JP2019187012A - 送電線保護システム - Google Patents

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信義 岡本
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幸光 鳩野
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隆 中村
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Abstract

【課題】 電気所から引き出されている送電線の近距離での事故の区分けを行うことを可能にし、各電気所に送電線保護継電器を設置することを不要にする送電線保護システムを提供する。【解決手段】 送電側電気所に流入する電流と、A、B送電線102a、102bからA、B電気所に向けて流出する電流との差が所定範囲内であるかを監視する電流差動リレー31と、A、B送電線102a、102bからA、B電気所に流れる過電流を監視する方向過電流リレー25a、25bと、電流差動リレー31による監視結果が所定範囲より大きく、かつ、方向過電流リレー25a、25bによる監視結果が過電流の発生であると、送電線の事故とする処理装置1を備える。【選択図】 図1

Description

この発明は、電気所内の母線や電気所から引き出されている送電線を保護する送電線保護システムに関する。
電気所は変電所等を備える送電系統の設備であり、送電側の電気所内の母線からは送電線が引き出されて、電気が受電側の電気所などに送られる。電気所の母線や送電線に事故が発生した場合には、系統保護システムにより事故を検出して事故点を遮断する運用を行っている。通常、電気所では送電線保護システムとして方向距離方式が使用されている。
ところで、電気所から引き出されている送電線のうち1km程度の近距離や地下電力ケーブル等で連系されている電気所の場合、送電線の抵抗値が小さいため通常使用されている方向距離方式では、インピーダンスリレーによる保護区間内の事故判定ができない場合がある。つまり、電気所の母線に発生した母線事故であるのか、電気所から引き出されている送電線に発生した送電線事故であるかの区分けができない。
こうした区分けが行える系統保護システムとして次のようなものがある(例えば、特許文献1参照。)。この系統保護システムは、電気鉄道の配電保護システムであり、例えば図7に示すように、き電母線から交流き電線への送電部分に、方向過電流継電器を設置している。なお、き電母線は電車の架線に電気を供給する。
具体的には、A電気所は方向過電流継電器67GF1a〜67GF3aを備えている。これらの方向過電流継電器67GF1a〜67GF3aと向かい合うように、B電気所は方向過電流継電器67GF1bを備え、C電気所は方向過電流継電器67GF2cを備え、D電気所は方向過電流継電器67GF3dを備えている。さらに、A電気所〜D電気所は過電流継電器51GNa〜51GNdを備えている。
こうした従来の系統保護システムは、方向過電流継電器67GF1a〜67GF3a、67GF1b〜67GF3dの動作状態に応じて、電車の架線に電気を供給するき電母線の事故と、電車の架線であるき電線の事故とを切り分けている。例えば図8に示すように、C電気所に電気を送るき電線に事故が発生した場合には、A電気所の過電流継電器51GNaが動作すると共に方向過電流継電器67GF2a、67GF2cだけが動作する。これにより、系統保護システムはき電母線の事故ではない外部事故、つまり、き電線の事故と判定する。また、例えば図9に示すように、A電気所のき母線に事故が発生した場合には、A電気所の過電流継電器51GNaが動作するが、方向過電流継電器67GF1a〜67GF3aの全てが動作しない。これにより、保護システムはき電母線の事故と判定する。
このようにして、従来の系統保護システムは、過電流継電器51GNa〜51GNdによる過電流と、方向過電流継電器67GF1a〜67GF3a、67GF1b〜67GF3dによる過電流の方向とにより事故を検出し、母線事故であるのか送電線事故であるかの区分けをしている。
特開平8−116624号公報
しかし、先に示した従来技術には次の課題がある。電気所で方向距離方式による保護を行っている場合、区間内の事故判断ができないため、受電電気所から引き出されている送電線と時限協調をとっている場合もある。この場合、事故解消に時間を要するため、電力設備にダメージを与えている。PCM(Pulse Code Modulation)電流差動継電装置や転送遮断装置などで送電線保護することもあるが、コストが多大にかかってしまう課題がある。電力ケーブル保護では、設置個所が地下のため大半の電気事故である雷撃事故がないので、次区間との協調を割り切ってリレー遮断する運用をしていることもある。
