JP2019179364A - 半導体装置、情報処理システム、および情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<有向グラフに拡張したイジングモデル>
本実施の形態では、イジングモデルを拡張した、以下の(2)式で示されるモデルを、これ以降イジングモデルと呼ぶものとする。
図1は、本実施の形態による情報処理装置の全体構成を示す。この情報処理装置1はパーソナルコンピュータやワークステーション又はサーバなどから構成され、システムバス2を介して構成されたCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)3、メモリ4、記憶装置5、及び1つ又は複数のイジングボード6を備える。メモリ4は例えばDRAMやSRAMを想定する。記憶装置5は例えば磁気ディスク装置である。以上の構成は、単体のコンピュータで構成してもよいし、あるいは、任意の部分が、ネットワークで接続された他のコンピュータで構成されてもよい。
図2は、イジングボード6の構成図である。イジングボード6は、インタフェース10、イジングチップ部11、及び制御部12を備えて構成される。イジングボード6は、インタフェース10及びシステムバス2(図1)を介して、CPU3(図1)との間でコマンドやデータの送受を行うことができる。
図3は、イジングチップ14の概略構成を示す。イジングチップ14は、スピンアレイ20、I/O(Input/Output)アドレスデコーダ21、I/Oドライバ22、相互作用アドレスデコーダ23を備えて構成される。本実施の形態では、イジングチップ14は現在広く用いられているCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)集積回路として実装されていることを想定して説明するが、他の固体素子でも実現可能である。
スピンアレイ20は、1個のスピンσi並びにそれに付随する相互作用係数Ji,j及び外部磁場係数hiの保持と、基底状態探索演算とを実現するスピンユニットを基本構成単位として、スピンユニットを多数個並べた構成を有する。
図5により、図4のスピンユニット40単体に注目した接続関係を示す。スピンユニット40は、隣接する8つのスピンユニットから隣接スピンの値を受け取り、また、隣接する8つのスピンユニットへ自分のスピンの値を送る。スピンユニット40は外部磁場係数hiと、受け取る隣接スピンの値に対して作用する相互作用係数Jj,i、Jk,i、Jl,i、Jm,i、Jn,i、Jo,i、Jp,i、Jq,iを持つ。
図6は、スピンユニット40の一構成例の回路ブロック図である。スピンユニット40は、イジングモデルのスピンσi、相互作用係数Jj,i〜Jq,i及び外部磁場係数hiを保持するために、1ビットのメモリセルN,および複数ビットのメモリIN、INE,IE,ISE,IS,ISW,IW,INWを備えている。
上述したように、スピンユニット40は隣接するスピンユニット40のもつスピン値と、隣接するスピンユニットから受ける相互作用を表す相互作用係数との積の総和からスピンの値を計算する。
上述の方法により、制約条件を満たすスピン値の組合せを得る際には、通常スピン803を更新する際に、隣接する制約スピン802の値が正しい値を出力している必要がある。制約スピン802の値は隣接スピン値の変化に伴って更新されなければならない。
図6を再度参照して、スピンユニット40の計算順序制御の詳細を説明する。スピン更新順序の制御は、スピンユニット40内の計算順序制御部610で行われる。計算順序制御部610には、外部から制約スピン更新制御信号CTR1を入力する。制約スピン更新制御信号CTR1は1ビットの信号で、制約スピンを更新すべきタイミングでは「1」、そうでなければ「0」をとるものである。制約スピン更新制御信号CTR1は、イジングボード上のコントローラ15で生成され、制御信号CTRの一部としてイジングチップ14に入力される(図2)。
