JP2019185678A - 触覚情報呈示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】仮現運動等の触覚呈示を行なう場合、操作者の手に対して均一刺激が可能な触覚情報呈示装置を提供する。【解決手段】操作者の手100を載置可能な載置部10と、弾性体に支持された刺激子を備え、載置部10に搭載され、手100の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える刺激発生部20と、刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する制御部30と、有し、弾性体のバネ定数が均一刺激を実現可能なバネ定数に設定されるように触覚情報呈示装置1を構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、触覚情報呈示装置に関する。
従来、人が対象物に手指で触れたときに感じる対象物の凹凸や硬軟などの触力覚情報を扱う触力覚呈示装置に関し、触力覚情報を複数の触感覚器によって同時に認知することができ、現実の触わる動作、力を探る動作に非常に近い触覚情報呈示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の触覚情報呈示装置は、その筐体全体がほぼ人の手の大きさと同等か少し大き目に形成され、筐体の人の手が接触する表面には、複数の手の感覚器に対応して複数の触覚情報呈示部材が設けられている。親指に対応して、触覚情報呈示部材があり、順に、触覚情報呈示部材が各指に対応している。そして、母指球部分と小指球部分、指の付け根部にそれぞれ触覚情報呈示部材をその形にあった呈示サイズで設けて構成している。
仮現運動等の触覚呈示を行なう場合は、部位によらず刺激知覚強度を等しくすることが好ましい。しかし、特許文献1の技術では、部位によって刺激強度の閾値が異なるため、刺激部位ごとに刺激強度を調整する必要があり、その制御のためにシステムが複雑化するという課題がある。また、部位によって刺激面積を変更し、空間的加重効果を利用して刺激強度を等しくすることも考えられるが、手の載置状態によっては、必ずしも刺激面積と接触面積が等しくなるとはいえないという問題もある。
したがって、本発明の目的は、仮現運動等の触覚呈示を行なう場合、操作者の手に対して均一刺激が可能な触覚情報呈示装置を提供することにある。
[1]上記目的を達成するため、操作者の手を載置可能な載置部と、弾性体に支持された刺激子を備え、前記載置部に搭載され、前記手の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える刺激発生部と、前記刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する制御部と、有し、前記弾性体のバネ定数が均一刺激を実現可能なバネ定数に設定された、触覚情報呈示装置を提供する。
[2]前記制御部は、刺激の強度及びパターンを調整する、上記[1]に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[3]また、前記刺激子は、前記載置部の外形の開口部稜線から前記弾性体の付勢により突出しており、前記開口部稜線の法線方向に変位可能とされている、上記[1]又は[2]に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[4]また、前記バネ定数は、知覚感度が低い部位では大きく、知覚感度が高い部位では小さく設定されている、上記[1]から[3]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[5]また、前記刺激発生部は、前記刺激として振動刺激を発生させる、上記[1]から[4]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[6]また、前記刺激発生部は、前記刺激として温冷刺激を発生させる、上記[1]から[4]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[7]また、前記部位は、前記手の、指先部、指尖球部、手のひら中央部を含む複数の部位である、上記[1]から[6]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[8]また、前記載置部は、車両に搭載され、前記制御部は、前記車両の走行時の安全性に関する情報を呈示する、上記[1]から[7]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[2]前記制御部は、刺激の強度及びパターンを調整する、上記[1]に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[3]また、前記刺激子は、前記載置部の外形の開口部稜線から前記弾性体の付勢により突出しており、前記開口部稜線の法線方向に変位可能とされている、上記[1]又は[2]に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[4]また、前記バネ定数は、知覚感度が低い部位では大きく、知覚感度が高い部位では小さく設定されている、上記[1]から[3]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[5]また、前記刺激発生部は、前記刺激として振動刺激を発生させる、上記[1]から[4]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[6]また、前記刺激発生部は、前記刺激として温冷刺激を発生させる、上記[1]から[4]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[7]また、前記部位は、前記手の、指先部、指尖球部、手のひら中央部を含む複数の部位である、上記[1]から[6]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
