JP2019173579A - ポンプシステム、プラント - Google Patents

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Hiroki Nakamura
裕樹 中村
小林 一太
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Abstract

【課題】故障の種類を容易に判定することができるポンプシステムを提供する。【解決手段】ポンプシステム2は、遠心ポンプ4と、遠心ポンプ4を駆動する電動機7の電流を検出する電流検出部9と、遠心ポンプ4の吸込側の圧力を検出する第一圧力検出部10Aと、吐出側の圧力を検出する第二圧力検出部10Bと、演算装置81と、を備え、演算装置81は、遠心ポンプ4のヘッドを演算するヘッド演算部と、電流検出部の検出値が適正範囲内か否かを判定する電流値判定部と、ヘッドが適正範囲内か否かを判定するヘッド判定部と、電流値判定部とヘッド判定部との判定結果に基づいて異常原因を判定する異常判定部と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ポンプシステム、プラントに関する。
例えばケミカルプラントやオイルプラント、食品プラントでは、機器の冷却や洗浄を目的として大量の水が使用される。水は、ポンプによって常態的にプラント内の各機器に圧送される。プラントを安定的に運用し続けるためには、ポンプの故障や異常動作によって水の供給が停止される事態を極力避ける必要がある。このため、ポンプの異常が発生した場合に、これを即時に検知することが可能な技術が実用化されている。このような技術の一例として、下記特許文献1に記載されたポンプの故障診断方法が知られている。
特許文献1に記載された故障診断方法では、ポンプを駆動するモータの電流値が監視され、当該電流値が予め設定された下限値を下回った場合に、ポンプに異常(故障)が発生したと判定される。具体的には、ポンプのインペラの磨耗による楊程低下や、配管の詰まりによる圧力損失の増大が発生したことを検知できるとされている。
特開平8−75617号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法では、ポンプに故障が発生したこと自体は検知できる一方で、その故障の種類を精密に判定することが難しい。例えば、上述したインペラの磨耗による楊程低下と、配管の詰まりによる圧力損失の増大とでは、その後に採るべき解決策が異なる。したがって、故障が検知された後で、当該故障の種類を判定する作業がさらに必要となる。即ち、上記特許文献1に記載された診断方法を採用した場合、故障発生から復旧までに要する時間やコストが増大し、プラントの可用性(稼働率)が限定的となってしまう可能性がある。このため、故障発生の検知に加えて、故障の種類を容易に判定できるポンプシステムに対する要請が高まっている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、故障の種類を容易に判定することができるポンプシステム、及びこれを備えるプラントを提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、ポンプシステムは、流体を圧送する遠心ポンプと、前記遠心ポンプを駆動する電動機の電流を検出する電流検出部と、前記遠心ポンプの吸込側の圧力を検出する第一圧力検出部と、前記遠心ポンプの吐出側の圧力を検出する第二圧力検出部と、
演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記第一圧力検出部および前記第二圧力検出部の検出値に基づいて、前記遠心ポンプのヘッドを演算するヘッド演算部と、前記電流検出部の検出値が適正範囲内か否かを判定する電流値判定部と、前記ヘッドが適正範囲内か否かを判定するヘッド判定部と、前記電流値判定部と前記ヘッド判定部との判定結果に基づいて異常原因を判定する異常判定部と、を有する。
