCPUとして構成される。プロセッサ13は、メモリ14に記憶されているプログラムに基づいて種々の処理を行う。
メモリ14は、プログラム及びデータを記憶する記憶装置である。メモリ14は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、及びデータを記憶するストレージのいずれか、または複数を備える。
まず情報処理装置6による動作計画の供給について説明する。
情報処理装置6は、かご車2に搭載された物品3の画像であるかご車画像を取得する。情報処理装置6の制御部12は、かご車画像に対して画像認識を行い、かご車画像において物品3が写った領域である物品領域を認識する。制御部12は、物品領域の認識結果に基づき、ロボットアーム5により物品3を把持させる位置であるピッキング位置を決定する。制御部12は、ピッキング位置とロボットアーム5の把持機構の移動経路である軌跡とを示す動作計画を生成し、ロボットアーム5に動作計画を供給する。
動作計画は、ピッキング位置を示すピッキング位置データと、軌跡とを含む情報である。ロボットアームは、動作計画が示す軌跡を通り、動作計画のピッキング位置データが示すピッキング位置まで把持機構を移動させる。
ピッキング位置データは、把持機構により物品3を把持させる位置を示す情報である。例えば、ピッキング位置データは、把持機構により物品3を把持させる場合に把持機構を移動させる位置を示す。より具体的には、ピッキング位置データは、把持機構の基準点の移動先の3次元空間上の座標である。なお、以下ピッキング位置データが示すピッキング位置を、単にピッキング位置と称する。
軌跡は、ロボットアーム5の把持機構をピッキング位置まで移動させる際の経路を示す。より具体的には、軌跡は、把持機構の基準点の移動経路を示す3次元空間上の複数の座標である。なお、ピッキング位置は、軌跡に含まれていてもよい。
把持機構が吸着パッドとして構成されている場合、把持機構の基準点は、例えば、吸着パッドの中心(重心)であってもよいし、吸着パッドにおける任意の点であってもよい。また、把持機構がグリッパとして構成されている場合、把持機構の基準点は、例えば、グリッパを構成する複数の指機構の中心であってもよい。
次に、情報処理装置6による安定性評価パラメータの供給について説明する。
情報処理装置6の制御部12は、後述する学習用データをロボットアーム5から取得する。制御部12のプロセッサ13は、ロボットアーム5から供給された学習用データをメモリ14に記憶する。プロセッサ13は、メモリ14に記憶された学習用データを取得し、学習用データに基づいて機械学習を行うことにより、ロボットアーム5における物品3の把持の安定性(把持安定性)を評価する為のパラメータ(安定性評価パラメータ)を生成する。把持安定性とは、ロボットアーム5からの物品3の離れにくさ(把持状態からの物品3の落下のしやすさ)の度合いを示す。プロセッサ13は、安定性評価パラメータをロボットアーム5に供給する。
学習用データは、問題と答えとを有するデータである。例えば、学習用データは、ロボットアーム5が物品3を把持した状態において、ロボットアーム5の後述するセンサにより測定された測定結果と、物品3をある速度で移動させた際にロボットアーム5から物品3が落下したか否かを示す情報とを有する。この場合、ロボットアーム5が物品3を把持した状態で移動させた際のセンサによる測定結果が問題に相当し、ロボットアーム5から物品3が落下したか否かが答えに相当する。
プロセッサ13は、このような学習用データに基づいて、例えばセグメーテーション用のニューラルネットワークなどにより機械学習を行うことにより、ロボットアーム5により把持した物品3を移動させた際に、物品3が落下するか否かを判断する為に用いられる安定性評価パラメータを生成する。安定性評価パラメータは、セグメーテーション用のニューラルネットワークにおける重み計数である。
なお、プロセッサ13は、学習用データを取得する毎に安定性評価パラメータを生成する構成であってもよいし、取得した学習用データに基づいて生成された安定性評価パラメータを用いて、既に生成した安定性評価パラメータを調整(更新)する構成であってもよい。また、プロセッサ13は、既に生成した安定性評価パラメータを調整(変更)する場合、1度に調整することができる値を制限する構成であってもよい。
次に、ロボットアーム5の構成について説明する。
ロボットアーム5は、かご車2に積載された物品を把持し、把持した物品3を持ち上げ、物品3を仕分先に供給する装置である。
図3は、ロボットアーム5の構成について説明する為の説明図である。図1及び図3に示されるように、ロボットアーム5は、把持機構21、アーム機構22、及びロボットアーム制御装置23を備える。
図4は、把持機構21の構成を概略的に示す図である。把持機構21は、物品3を把持する機構である。把持機構21は、アーム機構22の端部(最終リンク)にネジなどにより固定される。即ち、把持機構21は、アーム機構22の動作によって任意の姿勢で移動される。図3及び図4に示されるように、把持機構21は、ベース部材31、吸着パッド群32、及び状態検出センサ33を備える。
ベース部材31は、吸着パッド群32が取り付けられる部材である。ベース部材31には、ロボットアーム制御装置23に接続されたチューブ34と、ベース部材31の内部で繋がった孔(図示せず)が設けられている。なお、ベース部材31の吸着パッド群32が取り付けられる面をx方向(x軸)とy方向(y軸)とから成る面(配列面)と仮定し、配列面に直交する方向(軸)をz方向(z軸)と仮定する。
吸着パッド群32は、物品3に吸着する複数の吸着パッド35を備える。各吸着パッド35は、ベース部材31の孔に対応する位置に取り付けられている。各吸着パッド35は、合成が低く、物品3の表面形状に沿って変形可能な素材により構成されている。
吸着パッド35は、パッドが物品3に押し当てられた状態で、チューブ34が負圧(大気圧よりも低い気圧)になった場合、ベース部材31の孔を介してパッド内も負圧になるように構成されている。このような構成によると、吸着パッド35が物品3の表面に接し、且つロボットアーム制御装置23の制御によりパッド内が負圧になった場合、吸着パッド35と物品3とが吸着(真空吸着)する。この結果、把持機構21は、物品3を把持することができる。
なお、吸着パッド群32の複数の吸着パッド35は、ベース部材31に、パッドが物品3に対向する向きで二次元状(マトリクス状)に配列されている。このように吸着パッド35が配列されることにより、真空吸着を破壊する方向で加わる応力(せん断応力及びモーメントなど)に対する強度を高めることが可能である。
状態検出センサ33は、上記の吸着パッド35による物品3の把持の状態を検出する。状態検出センサ33は、把持機構21が物品3を把持した際に、物品3の把持の安定性(把持安定性)に連動して変化する値を検出するセンサである。なお、把持機構21が吸着パッド35を物品3に吸着させることにより物品3を把持する構成である場合、把持安定性は、上記の真空吸着の強度を示す。即ち、把持安定性は、把持機構21により把持された物品3を移動させた時に、物品3の表面と吸着パッド35との接点(真空吸着)に作用する応力に対する耐久力を示す。把持安定性が高いほど、把持機構21により把持された物品3を、より高速で移動させることが可能になる。
状態検出センサ33は、図3及び図4に示されるように、距離センサ36、圧力センサ37、及び力覚センサ38を備える。
距離センサ36は、対象物までの距離を計測するセンサである。距離センサ36は、投光したレーザの反射光を用いて対象物までの距離を計測する。距離センサ36は一次元(点)、二次元(線)、あるいは距離センサ8と同様に画像(面)に対する距離のいずれかを計測する。距離センサ36は、ベース部材31の吸着パッド群32が設けられる面と同じ面に設けられる。距離センサ36は、把持機構21のベース部材31と、物品3との距離を計測する。例えば、ベース部材31には、等間隔に3個の距離センサ36が設けられる。これにより、3個の距離センサ36の測定結果に基づき、物品3の表面の曲率、及び、物品3に対する3個の距離センサ36が設けられた面の傾きを判断することが可能になる。
圧力センサ37は、吸着パッド35内の空気圧を測定する。圧力センサ37は、複数の吸着パッド35と並列化して接続される。例えば、圧力センサ37は、ベース部材31のチューブ34に接続された空間の空気圧を測定する。圧力センサ37は、測定結果(例えば空気圧を示すアナログ信号)を出力する。圧力センサ37から出力された測定結果は、例えばアナログディジタル変換され、ロボットアーム制御装置23に供給される。