また、先の図7に示す系統保護システムでは、各電気所に過電流継電器51GNと方向過電流継電器67GFとを必要とする。
この発明の目的は、前記の課題を解決し、電気所から引き出されている送電線の近距離での事故の区分けを行うことを可能にし、各電気所に送電線保護継電器を設置することを不要にする送電線保護システムを提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、送電側の電気所から引き出されている送電線により受電側の電気所に電気を送る系統の送電線保護システムであって、前記送電側の電気所に流入する電流と、前記送電線から前記受電側の電気所に向けて流出する電流との差が所定範囲内であるかを監視する第1の監視手段と、前記送電線から前記受電側の電気所に流れる過電流を監視する第2の監視手段と、前記第1の監視手段による監視結果が所定範囲より大きく、かつ、前記第2の監視手段による監視結果が過電流の発生であると、前記送電線の事故とする処理手段と、を備えることを特徴とする送電線保護システムである。
請求項1の発明では、第1の監視手段は送電側の電気所に流入する電流と、送電線から受電側の電気所に向けて流出する電流との差が所定範囲内であるかを監視する。また、第2の監視手段は送電線から受電側の電気所に流れる過電流を監視する。そして、処理手段は、第1の監視手段による監視結果が所定範囲より大きく、かつ、第2の監視手段による監視結果が過電流の発生であると、送電線の事故とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の送電線保護システムにおいて、前記第1の監視手段は、前記送電側の電気所に引き込まれている送電線に設けられていると共にこの電気所に設けられている変流器が計測した電流を、前記送電側の電気所に流入する電流とし、前記送電側の電気所から引き出されている前記送電線に設けられていると共に前記受電側の電気所に設けられている変流器が計測した電流を、前記送電線から前記受電側の電気所に向けて流出する電流とする、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、送電側の電気所に流入する電流と、送電線から受電側の電気所に向けて流出する電流との差が所定範囲内であるかと、送電線から受電側の電気所に流れる過電流の有無とにより送電線の事故とするので、事故点が送電側の電気所にあるのか、または送電側の電気所から引き出されている送電線に事故点があるのかの区分けを行うことができる。特に、送電側の電気所から至近距離の送電線に事故点がある場合でも、確実に事故点の区分けを行うことができる。また、請求項1の発明によれば、従来で必要とした受電側の各電気所に過電流継電器と方向過電流継電器とを送電線保護継電器として設けることを不要にすることができる。
請求項2の発明によれば、各変流器が計測した電流により、送電側の電気所とこの電気所から引き出されている送電線から成る系統を監視することができる。
この発明の実施の形態による送電線保護システムの構成を示す構成図である。 処理装置のロジック回路を示す構成図である。 送電線事故の発生を示す図である。 この発明の他の実施例1を示す構成図である。 この発明の他の実施例2を示す構成図である。 図5の実施例2における処理装置のロジック回路を示す構成図である。 従来の系統保護システムを示す構成図である。 従来の系統保護システムによる送電線事故の判定について説明する図である。 従来の系統保護システムによる母線事故の判定について説明する図である。
次に、この発明の各実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
この発明の実施の形態による送電線保護システムを図1に示す。この実施の形態では、送電線保護システムが二重母線方式の電気所を備える送電系統に適用されている。この実施の形態では、送電系統は、送電側電気所(上流側の電気所)と、A送電線102aおよびB送電線102bと、受電側電気所であるA電気所およびB電気所とを備えている。
ここで、この二重母線方式の送電系統について説明する。発電所側の電気所であり受電電気所である送電側電気所を経て、A電気所とB電気所とが電気を受け受け取り、電圧を変えて電気を送り出している。送電側電気所では二重母線方式によるA母線とB母線とがブスタイ遮断器11に接続されている。ブスタイ遮断器11は必要に応じて投入される。これにより、A母線とB母線とがつながる。