この構成によれば、電流値判定部とヘッド判定部との測定結果がそれぞれ適正範囲内にあるか否かに基づいて、ポンプシステムに異常が発生したことを検知できるとともに、異常原因を判定することができる。
本発明の第二の態様によれば、ポンプシステムは、前記遠心ポンプから吐出された流体が流通する吐出管及び吐出系統をさらに備え、前記ヘッドが適正範囲よりも大きく、かつ前記電流が適正範囲よりも小さい場合、前記異常判定部は、前記吐出管及び前記吐出系統における圧力損失の増大を前記異常原因として判定してもよい。
この構成によれば、遠心ポンプのヘッドと、電動機の電流とを個別に測定し、かつそれぞれが適正範囲内か否かを判定することで、ポンプシステムの異常原因を判定することができる。具体的には、ヘッドが適正範囲よりも大きく、かつ電流が適正範囲よりも小さい場合、主吐出管側の圧力(遠心ポンプの吐出側の圧力)が高まっているためにヘッドが自然に高まり、それに伴って電動機に必要とされる仕事量が小さくなることで電流が小さくなっていると判断できる。したがって、異常判定部は、主吐出管における圧力損失の増大を異常原因として判定する。これにより、後続の回復措置を適切かつ早期に採ることができる。
本発明の第三の態様によれば、ポンプシステムは、前記遠心ポンプから吐出された流体が流通する吐出管と、前記吐出管上に配置された流量調整弁と、をさらに備え、前記演算装置は、前記異常判定部によって前記吐出管及び前記吐出系統における圧力損失が前記異常原因として判定された場合に、前記流量調整弁の開度を大きくなる方向に調整する開度調整部をさらに有してもよい。
この構成によれば、開度調整部が流量調整弁の開度を大きくなる方向に調整することで、吐出管を流れる流体の流量を増やすことができる。その結果、吐出管及び吐出系統の圧力損失が増大している状態であっても、遠心ポンプの吐出側における見かけ上の圧力が低下する。したがって、遠心ポンプのヘッドを低下させ、適正範囲内に戻すことができる。
本発明の第四の態様によれば、前記ヘッドが適正範囲よりも小さく、かつ前記電流が適正範囲よりも小さい場合、前記異常判定部は、前記遠心ポンプの羽根車の劣化を前記異常原因として判定してもよい。
この構成によれば、遠心ポンプのヘッドと、電動機の電流とを個別に測定し、かつそれぞれが適正範囲内か否かを判定することで、ポンプシステムの異常原因を判定することができる。具体的には、ヘッドが適正範囲よりも小さく、かつ電流が適正範囲よりも小さい場合には、遠心ポンプの内部異常によってヘッドが下がるとともに当該遠心ポンプにかかる負荷が小さくなる。負荷が小さくなることで、電動機の電流が小さくなると判断できる。したがって、異常判定部は、遠心ポンプの羽根車に生じた劣化を異常原因として判定する。これにより、後続の回復措置を適切かつ早期に採ることができる。
本発明の第五の態様によれば、ポンプシステムは、前記遠心ポンプから吐出された流体が流通する吐出管と、前記吐出管上に配置された流量調整弁と、をさらに備え、前記演算装置は、前記異常判定部によって前記羽根車の劣化が前記異常原因として判定された場合に、前記流量調整弁の開度を小さくなる方向に調整する開度調整部をさらに有してもよい。
この構成によれば、開度調整部が流量調整弁の開度を小さくなる方向に調整することで、吐出管を流れる流体の流量を小さくすることができる。その結果、遠心ポンプの吐出側における見かけ上の圧力が上昇する。したがって、遠心ポンプのヘッドを上昇させ、適正範囲内に戻すことができる。
本発明の第六の態様によれば、前記電流のみが適正範囲よりも大きい場合、前記異常判定部は、前記遠心ポンプにおける機械損失の増大を前記異常原因として判定してもよい。
この構成によれば、遠心ポンプのヘッドと、電動機の電流とを個別に測定し、かつそれぞれが適正範囲内か否かを判定することで、ポンプシステムの異常原因を判定することができる。具体的には、電流のみが適正範囲よりも大きい場合、所期のヘッドを達成するのに必要となるエネルギーが増加している状態にあると判断することができる。即ち、遠心ポンプ内で機械損失が生じていると判断することができる。したがって、異常判定部は、遠心ポンプにおける機械損失を異常原因として判定する。これにより、後続の回復措置を適切かつ早期に採ることができる。なお、ここで言う機械損失とは、例えば遠心ポンプのロータにおける回転抵抗の上昇が具体的に考えられる。
