JP2019181356A - 外部潅流型中空糸膜モジュール - Google Patents

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Yoshie Tanizaki
美江 谷崎
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Abstract

【課題】被処理液を効率的に中空糸膜束の内部に導入でき、被処理液と中空糸膜の表面とを効率的に接触させて水処理を行うことが可能な、水処理性能に優れた外部潅流型中空糸膜モジュールを提供する。【解決手段】複数の中空糸膜1が長さ方向で揃えられるように束ねられた中空糸膜束11と、この中空糸膜束11を収容するケース2と、を備え、ケース2内に収容される被処理液から気体を除去するか、あるいは、被処理液に気体を供給する外部灌流型中空糸膜モジュール10であり、中空糸膜束11の少なくとも一端部11Aが、中空糸膜1の端面1Aが開口した状態で、ポッティング部13によってケース2内に固定されており、中空糸膜1は、表面に少なくとも1箇所以上の突条部を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、外部潅流型中空糸膜モジュールに関する。
中空糸膜モジュールとしては、ケース内の中空糸膜の周囲に被処理液を流しつつ、中空糸膜内を真空引きして被処理液中の溶存気体を膜内に取り込んで脱気したり、中空糸膜に気体を供給して被処理液に吸気したりする外部潅流型中空糸膜モジュールが知られている。このような外部潅流型中空糸膜モジュールは、例えば、インクジェット吐出装置や純水製造装置等に備える脱気用モジュールとして広く用いられている。上記のインクジェット吐出装置の中でも、産業用大型インクジェットプリンタやカラーフィルタ製造装置等においては、使用する薬液の液量が多いことから、薬液タンクが装置本体に据え置かれており、インクジェット吐出装置の動作時、薬液タンクからインクやフォトレジスト液等の薬液が送り出される。この際、薬液に気泡が含まれると、吐出精度が低下し、印刷物の品質に欠陥が生じる場合があることから、これを防止するため、外部潅流型中空糸膜モジュールが設けられる。
外部潅流型中空糸膜モジュールとしては、ケース内で中空糸膜束の長さ方向の一端部のみをポッティング部で固定したモジュール(例えば、特許文献1を参照)や、ケース内で中空糸膜束の長さ方向の一端部と他端部の両方をポッティング部で固定したモジュール等が知られている。そして、外部潅流型中空糸膜モジュールは、少なくとも一端部における各中空糸膜の開口端が開口状態を保ったまま固定され、中空糸膜の外側に被処理液を通液すると同時に、開口端から中空糸膜内を真空引きして被処理液を脱気したり、中空糸膜内に気体を供給して被処理液に給気したりすることで、被処理液中の溶存ガスを除去することが可能に構成される。
国際公開第2015/012293号
特許文献1に記載のような外部潅流型中空糸膜モジュールの構成で、効率的な水処理性能を得るためには、中空糸膜が被処理液と効率的に接液(接触)できる設計とする必要がある。このように、効率的な接液を実現するためには、中空糸膜の径が小さい方が、同一のスペースにおいてより多くの中空糸膜を充填できる点で有効である。一方、このような構成では、特に、中空糸膜モジュールの製品サイズが大きく膜長が長尺化した場合、図5に示すように、モジュール内における複数の中空糸膜101同士の隙間が十分に確保されず、中空糸膜束内において被処理液が効率的に膜間を流れるのが困難になるため、水処理効率が低下するという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、被処理液を効率的に中空糸膜束の内部に導入でき、被処理液と中空糸膜の表面とを効率的に接触させて水処理を行うことが可能な、水処理性能に優れた外部潅流型中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。この結果、中空糸膜束を構成する複数の中空糸膜の各々の表面に突条部を設けることで、中空糸膜同士の間隔を十分に確保でき、各中空糸膜の間に処理水が導入され易くなることを知見した。さらに、中空糸膜同士の間隔を十分に確保することで、各中空糸膜の有効表面積も十分に確保され、被処理液と中空糸膜の表面との接触面積も大きくなるので、より効率的且つ効果的な水処理を行うことが可能になることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 複数の中空糸膜が長さ方向で揃えられるように束ねられた中空糸膜束と、該中空糸膜束を収容するケースと、を備え、前記ケース内に収容される被処理液から気体を除去するか、あるいは、前記被処理液に気体を供給する外部灌流型中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜束の長さ方向における少なくとも一端部が、前記中空糸膜の端面が開口した状態で、ポッティング部によって前記ケース内に固定されており、前記中空糸膜は、表面に少なくとも1箇所以上の突条部を有する、外部潅流型中空糸膜モジュール。
[2] 前記突条部は、前記中空糸膜の長手方向に延在した形状を有する、上記[1]に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
