本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。
回収排出通路には、発射球検知スイッチ451(図10参照)が設けられている。発射球検知スイッチ451は、例えば、遊技球が通過する検知孔を有する通過型のセンサにより構成される。発射球検知スイッチ451によって検知された遊技球数は、遊技領域内に発射された遊技球数に対応し、この遊技球数に対応した信号が、パチンコ機100の背面側に設けられる外部端子板580(図8及び図9参照)を介して出力される。回収排出通路において発射球検知スイッチ451により通過が検知された遊技球は、パチンコ機100の背面側下部に設けられる排出口を経由して、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400には、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474(図10参照)が、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態において視認可能となる位置(例えば、遊技盤400の左上隅部分)に設けられている。この釘状態レベル表示装置474は、遊技者からは視認し得なく、又は視認困難に構成され、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態では遊技者から視認し得ない位置(例えば、前ブロック102の裏側に重なる位置であって中央パネル220の光透過性を有する視認部から外れた位置)に配置されている。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
遊技者は、発射ハンドル252の回転操作量を変えることで、左打ち遊技手法と右打ち遊技手法とを選択的に行うことができる。つまり、遊技者は、発射ハンドル252を、遊技球が中央構造体420の右側を主として流下しないような回転操作量で操作することで、左打ち遊技手法を行うことができる。一方、遊技者は、発射ハンドル252を、遊技球が中央構造体420の右側を主に流下するような回転操作量、すなわち、左打ち遊技手法で遊技を行う場合より強めの回転操作量で操作することで、右打ち遊技手法を行うことができる。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950と、パチンコ機100の状態に応じた信号を管理装置(図示せず)に出力する基板である外部端子板580とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
外部端子板580は、図8及び図9に示すように、後方から見た後ブロック104の右上側端部に設けられている。外部端子板580には、特別遊技状態中に信号出力するための出力端子、発射球検知スイッチ451によって検知された遊技球数に対応した信号を出力するための出力端子などが設けられている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜釘状態関連処理S1222が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜釘状態関連処理S1222は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1223が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、一般入賞スイッチ449A,449B、及び、発射球検知スイッチ451の各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<釘状態関連処理S1222>
次に、図13を参照して、主制御割込み処理において実行される釘状態関連処理S1222について説明する。図13は、釘状態関連処理S1222を示したフローチャートである。
釘状態関連処理S1222は、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を検出し、当該検出に基づく結果を表示出力する処理である。具体的に、釘状態関連処理S1222は、釘411の状態の検出に係る前半の各処理S1401〜S1405と、当該検出に基づく結果の表示に係る後半の各処理S1501〜S1504とから構成される。
釘状態関連処理S1222では、図13に示すように、まず、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球数(以下「一般入賞数」とも称す)、および、遊技領域内に発射された遊技球数(以下、「発射球数」とも称す)を計数する期間(以下、「計数期間」と称す)中であるか否かを判定する(S1401)。このように、当該計数期間中に限って一般入賞数および発射球数の計数することで、発射球数に対する一般入賞数の割合(すなわち、発射球数に対する、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入割合)を算出した場合に、その算出結果に不正や数値の平均化などによる悪影響が及び難くされている。
なお、S1401の判定基準となる「計数期間」は、例えば、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数有効期間としてもよく、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数無効期間を除いた期間としてもよい。
「計数有効期間」は、例えば、遊技球が発射装置330から発射される期間としてもよい。遊技球が発射装置330から発射されているか否かは、例えば、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253、または、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254の検出状態に基づいた所定の発射操作の有無によって判定してもよい。例えば、可変抵抗器253により発射ハンドル252に対して回転操作が加えられていることが検出された場合に、遊技球が発射装置330から発射されていると判定してもよいし、接触センサ254により発射ハンドル252に対する接触が検出された場合に、遊技球が発射装置330から発射されていると判定してもよい。
また、「計数有効期間」は、所定の発射操作が実行されているか、又は、実行終了後の流下経過時間以内に、発射球検知スイッチ451によって遊技球が検知された場合としてもよい。この所定の発射操作実行終了後の流下経過時間としては、遊技球が発射されてから発射球検知スイッチ451に検知される時間のうち、最も時間のかかる経路を経由した最大時間(例えば、15秒)を含む時間に設定することが好ましく、流下経過時間は、実際に計測した最大時間に、設計上のバラツキを考慮した十分な時間に設定することが好ましい。また、所定の発射操作が開始された後の一定時間は、計数有効期間としないように、例えば、遊技球が発射されてから発射球検知スイッチ451に検知される時間のうち最も時間の短い経路を経由した最短時間(例えば、5秒)を除いた時間に計数有効期間を設定してもよい。
「計数無効期間」は、例えば、特別遊技状態中としてもよい。特別遊技状態中であるか否かは、例えば、外部端子板580からの信号の出力状態に基づいて判定できる。具体的に、例えば、特別遊技状態中であることを示す信号が外部端子板580から出力開始されてから、当該信号の出力が終了するまでの期間を、特別遊技状態中と判定できる。
また、「計数無効期間」は、例えば、前ブロック102が開放状態(すなわち、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態)である期間としてもよい。前ブロック102が開放状態であるか否かは、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づき判定できる。
前ブロック102が開放状態であるときに一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球は、遊技領域を流下して適切に進入した遊技球でなく、工場の出荷検査員、遊技をしながら不正行為を行う者(以下、不正行為者という)、又は、遊技場側の関係者(例えば、遊技場の従業員)が一般入賞装置439A,439Bに投入した遊技球である可能性がある。前ブロック102が開放状態である期間を計数期間から除外することで、一般入賞装置439A,439Bに投入された遊技球を計数対象から外すことができる。
あるいは、例えば、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合に、以降の所定期間を計数無効期間としてもよい。これにより、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された後に、さらに行われる連続投入によって一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を計数対象から外すことが可能となる。
なお、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が連続投入されたか否かは、例えば、所定時間内に各一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球の数や、各一般入賞装置439A,439Bに進入する遊技球の進入間隔などから検出してもよい。
例えば、各一般入賞装置439A,439Bに対し、遊技球が所定時間(例えば、3秒)内に所定個(例えば、10個)で進入した場合に、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が連続投入されたと検出してもよい。また、各一般入賞装置439A,439Bに対し、所定間隔(例えば、0.5秒間隔)で所定個(例えば、5個)以上の遊技球が進入した場合に、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が連続投入されたと検出してもよい。
一方、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された後に計数無効期間とする「所定期間」は、例えば、予め定められた期間(例えば、10分間)としてもよいし、その後に連続して一般入賞装置439A,439Bに遊技球が投入される期間としてもよい。「その後に連続して一般入賞装置439A,439Bに遊技球が投入される期間」は、例えば、連続投入が検出された後、その連続投入に引き続いて当該検出と同じ条件で連続投入が検出される期間としてもよい。あるいは、連続投入が間欠的に行われることを考慮して、数十秒から数分程度(例えば、30秒程度や1分程度など)の間に上記連続投入の検出と同じ条件で連続投入が検出される期間を「その後に連続して一般入賞装置439A,439Bに遊技球が投入される期間」としてもよい。
また、各一般入賞装置439A,439Bに対して遊技球が検出された後の無効期間(例えば、3秒)は、遊技球の進入に対する計数を無効にする計数無効期間とし、遊技球が短時間に連続して投入されても、最初の所定無効数(例えば、1球または2球)のみを計数対象とし、後続の一定数の遊技球の進入を無効にしてもよいし、また、最初の所定無効数を含めて連続投入された全ての遊技球の進入を計数対象から除外して無効にしてもよい。この無効期間は、一般入賞装置439A,439Bに対して遊技球が進入する確率を考慮して設定してもよく、例えば、遊技球の進入確率が最高の発射操作(例えば、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法のいずれか)において遊技球が連続進入する確率に対応させて、当該確率が高いほど、無効期間を短く設定し、確率が低い場合に無効期間を長く設定してもよい。また、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が進入した場合に払い出される個数(払出数)に対応した時間に設定してもよく、例えば、払出数が少ない個数(例えば、3球)の入賞装置に対しては、短い無効期間(例えば、略1.2秒)を設定し、払出数が多い個数(例えば、15球)の入賞装置に対しては、長い無効期間(例えば、略2.4秒)を設定してもよい。また、計数無効期間としては、遊技球の発射時間間隔(例えば、0.6秒)に対応した時間を設定してもよく、例えば、遊技球の発射時間間隔の2倍以上の無効期間(略1.2秒以上)を設定してもよく、4倍以上の無効期間(略2.4秒以上)を設定してもよい。また、所定無効数についても、遊技球の進入確率が高いほど多く設定し、進入確率が低い場合に少なく設定することが好ましい。そして、複数の入賞装置(例えば、一般入賞装置439Aと、一般入賞装置439B)に対して、それぞれ一般入賞数カウンタと、発射球数カウンタとを設け、別々に釘状態レベルを出力可能にしてもよく、この場合に、計数が行われる各入賞装置において、遊技球の進入確率の高低又は払出数の多少の少なくとも一方が異なる設定とし、当該設定に対応して、無効期間の長短または所定無効数の多少の少なくとも一方が異なる設定とすることが好ましい。
なお、前ブロック102が開放状態であり、かつ、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合に、以降の所定期間を計数無効期間とするなど、複数の条件の組合せが成立した場合に無効期間を発生させるようにしてもよい。これにより、遊技場側の関係者が一般入賞装置439A,439Bに連続投入した遊技球を計数対象から好適に除外することができる。
あるいは、S1401の判定基準となる「計数期間」は、例えば、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間としてもよい。「予め定められた計数開始条件」は、例えば、予め定められた計数開始時刻(例えば、午前11時や午後3時など)としてもよいし、予め定められた期間毎(例えば、2時間毎)の計数開始時期としてもよい。また、「予め定められた計数開始条件」は、例えば、予め定められたタイミング(例えば、第1または第2特別図柄に係る当選乱数カウンタが計数開始条件として予め定められた所定値となったタイミングや、計数開始条件として予め定められた操作が行われたタイミングなど)としてもよい。なお、上記の計数開始時刻や、計数開始時期の間隔や、所定のタイミングは、必ずしも、毎日や毎回において同じである必要はなく、予め設定した異なる複数種類の設定のうちいずれかの設定を選択するようにしてもよく、その選択順序は、予め定めた順序(例えば、曜日毎に異なる設定となるように)選択してもよいし、いずれを選択するかを抽選により決定するようにして都度ランダムに変更するようにしてもよい。また、計数開始条件は1日に複数回が成立するようにしてもよい。
また、予め定められた計数開始条件が成立した後に計数期間とする「所定期間」は、例えば、予め定められた計数終了条件が成立するまでの期間としてもよい。「予め定められた計数終了条件」は、例えば、予め定められた計数終了時刻(例えば、午後1時や午後6時など)としてもよく、予め定められたタイミングとしてもよい。計数終了条件として予め定められたタイミングとしては、例えば、計数期間として予め定められた期間(例えば、30分間)が経過したタイミングとしてもよいし、第1特別図柄に係る当選乱数カウンタが計数終了条件として予め定められたとなったタイミングとしてもよいし、計数終了条件として予め定められた操作が行われたタイミングとしてもよい。
なお、計数開始条件と計数終了条件とは、上記例示した条件を適宜組み合わせてもよい。例えば、予め定められた計数開始時刻を計数開始条件とし、予め定められた計数終了時刻を計数終了条件としてもよく、第1特別図柄に係る当選乱数カウンタが計数開始条件として予め定められたとなったタイミングを計数開始条件とし、計数期間として予め定められた期間が経過したタイミング(例えば、30分間)が経過したタイミングを計数終了条件としてもよい。
あるいは、電源部901からパチンコ機100への電力の供給が開始された後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(第1特別図柄に係る当選乱数カウンタ、または第2特別図柄に係る当選乱数カウンタ)の値を、予め定められたN回目(Nは1以上の整数)に取得するタイミングを計数開始条件としてもよい。また、その場合、当該N回目に取得した特別図柄に係る当選乱数カウンタの値に基づいて、計数終了条件としての期間が決定される構成としてもよい。つまり、予め定められたN回目に取得した当選乱数カウンタの値に基づいて、計数期間が異なる構成としてもよい。このとき、予め定められたN回目に取得した当選乱数カウンタの値が取得される毎に計数開始条件が成立する構成としてもよい。
なお、S1401の判定基準となる「計数期間」としては、上述した、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数有効期間または予め定められた計数無効期間を除いた期間、または、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間のいずれかである必要はなく、これらの期間がいずれも採用される構成としてもよい。
また、S1401の判定基準となる「計数期間」として、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間が採用される場合には、単独の種類の計数開始条件が成立した後の所定期間が前記「所定期間」である必要はなく、異なる種類の計数開始条件(例えば、予め定められた計数開始時刻と、予め定められた計数開始タイミングなど)がそれぞれ成立した後の各所定期間が前記「計数期間」である構成としてもよいし、異なる種類の計数開始条件を組み合わせた計数開始条件が成立した後の所定期間が前記「計数期間」である構成としてもよい。
S1222において、計数期間中でないと判定した場合(S1401:N)、後述するS1401〜S1405,S1501〜S1504の各処理は実行せずに、主制御割込み処理に復帰(リターン)する。なお、計数期間中でないと判定した場合(S1401:N)に、S1501の処理から制御を開始し、S1501〜S1504の各処理を実行してから主制御割込み処理に復帰するようにしてもよい。
一方、S1222において、計数期間中であると判定した場合(S1401:Y)、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知した否かを判定する(S1402)。具体的に、一般入賞スイッチ449A,449B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、各スイッチ449A,449Bにそれぞれ対応する一般入賞スイッチ検出フラグ(主制御基板920のRAMにおける所定の領域)が設定されている場合に、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知したと判定する。
一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知したと判定した場合(S1402:Y)、一般入賞数カウンタ(主制御基板920のRAMにおける所定領域)を更新し(S1403)、判定処理S1404を実行する。一方、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知していないと判定した場合(S1402:N)、S1403の処理は実行せずに、判定処理S1404を実行する。
具体的に、S1403では、一般入賞スイッチ449Aに対応する一般入賞スイッチ検出フラグ、または、一般入賞スイッチ449Bに対応する一般入賞スイッチ検出フラグのいずれか一方が設定されている場合には、一般入賞数カウンタに「1」を加算する。一方、一般入賞スイッチ449Aに対応する一般入賞スイッチ検出フラグ、および、一般入賞スイッチ449Bに対応する一般入賞スイッチ検出フラグの両方が設定されている場合には、一般入賞数カウンタに「2」を加算する。
なお、一般入賞数カウンタが設けられるRAMは、電源部901からバックアップ電圧が供給されているので、電源部901からの駆動用電圧および制御用電圧の電力の供給が停止された場合においても、一般入賞数カウンタの記憶内容は保持される。つまり、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去しない限り、パチンコ機100が停電状態である場合においても、一般入賞数カウンタの記憶内容は保持される。
S1404では、発射球を検知したか否かを判定する。具体的に、発射球検知スイッチ451(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、発射球検知スイッチ451に対応する発射球検知スイッチ検出フラグ(主制御基板920のRAMにおける所定の領域)が設定されている場合に、発射球を検知したと判定する。
発射球を検知したと判定した場合(S1404:Y)、発射球数カウンタ(主制御基板920のRAMにおける所定領域)を更新し(S1405)、判定処理S1501を実行する。一方、発射球を検知していないと判定した場合(S1404:N)、S1405の処理は実行せずに、判定処理S1501を実行する。
具体的に、S1405では、発射球検知スイッチ検出フラグが設定されている場合には、発射球数カウンタに「1」を加算する。なお、発射球数カウンタは、電源部901からバックアップ電圧が供給されるRAMに設けられているので、上述した一般入賞数カウンタと同様、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去しない限り、パチンコ機100が停電状態である場合においても、発射球数カウンタの記憶内容は保持される。
S1501では、前ブロック102が開放状態であるか否かを判定する。具体的に、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態が、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されていないことを示す場合に、前ブロック102が開放状態であると判定する。
前ブロック102が開放状態であると判定した場合(S1501:Y)、一般入賞数カウンタの値を発射球数カウンタの値で除した値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を算出する(S1502)。S1502において算出された値は、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を反映する。
つまり、S1502において算出された値が、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の入賞が設計値通りになる場合の値として予め定められている基準値に近い値である程、釘411(より詳細には、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411)が、パチンコ機100の製造時における設定に従う適切な状態である可能性が高いことを示す。なお、本実施形態における以下の説明において「基準値」は、上述した「一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の入賞が設計値通りになる場合の値として予め定められている基準値」であるとする。
一方、S1502において算出された値が基準値から離れた値である程、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411が、パチンコ機100の製造時における設定から逸脱した状態である可能性が高い。つまり、当該差分が大きい程、釘411が適切な状態から大きく外れている可能性が高い。
S1502において算出された値に基づき、釘状態レベルを算出する(S1503)。「釘状態レベル」は、釘411(より詳細には、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411)の状態が、パチンコ機100の製造時における設定に対して適切であるか不適切であるかを、段階的なレベルで表した情報である。例えば、S1502において算出された値が、基準値を含む第1範囲(例えば、基準値×±5%を両端とする範囲)内の値である場合、釘状態レベルは、釘411の状態が適切であることを示す「1」とされる。
一方、S1502において算出された値が、第1範囲の外側(すなわち、基準値より離れる側)である場合、釘状態レベルは、「1」より大きな値とされ、それにより、釘411が適切な状態から外れている可能性があることを示す。例えば、S1502において算出された値が、第1範囲の外側に設定される第2範囲(例えば、基準値より離れる側の端が基準値×±10%である範囲)内の値である場合、釘状態レベルは「2」とされ、第2範囲の外側(すなわち、基準値より離れる側)である場合、釘状態レベルは「3」とされる。つまり、釘411が適切な状態から大きく外れている程、釘状態レベルは大きい値とされる。
次に、S1503において算出された釘状態レベルを出力する処理を実行し(S1504)、主制御割込み処理に復帰する。本実施形態では、S1505において、釘状態レベルを示す数値を、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474(図10参照)に表示する。例えば、釘状態レベルが「1」である場合、釘状態レベル表示装置474には「1」が表示される。なお、S1501において前ブロック102が開放状態でないと判定した場合(S1501:N)、S1502〜S1504の各処理は実行せずに、主制御割込み処理に復帰する。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、釘状態関連処理S1222にて、一般入賞数カウンタの更新(すなわち、一般入賞数の計数)が、所定の計数期間中に限って行われるので、一般入賞数カウンタによって計数される一般入賞数、および、そのように計数された一般入賞数に基づき算出された釘状態レベルに対し、一般入賞装置439A,439Bへの不当な連続投入、不正な連続投入や数値の平均化などによる悪影響を及び難くすることができる。これにより、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を、釘状態レベルに好適に反映させることができる。
例えば、パチンコ機100に対して工場で出荷前の検査を行う場合に、前ブロック102を開放し、一般入賞装置439A,439Bへ遊技球を複数個ずつ連続投入し、その投入に対して主制御装置370等が適切に動作するかを検査すると、一般入賞装置439A,439Bには、遊技者が遊技を行う場合に遊技球が進入する確率より極めて高確率で遊技球が連続投入されることとなる。かかる連続した一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を、パチンコ機100の性能が設計値通りであるか否かを判断するための値として使用してしまうと、適切にパチンコ機100の性能を判定することができない可能性がある。
また、例えば、パチンコ機100が設置された遊技場(ホール)に来店して遊技する不正行為者が、前ブロック102を不正に開放し、一般入賞装置439A,439Bへ遊技球を連続投入してしまう可能性がある。この場合には、パチンコ機100の性能としては設計値通りであるにもかかわらず、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の入賞が設計値より高くなって設計値通りでないと判定される可能性がある。ここで、大当りに当選するなどの特定の遊技状態にならなければ開放されない大入賞装置433,434等には、不正なタイミングでの遊技球の進入をパチンコ機100の制御により検出し、異常状態に対応した制御をすることも行われ易いが、遊技状態に関わらずに常時遊技球が進入可能な入賞口や、遊技球が進入した場合に当否抽選を受けることなく一定数の遊技球の払い出しなどの一定の遊技価値が付与される入賞口(一般入賞口)に対しては、かかる異常状態が発生しているのか通常の遊技によるものであるかの判定が困難な場合があり、当該入賞口を狙った不正が行われる可能性がある。
これに対し、パチンコ機100においては、上記したように、一般入賞装置439A,439Bへの連続投入による悪影響を及び難くすることができるので、工場出荷前の検査や、不正行為者による不正行為が行われた場合であっても、釘411の実際の状態を釘状態レベルに好適に反映させることができる。よって、釘状態レベルに基づき、パチンコ機100の性能を適切に評価することができる。
また、釘状態レベルには、遊技場側の不正も釘状態レベルに好適に反映されるので、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)は釘状態レベルに基づき遊技場側の不正を好適に検出することができる。
例えば、遊技場側の関係者が、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍の状態を不正に変化させる改造を行った場合(一般入賞装置439A,439Bの入賞口に遊技球が全く進入し得ない程度に釘411に対する改造を施してパチンコ機100の性能を不適切にしてしまう場合等が例示される)、当該遊技場としては、そのような不正が外部者によって検出されることがないよう、遊技場が閉店した後に、遊技場側の関係者などが一般入賞装置439A,439Bに遊技球を不正投入することで、一般入賞装置439A,439Bに係る性能を、設計値に従う性能となるよう数値上の帳尻を合わせる可能性がある。このように数値上の帳尻が合わされた場合、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態が不適切であるにもかかわらず、釘411の状態が適切である釘状態レベルが算出される可能性が高い。
これに対し、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、前ブロック102が開放状態である期間や、遊技球が一般入賞装置439A,439Bに連続投入された可能性のある期間(すなわち、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の不正な連続投入が検出された後の所定期間)を、S1401における判定基準の「計数期間」から除外することで、工場の作業者や、遊技場側の関係者などが帳尻合わせのために一般入賞装置439A,439Bに遊技球を連続投入したとしても、かかる連続投入された遊技球を一般入賞数カウンタによる計数対象から除外することができる。よって、工場出荷前の検査において投入された遊技球や、帳尻合わせのために不正に投入された遊技球が、釘状態レベルに反映されることを抑制できるので、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の実際の状態を釘状態レベルに好適に反映させることができる。
すなわち、遊技場側の関係者が遊技球を一般入賞装置439A,439Bに不正に投入する場合、その不正な作業を効率的に行うために、遊技球の連続投入を行う可能性があるが、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の不正な連続投入が検出された後の所定期間を、S1401における判定基準の「計数期間」から除外することで、かかる不正な連続投入によって一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を、一般入賞数カウンタによる計数から好適に除外することができる。
また、別の例として、遊技場側の関係者は、その日における一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入割合(遊技球の進入のし易さ)を調整するために、開店前などに、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を不正に変化させることがある。この場合、ある日には当該進入割合が設計値より高く調整され、別のある日には当該進入割合が設計値より低く調整されるため、一般入賞数カウンタにより計数される一般入賞数は、数日間の累積によって平均化され、それにより、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態が不適切であるにもかかわらず、釘411の状態が適切である釘状態レベルが算出される可能性がある。
これに対し、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間に限ることで、累積による数値の平均化がされ難くなり、それにより、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の実際の状態を釘状態レベルに好適に反映させることができる。
また、釘状態レベルは、一般入賞数を発射入賞数で除した値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)から算出されるので、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)は、釘状態レベルから一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を好適に把握することができる。
特に、釘状態レベルの算出に用いる発射球数の計数(すなわち、S1405における発射球数カウンタの更新)が、当該釘状態レベルの算出に用いる一般入賞数の計数(S1403における一般入賞数カウンタの更新)と同様、所定の計数期間中に限って行われるので、S1502において算出される(一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の実際の状態(より詳細には、一般入賞数が計数される所定期間における釘411の状態)を好適に反映させた値として得ることができる。
また、算出された釘状態レベルは、前ブロック102が開放状態であることを条件として釘状態レベル表示装置474に表示されるので、遊技者が遊技をしていない状況において釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示させることができる。よって、遊技者は、釘状態レベルのような、遊技とは無関係の情報が表示されたことを認識することがなく、遊技とは無関係の情報が表示されたことで遊技者が遊技に対する不信感を抱くことを好適に抑制できる。
また、釘状態レベル表示装置474に表示される釘状態レベルは、S1502において算出された値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を3段階に区分したものであるので、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)は、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態が適切であるか否かを、釘状態レベル表示装置474の表示内容から判断し易い。
<第2実施形態>
次に、図14から図19を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態のパチンコ機100においては、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)を設定するための設定変更機能を備えている。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、第2実施形態のパチンコ機100における遊技盤400Xの正面図である。遊技盤400Xは、釘411や風車412等の流下変化部材や、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420などが遊技盤400と同様に設けられているとともに、中央構造体420に対して下側に配置された、第1特別図柄に係る始動装置である中始動入賞装置2431と、中央構造体420に対して右側に配置された、第2特別図柄に係る始動入賞装置である右始動入賞装置2432と、中始動入賞装置2431に対して下側に配置された下大入賞装置2434と、右始動入賞装置2432に対して下側に配置された上大入賞装置2433と、下大入賞装置2434の左右両側に配置された一般入賞装置2439A,2439Bとが設けられている。
遊技盤400Xには、上記した中始動入賞装置2431等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図16参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、中始動入賞装置2431に進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ2441、右始動入賞装置2432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ2442、上大入賞装置2433に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ2443、下大入賞装置2434に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ2444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、上大入賞装置2433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ2447、上大入賞装置2433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ2448、一般入賞装置2439A,2439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400Xに設置されている。
各入賞装置、具体的には、中始動入賞装置2431、右始動入賞装置2432、上大入賞装置2433、下大入賞装置2434及び一般入賞装置2439A,2439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。
回収排出通路には、発射球検知スイッチ451(図16参照)が設けられている。発射球検知スイッチ451は、例えば、遊技球が通過する検知孔を有する通過型のセンサにより構成される。発射球検知スイッチ451によって検知された遊技球数は、遊技領域内に発射された遊技球数に対応し、この遊技球数に対応した信号が、パチンコ機100の背面側に設けられる外部端子板580(図8及び図9参照)を介して出力される。回収排出通路において発射球検知スイッチ451により通過が検知された遊技球は、パチンコ機100の背面側下部に設けられる排出口を経由して、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置2432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構2452と、右進入規制機構2452を駆動する右進入規制ソレノイド2462(図16参照)とを備えている。右進入規制機構2452は、右進入規制ソレノイド2462によって駆動される可動片を備えており、右進入規制機構2452が進入禁止姿勢である場合には、可動片が進入口(入賞口)を閉鎖する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置2432に進入できないが、右進入規制機構2452が進入許容姿勢である場合には、可動片が進入口内に遊技球を誘導する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置2432に進入できるようになる。右進入規制機構2452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド2462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
上大入賞装置2433には、図14に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構2453と、上進入規制機構2453の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド2463(図16参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、上大入賞装置2433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド2465(図16参照)とが設けられている。上大入賞装置2433の上進入規制機構2453が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構2453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置2433に進入できないが、上進入規制機構2453が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構2453が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置2433に進入できるようになる。また、上大入賞装置2433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態)が付与される。
下大入賞装置2434には、図14に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構2454と、下進入規制機構2454の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド2464(図16参照)とが設けられている。下進入規制機構2454が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構2454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置2434に進入できないが、下進入規制機構2454が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構2454が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置2434に進入できるようになる。
上大入賞装置2433及び下大入賞装置2434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る中始動入賞装置2431へ進入した遊技球が中始動入賞スイッチ2441で検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置2432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ2442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、上進入規制ソレノイド2463又は下進入規制ソレノイド2464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、上進入規制機構2453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド2465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド2465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
また、遊技盤400Xには、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474(図16参照)が、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態において視認可能となる位置(例えば、遊技盤400の左上隅部分)に設けられている。この釘状態レベル表示装置474は、遊技者からは視認し得なく、又は視認困難に構成され、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態では遊技者から視認し得ない位置(例えば、前ブロック102の裏側に重なる位置であって中央パネル220の光透過性を有する視認部から外れた位置)に配置されている。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(上大入賞装置2433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、時短遊技状態(すなわち、時短状態であって、かつ、低確率状態である遊技状態)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、確変遊技状態(すなわち、時短状態であって、かつ、高確率状態である遊技状態)へ移行する。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400Xの主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。各種の遊技状態において第1特別図柄に係る中始動入賞装置2431に進入した遊技球が中始動入賞スイッチ2441(図16参照)によって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、遊技盤400において第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技と同様に開始される。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合、遊技盤400において第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合と同様、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。
第1特別図柄抽選の後に、遊技盤400のときと同様に、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が、遊技盤400のときと同様に開始され、継続され、そして、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄および装飾図柄にそれぞれ係る停止図柄が確定表示される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、上大入賞装置2433の上進入規制機構2453及び下大入賞装置2434の下進入規制機構2454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。上進入規制機構2453及び下進入規制機構2454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ2443,2444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置2432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ2442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
普通図柄に係る単位遊技は、遊技盤400のときと同様に行われ、普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置2432の右進入規制機構2452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置2432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置2432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ2442によって検出された場合には、右進入規制機構2452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置2432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置2432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置2432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置2432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。よって、遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、上大入賞装置2433及び下大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
図15は、第2実施形態のパチンコ機100の背面図である。図15に示すように、本実施形態のパチンコ機100の背面側には、背面設定スイッチ905が設けられている。背面設定スイッチ905は、本パチンコ機100の出球率を予め定めた複数段階(例えば、6段階や9段階など)のいずれか1段階に設定するための設定操作を有効化するための設定有効化装置である。
背面設定スイッチ905に所定のキー(図示せず)を挿入して所定位置(本実施形態では、初期位置から時計回りに略90°回転させた位置)まで回転させることで出球率の設定変更を有効化(許容)することができる。出球率の設定変更がこのように有効化された状態で所定の設定操作(本実施形態においては、初期化スイッチ907の押下)を行うことで出球率の設定変更が有効に行われる。
出球率の設定変更が有効に行われた場合、設定された各段階に応じて所定の遊技態様が変更される。つまり、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更は、遊技態様の設定変更であるともいえる。
本実施形態のパチンコ機100においては、出球率の設定変更(すなわち、遊技態様の設定変更)により設定された各段階に応じて、初当り確率(本実施形態においては、第1特別図柄抽選の当選確率)と、確変継続率(本実施形態においては、通常遊技状態から確変遊技状態へ突入する確率(確変突入率)と、確変遊技状態において第2特別図柄抽選を経由して特別遊技状態へ移行した場合に当該特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する確率とを含む)との組み合わせが異なる9種類の遊技態様のいずれかを選択することができる。よって、出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合には、設定された段階に応じた初当り確率および継続確率となるよう第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の各当選確率を変化させる(すなわち、各当選確率に応じた確率抽選データを使用する)ことで出球率の調整が行われる。
具体的に、本実施形態のパチンコ機100においては、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いトップタイプと、初当り確率が中程度であり確変継続率も中程度であるミドルタイプと、初当り確率が大幅に高いが確変継続率が大幅に低いボトムタイプとを選択できる。さらに、これらの各タイプにおいて、各タイプの初当り確率が、各タイプ間の初当り確率の幅よりも小幅に細分化された3段階の確率状態(以下、確率設定状態ともいう)、すなわち、3段階の中で初当り確率が最も低い第1段確率と、2番目に低い初当り確率である第2段確率と、初当り確率が最も高い第3段確率とを選択できる。
トップタイプにおいて、中始動入賞装置2431および右始動入賞装置2432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少ないが、上大入賞装置2433及び下大入賞装置2434への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多くなっている。一方、ボトムタイプにおいて、中始動入賞装置2431および右始動入賞装置2432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多いが、上大入賞装置2433及び下大入賞装置2434への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少なくなっている。
ここで、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも賞球数は同一の数に設定してもよい。これにより、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれの設定であるのか遊技者が賞球数から判定することを不能とし、いずれのタイプであるかの設定を推測する遊技性を長時間にわたって付加することができる。
また、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも確率設定状態の段階に応じて遊技者にとっての利益率は変化するが、いずれのタイプであっても確率設定状態の段階が同一であれば遊技者にとっての利益率は実質的に同一に設定されている。このため、タイプの変更によって確率の設定を変更しても、遊技場側が獲得する一定期間(例えば、1日)当たりの利益は予測しやすく、遊技場の管理をし易くすることができる。
なお、出球率の設定変更によって変更する遊技態様としては、上述したような、初当り確率と確変継続率との組合せであることに必ずしも限定される必要はなく、例えば、初当り確率、確変継続率のいずれかであってもよい。また、初当り確率および確変継続率以外の抽選確率、例えば、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の当選確率、普通図柄抽選の当選確率や、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において小当りが選択される確率や、確変突入率(本実施形態においては、第2特別図柄抽選での当選を経由する確変遊技状態への突入率)や、特別遊技状態後に移行した確変遊技状態が終了する確率(例えば、確変遊技状態中に図柄の変動表示が実行される毎に行われる転落抽選において確変遊技状態の終了が選択される確率)などであってもよく、これらの各遊技態様の2つ以上の組合せであってもよい。
背面設定スイッチ905より上方には、設定表示装置906が設けられている。背面設定スイッチ905の操作によって出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合、現在設定されている遊技態様に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。設定表示情報は、タイプを表す英字と確率設定状態を表す数字との組み合わせから構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプを、それぞれ、「T」、「M」および「B」の英字で表す。また、各タイプの確率設定状態は、第1段確率を「1」で表し、第2段確率を「2」で表し、第3段確率を「3」で表す。
よって、例えば、トップタイプの第1段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「T1」であり、ミドルタイプの第3段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「M3」であり、ボトムタイプの第2段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「B2」である。
図16は、第2実施形態のパチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。図16に示すように、背面設定スイッチ905および設定表示装置906は、信号中継部903に接続されている。
信号中継部903は、背面設定スイッチ905が所定のキー(図示せず)により時計回りに略90°回転された場合に主制御基板920へ出力されるオン状態の設定信号を中継する。主制御基板920においては、背面設定スイッチ905からオン状態の設定信号を受信したことに応じて遊技態様の変更を許容する。また、信号中継部903は主制御基板920から設定表示装置906へ出力された設定表示信号を中継する。設定表示装置906は、受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。
次に、本実施形態のパチンコ機100において主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。図17は、第2実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理(図17においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
本実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理は、第1実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理と同様、停電状態からの復帰に伴い起動される処理である。
以下、第1実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理と相違する部分について説明する。本実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理では、図17に示すように、立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の背面設定スイッチ905からの設定信号の出力状態の判定処理S2001が行われる。
具体的に、背面設定スイッチ905からの設定信号が、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていることを示すオン状態である場合(S1005:Y)、RAMの実質的に全領域の情報を消去するRAMクリア処理S2002が実行される。具体的には、RAMクリア処理S2002においては、RAMに格納されている設定対応情報を除く実質的にすべての領域の情報が消去される。
なお、設定対応情報は、予め定めた複数段階(本実施形態においては、9種類)の遊技態様の各々に対応する情報であり、設定中の遊技態様に対応する設定態様情報がRAMに格納されている。よって、RAMクリア処理S2002により、主制御基板920のRAMにおける設定対応情報の記憶領域を除く実質的にすべての領域の情報が消去され、設定変更を許可する状態となる。
設定変更を許可する状態となると、RAMに格納されている設定対応情報に対応する遊技態様を識別する設定表示信号が設定表示装置906に出力される。設定表示装置906は、主制御基板920から受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。つまり、設定表示装置906には、RAMに格納されている設定対応情報に対応する設定表示情報が表示される。
次いで、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となるまで遊技態様の設定を変更する設定変更処理S2003が実行される。なお、背面設定スイッチ905からの設定信号は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていない状態においてオフ状態となる。
遊技態様の設定変更は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において初期化スイッチ907を押下することによって行われる。具体的に、当該状態において、主制御基板920が初期化スイッチ907の押下に基づく初期化信号を受信する毎に、設定対応情報が順次変更される。具体的には、予め定められた9種類の遊技態様を循環的に選択する順序(例えば、・・・→T1→T2→T3→M1→M2→M3→B1→B2→B3→T1→T2→・・・)が予め決められており、選択される遊技態様は、初期化スイッチ907が押下される毎に当該順序に従って順次変更される。
当該変更が行われる毎に選択中の遊技態様に対応する値が設定対応情報としてRAMに格納される。RAMに格納される設定対応情報が変更される毎に、当該設定対応情報に対応する設定表示信号が設定表示装置906に出力され、変更後の設定対応情報に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。
よって、遊技場の管理者等の設定変更者は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において、本パチンコ機100に対して設定したい遊技態様を選択されるまで初期化スイッチ907の押下を繰り返した後、中始動入賞装置2431に遊技球を入賞させることで、遊技態様の選択を完了させることができる。よって、設定変更処理S2003は、初期化スイッチ907の押下による遊技態様の選択後に、中始動入賞装置2431に遊技球が入賞されたことで終了する。
背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となった場合(S2004:Y)、遊技態様の設定に係る情報(すなわち、設定対応情報)を除く各種の情報を新たにRAMに初期設定するRAM変更設定処理S2005が実行される。これにより、実質的に主制御基板920の立ち上げが終了し、RAMに格納された設定対応情報に対応する遊技態様で遊技が進行することが確定する。
RAM変更設定処理S2005の後、RAMの設定完了を示す設定済コマンドを払出制御基板930に出力する設定済コマンド出力処理S2006が実行される。払出制御基板930は、主制御基板920が出力した設定済コマンドを受信したことにより、主制御基板920が通常の遊技処理に移行することを認識できると共に、いずれの遊技態様で動作するかを認識できる。
設定済コマンド出力処理S2006の後は、特別遊技状態復帰準備処理S1015以降の処理が実行される。また、立上待機処理S1003の後、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態である場合には(S1005:N)、判定処理S1004以降の処理が実行される。
図18は、第2実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。本実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理は、第1実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と同様、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行される処理である。
以下、第1実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と相違する部分について説明する。本実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理では、図18に示すように、遊技進行が停止されていない場合(S1207:N)に実行される処理の1つとして、図19を参照して後述する設定示唆情報関連処理S2021が釘状態関連処理S1222の後に実行される。
図19は、設定示唆情報関連処理S2021を示したフローチャートである。設定示唆情報関連処理S2021は、設定示唆情報の出力条件として設定されている条件が成立した場合に、設定示唆情報を出力する処理である。
ここで、「設定示唆情報」は、現在設定されている遊技態様(すなわち、その時点において主制御基板920のRAMに格納されている設定対応情報)が、設定可能に予め定められた複数段階(本実施形態においては、9種類)の遊技態様のいずれであるかを示唆する情報であり、設定対応情報が9種類のいずれであるかを完全に識別可能な情報であってもよいし、設定対応情報の一部のみ(例えば、タイプのみ)が識別可能な情報であってもよく、また、設定対応情報が9種類のいずれであるかに対応して選択率が異なるように設定されることで遊技者が設定を推測可能な情報であってもよく、例えば、設定対応情報のタイプに対応して異なる情報が設定され、例えば、1〜9の数字のうち、トップタイプであれば大きい値が高確率で選択され、ミドルタイプであれば中間の「5」の値が最も選択され、中間である「5」より大きくなったり、小さくなったりする数字ほど選択されにくく、ボトムタイプであれば小さい値ほど高確率で選択される設定とし、いずれのタイプであるか明確には判らないものの、設定示唆情報としての数字が設定対応情報に対応するようにしてもよい。
設定示唆情報関連処理S2021では、釘状態関連処理S1222(図13参照)のS1503の処理にて算出された釘状態レベルについて設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1601を行う。具体的に、判定処理S1601においては、釘状態レベルが「2」以上である場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。なお、本実施形態のパチンコ機100においては、一般入賞数カウンタは、一般入賞装置2439A,2439Bに進入した遊技球の数を計数する。
釘状態レベルについて設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1601:Y)、設定示唆情報の出力が実行され(S1606)、主制御割込み処理に復帰する。S1606の処理においては、具体的に、現在設定されている遊技態様に対応する設定示唆情報を所定の表示部に表示させるための制御データが設定される。なお、当該所定の表示部は、装飾図柄表示装置479などの図柄表示装置であってもよいし、設定示唆情報を表示するための専用の表示部であってもよい。
例えば、設定示唆情報が装飾図柄表示装置479に表示される構成である場合、S1606の処理において、設定示唆情報を装飾図柄表示装置479に表示させるための制御データ(コマンド)が設定される。ここで設定されたコマンドは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において副制御基板940に出力される。副制御基板940は、当該コマンドの受信に応じて、装飾図柄表示装置479の所定位置(例えば、右隅部)に、受信したコマンドに応じた設定示唆情報を表示させる。
S1606の処理により表示出力される設定示唆情報としては、設定表示装置906に表示される設定表示情報と同様の、タイプを表す英字と確率設定状態を表す数字との組み合わせであってもよいし、各遊技態様を示すキャラクタであってもよいし、各遊技態様を示す数値や記号や図形や色やテキストなどであってもよいし、「高確率の設定かも!」などの感覚的な表現を示すテキストであってもよいし、棒グラフ状などで各遊技態様を識別可能にした図形などであってもよい。
また、装飾図柄表示装置479に表示される設定示唆情報は、設定対応情報が9種類のいずれであるかを完全に識別可能な情報に限らず、設定対応情報が9種類のいずれであるかを遊技者が推測可能な情報、例えば、設定対応情報が9種類のいずれであるかに対応して少なくとも一部の選択率が異なるように設定されることで遊技者が設定を推測可能な情報であってもよい。例えば、濃淡が10段階で設定された色が、トップタイプであれば濃い色ほど高確率で選択され、ミドルタイプであれば中間の色が最も選択され、中間色より濃くなったり、淡くなったりする色ほど選択されにくく、ボトムタイプであれば淡い色ほど高確率で選択される設定とし、いずれのタイプであるか明確には判らないものの、設定示唆情報としての色を確認して推測可能にするなど、タイプおよび確率設定状態の少なくともいずれかを示唆する情報としてもよく、この場合に、色に限らず、タイプ毎又はキャラクタ毎に選択率の異なる複数種類のキャラクタであってもよく、所定のキャラクタの種類がタイプに対応し、確率設定状態に対応してキャラクタの大きさが変化するようにしてもよい。
また、装飾図柄表示装置479に表示される設定示唆情報は、特別図柄抽選によって実行される変動表示の一部によって構成してもよく、変動表示における図柄の種類によって設定示唆情報を表示してもよく、例えば、確率設定状態として遊技者にとって有利な確率設定ほど、特定の図柄(例えば、「7」の数字を含む図柄)が選択されやすくしたり、「1」から「9」の数字を含む図柄のうち大きな数字を含む図柄が選択され易いようにしてもよい。ここで、設定示唆情報が出力される回数は、1回に限らず、1回の設定示唆情報の出力条件の成立によってS1606の処理を複数回繰り返し、複数の設定示唆情報が出力されるようにしてもよく、例えば、1回の設定示唆情報の出力条件の成立によって毎回決められた複数回(例えば、2回)の情報出力としてもよいし、抽選によって出力される回数が異なるようにしてもよく、或いは、設定示唆情報の出力条件が成立した段階における遊技の状況に応じて回数が異なるようにしてもよい。この場合において、遊技者が発射停止をせずに発射を継続した場合ほど、設定示唆情報が表示される回数が多くなるように構成することは好ましく、例えば、変動表示の実行が保留されている回数が多いほど、設定示唆情報が出力される回数を多くしてもよく、又は、変動表示の実行が上限まで保留されている状況で更に始動入賞が発生した回数を計数し、その回数に対応して当該回数が多いほど設定示唆情報の表示回数が多くなるようにしてもよい。
なお、S1606の処理により実行される設定示唆情報の出力は、所定の表示部への表示出力である必要は必ずしもなく、音響装置281,282からの特定の音声出力(例えば、他の状況では出力されない「キュイン」という高い音)や、盤面発光装置490や枠発光装置271〜275による特定の光の発光(例えば、他の状況では発光しない虹色の発光)または、少なくとも一部分が他の状況では常時発光される発光部分の一定時間以上の消灯などであってもよい。かかる場合、盤面発光装置490による光の発光または消灯を利用して、発射装置330により遊技球が発射されるタイミングで遊技盤400Xの盤面を数秒程度(例えば、1秒程度)消灯した後に再度発光させることで、所謂「遅れ演出」を行うようにしてもよい。
なお、S1606の処理により実行される設定示唆情報の出力は、所定の表示部への表示出力である必要は必ずしもなく、音響装置281,282からの音声出力や、盤面発光装置490や枠発光装置271〜275による光の発光などであってもよい。また、S1606の処理において、設定示唆情報を出力するか否かを抽選によって決定するなど他の条件の成立を設定示唆情報を出力する条件としてもよく、S1606の処理が実行された場合の所定確率(例えば、略10分の1の確率)で設定示唆情報が出力されるようにしてもよい。
設定示唆情報関連処理S2021では、一般入賞装置2439A,2439Bへの遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1602を行う。具体的に、判定処理S1602においては、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのうち、予め定められた1の一般入賞装置(例えば、一般入賞装置2439B)に遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。一般入賞装置2439A,2439Bへの遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1602:Y)、設定示唆情報の出力が実行される(S1606)。
また、設定示唆情報関連処理S2021では、始動入賞(始動条件)の発生間隔について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1603を行う。具体的に、判定処理S1603においては、所定の遊技期間中(例えば、通常遊技状態において発射装置330から遊技球が発射されている発射操作の期間中)に、第1特別図柄または第2特別図柄の始動入賞(すなわち、中始動入賞装置2431または右始動入賞装置2432への遊技球の入賞)が発生してから、予め決められた所定の期間(例えば、60秒)が経過しても新たな特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動条件が成立しない状況が発生した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。始動入賞の発生間隔について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1603:Y)、設定示唆情報の出力が実行される(S1606)。
始動入賞の発生間隔(すなわち、最後に発生した始動入賞からの経過時間)は、副制御基板940に設けられた所定のタイマまたはカウンタを用いて計測される。具体的に、副制御基板940は、当該副制御基板940に設けられた所定のタイマまたはカウンタを用い、各特別図柄の始動入賞が発生したことに基づき主制御基板920から送信された所定のコマンド(例えば、保留コマンド)の受信タイミングの間隔を、始動入賞の発生間隔として計測する。あるいは、主制御基板920に設けた所定のタイマまたはカウンタを用いて、最後に発生した始動入賞からの経過時間を計測し、その計測結果を副制御基板940に送信する構成であってもよい。
なお、判定処理S1603においては、所定の遊技期間中に、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動条件が成立してから、所定の期間が経過しても新たな特別図柄の始動条件が成立しない状況が、所定の監視期間内(例えば、最初に当該状況が発生してから1時間以内)に所定の回数(例えば、5回)発生した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定してもよい。あるいは、所定の遊技期間中に、特別図柄の始動条件が成立してから、所定の期間が経過しても新たな特別図柄の始動条件が成立しない状況が、所定の監視期間内に少なくとも1回発生し、かつ、特別図柄の始動条件が成立してから新たな特別図柄の始動条件が成立しない期間の累計が当該監視期間内において所定値(例えば、10分)に達した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定してもよい。また、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動条件が成立してから、所定の期間(例えば、2秒)が経過するまでに新たな特別図柄の始動条件が成立した回数が所定の回数(例えば、4回)発生した場合に、設定示唆情報の出力条件の成立と判定するなど、特別図柄の始動条件が短期間で多数回成立した場合に設定示唆情報の出力条件が成立すると判定してもよい。
上述したように、設定示唆情報関連処理S2021の判定処理S1601〜S1603においては、設定示唆情報の出力条件として、遊技盤400Xに設けられた所定の入賞装置(例えば、一般入賞装置2439A,2439B、中始動入賞装置2431、右始動入賞装置2432)への遊技球の進入に関する種々の所定の条件について、当該条件が成立したか否かの判定を行う。そして、当該所定の条件が成立した場合に、S1606の処理により設定示唆情報の出力が実行される。
また、図19に示すように、設定示唆情報関連処理S2021では、特別遊技状態である場合に(S1604:Y)、特別遊技状態における設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1605を行う。具体的に、判定処理S1605においては、特別遊技状態中に、球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されていることを示す球溢れ信号を受信した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。特別遊技状態における設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1602:Y)、設定示唆情報の出力が実行される(S1606)。
ここで、特別遊技状態中において、球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されるには、球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)がされず放出口241Bが閉鎖された状況が一定時間以上継続しなければならず、この球抜き操作は遊技者の意思によって実行するかしないかを選択することができる。このため、常に放出口241Bを開放させているような状況では、設定示唆情報の出力条件が成立せず、球溢れ信号の出力が設定示唆情報の出力条件となっていることを知っている遊技者に限定して、容易に、設定示唆情報の出力条件を成立し易くすることができる。これにより、一部の遊技者に対して直接的には価値を得ることのできない間接的な特典を付与するなどの新たな遊技性を付加することができ、また、発射操作とは別の操作部を利用して遊技者が設定示唆情報を獲得する新たな遊技性を付加することができる。
なお、判定処理S1605においては、特別遊技状態中に、上大入賞装置2433または下大入賞装置2434に遊技球が進入する速度が所定値以上(例えば、少なくとも1の所定のラウンドにおいて8秒で8個の遊技球が大入賞装置2433,2434)に進入した場合や、特別遊技状態中に確変遊技状態の継続回数が所定回数(例えば、10回)に達した場合などに、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成であってもよい。また、遊技者の意思によって実行するかしないかを選択することが可能な操作として、所定のラウンドにおいて大入賞装置2433,2434に遊技球を全く進入しないように発射操作を停止する、特別遊技状態において左打ち遊技手法を行って中始動入賞装置2431の始動入賞を発生させるなど、一部の賞球の獲得機会を失う発射操作をすることで、遊技者が設定示唆情報を獲得する新たな遊技性を付加してもよい。