本発明の第七の態様によれば、ポンプシステムは、前記遠心ポンプから吐出された流体が流通する吐出管と、前記吐出管上に配置された流量調整弁と、をさらに備え、前記演算装置は、前記電流値判定部と前記ヘッド判定部との判定結果に基づいて、前記流量調整弁の開度を調整する開度調整部をさらに有してもよい。
この構成によれば、流量調整弁と、流量調整弁の開度を調整する開度調整部が設けられていることから、ポンプシステムに異常が発生した場合であっても、ポンプシステムを停止することなく、当該異常を是正する措置を採ることができる。一方で、流量調整弁及び開度調整部が設けられていない場合、異常が発生した時点でポンプシステムを停止させ、異常の原因となった部品や配管を交換したり洗浄したりする必要が生じる。上記の構成によれば、このような事態が発生する可能性を低減することができる。
本発明の第八の態様によれば、前記吐出管は、主吐出管と、前記主吐出管の一部をバイパスするとともに前記主吐出管よりも流路断面積の小さいバイパス管と、を有し、前記流量調整弁は、前記バイパス管上に設けられていてもよい。
この構成によれば、流量調整弁がバイパス弁上に設けられ、当該バイパス管は主吐出管よりも流路断面積が小さい。したがって、流量調整弁の開度を調整した場合、主吐出管全体としての流量をより精緻に変化させることができる。
本発明の第九の態様によれば、プラントは、上記いずれか一の態様に係るポンプシステムを備える。
この構成によれば、故障の種類を容易に判定することができるポンプシステムを備えることで、より安定的な運用が可能なプラントを提供することができる。
本発明によれば、故障の種類を容易に判定することができるポンプシステム、及びこれを備えるプラントを提供することができる。
本発明の実施形態に係るプラントの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るポンプシステムの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る演算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る演算装置の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るポンプシステムにおけるヘッドと流量、及び動力と流量の関係を示すグラフであって、吐出管及び吐出系統に異常が発生した状態を示している。 本発明の実施形態に係るポンプシステムにおけるヘッドと流量、及び動力と流量の関係を示すグラフであって、遠心ポンプに異常が発生した状態を示している。 本発明の実施形態に係るポンプシステムにおけるヘッドと流量、及び動力と流量の関係を示すグラフであって、遠心ポンプに図6とは異なる他の異常が発生した状態を示している。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係るプラント100は、化学品を生成するケミカルプラントや、ガソリンや灯油等の石油製品を生成する石油プラント、食品を加工する食品プラント等を含む。図1に示すように、プラント100は、生産物を生産するプラント本体1と、プラント本体1における機器の冷却や洗浄を目的として水(流体)を供給するポンプシステム2と、を備える。プラント本体1とポンプシステム2とは、吐出系統としての供給管3によって接続されている。この供給管3を通じてポンプシステム2からプラント本体1に水が供給される。なお、図1では供給管3(吐出系統)として1つのみの管路を図示しているが、供給管3(吐出系統)は直列的、又は並列的に接続された複数の管路を有してもよい。
図2に示すように、ポンプシステム2は、遠心ポンプ4と、吐出管5と、吸込管6と、電動機7と、監視装置8と、を備えている。