例えば、物品3の表面の透気性が高い、表面が粗い、表面の曲率が大きい、または表面に凹凸があるなどの場合、吸着パッド35と物品3の表面との間の漏れ流量によって、圧力の測定値が増加する。これは、真空吸着による把持力が低下していることを意味する。また、例えば、吸着パッド35と物品3の表面とが密着し、漏れ流量がほとんどない場合、圧力の測定値が低下する。これは、真空吸着による把持力が増加していることを意味する。このように、圧力センサ37の測定結果に基づき、真空吸着による把持力の増減を判断することが可能になる。
力覚センサ38は、把持機構21及び把持機構21により把持された物品3に対して働く応力を測定する。力覚センサ38は、測定結果を示すアナログ信号を出力する。圧力センサ37から出力された測定結果は、例えばアナログディジタル変換され、ロボットアーム制御装置23に供給される。
力覚センサ38は、アーム機構22の最終リンク(終端のアーム)と、ベース部材31との間に設けられる。力覚センサ38は、例えば、把持機構21及び把持機構21により把持された物品3に対して働く重力、慣性力、外力、及びモーメントを測定する。力覚センサ38は、例えば、6軸力覚センサである。このように、力覚センサ38の測定結果に基づき、物品3の表面と吸着パッド35のパッドとの接点(真空吸着)に作用する応力を推測することが可能になる。
アーム機構22は、把持機構21を移動させる機構である。アーム機構22は、複数のアームと、複数の関節機構(軸)とを備える。例えば、アーム機構22は、6軸ロボットアームである。関節機構は、2つのアームを連結させる。また、関節機構は、ロボットアーム制御装置23のモータの動作により可動し、連結している2つのアームの相対的な角度を変化させる。即ち、関節機構の動作によって、アームが移動する。
ロボットアーム制御装置23は、情報処理装置6から供給される動作計画に基づいて、把持機構21及びアーム機構22の動作を制御する。ロボットアーム制御装置23は、通信インタフェース41、コントローラ42、アーム機構駆動部43、把持機構駆動部44、及び学習部45を備える。
通信インタフェース41は、情報処理装置6以外の他の機器と通信する為のインタフェースである。通信インタフェース41は、ネットワーク9を介して情報処理装置6、操作端末7、及び距離センサ8と通信する為の通信規格などに対応した端子及び回路を備える。通信インタフェース41は、コントローラ42の制御に基づいて、情報処理装置6、操作端末7、及び距離センサ8などと通信する。
コントローラ42は、ロボットアーム5の動作を制御する。コントローラ42は、プロセッサ51及びメモリ52を備える。
プロセッサ51は、演算処理を実行する演算素子である。プロセッサ51は、例えばCPUとして構成される。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されているプログラムに基づいて種々の処理を行う。
メモリ52は、プログラム及びデータを記憶する記憶装置である。メモリ52は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、及びデータを記憶するストレージのいずれか、または複数を備える。また、コントローラ42は、情報処理装置6に学習用データを供給し、情報処理装置6が学習用データに基づいて生成した安定性評価パラメータを受け取り、メモリ52に記憶する。
アーム機構駆動部43は、動作計画に基づいて、アーム機構22を動作させる。アーム機構駆動部43は、動作計画及びコントローラ42の制御に基づき、コントローラ42の制御に基づく角速度で、動作計画に基づく角度だけ関節機構(軸)を回転させる。これにより、アーム機構駆動部43は、アーム機構22の先端に取り付けられた把持機構21を、動作計画が示す軌跡で、動作計画が示すピッキング位置まで移動させる。アーム機構駆動部43は、モータ61、及びエンコーダ62を備える。アーム機構駆動部43は、例えば、アーム機構22の関節機構毎に、モータ61、及びエンコーダ62を備える。
モータ61は、電力を駆動力に変換する駆動機構である。モータ61は、電力に応じて、駆動軸を回転させる。駆動軸は、図示されないギヤ及びベルトなどの機構を介して、アーム機構22の関節機構に接続されている。即ち、モータ61の駆動軸の回転に応じて、アーム機構22の関節機構が回転動作する。モータ61は、例えば、サーボモータである。また、モータ61は、ステッピングモータ、または超音波モータなどであってもよい。また、アーム機構駆動部43は、モータ61ではなく、空気圧または油圧などにより関節機構を駆動させる構成であってもよい。
エンコーダ62は、モータ61の駆動軸の回転量及び回転速度を検出する。エンコーダ62は、回転量及び回転速度の検出結果をコントローラ42に供給する。エンコーダ62は、例えば、発光素子と受光素子との組合せにより、モータ61の駆動軸と連動する板の回転量及び回転速度を検出する。
把持機構駆動部44は、コントローラ42の制御に基づいて、把持機構21による物品3への吸着を行わせる。把持機構駆動部44は、コンプレッサ71、電磁バルブ72、及び真空発生器73を備える。
コンプレッサ71は、空気を圧縮し、排出する機械である。コンプレッサ71の空気を排出する排出口は、チューブ34を介して、把持機構21のベース部材31内部の空間に連結されている。即ち、コンプレッサ71は、把持機構21のベース部材31に設けられた複数の吸着パッド35内に通じている。コンプレッサ71は、コントローラ42の制御に基づいて、把持機構21の吸着パッド35内に空気を送り出すことにより、吸着パッド35と物品3の表面とに生じる真空吸着を破壊することができる。
電磁バルブ72は、コンプレッサ71の排出口と、チューブ34内の空間とを接続する配管を、気密にする状態(気密状態)と、開く状態(開放状態)とを切り替えるバルブである。電磁バルブ72が気密状態である場合、コンプレッサ71の排出口からチューブ34内の空間に圧縮空気を送り出すことができない。また、電磁バルブ72が開放状態である場合、コンプレッサ71の排出口からチューブ34内の空間に圧縮空気が送り込まれる。電磁バルブ72は、コントローラ42の制御に基づいて、上記の2つの状態を切り替える。
真空発生器73は、コンプレッサ71から供給される圧縮空気を用いてチューブ34内の空気を排出し、チューブ34内の気圧を低下させるエジェクタである。例えば、真空発生器73は、電磁バルブ72を気密状態である場合、チューブ34内の空気を排出することにより、チューブ34内の気圧を負圧に変化させる。
なお、コンプレッサ71、電磁バルブ72、及び真空発生器73は、把持機構21に設けられていてもよい。また、真空発生器73は、真空ポンプまたはブロアなどに置き換えられてもよい。さらに、真空発生器73が真空ポンプまたはブロアなどに置き換えられる場合、コンプレッサ71を除いてもよい。
上記の構成において、コントローラ42は、アーム機構駆動部43のエンコーダ62から供給される信号に基づいて、アーム機構22の関節機構が回転動作(回転量及び回転速度)を判断する。コントローラ42は、関節機構の回転動作を逐次判断することにより、アーム機構22に接続された把持機構21の位置を認識する。コントローラ42は、把持機構21の位置を認識しつつ、アーム機構駆動部43のモータ61の動作を制御することにより、任意の位置に把持機構21を移動させる。
また、例えば、コントローラ42は、把持機構駆動部44の電磁バルブ72を気密状態に制御し、アーム機構駆動部43によりアーム機構22を動作させて把持機構21の吸着パッド35を物品3の表面に密着させた状態で、真空発生器73によりチューブ34内の気圧を負圧に変化させる。これにより、吸着パッド35と物品3の表面とに真空吸着が生じる。この結果、コントローラ42は、把持機構21により物品3を把持させる。
また、コントローラ42は、把持機構21により物品3を把持した状態で、アーム機構22により把持機構21を移動させる。コントローラ42は、把持機構21により物品3を把持した状態で、アーム機構22により把持機構21を移動させた際に、状態検出センサ33から測定結果を取得する。
例えば、コントローラ42は、把持機構21により物品3を把持した状態で、アーム機構22により把持機構21を所定距離鉛直方向に上昇させ、状態検出センサ33において測定された測定結果を取得する。コントローラ42は、取得した測定結果と、メモリ52に記憶された安定性評価パラメータとに基づいて、把持機構21による物品3の把持の安定性を評価する。
具体的には、コントローラ42は、把持機構21により物品3を把持した状態で、アーム機構22を高速動作させた際に物品3が把持機構21から落下するか否か、及びアーム機構22を低速動作させた際に物品3が把持機構21から落下するか否かを判断する。コントローラ42は、判断結果に基づいて、アーム機構22を動作させる速度を制御する。