したがって、上述した設定示唆情報関連処理S2021においては、予め決められている各種の設定示唆情報の出力条件が成立した場合に、S1606の処理により設定示唆情報の出力が実行される。
釘状態レベルは、釘411の状態が、パチンコ機100の製造時における設定に対して適切であるか不適切であるかを、段階的なレベルで表した情報であるので、その値が「2」以上である場合、釘411が適切な状態から外れ、それにより、遊技者に不利益が生じる可能性がある。
同様に、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動入賞が発生してから、予め決められた所定の期間(例えば、60秒)が経過しても新たな特別図柄の始動条件が成立しない状況が発生する場合、釘411の状態など、特別図柄の始動入賞(すなわち、中始動入賞装置2431または右始動入賞装置2432への遊技球の入賞)の発生に係る異常があり、それにより、遊技者に不利益が生じる可能性がある。
これらに対し、判定処理S1601または判定処理S1603において釘状態レベルまたは始動入賞の発生間隔について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定し、成立すると判定されたことを条件として設定示唆情報を出力させることで、遊技者に本パチンコ機100における遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)が低い状況であることを示唆することができ、それにより、本パチンコ機100による遊技の継続の有無を判断する材料を増やして遊技者に好適に判断させることができる。
また、一般入賞装置2439Bには、特別遊技状態や時短遊技状態や確変遊技状態において右打ち遊技手法により遊技を行った場合に、右始動入賞装置2432や上大入賞装置2433に進入しなかった遊技球が進入する。よって、一般入賞装置2439Bに遊技球が進入した場合に判定処理S1602において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定し、当該成立を条件として設定示唆情報を出力させることで、右打ち遊技手法により遊技を行う場合に、目的とする右始動入賞装置2432や上大入賞装置2433に遊技球が進入せずとも、遊技球が一般入賞装置2439Bに進入する楽しみを遊技者に与えることができる。
また、特別遊技状態中に球溢れ信号を受信することは、特別遊技状態中に一定以上の多くの遊技球を獲得できたことを示す。よって、特別遊技状態中に球溢れ信号を受信した場合に判定処理S1605において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定し、当該成立を条件として設定示唆情報を出力させることで、特別遊技状態中に所定の条件が成立した場合の特典として設定示唆情報を遊技者に与えることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100では、特別図柄関連処理S1217にて特別図柄(第1特別図柄、第2特別)に係る単位遊技において行われる特別図柄および装飾図図柄の変動表示時間(変動時間)が、現在設定されている遊技態様に対応して選択可能に構成される。
具体的に、選択可能な複数種類の変動表示時間に対し、設定可能に予め定められた遊技態様を予め割り当て、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選に当選した場合に、現在設定されている遊技態様に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンを選択する。設定可能に予め定められた遊技態様に対し選択可能な種々の変動表示時間の変動パターンは、主制御基板920のROMにテーブルとして予め格納されている。
なお、設定可能に予め定められた遊技態様に対する変動表示時間の割り当ては、遊技態様のタイプ毎など、2以上の遊技態様に対して同じ変動表示時間が割り当てられる構成であってもよいし、設定可能に予め定められた各段階の遊技態様のそれぞれに対し各々異なる変動表示時間が割り当てられる構成であってもよい。
また、現在設定されている遊技態様に基づく変動パターンの選択は、対応する各特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)の抽選結果が当選である場合に限って行われる構成であってもよいし、対応する各特別図柄抽選の抽選結果が当選でない場合に限って行われる構成であってもよい。
特別図柄関連処理S1217において、現在設定されている遊技態様に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンが選択されることで、現在設定されている遊技態様に応じた変動表示時間の変動表示が実行される。これにより、遊技者は、装飾図柄の変動表示の長さに応じて、設定されている遊技態様の種類を推測する(認識する)ことができる。
なお、設定可能に予め定められた遊技態様に対する変動表示時間の割り当ては、設定可能に予め定められた各段階の遊技態様のうち、最も有利である遊技態様(例えば、各タイプの第3段確率の遊技態様)が、設定可能に予め定められた遊技態様に対し選択可能な種々の変動表示時間のうち、長い変動表示時間が選択され易くしてもよい。有利である遊技態様に対する変動表示時間を長くすることで、遊技者は、装飾図柄の変動表示の時間の長さにも注意して遊技を行い、最も有利である遊技態様が設定されていることを期待することができる。
また、設定可能に予め定められた遊技態様の有利度が高いほど、長い変動表示時間が割り当てられる構成であってもよい。これにより、遊技者は、装飾図柄の変動表示の長さに応じて、設定されている遊技態様の有利度を推測することができる。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、所定の条件が成立した場合に、現在設定されている遊技態様に対応する設定示唆情報が表示出力されるので、遊技者は、それを視認することで本パチンコ機100における現在の遊技態様の種類、すなわち、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)を好適に認識することが可能となる。
また、現在設定されている遊技態様に応じた変動表示時間の変動パターンが選択されるので、遊技者は、装飾図柄の変動表示の長さに応じて、設定されている遊技態様の種類を好適に認識し得る。
<第3実施形態>
次に、図20から図22を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態のパチンコ機100においては、遊技領域の右側部分の流下経路における一部の装置の配置位置、および、各遊技状態における仕様の一部が、第2実施形態のパチンコ機100と異なっている。
また、第3実施形態のパチンコ機100は、第2実施形態のパチンコ機100と同様、大当り確率や確変継続率などの遊技態様を設定するための設定変更機能を備えており、小当り特典として開放される右大入賞装置1434の最大進入許容時間が、出球率の設定変更によって変更された遊技態様に応じて異なるよう構成されている。以下の説明において、上述した第1実施形態および第2実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、図20(A)から図20(C)を参照して、第3実施形態に係るパチンコ機100における構造的な構成について説明する。図20(A)は、第3実施形態のパチンコ機100における遊技盤400Aの右側部分を示す正面図であり、図20(B)は、右始動入賞装置1432の部分拡大図である。また、図20(C)は、図20(B)のA−A線における右始動入賞装置1432の断面図である。
なお、図20(A)においては、遊技領域に設けられる主な構造物について、その概略的な外形を図示している。図20(A)および図20(B)においては、右始動入賞装置1432および右大入賞装置1434について、いずれも前面の板部分が切除された概略的な断面図として図示するとともに、当該断面図において断面のハッチングは省略している。図20(B)においては、球通路部1611を構成する前側の壁面に設けられる突出部1538を二点鎖線で図示しており、図20(A)においては、突出部1537,1538の図示を省略している。
また、図20(A)においては、進入規制機構1452および進入規制機構1454がいずれも進入禁止姿勢である状態を実線で図示する一方で、図20(B)においては、進入規制機構1452が進入許容姿勢である状態を二点鎖線で図示している。図20(A)および図20(B)においては、参考のために、遊技盤400Aを流下する遊技球の一部を図示するとともに、遊技球の流下経路の一部を矢印により図示している。図20(C)の断面図においては、断面のハッチングは省略している。
図20(A)に示すように、遊技盤400Aは、本実施形態に特徴的な構成として、始動装置436に対する下側に配置された右始動入賞装置1432と、右始動入賞装置1432に対する左側に配置された右大入賞装置1434とを備えている。
右始動入賞装置1432は、右始動入賞装置2432と同様の、第2特別図柄に係る始動入賞装置として機能する入賞装置であり、始動装置436を通過した遊技球が到達可能な位置に設けられている。右始動入賞装置1432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる進入規制機構1452と、進入規制機構1452を駆動する、右進入規制ソレノイド2462(図16参照)と同様のソレノイドである進入規制ソレノイド(図示せず)とを備えている。なお、以下、進入規制機構1452を駆動する進入規制ソレノイドを、便宜上、「進入規制ソレノイド1462」として説明する。
進入規制機構1452は、進入規制ソレノイド1462によって駆動される可動片を備えている。進入規制機構1452が進入禁止姿勢である場合には、当該可動片が右始動入賞装置1432の進入口(入賞口)を閉鎖するよう前方に突出する配置をとり、進入規制機構1452が進入許容姿勢である場合には、当該可動片が右始動入賞装置1432の進入口(入賞口)を開放するよう後方に没入する配置をとる。
これにより、進入規制機構1452が進入禁止姿勢である場合には、遊技球は右始動入賞装置1432に進入できないが、進入規制機構1452が進入許容姿勢である場合には、遊技球は右始動入賞装置1432に進入できるようになる。進入規制機構1452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく普通図柄抽選で当選した場合に、進入規制ソレノイド1462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。なお、普通図柄抽選で当選したことに基づき進入規制機構1452が進入許容姿勢に移行した場合に、進入規制機構1452における1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ2442によって検出された場合には、右進入規制機構2452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置2432の動作が終了する。
進入規制機構1452が進入禁止姿勢である場合、当該進入規制機構1452の可動片の上面は遊技機正面視における左下がりの下降傾斜面を構成する。なお、当該下降傾斜面は、左に下がる下降傾斜面の傾斜は、水平面に対して略10度以下の緩い傾斜角度にすることが好ましく、例えば、5度に設定されている。
右始動入賞装置1432は、進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面における上流側部分に対して上方に開口して、当該右始動入賞装置1432の進入口から進入した遊技球が通過可能な第1流下通路部1532Aと、当該下降傾斜面における第1流下通路部1532Aより下流側部分に対して上方に開口して、当該右始動入賞装置1432の進入口から進入した遊技球が通過可能な第2流下通路部1532Bとを備えている。
第1流下通路部1532Aは、遊技球が1つずつ進入可能な通路幅を有する通路として構成される。第1流下通路部1532Aより下流側には、第1流下通路部1532Aを通過する遊技球を検出可能な検出手段としての、右始動入賞スイッチ2442と同様の右始動入賞スイッチ1442Aが設けられている。
本実施形態のパチンコ機100において、右始動入賞スイッチ1442Aは、図20(B)において一点鎖線で示すように、当該右始動入賞スイッチ1442Bにおける遊技球が通過する通路の略中心と、始動装置436における遊技球が通過する通路の略中心とが上面視において略一致するよう配置されている。
また、右始動入賞スイッチ1442Aは、右始動入賞スイッチ1442Bにおける遊技球が通過する通路の略中心を通り上下方向に延びる直線における、当該右始動入賞スイッチ1442Aの上端との交点と、進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面の下面との交点との間の距離L1(図20(B)参照)が、遊技球の直径と略同等の長さとなる位置に配置される。つまり、第1流下通路部1532Aは、右始動入賞スイッチ1442Bにおける遊技球が通過する通路の略中心を通り上下方向に延びる直線における、進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片の下面との交点と、右始動入賞スイッチ1442Aの上端との交点との間の距離L1が遊技球の直径と略同等の長さに構成される。
なお、右始動入賞スイッチ1442Bにおける遊技球が通過する通路の略中心を通り上下方向に延びる直線上に中心が配置された遊技球であって、進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片の下面に接する遊技球(すなわち、遊技球P)と、当該可動片の下面との接点から、右始動入賞スイッチ1442Aの上端までの距離を、距離L1としてもよい。
あるいは、第1流下通路部1532Aの通路壁と進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片の下面との両方に接する遊技球と、当該可動片の下面との接点から、右始動入賞スイッチ1442Aの上端までの距離のうち最も長い距離を距離L1としてもよい。
なお、「右始動入賞スイッチ1442Aの上端から、進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面の下面から右始動入賞スイッチ1442Aの上端までの距離」は、右始動入賞スイッチ1442Aを構成する装置の上端から、進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面の下面までの距離であってもよく、右始動入賞スイッチ1442Aにおける検出位置の上端から、進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面の下面までの距離であってもよい。
また、「遊技球の直径と略同等の長さ」としては、遊技球の直径と必ずしも一致する必要はなく、遊技球の直径の1倍以上であってもよいが、当該直径の1.5倍以下の長さまでとすることが好ましく、遊技球の直径に近い方が右始動入賞装置1432への遊技球の進入を迅速に検出することができて好適である。
また、距離L1が遊技球の直径と略同等の長さとなる位置に右始動入賞スイッチ1442Aを配置することで、第1流下通路部1532Aに進入した遊技球が右始動入賞スイッチ1442Aによる検出範囲内に進入した直後に進入規制機構1452が進入許容姿勢から進入禁止姿勢に移行した場合であっても、当該遊技球が進入規制機構1452の可動片に接触することが抑制される。よって、進入規制機構1452の可動片との接触による遊技球の挙動変化を抑制できるので、右始動入賞スイッチ1442Aにより既に検出された遊技球が誤って当該右始動入賞スイッチ1442Aにより再度検出されるチャタリングが生じるなどの不具合が発生することを好適に抑制できる。
右始動入賞スイッチ1442Aの配置位置は、当該右始動入賞スイッチ1442Aの上端から、進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面の下面までの距離のうち最も長い距離L1が、遊技球の直径と略同等の長さであることに限らず、遊技球の直径より短い長さとなる位置であってもよい。この場合であっても、右始動入賞装置1432への遊技球の進入を迅速に検出することができる。
第1流下通路部1532Aは、図20(B)に示すように、右始動入賞スイッチ1442Aより上流側に、その通路幅が右始動入賞スイッチ1442Aに近づくにつれて遊技球の直径に近づくように徐々に小さくなる区間(以下、この区間を「徐変区間」とも称す)を有する。なお、徐変区間は、当該徐変区間の終端位置における通路幅が、右始動入賞スイッチ1442Aの通路幅以上の幅であることが好ましく、右始動入賞スイッチ1442Aの通路幅に略等しい幅であることが好適である。また、徐変区間は、右始動入賞スイッチ1442Aより上流側の全域またはほぼ全域に設けられていてもよいし、右始動入賞スイッチ1442Aより上流側の一部領域に設けられていてもよい。
第2流下通路部1532Bは、その入口部分となる開口が、第1流下通路部1532Aの入口部分となる開口より広く、複数の遊技球を同時に進入させることが可能な広さに構成される。第2流下通路部1532Bは、上流側において、開口から進入した遊技球を進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面における下流側(本実施形態では、遊技機正面視における左側)に集め、下流側において、上流側において集められた遊技球を1つずつ通過させる通路として構成される。
第2流下通路部1532Bにおける遊技球を1つずつ通過させることができる通路部より下流側には、第2流下通路部1532Bを通過する遊技球を検出可能な検出手段としての、右始動入賞スイッチ1442Aと同様の右始動入賞スイッチ1442Bが設けられている。
右始動入賞スイッチ1442Aまたは右始動入賞スイッチ1442Bのいずれで遊技球が検出された場合であっても、第2特別図柄の始動入賞が発生する。よって、右始動入賞装置1432に進入した遊技球は、第1流下通路部1532Aを通過するか第2流下通路部1532Bを通過するかに応じて、右始動入賞スイッチ1442Aまたは右始動入賞スイッチ1442Bによって検出され、それにより、第2特別図柄の始動入賞が発生する。
なお、第1流下通路部1532Aまたは第2流下通路部1532Bに進入した遊技球は、右始動入賞スイッチ1442Aまたは右始動入賞スイッチ1442Bにより検出された後、各流下通路部1532A,1532Bから排出され、基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)へと案内される。
第1流下通路部1532Aの入口部分となる開口は、第2流下通路部1532Bの入口部分となる開口より上流側に設けられているので、始動装置436を通過した遊技球が進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面における上流側に到達する構成においては、進入規制機構1452が進入許容姿勢である場合に、始動装置436を通過した遊技球を主に第1流下通路部1532Aに進入させることができる。
特に、本実施形態のパチンコ機100においては、第1流下通路部1532Aの入口部分となる開口は、図20(B)に示すように、始動装置436のほぼ直下に設けられているので、進入規制機構1452が進入許容姿勢である場合に、始動装置436を通過した遊技球の殆どを第1流下通路部1532Aに進入させることができる。
進入規制機構1452が進入禁止姿勢である場合、当該進入規制機構1452の可動片の上側は、図20(A)に示すように、当該可動片により形成される下降傾斜面に沿って遊技球を遊技機正面視における右から左側へと案内する球通路部1611として機能する。よって、進入規制機構1452が進入禁止姿勢である場合に、始動装置436を通過した遊技球が当該進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面に到達した場合、当該遊技球は、下降傾斜面の上を転動しながら球通路部1611を流下する。球通路部1611を流下する遊技球は、下降傾斜面の下流端に達すると、当該下流端から落下する。
一方、遊技球が球通路部1611を通過している間に、進入規制機構1452が進入許容姿勢に移行した場合には、進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面上に位置する遊技球は、その位置に応じて、第1流下通路部1532Aまたは第2流下通路部1532Bに進入するか、第2流下通路部1532Bの開口端から左下方向に延びる誘導部1531の上を流下する。誘導部1531の上を流下する遊技球は、当該誘導部1531の下流端に達すると、当該下流端から落下する。
また、図20(B)および図20(C)に示すように、球通路部1611における後側の壁面1535および前側の壁面1536には、それぞれ、内側に突出して上下方向に連続する突出部1537および突出部1538が設けられている。図20(C)に示すように、これら突出部1537,1538は、上面視において、隣接する突出部1537の間に突出部1538が配置され、隣接する突出部1538の間に突出部1537が配置される。
よって、球通路部1611を通過する遊技球は、突出部1537,1538との衝突によって前後方向に蛇行しながら上流側から下流側へと(図20(C)における右から左側へと)進行する。これにより、球通路部1611を通過する遊技球の進行速度が低下するので、遊技球が球通路部1611に留まる時間(滞在時間)を長くすることができる。
これにより、右始動入賞装置1432の進入口の、進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面における遊技球の通過方向の開口幅が大きくなることを抑制して右始動入賞装置1432を小型に構成可能としつつ、当該下降傾斜面を流下する遊技球が、進入規制機構1452が次に進入許容姿勢に移行したタイミングで右始動入賞装置1432の進入口に進入できる可能性を高めることができる。
また、図20(C)に示すように、突出部1537,1538のうち最も上流側に位置する突出部1537Aは、上面視において、第1流下通路部1532Aの開口に重ならない位置に設けられているので、始動装置436を通過して右始動入賞装置1432へと向かう遊技球を、突出部1537,1538よる蛇行が開始される前に第1流下通路部1532Aに進入させることができる。
なお、進入規制機構1452の可動片の上面に、当該上面から上方に突出する突出部や下方に凹む凹み部を突出部1537,1538と同様の配置で設けることで、球通路部1611を通過する遊技球を蛇行させて滞在時間を長くする構成としてもよい。
右大入賞装置1434は、下大入賞装置2434と同様の大入賞装置として機能する入賞装置であり、進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面、または、誘導部1531の各下流端から落下した遊技球が到達可能な位置に設けられている。右大入賞装置1434は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する進入規制機構1454と、進入規制機構1454を駆動する、下進入規制ソレノイド2464(図16参照)と同様の進入規制ソレノイド(図示せず)とを備えている。なお、以下、進入規制機構1454を駆動する進入規制ソレノイドを、便宜上、「進入規制ソレノイド1464」として説明する。
進入規制機構1454は、進入規制ソレノイド1464によって駆動される可動片を備えている。進入規制機構1454が進入禁止姿勢である場合には、当該可動片が右大入賞装置1434の進入口(入賞口)を閉鎖するよう前方に突出する配置をとり、進入規制機構1454が進入許容姿勢である場合には、当該可動片が右大入賞装置1434の進入口(入賞口)を開放するよう後方に没入する配置をとる。これにより、進入規制機構1454が進入禁止姿勢である場合には、遊技球は右大入賞装置1434に進入できないが、進入規制機構1454が進入許容姿勢である場合には、遊技球は右大入賞装置1434に進入できるようになる。
右大入賞装置1434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選に当選した場合に進入規制ソレノイド1464の駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。なお、右大入賞装置1434における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ1444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、進入規制機構1454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、進入規制機構1454が進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
進入規制機構1454が進入許容姿勢である場合に右大入賞装置1434に進入した遊技球は、当該右大入賞装置1434内に形成された球通路部を通過し、当該球通路部の下流側に配置された、下大入賞スイッチ2444(図16参照)と同様の大入賞スイッチ1444により検出される。なお、右大入賞装置1434に進入した遊技球は、大入賞スイッチ1444により検出された後、基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)へと案内される。
進入規制機構1454が進入禁止姿勢である場合、当該進入規制機構1454の可動片の上面は遊技機正面視における左下がりの下降傾斜面を構成する。なお、当該下降傾斜面は、左に下がる下降傾斜面の傾斜が、水平面に対して略10度以下の緩い傾斜角度にすることが好ましく、例えば、5度に設定されている。
進入規制機構1454が進入禁止姿勢である場合、当該進入規制機構1454の可動片の上側は、図20(A)に示すように、当該可動片により形成される下降傾斜面に沿って遊技球を遊技機正面視における右から左側へと案内する球通路部1621として機能する。よって、進入規制機構1454が進入禁止姿勢である場合に、進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面、または、誘導部1531の各下流端から落下した遊技球が当該進入規制機構1454の可動片により形成される下降傾斜面に到達した場合、当該遊技球は、下降傾斜面の上を転動しながら球通路部1621を流下する。球通路部1621を流下する遊技球が右大入賞装置1434における当該球通路部1621の下流側の端部に達すると、当該遊技球は当該端部から落下する。
本実施形態のパチンコ機100においては、第2特別図柄に係る単位遊技の抽選結果として、上記した大当りの他に、小当りが設定されている。小当りに当選した場合には、大当りに当選した場合とは異なる特典(小当り特典)が遊技者に付与される。なお、大当りに当選した場合に発生する特別遊技状態の種類の1つとして、小当りの当選と同一の大きさの特典が付与される特別遊技状態が設定されていても良い。
小当りの機能を有する本実施形態のパチンコ機100においては、第2特別図柄に係る右始動入賞装置1432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ1442Aまたは右始動入賞スイッチ1442Bで検出されることに基づく第2特別図柄抽選において小当りに当選した場合に進入規制ソレノイド1462が作動するよう構成される。第2特別図柄の始動入賞の発生に基づいて取得された第2特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が予め定めた小当りに当選となる値(以下、小当り当選値という)であった場合には、小当りの当選となる。小当り当選値は、大当り当選値とは別の値に設定され、1回の始動入賞において大当りと小当りとが同時には成立しない設定とされている。小当りに当選した単位遊技においては、大当り図柄とは別の図柄(大当りに当選しなかった場合に表示されるハズレ図柄)のうち、予め定められた小当り図柄が特別図柄表示装置471,472における停止図柄として設定される。
小当りに当選した場合には、進入規制ソレノイド1464が作動して進入規制機構1454が進入許容姿勢となり、右大入賞装置1434が開放される。進入規制機構1454の進入許容姿勢は、1回の小当り当選において、所定の個数(例えば、5個)の遊技球が大入賞スイッチ1444によって検出されるか、所定の最大進入許容時間(例えば、3秒)が経過するまでの期間において持続(維持)され、当該期間の終了後、進入規制機構1454は進入禁止姿勢に復帰する。なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100においては、小当り特典として開放される右大入賞装置1434の最大進入許容時間が、出球率の設定変更によって変更された遊技態様に応じて異なるよう構成されている。
この進入許容姿勢が持続される期間中が、小当りに係る遊技状態(小当り遊技状態)に対応する。小当り遊技状態は、小当りの当選に対応した停止図柄が表示された場合に開始され、進入規制ソレノイド1464が進入禁止姿勢に復帰した後に終了する。小当り遊技状態は、大当りに対応する特別遊技状態と同様、変動表示の実行が待機され、小当り遊技状態の後に次の単位遊技に係る変動表示が行われる。
小当り遊技状態の制御は、特別図柄関連処理S1217(図12参照)において行われる。具体的に、第2特別図柄の始動入賞があった場合に小当りに当選したか否かが判定され、小当りに当選している場合には、上記した期間にわたって進入規制ソレノイド1464が進入許容姿勢となり、右大入賞装置1434が開放される。なお、小当り遊技状態中に必ずしも変動表示を待機させる必要はなく、小当り遊技状態中に次の単位遊技の変動表示が開始される構成としても良い。
小当りは、大当りの当選と比較して1回の当選によって遊技状態を変更させる契機となるものではない点において異なっている。小当りに当選した場合には、前回以前の抽選において定められていた遊技状態に従って、遊技が進行する。例えば、通常遊技状態においては、小当り遊技状態の後には通常遊技状態が継続し、確変遊技状態においては、小当り遊技状態の終了によって1回の単位遊技が実行されたこととなり、残り単位遊技数が1回分減少する。
なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100においては、小当りによる遊技性として、非時短状態である確変状態C〜Eにおいては、遊技者が遊技球の払い出しによって獲得し得る球数(以下、「獲得球数」とも称す)が次第に増加し、時短状態である確変状態A,Bにおいて獲得球数の増加が制限される設定とされているため、右始動入賞装置1432への入賞に対しての賞球数が少なく設定されている。すなわち、右始動入賞装置1432へは確変状態A,Bにおいて遊技球が多数入賞することとなり、この状況でも獲得球数が次第に減少するように、賞球個数は、少数に設定することがよく、2個以下とすることが好ましく、例えば、1個に設定されている。
次に、本実施形態の確変遊技状態における遊技について説明する。本実施形態のパチンコ機100において、確変遊技状態は、内部的に更に細かく5種類の内部遊技状態に分類されている。以下では、これら5種類の内部遊技状態のそれぞれを、「確変状態A」、「確変状態B」、「確変状態C」、「確変状態D」、および「確変状態E」とも称す。
確変状態A、確変状態B、確変状態C、確変状態D、および確変状態Eの各々は、第2特別図柄抽選(又は第1特別図柄抽選)において通常遊技状態や時短遊技状態に比べて高確率で大当りを抽選する点で共通しているが、装飾図柄表示装置479における演出の選択態様が相違している。
具体的に、確変状態Aにおいては、変動パターンとして複数種類のハズレパターンから1つのハズレパターンを選択する。確変状態Bにおいては、変動パターンとして複数種類のリーチハズレパターンから1つのリーチハズレパターンを選択する。確変状態Cにおいては、50%の割合で複数種類のリーチハズレパターンから1つのリーチハズレパターンを選択し、50%の割合で複数種類のハズレパターンから1つのハズレパターンを選択する。
確変状態Dにおいては、確変状態Aと同様に変動パターンとしてハズレパターンを選択すると共に、特定のモード表示への移行の可否について抽選する。確変状態Eにおいては、確変状態Aと同様に変動パターンとしてハズレパターンを選択すると共に、確変遊技状態を終了させるための処理を実行する。
主制御基板920のROMの所定の領域には、確変遊技状態における5種類の内部遊技状態(すなわち、確変状態A〜E)の推移パターンが、予め複数種類(例えば、120種類)準備されている。各推移パターンに対しては、個別の推移パターンを識別する値(以下、「パターン番号」とも称する)が対応付けられており、始動入賞の発生に基づき大当り図柄乱数カウンタから取得された値に基づいてパターン番号を選択することで、推移パターンが決定される。
パターン番号の選択は、大当り図柄乱数カウンタかの値に基づいて行われる。例えば、120種類の推移パターンが準備されている場合には、特別遊技状態から確変遊技状態への移行するに際し、大当り図柄乱数カウンタから取得された値が「240」〜「359」である場合には、各値に対し、それぞれ、「1」〜「120」がパターン番号として選択され、大当り図柄乱数カウンタから取得された値が「240」〜「359」である場合もまた、各値に対し、それぞれ、「1」〜「120」がパターン番号として選択される。これにより、均等に各種の推移パターンを選択することができる。なお、時短遊技状態(大当り図柄乱数カウンタから取得された値が「0」〜「239」)においては、確変遊技状態の場合と異なる推移パターンが選択される。
これら複数種類の推移パターンは各々、確変遊技状態において内部遊技状態が切り替わるタイミングが異なるよう設定されている。具体的に、各推移パターンは、確変状態A〜Eのうち確変状態B及び確変状態Cが発生するタイミングが異なるとともに、確変状態Cが発生した後に続く確変状態Dの長さ(すなわち、確変状態Dの発生回数)が異なっている。主制御基板920は、特別図柄抽選において大当りに当選した場合に、予め準備されている複数種類の推移パターンから1の推移パターンを決定し、決定した推移パターンに従って遊技を進行させる。
また、各推移パターンは、確定的にリーチハズレパターンの変動が発生する単位遊技(以下、「確定リーチ発生単位遊技」とも称す)の実行回数と、選択的にリーチハズレパターンの変動が発生する単位遊技(以下、「抽選リーチ発生単位遊技」とも称す)の実行回数との組み合わせが異なるものとして構成される。すなわち、各推移パターンに対しては、確定リーチ発生単位遊技を指定するための残り単位遊技数(以下、「確定リーチ発生残り単位遊技数」とも称す)と、抽選リーチ発生単位遊技を指定するための残り単位遊技数(図中の「抽選リーチ発生残り単位遊技数」とも称す)との組み合わせが各々異なる組み合わせとして規定されている。
なお、本実施形態の遊技機100においては、各推移パターンにおける確定リーチ発生残り単位遊技数と抽選リーチ発生残り単位遊技数との組み合わせは、確定リーチ発生残り単位遊技数と抽選リーチ発生残り単位遊技数との和が、確変遊技状態の基本的な実行回数として予め決められている所定の回数(本実施形態では、100)となるよう設定されている。
確変遊技状態においては、決定された推移パターンに従い、当該確変遊技状態における内部遊技状態が、初回の単位遊技から、確定リーチ発生単位遊技の1つ前の回の単位遊技に至るまでの各単位遊技において、主制御基板920は、確変状態Aに応じた制御を実行し、確定リーチ発生単位遊技を実行する回において、主制御基板920は、確変状態Bに応じた制御を実行する。
次に、確定リーチ発生単位遊技の1つ後の回の単位遊技から、抽選リーチ発生単位遊技の1つ前の回の単位遊技に至るまでの各単位遊技において、主制御基板920は、再度、確変状態Aに応じた制御を実行し、抽選リーチ発生単位遊技を実行する回において、主制御基板920は、確変状態Cに応じた制御を実行する。
次に、抽選リーチ発生単位遊技の1つ後の回の単位遊技から、確変遊技状態の基本的な実行回数として予め決められている所定の回数における最終回(本実施形態では、100回目)の単位遊技の1つ前の回の単位遊技までの各単位遊技において、主制御基板920は、確変状態Dに応じた制御を実行し、当該最終回の単位遊技において、主制御基板920は、確変状態Eに応じた制御を実行する。
当該最終回の単位遊技が実行されてもなお、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選しない場合には、始動入賞が発生する毎に、抽選リーチ発生単位遊技が実行されるよう構成されており、当該抽選リーチ発生単位遊技において、主制御基板920は、確変状態Dに応じた制御を実行する。
また、本実施形態のパチンコ機100は、確変遊技状態において、確変状態(確変状態A〜E)の種類に応じて時短状態と非時短状態とに切り替わる構成とされる。具体的に、確変状態Aおよび確変状態Bにおいては時短状態となり、確変状態C、確変状態D、および確変状態Bにおいては非時短状態となる。詳細は後述するが、確変状態の種類に応じて時短状態と非時短状態とに切り替わる構成としたことで、右打ち遊技手法によって遊技を行う確変遊技状態においては、確変状態A,Bでは遊技球が右大入賞装置1434に進入し難く、確変状態C〜Eでは小当りの当選によって遊技球が右大入賞装置1434に進入し易い状態を発生させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機100における普通図柄に関する仕様について説明する。本実施形態のパチンコ機100においては、以下のように普通図柄に関する仕様を設定することが好ましい。まず、普通図柄の変動表示の時間としては、時短状態と非時短状態との両状態において短時間に設定されることが好ましく、略1.0秒以下に設定されることがよく、略0.5秒以下に設定されることが好適であり、例えば、非時短状態において略0.3秒、時短状態において略0.2秒に設定されている。なお、始動装置436と右始動入賞装置1432との距離は、当該普通図柄の変動時間の長さに対応して定められている。
普通図柄抽選に当選した場合に右始動入賞装置1432を開放する時間(すなわち、進入規制機構1454が進入許容姿勢をとる時間)は、非時短状態においては、遊技球の発射時間間隔(略0.6秒)より短時間に設定されることが好ましく、例えば、略0.5秒の時間で1回開放するように設定されている。一方、時短状態においては、遊技球の発射時間間隔(略0.6秒)と比べて十分に長い時間に設定されることが好ましく、例えば、略1.8秒の時間で3回連続して開放するように設定されている。
時短状態において右始動入賞装置1432を複数回開放させる場合、各開放の間に設けられるインターバル時間(すなわち、進入規制機構1454が進入禁止姿勢をとる時間)は、進入規制機構1454が進入禁止姿勢であるタイミングで右始動入賞装置1432の入口部分に到達した遊技球が、当該進入禁止姿勢が持続される間に当該入口部分より下流側に流下することなく、進入規制機構1454が次に進入許容姿勢になった場合に右始動入賞装置1432に進入し易い構成とされている。これにより、右始動入賞装置1432は、時短状態において、略1.8秒の3倍に相当する略5.4秒の進入許容時間が発生するよう、進入規制機構1454が進入許容姿勢となる。
当該インターバル時間は、遊技球の発射時間間隔より十分に短い時間に設定されることが好ましく、略半分以下の時間に設定されることがよく、例えば、略0.2秒に設定されてもよいし、略0.1秒以下で瞬間的に進入禁止姿勢に切り替わる構成であってもよい。インターバル時間を遊技球の発射時間間隔より十分に短い時間とすることで、進入規制機構1454が進入禁止姿勢である期間中(すなわち、インターバル時間である間)に遊技球が右始動入賞装置1432の入口部分を越えて下流側に流下してしまうことを抑制できる。
普通図柄に関する仕様が上記のように構成される本実施形態のパチンコ機100においては、時短状態である場合に右打ち遊技手法によって発射されたことで中央構造体420に対する右側を流下する遊技球の殆どを右始動入賞装置1432より下流側に殆ど流下させず、その多くを右始動入賞装置1432に進入させることが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、上述したように、進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面の下り傾斜が緩い傾斜角度(例えば、水平面に対して略10度以下の傾斜角度)に構成されるとともに、球通路部1611に突出部1537,1538を設け、それにより、球通路部1611を通過する遊技球の進行速度を低下させるよう構成されているので、時短状態において中央構造体420に対する右側を流下する遊技球をより好適に右始動入賞装置1432に進入させることが可能となる。
なお、普通図柄に関する仕様や突出部1537,1538の構造を設定は、時短状態において中央構造体420に対する右側を流下する遊技球の略90%以上が右始動入賞装置1432に進入するようにすることが好ましく、右始動入賞装置1432への進入確率が略95%以上となるようにすることが好適である。
ここで、遊技状態の内容詳細について、図21を参照して説明する。図21は、パチンコ機100における遊技状態の進行を表すフローチャートである。なお、図21においては、時短遊技状態に関する図示は省略している。
パチンコ機100の電源が投入されて遊技が開始される場合には、図21に示すように、まずは、通常遊技状態からスタートする。通常遊技状態においては、始動入賞によって単位遊技の権利を発生させて大当りの獲得を期待して遊技を実行することとなる。
始動入賞によって単位遊技の権利が発生すると特別図柄(具体的には、第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示と確定停止とが行われ、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選した場合には特別遊技状態へ遊技状態が移行する。大当り抽選において大当りに当選したか否かは、特別図柄に係る単位遊技を制御する特別図柄関連処理S1217(図12参照)において判定される。
一方、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選せず、小当りの抽選において小当りに当選した場合、大入賞装置(具体的には、右大入賞装置1434及び下大入賞装置2434)を所定の進入許容時間で所定回数(具体的には、1回)作動させる。大当り抽選において小当りに当選したか否かの判定、および、大入賞装置の動作制御は、特別図柄関連処理S1217(図12参照)において実行される。
なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100においては、小当り確率は、遊技状態に依ることなく略1/1に設定されているとともに、小当りに当選した場合に作動される大入賞装置の進入許容時間は、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)によって設定された段階に応じて、3秒または5秒とされている。
特別遊技状態においては、例えば、略30秒の大入賞装置(具体的には、右大入賞装置1434及び下大入賞装置2434)の作動が所定回数(具体的には、6回又は16回)実行される。通常遊技状態または確変遊技状態において選ばれた大当りの種類が通常大当りである場合には、時短遊技状態を経由して通常遊技状態へと移行する。大当りの種類の判定は、特別図柄関連処理S1217(図12参照)において、特別図柄の始動条件が成立したことで取得された大当り図柄乱数に基づき実行される。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、大当りの種類として、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態を経由して通常遊技状態へと移行する通常大当りと、特別遊技状態の終了後に確変遊技状態を経由して通常遊技状態へと移行する確変大当りとが設けられている。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選した場合に通常大当りが選択される確率および確変大当りが選択される確率は、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更によって設定された段階に応じて異なる構成とされており、例えば、ミドルタイプにおいて、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選した場合に通常大当りが選択される確率は略1/2に設定され、確変大当りが選択される確率もまた略1/2に設定されている。
一方、通常遊技状態または確変遊技状態において選ばれた大当りの種類が確変大当りである場合には、確変遊技状態の実行回数に相当する残り単位遊技数が設定される。本実施形態のパチンコ機100においては、残り単位遊技数として、確変遊技状態の基本的な実行回数として予め決められている回数(具体的には、100)が設定される。また、遊技状態を記憶する遊技状態記憶部(RAMの所定の領域)に確変遊技状態に対応した情報が記憶され、当該情報に従って特別図柄に係る抽選条件が設定されるとともに、普通図柄関連処理S1218(図12参照)における普通図柄抽選の条件や右始動入賞装置1432の進入許容姿勢への移行時間についても遊技状態記憶部に記憶された情報に対応して制御される。
確変遊技状態においては、始動入賞(主に、第2特別図柄に係る始動入賞)によって単位遊技の権利を発生させて遊技を実行することとなる。具体的に、始動入賞によって単位遊技の権利が発生すると特別図柄(主に、第2特別図柄)の変動表示と確定停止とが行われ、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選に当選すると特別遊技状態へ遊技状態が移行する。
特別図柄が変動表示された後に確定停止する毎に、残り単位遊技数が「0」以上であれば、残り単位遊技数が1ずつ減算される。特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選した場合、特別図柄の変動表示が確定停止された後、特別遊技状態へ遊技状態が移行する。一方、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選せず、小当りの抽選において小当りに当選した場合、通常遊技状態において小当りに当選した場合と同様に、大入賞装置(具体的には、右大入賞装置1434及び下大入賞装置2434)を所定の進入許容時間で所定回数(具体的には、1回)作動させる。
次に、各遊技状態における遊技の具体的仕様について、図22を参照して説明する。図22は、各遊技状態における遊技の仕様を比較した説明図である。
本実施形態のパチンコ機100においては、左打ち遊技手法による第1特別図柄による単位遊技の変動表示と、右打ち遊技手法による第2特別図柄による単位遊技の変動表示が同時に並行して実行され、一方の変動表示が当選した場合には他方の変動表示は非当選(ハズレ)の図柄で停止し、一方の変動表示の当選に係る特別遊技状態へ遷移するよう構成される。
図22においては、各遊技状態に対応して、大当りに当選しなかった場合(大当り非当選)における第2特別図柄の変動時間の選択頻度を、高い頻度から順に、「◎」、「○」、「△」、「−」の順に示している。
通常遊技状態では、左打ち遊技手法によって遊技者に遊技を行わせ、右打ち遊技手法では、遊技が進行しないように、10分以上の時間にわたって継続される長い時間(以下、「長時間2」とも称す)の変動表示が実行され、本実施形態では、1200秒から1800秒の変動時間が選定される。このため、遊技者は、通常遊技状態では、左打ち遊技手法で遊技を行い、第1特別図柄に係る抽選の当選を目指して遊技を実行する。
確変遊技状態では、上述した5つの確変状態A〜Eによって選択される変動時間が異なり、確変状態Aと確変状態Dとでは、短時間(略0.5秒)の変動表示が大部分を占めて、他の変動時間は大当り当選の場合を除いて、実行されないか又はほとんど実行されない設定とされている(例えば、1%未満)。確変状態B,Eにおいては、確変状態A,Dに比べて長い、60秒から90秒の変動時間(以下、「長時間1」とも称す)の変動表示が選択され易い。ここで、確変状態Bにおいては、特定のキャラクタの出現を伴うハズレリーチの演出が実行され易く、確変状態Eにおいては、確変状態の終了を遊技者に伝える表示や音声を伴う終了演出が実行される。また、確変状態Cは、短時間の変動表示と長時間1の変動表示とがほぼ同一の割合で実行される。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、上述したように、確変状態Aおよび確変状態Bにおいては時短状態となり、確変状態C、確変状態D、および確変状態Bにおいては非時短状態となるよう構成されている。また、普通図柄抽選に当選した場合に右始動入賞装置1432を開放する時間(進入許容時間)は、上述したように、非時短状態においては、略0.5秒の時間で1回開放するように設定され、時短状態においては、略1.8秒の時間で3回連続して開放するように設定されている。
大当り確率については、通常遊技状態が低確率で、確変状態が通常遊技状態より高確率に設定される。大当り特典としては、通常遊技状態においては、所定のラウンド数(例えば、6ラウンド又は16ラウンド)にわたって、右大入賞装置1434または下大入賞装置2434の入賞口に遊技球が進入可能な長時間(例えば、略30秒)の開放状態に相当する進入規制機構1454,2454の進入許容姿勢が継続し、確変状態では、通常遊技状態より有利な設定とされて所定のラウンド数(例えば、16ラウンド)にわたる長時間の開放状態が継続する設定とされている。
小当り確率は、遊技状態に依らず一定で、略1/1(すなわち、第2特別図柄の大当り抽選に非当選となった場合の略100%)の確率で当選となる。小当り特典は、通常遊技状態においても、確変状態においても一定の特典に設定され、右大入賞装置1434の入賞口に遊技球が進入可能な開放状態が所定の開放時間にわたって発生する。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、小当り特典として開放される右大入賞装置1434に対して規定される最大進入許容時間は、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)によって設定された段階に応じた時間とされる。
本実施形態のパチンコ機100においては、第2実施形態のパチンコ機100と同様に、出球率の設定変更によって、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いトップタイプの遊技態様であって初当り確率が異なる3種類の遊技態様と、初当り確率が中程度であり確変継続率も中程度であるミドルタイプの遊技態様であって初当り確率が異なる3種類の遊技態様と、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いボトムタイプの遊技態様であって初当り確率が異なる3種類の遊技態様とからなる9種類の遊技態様のいずれかを選択可能に構成される。
かかる構成を有する本実施形態のパチンコ機100においては、小当り特典として開放される右大入賞装置1434の最大進入許容時間は、トップタイプまたはミドルタイプである6種類の遊技態様のいずれかが設定されている場合には第1所定時間(例えば、3秒)とされ、ボトムタイプである3種類の遊技態様のいずれかが設定されている場合には第1所定時間より長い第2所定時間(例えば、5秒)とされる。
次に、本実施形態のパチンコ機100における小当りによる遊技性について説明する。本実施形態のパチンコ機100においては、小当りによる遊技性として、右打ち遊技手法によって遊技を行う確変遊技状態において、時短状態である確変状態A,Bにおいて獲得球数の増加が抑制され(または、獲得球数が次第に減少し)、非時短状態である確変状態C、確変状態D、および確変状態Eにおいては、獲得球数が次第に増加する設定とされている。なお、「獲得球数」は、遊技者が遊技球の払い出しによって獲得し得る球数であり、入賞装置に遊技球が入賞したことによって払い出された賞球数から、遊技領域に発射した球数を差し引いた球数である。
具体的に、時短状態である確変状態A,Bは、通常遊技状態に比べて右始動入賞装置2432へ遊技球が進入しやすい。よって、確変状態A,Bの各単位遊技においては、右打ち遊技手法で発射した遊技球の大部分が、右始動入賞装置2432に進入(入賞)することになるので、当該単位遊技において獲得球数はほとんど増えないか、次第に減少する。
一方、非時短状態である確変状態C〜Eは、通常遊技状態に比べて右大入賞装置1434へ遊技球が進入しやすい。よって、確変状態C〜Eの各単位遊技において、遊技球は、球通路部1611を通って右始動入賞装置1432より下流側(左下側)へ流下して右大入賞装置1434へ遊技球が進入(入賞)することになるので、当該単位遊技において獲得球数は次第に増大する。
上述したように、どの推移パターンも、複数回の確変状態Aの単位遊技と、1回の確変状態Bの単位遊技と、複数回の確変状態Aの単位遊技と、1回の確変状態Cの単位遊技と、複数回の確変状態Dの単位遊技と、1回の確変状態Eの単位遊技とが、この順で現出するよう規定されている。よって、各推移パターンの前半部分を構成する時短状態である確変状態(確変遊技状態A,B)の回数と、後半部分を構成する非時短状態である確変状態(確変遊技状態C〜E)の回数との組み合わせ方に応じて、確変遊技状態における獲得球数を推移パターン毎に有意に変化させることができる。これにより、決定された推移パターンの違いに基づく多様な遊技性を遊技者に提供することが可能となる。
ここで、1回の小当り当選による右大入賞装置1434の開放期間中に当該開放期間において入賞が許容される所定数(例えば、5個)の入賞が平均的に発生する場合、1回の小当り当選による払出しの特典(以下、「1回の小当りに対する払出し特典」とも称す)として遊技者に付与される遊技球の数は、当該所定数に対して、右大入賞装置1434への1回の入賞によって払い出される賞球数(例えば、13個)を乗じた数(例えば、5×13=65個)となる。この場合、獲得球数は、1回の小当りに対する払出し特典として遊技者に付与される遊技球の数から、変動表示の時間と右大入賞装置1434が開放される時間とを加えた略6秒間に発射される略10球分の発射球数を差し引いた値(例えば、65−10=55個)となる。
ただし、1回の小当り当選において右大入賞装置1434に入賞する遊技球の数は必ずしも一定の数とはならず、例えば、右大入賞装置1434の進入規制機構1454が進入許容姿勢となった後に、入賞が許容される所定数(例えば、5個)の遊技球が入賞することなく進入許容時間が経過したことで進入規制機構1454が進入禁止姿勢に移行する場合があったり、当該所定数の入賞を検出してから進入規制機構1454が進入禁止姿勢に移行するまでの間に当該所定数を超える遊技球が入賞する場合があったりして変動する可能性がある。しかし、以下の説明においては、1回の小当り当選において右大入賞装置1434に入賞する遊技球の数を一定の数(例えば、5個)であるとして簡略化して説明する。
なお、1回の小当りに対する払出し特典としての獲得球数や、1回の特別遊技状態における獲得球数は、右大入賞装置1434の構造や、遊技球の流下する経路の形状等によって調整可能である。よって、各種の獲得球数を実測して、設計値に合致するよう、構造部分の形状や、スイッチの配置位置や、進入許容姿勢の継続時間や、1回の小当り当選に対する入賞数等を変更することで調整することができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、上述したように、確変状態A,Bにおいて獲得球数の増加が制限され、確変状態C〜Eにおいて獲得球数が次第に増加する設定とされているので、1回の確変遊技状態における小当りに対する特典として獲得できる遊技球の数は、1回の小当りに対する払出し特典としての獲得球数に対し、選択された推移パターンに含まれる確変状態C〜Eの単位遊技の回数を乗じた数となる。
よって、例えば、推移パターンに含まれる確変状態C〜Eの単位遊技の回数が31回である場合、確変状態Eの単位遊技が終了した時点(すなわち、確変遊技状態の基本的な実行回数として予め決められている所定の回数の単位遊技が終了した時点)において、遊技者は、確変遊技状態において、1回の小当りに対する払出し特典としての獲得球数(例えば、55個)に31回の単位遊技の数を乗じた数(例えば、55×31=略1700個)の遊技球を獲得できる。
これに対し、1回の特別遊技状態における獲得球数は、特別遊技状態の種別として大当り図柄乱数カウンタから取得された値に基づいて決定された継続ラウンドに応じた数となる。特別遊技状態では、1ラウンドの経過により基本的に払い出される遊技球の数は、1ラウンドにおいて進入規制機構1454が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へと移行する条件として規定される遊技球の入賞個数(例えば、8個)に、右大入賞装置1434への1回の入賞によって払い出される賞球数(例えば、13個)を乗じた個数(例えば、104個)である。
ただし、1回の特別遊技状態における獲得球数は、進入規制機構1454が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へと移行する条件として規定される遊技球の入賞個数に達したにもかかわらず、進入規制機構1454が進入禁止姿勢へ移行する直前に遊技球が右大入賞装置1434に入賞したことでより多くの遊技球が払い出されるラウンドが生じるなどで、必ずしも一定の獲得球数となるものでない。1回の特別遊技状態における獲得球数は、例えば、6ラウンドの当選であれば略500個、16ラウンドの当選であれば6ラウンドの場合より多い略1500個に設定されている。
よって、確変遊技状態における内部遊技状態推移パターンが、上述した、確変状態C〜Eの単位遊技の回数が31回である推移パターンである場合に、当該確変遊技状態において、小当りに対する払出し特典としての略1700個の獲得球数は、16ラウンドの特別遊技状態における獲得球数より多い。
このように、遊技者は、確変遊技状態において大当りに当選しなくても、一定数の単位遊技(すなわち、確変状態A,Bの単位遊技)が実行された後に実行される確変状態C〜Eの単位遊技において小当りに対する特典を獲得することができる。よって、遊技者は、単に、特別遊技状態の発生だけでなく、その後の確変遊技状態において獲得球数が増大し始める時期(すなわち、確変状態Cの単位遊技の開始)まで小当り当選が続くことを期待して遊技をする。
また、例えば、推移パターンに含まれる確変状態C〜Eの単位遊技の回数が、先に例示した31回より多い67回である場合には、確変状態Eの単位遊技が終了した時点において、遊技者は、確変遊技状態において、1回の小当りに対する払出し特典としての獲得球数(例えば、55個)に67回の単位遊技の数を乗じた数(例えば、55×67=略3700個)の遊技球を獲得できる。一方、推移パターンに含まれる確変状態C〜Eの単位遊技の回数が、先に例示した31回より少ない12回である場合には、確変状態Eの単位遊技が終了した時点において、遊技者は、確変遊技状態において、1回の小当りに対する払出し特典としての獲得球数(例えば、55個)に12回の単位遊技の数を乗じた数(例えば、55×12=略660個)の遊技球を獲得できる。よって、本実施形態におけるパチンコ機100においては、選択された推移パターンに応じて確変遊技状態における獲得球数が変動する遊技性を付加することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、確変遊技状態の基本的な実行回数として予め決められている所定の回数における最終回となる単位遊技が実行されてもなお、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選において大当りに当選しない場合、それ以降は、始動入賞が発生する毎に確変状態Dの単位遊技が実行されるよう構成されているので、遊技者は、確変状態A,Bの単位遊技が終了した後は小当り当選が続く限り獲得球数を増大させることができる。
ここで、小当り当選によって小当り特典として開放される右大入賞装置1434の最大進入許容時間は、時短状態での普通図柄の当選における進入許容時間(略5.4秒)より短い時間に設定されることが好ましい。この設定によって、時短状態において、普通図柄に係る抽選に当選して右始動入賞装置1432の進入規制機構1454が進入許容姿勢をとった場合に、小当り当選による右大入賞装置1434の最大進入許容時間を超えた一定の期間にわたって、遊技球が、後続の遊技球を含めて、右始動入賞装置1432より下流側に位置する右大入賞装置1434の側に到達しないようにすることができる。
これにより、時短状態となる確変状態A,Bにおいては獲得球数の増加を制限し、非時短状態に相当する確変状態C〜Eにおいては獲得球数を増大させることができるので、確変遊技状態において獲得球数が増大し始めるまでの期間(すなわち、初回の単位遊技から確変状態Cの単位遊技が開始されるまでの期間)の長さに応じて獲得球数の状況を変化させることができる。よって、推移パターンとして選定されたパターンに応じて獲得球数を有意に異ならせることができ、それにより、推移パターンの違いによる多様な遊技性を遊技者に提供することができる。
また、時短状態での普通図柄の当選における進入許容時間(例えば、略5.4秒)は、始動装置436を通過した遊技球が右始動入賞装置1432に到達するまでの時間(例えば、略0.3秒)と、確変状態Aにおける第2特別図柄の変動時間(例えば、略0.5秒)と、右大入賞装置1434の小当りにおける最大進入許容時間(例えば、略3秒)とを加えた時間よりも長く設定しておくことが一層好ましく、これにより、小当りの連続によって遊技者が獲得する遊技球の数が増大していく遊技性を一層顕著にすることができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、上述したように、確変遊技状態が開始されると、まず、時短状態となる確変状態A,Bの単位遊技が推移パターンにより規定される所定の回数だけ実行され、その後に、非時短状態に相当する確変状態C〜Eの単位遊技が実行されるよう構成されているので、確変状態A,Bの単位遊技が終了した後は小当り当選が続く限り獲得球数を増大させることができる。
ここで、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作により設定可能な、出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)の各段階についての具体例を説明する。
トップタイプにおける初当り確率(すなわち、低確率時の大当り確率)は、第1段確率から第3段確率のすべてにおいて同一の略1/300に設定され、ミドルタイプにおける初当り確率は、略1/200、ボトムタイプにおける初当り確率は、略1/100に設定されている。なお、必ずしもトップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプに対して、低確率時の大当り確率を異ならせて設定する必要はなく、いずれか2つ又は3つ以上のタイプに対して同一の確率を含むように設定してもよいし、各タイプ内の第1段から第3段のいずれか2つ又は3つ以上の段階において大当り確率が異なる設定を含むようにしてもよい。
トップタイプにおける高確率時の大当り確率(確変遊技状態における大当り確率)は、第1段確率において略1/30であり、第2段確率において略1/40であり、第3段確率において略1/50であり、ミドルタイプにおける高確率時の大当り確率は、第1階確率において略1/20であり、第2段確率において略1/25であり、第3段確率において略1/30であり、ボトムタイプにおける高確率時の大当り確率は、第1階確率において略1/10であり、第2段確率において略1/14であり、第3段確率において略1/18に設定される。
また、確変大当りが選択される確率(確変継続率)としては、トップタイプにおいて略2/3(略66%)、ミドルタイプにおいて略1/2(略50%)、ボトムタイプにおいて略1/3(略33%)が設定される。なお、必ずしもトップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプに対して、確変継続率を異ならせて設定する必要はなく、いずれか2つ又は3つ以上のタイプに対して同一の確率を含むように設定してもよいし、各タイプ内の第1段から第3段のいずれか2つ又は3つ以上の段階において確変継続率が異なる設定を含むようにしてもよい。
ここで、確変遊技状態において大当り抽選に当選した場合に確変大当りの終了する確率(確変終了率)は、1から確変継続率を減算した値で表すことができる。また、確変遊技状態において特別図柄に係る始動入賞が発生した場合、当該特別図柄に係る抽選によって確変遊技状態が終了して通常遊技状態へ遷移する確率は、高確率時の大当り確率に確変終了率を乗じた値(確率)と一致する。以下、この確率を、確変遊技終了確率ともいう。
確変遊技終了確率は、トップタイプの第1段確率において、高確率時の大当り確率(略1/30)に、確変終了率(略1/3)を乗じた値である略1/90となる。同様の計算によって、トップタイプにおける確変遊技終了確率は、第2段確率において略1/120、第3段確率において略1/150に設定される。ミドルタイプにおける確変遊技終了確率は、第1階確率において略1/40、第2段確率において略1/50、第3段確率において略1/60に設定される。ボトムタイプにおける確変遊技終了確率は、第1階確率において略1/15、第2段確率において略1/21、第3段確率において略1/27に設定される。この確変遊技終了確率は、確変遊技状態において単位遊技が継続して小当りが発生する回数(すなわち、始動入賞の発生回数)の期待値に対応し、確変遊技終了確率が低いほど、確変遊技状態における単位遊技の回数が多くなり易い。
したがって、本実施形態のパチンコ機100においては、確変遊技終了確率が1/40から1/80の範囲にあるミドルタイプの方が、確変遊技終了確率が1/20から1/40の範囲にあるボトムタイプより確変遊技状態の単位遊技の回数が多くなりやすいので、当該確変遊技状態における小当り特典による遊技球獲得の恩恵を受けやすい。同様に、確変遊技終了確率が1/60から1/140の範囲にあるトップタイプの方が、確変遊技終了確率が1/20から1/40の範囲にあるミドルタイプより確変遊技状態の単位遊技の回数が多くなりやすいので、当該確変遊技状態における小当り特典による遊技球獲得の恩恵を受けやすい。
また、各タイプにおいても、第1段確率より第2段確率の設定の方が、確変遊技状態の単位遊技の回数が多くなって小当り特典による遊技球獲得の恩恵を受けやすく、第2段確率より第3段確率の設定の方が、確変遊技状態の単位遊技の回数が多くなり易い。
つまり、本実施形態のパチンコ機100においては、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作により設定可能な出球率の設定変更の各段階に応じて、確変遊技状態として小当りに当選し、右大入賞装置1434の進入規制機構1454が複数回の単位遊技にわたって連続して作動する回数(回数の期待値)が異なるように主制御基板920によって制御され、これにより、小当り特典による遊技球獲得の恩恵の受けやすさが異なる構成とされている。よって、確変遊技状態の単位遊技の回数によって設定を推測する遊技性を付加することができる。
なお、確変遊技状態は、次回大当りが発生するまで継続する設定としてもよいし、規定の上限回数(例えば、200回)の始動入賞が発生して単位遊技が実行された場合に大当りに当選しなくても確変遊技状態終了する設定としてもよく、この規定の上限回数をタイプ毎に異なる設定としてもよく、例えば、トップタイプは300回、ミドルタイプは200回、ボトムタイプは150回としてもよい。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、右始動入賞装置1432が、当該右始動入賞装置1432の進入口から進入した遊技球が通過可能な流下通路部として、複数の流下通路部1532A,1532Bを備えており、これらの流下通路部1532A,1532Bの各下流側には、各流下通路部1532A,1532Bを通過した遊技球を検出可能な右始動入賞スイッチ1442A,1442Bが設けられている。これにより、右始動入賞装置1432に進入した遊技球を複数の右始動入賞スイッチ1442A,1442Bを用いて検出することが可能になるので、右始動入賞装置1432に進入した遊技球を効率よく検出でき、それにより、遊技球が右始動入賞装置1432に進入してから各右始動入賞スイッチ1442A,1442Bで検出されるまでの時間を好適に抑制することができる。
複数の流下通路部1532A,1532Bのうち、第1流下通路部1532Aは、その入口部分となる開口が、第2流下通路部1532Bの入口部分となる開口より上流側に設けられているので、始動装置436を通過した遊技球が進入規制機構1452の可動片により形成される下降傾斜面における上流側に到達する構成において、進入規制機構1452が進入許容姿勢である場合に始動装置436を通過した遊技球を主に第1流下通路部1532Aに進入させることができる。
ここで、始動装置436を通過した遊技球を主に第1流下通路部1532Aに進入させることができる構成において、第1流下通路部1532Aは、進入禁止姿勢である進入規制機構1452の可動片の下面から、右始動入賞スイッチ1442Aの上端の距離のうち最も長い距離L1が遊技球の直径と略同等の長さに構成されているので、第1流下通路部1532Aに進入した遊技球が、右始動入賞スイッチ1442Aにより検出されるまでに要する時間を短い時間に抑えることができる。なお、距離L1を遊技球の直径より短い長に構成した場合においても、距離L1を遊技球の直径と略同等の長さに構成した場合と同様、第1流下通路部1532Aに進入した遊技球が、右始動入賞スイッチ1442Aにより検出されるまでに要する時間を短い時間に抑えることができる。
また、第1流下通路部1532Aは、遊技球が1つずつ進入可能な通路幅に構成されているので、遊技球が第1流下通路部1532Aを流下する場合に、当該遊技球が流下方向に対する交差方向に揺れ動くことを抑制できる。よって、第1流下通路部1532Aに進入した遊技球は当該第1流下通路部1532Aをスムースに流下できるので、かかる点においても、第1流下通路部1532Aに進入してから右始動入賞スイッチ1442Aにより検出されるまでに要する時間を短い時間に抑えることができる。
よって、本実施形態のパチンコ機100によれば、進入規制機構1452における1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数(例えば、5個)となる最後の遊技球が第1流下通路部1532Aに進入してから右始動入賞スイッチ1442Aにより検出されるまでに要する時間を好適に短く抑えることができるので、当該規定数となる最後の遊技球が右始動入賞装置1432の進入口を経て第1流下通路部1532Aに進入してから、右始動入賞スイッチ1442Aによる検出によって入賞となって進入規制機構1452が進入禁止姿勢に切り替えるまでに要する時間を好適に短く抑えることができる。
これにより、上流側から右始動入賞装置1432に向かって流下する遊技球のうち、進入規制機構1452における1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数となる最後の遊技球が右始動入賞装置1432(より詳細には、第1流下通路部1532A)に進入した場合に、当該進入から早期に進入規制機構1452が進入禁止姿勢に切り替えられることになるので、進入規制機構1452における1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数となる最後の遊技球が右始動入賞装置1432に進入した後に当該規定数を超える遊技球が右始動入賞装置1432に進入して入賞となることを抑制することができる。
また、第2特別図柄の変動時間を短い時間(略0.5秒)に設定した場合、小当りに連続して当選する確変遊技状態において、前の当選で右始動入賞装置1432に進入したか、その後の小当りの当選で右始動入賞装置1432へ進入したかを判定できない可能性がある。これに対して、本実施形態のパチンコ機100によれば、1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数となる最後の遊技球が右始動入賞装置1432に進入した遊技球を迅速に右始動入賞スイッチ1442Aにより検出することができるので、小当りが連続当選する遊技状態における第2特別図柄の変動時間を短い時間に設定しても適切に遊技球を検出し易くすることができる。そして、第2特別図柄の変動時間を短く設定し易くすることができることで、時短遊技状態中に、遊技球が右始動入賞装置1432より下流側に進行することを抑制し易くすることができ、その分、右始動入賞装置1432を小型化し易くして、遊技球が流下する遊技領域や、入賞装置や装飾部品等といった遊技部品の配置の自由度を高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、第1流下通路部1532Aには、右始動入賞スイッチ1442Aより上流側に、その通路幅が右始動入賞スイッチ1442Aに近づくにつれて遊技球の直径に近づくように徐々に小さくなる徐変区間が設けられているので、第1流下通路部1532Aを流下する遊技球は、徐変区間を流下方向に進むにつれて当該流下方向に整流される。よって、第1流下通路部1532Aを流下する遊技球は、徐変区間の下流側に位置する右始動入賞スイッチ1442Aをスムースに流下することができるので、当該遊技球が右始動入賞スイッチ1442Aにおいて二度検出されるなどの語検出を抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、小当り特典として開放される右大入賞装置1434の最大進入許容時間が、タイプの設定に応じて異なる時間となるように、主制御基板920によって制御される。例えば、ボトムタイプまたはミドルタイプである6種類の遊技態様のいずれかが設定されている場合には第1所定時間(例えば、3秒)とされ、トップタイプである3種類の遊技態様のいずれかが設定されている場合には第1所定時間より長い第2所定時間(例えば、5秒)とされる。
ここで、トップタイプの遊技態様は、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高い構成であるので、特別遊技状態による遊技球獲得の恩恵を受け難いが、通常遊技状態において大当り抽選に当選し難いものの、通常遊技状態から、一旦、特別遊技状態を経由して確変遊技状態に移行した場合には、確変遊技状態が継続されやすく、遊技者は、確変遊技状態において右打ち遊技手法によって遊技を行うことで小当り特典による遊技球獲得の恩恵を受けやすい。
一方、ボトムタイプの遊技態様は、初当り確率が大幅に高いが確変継続率が大幅に低い構成であるので、通常遊技状態において大当り抽選に当選しやすいものの、通常遊技状態から確変遊技状態に移行したとしても確変遊技状態が継続され難く、通常遊技状態に戻り易いので、遊技者は、特別遊技状態による遊技球獲得の恩恵は受けやすいが、確変遊技状態での小当り特典による遊技球獲得の恩恵を受け難い。
小当り特典として右大入賞装置1434が開放された場合に、遊技者は、例えば、遊技球の発射を停止して当該右大入賞装置1434の開放期間を計ることで、その最大進入許容時間が、第1所定時間(例えば、3秒)であるか、当該第1所定時間より長い第2所定時間(例えば、5秒)であるかを判断することが可能である。よって、遊技者は、小当り特典として右大入賞装置1434が開放された場合に、その最大進入許容時間が、第1所定時間であるか、第2所定時間であるかを見極めることで、本パチンコ機100における現在の遊技態様の種類を推測する遊技性を付加することができる。
これにより、例えば、遊技者は、自身が遊技する遊技機が、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、現在の遊技機で遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測された現在の遊技態様を利用することができるので、遊技態様を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
ここで、小当り特典としての右大入賞装置1434の最大進入許容時間は必ずしも1つの時間(例えば、3秒または5秒)となるように設定する必要はなく、始動入賞に係る抽選によって長さの異なる2種以上に設定された時間が選択され得る構成としてもよく、タイプ毎に、又は、タイプ内における設定(段階)に応じて、最大進入許容時間の選択される確率が異なるように、主制御基板920によって制御してもよい。例えば、ボトムタイプである3種類の遊技態様のいずれかが設定されている場合には第1所定時間(例えば、3秒)が選択され易く(例えば、70%)、第1所定時間より長い第2所定時間(例えば、5秒)が選択され難い(例えば、30%)設定とし、トップタイプである3種類の遊技態様のいずれかが設定されている場合には第1所定時間が選択され難く(例えば、30%)、第2所定時間が選択され易い(例えば、70%)設定とし、ミドルタイプでは、第1所定時間と第2所定時間とのいずれもが略50%で選択される設定としてもよい。これにより、最大進入許容時間の選択率によって設定を推測する遊技性を付加することができる。この場合において、第1所定時間として、規定数(例えば5個)の遊技球が進入した場合に、最大進入許容時間に到達する前か又はほぼ同時に進入禁止姿勢に移行する時間(例えば、3秒)を設定することが好ましい。遊技者は、遊技球を連続して発射した場合には、第1所定時間であるか第2所定時間であるかの設定の推測がし難いか、または推測が不可能とし、一時的に、遊技球の発射を停止することで、第2所定時間であることを遊技者が認識可能とすることができ、これにより、積極的な設定判別のための操作を行うことで、遊技者が設定を推測可能な新たな遊技性を付加することができる。