[8]また、前記載置部は、車両に搭載され、前記制御部は、前記車両の走行時の安全性に関する情報を呈示する、上記[1]から[7]のいずれか1に記載の触覚情報呈示装置であってもよい。
本発明の触覚情報呈示装置によれば、仮現運動等の触覚呈示を行なう場合、操作者の手に対して均一刺激を可能とすることができる。
(本発明の第1の実施の形態)
本発明の実施の形態に係る触覚情報呈示装置1は、操作者の手100を載置可能な載置部10と、弾性体に支持された刺激子を備え、載置部10に搭載され、手100の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える刺激発生部20と、刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する制御部30と、有し、弾性体のバネ定数が均一刺激を実現可能なバネ定数に設定されるように構成されている。本実施の形態では、弾性体として、例えば、バネを使用する。
本発明の実施の形態に係る触覚情報呈示装置1は、操作者の手100を載置可能な載置部10と、弾性体に支持された刺激子を備え、載置部10に搭載され、手100の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える刺激発生部20と、刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する制御部30と、有し、弾性体のバネ定数が均一刺激を実現可能なバネ定数に設定されるように構成されている。本実施の形態では、弾性体として、例えば、バネを使用する。
本発明の実施の形態に係る触覚情報呈示装置1は、刺激子を保持する弾性体のバネ定数を、対象とする刺激部位によって異ならせることで狙いの接触面積となるようにし、空間的加重効果によって刺激の知覚強度を均一とするものである。このような構成により、操作者の手に対して、均一刺激が可能な多点での触覚情報を呈示できる触覚情報呈示装置が可能となる。
また、多点での触覚情報を呈示でき、手100の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える構成としているので、仮現運動等の触覚呈示を行なうことができる。仮現運動とは、実際には動いてないにもかかわらず、動いているように感じてしまう現象のことをいう。
また、本発明の実施の形態に係る触覚情報呈示装置1は、車両に搭載することにより、車両の走行時の安全性に関する情報を呈示することができる。
(載置部10)
載置部10は、図1(a)〜(c)に示すように、操作者の手を載置可能な形状、大きさに形成されている。載置部10は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂等の、載置される手を支持可能な剛性を有して形成されている。載置部10は、図1(a)に示すように、手100をその上に載置したときに、例えば、指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112に各刺激子が刺激を与えるように刺激発生部20が配置されている。この配置は一例であって、少なくとも2か所以上の部位に刺激を与えるように構成されていればよい。
載置部10は、図1(a)〜(c)に示すように、操作者の手を載置可能な形状、大きさに形成されている。載置部10は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂等の、載置される手を支持可能な剛性を有して形成されている。載置部10は、図1(a)に示すように、手100をその上に載置したときに、例えば、指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112に各刺激子が刺激を与えるように刺激発生部20が配置されている。この配置は一例であって、少なくとも2か所以上の部位に刺激を与えるように構成されていればよい。
載置部10は、図1(b)、(c)に示すように、手100を載置しやすいように、載置部11が円弧状等の曲面として形成されている。なお、この載置部10の載置部11の円弧状等の曲面12は、任意に設定可能であって、平面、曲面を一部または全部に含むものであってもよく、また、平面、任意の曲面を組み合わせたものであってもよい。
載置部10は、図1(a)〜(c)に示すように、後述する刺激発生部20が取り付けられる開口部14を備えている。開口部14には、後述する刺激発生部20が埋設され、載置部11がその上を覆うように固定されている。この開口部14は、図2に示すように、曲面12の表面12aから開口部稜線13の法線方向L(L1、L2、L3)に所定の深さで形成されている。これにより、後述するように、刺激発生部20が載置された手100を垂直な方向(法線方向L、L1、L2、L3)に刺激することができる。