コントローラ42は、把持機構21により物品3を把持させた状態で、実際にアーム機構22を動作させた際に、物品3が把持機構21から落下したか否か判断する。コントローラ42は、例えば、状態検出センサ33の測定結果に基づいて、物品3が把持機構21から落下したか否か判断する。例えば、コントローラ42は、物品3の重量に応じた応力が力覚センサ38で測定されていた状態から、測定されない状態になった場合、物品3が把持機構21から落下したと判断する。また、コントローラ42は、距離センサ36から物品3の表面までの距離が増加した場合、物品3が把持機構21から落下したと判断する構成であってもよい。また、コントローラ42は、圧力センサ37により測定された圧力が、負圧ではなくなった場合に、物品3が把持機構21から落下したと判断する構成であってもよい。また、コントローラ42は、把持機構21及び物品3をカメラが撮像して得られた画像に基づいて、物品3が把持機構21から落下したと判断する構成であってもよい。また、コントローラ42は、操作端末7を操作するオペレータが、把持機構21からの物品3の落下を目視で確認し、操作端末7を操作した結果に基づいて、物品3が把持機構21から落下したと判断する構成であってもよい。
学習部45は、物品3が把持機構21から落下したか否かの判断の結果に基づいて、学習用データを生成する。例えば、学習部45は、状態検出センサ33における測定結果を問題とし、物品3が把持機構21から落下したか否かを答えとして、学習用データを生成する。より具体的には、学習部45は、アーム機構22の動作速度と、アーム機構22の動作時の状態検出センサ33の測定結果と、物品3が把持機構21から落下したか否かの結果とを対応付けて学習用データとして情報処理装置6に供給する。学習部45は、ハードウエアとしてロボットアーム制御装置23に設けられていてもよいし、メモリ52に格納され、プロセッサ51が実行するプログラムとして構成されていてもよい。
次に、ロボットアーム5の動作について説明する。
図5及び図6は、ロボットアーム5の動作について説明する為のフローチャートである。
ロボットアーム5のロボットアーム制御装置23のコントローラ42は、アーム機構22及び把持機構21を距離センサ8の画角外の初期位置に移動させる(ステップS11)。距離センサ8は、アーム機構22及び把持機構21が撮影範囲外に移動したタイミングでかご車画像を取得し、情報処理装置6に送信する。
情報処理装置6は、かご車画像に対して画像認識を行い、かご車画像において物品3が写った領域である物品領域を認識する。例えば、情報処理装置6は、物品領域を物品毎に1つ1つ切り分けて認識する。情報処理装置6は、切り分けられた複数の物品領域のうちで、所定の基準に基づき1つの物品領域を選択する。例えば、情報処理装置6は、最も高い位置に存在する物品領域を選択する。また、例えば、情報処理装置6は、最も他の物品領域との隙間が大きい物品領域を選択する。また、例えば、情報処理装置6は、最もかご車2の中央に近い物品領域を選択する。また、例えば、情報処理装置6は、データベース上で予め把持しやすいと規定されている物品領域を選択する。さらに、情報処理装置6は、上記の複数の基準を統合して、1つの物品領域を選択する構成であってもよい。
情報処理装置6は、再度かご車画像の画像認識を行い、選択した物品領域に対応する物品の形状、位置、及び姿勢を認識する。
情報処理装置6は、認識した物品の形状、位置、及び姿勢に基づき、ロボットアーム5の把持機構21により物品3を把持させる位置であるピッキング位置を決定する。さらに、情報処理装置6は、ピッキング位置と把持機構21の移動経路である軌跡とを示す動作計画を生成し、ロボットアーム5に動作計画を供給する。
コントローラ42は、アーム機構22及び把持機構21を撮影範囲外に移動させると、情報処理装置6から動作計画が供給されるのを待つ(ステップS12)。
コントローラ42は、情報処理装置6から動作計画が供給された場合(ステップS12、YES)、電磁バルブ72を気密状態に動作させる(ステップS13)。
コントローラ42は、真空発生器73を動作させる(ステップS14)。吸着パッド35がまだ物品3の表面に接していない為、この時点では吸着パッド35が大気に開放されており、圧力センサ37の測定値は変化しない。
次に、コントローラ42は、動作計画に基づき把持機構21を移動させる(ステップS15)。例えば、コントローラ42は、動作計画が示す軌跡に沿って、動作計画が示すピッキング位置まで把持機構21を移動させる。具体的には、コントローラ42は、把持機構21の基準点と動作計画が示すピッキング位置とが重なる位置まで把持機構21を移動させる。把持機構21のピッキング位置への移動が完了すると、把持機構21の吸着パッド35が物品3の表面に密着する。把持機構21の吸着パッド35が物品3の表面に密着すると、真空発生器73の動作によって、吸着パッド35の内側と物品3の表面とで囲まれる空間が負圧となり、吸着パッド35と物品3とが真空吸着する。
さらに、コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果が、予め設定された閾値未満であるか否か判断する(ステップS16)。予め設定された閾値は、例えば大気圧である。即ち、コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果が、大気圧未満であるか否か判断する。コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果が閾値未満である場合、吸着パッド35が物品3に真空吸着した(静的に把持した)と判断する。また、コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果が閾値以上である場合、吸着パッド35と物品3との真空吸着が失敗したと判断する。
なお、静的な把持に失敗する原因は、多々の原因が存在する。例えば、情報処理装置6における物品領域の認識の不備、物品3の位置及び姿勢の認識の不備などの原因がある。このような場合、ピッキング位置が不適切な位置になる為、把持機構21が物品に接触しない、または把持機構21の吸着パッド35が物品3の表面と密着しないなどの問題が生じる可能性がある。また、例えば、物品3の表面が高い曲率を有する、または物品3の表面に凹凸が存在し、二次元状に配列された吸着パッド35と物品3の表面との間に隙間ができるなどの原因がある。このような場合、隙間から大気が流入する為、吸着パッド35内の圧力が低下しない可能性がある。また、例えば、物品3の表面の可撓性が高く、把持機構21の吸着パッド35によって物品3の表面が撓み、吸着パッド35と物品3の表面とが密着しないなどの問題が生じる可能性がある。この場合も、隙間から大気が流入する為、吸着パッド35内の圧力が低下しない可能性がある。
コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果が、予め設定された閾値未満であると判断した場合(ステップS16、YES)、状態検出センサ33による測定を開始し(ステップS17)、物品3を把持した把持機構21を所定距離上昇させる(ステップS18)。コントローラ42は、物品3を把持した把持機構21を所定距離上昇させたところで、状態検出センサ33による測定を終了する(ステップS19)。
状態検出センサ33による測定結果は、物品3の形状及び姿勢などにより、下記のように変化する。
例えば、図7に示されるように、直方体状の物品3Aを鉛直上方から吸着する場合、コントローラ42は、吸着パッド35を物品3Aに吸着させ、アーム機構22により物品3Aを所定距離dだけ上昇させる。コントローラ42は、この時の状態検出センサ33による測定結果と、安定性評価パラメータとに基づいて、結果の推測を行う。
力覚センサ38の各軸で検出される応力の測定値は、物品3の重量によって変動する。力覚センサ38の各軸の測定値は、物品3の重量が大きくなるほど大きくなる。
また、例えば、図8に示されるように、曲率を有する物品3Bを鉛直上方から吸着する場合、複数の距離センサ36の検出結果に差が生じる。具体的には、ベース部材31の端に設けられた距離センサ36の測定値は、ベース部材31の中央に設けられた距離センサ36の測定値よりも大きくなる。このような場合、吸着パッド35に接する物品3Bの表面が曲率を有し、漏れ流量が増加し、圧力センサ37の検出値が上昇する。