送電側電気所では、受電するために送電側電気所に引き込まれている送電線101aが断路器12a、12bによりA母線またはB母線に接続され、同じく受電するために送電側電気所に引き込まれている送電線101bが断路器13a、13bによりA母線またはB母線に接続される。このために、断路器12aと断路器12bとの直列回路がA母線とB母線との間に接続され、断路器12a、12bの接続点に送電線101aが接続されている。同じように、断路器13aと断路器13bとの直列回路がA母線とB母線との間に接続され、断路器13a、13bの接続点に送電線101bが接続されている。これにより、断路器12a、12bと断路器13a、13bとの投入または開放により、送電線101aおよび送電線101bがA母線およびB母線のどちらかにそれぞれ接続される。この実施の形態では、断路器12aが投入されていると共に断路器12bが開放されているので、送電線101aはA母線に接続されている。また、断路器13aが開放されていると共に断路器13bが投入されているので、送電線101bはB母線に接続されている。
送電線101aには事故時にこの送電線101aを遮断する遮断器(CB)16aが設置され、送電線101bには事故時に送電線101bを遮断する遮断器(CB)16bが設置されている。これらの遮断器(CB)16a、16bは処理装置1からの信号で投入または開放される。
送電側電気所からは、A送電線102aとB送電線102bとが引き出されている。A送電線102aは送電側電気所からA電気所に電気を送るためのものであり、B送電線102bは送電側電気所からB電気所に電気を送るためのものである。
送電側電気所では、下流側のA送電線102aが断路器14a、14bによりA母線またはB母線に接続され、下流側のB送電線102bが断路器15a、15bによりA母線またはB母線に接続される。このために、断路器14aと断路器14bとの直列回路がA母線とB母線との間に接続され、断路器14a、14bの接続点にA送電線102aが接続されている。同じように、断路器15aと断路器15bとの直列回路がA母線とB母線との間に接続され、断路器15a、15bの接続点にB送電線102bが接続されている。
これにより、断路器14a、14bと断路器15a、15bとの投入または開放により、A送電線102aおよびB送電線102bがA母線およびB母線のどちらかにそれぞれ接続される。この実施の形態では、断路器14aが投入されていると共に断路器14bが開放されているので、A送電線102aはA母線に接続されている。また、断路器15aが開放されていると共に断路器15bが投入されているので、B送電線102bはB母線に接続されている。
A送電線102aには事故時にA送電線102aを遮断する遮断器(CB)17aが設置され、B送電線102bには事故時にB送電線102bを遮断する遮断器(CB)17bが設置されている。これらの遮断器(CB)17a、17bは処理装置1からの信号で投入または開放される。
こうした二重母線方式の送電系統に適用されている送電線保護システムは、処理装置1を備えている。また、送電線保護システムは、送電側電気所に変流器(CT)21a,21b、差動リレー(B87B)22a、差動リレー(B87A)22b、変流器(CT)23a,23b、24a,24b、方向過電流リレー(DIa)25a、方向過電流リレー(DIb)25b、計器用変圧器(VT)26a,26b、電圧検出用リレー27,27および電流差動リレー(B87)31を備えている。
変流器(CT)21aはA母線を流れる電流を計測する。差動リレー(B87B)22aは変流器(CT)21aが計測した電流を基にB母線に向かって流れる電流を監視する。差動リレー(B87B)22aは監視結果をB87B信号として処理装置1に送る。変流器(CT)21bはB母線に流れる電流を計測する。差動リレー(B87A)22bは変流器(CT)21bが計測した電流を基にA母線に向かって流れる電流を監視する。差動リレー(B87A)22bは監視結果をB87A信号として処理装置1に送る。
変流器(CT)23aは、送電線101aを経て送電側電気所に流入する電流を計測し、計測結果を電流差動リレー(B87)31に送る。変流器(CT)23bは、送電線101bを経て送電側電気所に流入する電流を計測し、計測結果を電流差動リレー(B87)31に送る。
