以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す如く、本発明のパチンコ遊技機11は、外枠14と、外枠14に対して開閉可能に取り付けられた本体枠12と、本体枠12内に固定された遊技盤13と、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられて、閉状態では遊技盤13の全面を覆う前扉10とを備えている。前扉10には、ガラス16が嵌め込まれた略円形の窓部15が形成され、窓部15を通して遊技盤13を視認することができるようになっている。また、窓部15の周囲には、ランプ44が設けられている。
前扉10の下側には、遊技球を貯留するための上皿17aと、上皿17aが満杯の場合に遊技球が払い出される下皿17bとが設けられ、上皿17aに貯留された遊技球は、パチンコ遊技機11の内部に設けられた発射装置(図示省略)に1球ずつ供給される。上皿17aの前面には、遊技者参加型の演出が実行された場合等に操作が促される左ボタン20a、中ボタン20b、および右ボタン20cが配置されている。さらに、上皿17aの下方左右両側には、一対のスピーカ19a、19bが設けられている。また、上皿17aの右下には、ハンドル18が設けられ、図1中の矢印Iで示す如く、ハンドル18の時計回りの回転操作によって発射装置から遊技盤13に向けて遊技球を発射できるようになっている。
次に、遊技盤13に配置された各種遊技部品について説明する。
図2に示す如く、遊技盤13の中央上部には、センターユニット21が配備されると共に、センターユニット21の真下には、入口の大きさが常時変化することのない固定入賞口からなる第一始動口23aが配備されている。また、センターユニット21の左下側には、一対の可動羽根24a、24bを備えた電動式チューリップ(以下、「電チュー」という)からなる第一大入賞口23bが配備されている。両可動羽根24a、24bは、その先端が第一大入賞口23bの上側に配置された複数本の障害釘30に接近して第一大入賞口23bへの入賞が不可能な閉塞状態と、両可動羽根24a、24bが図2中の矢印AおよびBで示す方向にそれぞれ回動して、第一大入賞口23bへの入賞が可能となる開放状態とに遷移可能となっており、通常は図2に示す閉塞状態となっている。なお、図2は、遊技を行なう遊技者側から遊技盤13を見た図であり、本願ではこの図を基準として、上下左右方向を規定している。
センターユニット21の右側には、遊技球の通過が可能なゲート23cと、それぞれ電チューからなる第二始動口23dと第二大入賞口23eとが配備されている。ゲート23c、第二始動口23d、および第二大入賞口23eはそれぞれ、上から順に配備されている。第二始動口23dおよび第二大入賞口23eは、第一大入賞口23bと同様に、入賞が不可能な閉塞状態と、入賞が可能な開放状態とに遷移可能となっており、通常はいずれも図2に示す閉塞状態となっている。
なお、始動口とは、入賞が、後述する特別図柄表示装置(以下、「特図表示装置」という)を作動させるための必要条件として設定された特定の入賞口であり、大入賞口とは、特図表示装置に特定の図柄、すなわち大当たり図柄または小当たり図柄が表示された場合にのみ入賞が可能となる入賞口である。後述する第一特図表示装置26aは、第一始動口23aへの入賞を必要条件として作動する特図表示装置であって、第一大入賞口23bは、第一特図表示装置26aに特定の図柄が表示された場合に開放状態となる大入賞口である。同様に、後述する第二特図表示装置26bは、第二始動口23dへの入賞を必要条件として作動する特図表示装置であって、第二大入賞口23eは、第二特図表示装置26bに特定の図柄が表示された場合に開放状態となる大入賞口である。
