JP2019187160A - 電力貯蔵設備 - Google Patents

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Nobumasa Ohara
伸昌 大原
尚浩 宋
Shang Hao Song
尚浩 宋
和明 田畑
Kazuaki Tabata
和明 田畑
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Abstract

【課題】低コストで回生電力を貯蔵できる電力貯蔵設備を提供すること。【解決手段】電車12の回生ブレーキによって回生電力を発生させる複数の回生電力発生部と、複数の回生電力発生部で発生した回生電力を入力して蓄電する二次電池14を用いた回生電力貯蔵部と、回生電力貯蔵部で二次電池14に蓄電された回生電力を利用する回生電力利用部とを有する。二次電池14は、レドックスフロー電池である。好ましくは、二次電池14へ回生電力を入力するための入力配線19が、変電所15から力行電力を送るき電線11に接続する接続部18を有し、接続部18と二次電池14との間で、回生電力の電圧を測定する電圧測定部20を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、低コストで回生電力を貯蔵できる電力貯蔵設備に関する。
鉄道車両は、鉄道変電所から送られる電力がき電線に供給され、車両が力行時にき電線から電力をとりこむことで走行している。
近年の鉄道車両では、制動時に電動機を発電機として動作させることにより運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、得られた回生電力を、き電線を介して、他の鉄道車両の力行電力として利用する手法が知られている。
回生電力は車両からき電線を介して、他の力行中の車両(力行車両)が消費することにより活用することができるが、力行車両不在の場合、回生電力の供給先がなく、有効に活用することができない。
このような問題に対し、力行中の車両が不在の場合でも、回生電力の有効活用を可能とするために、蓄電可能な二次電池が注目されている。
特許文献1、2には、回生電力を車両内に設置したリチウム電池やキャパシタに給電して蓄電する技術が開示されている。
特開2017−158356号公報 特開2016−104627号公報
従来の回生電力の回収技術は、電車内に二次電池やキャパシタを搭載して、充電する手法が採用されていた。
また従来、き電線ごとに二次電池を用いて充電して、その電力を利用する技術が知られている。
しかし、き電線ごとに二次電池を用いる手法では、二次電池のコストが高くなり、回生電力の回収効率は十分でなかった。
そこで、本発明の課題は、低コストで回生電力を貯蔵できる電力貯蔵設備を提供することにある。
更に、本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
電車の回生ブレーキによって回生電力を発生させる複数の回生電力発生部と、
前記複数の回生電力発生部で発生した回生電力を入力して蓄電する二次電池を用いた回生電力貯蔵部と、
前記回生電力貯蔵部で前記二次電池に蓄電された回生電力を利用する回生電力利用部とを有し、
前記二次電池がレドックスフロー電池であることを特徴とする電力貯蔵設備。
(請求項2)
前記二次電池へ回生電力を入力するための入力配線が、変電所から力行電力を送るき電線に接続する接続部を有し、
前記接続部と前記二次電池との間で、前記回生電力の電圧を測定する電圧測定部を有することを特徴とする請求項1記載の電力貯蔵設備。
(請求項3)
前記電圧測定部で測定された電圧が、所定の電圧より高い場合に、前記回生電力が前記二次電池に蓄電される構成を有することを特徴とする請求項2記載の電力貯蔵設備。
(請求項4)
前記電圧測定部で測定された電圧が、所定の電圧より高い場合に、循環ポンプによって前記二次電池を構成する単電池に活物質液を送液して、充電反応を生起させ、
前記電圧測定部で測定を継続し、該電圧測定部で測定された電圧が、所定の電圧より低い場合に、前記循環ポンプを停止して充電反応を停止する制御を行うことを特徴とする請求項3記載の電力貯蔵設備。
(請求項5)
前記二次電池を構成する単電池を構成する正極及び負極の少なくとも一方の見掛けの電極面積[cm]と、該単電池当たりの内部抵抗値[Ωcm]との比(内部抵抗値[Ωcm]/電極面積[cm])が、0.5mΩ以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電力貯蔵設備。
