JP2019177610A - プリプレグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維基材の両端部におけるプリプレグの繊維目付の低下が少ないプリプレグの製造方法を提供する。【解決手段】プリプレグの製造方法は、上流から下流に向かって走行する繊維基材1の少なくとも1表面にシート状の樹脂組成物が供給されたシート体4に対して、繊維基材1の走行方向に沿って複数段のローラ13,14,15により加圧する製造方法において、複数段のローラ13,14,15における上流側から一番目に位置する第1ローラ13により加圧されるシート体4の樹脂組成物の粘度が10Pa・s以上であり、第1ローラ13の下流側に位置する第2ローラ14,15により加圧されるシート体4の樹脂組成物の粘度が10Pa・s未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維基材とシート状の樹脂組成物とからなるプリプレグの製造方法に関する。
プリプレグの製造は、上流から下流に向かって走行する繊維基材の少なくとも1表面にシート状の樹脂組成物が供給されてなるシート体に対して、前記繊維基材の走行方向に沿って複数段のローラにより加熱・加圧する加圧含浸法が用いられるのが一般的である。
加圧含浸法によりプリプレグを製造する際に発生し得る問題は、ローラによる加圧の結果、プリプレグの両側(製造時の走行方向と直交する方向である)端部の繊維の目付(単位面積当たりの重量)が低くなることである。これは、加圧ローラによる圧力により繊維基材が幅方向に押し広げられ、繊維基材の両側端部において、繊維束が外側に向かって大きく移動するために生じる。
上記問題に対し、特許文献1は、繊維基材とシート状の樹脂組成物を重ね、これらを加圧ローラで挟んで加熱・加圧する際、繊維基材の両側端部に弾性体を配置させた製造方法を提案している。この製造方法によれば、繊維強化束が外側に向かって移動することはない。
しかしながら特許文献1に記載されている製造方法は、弾性体の使用による製造コストの増加、或いは弾性体に異物が付着する場合も考えられるため、工程の安定性に影響を与える懸念が残存する。
国際公開第2015/060299
本発明は上記の事情に鑑みてなされた。即ち本発明は、繊維基材とシート状の樹脂組成物とを加熱・加圧して、樹脂組成物を繊維基材に含浸する工程における繊維基材の幅方向への押し広がりを防止し、繊維基材の拡幅によるプリプレグの両側端部の繊維の目付の低下やプリプレグの幅の拡がりを容易に回避することができるプリプレグの製造方法を提供する。
本発明の一態様に係るプリプレグの製造方法は、上流から下流に向かって走行する繊維基材の少なくとも1表面にシート状の樹脂組成物が供給されたシート体に対して、前記繊維基材の走行方向に沿って複数段のローラにより加圧するプリプレグの製造方法において、前記複数段のローラにおける上流側から一番目に位置する第1ローラにより加圧されるシート体の樹脂組成物の粘度が10Pa・s以上であり、前記第1ローラの下流側に位置する第2ローラにより加圧されるシート体の樹脂組成物の粘度が10Pa・s未満である。
本発明の一態様に係るプリプレグの製造方法では、両端部の繊維目付の低下が少ないプリプレグを容易に得られる。
実施形態に係るプリプレグの製造工程を示す概略図である。
<<概要>>
本発明の製造方法は、上流から下流に向かって走行する繊維基材の少なくとも1表面にシート状の樹脂組成物が供給されたシート体に対して、前記繊維基材の走行方向に沿って複数段のローラにより加圧するプリプレグの製造方法において、前記複数段のローラにおける上流側から一番目に位置する第1ローラにより加圧されるシート体の樹脂組成物の粘度が10[Pa・s]以上であり、前記第1ローラの下流側に位置する第2ローラにより加圧されるシート体の樹脂組成物の粘度が10[Pa・s]未満であることを特徴としている。
これにより、繊維基材とシート状の樹脂組成物との材料のみの使用で、繊維基材の両端部におけるプリプレグの繊維目付の低下が少ないプリプレグが得られる。