<第4実施形態>
次に、図23から図26を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態のパチンコ機100は、特別遊技状態の終了後に時短状態が発生した場合に、小当りの成立回数(小当り当選の回数)が所定の回数に達すると当該時短状態が終了するよう構成される点において、第3実施形態のパチンコ機100と異なっている。
また、第4実施形態のパチンコ機100は、第3実施形態のパチンコ機100と同様、確変遊技状態において内部遊技状態が変化するパチンコ機として構成され、確変遊技状態において時短状態が終了する時期を遊技者に報せるための表示に工夫を加えている。以下の説明において、上述した第1実施形態から第3実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、図23から図25は、第4実施形態のパチンコ機100における遊技の仕様に係る説明図である。より詳細には、図23は、本実施形態のパチンコ機100に適用される特別図柄抽選の当選確率の一例を説明する図であり、図24は、本実施形態のパチンコ機100に適用される特別図柄における図柄割合、ならびに、確率変動機能および変動時間短縮機能の作動態様の一例を説明する図である。図25は、本実施形態のパチンコ機100に適用される変動時間短縮機能の終了条件の一例を説明する図である。
図23に示す例においては、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)における大当りの当選確率が、低確率状態において1/100に設定され、高確率状態において1/10に設定されている。また、小当りの当選確率は、第1特別図柄に対して0に設定され、第2特別図柄に対して1/5に設定されている。つまり、図23に示す当選確率が適用される本実施形態のパチンコ機100においては、中始動入賞装置2431(図14参照)に遊技球を進入させても小当りを発生させることができず、右打ち遊技手法によって右始動入賞装置1432(図20参照)に遊技球を進入させることで小当りを発生させることが可能となる。なお、小当りの当選確率として、第1特別図柄に対して0以外の設定としてもよく、第2特別図柄に対しての設定と同一の確率としてもよい。
本実施形態のパチンコ機100においては、第1特別図柄における大当り図柄は、大当りの種類に応じた3種類の図柄から構成される。具体的に、本実施形態の第1特別図柄は、特別遊技状態後に移行する遊技状態が確変遊技状態である第1の大当り図柄(以下、「特図1_特定時短有図柄1」とも称す)と、特別遊技状態後に移行する遊技状態が確変遊技状態であるとともに前記第1の大当り図柄とは後述する変動時間短縮機能の終了条件が異なる第2の大当り図柄(以下、「特図1_特定時短有図柄2」とも称す)と、特別遊技状態後に移行する遊技状態が時短遊技状態である第3の大当り図柄(以下、「特図1_通常時短有図柄」とも称す)とから構成される。
第2特別図柄における大当り図柄もまた、大当りの種類に応じた3種類の図柄から構成される。具体的に、本実施形態の第2特別図柄は、特別遊技状態後に移行する遊技状態が確変遊技状態である第1の大当り図柄(以下、「特図2_特定時短有図柄1」とも称す)と、特別遊技状態後に移行する遊技状態が確変遊技状態であるとともに前記第1の大当り図柄とは後述する変動時間短縮機能の終了条件が異なる第2の大当り図柄(以下、「特図2_特定時短有図柄2」とも称す)と、特別遊技状態後に移行する遊技状態が時短遊技状態である第3の大当り図柄(以下、「特図2_通常時短有図柄」とも称す)とから構成される。
なお、第1特別図柄における大当り図柄の種類、および、第2特別図柄における大当り図柄の種類は、上述した3種類に限らず、2以上の適宜の数とすることができる。また、第1特別図柄における大当り図柄の種類と第2特別図柄における大当り図柄の種類とが同じ数である必要はなく、第1特別図柄における大当り図柄の種類の数と第2特別図柄における大当り図柄の種類の数とが異なっていてもよい。また、第1特別図柄における大当り図柄または第2特別図柄における大当り図柄のうち少なくとも一方が、特別遊技状態後に遊技状態が通常遊技状態に移行する図柄を含まない構成であってもよい。
図24に示す例が適用される本実施形態のパチンコ機100においては、第1特別図柄における各大当り図柄の割合は、特図1_通常時短有図柄が40%とされ、特図1_特定時短有図柄1が30%とされ、特図1_特定時短有図柄2が30%とされる。また、第2特別図柄における各大当り図柄の割合は、特図2_通常時短有図柄が40%とされ、特図2_特定時短有図柄1が30%とされ、特図2_特定時短有図柄2が30%とされる。なお、第1特別図柄における大当り図柄の各割合および第2特別図柄における大当り図柄の各割合は、上述した割合に限らず、適宜の割合を設定し得る。
本実施形態のパチンコ機100において、第2特別図柄には3種類の小当り図柄が設けられている。図24に示す例が適用される本実施形態のパチンコ機100においては、第2特別図柄における各小当り図柄の割合は、第1の小当り図柄(以下、「特図2_小当り図柄1」とも称す)が70%とされ、第2の小当り図柄(以下、「特図2_小当り図柄2」とも称す)が20%とされ、第3の小当り図柄(以下、「特図2_小当り図柄3」とも称す)が30%とされる。
図24においては、各大当り図柄に対応する確率変動機能および変動時間短縮機能について、特別遊技状態後に作動する機能に対して「○」を付し、特別遊技状態後に作動しない機能に対して「×」を付している。なお、「確率変動機能」は、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選における大当りの当選確率を高確率状態にする機能であり、「変動時間短縮機能」は、第1特別図柄、第2特別図柄、および普通図柄の変動表示時間を非時短状態とは異なる時間にして第3実施形態と同様の時短状態にする機能である。
つまり、図24に示すように、特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する特図1_特定時短有図柄1、特図1_特定時短有図柄2、特図2_特定時短有図柄1、および特図2_特定時短有図柄2が選択された場合には、特別遊技状態後に確率変動機能および変動時間短縮機能の両方が作動する。一方、特別遊技状態後に時短遊技状態に移行する特図1_通常時短有図柄および特図2_通常時短有図柄が選択された場合には、特別遊技状態後に変動時間短縮機能が作動するが、確率変動機能は作動しない。
本実施形態のパチンコ機100において、特別遊技状態後に確率変動機能が作動した場合、当該確率変動機能は、次回の条件装置が作動するまで(特別遊技状態が次に発生するまで)の間に亘って継続される。よって、特図1_特定時短有図柄1,2または特図2_特定時短有図柄1,2が選択されたことによって特別遊技状態後に生じた高確率状態は、次に特別遊技状態が発生するまで継続する。なお、条件装置とは物理的な装置ではなく、遊技機一般を管理する規則上の概念的な装置であり、条件装置の作動としては、第3実施形態における特別図柄に係る抽選の当選を契機としての特別遊技状態の発生に相当する。
本実施形態のパチンコ機100において、特別遊技状態後に変動時間短縮機能が作動した場合、当該変動時間短縮機能は、特別図柄表示装置471,472の作動回数(特別図柄に係る単位遊技の実行回数)が所定の回数に達したか、3種類の小当り図柄のうち1の小当り図柄による小当りの成立回数が当該小当り図柄に対して予め決められている所定の回数に達したことを条件として終了する。
変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数および各小当り図柄による小当りの成立回数は、図25に示すように、条件装置が作動することになる図柄の組合せ(特別図柄抽選によって選択された大当り図柄)の種類と、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時(特別遊技状態中)における遊技状態との組合せに応じて予め決められている。
なお、図25に示すような、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数および各小当り図柄による小当りの成立回数は、条件装置が作動することになる図柄の組合せの種類と、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時における遊技状態との組合せに対応付けられて、主制御基板920のROMに記憶されている。
図25に示す例においては、具体的に、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄1または特図2_特定時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が低確率状態かつ非時短状態(すなわち、通常遊技状態)である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、100回、100回、100回、および100回とされている。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、特別遊技状態後に移行した確変遊技状態の内部遊技状態が第3実施形態のように推移パターンに応じた特別図柄表示装置471,472の作動回数に従って遷移する構成ではなく、特別図柄表示装置471,472の作動回数と小当りの成立回数とに対して予め設定された変動時間短縮機能の終了条件のうちいずれかの終了条件が成立した場合に内部遊技状態が遷移する構成とされている。すなわち、確変遊技状態への移行後に、確率変動機能の終了条件が成立せず、かつ、複数種類に設定された変動時間短縮機能の終了条件のうちいずれかの終了条件が成立した場合に、高確率状態を保ったままその内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移する構成とされている。
よって、本実施形態のパチンコ機100においては、特図1_特定時短有図柄1、特図2_特定時短有図柄1、特図1_特定時短有図柄2、または特図2_特定時短有図柄2に基づく条件装置が作動した場合には、条件装置の作動終了後(特別遊技状態の終了後)において、確率変動機能の終了条件が成立せず、かつ、変動時間短縮機能の終了条件が成立した場合に、特別遊技状態の終了後に発生した確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移する。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、第3実施形態のパチンコ機100と同様に、小当りによる遊技性として、確変遊技状態において、内部遊技状態が時短状態である場合には獲得球数の増加が抑制され(または、獲得球数が次第に減少し)、非時短状態である場合には獲得球数が次第に増加する設定とされている。
条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄1または特図2_特定時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が低確率状態かつ時短状態(すなわち、時短遊技状態)である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、10回、10回、7回、および3回とされている。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄1または特図2_特定時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が高確率状態かつ非時短状態である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、50回、50回、10回、および5回とされている。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄1または特図2_特定時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が高確率状態かつ時短状態である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、0回、0回、0回、および0回とされている。
よって、高確率状態かつ時短状態である遊技状態において、特図1_特定時短有図柄1または特図2_特定時短有図柄1に基づく条件装置が作動した場合には、条件装置の作動終了後(特別遊技状態の終了後)において、条件装置の作動が終了する(特別遊技状態が終了する)と変動時間短縮機能は機能せず、それによって、特別遊技状態の終了後に、非時短状態の確変遊技状態が開始される。
次に、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_通常時短有図柄1または特図2_通常時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が低確率状態かつ非時短状態(すなわち、通常遊技状態)である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、50回、50回、30回、および10回とされている。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_通常時短有図柄1または特図2_通常時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が低確率状態かつ時短状態(すなわち、時短遊技状態)である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、70回、70回、70回、および70回とされている。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_通常時短有図柄1または特図2_通常時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が高確率状態かつ非時短状態である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、0回、0回、0回、および0回とされている。
よって、高確率状態かつ時短状態である遊技状態において、特図1_通常時短有図柄1または特図2_通常時短有図柄1に基づく条件装置が作動した場合には、条件装置の作動が終了する(特別遊技状態が終了する)と直ぐに変動時間短縮機能が終了し、それによって、低確率状態かつ非時短状態である遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に遷移する。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_通常時短有図柄1または特図2_通常時短有図柄1である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が高確率状態かつ非時短状態である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、100回、100回、100回、および100回とされている。
次に、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄2または特図2_特定時短有図柄2である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が低確率状態かつ非時短状態(すなわち、通常遊技状態)である場合には、変動時間短縮機能の終了条件が、特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、および特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数のいずれとも無関係に、次回の条件装置が作動するまで(特別遊技状態が次に発生するまで)とされている。
よって、特図1_特定時短有図柄2または特図2_特定時短有図柄2が選択されたことに基づく条件装置の作動時の遊技状態が低確率状態かつ非時短状態である場合、当該図柄に基づく特別遊技状態後に生じた時短状態は、次に特別遊技状態が発生するまで継続する。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄2または特図2_特定時短有図柄2である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が低確率状態かつ時短状態(すなわち、時短遊技状態)である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、10回、10回、7回、および3回とされている。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄2または特図2_特定時短有図柄2である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が高確率状態かつ非時短状態である場合には、変動時間短縮機能の終了条件が、特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、および特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数のいずれとも無関係に、次回の条件装置が作動するまで(つまり、特別遊技状態が次に発生するまで)とされている。
よって、特図1_特定時短有図柄2または特図2_特定時短有図柄2が選択されたことに基づく条件装置の作動時の遊技状態が高確率状態かつ非時短状態である場合、当該図柄に基づく特別遊技状態後に生じた時短状態は、次に特別遊技状態が発生するまで継続する。
また、条件装置が作動することになる図柄の組合せが、特図1_特定時短有図柄2または特図2_特定時短有図柄2である場合に、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時の遊技状態が高確率状態かつ時短状態である場合には、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数、特図2_小当り図柄1による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄2による小当りの成立回数、特図2_小当り図柄3による小当りの成立回数は、それぞれ、0回、0回、0回、および0回とされている。
よって、高確率状態かつ時短状態である遊技状態において、特図1_特定時短有図柄1または特図2_特定時短有図柄1に基づく条件装置が作動した場合には、条件装置の作動終了後(つまり、特別遊技状態の終了後)において、条件装置の作動が終了する(つまり、特別遊技状態が終了する)と直ぐに変動時間短縮機能が終了し、それによって、特別遊技状態の終了後に発生した確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移する。
主制御基板920は、特別図柄抽選(第1特別図柄、第2特別図柄)によって大当り図柄(特図1_特定時短有図柄1,2、特図2_特定時短有図柄1,2、特図1_通常時短有図柄、特図2_通常時短有図柄)が選択された場合に、当該図柄の組合せと当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時における遊技状態とに応じた変動時間短縮機能の終了条件として設定されている特別図柄表示装置471,472の作動回数および各小当り図柄(特図2_小当り図柄1、特図2_小当り図柄2、特図2_小当り図柄3)による小当りの成立回数を、それぞれ、残り期間として、当該図柄の組合せに対応する変動時間短縮機能の作動前にRAMの所定領域に設けられた残り期間カウンタ(図示せず)に設定する。
主制御基板920は、特別遊技状態の終了後、特別図柄表示装置471,472が作動する毎(特別図柄に係る単位遊技が実行される毎)に、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が記憶された残り期間カウンタから1を減算するとともに、当該単位遊技において表示される確定表示が特図2_小当り図柄1である場合には、特図2_小当り図柄1に係る残り期間が記憶された残り期間カウンタから1を減算する。同様に、当該単位遊技において表示される確定表示が特図2_小当り図柄2である場合には、特図2_小当り図柄2に係る残り期間が記憶された残り期間カウンタから1を減算し、当該単位遊技において表示される確定表示が特図2_小当り図柄3である場合には、特図2_小当り図柄3に係る残り期間が記憶された残り期間カウンタから1を減算する。
そして、主制御基板920は、更新後の残り期間カウンタの内容に基づいて、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間、特図2_小当り図柄1に係る残り期間、特図2_小当り図柄2に係る残り期間、または特図2_小当り図柄3に係る残り期間のいずれかがゼロに達したと判定した場合に、変動時間短縮機能の終了条件が成立したとして、対応する単位遊技における確定表示の表示後に変動時間短縮機能を終了する。これにより、パチンコ機100においては、時短状態から非時短状態に移行する。
次に、図26を参照して、確変遊技状態において時短状態が終了する時期を遊技者に報せる構成について説明する。図26は、高確率状態かつ時短状態の遊技状態における装飾図柄表示装置479の表示内容の一例を示す画面図である。
高確率状態かつ時短状態の遊技状態(内部遊技状態が時短状態である確変遊技状態)においては、図26に示すように、残り期間表示部1711と遷移後遊技状態表示部1712とが、装飾図柄1731,1732などとともに装飾図柄表示装置479に表示される。なお、装飾図柄1731は、常時表示される装飾図柄であり、装飾図柄1731より大きく表示される装飾図柄1732は、所定の演出が行われる場合などの一部状況において一時的に非表示にされ得る装飾図柄である。
残り期間表示部1711には、変動時間短縮機能の実行期間に対する残り期間に対応する情報が表示される。図26に示す例が適用される本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間(本実施形態においては、特別図柄表示装置471,472の、変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの残りの作動回数)を記憶する残り期間カウンタに記憶されている残り期間に対応する数字が残り期間表示部1711に表示される。なお、残り期間表示部1711の表示制御は、副制御基板940により制御される。
本実施形態のパチンコ機100においては、残り期間表示部1711に表示される数字は、特別図柄表示装置471,472が作動する毎に1ずつ小さい値とされる。なお、残り期間カウンタに記憶されている残り期間に対応する数字を残り期間表示部1711に表示する構成においては、必ずしも、特別図柄表示装置471,472が作動する毎に残り期間表示部1711に表示する数字を1ずつ小さい値に更新する必要はない。例えば、変動時間短縮機能の実行中における少なくとも一部の期間において、特別図柄表示装置471,472が所定回数(例えば、10回)作動する毎に残り期間表示部1711に表示する数字を当該所定回数分だけ小さい値に更新するなどの構成であってもよい。
遷移後遊技状態表示部1712には、変動時間短縮機能が終了したことで高確率状態かつ非時短状態である遊技状態が発生した場合に当該遊技状態を遊技者に報せるための情報(以下、この情報を「遊技状態情報」とも称す)が表示される。図26に示す例において、遊技状態情報は「PERFECT RUSH」との文字列によって構成される。なお、遊技状態情報は、必ずしも文字列である必要はなく、記号や絵柄などであってもよく、文字列と記号や絵柄などとの組合せであってもよい。なお、遷移後遊技状態表示部1712の表示制御は、副制御基板940により制御される。
変動時間短縮機能が終了した場合に遷移後遊技状態表示部1712を用いた所定の演出表示を行う(例えば、装飾図柄1732を非表示にし、装飾図柄1732が表示されていた領域を利用して遷移後遊技状態表示部1712を大きく表示する)ことで、遊技者は高確率状態かつ非時短状態である遊技状態が発生したことを認識することができる。
本実施形態のパチンコ機においては、残り期間表示部1711と遷移後遊技状態表示部1712との重なり量が特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて次第に増大するよう構成される。
具体的に、図26に示す例が適用される本実施形態のパチンコ機100においては、図26(A)〜図26(C)に示すように、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなる(すなわち、残り期間表示部1711に表示される数字が小さくなる)につれて、残り期間表示部1711と遷移後遊技状態表示部1712との重なり量が増大している。この例においては、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の大きさが、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて次第に大きくなることで、両表示部1711,1712の重なり量が増大する。
本実施形態のパチンコ機100においては、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712が、いずれも、装飾図柄表示装置479の画面における一側(図26に示す例では、画面上端側)に配置されているので、遊技者は、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の各表示態様の変化や、表示部1711,1712の重なり量の変化を、視線を大きく動かさずことなく視認することが可能である。
また、図26に示す例が適用される本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて遊技状態情報(PERFECT RUSH)の視認性が向上するよう、遷移後遊技状態表示部1712の表示態様が当該残り期間の変化に伴って変化するよう構成される。
遊技状態情報の視認性の変化は、遊技状態情報に重なる所定の画像の表示態様を変化させることで実現する構成であってもよいし、遊技状態情報の大きさや色(例えば、背景色との色差)の変化などによって実現する構成であってもよい。なお、図26においては、遊技状態情報にハッチングを重ねて図示することで、遊技状態情報の視認性の変化を表している。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、特別遊技状態後に作動した変動時間短縮機能の終了条件として、小当りの成立回数が採用されているので、小当り遊技状態を発生可能な遊技機において、小当りの成立回数に応じて変動時間短縮機能を終了させる新たな遊技性を付加することができる。
特に、小当り図柄(小当りの種類)を複数種類設け、変動時間短縮機能の終了条件としての小当りの成立回数を小当り図柄の種類毎に設けているので、変動時間短縮機能を終了させる条件を多様にすることができ、それによって、小当りの成立回数に応じて変動時間短縮機能を終了させる遊技性の多様化を好適に実現することができる。
また、変動時間短縮機能の終了条件となる各小当り図柄による小当りの成立回数が、条件装置が作動することになる図柄の組合せの種類と、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時における遊技状態との組合せに応じて決められているので、変動時間短縮機能を終了させる条件を多様にすることができる。よって、かかる点においても、小当りの成立回数に応じて変動時間短縮機能を終了させる遊技性の多様化を好適に実現することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、残り期間表示部1711と遷移後遊技状態表示部1712との重なり量が特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて次第に増大するよう構成される。残り期間表示部1711には、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間に対応する数字が表示されているので、遊技者は、残り期間表示部1711に表示される残り期間の変化を視認することで、変動時間短縮機能の終了時期に次第に近づきつつあることを認識しつつ、残り期間表示部1711と遷移後遊技状態表示部1712との重なり量の増加を認識することで、確変遊技状態における内部遊技状態が獲得球数の増加を期待できる非時短状態へと遷移する時期が近づきつつあることを意識することができる。これにより、遊技者は、確変遊技状態における内部遊技状態が時短状態である場合に、その内部遊技状態が非時短状態に遷移する時期の到来を好適に期待させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間に対応する数字が残り期間表示部1711に表示される構成としたので、特別図柄表示装置471,472の作動回数によって変動時間短縮機能の終了条件が成立する前に、各小当り図柄による小当りの成立回数によって変動時間短縮機能の終了条件が成立した場合には、残り期間表示部1711に表示される数字がゼロでない状態で非時短状態が発生する。これに対し、特別図柄表示装置471,472の作動回数によって変動時間短縮機能の終了条件が成立する前に、各小当り図柄による小当りの成立回数によって変動時間短縮機能の終了条件が成立した場合には、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間にかかわらず、残り期間表示部1711にゼロを表示させる構成としてもよい。
<第5実施形態>
次に、図27を参照して、第5実施形態について説明する。上述した第4実施形態のパチンコ機100においては、特別遊技状態後に作動した確率変動機能は、次回の条件装置が作動するまでの間に亘って継続される構成としたが、第5実施形態のパチンコ機100においては、小当り当選の回数(小当りの成立回数)が所定の回数に達した場合に変動時間短縮機能とともに確率変動機能が終了するよう構成される。以下の説明において、上述した第1実施形態から第4実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第5実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第4実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第4実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、第3実施形態のパチンコ機100と同様、特別遊技状態後に遊技状態が確変遊技状態に移行した場合に、選択された推移パターンに従って内部遊技状態(確変状態A〜E)が変化する構成とされる。
図27は、第5実施形態のパチンコ機100における遊技状態の進行を表すフローチャートである。以下、第3実施形態のパチンコ機100における遊技状態の進行と相違する部分について説明する。
確変遊技状態において、小当りの抽選において小当りに当選したことで大入賞装置を所定の進入許容時間で所定回数作動させた後、内部遊技状態が非時短状態(本実施形態では、確変状態C〜E)である場合に、小当りの成立回数(小当り当選の回数)が、確率変動機能および時間変動短縮機能の終了条件として予め決められている所定の上限数に達していれば、確率変動機能および時間変動短縮機能の各終了条件が成立したとして、確率変動機能および時間変動短縮機能を終了する。これにより、遊技状態が通常遊技状態へ移行する。
なお、確率変動機能および時間変動短縮機能の終了条件とされる小当りの成立回数の上限数は、小当り図柄の種類とは無関係に1種類の上限数が設けられる構成であってもよいし、上記第4実施形態のパチンコ機100と同様に、小当り図柄の種類に応じた複数種類(例えば、3種類)の上限数が設けられる構成であってもよい。
本実施形態のパチンコ機100においては、確率変動機能および時間変動短縮機能の終了条件とされる小当りの成立回数の上限数は、確変状態A〜Eの推移パターン毎に、各推移パターンに応じた値が設定されている。なお、確率変動機能および時間変動短縮機能の終了条件とされる小当りの成立回数の上限数は、複数種類の推移パターンに対して共通する同じ値であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、確率変動機能および時間変動短縮機能の終了条件とされる小当りの成立回数の上限数は、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移した後に成立した小当りの回数の上限値として規定される。主制御基板920のRAMにおける所定の領域には、小当りの成立回数を計数するためのカウンタ(図示せず)が設けられており、主制御基板920は、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移した後、小当りに当選する毎に当該カウンタを更新する。
なお、確率変動機能および時間変動短縮機能の終了条件とされる小当りの成立回数の上限数は、推移パターンに従う確変遊技状態が開始した後に(つまり、推移パターンに従って最初の確変状態Aが開始した後に)成立した小当りの回数の上限値として規定される構成であってもよい。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、特別遊技状態後に作動した確率変動機能の終了条件として、小当りの成立回数が採用されているので、小当り遊技状態を発生可能な遊技機において、小当りの成立回数に応じて確率変動機能を終了させる新たな遊技性を付加することができる。
<第6実施形態>
次に、図28から図30を参照して、第6実施形態について説明する。第6実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間に応じて変化する、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の表示態様に関する構成を特徴的な構成として備えている。以下の説明において、上述した第1実施形態から第5実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第6実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第5実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第5実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
第6実施形態のパチンコ機100は、第4実施形態のパチンコ機100と同様、確変遊技状態への移行後に、確率変動機能の終了条件が成立せず、かつ、変動時間短縮機能の終了条件として設定された所定の終了条件が成立した場合に、高確率状態を保ったままその内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移するよう構成されるともに、小当りによる遊技性として、確変遊技状態において、内部遊技状態が時短状態である場合には獲得球数の増加が抑制され(または、獲得球数が次第に減少し)、非時短状態である場合には獲得球数が次第に増加するよう構成される。
図28から図30は、第6実施形態のパチンコ機100において装飾図柄表示装置479に表示された残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の表示態様の一例を示す模式図である。
まず、図28を参照して、本実施形態のパチンコ機100における第1の特徴について説明する。図28(A)〜(D)は、それぞれ、残り期間表示部1711に「100」、「60」、「10」、および「0」が表示された状態での表示態様である。また、図28(E)は、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移した場合の表示態様である。
残り期間表示部1711に表示される数字は、上述したように、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間(本実施形態においては、特別図柄表示装置471,472の、変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの残りの作動回数)が記憶された残り期間カウンタに記憶された内容に対応する数値を示すものである。よって、図28(A)〜(D)の各図は、この順で、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなっている場合を示す。
本実施形態のパチンコ機100においては、複数の文字から構成される遊技状態情報の認識性(より詳細には、遊技状態情報の内容に対する認識性)が、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が長いほど悪く、当該残り期間が短くなるにつれて向上する点を第1の特徴とする。
具体的に、図28(A)〜(C)に示すように、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間がある程度残っている状況においては、遷移後遊技状態表示部1712における遊技状態情報の表示領域1714内に重ねて表示された画像1713が遊技状態情報の内容に対する認識性を阻害する。
図28に示す例においては、遊技状態情報は、複数の文字から構成される文字列「PERFECT RUSH」である(図28(E)参照)。図28(A)に示すように、残り期間表示部1711に「100」が表示される状況においては、文字列「PERFECT RUSH」を構成する全ての文字に画像1713が重なっており、これら各文字は認識困難または認識不能な状態となっている。また、図28(A)に示す状況においては、遊技状態情報を構成する文字に重なる画像1713によって、遊技状態情報を構成する文字列が何文字から構成されるかすらも認識不能または認識困難である。
図28(A)〜(D)に示すように、表示領域1714に重なる画像1713の量は、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれ段階的に減少する。なお、画像1713の表示制御は、副制御基板940により制御される。
よって、文字列「PERFECT RUSH」を構成する全文字における、画像1713が重ならない、または、画像1713の重なりが少なく認識可能となる文字の割合は、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて次第に増加する。
特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づく変動表示の実行中、つまり、残り期間表示部1711に「0」が表示された状況においても、文字列「PERFECT RUSH」を構成する文字の一部が画像1713によって視認困難または視認不能とされているが(図28(D)参照)、当該最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合(すなわち、特別図柄抽選においてハズレとされた場合)には、変動表示の終了後、図28(E)に示すように、表示領域1714A内に画像1713が表示されない状態となって、文字列「PERFECT RUSH」を構成する全文字が認識可能な状態となる。
このように、本実施形態のパチンコ機100においては、遊技状態情報の内容に対する認識性が特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて次第に向上し、最終的には、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が終了して内部遊技状態が非時短状態に遷移した状況において遊技状態情報の内容を遊技者が完全に認識できる状態となるよう構成される。遊技者は、遷移後遊技状態表示部1712における遊技状態情報が完全に視認できるようになったことで、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移したことを認識できる。
なお、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づく変動表示が終了した場合に、遊技者に所定の入力操作(例えば、押圧操作装置261)を促す表示を装飾図柄表示装置479などに表示する構成とし、当該構成において、遊技者が当該入力操作を行った場合に、表示領域1714に表示されていた画像1713を非表示とし、文字列「PERFECT RUSH」を構成する全文字を認識可能な状態にする(すなわち、図28(D)の状態から図28(E)の状態に移行する)構成としてもよい。
このように、遷移後遊技状態表示部1712が図28(E)の状態に移行する前に、遊技者に所定の入力操作を行わせることで、遊技者は、遊技状態情報である文字列「PERFECT RUSH」を構成する少なくとも一部の文字が認識困難または認識不能な状態から、それら全文字が認識可能な状態となる変化を見逃し難く、それによって、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移したことを遊技者に好適に認識させ得る。これにより、確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移可能な遊技を遊技者に堪能させることができる。
次に、図29を参照して、本実施形態のパチンコ機100における第2の特徴について説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、残り期間表示部1711に表示される数字が所定の値に達する毎に、遷移後遊技状態表示部1712が段階的に大きくなるよう構成される。例えば、残り期間表示部1711に表示される数字が、「50」、「10」、「9」、「8」、「7」、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、および「0」となる場合に、遷移後遊技状態表示部1712の大きさがそれ以前の大きさに比べて大きくなるよう構成される。
かかる構成において、遷移後遊技状態表示部1712の大きさが変化する場合に、変化後の大きさより大きい遷移後遊技状態表示部1712(以下、かかる遷移後遊技状態表示部1712を遷移後遊技状態表示部1712Aとも称す)を一時的に表示した後に、変化後の大きさの遷移後遊技状態表示部1712を表示する点を第2の特徴とする。
例えば、残り期間表示部1711に表示される数字が「11」から「10」にしたことで、遷移後遊技状態表示部1712の大きさが図29(A)および図29(C)に示すように一段階大きく変化する場合には、変化後の大きさ(図29(C)に示す大きさ)の遷移後遊技状態表示部1712が表示される前に、図29(B)に示すような、変化後の大きさより大きい遷移後遊技状態表示部1712Aが一時的に表示されるよう構成される。
次に、図29および図30を参照して、本実施形態のパチンコ機100における第3の特徴について説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、残り期間表示部1711についても、遷移後遊技状態表示部1712と同様に、残り期間表示部1711に表示される数字が所定の値に達する毎に、残り期間表示部1711が段階的に大きくなるよう構成されるとともに、残り期間表示部1711の大きさが変化する場合には、変化後の大きさより大きい残り期間表示部1711(以下、かかる残り期間表示部1711を残り期間表示部1711Aとも称す)を一時的に表示した後に、変化後の大きさの残り期間表示部1711が表示されよう構成される。
かかる構成において、特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの期間内に、残り期間表示部1711だけが一時的に拡大される時期と、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が同期して一時的に拡大される時期とが設けられている点を第3の特徴とする。
例えば、遷移後遊技状態表示部1712が段階的に大きくなる時期を、上述のように、残り期間表示部1711に表示される数字が、「50」、「10」、「9」、「8」、「7」、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、および「0」となる時期に設定する一方で、残り期間表示部1711が段階的に大きくなる時期を、残り期間表示部1711に表示される数字が二桁以上の場合には一の位がゼロになる場合(すなわち、…90,80,70,…,20,10)と、残り期間表示部1711に表示される数字が一桁の場合には1減少する毎(すなわち、9,8,…,3,2,1,0)となる時期に設定する。
これにより、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712がともに一段階大きくなる時期、例えば、残り期間表示部1711に表示される数字が「11」から「10」に変化する時期には、図29(A)〜図29(C)に示すように、変化後の大きさより大きい残り期間表示部1711Aおよび遷移後遊技状態表示部1712Aが同期して一時的に表示された後に、変化後の大きさ(図29(C)に示す大きさ)の期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712が表示される。
これに対し、残り期間表示部1711のみが一段階大きくなる時期、例えば、残り期間表示部1711に表示される数字が「61」から「60」に変化する時期には、図30(A)〜図30(C)に示すように、残り期間表示部1711だけが、変化後の大きさより大きい残り期間表示部1711Aが表示された後に、変化後の大きさ(図30(C)に示す大きさ)で表示される。かかる場合、遷移後遊技状態表示部1712は、残り期間表示部1711に表示される数字の変化に伴って単に一段階大きく表示されるだけである。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100における上記第1の特徴によれば、文字列「PERFECT RUSH」のように複数の文字から構成される遷移後遊技状態表示部1712の遊技状態情報は、遷移後遊技状態表示部1712が表示される所定の初期状態(すなわち、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が最大である状態)において全ての文字が認識不能または認識困難となるように表示され、その後、最終的に遊技状態情報を構成する全ての文字が認識可能となるよう、当該残り期間が短くになるにつれて認識不能または認識困難であった文字の認識性が高められる。
よって、確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態である場合(高確率状態かつ時短状態である場合)においては、遷移後遊技状態表示部1712の遊技状態情報を構成する文字列(文字情報)の全体像が、変動時間短縮機能の終了条件の1つである特別図柄表示装置471,472の作動回数に対する残り期間(すなわち、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間)が少なくなるにつれて完成に近づいていくので、遊技状態情報の認識性(より詳細には、遊技状態情報の内容に対する認識性)が次第に高まるにつれて、遊技者に、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間の終了、すなわち、内部遊技状態が非時短状態に遷移する時期の到来に対する期待を高めさせることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100における上記第2の特徴によれば、遷移後遊技状態表示部1712の大きさを段階的に大きくする場合に、変化後の遷移後遊技状態表示部1712が、当該変化後の遷移後遊技状態表示部1712より大きい遷移後遊技状態表示部1712Aを一時的に表示させた後に表示される。
よって、変化後の遷移後遊技状態表示部1712(例えば、図29(C))が表示される前に、遷移後遊技状態表示部1712A(例えば、図29(B))を一時的に表示することで、変化後の遷移後遊技状態表示部1712が、変化前の遷移後遊技状態表示部1712(例えば、図29(A))に対して大きくされていることを遊技者に認識させ難くすることができる。これにより、遷移後遊技状態表示部1712の大きさを段階的に大きくされる過程において、ある時期に、遷移後遊技状態表示部1712がいつの間にか大きくなっているかのように遊技者に感じさせることができるので、確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移することに対する遊技者の意識の仕方に緩急を付けることができ、それによって、内部遊技状態が非時短状態に遷移することに対する遊技者の期待を好適に増大させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100における上記第3の特徴によれば、変動時間短縮機能の終了条件の1つである特別図柄表示装置471,472の作動回数が当該終了条件に達するまでの期間内に、残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712が段階的に大きくなる時期が複数設けられており、当該複数の時期のうち一部の時期においては、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が、変化後の大きさで表示される前に一時的に拡大表示される(すなわち、残り期間表示部1711Aおよび遷移後遊技状態表示部1712Aが表示される)一方で、その他の時期においては、残り期間表示部1711だけが、変化後の大きさで表示される前に一時的に拡大して表示される。
よって、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間の終了、すなわち、内部遊技状態が非時短状態に遷移する時期の到来が次第に近づく過程において、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が一時的に拡大されたり、残り期間表示部1711だけが一時的に拡大されたりするので、遊技者が当該過程において単調さを感じることを抑制でき、それにより、内部遊技状態が非時短状態に遷移することに対する遊技者の期待を好適に増大させることができる。
このとき、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が一時的に拡大される時期の間隔を、変動時間短縮機能の終了条件が成立するまでの残り期間(例えば、特別図柄表示装置471,472の作動回数に対する残り期間)が短くなるほど短くすることで、内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移する時期が近づくにつれて、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が一時的に拡大される頻度が高まるので、当該頻度の高まりによって内部遊技状態が非時短状態に遷移する時期を遊技者に示唆することができる。かかる点においても、内部遊技状態が非時短状態に遷移することに対する遊技者の期待を好適に増大させることができる。
<第7実施形態>
次に、図31を参照して、第7実施形態について説明する。第7実施形態のパチンコ機100は、第4実施形態のパチンコ機100と同様、確変遊技状態への移行後に、確率変動機能の終了条件が成立せず、かつ、変動時間短縮機能の終了条件として設定された所定の終了条件が成立した場合に、高確率状態を保ったままその内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移するよう構成されるともに、小当りによる遊技性として、確変遊技状態において、内部遊技状態が時短状態である場合には獲得球数の増加が抑制され(または、獲得球数が次第に減少し)、非時短状態である場合には獲得球数が次第に増加するよう構成される。
かかる構成を備えた第7実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動条件が成立した場合に、当該特別図柄の始動条件に基づく特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の抽選結果に応じて残り期間表示部1711の表示態様を変化させる機能を備えている。以下の説明において、上述した第1実施形態から第6実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第7実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第6実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第6実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図31は、第7実施形態のパチンコ機100の特徴を説明するための画面図である。より詳細には、特別遊技状態後に発生した高確率状態かつ時短状態の遊技状態における装飾図柄表示装置479の表示内容の一例を示す画面図である。
本実施形態のパチンコ機100においては、遊技状態が高確率状態かつ時短状態である場合に、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合(すなわち、特別図柄抽選においてハズレとされた場合)、図31(A)に示すように、当該残り期間における最後の単位遊技であることを示す数字(すなわち、「0」)が表示された残り期間表示部1711が、遷移後遊技状態表示部1712とともに、当該最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づいて特別図柄表示装置471,472において実行される図柄の変動表示の開始に同期して装飾図柄表示装置479に表示される。
当該残り期間における最後の単位遊技が終了すると、遷移後遊技状態表示部1712における遊技状態情報(文字列「PERFECT RUSH」)の文字に重ねて表示されていた画像1713が非表示となり、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移した後の図柄の変動表示においては、図31(B)に示すように、遊技状態情報を構成する全文字が認識可能な状態となる。
一方、遊技状態が高確率状態かつ時短状態である場合に、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄抽選において大当りに当選した場合、図31(C)に示すように、残り期間表示部1711は表示されず、遷移後遊技状態表示部1712のみが、当該最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づいて特別図柄表示装置471,472において実行される図柄の変動表示の開始に同期して表示される。
また、図31(C)に示すように、かかる場合における遷移後遊技状態表示部1712は、当該最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づく特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合における遷移後遊技状態表示部1712と同様に、遊技状態情報を構成する文字の一部が画像1713によって視認困難または視認不能とされている。よって、図31(C)に示す状況において図柄の変動表示が行われている場合、遊技者は、現在の遊技状態が、確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態である(すなわち、非時短状態に遷移していない)ことを認識できる。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態である場合(高確率状態かつ時短状態である遊技状態)において、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づく単位遊技の終了後(すなわち、確定表示の表示後)に確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移する場合には、「0」が表示された残り期間表示部1711が表示される。
よって、かかる場合、遊技者は、残り期間表示部1711に表示された「0」という数字、すなわち、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間がなくなった所定のゼロ状態に対応して表示される情報(以下、当該情報を「ゼロ情報」とも称す)を視認することで、当該ゼロ情報の表示中に実行される図柄の変動表示(すなわち、最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づく図柄の変動表示)が、確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態である場合における最後の変動表示であることを認識できるので、当該変動表示の終了後に内部遊技状態が非時短状態に遷移することを期待しながら遊技を続けることができる。
その一方で、確変遊技状態の内部遊技状態が時短状態である場合において、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づく単位遊技の終了後に確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移しない場合には、「0」が表示された残り期間表示部1711は表示されない。
よって、かかる場合、遊技者は、残り期間表示部1711に表示された「0」という数字、すなわち、ゼロ情報を視認できないので、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間がなくなったこと(すなわち、特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達したこと)を認識し難い。そのため、ゼロ情報が表示された場合(すなわち、図31(A)に示す状況)のように時短状態から非時短状態への遷移に対する期待を遊技者に抱かせ難くすることができるので、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる図柄の変動表示の実行後に内部遊技状態が非時短状態に遷移すると遊技者が誤解することを抑制できる。
これにより、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる図柄の変動表示の終了後に遊技者が誤解によって期待した状況と異なる遊技状態が発生し、それを元に遊技者が遊技を面白くないと感じることを抑制できる。よって、内部遊技状態が時短状態から非時短状態に遷移し得る確変遊技状態において、遊技者が非時短状態への遷移を期待する遊技性の向上をより好適に実現できる。
<第8実施形態>
次に、図32から図35を参照して、第8実施形態について説明する。第8実施形態のパチンコ機100は、一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を検出可能な構成において、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーを表示する状態表示部2591を流用して当該検出に基づく結果を表示可能に構成される。
また、第8実施形態のパチンコ機100においては、第2実施形態のパチンコ機100と同様、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)を設定するための設定変更機能を備えたパチンコ機として構成され、3種類の各タイプ(トップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプ)において最低の初当り確率(すなわち、第1段確率)が設定されている場合に設定示唆情報が出力可能となるよう構成される。
以下の説明において、上述した第1実施形態から第7実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第8実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第7実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第7実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図32は、第8実施形態のパチンコ機100の背面図であり、図33は、第8実施形態のパチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。図32に示すように、本実施形態のパチンコ機100の背面側には、報知部2491が設けられている。報知部2491は、発光ダイオード(LED)などの発光体を備えており、当該発光体の発光によって所定の報知を行う。本実施形態においては、報知部2491は、一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411が不適切な状態(以下、この状態を「ベースエラー」とも称す)であると判定された場合に発光する。
なお、報知部2491は、発光体に代えて、または、発光体に加えて、文字等を表示可能な表示装置や音を出力可能な出力装置などを備えるものであってもよく、表示装置による表示や出力装置からの出力音などを用いて報知を行う構成であってもよい。
報知部2491は、図33に示すように、主制御基板920の一部として設けられ、主制御基板920の制御によって出力が制御される。報知部2491は、主制御基板920を収容する透光性を有する基板ケース371(図4参照)の内側に位置し、基板ケース371を介して視認することができる。なお、報知部2491は、主制御基板920に電気的に接続される別部品として設けてもよく、基板ケース371の外側に位置するように設けてもよい。
また、本実施形態のパチンコ機100の背面側には、図32に示すように、状態表示部2591が設けられている。状態表示部2591は、7セグメント表示器により構成され、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーが検出された場合に当該エラーに対応する表示を表示する。なお、状態表示部2591は、7セグメント表示器であることに限らず、液晶表示装置など、文字等を表示可能な他の表示装置であってもよい。
状態表示部2591は、図33に示すように、払出制御基板930に接続され、払出制御基板930によって表示制御される。状態表示部2591は、払出制御基板930を収容する透光性を有する基板ケースの内側に位置し、当該基板ケースを介して視認することができる。
状態表示部2591によるエラーの表示対象として設定されるエラー(パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラー)としては、例えば、ケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態や、貯留部241に過剰に遊技球が貯留されている球溢れ状態や、払出モータ542の球詰まり等によって生じる払出エラーや、前ブロック102または中間ブロック103がそれぞれ中間ブロック103または後ブロック104に対して開放された状態や、ハーネスの破損等によるコマンド不良(コマンド異常)や、カードユニット(図示せず)の通信不良などがある。
状態表示部2591は、例えば、球切れ状態が検出された場合に「1」を表示し、球溢れ状態が検出された場合に「2」を表示し、払出エラーが検出された場合に「3」を表示し、前ブロック102または中間ブロック103の開放状態が検出された場合に「4」を表示し、コマンド異常が検出された場合に「C」を表示し、カードユニットの通信不良が検出された場合に「U」を表示する。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100においては、ベースエラーが検出されて報知部2491による報知(本実施形態においては、報知部2491の点灯)が行われた場合に、初期化スイッチ907を操作(押下)すると、ベースエラーに関する情報(本実施形態においては、ベースエラー判定の結果)が状態表示部2591に表示されるよう構成される。
パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーが発生したことで状態表示部2591に表示された当該エラーに対応する表示は、当該エラーを解消することで消去される。また、初期化スイッチ907の操作によって状態表示部2591に表示されたベースエラーに関する情報は、当該操作が行われている間に亘って表示され、当該操作が終了された場合に消去される。
状態表示部2591の右側には、状態復帰スイッチ2592が設けられている。状態復帰スイッチ2592は、図33に示すように、払出制御基板930に接続される。状態復帰スイッチ2592は、例えば、払出エラーが検出された場合に当該払出エラーを解除する(正常状態に復帰させる)ためのスイッチとして機能する。また、状態復帰スイッチ2592は、報知部2491による報知が行われた場合に当該報知を終了させるためのスイッチとしても機能する。なお、状態復帰スイッチ2592を、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーを解消した後に操作することで状態表示部2591に表示される当該エラーに対応する表示を消去するスイッチとして機能させる構成としてもよい。
図33に示すように、主制御基板920には、ベースデータ記憶部2492が設けられている。より詳細には、ベースデータ記憶部2492は、主制御基板920のRAMにおける所定領域に設けられている。ベースデータ記憶部2492には、遊技領域内に発射された遊技球数(発射球数)が所定数(例えば、50000球)に達するまでの期間に一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)に進入した遊技球数(以下、当該遊技球数を「ベースデータ」とも称す)が記憶される。
なお、ベースデータ記憶部2492が設けられるRAMは、電源部901からバックアップ電圧が供給されているので、電源部901からの駆動用電圧および制御用電圧の電力の供給が停止された場合においても、一般入賞数カウンタの記憶内容は保持される。つまり、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去しない限り、パチンコ機100が停電状態である場合においても、ベースデータ記憶部2492の記憶内容は保持される。なお、所定のスイッチは、必ずしも設ける必要はなく、ベースデータ記憶部2492の記憶内容は、遊技場の従業員などによる外部からの操作では消去できない構成としてもよい。また、主制御基板920の遊技の制御についての情報を初期化する操作が初期化スイッチ907によって行われて遊技に関する情報が初期化されても、ベースデータ記憶部2492の情報の記憶は保持される構成としてもよい。
本実施形態のパチンコ機100において、ベースデータ記憶部2492は、最後に計測されたベースデータ(以下、「今回ベースデータ」とも称す)と、今回ベースデータの1回前に計測されたベースデータ(以下、「前回ベースデータ」とも称す)と、前回ベースデータの1回前に計測されたベースデータ(以下、「前々回ベースデータ」とも称す)とを記憶可能に構成される。つまり、ベースデータ記憶部2492は、最新の連続する3回分のベースデータを記憶可能に構成される。また、ベースデータ記憶部2492は、これら3回分のベースデータの各々に対するベースエラー判定(図34のS1704参照)の結果を各ベースデータに対応付けて記憶可能に構成される。
次に、本実施形態のパチンコ機100において主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。本実施形態のパチンコ機100の主制御基板920においては、第2実施形態のパチンコ機100と同様のメイン処理(図17参照)と、タイマ割込み処理(図18参照)とが実行される。
図34は、本実施形態のタイマ割込み処理(主制御割込み処理)において実行される釘状態関連処理S1222の一例を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機100において実行される釘状態関連処理S1222は、第1実施形態のパチンコ機100において実行される釘状態関連処理S1222(図13参照)と同様、一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を検出し、当該検出に基づく結果を表示出力する処理である。
以下においては、本実施形態の釘状態関連処理S1222において実行される各処理のうち、第1実施形態の釘状態関連処理S1222と相違する部分について主に説明する。本実施形態の釘状態関連処理S1222においては、釘411の状態の検出に係る各処理S1401〜S1405、および、当該検出に基づく釘状態レベルの表示に係る各処理S1501〜S1504に加え、ベースエラーの判定に係る各処理S1701〜S1706と、ベースエラーの出力に係る各処理S1721〜S1727とを含んで構成される。
ベースエラーの検出に係る各処理S1701〜S1706は、S1401〜S1405の後であってS1501〜S1504の前に実行される。具体的に、図34に示すように、判定処理S1404において発射球を検知していないと判定した場合(S1404:N)、または、S1405の後に、判定処理S1701を実行する。
判定処理S1701は、ベースエラーの判定に用いるための発射球数を計数する発射球数カウンタ(以下、「第2発射球数カウンタ」とも称す)が所定数(例えば、50000)に達したか否かを判定する処理である。判定処理S1701において、第2発射球数カウンタが所定数に達していない判定した場合(S1701:N)、後述するS1702〜S1706の処理は実行せずに、S1501の処理を実行する。
一方、判定処理S1701において、第2発射球数カウンタが所定数に達したと判定した場合(S1701:Y)、ベースエラーの判定に用いるための一般入賞数を計数する一般入賞数カウンタ(以下、「第2一般入賞数カウンタ」とも称す)の値をベースデータ記憶部2492における所定領域にベースデータとして記憶する(S1702)
なお、「第2発射数カウンタ」は、主制御基板920のRAM(電源部901からバックアップ電圧が供給されるRAM)における所定領域に設けられたカウンタであり、判定処理S1404において発射球を検知したと判定した場合にS1405において更新される。つまり、第2発射数カウンタは、第1実施形態において釘状態レベルの算出に用いた発射球数カウンタとは別の独立した発射数カウンタであり、第1実施形態の発射数カウンタと同様、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間中に遊技領域内に発射された遊技球数を計数するカウンタである。
「第2一般入賞数カウンタ」は、主制御基板920のRAM(電源部901からバックアップ電圧が供給されるRAM)における所定領域に設けられたカウンタであり、判定処理S1402において一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)への遊技球の進入を検知したと判定した場合にS1403において更新される。つまり、第2一般入賞数カウンタは、第1実施形態において釘状態レベルの算出に用いた一般入賞数カウンタとは別の独立した一般入賞数カウンタであり、第1実施形態の一般入賞数カウンタと同様、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間中に一般入賞装置に入賞した遊技球数を計数するカウンタである。
本実施形態のパチンコ機100において、ベースデータ記憶部2492は、今回ベースデータを記憶する領域(以下、「今回ベースデータ記憶領域」とも称す)と、前回ベースデータを記憶する領域(以下、「前回ベースデータ記憶領域」とも称す)と、前々回ベースデータを記憶する領域(以下、「前々回ベースデータ記憶領域」とも称す)とを有する構成とされる。
S1702においては、今回ベースデータ記憶領域および前回ベースデータ記憶領域に記憶されている各ベースデータと各データベースに対応付けられているベースエラー判定の結果とを、それぞれ、前回ベースデータ記憶領域および前々回ベースデータ記憶領域に上書きによってシフトさせた後に、第2一般入賞数カウンタの値を今回ベースデータ記憶領域に上書きにより記憶する。これにより、ベースデータ記憶部2492には、遊技領域内に所定数(例えば、50000球)の遊技球が発射される毎の一般入賞装置への入賞数が、ベースデータとして、最新から連続する3回分、計測順(ベースデータ記憶部2492への記憶順)を識別可能に記憶される。
なお、ベースデータ記憶部2492に記憶される3回分のベースデータに対し、ベースデータ記憶部2492への記憶順を識別可能な情報を付加することで、ベースデータ記憶部2492に記憶される各ベースデータが、今回ベースデータであるか、前回ベースデータであるか、前々回ベースデータであるかを識別可能にする構成としてもよい。
S1702の後、第2一般入賞数カウンタおよび第2発射球数カウンタをそれぞれリセットする(S1703)。S1703の後、今回ベースデータに対するベースエラー判定を行う(S1704)。
具体的に、S1704においては、今回ベースデータが、一般入賞装置の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411を適切な状態とする下限の第1閾値(例えば、発射球数が50000球である場合の500球)より小さい値である場合には第1ベースエラーと判定し、当該釘411を適切な状態とする上限の第2閾値(例えば、発射球数が50000球である場合の5000球)より大きい値である場合には第2ベースエラーと判定する。一方、今回ベースデータが第1閾値と第2閾値との間の値である場合にはベースエラーなしと判定する。S1704によるベースエラー判定の結果は、今回ベースデータに対応付けて今回ベースデータ記憶領域に記憶する。
今回ベースデータに対し、ベースエラー(第1ベースエラーまたは第2ベースエラー)があると判定した場合(S1705:Y)、報知部2491を点灯して報知し(S1706)、S1501の処理を実行する。一方、今回ベースデータに対し、ベースエラーがないと判定した場合(S1705:N)、S1706の処理は実行せずに、S1501の処理を実行する。
また、図34に示すように、判定処理S1401において計数期間中でないと判定した場合(S1401:N)、または、S1501において前ブロック102が開放状態でないと判定した場合(S1501:N)、または、S1504の後に、判定処理S1721を実行する。判定処理S1721は、報知部2491が点灯しているかを判定する処理である。
判定処理S1721において、報知部2491が点灯していると判定した場合(S1721:Y)、初期化スイッチ907が操作された(押下された)か否かを判定する判定処理S1722を行う。初期化スイッチ907の操作に基づく信号を主制御基板920が受信した場合、判定処理S1722において、初期化スイッチ907が操作されたと判定する。判定処理S1722において、初期化スイッチ907が操作されたと判定した場合には(S1722:Y)、ベースエラー判定の結果を状態表示部2591に表示する(S1723)。
なお、報知部2491の点灯中に、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーに対応する表示が状態表示部2591に表示されている状態で初期化スイッチ907が操作された場合には、当該エラーに対応する表示に代えて、ベースエラー判定の結果を状態表示部2591に表示する。
状態表示部2591は、ベースエラー判定の結果が第1ベースエラーである場合には「L」を表示し、ベースエラー判定の結果が第2ベースエラーである場合には「H」を表示し、ベースエラー判定の結果がベースエラーなしである場合には「A」を表示する。
本実施形態のパチンコ機100においては、初期化スイッチ907の操作が継続される間(すなわち、初期化スイッチ907が押下されている間)に亘り、各ベースデータに対するベースエラー判定の結果が状態表示部2591に順次表示されるよう構成される。
具体的に、初期化スイッチ907が操作されると、まず、今回ベースデータに対するベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示され、その後は当該操作が継続される間、前回ベースデータ→前々回ベースデータ→今回ベースデータ→前回ベースデータ→・・・の順序で、各ベースデータに対するベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示される。
