JP2019184288A - 気体分析装置及びこの装置に適用するマスク - Google Patents

気体分析装置及びこの装置に適用するマスク Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置において、より高精度な分析が可能な気体分析装置を提供することにある。【解決手段】上記課題を解決するために、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置であって、前記気体試料に含まれる水分を付着するフィルタ部と、前記フィルタ部を通過した気体を質量分析法により分析する質量分析部と、を備えたことを特徴とする気体分析装置を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、プラントの排ガスや呼気ガス等の水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置、及び、気体分析装置に適用するマスクに関する。
大気等の気体を分析する装置として、質量分析法による気体分析装置が知られている。質量分析法による気体分析装置では、水分を多量に含む気体試料を測定すると、検出感度及び再現性が著しく低下する。これは、気体試料に含まれる水分が質量分析計の管壁や電極に付着し、管壁や電極に水分が蓄積することに起因する。管壁等に蓄積した水分は、次の測定の際に、不定期に再放出され、測定対象ガス濃度の相対的な希釈化やバックグラウンド値の不規則変動を引き起こし、検出感度や再現性が低下する。
これに対して、特許文献1には、大気等の気体に含まれる微量成分の分析に使用するための気体分析装置が開示されている。この気体分析装置は、気体試料をパルス的に流すことにより、従来の気体を連続的に流す装置に比べて四極子型質量分析計の管壁や電極が気体試料に触れる度合いが少なくなり、測定対象ガスに対する検出感度の低下を防ぐことができるものである。
特開2006−53003号公報
本発明の課題は、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置において、より高精度な分析が可能な気体分析装置を提供することにある。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置において、気体試料に含まれる水分をフィルタ部で取り除くことにより、質量分析の検出感度や再現性が高まることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の気体分析装置である。
上記課題を解決するための本発明の気体分析装置は、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置であって、気体試料に含まれる水分を付着するフィルタ部と、前記フィルタ部を通過した気体を質量分析法により分析する質量分析部と、を備えたことを特徴とする。
この気体分析装置によれば、水分を付着するフィルタ部を備えているため、水分を含有する気体試料から水分を取り除くことができる。よって、フィルタ部を通過した気体を質量分析することにより、検出感度や再現性を高め、より高精度な分析を実現する。
また、本発明の気体分析装置の一実施態様としては、質量分析部の真空領域に気体試料を導入する試料導入部と、を備え、フィルタ部は、試料導入部に設けられているという特徴を有する。
この特徴によれば、試料導入部にフィルタ部が設けられているため、気体試料を質量分析部の真空領域に導入する直前に、気体試料から水分を取り除くことができる。よって、水分が十分に低減された気体試料を、確実に質量分析部に導入することが可能となる。
また、本発明の気体分析装置の一実施態様としては、フィルタ部に付着した付着物質を分析する付着物質分析部を備えるという特徴を有する。
フィルタ部には、水分と共に、水分に溶解する水溶性成分も付着する。そのため、フィルタ部に付着した付着物質を分析する付着物質分析部を備えることにより、気体試料に含まれる多様な成分を分析することが可能となる。
また、本発明の気体分析装置の一実施態様としては、フィルタ部は、取り外して使用可能なマスクであるという特徴を有する。
気体試料に僅かに含有する水溶性成分を測定するには、フィルタ部に水溶性成分を濃縮する必要がある。そのため、気体試料として呼気ガスを測定する場合には、気体分析装置に多量に呼気ガスを吹き込むことになり、被験者に過度な負担が生じる。しかし、フィルタ部を取り外して使用可能なマスクとするという特徴によれば、被験者がマスクを装着して所定時間生活するだけで、呼気ガス中の水溶性成分をフィルタ部に濃縮できる。これにより、被験者に過度な負担が生じることなく、呼気ガスに含まれる微量の水溶性成分を測定することができる。
また、本発明の気体分析装置の一実施態様としては、フィルタ部に付着した付着物質を気化させる気化部を備えるという特徴を有する。
