JP2019183058A - グラフトポリマー及び撥水撥油剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】造膜性に優れ、物品の表面に優れた撥油性及び柔軟な風合いを付与できるグラフトポリマー及び撥水撥油剤組成物を提供する。【解決手段】幹ポリマーと枝ポリマーとからなるグラフトポリマーであり、前記枝ポリマーとして、下記モノマーaに基づく単位を有し、前記モノマーaに基づく単位の含有量が95モル%以上である第1の枝ポリマーを有し、前記第1の枝ポリマーの含有量が、前記グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し25〜70質量%であるグラフトポリマー。モノマーa:ポリフルオロアルキル基を有するモノマー。【選択図】なし
Description
本発明は、グラフトポリマー及び撥水撥油剤組成物に関する。
繊維製品等の物品の表面に撥水撥油性を付与する方法としては、炭素数が8以上のポリフルオロアルキル基(以下、ポリフルオロアルキル基を「Rf基」とも記す。)を有するポリマーを媒体に分散させたエマルションからなる撥水撥油剤組成物を用いて物品を処理する方法が知られている。
しかし、最近、EPA(米国環境保護庁)によって、炭素数が8以上のペルフルオロアルキル基(以下、ペルフルオロアルキル基を「RF基」とも記す。)を有する化合物は、環境、生体中で分解し、分解生成物が蓄積する点、すなわち環境負荷が高い点が指摘されている。そのため、炭素数が8以上のRF基を有しない撥水撥油剤組成物が求められている。
しかし、最近、EPA(米国環境保護庁)によって、炭素数が8以上のペルフルオロアルキル基(以下、ペルフルオロアルキル基を「RF基」とも記す。)を有する化合物は、環境、生体中で分解し、分解生成物が蓄積する点、すなわち環境負荷が高い点が指摘されている。そのため、炭素数が8以上のRF基を有しない撥水撥油剤組成物が求められている。
環境負荷が低い撥水剤組成物として、下記の撥水剤組成物が提案されている。
水酸基又はアミノ基を有するチオール化合物の存在下、Rf基を有さず、炭素数が20〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物を重合して得られた水酸基又はアミノ基を有するオリゴマーと、イソシアネート基を2つ以上有する化合物とを反応させて得られた化合物を含む撥水剤組成物(特許文献1)。
特許文献1には、撥水性のさらなる向上、撥油性の発現のために、モノマー混合物にRf基を有するモノマーをさらに含有させることが記載されている。特許文献1の実施例2では、α−チオグリセロールの1.00g、ベヘニルアクリレートの16.23g、C6F13C2H4OC(O)C(CH3)=CH2の5.51gを反応させてオリゴマーを得ている。
水酸基又はアミノ基を有するチオール化合物の存在下、Rf基を有さず、炭素数が20〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物を重合して得られた水酸基又はアミノ基を有するオリゴマーと、イソシアネート基を2つ以上有する化合物とを反応させて得られた化合物を含む撥水剤組成物(特許文献1)。
特許文献1には、撥水性のさらなる向上、撥油性の発現のために、モノマー混合物にRf基を有するモノマーをさらに含有させることが記載されている。特許文献1の実施例2では、α−チオグリセロールの1.00g、ベヘニルアクリレートの16.23g、C6F13C2H4OC(O)C(CH3)=CH2の5.51gを反応させてオリゴマーを得ている。
しかし、特許文献1の実施例2の撥水剤組成物は、造膜性が充分でない。造膜性が低いと、塗膜欠陥が多くなるため、造膜性の高い撥水剤組成物と同等の撥水撥油性を得るためには、布面積当たりの塗布量を増やすか、造膜助剤を添加しなければならないという問題が生じる。
ところで、繊維製品等の物品には、用途によっては、柔軟な風合いが求められることがある。特許文献1では、物品の風合いについて検討されていない。
ところで、繊維製品等の物品には、用途によっては、柔軟な風合いが求められることがある。特許文献1では、物品の風合いについて検討されていない。
本発明の目的は、造膜性に優れ、物品の表面に優れた撥油性及び柔軟な風合いを付与できるグラフトポリマー及び撥水撥油剤組成物を提供することにある。
本発明は、以下の〔1〕〜〔10〕の構成を有する、グラフトポリマー及び撥水撥油剤組成物を提供する。
〔1〕幹ポリマーと枝ポリマーとからなるグラフトポリマーであり、
前記枝ポリマーとして、下記モノマーaに基づく単位を有し、前記モノマーaに基づく単位の含有量が95モル%以上である第1の枝ポリマーを有し、
前記第1の枝ポリマーの含有量が、前記グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し25〜70質量%であるグラフトポリマー。
モノマーa:ポリフルオロアルキル基を有するモノマー。
〔2〕前記グラフトポリマーが、
前記枝ポリマーとして、下記モノマーbに基づく単位を有し、前記モノマーbに基づく単位の含有量が95モル%以上である第2の枝ポリマーをさらに有し、
前記第2の枝ポリマーの含有量が、前記グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し、30〜75質量%である〔1〕のグラフトポリマー。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度が50〜150℃であるモノマー。
〔3〕前記モノマーbが、炭素数12〜30の直鎖アルキル基を有するモノマー、環状構造を有するモノマー、及び炭素数3〜30の分岐アルキル基を有するモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である〔2〕のグラフトポリマー。
〔4〕前記モノマーaが、下式1で表される〔1〕〜〔3〕のいずれかのグラフトポリマー。
(Z−L)nX ・・・式1
ただし、Zは、炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、又は下式2で表される基であり、Lは、2価有機基又は単結合であり、nは、1又は2であり、Xは、nが1の場合は、下式3−1〜3−6のいずれかで表される基であり、nが2の場合は、下式4−1〜4−4のいずれかで表される基である。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
−CR1=CH2 ・・・式3−1
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR3=CH2]− ・・・式4−1
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。
〔5〕グラフト率が80質量%以上である〔1〕〜〔4〕のいずれかのグラフトポリマー。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかのグラフトポリマーを含む、撥水撥油剤組成物。
〔7〕幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、前記枝ポリマーとして、下記モノマーaに基づく単位を有し、前記モノマーaに基づく単位の含有量が95モル%以上である第1の枝ポリマーを有する第1のグラフトポリマーと、
幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、前記枝ポリマーとして、下記モノマーbに基づく単位を有し、前記モノマーbに基づく単位の含有量が95モル%以上である第2の枝ポリマーを有する第2のグラフトポリマーと、
を含み、
前記第1の枝ポリマーの含有量が、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、25〜70質量%であり、
前記第2の枝ポリマーの含有量が、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、30〜75質量%である撥水撥油剤組成物。
モノマーa:ポリフルオロアルキル基を有するモノマー。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度が50〜150℃であるモノマー。
〔8〕前記モノマーbが、炭素数12〜30の直鎖アルキル基を有するモノマー、環状構造を有するモノマー、及び炭素数3〜30の分岐アルキル基を有するモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である〔7〕の撥水撥油剤組成物。
〔9〕前記モノマーaが、下式1で表される〔7〕または〔8〕の撥水撥油剤組成物。
(Z−L)nX ・・・式1
ただし、Zは、炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、又は下式2で表される基であり、Lは、2価有機基又は単結合であり、nは、1又は2であり、Xは、nが1の場合は、下式3−1〜3−6のいずれかで表される基であり、nが2の場合は、下式4−1〜4−4のいずれかで表される基である。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
−CR1=CH2 ・・・式3−1
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR3=CH2]− ・・・式4−1
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。
〔10〕前記第1のグラフトポリマーおよび前記第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率が80質量%以上である〔7〕〜〔9〕のいずれかの撥水撥油剤組成物。
〔1〕幹ポリマーと枝ポリマーとからなるグラフトポリマーであり、
前記枝ポリマーとして、下記モノマーaに基づく単位を有し、前記モノマーaに基づく単位の含有量が95モル%以上である第1の枝ポリマーを有し、
前記第1の枝ポリマーの含有量が、前記グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し25〜70質量%であるグラフトポリマー。
モノマーa:ポリフルオロアルキル基を有するモノマー。
〔2〕前記グラフトポリマーが、
前記枝ポリマーとして、下記モノマーbに基づく単位を有し、前記モノマーbに基づく単位の含有量が95モル%以上である第2の枝ポリマーをさらに有し、
前記第2の枝ポリマーの含有量が、前記グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し、30〜75質量%である〔1〕のグラフトポリマー。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度が50〜150℃であるモノマー。
〔3〕前記モノマーbが、炭素数12〜30の直鎖アルキル基を有するモノマー、環状構造を有するモノマー、及び炭素数3〜30の分岐アルキル基を有するモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である〔2〕のグラフトポリマー。
〔4〕前記モノマーaが、下式1で表される〔1〕〜〔3〕のいずれかのグラフトポリマー。
(Z−L)nX ・・・式1
ただし、Zは、炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、又は下式2で表される基であり、Lは、2価有機基又は単結合であり、nは、1又は2であり、Xは、nが1の場合は、下式3−1〜3−6のいずれかで表される基であり、nが2の場合は、下式4−1〜4−4のいずれかで表される基である。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
−CR1=CH2 ・・・式3−1
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR3=CH2]− ・・・式4−1
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。
〔5〕グラフト率が80質量%以上である〔1〕〜〔4〕のいずれかのグラフトポリマー。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかのグラフトポリマーを含む、撥水撥油剤組成物。
〔7〕幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、前記枝ポリマーとして、下記モノマーaに基づく単位を有し、前記モノマーaに基づく単位の含有量が95モル%以上である第1の枝ポリマーを有する第1のグラフトポリマーと、
幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、前記枝ポリマーとして、下記モノマーbに基づく単位を有し、前記モノマーbに基づく単位の含有量が95モル%以上である第2の枝ポリマーを有する第2のグラフトポリマーと、
を含み、
前記第1の枝ポリマーの含有量が、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、25〜70質量%であり、
前記第2の枝ポリマーの含有量が、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、30〜75質量%である撥水撥油剤組成物。
モノマーa:ポリフルオロアルキル基を有するモノマー。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度が50〜150℃であるモノマー。
〔8〕前記モノマーbが、炭素数12〜30の直鎖アルキル基を有するモノマー、環状構造を有するモノマー、及び炭素数3〜30の分岐アルキル基を有するモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である〔7〕の撥水撥油剤組成物。
〔9〕前記モノマーaが、下式1で表される〔7〕または〔8〕の撥水撥油剤組成物。
(Z−L)nX ・・・式1
ただし、Zは、炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、又は下式2で表される基であり、Lは、2価有機基又は単結合であり、nは、1又は2であり、Xは、nが1の場合は、下式3−1〜3−6のいずれかで表される基であり、nが2の場合は、下式4−1〜4−4のいずれかで表される基である。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