[3] 前記中空糸膜が、気体透過性を有する均質層と、前記均質層を支持する多孔質支持層とを有する複合中空糸膜である、上記[1]又は[2]に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
[4] 前記ケースを前記中空糸膜束の長さ方向に垂直な方向に切断した断面における、前記ケース内の前記中空糸膜束の充填率が20〜50%である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
[5] 前記中空糸膜束は、前記複数の中空糸膜の各々が長さ方向の中央部でU字状に折り返された状態で束ねられてなり、前記一端部は、前記複数の中空糸膜の各々の両端面が開口した状態で、前記ポッティング部によって前記ケース内に固定されている、上記[1]〜[4]の何れか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
[6] 前記中空糸膜束における、前記ポッティング部によって前記ケース内に固定された一端部とは反対側の他端部は、前記複数の中空糸膜の各々の端部の位置が揃えられている、上記[1]〜[5]の何れか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
[7] 前記中空糸膜束は、該中空糸膜束の延在方向における少なくとも1箇所で、前記複数の中空糸膜が経糸によって互いに連結された状態で束ねられている、上記[1]〜[6]の何れか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュールによれば、上記のように、表面に1箇所以上の突条部を有する中空糸膜を用いて中空糸膜束を構成することで、複数の中空糸膜同士を十分に離間できるので、各中空糸膜の間に被処理液を効率的に導入できる。また、中空糸膜同士の間隔を十分に確保することで中空糸膜の各々の有効表面積も十分に確保され、被処理液と中空糸膜の表面との接触面積も大きくなるので、より効率的且つ効果的な水処理を行うことが可能になるので、優れた水処理効率が得られる。
本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュールの一例を模式的に説明する図であり、外部潅流型中空糸膜モジュールの内部構造を示す縦断面図である。 本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュールの一例を模式的に説明する図であり、中空糸膜束を構成する中空糸膜の形状を示す斜視断面図である。 本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュールの一例を模式的に説明する図であり、中空糸膜束を上側から見た斜視図である。 本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュールの一例を模式的に説明する図であり、外部潅流型中空糸膜モジュールの内部に収容された中空糸膜の構造を示す斜視断面図である。 従来の外部潅流型中空糸膜モジュールの内部に収容された中空糸膜の構造を示す斜視断面図である。
以下、本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュールの実施の形態を挙げ、図1〜図4を適宜参照しながら詳述する(必要に応じて図5の従来図も参照)。なお、以下の説明で用いる各図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係る中空糸膜モジュールは、ケース内において中空糸膜の周囲に外部潅流される被処理液中に溶け込んだ気体を取り除く脱気用、又は外部潅流される被処理液中に気体を供給する給気用のモジュールとして使用できる。また、本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュールの用途としては、特に限定されず、例えば、インクジェットプリンタ、カラーフィルタ製造装置等のインクジェット吐出装置等が挙げられる。
<外部潅流型中空糸膜モジュールの構成>
図1に示すように、本実施形態の外部潅流型中空糸膜モジュール10(以下、中空糸膜モジュール10と略称する場合がある)は、複数の中空糸膜1が長さ方向で揃えられるように束ねられた中空糸膜束11と、この中空糸膜束11を収容するケース2と、を備え、ケース2内に収容される被処理液から気体を除去するか、あるいは、被処理液に気体を供給するものである。
また、本実施形態の中空糸膜モジュール10は、中空糸膜束11の長さ方向の両端部のうちの少なくとも一方の端部、図示例では一端部11A側が、中空糸膜1の端面1Aが開口した状態で、ポッティング部13によってケース2内に固定されている。
また、図2に示すように、中空糸膜束11を構成する複数の中空糸膜1は、それぞれ、表面1aに少なくとも1箇所以上の突条部15を有して構成される。
なお、図1に示す例の中空糸膜モジュール10においては、中空糸膜束11における一端部11Aとは反対側の他端部11Bが、ケース2には固定されない自由端とされている。
ケース2は、円筒状のケース本体21と、ケース本体21の長さ方向の第1開口端21a側に設けられた第1蓋部材22と、ケース本体21の第2開口端21b側に設けられた第2蓋部材23とを備えている。図1中に示すケース2は、ケース本体21、第1蓋部材22及び第2蓋部材23とで、概略円筒状の構造とされている。