この特徴によれば、付着物質をガス化して、分光分析や質量分析等の精密分析装置に供することができる。
上記課題を解決するための本発明の気体分析装置は、呼気ガスを分析するための気体分析装置であって、呼気ガスに含まれる水分を付着するマスクと、前記マスクを保持するフィルタ保持部と、前記マスクに付着した付着物質を分析する付着物質分析部と、を備えたことを特徴とする。
この気体分析装置によれば、マスクを保持するフィルタ保持部を備えるため、被験者が装着したマスクを気体分析装置に直接取り付けて、マスクに付着した呼気ガス中の水溶性成分を測定することができる。
また、本発明の気体分析装置の一実施態様としては、マスクに付着した付着物質を気化させる気化部を備えるという特徴を有する。
この特徴によれば、付着物質をガス化して、分光分析や質量分析等の精密分析装置に供することができる。
上記課題を解決するための本発明のマスクは、上記の気体分析装置に適用するためのマスクであって、呼気ガスに含まれる水分を付着することを特徴とする。
このマスクによれば、呼気ガスに含まれる水溶性成分を付着するため、所定時間装着することにより呼気ガス中の水溶性成分が濃縮される。そして、このマスクを気体分析装置に適用することにより、呼気ガス中の微量の水溶性成分を測定することができる。
上記課題を解決するための本発明の気体分析方法は、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析方法であって、前記気体試料を、水分を付着するフィルタ部に通過するフィルタ工程と、前記フィルタ部を通過した気体を質量分析法により分析する質量分析工程と、を備えたことを特徴とする。
この気体分析方法によれば、気体試料を、水分を付着するフィルタ部に通過するフィルタ工程を備えているため、水分を含有する気体試料から水分を取り除くことができる。よって、フィルタ部を通過した気体を質量分析することにより、検出感度や再現性を高め、より高精度な分析を実現する。
上記課題を解決するための本発明の気体分析方法は、呼気ガスを分析するための気体分析方法であって、前記呼気ガスを、水分を付着するマスクに通過するフィルタ工程と、前記マスクに付着した付着物質を分析する付着物質分析工程と、を備えたことを特徴とする。
この気体分析方法によれば、呼気ガスを、水分を付着するマスクに通過するフィルタ工程を備えるため、被験者が装着したマスクを気体分析装置に直接取り付けて、マスクに付着した呼気ガス中の水溶性成分を測定することができる。
本発明によれば、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置において、より高精度な分析が可能な気体分析装置を提供することができる。
本発明の第1の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第2の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第3の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第4の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第5の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第6の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第7の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第8の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。 本発明の第9の実施態様の気体分析装置の構造を示す概略説明図である。
本発明の気体分析装置は、水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置であって、気体試料に含まれる水分を付着するフィルタ部と、前記フィルタ部を通過した気体を質量分析法により分析する質量分析部と、を備えたことを特徴とするものである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る気体分析装置の実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する気体分析装置の各部の構造については、本発明に係る気体分析装置を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。また、各部の構造や作動についての説明は、気体分析方法の各工程を説明するものとする。
[第1の実施態様]
図1は、本発明の第1の実施態様の気体分析装置1Aの構造を示す概略説明図である。