−CR1=CH2 ・・・式3−1
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR3=CH2]− ・・・式4−1
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。
〔10〕前記第1のグラフトポリマーおよび前記第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率が80質量%以上である〔7〕〜〔9〕のいずれかの撥水撥油剤組成物。
本発明のグラフトポリマーは、造膜性に優れる。また、物品の表面に優れた撥油性及び柔軟な風合いを付与できる。
本発明の撥水剤組成物は、造膜性に優れる。また、物品の表面に優れた撥油性及び柔軟な風合いを付与できる。
本発明の撥水剤組成物は、造膜性に優れる。また、物品の表面に優れた撥油性及び柔軟な風合いを付与できる。
本明細書における以下の用語の意味は、以下の通りである。
「グラフトポリマーのグラフト率」は、グラフトポリマーの総質量に対する枝ポリマーの割合(質量%)を示す。
「第1のグラフトポリマーおよび第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率」は、第1のグラフトポリマーのグラフト率(質量%)と第2のグラフトポリマーのグラフト率(質量%)とを加重平均した値である。
「モノマー」は、重合性不飽和基を有する化合物を意味する。
「単位」は、ポリマーにおいて、モノマー1分子が重合することで直接形成される原子団又は、この原子団の一部を化学変換することで得られる原子団を意味する。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
本明細書においては、式1で表される化合物を化合物1と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書においては、式2で表される基を基2と記す。他の式で表される基も同様に記す。
本明細書においては、モノマーに基づく単位を、モノマー単位とも記す。例えばモノマーaに基づく単位をモノマーa単位とも記す。
「グラフトポリマーのグラフト率」は、グラフトポリマーの総質量に対する枝ポリマーの割合(質量%)を示す。
「第1のグラフトポリマーおよび第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率」は、第1のグラフトポリマーのグラフト率(質量%)と第2のグラフトポリマーのグラフト率(質量%)とを加重平均した値である。
「モノマー」は、重合性不飽和基を有する化合物を意味する。
「単位」は、ポリマーにおいて、モノマー1分子が重合することで直接形成される原子団又は、この原子団の一部を化学変換することで得られる原子団を意味する。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
本明細書においては、式1で表される化合物を化合物1と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書においては、式2で表される基を基2と記す。他の式で表される基も同様に記す。
本明細書においては、モノマーに基づく単位を、モノマー単位とも記す。例えばモノマーaに基づく単位をモノマーa単位とも記す。
〔グラフトポリマー〕
本発明の第1の態様のグラフトポリマー(以下、「本グラフトポリマー」とも記す。)は、幹ポリマーと枝ポリマーとからなる。典型的には、幹ポリマーに複数の枝ポリマーが結合している。
枝ポリマーは、モノマーa単位を有する。枝ポリマーは、モノマーb単位をさらに有することが好ましい。枝ポリマーは、モノマーc単位をさらに有していてもよい。
モノマーa単位は、複数の枝ポリマーの一部に含まれていてもよく、全ての枝ポリマーに含まれていてもよい。モノマーb単位、モノマーc単位も同様である。
本発明の第1の態様のグラフトポリマー(以下、「本グラフトポリマー」とも記す。)は、幹ポリマーと枝ポリマーとからなる。典型的には、幹ポリマーに複数の枝ポリマーが結合している。
枝ポリマーは、モノマーa単位を有する。枝ポリマーは、モノマーb単位をさらに有することが好ましい。枝ポリマーは、モノマーc単位をさらに有していてもよい。
モノマーa単位は、複数の枝ポリマーの一部に含まれていてもよく、全ての枝ポリマーに含まれていてもよい。モノマーb単位、モノマーc単位も同様である。
モノマーa:Rf基を有するモノマー。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度(以下、「Tg」とも記す。)が50〜150℃であるモノマー。
モノマーc:モノマーa及びモノマーb以外のモノマー。
各モノマーについては後で詳しく説明する。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度(以下、「Tg」とも記す。)が50〜150℃であるモノマー。
モノマーc:モノマーa及びモノマーb以外のモノマー。
各モノマーについては後で詳しく説明する。
本グラフトポリマーは、枝ポリマーとして、モノマーa単位を有する第1の枝ポリマーを有する。第1の枝ポリマー中のモノマーa単位の含有量は95モル%以上であり、100モル%であってもよい。第1の枝ポリマーは、モノマーb単位、モノマーc単位をさらに含んでいてもよい。
第1の枝ポリマーの含有量は、本グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し25〜70質量%であり、30〜70質量%が好ましく、40〜70質量%が特に好ましい。第1の枝ポリマーの含有量が上記下限値以上であれば、造膜性が優れる。また、優れた撥油性を物品の表面に付与できる。第1の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。
第1の枝ポリマーの含有量は、本グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し25〜70質量%であり、30〜70質量%が好ましく、40〜70質量%が特に好ましい。第1の枝ポリマーの含有量が上記下限値以上であれば、造膜性が優れる。また、優れた撥油性を物品の表面に付与できる。第1の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。
本グラフトポリマーは、枝ポリマーとして、モノマーb単位を有する第2の枝ポリマーをさらに有することが好ましい。第2の枝ポリマー中のモノマーb単位の含有量は95モル%以上であり、100モル%であってもよい。第2の枝ポリマーは、モノマーa単位、モノマーc単位をさらに含んでいてもよい。
第2の枝ポリマーの含有量は、本グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し、35〜75質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。第2の枝ポリマーの含有量が上記下限値以上であれば、より柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。第2の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、造膜性がより優れる。また、より優れた撥油性を物品の表面に付与できる。
第2の枝ポリマーの含有量は、本グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し、35〜75質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。第2の枝ポリマーの含有量が上記下限値以上であれば、より柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。第2の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、造膜性がより優れる。また、より優れた撥油性を物品の表面に付与できる。
第1の枝ポリマーと第2の枝ポリマーとの質量比(第1の枝ポリマー/第2の枝ポリマー)は、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましく、30/70〜80/20が特に好ましい。第1の枝ポリマー/第2の枝ポリマーが上記下限値以上であれば、撥油性がより優れる。第1の枝ポリマー/第2の枝ポリマーが上記上限値以下であれば、耐久撥水性がより優れる。
本グラフトポリマーは、枝ポリマーとして、第1の枝ポリマーおよび第2の枝ポリマー以外の枝ポリマー(以下、「第3の枝ポリマー」とも記す。)をさらに有していてもよい。
第3の枝ポリマーの含有量は、本グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましく、0〜10質量%が特に好ましい。第3の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、造膜性がより優れる。また、物品の表面に、より優れた撥油性、及びより柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。
第3の枝ポリマーの含有量は、本グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましく、0〜10質量%が特に好ましい。第3の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、造膜性がより優れる。また、物品の表面に、より優れた撥油性、及びより柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。
枝ポリマーにおける単位の含有量は、NMR(核磁気共鳴)分析及び元素分析から求める。なお、NMR分析及び元素分析から求められない場合は、枝ポリマーの製造時の単量体の仕込み量に基づいて算出してもよい。
各枝ポリマーの数平均分子量(Mn)は、1500〜30000が好ましく、2000〜20000が特に好ましい。枝ポリマーのMnが上記下限値以上であれば、耐油性がより優れる。枝ポリマーのMnが上記上限値以下であれば、造膜性がより優れる。
本グラフトポリマーのグラフト率は、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。グラフト率が前記下限値以上であれば、耐油性がより優れる。
本グラフトポリマーのグラフト率の上限は、例えば99質量%である。
本グラフトポリマーのグラフト率の上限は、例えば99質量%である。
(モノマーa)
モノマーaは、Rf基を有する。
モノマーaとしては、炭素数が1〜20のRf基、又は直鎖又は分岐のポリフルオロアルキレン基が酸素原子を介して結合した部分構造をもつ化合物が好ましい。
環境への影響が指摘されているペルフルオロオクタン酸(PFOA)等が含まれる可能性をなくすという観点からは、本グラフトポリマーは、炭素数が8以上のRF基を有するモノマー単位を有さないことが好ましい。
モノマーaは、Rf基を有する。
モノマーaとしては、炭素数が1〜20のRf基、又は直鎖又は分岐のポリフルオロアルキレン基が酸素原子を介して結合した部分構造をもつ化合物が好ましい。
環境への影響が指摘されているペルフルオロオクタン酸(PFOA)等が含まれる可能性をなくすという観点からは、本グラフトポリマーは、炭素数が8以上のRF基を有するモノマー単位を有さないことが好ましい。
モノマーaとしては、化合物1が好ましい。
(Z−L)nX ・・・式1
(Z−L)nX ・・・式1
Zは、炭素数1〜6のRf基、又は基2である。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
Rf基としては、RF基が好ましい。Rf基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
Rf基としては、RF基が好ましい。Rf基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
Zとしては、例えば、F(CF2)4−、F(CF2)5−、F(CF2)6−、(CF3)2CF(CF2)2−、CkF2k+1O[CF(CF3)CF2O]h−CF(CF3)−が挙げられる。ただし、kは、1〜6の整数であり、hは0〜10の整数である。
Lは、2価有機基または単結合である。なお、式1において、ZとLとの境界は、Zの炭素数が最も少なくなるように定める。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、炭素原子間またはZに結合する側の末端に−O−、−NH−、−CO−、−S−、−SO2−、−CD1=CD2−(ただし、D1、D2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)等を有していてもよい。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、炭素原子間またはZに結合する側の末端に−O−、−NH−、−CO−、−S−、−SO2−、−CD1=CD2−(ただし、D1、D2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)等を有していてもよい。
Lとしては、例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−(CH2)3−、−CH2CH2CH(CH3)−、−CH=CH−CH2−、−S−CH2CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−、−CH2CH2−SO2−CH2CH2−が挙げられる。
nは、1又は2である。
Xは、nが1の場合は、基3−1〜基3−6のいずれかであり、nが2の場合は、基4−1〜基4−4のいずれかである。
Xは、nが1の場合は、基3−1〜基3−6のいずれかであり、nが2の場合は、基4−1〜基4−4のいずれかである。
−CR1=CH2 ・・・式3−1
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR3=CH2]− ・・・式4−1
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。