初期化スイッチ907の操作が終了したと判定した場合には(S1724:N)、状態表示部2591に表示されているベースエラー判定の結果を非表示にする(S1725)。なお、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーに対応する表示を表示すべき状況である場合には、ベースエラー判定の結果が非表示にされたことに伴い、当該エラーに対応する表示を状態表示部2591に表示する。
状態表示部2591に表示されているベースエラー判定の結果が非表示とされた後、状態復帰スイッチ2592が操作された(押下された)と判定した場合には(S1726:Y)、報知部2491を消灯し(S1727)、主制御割込み処理に復帰(リターン)する。なお、ベースエラー判定の結果が非表示とされた場合(すなわち、初期化スイッチ907の操作が終了した場合)や、ベースエラー判定の結果が非表示とされてから所定時間(例えば、5秒)経過した場合や、S1722において初期化スイッチ907が操作された場合に、状態復帰スイッチ2592を操作することなく報知部2491を消灯する構成であってもよい。
一方、判定処理S1721において報知部2491が点灯中でないと判定した場合(S1721:N)、または、判定処理S1722において初期化スイッチ907が操作されていないと判定された場合(S1722:N)には、S1723〜S1727の処理は実行せずに、主制御割込み処理に復帰する。
図35は、本実施形態のタイマ割込み処理(主制御割込み処理)において実行される設定示唆情報関連処理S2021の一例を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機100において実行される設定示唆情報関連処理S2021は、第2実施形態のパチンコ機100において実行される設定示唆情報関連処理S2021(図19参照)と同様、設定示唆情報の出力条件として設定されている条件が成立した場合に、設定示唆情報を出力する処理である。
以下においては、本実施形態の設定示唆情報関連処理S2021において実行される各処理のうち、第2実施形態の設定示唆情報関連処理S2021と相違する部分について主に説明する。本実施形態の設定示唆情報関連処理S2021は、設定示唆情報の出力条件が成立するか否かの判定処理として判定処理S1801〜S1804を含む。
判定処理S1801は、現在設定されている遊技態様(すなわち、その時点において主制御基板920のRAMに格納されている設定対応情報)が、初当り確率が最低の遊技態様であるか否かを判定する処理である。
本実施形態のパチンコ機100においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプについて、初当り確率がタイプ内で最低(すなわち、第1段確率)である場合に、判定処理S1801において、初当り確率が最低の遊技態様であると判定する。つまり、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作によって、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおける第1段確率の遊技態様が設定された場合に、判定処理S1801において、初当り確率が最低の遊技態様であると判定する。
初当り確率が最低の遊技態様であると判定した場合に(S1801:Y)、設定示唆情報の出力条件が成立するか否かの判定処理(判定処理S1802〜S1804)を行う。なお、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプは、どのタイプにおいても確率設定状態の段階が同一であれば遊技者にとっての利益率は実質的に同一に設定されているので、本実施形態の設定示唆情報関連処理S2021においては、遊技者にとって最も不利な確率が設定されている場合に、設定示唆情報の出力条件が成立するか否かの判定処理(判定処理S1802〜S1804)が実行される。
判定処理S1802〜S1804のいずれかにおいて設定示唆情報の出力条件が成立すると判定した場合に、設定示唆情報の出力を実行する(S1606)。一方、初当り確率が最低確率の遊技態様でないと判定した場合には(S1801:N)、S1802〜S1804の処理は実行せずに、主制御割込み処理に復帰(リターン)する。
判定処理S1802〜S1804について具体的に説明する。判定処理1802は、客待ち演出の表示状況について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する処理である。具体的に、客待ち演出が表示中である場合に、判定処理S1802において、客待ち演出の表示状況について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。なお、「客待ち演出」とは、パチンコ機100が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に装飾図柄表示装置479等に表示される、タイトル表示やデモ表示など遊技状態とは無関係の演出表示である。客待ち演出の表示状況について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定した場合(S1802:Y)、設定示唆情報の出力を実行する(S1606)。
判定処理S1803は、所定の操作について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する処理である。本実施形態のパチンコ機100においては、設定示唆情報の出力条件を成立させるための専用の操作装置(図示せず)が設けられており、当該操作装置が操作された場合に、判定処理S1803において、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。なお、設定示唆情報の出力条件を成立させるための専用の操作装置は、副制御基板940に接続され、操作装置が操作された場合には、当該操作に対応する操作情報が当該操作装置から副制御基板940に入力される。
所定の操作(本実施形態においては設定示唆情報の出力条件を成立させるための専用の操作装置に対する操作)について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定した場合(S1803;Y)、設定示唆情報の出力を実行する(S1606)。
なお、設定示唆情報の出力条件を成立させるための所定の操作としては、設定示唆情報の出力条件を成立させるための専用の操作装置に代えて、または、当該専用の操作装置に加えて、当該専用の装置に対する操作と同様に遊技者が行い得る操作、例えば、押圧操作装置261などの操作装置に対する操作や、発射ハンドル252に対する操作などであってもよい。例えば、押圧操作装置261または設定示唆情報の出力条件を成立させるための専用の操作装置が操作された場合、あるいは、発射ハンドル252に対する操作が前回から所定時間(例えば、30分)だけ経過した後に行われた場合に、判定処理S1803において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成であってもよい。
また、前ブロック102の開閉操作(すなわち、前ブロック102を中間ブロック103に対して開放した後、再度閉鎖する操作)や、中間ブロック103の開閉操作(すなわち、中間ブロック103を後ブロック104に対して開放した後、再度閉鎖する操作)や、外枠101に対する前ブロック102および中間ブロック103の開閉操作(すなわち、外枠101に対して前ブロック102および中間ブロック103を一体的に開放した後、再度閉鎖する操作)など、遊技者以外の特定の者(例えば、遊技場の従業員)が行い得る操作が、設定示唆情報の出力条件を成立させるための所定の操作として少なくとも含まれる構成であってもよい。例えば、遊技場の従業員等が前ブロック102を開放して何らかの作業(例えば、遊技盤の清掃や、球詰まりを解消するための作業など)を行った後に前ブロック102を閉鎖した場合や、遊技場の従業員等が外枠101に対して前ブロック102および中間ブロック103を一体的に開放して何らかの作業(例えば、初期化スイッチ907の操作など)を行った後に、判定処理S1803において、所定の操作について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定し、設定示唆情報が出力される構成としてもよい。
判定処理S1804は、遊技を行ったことで成立する設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する処理である。本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動入賞が所定回数(例えば、100回)発生した場合に設定示唆情報の出力条件が成立するとする。よって、特別図柄の始動入賞が所定回数発生した場合に、判定処理S1804において、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。
なお、特別図柄の始動入賞が所定回数発生した場合に加えて、または、特別図柄の始動入賞が所定回数発生した場合に代えて、発射ハンドル252に対する接触が所定時間(例えば、1時間)に亘り連続して検出された場合や、発射装置330から遊技球が所定個数(例えば、5000個)発射された場合など、特別図柄の始動入賞が所定回数発生した場合と同様の、特別図柄抽選などの各種抽選の当選確率にかかわらず遊技者が達成可能な事象が成立した場合に、判定処理S1804において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成であってもよい。
あるいは、上述の、特別図柄抽選などの各種抽選の当選確率にかかわらず遊技者が達成可能な事象が成立した場合に加えて、または、当該場合に代えて、特別図柄の始動入賞が所定回数発生した場合に加えて、または、特別図柄の始動入賞が所定回数発生した場合に代えて、特別遊技状態が所定回数(例えば、20回)発生した場合や、確変遊技状態または時短遊技状態が所定回数(例えば、10回)連続した場合や、高確率状態かつ非時短状態である遊技状態が所定回数(例えば、100回)連続した場合に、判定処理S1804において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成であってもよい。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、第1ベースエラーまたは第2ベースエラーがあると判定された(ベースエラーが検出された)場合には、遊技場側の関係者(例えば、遊技場の従業員)や外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)などが初期化スイッチ907を操作することで、ベースデータ記憶部2492に記憶されるベースデータに対して行われたベースエラー判定の結果に対応する表示を表示させることができる。
特に、本実施形態のパチンコ機100においては、初期化スイッチ907が押下されている間に亘って、ベースデータ記憶部2492に記憶される3回分のベースデータ(すなわち、最新から連続する3回分のベースデータ)の各々に対するベースエラー判定の結果が状態表示部2591に順次表示されるよう構成されるので、遊技場の従業員や遊技機の検査機関の構成員などは、最新から連続する3回分のベースデータの各々に対するベースエラー判定の結果の履歴を把握することができる。
よって、最新のベースデータ(すなわち、今回ベースデータ)に対するベースエラー判定の結果だけでなく、前回ベースデータおよび前々回ベースデータに対するベースエラー判定の結果を参照することで、今回ベースデータに対して検出されたベースエラーが、球詰まりの発生などが原因となって生じた一時的なものであるか、一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態によって生じたベースエラーであるかを好適に判断できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーが生じた場合に遊技者による操作を必要とすることなく当該エラーを表示する状態表示部2591を、ベースエラー判定の結果の出力先として流用する構成とされるので、ベースエラー判定の結果を出力するための専用の表示部を設ける必要がなく、ベースエラー判定の結果を出力するために要するコストを抑制できる。
また、一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態は、基本的に、パチンコ機100が設計値に従う性能となるよう適切な状態とされているので、ベースエラー判定の結果を表示する機会は基本的に少ない。そのため、ベースエラー判定の結果を出力するための専用の表示部を設けた場合には、使用機会が少ないために当該表示部の故障などを発見しにくく、ベースエラー判定の結果を表示する機会が生じたときに当該表示部が故障などによって当該結果を表示できない可能性がある。これに対し、状態表示部2591は、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーが発生する毎に動作する(表示を行う)ので、状態表示部2591の故障や不具合を動作状況から発見しやすい。よって、当該状態表示部2591をベースエラー判定の結果の出力先として流用することで、ベースエラー判定の結果を表示する機会が生じたときに当該結果を表示できない状況を抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、ベースエラーが検出された場合に報知部2491が点灯(発光)するよう構成されるとともに、報知部2491が点灯されている場合(報知部2491の点灯中)に限って、初期化スイッチ907の操作によってベースエラー判定の結果を状態表示部2591させることが可能に構成される。よって、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーを表示する表示部を兼ねる状態表示部2591において、ベースエラー判定の結果を表示可能な時期を報知部2491が発光している場合(すなわち、ベースエラーが検出された場合)に限定することができるとともに、当該時期を遊技場の従業員や遊技機の検査機関の構成員に認識させることができる。
また、報知部2491は、主制御基板920によって出力制御されるよう構成されるので、報知部2491の出力制御に対する不正が行われにくい。これにより、一般入賞装置2439A,2439B(または、一般入賞装置439A,439B)の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態が不適切であることを隠す不正を抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、3種類の各タイプ(トップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプ)において第1段確率が設定されている場合、すなわち、現在設定されている遊技態様が各タイプにおいて初当り確率が最低の遊技態様である場合に、当該遊技態様に対応する設定示唆情報が表示出力される。トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプは、どのタイプにおいても確率設定状態の段階が同一であれば遊技者にとっての利益率は実質的に同一に設定されているので、本実施形態のパチンコ機100においては、遊技者にとって最も不利な確率が設定されている場合に、設定示唆情報が表示出力される構成である。よって、遊技者は、当該設定示唆情報を視認することで、本パチンコ機100において各タイプの中で最低の初当り確率(すなわち、遊技者にとって最も不利な確率)が設定されていると好適に推測または識別することができる。
これにより、例えば、遊技者は、自身が遊技する遊技機が、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、現在の遊技機で遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測された現在の遊技態様を利用することができるので、遊技態様を複数段階で設定可能な遊技機(パチンコ機100)の遊技性を向上することができる。
また、例えば、始動条件の成立に係る始動口や、特別遊技状態中に進入した場合に所定の特典(例えば、確率遊技状態への移行など)が付与される入賞口(例えば、所謂「V入賞口」と呼ばれる入賞口)への遊技球の進入確率は、パチンコ機100の個体差や取り付け角度など、パチンコ機100の物理的な状態に依存する。そのため、初当り確率が最低の遊技態様に設定されているパチンコ機100であったとしても、当該パチンコ機100の物理的な状態によっては、当該パチンコ機100が遊技者にとって有利な遊技機となっている可能性がある。
よって、本実施形態のパチンコ機100においては、現在設定されている遊技態様が各タイプにおいて初当り確率が最低の遊技態様である場合に当該遊技態様に対応する設定示唆情報を遊技者に示すことによって、パチンコ機100の物理的な状態を考慮しつつ自身が遊技するパチンコ機100を選択するための情報の1つとして当該設定示唆情報を遊技者に利用させることができるので、遊技者によるパチンコ機100を選択するための新たな楽しみを提供することが可能となる。
特に、本実施形態のパチンコ機100においては、客待ち演出が表示中である場合に初当り確率が最低の遊技態様に対応する設定示唆情報が表示される構成であるので、遊技場にやってきた遊技者がパチンコ機100を選択する場合や、遊技中の遊技者が遊技中のパチンコ機100でない他のパチンコ機100を選択する場合に、当該設定示唆情報を選択要素として遊技者に利用させることができる。
例えば、多数の遊技者に遊技を行ってもらいたいような新機種である場合に、初当り確率が最低の遊技態様に対応する設定示唆情報が表示される構成であれば、遊技者としては、長時間の遊技は敬遠し易く、多数の遊技者に新機種による遊技を体験させ易くすることができる。
また、特別図柄の始動入賞が所定回数発生した場合など、特別図柄抽選などの各種抽選の当選確率にかかわらず遊技者が達成可能な事象が成立した場合に、初当り確率が最低の遊技態様に対応する設定示唆情報が表示される構成とすることで、遊技を行う遊技者に対し設定示唆情報を公平に提供することができる。よって、遊技態様を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を全ての遊技者に好適に提供することができる。
また、設定示唆情報の出力条件を成立させるための専用の操作装置に対する操作のような遊技者が行い得る操作が行われた場合に、初当り確率が最低の遊技態様に対応する設定示唆情報が表示される構成とすることで、遊技者の意思で設定示唆情報を確認して、現在の遊技機で遊技を継続するか他の遊技機に移動するのかといった選択を設定示唆情報に基づいて行わせることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、所定の操作について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定した場合に(S1803:Y)、処理S1606において、設定示唆情報を、当該設定示唆情報の出力先とする所定の表示部(例えば、装飾図柄表示装置479)に所定の期間(例えば、30秒間)に限り当該所定の期間に亘って出力する構成としてもよい。これにより、所定の操作が行われた後の一定期間(所定の期間)という局所的な期間において、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率(例えば、10秒あたりに設定示唆情報が表示される時間比率)が高まるので、表示された設定示唆情報を遊技者に認識させやすい。
このとき、遊技者が行い得る操作がされた後の一定期間において、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率が高められる構成である場合には、自身の意思で行った操作の後のことであるので、表示された設定示唆情報を自身の操作に関連付けやすく、かかる点においても、表示された設定示唆情報を遊技者に認識させやすい。また、遊技者以外の特定の者(例えば、遊技場の従業員)が行い得る操作がされた後の一定期間において、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率が高められる構成である場合には、遊技者以外の特定の者による何らかの作業が行われた後における設定示唆情報を遊技者に認識させやすくすることで、遊技者が当該作業に対して不信感を抱くことを抑制できる。
あるいは、パチンコ機100が設定示唆情報を所定の表示部に遊技者による視認か可能性が低い所定の間隔で定期的に(例えば、1時間毎に)表示する構成であった場合に、所定の操作について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定した場合に、所定の期間(例えば、30秒間)に限って表示間隔を短く(例えば、2秒毎に)することで、所定の操作が行われた後の一定期間(所定の期間)という局所的な期間において、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率を高める構成であってもよい。かかる構成においても、所定の操作が行われた後の一定期間に亘って設定示唆情報を表示する場合と同様の効果を奏することができる。
また、設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力する条件として、遊技者が遊技を行っている遊技中又は遊技を停止した遊技停止直後の所定の操作であるか、遊技者が遊技を行う前又は遊技を行っていない状態が一定期間経過した後(例えば、客待ち演出中)での所定の操作であるかを条件の1つとして加えてもよい。例えば、遊技中及び遊技者が遊技球の発射を停止した後であって客待ち演出が開始されるまでの期間(特別図柄や普通図柄の変動表示中を含む)であるか、それとも、客待ち演出が実行されている期間中であるかに応じて、設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力する条件を異ならせてもよい。
すなわち、遊技場の従業員等が前ブロック102を開放して何らかの作業を行うことを設定示唆情報の出力条件の1つとし、この出力条件に対応する所定の操作が、遊技中又は遊技停止直後に行われた場合には、客待ち演出中に比べて高確率で、又は、必ず設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力するようにしてもよい。これにより、遊技者が遊技場の従業員などによって遊技を中断させられた場合の補償の1つとして、設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力することができる。また、遊技を中断させられた時間の長さを設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力する条件の1つとしてもよく、例えば、前ブロック102を開放している時間をカウントし、その時間が一定時間以上に達している場合には、その前までよりも高確率で、又は、必ず設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力するようにしてもよい。
また、遊技中又は遊技を停止した遊技停止直後以外の所定の操作である場合、例えば、客待ち演出中に所定の操作が行われた場合に、当該操作の前より高確率で、又は、必ず設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力するようにしてもよい。これにより、遊技が行われていない遊技機に対して遊技場の従業員が何らかの操作をした場合に、遊技者に設定示唆情報の出力を期待させて興味を抱かせることができ、遊技機の稼働を高め易くすることができる。
また、設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力しないように、又は出力する確率を低下させることを、遊技場の従業員等によって設定可能にしてもよく、例えば、入力操作装置260の一部を押し操作しながら、前ブロック102を閉鎖することで、所定の期間(例えば、当該操作の後の1時間経過まで)設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力しないように、制御してもよい。これにより、遊技場の従業員等によって、設定示唆情報の出力可否の少なくとも一部を設定可能とし、遊技場側における設定の自由度を高めることができる。
また、設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力する条件が成立した場合に、設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力を開始するタイミングとして、遊技者が遊技機の前に存在している状況をカメラやセンサなどの検出装置によって検出した後や、発射ハンドル252に触れて遊技を開始した後などとしてもよい。すなわち、遊技者が設定示唆情報を認識しやすい状況となるまでは情報出力を待機した状態とし、その後に設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力するようにしてもよい。
また、設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力する条件が成立した場合に、一定の態様(例えば、小さい文字)で設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力し、その後に、同一の又は別の出力条件が一定期間内に成立した場合に、その前とは別の態様(例えば、遊技者が視認し易い態様で、その前より大きな文字で表示や、設定を判別し易い表示)で設定示唆情報を遊技者に視認可能に出力してもよい。
<第9実施形態>
次に、図36を参照して、第9実施形態について説明する。第9実施形態のパチンコ機100は、遊技へののめり込みを対策する機能(以下、単に「のめり込み対策機能」とも称す)を備えている。以下の説明において、上述した第1実施形態から第8実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第9実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第8実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第8実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図36は、第9実施形態のパチンコ機100が備えるのめり込み対策機能の一例に係る説明図である。なお、第9実施形態のパチンコ機100においては、第2実施形態のパチンコ機100と同様、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)を設定するための設定変更機能を備えたパチンコ機として構成される。
本実施形態のパチンコ機100においては、遊技へのめり込み対策として、過度な遊技への注意を遊技者に促す注意表示が所定の時期に装飾図柄表示装置479に表示されるよう構成される。具体的に、特別図柄抽選(第1特別図柄または第2特別図柄の大当り抽選)においてハズレ(大当り非当選)が抽選により選択された所定の回数だけ連続した場合に注意表示が表示されるよう構成される。
例えば、図36に示すように、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回未満である場合には、200回から400回までの範囲の中からいずれかの回数を抽選により選択し、当該選択された回数のハズレ変動表示(すなわち、特別図柄抽選においてハズレとされた場合の特別図柄の変動表示)が連続して発生した場合に、最後のハズレ変動表示の終了後に注意表示を装飾図柄表示装置479に表示するよう構成される。
一方、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合には、100回から200回までの範囲の中からいずれかの回数を抽選により選択し、当該選択された回数のハズレ変動表示が連続して発生した場合に、最後のハズレ変動表示の終了後に注意表示を表示するよう構成される。つまり、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合には、当該連続回数が1000回未満である場合に比べて短い間隔で注意表示を表示させることができるよう構成される。
具体的に、本実施形態のパチンコ機100における副制御基板940は、ハズレ連続回数カウンタ(図示せず)を備えている。ハズレ連続回数カウンタは、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数を計数するカウンタである。副制御基板940は、主制御基板920から変動パターンコマンドを受信した場合に、当該変動パターンコマンドが特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において大当りに当選したことを示す場合には、ハズレ連続回数カウンタをリセットし、当該変動パターンコマンドが特別図柄抽選において大当りに当選しなかった(すなわち、ハズレである)ことを示す場合には、ハズレ連続回数カウンタに1を加算する。
なお、変動パターンコマンドは、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に係る単位遊技において装飾図柄表示装置479にて実行する装飾図柄の変動表示の変動パターンに対応するコマンドである。主制御基板920は、タイマ割込み処理(図18参照)のS1217において、特別図柄に係る単位遊技において装飾図柄表示装置479にて実行する装飾図柄の変動表示の変動パターンを、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて選択し、S1219において、当該変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定する。主制御基板920は、S1219において設定された変動パターンコマンドを、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において副制御基板940に出力する。
また、本実施形態のパチンコ機100における副制御基板940は、表示時期抽選カウンタ(図示せず)と、換算テーブル(図示せず)と、表示時期監視カウンタ(図示せず)とを備えている。表示時期抽選カウンタは、注意表示の次回表示時期の抽選を行うためのカウンタである。表示時期抽選カウンタは、所定範囲(例えば、「0」〜「200」)のループカウンタとして構成され、定期的に(本形態では4ms(ミリ秒)周期で)更新される。
換算テーブルは、表示時期抽選カウンタの値から、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数に換算するテーブルである。換算テーブルは、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数として設定された範囲の種類毎に準備されている。例えば、図36に示すように、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数として設定された範囲の種類が、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回未満である場合と1000回以上である場合とで2種類設けられている場合には、表示時期抽選カウンタの値を200回から400回までの各回数に換算するための換算テーブル(以下、このテーブルを便宜上「第1換算テーブル」とも称す)と、表示時期抽選カウンタの値を100回から200回までの各回数に換算するための換算テーブル(以下、このテーブルを便宜上「第2換算テーブル」とも称す)とが準備されている。
副制御基板940は、所定の読み込み時期が到来した場合に表示時期抽選カウンタの値を読み込む。表示時期抽選カウンタの読み込み時期は、ハズレ連続回数カウンタにおいて表示時期抽選カウンタの読み込み初期値として設定されている所定の値(例えば、「2」)に達した時期、および、注意表示の次回表示時期として決定されたハズレ変動表示の連続回数が経過した時期である。
副制御基板940は、表示時期抽選カウンタの値を読み込んだ場合、換算テーブルを参照し、読み込んだ値に対応するハズレ変動表示の連続回数を注意表示の次回表示時期として選択する。なお、図36に示す例では、副制御基板940は、読み込み時期が到来した場合にハズレ連続回数カウンタの値を読み込み、第1換算テーブルまたは第2換算テーブルのうち、読み込んだ値に対応する換算テーブルを選択して参照する。
なお、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数として設定された範囲が複数種類設けられている場合には、当該範囲の種類毎に異なる表示時期抽選カウンタを準備する構成であってもよい。例えば、図36に示す例においては、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回未満である場合に使用する「0」〜「200」までのループカウンタと、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合に使用する「0」〜「100」までのループカウンタとを設ける構成であってもよい。
表示時期監視カウンタは、注意表示の表示時期の到来を監視するためのカウンタである。副制御基板940は、表示時期待機カウンタの値に基づいて、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数を選択した場合に、選択された回数を表示時期監視カウンタに設定する。副制御基板940は、主制御基板920から受信した変動パターンコマンドが特別図柄抽選においてハズレであることを示す場合、表示時期監視カウンタから1を減算し、減算後の表示時期監視カウンタがゼロに到達した場合に、注意表示の表示時期が到来したと判定する。一方、副制御基板940は、主制御基板920から受信した変動パターンコマンドが特別図柄抽選において大当りに当選したことを示す場合、表示時期監視カウンタをリセットする。
なお、副制御基板940は、主制御基板920から受信した変動パターンコマンドが特別図柄抽選においてハズレであることを示す場合に、表示時期監視カウンタに1を加算する構成としてもよい。かかる場合、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数を選択した場合に、選択された回数を副制御基板940のRAMの所定位置に記憶する構成とし、加算後の表示時期監視カウンタの値がRAMに記憶された値に達した場合に、注意表示の表示時期が到来したと判定する構成としてもよい。
副制御基板940は、表示時期監視カウンタの値に基づいて注意表示の表示時期が到来したと判定した場合に、最後のハズレ変動表示の終了後に注意表示を装飾図柄表示装置479に所定期間に亘って表示する。注意表示の表示期間としては、所定時間(例えば、10秒)であってもよいし、前記最後のハズレ変動表示の後に実行される変動表示が終了するまでの期間であってもよい。
装飾図柄表示装置479に表示される注意表示は、例えば、「過度な遊技に注意しましょう。」や「のめり込みに注意しましょう。」など、過度な遊技への注意を遊技者に促す文字列であってもよく、当該文字列と所定の画像との組合せであってもよい。あるいは、過度な遊技への注意を遊技者に想起させるマークなどの画像を注意表示として表示する構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、遊技へのめり込み対策として、初当り確率が最低の遊技態様が設定されている場合に、当該遊技態様に対応する設定示唆情報が所定の時期に表示されるよう構成される。例えば、図36に示すように、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様(すなわち、第1段確率)が設定されている場合には、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合に、所定の確率(例えば、1/10の確率)で当該遊技態様に対応する設定示唆情報を、注意情報の表示後に装飾図柄表示装置479に表示するよう構成される。
なお、設定示唆情報は、注意情報の表示が終了してから表示させる構成であってもよいし、注意情報の表示が開始されてから所定時間(例えば、5秒)後に注意情報とともに表示される構成であってもよい。また、設定示唆情報の表示期間としては、所定時間(例えば、10秒)であってもよいし、注意情報の表示が終了するまでの期間であってもよい。
一方で、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様が設定されている場合であっても、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回未満である場合には、設定示唆情報は表示されないよう構成される。また、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて初当り確率がタイプ内で最低でない遊技態様(すなわち、第2段確率、第3段確率)が設定されている場合には、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数にかかわらず設定示唆情報は表示されないよう構成される。
具体的に、本実施形態のパチンコ機100における副制御基板940は、表示抽選カウンタ(図示せず)を備えている。表示抽選カウンタは、設定示唆情報の表示の有無を選択するための抽選を行うためのカウンタである。表示抽選カウンタは、所定範囲(例えば、「0」〜「9」)のループカウンタとして構成され、定期的に(本形態では4ms(ミリ秒)周期で)更新される。表示抽選カウンタの値に対しては、設定示唆情報の表示に対応する値が、予め、所定の確率(例えば、1/10の確率)で設定されている。
副制御基板940は、表示時期監視カウンタの値に基づいて注意表示の表示時期が到来したと判定した場合に、現在設定されている遊技態様が、初当り確率が最低の遊技態様(本実施形態では、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおける第1段確率の遊技態様)であれば、表示抽選カウンタの値を読み込む。なお、本実施形態のパチンコ機100においては、背面設定スイッチ905と初期化スイッチ907とによって遊技態様の設定変更が行われる毎に、主制御基板920は、選択中の遊技態様に対応する値を副制御基板940に出力し、副制御基板940は、主制御基板920から受信した値を記憶している。
副制御基板940は、表示抽選カウンタの値を読み込んだ場合、読み込んだ値が設定示唆情報の表示に対応する値である場合には、装飾図柄表示装置479に注意表示を表示した後に、現在設定されている遊技態様(すなわち、初当り確率が最低の遊技態様)に対応する設定示唆情報を表示する。なお、設定示唆情報を表示する場合には、注意表示の表示と同期させて設定示唆情報を表示させる構成であってもよいし、設定示唆情報を表示した後に注意表示を表示する構成であってもよい。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄抽選(第1特別図柄または第2特別図柄の大当り抽選)においてハズレが表示時期抽選カウンタの値に基づき選択された回数だけ連続した場合には、過度な遊技への注意を遊技者に促す注意表示が表示されるよう構成される。よって、特別図柄抽選においてハズレが所定の回数(表示時期抽選カウンタの値に基づき選択された回数)だけ連続したことで、遊技者が所定量以上の遊技球(遊技価値)を消費した状況が生じた場合に、当該状況となる前に比べて注意表示が高確率で表示されるので、当該状況にある遊技者に対し注意表示を認識させやすくできる。これにより、遊技者が所定量以上の遊技球を消費した状況において、当該状況に陥った遊技者に遊技の抑制を促すことができ、それにより、当該遊技者にパチンコ機100から離れて一旦現状を再確認する機会を提供することができる。
特に、図36に示す例においては、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合には、当該連続回数が1000回未満である場合に比べて短い間隔で注意表示を表示させることができるよう構成されており、遊技球の消費量の累積がかさむにつれて遊技者に注意を喚起する頻度を高めているので、遊技者に対し、過度な遊技への注意を好適に促すことができる。
また、注意表示の表示間隔は、表示時期抽選カウンタの値に基づいて所定の範囲内からランダムに選択されるので、当該表示間隔が一定となることを抑制できる。よって、注意表示の表示間隔が一定となって、注意表示に対する遊技者の意識が希薄になることを抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、各タイプ(トップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプ)において初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様(すなわち、第1段確率)が設定されている場合、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合に所定の確率で当該遊技態様に対応する設定示唆情報が表示されるよう構成される。
よって、かかる場合もまた、特別図柄抽選においてハズレが所定の回数(表示時期抽選カウンタの値に基づき選択された回数)だけ連続するといった、遊技者が所定量以上の遊技球(遊技価値)を消費した状況が生じた場合に、当該状況となる前に比べて設定示唆情報が高確率で表示されることになるので、当該状況にある遊技者に対し設定示唆情報を認識させやすい。
かかる場合に表示される設定示唆情報は、各タイプ(トップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプ)において初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様に対応する設定示唆情報であるので、遊技を続行しても状況が好転しない可能性があることから、遊技を中止する選択を遊技者にさせやすい。よって、当該設定示唆情報が表示されたことで、所定量以上の遊技球を消費した状況に陥った遊技者に対し、遊技の抑制を好適に促すことができるので、当該遊技者に遊技機から離れて一旦現状を再確認する機会を提供することができる。
特に、図36に示す例においては、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合には、注意情報の表示後に設定示唆情報を表示させるが、当該連続回数が1000回未満である場合には、注意情報の表示後に設定示唆情報を表示させないよう構成されており、遊技球の消費量の累積がかさむにつれて遊技者に注意を喚起する頻度を高めているので、遊技者に対し、過度な遊技への注意を好適に促すことができる。
また、設定示唆情報の表示は、注意情報の表示回数に対して所定の確率で行われるよう構成されているので、注意情報の表示後に設定示唆情報が表示される場合と、注意情報の表示後に設定示唆情報が表示されない場合とをランダムに発生させることができる。よって、設定示唆情報の表示、および、設定示唆情報の前に表示される注意表示に対する遊技者の意識が希薄になることを抑制できる。
<第10実施形態>
次に、図37から図51を参照して、第10実施形態について説明する。第10実施形態のパチンコ機100においては、中央構造体420に対して右下側に配置される右始動入賞装置3432と大入賞装置3434とが特徴的に構成される。
以下の説明において、上述した第1実施形態から第9実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第10実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第9実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第9実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図37は、第10実施形態のパチンコ機100における遊技盤400X1の正面図である。図37に示すように、遊技盤400Xには、釘411や風車412等の流下変化部材や、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420や、中始動入賞装置431A,431Bや、一般入賞装置439A,439Bなどが遊技盤400(図7参照)と同様に設けられているとともに、中央構造体420に対して右下側であって始動装置436の下流側には右始動入賞装置3432が設けられ、右始動入賞装置3432の下方には大入賞装置3433が設けられている。
右始動入賞装置3432と大入賞装置3433は、後述する入賞装置ユニット3200(図38参照)の一部によって構成され、遊技球が流下する遊技領域を形成する基体401の前面に対して、大入賞装置3433の入口部分が前側に位置し、右始動入賞装置3432を含む入賞装置ユニット3200の大部分が基体401の前面より後側に位置するように配置される。なお、図37に示すように、始動装置436に進入した遊技球は、釘411によって入賞装置ユニット3200の入口の1つである入口部3211にのみ案内されるよう構成される。
右始動入賞装置3432は、右始動入賞装置432(図7参照)と同様、第2特別図柄に係る始動入賞装置である。遊技盤400X1には、右始動入賞装置3432に対応して遊技球の通過を検出する検出手段として、右始動入賞スイッチ442(図10参照)と同様のスイッチ(以下、このスイッチを便宜上「右始動入賞スイッチ3442」とも称す)が設けられている。
右始動入賞装置3432における遊技球の入口部分(進入口)は入賞口と構成し、当該入賞口に進入した遊技球は、その通過が右始動入賞スイッチ3442によって検出され、その後、基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。
右始動入賞装置3432には、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる進入規制機構3452と、進入規制機構3452を駆動する、右進入規制ソレノイド462(図10参照)と同様のソレノイド(以下、このソレノイドを便宜上「進入規制ソレノイド3462」とも称す)とが設けられている。
進入規制機構3452は、進入規制ソレノイド3462によって駆動される可動部材3452A(図38,39参照)を備えている。進入規制機構3452が進入禁止姿勢(第1誘導状態)である場合には、可動部材3452Aが進入口(入賞口)を閉鎖する(または、狭窄する)配置をとるため、遊技球が右始動入賞装置3432に進入できないが、進入規制機構3452が進入許容姿勢(第2誘導状態)である場合には、可動部材3452Aが進入口内に遊技球を誘導可能に開放する配置をとるため、遊技球が右始動入賞装置3432に進入できるようになる。
右進入規制機構3452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(普通図柄抽選)で当選した場合に、進入規制ソレノイド3462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
大入賞装置3434は、上大入賞装置434と同様の大入賞装置として機能する入賞装置である。遊技盤400X1には、大入賞装置3434に対応して遊技球の通過を検出する検出手段として、上大入賞スイッチ444(図10参照)と同様の大入賞スイッチ3444(図38参照)が設けられている。
大入賞装置3434における遊技球の入口部分(進入口)は入賞口を構成し、当該入賞口に進入した遊技球は、その通過が大入賞スイッチ3444によって検出され、その後、基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。
大入賞装置3434は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する進入規制機構3454と、進入規制機構3454の姿勢を変化させる、上進入規制ソレノイド464(図10参照)と同様の進入規制ソレノイド(以下、このソレノイドを便宜上「進入規制ソレノイド3464」とも称す)とが設けられている。
進入規制機構3454は、進入規制ソレノイド3464によって駆動される可動部材3454A(図38参照)を備えている。進入規制機構3454が進入禁止姿勢(進入制限状態)である場合には、可動部材3454Aが進入口(入賞口)を閉鎖する配置をとるため、遊技球が大入賞装置3434に進入できないが、進入規制機構3454が進入許容姿勢(進入許容状態)である場合には、可動部材3454Aが進入口を開放する配置をとるため、遊技球は大入賞装置3434に進入できるようになる。
大入賞装置3434は、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る中始動入賞装置431A,431Bへ進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441Bで検出されることに基づく抽選(すなわち、第1特別図柄抽選)に当選した場合、または、第2特別図柄に係る右始動入賞装置3432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ3442で検出されることに基づく抽選(すなわち、第2特別図柄抽選)に当選した場合に、進入規制ソレノイド3464が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ進入規制機構3454が進入許容姿勢をとる。
本実施形態のパチンコ機100においては、大当りの種類として、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態を経由して通常遊技状態へと移行する通常大当りと、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態を経由して通常遊技状態へと移行する確変大当りとが設けられている。よって、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において通常大当りに当選した場合、その当選に基づいて移行する特別遊技状態の後に時短遊技状態を経由して通常遊技状態へと移行する。一方、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において確変大当りに当選した場合、その当選に基づいて移行する特別遊技状態の後に確変遊技状態を経由して通常遊技状態へと移行する。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、大入賞装置3434が、下大入賞装置433(図7参照)のような特定通路および非特定通路を有さない構成としたが、大入賞装置3434を下大入賞装置433と同様の大入賞装置として構成し、特別遊技状態において大入賞装置3434に進入した遊技球が特定通路を通過した場合に、特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する構成としてもよい。
次に、図38および図39を参照して、右始動入賞装置3432と大入賞装置3434とを備える入賞装置ユニット3200の構成について説明する。図38は、入賞装置ユニット3200の概略的な正面図であり、図39は、前側から見た入賞装置ユニット3200の概略的な分解斜視図である。なお、図38においては、右始動入賞装置3432の進入規制機構3452が進入禁止姿勢であり、大入賞装置3434の進入規制機構3454が進入禁止姿勢である場合が図示されている。
右始動入賞装置3432および大入賞装置3434は、図38に示すように、これらをユニット化した入賞装置ユニット3200の形態で遊技盤400X1に配設される。入賞装置ユニット3200は、図39に示すように、遊技球の通路が形成される第1部材3210と、第1部材3210の後方側に配設されて大入賞装置3434を構成する第2部材3240と、第2部材3240の後方側に配設される、右始動入賞装置3432を備える第3部材3270とから構成される。
次に、図38から図41を参照して、入賞装置ユニット3200における遊技球の流下経路について説明する。図40(A)から図40(C)は、それぞれ、図38のX1−X1線、X2−X2線、およびX3−X3線における入賞装置ユニット3200の簡略的な断面図であり、図41は、図40(B)に示す断面図における、右始動入賞装置3432(進入規制機構3452)の近傍を拡大した拡大断面図である。
なお、図40(A)から図40(C)の各図においては、大入賞装置3434の進入規制機構3454が進入禁止姿勢である場合が図示されている。また、図40(B)においては、右始動入賞装置3432の進入規制機構3452が進入禁止姿勢である場合が図示されている。また、図40(C)においては、参考のため、図40(B)の断面図における進入規制機構3452および通路部3216,3217の配置を一点鎖線により図示するとともに、入賞装置ユニット3200の前方側に位置する光透過性の後方板223を図示している。また、図40および図41においては、参考のため、入賞装置ユニット3200に進入した遊技球の一部を図示するとともに、当該遊技球の流下経路を実線または一点鎖線の矢印によって図示している。
入賞装置ユニット3200は、中央構造体420に対する右側の領域を流下する遊技球が進入可能な入口となる2つの入口部3211,3212と、入口部3211または入口部3212に進入した遊技球が通過可能な通路部3213〜3221,3241とを備えている。入賞装置ユニット3200に設けられる通路部3213〜3221,3241は、いずれも、遊技球が1つずつ(1列に並んで)通過可能な通路として構成される。
通路部3213は、入口部3212の下流側に設けられた、基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に通じる通路であり、入口部3212から進入した遊技球は、基本的に、通路部3213を通過して回収排出通路へと排出される。
通路部3214は、入口部3211に対する下流側に設けられて、入口部3211から進入した遊技球を左方向側(図40(A)の矢印Q1方向)に誘導する通路である。通路部3215は、通路部3214の下流側に設けられた鉛直方向側に延びる通路であり、通路部3214を経て進入した遊技球を鉛直方向側に誘導する。
通路部3216および通路部3217は、通路部3215の下流側において分岐する通路であり、通路部3215を通過した遊技球が進入し得る。なお、通路部3215は、図38に示すように、その前方側に遊技球が通過可能な開口が形成されているので、通路部3215を通過する遊技球の一部は、通路部3216または通路部3217のいずれにも進入することなく、当該開口から、当該開口に対する前方側に排出(誘導)され得る。通路部3215を通過する遊技球が前方側に排出される構成については、図49および図50を参照して後述する。
よって、通路部3215を通過する遊技球のうち、通路部3215の前方側に形成された開口から前方側に排出されなかった遊技球が、通路部3216または通路部3217のいずれかに進入する。なお、本実施形態のパチンコ機100においては、通路部3215を通過する遊技球が、基本的に、右方向側に下降傾斜する遊技球の支持面3217Aに落下するよう構成されているので、前方側に排出されることなく通路部3215を通過した遊技球の多くは、支持面3217Aによって右方向側に誘導され、通路部3217に進入する。
通路部3216は、図40(B)の矢印Q2で示すように、通路部3215を経て進入した遊技球を左方向側に誘導してから前方向側へと誘導する通路である。図40(B)に示すように、通路部3216の下流側には、前方に開口する開口部3216Aが形成されているので、通路部3216を通過する遊技球は、開口部3216Aから排出され、開口部3216Aに対して前下方側に位置する通路部3220に落下する。
通路部3217は、図40(B)の矢印Q3で示すように、通路部3215を経て進入した遊技球を右方向側に誘導する通路である。遊技球は、通路部3217によって、右始動入賞装置3432の進入規制機構3452の可動部材3452Aへと誘導され、入口部3452A1(図41参照)から可動部材3452Aに進入する。
可動部材3452Aに進入した遊技球は、進入規制機構3452の姿勢に応じて、通路部3218または通路部3241のいずれかに誘導される。図41(A)に示すように、進入規制機構3452が進入禁止姿勢(第1誘導状態)である場合、可動部材3452Aにおける遊技球の出口部3452A2が、通路部3218と通路部3241との仕切りを兼ねる壁部3218Bより前方側(すなわち、通路部3218の側)に向けられるとともに、可動部材3452Aにおいて遊技球を下側から支持する支持面3452A3の周囲に立設された壁部のうち、壁部3452A4が通路部3241への遊技球の進入を規制する位置に配置される。よって、進入規制機構3452が進入禁止姿勢である場合には、可動部材3452Aに進入した遊技球は、図41(A)の矢印Q4方向に進行し、通路部3218に進入する。
一方、図41(B)に示すように、進入規制機構3452が進入許容姿勢(第2誘導状態)である場合、出口部3452A2が、壁部3218Bより後方側(すなわち、通路部3241の側)に向けられるとともに、可動部材3452Aにおける支持面3452A3の周囲に立設された壁部のうち、壁部3452A5が通路部3218への遊技球の進入を規制する位置に配置される。よって、進入規制機構3452が進入許容姿勢である場合には、可動部材3452Aに進入した遊技球は、図41(B)の矢印Q5方向に進行し、通路部3241に進入する。
通路部3218は、図40(B)の矢印Q6で示すように、遊技球を右方向側に誘導してから前方向側へと誘導する通路である。図40(B)に示すように、通路部3218の下流側には、前方に開口する開口部3218Aが形成されているので、通路部3218を通過する遊技球は、開口部3218Aから排出され、開口部3218Aに対して前下方側に位置する通路部3219に落下する。よって、可動部材3452Aから通路部3218に排出された遊技球は、開口部3218Aを経て通路部3219上に落下する。通路部3219は、図40(C)の矢印Q7で示すように、遊技球を左方向側に誘導する通路である。
通路部3219に対する下流側には、大入賞装置3434の進入口(入賞口)が設けられている。よって、大入賞装置3434の進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合には、通路部3218を通過する遊技球は、大入賞装置3434の内部空間に設けられた通路部3221(図38参照)に進入し、当該通路部3221によって大入賞スイッチ3444に誘導される。
一方、大入賞装置3434の進入規制機構3454が進入禁止姿勢である場合、通路部3219を通過する遊技球は、図40(C)の矢印Q8で示すように、進入規制機構3454の可動部材3454Aにおける遊技球の支持面(遊技球の下側を支持する面)の上を左方向側に進行して、通路部3220に進入する。
通路部3220は、図40(C)の矢印Q9で示すように、遊技球を左方向側に誘導する通路である。通路部3219における下流側は、中央構造体420に対する下方側であって中始動入賞装置431A,431Bに対する右方向側の領域に対して開放されているので、通路部3219を通過した遊技球は当該領域に排出される。
通路部3241は、右始動入賞装置3432に設けられる通路であって、進入規制機構3454の可動部材3454Aより下流側に設けられる。本実施形態の右始動入賞装置3432においては、通路部3241の入口部分が右始動入賞装置3432の進入口(入賞口)を構成する。通路部3241は、可動部材3452Aから排出された遊技球を右始動入賞スイッチ3442へと誘導する。よって、可動部材3452Aから通路部3241に排出された遊技球は、右始動入賞スイッチ3442によって検出される。
次に、図41から図45を参照して、右始動入賞装置3432における進入規制機構3452の可動部材3452Aについて説明する。図42(A)は、可動部材3452Aを正面右側から見た斜視図であり、図42(B)は、可動部材3452Aを背面左側から見た斜視図である。図43は、進入禁止姿勢をとる進入規制機構3452の可動部材3452Aを回動させる回動軸3452Bと、可動部材3452Aに対する上流側の通路部3217および下流側の通路部3218とを通る平面で切断した場合の断面を正面から見た断面図である。
図44(A)は、進入規制機構3452が進入禁止姿勢をとる場合における可動部材3452Aの上面図であり、図44(B)は、進入規制機構3452が進入許容姿勢をとる場合における可動部材3452Aの上面図である。図45は、壁部3452A4,3452A5に接触した遊技球の挙動を説明するための、可動部材3452Aの上面図である。
なお、参考のため、図44(A)および図45(A)においては、進入規制機構3452が進入許容姿勢をとる場合における可動部材3452Aを一点鎖線により図示するとともに、図44(B)および図45(B)においては、進入規制機構3452が進入許容姿勢をとる場合における可動部材3452Aを一点鎖線により図示している。また、図44および図45においては、参考のため、壁部3218Bを図示するとともに、可動部材3452Aの回動方向を矢印によって図示している。また、図45においては、参考のため、可動部材3452Aの支持面3452A3により支持された遊技球の一例を図示するとともに、当該遊技球の進行方向の一例を矢印によって図示している。
可動部材3452Aは、遊技球の入口となる入口部3452A1と、遊技球の出口となる出口部3452A2と、入口部3452A1と出口部3452A2との間に形成された支持面3452A3と、支持面3452A3の周囲であって入口部3452A1と出口部3452A2との間に立設された壁部3452A4,3452A5と、球逃がし部3452A6とを備えている。
入口部3452A1は、図41に示すように、進入規制機構3452が進入禁止姿勢または進入許容姿勢のいずれの姿勢をとる場合においても通路部3217を流下する遊技球が進入可能な入口として機能する。
入口部3452A1は、右始動入賞装置3432を遊技盤400X1に配設した状態において、通路部3217における遊技球の支持面3217Aに対し、当該支持面3217Aにより支持されつつ通路部3217を流下した遊技球を進入可能な位置(例えば、図43に示すように、支持面3217Aより下方側の位置)に配置される。
出口部3452A2は、図42に示すように、壁部3452A4と壁部3452A5との間に形成される。出口部3452A2は、図41に示すように、進入規制機構3452が進入禁止姿勢である場合には遊技球を通路部3218に排出し、進入規制機構3452が進入許容姿勢である場合には遊技球を通路部3241に排出する出口として機能する。
支持面3452A3は、図43に示すように、上流側(入口部3452A1の側)から下流側(出口部3452A2の側)に向かって下降傾斜する面である。これにより、入口部3452A1を経て可動部材3452Aに進入した遊技球は、その下側が支持面3452A3によって支持されつつ出口部3452A2へと誘導される。
支持面3452A3と入口部3452A1との間には、図43に示すように、支持面3452A3における上流側(入口部3452A1の側)が入口部3452A1より下側(鉛直方向下側)となる段差(段差部)が形成されているので、入口部3452A1を経て可動部材3452A(支持面3452A3)に進入した遊技球が、入口部3452A1を経て可動部材3452Aから排出されて再び通路部3217に戻ることを抑制できる。
図43に示すように、右始動入賞装置3432を遊技盤400X1に配設した状態において、支持面3452A3と通路部3217における遊技球の支持面3217Aとの間には、支持面3452A3における上流側(入口部3452A1の側)が支持面3217Aより下側(鉛直方向下側)となる段差(段差部)が形成される。
このように、支持面3452A3は、その上流側が支持面3217Aに対する段差の下側となるよう設けられているので、その段差を下ることで遊技球の下流側への移動を低速にすることができる。また、支持面3217Aと、支持面3452A3の上流側(入口部3452A1の側)との段差の大きさ分、支持面3452A3における下降傾斜の角度(勾配)を小さくして、遊技球の下流側への移動を低速にすることができる。また、可動部材3452A(支持面3452A3)に進入した遊技球が、再び通路部3217に戻ることを抑制できる。
支持面3452A3が形成される部材の下側には、図43に示すように、鉛直方向に延びる回動軸3452Bが可動部材3452Aの回動中心となる位置に設けられている。回動軸3452Bは、進入規制ソレノイド3462による駆動力によって回動軸3452Bを軸周りに回動させる駆動機構(図示せず)に接続され、進入規制ソレノイド3462の駆動によって軸周りに回動される。
可動部材3452Aは、回動軸3452Bの回動によって鉛直方向側(すなわち、3452A6が延びる方向の側)を中心に回動する。つまり、可動部材3452Aは、進入規制ソレノイド3462の作動に応じて鉛直方向側を中心に回動可能に構成される。なお、上記「鉛直方向側」としては、必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に対してわずかに傾いた向きであってもよい。
具体的に、進入規制機構3452が進入禁止姿勢である場合に、進入規制ソレノイド3462が作動した場合には、回動軸3452Bが上面視において反時計回りに回動し、それによって、可動部材3452Aが上面視において反時計回り(図44(A)の矢印RA方向)に回動する。以下の説明においては、回動軸3452Bの回動方向について、上面視における反時計回りのことを単に「反時計回り」とも称す。
なお、可動部材3452Aには、外方に突出する突出部3452A7が、出口部3452A2に対して壁部3152A4の側に形成されており、矢印RA方向(反時計回り方向)に回動する可動部材3452Aは、進入規制機構3452が進入許容姿勢になる位置において、突出部3452A7が入賞装置ユニット3200に形成された突出部K(図41参照)に接触して停止する。
これにより、進入規制機構3452が進入許容姿勢である場合には、可動部材3452Aの出口部3452A2が、壁部3218Bより後方側(すなわち、通路部3241の側)を向くので(図44(B)参照)、支持面3452A3上の遊技球(支持面3452A3により支持される遊技球)を通路部3241に排出することができる。
一方、進入規制機構3452が進入許容姿勢である場合に、進入規制ソレノイド3462が作動した場合には、回動軸3452Bが上面視において時計回りに回動し、それによって、可動部材3452Aが上面視において時計回り(図44(B)の矢印RB方向)に回動する。以下の説明においては、回動軸3452Bの回動方向について、上面視における時計回りのことを単に「時計回り」とも称す。
矢印RB方向(時計回りの方向)に回動する可動部材3452Aは、進入規制機構3452が進入禁止姿勢になる位置において停止する。これにより、進入規制機構3452が進入禁止姿勢である場合において、可動部材3452Aの出口部3452A2が、壁部3218Bより通路部3218の側を向くので(図41(A)および図44(A)参照)、支持面3452A3上の遊技球を通路部3218に排出することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機100における右始動入賞装置3432の進入規制機構3452は、鉛直方向側を中心に回動可能に構成された可動部材3452Aの回動動作によって進入禁止姿勢と進入許容姿勢とを切り替えることができる。
壁部3452A4は、図41に示すように、進入規制機構3452が進入禁止姿勢である場合に通路部3241への遊技球の進入を規制する部位として機能し、壁部3452A5は、進入規制機構3452が進入許容姿勢である場合に通路部3218への遊技球の進入を規制する部位として機能する。
また、壁部3452A4および壁部3452A5は、図42に示すように、各々が入口部3452A1の各端部の側に位置するとともに、出口部3452A2の各端部の側に位置しており、それによって、支持面3452A3により下側が支持される遊技球を出口部3452A2へと誘導する部位として機能する。
壁部3452A5は、その大きさが壁部3452A4の大きさよりも小さく構成される。具体的に、例えば、図43に示すように、壁部3452A5は、支持面3452A3に対する鉛直方向側の長さ(すなわち、高さ)が、壁部3452A4に比べて低く構成される。
壁部3452A5は、図41に示すように、右始動入賞装置3432を遊技盤400X1に配設した状態において前方側に位置する壁部であるので、その高さを壁部3452A4に比べて低く構成することで、可動部材3452Aに進入した遊技球(すなわち、支持面3452A3により下側が支持された遊技球)の挙動を遊技者が視認しやすい。
また、図43に示すように、壁部3452A5は、当該壁部3452A5を正面視した場合における出口部3452A2側が、壁部3452A4を正面視した場合における出口部3452A2側に比べて大きく切り欠かれた形状に構成される。
より詳細には、壁部3452A5は、当該壁部3452A5における出口部3452A2側の端辺が、壁部3452A4における出口部3452A2側の端辺に比べて、出口部3452A2から離れて位置しているとともに、当該壁部3452A5における出口部3452A2側の端辺が延びる方向と支持面3452A3とのなす角が、壁部3452A4における出口部3452A2側の端辺が延びる方向と支持面3452A3とのなす角に比べて小さい鋭角に構成される。
可動部材3452Aの壁部3452A5が、上述したように、その出口部3452A2側において大きく切りかかれた形状(より詳細には、壁部3452A4における出口部3452A2側の形状に比べて大きく切り欠かれた形状)に構成されているので、図43に示すように、壁部3452A5における出口部3452A2側の端部の方が、壁部3452A4における出口部3452A2側の端部より上流側(すなわち、出口部3452A2から離れる側)に位置する。
これにより、進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する場合には、壁部3452A4が通路部3241の入口部分を開放し難く(すなわち、壁部3452A4による通路部3241への遊技球の進入規制が解除され難く)、かつ、壁部3452A5が通路部3218の入口部分を閉鎖し難い(すなわち、壁部3452A5による通路部3218への遊技球の進入が規制され難い)。
具体的に、可動部材3452Aが反時計回り(図44(A)における矢印RA方向)に回動することで進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行する(切り替わる)場合には、当該移行の開始から、壁部3452A5が通路部3218への遊技球の進入を不可能にする位置に達するまでの期間(すなわち、可動部材3452Aが回動しても通路部3218への遊技球の進入が可能な期間)を、当該移行の開始後に壁部3452A4が通路部3241への遊技球の進入を可能にする位置に達してから、進入規制機構3452が進入許容姿勢に達するまでの期間(すなわち、可動部材3452Aの回動中に通路部3241への遊技球の進入が可能になる期間)に比べて長くできる。
一方、進入規制機構3452が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行する場合には、壁部3452A4が通路部3241の入口部分を閉鎖しやすく(すなわち、壁部3452A4による通路部3241への遊技球の進入が規制されやすく)、かつ、壁部3452A5が通路部3218の入口部分を開放しやすい(すなわち、壁部3452A5による通路部3218への遊技球の進入規制が解除されやすい)。
具体的に、可動部材3452Aが時計回り(図44(B)における矢印RB方向)に回動することで進入規制機構3452が進入許容姿勢から進入禁止姿勢に移行する場合には、当該移行の開始後に壁部3452A5が通路部3218への遊技球の進入を可能にする位置に達してから、進入規制機構3452が進入禁止姿勢に達するまでの期間(すなわち、可動部材3452Aの回動中に通路部3218への遊技球の進入が可能になる期間)を、当該移行の開始から、壁部3452A4が通路部3241への遊技球の進入を不可能にする位置に達するまでの期間(すなわち、可動部材3452Aが回動しても通路部3241への遊技球の進入が可能な期間)に比べて長くできる。
よって、壁部3452A5が、その出口部3452A2側において壁部3452A4における出口部3452A2側の形状に比べて大きく切り欠かれた形状に構成されているので、進入規制機構3452が一の姿勢から他の姿勢へ(すなわち、進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ、または、進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ)移行する場合における姿勢の移行中において、支持面3452A3上を流下する遊技球を通路部3218に進入しやすくできる。
また、壁部3452A4は、その出口部3452A2側の端部が、壁部3452A4における出口部3452A2側の端部より下流側(出口部3452A2側)に形成されているので、壁部3452A5より下流側の位置において遊技球との接触が可能である。
よって、図45(A)に示すように、進入規制機構3452が進入許容姿勢(一点鎖線)である状態において、支持面3452A3上の遊技球が、出口部3452A2付近における壁部3452A4と壁部3452A5との略中央に位置する場合に、進入規制機構3452が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行した場合(すなわち、可動部材3452Aが矢印RB方向に回動する場合)、当該遊技球は、可動部材3452Aの回動によって相対的に近づく壁部3452A4と接触して壁部3452A5側に跳ね返された結果として壁部3218Bより前方側に形成される通路部3218に進入させることができる。
これに対し、図45(B)に示すように、進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行した場合(すなわち、可動部材3452Aが矢印RA方向に回動する場合)には、進入規制機構3452が進入禁止姿勢(一点鎖線)である状態において、図45(A)の場合と同じ位置に遊技球が位置していたとしても、当該遊技球が、壁部3452A5と十分に接触できないことがあり、かかる場合には、遊技球の進行方向が大きく変わらないので、当該遊技球は、壁部3218Bより後方側に形成される通路部3241に進入させることができず、壁部3218Bより前方側に形成される通路部3218に進入する。
よって、かかる点においても、進入規制機構3452が一の姿勢から他の姿勢へ(すなわち、進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ、または、進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ)移行する移行中において、支持面3452A3上を流下する遊技球は、通路部3218に進入しやすい。
球逃がし部3452A6は、図42に示すように、支持面3452A3の出口部3452A2側における壁部3452A5側が壁部3452A4側に対して下方側となる段差部として構成される。球逃がし部3452A6は、段差部であるので、遊技球が進入しやすく、かつ、進入した遊技球が段差の上段側に戻ることは難しい。そのため、球逃がし部3452A6に進入した遊技球は、当該球逃がし部3452A6の下流側に位置する出口部3452A2から排出される。
進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する場合(すなわち、可動部材3452Aが図44(A)における矢印RA方向に回動する場合)、支持面3452A3上の遊技球は、当該回動方向に対して相対的にその反対方向側である壁部3452A5側へと移動しやすい。よって、進入規制機構3452の進入禁止姿勢から進入許容姿勢への移行中において、支持面3452A3上の遊技球は、支持面3452A3の出口部3452A2側における壁部3452A5側に設けられた球逃がし部3452A6に到達しやすいので、支持面3452A3により支持された遊技球を通路部3218側に排出させやすくできる。
また、壁部3452A4との接触による跳ね返りによって壁部3452A5側へ向かう遊技球についても、当該遊技球を球逃がし部3452A6に到達させやすい。特に、進入規制機構3452の進入許容姿勢から進入禁止姿勢への移行中に、遊技球が壁部3452A4に接触した場合には、上述したように、当該遊技球が壁部3452A5側へ好適に誘導されるので、かかる場合も、支持面3452A3により支持された遊技球が通路部3218側に排出させやすい。
また、球逃がし部3452A6の入口部分は、図44に示すように、支持面3452A3における壁部3452A4から壁部3452A5へ向かう方向の長さが、壁部3452A4と壁部3452A5との間の長さの半分以上とされているので、かかる構造の点においても、入口部3452A1から可動部材3452Aに進入した遊技球が、球逃がし部3452A6に到達しやすく構成される。
すなわち、球逃がし部3452A6が、支持面3452A3の出口部3452A2側における壁部3452A5側に設けられているので、入口部3452A1から可動部材3452Aに進入した遊技球は、出口部3452A2における壁部3452A5側から排出されやすく、それによって、可動部材3452Aに進入した遊技球が通路部3218に排出されやすい。