図1に示すように、気体分析装置1Aは、気体試料を質量分析部3に導入する試料導入部6と、気体試料を質量分析するための質量分析部3を具備する。試料導入部6は、水分を含有する気体試料を充填するガスリザーバー61と、ガスリザーバー61と質量分析部3のマニホールド33を連結する配管L1を備えており、ガスリザーバー61に充填された気体試料は、この配管L1を通ってマニホールド33に導入される。さらに、この配管L1には、水分を付着するフィルタ部2が設置されており、水分を含有する気体試料は、配管に設置されたフィルタ部2を通過することにより、水分が除去される。
(質量分析部)
質量分析部3は、質量分析法により気体を測定する装置であり、例えば、磁場偏向型、四極子型、イオントラップ型、飛行時間型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型等の質量分析装置が挙げられる。小型であり、かつ、高速走査が可能であることから、四極子型質量分析装置が好ましい。
図1に、第1の実施態様の質量分析部3として四極子型質量分析装置の例を示す。質量分析部3は、気体試料中の成分をイオン化するイオン源32と、イオン化された成分を質量によって分離し、測定する四極子型質量分析計31と、ターボ分子ポンプ51とダイヤフラムポンプ52からなる真空排気装置5と、を備えている。真空排気装置5は、配管L3を介して四極子型質量分析計31及びイオン源32と連結しており、四極子型質量分析計31及びイオン源32を真空状態とする。
四極子型質量分析計31及びイオン源32の前段には、マニホールド33を備えており、マニホールド33は、試料導入部6の配管L1に連結している。また、マニホールド33の内部空間は、バイパス配管L2を介して配管L3に連結されており、真空排気装置5により真空状態とされている。なお、マニホールド33には、圧力計34が設けられており、内部空間を所定の圧力に設定することができる。大気圧の気体試料が試料導入部6からマニホールド33に導入されると、質量分析に適した気圧に調整され、所定の圧力に調整された気体試料は、マニホールド33に形成されたオリフィス35からイオン源32に供給される。
(試料導入部)
試料導入部6は、図1に示すように、ガスリザーバー61と、ガスリザーバー61とマニホールド33を連結する配管L1を備えている。ガスリザーバー61には、分析対象となる水分を含有する気体試料が充填され、配管L1を介して、質量分析部3の真空領域に気体試料を導入する。
分析対象となる水分を含有する気体試料は、特に制限されないが、例えば、呼気ガス、プラントの排ガス、自動車の排気ガス等が挙げられる。また、気体試料の相対湿度としては、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上であり、更に好ましくは50%以上であり、特に好ましくは60%以上である。なお、本発明の気体試料の相対湿度とは、常温(25℃)における飽和水蒸気量に対する気体試料中の水蒸気量の比率である。気体試料の相対湿度が高い場合には、質量分析における検出感度や再現性が著しく低下することから、本発明の効果がより発揮される。例えば、相対湿度が60%以上である呼気は、本発明の効果を特に顕著に発揮し得る。
試料導入部6の配管L1には、バルブV1が設けられており、ガスリザーバー61からマニホールド33への気体試料の供給量を調整することができる。供給量としては、特に制限されないが、マニホールド33の内部空間容量の1/1000以下であることが好ましく、1/2000以下であることがより好ましい。これにより、気体試料をマニホールド33に導入した際に、自動的に圧力が下がるため、真空装置5の負荷を低減できる。
なお、試料導入部6から気体試料の供給量を調整する手段は、特に制限されず、例えば、配管L1に2つのバルブを設け、このバルブの間に、マニホールド33に供給する気体試料のための小空間を形成してもよい。この手段では、配管L1のマニホールド33側のバルブを閉じた状態で、ガスリザーバー61側のバルブを開放し、ガスリザーバー61から気体試料を小空間に導入する。次に、ガスリザーバー61側のバルブを閉じ、マニホールド33側のバルブを開放して、小空間の気体試料をマニホールド33に導入する。この手段によれば、所定の容量に設定された小空間から気体試料が導入されるため、一定の容量の気体試料をマニホールド33に導入することができる。
また、試料導入部6には、フィルタ部2が脱着可能に設置されている。ガスリザーバー61側は大気圧下であるため、気体試料を質量分析部3に導入する際には、ガスリザーバー61から多量の気体が流れ込まないように、バルブV1を慎重に開閉する必要がある。試料導入部6にフィルタ部2を設置することにより、フィルタ部2の前後に差圧が生じるため、気体が質量分析部3に急速に流れ込むことを抑制し、質量分析部3の真空環境を保護しやすいという効果を奏する。
(フィルタ部)