計器用変圧器(VT)26aはA母線の電圧を計測する。電圧検出用リレー27は計器用変圧器(VT)26aが計測した電圧を基にA母線の電圧変動を監視する。このために、電圧検出用リレー27は短絡時の電圧降下を監視するリレー要素である不足電圧リレー(B27SA)27aと地絡時の零相電圧上昇を監視するリレー要素である地絡過電圧リレー(B64GA)64aとから成る。電圧検出用リレー27は、監視結果をB27SAおよびB64GA信号(B27SA・B64GA信号)として処理装置1に送る。
計器用変圧器(VT)26bはB母線の電圧を計測する。電圧検出用リレー27は計器用変圧器(VT)26bが計測した電圧を基にB母線の電圧変動を監視する。このために、電圧検出用リレー27は短絡時の電圧降下を検出するリレー要素である不足電圧リレー(B27SB)27bと地絡時の零相電圧上昇を検出するリレー要素である地絡過電圧リレー(B64GB)64bとから成る。電圧検出用リレー27は、監視結果をB27SBおよびB64GB信号(B27SB・B64GB信号)として処理装置1に送る。
変流器(CT)24aはA送電線102aに流れる電流を送電側電気所で計測する。変流器(CT)24aはA送電線102aの一端側に設置されている。接続方向過電流リレー(DIa)25aは、変流器(CT)24aの計測結果を基に、あらかじめ設定された値より大きな電流であり、かつ、送電側電気所からA電気所に向かってA送電線102aを流れる電流を監視する。方向過電流リレー(DIa)25aは監視結果をDIa信号として処理装置1に送る。つまり、方向過電流リレー(DIa)25aは、送電側電気所からA電気所に向かって流れる過電流を監視して監視結果を送る。
変流器(CT)24bはB送電線102bに流れる電流を送電側電気所で計測する。変流器(CT)24bはB送電線102bの一端側に設置されている。方向過電流リレー(DIb)25bは、変流器(CT)24bの計測結果を基に、あらかじめ設定された値より大きな電流であり、かつ、送電側電気所からB電気所に向かってB送電線102bを流れる電流を監視する。方向過電流リレー(DIb)25bは監視結果をDIb信号として処理装置1に送る。つまり、方向過電流リレー(DIb)25bは、送電側電気所からB電気所に向かって流れる過電流を監視して監視結果を送る。
電流差動リレー(B87)31は、送電側電気所の変流器(CT)23a、23bからの計測結果と、A電気所の変流器(CT)52からの計測結果と、B電気所の変流器(CT)62からの計測結果とを基に、送電側電気所とA送電線102aとB送電線102bとから成る系統に流入する電流と、系統から流出する電流との差を算出する。つまり、電流差動リレー(B87)31は、送電線101aから送電側電気所に流入する電流と、送電線101bから送電側電気所に流入する電流との和を、第1の総和電流として算出する。
また、電流差動リレー(B87)31は、送電側電気所から流出する電流であって、A送電線102aを流れてA電気所に流入する電流と、送電側電気所から流出する電流であって、B送電線102bを流れてB電気所に流入する電流との和を、第2の総和電流として算出する。
なお、A電気所の変流器(CT)52からの計測結果と、B電気所の変流器(CT)62からの計測結果とを受け取るために、送電側電気所には図示を省略しているが通信手段が備えられている。
次に、電流差動リレー(B87)31は、第1の総和電流と第2の総和電流との差を算出する。通常、送電側電気所のA母線やB母線、A送電線102a、B送電線102bに事故が無ければ、第1の総和電流(流入する電流)と第2の総和電流(流出する電流)とがほぼ同じであり、第1の総和電流と第2の総和電流との差が所定値以内(所定範囲内)に入る。つまり、第1の総和電流と第2の総和電流とのバランスが取れている。この原理はキルヒホフの第1法則を基にしている。
しかし、送電側電気所のA母線やB母線、A送電線102a、B送電線102bに事故が発生すると、第1の総和電流と第2の総和電流との差が所定範囲に入らなくなりバランスが崩れる。電流差動リレー(B87)31は、第1の総和電流と第2の総和電流とのバランスがとれているかを監視し、監視結果をB87信号として処理装置1に送る。
送電線保護システムの遮断器(CB)51と変流器(CT)52とは送電系統の受電側電気所であるA電気所に備えられている。遮断器(CB)51は事故時にA電気所でA送電線102aを遮断する。この遮断は処理装置1からの信号で行われる。変流器(CT)52はA送電線102aを流れる電流を計測し、計測結果を処理装置1に送る。つまり、変流器(CT)52はA送電線102aの他端側からA電気所に流出する電流を計測して計測結果を送る。このために、図示を省略しているがA電気所には計測結果を送る通信手段が備えられている。