本実施形態の外部潅流型中空糸膜モジュール10に用いられるケース2としては、上記の例のように、円筒状のケース本体21を備える円柱状の外観を有したケースが好ましい。また、本発明においては、上記の外観が円柱状のケースにのみ限定されるものではなく、例えば、多角筒状のケース本体を備える多角柱状の外観を有したケースであってもよい。
ケース2のケース本体21における第1開口端21a寄りの部分には、ケース本体21の外周面から外側に突出するように、ケース本体21の内部と連通する第1ポート24が設けられている。第1ポート24は、円筒状であり、ケース本体21内に液体を流出入させる液体流出入ポートとして機能する。なお、第1ポート24の形状は、円筒状には限定されず、例えば、多角筒状等であってもよい。
第1蓋部材22は、円形状の平板部22aと、平板部22aの外周縁から全周にわたってケース本体21側に突き出るように設けられた筒部22bと、平板部22aの中央部分から外側に突出するように設けられた第2ポート22cとを備えている。また、第1蓋部材22は、ケース本体21の第1端部21cが筒部22bに嵌め込まれ、ケース本体21に取り付けられる。なお、第2ポート22cは、ケース2における中心軸線L1上に位置している。
第2ポート22cは、例えば円筒状であり、ケース2内から気体を流出させる気体流出ポート、又は流入させる気体流入ポートとして機能する。また、第2ポート22cの形状は、円筒状には限定されず、例えば、多角筒状等であってもよい。
第2蓋部材23は、円形状の平板部23aと、平板部23aの外周縁から全周にわたってケース本体21側に突き出るように設けられた筒部23bと、平板部23aの中央部分から外側に突出するように設けられた第3ポート23cとを備えている。また、第2蓋部材23は、ケース本体21の第2端部21dが筒部23bに嵌め込まれ、ケース本体21に取り付けられる。なお、第3ポート23cは、ケース2における中心軸線L1上に位置している。
第3ポート23cは、例えば円筒状であり、ケース2内から液体を流出入させる液体流出入ポートとして機能する。第3ポート23cの形状は、円筒状には限定されず、例えば、多角筒状等であってもよい。
ケース2の大きさは、設置スペースの大きさや、被処理液の処理能力等を勘案しながら適宜設定することができる。例えば、円筒状のケース本体21を備えるケース2の場合、ケース本体21の外径を3〜15cm、長さを5〜50cmとすることができるが、ケース本体21の外径や長さは適宜変更できる。
ケース2に用いられる材料としては、特に限定されないが、十分な機械的強度及び耐久性を確保できる材料が好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)等が挙げられる。また、ケース2に用いられる材料としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中空糸膜束11は、図1及び図3に示すように、複数の中空糸膜1が、内側に空洞部12が形成されるように円筒状に束ねられて形成されている。中空糸膜束11の形状は、図示例のような円筒状が好ましい。また、中空糸膜束11の形状は、上記の円筒状には限定されず、例えば、楕円筒状、角型等であってもよい。また、中空糸膜束としては、図示例のような空洞部12を形成せず、簡易な円筒状に形成してもよい。
中空糸膜束11は、ケース2のケース本体21内に収容され、中空糸膜束11の長さ方向の一端部11Aが、ケース本体21の第1開口端21a側の端部において、ポッティング部13によって固定されている。また、中空糸膜束11を構成する複数の中空糸膜1は、それぞれ長さ方向の中央部でU字状に折り返された状態で束ねられており、各中空糸膜1の両側の端面1Aが開口した状態でポッティング部13に埋設されて固定されている。
本発明に係る中空糸膜モジュールにおいては、図示例のように、複数の中空糸膜がそれぞれ長さ方向の中央部でU字状に折り返された状態で束ねられ、各中空糸膜の両側の端面が開口した状態で、ポッティング部によってケース内に固定されていることが好ましい。各中空糸膜がこのような状態で束ねられていることで、少ない本数の中空糸膜であっても、中空糸膜束の充填率を充分に高めることが容易になり、製造効率が向上する。また、中空糸膜束の自立状態を保持しやすくなるため、中空糸膜束の全体にわたって各中空糸膜間に液体が行き渡りやすくなるので、脱気又は給気の効率が向上する。
中空糸膜束11における一端部11Aと反対側に位置する、各中空糸膜1のUターン部からなる他端部11Bは、ケース2には固定されておらず、自由端とされている。これにより、中空糸膜束11の全体にわたって各中空糸膜1間に液体が行き渡りやすくなるため、効率よく被処理液の脱気又は給気を行うことが可能になる。
ケース本体21の第1開口端21aは、ポッティング部13によって塞がれた状態とされている。ポッティング部13の第1蓋部材22側の端面13aは、ケース本体21の第1開口端21aと面一になっており、そのポッティング部13の端面13aにおいて、各中空糸膜1の両側の端面11aが開口した状態とされている。ケース2内におけるポッティング部13の端面13aの第1蓋部材22側には空間が確保されており、該空間と、ケース本体21内のポッティング部13よりも中空糸膜束11の他端部11B側の空間とが、ポッティング部13によって区画されている。また、各中空糸膜1の両側の端面1Aが開口した状態になっていることで、各中空糸膜1の膜内と、ケース2内におけるポッティング部13の第1蓋部材22側の空間とが連通した状態とされている。