また、例えば、図9に示されるように、直方体状の物品3Cに、例えばビニールなどの不定形の部材81が覆われているとする。この物品3Cを、図10に示されるようにアーム機構22により所定距離だけ上昇させる。すると、部材81の余剰部分が吸着パッド35により引っ張られる為、力覚センサ38により応力が検出されるタイミングが、図7の例に比べて遅くなる。また、圧力センサ37及び距離センサ36の測定結果も、時間に応じて変化する。このように、直方体状の物品を把持していることを示す測定結果から、図8のように曲率を有する物体を把持していることを示す測定結果に変化する。
また、例えば、図11に示されるように、物品3Dの重心とピッキング位置とが水平方向にズレている場合、物品3Dを所定距離持ち上げた時の力覚センサ38の測定値は、複数の軸で差が生じる。具体的には、物品3Dの重心とピッキング位置とのズレは、水平方向を軸とするモーメントとして力覚センサ38の測定値に現れる。
また、例えば、図12に示されるように、吸着パッド35が密着する物品3Eの表面が、水平方向に対して角度を成す場合、コントローラ42は、吸着パッド35の配列方向が物品3Eの表面に平行になるようにアーム機構22を制御する。このような物品3Eを、アーム機構22によって所定距離上昇させた場合、力覚センサ38の測定値は、複数の軸で差が生じる。具体的には、物品3Eの表面の水平方向に対する角度は、水平方向を軸とするモーメントとして力覚センサ38の測定値に現れる。
このように、状態検出センサ33の各センサの測定値には、物品3の形状及び姿勢などの要因によって種々の差が生じる。コントローラ42は、状態検出センサ33の各センサの測定値の時系列データから、上記の様な差を示すデータ(特徴量)を抽出する。コントローラ42は、抽出した特徴量と、安定性評価パラメータとに基づいて、物品3の把持の安定性を評価する(ステップS20)。
図13は、特徴量と、安定性評価パラメータ(分類器)とに基づいて、物品3の把持の安定性を評価する分類処理について説明する為の説明図である。なお、図13は、ニューラルネットワークにより生成された安定性評価パラメータに基づく、分類処理の模式図である。図13の網掛け部分は、複数の中間層とノード間の接続関係を簡易的に示す。
図13に示されるように、コントローラ42は、状態検出センサ33の測定結果から抽出した特徴量を、分類器(安定性評価パラメータ)に入力することにより、過去の学習に基づく結果取得する。具体的には、コントローラ42は、力覚センサ38の各軸の測定結果の特徴量(Fz、My、Mx・・・)、圧力センサ37の測定結果の特徴量、各距離センサ36の測定結果の特徴量(A,B、C)などを分類器に入力する。これにより、コントローラ42は、「物品3の把持を維持して高速で移動させることが可能」、「物品3の把持を維持して低速で移動させることが可能」、及び「低速で移動させても物品3の把持を維持することができない」のいずれかの評価結果を取得する。
コントローラ42は、安定性の評価を行うと、図7のステップS21の処理に移行する。コントローラ42は、安定性の評価結果が、「物品3の把持を維持して高速で移動させることが可能」であるか否か判断する(ステップS21)。コントローラ42は、ステップS21がNOである場合、安定性の評価結果が、「物品3の把持を維持して低速で移動させることが可能」であるか否か判断する(ステップS22)。
コントローラ42は、安定性の評価結果が、「物品3の把持を維持して高速で移動させることが可能」であると判断した場合(ステップS21、YES)、アーム機構22により、物品3を把持した把持機構21を高速で移動させる(ステップS23)。これにより、コントローラ42は、物品3を把持した把持機構21を、仕分先に応じたベルトコンベア4に対応した位置まで移動させる。
さらに、コントローラ42は、電磁バルブ72を開放状態にし、コンプレッサ71から吸着パッド35内に圧縮空気を供給させることにより、真空吸着を破壊する(ステップS24)。これにより、把持機構21により把持されていた物品3は、把持機構21から離れ落下する。この結果、物品3は、仕分先のベルトコンベア4に供給される。
さらに、コントローラ42は、ステップS17からステップS19の間の状態検出センサ33の時系列的な測定結果、ステップS23のアーム機構22の動作の速度、ステップS23の間に物品3が把持機構21から落下したか否かに基づいて、学習部45に学習用データを生成させ(ステップS25)、図5のステップS11に移行する。これにより、コントローラ42は、アーム機構22及び把持機構21を距離センサの画角外に移動させ、次の動作計画の受信を待つ状態になる。
また、コントローラ42は、安定性の評価結果が、「物品3の把持を維持して低速で移動させることが可能」であると判断した場合(ステップS22、YES)、アーム機構22により、物品3を把持した把持機構21を低速で移動させる(ステップS26)。これにより、コントローラ42は、物品3を把持した把持機構21を、仕分先に応じたベルトコンベア4に対応した位置(リリース位置)まで移動させる。
さらに、コントローラ42は、電磁バルブ72を開放状態にし、コンプレッサ71から吸着パッド35内に圧縮空気を供給させることにより、真空吸着を破壊する(ステップS24)。
さらに、コントローラ42は、ステップS17からステップS19の間の状態検出センサ33の時系列的な測定結果、ステップS26のアーム機構22の動作の速度、ステップS26の間に物品3が把持機構21から落下したか否かに基づいて、学習部45に学習用データを生成させ(ステップS25)、図5のステップS11に移行する。これにより、コントローラ42は、アーム機構22及び把持機構21を距離センサの画角外に移動させ、次の動作計画の受信を待つ状態になる。
また、コントローラ42は、安定性の評価結果が、「低速で移動させても物品3の把持を維持することができない」であると判断した場合(ステップS22、NO)、アーム機構22により、物品3を把持した把持機構21を所定距離下降させる(ステップS27)。把持機構21を下降させる距離は、ステップS18で把持機構21を上昇させた距離に対応する。
さらに、コントローラ42は、ステップS27で把持機構21を下降させた場合、または図5のステップS16で、圧力センサ37の測定結果が予め設定された閾値以上であると判断した場合(ステップS16、NO)、電磁バルブ72を開放状態にし、コンプレッサ71から吸着パッド35内に圧縮空気を供給させることにより、真空吸着を破壊する(ステップS28)。さらに、コントローラ42は、把持した物品3の優先度を低下させることを促す情報を情報処理装置6に供給し(ステップS29)、図5のステップS11に移行する。これにより、コントローラ42は、アーム機構22及び把持機構21を距離センサの画角外に移動させ、次の動作計画の受信を待つ状態になる。
なお、ロボットアーム5のロボットアーム制御装置23は、情報処理装置6から終了指示が供給された場合、アーム機構22及び把持機構21を所定の位置に移動させ、図5及び図6の処理を終了する。例えば、情報処理装置6は、把持対象の物品がかご車画像から検出されなかった場合、ロボットアーム5に終了指示を供給する。
次に、図6のステップS25の学習用データの生成について詳細に説明する。
図14は、学習用データの生成に関する処理について説明する為のフローチャートである。
上記の様に、状態検出センサ33の各センサの測定値の時系列データから抽出した特徴量には、物品3の把持の安定性(把持安定性)が現れる。学習部45は、状態検出センサ33の測定結果に基づき、特徴量を算出し、算出した特徴量をまとめて特徴量ベクトルを生成する(ステップS31)。
学習部45は、把持機構21が把持した物品3をアーム機構22により低速で移動させた際に、物品3が落下したか否か判断する(ステップS32)。学習部45は、把持機構21が把持した物品3をアーム機構22により低速で移動させ、且つ移動中に物品3が落下したと判断した場合(ステップS32、YES)、ステップS31で生成した特徴量ベクトルに「−1」をラベリングし、ラベリングした特徴量ベクトルを学習用データとして情報処理装置6に供給し(ステップS33)、処理を終了する。この場合の学習用データの問題は、特徴量ベクトルであり、答えは、「−1」、即ち「低速移動中に落下」である。
また、学習部45は、ステップS32でNOだった場合、把持機構21が把持した物品3をアーム機構22により高速で移動させた際に、物品3が落下したか否か判断する(ステップS34)。学習部45は、把持機構21が把持した物品3をアーム機構22により高速で移動させ、且つ移動中に物品3が落下したと判断した場合(ステップS34、YES)、ステップS31で生成した特徴量ベクトルに「0」をラベリングし、ラベリングした特徴量ベクトルを学習用データとして情報処理装置6に供給し(ステップS35)、処理を終了する。この場合の学習用データの問題は、特徴量ベクトルであり、答えは、「0」、即ち「高速移動中に落下」である。