送電線保護システムの遮断器(CB)61と変流器(CT)62とは送電系統の受電側電気所であるB電気所に備えられている。遮断器(CB)61は事故時にB電気所でB送電線102bを遮断する。この遮断は処理装置1からの信号で行われる。変流器(CT)62はB送電線102bを流れる電流を計測し、計測結果を処理装置1に送る。つまり、変流器(CT)62はB送電線102bの他端側からB電気所に流出する電流を計測して計測結果を送る。このために、図示を省略しているがA電気所には計測結果を送る通信手段が備えられている。
処理装置1は、差動リレー(B87B)22a、差動リレー(B87A)22b、方向過電流リレー(DIa)25a、方向過電流リレー(DIb)25b、電圧検出用リレー27、27および電流差動リレー(B87)31からの監視結果と、断路器12a〜15bの投入・開放信号とを基に、A送電線102aおよびB送電線102bを遮断するためのトリップ信号と、A母線およびB母線を遮断するためのトリップ信号とを作成する。
信号作成のために、処理装置1は送電側電気所の各リレーからの信号と断路器からの信号とを基に、送電側電気所の母線事故か送電線事故かを区分けしている。区分けのために、処理装置1は、例えば図2に示すように、送電側電気所から受け取った信号を処理する回路としてロジック回路を備えている。このロジック回路は、AND回路1a〜1f、1i〜1lと、OR回路1gと、NOT回路1hとを備えている。
ロジック回路のAND回路1a〜1cはA母線トリップ信号を作成する回路である。AND回路1a〜1cは、断路器12aからの投入・開放を示す89A信号と、電圧検出用リレー27からのB27SA・B64GA信号と、差動リレー(B87A)22bからのB87A信号と、電流差動リレー(B87)31からのB87信号とがすべてハイレベルになると、A母線トリップ信号を作成して出力する。つまり、断路器12aが投入され、電圧検出用リレー27が電圧変動を検出し、差動リレー(B87A)22bがA母線に向かって流れる電流を検出し、かつ、電流差動リレー(B87)31が系統の総和電流のバランスの崩れを検出すると、A母線トリップ信号を作成してこの信号をAND回路1Cから出力する。
一方、方向過電流リレー(DIa)25aがA電気所に向かって流れる過電流を検出しないとき、かつ、方向過電流リレー(DIb)25bがB電気所に向かって流れる過電流を検出しないときには、DIb信号およびDIb信号の両方がロウレベルである。このときには、OR回路1gはロウレベルの信号を出力し、NOT回路1hがハイレベルの信号をゲート信号としてAND回路1kに出力する。
AND回路1kは、AND回路1cからA母線トリップ信号を受け取った場合に、NOT回路1hからゲート信号を受け取ったときにだけ、A母線トリップ信号を出力する。このとき、AND回路1kは、ブスタイ遮断器11、遮断器16aおよび遮断器17aにA母線トリップ信号を出力する。
同様にして、ロジック回路のAND回路1d〜1fはB母線トリップ信号を作成する回路である。AND回路1d〜1fは、断路器13bからの投入・開放を示す89B信号と、電圧検出用リレー27からのB27SB・B64GB信号と、差動リレー(B87B)22aからのB87B信号と、電流差動リレー(B87)31からのB87信号とがすべてハイレベルになると、B母線トリップ信号を作成して出力する。つまり、断路器13bが投入され、電圧検出用リレー27が電圧変動を検出し、差動リレー(B87B)22aがB母線に向かって流れる電流を検出し、かつ、電流差動リレー(B87)31が総和電流のバランスの崩れを検出すると、B母線トリップ信号を作成して、この信号をAND回路1fから出力する。
一方、方向過電流リレー(DIa)25aがA電気所に向かって流れる過電流を検出しないとき、かつ、方向過電流リレー(DIb)25bがB電気所に向かって流れる過電流を検出しないときには、OR回路1gを経てNOT回路1hがゲート信号をAND回路1lに出力する。
AND回路1lは、AND回路1fからB母線トリップ信号を受け取った場合に、NOT回路1hからゲート信号を受け取ったときにだけ、B母線トリップ信号を出力する。このとき、AND回路1lは、ブスタイ遮断器11、遮断器16bおよび遮断器17bにA母線トリップ信号を出力する。
ロジック回路のAND回路1iはA線トリップ信号を作成する回路である。方向過電流リレー(DIa)25aからのDIa信号と、電流差動リレー(B87)31からのB87信号とがすべてハイレベルになると、AND回路1iはA線トリップ信号を作成して出力する。つまり、電流差動リレー(B87)31が系統の総和電流のバランスの崩れを検出したタイミングで、方向過電流リレー(DIa)25aがA電気所に向かって流れる過電流を検出すると、AND回路1iはA線トリップ信号を作成して出力する。このとき、AND回路1iは、遮断器17aとA電気所の遮断器51とにA線トリップ信号を送る。