遠心ポンプ4は、羽根車41と、羽根車41を外側から覆うとともに内部に水が流れる流路を形成するケーシング42と、羽根車41を回転可能に支持する回転軸43と、を有している。詳しくは図示しないが、羽根車41は円盤状のディスクと、ディスク上に配列された複数の羽根と、を有している。ケーシング42には、吸込管6に連通する吸込口44と、吐出管5に連通する吐出口45とが形成されている。吸込管6の一端(吸込口44とは反対側の端部)は不図示の水供給源に連通している。電動機7は、外部から供給された電力によって上記の回転軸43を自身の中心軸周りに回転させる。回転軸43の回転に伴って羽根車41が回転する。羽根車41が回転すると、吸込口44を通じて導入された水の圧力が遠心力によって上昇する。水は、ケーシング42内を流通した後、吐出口45から吐出される。
吐出口45には、遠心ポンプ4から吐出された水が流通する吐出管5が接続されている。吐出管5の一端(吐出口45とは反対側の端部)は上述の供給管3(吐出系統)を介してプラント本体1に接続されている。吐出管5は、主吐出管51と、バイパス管52と、を有している。主吐出管51上には、主吐出弁51Vが設けられている。主吐出弁51Vの開度を調整することで、主吐出管51を流通する水の流量を変化させることができる。バイパス管52は、主吐出管51における主吐出弁51Vよりも上流側(即ち、吐出口45側)の位置で分岐し、主吐出弁51Vよりも下流側の位置で主吐出管51に合流している。即ち、バイパス管52は、主吐出弁51Vを迂回(バイパス)するように延びている。バイパス管52上には、バイパス弁52V(流量調整弁)が設けられている。バイパス弁52Vとして具体的には、外部から送出された電気信号によって開度を調整することができる電磁弁が好適に用いられる。バイパス管52の流路断面積は、主吐出管51の流路断面積よりも小さい。
監視装置8は、電流検出部9と、第一圧力検出部10Aと、第二圧力検出部10Bと、演算装置81と、を有している。ここで、電動機7は一定の電圧下で駆動される。一方で、遠心ポンプ4の負荷は時間に伴ってわずかに変化する可能性がある。負荷が変化することによって、電動機7の駆動に要する動力も変化する。上記のように電圧が一定であることから、動力の変化は電流の変化のみに依存する。本実施形態に係る電動機7には、電流を計測するための電流検出部9が接続されている。電流検出部9として具体的には電流計が好適に用いられる。
吸込管6上には、当該吸込管6内の圧力(即ち、遠心ポンプ4の吸込側の圧力)を検出する第一圧力検出部10Aが設けられている。同様に、吐出管5上には、当該吐出管5内の圧力(即ち、遠心ポンプ4の吐出側の圧力)を検出する第二圧力検出部10Bが設けられている。第一圧力検出部10A、及び第二圧力検出部10Bとしては、ブルドン管や圧力センサが好適に用いられる。
これら電流検出部9、第一圧力検出部10A、及び第二圧力検出部10Bは、演算装置81に電気的に接続されている。即ち、電流検出部9が検出した電流値、第一圧力検出部10Aが検出した吸込側の圧力、及び第二圧力検出部10Bが検出した吐出側の圧力は、電気信号として演算装置81に入力される。図3に示すように演算装置81は、ヘッド演算部811と、電流値判定部812と、ヘッド判定部813と、異常判定部814と、開度調整部815と、を有している。
ヘッド演算部811は、第一圧力検出部10A及び第二圧力検出部10Bの検出値に基づいて、遠心ポンプ4のヘッド(楊程)を演算によって求める。具体的には、第二圧力検出部10Bによって検出された吐出側の圧力と、第一圧力検出部10Aによって検出された吸込側の圧力との差分を求めることで、遠心ポンプ4のヘッドが算出される。
電流値判定部812は、電流検出部9の検出値が、予め定められた適正範囲内にあるか否かを判定する。ヘッド判定部813は、上述のヘッド演算部811によって得られたヘッドの値が、予め定められた適正範囲内にあるか否かを判定する。異常判定部814は、電流値判定部812とヘッド判定部813との判定結果に基づいて、ポンプシステム2の動作に異常が発生したことを検知するともに、異常の種類(異常原因)を判定する。開度調整部815は、ポンプシステム2に異常が発生した場合に、異常原因に応じて、バイパス弁52Vの開度を調整するための電気信号をバイパス弁52Vに送出する。