また、学習部45は、ステップS34でNOだった場合、把持機構21が把持した物品3をアーム機構22により高速で移動させた際に、物品3が落下しなかったと判断する。この場合、学習部45は、ステップS31で生成した特徴量ベクトルに「+1」をラベリングし、ラベリングした特徴量ベクトルを学習用データとして情報処理装置6に供給し(ステップS36)、処理を終了する。この場合の学習用データの問題は、特徴量ベクトルであり、答えは、「+1」、即ち「高速移動中に落下せず」である。
なお、ステップS32及びステップS34における判定は、学習部45が状態検出センサ33の測定結果の変化に基づいて行うものであってもよいし、人間が目視により確認した結果を用いるものであってもよい。
また、特徴量ベクトルにラベリングする値として、上記の「−1」、「0」、及び「−1」を用いたが、この構成に限定されない。さらに条件(例えばアーム機構の動作速度)を細分化することにより、さらに多種のラベルから選択して特徴量ベクトルに付加する構成であってもよい。
このような構成によると、ロボットアーム5は、物品3を把持する把持機構21と、把持機構21を移動させるアーム機構22と、把持機構21及びアーム機構22の動作を制御するコントローラ42と、把持機構21による物品3の把持の安定性を評価する為の情報を取得する状態検出センサ33とを備える。コントローラ42は、状態検出センサ33の測定結果と、予め学習により生成された安定性評価パラメータとに基づいて、把持機構21による物品3の把持の安定性を評価する。コントローラ42は、安定性の評価結果に基づいて、アーム機構22による把持機構21の移動速度を制御する。これにより、コントローラ42は、把持機構21から物品3が落下しないと推測される範囲で、把持機構21を高速で移動させることができる。この結果、物品ごとに適した動作速度を選択することができ、物品の仕分の処理速度を向上させることができる。
また、コントローラ42は、状態検出センサ33の測定結果の時系列データから、特徴量を抽出し、抽出した特徴量と安定性評価パラメータとに基づいて、アーム機構22により把持機構21に所定の動作を行わせた際に物品3が把持機構21から落下するか否かを示す評価結果を取得する。これにより、コントローラ42は、アーム機構22により把持機構21に所定の動作を行わせた結果を推測して、アーム機構22による把持機構21の移動速度を制御することができる。
また、状態検出センサ33は、把持機構21及び把持機構21が把持した物品3に対して作用する応力を、複数の軸毎に検出する力覚センサ38を備える。例えば、力覚センサ38は、把持機構21及び把持機構21が把持した物品3に対して作用する重力、慣性力、並びに、重力及び慣性力によって生じるモーメント負荷を検出する。これにより、コントローラ42は、アーム機構22による把持機構21の動作時の力覚センサ38の測定結果を、安定性の評価に加味することができる。
また、状態検出センサ33は、把持機構21の吸着パッド35と物品3の表面とにより囲まれる空間の圧力を検出する圧力センサを備える。これにより、コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果を、安定性の評価に加味することができる。
また、状態検出センサ33は、把持機構21の吸着パッド35が設けられたベース部材31と物品3の表面との距離を測定する複数の距離センサ36を備える。これにより、コントローラ42は、複数の距離センサ36の測定結果の差から推測される物品3の表面の形状を、安定性の評価に加味することができる。
また、上記の安定性評価パラメータは、把持機構21が物品3を把持した状態での、状態検出センサ33の測定結果と、把持機構21の移動中に物品3の把持が維持されたか否かの結果とから成る学習用データに基づいて生成される。このように生成された安定性評価パラメータを用いることにより、コントローラ42は、把持機構21の移動中に物品3が落下するか否かを、状態検出センサ33の測定結果から推測することが可能になる。
さらに、上記の安定性評価パラメータは、把持機構21が物品3を把持し且つ所定の動作を行った間の状態検出センサ33の測定結果と、把持機構21の移動中に物品3の把持が維持されたか否かの結果とから成る学習用データに基づいて生成される。このように生成された安定性評価パラメータを用いることにより、コントローラ42は、把持機構21の移動中に物品3が落下するか否かを、把持機構21が物品3を把持し且つ所定の動作を行った間の状態検出センサ33の測定結果から推測することが可能になる。
さらに、上記の安定性評価パラメータは、把持機構21が物品3を把持し且つ把持機構21を所定距離上昇させる動作を行った間の、状態検出センサ33の測定結果と、把持機構21の移動中に物品3の把持が維持されたか否かの結果とから成る学習用データに基づいて生成される。このように生成された安定性評価パラメータを用いることにより、コントローラ42は、把持機構21の移動中に物品3が落下するか否かを、把持機構21を所定距離上昇させる動作を行った間の、状態検出センサ33の測定結果から推測することが可能になる。
また、上記の実施形態では、学習部45は、把持機構21が物品3を把持した状態での状態検出センサ33の測定結果と、把持機構21の移動中に物品3の把持が維持されたか否かの結果とから学習用データを生成すると説明したが、この構成に限定されない。学習部45は、モータ61の駆動軸が接続された関節機構によって連結されたアームに作用するトルクを検出するトルクセンサの検出結果を、上記の学習用データの生成に用いてもよい。具体的には、学習部45は、トルクセンサの出力の時系列データ、及びエンコーダ62の出力の時系列データを、上記の学習用データの生成にさらに用いる構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、コントローラ42は、物品3を把持した把持機構21を所定距離上昇(第1の移動動作)させた時の、状態検出センサ33の測定結果の時系列データに基づき、物品3の把持の安定性を評価する構成であると説明したが、この構成に限定されない。コントローラ42は、物品3を把持した把持機構21を水平方向に一定距離移動(第2の移動動作)させた時の、状態検出センサ33の測定結果の時系列データに基づき、物品3の把持の安定性を評価する構成であってもよい。なお、この場合、第1の移動動作と第2の移動動作とのそれぞれでの状態検出センサ33の測定結果に基づいて、学習用データを収集し、収集した学習用データに基づいて生成された安定性評価パラメータを用いてもよい。また、第1の移動動作と第2の移動動作とのいずれかにおける、状態検出センサ33の測定結果に基づいて、学習用データを収集し、収集した学習用データに基づいて生成された安定性評価パラメータを共用してもよい。
また、上記の実施形態では、ロボットアーム5が学習用データを生成し、情報処理装置6に供給し、情報処理装置6が学習用データに基づき安定性評価パラメータを生成する構成であると説明したが、この構成に限定されない。ロボットアーム5は、状態検出センサ33の測定結果及び物品3が落下したか否かを示す情報を情報処理装置6に供給し、情報処理装置6が学習用データを生成する構成であってもよい。また、ロボットアーム5が、学習用データに基づき安定性評価パラメータを生成する構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、情報処理装置6が安定性評価パラメータを生成する構成であると説明したが、この構成に限定されない。ロボットアーム5が学習用データに基づいて安定性評価パラメータを生成する構成であってもよい。ロボットアーム5が学習用データに基づいて安定性評価パラメータを生成する構成である場合、安定性評価パラメータの生成は、例えば学習部45によって行われる。例えば、学習部45は、把持機構21から物品3が落下したか否かと、状態検出センサ33の測定結果とに基づいて学習用データを生成する。さらに、学習部45は、生成した学習用データを用いて、安定性評価パラメータを逐次更新する。また、ロボットアーム5は、学習部45と同等の機能を実現可能なプログラムを実行したプロセッサ51が、学習用データを用いて、安定性評価パラメータを逐次更新する構成であってもよい。
図15は、ロボットアーム5の動作の変形例について説明する為のフローチャートである。なお、図15は、図5の動作に置き換えが可能である。