化合物1としては、他のモノマーとの重合性、本グラフトポリマーを含む皮膜の柔軟性、物品に対する本グラフトポリマーの接着性、媒体に対する溶解性、乳化重合の容易性等の点から、炭素数が4〜6のRF基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物1としては、Zが炭素数4〜6のRF基であり、Lが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基3−3または基3−6である化合物が好ましい。
モノマーaは1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
化合物1としては、Zが炭素数4〜6のRF基であり、Lが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基3−3または基3−6である化合物が好ましい。
モノマーaは1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
(モノマーb)
モノマーb単位のみからなるポリマー(以下、「ホモポリマーB」とも記す。)のTgは50〜150℃であり、50〜120℃が特に好ましい。ホモポリマーBのTgが上記下限値以上であれば、耐久撥水性が優れる。ポリマーBのTgが上記上限値以下であれば、加工性が優れる。ホモポリマーBのTgは、示唆走査熱量計により求められる。
モノマーb単位のみからなるポリマー(以下、「ホモポリマーB」とも記す。)のTgは50〜150℃であり、50〜120℃が特に好ましい。ホモポリマーBのTgが上記下限値以上であれば、耐久撥水性が優れる。ポリマーBのTgが上記上限値以下であれば、加工性が優れる。ホモポリマーBのTgは、示唆走査熱量計により求められる。
モノマーbとしては、炭素数12〜30の直鎖アルキル基を有するモノマー(以下、「長鎖アルキルモノマー」とも記す。)、環状構造を有するモノマー(以下、「環状モノマー」とも記す。)、および炭素数3〜30の分岐アルキル基を有するモノマー(以下、「分岐モノマー」とも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
長鎖アルキルモノマーにおいて、直鎖アルキル基の炭素数は、12〜30であり、18〜30が好ましく、18〜24が特に好ましい。直鎖アルキル基の炭素数が上記下限値以上であれば、撥水性を向上できる。直鎖アルキル基の炭素数が上記上限値以下であれば、相対的に融点が低くなり、ハンドリングしやすい。
直鎖アルキル基は、フッ素を除くハロゲン原子、−OH、−NH2、−COOH等の置換基を有していてもよい。
直鎖アルキル基は、フッ素を除くハロゲン原子、−OH、−NH2、−COOH等の置換基を有していてもよい。
環状モノマーにおいて、環状構造は、単環式であってもよく多環式であってもよい。また、環状構造は、芳香族性を持つものであってもよく持たないものであってもよい。また、環状構造は、環骨格が炭素原子のみからなる炭素環であってもよく、環骨格に炭素原子以外のヘテロ原子を含む複素環であってもよい。
分岐モノマーにおいて、分岐アルキル基の炭素数は、3〜30が好ましく、3〜24が特に好ましい。分岐アルキル基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、ジメチルアミノエチル基が挙げられる。
モノマーbは、例えば、上記直鎖アルキル基、環状構造または分岐アルキル基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル、ビニルエステルまたはアリルエーテルであってよい。
ホモポリマーのTgが50〜150℃である長鎖アルキルモノマーとしては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ホモポリマーのTgが50〜150℃である環状モノマーとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体、(メタ)アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−(2−ビニルオキサゾリン)、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのポリカプロラクトンエステル、2−エチルブチルアクリレート、1、3−ジメチルブチルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート。トリ(メタ)アリルイソシアヌレート(T(M)AIC、日本化成社製)、トリアリルシアヌレート(TAC、日本化成社製)、フェニルグリシジルエチルアクリレートトリレンジイソシアナート(AT−600、共栄社化学社製)、3−(メチルエチルケトオキシム)イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)シアナート(テックコートHE−6P、京絹化成社製)、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのポリカプロラクトンエステル(プラクセルFA、FMシリーズ ダイセル化学工業社製)、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロドデシルアクリレート、シクロヘキシルプロピルエチレン、シクロペンタノイルオキシエチレン、シクロペンチルアセトキシエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ヘキシルスチレン、オクチルスチレン、ノニルスチレン、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−メチルマレイミド等が挙げられる。
ホモポリマーのTgが50〜150℃である分岐モノマーとしては、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマーbとしては、炭素数が20〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ベヘニルアクリレートが特に好ましい。
モノマーbは1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
モノマーbは1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
(モノマーc)
モノマーcとしては、下記の化合物が挙げられる。
塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン等の塩素化オレフィン;テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等のフッ素化オレフィン等のハロゲン化オレフィン。
2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体。
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、モノクロロ酢酸ビニル、2−クロロエチルビニルエーテル、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン。
モノマーcとしては、下記の化合物が挙げられる。
塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン等の塩素化オレフィン;テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等のフッ素化オレフィン等のハロゲン化オレフィン。
2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体。
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、モノクロロ酢酸ビニル、2−クロロエチルビニルエーテル、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン。
t−ブチル(メタ)アクリルアミドスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、アリル(メタ)アクリレート。
2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル。
アリルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスルトールテトラビニルエーテル。
アリルアルコール、アリロキシエタノール、アリル2,3−ジヒドロキシプロピルエーテル、アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40(アデカ社製)、アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、RN2025(第一工業製薬社製)。
2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル。
アリルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスルトールテトラビニルエーテル。
アリルアルコール、アリロキシエタノール、アリル2,3−ジヒドロキシプロピルエーテル、アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40(アデカ社製)、アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、RN2025(第一工業製薬社製)。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)メタクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシルメタクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、メトキシブチルアクリレート。
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブテン、イソプレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ビニルエチレン、ペンテン、エチル−2−プロピレン、ブチルエチレン、デシルエチレン、ドデシルエチレン、ヘキセン、イソヘキシルエチレン、ネオペンチルエチレン、(1,2−ジエトキシカルボニル)エチレン、(1,2−ジプロポキシカルボニル)エチレン、メトキシエチレン、エトキシエチレン、ブトキシエチレン、2−メトキシプロピレン、ペンチルオキシエチレン。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、2−エチルヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート。
クロトン酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、シトラコン酸アルキルエステル、メサコン酸アルキルエステル、酢酸アリル、側鎖にシリコーンを有する(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート、末端が炭素数1〜4のアルキル基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート、アルキレンジ(メタ)アクリレート。
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブテン、イソプレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ビニルエチレン、ペンテン、エチル−2−プロピレン、ブチルエチレン、デシルエチレン、ドデシルエチレン、ヘキセン、イソヘキシルエチレン、ネオペンチルエチレン、(1,2−ジエトキシカルボニル)エチレン、(1,2−ジプロポキシカルボニル)エチレン、メトキシエチレン、エトキシエチレン、ブトキシエチレン、2−メトキシプロピレン、ペンチルオキシエチレン。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、2−エチルヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート。
クロトン酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、シトラコン酸アルキルエステル、メサコン酸アルキルエステル、酢酸アリル、側鎖にシリコーンを有する(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート、末端が炭素数1〜4のアルキル基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート、アルキレンジ(メタ)アクリレート。
モノマーcとしては、本グラフトポリマーを含む皮膜の強度、基材との接着性がより優れる点では、ハロゲン化オレフィンが好ましい。
モノマーcとしては、本グラフトポリマーを含む皮膜の摩擦耐久性がより優れる点では、架橋しうる官能基を有するモノマーが好ましい。架橋しうる官能基としては、共有結合、イオン結合または水素結合のうち少なくとも1つ以上の結合を有する官能基、または、該結合の相互作用により架橋構造を形成できる官能基が好ましい。該官能基としては、水酸基、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基、シラノール基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基等が好ましく、水酸基、ブロックドイソシアネート基、アミノ基、エポキシ基が特に好ましい。
モノマーcは1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
モノマーcとしては、本グラフトポリマーを含む皮膜の摩擦耐久性がより優れる点では、架橋しうる官能基を有するモノマーが好ましい。架橋しうる官能基としては、共有結合、イオン結合または水素結合のうち少なくとも1つ以上の結合を有する官能基、または、該結合の相互作用により架橋構造を形成できる官能基が好ましい。該官能基としては、水酸基、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基、シラノール基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基等が好ましく、水酸基、ブロックドイソシアネート基、アミノ基、エポキシ基が特に好ましい。
