JP2019174185A - シンチレータパネルおよびその製造方法 - Google Patents

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弘 堀内
Hiroshi Horiuchi
弘 堀内
會田 博之
Hiroyuki Aida
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Abstract

【課題】散乱放射線の影響を軽減し、画像特性を改善できるシンチレータパネルを提供する。【解決手段】シンチレータパネル10は、X線16を透過する支持基板11と、支持基板11上に形成され、外部から入射したX線16を光に変換するシンチレータ層13とを具備する。シンチレータ層13は、ハロゲン化物であるCsIおよび賦活剤であるTlを含む蛍光体である。シンチレータ層13の膜厚方向におけるX線16の入射側を入射側領域A、入射側領域Aとは反対側を非入射側領域Bとするとともに、シンチレータ層13の面内方向の中心領域を中央部C、外周領域を周辺部Dとした場合、非入射側領域Bは賦活剤を含有し、入射側領域Aは賦活剤を含有せず、かつ入射側領域の膜厚分布が中央部C>周辺部Dの関係にある。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射線を光に変換するシンチレータ層を有するシンチレータパネルおよびその製造方法に関する。
従来、放射線であるX線を光に変換するシンチレータ層を有するシンチレータパネルと、このシンチレータパネルで変換された光を電気信号に変換する光電変換基板とを組み合わせた平面形のX線検出器がある。このX線検出器では、入射X線によりシンチレータ層で変換された光が光電変換基板に到達することで電荷に変換され、この電荷が出力信号として読み出され、所定の信号処理回路等にてデジタル画像信号に変換される。また、シンチレータパネルは、X線検出器以外に、CCDやCMOS等の固体撮像素子を撮影系に用いたリアルタイムデジタルラジオグラフィ装置(DR装置)等にも用いられている。
シンチレータ層は、ハロゲン化物であるCsIを用いる場合、CsI単体では入射X線を可視光に変換することができないことから、一般的な蛍光体と同様に入射X線に対する光の励起を活性化させるため、賦活剤を含有させている。X線検出器やDR装置等においては、受光素子の受光感度のピーク波長が可視光領域の400nm〜700nm付近に存在するため、シンチレータ層にCsIを用いた場合、入射X線により励起された光の波長が550nm付近となるTlが賦活剤として用いられている。
また、X線は被写体を透過した際に散乱X線を生じるため、この散乱X線によって解像度やコントラストの劣化等の影響が生じる。X線検出器やDR装置等においては、散乱X線による解像度やコントラストの劣化等の影響を除去すべく、X線の入射側にX線グリッドを設置した構成となることが多い。
しかし、一般的なシンチレータパネルを用いたX線検出器やDR装置において、X線グリッドを使用した場合、検出されるX線画像の解像度やコントラストの向上を図ることが可能となるが、画像特性の改善を目的とした固体撮像素子(アクティブマトリックス基板、CCD、CMOS等)の画素電極サイズおよび画素電極ピッチの微細化への対応が困難となり、かつモアレの発生による画質劣化を防止することが不可能となる。
さらに、一般的なシンチレータパネルを用いたX線検出器やDR装置において、X線グリッドを使用する場合、適切なX線画像を得るための制約(例えばX線発生源25とX線検出器との距離であるSID(Source Image receptor Distance)等の制約)が多くなり、しかも、構造的に、X線グリッドとシンチレータ層の間に存在する構造体等から生じる散乱X線の影響は除去できないこととなる。
特開2004−151007号公報 特開2015−38458号公報
本発明が解決しようとする課題は、散乱放射線の影響を軽減し、画像特性を改善できるシンチレータパネルおよびその製造方法を提供することである。
本実施形態のシンチレータパネルは、放射線を透過する支持基板と、支持基板上に形成され、外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層とを具備する。シンチレータ層は、ハロゲン化物であるCsIおよび賦活剤であるTlを含む蛍光体である。シンチレータ層の膜厚方向における放射線の入射側を入射側領域、入射側領域とは反対側を非入射側領域とするとともに、シンチレータ層の面内方向の中心領域を中央部、外周領域を周辺部とした場合、非入射側領域は賦活剤を含有し、入射側領域は賦活剤を含有せず、かつ入射側領域の膜厚分布が中央部>周辺部の関係にある。