(刺激発生部20)
第1の実施の形態における刺激発生部20は、操作者の手100に振動により刺激を与えるように構成されている。刺激発生部20は刺激子21を有し、刺激子21の突起部21aは、操作者の手100に当接して刺激を与えるために、指よりも小さいサイズであることが好ましい。
第1の実施の形態における刺激発生部20は、操作者の手100に振動により刺激を与えるように構成されている。刺激発生部20は刺激子21を有し、刺激子21の突起部21aは、操作者の手100に当接して刺激を与えるために、指よりも小さいサイズであることが好ましい。
刺激発生部20は、図2に詳細を示すように、刺激子21が弾性体としてのバネ40により支持され、電磁アクチュエータ25により駆動されて振動可能とされている。刺激子21は、図2に示すように、曲面12の表面12aから所定の突出量Dで突出した突起部21aと、突起ベース部21bから構成されている。突起ベース部21bには、載置部10から弾性力を付与するためのバネ40が当接する。また、電磁アクチュエータ25から駆動力を受けるため、突起ベース部21bには、ボイスコイルとしての筒状のコイル部22が固定された状態で備えられている。
上記説明した刺激発生部20は、第1の実施の形態では、図1(a)〜(c)に示すように、3カ所設けられているが、それぞれの刺激子21の突出量Dはすべて同じに設定されている。
バネ40は、図2に示すように、刺激子21を弾性力により、上方向に付勢する。バネ40は、一端部40aが載置部10に当接し、他端部40bが突起ベース部21bに当接し、図2に示す状態において、所定のバネ定数で上方向に付勢されている。突起ベース部21bの上端部21cは載置部10の載置部11に当接している。したがって、操作者の手100が載置部11に載置されていない状態では、突起部21aは、図2に示すように、所定のバネ定数で上方向に付勢された状態で、所定の突出量Dで突出している。
図3は、刺激子21が操作者の手100に当接して刺激を与えている状態を示す図である。操作者が載置部10に手を載置すると、図3に示すように、刺激子21がバネ40の付勢力に抗して載置部10側に押し込まれる。
ここで、図4に示すように、部位によって刺激を知覚するのに必要な刺激強度が異なるため、同じ刺激強度の刺激を与えると、違和感が生じる。そのため、部位に応じて刺激強度を変え、また、刺激面積を変えて刺激を行なうことで、知覚する刺激強度を均一化する方法が考えられる。しかし、前者はシステムの複雑化を招き、後者は筐体への手の触れ方によっては、刺激子サイズ=接触面積とならず、狙いの刺激を与えることが困難であるといった課題がある。
図5に示すように、手を載置部10に載置する場合、手の部位によって接触圧(押し込み荷量)が異なる。また、図6に示すように、手と刺激子が接触した場合、弱い接触圧(押し込み荷量)となる部位では接触面積は小さく、強い接触圧(押し込み荷量)となる部位では、接触面積は大きくなる。
図5に示すように、手のひら中央部は指先部と比較して、知覚感度が低い。このため、図7に示すように、接触面積を大きくなるようにして、空間的加重効果を利用することで、知覚される刺激強度を均一化することができる。
上記のことを実現する方法として、本発明の実施の形態においては、各部位に対応する刺激発生部の弾性体のバネ定数を変更し、押し込み荷重を変化させて接触面積を調整する。例えば、図1(a)で示す指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112に対応する刺激発生部の弾性体バネ定数を順に、k1,k2、k3(k1<k2<k3)とすると、接触面積(順に、S1、S2、S3)は、S1<S2<S3となる。各刺激発生部によって発生する刺激強度(例えば、振動振幅、温度変化量)を一定としても、空間的加重効果によって、部位によらず均一な刺激と感じることができる。これにより、多点触覚情報呈示において、均一刺激が可能となる。また、指先部、指尖球部、手のひら中央部の刺激発生運動の呈示も違和感なく実現できる。
(電磁アクチュエータ25)
電磁アクチュエータ25は、図2に示すように、電磁軟鉄、電磁鋼等により形成されたヨーク部26と、ヨーク部26部に取り付けられた永久磁石27と、から概略構成されている。図2に示すように、磁束Bは、例えば、永久磁石27からヨーク部26のセンター部26aに向かうように発生する。すなわち、永久磁石27のN極側がセンター部26a側に向かって取り付けられている。
電磁アクチュエータ25は、図2に示すように、電磁軟鉄、電磁鋼等により形成されたヨーク部26と、ヨーク部26部に取り付けられた永久磁石27と、から概略構成されている。図2に示すように、磁束Bは、例えば、永久磁石27からヨーク部26のセンター部26aに向かうように発生する。すなわち、永久磁石27のN極側がセンター部26a側に向かって取り付けられている。
図3に示すように、操作者が載置部10に手100を載置すると、刺激子21がバネ40の付勢力に抗して載置部10側に押し込まれる。この状態では、手100には、部位によらず均一な刺激が与えられている。
