JP2019171170A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】より効果的な演出を実行可能な弾球遊技機を提供する。【解決手段】弾球遊技機において、特別遊技の終了後に移行する確率変動状態における限定的な期間には、変動パターン選択基準として、限定的な期間に参照可能な限定選択基準が参照される。少なくとも第1限定選択基準と第2限定選択基準を含む2種類以上の限定選択基準の間で参照する限定参照基準を切替可能である。第1演出モードにおいて演出が実行されているときに第2限定選択基準が参照される頻度よりも、第2演出モードにおいて演出が実行されているときに第2限定選択基準が参照される頻度の方が高い。【選択図】図1

Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
遊技機の中には、特別遊技が終了した後にいわゆる確率変動遊技(以下「確変」ともいう)と呼ばれる遊技者に有利な特定遊技に移行するものがある。特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に確変が開始される。確変では通常の確率状態より当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。このような確変へ移行すると比較的早期に新たな特別遊技が発生するため、遊技者の期待感が一層高められる。
特開2003−230714号公報
特別遊技の終了後に確率変動遊技に移行される場合に、通常の確率状態における遊技とは異なる演出を実行する弾球遊技機がある。確率変動遊技において、より多彩で面白みのある演出を実行することにより、遊技者の期待感をより一層効果的に高めることが可能な技術が求められる。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、より効果的な演出を実行可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられた始動入賞口と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、演出画像が表示される演出表示装置と、遊技の基本動作を主に制御する主制御装置と、遊技の演出的動作を主に制御する副制御装置と、を備える弾球遊技機であって、主制御装置は、始動入賞口への入球を契機として当否判定のための抽選値を取得する抽選値取得手段と、抽選値取得手段により取得された抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、図柄の変動表示過程を定める変動パターンを決定するための変動パターン選択基準を参照して変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、図柄を図柄表示装置
に変動表示させる図柄表示制御手段と、当否判定の結果が当りとなった場合に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否判定の結果が当りとなる確率が通常状態よりも高確率となる確率変動状態へ移行させるための条件が充足された場合に、特別遊技の終了後から所定回の図柄の変動表示が終了するまでの間、確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、を備える。副制御装置は、演出表示装置に表示させる演出を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。特別遊技の終了後に移行する確率変動状態における限定的な期間には、変動パターン選択基準として、限定的な期間に参照可能な限定選択基準が参照され、限定選択基準として、少なくとも第1限定選択基準と第2限定選択基準を含む2種類以上の限定選択基準が設けられ、変動パターン決定手段は、限定的な期間における複数のタイミングにおいて、参照する限定選択基準の種類を切替可能であり、第1限定選択基準を参照しているときには、当否判定の結果が当りである場合にも外れである場合にも、特定の演出を実行可能な変動パターンを選択可能であり、第2限定選択基準を参照しているときには、当否判定の結果が当りである場合にのみ特定の演出を実行可能な変動パターンを選択可能であり、限定的な期間において、演出決定手段は、少なくとも第1演出モード及び第2演出モードを含む複数種類の演出モードのうち選択された演出モードに応じた演出を決定し、演出決定手段は、所定のタイミングにおいて、複数種類の演出モードの間で演出モードを切替可能であり、第1演出モードにおいて特定の演出群に含まれる演出が実行される場合に当否判定の結果が当りである期待度よりも、第2演出モードにおいて特定の演出群に含まれる演出が実行される場合に当否判定の結果が当りである期待度の方が高く、参照されている限定選択基準が第1限定選択基準および第2限定選択基準のいずれであったとしても、第1演出モードおよび第2演出モードのいずれの演出モードも選択可能であり、第1演出モードにおいて演出が実行されているときに第2限定選択基準が参照される頻度よりも、第2演出モードにおいて演出が実行されているときに第2限定選択基準が参照される頻度の方が高い。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、より効果的な演出を実行可能な弾球遊技機を提供することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図12におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが表示CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 第2大入賞口の構成を詳細に示す図である。 第2大入賞口の外観を概略的に示す図である。 本実施例において参照される変動パターンテーブルの種類を示す図である。 限定期間における限定テーブルの参照パターンを規定する限定テーブル参照パターンを示す図である。 当り図柄と限定テーブル参照パターンとの対応を示す図である。 限定期間において実行される演出の演出モードの遷移パターンを示す図である。
<前提技術>
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収する
ための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口21、作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第
1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口21は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置26と、第1大入賞口21を開閉させるための第1大入賞口ソレノイド93を備える。第1大入賞検出装置26は、第1大入賞口21への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口21は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口21はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や第1大入賞口21の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたと
きに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、通過検出装置37を含む。通過検出装置37は、作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に
、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り
返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口21の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口21の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利
益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に第1大入賞口21が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口21の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。第1大入賞口21の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で第1大入賞口21を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の第1大入賞口21の開放を2回繰り返すだけであるため、第1大入賞口21にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口21の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口21が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口21、一般入賞口33、作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口21に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パター
ン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそ
れぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、そ
の図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番
号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選または第2当否抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選または第2当否抽選に対する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。第1当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶し、第2当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新
たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、第1大入賞口21の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口21を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口21を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で第1大入賞口21を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第1大入賞口21を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第1大入賞口21を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において第1大入賞口21を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり第1大入賞口21を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、第1大入賞口21を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手
段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や第1大入賞口21の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド93に開放指示を送り、第1大入賞口21を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小
当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選
の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
図10は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目
の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図11は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復
号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メ
モリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図12は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし
、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び第1大入賞口21の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図13は、図12におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図14は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図
柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、第1大入賞口21、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有
効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄
作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求
、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、第1大入賞口21の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技
状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び第1大入賞口ソレノイド93の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの
取得、第1大入賞口ソレノイド93の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置
から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行
優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図16は、図15におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図15のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図17は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信した
データを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図16のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図18は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図19は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図20は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミング
を計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図21は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し
(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図22は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図23は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が第1大入賞口21を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、第1大入賞口21への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、第1大入賞口21への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が第1大入賞口21を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図24は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、第1大入賞口21を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、第1大入賞口21を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
<実施例>
つづいて、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例では、特別遊技の終了後に確変状態に移行される場合、大入賞口の開放終了後の限定的な期間(以降、単に「限定期間」という)において、限定期間にのみ参照される限定テーブルを参照して変動パターンを決定する。限定テーブルは複数種類設けられ、限定テーブル参照パターンにしたがって、複数種類の限定テーブルの間で参照する限定テーブルが切り替えられる。本実施例では、大入賞口に設けられた確変判定領域を遊技球が入球又は通過したか否かに応じて、
特別遊技終了後に確変状態に移行するか否かが決定され、確変状態に移行する場合は、所定回数の図柄の変動表示が終了するまで確変状態が継続される。所定期間の終了までに大当りが発生しなかった場合は、遊技状態が通常状態に戻される。以下、前提技術と異なる点を中心に説明する。
[盤面構成]
本実施例においては、大入賞口として第1大入賞口21とは別に第2大入賞口22が設けられ、第2大入賞口22に、遊技球が入球又は通過した場合に特別遊技の終了後の通常遊技において確率変動状態へ移行させると判定される確変判定領域が設けられる。特別遊技は、第1大入賞口21又は第2大入賞口22が1回以上開放される単位遊技を複数回含む。前提技術においては、2R、4R、および16Rの特別遊技が実行される大当りが設けられたが、本実施例においては、4R、8R、および16Rの特別遊技が実行される大当りが設けられ、いずれの特別遊技においても、複数回の単位遊技のうちの1以上の特定回、例えば第4回の単位遊技においては第2大入賞口22が開放され、それ以外の単位遊技においては第1大入賞口21が開放される。いずれの特別遊技においても、特定回は同一である。すなわち、同じ回の単位遊技において第2大入賞口22が開放される。単位遊技数の最も少ない特別遊技においても少なくとも1回の単位遊技において第2大入賞口22が開放されるように、特定回は、単位遊技数の最も少ない特別遊技に含まれる単位遊技の回を少なくとも1回含む。別の例では、初回の単位遊技では第1大入賞口21が開放され、いったん第2大入賞口22が開放されると、以降は第1大入賞口21は開放されず、第2大入賞口22が開放されてもよい。
確変判定領域は、特別遊技において、特定回の単位遊技中に有効とされ、特定回以外の回の単位遊技中は無効とされる。別の例においては、確変判定領域は、特定回の単位遊技において、特定回以外の回の単位遊技中よりも遊技球が入球又は通過しやすい状態とされる。さらに別の例においては、確変判定領域は、第2大入賞口22が開放される全ての単位遊技中に有効とされる。確変判定領域が有効とされている期間に、少なくとも1つの遊技球が確変判定領域に入球又は通過すると、特別遊技の終了後に実行される通常遊技において確変状態へ移行される。
第2大入賞口22が開放される単位遊技における第2大入賞口22の開放時間は、大当りの場合に停止表示される特別図柄(当り図柄)の種類に応じて定められるが、当り図柄の種類に応じて異なる開放時間が設定可能である。すなわち、ある当り図柄が停止表示されることにより移行される特別遊技においては第2大入賞口22の開放時間を短くし、別の当り図柄が停止表示されることにより移行される特別遊技においては第2大入賞口22の開放時間を相対的に長くすることができる。第2大入賞口22の開放時間が長い方が、より多くの遊技球を第2大入賞口22に入球させることが可能となるので、確変判定領域に遊技球が入球又は通過する確率が相対的に高くなる。したがって、当り図柄の種類に応じて、確変状態に移行される確率を異ならせることができる。