一実施形態を示すシンチレータパネルの第1の構造例の概略断面図である。 同上シンチレータパネルの第2の構造例の概略断面図である。 同上シンチレータパネルの第3の構造例の概略断面図である。 同上シンチレータパネルの第4の構造例の概略断面図である。 同上シンチレータパネルを用いた撮影装置の概略断面図である。 同上シンチレータパネルのシンチレータ層の模式図である。 感度斑が生じたX線画像である。 感度斑を補正したX線画像である。 X線グリッドの使用時のX線画像である。 X線グリッドの未使用時のX線画像である。 シンチレータ層の一般的な形成方法を示す模式図である。 比較を行うサンプルの構成を示す表である。 サンプルの撮影条件を示す模式図である。 (a)はコントラストの測定条件を示す被写体の正面図、(b)はコントラスト比を求める輝度レベルの波形図である。 サンプルの画像特性を示す表である。 サンプル4について一様性(BU)を求めるX線画像である。 サンプル3について一様性(BU)を求めるX線画像である。
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1ないし図4には、シンチレータパネル10の基本構成について第1ないし第4の構造例を示す。
まず、図1を参照して、シンチレータパネル10の第1の構造例を説明する。シンチレータパネル10は、放射線としてのX線を透過する支持基板11を有し、この支持基板11上に光を反射する反射層12が形成され、この反射層12上にX線を可視光に変換するシンチレータ層13が形成され、このシンチレータ層13上にシンチレータ層13を密閉する保護層14が積層されて形成されている。
支持基板11は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とし、X線の透過率がよい物質から構成されている。
反射層12は、シンチレータ層13で発生した光を支持基板11とは反対方向へ反射させて光利用効率を高める。
シンチレータ層13は、ハロゲン化物であるヨウ化セシウム(CsI)および賦活剤であるタリウム(Tl)を含む蛍光体である。シンチレータ層13は、支持基板11上に蛍光体が柱状に堆積して成膜されている。そして、シンチレータ層13は、支持基板11の面内方向に複数の短冊状の柱状結晶13aが形成された柱状結晶構造に形成されている。
そして、シンチレータパネル10において、支持基板11側からシンチレータ層13へと入射した放射線としてのX線16がこのシンチレータ層13の柱状結晶13aにて可視光17に変換され、この可視光17が支持基板11とは反対側のシンチレータ層13の表面(保護層14の表面)から出射する。
また、図2にシンチレータパネル10の第2の構造例を示す。図1に示したシンチレータパネル10の第1の構造例において、反射層12を備えていないだけで、他の構成は同様である。この場合、支持基板11には、反射率の高い例えばAl、Ni、Cu、Pd、Ag等の金属材料が用いられる。
また、図3にシンチレータパネル10の第3の構造例を示す。図1に示したシンチレータパネル10の第1の構造例において、シンチレータ層13が柱状結晶13aをなしていないだけで、他の構成は同様である。
また、図4にシンチレータパネル10の第4の構造例を示す。図2に示したシンチレータパネル10の第2の構造例において、シンチレータ層13が柱状結晶13aをなしていないだけで、他の構成は同様である。
また、図5にはシンチレータパネル10を用いた撮影装置である例えばリアルタイムデジタルラジオグラフィ装置(以下、DR装置という)20を示す。DR装置20は、筐体21を有し、この筐体21の一端にシンチレータパネル10が設置され、筐体21の内部に鏡面の反射板22および光学レンズ23が設置され、筐体21の他端に例えばCCD等の受光素子24が設置されている。そして、X線発生源(X線管)25から放射されたX線16が被写体を透過してシンチレータパネル10に入射し、シンチレータ層13で変換した可視光17がシンチレータ層13の表面から出射される。このシンチレータ層13の表面にX線像が映し出され、このX線像を反射板22で反射するとともに光学レンズ23で集光して受光素子24に照射し、受光素子24でX線像を電気信号に変換して出力する。
なお、シンチレータパネル10は、DR装置以外に、シンチレータパネル10で変換された光を電気信号に変換する光電変換基板と組み合わせた平面形のX線検出器(X線画像検出器)にも適用できる。
そして、図1ないし図4に示される構造のシンチレータパネル10において、シンチレータ層13は、ハロゲン化物であるCsIおよび賦活剤であるTlを含む蛍光体であり、さらに、シンチレータ層13の膜厚方向におけるX線16の入射側領域をA、非入射側領域をBとするとともに、シンチレータ層13の面内方向の中心領域を中央部C、外周領域を周辺部Dとした場合、次の(1)(2)(3)(4)の特徴を有している。
(1):非入射側領域Bは賦活剤を含有し、入射側領域Aは賦活剤を含有せず、かつ入射側領域Aの面内方向の膜厚分布が中央部C>周辺部Dとなる。
(2):シンチレータ層13は、好ましくは短冊状の柱状結晶13aを有し、かつ入射側領域Aはシンチレータ層13の膜厚の5%〜50%を占める。