ロボットアーム5のロボットアーム制御装置23のコントローラ42は、アーム機構22及び把持機構21を距離センサ8の画角外の初期位置に移動させる(ステップS41)。距離センサ8は、アーム機構22及び把持機構21が撮影範囲外に移動したタイミングでかご車画像を取得し、情報処理装置6に送信する。情報処理装置6は、かご車画像に対して画像認識を行い、動作計画を生成し、ロボットアーム5に動作計画を供給する。
コントローラ42は、アーム機構22及び把持機構21を撮影範囲外に移動させると、情報処理装置6から動作計画が供給されるのを待つ(ステップS42)。
コントローラ42は、情報処理装置6から動作計画が供給された場合(ステップS42、YES)、電磁バルブ72を気密状態に動作させる(ステップS43)。
コントローラ42は、真空発生器73を動作させる(ステップS44)。吸着パッド35がまだ物品3の表面に接していない為、この時点では吸着パッド35が大気に開放されており、圧力センサ37の測定値は変化しない。
次に、コントローラ42は、動作計画に基づき把持機構21を移動させる(ステップS45)。これにより、把持機構21の吸着パッド35が物品3の表面に密着し、吸着パッド35の内側と物品3の表面とで囲まれる空間が負圧となり、吸着パッド35と物品3とが真空吸着する。
さらに、コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果が、予め設定された閾値未満であるか否か判断する(ステップS46)。
コントローラ42は、圧力センサ37の測定結果が、予め設定された閾値未満であると判断した場合(ステップS46、YES)、状態検出センサ33による測定を開始し(ステップS47)、アーム機構22により、物品3を把持した把持機構21に第1の移動動作を行わせる(ステップS48)。具体的には、コントローラ42は、アーム機構22により把持機構21を所定距離上昇させる。コントローラ42は、第1の移動動作が完了すると、状態検出センサ33による測定を終了する(ステップS49)。
さらに、コントローラ42は、状態検出センサ33の各センサの測定結果の時系列データから特徴量を抽出し、抽出した特徴量と、安定性評価パラメータとに基づいて、物品3の把持の安定性を評価する(ステップS50)。さらに、コントローラ42は、物品3の把持の安定性を評価した結果、状態検出センサ33による再測定が必要か否か判断する(ステップS51)。例えば、コントローラ42は、物品3の把持の安定性を評価した結果、不安定である(低速で移動させたとしても、物品3が落下する可能性がある)と評価した場合、状態検出センサ33による再測定が必要であると判断する。また、例えば、コントローラ42は、物品3の把持の安定性を評価が不定である場合、状態検出センサ33による再測定が必要であると判断する。コントローラ42は、状態検出センサ33による再測定が必要ではないと判断した場合(ステップS51、NO)、図6のステップS21の処理に移行する。
コントローラ42は、状態検出センサ33による再測定が必要であると判断した場合(ステップS51、YES)、状態検出センサ33による測定を開始し(ステップS52)、アーム機構22により、物品3を把持した把持機構21に第2の移動動作を行わせる(ステップS53)。具体的には、コントローラ42は、アーム機構22により把持機構21を水平方向に移動させる。なお、水平方向への移動の回数は、1度であってもよいし、複数回であってもよい。また、第2の移動動作は、アーム機構22の軸を中心とした回転動作であってもよい。コントローラ42は、第2の移動動作が完了すると、状態検出センサ33による測定を終了し(ステップS54)、ステップS50の処理に移行し、再度物品3の把持の安定性を評価する。
このように複数の移動動作中の測定結果を用いて物品3の把持の安定性を評価することにより、把持機構21の移動中に物品3が落下するか否かの確度を向上させることができる。
なお、上記の高速動作及び低速動作は、あくまで相対的な指標であり、如何なる速度で設定されてもよい。例えば、高速動作は、ロボットアーム5のアーム機構22の最大速度での動作であり、低速動作は、高速動作の1/3程度の速度での動作である。
なお、学習環境においては、実環境における把持の後工程の動作を全て再現する必要はなく、実環境で想定される後工程の中で、吸着把持にとって最も厳しい慣性力をロボットアーム5の動作によって再現すればよい。具体的には、ロボットアーム5が物品3をリリース点に移動する際、最も大きな水平方向加速度でロボットアーム5を動作させることで再現できる。
また、特徴量の抽出を、学習によって行ってもよい。具体的には、収集した測定結果の時系列データを、中間層の次元を小さくしたニューラルネットワークにより、自己再現学習をさせることで可能である。これは、オートエンコーダと呼ばれる一般的手法である。例えば、ロボットアーム5の動作に耐えられた際の時系列データ群を用いた学習により、特徴量を抽出するための特徴生成器を生成する。この場合、ロボットアーム5の動作に耐えられなかった際のデータ(異常時データ)では、時系列データの波形再現度が低くなる。この波形再現度を特徴量として、分類器(安定性評価パラメータ)への入力に用いてもよい。なお、波形再現度は、例えば入出力の時系列データ間での時間ごとに、出力値の差分を算出し、その二乗誤差の総和によって算出できる。
また、上記の実施形態では、学習用環境と、実環境にて把持の安定性評価のための学習用データの収集を行う際に、状態検出センサ33から特徴のあるセンサデータを得るための動作(チェック動作)を同一とする必要がある。同様に、学習用環境は、実環境と可能な限り同一の装置構成、および近い使用環境(温度、湿度、粉塵、静電気、照明環境など)とすることが望ましい。
なお、情報処理装置6における画像処理の手法、複数検出された物品領域から1つの領域を選択する際の基準は、如何なるものであってもよい。例えば、情報処理装置6は、RGB各色の強さ、色相、彩度、または明度などの値を閾値判定し、その境界線(エッジ)がなす形状を基に、物品領域を判定する。実施例で述べている切り分け処理は、エッジが閉曲線をなす場合にその閉曲線内部を一つの物品領域と認識することにより実現が可能である。また、情報処理装置6は、上記の閉曲線内の画像、即ち物品領域内の画像を、データベース内の物品のデータとマッチングすることにより、物品の形状、位置、及び姿勢を検出することができる。
また、上記の実施形態における状態検出センサ33は、一例にすぎず、如何なるものであってもよい。例えば、圧力センサ37の代わりに流量センサを用いて、真空発生器73と吸着パッド35との間の流量を測定し、測定結果を学習用データの生成に用いてもよい。真空発生器73と吸着パッド35との間の流量は、吸着パッド35と物品3との間での漏れ流量に相当し、把持状態の安定性と相関がある値である。また、圧力センサと流量センサとが併用されてもよい。
また、物品3の重量が問題にならない使用環境においては、力覚センサ38が省略されてもよい。またさらに、物品3の形状が一律であることが想定される場合、距離センサ36が省略されてもよい。
また、把持の対象の物品3の物性(重量、サイズ、形状、その他)が、データベースで管理されている場合、物性を示す値を学習用データの生成に用いてもよい。
また、上記の実施例では、把持機構21の吸着パッド35が8個であると説明したが、吸着パッド35の個数は、扱う物品3に応じて適宜決定されるものである。吸着パッド35は、例えば1個でもよいし、8個以下でも以上でもよい。また、吸着パッド35の配列は、千鳥状、格子状、放射状、などの如何なる配列であってもよい。また、吸着パッド35は、スポンジパッドにより構成されていてもよい。
また、複数の吸着パッド35内の気圧を個別に負圧に制御する為に、各吸着パッド35に繋がる複数の流路ごとに、電磁バルブが設けられていてもよい。この構成によると、全ての吸着パッド35が物品3と密着していない状態であっても、吸着パッド35内を負圧に制御することが可能になる。このとき、複数の流路ごとに圧力センサ37を設けてもよい。
また、吸着パッド35に繋がる流路にスロットルバルブが設けられていてもよい。この構成によると、スロットルバルブによって、流量変化を抑制することができる。これにより真空供給と真空破壊の応答性は低下するものの、開放された吸着パッドからのエアリークが減少するため、一部の吸着パッドが解放されていても真空圧を高く保つことが可能となる。このとき、全ての吸着パッドにスロットルバルブを設けてもよいし、一部だけに設けてもよい。例えば、中央部はスロットルバルブなしとし、周囲のみにスロットルバルブを設けた構造も実現できる。これにより、物品で覆われる可能性が高い中央部の吸着パッド35に高い流量を確保することができる。また、物品3により覆われない可能性のある外縁部の吸着パッド35が一部解放されていても、高い真空圧を得ることができる。