図1を参照して、本実施例の弾球遊技機の盤面構成を更に説明する。本実施例における大入賞口は、第1大入賞口21及び第2大入賞口22の組合せで構成される。第1大入賞口21は、遊技領域の右側に設けられ、箱形であってその正面の形状は右端部が左端部より高くなるように平行四辺形となっているため、箱形の第1大入賞口21の上面に遊技球が載ると右から左の方向へ重力で転動する。上面における左側(すなわち低い位置)にスライド式の蓋が設けられ、その蓋がスライドして開口部が露出すると、右から左へ流れる遊技球がほぼ確実にすべて開口部に落入し、第1大入賞口21への入球となる。逆にスライド式の蓋で開口部が閉鎖されている間はその蓋の上を遊技球が転動して通過し、第1大入賞口21の左方に位置する作動口32及び第2始動口12へ向かって遊技球が誘導される。第1大入賞口21と作動口32の間、及び、作動口32と第2始動口12の間には、
第1大入賞口21から第2始動口12へ向けて図示しない複数の遊技釘が並んで設けられており、その遊技釘の間隔は遊技球が間をすり抜けない程度に短いため、第1大入賞口21の上面を流れた遊技球は、作動口32との間に落ちることなく全て作動口32へ誘導され、作動口32を通過した遊技球は、第2始動口12との間に落ちることなく全て第2始動口12へ誘導される。したがって、第1大入賞口21及び第2大入賞口22が閉鎖されている通常遊技中は、第2始動口12が開放されている間はほぼ確実に全て第2始動口12へ入球することとなるが、第2始動口12が開放されていなければ全て第2始動口12へ入球せずにその横から落ちてアウト口34へ流れる。
第2大入賞口22は、第1大入賞口21の右端部の右上方の、右打ちした遊技球が入球し易い位置に設けられる。第2大入賞口22は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置27と、第2大入賞口22を開閉させるための第2大入賞口ソレノイド94を備える。第2大入賞口22も、箱形であってその正面の形状は右端部が左端部より高くなるように平行四辺形となっているため、箱形の第2大入賞口22の上面に遊技球が載ると右から左の方向へ重力で転動する。上面にスライド式の蓋が設けられ、その蓋がスライドして開口部が露出すると、右から左へ流れる遊技球がほぼ確実にすべて開口部に落入し、第2大入賞口22への入球となる。逆にスライド式の蓋で開口部が閉鎖されている間はその蓋の上を遊技球が転動して通過し、第2大入賞口22の左方に位置する第1大入賞口21へ向かって遊技球が誘導される。第2大入賞口22と遊技領域の外周との間には遊技球が通過できないように部材が設けられているため、右打ちした遊技球のほぼ全てが第2大入賞口22に誘導される。第2大入賞口22が閉鎖されているときは、第2大入賞口22の上を転動したほぼ全ての遊技球がすぐ左方の第1大入賞口21へ落下するように設計されている。
第2大入賞口22の内部には、確変判定領域が設けられる。第2大入賞口22の内部には、確変判定領域とそれ以外の領域のいずれかに遊技球を振り分ける、図示しない振分機構が設けられてもよい。第2大入賞口22へ遊技球が入球してこれを第2大入賞検出装置27が検出すると、大入賞口への入賞として賞球付与がなされる。確変判定領域への入球を検出すると、その特別遊技の終了後に確変へ移行する旨の決定がなされる。第2大入賞口22の確変判定領域への入球有無によって確変移行有無が決定されるため、第2大入賞口22の確変判定領域はいわゆる機械抽選としての役割を有している。
図25は、第2大入賞口22の構成を詳細に示す。蓋部500は、第2大入賞口ソレノイド94の制御に応じて、第2大入賞口22の入口を開閉する電動役物である。第2大入賞口ソレノイド94は、蓋部500を開放状態に制御する、すなわち第2大入賞口22の入口を開くように蓋部500を動作させることで、第2大入賞口22を開放状態にして第2大入賞口22内部への遊技球の流入を可能な状態とする。また第2大入賞口ソレノイド94は、蓋部500を閉鎖状態に制御する、すなわち第2大入賞口22の入口を塞ぐように蓋部500を動作させることで、第2大入賞口22を閉鎖状態にして第2大入賞口22内部への遊技球の流入が不可能な状態とする。第2大入賞口22に入球した遊技球は、一旦右方向へ流れて、典型的には1球ずつ通過可能な入球口から第2大入賞口22の下部エリア501へ流入する。第2大入賞検出装置27は、第2大入賞口22への遊技球の入球を検出し、具体的には第2大入賞口22の下部エリア501へ落入した遊技球を検出する。
排出経路502は、第2大入賞口22へ入球した遊技球を第2大入賞口22の外部へ排出するための経路である。第2大入賞口22へ入球した遊技球は排出経路502を通って、典型的にはぱちんこ遊技機100の外部へ排出される。第2大入賞口22内には、入球した遊技球が排出経路502に至る流路の途中に確変判定領域としての特定領域を設けている。特定領域は、特定領域機構504の下の領域が該当し、通常は特定領域機構504
により閉鎖され、遊技球が通過(落入)し得ない領域である。
特定領域機構504は、特定領域への遊技球の通過が可能な状態と、不可能な状態とで切り替える機構であり、特定機構ソレノイド508の制御に応じてスライドする蓋部材である。特定機構ソレノイド508は、後述のメイン基板200(特別遊技制御手段260、開閉制御手段275)の制御にしたがって、特定領域機構504の状態を制御する。具体的には、特定領域機構504を開放状態に制御する、すなわち特定領域への流路を開くように特定領域機構504を動作させることで、特定領域への遊技球の通過が可能な状態にする。また、特定領域機構504を閉鎖状態に制御する、すなわち特定領域への流路を塞ぐように特定領域機構504を動作させることで、特定領域への遊技球の通過が不可能な状態にする。
また特定領域機構504は、特定領域への遊技球の通過が可能な状態として、特定領域への遊技球の通過が容易な状態、または、特定領域への遊技球の通過が困難な状態のいずれかに切り替える。例えば前者は、特定領域機構504が長時間(例えば30秒)開放する場合であり、ほぼ確実に特定領域へ入球し、確変移行が確定する。後者は、特定領域機構504が短時間(例えば0.2秒)だけ開放する場合であり、特定領域への入球は実質的にほぼ不可能であり、結果、確変移行もほぼ不可能となる。
第2大入賞口22の開放態様と特定領域機構504との開放態様の組み合わせとして、以下のようなパターンがあってもよい。
(1)長開放パターン:
第2大入賞口22を、長時間(例えば最大30秒)開放する。
特定領域機構504を、短時間(例えば0.2秒)開放後、閉鎖し(閉鎖状態を2秒維持)、それから長時間開放(第2大入賞口22を閉鎖するまで開放状態を維持し、第2大入賞口22の閉鎖に伴い閉鎖)する。
なお、第2大入賞口22の長時間開放は、特定領域機構504と同様に、短時間開放〜閉鎖〜長時間開放としてもよい。
(2)短開放パターン:
第2大入賞口22を短時間(最大0.2秒)開放する。
特定領域機構504を、短時間(例えば0.2秒)開放する。ここでは、第2大入賞口22を0.2秒で閉鎖するため、開閉状態が第2大入賞口22と同期する特定領域機構504の開放も0.2秒で終了させる。
第1大入賞口21と第2大入賞口22の開放順序は、当り図柄の種類にかかわらず同一である。また、いずれの当り図柄が選択された場合も、1回の特別遊技において実行される、第2大入賞口22が開放される全ての単位遊技において、第2大入賞口22の開放時間は一定であってもよい。すなわち、例えば、当り図柄「A」が選択された場合は、単位遊技における第2大入賞口22の開放時間は全て1.5秒であり、当り図柄「B」が選択された場合は、全て3.0秒であり、当り図柄「C」が選択された場合は、全て6.0秒である。いずれの当り図柄が選択された場合も、1回の特別遊技において実行される、第2大入賞口22が開放される全ての単位遊技において、1回の単位遊技における第2大入賞口22の開放パターンが一定であってもよい。例えば、1回の単位遊技において、第2大入賞口22が開放される回数、第2大入賞口22のそれぞれの開放における開放時間などの開放パターンが一定であってもよい。
特定通過検出装置506は、特定領域機構504の下位置に設けられ、特定領域における遊技球の通過を検出するセンサであり、特定領域を遊技球が通過した場合にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。なお、第2大入賞口22の外観は、特定領域の開放状況や特定領域への入球状況が遊技者から視認困難なよう構成される。例えば、特定領域の
近傍に「V」等の目印を示す構造物は設置せず、特定領域を可及的に目立たない外観とすることが望ましい。また、第2大入賞口22の前面であり、少なくとも特定領域の近傍(例えば第2大入賞口22の下部エリア501)の前面は、透過性の低い部材(例えば透過率0の部材)で形成してもよい。また、透過率0の部材で下部エリア501の前面を覆ってもよく、透過率0の部材を第2大入賞口22の前面に配置してもよい。
次に、図26を参照しながら、第2大入賞口22の蓋部500の上に設けられた流路上を転動する遊技球の勢い(転動速度)を削ぐための構成について説明する。まず、前述したように、流路510は、水平方向に対してやや左傾斜であり、進出状態にある蓋部500によって形成されるものであり、蓋部500自体は平板状の部材である。よって、流路510上を転動する遊技球の勢い(転動速度)は、そのままでは加速傾向となってしまうため、遊技球の勢いを削ぐための何らかの工夫を施さなければ、進出状態にある蓋部500を退避状態に変位させたとしても{特に、進出状態→退避状態→進出状態との一連の変位を瞬間的に(例えば、0.1秒程度で)行わせた際に}、入球口として機能する箱状部材512(延いては第2大入賞口22内)へ遊技球を上手く誘導できない恐れがある。そこで、本実施形態においては、流路510上を転動する遊技球がジグザグに進行するための工夫を施してある。
より具体的には、遊技球が流路510上を転動する範囲内において、遊技盤表面側に複数の突起部516aを設けると共に、透明板514側にも複数の516bを設け、且つ、当該複数の突起部516aと当該複数の突起部516bとが、互い違いに配列されるよう構成されている。ここで、当該複数の突起部516aに関しては、遊技盤表面に直接固着するよう構成すればよいが、当該複数の突起部516bに関しては、透明板514裏面表面に直接固着してしまうと、仮に、遊技機のメンテナンス等の目的で透明板514を開放した場合において、当該複数の突起部516bが外部に対して剥き出しの状態となってしまうため、メンテナンス者が当該複数の突起部516bに接触してしまう(最悪、剥がれ落ちてしまう)恐れがある(また、透明板514を他の遊技機の部材として使いまわすことも困難となる)。よって、このような事態を回避するために、本実施例においては、箱状部材512の壁面のうち透明板514側の壁面を、進出状態にある蓋部500よりも上に向かって伸長させておき、当該伸長させた箱状部材512の壁面表面に対して当該複数の突起部516bを固着するよう構成されているのである。