(請求項6)
前記二次電池を構成する単電池を構成する正極及び負極の少なくとも一方は、静電容量が0.1F/cm以上である電極によって構成されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電力貯蔵設備。
本発明によれば、複数き電線を走行する複数電車の回生電力を1個の二次電池で回収できるので、低コストで回生電力を貯蔵できる電力貯蔵設備を提供することができる。
本発明の電力貯蔵設備の一例を示す概念図 本発明の電力貯蔵設備の好ましい一態様を示す説明図 複数の軌道を走行する各々の電車からの回生電力を一つの二次電池に充電するシステムを説明する図 二次電池の一例を示す概念図 二次電池の他の例を示す概念図 二次電池の更なる他の例を示す概念図
以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の電力貯蔵設備の一例を示す概念図である。
図1において、1は駅設備、10は駅のプラットホーム、11は図示しない軌道上を走行する電車に電力を供給するためのき電線(必要に応じて架線という場合がある。)、12は電車である。
図示の例において、軌道(レール)は接地され、電車12への電力の供給は、き電線11によって行われる。
駅設備1には、電車12が走行する複数の軌道が並設されており、これら複数の軌道に対応して、複数のき電線11が設けられている。
各き電線11は、切替部13に接続され、該切替部13から二次電池14に接続されている。
15は変電所であり、電車12の図示しないモータに駆動電力を供給する。図示の例において、電車12のモータは直流モータであるため、変電所15は、例えば交流6600Vを、例えば直流1500Vに変換後、き電線11に、供給電力として直流電力(力行電力)を出力する。これにより、複数の軌道上の電車は、力行時に、き電線11から電力を取り込むことで力行できるようになっている。
図2は、本発明の電力貯蔵設備の好ましい一態様を示す説明図である。
図2に示す例では、変電所15は交流6600Vを受電し、電圧を下げると共に交直変換器(整流器)16で直流に変換し、き電線11に直流1500Vを送電する。電車12内のモータ120に電力が送られると、電車が走行する。
き電線11は、接地された軌道に対して+1500Vの電圧が印加されている。
電車12が停車する際には、き電線11からモータ17への力行電力は遮断される。回生ブレーキをかけた場合には、惰性走行による車輪の回転によって回生電力が発生する。
本発明において、回生ブレーキによって回生電力が発生するので、回生ブレーキ使用中のモータ17を回生電力発生部の構成例として例示できる。
その発生した回生電力が外部の仕事に利用されなければ回生失効(回生失活)が生ずる。従って、その回生電力は、蓄電されるか、他の電車12の力行電力に利用されるなどする必要がある。
本発明では、二次電池に蓄電する手法を採用し、外部仕事を実行し、回生失効を防止している。
以下、外部仕事の実行に、二次電池を用いた例を具体的に説明する。
図3は、複数の軌道を走行する各々の電車からの回生電力を一つの二次電池に充電するシステムを説明する図である。
図示の例は、変電所15から交直変換機16を介して、直流に変換された1500V直流電力が流されている4本のき電線11、11、11、11を使って、各々の電車12、12、12、12が走行している状態を示している。
14は、各々の電車12から発生した回生電力を受け取って蓄電する二次電池である。本発明では、複数のき電線11に対応して一つの二次電池14を設けて、回生電力を蓄電する点に一つの特徴がある。
一つの二次電池14に接続されるき電線11の本数は格別限定されず、例えば、2本以上、3本以上、更には4本以上であることが好ましい。例えば図1に示したように10本のき電線11に対応して一つの二次電池14を設ける態様でもよい。駅のプラットホーム10に配置される複数の軌道のすべてに対応するき電線11を一つの二次電池14に接続してもよい。
本発明では、二次電池14は、回生電力貯蔵部を構成している。
上記の態様で、き電線11は、接続部18において、回生電力を二次電池14へ入力するための入力配線19と接続されている。回生電力を二次電池14に貯蔵するためである。