ロジック回路のAND回路1jはB線トリップ信号を作成する回路である。方向過電流リレー(DIb)25bからのDIb信号と、電流差動リレー(B87)31からのB87信号とがすべてハイレベルになると、AND回路1jはB線トリップ信号を作成して出力する。つまり、電流差動リレー(B87)31が系統の総和電流のバランスの崩れを検出したタイミングで、方向過電流リレー(DIb)25bがB電気所に向かって流れる過電流を検出すると、AND回路1jはB線トリップ信号を作成して出力する。このとき、AND回路1jは、遮断器17bとB電気所の遮断器61とにB線トリップ信号を送る。
以上が実施の形態による送電線保護システムの構成である。次に、送電線保護システムの作用について説明する。送電側電気所とA送電線102aとB送電線102bとから成る系統に事故が発生していなければ、各リレーが異常を検出しないので、処理装置1のロジック回路からはトリップ信号が出力されない。
この状態で、例えば図3に示すようにA送電線102aに地絡事故が発生すると、A送電線102aには事故電流i1が流れる。この結果、送電線101aと送電線101bとから送電側電気所に流入する電流と、A送電線102aの他端からA電気所に向けて流出する電流と、B送電線102bの他端からB電気所に向けて流出する電流との総和が所定範囲内ではなくなる。つまり、送電側電気所とA送電線102aとB送電線102bとからなる系統に流入する電流と、この系統から流出する電流との差し引きが所定範囲内ではない。この結果、電流差動リレー(B87)31は、ハイレベルのB87信号を処理装置1に送る。
送電側電気所の各リレーの中で、方向過電流リレー(DIa)25aはA電気所に向かって流れる過電流つまり事故電流i1を検出し、事故の発生を示すハイレベルのDIa信号を処理装置1に送る。
処理装置1のロジック回路は、電流差動リレー(B87)31からハイレベルのB87信号を受け取ったタイミングで、方向過電流リレー(DIa)25aからハイレベルのDIa信号を受け取ると、遮断器17aおよびA電気所の遮断器51にA線トリップ信号を送る。これにより、送電側電気所の遮断器17aと、A電気所の遮断器51とが投入され、A送電線102aが系統から遮断される。
B送電線102bに事故が発生した場合でも、同様にしてB送電線102bが系統から遮断される。
同時に、処理装置1のロジック回路は、方向過電流リレー(DIa)25aからハイレベルのDIa信号を受け取るので、NOT回路1hはロウレベルの出力をAND回路1k、1lに送る。これにより、AND回路1kはA母線トリップ信号をハイレベルにしない。つまり、A母線トリップ信号が出力されない。同様にして、AND回路1lはB母線トリップ信号を出力しない。
一方、送電側電気所の例えばA母線に地絡事故が発生した場合には、A母線に事故電流が流れるので、送電線101aと送電線101bとから送電側電気所に流入する電流と、A送電線102aの他端からA電気所に向けて流出する電流と、B送電線102bの他端からB電気所に向けて流出する電流との総和が所定範囲内ではなくなる。つまり、送電側電気所とA送電線102aとB送電線102bとからなる系統に流入する電流と、この系統から流出する電流との差し引きが所定範囲内ではない。この結果、電流差動リレー(B87)31は、ハイレベルのB87信号を処理装置1に送る。
送電側電気所の各リレーの中で、方向過電流リレー(DIa)25aおよび方向過電流リレー(DIb)25bは、A母線に発生した地絡事故であり過電流が発生しないので、DIa信号およびDIb信号をロウレベルにして処理装置1に送る。
A母線に地絡事故が発生した場合には、A母線には零相電圧上昇が発生するので、地絡過電圧リレー(B64GA)64aはハイレベルのB27SA・B64GA信号を処理装置1に送る。また、B母線も同様に零相電圧上昇するので、地絡過電圧リレー(B64GB)64bはハイレベルのB27SB・B62GB信号を処理装置1に送る。
さらに、A母線に地絡事故が発生した場合には、変流器(CT)21b,21aを経て、B母線からA母線に向かって電流が流れるので、差動リレー(B87A)22bがA母線に流れる電流を検出し、ハイレベルのB87A信号を処理装置1に送る。