このように、本実施形態の進入規制機構3452によれば、可動部材3452Aに接触する位置まで進行した遊技球は、可動部材3452Aの支持面3452A3の上で低速に進行し易く、且つ、通路部3218に排出されやすく構成されている。このため、進入許容姿勢へ移行させる時間を長めに設定しても、遊技球が右始動入賞装置3432の入賞口を構成する通路部3241への進入を少なくすることができる。よって、右始動入賞装置3432の動作を遊技者が認識し易くしつつ、入賞の発生を抑制したい状況(例えば、非時短中)においての入賞の発生を抑制可能な入賞装置を提供することができる。
次に、図46から図48を参照して、大入賞装置3434の進入規制機構3454について説明する。まず、図46を参照して、本実施形態の進入規制機構3454の構造的構成および動作について説明する。
図46は、入賞装置ユニット3200における進入規制機構3454付近の拡大正面図である。より詳細には、図46(A)は、進入規制機構3454が進入禁止姿勢にある場合を示す図であり、図46(B)進入禁止姿勢から進入許容姿勢への移行中における進入規制機構3454の一態様を示す図であり、図46(C)は、進入規制機構3454が進入許容姿勢にある場合を示す図である。
なお、図46においては、入賞装置ユニット3200(より詳細には、第1部材3210および第2部材3240)における前面側の板部分を切除した状態を図示しており、当該切除により生じた断面に対するハッチングの図示を省略している。また、参考のため、図46(B)においては、図46(A)に示す時点での可動部材3454Aの位置を一点鎖線に図示するとともに、図46(C)においては、図46(B)に示す時点での可動部材3454Aの位置を一点鎖線に図示している。
図46に示すように、進入規制機構3454は、可動部材3454Aと、第1リンク部3454Bと、第2リンク部3454Cと、第1作動部3454Dと、第2作動部3454Eとを備えている。これらの各部3454A〜3454Eはいずれも樹脂材料から構成される。
第1リンク部3454Bは、可動部材3454Aの下方側に配置され、第1リンク部3454Bにおける一端側は、軸部J1Aを介して、当該軸部J1A周りに互いに回動可能に可動部材3454Aに接続される。第2リンク部3454Cは、可動部材3454Aの下方側、かつ、第1リンク部3454Bより上流側(通路部3219側)に配置され、第2リンク部3454Cにおける一端側は、軸部J2Aを介して、当該軸部J2A周りに互いに回動可能に可動部材3454Aに接続される。
第1リンク部3454Bの長手方向における軸部J1Aの軸通位置より内側の位置には、軸部J1Bが、当該軸部J1B周りに第1リンク部3454Bが回動可能となるよう軸通され、第2リンク部3454Cにおける他端側には、軸部J2Bが、当該軸部J2B周りに第2リンク部3454Cが回動可能となるよう軸通される。軸部J1Bおよび軸部J1Bは、いずれも、入賞装置ユニット3200(より詳細には、第2部材3240)に固定される。なお、本実施形態の進入規制機構3454においては、図46に示すように、軸部J2Aと軸部J2Bとの距離は、軸部J1Aと軸部J1Bとの距離より長く構成される。
これにより、可動部材3454A、第1リンク部3454B、および第2リンク部3454Cは、可動部材3454Aを中間リンク部とする4節リンク機構を構成する。なお、後述するように、第1リンク部3454Bは、当該4節リンク機構において駆動リンク部として機能し、第2リンク部3454Cは、従動リンク部として機能する。
第1リンク部3454Bにおける他端側(軸部J1Aの軸通位置とは異なる端側)には、錘部3454Fが取り付けられる。錘部3454Fは、樹脂材料より比重の重い材料(例えば、鉄などの金属)から構成される錘を含み、錘部3454Fが、軸部J1B周りに第1リンク部3454Bが所定方向に回動されたことで上方に移動した場合に、その重さによって第1リンク部3454Bを反対方向に回動させる復元力を与える。
なお、入賞装置ユニット3200(より詳細には、第2部材3240)には、錘部3454Fが、その重さによって、軸部J1B周りに所定の第1位置を越えて正面視における反時計回り方向に回動することを規制する第1ストッパ部(図示せず)が設けられている。第1リンク部3454Bは、当該第1ストッパ部によって、進入規制ソレノイド3464が駆動されていない状態において初期位置に維持される。
また、第2部材3240には、第1リンク部3454Bが、軸部J1B周りに正面視における時計回り方向(矢印F3方向)に回動された場合に、所定の第2位置を越えて回動することを規制する第2ストッパ部(図示せず)が設けられている。これにより、第1リンク部3454Bは、初期位置である第1位置と、初期位置から最大に変位された所定の最大変位位置である第2位置との間を回動可能に構成される。
なお、以下では、第1リンク部3454Bにおける軸部J1B周りの回動方向、および、第2リンク部3454Cにおける軸部J2B周りの回動方向について、正面視における時計回りを単に「時計回り」とも称し、正面視における反時計回りを単に「反時計回り」とも称す。
可動部材3454Aは、第1リンク部3454Bが初期位置(第1位置)である場合には、図46(A)に示すように、大入賞装置3434の進入口を閉鎖する位置に配置される。つまり、第1リンク部3454Bが初期位置である場合に、進入規制機構3454が進入禁止姿勢(進入制限状態)とされる。なお、可動部材3454Aは、第1リンク部3454Bが初期位置である場合に、その上面が、通路部3219側から通路部3220側に向かう下降傾斜となるよう設けられている。よって、可動部材3454Aの上面は、第1リンク部3454Bが初期位置である場合(すなわち、進入規制機構3454が進入禁止姿勢である場合)に、通路部3219から進入した遊技球を当該遊技球の下側を支持しつつ下流側(通路部3220側)へ誘導する支持面として機能する。
第1リンク部3454Bにおける軸部J1Aと軸部J1Bとの間には、軸部J1Aと軸部J1Bとを結ぶ直線よりも第2リンク部3454C側に、第1リンク部3454Bの後方側の面から後方側(第1作動部3454Dの側)に軸状に突出する突出部3454B1が設けられている。詳細は後述するが、第1リンク部3454Bが初期位置である場合に、突出部3454B1に対して下方側の力を付与することで、軸J1B周りに第1リンク部3454Bを時計回り(矢印F3方向)に回動させることができる。
第1作動部3454Dは、樹枝材料から構成され、リンク部3454B,3454Cの後方側、かつ、第1リンク部3454Bと第2リンク部3454Cとの間に配置される。第1作動部3454Dは、第1リンク部3454Bを作動させる部位として機能する。
第1作動部3454Dは、緩やかに屈曲する形状に構成され、その屈曲部分には、入賞装置ユニット3200(より詳細には、第2部材3240)に固定された軸部J3Aが、当該軸部J3A周りに第1作動部3454Dが回動可能となるよう軸通される。なお、以下では、第1作動部3454Dにおける軸部J3A周りの回動方向について、正面視における時計回りを単に「時計回り」とも称し、正面視における反時計回りを単に「反時計回り」とも称す。
第1作動部3454Dにおける第1リンク部3454B側に向けられる一端側には、前後方向に貫通して先端から軸部J3A側へ延びる開口部が内側に形成された、正面視において略U字状の係合部3454D1が設けられている。係合部3454D1の内側に形成された開口部に、第1リンク部3454Bの突出部3454B1が挿入されることで、第1作動部3454Dと第1リンク部3454Bとが係合される。
第1作動部3454Dにおける他端側には、第1作動部3454Dの後方側の面から後方側(第2作動部3454Eの側)に軸状に突出する突出部3454D2が設けられている。
第2作動部3454Eは、樹枝材料から構成され、第1作動部3454Dの後方側に配置される。第2作動部3454Eは、進入規制ソレノイド3464の駆動力によって、初期位置と、当該初期位置より左方向側(矢印F1方向側)の、当該初期位置から最大に変位された所定の最大変位位置との間を移動可能に構成される。
具体的に、進入規制ソレノイド3464が非駆動状態である場合に、第2作動部3454Eは初期位置に配置され、進入規制ソレノイド3464を非駆動状態から駆動状態に変化させた場合に、第2作動部3454Eは初期位置から所定の最大変位位置まで左方向側へ移動される。一方、進入規制ソレノイド3464を駆動状態から非駆動状態に変化させた場合、最大変位位置に位置する第2作動部3454Eは初期位置まで右方向側へ移動される。
第2作動部3454Eは、第1作動部3454Dを作動させる部位として機能する。第2作動部3454Eの前端側には、前方が開放されて下端から上方に延びる溝状の係合部が設けられている。当該溝状の係合部に、第1作動部3454Dの突出部3454D2が挿入されることで、第2作動部3454Eと第1作動部3454Dとが係合される。
これにより、第2作動部3454Eを左右方向に移動させた場合には、当該移動に応じて、突出部3454D2に対して左方向側または右方向側の力が付与されるので、第2作動部3454Eを移動させることで、第1作動部3454Dを軸部J3A周りに回動させることができる。
第2作動部3454Eの前端側に形成された係合部に第1作動部3454Dの突出部3454D2が挿入される構成であるので、第2作動部3454Eが初期位置である場合における第1作動部3454Dの位置が、第1作動部3454Dの初期位置であり、第2作動部3454Eが最大変位位置である場合における第1作動部3454Dの位置が、第1作動部3454Dの、初期位置に対する最大変位位置である。
進入規制ソレノイド3464が非駆動状態である場合、すなわち、第1作動部3454Dおよび第2作動部3454Eが初期位置にある場合には、図46(A)に示すように、第1作動部3454Dの係合部3454D1が、初期位置にある第1リンク部3454Bの突出部3454B1の上側に接触しない。よって、進入規制ソレノイド3464が非駆動状態である場合には、第1リンク部3454Bが初期位置に維持されるので、進入規制機構3454は進入禁止姿勢となる。
進入規制ソレノイド3464が非駆動状態から駆動状態に変化した場合、第2作動部3454Eが左方向側(矢印F1方向)へ移動されるので、突出部3454D2に対し左方向側の力が付与され、それにより、第1作動部3454Dは、軸部J3A周りを反時計回り(矢印F2方向)に回動する。
第1作動部3454Dが軸部J3A周りに反時計回りに回動されると、第1作動部3454Dの係合部3454D1は、第1リンク部3454Bの突出部3454B1に対し、下方側の力を付与し、それにより、第1リンク部3454Bは、軸部J1B周りを時計回り(矢印F3方向)に回動する。第1リンク部3454Bが軸部J1B周りに時計回りに回動されたことで、可動部材3454Aは、第2リンク部3454C側に移動し、第2リンク部3454Cは、軸部J2B周りを時計回り(矢印F4方向)に回動する。
上述したように、軸部J2Aと軸部J2Bとの距離は、軸部J1Aと軸部J1Bとの距離より長く構成されるので、第2リンク部3454Cの回動量(回動角)が、第1リンク部3454Bの回動量に比べて小さくなり、それにより、可動部材3454Aにおける第2リンク部3454C側の下方側の移動量は、第1リンク部3454B側の下方側の移動量より小さい。よって、第1リンク部3454Bの時計回りの回動が進むにつれ、すなわち、第2作動部3454Eの左方向側への移動が進むにつれ、可動部材3454Aの上面の下降傾斜の角度が大きく(すなわち、下降傾斜の角度が急に)なる。
なお、入賞装置ユニット3200(より詳細には、第2部材3240)には、第1リンク部3454Bの回動に従動して軸部J2B周りを時計回り方向に回動する第2リンク部3454Cが、第1リンク部3454Bが最大変位位置に達する前に到達する所定の位置を越えて回動することを規制する第3ストッパ部(図示せず)が設けられている。
よって、進入規制ソレノイド3464が非駆動状態から駆動状態に変化した場合、すなわち、第1リンク部3454Bが第1作動部3454Dによって駆動された場合、第2リンク部3454Cの回動が第3ストッパ部により規制されるまでは、第2リンク部3454Cは、第1リンク部3454Bの回動に従動して時計回り方向に回動するので、可動部材3454Aは、第1リンク部3454Bの時計回りの回動が進むにつれ、図46(B)に示すように、上流側(通路部3219側)へと変位しつつ、その上面の下降傾斜の角度が大きくなるよう変位する。なお、第1リンク部3454Bの駆動に伴って位する可動部材3454Aは、その一部が通路部3219(詳細には、通路部3219を構成して遊技球の下側を支持する支持面)の下方側に収容される。
その後、第2リンク部3454Cの回動が第3ストッパ部により規制された後は、第2リンク部3454Cは回動せず、第1リンク部3454Bのみが第2ストッパ部により規定される最大変位位置まで回動するので、可動部材3454Aは、第1リンク部3454Bの時計回りの回動が進むにつれ、その上面の下降傾斜の角度のみが次第に大きくなるよう変位する。
軸部J1Bを時計回りに回動する第1リンク部3454Bが最大変位位置に達した場合に、進入規制機構3454は進入許容姿勢(進入許容状態)となる。進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合には、図46(C)に示すように、可動部材3454Aの上面は、通路部3219から進入した遊技球を当該遊技球の下側を支持しつつ通路部3221側へ誘導する支持面として機能する。
進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合には、図46(C)に示すように、可動部材3454Aの上面の下降傾斜の角度が、通路部3219における遊技球の支持面の下降傾斜の角度に比べて大きい角度となる。これにより、進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合に、大入賞装置3434の進入口から進入した遊技球は、通路部3219を流下する遊技球の速度より速い速度で、可動部材3454A上を流下する。
また、進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合には、可動部材3454Aが上流側へと変位したことで、可動部材3454Aにおける上流側(通路部3219側)の一部が通路部3219の下方側に収容されるので、その分、大入賞装置3434の進入口から進入した遊技球が可動部材3454A上を流下し得る距離が短くなる。
なお、図46(A)に示すように、進入規制機構3454が進入禁止姿勢である場合、軸部J1Aと軸部J1Bとを結ぶ直線、および、軸部J2Aと軸部J2Bとを結ぶ直線は、いずれも、鉛直方向よりやや左方向側(反時計回りの側)に傾いているので、進入禁止姿勢である進入規制機構3454の姿勢変化が開始された場合に、その初期においては、可動部材3454Aは、第1リンク部3454B側も第2リンク部3454C側も上方側に移動する。かかる場合、可動部材3454Aにおける第1リンク部3454B側の上方側の移動量が、第2リンク部3454C側の上方側の移動量より大きくなるので、可動部材3454Aの上面における通路部3220側に向かう下降傾斜の角度は、進入禁止姿勢である進入規制機構3454の姿勢変化が開始されてから、その初期における短い期間において、当該下降傾斜の角度が一時的に緩くされる。
進入規制ソレノイド3464が駆動状態から非駆動状態に変化させた場合には、最大変位位置に位置する第2作動部3454Eが初期位置に戻る方向(矢印F1方向とは反対向きの方向)へ移動されるので、それに伴い、第1作動部3454Dもまた初期位置に戻る方向に回動する。
第1作動部3454Dが初期位置に戻る方向に回動したことで、第1リンク部3454Bもまた初期位置(矢印F3方向とは反対向きの方向)に戻る方向に回動し、それに伴い、可動部材3454Aおよび第2リンク部3454Cもまた、各々、初期位置に戻る方向に回動する。
初期位置に向かって回動する第1作動部3454Dは、錘部3454Fによる復元力によって初期位置に復帰する。第1作動部3454Dが初期位置に復帰したことに伴い、可動部材3454Aおよび第2リンク部3454Cもまた初期位置に復帰し、それにより、進入規制機構3454は、進入禁止姿勢となる。
図47は、本実施形態の進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合に、通路部3219から大入賞装置3434の進入口に連続して進入する2つの遊技球P1,P2の挙動の一例を示す模式図である。なお、図47においては、第2作動部3454Eの図示を省略している。
上述したように、本実施形態の進入規制機構3454においては、その姿勢が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行した場合には、可動部材3454Aの支持面の下降傾斜の角度(以下、単に「可動部材3454Aの下降傾斜の角度」とも称す)が大きくなったことで、大入賞装置3434の進入口から進入した遊技球が可動部材3454A上を流下する速度を速めることができるとともに、可動部材3454Aが上流側へと変位したことで、大入賞装置3434の進入口から進入した遊技球が可動部材3454A上を流下し得る距離を短くすることができる。
よって、進入規制機構3454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する場合における可動部材3454Aの上流側への変位量と、可動部材3454Aの下降傾斜の角度の大きさを設定することで、大入賞装置3434の進入口から進入した遊技球が可動部材3454A上に滞在する時間を制御することができる。
本実施形態の進入規制機構3454においては、進入許容姿勢である場合に、基本的に、可動部材3454Aにおける遊技球の支持面(すなわち、可動部材3454Aの上面)上を2以上の遊技球が同時に流下しないよう、進入規制機構3454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する場合における可動部材3454Aの上流側への変位量と、可動部材3454Aの下降傾斜の角度の大きさとが設定される。
つまり、本実施形態の進入規制機構3454においては、進入規制機構3454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する場合における可動部材3454Aの上流側への変位量と、可動部材3454Aの下降傾斜の角度の大きさとを設定することで、進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合に2つの遊技球P1、P2が通路部3219上を連続して流下する状況において(図47(A))、先に大入賞装置3434の進入口に進入した遊技球P1は、通路部3219上を流下する遊技球P2より速い速度で可動部材3454Aにおける支持面上を流下し(図47(B))、遊技球P2が可動部材3454Aにおける支持面上に到達する前に大入賞スイッチ3444により検出される(図47(C))よう構成される。
図48は、本実施形態の進入規制機構3454を備える大入賞装置3434における球噛みの発生可能性を説明するための模式図である。なお、図48においては、第2作動部3454Eの図示を省略するとともに、遊技球Pにおける当該遊技球Pにおける中心を通る線分(すなわち、遊技球Pの直径)を一点鎖線により図示している。
本実施形態の進入規制機構3454は、図48に示すように、可動部材3454Aの先端と当該先端より下流側において当該先端に対向する壁部3220Aとの間が遊技球Pの直径に等しい距離で離間する状態、すなわち、可動部材3454Aの先端と壁部3220Aとの間の距離が遊技球Pの1つ分である状態において、遊技球Pと可動部材3454Aの先端との接点D1と、遊技球Pと壁部3220Aとの接点D2とを結ぶ線分が、遊技球Pの中心Cにほぼ相当する位置を略水平に通過するよう設定される。
進入規制機構3454をこのように設定とすることで、進入規制機構3454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する移行中と、進入規制機構3454が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行する移行中とにおいて、可動部材3454Aの先端と壁部3220Aとの間で遊技球が挟まれる状態(所謂、球噛み)の発生が抑制される。
つまり、進入規制機構3454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する移行中において、図48に示す状態や、その状態に近い状態が発生した場合、遊技球の重みによって可動部材3454Aに伝わる力は、可動部材3454Aの先端が上流側(すなわち、通路部3219側)へ向かって移動する方向に作用し、可動部材3454Aの先端と壁部3220Aとの間が遊技球Pの1つ分より大きく開放され易い。このため、球噛みが発生することなく、遊技球Pを大入賞装置3434に進入させることができる。
また、進入規制機構3454が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行する移行中において、図48に示す状態や、その状態に近い状態が発生した場合には、進入禁止姿勢への移行として可動部材3454Aの先端が下流側(すなわち、壁部3220A側)に移動しようとするが、遊技球の重みによって可動部材3454Aに伝わる力は、接点D1と接点D2とを結ぶ線分が遊技球Pの中心Cにほぼ相当する位置を略水平に通過しているため、くさびのように可動部材3454Aを進入許容姿勢へ押し戻す方向に強く作用する。このため、可動部材3454Aの下流側への移動(変位)が阻止されて、可動部材3454Aの先端は、一時的に、遊技球の進入を許容する位置まで戻され、遊技球Pが下方に通過した後に、再び、進入禁止姿勢へと移行する。よって、球噛みが発生することなく、遊技球Pを大入賞装置3434に進入させることができる。
また、可動部材3454Aの先端に接触する遊技球Pが十分に高く位置した場合には、遊技球Pは次第に可動部材3454Aによって上方に押し上げられ、通路部3220側へ誘導される。すなわち、進入規制機構3454が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行する移行中、可動部材3454Aの先端と壁部3220Aとの間が遊技球の直径より十分に短い距離である状況において、遊技球が可動部材3454Aの先端に達した場合には、可動部材3454Aの先端は、当該遊技球における中心を通る略水平な位置より十分に下側に位置し、可動部材3454Aの下流側への移動に伴って、当該遊技球を、可動部材3454Aの先端によって次第に上方に押し上げ、通路部3220側へと誘導することができる。よって、かかる場合もまた、球噛みの発生が抑制される。
次に、図49から図51を参照して、通路部3215を通過する遊技球が前方側に排出される構成について説明する。図49は、通路部3215において遊技球が上下に積み重なった状態の一例を示す入賞装置ユニット3200の概略的な正面図であり、図50は、図38のY−Y線における入賞装置ユニット3200の簡略的な断面図である。図51は、通路部3215の前方に形成された開口から前方側に排出された遊技球PBの挙動の一例を示す模式図である。
なお、図49から図51においては、参考のため、入賞装置ユニット3200に進入した遊技球の一部を実線または一点鎖線により図示するとともに、当該遊技球PBの進行方向の一例を実線の矢印によって図示している。また、図49においては、参考のために、遊技球PAの中心を通る鉛直方向の中心線を一点鎖線により図示している。また、図50においては、参考のために、通路部3214における遊技球の支持面3214Aの位置を一点鎖線により図示している。また、図51においては、参考のために、軸部J1Bを通る鉛直方向側の直線Eを一点鎖線により図示している。
通路部3215によって鉛直方向側に誘導された遊技球は、水平方向側(より詳細には、左方向側)へ遊技球を誘導する支持面3217Aに到達すると、その前後において遊技球の誘導方向が大きく変わるので、遊技球の流下速度(進行速度)が大きく減速する。そのため、先に通路部3215に進入して支持面3217Aに到達した遊技球の上に、当該遊技球の次に通路部3215に進入した遊技球が接触することがある。
図49(A)には、通路部3215を通過して支持面3217Aに到達した(すなわち、その下側が支持面3217Aにより支持された)遊技球PAに対し、遊技球PAの次に通路部3215に進入して鉛直方向側に流下する遊技球PBが、遊技球PAの中心より、支持面3217Aよる遊技球の水平方向側の誘導方向(図49に示す入賞装置ユニット3200の例においては、右方向)とは反対側の位置において接した場合の一例を図示している。
図49(A)に示す例の場合、下側の遊技球PAは、遊技球PBとの接触によって、支持面3217Aよる遊技球の水平方向側の誘導方向を向く力を受けるので、通路部3217への進入がスムースとなる。遊技球PAがスムースに通路部3217に進入したことで、遊技球PAの後を追う遊技球PBは、通路部3215の前方に形成された開口から前方側に排出される前に支持面3217Aに到達することができ、それにより、通路部3217によって進入規制機構3454の可動部材3454Aへと誘導される。
図49(B)には、通路部3215を通過して支持面3217Aに到達した遊技球PAに対し、遊技球PAの次に通路部3215に進入して鉛直方向側に流下する遊技球PBが、遊技球PAの中心より、支持面3217Aよる遊技球の水平方向側の誘導方向(図49(A)に示す入賞装置ユニット3200の例においては、左方向)側の位置において接した場合の一例を図示している。
図49(B)に示す例の場合、下側の遊技球PAは、遊技球PBとの接触によって、支持面3217Aよる遊技球の水平方向側の誘導方向とは反対方向を向く力、すなわち、支持面3217Aの傾斜に沿った遊技球の移動を打ち消す向きの力を受けるので、一時的に停止またはほぼ停止した状態となる。そのため、遊技球PAに接触した遊技球PBは、支持面3217Aに到達する前に、通路部3215の前方に形成された開口から、当該開口に対する前方側に排出(誘導)される可能性が高い。
また、図50に示すように、通路部3215における後方側の壁部3215Aは、通路部3214における遊技球の支持面3214Aより上方側の上側部3215A1の前面(すなわち、通路部3215を向く面)が、支持面3214Aより下方側の下側部3215A2より前方側に隆起した形状に構成される。
これにより、通路部3215において上下に積み重なった遊技球のうち、上側の遊技球PBは、上側部3215A1の前面よって後方側への移動が規制されるので、遊技球PBは、支持面3217Aによって下側が支持される遊技球であって、支持面3217Aの前方側に立設する壁部3217Bと壁部3215Aにおける下側部3215A2との間に位置する遊技球PAに対し、当該遊技球PAの中心より前方側の位置において接触する。よって、上側の遊技球PBは、前方側に誘導されやすく、通路部3215の前方に形成された開口から、当該開口にたいする前方側に排出(誘導)されやすい。
通路部3215の前方に形成された開口から前方側に排出された遊技球PBは、矢印Q11で示すように、当該開口に対して前下方側に落下する。その落下先には、大入賞装置3434の進入口(入賞口)が設けられている。よって、進入規制機構3454が進入禁止姿勢である場合には、通路部3215の前方に形成された開口から落下した(排出された)遊技球PBは、可動部材3454Aの上面によって支持されつつ通路部3220へ誘導される。一方、進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合には、通路部3215の前方に形成された開口から落下した遊技球PBは、図51(A)に示すように、大入賞装置3434内に進入できる。
また、通路部3215の前方側に形成された開口から前方側に排出された遊技球PBが可動部材3454A上に落下する状況において、図51(B)に示すように、軸部J1Aと軸部J1Bとを結ぶ直線が、軸部J1Bを通る鉛直方向側の直線Eに対して右方向側に傾いた状態とされる場合には、可動部材3454Aは、進入許容姿勢へ移行する。
具体的には、上方側から落下する遊技球PBによって下方側の力を受けた可動部材3454Aは、第1リンク部3454Bにおいて軸部J1が軸通される側の端部を、錘部3454Fによる復元力を上回る力で下方側に押されることとなり、第1リンク部3454Bが軸部J1B周りを時計回りに回動されるので、可動部材3454Aは、大入賞装置3434の進入口を開放する側(すなわち、進入規制機構3454が進入許容姿勢へ移行する側)に移動する。
すなわち、進入規制機構3454が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行する場合の姿勢移行の途中において、通路部3215に形成された開口から排出された遊技球PBが可動部材3454A上に落下したとしても、可動部材3454Aが大入賞装置3434の進入口を開放する側に移動するので、遊技球PBを大入賞装置3434内に進入させることができる。
また、通路部3215の前方側に形成された開口から前方側に排出された遊技球PBが可動部材3454A上に落下する状況において、進入禁止姿勢へ移行する終了間近の状況(具体的には、軸部J1Aと軸部J1Bとを結ぶ直線が、直線Eと重なる状況以降)では、可動部材3454Aの上面(上側を向いて遊技球を支持可能な支持面)が、通路部3215の下側にて遊技球を待ち受ける配置となる。この状況で可動部材3454Aに向けて通路部3215からの遊技球が接触しても、可動部材3454Aの上面で遊技球を支持することができて、可動部材3454Aを進入禁止姿勢へ移行させることができる。このため、進入禁止姿勢へ移行する終了間近の状況では、可動部材3454Aにおける壁部3220Aに近い側の端部分に遊技球が接触するような状況が起こり得ない。
すなわち、進入規制機構3454が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行する場合の姿勢移行中に、通路部3215に形成された開口から排出された遊技球PBが可動部材3454A上に落下した場合において、遊技球PBが、可動部材3454Aの先端と壁部3220Aとの間に挟まれて、球噛みが発生することを抑制できる。従って、大入賞装置3434の進入口に向けて通路部3215から遊技球が落下して可動部材3454Aに接触する構成としても、可動部材3454Aを含む大入賞装置3434の破損や故障などの発生を抑制することができる。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、右始動入賞装置3432の進入規制機構3452が、鉛直方向側を中心に回動可能に構成された可動部材3452Aの回動動作によって進入禁止姿勢と進入許容姿勢との切り替えを可能に構成され、可動部材3452Aが進入禁止姿勢(第1誘導状態)である場合には、可動部材3452Aに進入した遊技球は通路部3218に誘導され、可動部材3452Aが進入許容姿勢(第2誘導状態)である場合には、可動部材3452Aに進入した遊技球は通路部3241に誘導される。
可動部材3452Aは、鉛直方向側を中心に回動可能であるので、可動部材3452Aにおいて遊技球の下側を支持する支持面3452A3のうち、可動部材3452Aの回動中心よりも上流側(すなわち、入口部3452A1側)の区間においては、可動部材3452Aが鉛直方向側を中心に回動された場合に、当該区間内の支持面3452A3によって支持される遊技球に対し、回動動作による遠心力によって上流側に戻る方向側に当該遊技球を移動させる力を発生できる。
よって、可動部材3452Aを進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行した場合、および、可動部材3452Aを進入許容姿勢から進禁止容姿勢へ移行した場合のいずれの場合においても、支持面3452A3上の遊技球(すなわち、支持面3452A3によって下側が支持される遊技球)が、上流側(入口部3452A1)から下流側(出口部3452A2)へ向かう方向に進行しにくいようにすることができる。
これにより、進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する(切り替わる)時間を長く設定しつつも、進入許容姿勢において遊技球が誘導される側(すなわち、通路部3241側)に遊技球を進行させにくくできる、つまり、通路部3241側への遊技球の進入数を抑制することが可能となる。
したがって、本実施形態の進入規制機構3452によれば、可動部材3452Aが進入許容姿勢へと移行している状況を遊技球が視認しやすく、かつ、通路部3241側への遊技球の進入数を少なく設定しやすい右始動入賞装置3432を構成することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、進入規制機構3452における可動部材3452Aの支持面3452A3が、その上流側に設けられる通路部3217の支持面3217Aに対する段差の下側となるよう設けられているので、支持面3217Aと、支持面3452A3の上流側(入口部3452A1の側)との段差の大きさ分、支持面3452A3における下降傾斜の角度(勾配)を小さくできる。
支持面3452A3における下降傾斜の角度が小さいほど、支持面3452A3による遊技球の進行速度を遅くできるので、進入許容姿勢において遊技球が誘導される側(すなわち、通路部3241側)に遊技球を進行させにくくすることができる。よって、かかる点においても、可動部材3452Aが進入許容姿勢へと移行している状況を遊技球が視認しやすく、かつ、通路部3241側への遊技球の進入数(入賞数)を少なく設定しやすい右始動入賞装置3432を構成することができる。
また、通路部3217の支持面3217Aと、支持面3452A3の上流側(入口部3452A1の側)との間に段差が形成されたことにより、可動部材3452A(支持面3452A3)に進入した遊技球が、通路部3217に再び戻ることを抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、可動部材3452Aの支持面3452A3における出口部3452A2側における壁部3452A5側、すなわち、進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する場合における可動部材3452Aの回動方向とは反対方向側に、球逃がし部3452A6が設けられている。よって、進入規制機構3452を進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行させる(切り替える)場合には、支持面3452A3上の遊技球は、当該回動方向に対して相対的にその反対方向側に移動しやすいので、当該反対方向側(すなわち、壁部3452A5側)に設けられた球逃がし部3452A6に到達しやすい。
球逃がし部3452A6は、支持面3452A3の出口部3452A2側における壁部3452A5側が壁部3452A4側に対して下方側となる段差部として構成されるので、遊技球が球逃がし部3452A6に到達した場合に、当該遊技球を出口部3452A2から排出することができる。よって、進入規制機構3452を進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行させる(切り替える)場合において、その移行中に、支持面3452A3により支持された遊技球を、通路部3218側に排出されやすくできる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、進入規制機構3452の可動部材3452Aにおける支持面3452A3の外縁側には、進入規制機構3452が進入許容姿勢である場合に通路部3241への遊技球の進入を規制する部位として機能する壁部3452A4と、進入規制機構3452が進入許容姿勢である場合に通路部3218への遊技球の進入を規制する部位として機能する壁部3452A5とが立設されており、壁部3452A4と壁部3452A5との間に出口部3452A2が形成されている。
壁部3452A5は、当該壁部3452A5を正面視した場合における出口部3452A2側が、壁部3452A4を正面視した場合における出口部3452A2側に比べて大きく切り欠かれた形状に構成されるので、進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する場合には、壁部3452A4が通路部3241の入口部分を開放し難く、かつ、壁部3452A5が通路部3218の入口部分を閉鎖し難くされ、その一方で、進入規制機構3452が進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ移行する場合には、壁部3452A4が通路部3241の入口部分を閉鎖しやすく、かつ、壁部3452A5が通路部3218の入口部分を開放しやすくできる。よって、進入規制機構3452が一の姿勢から他の姿勢へ(すなわち、進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ、または、進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ)移行する場合における姿勢の移行中において、支持面3452A3上を流下する遊技球を通路部3218に進入しやすくできる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、大入賞装置3434における進入規制機構3454が進入禁止姿勢(進入制限状態)から進入許容姿勢(進入許容状態)に移行する場合には、可動部材3454Aは、当該可動部材3454Aにおける遊技球の進行方向側とは逆の方向側(すなわち、上流側)に変位するとともに、可動部材3454Aの下降傾斜の角度が進入禁止姿勢の場合に比べて大きな傾斜(急な傾斜)であって、遊技球を通路部3221に誘導する傾斜となるよう変位される。
進入規制機構3454の姿勢変化に伴って可動部材3454Aが上流側に変位したことで、可動部材3454Aにおける上流側の一部が通路部3219の下方側に収容されるので、進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合、遊技球は、可動部材3454Aにおける遊技球の支持面のうち通路部3219の下方側に収容された部分を通過する(当該部分に接触する)ことができない。
よって、進入規制機構3454が進入許容姿勢である場合に、通路部3219の下流側から排出された遊技球が可動部材3454Aに到達する(落下する)位置が、進入規制機構3454が進入禁止姿勢である場合に到達する位置より下流側の位置となるので、通路部3219の下流側から排出された遊技球の到達位置(落下位置)が分散される。よって、可動部材3454Aの上面(支持面)にかかる負荷の位置を分散させることができるので、可動部材3454Aにおける経年劣化の進行が抑制され、それにより、可動部材3454Aを好適な状態に保ちやすくできる。
特に、進入規制機構3454の姿勢変化に伴う、可動部材3454Aの位置の変位および下降傾斜の変位は、可動部材3454Aを中間リンク部とする4節リンク機構によって機械的に実現されるので、制御負担を抑制しつつ、可動部材3454Aを好適に変位させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、鉛直方向側に延びる通路部3215と、その下流側に連設され、遊技球を所定の水平方向側(より詳細には、右方向側)に誘導する通路部3217とを備える構成において、通路部3215の前方側に開口が形成されている。これにより、通路部3217の支持面3217Aによって下側が支持された遊技球の上に別の遊技球が積み重なった場合には、上下に積み重なった遊技球のうち上側の遊技球が、通路部3215の前方側に形成された開口から、当該開口に対する前方側に排出される。
よって、鉛直方向側に延びる通路部3215の前方側に形成された開口を、上下に積み重なった遊技球のうち上側の遊技球を鉛直方向側と交差する所定の方向側(より詳細には、通路部3217が連続する方向側と鉛直方向側とを含む平面と交差する所定の方向側)に誘導する誘導部として機能させることができるので、鉛直方向側に延びる通路部3215と、当該通路部3215を通過した遊技球を所定の水平方向側に誘導する通路部3217とが連設される構成において、通路部3217の支持面3217Aによって下側が支持された遊技球の上に別の遊技球が積み重なって生じる球詰まり(球噛み)の発生を抑制できる。
特に、通路部3215の前方側に形成された開口によって遊技球が排出される方向側(すなわち、前方側)の下方側には、大入賞装置3434の進入口(入賞口)が設けられているので、当該開口から前方側に排出された遊技球には、大入賞装置3434に入賞する可能性がある。よって、通路部3215の前方側に形成された開口から遊技球が排出される状況を遊技者に楽しませることができる。
特に、通路部3217の支持面3217Aによって下側が支持される遊技球は、支持面3217Aによって所定の水平方向側(より詳細には、右方向側)に誘導されるだけでなく、壁部3217Bによって、鉛直方向側と交差する所定の方向側(より詳細には、通路部3217が連続する方向側と鉛直方向側とを含む平面と交差する所定の方向側)であって大入賞装置3434の進入口が設けられている側に誘導されることが規制される。よって、通路部3217の支持面3217Aによって下側が支持される遊技球が、前記所定の方向に誘導されることを抑制できるとともに、当該遊技球の上側に積み重なった遊技球を選択的に前記所定の方向側に誘導することができる。
また、通路部3215の前方側に形成された開口は、壁部3217Bより上側の、前記所定の方向側を向く開口として形成されるので、壁部3217Bの上端を、当該開口の下端として流用できる。よって、通路部3217の支持面3217Aによって下側が支持された遊技球の上に別の遊技球が積み重なって生じる球詰まりの発生を簡易な構成で実現できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、右始動入賞装置3432の入口部分を含む通路部3214,3215,3217,3218が基体401の前面に対して後側に位置し、大入賞装置3433の入口部分(進入口)を含む通路部3219,3220が基体401の前面に対して前側に位置するように配置される。このため、基体401の前面に対して前側に、大入賞装置と右始動入賞装置との入口部分を含む通路が設けられる構成と比べて、大入賞装置3433と右始動入賞装置3432との入口部分を構成する通路部3214,3215,3217〜3220の高さ差を小さくすることができ、正面視における入賞装置ユニット3200のサイズを小さく構成できる。
また、大入賞装置3433の入口部分と、右始動入賞装置3432を含む入賞装置ユニット3200の大部分とが、基体401の前面に対して上述のように設けられた構成において、始動装置436に進入した遊技球が入賞装置ユニット3200の入口部3211にしか進入し得ないよう構成されているので、始動装置436に進入した遊技球が大入賞装置3433の入口部分(進入口)に到達する経路を、通路部3218の開口部3218Aを経て通路部3219に進入する経路(図40の矢印Q6および矢印Q7方向の経路)、または、通路部3215の前方に形成された開口から前方側に排出される経路(図51の矢印Q11方向の経路)のいずれかに限ることができる。これにより、遊技球による可動部材3454Aを含む大入賞装置3434の破損や故障などの発生を好適に抑制できる。
<第11実施形態>
次に、図52を参照して、第11実施形態について説明する。第11実施形態のパチンコ機100においては、普通図柄抽選において当選したした場合に実行される普通図柄の変動表示の表示時間が特徴的に構成される。なお、第11実施形態のパチンコ機100は、第10実施形態のパチンコ機100が備える遊技盤400X1と同様、始動装置436の下流側に右始動入賞装置3432が設けられた遊技盤を備える構成とされる。
以下の説明において、上述した第1実施形態から第10実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第11実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第10実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第10実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図52は、始動スイッチ466による遊技球の検出と、右始動入賞装置3432の進入規制機構3452における進入許容姿勢への移行のタイミングを示すタイミングチャートである。図52においては、参考のため、始動スイッチ466により遊技球が検出された時刻(時刻t1)から計時される各時刻における遊技球の各位置を、図40において図示された遊技球の流下経路を示す矢印に付した符号(Q1,Q3,Q4,Q6,Q7)で表している。
なお、図52のタイミングチャートは、各時刻における動作タイミングを表すものであり、時間軸(横軸)における各時刻の位置関係(すなわち、各時刻の時間間隔)を正確に示すものではない。
右打ち遊技手法によって発射された遊技球が始動装置436に進入した場合、始動スイッチ446は、時刻t1において、当該遊技球を検出してオン状態に移行する。始動スイッチ446により遊技球が検出されると、当該検出に基づき、普通図柄抽選が実行される。
始動スイッチ446がオン状態に移行した後、時刻t2において、始動スイッチ446はオフ状態に移行する。普通図柄に係る単位遊技中でなければ、始動スイッチ446がオフ状態に移行したタイミング(すなわち、時刻t2)で、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始される。
始動装置436を通過した遊技球が入賞装置ユニット3200の入口部3211に進入する場合、当該遊技球は、普通図柄表示装置473での普通図柄の変動表示の実行中である時刻t3において入口部3211に進入する。入口部3211に進入した遊技球は、通路部3214(図40(A)参照)を左方向側(矢印Q1方向)に進行した後、通路部3215を鉛直方向側に進行して、時刻t4において、通路部3217(図40(B)参照)に進入する。
通路部3217に進入した遊技球は、通路部3217を右方向側(矢印Q4方向)に進行し、時刻t5において、進入禁止姿勢の進入規制機構3452における可動部材3452Aに進入する。可動部材3452Aに進入した遊技球は、支持面3452A3により支持されながら(支持面3452A3に接触しながら)出口部3452A2へ向かって流下する。
可動部材3452Aに遊技球が進入したタイミング(すなわち、時刻t5)より後の時刻t6において、普通図柄に係る停止図柄が普通図柄表示装置473に確定表示され、それにより、普通図柄の変動表示が停止(終了)する。非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において普通図柄抽選に当選した場合には、普通図柄の変動表示が終了したタイミング(すなわち、時刻t6)で、進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する。
進入規制機構3452は、非時短状態において普通図柄抽選に当選したことで進入許容姿勢に移行した場合には、当該移行後、非時短状態に対応して規定される所定の最大進入許容時間(例えば、略0.3秒)に亘って進入許容姿勢を維持し、その後、時刻t7において進入禁止姿勢に再度移行する。
本実施形態のパチンコ機100においては、非時短状態での普通図柄抽選において当選したことで、非時短状態に対応する所定の最大進入許容時間(例えば、略0.3秒)に亘って進入規制機構3452が進入許容姿勢に移行する場合の時刻t6(すなわち、進入規制機構3452が進入許容姿勢に移行される時刻)が、時刻t5において可動部材3452Aに進入した遊技球が通路部3241に進入できないような時刻に予め設定されている。
なお、始動スイッチ446により遊技球が検出されてから、進入規制機構3452を進入許容姿勢に移行するまでの移行時間(すなわち、時刻t1から時刻t6までの期間)は、始動装置436と入賞装置ユニット3200の配置位置と形状とによって、一定の時間範囲内に収まるものであり、始動装置436による遊技球の検出タイミングから、可動部材3452Aの上に遊技球が位置するまでの時間も実測値によって、予め推定することができる。この実測値によって推定した値の平均値を基準として、移行時間に対応した変動表示の時間が主制御基板920のROMに予め記憶されている。主制御基板920は、普通図柄関連処理S1218(図12参照)において、当該移行時間に基づいて設定される普通図柄の変動時間によって変動表示を行い、時刻t6において進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行されるよう制御する。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、普通図柄の変動表示が開始されてから停止されるまでの期間(すなわち、普通図柄の変動表示時間)が、始動スイッチ446がオフ状態に移行したタイミング(時刻t2)から、上述のように設定された時刻t6までの期間に予め設定されている。このため、時刻t7において進入規制機構3452が進入禁止姿勢に移行した場合、可動部材3452A上の遊技球は、時刻t8において、通路部3241(図40(B)参照)でなく、通路部3218(図40(B)参照)に進入する。そして、当該遊技球は、通路部3218を矢印Q6方向に進行した後、通路部3219(図40(C)参照)に進入して、通路部3219を矢印Q7方向に進行する。
時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)において普通図柄抽選に当選した場合もまた、非時短状態において普通図柄抽選に当選した場合と同じ時刻t6において、普通図柄表示装置473において実行中の普通図柄の変動表示を停止するとともに、進入規制機構3452が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する。
進入規制機構3452は、時短状態において普通図柄抽選に当選したことで進入許容姿勢に移行した場合には、当該移行後、時短状態に対応して規定される所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。なお、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ3442によって検出された場合には、進入規制機構3452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置3432の動作が終了する。
なお、普通図柄の変動表示の時間として、上記した変動表示の時間のみを設定する必要はなく、他の変動表示の時間を含んで、抽選によりいずれかの変動表示の時間を選択するようにしてもよい。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、非時短状態において遊技球が始動スイッチ466により検出された場合(すなわち、普通図柄の始動条件が成立した場合)には、普通図柄表示装置473における普通図柄の変動表示が、進入禁止姿勢である可動部材3452Aに進入した後に開始され、その後、普通図柄抽選において当選したことに基づいて進入許容姿勢に移行した可動部材3452Aが、支持面3452A3上の遊技球が通路部3241に進入できないような時刻(時刻t6)まで実行されるよう構成される。
つまり、非時短状態において普通図柄の始動条件が成立した場合に実行される普通図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)の長さが、進入許容姿勢をとる可動部材3452Aに接触した(より詳細には、支持面3452A3上に接触した)遊技球が、当該可動部材3452Aの進入禁止姿勢への移行によって通路部3241に進入できない長さとされる。
これにより、遊技者は、非時短状態において普通図柄の始動条件が成立した場合に、普通図柄表示装置473に当り図柄が停止図柄として表示されるタイミングで、進入許容姿勢の可動部材3452Aに遊技球が接触した(すなわち、支持面3452A3上に接触した)こと、および、当該可動部材3452Aに接触した遊技球が通路部3241に進入できなかったことを視認し得る。よって、非時短状態において普通図柄の始動条件が成立した場合のように、最大進入許容時間が0.1秒などの極めて短い時間に設定される場合であっても、可動部材3452Aが進入許容姿勢に移行している状況を遊技者に容易に視認させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、時短状態において遊技球が始動スイッチ466により検出された場合においても、普通図柄の変動表示の変動表示時間が、非時短状態において遊技球が始動スイッチ466により検出された場合における普通図柄の変動表示の変動表示時間と同じ長さとされている。
これにより、時短状態において普通図柄の始動条件が成立した場合もまた、遊技者は、普通図柄表示装置473に当り図柄が停止図柄として表示されるタイミングで、非時短状態において普通図柄の始動条件が成立した場合と同様に、進入許容姿勢の可動部材3452Aに遊技球が接触したことを視認し得るので、可動部材3452Aが進入許容姿勢に移行している状況を遊技者に容易に視認させることができる。
また、時短状態および非時短状態のいずれにおいても、普通図柄表示装置473に当り図柄が停止図柄として表示されるタイミングで、遊技者は、進入許容姿勢の可動部材3452Aに遊技球が接触したことを視認し得るので、可動部材3452Aの最大進入許容時間の遊技状態に応じた違いを識別しやすく、それにより、遊技状態が時短状態または非時短状態のいずれであるかを識別しやすい。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)計数期間
上記実施形態においては、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された後に計数無効期間を設けることで、当該計数無効期間に一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を一般入賞数として計数しない構成とした。この場合、連続投入の検出に利用した遊技球は、一般入賞数カウンタにより一般入賞数として計数されているが、連続投入が検出された場合に、一般入賞数カウンタから、かかる検出に利用した遊技球の数だけ値を差し引く構成としてもよい。
上記実施形態においては、S1401の判定基準となる「計数期間」となり得る期間についていくつか例示したが、本実施形態のパチンコ機100のように、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が、中央構造体420に対して右下側に配置されている場合、上記例示に代えて、または、上記例示に加えて、通常遊技状態が開始されたことを計数開始条件とし、通常遊技状態が終了するまでの期間を前記「計数期間」としてもよい。
一般入賞装置439A,439Bのうち、中始動入賞装置431A,431Bに対して左側に配置された一般入賞装置439Aには、左打ち遊技手法によってのみ遊技球が進入(入賞)可能であるのに対し、中始動入賞装置431A,431Bに対して右側に配置された一般入賞装置439Bには、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法のいずれによっても遊技球が進入(入賞)可能である。ここで、本実施形態のパチンコ機100は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右下側に配置されているので、特別遊技状態において、遊技者は右打ち遊技手法によって遊技を行う。そのため、特別遊技状態中に遊技球が一般入賞装置439Bに進入したことで、一般入賞数カウンタによって計数される一般入賞数、および、そのように計数された一般入賞数に基づき算出された釘状態レベルが、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を適切に反映しない値となる可能性がある。
これに対し、通常遊技状態が開始されたことを計数開始条件とし、通常遊技状態が終了するまでの期間を前記「計数期間」とすることで、特別遊技状態中に一般入賞装置439Bに進入した遊技球を計数対象から好適に除外することが可能となる。よって、一般入賞数カウンタによって計数される一般入賞数、および、そのように計数された一般入賞数に基づき算出された釘状態レベルを、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を適切に反映した値として精度良く取得することが可能となる。
なお、通常遊技状態の開始は、例えば、外部端子板580からの信号の出力状態に基づいて判定できる。具体的に、例えば、特別遊技状態中であることを示す信号が外部端子板580から出力されなくなった場合に、通常遊技状態が開始されたと判定できる。
あるいは、本実施形態のパチンコ機100のように、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が、中央構造体420に対して右下側に配置されている場合には、特別遊技状態中に左打ち遊技手法が行われている可能性は低い。よって、発射ハンドル252の回転操作量に基づいて、左打ち遊技手法が行われているか否かを判定し、左打ち遊技手法が行われている場合を通常遊技状態であるとしてもよい。
上記実施形態においては、前ブロック102が開放状態である期間を「計数無効期間」の一例として例示したが、前ブロック102が閉鎖状態である期間を「計数無効期間」としてもよい。また、前ブロック102が閉鎖状態であり、かつ、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合における、以降の所定期間を「計数無効期間」としてもよい。前ブロック102が閉鎖状態であり、かつ、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合における、以降の所定期間を「計数無効期間」とすることで、例えば、遊技領域の一部に遊技球が滞留した球詰まり状態が発生し、その球詰まり状態によって遊技領域の一部における遊技球の流下が不能となることで一般入賞装置439A,439Bに連続して遊技球が進入してしまう状況が発生した場合に、これら遊技球の少なくとも一部の進入について一般入賞数カウンタが更新されないようにすることができる。これにより、球詰まり状態で遊技者が遊技球を発射し続け、一般入賞装置439A,439Bへ不正に遊技球を連続して進入させた場合に対して、一般入賞数カウンタの更新としては、それらの遊技球の一部を除いた遊技球の進入数に対応させることができる。よって、パチンコ機100の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。また、不正に磁石を利用して一般入賞装置439A,439Bに連続して遊技球を進入させる不正行為が行われた場合にも、それら遊技球の少なくとも一部の進入について一般入賞数カウンタが更新されないようにすることができ、パチンコ機100の性能をより適切に評価することができる。
(2)S1502において算出する値
上記実施形態においては、S1502において、一般入賞数カウンタの値を発射球数カウンタの値で除した値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を算出する構成としたが、除数(割る方)とする値は、発射装置330から遊技領域内に発射された遊技球の数が増加に応じて増加する値であれば、必ずしも、発射球数(すなわち、発射球数カウンタにより計数される値)である必要はない。
例えば、計数期間中や電源部901から電力が供給されている全期間中など、所定の期間中における、第1特別図柄および/または第2特別図柄の変動表示回数や、普通図柄の表示回数や、特別遊技状態の発生回数などを、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用してもよい。あるいは、発射装置330から発射された遊技球数を計数し、当該計数された遊技球数、または、当該遊技球数から、発射装置330から発射されたが遊技領域に到達できない遊技球数として予め定められている値を差し引いた値を、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用してもよい。
(3)S1503において算出する釘状態レベル
上記実施形態においては、釘状態レベルを3段階に区分する場合を例示したが、必ずしも、釘状態レベルの区分が3段階である必要はない。例えば、釘状態レベルは、少なくとも、釘411の状態が適切であることを示す区分と、釘411が適切な状態から外れている可能性があることを示す区分との2段階に区分する構成としてもよい。また、釘状態レベルを4段階以上に区分する構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘411が適切な状態から外れている可能性があることを示す区分を2区分に細分化する一方で、釘411の状態が適切であることを示す区分は細分化されることなく1区分とする場合を例示したが、釘411の状態が適切であることを示す区分を2区分以上に細分化する構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘411の状態が適切であることを示す釘状態レベルを最小値である「1」とし、釘411が適切な状態から外れている可能性が高い程、釘状態レベルが大きくなる構成としたが、釘411の状態が適切であることを示す釘状態レベルを最大値とし、釘411が適切な状態から外れている可能性が高い程、釘状態レベルが小さくなる構成としてもよい。
上記実施形態においては、S1502において算出された値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)から、釘状態レベルを算出する構成としたが、一般入賞数カウンタの値から釘状態レベルを算出する構成としてもよい。つまり、発射球数カウンタの値を用いることなく、釘状態レベルを算出する構成としてもよい。
(4)上記実施形態においては、前ブロック102が開放状態であることを条件として、S1502およびS1503の処理を行う構成としたが、S1502の処理、または、S1502およびS1503の処理を、前ブロック102の状態に関わらずに行う構成としてよい。
(5)S1504における釘状態レベルの出力先
上記実施形態においては、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示出力する構成としたが、必ずしも、釘状態レベルの出力先が釘状態レベル表示装置474のような表示装置である必要なない。例えば、釘状態レベルの出力先を管理装置(例えば、所謂「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理装置)や携帯可能な端末装置などとし、S1504において、釘状態レベルを示すデータを管理装置や端末装置に送信する構成としてもよい。あるいは、釘状態レベルの出力先をプリンタなどの印刷装置とし、S1504において、釘状態レベルを示す印刷データを印刷装置に出力し、当該印刷装置に釘状態レベルを印刷させる構成としてもよい。あるいは、釘状態レベルの出力先をスピーカなどの音声出力装置とし、S1504において、釘状態レベルを示す音声データを音声出力装置に出力し、当該音声出力装置から釘状態レベルを示す音声を出力させる構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘状態レベルの出力先として、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474を例示したが、釘状態レベル表示装置474が必ずしも7セグメント表示器により構成される必要はない。例えば、釘状態レベル表示装置474が、LCDのような、種々の画像を表示可能な表示装置から構成されてもよい。
上記実施形態においては、釘状態レベルの表示を専用で行う表示装置(すなわち、釘状態レベル表示装置474)を釘状態レベルの出力先として設ける構成としたが、釘状態レベルの出力先は、必ずしも専用の表示装置である必要はなく、他の用途に用いられる表示装置が釘状態レベルの表示装置としても機能するよう構成してもよい。例えば、装飾図柄表示装置479に釘状態レベルを表示する構成としてもよい。
ここで、釘状態レベルを装飾図柄表示装置479に表示する場合、釘状態レベルの表示箇所は、装飾図柄表示装置479の角部側であることが好ましい。釘状態レベルを装飾図柄表示装置479の角部側に表示することで、表示された釘状態レベルを目立ち難くすることができる。よって、装飾図柄表示装置479に表示された釘状態レベルを遊技者に認識させ難くすることができるので、遊技とは無関係の情報(すなわち、釘状態レベル)が表示されたことで、遊技に対する不信感を遊技者に抱かせることを好適に抑制できる。
また、釘状態レベルを装飾図柄表示装置479に表示する場合、第1特別図柄の変動表示の実行中に釘状態レベルを表示する構成としてもよい。これにより、釘状態レベルを確認する者(例えば、遊技機の検査機関の構成員などの外部者)は、遊技者による遊技中において(すなわち、前ブロック102を開放することなく)、釘状態レベルを確認することができる。釘状態レベルを、前ブロック102が開放状態である場合に釘状態レベル表示装置474に表示することに代えて、第1特別図柄の変動表示の実行中などの所定の時期に装飾図柄表示装置479に表示する構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘状態レベル表示装置474を、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態において視認可能となる位置に設ける構成としたが、釘状態レベル表示装置474の設置位置は、必ずしも上記例示した場所である必要はない。例えば、遊技中の遊技者に視認できない位置(例えば、パチンコ機100の裏側)に釘状態レベル表示装置474を設ける構成としてもよい。すなわち、釘状態レベル表示装置474は、中間ブロック103の裏面側から視認可能な位置であって、主制御基板920、払出制御基板930又は副制御基板940のいずれかに設けてもよい。
(6)S1504において表示される釘状態レベルの表示内容
上記実施形態においては、S1503において算出された釘状態レベルの数値を釘状態レベル表示装置474に表示する構成としたが、釘状態レベルを示す情報であれば、必ずしも、釘状態レベルを示す表示内容(出力内容)が数値である必要はない。例えば、釘状態レベル表示装置474が、例えば、LCDから構成される場合、S1503により算出された釘状態レベルを、数字として表示しても、各数値に対応する記号や文字や図形などで表示しても、各数値に応じた、丸や四角などの図形の個数や、各数値を示すバーコード(例えば、二次元バーコード)などの形態で表示してもよい。
上記実施形態においては、S1503において算出された釘状態レベルの数値を釘状態レベル表示装置474に表示する構成としたが、S1502において算出された値を7セグメント表示器やLCDなどの表示装置に表示する構成としてもよい。つまり、S1503の処理を省略する構成としてもよい。
上記実施形態においては、S1503において算出された釘状態レベルの数値を釘状態レベル表示装置474に表示する構成としたが、S1503において算出された数値、または、S1502において算出された値を、所定の演算に基づき暗号化した情報を7セグメント表示器やLCDなどの表示装置に表示する構成としてもよい。暗号化された情報を表示することにより、遊技とは無関係の情報(すなわち、釘状態レベルなど)が表示されていると遊技者に認識させ難くすることができる。これにより、遊技者に遊技に対する不信感を抱かせることを好適に抑制できる。
上記所定の演算は、固定的な演算式によって行われる構成としてもよいし、定期的(例えば、1時間毎)、または、所定のタイミング(例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタが所定値となったタイミング)で所定のパターンに基づいて変更される演算式によって行われる構成としてもよい。なお、当該演算式は、固定的なものであるか、可変的なものであるかにかかわらず、暗号化された情報を確認する者(例えば、遊技機の検査機関の構成員などの外部者)がデコード可能に知らされていることが好ましい。
(7)釘状態レベルの出力時期
上記実施形態においては、前ブロック102が開放状態である場合に釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示出力する構成としたが、釘状態レベルの表示時期としては、必ずしも、前ブロック102が開放状態である場合である必要はない。例えば、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に常時表示させる構成としてもよい。また、前ブロック102が開放され、かつ、所定の操作が入力された場合に、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示させる構成としてもよい。あるいは、端末装置や管理装置などから送信された出力要求をパチンコ機100が受信した場合に、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示させる、または、出力要求の送信元の端末装置や管理装置などに釘状態レベルを示すデータを出力する構成としてもよい。
(8)上記実施形態においては、計数の対象とする入賞装置を、進入したことで賞球が付与されるが、大当り抽選とは無関係であるとともに、進入確率を変化可能な可動片も設けられていない一般入賞装置439A,439Bに限る構成としたが、始動入賞装置431A,431B,432のように進入したことで大当りの抽選が行われる入賞装置や、進入確率を変化可能な可動片が入口部分に設けられた右始動入賞装置432などを計数の対象とし、各入賞装置について釘状態レベルを算出する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、複数の一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する複数の一般入賞スイッチ449A,449Bを別々に設ける構成について説明したが、複数の一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球の通路を下流側にて合流する構成とし、共通の入賞スイッチによって一般入賞数を計数してもよい。また、一般入賞数の計数に用いる入賞スイッチは、賞球の払い出しに用いられるスイッチであってもよいし、賞球の払い出しに用いられるスイッチとは別に設けてもよい。
また、上記実施形態においては、複数の一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する複数の一般入賞スイッチ449A,449Bに対して、一般入賞数をまとめて計数する構成としたが、一般入賞数カウンタを、複数の一般入賞スイッチ449A,449Bに対応して別々に設け、一般入賞数や、釘状態レベルとして、複数の一般入賞装置439A,439Bに対して別々に表示してもよい。この場合に、入賞数カウンタによって入賞数を計数するための入賞スイッチは、特定の遊技手法(例えば、左打ち遊技手法)が行われた場合に、当該遊技手法によってのみ遊技球が進入可能となる入賞装置(又は入賞口、例えば、一般入賞装置439A)と、別の遊技手法(例えば、右打ち遊技手法)によって遊技球が進入可能となる入賞装置(又は入賞口、例えば、一般入賞装置439B)とに対して別々に設けることが好ましく、これにより、各入賞装置の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411等の遊技球の流下に影響する部材の配置状態を適切に反映した値として一般入賞数及び釘状態レベルを精度良く取得することが可能となる。
また、上記実施形態においては、1の計数期間に対して一般入賞数を計数して釘状態レベルを表示する構成について説明したが、複数の計数期間に対して別々に一般入賞数を計数する構成としてもよい。例えば、一般入賞数カウンタを、複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態と、特別遊技状態)に対応して別々に設け、一般入賞数や、釘状態レベルとして、各遊技状態に対応して別々に表示してもよい。
(9)上記実施形態においては、一般入賞数および発射球数の計数をパチンコ機100(より詳細には、主制御基板920)にて行う構成としたが、計数期間中に一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球数、および、計数期間中における発射球数を管理装置が取得可能な構成とし、当該管理装置において釘状態レベルを算出する構成としてもよい。
(10)上記実施形態においては、発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタ等の釘状態レベルに関する情報は、電源部901からバックアップ電圧が供給され、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な保存情報を記憶する主制御基板920のRAMに記憶され、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去した場合に、発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタの記憶内容が消去される場合について説明したが、保存情報とは、記憶内容が消去される方法が異なるものとしてもよい。例えば、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去しても、発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタの値は消去されず、保存情報を消去する場合とは別の特定の操作が行われた場合に限って消去される構成としてもよい。例えば、所定のスイッチを一定時間以上長く押した場合、所定の通信機器によって消去操作を実行した場合、所定の鍵による消去操作を実行した場合(例えば、主制御基板920に鍵操作により回動可能なスイッチを設けた場合)、所定の消去可能操作を実行した場合(例えば、前ブロック102の発射ハンドル252の回転操作量を最大にした状態で、所定のスイッチ(図示せず)による保存情報の消去操作を実行した場合)等が例示される。また、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な保存情報とは別の記憶媒体(例えば、フラッシュメモリやICチップ)に記憶される構成としてもよく、当該保存情報より長時間にわたって情報を記憶可能な記憶媒体をパチンコ機100(例えば、主制御基板920)に設けて、当該記憶媒体に発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタ等の釘状態レベルに関する情報を記憶することが好ましい。
(11)第2実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第2実施形態においては、遊技場の管理者等の設定変更者がパチンコ機100に設けられたスイッチ(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)を操作することで出球率の設定変更(すなわち、遊技態様の設定変更)を行う構成とした。これに代えて、パチンコ機100と通信可能な外部装置(例えば、所謂「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理装置)や携帯端末装置(携帯可能な端末装置)が、遊技態様を次の遊技態様に変更する指示に対応する信号、または、設定する遊技態様を示す情報を通信によってパチンコ機100に入力する構成としてもよい。
上記第2実施形態においては、判定処理S1601において、S1503の処理にて算出された釘状態レベルについて設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としたが、これに代えて、判定処理S1601において、S1502の処理にて算出した値、すなわち、(一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としてもよい。また、判定処理S1601において、所定の期間(例えば、1時間)において計数された一般入賞数カウンタの値について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としてもよい。
あるいは、第1特別図柄および/または第2特別図柄の変動表示回数や、普通図柄の表示回数や、特別遊技状態の発生回数などを、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用した場合に、一般入賞数カウンタの値を当該除数で序した値について、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
また、発射装置330から発射された遊技球数を計数し、当該計数された遊技球数、または、当該遊技球数から、発射装置330から発射されたが遊技領域に到達できない遊技球数として予め定められている値を差し引いた値を、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用した場合に、一般入賞数カウンタの値を当該除数で序した値について、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