次に、本実施形態に係るポンプシステム2、及び監視装置8の動作を説明する。ポンプシステム2を運転するに当たっては、まず電動機7によって遠心ポンプ4を駆動する。遠心ポンプ4の駆動に伴って、吸込側から吐出側に向かって水が圧送される。なお、通常の運転時(即ち、異常が発生していない場合)には、上述の主吐出弁51Vは全開状態とされ、バイパス弁52Vは、管径に応じた所定の開度に開放した状態とされる。即ち、通常の運転時には、遠心ポンプ4から吐出された水の大部分は主吐出管51内を流通する。
ここで、長期にわたって運用した場合、種々の要因によってポンプシステム2に異常が生じることがある。本実施形態に係る監視装置8は、ポンプシステム2に異常が生じた場合、遠心ポンプ4のヘッドや電動機7の電流値の変化に基づいてこれを検知する。より具体的には、図4に示すように、演算装置81は、ヘッド演算部811によってヘッドを算出するステップS1と、電流検出部9によって電流を検出するステップS2と、ヘッド判定部813及び電流値判定部812の判定結果に基づいて異常判定(異常原因の判定)を行うステップS3と、を実行する。詳しくは後述するが、異常判定ステップS3では、図4に示すように異常原因がC1,C2,C3のうちのいずれか1つとして特定される。異常原因C1は主吐出管及び供給管3の圧力損失増大であり、異常原因C2は羽根車の劣化であり、異常原因C3は遠心ポンプの機械損失増大である。
続いて、図5から図7を参照して、異常判定ステップS3の詳細について説明する。図5から図7は、流量(吐出管5の流量)とヘッドとの関係、及び流量と動力の関係を示す性能曲線と、性能曲線と運転点との関係を示す抵抗曲線とを図示したものである。なお、上述のように電動機7は一定の電圧下で運転されるため、動力は電流量に比例する。したがって、図5から図7中における動力の値は電流の値と等価である。図5から図7中におけるヘッド曲線Chが示すように、流量の増加に伴って、ヘッドは低下する。一方で、動力曲線Cpが示すように、流量の増加に伴って、動力は増加する。
図5に示すように、通常運転時の抵抗曲線である通常抵抗曲線Crnは、原点から上昇する下に凸の曲線状をなしている。通常抵抗曲線Crnとヘッド曲線Chとの交点は運転点と呼ばれる。この運転点が設計要求(仕様点)と合致するように遠心ポンプ4の型式が選定される。なお、運転点を頂点の一つとする三角形の領域は、流量とヘッドとが取るべき正常範囲を表している。即ち、流量やヘッドが変化しても、運転点が当該正常範囲内にある場合は通常運転が継続される。この正常範囲の大きさは、ポンプシステム2の設計要求や、見込むべき余裕度に基づいて設定される。
ここで、図5に示すように、ポンプシステム2の継続運転に伴って、運転点の位置が変化することがある。即ち、通常抵抗曲線Crnが、当該通常抵抗曲線Crnよりも流量が減少する側に位置する第一抵抗曲線Cr1、又は第二抵抗曲線Cr2に変化し、これに伴って運転点がAからA´又はA´´に移動することがある。具体的にはヘッドが適正範囲よりも大きく、かつ電流が適正範囲よりも小さくなる。この状態は、主吐出管51側の圧力(遠心ポンプ4の吐出側の圧力)が高まっているためにヘッドが自然に高まり、それに伴って電動機7に必要とされる仕事量が小さくなることで電流が小さくなっていると説明することができる。したがって、異常判定部814は、主吐出管51及び供給管3における圧力損失の増大を異常原因として判定する。主吐出管51及び供給管3の圧力損失の増大は、具体的には主吐出管51内の詰まりが原因として挙げられる。
異常判定部814によって、主吐出管51及び供給管3の圧力損失の増大が異常原因であると判定された場合(即ち、図4における異常判定ステップS3で異常原因C1が特定された場合)、開度調整部815はバイパス弁52Vの開度を大きくなる方向に調整する。開度調整部815がバイパス弁52Vの開度を大きくなる方向に調整することで、バイパス管52を流れる流体の流量が増加する。その結果、主吐出管51及び供給管3の圧力損失が増大している状態であっても、遠心ポンプ4の吐出側における見かけ上の圧力が低下する。したがって、遠心ポンプ4のヘッドが低下して適正範囲内に戻り、ポンプシステム2の運転を継続することができる。