このように、遊技球が流路510上を転動する範囲内において、複数の突起部516a及び複数の突起部516bを設けることで、流路510上を転動する遊技球がジグザグに進行するため、流路510上を転動する遊技球の勢い(転動速度)が減速傾向となる。ここで、右打ちルートへ向けて遊技球が連続発射(約0.6秒間隔で1個発射)された場合、放出された遊技球の勢いが削がれた状態で流路510に到達し、且つ、流路510上を転動する遊技球の勢いが更に減速されるため、流路510上で転動している期間が長期間となる結果、蓋部500(即ち、流路510)を瞬間的に退避状態に変位させたとしても、箱状部材512(延いては第2大入賞口22内)へ遊技球を上手く誘導することが可能となる。加えて、流路510上を転動する遊技球の勢いが減速されるということは、右打ちルートへ向けて遊技球が連続発射された場合には、それら遊技球の位置間隔が狭まることを意味する(流路510上を転動する遊技球の渋滞が起こる)。よって、蓋部500(即ち、流路510)上に複数個の遊技球が存在している状況をも創り出すことが可能となり、この場合、蓋部500(即ち、流路510)を瞬間的に退避状態に変位させたとしても、箱状部材512(延いては第2大入賞口22内)へ当該複数個の遊技球を纏めて誘導することも可能となるのである(図26(b)にイメージ図を図示する)。なお、本図の例では、遊技盤と透明板514に突起部516を設けているが、別の例では、蓋部500の流路510に突起部516が設けられてもよい。
流路510に滞留する遊技球の個数及び滞留時間は、流路510の長さ及び傾斜角、突起部516の個数及び間隔などを変更することにより調整可能である。本実施例においては、図26(a)に示すように、3個の遊技球が蓋部500の上に滞留するように設計されているので、典型的には、蓋部500を退出状態に変位させたときに、3個の遊技球が箱状部材512の上部の開口から纏めて入球する。所定数の遊技球のみを第2大入賞口22に入球させたい場合は、新たに第2大入賞口22に流れてくる遊技球が入球しないように、ごく短い時間のみスライド式の蓋部500を退出させ、すぐに再び進出させて箱状部材512の開口を塞ぐようにすればよい。このように、本実施例の第2大入賞口22によれば、一定の開放時間中に第2大入賞口22に入球する遊技球のばらつきを最小限に抑えることができる。第2大入賞口22に狙った個数の遊技球を入球させるように調整することは、確変状態に移行する確率を調整する上で重要となる。
[限定期間中の演出]
図27は、本実施例において参照される変動パターンテーブルの種類を示す。本実施例では、5種類の変動パターンテーブルが設けられる。通常変動パターンテーブルは、通常状態の通常遊技において参照される変動パターンテーブルであり、例えば、図8(a)に示した変動パターンテーブルである。時短変動パターンテーブルは、確変状態ではない時短状態の通常遊技において参照される変動パターンテーブルであり、例えば、図8(b)に示した変動パターンテーブルである。本実施例では、特別遊技中に確変判定領域に遊技球が入球または通過しなかった場合、特別遊技の終了後、30回の図柄の変動表示が終了するまでの間、時短かつ入球容易状態の通常遊技が実行され、この期間中には、時短変動パターンテーブルが参照される。時短かつ入球容易状態が終了して通常状態に戻ると、それ以降は通常変動パターンテーブルが参照される。限定テーブルA、限定テーブルB、および限定テーブルCは、特別遊技中に確変判定領域に遊技球が入球して、特別遊技終了後に確変状態に移行される場合に、特別遊技終了後の限定期間中に参照される。本実施例では、特別遊技中に確変判定領域を遊技球が通過した場合、特別遊技の終了後、146回の図柄の変動表示が終了するまでの間、時短かつ入球容易かつ確変状態の通常遊技が実行され、この期間中には限定テーブルA、B、またはCが参照される。限定テーブルAは、限定期間の第1回目から第46回目の図柄の変動表示において参照され、限定テーブルBおよび限定テーブルCは、限定期間の第47回目から第146回目のうちの特定の期間における図柄の変動表示においていずれかが参照される。時短かつ入球容易かつ確変状態が終了して通常状態に戻ると、それ以降は通常変動パターンテーブルが参照される。このように、本実施例では、確変判定領域への入球の有無に応じて、特別遊技の終了後に確変状態に移行するか否かが異なり、参照される変動パターンテーブルが異なる。また、確変判定領域への入球の有無にかかわらず、特別遊技の終了後に時短かつ入球容易状態に移行するが、時短かつ入球容易状態の継続期間は確変判定領域への入球の有無に応じて異なる。時短状態、入球容易状態、確変状態における通常遊技は、前提技術で説明したように、特定遊技制御手段270により制御されるが、特定遊技制御手段270は、特定遊技や通常遊技などの間で遊技状態の移行を制御する遊技状態移行手段としても機能する。なお、時短変動パターンテーブルも、特別遊技の終了後から30回の図柄の変動表示が実行されるまでの限定的な期間において参照される変動パターンテーブルであるから、限定テーブルDと称してもよい。更には、この30回の図柄の変動表示の期間を複数の期間に分けて、それぞれの期間において異なる時短変動パターンテーブルを参照してもよい。例えば、特別遊技の終了後の第1回目から第4回目の図柄の変動表示においては、時短変動パターンテーブルとして限定テーブルDを参照し、第5回目から第29回目の図柄の変動表示においては、時短変動パターンテーブルとして限定テーブルEを参照し、第30回目の図柄の変動表示においては時短変動パターンテーブルとして限定テーブルFを参照してもよい。
限定テーブルBと限定テーブルCは、特定の演出群に含まれる演出を実行可能な特定変動パターンの選択確率が異なる。ここで言う特定の演出群は、例えば、リーチ演出、ステ
ップアップ予告や群予告などの予告演出、1回の図柄の変動表示において擬似的に複数回の図柄の変動表示が実行されたように見せる擬似連続変動演出など、当否判定の結果が大当りである期待度を示唆する演出を含んでもよいし、それらの演出のうちの特定の演出、例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出、予告演出のうち赤色で表示されるステップアップ予告演出などを含んでもよい。より具体的には、限定テーブルBは、リーチ外れ演出パターンを実行可能なリーチ外れ変動パターンおよびリーチ大当り演出パターンを実行可能なリーチ大当り変動パターンの双方を含み、当否判定の結果が大当りである場合にも、外れである場合にも、リーチ態様の変動パターンを選択可能である。限定テーブルBにおいて、リーチ態様の変動パターンに対応して実行されるリーチ演出の信頼度が所定の値になるように、リーチ外れ変動パターンおよびリーチ大当り変動パターンに対してパターン抽選値の範囲が割り当てられる。例えば、図8(a)または(b)に示した変動パターンテーブルと同様の変動パターンテーブルであってもよい。これに対して、限定テーブルCを参照しているときには、リーチ大当り変動パターンは選択可能であるが、リーチ外れ変動パターンは選択されない。すなわち、限定テーブルCにおいて、リーチ外れ変動パターンにはパターン抽選値の範囲が割り当てられず、当否判定の結果が外れである場合には、リーチ外れ変動パターン以外の外れ用の変動パターンが選択される。例えば、図8(a)または(b)に示した変動パターンテーブルにおいて、パターン範囲が「0」〜「4」である変動パターンにはパターン抽選値の範囲が割り当てられず、当否判定の結果が外れである場合には必ずパターン範囲が「5」の「リーチなし外れ」の変動パターンが選択されるようにしてもよい。したがって、限定テーブルCが参照されているときに、リーチ態様の変動パターンに対応するリーチ演出が実行されると、当否判定の結果が大当りであることが確定的に報知される。なお、限定テーブルCを参照しているときに選択不可能となるリーチ外れ変動パターンは、スーパーリーチ変動パターンのみであってもよい。この場合、ノーマルリーチ変動パターンは、限定テーブルCを参照しているときにも選択可能であってもよい。
図28は、限定期間における限定テーブルの参照パターンを規定する限定テーブル参照パターンを示す。本実施例では、8種類の限定テーブル参照パターンが設けられる。いずれの限定テーブル参照パターンにおいても、限定期間の第1回目から第46回目の図柄の変動表示においては限定テーブルAが参照され、第47回目から第56回目の図柄の変動表示および第137回目から第146回目の図柄の変動表示においては限定テーブルBが参照される。別の例では、第47回目から第56回目の図柄の変動表示および第137回目から第146回目の図柄の変動表示において限定テーブルCが参照されてもよい。第47回目から第136回目の図柄の変動表示においては、10回の図柄の変動表示を単位として、限定テーブルBと限定テーブルCとの間で参照する変動パターンテーブルが複数回切り替えられる。すなわち、10回の図柄の変動表示が終了するごとのタイミングで、参照する限定テーブルを切替可能である。限定テーブルBは、2単位以上連続して参照可能であるが、限定テーブルCは、2単位以上連続して参照されることはなく、1単位すなわち10回の図柄の変動表示において参照されると、次の単位では必ず限定テーブルBに切り替えられる。本図の例では、いずれの限定テーブル参照パターンにおいても、限定テーブルCが合計で2単位すなわち20回の図柄の変動表示において参照されるが、別の例では、1単位のみ参照されてもよいし、3単位以上参照されてもよい。全ての限定テーブル参照パターンにおいて限定テーブルCが参照される回数が同じであってもよいし、限定テーブルCが参照される回数の異なる複数の限定テーブル参照パターンが設けられてもよい。これにより、限定期間中に、リーチ態様の演出が実行されれば大当りが発生することが確定する期間と、リーチ態様の演出が実行されても外れとなる場合がある期間とが複数回切り替えられるので、変化に富んだ効果的な演出を実行することができる。また、外れの場合にもリーチ態様の変動パターンが選択される限定テーブルBを参照する回数を、外れの場合にはリーチ態様の変動パターンが選択されない限定テーブルCを参照する回数よりも多くすることにより、リーチ態様の演出を適度に発生させることができ、遊技者の期待
感を高めることができる。別の例では、限定テーブルBを参照する回数が限定テーブルCを参照する回数よりも少ないような限定テーブル参照パターンが設けられてもよい。