モノマーcは1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
(幹ポリマー)
本グラフトポリマーの幹ポリマーは、枝ポリマーが結合可能であればよい。
幹ポリマーの一例として、イソシアネート基(−N=C=O)及びブロックドイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を2つ以上有する化合物(以下、「イソシアネート系化合物」とも記す。)から2つ以上の上記官能基を除いた構造の成分が挙げられる。
本グラフトポリマーの幹ポリマーは、枝ポリマーが結合可能であればよい。
幹ポリマーの一例として、イソシアネート基(−N=C=O)及びブロックドイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を2つ以上有する化合物(以下、「イソシアネート系化合物」とも記す。)から2つ以上の上記官能基を除いた構造の成分が挙げられる。
幹ポリマーが、イソシアネート系化合物から2つ以上の上記官能基を除いた構造である場合、本グラフトポリマーは、典型的には、イソシアネート系化合物と、主鎖末端に活性水素を有する枝ポリマー(以下、「マクロモノマー」とも記す。)との反応生成物である。
イソシアネート系化合物とマクロモノマーとを反応させると、イソシアネート系化合物の上記官能基とマクロモノマーの主鎖末端の活性水素とが反応し、イソシアネート系化合物の官能基の位置にマクロモノマーが結合したグラフトポリマーが得られる。イソシアネート系化合物とマクロモノマーとの反応については後で詳しく説明する。
イソシアネート系化合物とマクロモノマーとを反応させると、イソシアネート系化合物の上記官能基とマクロモノマーの主鎖末端の活性水素とが反応し、イソシアネート系化合物の官能基の位置にマクロモノマーが結合したグラフトポリマーが得られる。イソシアネート系化合物とマクロモノマーとの反応については後で詳しく説明する。
ブロックドイソシアネート基は、ブロック化剤で保護されたイソシアネート基である。
ブロック化剤は、イソシアネート基と反応しうる化合物であり、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、グリシドール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アリルアルコール、C1〜22の直鎖又は分岐のフルオロアルキルアルコール、(CF3CF(CF3)CF2O)pCH2OH(pは1〜30の整数)、3,5−ジメチルピラゾール、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ベンゾフェノンオキシム、チオフェノール、ヒドロキシルアミン、1級アミノメルカプタン、2級アミノメルカプタン等が挙げられる。
ブロック化剤は、イソシアネート基と反応しうる化合物であり、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、グリシドール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アリルアルコール、C1〜22の直鎖又は分岐のフルオロアルキルアルコール、(CF3CF(CF3)CF2O)pCH2OH(pは1〜30の整数)、3,5−ジメチルピラゾール、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ベンゾフェノンオキシム、チオフェノール、ヒドロキシルアミン、1級アミノメルカプタン、2級アミノメルカプタン等が挙げられる。
イソシアネート系化合物としては、上記官能基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;上記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI又はポリメリックMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートとしては、上記ポリイソシアネートのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI又はポリメリックMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートとしては、上記ポリイソシアネートのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。
(本グラフトポリマーの製造方法)
本グラフトポリマーは、例えば、上述のイソシアネート系化合物とマクロモノマー(主鎖末端に活性水素を有する枝ポリマー)とを反応させる方法により製造できる。
この場合、イソシアネート系化合物のイソシアネート基(ブロックドイソシアネート基からブロック化剤が脱離したものであってもよい。)と、マクロモノマーの主鎖末端の活性水素とが反応し、イソシアネート系化合物の官能基の位置にマクロモノマーが結合したグラフトポリマーが得られる。
本グラフトポリマーは、例えば、上述のイソシアネート系化合物とマクロモノマー(主鎖末端に活性水素を有する枝ポリマー)とを反応させる方法により製造できる。
この場合、イソシアネート系化合物のイソシアネート基(ブロックドイソシアネート基からブロック化剤が脱離したものであってもよい。)と、マクロモノマーの主鎖末端の活性水素とが反応し、イソシアネート系化合物の官能基の位置にマクロモノマーが結合したグラフトポリマーが得られる。
活性水素は、イソシアネート基と反応可能な水素原子であり、例えば水酸基、アミノ基における水素原子が挙げられる。したがって、マクロモノマーは、活性水素を有する官能基(以下、「活性水素含有基」とも記す。)を主鎖末端に有する。
イソシアネート基と活性水素含有基(−QH)とは以下のように反応する。
−N=C=O + H−Q− → −NH−C(=O)−Q−
活性水素含有基が水酸基である場合、イソシアネート基との反応によりウレタン結合が形成され、幹ポリマーと枝ポリマーとがウレタン結合を介して幹ポリマーに結合したグラフトポリマーが得られる。活性水素基がアミノ基である場合、イソシアネート基との反応により尿素結合が形成され、幹ポリマーと枝ポリマーとが尿素結合を介して幹ポリマーに結合したグラフトポリマーが得られる。
活性水素含有基を主鎖末端に有するマクロモノマーは、活性水素含有基を有する連鎖移動剤又は活性水素含有基を有する重合開始剤の存在下で、モノマー混合物を重合することにより得られる。
ただし、本グラフトポリマーの製造方法は上記の方法に限定されるものではない。
イソシアネート基と活性水素含有基(−QH)とは以下のように反応する。
−N=C=O + H−Q− → −NH−C(=O)−Q−
活性水素含有基が水酸基である場合、イソシアネート基との反応によりウレタン結合が形成され、幹ポリマーと枝ポリマーとがウレタン結合を介して幹ポリマーに結合したグラフトポリマーが得られる。活性水素基がアミノ基である場合、イソシアネート基との反応により尿素結合が形成され、幹ポリマーと枝ポリマーとが尿素結合を介して幹ポリマーに結合したグラフトポリマーが得られる。
活性水素含有基を主鎖末端に有するマクロモノマーは、活性水素含有基を有する連鎖移動剤又は活性水素含有基を有する重合開始剤の存在下で、モノマー混合物を重合することにより得られる。
ただし、本グラフトポリマーの製造方法は上記の方法に限定されるものではない。
以下、下記工程a、下記工程b及び下記工程cを経て、第1の枝ポリマーおよび第2の枝ポリマーを有するグラフトポリマーを製造する場合を例に挙げて、本グラフトポリマーの製造方法を説明する。
工程a:水酸基又はアミノ基を有するチオール化合物(以下、「化合物x」とも記す。)の存在下、モノマーaを含み、必要に応じてモノマーb、モノマーcを含み、モノマーaの含有量が95モル%以上である第1のモノマー混合物を重合し、主鎖末端に水酸基又はアミノ基を有する第1のマクロモノマーを得る工程。
工程b:化合物xの存在下、モノマーbを含み、必要に応じてモノマーa、モノマーcを含み、モノマーbの含有量が95モル%以上である第2のモノマー混合物を重合し、主鎖末端に水酸基又はアミノ基を有する第2のマクロモノマーを得る工程。
工程c:イソシアネート系化合物と、第1のマクロモノマーと、第2のマクロモノマーとを反応させ、本グラフトポリマーを得る工程。
工程a:水酸基又はアミノ基を有するチオール化合物(以下、「化合物x」とも記す。)の存在下、モノマーaを含み、必要に応じてモノマーb、モノマーcを含み、モノマーaの含有量が95モル%以上である第1のモノマー混合物を重合し、主鎖末端に水酸基又はアミノ基を有する第1のマクロモノマーを得る工程。
工程b:化合物xの存在下、モノマーbを含み、必要に応じてモノマーa、モノマーcを含み、モノマーbの含有量が95モル%以上である第2のモノマー混合物を重合し、主鎖末端に水酸基又はアミノ基を有する第2のマクロモノマーを得る工程。
工程c:イソシアネート系化合物と、第1のマクロモノマーと、第2のマクロモノマーとを反応させ、本グラフトポリマーを得る工程。
<化合物x>
化合物xは、連鎖移動剤として機能する。化合物xの存在下でモノマー混合物を重合すると、生成するマクロモノマーの主鎖末端に水酸基又はアミノ基が導入される。
化合物xとしては、α−チオグリセロール、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−2−エタノール、3−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(α−チオグリセロール)、2,3−ジメルカプトプロパノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトエチルスルフィド等が挙げられる。
化合物xとしては、水酸基を有するチオール化合物が好ましく、α−チオグリセロールが特に好ましい。
化合物xは、連鎖移動剤として機能する。化合物xの存在下でモノマー混合物を重合すると、生成するマクロモノマーの主鎖末端に水酸基又はアミノ基が導入される。
化合物xとしては、α−チオグリセロール、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−2−エタノール、3−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(α−チオグリセロール)、2,3−ジメルカプトプロパノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトエチルスルフィド等が挙げられる。
化合物xとしては、水酸基を有するチオール化合物が好ましく、α−チオグリセロールが特に好ましい。
<工程a>
第1のモノマー混合物において、モノマーaの含有量は、第1のモノマー混合物を構成する全モノマーの合計に対し、95モル%以上であり、100モル%であってもよい。
第1のモノマー混合物は、モノマーb、モノマーcをさらに含んでいてもよい。
第1のモノマー混合物において、モノマーaの含有量は、第1のモノマー混合物を構成する全モノマーの合計に対し、95モル%以上であり、100モル%であってもよい。
第1のモノマー混合物は、モノマーb、モノマーcをさらに含んでいてもよい。
第1のモノマー混合物の重合法としては、溶液重合法、塊状重合法等が挙げられ、溶液重合法が好ましい。重合は、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
第1のモノマー混合物の化合物xに対するモル比(第1のモノマー混合物の総モル数/化合物xのモル数)は、撥油性の点から、20/1〜3/1が好ましく、15/1〜3/1がより好ましく、10/1〜3/1が特に好ましい。
第1のモノマー混合物の重合の際には、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合開始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、油溶性のラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応じて用いられる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物が特に好ましい。
重合温度は20〜150℃が好ましい。
重合開始剤の添加量は、第1のモノマー混合物の100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応じて用いられる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物が特に好ましい。
重合温度は20〜150℃が好ましい。
重合開始剤の添加量は、第1のモノマー混合物の100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
第1のモノマー混合物の重合の際には、分子量調整剤を用いてもよい。分子量調整剤としては、芳香族系化合物、メルカプトアルコール類又はメルカプタン類が好ましく、アルキルメルカプタン類が特に好ましい。分子量調整剤としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマ(CH2=C(Ph)CH2C(CH3)2Ph、Phはフェニル基である。)等が挙げられる。
分子量調整剤の添加量は、第1のモノマー混合物と分子量調節剤の合計100mol%に対して、0.1〜30mol%が好ましく、0.1〜20mol%がより好ましい。
分子量調整剤の添加量は、第1のモノマー混合物と分子量調節剤の合計100mol%に対して、0.1〜30mol%が好ましく、0.1〜20mol%がより好ましい。
ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、2,4,6−トリメルカプトトリアジン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等の多官能メルカプト化合物の存在下で、第1のモノマー混合物を重合してもよい。
<工程b>
第2のモノマー混合物において、モノマーbの含有量は、第2のモノマー混合物を構成する全モノマーの合計に対し、95モル%以上であり、100モル%であってもよい。