この態様において、回生電力の電圧が、き電線11の電圧より高くなければ、き電線11を介して、二次電池14に回生電力は入力されない。
例えば、き電線が1500Vの場合、回生電力が1500Vより高くなければ、回生電力は二次電池14には入らない。入力可能な条件は、き電線の電圧<回生電力の電圧である。
本発明の好ましい態様としては、前述のように二次電池14へ回生電力を入力するための入力配線19が接続部18においてき電線11に接続される場合、該接続部18と二次電池14との間で回生電力の電圧を測定する電圧測定部20を有することである。
かかる電圧測定部20を設けると、回生電力の発生の有無を判別することができる。すなわち、二次電池14に蓄電される可能性があるか否かを判別できる。
また本発明の他の好ましい態様としては、電圧測定部20で測定された電圧が、き電線11の電圧より高い場合に、前記回生電力が二次電池14に蓄電される構成を有することである。き電線の電圧<回生電力の電圧となり、蓄電可能な状態になっているので、その場合には、二次電池14に入力できる。
ここで、「き電線の電圧」は、変電所15の出力電圧(基準)に対応する所定の電圧(例えば1500V)であり得る。これに対して、「電圧測定部20で測定される電圧」は、変電所15から出力される電力や、電車12によって消費される電力や、電車12からの回生電力等の影響によって変動する。電圧測定部20で測定される電圧が、所定の電圧(即ち「き電線の電圧」)よりも大きい場合に、き電線11から二次電池14への入力が行われることが好ましい。また、電圧測定部20で測定される電圧が、所定の電圧(即ち「き電線の電圧」)よりも小さい場合に、二次電池14からき電線11への出力が行われてもよい。
例えば、二次電池の蓄電容量が満充電状態になっていた場合等、回生電力を消費する仕事がなくなってしまうと、回生失活が起きてしまうおそれがある。回生失活が起きると、回生ブレーキが利かない状態になってしまう。この場合、二次電池の選択セル(選択単電池)を少なくすることにより、二次電池の静電容量を増やすことができる。つまり、二次電池は、電極間隔を短くしたキャパシタとして機能させることができる。これにより、キャパシタが、電力を消費する仕事として機能することになり、回生失活が生じた場合でも、即座に回生失活を解消し、回生ブレーキを機能させることができ、回生電力を発生させることができる。詳細は後述する。
二次電池14で蓄電された回生電力は、二次電池14から放電される電力を利用する図示しない回生電力利用部に送られる。つまり、本発明では、二次電池の蓄電電力を回生電力利用部で好適に利用できる特徴がある。蓄電電力は、例えば他の電車12の力行電力として利用したり、駅近傍や駅周辺に、回生電力利用設備を設けて利用したりできる。
回生電力利用部は格別限定されないが、二次電池14に近接して設置されることが好ましい。
二次電池14や回生電力利用部が駅設備1に近接して設置された場合には、二次電池14に蓄電された回生電力は、駅設備1の構内の各種設備の電源補助、駅構内や売店などの照明電源などとして利用可能である。
以上に説明した各態様おいて、各き電線11に図示しない二次電池を付加的に設けてもよい。これにより、コスト上昇を招くおそれがあるが、充電効率を上昇させる効果が期待できる。
また、以上に説明した各態様おいて、二次電池とは別途にキャパシタを付加することを排除するものではない。
以上に説明した各態様において、二次電池14は、該二次電池14を構成する複数の単電池の中から、き電線11ごとに回生電力の入力対象となる1又は複数の単電池を切替え可能であることが好ましく、これにより効率的な充電を行うことができる。このような切替えには、上述した切替部13を用いることができる。これについて、図4を参照して説明する。
図4の例では、二次電池14がレドックスフロー電池である場合について示している。
レドックスフロー電池である二次電池14は、直列に接続された複数の単電池(電解槽セルともいう。)21によって構成されている。複数の単電池21を直列に積層することによってセルスタック構造が形成されている。各単電池21は、正極P及び負極Nを備えている。
図示の例において、二次電池14は、き電線11ごとに入出力の対象となる単電池21の数を変更できるように、入出力のために使用可能な3つ以上の接続部位を備えている。