ケース2内に収容された中空糸膜束11は、各中空糸膜1がケース2の中心軸線L1の周囲を取り巻くように円筒状に束ねられ、中空糸膜束11の内側に円柱状の空洞部12が形成されている。また、空洞部12、第2ポート22c及び第3ポート23cは、何れも、ケース2における中心軸線L1上に位置している。
本実施形態の中空糸膜モジュール10においては、ケース2内におけるポッティング部13の中空糸膜束11の他端部11B側の端面13bと、中空糸膜束11の他端部11Bとの間の領域に、中空糸膜束11のみが設けられて構成されている。即ち、円筒状の中空糸膜束11の内側の空洞部12内には何も配置されていない状態とされている。これにより、中空糸膜モジュール10の内部では、中空糸膜束11の全体にわたって、中空糸膜束11の内側の空洞部12との間で、各中空糸膜1間を通過する液体が遮られずに移動できるように構成されている。
中空糸膜束11は、図1及び図3に示すように、の中空糸膜束11の延在方向における少なくとも1箇所で、複数の中空糸膜1が経糸14によって互いに連結された状態で束ねられていてもよい。具体的には、各中空糸膜1におけるUターン部寄りの位置、即ち、図示例における中空糸膜束11の他端部11B寄りの位置において、中心軸線L1に対する直交方向、すなわち各中空糸膜1の長さ方向に対する直交方向に、複数の中空糸膜1が経糸14で織り込まれることで、複数の中空糸膜1が互いに連結されている。
複数の中空糸膜1を経糸14で連結する態様としては、特に限定されず、例えば、チェーンステッチ型で織り込む態様が挙げられる。
本実施形態の中空糸膜モジュール10に備えられる中空糸膜束11は、ポッティング部13によってケース2内に固定された一端部11Aとは反対側の他端部11Bが、複数の中空糸膜1の各々の端部の位置が揃えられている。即ち、中空糸膜束11の他端部11Bでは、ケース2の中心軸線L1方向において、各中空糸膜1のUターン部からなる他端部11Bの位置が互いに揃っている。つまり、各中空糸膜1におけるポッティング部13から露出している部分の長さが互いに揃っている。本実施形態における、各中空糸膜1の端部11Bの位置が揃っている、とは、中空糸膜束11を形成する全ての中空糸膜1におけるポッティング部13から露出した部分の長さの平均値に対する、各中空糸膜1の当該長さの誤差が±5%以内であることを意味する。
本実施形態の中空糸膜モジュール10においては、上記のように、中空糸膜束11の他端部11Bにおいて、各中空糸膜1の端部が互いに揃っていることが好ましい。これにより、中空糸膜モジュール10の使用開始時、被処理液を導入した際にケース2内のエアーが効率的に抜けやすくなり、ケース2内において、被処理液が局所的に偏って流れるのを抑制しやすくなる。また、中空糸膜束11が型崩れするのが抑制されやすく、中空糸膜束11全体に被処理液が行き渡りやすくなり、脱気又は給気の効率が向上する。
中空糸膜1としては、膜内の中空部16と膜外との間で気体が透過する気体透過性を有する中空糸膜が好ましい。また、強度に優れるとともに、脱気や給気をより効率的に行える点から、中空糸膜1としては、気体透過性を有する均質層と、均質層を支持する多孔質支持層とを有する複合構造の中空糸膜であることがより好ましい。
上記の中空糸膜1の複合構造としては、詳細な図示を省略するが、例えば、均質層の内側又は外側に多孔質支持層が設けられた二層構造、又は、均質層の内側と外側の両方に多孔質支持層が設けられた三層構造が好ましい。また、中空糸膜1の強度、及び、脱気又は給気の性能の観点からは、上記の三層構造がより好ましい。
均質層を形成する材料としては、特に限定されず、公知の材料を使用でき、例えば、シリコンゴム系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素含有樹脂、セルロース系樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリ4−ビニルピリジン、又はウレタン系樹脂等が挙げられる。これらの材料は、1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせてもよい。上記材料の中でも、均質層を形成する材料としては、高流量で液体を潅流させた場合でも脱気や給気の性能に優れるとともに、耐薬品性に優れる点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、製膜性に優れる点から低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、ポリ4−メチルペンテン−1、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、又は変性ポリオレフィン等が挙げられる。
多孔質支持層を形成する材料としては、特に限定されず、公知の材料を使用でき、例えば、ポリジメチルシロキサン、シリコンとポリカーボネートの共重合体等のシリコンゴム系樹脂;ポリ4−メチルペンテン−1、ポリ3−メチルブテン−1、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂;エチルセルロース等セルロース系樹脂;ポリフェニレンオキサイド;ポリ4−ビニルピリジン;ウレタン系樹脂;ポリスチレン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。これらの材料は、1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせてもよい。上記材料の中でも、多孔質支持層を形成する材料としては、中空糸膜束11の自立性を確保しやすい点から、均質層と同等のMFR値を示す高密度ポリエチレンが好ましい。