図29は、当り図柄と限定テーブル参照パターンとの対応を示す。確変判定領域に遊技球が入球または通過しなかったために、特別遊技終了後に確変状態に移行しない場合は、時短かつ入球容易状態の通常遊技が実行される。この場合、図29に示すように、当り図柄にかかわらず、時短変動パターンテーブルが参照される。確変判定領域に遊技球が入球または通過したために、特別遊技終了後に確変状態に移行される場合は、時短かつ入球容易かつ確変状態の通常遊技が実行される。この場合、当り図柄に応じて、図28に示した複数種類の限定テーブル参照パターンの中から限定テーブル参照パターンが決定される。すなわち、当り図柄の種類によって、限定テーブル参照パターンの種類が異なる。また、当り図柄が同じ場合であっても、確変判定領域に遊技球が入球または通過したか否かにより、参照される変動パターンテーブルや、限定テーブルが参照されるか否かや、限定テーブル参照パターンの種類が異なる。図28に示した例では、限定テーブルBが参照される回数と限定テーブルCが参照される回数は、全ての限定テーブル参照パターンにおいて同一であったが、別の例では、限定テーブルBが参照される回数と限定テーブルCが参照される回数が、限定テーブル参照パターンの種類によって異なっていてもよい。この場合に、第1の抽選で大当りとなった場合の方が、第2の抽選で大当りとなった場合よりも、限定テーブルBが参照される回数がより多い限定テーブル参照パターンが選択される確率が高くなるようにしてもよい。また、更に別の例では、当否判定の結果が外れである場合にリーチ外れ変動パターンが選択される確率が他の限定テーブルよりも高い限定テーブルZが設けられてもよい。この場合に、第1の抽選で大当りとなった場合の方が、第2の抽選で大当りとなった場合よりも、限定テーブルZが参照される回数がより多い限定テーブル参照パターンが選択される確率が高くなるようにしてもよいし、第1の抽選で大当りとなった場合には、限定テーブルZが参照される限定テーブル参照パターンが選択されるが、第2の抽選で大当りとなった場合には、限定テーブルZが参照される限定テーブル参照パターンが選択されないようにしてもよい。これらの変形例によれば、通常状態の通常遊技において第1の抽選により初回の大当りが発生した後、特別遊技の終了後に実行される特定遊技において更なる大当りが発生しなかったとしても、リーチ演出が発生する確率を高くすることができるので、リーチ演出すら発生せずに特定遊技が終了して通常遊技に戻ってしまう確率を低くし、遊技者の期待感を高めることが可能な効果的な演出を実行することができる。
当り図柄の種類が「1」および「2」の場合は、第2大入賞口22が短開放パターンにて開放される特別遊技が実行され、それ以外の種類の場合は、第2大入賞口22が長開放パターンにて開放される特別遊技が実行される。本実施例では、第1の遊技においては第2大入賞口22が短開放パターンにて開放される特別遊技が実行される大当りの種類が設けられるが、第2の遊技においては設けられず、図柄の種類にかかわらず長開放パターンにて第2大入賞口22が開放される特別遊技が実行される。したがって、第2の遊技の方が確変移行確率が高く、遊技者にとって有利である。別の例では、第2の遊技においても第2大入賞口22が短開放パターンにて開放される特別遊技が実行される大当りの種類が設けられてもよく、この場合、そのような大当りの種類に対応する当り図柄が選択される確率が、第2の遊技よりも第1の遊技の方が低くなるようにしてもよい。例えば、第2大入賞口22が短開放パターンにて開放される大当りに対応する当り図柄が選択される確率が、第1の遊技においては50%であり、第2の遊技においては75%であってもよい。逆に、第2の遊技よりも第1の遊技の方が確率が高くなるようにしてもよい。例えば、第1の遊技においては100%であり、第1の遊技においては50%であってもよい。
図30は、限定期間において実行される演出の演出モードの遷移パターンを示す。本実施例では、上述したように、メイン基板200においては、限定期間中に限定テーブルA
、BおよびCの間で変動パターンテーブルが切り替えられるが、サブ基板300においては、限定期間中に演出モードA〜Dの間で演出モードが切り替えられ、各演出モードに応じた演出が実行される。同一の演出モードにおいては、例えば、背景画像、背景色、キャラクタ、モチーフなどが共通する演出が実行され、異なる演出モードにおいては、それらが異なる演出が実行される。各演出モードにおいて表示される演出画像のうち、装飾図柄、その演出モードに滞在する残りの図柄の変動表示の回数、保留球画像などは、演出モードの種類によらず共通して表示され、演出モードの名称、バトル勝率(リーチ演出の期待度)、背景画像などは、演出モードごとに異なる。限定期間の第1回目から第46回目の図柄の変動表示において、限定テーブルAが参照される間は、演出モードの切り替えは行われず、限定期間の第47回目から第136回目の図柄の変動表示において、限定テーブルBと限定テーブルCとの間で変動パターンテーブルが切り替えられる期間に、演出モードA〜Dの間で演出モードも切り替えられる。限定テーブル参照パターンと同様に、演出モード遷移パターンにおいても、10回の図柄の変動表示を単位として演出モードが切り替えられるが、参照される限定テーブルの種類と演出モードの種類とは1対1に対応しているわけではなく、後述する例外を除いて、基本的には、参照されている限定テーブルの種類がいずれであったとしても、いずれの演出モードにも設定(滞在)可能である。別の例では、一部の演出モードについては、限定テーブルの種類と演出モードの種類とが1対1に対応していてもよい。例えば、演出モードCは、限定テーブルCが参照されているときにのみ設定可能であってもよい。限定テーブルも演出モードも10回の図柄の変動表示が終了するごとに切替可能であるが、両者の切替タイミングは一致していなくてもよい。すなわち、限定テーブルが切り替えられるときに、演出モードが切り替えられても切り替えられなくてもよく、演出モードが切り替えられるときに、限定テーブルが切り替えられても切り替えられなくてもよい。したがって、遊技者は、滞在中の演出モードの種類から、現在参照されている限定テーブルの種類を推測することはできない。
演出モードAでは、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が50%となるように、変動パターンに対応する演出が決定され、演出モードBでは、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が80%となるように、変動パターンに対応する演出が決定され、演出モードCでは、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が100%、すなわちリーチ演出が実行されれば必ず大当りとなるように、変動パターンに対応する演出が決定される。前述したように、限定テーブルBが参照されているときには、リーチ演出が実行されれば必ず当否判定の結果が大当りとなるが、滞在中の演出モードから参照されている限定テーブルを推測することができないようになっているので、演出モードAおよび演出モードBに滞在している間は、リーチ演出が実行されたときに大当りが発生するのか外れとなるのかは、遊技者には分からない。
このような演出モード間におけるリーチ演出の期待度の差異を設けるために、メイン基板200において決定された限定テーブル参照パターンに応じて異なる遷移パターン抽選値の範囲が割り当てられた演出モード遷移パターンテーブルを参照して、演出モード遷移パターンが決定される。演出決定手段303は、特別遊技の終了後に、演出モード遷移パターンテーブルを参照して演出モード遷移パターンを決定し、決定した演出モード遷移パターンを示すフラグ情報をサブRAM311または表示RAM322に格納する。演出制御手段304は、サブRAM311または表示RAM322に格納されているフラグ情報に基づいて、設定されている演出モード遷移パターンを識別し、図柄の変動表示回数が所定回数に到達することを契機として、演出モード遷移パターンにしたがって演出モードを変更する。メイン基板200から受信した事前判定情報に基づいて、演出モード遷移パターンにおいて規定された演出モードとは異なる演出モードに遷移させる場合もあるが、この点については後述する。演出モード遷移パターンテーブルについて、より具体的に説明すると、限定期間において、リーチ外れ変動パターンもリーチ大当り変動パターンも選択可能な限定テーブルBが参照されているときには、演出モードBよりも演出モードAに滞
在する割合の方が高く、リーチ外れ変動パターンが選択されずリーチ大当り変動パターンが選択可能な限定テーブルCが参照されているときには、演出モードAよりも演出モードBに滞在する割合の方が高くなるように、限定テーブル参照パターンに応じて異なる遷移パターン抽選値の範囲が割り当てられた演出モード遷移パターンテーブルが参照される。すなわち、限定期間全体において、メイン基板200で限定テーブルBが参照され、かつ、サブ基板300で演出モードAに設定される期間の合計は、メイン基板200で限定テーブルBが参照され、かつ、サブ基板300で演出モードBに設定される期間の合計よりも長く、メイン基板200で限定テーブルCが参照され、かつ、サブ基板300で演出モードAに設定される期間の合計は、メイン基板200で限定テーブルCが参照され、かつ、サブ基板300で演出モードBに設定される期間の合計よりも短い。逆に言うと、演出モードAにおいて演出が実行されているときに限定テーブルCが参照される頻度よりも、演出モードBにおいて演出が実行されているときに限定テーブルCが参照される頻度の方が高い。別の例では、限定テーブルBが参照されているときに、演出モードAに設定される確率と演出モードBに設定される確率との差よりも、限定テーブルCが参照されているときに、演出モードAに設定される確率と演出モードBに設定される確率との差の方が小さくなるようにしてもよい。この場合、限定テーブルBが参照されているときには、演出モードAに設定される確率の方が演出モードBに設定される確率よりも高くなるようにするが、限定テーブルCが参照されているときには、演出モードAに設定される確率の方が演出モードBに設定される確率より高くてもよいし低くてもよい。このように、リーチ態様の変動パターンが選択されたときに大当りが発生する期待度が異なる複数種類の限定テーブルが参照される場合に、それぞれの限定テーブルに対する演出モードの選択傾向を異ならせることにより、複数種類の演出モードの間で、リーチ演出が実行されたときに大当りが発生する期待度を異ならせることができる。
限定テーブルBが参照されているときには、当否判定の結果が外れである場合にもリーチ外れ変動パターンが選択可能であるので、リーチ演出の期待度が100%とされる演出モードCに設定することはできない。したがって、演出モード遷移パターンテーブルにおいては、限定テーブル参照パターンにおいて限定テーブルBが参照される期間に、演出モードCに設定されるような演出モード遷移パターンが選択されないように、遷移パターン抽選値の範囲が割り当てられる。限定テーブルCが参照されているときには、当否判定の結果が大当りである場合にしかリーチ態様の変動パターンが選択されないので、演出モードCも設定可能である。