(3):シンチレータ層13の中央部Cは、シンチレータ層13の形成領域の中心を基準とした同心円状、若しくは方形状で、シンチレータ層13の形成領域の50%以上を占める。
(4):シンチレータ層13の非入射側領域Bにおける賦活剤の濃度範囲は0.1mass%〜2.0mass%である。
ここで、図1または図2に示される第1または第2の構造例のシンチレータパネル10において、シンチレータ層13の模式図を図6に示す。
図6に示すように、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した場合、入射側領域Aは、賦活剤を含有しないことから、発光に寄与しないX線16の吸収層となり、つまりX線16が被写体を透過した際に生じる散乱X線の吸収層となるため、X線グリッドを使用した場合と同様の効果を有することとなる。
また、シンチレータパネル10を用いたX線検出器やDR装置において、X線16が被写体を透過した際に生じる散乱X線の強度分布は、中央部C>周辺部Dとなる。そのため、中央部Cの散乱X線の強度に対応した散乱X線の吸収層をシンチレータ層13の形成領域全体に均一に形成すると、図7に示すX線画像(Flat Field補正:無)のように、散乱X線の強度分布に伴う同心円状の感度斑(シェーディング)が生じることとなる。
通常、シンチレータパネル10を用いたX線検出器やDR装置においては、図7に示すような感度斑を補正するFlat Field補正がX線画像に付与されることとなるが、Flat Field補正をX線画像に付与する場合、補正に伴いX線画像に含まれるノイズ成分も増幅されることから、補正前の感度斑が大きい程、補正後のX線画像のS/Nが低下し、X線画像のダイナミックレンジも減少する。言い換えれば、X線画像の感度分布の一様性{BU(Brightness Uniformity)}が良い程、高画質なX線画像(高S/N、ワイドダイナミックレンジ)が得られることとなる。
このため、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与すれば、シンチレータ層13の入射側領域Aの膜厚分布を中央部C>周辺部Dとすることで、中央部C>周辺部Dの散乱X線の強度分布に対応した散乱X線の吸収層を形成できるため、補正前の感度斑を少なくでき、図8に示すFlat Field補正を行ったX線画像のように、補正後のX線画像のS/Nの低下やダイナミックレンジの減少を軽減し、より高画質なX線画像(高S/N、ワイドダイナミックレンジ)を得ることが可能となる。
また、シンチレータパネル10を用いたX線検出器やDR装置において、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した場合、入射側領域Aは、構造上、短冊状の柱状結晶構造を有するシンチレータ層13の各柱状結晶13aに独立して形成されることから、X線グリッドを使用した場合に対して、次のI〜IIIの効果が得られることとなる。
I:受光素子(TFT、CCD、CMOS等)の画素電極サイズおよび画素電極ピッチに依らず、モアレが発生しないため、X線画像の画質劣化が発生しない。X線グリッドを使用した場合、図9に示すように、モアレが発生し、X線画像の画質劣化を生じるのに対して、X線グリッドを使用しないことにより、図10に示すように、モアレが発生せず、X線画像の画質劣化を防止することができる。
II:適切なX線画像を得るための制約(例えばX線発生源25とX線検出器との距離であるSID(Source Image receptor Distance)等の制約)が少ない。
III:構造的に散乱X線の吸収層(入射側領域A)と発光に寄与するシンチレータ層13の非入射側領域Bとの間には構造体等が存在しないため、画像特性(感度、解像度およびコントラスト等)の改善効率がよい。
また、入射X線の線質が軟らかい場合{X線発生源(X線管)25の管電圧が低い場合}、被写体による入射X線の吸収が大きくなることから、相対的に散乱X線の影響が顕著となり、シンチレータ層13のX線16の入射側に存在する構造体(支持基板11および反射層12等)の微小なX線吸収率の違いがX線画像に観測され易くなるが、シンチレータパネル10を用いたX線検出器やDR装置において、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した場合、X線グリッドを使用した場合と異なり、入射側領域Aは、シンチレータ層13のX線の入射側に存在する構造体よりも非入射側に形成されるため、入射X線の線質が軟らかい場合においても散乱X線の影響により発生する微小なX線画像斑を抑制することも可能となる。
このため、シンチレータパネル10のさらなる高性能化と、シンチレータパネル10を用いたX線検出器やDR装置等における画像特性(感度、解像度およびコントラスト等)の改善が可能となる。