多孔質支持層に形成される複数の細孔の平均細孔径は、0.01〜1μmが好ましい。
多孔質支持層における平均細孔径が0.01μm以上であれば、優れた脱気又は給気性能が得られる。また、多孔質支持層における平均細孔径が1μm以下であれば、十分な膜強度が得られる。
ここで、本実施形態において説明する、多孔質支持層に形成される複数の細孔の平均細孔径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて多孔質支持層の外表面部分を観察し、30個の細孔を無作為に選び、各細孔の最長径を測定して、これら30個の細孔の最長径を平均して求めた値である。
また、多孔質支持層の空孔率は、30〜80体積%が好ましい。多孔質支持層の空孔率が上記範囲の下限値以上であれば、脱気又は給気の性能に優れる。また、多孔質支持層の空孔率が上記範囲の上限値以下であれば、中空糸膜の耐圧性等の機械的強度が向上する。
ここで、本実施形態において説明する「空孔率」とは、多孔質支持層内における孔の占める面積割合のことを意味する。
中空糸膜1の外径は、平均外径で350μm以下が好ましく、150〜330μmがより好ましく、200〜300μmがさらに好ましい。中空糸膜1の外径が150μ以上であることで、ケース2内において、各中空糸膜1同士の間隔を十分に確保でき、被処理液を効率的に導入できる流路を形成できる。また、中空糸膜1の外径が330μm以下であることで、ケース2内に充分な本数の中空糸膜1を収容でき、脱気又は給気の性能、及び耐久性を維持しやすい。
ここで、本実施形態において説明する中空糸膜1の外径とは、中空糸膜1を長手方向に対して垂直な任意の面で切断したとき、その切断面の外縁を内接する最少の円の直径を意味する。また、中空糸膜1の平均外径は、上記の切断面における任意の3箇所以上、10箇所以下を測定し、その平均値として求めることができる。
中空糸膜1の内径は、平均内径で100μm以上が好ましく、120〜250μmがより好ましく、130〜200μmがさらに好ましい。中空糸膜1の内径が120μm以上であることで、中空部16内を流れる気体の圧力損失を抑制し、流量が低下すること等を防止できる。また、中空糸膜1の内径が250μm以下であることで、中空糸膜1の機械的強度が低下して不安定になるのを防止できる。
ここで、本実施形態において説明する中空糸膜1の内径とは、上記外径の測定と同様に、中空糸膜1を長手方向に対して垂直な任意の面で切断したとき、その切断面の内縁を外接する最少の円の直径を意味する。また、中空糸膜1の平均内径は、上記の切断面における任意の3箇所以上、10箇所以下を測定し、その平均値として求めることができる。
中空糸膜1における、後述の突条部15を除いた各層の合計膜厚は、平均膜厚で20〜70μmが好ましく、25〜55μmがより好ましい。中空糸膜1の平均膜厚が上記範囲の上限値以下であれば、ケース2内における中空糸膜1の内側を繰り返し減圧あるいは加圧した際の耐久性に優れる。中空糸膜1の平均膜厚が上記範囲の下限値以上であれば、脱気又は給気の性能を良好に維持しやすい。
なお、中空糸膜の膜厚は、中空糸膜の突条部を除いた内径と外径との差から、下式(1)により算出される値である。
中空糸膜の膜厚=(中空糸膜の外径−中空糸膜の内径)/2 ・・・(1)
また、中空糸膜の内径及び外径は、国際公開第2015/012293号の段落0062に記載の方法で測定できる。
ここで、本実施形態で説明する「平均膜厚」とは、上記の方法で、中空糸膜の膜厚を周方向で複数箇所(5箇所以上)測定し、その平均値を求めたものである。
均質層及び多孔質支持層の厚さは、中空糸膜1としての合計膜厚が前記範囲内となるように適宜設定すればよい。例えば、均質層の厚さは0.3〜2μmが好ましく、0.5〜1.2μmがより好ましい。
均質層及び多孔質支持層の厚さは、国際公開第2015/012293号の段落0077に記載の方法で測定できる。
上述したように、本発明に係る中空糸膜モジュール10においては、中空糸膜束11を構成する複数の中空糸膜1の各々の表面1aに、突条部15が少なくとも1箇所以上で備えられる。図2に示す例においては、中空糸膜1の各々の表面1aにおいて、中空糸膜1Aの長さ方向の全体で延在するフィン状の突条部15が設けられており、図示例では表面1aの周方向で計12カ所に等間隔で配列されている。
中空糸膜モジュール10は、突条部15を有する中空糸膜1が用いられた中空糸膜束11を備えることにより、図4に示すように、中空糸膜1同士を十分に離間できるので、各中空糸膜1の間に被処理液を効率的に導入できる。
さらに、中空糸膜1同士が離間されることで、各々の中空糸膜1の有効表面積も十分に確保されるので、被処理液と中空糸膜1の表面1aとの接触面積も大きくなり、より効率的且つ効果的な水処理を行うことが可能になる。
従って、図5に示すような、中空糸膜同士の間隔を設けることが考慮されていない、従来の外部潅流型中空糸膜モジュールに比べて、非常に優れた水処理効率が得られる。