第2のモノマー混合物は、モノマーa、モノマーcをさらに含んでいてもよい。
第2のモノマー混合物の重合は、第1のモノマー混合物の重合と同様に実施できる。
第2のモノマー混合物において、モノマーbの含有量は、第2のモノマー混合物を構成する全モノマーの合計に対し、95モル%以上であり、100モル%であってもよい。
第2のモノマー混合物は、モノマーa、モノマーcをさらに含んでいてもよい。
第2のモノマー混合物の重合は、第1のモノマー混合物の重合と同様に実施できる。
<工程c>
イソシアネート系化合物と第1のマクロモノマーと第2のマクロモノマーとは、1段階で反応させてもよく、2段階で反応させてもよい。
1段階の場合、イソシアネート系化合物と第1のマクロモノマーと第2のマクロモノマーとを同時に反応させる。2段階の場合、イソシアネート系化合物と第1のマクロモノマーとを反応(1段目の反応)させ、その反応生成物と第2のマクロモノマーとを反応(2段目の反応)させてもよく、イソシアネート系化合物と第2のマクロモノマーとを反応(1段目の反応)させ、その反応生成物と第1のマクロモノマーとを反応(2段目の反応)させてもよい。
以下、第1のマクロモノマー及び第2のマクロモノマーのいずれでもよい場合は単に「マクロモノマー」とする。
イソシアネート系化合物と第1のマクロモノマーと第2のマクロモノマーとは、1段階で反応させてもよく、2段階で反応させてもよい。
1段階の場合、イソシアネート系化合物と第1のマクロモノマーと第2のマクロモノマーとを同時に反応させる。2段階の場合、イソシアネート系化合物と第1のマクロモノマーとを反応(1段目の反応)させ、その反応生成物と第2のマクロモノマーとを反応(2段目の反応)させてもよく、イソシアネート系化合物と第2のマクロモノマーとを反応(1段目の反応)させ、その反応生成物と第1のマクロモノマーとを反応(2段目の反応)させてもよい。
以下、第1のマクロモノマー及び第2のマクロモノマーのいずれでもよい場合は単に「マクロモノマー」とする。
イソシアネート系化合物の量は、イソシアネートインデックスで80〜120が好ましく、85〜110がより好ましい。イソシアネートインデックスは、マクロモノマーの活性水素当量に対するイソシアネート基当量の100倍で表される数値である。ここでの活性水素当量は、第1のマクロモノマーの活性水素当量と第2のマクロモノマーの活性水素当量との合計である。
イソシアネート系化合物とマクロモノマーとの反応温度は、例えば40〜80℃であってよい。反応時間は、例えば4〜48時間であってよい。
イソシアネート系化合物とマクロモノマーとを反応させる際には、ウレタン化触媒を用いることが好ましい。
ウレタン化触媒としては、3級アミン(トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等。)、カルボン酸金属塩(酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等。)、有機金属化合物(ジブチルすずジラウレート等。)等が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、例えばイソシアネート基に対して0.01〜10当量であってよい。
ウレタン化触媒としては、3級アミン(トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等。)、カルボン酸金属塩(酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等。)、有機金属化合物(ジブチルすずジラウレート等。)等が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、例えばイソシアネート基に対して0.01〜10当量であってよい。
イソシアネート系化合物とマクロモノマーとの反応は、媒体の存在下で行ってもよい。
媒体としては、後述する媒体と同様のものが挙げられる。
媒体としては、後述する媒体と同様のものが挙げられる。
イソシアネート系化合物とマクロモノマーとの反応を完了させる際には、ブロック化剤を用いてもよい。ブロック化剤としては、上述したブロック化剤と同様のものが挙げられ、メチルエチルケトオキシム又は3,5−ジメチルピラゾールが好ましい。
以上説明した本グラフトポリマーにあっては、枝ポリマーとして第1の枝ポリマーを有し、第1の枝ポリマーの含有量が、全ての枝ポリマーの総質量に対し、25〜70質量%であるため、造膜性に優れる。また、物品の表面に優れた撥油性、及び柔軟な風合いを付与できる。
〔撥水撥油剤組成物〕
本発明の第2の態様の撥水撥油剤組成物は、本グラフトポリマーを含み、必要に応じて媒体、界面活性剤、添加剤を含む。
本発明の第2の態様の撥水撥油剤組成物は、本グラフトポリマーを含み、必要に応じて媒体、界面活性剤、添加剤を含む。
(媒体)
媒体としては、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒素化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等が挙げられる。なかでも、溶解性、取扱いの容易さの点から、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル及びグリコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の媒体が好ましい。
媒体としては、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒素化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等が挙げられる。なかでも、溶解性、取扱いの容易さの点から、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル及びグリコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の媒体が好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノール、1,1−ジメチルエタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1,1−ジメチルプロパノール、3−メチル−2−ブタノール、1,2−ジメチルプロパノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−へプタノール、2−へプタノール、3−へプタノール等が挙げられる。
グリコール、グリコールエーテルとしては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、プロピレングリコール、グリコールエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化エーテル等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロブロモカーボン等が挙げられる。
ハロゲン化エーテルとしては、ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、分離型ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。分離型ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル性酸素原子を介してRF基又はパーフルオロアルキレン基、及び、アルキル基又はアルキレン基が結合している化合物である。非分離型ハイドロフルオロエーテルとは、部分的にフッ素化されたアルキル基又はアルキレン基を含むハイドロフルオロエーテルである。
ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロブロモカーボン等が挙げられる。
ハロゲン化エーテルとしては、ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、分離型ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。分離型ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル性酸素原子を介してRF基又はパーフルオロアルキレン基、及び、アルキル基又はアルキレン基が結合している化合物である。非分離型ハイドロフルオロエーテルとは、部分的にフッ素化されたアルキル基又はアルキレン基を含むハイドロフルオロエーテルである。
炭化水素としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2−メチルブタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカン、ドデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等が挙げられる。
脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2−メチルブタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカン、ドデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等が挙げられる。
脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKと記す。)、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げられる。
エーテルとしては、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げられる。
エーテルとしては、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)等が挙げられる。
窒素化合物としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
無機溶剤としては、液体二酸化炭素が挙げられる。
有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、りんご酸、乳酸等が挙げられる。
硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
無機溶剤としては、液体二酸化炭素が挙げられる。
有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、りんご酸、乳酸等が挙げられる。
媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。媒体を2種以上混合して用いる場合、水と混合して用いることが好ましい。混合した媒体を用いることにより、本グラフトポリマーの溶解性、分散性の制御がしやすく、加工時における物品に対する浸透性、濡れ性、溶媒乾燥速度等の制御がしやすい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が挙げられ、それぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、分散安定性の点から、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤又は両性界面活性剤との併用、又は、アニオン性界面活性剤の単独が好ましく、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との併用が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面活性剤)は、97/3〜40/60(質量比)が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との特定の組み合わせにおいては、本グラフトポリマーの質量(100質量%)に対する界面活性剤の合計量を5質量%以下にできるため、物品の撥水性への悪影響を低減できる。
界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が挙げられ、それぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、分散安定性の点から、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤又は両性界面活性剤との併用、又は、アニオン性界面活性剤の単独が好ましく、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との併用が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面活性剤)は、97/3〜40/60(質量比)が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との特定の組み合わせにおいては、本グラフトポリマーの質量(100質量%)に対する界面活性剤の合計量を5質量%以下にできるため、物品の撥水性への悪影響を低減できる。
ノニオン性界面活性剤としては、特開2010−132844号公報の段落[0073]〜[0100]に記載の界面活性剤s1〜s6が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤s1は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカポリエニルエーテル、又はポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルである。
界面活性剤s2は、分子中に1個以上の炭素−炭素三重結合及び1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤である。例えばアセチレングリコールエチレンオキシド付加物が挙げられる。
界面活性剤s3は、ポリオキシエチレン鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連なったポリオキシアルキレン鎖とが連結し、かつ、両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤である。例えばエチレンオキシドプロピレンオキシド重合物が挙げられる。