一方で、バイパス弁52Vの開度を変化させてもヘッドが適正範囲内に戻らない場合、即ちヘッドの低下が著しく大きい場合には、アラーム等により管理者にその旨を報知する構成を取ることも可能である。
上記のケースに加えて、ポンプシステム2の継続運転に伴って、吐出管5及び供給管3ではなく遠心ポンプ4の性能に変化が生じる場合がある。具体的には図6に示すように、ヘッド曲線Chが全体的に下方に移動し、動力曲線Cpも全体的に下方に移動することがある。即ち、ヘッドが低下するとともに、動力が低下している状態が生じる。この時、運転点はBからB´に移動する。
このように、ヘッドが適正範囲よりも小さく、かつ電流が適正範囲よりも小さい場合、遠心ポンプ4の内部異常によってヘッドが下がるとともに当該遠心ポンプ4にかかる負荷が小さくなったと説明できる。さらに、負荷が小さくなることで、電動機7の電流が小さくなると判断できる。したがって、異常判定部814は、遠心ポンプ4の内部異常を異常原因として判定する。遠心ポンプ4の内部異常とは、羽根車41の劣化(磨耗や欠損)を含む。
異常判定部814によって羽根車41の劣化が異常原因として判定された場合、開度調整部815は、バイパス弁52Vの開度を小さくなる方向に調整する。開度調整部815がバイパス弁52Vの開度を小さくなる方向に調整することで、バイパス管52を流れる流体の流量が小さくなる。その結果、遠心ポンプ4の吐出側における見かけ上の圧力が上昇する。これにより、運転点はB´からB´´に移動する。したがって、遠心ポンプ4のヘッドが上昇して適正範囲内に戻り、ポンプシステム2の運転を継続することができる。
一方で、バイパス弁52Vの開度を変化させてもヘッドが適正範囲内に戻らない場合、即ちヘッドの低下が著しく大きい場合には、アラーム等により管理者にその旨を報知する構成を取ることも可能である。
さらに他のケースとして、図7に示すように動力曲線Cpのみが全体的に上方に移動することがある。即ち、ヘッドが変化していないにも関わらず、動力が増大している状態が生じる。この時、動力の値はCからC´に変化する。
このように、動力のみ(電流のみ)が適正範囲よりも大きい場合、所期のヘッドは得られているものの、当該ヘッドを達成するために必要となるエネルギーが増加している状態にあると判断することができる。即ち、遠心ポンプ4内で機械損失が生じていると説明することができる。したがって、異常判定部814は、遠心ポンプ4における機械損失を異常原因として判定する。なお、ここで言う機械損失とは、例えば遠心ポンプ4の回転軸43における回転抵抗の上昇が具体的に考えられる。このケースでは、上記2つのケースと異なり、所期のヘッドは得られていることから、プラント100の運用に即時の影響を与えることは考えにくい。しかしながら、遠心ポンプ4のメンテナンス計画を直ちに立案することが望ましい。
以上、説明したように、本実施形態に係る構成によれば、電流値判定部812とヘッド判定部813との測定結果がそれぞれ適正範囲内にあるか否かに基づいて、ポンプシステム2に異常が発生したことを検知できるとともに、異常原因を判定することができる。
さらに、上記の構成によれば、流量調整弁としてのバイパス弁52Vと、バイパス弁52Vの開度を調整する開度調整部815が設けられていることから、ポンプシステム2に異常が発生した場合であっても、ポンプシステム2を停止することなく、当該異常を是正する措置を採ることができる。一方で、バイパス弁52V及び開度調整部815が設けられていない場合、異常が発生した時点でポンプシステム2を停止させ、異常の原因となった部品や配管を交換したり洗浄したりする必要が生じる。上記の構成によれば、このような事態が発生する可能性を低減することができる。
加えて、上記の構成によれば、吐出管5が主吐出管51とバイパス管52とを有し、当該バイパス弁52Vが設けられるバイパス管52は主吐出管51よりも流路断面積が小さい。さらに、バイパス弁52Vは流量調整弁として機能する。したがって、バイパス弁52Vの開度を調整することによって、吐出管5全体としての流量(主吐出管51を流れる水の流量と、バイパス管52を流れる水の流量の合計)をより精緻に変化させることができる。