また、コイル部22の略中央を磁束Bが通り、コイル部22への通電により、法線方向L(L1、L2、L3)にコイル部22、刺激子21が駆動される。この刺激子21の駆動は、制御部30により行なわれる。
(制御部30)
制御部30は、コイル部22への通電制御等を行なうための、例えばマイクロコンピュータで構成されている。制御部30は、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成される。また、制御部30は、コイル部22への通電を行なうための出力回路部(ドライバ部)を備えることができる。
制御部30は、コイル部22への通電制御等を行なうための、例えばマイクロコンピュータで構成されている。制御部30は、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成される。また、制御部30は、コイル部22への通電を行なうための出力回路部(ドライバ部)を備えることができる。
制御部30は、複数の電磁アクチュエータ25に所定の順序で通電制御することにより、上記電磁アクチュエータ25に対応した刺激子21を振動させる。制御部30は、刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する。これにより、ユーザ(操作者)に振動刺激を与え、的確な仮現運動を知覚させることができる。
制御部30は、図1(c)に示すように各種電子機器、例えば、生体センシング、クリアランスソナー、バックソナー等に接続されている。制御部30は、これらの電子機器から入力される信号に基づいて、仮現運動の知覚現象により、ユーザ(操作者)に対して、例えば、注意喚起方向を呈示すること等ができる。
(触覚情報呈示装置1の動作例)
操作者が、図1(a)に示すように、手100を載置部10に載置すると、各突起部21aは、それぞれ指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112に所定のバネ定数、すなわち、接触圧(押し込み荷量)で当接する。所定のバネ定数は、前記したように、手の部位によって接触圧(押し込み荷量)が異なるようにして、操作者に知覚される刺激強度を均一化している。
操作者が、図1(a)に示すように、手100を載置部10に載置すると、各突起部21aは、それぞれ指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112に所定のバネ定数、すなわち、接触圧(押し込み荷量)で当接する。所定のバネ定数は、前記したように、手の部位によって接触圧(押し込み荷量)が異なるようにして、操作者に知覚される刺激強度を均一化している。
制御部30は、この状態で、手の各部位に対して振動を付与することにより、多点触覚情報呈示を行ない、仮現運動の知覚現象を生じさせる。
図8(a)〜(c)は、刺激発生部が発生する刺激としての振動の例を示すもので、図1で示した3つの刺激発生部が順に振動を発生させている状態を示す振動加速度の図である。図8(a)に示すように、t0の振動開始からt1までの間に、制御部30は、指先部110に対応する電磁アクチュエータ25において、コイル部22に例えば正弦波状の駆動信号により、一定の加速度で駆動して加振する。これにより、指先部110は振動刺激を受ける。制御部30は、次に、t1からt2までの間に、指尖球部111に対応する電磁アクチュエータ25において、コイル部22に例えば正弦波状の駆動信号により、一定の加速度で駆動して加振する。これにより、指尖球部111は振動刺激を受ける。次に、t2からt3までの間に、手のひら中央部112に対応する電磁アクチュエータ25において、コイル部22に例えば正弦波状の駆動信号により、一定の加速度で駆動して加振する。これにより、手のひら中央部112は振動刺激を受ける。なお、指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112に対応する駆動信号は、図8(a)〜(c)で示すように、駆動信号の切替え時t1、t2、t3の前後において、例えば、1/4山程度の所定期間の重複加振を行なうことが好ましい。
操作者の手100は、指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112の順で振動刺激を受ける。これにより、触覚情報呈示装置1は、操作者に対して、例えば、車両の走行時の安全性に関する情報を呈示することができる。例えば、指先部110、指尖球部111、手のひら中央部112の順で振動刺激を呈示することにより、クリアランスソナーで検知した障害物が前方から接近していることを、仮現運動として知覚させることができる。
(本発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、図9に示すように、刺激発生部が3×3のマトリクス配置とされた例である。図9に示すように、指先部110、120、130、指尖球部111、121、131、手のひら中央部112、122,132のそれぞれに対応して、刺激発生部が設けられている。刺激発生部が2次元的に配列されているので、触覚情報呈示装置1が車両に搭載されている場合は、第1の実施の形態の車両の前後方向の振動刺激の呈示に加えて、車両の左右方向に関しても振動刺激の呈示を行なうことができる。