また、上記の実施例では、アーム機構22が6軸ロボットアームであると説明した、この構成に限定されない。軸の数が如何なる数であっても、本発明を適用することができる。また、ロボットアーム5は、スカラロボット、XYZステージとして構成されていてもよい。また、ロボットアーム5は、固定設備ではなく、リニアステージ、または自走台車等に搭載され、移動可能に構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、図5のステップS16で示されるように、吸着パッド35内が負圧にならない場合に、把持をあきらめる構成であると説明したが、この構成に限定されない。ロボットアーム5は、ピックアップ位置を移動させつつ、再度物品3の把持を試みる構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、ロボットアーム5は、物品3を仕分先にリリースしてから、把持機構21を初期位置に戻す構成であると説明したが、この構成に限定されない。ロボットアーム5は、物品3を仕分先にリリースしてから、次のピッキング位置に把持機構21を移動させる構成であってもよい。これにより、処理時間の短縮が可能になる。さらに、ロボットアーム5が、物品3を把持した把持機構21をリリース位置に移動させるまでの間に、距離センサ8がかご車画像を取得してもよい。これにより、情報処理装置6が動作計画をロボットアーム5に供給する間隔を短くすることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る仕分システム1は、ロボットアームの構成が異なる。第2の実施形態に係るロボットアーム5Aは、把持機構21Aがさらに物品3を挟んで把持する複数の指機構91Aを備え、把持機構駆動部44Aが、指機構91Aを駆動するモータ61Aなどを備える点が第1の実施形態と異なる。また、第2の実施形態に係るコントローラ42Aは、把持機構21A及びアーム機構22の動作の制御が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
図16は、ロボットアーム5Aの構成について説明する為の説明図である。図17は、把持機構21Aの構成を概略的に示す図である。図16及び図17に示されるように、ロボットアーム5Aは、把持機構21A、アーム機構22、及びロボットアーム制御装置23Aを備える。
把持機構21Aは、物品3を把持する機構である。把持機構21Aは、アーム機構22の端部(最終リンク)にネジなどにより固定される。即ち、把持機構21は、アーム機構22の動作によって任意の姿勢で移動される。図16及び図17に示されるように、把持機構21Aは、ベース部材31、吸着パッド群32、指機構91A、及び状態検出センサ33を備える。
指機構91Aは、物品3を挟んで把持するグリッパである。指機構91Aは、複数の指と、複数の関節機構(軸)とを備える。関節機構は、2つの指を連結させる。また、関節機構は、ロボットアーム制御装置23Aの把持機構駆動部44Aのモータの動作により可動し、連結している2つの指の相対的な角度を変化させる。即ち、関節機構の動作によって、指が可動する。指機構91Aは、例えばベース部材31の対向する1対の辺に設けられる。1対の辺に設けられた複数の指機構91Aは、ベース部材31に設けられた吸着パッド35と接する物品3を挟むように力を加える。即ち、複数の指機構91Aは、ベース部材31に設けられた吸着パッド35の配列方向と平行な方向であって、対向する複数の方向から物品3に対して力を加える。この場合、指と物品3との摩擦によって、物品3が把持される。
ロボットアーム制御装置23Aは、通信インタフェース41、アーム機構駆動部43、把持機構駆動部44A、コントローラ42A、及び学習部45を備える。
把持機構駆動部44Aは、コントローラ42Aの制御に基づいて、把持機構21Aによる物品3の把持を行わせる。把持機構駆動部44Aは、コンプレッサ71、電磁バルブ72、真空発生器73、モータ61A、エンコーダ62A、及びトルクセンサ63Aを備える。
モータ61A、エンコーダ62A、及びトルクセンサ63Aは、指機構91Aを駆動する駆動部として機能する。
モータ61Aは、電力を駆動力に変換する駆動機構である。モータ61Aは、電力に応じて、駆動軸を回転させる。駆動軸は、図示されないギヤ及びベルトなどの機構を介して、指機構91Aの関節機構に接続されている。即ち、モータ61Aの駆動軸の回転に応じて、指機構91Aの関節機構が回転動作する。モータ61Aは、例えば、サーボモータである。また、モータ61Aは、ステッピングモータ、または超音波モータなどであってもよい。また、把持機構駆動部44は、モータ61Aではなく、空気圧または油圧などにより指機構91Aの関節機構を駆動させる構成であってもよい。
エンコーダ62Aは、モータ61Aの駆動軸の回転量及び回転速度を検出する。エンコーダ62Aは、回転量及び回転速度の検出結果をコントローラ42Aに供給する。エンコーダ62Aは、例えば、発光素子と受光素子との組合せにより、モータ61Aの駆動軸と連動する板の回転量及び回転速度を検出する。
トルクセンサ63Aは、モータ61Aの駆動軸が接続された関節機構によって連結された指に作用するトルクを検出する。トルクセンサ63Aは、例えば、モータ61Aの駆動軸のねじれ量を、トルクを示す電気信号として出力する。トルクセンサ63Aは、トルクの検出結果をコントローラ42Aに供給する。
モータ61Aがサーボモータとして構成されている場合、トルクセンサ63Aは、モータ61Aと一体に構成されていてもよい。この場合、トルクセンサ63Aは、モータ61Aに流れる電流値を検出することにより、指機構91Aの指に作用するトルクを検出する。また、指先に感圧センサを設けることで、出力値と指のリンク長からトルクを得てもよい。
モータ61Aは、コントローラ42Aの制御に基づく角速度で、指機構91Aの関節機構(軸)を回転させる。これにより、複数の指機構91Aは、物品3を挟むように物品3に対して力を加える。把持機構駆動部44Aは、例えば、指機構91Aの関節機構毎に、モータ61A、エンコーダ62A、及びトルクセンサ63Aを備える。
コントローラ42Aは、コントローラ42と同様の構成を備える。また、コントローラ42Aは、アーム機構駆動部43の制御、把持機構駆動部44Aの真空発生器73、電磁バルブ72、及びコンプレッサ71の制御、及び物品3の把持の安定性の評価についてコントローラ42と同様の処理を行う。この為、詳細な説明を省略する。
図18は、ロボットアーム5Aの動作について説明する為のフローチャートである。なお、図18は、図6の動作に置き換えが可能である。この為、図18の処理は、図5の処理に続きとして記載する。
コントローラ42Aは、図5の処理において、把持機構21Aの吸着パッド35を物品3に吸着させ、把持機構21Aを所定距離上昇させ、状態検出センサ33の測定結果と安定性評価パラメータとに基づいて、真空吸着による把持の安定性を評価する。
コントローラ42Aは、真空吸着による把持が安定しているか否か判断する(ステップS61)。例えば、コントローラ42Aは、真空吸着による把持が、把持機構21Aをリリース位置まで高速移動させた場合に維持されるか否か判断する。
コントローラ42Aは、真空吸着による把持が安定していると判断した場合(ステップS61、YES)、アーム機構22により、物品3を把持した把持機構21を高速で移動させる(ステップS62)。これにより、コントローラ42は、物品3を把持した把持機構21を、仕分先に応じたベルトコンベア4に対応した位置(リリース位置)まで移動させる。
コントローラ42Aは、電磁バルブ72を開放状態にし、コンプレッサ71から吸着パッド35内に圧縮空気を供給させることにより、真空吸着を破壊する(ステップS63)。これにより、把持機構21Aにより把持されていた物品3は、把持機構21Aから離れ落下する。この結果、物品3は、仕分先のベルトコンベア4に供給される。
コントローラ42Aは、学習部45に学習用データを生成させ(ステップS64)、図5のステップS11に移行する。これにより、コントローラ42Aは、アーム機構22及び把持機構21Aを距離センサ8の画角外に移動させ、次の動作計画の受信を待つ状態になる。
また、コントローラ42Aは、真空吸着による把持が安定していないと判断した場合(ステップS61、NO)、指機構91Aにより物品3を把持するように、把持機構駆動部44Aを制御する(ステップS65)。即ち、コントローラ42Aは、吸着による把持の安定性が不十分であると判断した場合、指機構91Aによる把持を加える。