界面活性剤s4は、分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤s5は、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物又はポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤s6は、ポリオールの脂肪酸エステルからなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤s1は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカポリエニルエーテル、又はポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルである。
界面活性剤s2は、分子中に1個以上の炭素−炭素三重結合及び1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤である。例えばアセチレングリコールエチレンオキシド付加物が挙げられる。
界面活性剤s3は、ポリオキシエチレン鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連なったポリオキシアルキレン鎖とが連結し、かつ、両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤である。例えばエチレンオキシドプロピレンオキシド重合物が挙げられる。
界面活性剤s4は、分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤s5は、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物又はポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤s6は、ポリオールの脂肪酸エステルからなるノニオン性界面活性剤である。
カチオン性界面活性剤の例としては、特開2010−132844号公報の段落[0102]〜[0106]に記載の界面活性剤s7が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤s7は、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面活性剤である。
界面活性剤s7としては、窒素原子に結合する水素原子の1個以上が、アルキル基、アルケニル基又は末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖で置換されたアンモニウム塩が好ましく、化合物(s71)がより好ましい。
[(R21)4N+]・X− ・・・(s71)。
R21は、水素原子、炭素数が1〜22のアルキル基、炭素数が2〜22のアルケニル基、炭素数が1〜9のフルオロアルキル基、又は末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖である。4つのR21は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、4つのR21は同時に水素原子ではない。X−は、対イオンである。
X−としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、又は酢酸イオンが好ましい。
化合物(s71)としては、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、モノステアリルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ(ステアリル)モノメチルジ(ポリエチレングリコール)アンモニウムクロリド、モノフルオロヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩等が挙げられる。
界面活性剤s7は、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面活性剤である。
界面活性剤s7としては、窒素原子に結合する水素原子の1個以上が、アルキル基、アルケニル基又は末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖で置換されたアンモニウム塩が好ましく、化合物(s71)がより好ましい。
[(R21)4N+]・X− ・・・(s71)。
R21は、水素原子、炭素数が1〜22のアルキル基、炭素数が2〜22のアルケニル基、炭素数が1〜9のフルオロアルキル基、又は末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖である。4つのR21は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、4つのR21は同時に水素原子ではない。X−は、対イオンである。
X−としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、又は酢酸イオンが好ましい。
化合物(s71)としては、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、モノステアリルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ(ステアリル)モノメチルジ(ポリエチレングリコール)アンモニウムクロリド、モノフルオロヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、特開2010−132844号公報の段落[0107]〜[0108]に記載の界面活性剤s8が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤s8は、アラニン化合物、イミダゾリニウムベタイン化合物、アミドベタイン化合物又は酢酸ベタインである。
界面活性剤s8は、アラニン化合物、イミダゾリニウムベタイン化合物、アミドベタイン化合物又は酢酸ベタインである。
界面活性剤として、特開2010−132844号公報の段落[0109]〜[0113]に記載の界面活性剤s9を用いてもよい。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤s9は、親水性モノマーと、炭化水素系疎水性モノマー及びフッ素系疎水性モノマーのいずれか一方又は両方との、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、又は親水性コポリマーの疎水性変性物からなる高分子界面活性剤である。
界面活性剤s9は、親水性モノマーと、炭化水素系疎水性モノマー及びフッ素系疎水性モノマーのいずれか一方又は両方との、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、又は親水性コポリマーの疎水性変性物からなる高分子界面活性剤である。
界面活性剤の組み合わせとしては、撥水撥油剤組成物の撥水性、耐久性に優れる点、得られた乳化液の安定性の点から、界面活性剤s1と界面活性剤s2と界面活性剤s7との組み合わせ、又は界面活性剤s1と界面活性剤s3と界面活性剤s7との組み合わせ、又は界面活性剤s1と界面活性剤s2と界面活性剤s3と界面活性剤s7との組み合わせが好ましく、界面活性剤s7が化合物(s71)である上記の組み合わせがより好ましい。
界面活性剤の合計量は、本グラフトポリマー100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましい。
界面活性剤の合計量は、本グラフトポリマー100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましい。
(添加剤)
添加剤としては、浸透剤、消泡剤、吸水剤、帯電防止剤、制電性重合体、防皺剤、風合い調整剤、造膜助剤、水溶性高分子(ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等。)、熱硬化剤(メラミン樹脂、ウレタン樹脂、トリアジン環含有化合物、イソシアネート系化合物等。)、エポキシ硬化剤(イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド、スピログリコール等。)、熱硬化触媒、架橋触媒、合成樹脂、繊維安定剤、無機微粒子等が挙げられる。
添加剤としては、浸透剤、消泡剤、吸水剤、帯電防止剤、制電性重合体、防皺剤、風合い調整剤、造膜助剤、水溶性高分子(ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等。)、熱硬化剤(メラミン樹脂、ウレタン樹脂、トリアジン環含有化合物、イソシアネート系化合物等。)、エポキシ硬化剤(イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド、スピログリコール等。)、熱硬化触媒、架橋触媒、合成樹脂、繊維安定剤、無機微粒子等が挙げられる。
本態様の撥水撥油剤組成物は、必要に応じて、本グラフトポリマー以外の、撥水性及び撥油性のいずれか一方又は両方を発現できるポリマー(例えば、ハロゲン化オレフィン単位を多く含むポリマー、市販の撥水剤、市販の撥油剤、市販の撥水撥油剤等。)、フッ素原子を有さない撥水性化合物等を含んでいてもよい。フッ素原子を有さない撥水性化合物としては、パラフィン系化合物、脂肪族アマイド系化合物、アルキルエチレン尿素化合物、シリコーン系化合物等が挙げられる。
本態様の撥水撥油剤組成物が媒体を含む場合、本態様の撥水撥油剤組成物は、例えば下記方法1又は下記方法2により製造できる。
方法1:媒体中にてイソシアネート系化合物とマクロモノマーとを反応させて本グラフトポリマーの溶液を得て、必要に応じて、さらなる媒体、界面活性剤、添加剤を加え、必要に応じて脱溶剤する方法。
方法2:媒体中にてイソシアネート系化合物とマクロモノマーとを反応させて本グラフトポリマーの溶液を得て、この溶液から本グラフトポリマーを単離し、本グラフトポリマーに媒体、必要に応じて界面活性剤、添加剤を加える方法。
方法1:媒体中にてイソシアネート系化合物とマクロモノマーとを反応させて本グラフトポリマーの溶液を得て、必要に応じて、さらなる媒体、界面活性剤、添加剤を加え、必要に応じて脱溶剤する方法。
方法2:媒体中にてイソシアネート系化合物とマクロモノマーとを反応させて本グラフトポリマーの溶液を得て、この溶液から本グラフトポリマーを単離し、本グラフトポリマーに媒体、必要に応じて界面活性剤、添加剤を加える方法。
本態様の撥水撥油剤組成物は、本グラフトポリマーが媒体中に粒子として分散していることが好ましい。本グラフトポリマーの平均粒子径は、10〜1000nmが好ましく、10〜300nmがより好ましく、10〜250nmが特に好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、界面活性剤等を多量に用いる必要がなく、撥水性が良好であり、染色された布帛類を処理した場合に色落ちが発生せず、媒体中で分散粒子が安定に存在できて沈降することがない。
本グラフトポリマーの平均粒子径は、粒子径測定器により測定される値である。
本グラフトポリマーの平均粒子径は、粒子径測定器により測定される値である。
本態様の撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、物品の処理時は、撥水撥油剤組成物の総質量に対し、0.2〜10質量%が好ましい。
本発明の第3の態様の撥水撥油剤組成物は、第1のグラフトポリマーと、第2のグラフトポリマーとを含み、必要に応じて媒体、界面活性剤、添加剤を含む。
第1のグラフトポリマーは、幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、枝ポリマーとして第1の枝ポリマーを有する。
第2のグラフトポリマーは、幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、枝ポリマーとして第2の枝ポリマーを有する。
本態様の撥水撥油剤組成物は、本グラフトポリマーの代わりに、第1のグラフトポリマー及び第2のグラフトポリマーを含む以外は、第2の態様の撥水撥油剤組成物と同様であり、好ましい態様も同様である。
第1のグラフトポリマーは、幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、枝ポリマーとして第1の枝ポリマーを有する。
第2のグラフトポリマーは、幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、枝ポリマーとして第2の枝ポリマーを有する。
本態様の撥水撥油剤組成物は、本グラフトポリマーの代わりに、第1のグラフトポリマー及び第2のグラフトポリマーを含む以外は、第2の態様の撥水撥油剤組成物と同様であり、好ましい態様も同様である。
第1のグラフトポリマーにおける幹ポリマー、第1の枝ポリマーはそれぞれ上述したものと同様であり、好ましい態様も同様である。
第1のグラフトポリマーは、第2の枝ポリマーを有しない。
第1のグラフトポリマーは、第3の枝ポリマーをさらに有していてもよい。
第1の枝ポリマーの含有量は、第1のグラフトポリマーの総質量に対し、たとえば20〜95質量%であってよい。
第1のグラフトポリマーは、第2のマクロモノマーを用いない以外は、本グラフトポリマーと同様にして製造できる。
第1のグラフトポリマーは、第2の枝ポリマーを有しない。
第1のグラフトポリマーは、第3の枝ポリマーをさらに有していてもよい。
第1の枝ポリマーの含有量は、第1のグラフトポリマーの総質量に対し、たとえば20〜95質量%であってよい。
第1のグラフトポリマーは、第2のマクロモノマーを用いない以外は、本グラフトポリマーと同様にして製造できる。
第2のグラフトポリマーにおける幹ポリマー、第2の枝ポリマーはそれぞれ上述したものと同様であり、好ましい態様も同様である。
第2のグラフトポリマーは、第1の枝ポリマーを有しない。
第2のグラフトポリマーは、第3の枝ポリマーをさらに有していてもよい。
第2の枝ポリマーの含有量は、第2のグラフトポリマーの総質量に対し、たとえば20〜95質量%であってよい。
第2のグラフトポリマーは、第1のマクロモノマーを用いない以外は、本グラフトポリマーと同様にして製造できる。