突条部15の平面視形状としては、特に限定されないが、図2に示す例のように、中空糸膜1の長手方向に延在した形状を有することがより好ましい。このように、突条部15を、中空糸膜1の長手方向に延在させた構成を採用することで、中空糸膜1同士を安定的に離間させることが可能になるとともに、中空糸膜1を製造するプロセスが複雑にならず、優れた生産性を維持できるというメリットがある。
突条部15の平面視形状としては、図示例のような中空糸膜1の長さ方向の全体に延在する形状の他、長さ方向で間欠的に設けられる構成を採用することも可能である。
また、突条部15の断面形状としても、特に限定されず、図示例のような断面矩形状の他、例えば、断面半円形状や断面三角形状等を採用することも可能である。
また、中空糸膜1の表面1aにおける突条部15の数も、特に限定されず、中空糸膜1の形状安定性が十分に確保できる範囲内で適宜設定することができる。
ここで、中空糸膜1の長手方向に延在した形状とした場合、少なくとも1箇所以上で突条部15が形成されていればよいが、上記のような、中空糸膜1同士を離間させる効果を確実に得る観点からは、例えば、4箇所以上に形成されていることが好ましい。一方、突条部15の数が多すぎると、中空糸膜1の有効表面積が減少してしまう場合もあり、この場合には、所望の脱気又は給気の性能が得られなくなるおそれがある。このため、突条部15の数は、突条部15を除外した場合の中空糸膜1の表面1aに対する、突条部15の表面1aへの投影面積割合が50%以下となるように調整することが好ましい。突条部15の表面1aへの投影面積割合を上記範囲とすることで、優れた脱気又は給気の性能が得られる。
また、上記の観点からは、突条部15の数は20カ所以下となるように設定することがより好ましい。
突条部15の幅寸法としても、特に限定されないが、被処理液を処理する際の各中空糸膜1の揺動や相互衝突等による変形及び破損を防止する観点から、5μm以上であることが好ましい。また、突条部15を上記のような幅寸法とすることで、中空糸膜1の製造時における突条部15の形状が安定し、生産性が向上する効果も得られる。
また、突条部15の幅寸法の上限についても、特に限定されないが、中空糸膜1の有効表面積を安定的に確保する観点からは、100μm以下であることが好ましい。
突条部15の中空糸膜1の表面1aからの高さ寸法は特に限定されず、中空糸膜1同士の間隔が十分に確保される高さであればよく、例えば、5μm以上程度とすることができる。
また、突条部15の高さ寸法は、その根元部分の幅寸法の3倍以下であることが好ましく、2倍以下であることがより好ましい。突条部15の高さ寸法と根元部分の幅寸法との関係を上記関係とすることにより、突条部15の機械的強度を十分に確保でき、突条部15の変形や破損が発生するのを抑制できる。
なお、本実施形態で説明する突条部15の高さ寸法とは、この突条部15を除外した場合における、中空糸膜1の表面1aから突条部15の先端までの寸法のことをいう。
また、突条部15同士の間隔についても、適宜設定すればよいが、表面1aに対して被処理液を均一に接触させることを考慮した場合、等間隔で配置されていることが好ましい。
ここで、中空糸膜1の表面1aに形成される突条部15は、最外層に配置される多孔質支持層が表面1aから隆起するように形成されることで、突条部15全体が多孔質材料から構成されていてもよいが、例えば、多孔質支持層及び均質層の両方の層が隆起するように形成されることで、突条部15が多孔質支持層と均質層との2層からなる構成とされていてもよい。このように、突条部15が多孔質支持層と均質層とからなる複合構造である場合には、中空糸膜1の実質的な表面積がさらに増大するので、被処理液と中空糸膜1の表面1aとの接触面積もより大きくなり、さらに効率的且つ効果的な水処理を行うことが可能になる。
本実施形態の中空糸膜モジュール10で用いられる中空糸膜1は、モジュール製造時の取り扱い性の点から、破断強度が0.5N/fil以上であり、破断伸度が50%以上であることが好ましく、破断強度が0.8〜5N/filであり、破断伸度が70〜400%以上であることがより好ましく、破断強度が1〜3N/fil、破断伸度が140〜300%以上であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態で説明する中空糸膜の破断強度とは、中空糸膜の長手方向に引張荷重をかけて延伸した際に、破断する値のことを意味する。また、「N/fil」とは、中空糸膜1本あたり(1filament)が破断するのに必要な強度をニュートン(N)で表したものである。また、中空糸膜の破断伸度とは、中空糸膜の長手方向に引張荷重をかけながら延伸した際に、破断に至るまでに示した伸びのことを意味する。
上記の破断強度及び破断伸度は、国際公開第2015/012293号の段落0081に記載の方法で測定される。具体的には、テンシロン型引張試験器を用い、1本の中空糸膜を長さが2cmとなるように試験機のチャック部に把持させ、引張荷重をかけて破断強度及び破断伸度を3回測定し、その平均値を求める。
ケース2を中空糸膜束11の長さ方向に垂直な方向に切断した断面における、ケース2内の中空糸膜束11の充填率は、20〜50%が好ましく、25〜45%がより好ましい。中空糸膜の充填率が上記の下限値以上であれば、ケース内において被処理液の偏流が生じるのを抑制しやすい。また、中空糸膜の充填率が上記の上限値以下であれば、中空糸膜の充填が容易になり、脱気又は給気の性能が向上する。