フィルタ部2は、気体試料に含まれる水分を付着するフィルタである。気体試料をフィルタ部2に通過させることにより、気体試料中の水分量を低下し、質量分析の精度を向上することができる。質量分析の精度を向上するという観点から、フィルタ部2を通過した気体試料の相対湿度としては、好ましくは50%以下であり、より好ましくは40%以下であり、更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは20%以下である。
例えば、フィルタ部2として、フィルタ通過後の気体試料の相対湿度をフィルタ通過前の気体試料の相対湿度よりも20%以上低減するものを好適に採用し得る。より好ましくは、30%以上低減するものであり、更に好ましくは40%以上低減するものであり、特に好ましくは50%以上低減するものである。
フィルタ部2の形状は、特に制限されないが、例えば、不織布、濾布、中空糸膜等が挙げられる。簡易的な構造物であり、フィルタ性能、水分付着性能に優れるという観点から、不織布が好ましい。更には、不織布を多層構造とし、気体の通過方向に向かってメッシュ径が密となるように設計することが好ましい。
また、フィルタ部2に吸湿物質を含んでもよい。吸湿物質としては、例えば、シリカゲル(A形、B形)、活性炭、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、アロフェン、ゼオライト、クレイなどの細孔に水分を付着する物理的吸湿物質や、塩化カルシウム、生石灰などの化学反応や潮解性を利用して水分を付着する化学的吸湿物質などが挙げられる。フィルタ部2に付着した水溶性成分を分析することを鑑みると、物理的吸湿物質が好ましく、加熱等により容易に分離できるという観点から、シリカゲルがより好ましく、シリカゲル(A形)が特に好ましい。なお、吸湿物質をフィルタ部2に含有する方法としては、特に制限されず、例えば、不織布、濾布等のシートの間に挟むように含有してもよいし、不織布の製造時に不織布に絡めて含有してもよい。
(気体分析装置の作動について)
次に、気体分析装置1Aの作動について説明する。
気体分析装置1Aにより気体試料を分析する方法としては、配管L3に設けられたバルブV3を開き、真空排気装置5により、マニホールド33内、四極子型質量分析計31及びイオン源32内を高真空に排気し、四極子型質量分析計31を作動状態とする。次に、バルブV1を適度に開き、ガスリザーバー61から気体試料をマニホールド33内に供給する。マニホールド33には圧力計34があり、気体試料の供給量は、マニホールド33内の圧力を所定の圧力となるように調整する。この時、マニホールド33内の圧力としては、好ましくは50Pa以下に低減させることが好ましい。
なお、気体試料の供給量が多くなり、マニホールド33内の圧力が四極子型質量分析計31の正常動作圧力の上限を超えた場合には、配管L2に設けられたバルブV2を開き、マニホールド33内の圧力を調整することができる。また、その際、配管L3に設けられたバルブV3を閉じることにより、四極子型質量分析計31への逆流を防止することができる。
気体試料は、マニホールド33に供給される前に、配管L1に設けられたフィルタ部2を通過する。これにより、水分を含有する気体試料から水分を取り除くことができる。よって、フィルタ部を通過した気体を質量分析することにより、検出感度や再現性を高め、より高精度な分析を実現する。
マニホールド33に供給された気体試料は、オリフィス35から四極子型質量分析計31のイオン源32に供給され、マススペクトルを測定する。
[第2の実施態様]
図2は、本発明の第2の実施態様の気体分析装置1Bの構造を示す概略説明図である。
本発明の第2の実施態様の気体分析装置1Bは、図2に示すように、ガスリザーバー61に変えて、鼻口を覆う呼気ガス導入部7を備えた装置である。その他の構成は第1の実施態様と同様である。
被験者の顔を呼気ガス導入部7に当てて呼気ガスを吹き込むと、マニホールド33内に供給される呼気ガスの量が変動して、供給量を調整できないという問題がある。呼気ガスの供給量が多い場合には、配管L2を介して真空排気装置5に排気することができる。配管L2への排気量の調整は、バルブV2の開閉度により調整され、バルブV2の開閉度は、マニホールド33内の圧力に応じて制御する。また、バルブV2を開いてマニホールド33内の圧力を制御する際に、配管L3のバルブV3を閉じることにより、四極子型質量分析計31への呼気ガスの逆流を防止することができる。
この第2の実施態様の気体分析装置1Bによれば、呼気ガスを直接測定することができるため、呼気ガスの測定が簡素化する。
また、試料導入部6の配管L1には、呼気ガスに含まれる水分を付着するフィルタ部2が設置されているため、質量分析部3への水分の流入を抑制することができる。これにより、呼気ガスを直接吹き込む場合でも、高精度かつ再現性に優れた分析が可能となる。
[第3の実施態様]