ここでは、3つ以上の接続部位として、2枚のエンドプレート23によって構成された2つの接続部位と、1つ以上の単電池間接続部位22とを備えている。
エンドプレート23は、直列に積層された複数の単電池21の一端側及び他端側にそれぞれ設けられている。図示の例では、一端側のエンドプレート23は接地されている。接地の方法は格別限定されず、例えば、接地されたレールに接続することによって、接地してもよい。
単電池間接続部位22は、直列に接続された複数の単電池21間に設けられる。図示の例では、単電池21間に設けられたバイポーラープレートを、単電池間接続部位22として用いている。
回生電力を好適に受電する観点で、バイポーラープレートの平均体積抵抗率は、10−3Ωcm以下であることが好ましい。このような低い平均体積抵抗率を付与する観点で、例えばグラファイト板や金属シート等を好ましく用いることができ、特に金属シートが好適である。
図示の例では、切替部13は、接地された接続部位(一端側のエンドプレート23)以外の2以上の接続部位の中から、各々のき電線11に対応する入力配線19に接続される接続部位を選択し、接続を切替えることができる。この結果、接地された接続部位(一端側のエンドプレート23)と、切替部13によって選択された接続部位との間に直列に積層された1又は複数の単電池21が、き電線11ごとに、回生電力の入力対象として選択される。これにより、二次電池14は、該二次電池14を構成する複数の単電池21の中から、き電線11ごとに回生電力の入力対象となる1又は複数の単電池を切替可能に構成される。
以上の説明では、二次電池14への入力について主に説明したが、負荷に対する二次電池からの出力(放電)においても、同様の切替を行うことができる。
二次電池14には、複数の電源(回生電力発生部)と複数の負荷(回生電力利用部)とを同時に接続することができ、該二次電池14と、これらの電源や負荷との間の入出力対象になる単電池の数を、同時に、個別に切替えることができる。
切替部13による単電池の数の切替えは、例えばMPPT(Maximum power point tracking)機構によって実行されるように構成されてもよい。
次に、二次電池14への電解液(電池活物質を含有する液であり、活物質液ともいう。)の供給について説明する。
図4に示したように、二次電池14を構成する各単電池21において、正極Pと負極Nとの間には隔膜3が設けられている。
単電池21は、電池活物質を循環流通可能に構成されている。単電池21を構成する正極P及び負極Nの少なくとも一方、好ましくは両方(図4の例では両方)は、活物質液を電極内に流通させる活物質液流通型電極であることが好ましい。活物質液流通型電極は、例えば導電性炭素繊維集合体(カーボンフェルト等)によって構成することができる。
図示しない正極活物質液タンク内に貯留された正極活物質液は、図示しない循環ポンプの駆動によって、正極P内に流通された後、再び、正極活物質液タンクに返送される。正極活物質液タンクは、複数の単電池21に対して共通に設けられている。よって、複数の正極Pには、共通の正極活物質液が供給される。
また、図示しない負極活物質液タンク内に貯留された負極活物質液は、図示しない循環ポンプの駆動によって、負極N内に流通された後、再び、負極活物質液タンクに返送される。負極活物質液タンクは、複数の単電池21に対して共通に設けられている。よって、複数の負極Nには、共通の負極活物質液が供給される。
複数の正極Pに共通の正極活物質液が供給され、複数の負極Nに共通の負極活物質液が供給されることによって、複数の単電池21の充電深度は均一化される。そのため、き電線ごとに回生電力の入力対象となる単電池21を切替えても、単電池21間で充電深度差が生じることが防止される。
回生電力を二次電池14に蓄電する際には、上記のように二次電池14に活物質液を送液して充電反応を生起することができる。
本発明の好ましい態様において、上述した電圧測定部20で測定された電圧が、所定の電圧(好ましくは上述した「き電線の電圧」)より高い場合に、循環ポンプによって二次電池14を構成する単電池21に活物質液を送液して、充電反応を生起させる。そして、かかる充電反応を行いながら、電圧測定部20で測定を継続し、該電圧測定部20で測定された電圧が、前記所定の電圧より低い場合に、循環ポンプを停止して充電反応を停止する制御を行うことが好ましい。無駄なポンプ駆動を停止できるので。コスト低減に寄与する効果がある。