なお、上記の中空糸膜束11の充填率は、ケース2を中空糸膜束11の長さ方向に垂直な方向に切断した断面における、ケース2内部の断面積に対する、充填された中空糸膜束11を形成する各中空糸膜1の断面積の総和の割合(%)として測定される。
中空糸膜1のガーレー剛軟度は、特に限定されるものではないが、例えば、10mN以上であることが好ましく、15〜30mNがより好ましく、18〜25mNがさらに好ましい。中空糸膜1のガーレー剛軟度が上記範囲の下限値以上であれば、中空糸膜束11の自立性を確保しやすく、脱気又は給気の効率の低下を抑制しやすい。また、中空糸膜1のガーレー剛軟度が上記範囲の上限値以下であれば、中空糸膜束11を形成したときに、膜長の長尺化に伴う膜の乱れが少なく、引き揃えた状態でのモジュールの形成が可能となる。
なお、上述した中空糸膜1のガーレー剛軟度は、JIS L1096 A法 剛軟度(ガーレ)法に記載の測定方法に準じ、試験片長さ2インチ、幅約26mmの中空糸編地によって測定される。
また、中空糸膜1のガーレー剛軟度は、中空糸膜1の材質や外径等を調節することで制御できる。
ポッティング部13は、上記のように、中空糸膜束11の一端部11Aをケース本体21内に固定するものである。このポッティング部13の材質としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が好適に使用され、中でも、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂が好ましい。
<外部潅流型中空糸膜モジュールを製造する方法>
本実施形態の外部潅流型中空糸膜モジュール10を製造する方法は、特に限定されず、従来からこの分野において知られている方法を採用することができ、例えば、以下の方法で製造することができる。
例えば、詳細な図示を省略するが、まず、予め準備した長尺の中空糸膜1を交互に反対方向に複数回繰り返してU字状に折り返して帯状の中空糸膜シートとし、この中空糸膜シートにおける幅方向の両方の端部側で、経糸14(図3参照)によってシートの長さ方向に中空糸膜1を編み、中空糸膜1における幅方向に延在する部分同士を連結する。
ここで、予め準備する、突条部15を有する中空糸膜1を製造する方法は、特に限定されない。例えば、突条構造を持たない中空糸膜の表面に対して、重合法により、後から突条部15を形成してもよいし、あるいは、中空糸膜1の製造時に、紡糸工程で突条部15を賦形してもよい。一方、製造プロセスを簡略化し、また、製造コストを低減させる観点からは、中空糸膜1の製造時に、同時に突条部15を賦形することが好ましい。
次いで、中空糸膜シートを円柱状の芯棒に巻き付け、これをケース本体21(図1参照)内に挿入し、遠心法等の公知の方法を利用して、ポッティング樹脂によって中空糸膜シートの一端をケース本体21の第1開口端21a側に固定する。このとき、中空糸膜シートにおけるポッティング樹脂で固定される側の中空糸膜1のUターン部と、ポッティング樹脂の一部がケース本体21から突出するようにする。
次いで、ケース本体21の第1開口端21aに沿う平面で、中空糸膜シート及びポッティング樹脂の突出部分を切除することで、U字状に折り返された各中空糸膜1の端面1Aが開口した状態でポッティング部13によってケース本体21に固定される。さらに、芯棒を引き抜くことで、内側に空洞部12が形成された円筒状の中空糸膜束11が形成される。また、この際、他端部11Bの経糸を抜いて自由端とした中空糸膜1をさらに広げて、ケース2内に充填した形としてもよい。
そして、ケース本体21の両端部に第1蓋部材22及び第2蓋部材23を取り付けることで外部潅流型中空糸膜モジュール10が得られる。
<外部潅流型中空糸膜モジュールを用いた水処理方法>
以下、本実施形態の外部潅流型中空糸膜モジュール10の作用機構について説明する。この外部潅流型中空糸膜モジュール10は、例えば、以下のように使用することができる。
外部潅流型中空糸膜モジュール10を用いて被処理液を処理する際には、まず、第1ポート24から、ケース2のケース本体21内に液体を流入させ、第3ポート23cから被処理液を流出させる。これにより、ケース2内のポッティング部13よりも中空糸膜束11の他端部11B側の領域において、各中空糸膜1の膜外に被処理液が潅流される。
被処理液を第1ポート24から流入させて第3ポート32cから流出させる構成としては、特に限定されず、例えば、第1ポート24をポンプと接続して被処理液を圧送する構成であってもよく、第3ポート23cをポンプと接続して被処理液を吸引する構成であってもよい。また、被処理液を流す方向は特に限定されず、第3ポート23cを流入ポート、第1ポート24を流出ポートとしてもよい。
第1ポート24からケース本体21内に流入した被処理液は、中空糸膜束11の外側から内側の空洞部12に向かって各中空糸膜1の間を通過する。このとき、例えば、第1蓋部材22の第2ポート22cを真空ポンプと接続して真空引きすることで、各中空糸膜1の間を通過する被処理液の溶存気体が中空糸膜1の膜内に取り込まれて第2ポート22cから流出することで、被処理液を脱気することができる。また、第1蓋部材22の第2ポート22cを給気ポンプと接続して気体を供給することで、各中空糸膜1を通じて、各中空糸膜1の間を通過する被処理液に気体を給気することができる。