なお、両端部におけるプリプレグの繊維目付の低下は、繊維目付のばらつきにより判断し、繊維目付のばらつきは、以下で説明する繊維目付の最大値と最小値との差分より評価した。
1.プリプレグ
プリプレグは、繊維基材と樹脂層とから構成される。
(1)繊維基材
繊維基材は複数本の繊維又は繊維束をシート状にした基材である。
繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維等を使用できる。特に、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維を強化繊維として利用できる。これらの強化繊維は、比強度及び比弾性率が高く、軽量かつ高強度の成形物(繊維強化樹脂材料)が得られる。
炭素繊維を利用する場合、引張弾性率は、100〜600[GPa]であることが好ましく、より好ましくは200〜500[GPa]であり、230〜450[GPa]であることが特に好ましい。また、引張強度は2,000〜10,000[MPa]、好ましくは3,000〜8,000[MPa]である。
シート状の形態は、多数本の繊維又は繊維束を一方向に引き揃えた一方向シートや、平織、朱子織、綾織等の織物シート、不織布シート等がある。
繊維基材の厚さは、0.01〜3[mm]が好ましく、0.1〜1.5[mm]がより好ましい。
(2)樹脂層
(2−1)樹脂組成物
樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を使用できる。特に、熱硬化性樹脂が好ましく、この場合、成形物としたときの衝撃特性、曲げ特性等の各種特性を向上させるために、熱可塑性樹脂等の粒子を添加剤として含有するものが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂及びポリイミド樹脂等を使用できる。更に、これらの変性体及び2種類以上のブレンド樹脂なども使用することができる。これらの硬化性樹脂は、エネルギ(例えば加熱である)により自己硬化するものであってもよいし、硬化剤や硬化促進剤などを配合することにより硬化する樹脂であってもよい。
これらの硬化性樹脂の中でも、耐熱性、機械特性及び炭素繊維との接着性のバランスに優れているエポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂が好ましく、機械特性の面からはエポキシ樹脂がさらに好ましく、耐熱性の面からはビスマレイミド樹脂がより好ましい。
硬化剤としては、これらの樹脂を硬化させる公知の硬化剤を使用できる。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、ジシアンジアミド、芳香族アミン系硬化剤の各種異性体、アミノ安息香酸エステル類等がある。
(2−2)形態
樹脂層は樹脂組成物をシート状に形成したものである。つまり、樹脂層はシート状の樹脂組成物の一例に相当する。樹脂層は公知の方法で作製できる。例えば、ダイコーター、アプリケーター、リバースロールコーター、コンマコーター、ナイフコーターなどを用いて、離型紙や離型シートなどの支持体上に供給(塗布)することで得られる。
プリプレグを製造する際の操作性を考慮すると、ある程度の剛性を有する離型紙の一表面に供給(塗布)されるのが好ましい。また、離型紙に塗布された樹脂層が空気に触れるのを防止するために保護フィルムを貼合わせてもよい。
樹脂層の厚みは、0.01〜0.3[mm]が好ましく、0.03〜0.2[mm]がより好ましい。
2.プリプレグの製造方法
プリプレグは、繊維基材を下流に向かって供給する繊維基材供給工程と、樹脂層を下流に向かって供給する樹脂層供給工程と、繊維基材と樹脂層とからなるシート体を加熱状態で加圧する加熱・加圧工程とを経て製造される。なお、製造されたプリプレグは巻き取り工程でロール状に巻き取られる。この巻取力を利用して、繊維基材や樹脂層が下流へ向かって移動する。なお、下流に向かう移動を走行ともいう。