二次電池14に上述した負荷(回生電力利用部)が接続されている場合は、電圧測定部20で測定された電圧が前記所定の電圧より低く、且つ負荷に対する出力(放電)が要求されない状態において、循環ポンプを停止することも好ましい。
活物質液は、電池活物質として周期表における4族元素〜8族元素である遷移金属元素を含有することが好ましい。例えば、正極活物質液として4価及び5価バナジウムイオンを含む液を用い、負極活物質液として2価及び3価バナジウムイオンを含む液を用いることができる。また、例えば負極に活物質液を供給し、正極を酸素極とすることもできる。
二次電池14を構成する単電池21を構成する正極P及び負極Nの少なくとも一方の見掛けの電極面積[cm]と、該単電池21当たりの内部抵抗値[Ωcm]との比(内部抵抗値[Ωcm]/電極面積[cm])は、0.5mΩ以下であることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.3mΩである。これにより、二次電池14が、特に高入出力の要求に対して好適に対応できるようになる。
上述した比が0.5mΩ以下である場合の例として、電極面積が1000cmで、且つ内部抵抗値が0.5Ωcmの場合、電流1kAが入力されたときの電圧降下分は±0.5Vであり、これが、充電時に副反応(正極からの酸素あるいは塩素発生)を防止し、且つ放電時の逆充電を防止しながら入出力できる好ましい上限になる。比を0.5mΩ以下にするためには、例えば、電極面積が2000cmであれば、内部抵抗値1.0Ωcmが上限になる。
回生電流は1kAレベルに達する場合がある。このような入力電流を効率良く受け入れるためには、上述した比の条件を満たすことが特に好ましい。
また、上述した見掛けの電極面積は1000cm以下であることが好ましく、これにより、見掛けの電極面積に対する活物質液の送液量を大きくとることが可能になる。これにより、レドックスフロー電池からなる二次電池14において、電極への活物質液の送液量を広範囲に制御して、入出力を広い領域、例えば1C〜5C(Cは定格容量であり、1Cは1時間で定格容量の充電もしくは放電を行うことができる入出力電流値を示す。)で可変にすることができる。これは回生電力を効率的に充電することに寄与し、特に高入出力の要求に対して好適に対応できるようになる。また、循環ポンプの送液量増加に対する応答特性を向上する効果も得られる。
内部抵抗値は、2つ以上の電流密度の差と、それぞれに対応する入力もしくは出力電圧の差から算出された値である。
また、二次電池14を構成する単電池21を構成する正極P及び負極Nの少なくとも一方、好ましくは両方は、静電容量が0.1F/cm以上である電極によって構成されることが好ましい。
急激な高入出力の要求に対して、活物質液の送液量制御で追随できる電気量は、活物質濃度を1.5M(1価の酸化還元反応)とすれば200〜2000クーロン/秒程度である。レドックスフロー電池にとって、これより急激な入出力変化に対しては、好ましくは導電性炭素繊維集合体(カーボンフェルト等)によって構成された電極のもつ静電容量成分に依存することが好ましい。単電池を電気的に直列接続して、1000Vレベルの入出力を行う場合、1kAでは1MW電池になるが、このときの電極の静電容量は、0.1F/cm以上であることが好ましく、最も好ましくは1F/cm以上である。
電極の静電容量は、過渡状態における電流及び又は電圧の経時変化、インピーダンス解析等によって測定される値である。
かかる電極の静電容量は、電極と活物質液との界面における電気二重層によってもたらされ得る。
次に、二次電池14を用いた回生失効防止の好ましい態様について説明する。
き電線11の電圧の過剰な上昇は、回生失効(回生失活ともいう)の原因になる。このような状況を確実に防止するために、き電線11の実際の電圧(電圧測定部20において測定される電圧とすることができる)が所定の閾値を超えた場合に、該き電線11に対して入力対象として選択される単電池21の数を減らす制御を行うことが好ましい。
まず、通常の充電時には、充電効率等を考慮して、切替部13を用いて、き電線11の電圧が高くなった場合に該き電線11に接続される単電池21の数を増やし、き電線11の電圧が低くなった場合に該き電線11に接続される単電池21の数を減らす制御を行うことができる。
これに対して、き電線11の電圧が所定の閾値を超えた場合は、該き電線11に接続される単電池21の数を増やすのではなく、逆に減らすことが好ましい。