図10は、本情報処理装置1においてCPU3(図1)により実行される基底状態探索処理の処理手順を示す。CPU3は、イジングチップ制御プログラム9(図1)に基づき、この図に示す処理手順に従って、必要なイジングボード6(図2)のコントローラ15(図2)を介して当該イジングボード6内のイジングチップ14を制御することにより、これらのイジングチップ14において基底状態探索を実行させる。
本実施例では、通常スピンに対しては基本的に特許文献1と同様に、相互作用係数と外部磁場係数を設定することができる。ただし、制約スピンからの入力に対しては、通常の相互作用係数の代わりにペナルティ係数を設定する。また、制約スピンについては、制約条件に基づいた相互作用係数と外部磁場係数を設定する。これらの係数は、通常スピンの係数と区別するために、制約条件係数と呼ぶことがある。以下で簡単な例を挙げて説明する。
σS1+2×σS2+σS3+1<0
制約スピンCに入力される制約対象スピン(隣接スピン)に対する相互作用係数、すなわち制約スピンCに設定される相互作用係数JS1,C、JS2,C、JS3,C、は、それぞれ上記不等式の左辺の各スピンの係数に対応し、
JS1,C=1、JS2,C=2、JS3,C=1
と設定する。
また、制約スピンCの外部磁場係数MAGCは、不等式の左辺の定数項に対応する。すなわち、
MAGC=1
に設定する。
1×(−1)+2×1+1×(−1)+1=1
となる。乱数RNDが0であれば、制約スピンCの出力は+1となり、不等式制約を満たさない状態を表現できる。
1×(−1)+2×(−1)+1×1+1=−1
となり、乱数RNDが0であれば、制約スピンCの出力は−1となり、不等式制約を満たしている状態を表現できる。
Claims (15)
- ユニットを複数備える半導体装置であって、
前記ユニットのそれぞれは、
自ユニットの値を記憶する第1のメモリと、
入力される他ユニットの値に対する係数を記憶する、第2のメモリと、
前記自ユニットの値がイジングモデルの1つのスピンの状態を示す値か否かを識別するフラグ値を記憶する、第3のメモリと、
前記他ユニットの値および前記係数に基づいて、前記自ユニットの値の更新値を決定する第1の演算回路と、
前記フラグ値に基づいて、前記更新値を前記第1のメモリに記録するタイミングを決定する第2の演算回路と、を備える、
半導体装置。 - 前記フラグ値は、
前記自ユニットの値がイジングモデルの1つのスピンの状態を示す値であって、自ユニットが通常スピンとして機能するか、
あるいは、
前記自ユニットの値がイジングモデルの制約条件の逸脱度を示す値であって、自ユニットが制約スピンとして機能するか、を識別する、
請求項1記載の半導体装置。 - 自ユニットが前記通常スピンとして機能する場合、
前記第2のメモリには、前記イジングモデルに基づいた相互作用係数および外部磁場係数が記憶される、
請求項2記載の半導体装置。 - 自ユニットが前記制約スピンとして機能する場合、
前記第2のメモリには、前記制約条件に基づいた制約条件係数が記憶される、
請求項3記載の半導体装置。 - 自ユニットが前記制約スピンとして機能する場合、
入力される任意の数の他ユニットの値を、
σS1、σS2、σS3 ・・・
として、
前記制約条件を
aσS1+bσS2+cσS3+ ・・・+Z<0
の不等式で規定した場合、
前記第2のメモリには、
自ユニットが通常スピンであった場合の相互作用係数に代えて、制約条件係数a、b、c、・・・が、
自ユニットが通常スピンであった場合の外部磁場係数に代えて、制約条件係数Zが、記憶される、
請求項4記載の半導体装置。 - 自ユニットが前記通常スピンとして機能する場合であって、前記制約スピンとして機能する他ユニットの値が入力される場合には、
前記第2のメモリには、
前記他ユニットが通常スピンであった場合の相互作用係数に代えて、制約スピンとして機能する他ユニットの値に対する重みであるペナルティ係数が記憶される、
請求項4記載の半導体装置。 - 前記第2のメモリは複数の係数を記憶し、該複数の係数は前記入力される他ユニットの値に一対一で対応し、
前記第1の演算回路は、
前記他ユニットの値と前記係数をそれぞれ積算する複数の乗算回路と、
前記複数の乗算回路の出力を加算する加算回路と、を備える、