以下、一例であるプリプレグの製造方法を図1で説明する。
ここでの製造方法は、繊維基材が供給された後に、下流に向かう繊維基材に樹脂層が供給される。また、ここでの製造方法では、繊維基材、樹脂層、シート体及びプリプレグにおいて、特に表面・裏面を区別する概念はなく、図1においては、繊維基材、樹脂層及びシート体は水平に走行し、その上側の面を表面とし、下側の面を裏面として主に説明する。
(1)繊維基材供給工程
繊維基材1は、複数本の繊維束(ストランド)から構成され、複数本の繊維束がその繊維方向と直交する方向(幅方向ともいう)に並べて配されて、繊維方向に連続するシート状にしたものである。
繊維基材供給工程は、例えば、複数本の繊維束をクリールから引き出しつつ幅方向に並べることでシート状の繊維基材1となり、この形態のまま供給される。この状態が図1における繊維基材1である。なお、繊維基材1は、上述したように、プリプレグとして紙管9aに巻き上げられることで、下流側へ向かって走行する。
(2)樹脂層供給工程
樹脂層2は、プリプレグを構成する樹脂組成物を所定厚みのシート状にしたものであり、ここでの樹脂層2は離型シート3の一表面に一定の厚みで塗布されている。
樹脂層供給工程は、図1に示すように、表面に樹脂層2が塗布されたロール状の離型シート3を利用しており、表面の樹脂層2を繊維基材1の面に貼り付けるように、離型シート3が引き出される。
ここでは、繊維基材1の表裏両面に離型シート3が供給される。つまり、繊維基材1の表面と裏面とに樹脂層2が供給される。これにより、繊維基材1の両面に樹脂層2を有するシート体4が得られる。
なお、繊維基材1及び樹脂層2の走行は、ローラ11,12等により補助されている。
(3)加熱・加圧工程
加熱・加圧工程はローラ13,14,15を利用している。ここでのローラ13,14,15は、シート体4を表裏から加圧する一対のニップローラが利用されている。ローラ13,14,15は、シート体4の走行方向に間隔をおいて複数段設けられている。ここでは3段設けられている。
各段のローラ13,14,15は、ヒータを内蔵する加熱タイプのニップローラである。走行方向に離間するローラ13,14,15間には、当該ローラ13,14,15間を走行するシート体4a,4bを裏側から加熱する加熱手段17,18が設けられている。
つまり、シート体4は、3段のローラ13,14,15と2段の加熱手段17,18とにより加熱され、加熱された状態でローラ13,14,15により加圧される。
ここで、3段のローラ13,14,15の内、上流側から1番目に位置するローラを第1ローラ(13)とし、2番目に位置するローラを第2ローラ(14)とし、3番目に位置するローラを第3ローラ(15)とする。また、2段の加熱手段17,18の内、上流側から1番目に位置する加熱手段を第1加熱手段(17)とし、2番目に位置する加熱手段を第2加熱手段(18)とする。
第1ローラ13の表面温度は、第2ローラ14及び第3ローラ15の表面温度よりも低く設定されている。これにより、シート体4の樹脂層2(樹脂組成物)の粘度調整をしている。
第1ローラ13は繊維基材1に供給された樹脂層2を繊維基材1に貼り付ける機能を有する。第1ローラ13は繊維基材1に供給された樹脂層2の樹脂組成物を繊維基材1の繊維間に配する機能を有している。第1ローラ13は樹脂組成物を繊維間に配置可能な粘度にまで下がるように加熱する。換言すると、第1ローラ13の温度は樹脂組成物が繊維間に移動可能な粘度となる温度である。
樹脂組成物の移動可能な粘度とは10[Pa・s]以上の粘度をいい、好ましい粘度は20[Pa・s]以上をいう。粘度が10[Pa・s]より小さいと、第1ローラ13の加圧により、樹脂組成物が繊維基材1と共に走行方向と直交する幅方向に流れる傾向にある。このような樹脂組成物の流れが生じると繊維目付の変動が大きくなる。
なお、第1ローラ13の加熱は、樹脂組成物が移動可能であっても繊維間に浸み込むことができる粘度にまで下げる必要はない。繊維間への樹脂組成物の浸み込みは、粘度が10[Pa・s]以下で生じやすくなる。