第2のグラフトポリマーは、第1の枝ポリマーを有しない。
第2のグラフトポリマーは、第3の枝ポリマーをさらに有していてもよい。
第2の枝ポリマーの含有量は、第2のグラフトポリマーの総質量に対し、たとえば20〜95質量%であってよい。
第2のグラフトポリマーは、第1のマクロモノマーを用いない以外は、本グラフトポリマーと同様にして製造できる。
第1の枝ポリマーの含有量は、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、25〜70質量%であり、30〜70質量%が好ましく、40〜70質量%が特に好ましい。第1の枝ポリマーの含有量が上記下限値以上であれば、造膜性が優れる。また、優れた撥油性を物品の表面に付与できる。第1の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。
全てのグラフトポリマーは、第1のグラフトポリマーと第2のグラフトポリマーの合計である。
全てのグラフトポリマーは、第1のグラフトポリマーと第2のグラフトポリマーの合計である。
第2の枝ポリマーの含有量は、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、35〜75質量%であり、30〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。第2の枝ポリマーの含有量が上記下限値以上であれば、より柔軟な風合いを物品の表面に付与できる。第2の枝ポリマーの含有量が上記上限値以下であれば、造膜性がより優れる。また、より優れた撥油性を物品の表面に付与できる。
第1の枝ポリマーと第2の枝ポリマーとの質量比(第1の枝ポリマー/第2の枝ポリマー)は、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましく、30/70〜80/20が特に好ましい。第1の枝ポリマー/第2の枝ポリマーが上記下限値以上であれば、撥油性がより優れる。第1の枝ポリマー/第2の枝ポリマーが上記上限値以下であれば、耐久撥水性がより優れる。
第1のグラフトポリマーおよび第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率は、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。グラフト率が前記下限値以上であれば、耐油性がより優れる。
第1のグラフトポリマーおよび第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率の上限は、例えば99質量%である。
第1のグラフトポリマーおよび第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率の上限は、例えば99質量%である。
第2の態様又は第3の態様の撥水撥油剤組成物は、物品の撥水撥油処理に用いられる。
撥水撥油剤組成物で処理される物品としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維等。)、各種繊維製品、不織布、樹脂、紙、皮革、金属、石、コンクリート、石膏、ガラス等が挙げられる。
撥水撥油剤組成物で処理される物品としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維等。)、各種繊維製品、不織布、樹脂、紙、皮革、金属、石、コンクリート、石膏、ガラス等が挙げられる。
処理方法としては、撥水撥油剤組成物を物品の表面に付着できる方法であればよい。例えば、公知の塗工方法によって物品に撥水撥油剤組成物を塗布又は含浸した後、乾燥する方法が挙げられる。
さらに、帯電防止加工、柔軟加工、抗菌加工、消臭加工、防水加工等を行ってもよい。
防水加工としては、防水膜を付与する加工が挙げられる。防水膜としては、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる無孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、又はこれらを組み合わせた透湿防水膜が挙げられる。
さらに、帯電防止加工、柔軟加工、抗菌加工、消臭加工、防水加工等を行ってもよい。
防水加工としては、防水膜を付与する加工が挙げられる。防水膜としては、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる無孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、又はこれらを組み合わせた透湿防水膜が挙げられる。
以上説明した第2の態様又は第3の態様の撥水撥油剤組成物にあっては、本グラフトポリマー、又は第1のグラフトポリマー及び第2のグラフトポリマーを含むため、造膜性に優れる。また、物品の表面に優れた撥油性、及び柔軟な風合いを付与できる。
第2の態様および第3の態様のいずれにおいても、物品の表面に皮膜を形成する際に、第1の枝ポリマーと第2の枝ポリマーとが相分離し、モノマーa単位、モノマーb単位それぞれの機能が十分に発現すると考えられる。
第2の態様および第3の態様のいずれにおいても、物品の表面に皮膜を形成する際に、第1の枝ポリマーと第2の枝ポリマーとが相分離し、モノマーa単位、モノマーb単位それぞれの機能が十分に発現すると考えられる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜22のうち、例1〜2、5〜8、12〜13、16〜19は実施例であり、他の例は比較例である。
後述する各例で使用した略号の説明、及び評価方法を以下に示す。
例1〜22のうち、例1〜2、5〜8、12〜13、16〜19は実施例であり、他の例は比較例である。
後述する各例で使用した略号の説明、及び評価方法を以下に示す。
(略号)
化合物x(連鎖移動剤):
TG:α−チオグリセロール。
化合物x(連鎖移動剤):
TG:α−チオグリセロール。
モノマー:
BeA:ベヘニルアクリレート。
C6FMA:C6F13C2H4OC(O)C(CH3)=CH2。
BeA:ベヘニルアクリレート。
C6FMA:C6F13C2H4OC(O)C(CH3)=CH2。
重合開始剤:
V−65:2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製)。
V−65:2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製)。
媒体:
MEK:メチルエチルケトン。
AK225:アサヒクリンAK225(旭硝子製、ジクロロペンタフルオロプロパン)。
MEK:メチルエチルケトン。
AK225:アサヒクリンAK225(旭硝子製、ジクロロペンタフルオロプロパン)。
イソシアネート系化合物:
M−200:コスモネートM−200(三井化学ポリウレタン社製、ポリメリックMDI、NCO:31.5質量%)。
M−200:コスモネートM−200(三井化学ポリウレタン社製、ポリメリックMDI、NCO:31.5質量%)。
ブロック化剤:
MEKO:メチルエチルケトオキシム。
MEKO:メチルエチルケトオキシム。
添加剤:
Et3N:トリエチルアミン。
MR200:東ソー製、ミリオネートMR200。
ベッカミンM−3:DIC製、架橋剤。
DABCO:1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、反応触媒。
Et3N:トリエチルアミン。
MR200:東ソー製、ミリオネートMR200。
ベッカミンM−3:DIC製、架橋剤。
DABCO:1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、反応触媒。
(撥油性の評価)
試験布について、AATCC−TM118−1966の試験方法にしたがって撥油性を評価した。撥油性は、表1に示す撥油性No.(等級)で表した。等級数が大きいほど、撥油性に優れる。一般的に高い撥油性が求められる用途では、5級以上、特に6級以上が求められる。
試験布について、AATCC−TM118−1966の試験方法にしたがって撥油性を評価した。撥油性は、表1に示す撥油性No.(等級)で表した。等級数が大きいほど、撥油性に優れる。一般的に高い撥油性が求められる用途では、5級以上、特に6級以上が求められる。
(風合いの評価)
試験布について、触手により、以下の基準で試験布の風合い(柔軟さ)を評価した。
○(良好):未処理布と同じ、またはそれよりも柔軟。
×(不良):未処理布より硬い。
試験布について、触手により、以下の基準で試験布の風合い(柔軟さ)を評価した。
○(良好):未処理布と同じ、またはそれよりも柔軟。
×(不良):未処理布より硬い。
(造膜性の評価)
各例における塗膜の状態を目視で確認して、以下の基準で造膜性を評価した。
○(良好):ほぼ均一な塗膜である。
×(不良):塗膜にかなりムラが見られる。
各例における塗膜の状態を目視で確認して、以下の基準で造膜性を評価した。
○(良好):ほぼ均一な塗膜である。
×(不良):塗膜にかなりムラが見られる。
〔グラフトポリマーの製造〕
(例1)
100mLのガラス製アンプルに、TGの1.21g、C6FMAの32.25g、MEKの40.00g、V−65の0.17gを入れた。アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、60℃で、24時間重合反応を行い、マクロモノマーa溶液を得た。得られたマクロモノマーa溶液の溶媒を留去し、マクロモノマーaを得た。
(例1)
100mLのガラス製アンプルに、TGの1.21g、C6FMAの32.25g、MEKの40.00g、V−65の0.17gを入れた。アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、60℃で、24時間重合反応を行い、マクロモノマーa溶液を得た。得られたマクロモノマーa溶液の溶媒を留去し、マクロモノマーaを得た。
100mLのガラス製アンプルに、TGの0.36g、BeAの25.46g、MEKの40.02g、V−65の0.17gを入れた。アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、60℃で、24時間重合反応を行い、マクロモノマーb溶液を得た。得られたマクロモノマーb溶液の溶媒を留去し、マクロモノマーbを得た。
100mLのガラス製アンプルに、マクロモノマーbの6.66g、M−200の0.62g、Et3Nの0.46g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の36.48gを入れた。アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、50℃で6時間反応させた。その後、マクロモノマーaの7.50gを加え、アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、50℃で6時間反応させた。その後、MEKOの0.40を加え、アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、50℃で6時間反応させた。フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)でNCOのピークが消失していることを確認し、グラフトポリマーA溶液を得た。
(例2)
グラフトポリマーを合成する際に、マクロモノマーbの3.19g、M−200の0.74g、Et3Nの0.55g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の34.90g、マクロモノマーaの10.00g、MEKOの0.48gを用いたことを除いては、例1と同様にしてグラフトポリマーB溶液を得た。
グラフトポリマーを合成する際に、マクロモノマーbの3.19g、M−200の0.74g、Et3Nの0.55g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の34.90g、マクロモノマーaの10.00g、MEKOの0.48gを用いたことを除いては、例1と同様にしてグラフトポリマーB溶液を得た。
(例3)
グラフトポリマーを合成する際に、マクロモノマーbの12.89g、M−200の0.31g、Et3Nの0.04g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の35.09g、マクロモノマーaの1.62g、MEKOの0.19gを用いたことを除いては、例1と同様にしてグラフトポリマーC溶液を得た。
グラフトポリマーを合成する際に、マクロモノマーbの12.89g、M−200の0.31g、Et3Nの0.04g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の35.09g、マクロモノマーaの1.62g、MEKOの0.19gを用いたことを除いては、例1と同様にしてグラフトポリマーC溶液を得た。
(例4)
グラフトポリマーを合成する際に、マクロモノマーbの10.31g、M−200の0.40g、Et3Nの0.05g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の31.11g、マクロモノマーaの3.60g、MEKOの0.26gを用いたことを除いては、例1と同様にしてグラフトポリマーD溶液を得た。
グラフトポリマーを合成する際に、マクロモノマーbの10.31g、M−200の0.40g、Et3Nの0.05g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の31.11g、マクロモノマーaの3.60g、MEKOの0.26gを用いたことを除いては、例1と同様にしてグラフトポリマーD溶液を得た。
(例5)
100mLのガラス製アンプルに、マクロモノマーaの7.2g、M−200の0.40g、Et3Nの0.05g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の17.85gを入れた。アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、50℃で、6時間反応させた。FT−IRでNCOのピークが消失していることを確認し、固形分濃度が31.69質量%であるグラフトポリマーE溶液を得た。