演出モードAには、2単位以上連続して滞在可能であるが、演出モードBおよび演出モードCには、2単位以上連続して滞在することはなく、演出モードBまたは演出モードCに1単位滞在した後は、必ず演出モードAに移行される。演出モードAに滞在する期間の合計は、演出モードBまたは演出モードCに滞在する期間よりも長い。これにより、リーチ演出の信頼度が高い演出モードBまたは演出モードCに移行したときの遊技者の期待感を効果的に高めることができる。別の例では、当否判定の結果が大当りである保留球が保留制御手段に保留されている場合に、演出モードBから演出モードBまたは演出モードCへ、あるいは、演出モードCから演出モードBまたは演出モードCへの移行を可能としてもよい。これにより、いわゆる法則崩れの演出を実行することで、移行後の演出モードにおいて図柄の変動表示が実行される保留球の中に当否判定の結果が大当りである保留球が含まれることを示唆または確定的に報知することができる。
演出モードの遷移パターンには含まれていないが、本実施例では、限定期間中に演出モードDに移行させることも可能である。演出モードDは、保留制御手段に保留されている当否抽選値の中に当否判定の結果が大当りとなる当否抽選値が含まれているときに移行可能な特殊な演出モードである。演出決定手段303は、限定期間の第46回目の図柄の変動表示が終了した後、10回の図柄の変動表示が終了するごとの切替タイミングに、メイ
ン基板200から受信した事前判定情報を確認し、保留制御手段に当否判定の結果が大当りとなる当否抽選値が保留中であることを示す事前判定情報を受信していた場合には、演出モードDに移行するか否かを決定する。演出決定手段303は、当否判定の結果が大当りとなる当否抽選値が保留されている場合には必ず演出モードDに移行させてもよいし、抽選などにより所定の確率で演出モードDに移行させてもよい。後者の場合、演出モードDに移行させない場合には、演出モードの遷移パターンにしたがって、演出モードを切り替えるか、または、演出モードAに継続して滞在させる。このように、演出モードDは、当否判定の結果が大当りであることを示す事前判定情報を受信したときに移行される演出モードであるので、演出モードCと同様に、リーチ演出の期待度は100%である。当否判定の結果が大当りであることを示す事前判定情報を受信した場合に、演出モードCに移行してもよい。この場合、10回の図柄の変動表示が終了するごとの切替タイミングに、当否判定の結果が大当りであることを示す事前判定情報を受信していた場合には、限定テーブルBが参照される場合であっても、演出モードCに設定可能としてもよい。ただし、前述したように、演出モードCには2単位以上連続して滞在しないようになっているので、切替タイミングの前後に参照される限定テーブルがいずれも限定テーブルBである場合において、切替タイミングより前の演出モードが演出モードCであった場合は、当否判定の結果が大当りであることを示す事前判定情報を受信していた場合であっても、切替タイミングより後の演出モードを演出モードCに設定しない。
演出モードDは、演出において登場するキャラクタの異なる4種類のサブ演出モードを含む。演出決定手段303は、連荘の継続中に演出モードDに複数回移行させる場合は、所定の順序で4種類のサブ演出モードに移行させる。ここで言う連荘とは、大当りを契機とする特別遊技の終了後、確変状態、時短状態、及び/又は入球容易状態の特定遊技が実行されている間に、再び大当りが発生することが連続している状態を指す。初回に演出モードDに移行させるときには、キャラクタaが登場するサブ演出モードaに移行させ、演出モードDにおいて大当りが発生した後の連荘継続中に、演出モードの切替タイミングに当否判定の結果が大当りとなる当否抽選値が保留されていたため、再び演出モードDに移行させるときには、サブ演出モードaではなく、キャラクタbが登場するサブ演出モードbに移行させ、以降同様にして、連荘の継続中3回目に演出モードDに移行させるときには、キャラクタcが登場するサブ演出モードcに移行させ、連荘の継続中4回目に演出モードDに移行させるときには、キャラクタdが登場するサブ演出モードdに移行させる。演出決定手段303は、連荘の継続中に4回演出モードDに移行させた後は、切替タイミングにおいて当否判定の結果が大当りとなる当否抽選値が保留されていたとしても、演出モードDには移行させない。この場合、連荘の継続中に4回目に移行された演出モードDにおいて大当りが発生した場合、その大当りを契機とする特別遊技中に、実行される確率の低い特殊な演出を実行してもよい。
本実施例では、確変状態ではない時短かつ入球容易状態は、30回の図柄の変動表示が終了すると終了し、確変かつ時短かつ入球容易状態は、146回の図柄の変動表示が終了すると終了する。したがって、時短かつ入球容易状態、または、時短かつ入球容易かつ確変状態(以下、これらの状態を包括して単に「時短状態」ともいう)のいずれの場合においても、最終回の図柄の変動表示が終了して図柄が停止表示されてから、次回の図柄の変動表示が開始されるまでの図柄固定時間は、当否判定の結果が大当りである場合は0.5秒であるが、外れである場合はそれよりも長く、15秒である。これにより、時短状態が終了して通常状態に戻されるときに、時短状態の通常遊技中に獲得された合計賞球数や連荘数などを遊技者に報知したり、時短状態が終了して遊技状態が通常状態に戻ることを遊技者に報知したりする演出を実行するための時間を確保することができる。時短状態における最終回以外の図柄の変動表示、および、通常状態における図柄の変動表示においては、当否判定の結果が当りであるか否かにかかわらず、図柄固定時間は0.5秒である。
本実施例では、時短状態の最終回の図柄の変動表示において、当否判定の結果が大当りでない場合には、リーチ態様の変動パターンを選択しない。したがって、時短状態の最終回の図柄の変動表示において、リーチ態様の演出が実行されれば、当否判定の結果が大当りであることが確定的に報知される。この場合に、時短状態の最終回の図柄の変動表示に対応する事前判定情報に基づいて、その当否判定の結果を示唆する先読み演出を最終回の図柄の変動表示よりも前の図柄の変動表示において実行すると、リーチ態様の変動パターンが選択されることを示唆する先読み演出が実行されたときには、大当りが発生することがほぼ確実となるのに対して、そのような先読み演出が実行されないときには、大当りが発生しないことがほぼ確実となり、遊技者の期待感を削ぐことになりうる。したがって、時短状態の最終回の図柄の変動表示に対応する事前判定情報に基づく先読み演出は実行しない。また、時短状態の最終回の図柄の変動表示において、それよりも後に実行される図柄の変動表示に対応する事前判定情報を受信していたとしても、その当否判定の結果を示唆する先読み演出を実行しない。また、そのような事前判定情報をメイン基板200がサブ基板300に送信しないように構成してもよいし、そのような事前判定情報がメイン基板200から送信された場合にサブ基板300が受信せず無視してもよい。
本実施例において、時短かつ入球容易かつ確変状態である限定期間は、図柄の変動時間や演出の傾向が異なる少なくとも2つの期間あるいは状態を含む。例えば、限定期間の第47回目から第145回目までの図柄の変動表示が実行される期間は変動傾向Aであり、限定期間の第146回目、すなわち最終回の図柄の変動表示が実行される期間は変動傾向Bである。また、時短かつ入球容易状態において、第1回目から第29回目までの図柄の変動表示が実行される期間は変動傾向Aであり、第30回目、すなわち最終回の図柄の変動表示が実行される期間は変動傾向Bである。したがって、変動傾向Aには、変動傾向Bよりも長い期間滞在する。変動傾向Aにおいて、保留数が第一の保留数(例えば0個)で、かつ当否判定の結果が外れである場合の変動時間の平均値と、保留数が第二の保留数(例えば3個)で、かつ当否判定の結果が外れである場合の変動時間の平均値とでは、所定期間の平均値差分が生じるが、第二変動期間状態において、保留数が第一の保留数(例えば0個)で、かつ当否判定の結果が外れである場合の変動時間の平均値と、保留数が第二の保留数(例えば3個)で、かつ当否判定の結果が外れである場合の変動時間の平均値とでは、所定期間の平均値差分が生じない。すなわち、変動傾向Aにおいては、前提技術において説明したように、保留球数に応じて短縮変動または超短縮変動が実施される結果、外れである場合の変動時間の平均値に差分が生じるが、限定期間の最終回の図柄の変動表示が実行される変動傾向Bにおいては、限定期間が終了する旨を報知する演出などを実行するための変動時間を確保するために、短縮変動および超短縮変動を実施しなくてもよい。変動傾向Aにおける第二の保留数(例えば3個)かつ当否判定の結果が外れの場合に最も選択されやすい変動パターンの変動時間よりも、変動傾向Bにおける第二保留数(例えば3個)かつ当否判定の結果が外れの場合に最も選択されやすい変動パターンの変動時間の方が長くてもよい。これによっても、限定期間が終了する旨を報知する演出などを実行するための変動時間を確保することができる。変動傾向Aにて表示可能な特定演出は、変動傾向Bでは表示されなくてもよい。例えば、先読み演出は、変動傾向Aにおいては表示可能であるが、変動傾向Bにおいては表示しないようにしてもよい。また、入球容易状態である場合は、第1特別図柄に関する先読み演出を表示しなくてもよい。さらに、変動傾向Aにおける演出表示形式(演出モード)は複数存在するが、変動傾向Bにおける演出表示形式(演出モード)は一つのみであってもよく、変動傾向Aにおける演出表示形式(演出モード)と、変動傾向Bにおける演出表示形式(演出モード)は、その種類が異なってもよい。
時短状態が終了すると、遊技状態は通常状態に戻されるが、第2の遊技の保留球が保留制御手段に保留されている場合は、第1の遊技の保留球よりも優先して消化されるので、引き続き第2特別図柄の変動表示が実行される。このとき、演出決定手段303は、時短
状態終了後の通常状態において第2の遊技の保留球を消化している間に実行可能な特殊演出モードにおける演出を実行する。特殊演出モードにおいては、時短状態において実行可能な演出と同じ特定演出を実行可能である。特定演出は、当否判定の結果が大当りである期待度が高いことを示唆する高期待度演出であってもよいし、通常状態において第1特別図柄が変動表示されているときには実行されない、または実行される確率が相対的に低い特殊演出であってもよい。特殊演出モードにおいて特定演出が実行され、大当りとなると、遊技状態はいったん通常状態に戻っているが、時短状態の継続中に大当りが発生したものと扱われてもよい。この場合、例えば、連荘数に応じて特殊な演出を実行する場合に、連荘が継続しているものとして連荘数を加算してもよい。