第2ローラ14は、繊維基材1の繊維間に配された樹脂組成物を繊維間にさらに浸み込ませる機能を有する。第2ローラ14は、樹脂組成物を繊維間に浸み込ませることが可能な粘度にまで下がるように加熱する。換言すると、第2ローラ14の温度は、樹脂組成物が繊維間に浸み込み可能な粘度となる温度である。浸み込み可能な粘度とは、0.1〜10[Pa・s]の範囲内の粘度をいい、好ましくは、0.2〜5[Pa・s]の範囲内である。
なお、加熱・加圧ローラが3段以上ある場合、例えば、第2ローラ14以降のローラで段階的に温度を高めるようにしてもよい。
各加熱手段17,18は、シート体4a,4bを加熱する。ここでは、加熱手段17,18として接触型の加熱プレートを利用し、シート体4a,4bの一主面(裏面)側を加熱している。
各加熱手段17,18は、第1ローラ13で繊維間に配置された樹脂組成物を、第2ローラ14及び第3ローラ15で繊維間に浸み込ませるために、加熱するためのものである。なお、第1加熱手段17は第1ローラ13で加熱された樹脂組成物の温度を下げないようにする機能もある。
第1加熱手段17は、第2ローラ14の設定温度に対して、−20〜+20[℃]の範囲内の温度に設定されている。好ましくは、第2ローラ14の設定温度に対して、−10〜+10[℃]の範囲内の温度に設定されている。
第2加熱手段18は、第3ローラ15の設定温度に対して、−20〜+20[℃]の範囲内の温度に設定されている。好ましくは、第3ローラ15の設定温度に対して、−10〜+10[℃]の範囲内の温度に設定されている。
なお、ここでいう「第2ローラの設定温度」及び「第3ローラの設定温度」は、第2ローラの表面についての設定温度及び第3ローラの表面の設定温度である。
(4)巻き取り工程
ローラ15を通過したシート体はプリプレグ5であり、紙管9aに巻き取られる。この際、繊維基材1の表裏両面に配された離型シート3の内、何れか一方の離型シート3が紙管9bに回収される。なお、何れか一方の離型シート3は、ここでは表面側の離型シート3である。これにより、プリプレグ5の表面が空気に露出することなく、上層のプリプレグ5に接触することなく、他方の離型シート3を介して巻き取られる。
2.評価内容
上記の方法で製造されたプリプレグ5の繊維目付を下記の方法で測定して、そのばらつきを評価した。
(1)繊維目付
プリプレグ5を幅方向に50[mm]、長さ方向に400[mm]の短冊状に切り出して試験片を作製し、その試験片を硫酸中で浸漬または煮沸を行い、樹脂分を分解して溶出させた。その後、残った繊維をろ別し、硫酸で洗浄し、乾燥し、乾燥繊維の質量を測定した。これらの値から各試験片の繊維目付けを計算した。
6本の試験片について上記方法で繊維目付を測定し、その最大値と最小値の差分が5[g/mm]以下であるときに、繊維目付のばらつきが小さいと判断した。なお、試験片はプリプレグ5から幅方向に6本切り出したものである。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
<実施例1>
強化繊維束として東邦テナックス(株)製炭素繊維IMS60 24K(フェラメント数24,000本、イールド0.83[g/m]、引張強度5,700[MPa]、引張弾性率285[GPa])を71本用い、目標繊維目付190[g/m]、幅310[mm]の繊維基材1を作成した。
樹脂目付50[g/m]の熱硬化性の樹脂層2を、図1に示すように、下流に向かって走行する繊維基材1の表裏両面に供給してシート体4を作製した。
このシート体4を、図1に示すように、3段のローラ13,14,15と、各段のローラ13,14,15間に配された2段の加熱手段17,18とにより加熱すると共に3段のローラ13,14,15で加圧してプリプレグ5を製造した。
第1ローラ13において、表面温度は70[℃]であり、加圧力は0.1[MPa]である。第2ローラ14において、表面温度は140[℃]であり、加圧力は0.1[MPa]である。第3ローラ15において、表面温度は140[℃]であり、加圧力は0.1[MPa]である。第1ローラ13を通過した直後の樹脂組成物の粘度は70[Pa・s]であった。なお、第1ローラ13と第2ローラ14との表面温度差は70[℃]である。第2ローラ14を通過した直後の樹脂組成物の粘度は0.2[Pa・s]であった。