図3は、本発明の第3の実施態様の気体分析装置1Cの構造を示す概略説明図である。
本発明の第3の実施態様の気体分析装置1Cは、図3に示すように、フィルタ部として、取り外して使用可能なマスク2Aを備えた装置である。その他の構成は第2の実施態様と同様である。
マスク2Aの使用方法としては、被験者にマスク2Aを装着し、呼気ガス導入部7に顔を当てて、マスク2A越しに呼気を吹き込む。フィルタ部としてマスク2Aを使用することにより、フィルタ部の交換作業が簡単になる。
また、呼気ガスに僅かに含有する水溶性成分を測定する場合には、フィルタ部に水溶性成分を濃縮する必要がある。フィルタ部としてマスク2Aを使用すると、被験者がマスク2Aを装着して所定時間生活するだけで、呼気ガス中の水溶性成分をフィルタ部に濃縮できる。これにより、呼気ガスに含まれる微量の水溶性成分を測定することができる。
なお、マスク2Aは、被験者に装着したまま日用品のマスクとしても使用することも可能である。
[第4の実施態様]
図4は、本発明の第4の実施態様の気体分析装置1Dの構造を示す概略説明図である。
本発明の第4の実施態様の気体分析装置1Dは、図4に示すように、第1の実施態様の気体分析装置1Aのフィルタ部2に、フィルタ部2に水分と共に付着した付着物質を気化させる気化部9を備えた装置である。
付着物質としては、気体試料に含まれる物質であれば特に制限されないが、例えば、呼気ガスでは、アセトンやエタノール等が挙げられ、排ガス等では、アンモニア等が挙げられる。付着物質が揮発成分の場合には、フィルタ部2を通過して質量分析部3でも検出可能であるが、フィルタ部2に付着したものを更に分析することにより、より信頼性の高い分析が可能となる。
気化部9は、フィルタ部2に付着した付着物質を気化させるものであれば、特に制限されず、例えば、加熱により気化する加熱部、紫外線等の高エネルギー線を照射して気化する高エネルギー線照射部、減圧により気化する減圧部などが挙げられる。簡便に気化することが可能であるという観点から、加熱部、高エネルギー線照射部、減圧部が好適に利用することができる。
気化部9により付着物質を気化することにより、フィルタ部2に付着した付着物質を質量分析部3で分析することができる。
[第5の実施態様]
図5は、本発明の第5の実施態様の気体分析装置1Eの構造を示す概略説明図である。
本発明の第5の実施態様の気体分析装置1Eは、図5に示すように、フィルタ部2に付着した付着物質を分析する付着物質分析部8を備えた装置である。その他の構成は第1の実施態様と同様である。
付着物質分析部8は、どのような測定装置であってもよく、例えば、赤外線や紫外線等を用いる分光分析装置、質量分析装置、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどが挙げられる。フィルタ部2に付着した付着物質を分析する際には、フィルタ部2に付着した状態で分析してもよく、付着物質を気化して気体としても、溶媒で抽出して溶液として分析してもよい。
[第6の実施態様]
図6は、本発明の第6の実施態様の気体分析装置1Fの構造を示す概略説明図である。
本発明の第6の実施態様の気体分析装置1Fは、図6に示すように、第5の実施態様の気体分析装置1Eのフィルタ部2に気化部9を備えた装置である。
この気体分析装置1Fによれば、フィルタ部2の付着物質をガス化するため、質量分析部3で分析することができる。更に、分光分析等の付着物質分析部8を備えるため、付着物質を多面的に分析することができる。
[第7の実施態様]
図7は、本発明の第7の実施態様の気体分析装置1Gの構造を示す概略説明図である。
本発明の第7の実施態様の気体分析装置1Gは、図7に示すように、第3の実施態様の気体分析装置1Cに付着物質分析部8を備えた装置である。また、呼気ガス導入部7には、マスク2Aを保持するためのフィルタ保持部10を具備する。
このフィルタ保持部10は、呼気ガス導入部7の縁に回動可能に取り付けられた係止片である。これにより、マスク2Aを呼気ガス導入部7に固定することができる。なお、フィルタ保持部10は、マスク2Aに付着した付着物質を付着物質分析部8で分析する際に、マスク2Aを保持することができれば、どのような構造物でもよい。例えば、マスク2Aを内部に載置して保持する筐体などでもよい。
[第8の実施態様]
図8は、本発明の第8の実施態様の気体分析装置1Hの構造を示す概略説明図である。
本発明の第8の実施態様の気体分析装置1Hは、図8に示すように、呼気ガスを分析するための気体分析装置であり、呼気ガスに含まれる水分を吸着するマスク2Aと、マスク2Aを保持するためのフィルタ保持部10と、マスク2Aに付着した付着物質を分析する付着物質分析部8を具備する。なお、フィルタ保持部10は、マスク2Aを内部に載置するための筐体である。