上記第2実施形態においては、判定処理S1601において、釘状態レベルが「2」以上である場合に設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成としたが、釘状態レベルが「1」である場合など、釘411が適切な状態である可能性が高いことを示す値である場合に設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成としてもよい。
上記第2実施形態においては、判定処理S1602において、一般入賞装置2439A,2439Bへの遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としたが、一般入賞装置2439A,2439Bだけでなく、中始動入賞装置2431などの始動入賞装置を含む入賞装置への遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
上記第2実施形態においては、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのうち、予め定められた1の一般入賞装置(例えば、一般入賞装置2439B)に遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成を例示したが、予め定められた1の一般入賞装置に予め決められた所定の個数(例えば、5個)の遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成としてもよい。
上記第2実施形態においては、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのうち、予め定められた1の一般入賞装置(例えば、一般入賞装置2439B)に遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成を例示したが、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのいずれに遊技球が進入した場合においても設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成であってもよい。つまり、予め決められた複数の(2以上の)入賞装置のいずれかに遊技球が進入した場合に、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。また、予め決められた複数の(2以上の)入賞装置の両方に遊技球が進入した場合に、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
また、予め決められた複数の入賞装置に予め決められた所定の順序で(例えば、一般入賞装置2439B、一般入賞装置2439Aの順で)遊技球が進入した場合に、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。つまり、予め決められた入賞装置が複数設けられている場合に、これら複数の入賞装置への遊技球の進入だけでなく、当該進入の順序を設定示唆情報の出力条件の要件として含める構成としてもよい。これにより、遊技者は、予め決められた複数の入賞装置に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させた特典として設定示唆情報を得ることができる。よって、遊技者は、予め決められた複数の入賞装置に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させる遊技を楽しむことができる。
上記第2実施形態においては、特別遊技状態中において、遊技者の意思によって実行するかしないかを選択することが可能な操作によって設定示唆情報の出力条件を成立させることが可能な場合について説明したが、これに限らず、他の操作によって設定示唆情報の出力条件を成立させる構成としてもよい。例えば、左打ち遊技手法によって遊技を行うことで遊技者にとって有利となる通常遊技状態において、左打ち遊技手法とは別の右打ち遊技手法を行った場合に設定示唆情報の出力条件が成立し易くしてもよく、この場合には、例えば、役連作動装置435などの右打ち遊技手法で発射された遊技球が高確率(略50%以上が好ましく、略70%以上が好適)で通過可能な領域とすることは遊技者が設定示唆情報の出力条件を容易に成立させることができて好ましく、また、他の機能が付加された領域であって通常遊技状態において使用されない領域を遊技球が通過することを設定示唆情報の出力条件とすることは部品点数を抑えつつ当該領域を高確率で遊技球が通過可能に設定し易くすることができて好ましい。また、通常遊技状態において球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されていることを示す球溢れ信号を受信した場合に設定示唆情報の出力条件の成立とし、遊技球の貸し出し操作を行った遊技者が球抜き操作部材232(図1参照)を操作して球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されるように積極的な操作をすることによって設定示唆情報を獲得する遊技性を付加してもよい。
上記第2実施形態においては、設定示唆情報関連処理S2021において、判定処理S1601,S1602,S1603,S1605のうち、いずれか1の判定処理において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定されると、設定示唆情報の出力が実行される構成としたが、複数の判定処理において設定示唆情報の出力条件の一部が個別に設定され、全ての条件が成立した場合に設定示唆情報の出力条件が成立したとして設定示唆情報の出力が実行される構成としてもよい。例えば、判定処理S1601,S1602,S1603,S1605の全てにおいて各々の設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合に、設定示唆情報の出力が実行される構成であってもよい。
上記第2実施形態においては、特別図柄(第1特別図柄、第2特別)に係る単位遊技において行われる特別図柄および装飾図図柄の変動表示時間(変動時間)が、現在設定されている遊技態様に対応して選択可能である構成としたが、装飾図柄表示装置479にて装飾図柄が変動表示される期間内に設定された所定の操作可能期間中に押圧操作装置261が操作された場合に現出する所定の示唆演出の演出時間が、現在設定されている遊技態様に対応して選択可能である構成としてもよい。なお、「示唆演出」とは、装飾図柄表示装置479において装飾図柄が確定表示された後の特別遊技状態への遷移しやすさの程度(または期待度)を示唆する演出である。
上記第2実施形態においては、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選に当選した場合に、現在設定されている遊技態様(すなわち、その時点において主制御基板920のRAMに格納されている設定対応情報)に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンを選択する構成としたが、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選に当選した場合に、主制御基板920のRAMに格納されている設定対応情報を副制御基板940に出力し、副制御基板940において現在設定されている遊技態様に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンを選択する構成であってもよい。また、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選を副制御基板940において行う構成であってもよい。
(12)第3実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第3実施形態においては、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作により設定可能な9種類の設定として、各タイプにおいて確変終了率(1から確変継続率を減算した値)は同一の値とし、各タイプ内の3段階の確率の設定として高確率時の大当り確率(確変遊技状態における大当り確率)を設定毎に異ならせることで、設定毎の確変遊技終了確率を異ならせる構成を例示して説明した。これに代えて、9種類の各設定における高確率時の大当り確率を同一の値とし、確変終了率を設定毎に異ならせることで、設定毎の確変遊技終了確率を異ならせる構成としてもよく、9種類の各設定における高確率時の大当り確率を各々異ならせるとともに、9種類の各設定における確変終了率を各々異ならせることで、確変遊技終了確率を異ならせる構成としてもよい。
また、上記第3実施形態においては、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作により設定可能な9種類の設定について、設定毎に確変遊技終了確率が異なる構成としたが、必ずしも確変遊技終了確率が、すべての設定において異なるようにする必要はなく、同一の確変遊技終了確率となる設定を含むように構成してもよい。例えば、トップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプの各タイプにそれぞれ属する各3段階の設定について、同じタイプ内では確変遊技終了確率が同じ値となるよう、各設定における高確率時の大当り確率および確変終了率を設定する構成としてもよい。
上記第3実施形態においては、確変遊技状態における初回の単位遊技から抽選リーチ発生単位遊技の1つ前の回の単位遊技に至るまで期間(すなわち、確変状態A,Bの単位遊技が実行される期間)は小当り当選による獲得球数の増大が制限される構成としたが、確変遊技状態における初回の単位遊技から小当り当選によって獲得球数が増大する構成としてもよい。
確変遊技状態における初回の単位遊技から小当り当選によって獲得球数が増大する構成の遊技機においては、小当り当選によって遊技球が獲得可能な単位遊技の回数が多くなるほど、確変遊技状態における獲得球数(小当り獲得球数)が多くなるため、確変遊技状態における大当り確率(高確率)が低いほど(すなわち大当り当選しにくいほど)、小当り獲得球数を多くすることができ、また、当選後に通常遊技状態へ遷移する確率が低い(すなわち確変継続率が高い)ほど、小当り獲得球数を多くすることができる。
このため、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いトップタイプが設定変更機能によって設定されている場合には、通常遊技状態において大当り抽選に当選し難いものの、通常遊技状態から、一旦、特別遊技状態を経由して確変遊技状態に移行した場合、確変遊技状態における単位遊技において小当り特典によって遊技球を獲得する機会を増大することもできるので、獲得球数を大きく増大させることが可能となる。
一方、初当り確率が大幅に高いが確変継続率が大幅に低いボトムタイプが設定変更機能によって設定されている場合には、通常遊技状態において大当り抽選に当選しやすいものの、その後に通常遊技状態に戻り易い。確変遊技状態での小当り特典によって遊技球を獲得しにくく、それにより、主に特別遊技状態による遊技球の獲得によって獲得球数が増やすことができる。
例えば、ボトムタイプの遊技態様における大当り確率として、低確率を1/10とし、高確率を1/5とする一方で、トップタイプの遊技態様における低確率を1/100とし、高確率を1/50とし、確変継続率は、タイプに限らず共通(例えば、1/2)に設定する。
また、1回の特別遊技状態における平均的な獲得球数を、トップタイプまたはボトムタイプなどタイプの種類にかかわらず10球とする一方で、1回の確変遊技状態への移行に対する払出し特典としての平均的な獲得球数を、ボトムタイプにおいて40球とし、トップタイプにおいて490球とした場合、1回の初当り(通常遊技状態における大当り)に対する獲得球数の期待値は、ボトムタイプにおいて50球(=10+40)となり、トップタイプにおいて500球(=10+490)となる。平均的に2連続で確変遊技状態が継続すると、ボトムタイプにおける獲得球数の期待値は100球(=50×2)となり、トップタイプにおける獲得球数の期待値は1000球(=500×2)となる。
よって、かかる例において、ボトムタイプは、1/10の確率で初当りが生じるが、獲得球数の期待値が100球である設定である。また、トップタイプは、ボトムタイプより低い1/100の確率で初当りが生じるが、獲得球数の期待値がボトムタイプより多い1000球である設定である。
つまり、ボトムタイプに設定した場合に、初当りしやすいが、遊技球を獲得し難く、トップタイプに設定した場合に、初当りし難いが、遊技球を獲得しやすいという仕様を作り出すことができる。なお、上記例においては、トップタイプは、ボトムタイプに対して、10倍の初当り確率で、獲得球数(出球)が10倍となるので、出球率としてはトップタイプもボトムタイプもほぼ同じとなる。
上記第3実施形態においては、突出部1537,1538のうち最も上流側に位置する突出部1537Aが、上面視において、第1流下通路部1532Aの開口に重ならない位置に設けられている構成(図20(C)参照)としたが、突出部1537または突出部1538が、上面視において、第1流下通路部1532Aの開口に重なる位置に設けられる構成であってもよい。突出部1537または突出部1538が、上面視において、第1流下通路部1532Aの開口に重なる位置に設けることで、遊技球が突出部1537,1538との衝突によって進路方向が変更されることで第1流下通路部1532Aに進入し易い状況が生じ得る。
なお、第1流下通路部1532Aの開口と突出部1537,1538との位置関係は、第1流下通路部1532Aの開口が、上面視において、突出部1537,1538によって遊技球が前後方向に蛇行される位置より上方側に位置することが好ましい。「突出部1537,1538によって遊技球が前後方向に蛇行される位置」とは、第3実施形態のパチンコ機100のように遊技球が突出部1537,1538に到達する前の位置であってもよいし、遊技球が突出部1537,1538によって前方または後方のいずれか一方に移動した位置であってもよい。
上記第3実施形態においては、右始動入賞装置1432が、当該右始動入賞装置1432の進入口から進入した遊技球が通過可能な流下通路部として、2つの流下通路部1532A,1532Bを備える構成としたが、第1流下通路部1532Aが上記第3実施形態において説明した形状であれば、3以上の流下通路部を備える構成であってもよい。
上記第3実施形態においては、小当り特典として開放される右大入賞装置1434の最大進入許容時間が、出球率の設定変更によって変更された遊技態様に応じて異なる構成であったが、小当り特典として開放される右大入賞装置1434の開放回数や、右大入賞装置1434が複数回開放される場合に各開放の間に設けられるインターバル時間を出球率の設定変更によって変更された遊技態様に応じて異ならせる構成であってもよい。
上記第3実施形態においては、右大入賞装置1434は、上大入賞装置2433(図14参照)のような特定通路および非特定通路を有さない構成としたが、右大入賞装置1434を上大入賞装置2433と同様の大入賞装置として構成し、特別遊技状態において右大入賞装置1434に進入した遊技球が特定通路を通過した場合に、特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する構成としてもよい。
(13)第4実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第4実施形態においては、図25に示したように、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数および各小当り図柄による小当りの成立回数が、条件装置が作動することになる図柄の組合せの種類と、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時における遊技状態との組合せに応じて決められている構成としたが、条件装置が作動することになる図柄の組合せの種類、または、当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時における遊技状態に対して、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数および各小当り図柄による小当りの成立回数が決められている構成であってもよい。
あるいは、変動時間短縮機能の終了条件となる特別図柄表示装置471,472の作動回数および各小当り図柄による小当りの成立回数が、条件装置が作動することになる図柄の組合せの種類や当該図柄の組合せに基づく条件装置の作動時における遊技状態などとは無関係に決められている構成であってもよい。
上記第4実施形態においては、次回の条件装置の作動を変動時間短縮機能の終了条件の1つとして含める構成としたが、次回の条件装置の作動を変動時間短縮機能の終了条件に含めない構成としてもよい。なお、特別図柄表示装置471,472の作動回数や各小当り図柄による小当りの成立回数だけでなく、次回の条件装置の作動を変動時間短縮機能の終了条件に加えることで、変動時間短縮機能を終了させる条件を好適に多様化できる。
上記第4実施形態においては、3種類の小当り図柄を第2特別図柄に設ける構成としたが、第2特別図柄における小当り図柄の数は、3種類に限らず、1または2種類であってもよいし、4以上の種類であってもよい。
上記第4実施形態においては、小当りの成立回数(小当り当選の回数)を変動時間短縮機能の終了条件とする構成であったが、小当り当選に基づく右大入賞装置1434の開放回数(進入規制機構1454が進入許容姿勢となる回数)を変動時間短縮機能の終了条件とする構成であってもよい。
上記第4実施形態においては、特別遊技状態後であって変動時間短縮機能の作動前に、変動時間短縮機能が終了するまでの残り期間を残り期間カウンタに設定し、特別図柄表示装置471,472が作動する毎に、残り期間カウンタに記憶される残り期間を1ずつ減算する構成としたが、必ずしも残り期間に一致した情報によって残り期間に対応した情報を記憶する必要はなく、残り期間に対応した値をテーブルなどに設定した値によって記憶する構成としてもよいし、残り期間を算出可能な情報を記憶してもよい。例えば、特別図柄表示装置471,472が作動する毎に、特別図柄表示装置471,472の作動回数および各小当り図柄による小当りの成立回数を所定のカウンタによって計数し、当該カウンタの値に基づいて変動時間短縮機能の終了条件が成立したか否かを判定する構成であってもよい。
なお、特別図柄表示装置471,472が作動する毎に、特別図柄表示装置471,472の作動回数を上記のように所定のカウンタによって計数する構成においては、主制御基板920は、特別図柄表示装置471,472が作動する毎に、当該所定のカウンタの記憶内容(特別図柄表示装置471,472が作動した回数)と変動時間短縮機能の終了条件として設定されている特別図柄表示装置471,472の作動回数とから、変動時間短縮機能が終了するまでの残り期間を算出し、算出された残り期間の値をRAMの所定の記憶領域に記憶する構成としてもよい。
上記第4実施形態においては、高確率状態かつ時短状態の遊技状態において、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712を装飾図柄表示装置479に表示し、各表示部1711,1712の表示態様や、これらの表示部1711,1712の重なり量を特別図柄表示装置471,472に係る残り期間の変化に応じて変化させる構成としたが、かかる表示は、高確率状態かつ時短状態の遊技状態である場合に限らず、低確率状態かつ時短状態の遊技状態など、各種の遊技状態において表示してもよい。
上記第4実施形態においては、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の大きさを、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて次第に大きくすることで、両表示部1711,1712の重なり量を増大させる構成としたが、残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712の少なくとも一方の大きさを大きくすることで、両表示部1711,1712の重なり量を増大させる構成としてもよい。
あるいは、各表示部1711,1712の大きさを変化させることなく、残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712の少なくとも一方を移動させることで両表示部1711,1712の重なり量を増大させる構成であってもよく、残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712の少なくとも一方の移動と、残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712の少なくとも一方の大きさの変化との組合せによって両表示部1711,1712の重なり量を増大させる構成であってもよい。
なお、両表示部1711,1712の重なり量を増大させる構成において、図26に示したように、各表示部1711,1712が初期位置において離間している必要はなく、両表示部1711,1712が初期位置において互いに重なる構成であってもよい。
上記第4実施形態においては、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の重なり量が特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて増大することで遊技状態の遷移時期の到来を期待させる構成としたが、両表示部1711,1712が重なることなく、互いの距離が特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が少なくなるにつれて短くなることで、遊技状態の遷移時期の到来を期待させる構成としてもよい。
上記第4実施形態においては、装飾図柄表示装置479の画面における上端側に残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712を表示する構成としたが、これらの表示部1711,1712の表示位置は、当該画面の上端側に限らず、下端側、左端側、または右端側のいずれであってもよい。
上記第4実施形態においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間に対応する数字を残り期間表示部1711に表示する構成としたが、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間に対応する数字とともに、または、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間に対応する数字を表示することなく、各小当り図柄による小当りの成立に係る残り期間を表示する構成であってもよい。
(14)第5実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第5実施形態においては、小当りの成立回数(小当り当選の回数)を確率変動機能の終了条件とする構成であったが、小当り当選に基づく右大入賞装置1434の開放回数(進入規制機構1454が進入許容姿勢となる回数)を、別の遊技状態への移行に対しての条件としてもよく、例えば、確率変動機能の終了条件とする構成であってもよいし、通常遊技状態における小当りの成立回数(小当り当選の回数)が予め定めた条件を満たした場合に大当り当選と同一の特別遊技状態を発生させる構成としてもよい。
(15)第6実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第6実施形態においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が短くになるにつれて、遷移後遊技状態表示部1712の遊技状態情報(文字列「PERFECT RUSH」)の認識性が高められる構成としたが、これに代えて、または、これに加えて、小当り図柄による小当りの成立に係る残り期間が短くなるにつれて、遷移後遊技状態表示部1712の遊技状態情報の認識性が高められる構成であってもよい。
上記第6実施形態においては、遷移後遊技状態表示部1712の遊技状態情報が複数の文字から構成される文字列である構成としたが、当該遊技状態情報は、文字列と記号や絵柄などとを組合せたものであってもよい。
上記第6実施形態においては、遷移後遊技状態表示部1712が表示される所定の初期状態または当該初期状態に近い時期において、遊技状態情報(文字列「PERFECT RUSH」)を構成する全ての文字が認識不能または認識困難となるよう画像1713が表示される構成としたが、当該初期状態において遊技状態情報を構成する文字の全てが認識不能または認識困難である必要は必ずしもなく、遊技状態情報を構成する文字の一部が認識可能に表示される構成であってもよい。
上記実施形態においては、遊技状態情報を構成する全文字が認識可能な状態となる時期を、図28(E)に示すように、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移した後としたが、遊技状態情報を構成する全文字が認識可能な状態となる時期としては、確変遊技状態の内部遊技状態が非時短状態に遷移した後に限らず、残り期間表示部1711に「0」が表示される時期(図28(D)参照)や、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が所定の期間より短い時期(例えば、残り期間表示部1711に「5」が表示される時期)などであってもよい。
上記第6実施形態においては、遊技状態情報を構成する文字の少なくとも一部を認識不能または認識困難とする画像1713として、1または複数の矩形状のブロックを表示する構成としたが、遊技状態情報を構成する文字の少なくとも一部を認識不能または認識困難とすることができる画像であれば、画像1713として採用することができる。例えば、遷移後遊技状態表示部1712の周りに幾重にも巻かれた鎖の画像を画像1713として採用し、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間が短くなるにつれて、鎖が解けて遊技状態情報を構成する文字が次第に認識可能になっていくよう構成してもよい。
上記第6実施形態においては、遷移後遊技状態表示部1712の大きさが一段階大きく変化する場合に、変化後の大きさより大きい遷移後遊技状態表示部1712(遷移後遊技状態表示部1712A)を一時的に表示した後に、変化後の大きさの遷移後遊技状態表示部1712を表示する構成としたが、変化後の大きさより小さい遷移後遊技状態表示部1712を一時的に表示した後に、変化後の大きさの遷移後遊技状態表示部1712を表示する構成としてもよい。
上記第6実施形態においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間の変化に応じて遷移後遊技状態表示部1712が段階的に大きくなる構成としたが、遷移後遊技状態表示部1712が当該残り期間の変化に応じて段階的に小さくなる構成であってもよい。遷移後遊技状態表示部1712が段階的に小さくなる構成においては、遷移後遊技状態表示部1712の大きさが一段階小さく変化する場合に、変化後の大きさより大きい遷移後遊技状態表示部1712、または、変化後の大きさより小さい遷移後遊技状態表示部1712を一時的に表示した後に、変化後の大きさの遷移後遊技状態表示部1712を表示する構成としてもよい。
同様に、上記第6実施形態においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間の変化に応じて残り期間表示部1711が段階的に大きくなる構成としたが、残り期間表示部1711が当該残り期間の変化に応じて段階的に小さくなる構成であってもよい。残り期間表示部1711が段階的に小さくなる構成においては、残り期間表示部1711の大きさが一段階小さく変化する場合に、変化後の大きさより大きい残り期間表示部1711、または、変化後の大きさより小さい残り期間表示部1711を一時的に表示した後に、変化後の大きさの残り期間表示部1711を表示する構成としてもよい。
上記第6実施形態においては、変化後の大きさより大きい残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712を一時的に表示した後に、変化後の大きさの残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712を表示する構成としたが、変化後の大きさの残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712を表示する前に、残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712の形状が一時的に変形される構成であってもよい。
上記第6実施形態においては、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712が、特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの期間内に設けられた所定の時期が到来する毎に一段階ずつ大きく表示される構成としたが、残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712の少なくとも一方について、その大きさが特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの期間に亘って変化しない構成であってもよい。
かかる構成において、特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの期間内に、残り期間表示部1711だけが一時的に変化される(拡大、縮小、もしくは変形、または、これらの2以上の組合せ)時期と、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が同期して一時的に変化させる時期とを設ける構成としてもよい。
上記第6実施形態においては、特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの期間内に、残り期間表示部1711だけが一時的に拡大される時期と、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が同期して一時的に拡大される時期とを設ける構成としたが、遷移後遊技状態表示部1712だけが一時的に拡大される時期と、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が同期して一時的に拡大される時期を設ける構成であってもよい。
上記第6実施形態においては、特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの期間内に、残り期間表示部1711だけが一時的に拡大される時期(以下、この時期を便宜上「第1時期」とも称す)と、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が同期して一時的に拡大される時期(以下、この時期を便宜上「第2時期」とも称す)とを設ける構成としたが、第1時期または第2時期における残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712の一時的な変化の態様は、必ずしも拡大である必要はなく、拡大、縮小、もしくは変形、または、これらの2以上の組合せであってもよい。
また、第2時期においては、残り期間表示部1711の一時的な変化の態様と、遷移後遊技状態表示部1712の一時的な変化の態様とが必ずしも同じである必要はなく、残り期間表示部1711の一時的な変化の態様と、遷移後遊技状態表示部1712の一時的な変化の態様とが異なる構成であってもよい。また、第1時期における残り期間表示部1711(または遷移後遊技状態表示部1712)の一時的な変化の態様が、第2時期における残り期間表示部1711または遷移後遊技状態表示部1712のうち少なくとも一方の一時的な変化の態様と異なる構成であってもよい。
上記第6実施形態においては、特別図柄表示装置471,472の作動回数が変動時間短縮機能の終了条件に達するまでの期間内に、残り期間表示部1711だけが一時的に拡大される時期(第1時期)と、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が同期して一時的に拡大される時期(第2時期)とを設ける構成としたが、当該期間内に第1時期でも第2時期でもない時期を設ける構成としてもよい。例えば、当該期間内に、第1時期でも第2時期でもない時期として、残り期間表示部1711および遷移後遊技状態表示部1712の両方が同期して一時的に消失する時期や、遷移後遊技状態表示部1712だけが一時的に拡大される時期を設ける構成としてもよい。
上記第6実施形態においては、高確率状態かつ時短状態の遊技状態を例示して、本発明(第1から第3の特徴)を説明したが、高確率状態かつ時短状態の遊技状態である場合に限らず、低確率状態かつ時短状態の遊技状態など、各種の遊技状態において、上述した第1から第3の特徴を適用してもよい。
(16)第7実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第7実施形態においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合に、ゼロ情報(具体的には、「0」という数字)が表示された残り期間表示部1711が、当該最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づく図柄の変動表示の開始に同期して表示される構成としたが、ゼロ情報が表示された残り期間表示部1711の表示時期は、当該最後となる特別図柄の始動条件の成立に基づく図柄の変動表示が開始された後であってもよい。
上記第7実施形態においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄抽選において大当りに当選した場合に、ゼロ情報が表示された残り期間表示部1711を表示しないことで、ゼロ情報を視認不能にする構成としたが、残り期間表示部1711におけるゼロ情報(具体的には、「0」という数字)の部分だけを非表示にしたり、ゼロ情報に対して当該ゼロ情報を認識できない程度に画像を重ねたりすることで、ゼロ情報を視認不能にする構成としてもよい。
上記第7実施形態においては、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄抽選において大当りに当選した場合にゼロ情報を視認不能にする構成としたが、ゼロ情報の視認性を、当該特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合に表示される残り期間表示部1711のゼロ情報の視認性より低下させる構成であってもよい。
例えば、残り期間表示部1711におけるゼロ情報(具体的には、「0」という数字)の一部に画像を重ねたり、残り期間表示部1711をゼロ情報とともに縮小したり、ゼロ情報の部分だけを縮小したり、ゼロ情報の色を背景色に近づけたり、ゼロ情報に対する背景部分の色を当該ゼロ情報の色に近づけたりなどで、ゼロ情報は表示するものの、当該ゼロ情報が視認困難となる状況にする構成としてもよい。あるいは、残り期間表示部1711を縮小することで、残り期間表示部1711におけるゼロ情報の視認性を低下させる構成であってもよい。
上記第7実施形態においては、高確率状態かつ時短状態の遊技状態において、特別図柄表示装置471,472に係る残り期間において最後となる特別図柄の始動条件が成立した場合に、当該特別図柄の始動条件に基づく特別図柄抽選の抽選結果に応じて残り期間表示部1711の表示態様を変化させる構成としたが、当該残り期間表示部1711の表示態様の変化は、高確率状態かつ時短状態の遊技状態である場合に限らず、低確率状態かつ時短状態の遊技状態など、各種の遊技状態において表示してもよい。
(18)第8実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第8実施形態においては、初期化スイッチ907の操作によってベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示される構成としたが、ベースエラー判定の結果を状態表示部2591に表示させるための操作部としては、必ずしも初期化スイッチ907である必要はなく、状態復帰スイッチ2592などの他のスイッチをベースエラー判定の結果を状態表示部2591に表示させるためのスイッチとする構成であってもよいし、ベースエラー判定の結果を状態表示部2591に表示させるための専用の操作部を設ける構成であってもよい。また、情報を入力可能な画面(ディスプレイ)を有する表示装置を備えている場合に、当該画面に対し、ベースエラー判定の結果を状態表示部2591に表示させるための操作を入力する構成であってもよい。
なお、初期化スイッチ907のように、状態表示部2591にベースエラー判定の結果を表示させる機能とは異なる機能を実行するためのスイッチをベースエラー判定の結果を状態表示部2591に表示させるためのスイッチとして流用することで、専用の操作部を設ける必要がなく、ベースエラー判定の結果を出力するために要するコストを抑制できる。
上記第8実施形態においては、ベースデータ記憶部2492に記憶されるベースデータを用いてベースエラー判定を行い、ベースエラーが検出された場合には、当該ベースエラー判定の結果を示す表示(「H」、「L」、または「A」)が、当該ベースデータを用いて出力可能な情報として、7セグメント表示器から構成される状態表示部2591に表示される構成としたが、ベースエラーが検出された場合に、ベースデータ記憶部2492に記憶されるベースデータの値(すなわち、所定の発射球数あたりの一般入賞数)が所定の表示部に表示される構成であってもよい。また、ベースエラーが検出された場合に、S1503において算出される釘状態レベルに対応する情報や、S1502において算出される一般入賞数カウンタの値を発射球数カウンタの値で除した値(一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)や、当該値に対応する情報などが所定の表示部に表示される構成であってもよい。
上記第8実施形態においては、初期化スイッチ907が操作(押下)されている間、ベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示され、初期化スイッチ907の操作が終了した場合に、ベースエラー判定の結果が非表示になる構成とした。これに代えて、初期化スイッチ907が操作された場合に、状態表示部2591にベースエラー判定の結果を所定の期間(例えば、30秒間)に亘って表示し、当該期間の終了に伴い当該表示を非表示にする構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、初期化スイッチ907の操作が終了した場合に、状態表示部2591に表示されていたベースエラー判定の結果が非表示になる構成としたが、初期化スイッチ907の操作が終了してもベースエラー判定の結果が表示され続ける構成としてもよい。かかる構成において、初期化スイッチ907の操作終了後にベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示されている状態で、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーが発生した場合には、ベースエラー判定の結果に代えて当該エラーを状態表示部2591に表示し、当該エラーが解消された場合に当該エラーの表示に代えてベースエラー判定の結果を再度表示する構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、初期化スイッチ907が操作されている間に亘り、各ベースデータに対するベースエラー判定の結果が状態表示部2591に順次表示されるよう構成したが、最新のベースデータ(すなわち、今回ベースデータ)に対するベースエラー判定の結果だけを表示する構成や、ベースエラーが検出されたベースデータに対するベースエラー判定の結果だけを表示する構成であってもよい。
上記第8実施形態においては、ベースエラーが検出された場合に点灯される報知部2491をパチンコ機100の背面側から視認可能な位置に設ける構成としたが、報知部2491をパチンコ機100の前面側から視認可能な位置(例えば、前面装飾体210の開口周縁部211における右上側縁部211Cなど)に設ける構成としてもよい。報知部2491をパチンコ機100の前面側から視認可能な位置に設けることで、遊技場の従業員や遊技機の検査機関の構成員などがベースエラーの検出があったことを認識しやすい。
上記第8実施形態においては、報知部2491を主制御基板920に接続する構成としたが、報知部2491を主制御基板920以外の基板(例えば、副制御基板940や払出制御基板930など)に接続する構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、ベースエラーが検出された場合の出力先として報知部2491を設ける構成としたが、装飾図柄表示装置479などの表示装置や、盤面発光装置490や枠発光装置271〜275などの発光装置をベースエラーが検出された場合の出力先として流用する構成であってもよい。
上記第8実施形態においては、ベースエラーが検出された場合に報知部2491を点灯し、報知部2491の点灯中に初期化スイッチ907が操作された場合に、ベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示される構成としたが、報知部2491を設けることなく、初期化スイッチ907が操作された場合に、ベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示される構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、ベースエラーが検出された場合に報知部2491を点灯し、報知部2491の点灯中に初期化スイッチ907が操作された場合に、ベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示される構成としたが、報知部2491を点灯する時期としては、必ずしもベースエラーが検出された場合である必要はなく、所定時間毎(例えば、8時間毎)や、発射装置330から発射された遊技球の数が所定個数(例えば、50000個)発射される毎や、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動入賞が所定回数(例えば、8000回)発生する毎や、特別遊技状態の発生回数が所定回数(例えば、1000回)発生する毎などであってもよい。
上記第8実施形態においては、最新のベースデータ(今回ベースデータ)に対してベースエラーが検出された場合に報知部2491を点灯する構成としたが、報知部2491の点灯時期としては、今回ベースデータに対してベースエラーが検出された場合に限らず、例えば、ベースデータ記憶部2492に記憶される2つまたは3つのベースデータに対してベースエラーが検出された場合や、ベースデータ記憶部2492に記憶される2つまたは3つのベースデータの平均値に対してベースエラーが検出された場合などであってもよい。
上記第8実施形態においては、ベースエラー判定の結果が状態表示部2591に表示された後、状態復帰スイッチ2592が操作された(押下された)場合に報知部2491が消灯する構成としたが、状態復帰スイッチ2592の操作によって報知部2491が点灯状態から点滅状態に変化する構成であってもよい。報知部2491を点滅状態にすることにより、状態表示部2591に表示されたベースエラーの内容が遊技場の従業員や遊技機の検査機関の構成員などによって確認されたことを識別可能にする。
上記第8実施形態においては、釘状態レベルの算出に用いた発射球数カウンタとは別に、ベースエラーの判定に用いるための発射球数カウンタ(すなわち、第2発射数カウンタ)を設ける構成としたが、釘状態レベルの算出とベースエラーの判定とを1の発射球数カウンタによる計数値に基づいて行う構成としてもよい。同様に、上記第8実施形態においては、釘状態レベルの算出に用いた一般入賞数カウンタとは別に、ベースエラーの判定に用いるための一般入賞数カウンタ(すなわち、第2一般入賞数カウンタ)を設ける構成としたが、釘状態レベルの算出とベースエラーの判定とを1の一般入賞数カウンタによる計数値に基づいて行う構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、パチンコ機100に対して予め設定されている所定のエラーを表示する状態表示部2591を、ベースエラー判定の結果の出力先として流用する構成としたが、ベースエラー判定の結果を表示する専用の表示部を設ける構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、判定処理S1801において初当り確率が最低の遊技態様であると判定された場合に、設定示唆情報の出力条件が成立するか否かの判定処理(判定処理S1802〜S1804)を行う構成としたが、初当り確率が最低の遊技態様だけでなく、パチンコ機100において設定可能な複数段階の遊技態様のうち、初当り確率が最低の遊技態様以外の一部または全ての遊技態様である場合に、設定示唆情報の出力条件が成立するか否かの判定処理(判定処理S1802〜S1804)を行う構成としてもよい。初当り確率が最低の遊技態様以外の遊技態様についても設定示唆情報が出力可能となることで、遊技中のパチンコ機100に設定されている遊技態様を遊技者が識別する遊技性をより好適に付加することができる。また、自身が遊技するパチンコ機100を選択するための選択要素が増えるので、遊技態様を複数段階で設定可能なパチンコ機100において遊技するパチンコ機100を選択する遊技性もまた向上する。
上記第8実施形態においては、判定処理S1601〜S1605については、初当り確率が最低の遊技態様でなくても実行される判定処理とする構成としたが、初当り確率が最低の遊技態様であると判定された場合に判定処理S1601〜S1605を行う構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、初当り確率が最低の遊技態様である場合、判定処理S1802〜S1804のいずれかにおいて設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合に、設定示唆情報が出力される構成としたが、初当り確率が最低の遊技態様である場合に(すなわち、判定処理S1801において初当り確率が最低の遊技態様であると判定された場合に)、無条件で設定示唆情報が出力される構成であってもよい。かかる場合、初当り確率が最低の遊技態様である場合に、無条件で設定示唆情報が出力される一方で、初当り確率が最低の遊技態様でない所定の遊技態様である場合に、判定処理S1802〜S1804や判定処理S1601〜S1605などにより判定される所定の出力条件が成立した場合に設定示唆情報が出力される構成としてよい。
上記第8実施形態においては、初当り確率が最低の遊技態様である場合に設定示唆情報の出力条件が成立し得る構成としたが、設定示唆情報を出力可能にする確率としては、初当り確率である必要は必ずしもなく、複数段階に設定可能な遊技態様(出球率の設定に係る遊技態様)を構成する確率であれば、どの確率についても、当該確率が最低の遊技態様である場合に設定示唆情報の出力条件が成立し得る構成としてもよい。
例えば、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて、各タイプにおいて、各タイプの確変継続率が、各タイプ間の確変継続率の幅よりも小幅の3段階に細分化されている構成のパチンコ機において、各タイプにおいてに最低の確変継続率(第8実施形態のパチンコ機100における第1段確率に相当する確率)が設定されている場合に設定示唆情報の出力条件が成立し得る構成としてもよい。
上記第8実施形態においては、所定の操作について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定した場合に(S1803:Y)、処理S1606において、設定示唆情報を、当該設定示唆情報の出力先とする所定の表示部(例えば、装飾図柄表示装置479)に所定の期間(例えば、30秒間)に限り当該所定の期間に亘って出力する構成について例示したが、設定示唆情報の出力条件を考慮することなく常時または所定の間隔(例えば、10秒毎に)で設定示唆情報が所定の表示部に表示される構成のパチンコ機100において、所定の操作が行われ、かつ、設定示唆情報の出力条件と同様の条件が成立した場合に、所定の期間(例えば、30秒間)に亘って設定示唆情報を非表示(非出力)にする、または、所定の期間(例えば、5分間)における表示間隔を長く(例えば、2秒毎に)することで、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率(例えば、10秒あたりに設定示唆情報が表示される時間比率)を低くする構成であってもよい。
これにより、所定の操作が行われた後の一定期間(所定の期間)において、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率を高めた場合と同様、表示確率が変化したことで、表示された設定示唆情報を遊技者に認識させやすい。
このとき、遊技者が行い得る操作がされた後の一定期間において、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率が低くされる構成である場合には、自身の意思で行った操作の後のことであるので、表示された設定示唆情報を自身の操作に関連付けやすく、かかる点においても、表示された設定示唆情報を遊技者に認識させやすい。また、遊技者以外の特定の者(例えば、遊技場の従業員)が行い得る操作がされた後の一定期間において、それ以外の期間に比べて設定示唆情報の表示確率が低くされる構成である場合には、遊技者以外の特定の者による何らかの作業が行われた後における設定示唆情報を遊技者に認識させやすくすることで、遊技者が当該作業に対して不信感を抱くことを抑制できる。
(19)第9実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第9実施形態においては、遊技へのめり込み対策として、注意表示のみ、または、注意表示と設定示唆情報(より詳細には、初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様に対応する設定示唆情報)との両方を表示可能な構成としたが、設定示唆情報のみが表示可能な構成であってもよい。つまり、遊技へのめり込み対策として表示する内容として、注意表示または設定示唆情報の少なくとも一方が表示される構成としてもよい。
上記第9実施形態においては、装飾図柄表示装置479に注意表示または設定示唆情報を表示(出力)することで、遊技へのめり込み対策を行う構成としたが、注意表示または設定示唆情報を装飾図柄表示装置479に表示することに代えて、または、注意表示または設定示唆情報を装飾図柄表示装置479に表示することに加えて、注意表示に対応する内容の音声(例えば、「過度な遊技に注意しましょう」などの音声)や、設定示唆情報に対応する内容の音声(例えば、「最低の初当り確率が設定されています」などの音声や、他の状況では出力されない音声)を音響装置281,282から出力することで、遊技へのめり込み対策を行う構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、注意表示または設定示唆情報を装飾図柄表示装置479に表示する構成としたが、注意表示または設定示唆情報の出力先としては、必ずしも装飾図柄表示装置479である必要はなく、装飾図柄表示装置479とは異なる表示装置に注意表示または設定示唆情報を出力する構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回未満である場合と当該連続回数が1000回以上である場合とで、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数として選択可能な範囲が異なる(すなわち、前者の場合には200回から400回までの範囲とし、後者の場合には100回から200回までの範囲とする)構成を例示したが、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数にかかわらず、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数として選択可能な範囲を同じにする構成であってもよい。また、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合には、当該連続回数が1000回未満である場合に比べて長い間隔で注意表示が表示されるように、各場合に対し、注意表示の次回表示時期とするハズレ変動表示の連続回数として選択可能な範囲が設定された構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様が設定されている場合、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合に、注意情報の表示後に当該遊技態様に対応する設定示唆情報を所定の確率で表示する構成とし、当該確率として1/10を例示したが、当該確率は必ずしも1/10である必要はなく、適宜の確率を採用してよい。例えば、注意情報の表示後に当該遊技態様に対応する設定示唆情報を表示する確率が1/1である(すなわち、注意情報の表示後に必ず当該遊技態様に対応する設定示唆情報を表示する)構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様が設定されている場合、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上である場合には、当該遊技態様に対応する設定示唆情報を注意情報の表示後に所定の確率で表示する一方で、当該連続回数が1000回未満である場合には、当該遊技態様に対応する設定示唆情報を表示しない構成を例示したが、当該連続回数が1000回未満である場合についても、当該連続回数が1000回以上である場合と同様に、該遊技態様に対応する設定示唆情報を注意情報の表示後に所定の確率(例えば、1/100)で表示する構成としてもよい。
かかる構成においては、当該連続回数が1000回以上である場合と当該連続回数が1000回未満である場合とで、注意情報の表示後に設定示唆情報を表示させる確率が同じである構成であってもよく、当該確率が異なる構成であってもよい。なお、当該連続回数が1000回以上である場合と当該連続回数が1000回未満である場合とで注意情報の表示後に設定示唆情報を表示させる確率を異ならせる構成においては、当該連続回数が1000回以上である場合における当該確率が、当該連続回数が1000回未満である場合における当該確率より高いことが好ましい。当該連続回数が1000回以上である場合における当該確率を、当該連続回数が1000回未満である場合における当該確率より高くすることで、遊技球の消費量の累積がかさむにつれて設定示唆情報(より詳細には、初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様に対応する設定示唆情報)の表示頻度が高まり、遊技者に対し、過度な遊技への注意を好適に促すことができる。
上記第9実施形態においては、初当り確率がタイプ(トップタイプ、ミドルタイプ、ボトムタイプ)内で最低の遊技態様が設定されている場合に、当該遊技態様に対応する設定示唆情報を注意情報の表示後に表示し得る構成を例示したが、複数段階に設定可能な遊技態様(出球率の設定に係る遊技態様)を構成する確率であれば、どの確率についても、当該確率が最低の遊技態様である場合に設定示唆情報を注意情報の表示後に表示し得る構成としてもよい。
例えば、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて、各タイプにおいて、各タイプの確変継続率が、各タイプ間の確変継続率の幅よりも小幅の3段階に細分化されている構成のパチンコ機において、各タイプにおいてに最低の確変継続率(第9実施形態のパチンコ機100における第1段確率に相当する確率)が設定されている場合に、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数が1000回以上であれば、当該遊技態様に対応する設定示唆情報を注意情報の表示後に所定の確率で表示する構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプにおいて初当り確率がタイプ内で最低でない遊技態様(すなわち、第2段確率、第3段確率)が設定されている場合には、特別図柄抽選におけるハズレの連続回数にかかわらず設定示唆情報は表示されない構成を例示したが、当該遊技態様が設定されている場合についても、初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様(すなわち、第1段確率)が設定されている場合と同様に、当該遊技態様に対応する設定示唆情報を注意情報の表示後に表示する構成としてもよい。かかる構成においては、初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様が設定されている場合と、初当り確率がタイプ内で最低でない遊技態様が設定されている場合とで、注意情報の表示後に設定示唆情報を表示させる確率が同じである構成であってもよく、当該確率が異なる構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、ハズレ変動表示の連続回数が所定の回数に達する毎に注意表示または設定示唆表示を表示する構成としたが、ハズレ変動表示が連続した回数とは無関係の比較的長い間隔(例えば、1時間毎)で注意表示または設定示唆表示が表示される構成のパチンコ機において、ハズレ変動表示の連続回数が所定の回数に達する毎に、注意表示または設定示唆表示を、当該回数に達する前に比べてその表示確率(例えば、10秒あたりに設定示唆情報が表示される時間比率)が高くなるよう表示させる構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、特別図柄抽選においてハズレが所定の回数だけ連続する状況が生じた場合に、注意表示または設定示唆表示(より詳細には、初当り確率がタイプ内で最低の遊技態様に対応する設定示唆情報)が表示される構成を例示したが、注意表示または設定示唆表示が表示される条件としては、上記例示された状況(特別図柄抽選においてハズレが所定の回数だけ連続する状況)以外にも、当該状況のような、「遊技者が所定量以上の遊技価値(例えば、遊技球)を消費した状況」が適用される構成であってもよい。
上記第9実施形態においては、注意表示または設定示唆表示が表示される構成を例示したが、それらの表示の少なくとも一方を消去する表示消去操作、それらの表示の少なくとも一方を表示不能とする表示不能操作、または、それらの表示の少なくとも一方の表示確率を変化させる表示確率変更操作(上昇操作または低下操作の少なくとも一方)を、遊技場の従業者等または遊技者の少なくとも一方が操作可能にしてもよい。例えば、一旦表示された注意表示は、表示画面上に一定の態様で表示し続けて、その後に、別の態様による注意表示(例えば、大きな文字による表示や、注意表示の数を増やすなどの遊技者によって視認し易い表示)をするようにしてもよく、この表示を、遊技者が入力操作装置260の操作によって消去可能としてもよい。
上記第9実施形態における注意表示または設定示唆表示が表示された後に消去される時期は、一定の時間の経過に限らず、これに代えて、またはこれに加えて、次回以降の所定回数(例えば、2回)の大当りであってもよいし、客待ち演出が実行されて一定の遊技停止の期間が経過した後でもよい。
上記第9実施形態における注意表示または設定示唆表示が表示される位置として、図柄の変動表示に重なる位置に表示するようにしてもよく、図柄の変動表示の手前側に注意表示または設定示唆表示の少なくとも一方が表示される構成としてもよい。これにより、遊技者に注意表示や設定示唆表示を認識し易いものとすることができる。
上記第9実施形態における注意表示または設定示唆表示として、これら表示の少なくとも一部を、変動表示に使用される図柄に用いてもよいし、表示演出の一部を利用して表示してもよい。例えば、注意表示の表示条件が成立した後の最初のハズレリーチの演出が行われる場合(複数の図柄の組合せによって大当り図柄が構成される場合において、最後の図柄が変動表示中で残りの図柄が大当り図柄の一部を構成して停止し、その後にハズレの図柄の組合せで変動表示が停止する場合)に、最後の停止図柄として注意表示(のめり込み防止)を加えた図柄を予め定めた回数停止表示してもよい。また、変動表示を構成する図柄の少なくとも一部を注意表示または設定示唆表示の少なくとも一方とする期間を設定してもよく、変動表示が最終的に停止して表示される図柄として、一定回数(例えば、3回の変動表示)において、注意表示を複数の図柄に分割し、例えば、3つの図柄が停止表示される場合に、最初の図柄に「のめり」の文字を付加し、次に停止する図柄に「込み」の文字を付加し、最後に停止する図柄に「防止」の文字を付加するようにしてもよく、その次の変動表示として、別の文字(例えば、遊技は適度に楽しむもの)を表示するようにしてもよい。
上記第9実施形態における注意表示または設定示唆表示の少なくとも一方を表示する条件として、実行中の変動表示および実行が待機された変動表示の停止結果として大当り当選の結果が含まれていないことを条件としてもよく、大当り当選の停止結果が含まれている場合は他の表示条件が成立していても、注意表示または設定示唆表示を表示しないようにしてもよい。
上記第9実施形態における注意表示または設定示唆表示の少なくとも一方を表示するタイミングとして、例示した表示条件が成立した後であって、変動表示の保留がゼロとなって次の始動入賞の発生まで変動表示が停止した条件が成立した時期に同期したタイミング(例えば、当該時期と同時、またはその後に一定時間(例えば、2秒)経過した後)としてもよいし、変動表示の保留回数が少ない所定数以下(例えば、1回以下)となって変動表示が停止するまでの時間が短い条件が成立した時期に同期したタイミングで表示するようにしてもよく、遊技球の貯留量が少なくなったタイミングで表示するようにしてもよい。この遊技球の貯留量が少なくなったタイミングとしては、遊技球の貯留部に一定量以下の貯留量になったことを検出するセンサを設けて判定してもよいし、遊技球を貸し出す操作が行われた後に一定量の遊技球が遊技領域に発射されたタイミングとしてもよい。
なお、上記「遊技者が所定量以上の遊技価値を消費した状況」としては、上記第9実施形態において例示した「特別図柄抽選においてハズレが所定の回数だけ連続する状況」以外にも、例えば、「特別図柄抽選においてハズレの回数が、当該特別図柄抽選において大当りに当選した回数と対比した所定の回数となった状況(例えば、ハズレの回数が、大当りに当選した回数に対して2000倍の回数となった状況)」や、「予め定めた所定数を超えて(例えば、遊技球の発射数と払出数との差数が所定数(例えば、10000)を超えて、ハズレ変動の回数が所定数(例えば、5000)を超えて、特別図柄抽選におけるハズレの回数と大当り当選の回数との差数が所定数(例えば、1000)を超えて)遊技者が遊技を継続している状況」や、「予め定めた所定期間を超えて(例えば、連続遊技期間が所定期間(例えば、5時間)を超えて)遊技者が遊技を継続している状況」などを例示できる。「遊技者が所定量以上の遊技価値を消費した状況」としては、当該状況に相当する1つの状況のみが含まれる構成であってもよいし、当該状況に相当する2つ以上の状況の組合せが含まれる構成であってもよい。
また、上記「遊技者が所定量以上の遊技価値を消費した状況」における「遊技価値」としては、必ずしも遊技球である必要はなく、例えば、メダルや、遊技球の貸し出しを受けるために利用可能な(例えば、カードユニットに投入可能な)プリペイドの遊技用カードに記録される残額データや、遊技球の貸し出しを受けるために利用可能な紙幣や電子マネーなど、遊技球の貸し出しを受けるために利用可能な現金またはその等価物であってもよい。
(20)第10実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第10実施形態においては、可動部材3452Aの入口部3452A1が、支持面3452A3に対する段差の上側に設けられる構成としたが、入口部3452A1と支持面3452A3とが段差を構成せず、支持面3452A3の周囲が入口部3452A1とされる構成であってもよい。かかる構成においても、支持面3452A3と支持面3217Aとの間には段差が形成されるので、支持面3452A3における下降傾斜の角度(勾配)を小さくできる。
上記第10実施形態においては、可動部材3452Aの球逃がし部3452A6が、支持面3452A3の出口部3452A2側における壁部3452A5側が壁部3452A4側に対して下方側となる段差部として構成されるものとしたが、支持面3452A3の出口部3452A2側における壁部3452A5側が、壁部3452A4の側から下降傾斜する構成であってもよい。球逃がし部3452A6が下降傾斜する構成である場合もまた、球逃がし部3452A6が段差部として構成される場合と同様に、可動部材3452Aに進入した遊技球が通路部3218に排出される確率を、通路部3241に排出される確率に比べて高くすることができる。
上記第10実施形態においては、可動部材3454Aと第1リンク部3454Bと第2リンク部3454Cとから構成される4節リンク機構を用いて、進入規制機構3454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ移行する(切り替えられる)場合に、可動部材3454Aを上流側へと変位させつつ、その上面の下降傾斜の角度が大きくなるよう可動部材3454Aを変位させる構成としたが、可動部材3454Aを上流側へと変位させる所定の第1機構と、可動部材3454Aの上面の下降傾斜の角度を大きくする所定の第2機構とを別々に設け、第1機構を用いて、可動部材3454Aを上流側へと変位させつつ、第2機構を用いて、可動部材3454Aの上面の下降傾斜の角度が大きくなるよう可動部材3454Aを変位させる構成であってもよい。
上記第10実施形態においては、鉛直方向側に延びる通路部3215と、その下流側に連設され、遊技球を右方向側に誘導する通路部3217とを備える構成において、通路部3215の前方側に誘導部として機能する開口が形成される構成としたが、鉛直方向側に延びる通路部に形成される開口は、鉛直方向側に延びる第1の通路部の下流側に、遊技球を所定の水平方向側に誘導する第2の通路部が連設される構成において、前記第1の通路部に形成される開口部は、必ずしも前方側である必要はなく、前記第2の通路部が連続する方向側と鉛直方向側とを含む平面と交差する所定の方向側であって入賞口が設けられている側であればよい。
例えば、前記第2の通路部が前記第1の通路部に対して前後方向に設けられ、大入賞装置の入賞口が第2の通路部に対して左方向側に設けられている場合に、第1の通路部の左方向側に開口が形成される構成であってもよい。
上記第10実施形態においては、通路部3215の前方側に形成された開口から排出された遊技球が、大入賞装置3434の入賞口(進入口)側へ誘導される構成としたが、当該開口のような誘導部によって誘導される遊技球の誘導方向の側に、大入賞装置3434のような大入賞装置とは異なる入賞装置(例えば、始動入賞装置または一般入賞装置)を設け、当該開口から排出された遊技球が当該入賞装置の入賞口側へ誘導される構成であってもよい。
なお、当該開口によって誘導される遊技球の誘導方向の側に設ける入賞装置としては、大入賞装置3434のように、進入規制機構3454の姿勢に応じて入賞口への遊技球の進入確率が変化する入賞装置である必要は必ずしもなく、一般入賞装置のように入賞口が常時開放された入賞装置であってもよい。
上記第10実施形態においては、右始動入賞装置3432の進入規制機構3452が、鉛直方向側を中心に回動可能に構成された可動部材3452Aを備える構成としたが、可動部材3452Aのような鉛直方向側を中心に回動可能に構成された可動部材は、必ずしも、右始動入賞装置3432のような始動入賞装置が備える進入規制機構の可動部材である必要はなく、大入賞装置3434のような大入賞装置が備える進入規制機構の可動部材であってもよい。
上記第10実施形態においては、大入賞装置3434における進入規制機構3454が、遊技球の下側を支持する支持面が遊技球の進行方向側とは逆の方向側に変位するとともに、当該支持面の下降傾斜の角度が進入禁止姿勢の場合に比べて大きな傾斜であって、当該支持面により支持される遊技球を当該入賞装置の入賞空間内に誘導する傾斜となるよう変位する可動部材3454Aを備える構成としたが、可動部材3454Aのように変位し得る可動部材は、必ずしも、大入賞装置3434のような大入賞装置が備える進入規制機構の可動部材である必要はなく、右始動入賞装置3432のような始動入賞装置が備える進入規制機構の可動部材であってもよい。
上記第10実施形態においては、通路部3215の下流側において、左方向側に分岐する通路部3216と、右方向側に分岐する通路部3217とを設ける構成としたが、通路部3216を設けず、それによって、通路部3215を通過した遊技球が、当該通路部3215の前方側に形成された開口から排出されるか、または、通路部3217に進入するかのいずれかの挙動をとるように構成してもよい。通路部3216を設けないことにより、通路部3216を設けるためのスペースが不要となるので、当該スペースに他の部材等を配置できる。
上記第10実施形態においては、始動装置436に進入した遊技球が大入賞装置3433の入口部分(進入口)に到達する経路が、通路部3218の開口部3218Aを経て通路部3219に進入する経路(図40の矢印Q6および矢印Q7方向の経路)、または、通路部3215の前方に形成された開口から前方側に排出される経路(図51の矢印Q11方向の経路)のいずれかに限られる構成としたが、これらの経路以外の経路、例えば、基体401を流下する遊技球が、入口部3211より左側から入賞装置ユニット3200に進入することなく、大入賞装置3433の入口部分に到達できる構成としてもよい。
なお、始動装置436に進入した遊技球が大入賞装置3433の入口部分に到達する経路が、通路部3218の開口部3218Aを経て通路部3219に進入する経路、または、通路部3215の前方に形成された開口またはその上流から前方側に排出される経路のいずれかに限られることが、遊技球による可動部材3454Aを含む大入賞装置3434の破損や故障などを抑制できる点において好ましい。
(21)第11実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第11実施形態においては、始動スイッチ466と可動部材3452Aとの間には、入賞装置ユニット3200内に形成された通路部3214と通路部3217のように、遊技球が左右方向に往復する経路が配置される構成としたが、可動部材3452Aに、より近い位置に始動スイッチ466が設けられる構成としてもよく、始動スイッチ466が設けられる位置よりも上流側から当該始動スイッチ466が設けられる位置を経由して遊技球の通路が直線的に連続する下流側に可動部材3452Aが配置される構成とすることが好ましい。例えば、通路部3217を通過している遊技球を検出可能な位置に始動スイッチ466が設けられる構成であってもよい。
当該変形例によれば、始動スイッチ466により遊技球が検出されてから(遊技球が始動装置436の始動口に進入してから)、当該遊技球が可動部材3452Aに進入する(接触する)までの時間のバラツキを少なくすることができる。よって、普通図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)の長さを、普通図柄抽選に当選したことに基づいて進入許容姿勢に移行した可動部材3452Aに接触する遊技球が、当該可動部材3452Aの進入禁止姿勢への移行によって通路部3241に進入できない長さとして設定する場合に、誤差の発生を抑制できる。
これにより、非時短状態において普通図柄の始動条件が成立した場合に、普通図柄表示装置473に当り図柄が停止図柄として表示されるタイミングで、進入許容姿勢の可動部材3452Aに遊技球が接触した(すなわち、支持面3452A3上に接触した)ことや、および、当該可動部材3452Aに接触した遊技球が通路部3241に進入できなかったことを視認できない状況を抑制できる。
上記第11実施形態においては、鉛直方向側を中心に回動する可動部材3452Aを例示して、本発明を説明したが、本発明を適用可能な可動部材としては、必ずしも可動部材3452Aである必要はなく、種々の可動片(可動部材)に対し本発明を適用してもよい。例えば、右進入規制機構452が備える、進入禁止姿勢である場合に入賞口を狭窄する配置をとり、進入許容姿勢である場合に各先端部の間隔が拡大するような配置をとる2つの可動片や、進入規制機構1452が備える、進入禁止姿勢である場合に入賞口を閉鎖するよう前方に突出する配置をとり、進入許容姿勢である場合に当該入賞口を開放するよう後方に没入する配置をとる可動片や、右進入規制機構2452が備える、進入禁止姿勢である場合に入賞口を閉鎖する配置をとり、進入許容姿勢である場合に当該入賞口内に遊技球を誘導する配置をとる可動片などに対し本発明を適用してもよい。
上記第11実施形態においては、非時短状態において普通図柄の始動条件が成立した場合に、普通図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)の長さが、普通図柄抽選に当選したことに基づいて進入許容姿勢に移行した可動部材3452Aに接触する遊技球が、当該可動部材3452Aの進入禁止姿勢への移行によって通路部3241に進入できない長さとされる構成としたが、大入賞装置3434のような、遊技状態に応じて入口に設けられる可動部材の姿勢に応じて、その内部への遊技球の進入確率が変化される大入賞装置において、可動部材の最大進入許容時間が遊技状態に応じて異なる構成である場合に、本発明を適用する構成であってもよい。
つまり、所定の第1遊技状態において特別図柄の始動条件が成立した場合に、特別図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)の長さが、特別図柄抽選に当選したことに基づいて進入許容姿勢に移行した可動部材に接触する遊技球が、当該可動部材の進入禁止姿勢への移行によって当該大入賞装置内の所定の通路部に進入できない長さとされる構成としてもよい。
(22)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域を視認可能とする視認部を有して遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材(前ブロック102)と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(発射装置330)と、
前記遊技領域内に設けられ、遊技球が進入可能な入球口(一般入賞装置439A,439Bの入賞口)と、
該入球口に遊技球が進入した場合に遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御基板930)と、
を備えた遊技機(パチンコ機100)であって、
前記入球口に進入した遊技球のうち少なくとも前記前面側部材を開放して連続投入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報(釘状態レベル)を少なくとも出力可能な出力手段(釘状態レベル表示装置474)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技球が流下する遊技領域には、遊技球が入賞した場合に遊技球が払い出される入賞口と、その入賞口へ遊技球を導く通路と入賞口に入賞しないでアウト口へ導く通路とを形成する多数の遊技釘が設けられている。多数の遊技釘は、遊技盤の外形を形成する遊技板に打ち込まれて固定される(例えば、特開2008−161638号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては未だ改良の余地があった。例えば、入賞口に入賞した遊技球の計数値などに基づいて、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することが困難な状況が生じる可能性がある。
すなわち、例えば、遊技機に対して工場で出荷前の検査を行う場合に、遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材を開放し、各入賞口へ遊技球を複数個ずつ連続投入し、その投入に対して制御装置が適切に動作するかを検査すると、各入賞口には、遊技者が遊技を行う場合に遊技球が進入する確率より極めて高確率で遊技球が連続投入されることとなる。かかる連続した入賞口への遊技球の進入を、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判断するための値として使用してしまうと、適切に遊技機の性能を判定することができない可能性がある。
また、例えば、遊技機が設置された遊技場(ホール)に来店した不正行為者が、遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材を不正に開放し、特定の入賞口へ遊技球を連続投入してしまう可能性がある。この場合には、遊技機の性能としては設計値通りであるにもかかわらず、当該入賞口への遊技球の入賞が設計値より高くなって設計値通りでないと判定される可能性がある。ここで、大当りに当選するなどの特定の遊技状態にならなければ開放されない入賞口には、不正なタイミングでの遊技球の進入を遊技機の制御により検出し、異常状態に対応した制御をすることも行われ易いが、遊技状態に関わらずに常時遊技球が進入可能な入賞口や、遊技球が進入した場合に当否抽選を受けることなく一定数の遊技球の払い出しなどの一定の遊技価値が付与される入賞口(一般入賞口)に対しては、かかる異常状態が発生しているのか通常の遊技によるものであるかの判定が困難な場合があり、当該入賞口を狙った不正が行われる可能性がある。