加熱手段17,18として加熱プレートを利用し、加熱手段17,18の温度は140[℃]である。
プリプレグ5の幅は309[mm]であり、供給時の繊維基材1の幅(310[mm])に対してほぼ目標どおりのプリプレグ幅となった。
平均繊維目付は191[g/m]であり、繊維目付の最大値と最小値の差分は5[g/m]であり、目標のばらつき範囲内であった。
これらの結果を表1にまとめて示している。
<実施例2>
強化繊維束は実施例1と同じものを使用し、樹脂層2は実施例1と異なるものを使用した。樹脂層2を実施例1と同様に下流に向かって走行する繊維基材1の両面に供給してシート体4を作成した。このシート体4を3段のローラ13,14,15と、各ローラ13,14,15の間に配された加熱手段17,18により加熱すると共にローラ13,14,15により加圧してプリプレグ5を製造した。
第1ローラ13の表面温度は90[℃]であり、第2ローラ14及び第3ローラ15の表面温度及び全ローラ13,14,15の加圧力は実施例1と同じ条件である。第1ローラ13を通過した直後の樹脂組成物の粘度は60[Pa・s]であった。なお、第1ローラ13と第2ローラ14との表面温度差は50[℃]である。第2ローラ14を通過した直後の樹脂組成物の粘度は0.1[Pa・s]であった。
プリプレグ5の幅は311[mm]であり、供給時の繊維基材1の幅(310[mm])に対してほぼ目標どおりのプリプレグ幅となった。
平均繊維目付は189[g/m]であり、繊維目付の最大値と最小値の差分は4[g/m]であり、目標のばらつき範囲内であった。
これらの結果を表1にまとめて示している。
<比較例1>
強化繊維束と樹脂層2は実施例1と同じものを使用し、樹脂層2を実施例1と同様に下流に向かって走行する繊維基材1の両面に供給してシート体4を作成した。このシート体4を3段のローラ13,14,15と、各ローラ13,14,15の間に配された加熱手段17,18により加熱すると共にローラ13,14,15により加圧してプリプレグ5を製造した。
第1ローラ13の表面温度は140[℃]であり、第2ローラ14及び第3ローラ15の表面温度及び全ローラ13,14,15の加圧力は実施例1と同じ条件である。第1ローラ13を通過した直後の樹脂組成物の粘度は0.2[Pa・s]であった。なお、第1ローラ13と第2ローラ14との表面温度差は0[℃]である。第2ローラ14を通過した直後の樹脂組成物の粘度は0.2[Pa・s]であった。
プリプレグ5の幅は325[mm]であり、供給時の繊維基材1の幅(310[mm])に対して15[mm]大きい。
平均繊維目付は181[g/m]であり、繊維目付の最大値と最小値の差は20[g/m]であり、ばらつきが大きかった。
これらの結果を表1に比較のため示している。
<比較例2>
強化繊維束と樹脂層2は実施例2と同じものを使用し、樹脂層2を実施例1と同様に下流に向かって走行する繊維基材1の両面に供給してシート体4を作成した。このシート体4を3段のローラ13,14,15と、各ローラ13,14,15の間に配された加熱手段17,18により加熱すると共にローラ13,14,15により加圧してプリプレグ5を製造した。
第1ローラ13の表面温度は140[℃]であり、第2ローラ14及び第3ローラ15の表面温度及び全ローラ13,14,15の加圧力は実施例1と同じ条件である。第1ローラ13を通過した直後の樹脂組成物の粘度は2.0[Pa・s]であった。なお、第1ローラ13と第2ローラ14との表面温度差は0[℃]である。第2ローラ14を通過した直後の樹脂組成物の粘度は2.0[Pa・s]であった。
プリプレグ5の幅は323[mm]であり、供給時の繊維基材1の幅(310[mm])に対して13[mm]大きい。