第一始動口23a、第二始動口23dおよび第一大入賞口23bへの入賞に対しては、それぞれ3球の賞球が払い出されると共に、第二大入賞口23eへの入賞に対しては15球の賞球が払い出される。また、第一始動口23aへの入賞時には、これより前の第一始動口23aへの入賞時に取得され未だ抽選を実行していない乱数値の数(以下、「第一特図保留数」という)が4個未満であることを条件として、第一抽選手段としての後述する大当たり抽選に用いる大当たり抽選乱数を含む種々の乱数を取得および記憶する。同様に、第二始動口23dへの入賞時には、これより前の第二始動口23dへの入賞時に取得され未だ抽選を実行していない乱数値の数(以下、「第二特図保留数」という)が4個未満であることを条件として、第二抽選手段としての後述する大当たり抽選に用いる大当たり抽選乱数を含む種々の乱数を取得および記憶する。
一方、ゲート23cは、遊技球の通過が、後述する普通図柄表示装置(以下、「普図表示装置」という)を作動させるための必要条件として設定された特定の領域であり、第二始動口23dは、普図表示装置に特定の図柄、すなわち、当たり図柄が表示された場合にのみ開放状態とされる。遊技球がゲート23cを通過した場合には、これより前に遊技球がゲート23cを通過したときに取得され未だ抽選を実行していない乱数値の数(以下、「普図保留数」という)が4個未満であることを条件として、第三抽選手段としての後述する普図抽選に用いる普図抽選乱数を取得および記憶する。
遊技盤13の右下端部には、遊技情報表示ユニット9が配備され、遊技情報表示ユニット9には、図3に示す如く、第一特図表示装置26aと、第二特図表示装置26bと、普図表示装置26cとが配備されている。第一および第二特図表示装置26a、26bはそれぞれ、7セグメント表示器で構成される一方、普図表示装置26cは緑色LED29aと赤色LED29bとで構成される。第一特図表示装置26aは、第一始動口23aへの入賞時に取得した乱数値に基づく抽選の後に図柄変動を開始し、最終的に停止して抽選の結果に対応した態様の図柄を表示する。第二特図表示装置26bは、第二始動口23dへの入賞時に取得した乱数値に基づく抽選の後に図柄変動を開始し、最終的に停止して抽選の結果に対応した態様の図柄を表示する。普図表示装置26cは、遊技球がゲート23cを通過したときに取得した乱数値に基づく抽選の後に両LED29a、29bの点滅動作を開始し、点滅動作が終了したときに緑色LED29aおよび赤色LED29bのうち、いずれかが点灯するかによって、抽選の結果を遊技者に報知する。
第一特図表示装置26aの周囲には4つのLED28a〜28dからなる第一特図保留数表示器27a、第二特図表示装置26bの周囲には4つのLED28e〜28hからなる第二特図保留数表示器27bがそれぞれ設けられている。また、普図表示装置26cの下方には、4つのLED27i〜27lからなる普図保留数表示器27cが設けられている。
第一特図保留数表示器27a、第二特図保留数表示器27bおよび普図保留数表示器27cはそれぞれ、第一特図保留数、第二特図保留数および普図保留数に等しい数のLEDを点灯させることにより、各保留数を遊技者に報知する。
センターユニット21には、第二飾り図柄表示部22bと、遊技情報表示部22cと、時短回数表示部22dと、一対の警告灯22eと、第一特図保留数表示部22fと、第二特図保留数表示部22gと、3つの開口23h、23g、23iを有するクルーン23fとが配備されている。また、センターユニット21の左側には、第一飾り図柄表示部22aが配備されている。
第一飾り図柄表示部22aは、それぞれ飾り図柄を表示する2桁の7セグメント表示器からなり、第一特図表示装置26aでの図柄変動開始に同期して飾り図柄の変動を開始すると共に、第一特図表示装置26aでの図柄変動停止に同期して飾り図柄の変動を停止し、第一特図表示装置26aに表示された図柄に対応する飾り図柄組合せを表示する。一方、第二飾り図柄表示部22bは3桁の7セグメント表示器からなり、第二特図表示装置26bでの図柄変動開始に同期して飾り図柄の変動を開始すると共に、第二特図表示装置26bでの図柄変動停止に同期して飾り図柄の変動を停止し、第二特図表示装置26bに表示された図柄に対応する飾り図柄組合せを表示する。