さらに加えて、バイパス弁52Vと、バイパス弁52Vの開度を調整する開度調整部815が設けられていることから、上述の異常が発生した場合であっても、ポンプシステム2を停止することなく、当該異常を是正する措置を採ることができる。一方で、バイパス弁52V及び開度調整部815が設けられていない場合、異常が発生した時点でポンプシステム2を停止させ、異常の原因となった部品や配管を交換したり洗浄したりする必要が生じる。上記の構成によれば、このような事態が発生する可能性を低減することができる。
また、上記の構成によれば、遠心ポンプ4のヘッドと、電動機7の電流とを個別に測定し、かつそれぞれが適正範囲内か否かを判定することで、ポンプシステム2の異常原因を判定することができる。具体的には、ヘッドが適正範囲よりも大きく、かつ電流が適正範囲よりも小さい場合、主吐出管51側の圧力(遠心ポンプ4の吐出側の圧力)が高まっているためにヘッドが自然に高まり、それに伴って電動機7に必要とされる仕事量が小さくなることで電流が小さくなっていると判断できる。したがって、異常判定部814は、主吐出管51及び供給管3における圧力損失の増大を異常原因として判定する。これにより、後続の回復措置を適切かつ早期に採ることができる。
主吐出管51及び供給管3における圧力損失の増大が異常原因として判定された場合、開度調整部815がバイパス弁52Vの開度を大きくなる方向に調整することで、バイパス管52を流れる流体の流量を増やすことができる。その結果、主吐出管51及び供給管3の圧力損失が増大している状態であっても、遠心ポンプ4の吐出側における見かけ上の圧力が低下する。したがって、遠心ポンプ4のヘッドを低下させ、適正範囲内に戻すことができる。
一方で、ヘッドが適正範囲よりも小さく、かつ電流が適正範囲よりも小さい場合には、遠心ポンプ4の内部異常によってヘッドが下がるとともに当該遠心ポンプ4にかかる負荷が小さくなる。負荷が小さくなることで、電動機7の電流が小さくなると判断できる。したがって、異常判定部814は、遠心ポンプ4の羽根車41に生じた劣化を異常原因として判定する。これにより、後続の回復措置を適切かつ早期に採ることができる。
羽根車41の劣化が異常原因として判定された場合、開度調整部815がバイパス弁52Vの開度を小さくなる方向に調整することで、バイパス管52を流れる流体の流量を小さくすることができる。その結果、遠心ポンプ4の吐出側における見かけ上の圧力が上昇する。したがって、遠心ポンプ4のヘッドを上昇させ、適正範囲内に戻すことができる。
さらに、電流のみが適正範囲よりも大きい場合、所期のヘッドを達成するのに必要となるエネルギーが増加している状態にあると判断することができる。即ち、遠心ポンプ4内で機械損失が生じていると判断することができる。したがって、異常判定部814は、遠心ポンプ4における機械損失を異常原因として判定する。これにより、後続の回復措置を適切かつ早期に採ることができる。なお、ここで言う機械損失とは、例えば遠心ポンプ4の回転軸43における回転抵F抗の上昇が具体的に考えられる。
加えて、上記の構成では、異常が発生していない場合であっても、バイパス弁52Vの開度を調整することで遠心ポンプ4の吐出側の圧力を変化させられるため、遠心ポンプ4のヘッドを最適化できるとともに、当該ヘッドを達成するのに必要となる電動機7の電流値を低く抑えることができる。したがって、遠心ポンプ4を選定するに当たって、所望の性能に対して過度の余裕を見込む必要がなく、その分だけ遠心ポンプ4や電動機7にかかるコストを削減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、吐出管5が主吐出管51と、バイパス管52とを有し、バイパス管52上に流量調整弁としてのバイパス弁52Vが設けられている構成について説明した。しかしながら、吐出管5、及び流量調整弁の構成は上記に限定されない。他の例として、吐出管5が主吐出管51のみを有し、この主吐出管51上の主吐出弁51Vを流量調整弁として用いる構成を採ることも可能である。この構成によれば、ポンプシステム2の構成が簡素化され、コストのさらなる低減を図ることができる。