本実施形態の外部潅流型中空糸膜モジュール10においては、中空糸膜束11をなす複数の中空糸膜1の各々が、表面1aに突条部15が設けられた構成なので、各中空糸膜1が十分に離間した状態となり、被処理液が各中空糸膜1の間を通過し易くなることで、上記の水処理を効率的に行うことができる。また、各中空糸膜1が十分に離間することで、各中空糸膜1における有効表面積も十分に確保することができるので、被処理液と中空糸膜1の表面1aとの接触面積も十分に確保され、上記の水処理をより効率的且つ効果的に行うことができる。
<作用効果>
以上説明したように、本発明に係る外部潅流型中空糸膜モジュール1によれば、表面1aに1箇所以上の突条部15を有する中空糸膜1を用いて中空糸膜束11を構成することで、複数の中空糸膜1同士を十分に離間できるので、各中空糸膜1の間に被処理液を効率的に導入できる。また、中空糸膜1同士の間隔を十分に確保することで中空糸膜1の各々の有効表面積も十分に確保され、被処理液と中空糸膜の表面との接触面積も大きくなるので、より効率的且つ効果的な水処理を行うことが可能になる。従って、従来の外部潅流型中空糸膜モジュールに比べて、非常に優れた水処理効率が得られる。
また、本発明に係る中空糸膜モジュール1によれば、高流量の水処理を目的として中空糸膜モジュールの大型化を図った場合においても、上記同様、中空糸膜束11の内部に効率的に被処理液を導入できる。これにより、大型の設備における水処理に本発明を適用した場合でも、効率的且つ効果的な水処理を行うことが可能になる。
さらに、本発明に係る中空糸膜モジュール1によれば、中空糸膜1の表面1aに突条部15を設けた、非常にシンプルな構成なので、簡易的な工程で製造することが可能である。
<その他の構成>
本実施形態においては、外部潅流型中空糸膜モジュール1として、図1に示すような、中空糸膜束11の一端部11Aのみがポッティング部13によってケース2に固定され、一端部11Aと反対側に配される他端部11Bが自由端とされている例を説明しているが、本発明においては、上記構成には限定されない。例えば、中空糸膜束11の他端部11Bも、一端部11Aと同様に、ポッティング部によってケース2に固定された構成を採用してもよい。
本発明の外部潅流型中空糸膜モジュールは、被処理液を効率的に中空糸膜束の内部に導入でき、被処理液と中空糸膜の表面とを効率的に接触させて水処理を行うことが可能なものなので、例えば、インクジェットプリンタや、カラーフィルタ製造装置等のインクジェット吐出装置等において非常に好適である。
10…外部潅流型中空糸膜モジュール
1…中空糸膜
1A…端面
1a…表面
15…突条部
11…中空糸膜束
11A…一端部
11B…他端部
12…空洞部
13…ポッティング部
13a,13b…端面
14…経糸
2…ケース
21…ケース本体
21a…第1開口端
21b…第2開口端
21c…第1端部
21d…第2端部21d
22…第1蓋部材
22a…平板部
22b…筒部
22c…第2ポート
23…第2蓋部材
23a…平板部
23b…筒部
23c…第3ポート
24…第1ポート
L1…中心軸線(ケース)

Claims (7)

  1. 複数の中空糸膜が長さ方向で揃えられるように束ねられた中空糸膜束と、該中空糸膜束を収容するケースと、を備え、前記ケース内に収容される被処理液から気体を除去するか、あるいは、前記被処理液に気体を供給する外部灌流型中空糸膜モジュールであって、
    前記中空糸膜束の長さ方向における少なくとも一端部が、前記中空糸膜の端面が開口した状態で、ポッティング部によって前記ケース内に固定されており、
    前記中空糸膜は、表面に少なくとも1箇所以上の突条部を有する、外部潅流型中空糸膜モジュール。
  2. 前記突条部は、前記中空糸膜の長手方向に延在した形状を有する、請求項1に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
  3. 前記中空糸膜が、気体透過性を有する均質層と、前記均質層を支持する多孔質支持層とを有する複合中空糸膜である、請求項1又は請求項2に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
  4. 前記ケースを前記中空糸膜束の長さ方向に垂直な方向に切断した断面における、前記ケース内の前記中空糸膜束の充填率が20〜50%である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
  5. 前記中空糸膜束は、前記複数の中空糸膜の各々が長さ方向の中央部でU字状に折り返された状態で束ねられてなり、前記一端部は、前記複数の中空糸膜の各々の両端面が開口した状態で、前記ポッティング部によって前記ケース内に固定されている、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
  6. 前記中空糸膜束における、前記ポッティング部によって前記ケース内に固定された一端部とは反対側の他端部は、前記複数の中空糸膜の各々の端部の位置が揃えられている、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
  7. 前記中空糸膜束は、該中空糸膜束の延在方向における少なくとも1箇所で、前記複数の中空糸膜が経糸によって互いに連結された状態で束ねられている、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の外部潅流型中空糸膜モジュール。
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