処理装置1のロジック回路のAND回路1a〜1cは、断路器12aからの投入を示すハイレベルの89A信号と、電圧検出用リレー27からのハイレベルのB27SA・B64GA信号と、差動リレー(B87A)22bからのハイレベルのB87A信号とにより、電流差動リレー(B87)31からハイレベルのB87信号を受け取ったタイミングで、ハイレベルのA母線トリップ信号を作成する。そして、方向過電流リレー(DIa)25aおよび方向過電流リレー(DIb)25bからロウレベルのDIa信号およびDIb信号を受け取るとNOT回路1hの出力をハイレベルにし、AND回路1kはハイレベルのA母線トリップ信号を、ブスタイ遮断器11、遮断器16aおよび遮断器17aに出力する。これにより、送電側電気所のブスタイ遮断器11と、遮断器16a、17aとが投入され、A母線が系統から遮断される。
B母線に事故が発生した場合でも、同様にしてB母線が系統から遮断される。
こうして、この実施の形態によれば、事故点が送電側電気所にあるのか、または電気を送るために送電側電気所から引き出されているA送電線102a、B送電線102bに事故点があるのかの区分けを行うことができる。特に、送電側電気所から至近距離のA送電線102a、B送電線102bに事故点がある場合でも、確実に事故点の区分けを行うことができる。
また、この実施の形態によれば、従来のように受電側の各電気所に過電流継電器51GNと方向過電流継電器67GFとを設けることを不要にすることができる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、二重母線の電気所の場合について説明したが、図4に示すように、単一母線の電気所にも適用可能である。ここで、この図では、差動リレー(B87B)22aと差動リレー(B87A)22bがある場合を示すが、これらがない場合にも適用可能である。また、送電線101c、変流器23cおよび遮断器16cは、送電線101a、101b、変流器23a、23bおよび遮断器16a、16bと同等の構成である。
同様に、図5、図6に示すように、単一母線で過電流継電器(51Rc)75と転送遮断との組み合わせにも適用可能である。ここで、これらの図は、母線分割遮断ありの場合を示すが、母線分割遮断なしの場合にも適用可能である。また、図5では処理装置を図示省略しており、図6のロジック回路は、上記の実施の形態と同様に、AND回路2a〜2gと、OR回路2kと、NOT回路2h〜2jとを備えている。この適用例(実施例)では、A電気所およびB電気所の継電器(Ryx、Ryy)71、72の動作が転送器41、42および転送器43を介して事故電流検出器(DF)70に伝送されるとともに、送電側電気所の継電器(DA、DB)73、74および過電流継電器75の動作が事故電流検出器70に伝送されて、事故点の区分けが行われる。
1 処理装置(処理手段)
11 ブスタイ遮断器
12a、12b、13a、13b、14a、14b、15a、15b 断路器
16a、16b、17a、17b、51、61 遮断器(CB)
21a、21b、23a、23b、24a、24b、52、62 変流器(CT)
26a,26b 計器用変圧器(VT)
22a 差動リレー(B87B)
22b 差動リレー(B87A)
25a 方向過電流リレー(DIa:第2の監視手段)
25b 方向過電流リレー(DIb:第2の監視手段)
27、27 電圧検出用リレー
27a、27b 不足電圧リレー
64a 地絡過電圧リレー(B64GA)
64b 地絡過電圧リレー(B64GB)
31 電流差動リレー(B87:第1の監視手段)

Claims (2)

  1. 送電側の電気所から引き出されている送電線により受電側の電気所に電気を送る系統の送電線保護システムであって、
    前記送電側の電気所に流入する電流と、前記送電線から前記受電側の電気所に向けて流出する電流との差が所定範囲内であるかを監視する第1の監視手段と、
    前記送電線から前記受電側の電気所に流れる過電流を監視する第2の監視手段と、
    前記第1の監視手段による監視結果が所定範囲より大きく、かつ、前記第2の監視手段による監視結果が過電流の発生であると、前記送電線の事故とする処理手段と、
    を備えることを特徴とする送電線保護システム。
  2. 前記第1の監視手段は、前記送電側の電気所に引き込まれている送電線に設けられていると共にこの電気所に設けられている変流器が計測した電流を、前記送電側の電気所に流入する電流とし、前記送電側の電気所から引き出されている前記送電線に設けられていると共に前記受電側の電気所に設けられている変流器が計測した電流を、前記送電線から前記受電側の電気所に向けて流出する電流とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送電線保護システム。
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