また、シンチレータパネル10において、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した場合、さらに(3)の特徴であるシンチレータ層13の中央部Cがシンチレータ層13の形成領域の50%以上を占めれば、例えばX線画像を用いた診断等に適したシンチレータパネル10を提供できる。
さらに、シンチレータパネル10において、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した場合、入射側領域Aは、賦活剤を含有しないことから、発光に寄与しないX線の吸収層となるため、(4)の特徴である非入射側領域Bの賦活剤の膜厚方向の濃度範囲を0.1mass%〜2.0mass%とすれば、良好な画像特性(感度、解像度等)が得られる。より好ましくは、非入射側領域Bの賦活剤の膜厚方向の濃度範囲を1.6mass%±0.4mass%とすれば、画像特性(感度、解像度等)を劣化させることなく、残像特性を改善することも可能となる。
次に、ハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体からなるシンチレータ層13の一般的な形成方法の模式図を図11に示す。
図11に示すように、真空チャンバ30内に支持基板11を配置し、この支持基板11を回転させながら、真空チャンバ30内に設置されているCsIの蒸発源31からの蒸発粒31aとTlIの蒸発源32からの蒸発粒32aを支持基板11の積層面に蒸着する真空蒸着法により、シンチレータ層13を形成する。
このとき、シンチレータ層13の形成過程において、TlIの蒸発源32からの蒸発粒32aの供給を遮断、若しくは停止すれば、シンチレータ層13の膜厚方向の任意の領域に賦活剤を含有しない領域を形成することが可能となる。
このため、本実施形態におけるシンチレータ層13の入射側領域Aは、シンチレータ層13の形成過程の初期に、TlIの蒸発源32からの蒸発粒32aの供給を遮断、若しくは停止し、かつCsIの蒸発源31からの蒸発粒31aの供給分布を制御することにより形成される。蒸発粒31aの供給分布の制御には遮蔽物等を用いてもよい。したがって、入射側領域Aは賦活剤を含有せず、非入射側領域Bは賦活剤を含有し、かつ入射側領域Aの面内方向の膜厚分布を中央部C>周辺部Dとし、さらに非入射側領域Bを所定の賦活剤の濃度とすることが可能となる。なお、非入射側領域Bの面内方向の膜厚分布は略均等となる。
ここで、図1に示される構造のシンチレータパネル10を用いたDR装置20の実施例について説明する。この実施例では、シンチレータ層13の母材:CsI、賦活剤:Tl、支持基板11:CFRP、反射層12:TiO2、保護層14:ポリパラキシリレンとし、その他の構成を異ならせたサンプル1、2、3、4を作成した。図12にサンプル1、2、3、4の構成を示す。
サンプル1は、シンチレータ層13の膜厚方向の全域に賦活剤を含有し、X線グリッドが無い構成である。
サンプル2は、サンプル1の構成において、X線グリッドを有する構成である。
サンプル3は、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した本実施形態であり、入射側領域Aは賦活剤を含有せず、非入射側領域Bは賦活剤を含有し、入射側領域Aの膜厚分布が中央部C>周辺部Dの関係にある。
サンプル4は、サンプル3の構成において、膜厚分布が中央部C=周辺部Dの関係にある。
これら4つのサンプル1、2、3、4について、それぞれDR装置20に組み合わせ、特定の撮影条件下にて被写体を撮影し、X線画像の画像特性(感度比、MTF比(解像度)、コントラスト比、モアレ)を求める。撮影条件は、図13に示すように、X線発生源25とシンチレータパネル10との間に、鉛の被写体40を中心部に配置した四角形状のアクリル41を配置する。さらに、感度、MTF、コントラスト比の測定時におけるX線照射条件は70kV−0.0087mGy、アクリル厚は60mmである。また、コントラストについては、図14(a)に示すように、被写体40を通過する輝度測定ライン42上の輝度を測定し、図14(b)に示すように、0の輝度レベルに対する被写体無しの輝度レベルHと被写体有りの輝度レベルLとの比H/Lを求める。
そして、4つのサンプル1、2、3、4についてのX線画像の画像特性を測定した結果を図15の表に示す。なお、感度比、MTF比、コントラスト比は、サンプル1の画像特性を基準(1.00)とした相対値である。
図15に示すように、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した本実施形態であるサンプル3は、X線グリッドを有するサンプル2と同様に感度比、MTF比、コントラスト比が改善する効果を有することとなり、しかも、X線グリッドを使用した場合に対して、構造的にモアレが発生せず、かつバランスの良い画像特性が得られることとなる。