平均繊維目付は182[g/m]であり、繊維目付の最大値と最小値の差は17[g/m]であり、ばらつきが大きかった。
これらの結果を表1に比較のため示している。
Figure 2019177610
<<変形例>>
以上、実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態に限られない。例えば、以下で説明する変形例と実施形態の何れかを適宜組み合わせてもよいし、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
1.繊維基材
繊維基材として、IMS60を使用したが、他の繊維や他のタイプを使用してもよい。樹脂層としてエポキシ樹脂組成物を使用したが、他の樹脂を使用してもよい。
繊維基材に使用した繊維のフィラメント数は24,000本であったが、フィラメント数が3,000本、6,000本、12,000本等の他の本数であってもよい。
本発明の繊維基材は特に限定するものでないが、樹脂組成物の流動により繊維が幅方向に流れることを考慮すると、繊維基材が一方向シートの場合に特に効果が得られる。
2.シート体
実施形態のシート体4は、繊維基材1の両面に樹脂層2が供給されて構成されていたが、繊維基材1の片面に樹脂層2が供給されて構成されてもよい。
3.ローラ
実施形態では、3段のローラ13,14,15を使用したが、2段でもよいし、4段以上でもあってもよい。
複数段のローラの圧力を、すべて一定としてもよいし、すべて異なるとしてもよいし、3段以上のローラの場合、複数段を同じ圧力としてもよい。
複数段のローラの圧力を変化させる場合、例えば、下流側に移るにしたがって徐々に圧力を高めてもよいし、徐々に圧力を弱めてもよいし、下流側に移る途中のローラの圧力を最も高くしてもよいし、下流側に移る途中のローラの圧力を最も低くしてもよい。
4.加熱手段
加熱手段は、各加熱手段の上流側のヒータ付きのローラで加熱されたシート体4の温度を維持できればよく、走行方向に隣接するローラ間のすべての領域でシート体4を加熱してもよいし、ローラ間の中央領域でシート体4を加熱してもよいし、ローラ間でその走行方向に間隔をおいた複数領域でシート体4を加熱してもよい。
実施形態では、2段の加熱手段17,18を使用したが、1段でもよいし、3段以上でもよい。複数段の加熱手段の温度を、すべて一定としてもよいし、すべて異なるとしてもよいし、3段以上の加熱手段を用いる場合、複数段の加熱手段の温度を同じとしてもよい。
実施形態の加熱手段は、シート体4a,4bの一主面(一表面)を加熱しているが、両主面を加熱するようにしてもよい。加熱手段として、接触型(加熱プレート)を利用しているが、例えば、シート体4a,4bの一方の主面と当接(支持)する加熱ローラ(加圧機能はない)等の他の接触型を利用してもよい。また、加熱手段として、IR(赤外線)ヒータや温風ヒータ等の非接触型を利用してもよいし、接触型と非接触型の両方を利用してもよい。
実施形態の第1加熱手段17と第2加熱手段18は同じタイプのヒータであったが、異なるタイプのヒータであってもよい。
1 繊維基材
2 樹脂層
4 シート体
5 プリプレグ

Claims (2)

  1. 上流から下流に向かって走行する繊維基材の少なくとも1表面にシート状の樹脂組成物が供給されたシート体に対して、前記繊維基材の走行方向に沿って複数段のローラにより加圧するプリプレグの製造方法において、
    前記複数段のローラにおける上流側から一番目に位置する第1ローラにより加圧されるシート体の樹脂組成物の粘度が10Pa・s以上であり、
    前記第1ローラの下流側に位置する第2ローラにより加圧されるシート体の樹脂組成物の粘度が10Pa・s未満である
    プリプレグの製造方法。
  2. 前記第1ローラと前記第2ローラとの温度差は、0℃以上100℃以下である請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
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