上記の特殊演出モードは、通常状態においては移行されない演出モードであってもよいし、通常状態においても移行可能な演出モードであってもよい。後者の場合、この特殊演出モードは、通常状態において移行可能な他の演出モードよりも移行確率が低く、大当りが発生する期待度が特に高い演出モードとされてもよい。演出決定手段303は、当否判定の結果が大当りである場合、または、当否判定の結果が外れであっても、当否判定の結果が大当りである期待度が高いことを示唆するスーパーリーチ演出や擬似連続変動演出などの演出を実行可能な変動パターンが選択されている場合に、当該図柄の変動表示に対応する演出として、特殊演出モードに移行することを示すモードチェンジ演出を実行し、さらに、特殊演出モードにおいて特定演出を実行してもよい。また、当否判定の結果が大当りであることを示す事前判定情報に基づく先読み演出として、特殊演出モードに移行することを示すモードチェンジ演出を実行し、当否判定の結果が大当りである当該図柄の変動表示に対応する演出として特定演出を実行してもよい。当否判定の結果が外れであっても、当否判定の結果が大当りである期待度が高いことを示唆するスーパーリーチ演出や擬似連続変動演出などの演出を実行可能な変動パターンが選択されることを示す事前判定情報に基づく先読み演出として、特殊演出モードに移行させてもよい。この場合、所定回数の図柄の変動表示が終了するまでに大当りが発生しなかった場合、または、所定のタイミングにおいて抽選などによりモードチェンジを実行すると決定された場合に、特殊演出モードを終了させてもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
実施例においては、特別遊技の終了後の限定期間において限定テーブルが参照されたが、別の例では、小当り遊技の終了後の限定期間において限定テーブルが参照されてもよい。いずれの場合においても、大入賞口の開放終了後の限定期間において限定テーブルが参照される。いずれの場合においても、限定テーブルの参照パターンは、大入賞口が開放される契機となった当否判定の結果を示す図柄の種類に応じて決定されてもよい。
実施例においては、右打ちした遊技球が最初に入球可能な位置に第2大入賞口22が設けられるので、第2大入賞口22が開放される単位遊技において、他の始動口や作動口などの影響を受けずに遊技球を第2大入賞口22へ入球させることができる。これにより、第2大入賞口22が同じ時間だけ開放されたときの第2大入賞口22への入球数をできる限り一定にすることができるので、確変判定領域への入球確率を一定にすることができ、確変移行確率の信頼性を高めることができる。別の例においては、右打ちした遊技球は、例えば作動口32を通過してから第2大入賞口22へ誘導されるようにしてもよい。また、第2大入賞口22よりも先に第1大入賞口21へ誘導されるようにしてもよい。
実施例においては、スライド式の蓋が設けられた第2大入賞口22と、蓋の上の流路を
流れる遊技球の転動速度を低減させるために遊技球が衝突可能な突起部が設けられたが、別の例においては、突起部は設けられなくてもよく、一般的な形状の大入賞口が設けられてもよい。この場合、第2大入賞口22が開放される単位遊技において、短い時間の開放が複数回実行されてもよいし、定められた開放時間の1回の開放が実行されてもよい。
実施例においては、当り図柄に応じて第2大入賞口22の単位遊技当りの開放時間が定められたが、別の例においては、当り図柄に応じて第2大入賞口22への単位遊技当たりの入球数の上限が定められてもよい。例えば、当り図柄「A」の場合は単位遊技当たり3個を上限とし、当り図柄「B」の場合は6個を上限とし、当り図柄「C」の場合は10個を上限としてもよい。この場合、入球数が上限に達した時点で第2大入賞口22の開放が終了されるので、1回の特別遊技において実行される各回の単位遊技において第2大入賞口22が開放される時間が異なってもよい。これにより、確変移行確率の信頼性をより高めることができる。
実施例においては、1回の特別遊技において実行される各回の単位遊技において第2大入賞口22が開放される時間は全て同じであったが、別の例においては、開放時間が異なっていてもよい。
実施例においては、第1大入賞口21と第2大入賞口22の双方が開放される特別遊技において、第1大入賞口21と第2大入賞口22の開放順序は全て同じであったが、別の例においては、開放順序が異なっていてもよい。単位遊技の回数が異なる複数の種類の特別遊技が実行される場合において、所定の回数の単位遊技までは、各単位遊技にて開放される大入賞口の種類が共通していてもよい。所定の回数は、単位遊技の回数が少ない方の特別遊技における単位遊技の最大実行回数であってもよい。
実施例においては、第1大入賞口21と第2大入賞口22の双方が開放される特別遊技しか設けられなかったが、別の例においては、第1大入賞口21のみが開放される特別遊技が更に設けられてもよい。例えば、大当りの種類として、第1大入賞口21のみが開放される2R大当り、4R大当りなどが更に設けられてもよい。また、第1大入賞口21と第2大入賞口22とがほぼ間隙なく交互に開放される特別遊技が実行されてもよい。
実施例においては、第2大入賞口22が開放対象となる特定回の単位遊技においては確変判定領域が無効とされないが、別の例においては、いずれかの単位遊技中に確変判定領域が無効とされてもよく、単位遊技中の一部の期間において確変判定領域が無効とされてもよい。遊技球が確変判定領域に入球しないように振分機構を制御することにより確変判定領域が無効とされてもよいし、遊技球が確変判定領域に入球したことが検出されても確変に移行すると判定しないことにより確変判定領域が無効とされてもよい。
実施例においては、第1大入賞口21と第2大入賞口22が設けられたが、別の例においては、第1大入賞口21のみが設けられ、第2大入賞口22は設けられなくてもよい。この場合、第1大入賞口21に確変判定領域が設けられ、確変判定領域は特定回の単位遊技においてのみ開放可能とする。その特定回の単位遊技において、第1大入賞口21の開放態様が長開放である場合は、確変判定領域の開放態様も長開放とされ、第1大入賞口21の開放態様が短開放である場合は、確変判定領域の開放態様も短開放とされる。
実施例においては、第2大入賞口22は第4回目の単位遊技においてのみ開放されたが、別の例においては、第1大入賞口21と第2大入賞口22が交互に開放されてもよい。この場合も、第2大入賞口22に確変判定領域が設けられ、確変判定領域は特定回の単位遊技においてのみ開放可能とする。その特定回の単位遊技において、第2大入賞口22の開放態様が長開放である場合は、確変判定領域の開放態様も長開放とされ、第2大入賞口
22の開放態様が短開放である場合は、確変判定領域の開放態様も短開放とされる。
変形例において、主に確変判定領域に関わる構成について以下に詳述する。
変形例では、大当りの図柄に応じて16R大当りまたは8R大当りが発生することとする。また、大当りの図柄にかかわらず、16R大当りの場合は8ラウンド目を確変判定領域の開放を伴う特定ラウンドとし、8R大当りの場合は8ラウンド目を特定ラウンドとする。具体的には、16R大当りの場合、特定ラウンド以外の1〜7ラウンド、9〜16ラウンドでは、第2大入賞口22および確変判定領域を閉鎖状態としつつ、第1大入賞口21を長開放する。特定ラウンドである8ラウンドでは、第1大入賞口21を閉鎖状態としつつ、第2大入賞口22および確変判定領域を開放する。また8R大当りの場合、特定ラウンド以外の1〜7ラウンドでは、第2大入賞口22および確変判定領域の閉鎖状態としつつ、第1大入賞口21を長開放する。特定ラウンドである8ラウンドでは、第1大入賞口21を閉鎖状態としつつ、第2大入賞口22および確変判定領域を開放する。
ただし、大当りの図柄に応じて特定ラウンドにおける第2大入賞口22内の確変判定領域への入球容易性が異なる。具体的には、確変判定領域への入球が相対的に容易な状態の特別遊技(言わば確変移行容易図柄を停止図柄とする16R大当り、8R大当り)では、特定ラウンドにおいて第2大入賞口22および確変判定領域を長開放させる。例えば、開放時間が30秒に達するまで、もしくは第2大入賞口22への入球数が所定数に達するまで開放させる。これにより、確変判定領域への遊技球の入球を容易なものとし、遊技者が第2大入賞口22への入球を狙って遊技球を右打ちすれば、ほぼ確実に確変判定領域へ入球する。その一方、確変判定領域への入球が相対的に困難な状態の特別遊技(言わば確変移行困難図柄を停止図柄とする16R大当り、8R大当り)では、特定ラウンドにおいて第2大入賞口22および確変判定領域を短時間(例えば0.2秒)だけ開放させる。これにより、特定領域への遊技球の入球を困難にし、現実的には入球をほぼ不可能にする。
特別遊技が発生した場合であって、特別遊技中に第2大入賞口22内の確変判定領域を遊技球が通過した場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。変形例のぱちんこ遊技機100は回数切りの確変を実行し、言わばST機である。すなわち、次の大当りが発生するまで確変を継続させるのではなく、確変を所定の上限期間継続させた場合、例えば所定回数の図柄変動(外れ)が終了した場合に、確変を終了させて通常の確率状態に戻す。確変の最大継続期間は、例えば図柄変動回数50回であってもよい。なお、特別遊技中に第2大入賞口22内の確変判定領域を遊技球が通過したこと、すなわち特別遊技終了後の遊技状態が確変であることは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
変形例では、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は確変判定領域へ入球容易な16R大当りを示し、言い換えれば、特定ラウンドにおいて確変判定領域を長開放させ、確変判定領域への入球を容易な状態にする16R大当りを示す確変移行容易図柄である。第1図柄抽選値の場合は「0〜39」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は確変判定領域へ入球困難な16R大当りを示し、言い換えれば、特定ラウンドにおいて確変判定領域を短開放させ、確変判定領域への入球を実質的に不可能な状態にする16R大当りを示す確変移行困難図柄である。第1図柄抽選値の場合は「40〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。
種類「2」は確変判定領域へ入球容易な8R大当りを示す確変移行容易図柄である。第1図柄抽選値の場合は「150〜189」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「150〜219」に対応付けられる。種類「3」「4」は確変判定領域へ入球困難な8R大当りを示す確変移行困難図柄である。第1図柄抽選値の場合は「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。第2図柄抽選値の場合は「220〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。言い換えれば、図柄抽選値の範囲の大きさによって確変の獲得容易性、実質的には確変の獲得可否が定まる。変形例において確変判定領域への入球が容易な特別遊技が選択される確率は、第1当否抽選が大当りになった場合は約31%であり、第2当否抽選が大当りになった場合は約84%であるが、後者を100%としてもよい。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21、第2大入賞口22を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21、第2大入賞口22を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技制御手段260は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止された場合に、特別遊技の実行契機となる条件装置を作動状態として、特別遊技を開始可能な状態にし、続いて、条件装置作動時における大入賞口の複数回開放の実行契機となる役物連続作動装置を作動状態として、第1大入賞口21、第2大入賞口22を開放させる。また、特別遊技制御手段260は、特別遊技の特定ラウンドにおいて第2大入賞口22内部の確変判定領域の開閉を制御する。特別遊技制御手段260は、開閉制御手段275を制御して、第1大入賞口21、第2大入賞口22、確変判定領域を開閉させる。