請求項2記載の半導体装置。 - 前記制約スピンとして機能するユニットの値が、前記通常スピンとして機能するユニットに入力されている場合、
前記第2の演算回路は、
一つの計算サイクルにおいて、前記通常スピンとして機能するユニットの更新値を第1のメモリに記録するタイミングが、前記制約スピンとして機能するユニットの更新値を第1のメモリに記録するタイミングより後になるように、タイミングを決定する、
請求項2記載の半導体装置。 - 複数の前記ユニットを互いに入出力関係のない複数の任意の数のグループGr1、Gr2、Gr3・・・に分け、前記ユニットのそれぞれは、自ユニットが属するグループを識別する識別情報を記憶する第4のメモリを備え、
前記制約スピンとして機能するユニットを、前記グループGr1、Gr2、Gr3・・・の例外として制約グループとして分類したとき、
前記第2の演算回路は、
前記フラグ値と前記識別情報に基づいて、一つの計算サイクルにおいて、更新値を第1のメモリに記録するタイミングを、
制約グループ→グループGr1→制約グループ→グループGr2→制約グループ→グループGr3→制約グループ→・・・
の順序で制御する、
請求項8記載の半導体装置。 - 前記第1のメモリ、前記第2のメモリ、および、前記第3のメモリをリードおよびライトするためのインタフェースを備える、
請求項1記載の半導体装置。 - 請求項10記載の半導体装置と、
処理装置と、
記憶装置と、
を備えるシステムであって、
前記記憶装置は、問題データ、問題変換プログラム、および制御プログラムを記憶し、
前記処理装置は、前記問題変換プログラムを用いて、前記問題データをイジングモデル形式の問題に変換し、
前記処理装置は、前記制御プログラムを用いて、前記イジングモデル形式の問題に基づき、前記第2のメモリにデータを記録する、
情報処理システム。 - 前記処理装置は、
前記制御プログラムを用いて、前記第1のメモリに初期値データを記録し、前記更新値の前記第1のメモリへの複数回の記録の後に、前記第1のメモリから解答データを読み出す、
請求項11記載の情報処理システム。 - ユニットを複数備える半導体装置を用い、上位装置の制御により、前記半導体装置にイジングモデル形式の問題の少なくとも一部を解かせる情報処理方法であって、
前記ユニットのそれぞれは、
自ユニットの値を記憶する第1のメモリと、
入力される他ユニットの値に対する係数を記憶する、第2のメモリと、
前記自ユニットの値がイジングモデルの1つのスピンの状態を示す値か否かを識別するフラグ値を記憶する、第3のメモリと、
前記他ユニットの値および前記係数に基づいて、前記自ユニットの値の更新値を決定する第1の演算回路と、
前記フラグ値に基づいて、前記更新値を前記第1のメモリに記録するタイミングを決定する第2の演算回路と、を備え、
前記フラグ値は、
前記自ユニットの値がイジングモデルの1つのスピンの状態を示す値であって、自ユニットが通常スピンとして機能するか、
あるいは、
前記自ユニットの値がイジングモデルの制約条件の逸脱度を示す値であって、自ユニットが制約スピンとして機能するか、を識別し、
自ユニットが前記通常スピンとして機能する場合、
前記上位装置は、前記第2のメモリに、前記イジングモデルに基づいた相互作用係数および外部磁場係数を格納し、
自ユニットが前記制約スピンとして機能する場合、
前記上位装置は、前記第2のメモリに、前記制約条件に基づいた制約条件係数を格納する、
情報処理方法。 - 前記制約スピンとして機能するユニットの値が、前記通常スピンとして機能するユニットに入力されている場合、
前記第2の演算回路は、
一つの計算サイクルにおいて、前記通常スピンとして機能するユニットの更新値を第1のメモリに記録するタイミングが、前記制約スピンとして機能するユニットの更新値を第1のメモリに記録するタイミングより後になるように、タイミングを決定する、
請求項13記載の情報処理方法。 - 前記制約条件が不等式制約である、
請求項13記載の情報処理方法。
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