コントローラ42Aは、アーム機構22により、物品3を把持した把持機構21を高速で移動させる(ステップS66)。これにより、コントローラ42Aは、物品3を把持した把持機構21Aを、仕分先に応じたベルトコンベア4に対応した位置まで移動させる。
コントローラ42Aは、電磁バルブ72を開放状態にし、コンプレッサ71から吸着パッド35内に圧縮空気を供給させることにより、真空吸着を破壊する(ステップS67)。また、コントローラ42Aは、指機構91AをステップS65とは逆方向に動作させることにより、指機構91Aによる物品3の把持を解除し(ステップS68)、ステップS64の処理に移行する。なお、学習部45は、指機構91Aにより物品3を把持している状態での、把持機構駆動部44Aのトルクセンサ63Aの出力及びエンコーダ62の出力を、学習用データの生成に加味してもよい。
また、本実施形態では、図5のステップS16において、圧力センサ37の測定結果が、閾値以上である場合に、ステップS65に移行することが可能である。即ち、コントローラ42Aは、真空吸着による把持が失敗した場合に、指機構91Aによる把持に切り替えてもよい。
上記したように、ロボットアーム5Aは、物品3を把持する複数の手段を有する。ロボットアーム5Aは、1つの手段により物品3を把持した状態での安定性が十分であるか否か判断し、不十分であると判断した場合、他の手段により物品3を把持する。また、ロボットアーム5Aは、1つの手段による物品3の把持の安定性が不十分であると判断した場合、複数の手段を組み合わせて物品3を把持する。これにより、状況に応じて適切な制御を行うことが可能になる。
指機構91Aによる把持は、関節機構を駆動する必要がある為、吸着パッド35による把持に比べて遅い。この為、コントローラ42Aは、まず吸着パッド35による物品3の把持を行って、安定性を評価し、安定性が不十分である場合に指機構91Aによる物品3の把持を追加する。この結果、真空吸着のみで高速に処理することができ、且つ真空吸着と指機構91Aによる把持とを併用することによる安定性の向上を実現する事ができる。この結果、高い安定性とスループットとを両立させることが可能となる。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、安定性の評価結果を3値以上のうちのいずれかになるように安定性評価パラメータが生成されてもよい。これにより、移動速度を変化させることによる安定性の向上を図ることができる。
また、上記の実施形態では、コントローラ42Aは、安定性が不十分である場合に指機構91Aによる把持を加えると説明したが、この構成に限定されない。コントローラ42Aは、吸着把持と指機構による把持との併用を基本動作としてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…仕分システム、5…ロボットアーム、6…情報処理装置、7…操作端末、8…距離センサ、9…ネットワーク、11…通信インタフェース、12…制御部、13…プロセッサ、14…メモリ、21…把持機構、22…アーム機構、23…ロボットアーム制御装置、31…ベース部材、32…吸着パッド群、33…状態検出センサ、34…チューブ、35…吸着パッド、36…距離センサ、37…圧力センサ、38…力覚センサ、41…通信インタフェース、42…コントローラ、43…アーム機構駆動部、44…把持機構駆動部、45…学習部、51…プロセッサ、52…メモリ、61…モータ、62…エンコーダ、63A…トルクセンサ、71…コンプレッサ、72…電磁バルブ、73…真空発生器、91A…指機構。

Claims (14)

  1. 物品を把持する把持機構と、
    前記把持機構を移動させるアーム機構と、
    前記把持機構が前記物品を把持した際の把持の状態を測定し、測定結果を出力する状態検出センサと、
    前記物品を把持した前記把持機構を移動させている間に前記物品が落下するか否かを推測する為の安定性評価パラメータと、前記状態検出センサの測定結果とに基づいて、前記把持機構及び前記アーム機構の動作を制御するコントローラと、
    を具備する物品把持装置。
  2. 前記物品を把持した状態での前記状態検出センサの測定結果と、前記物品を把持した前記把持機構を移動させている間に前記物品が落下したか否かを示す情報とを有する学習用データを生成し、複数の前記学習用データに基づいて、前記安定性評価パラメータを生成する学習部をさらに具備する請求項1に記載の物品把持装置。
  3. 前記状態検出センサは、前記物品を把持した前記把持機構に対して作用する応力を測定結果として出力する力覚センサを備える請求項1または2に記載の物品把持装置。
  4. 前記把持機構は、真空吸着により前記物品を把持する吸着パッドを具備し、
    前記状態検出センサは、前記吸着パッドと前記物品との間の空間の圧力である吸着力を検出し、測定結果として出力する圧力センサを備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物品把持装置。
  5. 前記状態検出センサは、前記把持機構と前記物品との距離を検出し、測定結果として出力する複数の距離センサを備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物品把持装置。
  6. 前記状態検出センサは、前記アーム機構を駆動するモータのトルクを測定結果として出力するトルクセンサと、前記モータの駆動軸の回転速度及び回転量を測定結果として出力するエンコーダとを備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の物品把持装置。
  7. 前記状態検出センサは、前記把持機構が前記物品を把持した状態で、前記把持機構を前記アーム機構により所定の移動動作で移動させる間に前記測定結果を出力する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の物品把持装置。
  8. 前記状態検出センサは、前記把持機構が前記物品を把持し、前記把持機構を前記アーム機構により所定距離上昇させる間に前記測定結果を出力する請求項7に記載の物品把持装置。
  9. 前記状態検出センサは、前記把持機構が前記物品を把持した状態で、前記アーム機構により前記把持機構を水平方向に移動させる間に前記測定結果を出力する請求項7または8に記載の物品把持装置。
  10. 前記コントローラは、前記状態検出センサの測定結果と、前記安定性評価パラメータとに基づいて、前記アーム機構により前記把持機構を移動させる際の移動速度を制御する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の物品把持装置。
  11. 前記把持機構は、真空吸着により前記物品を把持する吸着パッドと、前記物品を挟んで把持する指機構とを具備し、
    前記コントローラは、前記状態検出センサの測定結果と、前記安定性評価パラメータとに基づいて、前記吸着パッドと前記指機構とを動作させて前記物品を把持させる請求項1に記載の物品把持装置。
  12. 前記安定性評価パラメータは、前記吸着パッドにより前記物品を把持した状態での前記状態検出センサの測定結果と、前記吸着パッドにより前記物品を把持した前記把持機構を移動させている間に前記物品が落下するか否かを示す情報とを有する複数の学習用データに基づいて生成され、
    前記コントローラは、
    前記安定性評価パラメータと、前記状態検出センサの測定結果とに基づいて、前記吸着パッドにより前記物品を把持した前記把持機構を移動させている間に前記物品が落下するか否かを推定し、
    前記物品が落下すると推定した場合、前記吸着パッド及び前記指機構により前記物品を把持し、
    前記物品が落下しないと推定した場合、前記吸着パッドにより前記物品を把持させる請求項11に記載の物品把持装置。
  13. 前記状態検出センサは、前記指機構を駆動するモータのトルクを測定結果として出力するトルクセンサと、前記モータの駆動軸の回転速度及び回転量を測定結果として出力するエンコーダとを備える請求項12に記載の物品把持装置。
  14. 物品を把持する把持機構と、前記把持機構を移動させるアーム機構とを具備する物品把持装置の制御装置であって、
    前記把持機構が前記物品を把持した際の把持の状態を測定し、測定結果を出力する状態検出センサから測定結果を取得し、前記物品を把持した前記把持機構を移動させている間に前記物品が落下するか否かを推測する為の安定性評価パラメータと、前記状態検出センサの測定結果とに基づいて、前記把持機構及び前記アーム機構の動作を制御するコントローラを具備する物品把持装置の制御装置。
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