本発明の第2の実施の形態は、図9に示すように、刺激発生部が3×3のマトリクス配置とされた例である。図9に示すように、指先部110、120、130、指尖球部111、121、131、手のひら中央部112、122,132のそれぞれに対応して、刺激発生部が設けられている。刺激発生部が2次元的に配列されているので、触覚情報呈示装置1が車両に搭載されている場合は、第1の実施の形態の車両の前後方向の振動刺激の呈示に加えて、車両の左右方向に関しても振動刺激の呈示を行なうことができる。
例えば、車線変更時などに斜め後方の確認を支援するブラインドスポットモニターの検知結果に基づいて、図9に示す、手のひら中央部132、指尖球部111、指先部120の順で振動刺激を受けた場合は、後方車が、斜め後方から自車に接近していることを振動刺激で呈示でき、仮現運動として知覚させることができる。
(本発明の第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態における刺激発生部による振動刺激を、温冷刺激に変更した構成である。図10に示すように、刺激発生部200は刺激子221を有し、刺激子221は、高熱伝導の樹脂で形成され、また、刺激子221の突起部221aは、操作者の手100に当接して刺激を与えるために、指よりも小さいサイズであることが好ましい。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態における刺激発生部による振動刺激を、温冷刺激に変更した構成である。図10に示すように、刺激発生部200は刺激子221を有し、刺激子221は、高熱伝導の樹脂で形成され、また、刺激子221の突起部221aは、操作者の手100に当接して刺激を与えるために、指よりも小さいサイズであることが好ましい。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、バネ240のバネ定数により、各部位に対応する刺激発生部による多点触覚情報呈示において、均一刺激を可能にしている。また、第3の実施の形態では、振動刺激の代わりに温冷刺激としている。
図10に示すように、刺激子221は温冷刺激を可能とするために、温度制御素子に取り付けられている。温度制御素子は、例えば、ペルチェ(Peltier)素子222である。ペルチェ素子222は、二つの異種金属または半導体を電気的に直列に接合して直流電流を流した際に、その接合部分でジュール熱以外の吸熱および発熱する現象であるペルチェ効果を利用したものである。ペルチェ素子は、任意数のP型とN型半導体を交互に銅電極で電気的に直列に接合配列し、この素子に電流を流すと熱の移動が始まり、流す電流を変えることで吸熱面と放熱面を入れ替えることができる。
(制御部30)
制御部30は、ペルチェ素子222への通電制御等を行なうための、例えばマイクロコンピュータで構成されている。制御部30は、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成される。また、制御部30は、ペルチェ素子222への通電を行なうための出力回路部(ドライバ部)を備えることができる。
制御部30は、ペルチェ素子222への通電制御等を行なうための、例えばマイクロコンピュータで構成されている。制御部30は、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成される。また、制御部30は、ペルチェ素子222への通電を行なうための出力回路部(ドライバ部)を備えることができる。
制御部30は、刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する。制御部30は、複数のペルチェ素子222に所定の順序で通電制御することにより、上記ペルチェ素子222に対応した刺激子221を加熱、冷却させる。これにより、ユーザ(操作者)に温冷刺激を与え、的確な仮現運動を知覚させることができる。
制御部30は、第1の実施の形態と同様に、各種電子機器、例えば、生体センシング、クリアランスソナー、バックソナー、ブラインドスポットモニター等に接続されている。制御部30は、これらの電子機器から入力される信号に基づいて、仮現運動の知覚現象により、ユーザ(操作者)に対して、例えば、注意喚起方向を呈示すること等ができる。
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係る触覚情報呈示装置は、操作者の手100を載置可能な載置部10と、弾性体に支持された刺激子を備え、載置部10に搭載され、手100の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える刺激発生部20と、刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する制御部30と、有し、弾性体のバネ定数が均一刺激を実現可能なバネ定数に設定されるように構成されている。各部位に対応する刺激発生部の弾性体のバネ定数を変更し、均一刺激を可能としている。これにより、仮現運動等の触覚呈示を行なう場合、操作者の手に対して均一刺激を可能とすることができる。また、指先部、指尖球部、手のひら中央部の刺激発生運動の呈示も違和感なく実現できる。
(2)本実施の形態に係る触覚情報呈示装置が車両に搭載された場合は、操作者に対して、例えば、車両の走行時の安全性に関する情報を呈示することができる。第1の実施の形態では、車両の前後方向の振動刺激、温冷刺激の呈示により、クリアランスソナー、バックソナー等の検知結果を車両の走行時の安全性に関する情報として、操作者に対して仮現運動として知覚させることができる。