100mLのガラス製アンプルに、マクロモノマーaの7.2g、M−200の0.40g、Et3Nの0.05g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の17.85gを入れた。アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、50℃で、6時間反応させた。FT−IRでNCOのピークが消失していることを確認し、固形分濃度が31.69質量%であるグラフトポリマーE溶液を得た。
100mLのガラス製アンプルに、マクロモノマーbの15.47g、M−200の0.18g、Et3Nの0.02g、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒の36.56gを入れた。アンプル内を窒素で置換し、アンプルの口をシールした後、インキュベータ中、50℃で、6時間反応させた。FT−IRでNCOのピークが消失していることを確認し、固形分濃度が31.11質量%であるグラフトポリマーF溶液を得た。
グラフトポリマーE溶液とグラフトポリマーF溶液とを、グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比(グラフトポリマーE:グラフトポリマーF、固形分比率)が3:7になるようにブレンドして、グラフトポリマーブレンド溶液Tを得た。
(例6)
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を4:6にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Uを得た。
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を4:6にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Uを得た。
(例7)
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を5:5にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Vを得た。
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を5:5にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Vを得た。
(例8)
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFの質量比を7:3にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Wを得た。
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFの質量比を7:3にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Wを得た。
(例9)
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を1:9にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Xを得た。
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を1:9にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Xを得た。
(例10)
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を2:8にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Yを得た。
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を2:8にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Yを得た。
(例11)
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を10:0にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Zを得た。
グラフトポリマーEとグラフトポリマーFとの質量比を10:0にしたことを除いては、例5と同様の方法でグラフトポリマーブレンド溶液Zを得た。
〔撥水撥油剤の製造及び試験布の作製〕
(例12)
例1で得られたグラフトポリマーA溶液を、固形分濃度が2質量%になるように、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒で希釈し、さらにMR200、ベッカミンM−3、DABCOをそれぞれ濃度が0.3質量%、0.2質量%、0.1質量%になるように添加してコート液(撥水撥油剤組成物)を調製した。
調製したコート液に染色済みナイロン布を浸漬し、溶媒を風乾したのちに180℃で120秒間加熱して試験布を作製し、撥油性及び風合いを評価した。また、コート液から塗膜を形成し、造膜性を評価した。
(例12)
例1で得られたグラフトポリマーA溶液を、固形分濃度が2質量%になるように、AK225とTHFとが質量比で1対1に混合された溶媒で希釈し、さらにMR200、ベッカミンM−3、DABCOをそれぞれ濃度が0.3質量%、0.2質量%、0.1質量%になるように添加してコート液(撥水撥油剤組成物)を調製した。
調製したコート液に染色済みナイロン布を浸漬し、溶媒を風乾したのちに180℃で120秒間加熱して試験布を作製し、撥油性及び風合いを評価した。また、コート液から塗膜を形成し、造膜性を評価した。
(例13〜22)
グラフトポリマーA溶液を、表2に示すグラフトポリマー溶液又はグラフトポリマーブレンド溶液(以下、「グラフトポリマー(ブレンド)溶液」とも記す。)に変更した以外は、例12と同様の方法でコート液を調製し、試験布を作製し、撥油性及び風合いを評価した。また、コート液から塗膜を形成して造膜性を評価した。
グラフトポリマーA溶液を、表2に示すグラフトポリマー溶液又はグラフトポリマーブレンド溶液(以下、「グラフトポリマー(ブレンド)溶液」とも記す。)に変更した以外は、例12と同様の方法でコート液を調製し、試験布を作製し、撥油性及び風合いを評価した。また、コート液から塗膜を形成して造膜性を評価した。
各例の評価結果を表2に示す。
表2中、第1の枝ポリマー、第2の枝ポリマーそれぞれの含有量(質量%)は、各例のコート液に含まれる全ての枝ポリマーの総質量に対する各枝ポリマーの質量割合である。
表2中、第1の枝ポリマー、第2の枝ポリマーそれぞれの含有量(質量%)は、各例のコート液に含まれる全ての枝ポリマーの総質量に対する各枝ポリマーの質量割合である。
例12〜13、16〜19のコート液に使用したグラフトポリマー(ブレンド)は造膜性に優れていた。また、各コート液で処理した試験布は6級以上の撥油性、及び柔軟な風合いを示した。
本発明の撥水撥油剤組成物は、繊維製品(衣料物品(スポーツウェア、コート、ブルゾン、作業用衣料、ユニフォーム等。)、かばん、産業資材等。)、不織布、皮革製品、石材、コンクリート系建築材料、等の撥水撥油剤として有用である。また、濾過材料用コーティング剤、表面保護剤として有用である。さらに、ポリプロピレン、ナイロン等と混合して成形、繊維化することにより撥水撥油性を付与する用途にも有用である。
Claims (10)
- 幹ポリマーと枝ポリマーとからなるグラフトポリマーであり、
前記枝ポリマーとして、下記モノマーaに基づく単位を有し、前記モノマーaに基づく単位の含有量が95モル%以上である第1の枝ポリマーを有し、
前記第1の枝ポリマーの含有量が、前記グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し25〜70質量%であるグラフトポリマー。
モノマーa:ポリフルオロアルキル基を有するモノマー。 - 前記グラフトポリマーが、
前記枝ポリマーとして、下記モノマーbに基づく単位を有し、前記モノマーbに基づく単位の含有量が95モル%以上である第2の枝ポリマーをさらに有し、
前記第2の枝ポリマーの含有量が、前記グラフトポリマー中の全ての枝ポリマーの総質量に対し、30〜75質量%である請求項1に記載のグラフトポリマー。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度が50〜150℃であるモノマー。 - 前記モノマーbが、炭素数12〜30の直鎖アルキル基を有するモノマー、環状構造を有するモノマー、及び炭素数3〜30の分岐アルキル基を有するモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載のグラフトポリマー。
- 前記モノマーaが、下式1で表される請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフトポリマー。
(Z−L)nX ・・・式1
ただし、Zは、炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、又は下式2で表される基であり、Lは、2価有機基又は単結合であり、nは、1又は2であり、Xは、nが1の場合は、下式3−1〜3−6のいずれかで表される基であり、nが2の場合は、下式4−1〜4−4のいずれかで表される基である。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
−CR1=CH2 ・・・式3−1
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR3=CH2]− ・・・式4−1
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。 - グラフト率が80質量%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のグラフトポリマー。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のグラフトポリマーを含む、撥水撥油剤組成物。
- 幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、前記枝ポリマーとして、下記モノマーaに基づく単位を有し、前記モノマーaに基づく単位の含有量が95モル%以上である第1の枝ポリマーを有する第1のグラフトポリマーと、
幹ポリマーと枝ポリマーとからなり、前記枝ポリマーとして、下記モノマーbに基づく単位を有し、前記モノマーbに基づく単位の含有量が95モル%以上である第2の枝ポリマーを有する第2のグラフトポリマーと、
を含み、
前記第1の枝ポリマーの含有量が、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、25〜70質量%であり、
前記第2の枝ポリマーの含有量が、全てのグラフトポリマーに含まれる枝ポリマーの総質量に対し、30〜75質量%である撥水撥油剤組成物。
モノマーa:ポリフルオロアルキル基を有するモノマー。
モノマーb:モノマーbに基づく単位のみからなるポリマーのガラス転移温度が50〜150℃であるモノマー。 - 前記モノマーbが、炭素数12〜30の直鎖アルキル基を有するモノマー、環状構造を有するモノマー、及び炭素数3〜30の分岐アルキル基を有するモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の撥水撥油剤組成物。
- 前記モノマーaが、下式1で表される請求項7または8に記載の撥水撥油剤組成物。
(Z−L)nX ・・・式1
ただし、Zは、炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基、又は下式2で表される基であり、Lは、2価有機基又は単結合であり、nは、1又は2であり、Xは、nが1の場合は、下式3−1〜3−6のいずれかで表される基であり、nが2の場合は、下式4−1〜4−4のいずれかで表される基である。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・式2
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1及びX2はそれぞれ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
−CR1=CH2 ・・・式3−1
−C(O)OCR1=CH2 ・・・式3−2
−OC(O)CR1=CH2 ・・・式3−3
−OCH2−R2−CR1=CH2 ・・・式3−4
−OCH=CH2 ・・・式3−5
−OC(O)−R2−OC(O)−CR1=CH2 ・・・式3−6
ただし、R1は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、R2は、フェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR3=CH2]− ・・・式4−1
−CH[−(CH2)mC(O)OCR3=CH2]− ・・・式4−2
−CH[−(CH2)mOC(O)CR3=CH2]− ・・・式4−3
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・式4−4
ただし、R3は、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは、0〜4の整数である。 - 前記第1のグラフトポリマーおよび前記第2のグラフトポリマーの平均でのグラフト率が80質量%以上である請求項7〜9のいずれか一項に記載の撥水撥油剤組成物。
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JP2018078260A JP2019183058A (ja) | 2018-04-16 | 2018-04-16 | グラフトポリマー及び撥水撥油剤組成物 |
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CN115450042A (zh) * | 2022-10-14 | 2022-12-09 | 安徽深呼吸纺织科技有限公司 | 一种防水阻燃纺织品及其制备方法 |
-
2018
- 2018-04-16 JP JP2018078260A patent/JP2019183058A/ja active Pending
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