また、例えば、遊技機の性能が設計値から逸脱したものに変えられてしまう可能性として、遊技機が設置された遊技場(ホール)に来店して遊技する不正行為者のみならず、遊技場側の関係者が自ら行う可能性もある。例えば、遊技場側が一般入賞口と呼ばれる特定の入賞口の入口に遊技球が全く進入し得ないように改造をすることで、当該入賞口への遊技球の入賞を設計値より低く抑える可能性もある。
そのような不正を行う遊技場では、不正が外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)に検出されることがないよう、種々の対策を図ることが考えられる。例えば、閉店後などの外部者がいない状況で、前面扉を開放し、該当する入賞口に遊技球を遊技場の従業員などの手によって不正に連続投入することで、設計値に対する数値上の帳尻を合わせる可能性がある。この場合、帳尻を合わせた後の値を確認する限りにおいては、外部者が遊技場側の不正を検出できないことになる。
これに対し、特徴10に記載の遊技機であれば、入球口に進入した遊技球のうち少なくとも前面側部材を開放して連続投入した遊技球の進入した遊技球の一部を除いた遊技球に対応して更新される進入数情報が、進入数記憶手段に記憶され、該進入数記憶手段に記憶されている進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報が出力手段から出力される。よって、前面側部材を開放して連続投入した遊技球の少なくとも一部を進入数情報の更新から除外することができるので、進入数情報又は対応情報を利用して、当該入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。例えば、遊技場の従業員などが、閉店後などに、前面側部材(前面扉)を開放して、入球口(入賞口)に遊技球を不正に連続投入することがあったとしても、そのような不正な連続投入の少なくとも一部は、入球口に進入した遊技球として計数されないので、遊技場側が設計値に対する不正な帳尻合わせを行うことを困難とすることができる。これにより、遊技場側による不正隠しを抑制することができ、外部者が遊技場側の不正を好適に検出することができる。
なお、特徴10に記載の遊技機において、「進入数記憶手段によって記憶される進入数情報」は、必ずしも「前面側部材を開放して」連続投入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新されるものとする必要はなく、「前面側部材を開放して」連続投入した遊技球の一部、及び、「前面側部材が閉鎖された状態において」連続して進入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新されるとしてもよい。すなわち、特徴10に記載の遊技機における「進入数記憶手段」の記載として、「前記入球口に進入した遊技球のうち少なくとも連続して進入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、」してもよく、この場合には、前面側部材を開放して入球口に連続投入される遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにするだけでなく、前面側部材が閉鎖された状態において不正に連続して入球口へ進入した遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにすることができる。
例えば、遊技領域の一部に遊技球が滞留した球詰まり状態が発生し、その球詰まり状態によって遊技領域の一部における遊技球の流下が不能となることで入球口に連続して遊技球が進入してしまう状況が発生した場合に、これら遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにすることができる。これにより、球詰まり状態で遊技者が遊技球を発射し続け、入球口へ不正に遊技球を連続して進入させた場合に対して、進入数情報の更新としては、それらの遊技球の一部を除いた遊技球の進入数に対応させることができる。よって、遊技機の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。また、不正に磁石を利用して入球口に連続して遊技球を進入させる不正行為が行われた場合にも、それら遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにすることができ、遊技機の性能をより適切に評価することができる。
なお、「連続投入」及び「連続して進入」における「連続」とは、予め定めた時間中に、所定数以上の遊技球が連続して入球口へ進入する場合を含み、遊技球が全く間隔を空けずに連続する場合の他、遊技球が間隔を空けて入球口へ進入する場合を含む。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機であって、
前記遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報(発射球数)を記憶する発射対応数情報記憶手段(主制御基板920のRAM)を備え、
前記出力手段は、前記進入数記憶手段に記憶されている前記発射対応数情報と前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報との比率に対応した前記対応情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機であれば、遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報が、発射対応数情報記憶手段に記憶される。進入数記憶手段に記憶されている発射対応数情報と、進入数記憶手段に記憶されている進入数情報との比率に対応した対応情報が、出力手段から出力される。つまり、入球口に進入した遊技球と遊技領域内に発射された遊技球の数とを関連付けた値が、対応情報として、出力手段から出力される。よって、外部者は、遊技機の性能の状態を対応情報から把握しやすく、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することができる。
<特徴12>
特徴10または11に記載の遊技機であって、
図柄または所定の情報を表示可能な表示手段(釘状態レベル表示装置474)を備え、
前記出力手段は、前記前面側部材が開放された場合に、前記進入数情報または前記対応情報を前記表示手段に表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、前面側部材が開放された場合に表示手段に表示出力される。よって、遊技者の遊技中に遊技とは無関係の情報(すなわち、進入数情報または対応情報)が表示手段に表示されることがなく、遊技者に不信感を与えることを抑制できる。
<特徴13>
特徴10から12のいずれかに記載の遊技機であって、
図柄を変動表示可能な略矩形状の表示手段(装飾図柄表示装置479)を備え、
前記出力手段は、前記表示手段に図柄が変動表示されている場合に、該表示手段の角部側に、暗号化された前記進入数情報または暗号化された前記対応情報を表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、出力手段による表示出力は図柄の変動表示中に表示されるので、遊技中に表示されたとしても目立ち難く、遊技者は、遊技とは無関係の情報(すなわち、進入数情報または対応情報)が表示手段に表示されていることを認識し難い。その一方で、遊技機の検査機関の構成員などの外部者は、遊技者による遊技中(より詳細には、図柄の変動表示中)に、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を確認することができる。
特に、進入数情報または対応情報は表示手段における角部側に表示出力されるため、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。また、表示出力される進入数情報または対応情報は暗号化されているので、それが意味する内容を遊技者が理解することを抑制でき、その点においても、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。
<特徴20>
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域を視認可能とする視認部を有して遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材(前ブロック102)と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(発射装置330)と、
前記遊技領域内に設けられ、遊技球が進入可能な入球口(一般入賞装置439A,439Bの入賞口)と、
該入球口に遊技球が進入した場合に遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御基板930)と、
を備えた遊技機(パチンコ機100)であって、
前記入球口に進入した遊技球のうち予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報(釘状態レベル)を少なくとも出力可能な出力手段(釘状態レベル表示装置474)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技球が流下する遊技領域には、遊技球が入賞した場合に遊技球が払い出される入賞口と、その入賞口へ遊技球を導く通路と入賞口に入賞しないでアウト口へ導く通路とを形成する多数の遊技釘が設けられている。多数の遊技釘は、遊技盤の外形を形成する遊技板に打ち込まれて固定される(例えば、特開2008−161638号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては未だ改良の余地があった。例えば、入賞口に入賞した遊技球の計数値などに基づいて、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することが困難な状況が生じる可能性がある。
すなわち、例えば、遊技機に対して工場で出荷前の検査を行う場合に、遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材を開放し、各入賞口へ遊技球を複数個ずつ連続投入し、その投入に対して制御装置が適切に動作するかを検査すると、各入賞口には、遊技者が遊技を行う場合に遊技球が進入する確率より極めて高確率で遊技球が連続投入されることとなる。かかる連続した入賞口への遊技球の進入を、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判断するための値として使用してしまうと、適切に遊技機の性能を判定することができない可能性がある。
また、例えば、遊技機の性能が設計値から逸脱したものに変えられてしまう可能性として、遊技機が設置された遊技場(ホール)に来店して遊技する不正行為者のみならず、遊技場側の関係者が自ら行う可能性もある。例えば、遊技場側が一般入賞口と呼ばれる特定の入賞口の入口に遊技球が全く進入し得ないように改造をすることで、当該入賞口への遊技球の入賞を設計値より低く抑える可能性もある。あるいは、遊技場側が開店前などに入賞口の入口に遊技球が全く進入し得ないようにするか、又は、進入可能とするかを頻繁に改造することで、それぞれの日における入賞口への遊技球の入賞割合(すなわち、入賞のし易さ)を調整する可能性もある。
かかる不正に対する対抗策として、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)が、入賞口に入賞した遊技球の計数値などに基づいて、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判定することが考えられる。計数値に基づく判定の精度を高めるためには、1日分の計数値でなく、数日分を累積した計数値を用いることが好ましい。しかし、入賞口への遊技球の入賞割合が調整される場合、あるときには入賞割合が設計値より高くされ、あるときには入賞割合が設計値より低くされるため、数日分の計数値を累積することで計数値が平均化され、それにより、不正か否かの判定を計数値に基づいて行う限りにおいては、外部者が遊技場側の不正を検出できない可能性がある。
これに対し、特徴20に記載の遊技機であれば、入球口に進入した遊技球のうち予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して更新される進入数情報が、進入数記憶手段に記憶され、該進入数記憶手段に記憶されている進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報が出力手段から出力される。よって、進入数情報又は対応情報を利用して、当該入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。例えば、遊技機が製造された後に当該入球口へ進入した一定数の遊技球を、進入数情報の更新から除外することができる。また、数日分の進入数情報を累積する場合においても、当該進入数情報または対応数情報は、平均化され難く、それにより、遊技場側の不正を好適に反映する。これにより、外部者が遊技場側の不正を好適に検出することができる。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機であって、
前記発射手段は、操作部(発射ハンドル252)の操作量に応じた強度で遊技球を発射可能であり、
始動条件の成立に基づき抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段により所定の結果が得られたことに基づいて通常の遊技状態に比べて有利な遊技状態である特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段(主制御基板920)と、
前記遊技領域のうち前記操作部の操作量が所定の操作量である場合に遊技球が進入可能な遊技領域に設けられ、前記特別遊技状態の発生中において遊技球が進入可能になる特定入球口(下大入賞装置433および上大入賞装置434の各入賞口)と、
前記通常の遊技状態であるかを判断する遊技状態判断手段(主制御基板920)と、
前記遊技状態判断手段により前記通常の遊技状態であると判断された場合、該判断を前記計数開始条件として、該計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して、前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報を更新する更新手段(主制御基板920)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機であれば、遊技状態判断手段により通常の遊技状態であると判断された場合、該判断を前記計数開始条件として、該計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して、進入数記憶手段に記憶されている進入数情報が更新される。これにより、入球口のうち、通常の遊技状態の場合に限って遊技球が進入可能な入球口に進入した遊技球の進入に対応して更新される進入数情報を精度良く取得することが可能となる。
<特徴22>
特徴20または21に記載の遊技機であって、
前記遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報(発射球数)を記憶する発射対応数情報記憶手段(主制御基板920のRAM)を備え、
前記出力手段は、前記進入数記憶手段に記憶されている前記発射対応数情報と前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報との比率に対応した前記対応情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機であれば、遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報が、発射対応数情報記憶手段に記憶される。進入数記憶手段に記憶されている発射対応数情報と、進入数記憶手段に記憶されている進入数情報との比率に対応した対応情報が、出力手段から出力される。つまり、入球口に進入した遊技球と遊技領域内に発射された遊技球の数とを関連付けた値が、対応情報として、出力手段から出力される。よって、外部者は、遊技機の性能の状態を対応情報から把握しやすく、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することができる。
<特徴23>
特徴20から22のいずれかに記載の遊技機であって、
図柄または所定の情報を表示可能な表示手段(釘状態レベル表示装置474)を備え、
前記出力手段は、前記前面側部材が開放された場合に、前記進入数情報または前記対応情報を前記表示手段に表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、前面側部材が開放された場合に表示手段に表示出力される。よって、遊技者の遊技中に遊技とは無関係の情報(すなわち、進入数情報または対応情報)が表示手段に表示されることがなく、遊技者に不信感を与えることを抑制できる。
<特徴24>
特徴20から23のいずれかに記載の遊技機であって、
図柄を変動表示可能な略矩形状の表示手段(装飾図柄表示装置479)を備え、
前記出力手段は、前記表示手段に図柄が変動表示されている場合に、該表示手段の角部側に、暗号化された前記進入数情報または暗号化された前記対応情報を表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、出力手段による表示出力は図柄の変動表示中に表示されるので、遊技機の検査機関の構成員などの外部者は、遊技者による遊技中(より詳細には、図柄の変動表示中)に、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を確認することができる。
特に、進入数情報または対応情報は表示手段における角部側に表示出力されるので目立ち難く、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。また、表示出力される進入数情報または対応情報は暗号化されているので、それが意味する内容を遊技者が理解することを抑制でき、その点においても、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。
<特徴30>
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口(一般入賞装置2439A,2439Bなど)と、
該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
なお、特徴30に記載の遊技機において、「予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件」には、例えば、複数の入球口のうち予め決められた1または2以上の入球口に遊技球が進入すること、複数の入球口のうち予め決められた2以上の入球口に予め決められた順序で遊技球が進入すること、複数の入球口のうち予め決められた1または2以上の入球口に予め決められた所定の個数の遊技球が進入すること、複数の入球口のうち予め決められた入球口への進入に応じて更新される進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報について予め決められた条件が成立すること、所定の遊技期間中に、複数の入球口のうち予め決められた1または2以上の入球口への遊技球の進入に基づく始動条件が成立してから予め決められた所定の期間が経過しても、新たな始動条件が成立しない状況が予め決められた所定の回数発生すること、等が含まれる。
<特徴40>
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口(一般入賞装置2439A,2439Bなど)と、
該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴30および特徴40に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定記憶手段には、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域内には、遊技球が進入可能な複数の入球口が設けられており、これらの複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合には、当該遊技球が進入した入球口に応じた所定の特典が特典付与手段により付与される。複数の入球口のうち予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に示唆することができる。従って、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを含む所定の条件の成立を通じて、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
特に、特徴40に記載の遊技機においては、複数の入球口のうち予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件が成立した場合に、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力されるので、遊技者は、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、予め決められた入球口に遊技球を進入させた特典として得ることができる。よって、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを楽しみながら遊技を行うことができる。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機であって、
前記設定出力手段は、前記所定の条件の少なくとも一部として、前記複数の入球口のうち予め決められた2以上の前記入球口に予め決められた所定の順序で遊技球が進入することを条件として、前記設定出力情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機であれば、複数の入球口のうち予め決められた2以上の入球口に予め決められた所定の順序で遊技球が進入した場合を、所定の条件(すなわち、複数の入球口のうち予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件)の少なくとも一部が成立したとして設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。これにより、遊技者は、予め決められた2以上の入球口に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させた特典として、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を得る遊技性を享受することができる。よって、遊技者は、予め決められた2以上の入球口に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させる遊技を楽しむことができる。
<特徴50>
遊技球を発射する発射手段(発射装置330)と、
該発射手段により発射されて所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な入球口(一般入賞装置2439A,2439B)と、
該入球口に遊技球が進入した場合に所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれるとして設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記入球口への遊技球の進入に応じて更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該進入数記憶手段に記憶される前記進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報(釘状態レベル)に対応して成立する条件を少なくとも含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴50に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定記憶手段には、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に対応する情報に変更できる。
発射手段により発射されて所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域内には、遊技球が進入可能な入球口が設けられており、当該入球口に遊技球が進入した場合には、当該入球口に応じた所定の特典が特典付与手段により付与される。予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に示唆することができる。従って、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを含む所定の条件の成立を通じて、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
また、進入数記憶手段には、入球口への遊技球の進入に応じて更新される進入数情報が記憶されている。進入数記憶手段に記憶される進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報について所定の条件が成立した場合に、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。進入数情報および対応情報は、入球口への遊技球の進入状況が反映される情報であるので、入球口への遊技球の進入状況に応じて、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を出力させることができる。
これにより、例えば、所定の条件が、進入数情報および対応情報が入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りでない可能性を示唆する値である場合、遊技者に対して、不利益を被る可能性がある状況であることを示唆することができ、設定出力手段により出力された情報も活用して遊技中の遊技機による遊技の継続の有無を遊技者に判断させることが可能となる。
<特徴60>
識別情報を表示可能な表示部(装飾図柄表示装置479)と、
所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記識別情報を変動表示した後、前記抽選手段による前記所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報(停止図柄)を停止表示する変動実行手段(副制御基板940)と、
前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記第2の抽選にて前記所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
所定の遊技期間中に、前記始動条件が成立してから所定の第1期間が経過しても、新たな前記始動条件が成立しない状況が所定の回数発生することを含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴60に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、識別情報が表示部にて変動表示された後、抽選手段による所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報が停止表示される。このとき、当該所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果であれば、第1結果に対応する識別情報で停止表示された後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
設定記憶手段には、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または当該所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において第1の結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に示唆することができる。従って、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを含む所定の条件の成立を通じて、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
また、所定の遊技期間中に、始動条件が成立してから所定の第1期間が経過しても、新たな始動条件が成立しない状況が所定の回数発生した場合に、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。始動条件が成立してから所定の第1期間が経過しても新たな始動条件が成立しない状況は、遊技者にとって望ましくない状況であり、他の遊技機において遊技をする場合に比べて遊技者が不利益を被る可能性がある。これに対し、当該状況下で、設定出力手段により出力された情報も活用して遊技中の遊技機による遊技の継続の有無を遊技者に判断させることが可能となる。
なお、特徴60に記載の遊技機における設定出力手段の記載に代えて、所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入することを含む所定の条件が成立した場合に、設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段を備えているとしてもよい。
<特徴70>
識別情報を表示可能な表示部(装飾図柄表示装置479)と、
所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記識別情報を変動表示した後、前記抽選手段による前記所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報(停止図柄)を停止表示する変動実行手段(副制御基板940)と、
前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記第2の抽選にて前記所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が得られた前記始動条件が成立してから、前記変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出として、演出時間が異なる複数種類の演出の中から、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に応じた演出時間の演出を選択する演出選択手段(主制御基板920,副制御基板940)と、
前記演出選択手段により選択された演出を前記表示部に表示する演出表示制御手段(副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴70に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、識別情報が表示部にて変動表示された後、抽選手段による所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報が停止表示される。このとき、当該所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果であれば、第1結果に対応する識別情報で停止表示された後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
設定記憶手段には、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または当該所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において第1の結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
演出時間が異なる複数種類の演出の中から、設定記憶手段に記憶される確率情報に応じた演出時間の演出が、演出選択手段により、所定の抽選にて第1結果が得られた始動条件が成立してから、変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出として選択され、演出表示制御手段により表示部に表示される。
したがって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率が、所定の抽選にて第1結果が得られた始動条件が成立してから、変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出の演出時間に反映される。よって、遊技者は当該演出の演出時間から、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するために、演出時間の長さを注目する機会を増やすことができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、注目する対象を増やすことができるので、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
<特徴71>
特徴70に記載の遊技機であって、
前記演出選択手段は、前記複数の確率のうち遊技者にとって最も有利である確率に対し、前記複数種類の演出のうち最も演出時間が長い演出が実行されやすい確率で演出を選択することを特徴とする遊技機。
特徴71に記載の遊技機であれば、設定可能な複数の確率のうち遊技者にとって最も有利である確率に対し、複数種類の演出のうち最も演出時間が長い演出が実行されやすい確率で選択されるので、遊技者は、演出が長く行われる場合において、最も有利な確率が設定されていることを期待することができる。
<特徴72>
特徴70または特徴71に記載の遊技機であって、
遊技者が操作可能な操作部(押圧操作装置261)を備え、
前記演出選択手段により選択される前記演出は、前記所定の抽選にて前記第1結果が得られた前記始動条件が成立してから、前記変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出の実行可能期間内に設定された所定の操作時期に前記操作部に対する所定の操作が行われた場合に実行される特別演出であることを特徴とする遊技機。
特徴72記載の遊技機であれば、
所定の抽選にて第1結果が得られた始動条件が成立してから、変動実行手段により当該第1結果を示す停止図柄の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出の実行可能期間内には操作時期が設定されている。演出選択手段により選択される演出は、前記操作時期に操作部に対する所定の操作が行われた場合に実行される特別演出である。よって、遊技者は前記操作時期に操作部に対して所定の操作を行うことで、当該操作に基づき実行される特別演出の演出時間から、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率を推測することができる。
<特徴80>
識別情報を変動表示可能な表示部(装飾図柄表示装置479)と、
所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記識別情報を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する識別情報(停止図柄)を停止表示する変動実行手段(副制御基板940)と、
前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記第2の抽選にて前記所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記特別遊技状態中に成立可能な条件を含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に応じた制御を実行する制御実行手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴80に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、識別情報が表示部にて変動表示された後、抽選手段による所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報が停止表示される。このとき、当該所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果であれば、第1結果に対応する識別情報で停止表示された後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
設定記憶手段には、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または当該所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において第1の結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
特別遊技状態中に成立可能な条件を含む所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に応じた制御が制御実行手段により実行される。よって、遊技者は、制御実行手段による制御により現出した内容に基づいて、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
なお、特徴80に記載の遊技機において、特別遊技状態中に成立可能な条件として、特別遊技状態中における予め決められた入球口への遊技球の進入を含むようにすることは好ましい。遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
また、特徴80に記載の遊技機において、特別遊技状態中に成立可能な条件として、特別遊技状態中に遊技者が遊技領域に遊技球を発射する発射操作を行う操作部とは別の操作部に対しての操作によって成立させることが可能な条件とすることは好ましい。これにより、特別遊技状態中において、発射操作とは別の操作にも注意を向ける遊技性を付加することができ、単に発射操作を継続するだけでなく、別の操作も加えて遊技者が確率情報を獲得することが可能となる新たな遊技性を付加することができる。
<特徴90>
所定の駆動手段により駆動されることで、所定の開口部への遊技球の進入を規制する進入規制状態(進入禁止姿勢)と、当該所定の開口部への遊技球の進入を許容する進入許容状態(進入許容姿勢)を切替可能な可動部材であって、前記進入規制状態において遊技球を一方側から他方側へ案内可能な下降傾斜面を形成する可動部材(右進入規制機構1452の可動片)と、
前記可動部材が前記進入許容状態である場合に、前記所定の開口部から進入した遊技球が通過可能な複数の流下通路部のうち前記下降傾斜面における上流側部分に対して上方に開口する第1流下通路部(第1流下通路部1532A)と、
該第1流下通路部より下流側に設けられて、当該第1流下通路部を通過する遊技球を検出可能な第1検出部(右始動入賞スイッチ1442A)と、
前記可動部材が進入許容状態である場合に、前記複数の流下通路部のうち前記第1流下通路部より前記下降傾斜面における下流側部分に対して上方に開口する第2流下通路部(第2流下通路部1532B)と、
該第2流下通路部より下流側に設けられて、当該第2流下通路部を通過する遊技球を検出可能な第2検出部(右始動入賞スイッチ1442B)と、
前記所定の開口部から進入した遊技球が前記第1検出部または前記第2検出部により検出された場合に所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、を備え、
前記第1流下通路部は、遊技球が1つずつ進入可能な通路幅に構成されるとともに、前記進入規制状態における前記可動部材の下面から、前記第1検出部の上端までの長さが遊技球の直径と略同等に、または直径より短く構成されることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、姿勢を変化させることで、その内部への遊技球の進入確率を変化させることが可能な入賞装置を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2017−213044号公報参照)。当該入賞装置は、遊技球の進入を許容する進入許容姿勢と遊技球の進入を規制する進入規制姿勢との間の移行が可能に構成され、これらの姿勢変化は、当該入賞装置が備える進入規制機構の可動片の配置変化によって実現される。そして、入賞装置の可動片が進入許容姿勢に移行した後、規定数の遊技球の入賞が検出スイッチなどの検出部によって検出された場合に、当該入賞装置を進入許容姿勢から進入規制姿勢に変化させる制御をすることで、次の進入許容姿勢へ移行するまでの準備期間(インターバル)や、次回の単位遊技を開始するなど、遊技を進行させることができる。
しかしながら、かかる入賞装置において、遊技を好適に進行させるための構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴90に記載の遊技機であれば、可動部材を制御して遊技を好適に進行させることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、可動部材は、所定の駆動手段により駆動されることで、所定の開口部への遊技球の進入を規制する進入規制状態と、当該所定の開口部への遊技球の進入を許容する進入許容状態とを切替可能に構成され、進入規制状態において遊技球を一方側から他方側へ案内可能な下降傾斜面を形成する。
当該可動部材が進入許容状態である場合に所定の開口部から進入した遊技球が通過可能な複数の流下通路部のうち第1流下通路部は、下降傾斜面における上流側部分に対して上方に開口している。当該第1流下通路部より下流側には、当該第1流下通路部を通過する遊技球を検出可能な第1検出部が設けられている。
また、当該複数の流下通路部のうち第2流下通路部は、第1流下通路部より下降傾斜面における下流側部分に対して上方に開口している。当該第2流下通路部より下流側には、当該第2流下通路部を通過する遊技球を検出可能な第2検出部が設けられている。所定の開口部から進入した遊技球が第1検出部または第2検出部により検出された場合、特典付与手段により所定の特典が付与される。よって、第1流下通路部の方が第2流下通路部より下降傾斜面における上流側において開口される構成であるので、上流側から所定の開口部に向かって流下する遊技球は、第2流下通路部より第1流下通路部に進入し易い。
ここで、当該第1流下通路部は、進入規制状態における可動部材の下面から、第1検出部の上端までの長さが遊技球の直径と略同等に、または直径より短く構成されている。つまり、遊技球が第1流下通路部に進入してから第1検出部に検出されるまでの距離を長くても遊技球の直径程度に抑えたことで、第1流下通路部に進入してから第1検出部により検出されるまでに要する時間を短い時間に抑えることができる。
また、当該第1流下通路部は、遊技球が1つずつ進入可能な通路幅に構成されているので、遊技球が第1流下通路部を流下する場合に、当該遊技球が流下方向に対する交差方向に揺れ動くことを抑制できる。よって、第1流下通路部に進入した遊技球は当該第1流下通路部をスムースに流下できるので、かかる点においても、第1流下通路部に進入してから第1検出部により検出されるまでに要する時間を短い時間に抑えることができる。
このように、特徴90に記載の遊技機によれば、上流側から所定の開口部に向かって流下する遊技球が第2流下通路部に比べて進入し易い第1流下通路部が、遊技球が1つずつ進入可能な通路幅に構成されるとともに、進入規制状態における可動部材の下面から、第1検出部の上端までの長さが遊技球の直径と略同等に、または直径より短く構成されている。
よって、1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数となる最後の遊技球が第1流下通路部に進入してから第1検出部により検出されるまでに要する時間を好適に短く抑えることができるので、当該規定数となる最後の遊技球が第1流下通路部に進入してから可動部材を進入規制状態に切り替えるまでに要する時間を好適に短く抑えることが可能となる。これにより、上流側から所定の開口部に向かって流下する遊技球のうち、1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数となる最後の遊技球が所定の開口部に進入した場合には、当該進入から早期に可動部材が進入規制状態に切り替えられることになるので、当該規定数を超える遊技球が所定の開口部に進入して入賞となることを抑制することができる。
また、1回の進入許容姿勢に対して許容される規定数となる最後の遊技球が第1流下通路部に進入してから第1検出部により検出されるまでに要する時間を好適に短く抑えることができるので、進入許容姿勢を短いインターバルを隔てて複数回発生させる場合に、そのインターバルを短い時間に設定しても適切に遊技球を検出し易くすることができる。このため、例えば、時短遊技状態中に、遊技球が、可動部材の上面を経由して下流側に進行することを抑制し易くした遊技状態を発生可能としつつ、可動部材を含む入賞装置を小型化し易くして、遊技球が流下する遊技領域や、入賞装置や装飾部品等といった遊技部品の配置の自由度を高めることができる。
なお、特徴90に記載の遊技機において「遊技球の直径と略同等」とは、遊技球の直径の1倍より大きく、かつ、遊技球の直径の1.5倍より短い長さであることが好ましく、遊技球の直径の1倍であることが好適である。
上述した特徴90に記載の遊技機に代えて、以下のように記載した特徴を有する構成の遊技機としてもよい。
所定の駆動手段により駆動されることで、所定の開口部への遊技球の進入を規制する進入規制状態(進入禁止姿勢)と、当該所定の開口部への遊技球の進入を許容する進入許容状態(進入許容姿勢)とを切替可能な可動部材であって、前記進入規制状態において遊技球を一方側から他方側へ案内可能な下降傾斜面を形成する可動部材(右進入規制機構1452の可動片)と、
前記可動部材が前記進入許容状態である場合に、前記所定の開口部から進入した遊技球が通過可能な複数の流下通路部のうち前記下降傾斜面における上流側部分に対して上方に開口する第1流下通路部(第1流下通路部1532A)と、
該第1流下通路部より下流側に設けられて、当該第1流下通路部を通過する遊技球を検出可能な第1検出部(右始動入賞スイッチ1442A)と、
前記可動部材が進入許容状態である場合に、前記複数の流下通路部のうち前記第1流下通路部より前記下降傾斜面における下流側部分に対して上方に開口する第2流下通路部(第2流下通路部1532B)と、
該第2流下通路部より下流側に設けられて、当該第2流下通路部を通過する遊技球を検出可能な第2検出部(右始動入賞スイッチ1442B)と、
前記所定の開口部から進入した遊技球が前記第1検出部または前記第2検出部により検出された場合に所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、
前記可動部材の前記進入許容状態と前記進入規制状態との切り替えを制御する可動部材制御手段であって、前記可動部材が前記進入許容状態である場合に前記第1検出部により検出された遊技球が1回の前記進入許容状態において前記所定の開口部への進入が許容される所定数個目の遊技球であった場合、当該遊技球の検出に続いて前記所定の駆動手段を駆動することで当該可動部材を前記進入許容状態に切り替える可動部材制御手段(主制御基板920)と、を備え、
前記第1流下通路部は、遊技球が1つずつ進入可能な通路幅に構成されるとともに、前記進入規制状態における前記可動部材の下面から、前記第1検出部の上端までの長さが遊技球の直径と略同等に、または直径より短く構成されることを特徴とする遊技機。
<特徴91>
特徴90に記載の遊技機であって、
前記第1流下通路部は、当該第1流下通路部の通路幅が前記第1検出部に近づくにつれて遊技球の直径に近づくよう徐々に小さくなる徐変区間を当該第1検出部より上流側に備えていることを特徴とする遊技機。
特徴91に記載の遊技機であれば、第1流下通路部は、当該第1流下通路部の通路幅が第1検出部に近づくにつれて遊技球の直径に近づくよう徐々に小さくなる徐変区間を当該第1検出部より上流側に備えている。これにより、第1流下通路部を流下する遊技球は、徐変区間を流下方向に進むにつれて当該流下方向に整流されるので、徐変区間の下流側に位置する第1検出部をスムースに流下することができ、それにより、第1検出部による遊技球の誤検出を抑制できる。
<特徴92>
特徴90または特徴91に記載の遊技機であって、
前記進入規制状態である前記可動部材により形成される前記下降傾斜面の上を通過する遊技球を遊技機正面視における前後方向に蛇行させるための方向転換部(突出部1537,1538)を備え、
前記第1流下通路部は、遊技球が前記方向転換部によって前後方向に蛇行される位置よりも上流側において上方に開口していることを特徴とする遊技機。
特徴92に記載の遊技機であれば、可動部材が進入規制状態である場合に、遊技球は方向転換部によって遊技機正面視における前後方向に蛇行しながら下降傾斜面を通過するので、その分、下降傾斜面における遊技球の滞在時間を増やすことができる。よって、所定の開口部の、下降傾斜面における遊技球の通過方向の開口幅が大きくなることを抑制しつつ、下降傾斜面を通過する遊技球が、可動片が次に進入許容状態に切り替わったタイミングで所定の開口部に進入できる可能性を高めることができる。
また、第1流下通路部は、遊技球が方向転換部によって前後方向に蛇行される位置よりも上流側において上方に開口しているので、上流側から所定の開口部に向かって流下する遊技球を、方向転換部による前後方向の蛇行が開始される前に第1流下通路部に進入することができる。
なお、特徴92に記載の遊技機において、「遊技球が前記方向転換部によって前後方向に蛇行される位置」は、遊技球が方向転換部に到達する前の位置であってもよいし、遊技球が方向転換部によって前方または後方のいずれか一方に移動した位置であってもよい。例えば、第1流下通路部が、遊技球が方向転換部によって前方または後方のいずれか一方に移動した位置よりも上流側において上方に開口している場合、遊技球が方向転換部により進路方向が変更されることで第1流下通路部に進入し易い状況が生じ得る。
<特徴A0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態を発生し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生を伴わない第2結果である場合に所定の確率で所定の特定遊技状態を発生する遊技機において、
遊技球の進入が許容される進入許容状態と遊技球の進入が規制される進入規制状態とを少なくともとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値を遊技者に付与する可変入賞部(右大入賞装置1434)と、
前記特別遊技状態または前記特定遊技状態が発生した場合に、前記可変入賞部における前記進入許容状態と前記進入規制状態との切り替えを、各遊技状態の発生に対応した所定の切替パターンで行う入賞制御手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記第2の抽選にて前記所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に応じて前記特定遊技状態が異なって発生するように、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に応じた前記入賞制御手段による前記可変入賞部の切り替えの制御を設定する切替制御設定手段(主制御基板920)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴A0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が第1結果である場合には、通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態が発生する。当該抽選結果が特別遊技状態の発生を伴わない第2結果である場合には、所定の確率で所定の特定遊技状態が発生する。
設定記憶手段には、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または当該所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において第1の結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
特別遊技状態または特定遊技状態が発生した場合には、入賞制御手段により、可変入賞部における進入許容状態と進入規制状態との切り替えが各遊技状態の発生に対応した所定の切替パターンで行われる。設定記憶手段に記憶される確率情報に応じて特定遊技状態が異なって発生するよう、切替制御設定手段により、設定記憶手段に記憶される確率情報に応じた入賞制御手段による可変入賞部の切り替えの制御が設定される。よって、特定遊技状態における可変入賞部の切り替えの制御に基づいて、遊技者が、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
<特徴A1>
特徴A0に記載の遊技機であって、
前記入賞制御手段による前記切り替えは、前記可変入賞部を前記進入許容状態に切り替えた後、当該進入許容状態を持続する所定の持続期間が経過するまで、または、所定数の遊技球が前記可変入賞部に進入するまでのいずれかの条件が成立した場合に当該可変入賞部を前記進入規制状態に切り替えることを含み、
前記切替制御設定手段は、少なくとも前記所定の持続期間が前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に応じて異なる切替パターンを、前記所定の切替パターンとして設定することを特徴とする遊技機。
特徴A1に記載の遊技機であれば、入賞制御手段による可変入賞部の切り替えは、当該可変入賞部を進入許容状態に切り替えた後、当該進入許容状態を持続する所定の持続期間が経過するまで、または、所定数の遊技球が当該可変入賞部に進入するまでのいずれかの条件が成立した場合に当該可変入賞部を進入規制状態に切り替えることが含まれている。切替制御設定手段は、少なくとも所定の持続期間が設定記憶手段に記憶される確率情報に応じて異なる切替パターンを所定の切替パターンとして設定するので、特定遊技状態において可変入賞部が進入許容状態に持続される持続期間に基づいて、遊技者が設定記憶手段に記憶される確率情報を推測する遊技性を付加することができる。
<特徴A2>
特徴A0または特徴A1に記載の遊技機であって、
該遊技機は、前記所定の始動条件が成立した場合に前記特定遊技状態が発生し易い特定遊技高確率状態(確変遊技状態)と、該特定遊技高確率状態より前記特定遊技状態が発生し難い特定遊技低確率状態(通常遊技状態)とを発生させるものであり、
前記設定記憶手段は、前記第2の抽選によって所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として、前記特定遊技高確率状態を前記特定遊技低確率状態へ遷移させる確率(確変遊技終了確率)に対応する確率情報(高確率時の大当り確率および確変継続率)を少なくとも記憶することを特徴とする遊技機。
特徴A2に記載の遊技機であれば、所定の始動条件が成立した場合に特定遊技状態が発生し易い特定遊技高確率状態と、該特定遊技高確率状態より特定遊技状態が発生し難い特定遊技低確率状態とを発生可能に構成されており、設定記憶手段には、第2の抽選によって所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として、特定遊技高確率状態を特定遊技低確率状態へ遷移させる確率に対応する確率情報が少なくとも記憶されている。
よって、特定遊技状態における可変入賞部の切り替えの制御に基づいて、遊技者が、特定遊技高確率状態を特定遊技低確率状態へ遷移させる確率として現在設定されている確率を推測する遊技性を付加することができる。これにより、遊技者は、特定遊技高確率状態を特定遊技低確率状態へ遷移させる確率として推測した確率が自身にとって好ましいか否かに応じて、遊技中の遊技機で遊技を継続する否かを決定することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
<特徴B0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態(大当り)を発生し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合に所定の特定遊技状態(小当り)を発生する遊技機であって、
前記所定の始動条件が成立した場合に前記特別遊技状態が所定の高確率で発生する特別遊技高確率状態(確変遊技状態)と、該特別遊技高確率状態より前記特別遊技状態が発生する確率が低い特別遊技低確率状態(通常遊技状態)とを発生させる制御を実行可能に構成されるとともに、前記特別遊技高確率状態として、第1特別遊技高確率状態(時短の確変遊技状態)と、前記第1特別遊技高確率状態に比べて前記特定遊技状態の発生により遊技者が遊技価値を獲得し易い第2特別遊技高確率状態(非時短の確変遊技状態)とを発生させる制御を実行可能に構成され、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において前記特別遊技状態の終了後に前記第1特別遊技高確率状態を所定の実行期間に亘って発生させ、前記所定の実行期間が終了した場合には前記第1特別遊技高確率状態を終了して前記第2特別遊技高確率状態へと遷移させる遊技状態制御手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定の第1結果である場合であって前記特別遊技状態の終了後に前記第1特別遊技高確率状態を発生させる場合に、前記所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報を記憶する残り期間情報記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記抽選手段の抽選結果を表示する識別情報を表示可能な表示装置(装飾図柄表示装置479)と、
前記特別遊技状態の終了後に前記第1特別遊技高確率状態が発生した場合に、前記残り期間情報記憶手段に記憶される前記情報に対応する前記残り期間の変化に応じて更新される第1表示(残り期間表示部1711)と、前記第2特別遊技高確率状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって前記残り期間の変化に応じて更新される第2表示(遷移後遊技状態表示部1712)とを、前記識別情報とともに前記表示装置に表示させる表示制御手段(副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機においては、特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態に比べて大当りの当選確率が高い確変遊技状態や通常遊技状態に比べて遊技球が始動口に入球し易い遊技状態などの、通常遊技状態より遊技者にとって有利な所定の有利遊技状態を発生させることで遊技を多様にするものも知られている(例えば、特開2016−189873号公報参照)。
しかしながら、特別遊技状態の終了後に種類の異なる遊技状態を連続して発生可能に構成された遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴B0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が所定の第1結果である場合には、通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態が発生する。当該抽選結果が特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合には、所定の特定遊技状態が発生する。
所定の始動条件が成立した場合に特別遊技状態が所定の高確率で発生する特別遊技高確率状態と、該特別遊技高確率状態より前記特別遊技状態が発生する確率が低い特別遊技低確率状態とを発生させる制御を実行可能に構成されるとともに、特別遊技高確率状態として、第1特別遊技高確率状態と、当該第1特別遊技高確率状態に比べて特定遊技状態の発生により遊技者が遊技価値を獲得し易い第2特別遊技高確率状態とを発生させる制御を実行可能に構成される。抽選手段による抽選結果が第1結果である場合の少なくとも一部においては、遊技状態制御手段によって、特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態が所定の実行期間に亘って発生され、当該所定の実行期間が終了した場合に第1特別遊技高確率状態を終了して第2特別遊技高確率状態へと遷移される。
抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合であって特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態を発生させる場合には、当該第1特別遊技高確率状態における所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報が残り期間情報記憶手段に記憶される。抽選手段の抽選結果を表示する識別情報を表示可能な表示装置が設けられており、特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態が発生した場合、当該表示装置には、残り期間情報記憶手段に記憶される情報(所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報)に対応する残り期間の変化に応じて更新される第1表示と、第2特別遊技高確率状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって前記残り期間の変化に応じて更新される第2表示とが、表示制御手段によって識別情報とともに表示される。
よって、特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態と第2特別遊技高確率状態とが連続して発生可能に構成された遊技機において、第1表示が所定の実行期間に対する残り期間の変化に応じて更新されるとともに、第2特別遊技高確率状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する第2表示もまた当該残り期間の変化に応じて更新されるので、遊技者は、更新される第1表示によって、遊技状態が第1特別遊技高確率状態から第2特別遊技高確率状態へと遷移する時期が次第に近づきつつあることを認識しつつ、更新される第2表示によって、現在の遊技状態(第1特別遊技高確率状態)に比べて特定遊技状態の発生により遊技者が遊技価値を獲得し易い遊技状態(第2特別遊技高確率状態)へと遊技状態が遷移する時期がそのうちに到来することを意識することができる。これにより、特別遊技状態後に第1特別遊技高確率状態が発生した場合に、遊技者が当該第1特別遊技高確率状態から第2特別遊技高確率状態への遊技状態の遷移を期待する遊技性を好適に向上させることができる。
<特徴B1>
特徴B0に記載の遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記第1表示および前記第2表示を前記表示装置の画面における一側に表示することを特徴とする遊技機。
特徴B1に記載の遊技機であれば、第1表示および第2表示は表示装置の画面における一側に表示されるので、遊技者は、視線を大きく動かさずとも第1表示および第2表示を視認することが可能となる。よって、遊技者は、第1表示の更新状況と第2表示の更新状況とを両立して認識することができるので、遊技者が第1特別遊技高確率状態から第2特別遊技高確率状態への遊技状態の遷移を期待する遊技性をより好適に向上させることができる。
<特徴B2>
特徴B0または特徴B2に記載の遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記残り期間が減少するにつれて、前記第1表示および前記第2表示の各表示位置の距離を近づける、または、前記第1表示と前記第2表示との重なりを大きくすることを特徴とする遊技機。
特徴B2に記載の遊技機であれば、残り期間が減少するにつれて、第1表示および第2表示の各表示位置の距離が近づく、または、第1表示と第2表示との重なりが大きくなるので、第1表示および第2表示の各表示位置間の距離と、第1表示と第2表示との重なり状況から、遊技者は、第1特別遊技高確率状態から第2特別遊技高確率状態へと遊技状態が遷移する時期の到来を把握し易い。これにより、遊技者が第1特別遊技高確率状態から第2特別遊技高確率状態への遊技状態の遷移を期待する遊技性をより好適に向上させることができる。
<特徴C0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態(大当り)を発生し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合に所定の特定遊技状態(小当り)を発生する遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において、前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態より遊技者にとって有利な所定の有利遊技状態(時短状態、確変状態)を発生させ、当該有利遊技状態の開始後に予め決められた回数の前記特定遊技状態が発生した場合に当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させる遊技状態制御手段(主制御基板920)を備えていることを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。この種の遊技機において、近年では、前記抽選による抽選結果として、大当りでなくても遊技球が大入賞口に入賞可能となる抽選結果(例えば、小当り)を設けることで遊技を多様にしたものも知られている(例えば、特開2016−189873号公報参照)。
しかしながら、大当りでなくても遊技球が大入賞口に入賞可能となる抽選結果が設けられた遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴C0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が所定の第1結果である場合には、通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態が発生する。当該抽選結果が特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合には、所定の特定遊技状態が発生する。
抽選手段による抽選結果が第1結果である場合の少なくとも一部においては、遊技状態制御手段によって、特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態より遊技者にとって有利な所定の有利遊技状態が発生し、当該有利遊技状態の開始後に予め決められた回数の特定遊技状態が発生した場合に当該有利遊技状態から当該所定の遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移される。よって、抽選結果として第2結果が選ばれたことで特定遊技状態を発生可能な遊技機において、有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遊技状態が遷移させる条件として特定遊技状態の発生回数を適用したことで、特定遊技状態の発生回数に応じて遊技状態を変化させ得るという遊技性を付加することができる。
なお、特徴C0に記載の遊技機においては、遊技状態制御手段が「前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において、前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態より遊技者にとって有利な所定の有利遊技状態を発生させ、当該有利遊技状態の開始後に予め決められた回数の前記特定遊技状態が発生した場合に当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させる」構成であるとしたが、「前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において、前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態より遊技者にとって有利な所定の有利遊技状態を発生させ、当該有利遊技状態の開始後に前記特別遊技状態が発生した場合、当該有利遊技状態に対して予め決められている所定の実行期間が終了した場合、または、当該有利遊技状態の開始後に予め決められた回数の前記特定遊技状態が発生した場合に当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させる」構成としてもよい。
<特徴C1>
特徴C0に記載の遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定の第2結果である場合に複数種類の前記特定遊技状態のいずれかを当該特定遊技状態の種類毎に予め決められた確率で発生可能に構成され、
前記複数種類の特定遊技状態の各々に対し、前記予め決められた回数として使用可能な複数種類の回数のうちいずれかの回数に対応する回数情報を対応付けて記憶する回数情報記憶手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の終了後に前記有利遊技状態を発生させる抽選結果である場合には、当該有利遊技状態の開始後に、前記回数情報記憶手段において前記複数種類の特定遊技状態のうち1の特定遊技状態に対応付けられている前記回数情報に対応する回数の前記特定遊技状態が発生した場合に、当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させることを特徴とする遊技機。
特徴C1に記載の遊技機であれば、回数情報記憶手段には、複数種類の特定遊技状態の各々に対し、前記予め決められた回数として使用可能な複数種類の回数のうちいずれかの回数に対応する回数情報が対応付けて記憶されている。
抽選手段による抽選結果が特別遊技状態の終了後に有利遊技状態を発生させる抽選結果である場合には、遊技状態制御手段によって、当該有利遊技状態の開始後に、回数情報記憶手段において複数種類の特定遊技状態のうち1の特定遊技状態に対応付けて記憶されている回数情報に対応する回数の特定遊技状態が発生した場合に、当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移される。よって、特定遊技状態が複数種類設けられており、遊技状態が遷移する条件としての特定遊技状態の発生回数が特定遊技状態の種類に応じて決められているので、遊技状態が遷移させる条件が多様となって、特定遊技状態の発生回数に応じて遊技状態を変化させ得るという遊技性を好適に多様化できる。
<特徴C2>
特徴C0または特徴C1に記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態の終了後に前記有利遊技状態を発生させる抽選結果の種類、または、前記特別遊技状態の終了後に前記有利遊技状態を発生させる抽選結果に基づいて当該特別遊技状態が発生した時期における遊技状態の種類の少なくとも一方を含んで構成される複数種類の回数条件の各々に対し、前記予め決められた回数として使用可能な複数種類の回数のうちいずれかの回数に対応する回数情報を対応づけて記憶する回数情報記憶手段(主制御基板920のROM)を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の終了後に前記有利遊技状態を発生させる抽選結果である場合であって前記回数条件が成立した場合には、当該抽選結果に基づいて前記特別遊技状態の終了後に発生した前記有利遊技状態の開始後に、前記回数情報記憶手段において当該回数条件に対応付けられている前記回数情報に対応する回数の前記特定遊技状態が発生した場合に、当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させることを特徴とする遊技機。
特徴C2に記載の遊技機であれば、回数情報記憶手段には、特別遊技状態の終了後に有利遊技状態を発生させる抽選結果の種類、または、特別遊技状態の終了後に有利遊技状態を発生させる抽選結果に基づいて当該特別遊技状態が発生した時期における遊技状態の種類の少なくとも一方を含んで構成される複数種類の回数条件の各々に対し、予め決められた回数として使用可能な複数種類の回数のうちいずれかの回数に対応する回数情報が対応付けられて記憶されている。
抽選手段による抽選結果が特別遊技状態の終了後に有利遊技状態を発生させる抽選結果である場合であって前記回数条件が成立した場合には、遊技状態制御手段によって、当該抽選結果に基づいて特別遊技状態の終了後に発生した有利遊技状態の開始後に、回数情報記憶手段において当該回数条件に対応付けて記憶されている回数情報に対応する回数の特定遊技状態が発生した場合に、当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移される。よって、遊技状態が遷移する条件としての特定遊技状態の発生回数が回数条件の種類に応じて多様化されるので、遊技状態が遷移させる条件が多様となって、特定遊技状態の発生回数に応じて遊技状態を変化させ得るという遊技性を好適に多様化できる。
<特徴C3>
特徴C0から特徴C2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技状態の終了後に前記有利遊技状態を発生した場合には、当該有利遊技状態の開始後に前記予め決められた回数の前記特定遊技状態が発生した場合、または、当該有利遊技状態の開始後に前記特別遊技状態が発生した場合に、当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させることを特徴とする遊技機。
特徴C3に記載の遊技機であれば、特別遊技状態の終了後に遊技状態制御手段によって有利遊技状態が発生された場合には、有利遊技状態の開始後に予め決められた回数の特定遊技状態が発生した場合、または、当該有利遊技状態の開始後に特別遊技状態が発生した場合に、遊技状態制御手段により、当該有利遊技状態から当該所定の遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移される。よって、特定遊技状態が予め決められた回数だけ発生した場合だけでなく、有利遊技状態の開始後に特別遊技状態が発生した場合にも遊技状態が変化されるので、特別遊技状態後に発生する遊技状態を変化させる遊技性を多様化できる。
<特徴D0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合には通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態(大当り)を発生するよう構成されるとともに、前記特別遊技状態が発生した場合には、当該特別遊技状態の終了後に遊技状態が変化し得るよう構成された遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合に複数種類の特定遊技状態(小当り)のいずれかを当該特定遊技状態の種類毎に予め決められた確率で発生可能に構成され、
前記複数種類の特定遊技状態のうち少なくとも1つの特定遊技状態の発生回数が当該特定遊技状態に対して予め決められた回数に達した場合に所定の遊技状態から当該所定の遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させる遊技状態制御手段(主制御基板920)を備えていることを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機において、近年では、前記抽選による抽選結果として、大当りでなくても遊技球が大入賞口に入賞可能となる抽選結果(例えば、小当り)を設けることで遊技を多様にしたものも知られている(例えば、特開2016−189873号公報参照)。
しかしながら、大当りでなくても遊技球が大入賞口に入賞可能となる抽選結果が設けられた遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴D0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が所定の第1結果である場合には、通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態が発生する。当該特別遊技状態が発生した場合には、当該特別遊技状態の終了後に遊技状態が変化し得る。また、当該抽選結果が特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合には、複数種類の特定遊技状態のいずれかが当該特定遊技状態の種類毎に予め決められた確率で発生する。