(3)また、第2の実施の形態では、刺激発生部が2次元的に配列されているので、車両の前後方向及び左右方向の振動刺激、温冷刺激の呈示により、ブラインドスポットモニター等の検知結果を車両の走行時の安全性に関する情報として、操作者に対して仮現運動として知覚させることができる。
(4)本実施の形態に係る触覚情報呈示装置は、車両のステアリング、ドアアームレスト、センターコンソール等に配置、搭載することができ、自動運転車にも適用が可能である。
本発明の実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係る触覚情報呈示装置は、操作者の手100を載置可能な載置部10と、弾性体に支持された刺激子を備え、載置部10に搭載され、手100の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える刺激発生部20と、刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する制御部30と、有し、弾性体のバネ定数が均一刺激を実現可能なバネ定数に設定されるように構成されている。各部位に対応する刺激発生部の弾性体のバネ定数を変更し、均一刺激を可能としている。これにより、仮現運動等の触覚呈示を行なう場合、操作者の手に対して均一刺激を可能とすることができる。また、指先部、指尖球部、手のひら中央部の刺激発生運動の呈示も違和感なく実現できる。
(2)本実施の形態に係る触覚情報呈示装置が車両に搭載された場合は、操作者に対して、例えば、車両の走行時の安全性に関する情報を呈示することができる。第1の実施の形態では、車両の前後方向の振動刺激、温冷刺激の呈示により、クリアランスソナー、バックソナー等の検知結果を車両の走行時の安全性に関する情報として、操作者に対して仮現運動として知覚させることができる。
(3)また、第2の実施の形態では、刺激発生部が2次元的に配列されているので、車両の前後方向及び左右方向の振動刺激、温冷刺激の呈示により、ブラインドスポットモニター等の検知結果を車両の走行時の安全性に関する情報として、操作者に対して仮現運動として知覚させることができる。
(4)本実施の形態に係る触覚情報呈示装置は、車両のステアリング、ドアアームレスト、センターコンソール等に配置、搭載することができ、自動運転車にも適用が可能である。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…触覚情報呈示装置、10…載置部、11…載置部、12…曲面、12a…表面、13…開口部稜線、14…開口部、20…刺激発生部、21…刺激子、21a…突起部、21b…突起ベース部、21c…上端部、22…コイル部、25…電磁アクチュエータ、26…ヨーク部、26a…センター部、27…永久磁石、30…制御部、40…バネ、40a…一端部、40b…他端部
100…手、110、120、130…指先部、111、121、131…指尖球部、112、122、132…手のひら中央部
200…刺激発生部、221…刺激子、221a…突起部、222…ペルチェ素子
B…磁束、D…突出量、L、L1、L2、L3…法線方向
100…手、110、120、130…指先部、111、121、131…指尖球部、112、122、132…手のひら中央部
200…刺激発生部、221…刺激子、221a…突起部、222…ペルチェ素子
B…磁束、D…突出量、L、L1、L2、L3…法線方向
Claims (8)
- 操作者の手を載置可能な載置部と、
弾性体に支持された刺激子を備え、前記載置部に搭載され、前記手の少なくとも2か所の部位に対して刺激を与える刺激発生部と、
前記刺激発生部を駆動し、各種電子機器から受け取った情報に合わせた刺激を発生させるように調整する制御部と、有し、
前記弾性体のバネ定数が均一刺激を実現可能なバネ定数に設定された、触覚情報呈示装置。 - 前記制御部は、刺激の強度及びパターンを調整する、請求項1に記載の触覚情報呈示装置。
- 前記刺激子は、前記載置部の外形の開口部稜線から前記弾性体の付勢により突出しており、前記開口部稜線の法線方向に変位可能とされている、請求項1又は2に記載の触覚情報呈示装置。
- 前記バネ定数は、知覚感度が低い部位では大きく、知覚感度が高い部位では小さく設定されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の触覚情報呈示装置。
- 前記刺激発生部は、前記刺激として振動刺激を発生させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の触覚情報呈示装置。
- 前記刺激発生部は、前記刺激として温冷刺激を発生させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の触覚情報呈示装置。
- 前記部位は、前記手の、指先部、指尖球部、手のひら中央部を含む複数の部位である、請求項1から6のいずれか1項に記載の触覚情報呈示装置。
- 前記載置部は、車両に搭載され、前記制御部は、前記車両の走行時の安全性に関する情報を呈示する、請求項1から7のいずれか1項に記載の触覚情報呈示装置。
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