さらに、図16にサンプル4のX線画像(Flat Field補正:無)を示し、図17にサンプル3のX線画像(Flat Field補正:無)を示す。このとき、X線照射条件は70kV−0.0087mGy、画像処理はヒストグラム平均値±50%とする。そして、中央部Cの感度をa、周辺部D(X線画像の対角線長の中心から90%の位置)の感度(4箇所の平均値)をbとし、X線画像の感度分布の一様性であるBU(Brightness Uniformity)(%)=b/a・100を求めると、サンプル4はBU=62%、サンプル3はBU=72%となった。したがって、(1)(2)の特徴をシンチレータ層13に付与した本実施形態であるサンプル3は、サンプル4に対しても散乱X線の強度分布に伴う同心円状の感度斑を軽減できるため、より高画質なX線画像を得ることが可能となる。
以上のことから、シンチレータ層13の非入射側領域Bは賦活剤を含有し、入射側領域Aは賦活剤を含有せず、かつ入射側領域Aの面内方向の膜厚分布が中央部C>周辺部Dとすることにより、散乱X線の影響を軽減し、画像特性(感度、解像度、コントラスト等)を改善できる。
また、シンチレータ層13は、短冊状の柱状結晶13aを有し、かつ入射側領域Aはシンチレータ層13の膜厚の5%〜50%を占めることにより、散乱X線の影響をより軽減し、画像特性(感度、解像度、コントラスト等)をより改善できる。
また、シンチレータ層13の中央部Cは、シンチレータ層13の形成領域の中心を基準とした同心円状、若しくは方形状で、シンチレータ層13の形成領域の50%以上を占めることにより、例えばX線画像を用いた診断等に適したシンチレータパネル10を提供できる。
また、シンチレータ層13の非入射側領域Bにおける賦活剤の濃度範囲は0.1mass%〜2.0mass%であることにより、良好な画像特性(感度、解像度等)が得られる。
このように、画像特性(感度、解像度、コントラスト等)の優れた高性能、かつ信頼性の高いシンチレータパネル10を提供することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 シンチレータパネル
11 支持基板
13 シンチレータ層
16 放射線としてのX線
A 入射側領域
B 非入射側領域
C 中央部
D 周辺部

Claims (6)

  1. 放射線を透過する支持基板と、
    前記支持基板上に形成され、外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層と
    を具備し、
    前記シンチレータ層は、
    ハロゲン化物であるCsIおよび賦活剤であるTlを含む蛍光体であり、
    前記シンチレータ層の膜厚方向における前記放射線の入射側を入射側領域、前記入射側領域とは反対側を非入射側領域とするとともに、前記シンチレータ層の面内方向の中心領域を中央部、外周領域を周辺部とした場合、前記非入射側領域は前記賦活剤を含有し、前記入射側領域は前記賦活剤を含有せず、かつ前記入射側領域の膜厚分布が前記中央部>前記周辺部の関係にある
    を具備することを特徴とするシンチレータパネル。
  2. 前記シンチレータ層は、柱状結晶構造を有し、かつ前記入射側領域は前記シンチレータ層の膜厚の5%〜50%を占める
    ことを特徴とする請求項1記載のシンチレータパネル。
  3. 前記シンチレータ層の前記中央部は、前記シンチレータ層の形成領域の50%以上を占める
    ことを特徴とする請求項1または2記載のシンチレータパネル。
  4. 前記シンチレータ層の前記非入射側領域における前記賦活剤の濃度範囲は0.1mass%〜2.0mass%である
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のシンチレータパネル。
  5. 前記支持基板は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とする物質から構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のシンチレータパネル。
  6. 放射線を透過する支持基板と、前記支持基板上に形成されて外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層とを具備するシンチレータパネルの製造方法であって、
    前記シンチレータ層はハロゲン化物であるCsIおよび賦活剤であるTlを含む蛍光体であり、前記シンチレータ層の膜厚方向における前記放射線の入射側を入射側領域、前記入射側領域とは反対側を非入射側領域とするとともに、前記シンチレータ層の面内方向の中心領域を中央部、外周領域を周辺部とした場合、前記非入射側領域はTlを賦活剤として含有し、前記入射側領域は前記賦活剤を含有せず、かつ前記入射側領域の膜厚分布が中央部>周辺部の関係となるように、前記CsIと前記Tlとを材料源とした気相成長法により前記シンチレータ層を形成する
    ことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
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