複数種類の特定遊技状態のうち少なくとも1つの特定遊技状態の発生回数が当該特定遊技状態に対して予め決められた回数に達した場合には、遊技状態制御手段により、所定の遊技状態から当該所定の遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移される。よって、抽選結果として第2結果が選ばれたことで特定遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技状態が遷移させる条件として特定遊技状態の発生回数を適用したことで、特定遊技状態の発生回数に応じて遊技状態を変化させ得るという遊技性を付加することができる。
特に、特定遊技状態が複数種類設けられており、遊技状態が遷移する条件としての特定遊技状態の発生回数が特定遊技状態の種類に応じて決められているので、遊技状態が遷移させる条件が多様となって、特定遊技状態の発生回数に応じて遊技状態を変化させ得るという遊技性を好適に多様化できる。
<特徴D1>
特徴D0に記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態の終了後に前記有利遊技状態を発生させる抽選結果の種類、または、前記特別遊技状態の終了後に前記有利遊技状態を発生させる抽選結果に基づいて当該特別遊技状態が発生した時期における遊技状態の種類の少なくとも一方を含んで構成される複数種類の回数条件における当該回数条件ごとに、前記複数種類の特定遊技状態の各々に対し、前記予め決められた回数として使用可能な複数種類の回数のうちいずれかの回数に対応する回数情報を対応付けて記憶する回数情報記憶手段(主制御基板920のROM)を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の終了後に前記所定の遊技状態を発生させる抽選結果である場合であって前記回数条件が成立した場合には、当該抽選結果に基づいて前記特別遊技状態の終了後に発生した前記所定の遊技状態の開始後に、前記回数情報記憶手段において当該回数条件に対応づけられている前記回数情報に対応する回数の前記特定遊技状態が発生した場合に、前記所定の遊技状態から当該所定の遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移させることを特徴とする遊技機。
特徴D1に記載の遊技機であれば、回数情報記憶手段には、特別遊技状態の終了後に有利遊技状態を発生させる抽選結果の種類、または、特別遊技状態の終了後に有利遊技状態を発生させる抽選結果に基づいて当該特別遊技状態が発生した時期における遊技状態の種類の少なくとも一方を含んで構成される複数種類の回数条件における当該回数条件ごとに、複数種類の特定遊技状態の各々に対し、予め決められた回数として使用可能な複数種類の回数のうちいずれかの回数に対応する回数情報が対応付けられて記憶されている。
抽選手段による抽選結果が特別遊技状態の終了後に有利遊技状態を発生させる抽選結果である場合であって回数条件が成立した場合には、遊技状態制御手段によって、当該抽選結果に基づいて特別遊技状態の終了後に発生した所定の遊技状態の開始後に、回数情報記憶手段において当該回数条件に対応付けて記憶されている回数情報に対応する回数の特定遊技状態が発生した場合に、当該有利遊技状態から当該有利遊技状態とは異なる遊技状態へと遷移される。よって、遊技状態が遷移する条件としての特定遊技状態の発生回数が回数条件の種類に応じて多様化されるので、遊技状態が遷移させる条件が多様となって、特定遊技状態の発生回数に応じて遊技状態を変化させ得るという遊技性を好適に多様化できる。
<特徴E0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に所定の遊技状態(特別遊技状態)を発生する遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において所定の第1遊技状態(時短の確変遊技状態)を所定の実行期間に亘って発生させ、前記所定の実行期間が終了した場合には所定の第2遊技状態(非時短の確変遊技状態)へと遷移させる遊技状態制御手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定の第1結果である場合であって前記所定の第1遊技状態を発生させる場合に、前記所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は当該残り期間を算出可能な情報を記憶する残り期間情報記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記所定の第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって前記残り期間の変化に応じて更新される特定表示(遷移後遊技状態表示部1712)を所定の表示装置に表示させる表示制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記特定表示は、前記所定の遊技状態情報の少なくとも一部として複数の文字から構成される文字情報を含み、
前記表示制御手段は、前記特定表示が表示される所定の初期状態において前記文字情報を構成する前記複数の文字のうち少なくとも一部の文字が認識不能または認識困難となるよう当該特定表示を表示させるとともに、前記残り期間の変化に応じて前記文字情報の認識性が高まるよう当該特定表示を更新して、当該残り期間が所定の期間より短い時期において前記文字情報を構成する全ての文字を認識可能に表示させることを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機においては、特別遊技状態の終了後に種類の異なる遊技状態を連続して発生可能に構成することで遊技を多様にするものも知られている(例えば、特開2016−189873号公報参照)。
しかしながら、特別遊技状態の終了後に種類の異なる遊技状態を連続して発生可能に構成された遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴E0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が所定の第1結果である場合には、所定の遊技状態が発生する。抽選手段による抽選結果が第1結果である場合の少なくとも一部においては、遊技状態制御手段によって、所定の第1遊技状態が所定の実行期間に亘って発生され、当該所定の実行期間が終了した場合に所定の第2遊技状態へと遷移される。
抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合であって第1遊技状態を発生させる場合には、当該第1遊技状態における所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報が残り期間情報記憶手段に記憶される。所定の表示装置には、表示制御手段によって、第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって前記残り期間の変化に応じて更新される特定表示が表示される。
よって、所定の第1遊技状態と所定の第2遊技状態とが連続して発生可能に構成された遊技機において、第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する特定表示が所定の実行期間に対する残り期間の変化に応じて更新されるので、遊技者は、更新される第2表示によって、現在の遊技状態(第1遊技状態)から次の遊技状態(第2遊技状態)へと遊技状態が遷移する時期がそのうちに到来することを意識することができる。これにより、第1遊技状態が発生した場合に、遊技者が当該第1遊技状態から第2遊技状態への遊技状態の遷移を期待する遊技性を好適に向上させることができる。
特に、特定表示は、所定の遊技状態情報の少なくとも一部として複数の文字から構成される文字情報を含んでおり、当該特定表示が表示される所定の初期状態においては、前記文字情報を構成する複数の文字のうち少なくとも一部の文字が認識不能または認識困難となるよう表示される。そして、当該特定表示は、第1遊技状態における所定の実行期間に対する残り期間の変化に応じて前記文字情報の認識性が高まるよう更新され、当該残り期間が所定の期間より短い時期においては、前記文字情報を構成する全ての文字が認識可能に表示される。
よって、第1遊技状態における所定の実行期間に対する残り期間が少なくなる、すなわち、第2遊技状態に遷移する時期が近づくにつれて文字情報が完成されていくので、文字情報の認識性が次第に高まるにつれ、第2遊技状態に対する遊技者の期待を好適に増大させることができる。
<特徴F0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に所定の遊技状態(特別遊技状態)を発生する遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において所定の第1遊技状態(時短の確変遊技状態)を所定の実行期間に亘って発生させ、前記所定の実行期間が終了した場合には所定の第2遊技状態(非時短の確変遊技状態)へと遷移させる遊技状態制御手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定の第1結果である場合であって前記所定の第1遊技状態を発生させる場合に、前記所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は当該残り期間を算出可能な情報を記憶する残り期間情報記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記所定の第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって、前記残り期間の変化に応じて、少なくともその大きさが段階的に大きく又は小さく変化するよう更新される特定表示(遷移後遊技状態表示部1712)を所定の表示装置に表示させる表示制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記表示制御手段は、前記特定表示の大きさを段階的に大きく又は小さくする場合に、変化後の前記特定表示の大きさより大きい一時極大表示、または、変化後の前記特定表示の大きさより小さい一時極小表示を一時的に表示させた後に変化後の前記特定表示を表示させることを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機においては、特別遊技状態の終了後に種類の異なる遊技状態を連続して発生可能に構成することで遊技を多様にするものも知られている(例えば、特開2016−189873号公報参照)。
しかしながら、特別遊技状態の終了後に種類の異なる遊技状態を連続して発生可能に構成された遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴F0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が所定の第1結果である場合には、所定の遊技状態が発生する。抽選手段による抽選結果が第1結果である場合の少なくとも一部においては、遊技状態制御手段によって、所定の第1遊技状態が所定の実行期間に亘って発生され、当該所定の実行期間が終了した場合に所定の第2遊技状態へと遷移される。
抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合であって第1遊技状態を発生させる場合には、当該第1遊技状態における所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報が残り期間情報記憶手段に記憶される。所定の表示装置には、表示制御手段によって、第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって前記残り期間の変化に応じて、少なくともその大きさが段階的に大きく又は小さく変化するよう更新される特定表示が表示される。
よって、所定の第1遊技状態と所定の第2遊技状態とが連続して発生可能に構成された遊技機において、第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する特定表示が所定の実行期間に対する残り期間の変化に応じて、少なくともその大きさが段階的に大きく又は小さく変化するよう更新されるので、遊技者は、段階的に大きく又は小さく変化する第2表示によって、現在の遊技状態(第1遊技状態)から次の遊技状態(第2遊技状態)へと遊技状態が遷移する時期がそのうちに到来することを意識することができる。これにより、第1遊技状態が発生した場合に、遊技者が当該第1遊技状態から第2遊技状態への遊技状態の遷移を期待する遊技性を好適に向上させることができる。
特に、当該特定表示の大きさを段階的に大きく又は小さくする場合には、変化後の特定表示が、当該変化後の特定表示の大きさより大きい一時極大表示、または、当該変化後の特定表示の大きさより小さい一時極小表示を一時的に表示させた後に表示される。
よって、変化後の特定表示が変化前の特定表示に比べて大きくなっていることを遊技者に認識し難くさせることができるので、特定表示の大きさが段階的に変化する過程において、ある時期に、当該特定表示がいつの間にか大きくなっているかのように遊技者に感じさせることができる。特定表示がいつの間にか大きくなったと遊技者に感じさせることで、第2遊技状態への遷移に対する遊技者の意識の仕方に緩急をつけることができ、それにより、第2遊技状態への遷移に対する遊技者の期待を好適に増大させることができる。
<特徴G0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に所定の遊技状態(特別遊技状態)を発生する遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において所定の第1遊技状態(時短の確変遊技状態)を所定の実行期間に亘って発生させ、前記所定の実行期間が終了した場合には所定の第2遊技状態(非時短の確変遊技状態)へと遷移させる遊技状態制御手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定の第1結果である場合であって前記所定の第1遊技状態を発生させる場合に、前記所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は当該残り期間を算出可能な情報を記憶する残り期間情報記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記所定の第1遊技状態が発生した場合に、前記残り期間情報記憶手段に記憶される前記情報に対応する前記残り期間の変化に応じて更新される第1表示(残り期間表示部1711)と、前記所定の第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって前記残り期間の変化に応じて更新される第2表示(遷移後遊技状態表示部1712)とを所定の表示装置に表示させる表示制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記表示制御手段は、前記実行期間内に設けられた複数の時期のうち一部の時期を構成する複数の第1時期において、前記第1表示または前記第2表示のうち一方を一時的に拡大、縮小、若しくは変形、又はこれらの2以上の組合せにして表示させるとともに、前記複数の時期のうち前記第1時期とは異なる時期を構成する複数の第2表示時期において、前記第1表示および前記第2表示の両方を一時的に拡大、縮小、若しくは変形、又はこれらの2以上の組合せにして表示させることを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機においては、特別遊技状態の終了後に種類の異なる遊技状態を連続して発生可能に構成することで遊技を多様にするものも知られている(例えば、特開2016−189873号公報参照)。
しかしながら、特別遊技状態の終了後に種類の異なる遊技状態を連続して発生可能に構成された遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴G0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が所定の第1結果である場合には、所定の遊技状態が発生する。抽選手段による抽選結果が第1結果である場合の少なくとも一部においては、遊技状態制御手段によって、所定の第1遊技状態が所定の実行期間に亘って発生され、当該所定の実行期間が終了した場合に所定の第2遊技状態へと遷移される。
抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合であって第1遊技状態を発生させる場合には、当該第1遊技状態における所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報が残り期間情報記憶手段に記憶される。
所定の表示装置には、第1遊技状態が発生した場合、所定の表示装置には、残り期間情報記憶手段に記憶される情報(所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報)に対応する残り期間の変化に応じて更新される第1表示と、第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する表示であって前記残り期間の変化に応じて更新される第2表示とが表示制御手段によって表示される。
よって、所定の第1遊技状態と所定の第2遊技状態とが連続して発生可能に構成された遊技機において、第1表示が所定の実行期間に対する残り期間の変化に応じて更新されるとともに、第2遊技状態が発生した場合に表示される所定の遊技状態情報に対応する第2表示もまた当該残り期間の変化に応じて更新されるので、遊技者は、更新される第1表示によって、遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態へと遷移する時期が次第に近づきつつあることを認識しつつ、更新される第2表示によって、現在の遊技状態(第1遊技状態)から次の遊技状態(第2遊技状態)へと遊技状態が遷移する時期がそのうちに到来することを意識することができる。これにより、第1遊技状態が発生した場合に、遊技者が当該第1遊技状態から第2遊技状態への遊技状態の遷移を期待する遊技性を好適に向上させることができる。
特に、第1遊技状態における所定の実行期間内に設けられた複数の時期のうち一部の時期を構成する複数の第1時期においては、第1表示または第2表示のうち一方が一時的に拡大、縮小、若しくは変形、又はこれらの2以上の組合せにして表示され、当該複数の時期のうち第1時期とは異なる時期を構成する複数の第2表示時期においては、第1表示および第2表示の両方が一時的に拡大、縮小、若しくは変形、又はこれらの2以上の組合せにして表示される。
よって、第2遊技状態へと遊技状態が遷移する時期が次第に近づく過程において、第1表示または第2表示のうち一方が一時的に変化したり、第1表示および第2表示の両方が一時的に変化したりするので、遊技者が当該過程において単調さを感じることを抑制でき、それにより、第2遊技状態に対する遊技者の期待を好適に増大させることができる。
<特徴G1>
特徴G0に記載の遊技機であって、
前記第2時期は、前記残り期間が少なくなる程、当該第2時期の間隔が短くなるよう設定されることを特徴とする遊技機。
特徴G1に記載の遊技機であれば、所定の実行期間に対する残り期間が少なくなる程、当該第2時期の間隔が短いので、第2遊技状態へと遊技状態が遷移する時期が近づくにつれ、第1表示および第2表示の両方が一時的に変化する頻度が高まる。遊技者は、第1表示および第2表示の両方が一時的に変化する頻度の高まりから、第2遊技状態へと遊技状態が遷移する時期が近づいていることを認識し得る。よって、第2遊技状態に対する遊技者の期待を好適に増大させることができる。
<特徴H0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、該抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態(大当たり)を発生し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合に所定の特定遊技状態(小当たり)を発生する遊技機であって、
前記所定の始動条件が成立した場合に前記特別遊技状態が所定の高確率で発生する特別遊技高確率状態(確変遊技状態)と、該特別遊技高確率状態より前記特別遊技状態が発生する確率が低い特別遊技低確率状態(通常遊技状態)とを発生させる制御を実行可能に構成されるとともに、前記特別遊技高確率状態として、第1特別遊技高確率状態(時短の確変遊技状態)と、前記第1特別遊技高確率状態に比べて前記特定遊技状態の発生により遊技者が遊技価値を獲得し易い第2特別遊技高確率状態(非時短の確変遊技状態)とを発生させる制御を実行可能に構成され、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の少なくとも一部において前記特別遊技状態の終了後に前記第1特別遊技高確率状態を所定の実行期間に亘って発生させ、前記所定の実行期間が終了した場合には前記第1特別遊技高確率状態を終了して前記第2特別遊技高確率状態へと遷移させる遊技状態制御手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定の第1結果である場合であって前記特別遊技状態の終了後に前記第1特別遊技高確率状態を発生させる場合に、前記所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は当該残り期間を算出可能な情報を記憶する残り期間情報記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記所定の始動条件が成立した場合に前記識別情報の変動表示を行った後に前記抽選手段の抽選結果に対応する当該識別情報の停止表示を行う変動表示制御手段(副制御基板940)と、
前記特別遊技状態の終了後に前記第1特別遊技高確率状態が発生した場合に、前記残り期間情報記憶手段に記憶される前記情報に対応する前記残り期間の変化に応じて更新される特定表示(残り期間表示部1711)を所定の表示装置に表示させる表示制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記残り期間における最後の始動条件の成立に対して前記抽選手段によって前記特別遊技状態の発生を伴わない抽選結果が得られて当該始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に前記第2特別遊技高確率状態を発生させる場合には、前記残り期間がなくなった所定のゼロ状態に対応して更新される所定のゼロ情報を少なくとも含む前記特定表示を、前記識別情報の変動表示が前記変動制御手段によって開始されるタイミングに同期して、または、前記識別情報の変動表示が前記変動制御手段によって開始された後に表示する一方で、
前記残り期間における最後の始動条件の成立に対して前記抽選手段によって前記第1結果が得られて当該始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に前記第2特別遊技高確率状態を発生させない場合には、前記所定のゼロ情報を、非表示とする、または、当該始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に前記第2特別遊技高確率状態を発生させる場合に比べて視認性を低下させた状態で表示することを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機において、近年では、前記抽選による抽選結果として、大当りでなくても遊技球が大入賞口に入賞可能となる抽選結果(例えば、小当り)を設けることで遊技を多様にしたものも知られている(例えば、特開2016−189873号公報参照)。
しかしながら、大当りでなくても遊技球が大入賞口に入賞可能となる抽選結果が設けられた遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴H0に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、抽選手段により所定の抽選が行われ、その抽選結果が所定の第1結果である場合には、通常の遊技状態に比べて有利な特別遊技状態が発生する。当該抽選結果が特別遊技状態の発生を伴わない所定の第2結果である場合には、所定の特定遊技状態が発生する。
所定の始動条件が成立した場合に特別遊技状態が所定の高確率で発生する特別遊技高確率状態と、該特別遊技高確率状態より前記特別遊技状態が発生する確率が低い特別遊技低確率状態とを発生させる制御を実行可能に構成されるとともに、特別遊技高確率状態として、第1特別遊技高確率状態と、当該第1特別遊技高確率状態に比べて特定遊技状態の発生により遊技者が遊技価値を獲得し易い第2特別遊技高確率状態とを発生させる制御を実行可能に構成される。抽選手段による抽選結果が第1結果である場合の少なくとも一部においては、遊技状態制御手段によって、特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態が所定の実行期間に亘って発生され、当該所定の実行期間が終了した場合に第1特別遊技高確率状態を終了して第2特別遊技高確率状態へと遷移される。
抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合であって特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態を発生させる場合には、当該第1特別遊技高確率状態における所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報が残り期間情報記憶手段に記憶される。特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態が発生した場合、所定の表示装置には、表示制御手段によって、残り期間情報記憶手段に記憶される情報(所定の実行期間に対する残り期間に対応した情報又は残り期間を算出可能な情報)に対応する残り期間の変化に応じて更新される特定表示が表示される。
よって、特別遊技状態の終了後に第1特別遊技高確率状態と第2特別遊技高確率とが連続して発生可能に構成された遊技機において、第1表示が所定の実行期間に対する残り期間の変化に応じて更新されるので、遊技者は、更新される第1表示によって、遊技状態が第1特別遊技高確率状態から第2特別遊技高確率状態へと遷移する時期が次第に近づきつつあることを認識できる。これにより、特別遊技状態後に第1特別遊技高確率状態が発生した場合に、遊技者が当該第1特別遊技高確率状態から第2特別遊技高確率状態への遊技状態の遷移を期待する遊技性を好適に向上させることができる。
特に、前記残り期間における最後の始動条件の成立に対し、特別遊技状態の発生を伴わない抽選結果が得られて当該始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に第2特別遊技高確率状態が発生する場合には、当該残り期間がなくなった所定のゼロ状態に対応して更新される所定のゼロ情報を少なくとも含む特定表示が、識別情報の変動表示が変動制御手段によって開始されるタイミングに同期して、または、識別情報の変動表示が変動制御手段によって開始された後に表示される。よって、遊技者は、特定表示に含まれる所定のゼロ情報を視認することで、開始された識別情報の変動表示が、第1特別遊技高確率状態の実行期間中における最後の変動表示であることを認識できるので、当該変動表示後に第2特別遊技高確率状態が発生することを期待しながら遊技を続けることができる。
その一方で、前記残り期間における最後の始動条件の成立に対し、第1結果が得られて当該始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に第2特別遊技高確率状態が発生しない場合には、所定のゼロ情報が、非表示とされる、または、当該始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に第2特別遊技高確率状態が発生する場合に比べて視認性の低下された状態で表示される。
よって、最後の始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に第2特別遊技高確率状態が発生しない抽選結果が得られた場合には、遊技者は、所定のゼロ情報を視認できない、または、視認し難いので、第1特別遊技高確率状態における実行期間が満了したことを認識し難い。そのため、ゼロ情報が表示された場合のように第2特別遊技高確率状態の発生に対する期待を遊技者に抱かせ難くすることができるので、当該最後の始動条件の成立に対しての変動表示の実行後に第2特別遊技高確率状態と遊技者が誤解することを抑制できる。
これにより、最後の始動条件の成立に対しての変動表示の終了後に遊技者が誤解によって期待した状況と異なる遊技状態が発生し、それを元に遊技者が遊技を面白くないと感じることを抑制できる。よって、第1特別遊技状態の終了後に第2特別遊技状態が発生し得る遊技において、遊技者が第2特別遊技状態への遷移を期待する遊技性の向上をより好適に実現できる。
<特徴J0>
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
該設定変更手段により変更された前記確率情報が前記設定記憶手段に記憶される前記複数の確率のうち最低の確率に対応する前記確率情報である場合に、当該最低の確率、または、当該最低の確率に対応する設定出力情報を遊技者が識別可能に出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴J0の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定記憶手段には、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
設定変更手段により変更された確率情報が設定記憶手段に記憶される複数の確率のうち最低の確率に対応する確率情報である場合には、当該最低の確率、または、当該最低の確率に対応する設定出力情報が、設定出力手段によって遊技者が識別可能に出力される。これにより、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として最低の確率が設定されていることを、設定出力手段による出力に基づき遊技者に識別させることができる。よって、遊技者は、遊技中の遊技機についての確率情報を識別する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
<特徴J1>
特徴J0に記載の遊技機であって、
前記設定出力手段は、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報が、前記最低の確率とは異なる確率に対応する前記確率情報である場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を遊技者が識別可能に出力することを特徴とする遊技機。
特徴J1の遊技機であれば、設定記憶手段に記憶される確率情報が、最低の確率とは異なる確率に対応する確率情報である場合には、当該確率情報に対応する設定出力情報が、設定出力手段によって遊技者が識別可能に出力される。よって、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率として、最低の確率だけでなく、当該最低の確率とは異なる確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に示唆することができる。これにより、遊技中の遊技機についての確率情報を遊技者が識別する遊技性をより好適に付加することができる。
<特徴J2>
特徴J0または特徴J1に記載の遊技機であって、
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)内に設けられ、遊技球が進入可能な所定の入球口(一般入賞装置439A,439Bの入賞口)と、
該所定の入球口に遊技球が進入した場合に遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御基板930)と、
前記所定の入球口に進入した遊技球の数に基づいて更新される、当該所定の入球口への遊技球の進入に対応する進入情報を記憶する進入情報記憶手段(ベースデータ記憶部2492)と、
所定の出力部(状態表示部2591)と、
前記進入情報手段に記憶されている前記進入情報、または、当該進入情報を用いて出力可能な進入対応情報を前記所定の出力部に出力させる情報出力制御手段(払出制御基板930)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J2の遊技機であれば、遊技領域内に設けられた所定の入球口に進入した遊技球の数に基づき更新される進入情報が進入情報記憶手段に記憶される。進入情報記憶手段に記憶されている進入情報、または、当該進入情報を用いて出力可能な進入対応情報は、情報出力制御手段によって、所定の出力部に出力される。
進入情報または進入対応情報が出力部に出力されるので、出力部に出力された進入情報または進入対応情報を遊技場(ホール)の従業員などが確認することで、入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判断できる。よって、遊技機の性能が設計値通りでないと判断された場合に、当該遊技機を撤去したり稼動させないようにしたり等の適宜の対策を施すことが可能であり、遊技機の性能が設計値通りでないことで遊技者に不利益を与えることを抑制できる。
<特徴K0>
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
遊技機における所定の位置に設けられた所定の操作部に所定の操作を行った場合、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を一定期間に亘って出力する、または、一定期間に亘って当該設定出力情報の出力を当該一定期間とは異なる期間に比べて高い確率で出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。なお、当該課題は、以下の特徴K1に記載の遊技機にも共通の課題である。
これに対し、特徴K0の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定記憶手段には、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
遊技機における所定の位置に設けられた所定の操作部に所定の操作が行われた場合には、設定出力手段によって、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が一定期間に亘って出力される、または、一定期間に亘って当該設定出力情報の出力が当該一定期間とは異なる期間に比べて高い確率で出力される。
よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、一定期間に亘る当該情報の出力状態に基づき遊技者に示唆することができる。これにより、遊技者は、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
<特徴K1>
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
遊技機における所定の位置に設けられた所定の操作部に所定の操作を行った場合、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を一定期間に亘って非出力にする、または、一定期間に亘って当該設定出力情報の出力を当該一定期間とは異なる期間に比べて低い確率で出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
上記課題に対し、特徴K1の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定記憶手段には、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
遊技機における所定の位置に設けられた所定の操作部に所定の操作が行われた場合には、設定出力手段によって、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が一定期間に亘って非出力にされる、または、一定期間に亘って当該設定出力情報の出力が当該一定期間とは異なる期間に比べて低い確率で出力される。
よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、一定期間に亘る当該情報の出力状態に基づき遊技者に示唆することができる。これにより、遊技者は、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
<特徴K2>
特徴K0または特徴K1に記載の遊技機であって、
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)内に設けられ、遊技球が進入可能な所定の入球口(一般入賞装置439A,439Bの入賞口)と、
該所定の入球口に遊技球が進入した場合に遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御基板930)と、
前記所定の入球口に進入した遊技球の数に基づいて更新される、当該所定の入球口への遊技球の進入に対応する進入情報を記憶する進入情報記憶手段(ベースデータ記憶部2492)と、
所定の出力部(状態表示部2591)と、
前記進入情報手段に記憶されている前記進入情報、または、当該進入情報を用いて出力可能な進入対応情報を前記所定の出力部に出力させる情報出力制御手段(払出制御基板930)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴K2の遊技機であれば、遊技領域内に設けられた所定の入球口に進入した遊技球の数に基づき更新される進入情報が進入情報記憶手段に記憶される。進入情報記憶手段に記憶されている進入情報、または、当該進入情報を用いて出力可能な進入対応情報は、情報出力制御手段によって、所定の出力部に出力される。
進入情報または進入対応情報が出力部に出力されるので、出力部に出力された進入情報または進入対応情報を遊技場(ホール)の従業員などが確認することで、入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判断できる。よって、遊技機の性能が設計値通りでないと判断された場合に、当該遊技機を撤去したり稼動させないようにしたり等の適宜の対策を施すことが可能であり、遊技機の性能が設計値通りでないことで遊技者に不利益を与えることを抑制できる。
<特徴L0>
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)内に設けられ、遊技球が進入可能な所定の入球口(一般入賞装置439A,439Bの入賞口)と、
該所定の入球口に遊技球が進入した場合に遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御基板930)と、
前記所定の入球口に進入した遊技球の数に基づき更新される、当該所定の入球口への遊技球の進入に対応する進入情報を記憶する進入情報記憶手段(ベースデータ記憶部2492)と、
遊技機に対して予め設定された所定の状態(所定のエラー)に対応する所定の状態情報が所定の操作(初期化スイッチ907に対する操作)に対応する所定の操作情報を入力することなく出力される出力部(状態表示部2591)と、
前記所定の操作情報が入力された場合に、前記進入情報記憶手段に記憶される前記進入情報、または、当該進入情報を用いて出力可能な進入対応情報を前記出力部に出力させる情報出力制御手段(払出制御基板930)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技球が流下する遊技領域には、遊技球が入賞した場合に遊技球が払い出される入賞口と、その入賞口へ遊技球を導く通路と入賞口に入賞しないでアウト口へ導く通路とを形成する多数の遊技釘が設けられている。多数の遊技釘は、遊技盤の外形を形成する遊技板に打ち込まれて固定される(例えば、特開2008−161638号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては未だ改良の余地があった。例えば、上述した従来のパチンコ機においては、遊技機の個体差や取付け角度などが原因となって、遊技機の性能が設計通りとならないことがあり、そのような遊技機で遊技をする遊技者に不利益を与える可能性があった。
これに対し、特徴L0に記載の遊技機であれば、所定の入球口への遊技球の進入に関する情報を好適に出力可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技領域内に設けられた所定の入球口に進入した遊技球の数に基づき更新される進入情報が進入情報記憶手段に記憶される。所定の操作に対応する所定の操作情報が入力された場合には、情報出力制御手段によって、進入情報記憶手段に記憶されている進入情報、または、当該進入情報を用いて出力可能な進入対応情報が、当該所定の操作情報を入力することなく所定の状態情報が出力される出力部に出力される。
進入情報または進入対応情報が出力部に出力されるので、出力部に出力された進入情報または進入対応情報を遊技場(ホール)の従業員などが確認することで、入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判断できる。よって、遊技機の性能が設計値通りでないと判断された場合に、当該遊技機を撤去したり稼動させないようにしたり等の適宜の対策を施すことが可能であり、遊技機の性能が設計値通りでないことで遊技者に不利益を与えることを抑制できる。
特に、所定の操作が入力された場合に進入情報または進入対応情報を、当該所定の操作を入力することなく所定の状態情報が出力される出力部に出力させる構成としたことで、所定の状態情報の出力先である出力部を進入情報または進入対応情報の出力先として流用できるので、コストを抑制しつつ、進入情報または進入対応情報の出力が可能となる。
<特徴L1>
特徴L0に記載の遊技機であって、
遊技機における所定の位置に設けられて、前記進入情報または前記進入対応情報を前記出力部に出力可能であることを所定の時期(ベースエラーが検出された場合)に報知する報知部(報知部2491)を備え、
前記情報出力制御手段は、前記報知部による報知が行われ、かつ、前記所定の操作が入力された場合に、前記進入情報または前記進入対応情報を前記出力部に出力させることを特徴とする遊技機。
特徴L1に記載の遊技機であれば、遊技機における所定の位置に設けられた報知部には、進入情報または進入対応情報を出力部に出力可能であることが所定の時期に報知される。情報出力制御手段は、報知部による報知が行われ、かつ、所定の操作が入力された場合に、進入情報または進入対応情報を出力部に出力させるよう構成される。よって、遊技場の従業員など、進入情報または進入対応情報を確認しようとする者は、報知部による報知によって進入情報または進入対応情報を出力部に出力させる時期を認識できる。
<特徴M0>
所定の抽選を行うための抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段によって第1の抽選結果が得られた場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選確率に対応した設定情報(設定示唆情報)と、過度な遊技への注意を遊技者に促す注意表示(注意表示)とを少なくとも出力する情報出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えた遊技機であって、
前記情報出力手段は、遊技者が所定量以上の遊技価値(遊技球)を消費した所定の遊技進行状況である場合に、当該状況となる前と比べて、前記設定情報のうち最低の当選確率に対応した最低設定情報または前記注意表示の少なくとも一方を高確率で出力することを特徴とする遊技機。
遊技機の一例として、始動口へ遊技球が入球した場合に抽選を行い、当該抽選によって大当りに当選した場合に遊技価値としての賞球を多量に獲得可能な特別遊技状態を発生させるパチンコ機が知られている。また、スタートスイッチが操作された場合に役の抽選を行うとともに複数のリールを各々回転させ、その後にストップスイッチが操作された場合に各リールを順次停止させ、全てのリールが停止した際に有効ライン上に当選した役に対応する図側の組合せが停止すると入賞となって遊技価値としてのメダルが払い出されるスロットマシンもまた遊技機の一例として知られている。また、遊技の進行に応じて遊技価値を獲得可能な遊技機においては、所定の操作が行われた場合に、遊技者が遊技にのめり込まないようにするための注意喚起画像を表示させるものがあった(例えば、特開2014−8184号公報)。
しかしながら、遊技へののめり込みを抑制させる機能を有する遊技機においては未だ改良の余地がある可能性があった。例えば、所定の操作が行われた場合に注意喚起画像を表示させる構成においては、遊技が好ましい進行状況で行われているにもかかわらず注意喚起画像が表示され、それにより、遊技者が遊技を楽しめなくなる可能性があった。なお、当該課題は、以下の特徴M1に記載の遊技機にも共通の課題である。
これに対し、特徴M0の遊技機であれば、過度な遊技への注意を促す表示を好適に出力可能な遊技機を提供することができる。すなわち、抽選手段によって第1の抽選結果が得られた場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段を備えた遊技機において、遊技者が所定量以上の遊技価値を消費した所定の遊技進行状況である場合には、抽選手段による抽選確率に対応した設定情報のうち最低の当選確率に対応した最低設定情報、または、過度な遊技への注意を遊技者に促す注意表示の少なくとも一方が、情報出力手段により、当該状況となる前と比べて高確率で出力される。
よって、当該所定の遊技進行状況(すなわち、所定量以上の遊技価値を消費した状況)にある遊技者に対し最低設定情報または注意表示を認識させやすくできるので、当該状況に陥った遊技者に遊技の抑制を促し、遊技機から離れて一旦現状を再確認する機会を提供することができる。
特に、抽選手段による抽選確率に対応した設定情報のうち最低の当選確率に対応した最低設定情報が表示された場合には、遊技を続行しても状況が好転しない可能性があることから、遊技を中止する選択を遊技者にさせやすい。よって、最低設定情報が表示されたことで、所定量以上の遊技価値を消費した状況に陥った遊技者に対し、遊技の抑制を好適に促すことができる。
なお、特徴M0に記載の遊技機における「所定の遊技進行状況」は、例えば、「前記抽選手段による抽選結果として前記第1の抽選結果と比べて遊技者にとって遊技価値が得られない第2の抽選結果が、予め定めた回数以上に、又は前記第1の抽選結果が得られた回数と対比した所定の回数以上に抽出された所定の遊技進行状況」であってもよく、「予め定めた所定数を超えて(例えば、遊技球の発射数と払出数との差が所定数を超えた場合、ハズレ変動の回数が所定数を超えた場合、特別図柄抽選におけるハズレの回数と大当りの回数との差数が所定数を超えた場合など)、または、所定期間(連続遊技時間)を超えて遊技者が遊技を継続している状況」であってもよい。
<特徴M1>
所定の抽選を行うための抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段によって第1の抽選結果が得られた場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選確率に対応した設定情報(設定示唆情報)と、過度な遊技への注意を遊技者に促す注意表示(注意表示)とを少なくとも出力する情報出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えた遊技機であって、
前記情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果として前記第1の抽選結果と比べて遊技者にとって遊技価値が得られない第2の抽選結果が、予め定めた回数以上に、又は前記第1の抽選結果が得られた回数と対比した所定の回数以上に抽出された所定の遊技進行状況である場合に、当該状況となる前と比べて、前記設定情報のうち最低の当選確率に対応した最低設定情報または前記注意表示の少なくとも一方を高確率で出力することを特徴とする遊技機。
上記課題に対し、特徴M1の遊技機であれば、遊技へののめり込みを好適に対策し得る遊技機を提供することができる。すなわち、抽選手段によって第1の抽選結果が得られた場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段を備えた遊技機において、抽選手段による抽選結果として第1の抽選結果と比べて遊技者にとって遊技価値が得られない第2の抽選結果が、予め定めた回数以上に、または、当該第1の抽選結果が得られた回数と対比した所定の回数以上に抽出された所定の遊技進行状況である場合には、抽選手段による抽選確率に対応した設定情報のうち最低の当選確率に対応した最低設定情報、または、過度な遊技への注意を遊技者に促す注意表示の少なくとも一方が、情報出力手段により、当該状況となる前と比べて高確率で出力される。よって、当該所定の遊技進行状況(すなわち、抽選手段による抽選結果として第1の抽選結果と比べて遊技者にとって遊技価値が得られない第2の抽選結果が、予め定めた回数以上に、または、当該第1の抽選結果が得られた回数と対比した所定の回数以上に抽出された状況)にある遊技者に対し最低設定情報または注意表示を認識させやすくできるので、当該状況に陥った遊技者に遊技の抑制を促し、遊技機から離れて一旦現状を再確認する機会を提供することができる。
特に、抽選手段による抽選確率に対応した設定情報のうち最低の当選確率に対応した最低設定情報が表示された場合には、遊技を続行しても状況が好転しない可能性があることから、遊技を中止する選択を遊技者にさせやすい。よって、最低設定情報が表示されたことで、抽選手段による抽選結果として第1の抽選結果と比べて遊技者にとって遊技価値が得られない第2の抽選結果が、予め定めた回数以上に、または、当該第1の抽選結果が得られた回数と対比した所定の回数以上に抽出された状況に陥った遊技者に対し、遊技の抑制を好適に促すことができる。
<特徴N0>
遊技球の下側を支持する球支持部(支持面3452A3)を有し、鉛直方向側を中心に回動可能であって、当該回動動作によって、前記球支持部により支持された遊技球を所定の第1方向側(通路部3218側)へ誘導する第1誘導状態(進入禁止姿勢)と、当該第1誘導状態とは別の誘導状態であって前記第1方向側とは異なる第2方向側(通路部3241側)へ前記球支持部により支持された遊技球を誘導する第2誘導状態(進入許容姿勢)とに切り替え可能な可動部材(可動部材3452A)を備え、
前記球支持部には、前記可動部材における回動中心よりも上流側にて遊技球を支持する上流側球支持区間が設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。典型的なパチンコ機は、入賞装置の入口を閉鎖する閉鎖姿勢と、当該入口を開放する開放姿勢との間で移行可能な可動部材を当該入口に設けることで、入賞空間内への遊技球の進入確率を変化可能に構成した入賞装置を備えている(例えば、特開2017−213044号公報)。
従来の入賞装置において遊技球の進入数を少なく設定する場合、可動部材を閉鎖姿勢から開放姿勢に一時的に移行させる場合において、可動部材が開放姿勢である期間を短く設定する必要があった。しかしながら、かかる場合、可動部材が開放姿勢である期間を短くしたことで、遊技者は、当該可動部材が開放姿勢に移行している状況を視認し難くなるという問題点があった。
これに対し、特徴N0に記載の遊技機であれば、可動部材が所定の状態に移行している状況を遊技者が視認しやすく、かつ、遊技球の進入数を少なく設定しやすい入賞装置を備えた遊技機を提供することができる。すなわち、可動部材は、鉛直方向側を中心に回動可能であって、当該回動動作によって、第1誘導状態と第2誘導状態とに切り替え可能に構成される。可動部材は、遊技球の下側を支持する球支持部を有している。球支持部により支持された遊技球は、可動部材が第1誘導状態である場合に所定の第1方向側へ誘導され、可動部材が第2誘導状態である場合に第1誘導状態とは別の誘導状態であって第1方向側とは異なる第2方向側へ誘導される。
球支持部には、可動部材における回動中心よりも上流側にて遊技球を支持する上流側球支持区間が設けられているので、当該上流側球支持区間によって支持された遊技球に対し、回動による遠心力によって上流側に戻る方向側に当該遊技球を移動させる力を発生可能である。このため、例えば、可動部材を第1誘導状態から第2誘導状態へ一時的に移行させた(切り替えた)場合に、第2誘導状態において遊技球が誘導される方向側(つまり、第2方向側)に遊技球が進行しにくいようにすることができる。
これにより、可動部材を第1誘導状態から第2誘導状態へと一時的に移行させる場合において、第2誘導状態へ移行する時間を長く設定しつつも、当該第2誘導状態において遊技球が誘導される第2方向側に遊技球を進行させにくくできる、つまり、第2方向側への遊技球の進入数を抑制することが可能となる。よって、当該可動部材を入賞装置に利用することで、可動部材が第2誘導状態へ移行している状況を遊技者が視認しやすく、かつ、第2方向側への遊技球の進入数を少なく設定しやすい入賞装置を構成できる。
なお、特徴N0における「鉛直方向側」としては、必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に対してわずかに傾いた向きであってもよい。
<特徴N1>
特徴N0に記載の遊技機であって、
前記可動部材より上流側に設けられて、当該可動部材における前記球支持部の上流側へと遊技球を誘導する入口側球通路部(通路部3217)と、
該入口側球通路部と前記球支持部の上流側との間には、該球支持部の上流側が前記入口側球通路部より鉛直方向下側となる段差部(支持面3217Aと支持面3452A3との間に形成される段差)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴N1に記載の遊技機であれば、可動部材より上流側には、当該可動部材における球支持部の上流側へと遊技球を誘導する入口側球通路部が設けられている。入口側球通路部と球支持部の上流側との間には、球支持部の上流側における遊技球の支持面が入口側球通路部における遊技球の支持面より鉛直方向下側となる段差部が設けられている。
よって、可動部材における球支持部が遊技球を下流側に誘導するべく上流側から下流側へと下降傾斜する傾斜面として構成される場合には、入口側球通路部と球支持部の上流側との間に設けられた段差部における段差の大きさ分、球支持部における下降傾斜の角度を小さくすることができる。球支持部における下降傾斜の角度が小さくなるほど、球支持部による遊技球の進行速度を遅くできるので、第2誘導状態において誘導される第2方向側、または、第1誘導状態において誘導される第1方向側に遊技球を進行させにくくすることができる。よって、当該可動部材を入賞装置に利用することで、可動部材が第2誘導状態または第1誘導状態へ移行している状況を遊技者が視認しやすく、かつ、第2方向側または第1方向側への遊技球の進入数を少なく設定しやすい入賞装置を構成することができる。
また、入口側球通路部と球支持部の上流側との間に段差を設けることで、入口側球通路部から球支持部に進入した遊技球が再び入口側球通路部に戻ることを抑制できる。特に、可動部材が、鉛直方向側を中心にする回動動作によって、第1誘導状態と第2誘導状態とに切り替え可能に構成される場合においては、当該回動操作によって、上流側球支持区間によって支持される遊技球が回動による遠心力によって再び入口側球通路部に戻ることを好適に抑制できる。
<特徴N2>
特徴N0または特徴N1に記載の遊技機であって、
前記可動部材は、前記回動中心よりも下流側に設けられて、当該可動部材が前記第1誘導状態である場合に遊技球を前記第1方向側に形成された第1通路部(通路部3218)に排出可能であるとともに、当該可動部材が前記第2誘導状態である場合に遊技球を前記第2方向側に形成された第2通路部(通路部3241)に排出可能な球出口部(出口部3452A2)を備え、
前記球支持部における前記球出口部側には、前記可動部材を前記第1誘導状態から前記第2誘導状態に切り替える場合の回動方向に対する反対方向側に、前記球出口部側が鉛直方向下側となる段差、または、前記球出口部側へ向かう下降傾斜を含んで構成される球逃がし部(球逃がし部3452A6)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴N2に記載の遊技機であれば、可動部材における回動中心よりも下流側には球出口部が設けられているので、可動部材が第1誘導状態である場合には、球出口部から遊技球を第1方向側に形成された第1通路部に排出することができ、可動部材が第2誘導状態である場合には、球出口部から遊技球を第2方向側に形成された第2通路部に排出することができる。
球支持部における球出口部側には、可動部材を第1誘導状態から第2誘導状態に切り替える場合の回動方向に対する反対方向側に、球逃がし部が設けられている。可動部材を回動させて第1誘導状態から第2誘導状態へ一時的に移行させた(切り替えた)場合、球支持部により支持された遊技球は、可動部材の回動方向に対して相対的にその反対方向側に移動しやすいので、当該反対方向側に設けられた球逃がし部に到達しやすい。
球逃がし部は、球出口部側が鉛直方向下側となる段差、または、球出口部側へ向かう下降傾斜を含んで構成されるので、遊技球が球逃がし部に到達した場合に、当該遊技球を球出口部から排出することができる。これにより、可動部材を第1誘導状態から第2誘導状態へ一時的に移行させる場合において、その移行中に、球支持部により支持された遊技球を、球出口部における前記反対方向側に位置する第1方向側の第1通路部に排出されやすくできる。
<特徴N3>
特徴N0から特徴N2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動部材は、
前記回動中心よりも下流側に設けられて、当該可動部材が前記第1誘導状態である場合に遊技球を前記第1方向側に形成された第1通路部(通路部3218)に排出可能であるとともに、当該可動部材が前記第2誘導状態である場合に遊技球を前記第2方向側に形成された第2通路部(通路部3241)に排出可能な球出口部(出口部3452A2)と、
前記球支持部の外縁側に立設される壁部であって、前記可動部材が前記第1誘導状態である場合に前記第2通路部への遊技球の進入を規制する第1壁部(壁部3452A4)と、
前記球支持部の外縁側に立設されて前記第1壁部との間に前記球出口部が形成される壁部であって、前記可動部材が前記第2誘導状態である場合に前記第1通路部への遊技球の進入を規制する第2壁部(壁部3452A5)と、を備え、
前記第2壁部は、当該第2壁部を正面視した場合における前記球出口部側が、前記第1壁部を正面視した場合における当該第1壁部の前記球出口部側の形状に比べて大きく切り欠かれた形状に構成されることを特徴とする遊技機。
特徴N3に記載の遊技機であれば、可動部材における回動中心よりも下流側には球出口部が設けられている。可動部材が第1誘導状態である場合には、球出口部から遊技球を第1方向側に形成された第1通路部に排出することができ、可動部材が第2誘導状態である場合には、球出口部から遊技球を第2方向側に形成された第2通路部に排出することができる。球支持部の外縁側には、可動部材が第1誘導状態である場合に第2通路部への遊技球の進入を規制する第1壁部と、可動部材が第2誘導状態である場合に第1通路部への遊技球の進入を規制する第2壁部とが立設される。前記球排出部は、第1壁部と第2壁部との間に形成される。
第2壁部は、当該第2壁部を正面視した場合における球出口部側が、第1壁部を正面視した場合における当該第1壁部の球出口部側の形状に比べて大きく切り欠かれた形状に構成されているので、可動部材が第1誘導状態から第2誘導状態へ移行する場合には、第1壁部による第2通路部への遊技球の進入規制が解除され難く、かつ、第2壁部による第1通路部への遊技球の進入が規制され難い。したがって、可動部材が第1誘導状態から第2誘導状態へ移行する場合の移行中に、球支持部により支持された遊技球を第1通路部に進入しやすくできる。
また、可動部材が第2誘導状態から第1誘導状態へ移行する場合には、第1壁部による第2通路部への遊技球の進入が規制されやすく、かつ、第2壁部による第1通路部への遊技球の進入規制が解除されやすい。よって、可動部材が第1誘導状態から第2誘導状態へ移行する場合においても、その移行中に、球支持部により支持された遊技球を第1通路部に進入しやすくできる。
<特徴P0>
遊技球を支持する支持面(可動部材3454Aの上面)を有し、所定の進入制限状態(進入禁止姿勢)において当該支持面が所定の方向に下降傾斜しつつ当該支持面より下側に設けられた入賞空間(通路部3221)内への遊技球の進入を制限する一方で、当該進入制限状態に対して前記支持面が変位した進入許容状態(進入許容姿勢)へ移行することで前記入賞空間内への遊技球の進入を可能に構成された入賞装置(大入賞装置3434)を備え、
前記進入制限状態から前記進入許容状態へと前記支持面が変位する場合、当該支持面は、前記所定の方向とは逆の方向側に変位するとともに、前記下降傾斜の角度が前記進入制限状態の場合に比べて急な傾斜であって当該支持面により支持される遊技球を前記入賞空間に誘導する傾斜となるよう変位することを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来のパチンコ機として、上流側から下流側に向けて下方に傾斜するように延設された傾斜通路に上向きに開放するように形成された大入賞口と、当該大入賞口の入口部分に設けられる大入賞口扉(可動片)であって、当該大入賞口の上流側の辺に沿うように設けられた前後方向を向く回動軸を中心として、当該大入賞口を閉鎖するとともに傾斜通路の一部を構成する閉鎖状態(進入制限状態)と、傾斜通路における下流側を下方側に移動させて当該大入賞口を開放する開放状態(進入許容状態)とを切り替え可能に構成された大入賞口扉と備えたパチンコ機がある(例えば、特開2014−14630号公報)。
しかしながら、可動片が進入制限状態において傾斜通路の一部となる可変入賞装置を備える遊技機においては、未だ改良の余地があった。例えば、進入制限状態において傾斜通路の一部とされる可動片における遊技球の支持面は、当該支持面の上を通過する遊技球による負荷がかかりやすく、痛みやすいという問題点があった。
これに対し、特徴P0に記載の遊技機であれば、入賞装置において遊技球を支持する支持面を好適な状態に保ちやすい遊技機を提供することができる。すなわち、入賞装置は、遊技球を支持する支持面を有しており、所定の進入制限状態において支持面が所定の方向に下降傾斜しつつ当該支持面より下側に設けられた入賞空間内への遊技球の進入を制限するよう構成される一方で、進入制限状態に対して支持面が変位した進入許容状態へ移行することで入賞空間内への遊技球の進入を可能に構成される。
進入制限状態から進入許容状態へと支持面が変位する場合、当該支持面は、所定の方向とは逆の方向側へ変位するとともに、下降傾斜の角度が進入制限状態の場合に比べて急な傾斜であって当該支持面により支持される遊技球を入賞空間に誘導する傾斜となるよう変位する。
これにより、進入制限状態から進入許容状態へと支持面が変位する場合には、所定の方向とは逆の方向側へ変位する支持面における所定の方向とは逆の方向側の一部を、当該支持面に対して当該逆の方向側に設けられている他の部材の下方に収納することが可能となる。支持面における当該逆の方向側の一部が他の部材の下方に収納された場合、遊技球が当該一部分の上を通過できない(接触できない)ので、支持面にかかる負荷の位置を分散させることができる。よって、当該支持面における経年劣化の進行が抑制され、それにより、当該支持面を好適な状態に保ちやすくできる。
<特徴P1>
特徴P0に記載の遊技機であって、
支持面を含む第1のリンク部(可動部材3454A)と、当該第1のリンク部に各々接続される第2のリンク部(第1リンク部3454B)および第3のリンク部(第2リンク部3454C)とを含むリンク機構であって、前記第2のリンク部または前記第3のリンク部のうち一方のリンク部を作動させた場合に、前記支持面が前記逆の方向側に変位するとともに、前記下降傾斜の角度を当該一方のリンク部の作動前に比べて急な傾斜となる方向に変位するよう、前記第2のリンク部または前記第3のリンク部のうち他方のリンク部と前記第1のリンク部が作動するリンク機構を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴P1に記載の遊技機であれば、支持面を含む第1のリンク部と、当該第1のリンク部に各々接続される第2のリンク部および第3のリンク部とを含むリンク機構を用いて、第2のリンク部または第3のリンク部の一方のリンク部を作動させることで、支持面を所定の方向とは逆の方向に変位できるとともに、下降傾斜の角度を当該一方のリンク部の作動前に比べて急な傾斜となる方向に変位させることができる。よって、当該リンク機構を用いることで、入賞装置における進入制限状態と進入許容状態との切り替えを実現できる。よって、リンク機構を用いて機械的に支持面を変位させることができるので、制御負担を抑制しつつ、当該支持面を好適に変位させることができる。
<特徴Q0> (遊技球が通路上で上下に重なる場合)
鉛直方向側に連続する所定の通路部(通路部3215)と、
所定の通路部の下方に設けられて遊技球の下側に接触して前記所定の通路部を流下する遊技球を水平方向側(左方向側)へ誘導する誘導支持部(支持面3217A)と、を備えた遊技機において、
前記誘導支持部によって下側が支持された遊技球に対して上側に積み重なった上側の遊技球を、鉛直方向側と交差する、または、前記誘導支持部が連続する方向側と鉛直方向側とを含む平面と交差する所定の方向側(前方側)であって入賞口が設けられている側に誘導する誘導部(通路部3215の前方側に形成された開口)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機においては、内部に遊技球の通路が形成された構造物が遊技領域に配設されることがある。例えば、右方向など所定の水平方向側に対して急角度で遊技球を流下させる通路である急峻部と、当該急峻部の下流側に連設されて、遊技球を所定の水平方向側へ進行させる通路である進行部とが内部に形成された大入賞装置を備えたパチンコ機がある(例えば、特開2017−192528号公報)。
しかしながら、鉛直方向側に連続する上流側の通路と、当該上流側の通路における下流側に連設されて、所定の水平方向へ遊技球を誘導させる下流側の通路とを備える遊技機においては、未だ改良の余地があった。例えば、下流側の通路によって下側が支持された遊技球の上側に、上流側の通路に沿って鉛直方向側に流下する遊技球が積み重なったことで球詰まりが発生する可能性があった。
これに対し、特徴Q0に記載の遊技機であれば、所定の水平方向側へ遊技球を誘導する通路によって下側が支持された遊技球と、当該遊技球の上側に積み重なった遊技球とによる球詰まり(所謂、球噛み)の発生を抑制し得る遊技機を提供することができる。すなわち、鉛直方向側に連続する所定の通路部を流下する遊技球は、その下側が当該所定の通路部の下方に設けられた誘導支持部に接触し、当該誘導支持部によって水平方向側へ誘導される。当該誘導支持部によって下側が支持された遊技球に対して別の遊技球が上側に積み重なった場合には、それら上下に積み重なった遊技球のうち上側の遊技球が、誘導部によって、鉛直方向側と交差する、または、誘導支持部が連続する方向側と鉛直方向側とを含む平面と交差する所定の方向側に誘導されるので、誘導支持部によって下側が支持された遊技球と、当該遊技球の上側に積み重なった遊技球とによる球詰まり(球噛み)の発生を抑制できる。
また、誘導部によって前記上側の遊技球が誘導される所定の方向側は、入賞口が設けられている側でもある。よって、当該誘導部によって誘導された遊技球には、入賞口に進入する可能性があるので、遊技球が誘導部によって前記所定の方向側に誘導される状況を遊技者に楽しませることができる。
<特徴Q1>
特徴Q0に記載の遊技機であって、
前記誘導支持部に下側が接触する遊技球を水平方向側へ誘導しつつ、当該遊技球が前記所定の方向側であって前記入賞口が設けられている側に誘導されることを規制する壁状の規制部(壁部3217B)を備え、
前記誘導部は、前記規制部より上側に形成される、前記所定の方向側を向く開口であることを特徴とする遊技機。
特徴Q1に記載の遊技機であれば、誘導支持部に下側が接触する遊技球は、壁状の規制部によって、水平方向側へ誘導されるだけでなく、前記所定の方向側(鉛直方向側と交差する、または、誘導支持部が連続する方向側と鉛直方向側とを含む平面と交差する方向側)であって入賞口が設けられている側に誘導されることが規制される。よって、誘導支持部によって下側が支持された遊技球が所定の方向側に誘導されることを抑制できるとともに、誘導支持部によって下側が支持された遊技球の上側に積み重なった遊技球を選択的に所定の方向側に誘導することができる。
また、誘導部は、前記規制部より上側の、前記所定の方向側を向く開口として形成されるので、誘導支持部に下側が接触する遊技球を水平方向に誘導する規制部の上端を、誘導部の下端として流用できる。よって、誘導支持部によって下側が支持された遊技球と、当該遊技球の上側に積み重なった遊技球とによる球詰まりの発生を簡易な構成で実現できる。
<特徴R0>
識別情報を表示可能な表示部(普通図柄表示装置473)と、
所定の始動条件の成立として予め決められた始動入球口(始動装置436)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記識別情報を変動表示した後、前記抽選手段による前記所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報(停止図柄)を停止表示する変動実行手段(副制御基板940)と、
前記始動入球口に対して下流側に設けられる所定の進入部(通路部3241)への遊技球の進入を規制する進入規制状態(進入禁止姿勢)と、当該所定の進入部への遊技球の進入を許容する進入許容状態(進入許容姿勢)とを切替可能な可動部材(可動部材3452A)と、
所定の第1遊技状態において前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、前記進入規制状態をとる前記可動部材を前記進入許容状態に所定の期間にわたって移行させる第1動作制御手段(主制御基板920)と、を備え、
前記変動実行手段は、前記所定の第1遊技状態において前記始動条件が成立し、前記変動表示が開始されてから前記第1結果が停止表示されるまでの変動時間として、前記第1動作制御手段が前記進入許容状態をとっている状態において遊技球が前記可動部材に接触し、その可動部材に接触した遊技球が前記進入規制状態への移行によって前記所定の進入部へ進入できない長さの変動時間にて前記識別情報を停止表示する進入不可変動実行手段(主制御基板920)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。典型的なパチンコ機は、入賞装置の入口を閉鎖する閉鎖姿勢(進入規制状態)と、当該入口を開放する開放姿勢(進入許容状態)との間で移行可能な可動部材を当該入口に設けることで、入賞空間内への遊技球の進入確率を変化可能に構成した入賞装置を備えている(例えば、特開2017−213044号公報)。かかるパチンコ機において、非時短状態において可動部材が開放姿勢をとる期間が、時短状態において可動部材が開放姿勢をとる期間に比べて短く設定される構成が知られている。
しかしながら、可動部材が進入許容状態とされる期間が遊技状態に応じて異なる遊技機においては未だ改良の余地がある可能性があった。例えば、非時短状態においては、可動部材が進入許容状態とされる期間が短すぎて、当該可動部材が進入許容状態に移行している状況を遊技者が視認し難いという問題点があった。
これに対し、特徴R0に記載の遊技機であれば、可動部材が進入許容状態に移行している状況を遊技者が視認しやすい遊技機を提供することができる。すなわち、予め決められた始動入球口へ遊技球が進入したことで所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段によって、表示部にて、識別情報が変動表示された後、当該始動条件が成立したことで抽選手段によって行われた所定の抽選の抽選結果に対応する識別表示が停止表示される。始動入球口に対して下流側には、所定の進入部への遊技球の進入を規制する進入規制状態と、当該所定の進入部への遊技球の進入を許容する進入許容状態とを切替可能な可動部材が設けられている。
所定の第1遊技状態において前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合には、第1動作制御手段によって、当該第1結果に対応する識別情報が停止表示され、進入規制状態をとる可動部材が進入許容状態に所定の期間にわたって移行される。
所定の第1遊技状態において所定の始動条件が成立し、変動表示が開始されてから第1結果が停止表示される場合には、その変動時間が、可動部材が進入許容状態をとっている状態において当該可動部材に接触した遊技球が、当該可動部材の進入規制状態への移行によって所定の進入部へ進入できない長さとされる。
これにより、遊技者は、所定の第1遊技状態において所定の始動条件が成立した場合に、表示部に停止表示として第1結果が表示されるタイミングで、進入許容状態の可動部材に遊技球が接触したこと、および、当該遊技球が所定の進入部に進入できなかったことを視認し得る。よって、所定の第1遊技状態において所定の始動条件が成立した場合であっても、可動部材が進入許容状態に移行している状況を遊技者が視認しやすい。
<特徴R1>
特徴R0に記載の遊技機であって、
所定の第2遊技状態において前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、前記進入規制状態をとる前記可動部材を前記進入許容状態に前記所定の期間より長い期間にわたって移行させる第2動作制御手段(主制御基板920)を備え、
前記変動実行手段は、前記所定の第2遊技状態において前記始動条件が成立し、前記変動表示が開始されてから前記第1結果が停止表示されるまでの変動時間として、前記進入不可変動実行手段と略同一の長さの変動時間にて前記識別情報を停止表示することを特徴とする遊技機。
特徴R1に記載の遊技機であれば、所定の第2遊技状態において前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合には、第2動作制御手段によって、当該第1結果に対応する識別情報が停止表示され、進入規制状態をとる可動部材が進入許容状態に前記所定の期間より長い期間にわたって移行される。所定の第2遊技状態において所定の始動条件が成立し、変動表示が開始されてから第1結果が停止表示される場合には、その変動時間が、進入不可変動実行手段と略同一の長さとされる。
これにより、所定の第2遊技状態において所定の始動条件が成立した場合においても、所定の第1遊技状態において当該始動条件が成立した場合と同様に、遊技者は、表示部に停止表示として第1結果が表示されるタイミングで、進入許容状態の可動部材に遊技球が接触したことを視認することができる。よって、所定の第2遊技状態において所定の始動条件が成立した場合であっても、可動部材が進入許容状態に移行している状況を遊技者が視認しやすい。
また、所定の第1遊技状態において所定の始動条件が成立した場合、および、所定の第2遊技状態において当該始動条件が成立した場合のいずれにおいても、遊技者は、表示部に停止表示として第1結果が表示されるタイミングで、進入許容状態の可動部材に遊技球が接触したことを視認できるので、遊技者は、可動部材が進入許容状態に移行する期間の遊技状態に応じた違いを識別しやすく、それにより、遊技状態が第1遊技状態または第2遊技状態のいずれであるかを識別しやすい。
<特徴R2>
特徴R1又は特徴R2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動部材は、前記始動入球口が設けられる位置よりも上流側から前記始動入球口が設けられる位置を経由して遊技球の通路が直線的に連続する下流側に配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴R2に記載の遊技機であれば、始動入球口が設けられる位置よりも上流側から始動入球口が設けられる位置を経由して遊技球の通路が直線的に連続する下流側に可動部材が配置されるので、遊技球が始動入球口に進入してから(すなわち、所定の始動条件が成立してから、当該遊技球が可動部材に接触するまでの期間のバラツキを少なくすることができる。
よって、当該始動条件の成立に基づき表示部に表示される変動表示の長さを、可動部材が進入許容状態をとっている状態において当該可動部材に接触した遊技球が、当該可動部材の進入規制状態への移行によって所定の進入部へ進入できない長さとして設定する場合に、誤差の発生を抑制できる。これにより、所定の第1遊技状態において所定の始動条件が成立した場合に、表示部に停止表示として第1結果が表示されるタイミングで、進入許容状態の可動部材に遊技球が接触したことや、当該遊技球が所定の進入部に進入できなかったことを遊技者が視認しできない状況を抑制できる。
なお、特徴10〜R2に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。