1…プラント本体
2…ポンプシステム
3…供給管(吐出系統)
4…遠心ポンプ
5…吐出管
6…吸込管
7…電動機
8…監視装置
9…電流検出部
41…羽根車
42…ケーシング
43…回転軸
44…吸込口
45…吐出口
51…主吐出管
52…バイパス管
81…演算装置
100…プラント
811…ヘッド演算部
812…電流値判定部
813…ヘッド判定部
814…異常判定部
815…開度調整部
10A…第一圧力検出部
10B…第二圧力検出部
51V…主吐出弁
52V…バイパス弁
Ch…ヘッド曲線
Cp…電力曲線
Cr1…第一抵抗曲線
Cr2…第二抵抗曲線
Crn…通常抵抗曲線

Claims (9)

  1. 流体を圧送する遠心ポンプと、
    前記遠心ポンプを駆動する電動機の電流を検出する電流検出部と、
    前記遠心ポンプの吸込側の圧力を検出する第一圧力検出部と、
    前記遠心ポンプの吐出側の圧力を検出する第二圧力検出部と、
    演算装置と、
    を備え、
    前記演算装置は、
    前記第一圧力検出部および前記第二圧力検出部の検出値に基づいて、前記遠心ポンプのヘッドを演算するヘッド演算部と、
    前記電流検出部の検出値が適正範囲内か否かを判定する電流値判定部と、
    前記ヘッドが適正範囲内か否かを判定するヘッド判定部と、
    前記電流値判定部と前記ヘッド判定部との判定結果に基づいて異常原因を判定する異常判定部と、
    を有するポンプシステム。
  2. 前記遠心ポンプから吐出された流体が流通する吐出管及び吐出系統をさらに備え、
    前記ヘッドが適正範囲よりも大きく、かつ前記電流が適正範囲よりも小さい場合、前記異常判定部は、前記吐出管及び前記吐出系統における圧力損失の増大を前記異常原因として判定する請求項1に記載のポンプシステム。
  3. 前記吐出管上に配置された流量調整弁をさらに備え、
    前記演算装置は、
    前記異常判定部によって前記吐出管及び前記吐出系統における圧力損失が前記異常原因として判定された場合に、前記流量調整弁の開度を大きくなる方向に調整する開度調整部をさらに有する請求項2に記載のポンプシステム。
  4. 前記ヘッドが適正範囲よりも小さく、かつ前記電流が適正範囲よりも小さい場合に、前記異常判定部は、前記遠心ポンプの羽根車の劣化を前記異常原因として判定する請求項1に記載のポンプシステム。
  5. 前記遠心ポンプから吐出された流体が流通する吐出管と、
    前記吐出管上に配置された流量調整弁と、
    をさらに備え、
    前記演算装置は、
    前記異常判定部によって前記羽根車の劣化が前記異常原因として判定された場合に、前記流量調整弁の開度を小さくなる方向に調整する開度調整部をさらに有する請求項4に記載のポンプシステム。
  6. 前記電流のみが適正範囲よりも大きい場合、前記異常判定部は、前記遠心ポンプにおける機械損失の増大を前記異常原因として判定する請求項1に記載のポンプシステム。
  7. 前記遠心ポンプから吐出された流体が流通する吐出管と、
    前記吐出管上に配置された流量調整弁と、
    をさらに備え、
    前記演算装置は、
    前記電流値判定部と前記ヘッド判定部との判定結果に基づいて、前記流量調整弁の開度を調整する開度調整部をさらに有する請求項1、2、4及び6のいずれか一項に記載のポンプシステム。
  8. 前記吐出管は、
    主吐出管と、
    前記主吐出管の一部をバイパスするとともに前記主吐出管よりも流路断面積の小さいバイパス管と、
    を有し、
    前記流量調整弁は、前記バイパス管上に設けられている請求項3、5及び7のいずれか一項に記載のポンプシステム。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のポンプシステムを備えるプラント。
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