この気体分析装置1Hは、呼気ガスに含まれる水溶性成分を分析するための装置である。この気体分析装置1Hによれば、マスク2Aを被験者に装着して所定時間生活することにより、呼気ガスに含まれる水溶性の微量成分が濃縮される。そして、このマスク2Aに付着した水溶性成分を付着物質分析部8で分析することにより、呼気ガスに含まれる微量の水溶性成分を測定することができる。
[第9の実施態様]
図9は、本発明の第9の実施態様の気体分析装置1Iの構造を示す概略説明図である。
本発明の第9の実施態様の気体分析装置1Iは、図9に示すように、第8の気体分析装置1Hに気化部9を備えた装置である。気化部9は、筐体であるフィルタ保持部10を加熱する加熱部である。気化部9は、筐体の内部の温度を上昇し、50〜90℃程度に調整する。これにより、水分に溶解してマスク2Aに付着した水溶性成分が気化して、分光分析、質量分析、ガスクロマトグラフィー等の気体分析装置で分析することができる。
なお、フィルタ保持部10として筐体を使用することにより、筐体の内部の環境を調整することができるため、気化部9による気化の条件を精密に制御することができる。
本発明の気体分析装置は、例えば、呼気ガス、プラントの排ガス、自動車の排気ガス等の水分を含有する気体試料の微量成分分析等に使用することができる。
また、本発明の気体分析装置は、水分を取り除いた気体の分析だけでなく、水分中に含まれる水溶性成分の分析等にも使用することができる。
疾病患者の呼気ガスには、疾病に特徴的な成分が含まれる場合がある。本発明の気体分析装置によれば、微量な成分も検出できることから、疾病の診断等に利用することができる。また、水分に含まれる水溶性成分も測定することができるため、多種類の成分を検出することができる。そのため、多様な疾病の診断に応用することができる。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1G,1H,1I…気体分析装置、2…フィルタ部、2A…マスク、3…質量分析部、31…四極子型質量分析計、32…イオン源、33…マニホールド、34…圧力計、35…オリフィス、5…真空排気装置、51…ターボ分子ポンプ、52…ダイヤフラムポンプ、6…試料導入部、61…ガスリザーバー、7…呼気ガス導入部、8…付着物質分析部、9…気化部、10…フィルタ保持部、L1,L2,L3…配管、V1,V2,V3…バルブ


Claims (10)

  1. 水分を含有する気体試料を分析するための気体分析装置であって、
    前記気体試料に含まれる水分を付着するフィルタ部と、
    前記フィルタ部を通過した気体を質量分析法により分析する質量分析部と、を備えたことを特徴とする気体分析装置。
  2. 前記質量分析部の真空領域に前記気体試料を導入する試料導入部と、を備え、
    前記フィルタ部は、前記試料導入部に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の気体分析装置。
  3. 前記フィルタ部に付着した付着物質を分析する付着物質分析部を備えたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の気体分析装置。
  4. 前記フィルタ部は、取り外して使用可能なマスクであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の気体分析装置。
  5. 前記フィルタ部に付着した付着物質を気化させる気化部を備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の気体分析装置。
  6. 呼気ガスを分析するための気体分析装置であって、
    呼気ガスに含まれる水分を付着するマスクと、
    前記マスクを保持するフィルタ保持部と、
    前記マスクに付着した付着物質を分析する付着物質分析部と、を備えたことを特徴とする気体分析装置。
  7. 前記マスクに付着した付着物質を気化させる気化部を備えたことを特徴とする、請求項6に記載の気体分析装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の気体分析装置に適用するためのマスクであって、呼気ガスに含まれる水分を付着することを特徴とする、マスク。
  9. 水分を含有する気体試料を分析するための気体分析方法であって、
    前記気体試料を、水分を付着するフィルタ部に通過するフィルタ工程と、
    前記フィルタ部を通過した気体を質量分析法により分析する質量分析工程と、を備えたことを特徴とする気体分析方法。
  10. 呼気ガスを分析するための気体分析方法であって、
    前記呼気ガスを、水分を付着するマスクに通過するフィルタ工程と、
    前記マスクに付着した付着物質を分析する付着物質分析工程と、を備えたことを特徴とする気体分析方法。


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