これにより、直列に接続される単電池21の数が減るため、き電線11に接続されている単電池21のキャパシタとしての静電容量が減少することなく、き電線11の電圧の迅速な降下を達成できる。その結果、回生失効が確実に防止される。
以上の説明では、二次電池を構成する全ての単電池が直列に接続される場合について主に示したが、これに限定されない。二次電池を構成する全ての単電池のうち少なくとも一部が直列に接続されていることが好ましい。二次電池の中で単電池の一部が並列に接続されていることも好ましいことである。
例えば、図5に示すように、直列に接続された複数の単電池21によって構成された複数の単電池列を並列に接続して二次電池14を構成してもよい。
ここでは、単電池間接続部位22及びエンドプレート(接続部位)23を、複数の単電池列で共有することによって、二次電池14の中で単電池21の一部が並列に接続されている。単電池21の並列によって、キャパシタとしての静電容量が増加するため、上述した回生失効がより確実に防止される。
二次電池14に単電池間接続部22を設ける場合、複数の単電池21間の全てに単電池間接続部22を設ける必要は必ずしもなく、例えば図6に示すように、複数の単電池21間の一部に単電池間接続部を設けるようにしてもよい。
図6の例では、複数の単電池21を直列に積層することによってセルスタックが構成され、更に複数のセルスタックを直列に接続することによって二次電池14が構成されている。
ここでは、一部のセルスタックにのみ単電池間接続部22が設けられ、他のセルスタックには単電池間接続部22が設けられていない。
このようにして、単電池間接続部22を設ける位置を、二次電池14の入出力電圧の範囲等に応じて、適宜設定することができる。
なお、以上の説明では、二次電池をき電線に接続した場合を説明したが、これに限定されず、変電所に回線電力を戻すような場合には、変電所に戻された回生電力を蓄電できる様、変電所に設けることもできる。
1:駅設備
10:プラットホーム
11:き電線
12:電車
13:切替部
14:二次電池
15:変電所
16:交直変換器(整流器)
17:モータ
18:接続部
19:入力配線
20:電圧測定部
21:単電池
22:単電池間接続部位
23:エンドプレート(接続部位)
P:正極
N:負極

Claims (6)

  1. 電車の回生ブレーキによって回生電力を発生させる複数の回生電力発生部と、
    前記複数の回生電力発生部で発生した回生電力を入力して蓄電する二次電池を用いた回生電力貯蔵部と、
    前記回生電力貯蔵部で前記二次電池に蓄電された回生電力を利用する回生電力利用部とを有し、
    前記二次電池がレドックスフロー電池であることを特徴とする電力貯蔵設備。
  2. 前記二次電池へ回生電力を入力するための入力配線が、変電所から力行電力を送るき電線に接続する接続部を有し、
    前記接続部と前記二次電池との間で、前記回生電力の電圧を測定する電圧測定部を有することを特徴とする請求項1記載の電力貯蔵設備。
  3. 前記電圧測定部で測定された電圧が、所定の電圧より高い場合に、前記回生電力が前記二次電池に蓄電される構成を有することを特徴とする請求項2記載の電力貯蔵設備。
  4. 前記電圧測定部で測定された電圧が、所定の電圧より高い場合に、循環ポンプによって前記二次電池を構成する単電池に活物質液を送液して、充電反応を生起させ、
    前記電圧測定部で測定を継続し、該電圧測定部で測定された電圧が、所定の電圧より低い場合に、前記循環ポンプを停止して充電反応を停止する制御を行うことを特徴とする請求項3記載の電力貯蔵設備。
  5. 前記二次電池を構成する単電池を構成する正極及び負極の少なくとも一方の見掛けの電極面積[cm]と、該単電池当たりの内部抵抗値[Ωcm]との比(内部抵抗値[Ωcm]/電極面積[cm])が、0.5mΩ以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電力貯蔵設備。
  6. 前記二次電池を構成する単電池を構成する正極及び負極の少なくとも一方は、静電容量が0.1F/cm以上である電極によって構成されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電力貯蔵設備。
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