特別遊技は、第1大入賞口21または第2大入賞口22の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を8回繰り返す8R大当りがある。16R大当りおよび8R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口21または第2大入賞口22を原則として約30秒間開放させる。ただし既に述べたように、確変判定領域へ入球困難な16R大当りと8R大当りの場合、特定ラウンドにおいて第2大入賞口22と、その内部の確変判定領域を短開放させ、例えば0.2秒だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別遊技中に第2大入賞口22内部の確変判定領域を遊技球が通過した場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するか、外れのまま所定回数の図柄変動表示が終了するまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。
特定遊技制御手段270は、特別遊技中に第2大入賞口22内部の確変判定領域を遊技球が通過しなければ、特別遊技終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる一方、確変状態へは移行させず、いわゆる低確率状態を維持する。変形例における時短および入球容易状態の最大継続期間は、確変の最大継続期間と同じく、100回の図柄変動が終了するまでとする。更なる変形例として、時短および入球容易状態の最大継続期間として図柄変動50回がさらに設けられてもよい。この場合、時短および入球容易状態の最大継続期間を、確変移行容易図柄に係る大当りにおける確変判定領域非通過時に図柄変動100回とする一方、確変移行困難図柄に係る大当りにおける確変判定領域非通過時に図柄変動50回とすることが好適である。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や第1大入賞口21、第2大入賞口22、確変判定領域の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技制御手段260の制御に応じて、特別遊技の特定ラウンド以外では、第1大入賞口ソレノイド93に開放指示を送り、第1大入賞口21を開放させる。その一方、特定ラウンドでは、特別遊技制御手段260の制御に応じて、第2大入賞口ソレノイド94に開放指示を送り、第2大入賞口22(蓋部500)を開放させるとともに、特定機構ソレノイド508に開放指示を送り、確変判定領域を開放させる。本実施例では、第2大入賞口ソレノイド94と特定機構ソレノイド508を同じタイミングで開閉し、すなわち開閉タイミングを同期させる。
このような変形例において、第1当り図柄と第2当り図柄とがあり、第1当り図柄であれば特定回の単位遊技に係る第2大入賞口22の確変判定領域への入球が容易(長開放)となり、第2当りでは困難(短開放)となるような仕様を前提とした場合、第1当りであり確変判定領域を通過した場合、又は、第2当りであり確変判定領域を通過した場合は、特別遊技終了後の変動パターン選択状態を、変動パターン選択基準(変動パターンテーブル)を、A(1〜50変動)⇒B(51〜100変動)⇒C(101変動〜)とするが、第1当りであり確変判定領域を通過しなかった場合、又は、第2当りであり確変判定領域を通過しなかった場合は、特別遊技終了後の変動パターン選択状態を、変動パターン選択基準(変動パターンテーブル)を、D(1〜50変動)⇒E(51変動〜)とする。これらA〜Eの選択基準(テーブル)は、それぞれ異なるテーブルであり、それぞれが変動パターンの選択傾向が異なる。更に言えば、CとEは「変動開始条件(当否判定開始条件)充足時の保留数に依存せず、いずれの保留数であっても選択対象となる変動パターンの傾向は一律である」が、AとBとDは、「変動開始条件(当否判定開始条件)充足時の保留数が0〜1である場合と、保留数が2〜3であるときとで、選択対象となる変動パターンの傾向が異なる」ような性質である。
この変形例において、上記における第1当り図柄と第2当り図柄について、第2の遊技において、第1の遊技よりも第1当り図柄が選択されやすくなるようにしてもよい。
この変形例において、第1当りである場合に確変判定領域への入球があった場合と、第2当りである場合に確変判定領域への入球があった場合とで、当該入球を契機として特別遊技中(且つ特定回の単位遊技中)に発生する特定演出の表示態様が異なるようにしてもよい。前者については特別遊技終了後に確変移行予定であることを大々的に報知する演出であるが、後者については報知度合いが小さいもしくは報知しない(秘匿的とする)演出
であってもよい。
この変形例において、特別遊技中に保留されている1以上の第2抽選値(特図2保留)に特定保留(確変状態であれば大当りに該当する当否乱数が留保されている保留)が含まれている場合、確変判定領域への入球があれば、当該入球以降のタイミングにて、当該「1以上の特図2保留」のいずれかが特定保留であることを示唆又は報知する特殊演出を実行する一方、確変判定領域への入球がないと特殊演出を実行しないようにしてもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
演出表示装置は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。
演出表示装置は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、遊技盤上の7セグメントLEDにて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 21 第1大入賞口、 22 第2大入賞口、 40 特別図柄表示装置、 50 特別図柄、 51 第1特別図柄、 52 第2特別図柄、 60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 200 メイン基板、 260 特別遊技制御手段、 270 特定遊技制御手段、 290 メインCPU、 300 サブ基板、 303 演出決定手段、 304 演出制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられた始動入賞口と、
    当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
    演出画像が表示される演出表示装置と、
    遊技の基本動作を主に制御する主制御装置と、
    遊技の演出的動作を主に制御する副制御装置と、
    を備える弾球遊技機であって、
    前記主制御装置は、
    前記始動入賞口への入球を契機として前記当否判定のための抽選値を取得する抽選値取得手段と、
    前記抽選値取得手段により取得された前記抽選値に基づいて前記当否判定を実行する当否判定手段と、
    前記図柄の変動表示過程を定める変動パターンを決定するための変動パターン選択基準を参照して変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
    前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、前記図柄を前記図柄表示装置に変動表示させる図柄表示制御手段と、
    前記当否判定の結果が当りとなった場合に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記当否判定の結果が当りとなる確率が通常状態よりも高確率となる確率変動状態へ移行させるための条件が充足された場合に、前記特別遊技の終了後から所定回の図柄の変動表示が終了するまでの間、前記確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
    を備え、
    前記副制御装置は、
    前記演出表示装置に表示させる演出を決定する演出決定手段と、
    前記演出決定手段により決定された演出を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
    を備え、
    前記特別遊技の終了後に移行する確率変動状態における限定的な期間には、前記変動パターン選択基準として、前記限定的な期間に参照可能な限定選択基準が参照され、
    前記限定選択基準として、少なくとも第1限定選択基準と第2限定選択基準を含む2種類以上の限定選択基準が設けられ、
    前記変動パターン決定手段は、前記限定的な期間における複数のタイミングにおいて、参照する限定選択基準の種類を切替可能であり、
    前記第1限定選択基準を参照しているときには、当否判定の結果が当りである場合にも外れである場合にも、特定の演出を実行可能な変動パターンを選択可能であり、前記第2限定選択基準を参照しているときには、当否判定の結果が当りである場合にのみ前記特定の演出を実行可能な変動パターンを選択可能であり、
    前記限定的な期間において、前記演出決定手段は、少なくとも第1演出モード及び第2演出モードを含む複数種類の演出モードのうち選択された演出モードに応じた演出を決定し、
    前記演出決定手段は、所定のタイミングにおいて、複数種類の演出モードの間で演出モードを切替可能であり、
    前記第1演出モードにおいて前記特定の演出群に含まれる演出が実行される場合に当否判定の結果が当りである期待度よりも、前記第2演出モードにおいて前記特定の演出群に含まれる演出が実行される場合に当否判定の結果が当りである期待度の方が高く、
    参照されている限定選択基準が前記第1限定選択基準および前記第2限定選択基準のいずれであったとしても、前記第1演出モードおよび前記第2演出モードのいずれの演出モードも選択可能であり、
    前記第1演出モードにおいて演出が実行されているときに前記第2限定選択基準が参照される頻度よりも、前記第2演出モードにおいて演出が実行されているときに前記第2限定選択基準が参照される頻度の方が高い弾球遊技機。
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