第一および第二特図保留数表示部22f、22gはそれぞれ4つのLEDからなり、第一特図保留数表示部22fは第一特図保留数表示器27a、第二特図保留数表示部22gは第二特図保留数表示器27bと同等の機能を発揮する。
遊技情報表示部22cはドットマトリクス表示器からなり、遊技者に適切な打ち方を指示する誘導情報や、後述する時短遊技モード中の大当たりの連続回数(以下、「連荘回数」という)等を表示する。時短回数表示部22dは、2桁の7セグメント表示機からなり、大当たり遊技後、時短状態へ移行した場合に、時短状態が終了するまでに許容される外れ図柄および小当たり図柄の停止表示回数(以下、「時短残回数」という)を表示する。遊技情報表示部22cは、遊技モードに応じて、第一始動口23a、ゲート23c、および第二始動口23dへの遊技球の入賞を誘導するよう表示する誘導表示手段として作動する。
一対の警告灯22eはそれぞれ、複数色の発光が可能であり、連荘回数の増加等、遊技状況に応じて異なった色で発光する。一対の警告灯22eの発光態様については、後述する。
クルーン23fは、円盤状を呈し、クルーン23f上を転動した遊技球を3つの開口23g〜23iのいずれかから落下させる振分装置として機能する。3つの開口23g〜23iのうち、手前側の開口23gは、第一始動口23aの真上、他の2つの開口23h、23iは、第一始動口23aの真上から外れた位置にそれぞれ形成されている。このため、遊技球が手前側の開口23gを通過した場合には、他の2つの開口23h、23iを通過した場合に比べて、第一始動口23aへ入賞する確率が高くなる。
さらに、遊技盤13の下端部には、それぞれ「1」〜「16」の数値が付された16個のポケット25aが設けられている。16個のポケット25aのうち、「2」、「5」、「12」、「15」の数値が付された4つのポケット25aは、普通入賞口であって、各普通入賞口への入賞に対しては10球の賞球が払い出される。一方、上記した4つのポケット25aを除く他の12個のポケット25aは、いわゆるアウト口であり、入賞に対しての賞球はない。なお、「2」、「5」、「12」、「15」の数値が付された4つのポケット25aへの遊技球の入賞が比較的困難なように、適当な数の障害釘30が適所に配備されている。
次に、この発明に係るパチンコ遊技機11の制御について説明する。図4は、この発明に係るパチンコ遊技機11の制御状態を示すブロック図である。図4に示すように、本実施例のパチンコ遊技機の制御部31aは、遊技制御を司る主制御部32aと、主制御部32aからの指令に基づいて主に第一および第二飾り図柄表示部22a、22bの制御を司る副制御部32bとからなる。主制御部32aと副制御部32bとは、主制御部32aから副制御部32bへの一方向通信経路によって互いに電気的に接続されている。主制御部32aは、CPU33a、ROM34a、RAM35a、入力ポート36a、および出力ポート37aを備える。
主制御部32aの入力ポート36aには、第一始動口23aへの入賞を検知する第一始動口入賞センサ41aと、第二始動口23dへの入賞を検知する第二始動口入賞センサ41bと、遊技球のゲート23cの通過を検知するゲートセンサ41cと、第一大入賞口23bへの入賞を検知する第一大入賞口入賞センサ41dと、第二大入賞口23eへの入賞を検知する第二大入賞口入賞センサ41eと、普通入賞口への入賞をそれぞれ検知する普通入賞口入賞センサ41fとが、それぞれ電気的に接続されている。
主制御部32aの出力ポート37aには、第一特図表示装置26aと、第二特図表示装置26bと、普図表示装置26cと、第一特図保留数表示器27aと、第二特図保留数表示器27bと、普図保留数表示器27cと、第一大入賞口23bを構成する電チューの可動羽根を開閉駆動する第一大入賞口開閉駆動部42aと、第二大入賞口23eを構成する電チューの可動羽根を開閉駆動する第二大入賞口開閉駆動部42bと、第二始動口23dを構成する電チューの可動羽根を開閉駆動する第二始動口開閉駆動部42cとが、それぞれ電気的に接続されている。
主制御部32aのCPU33aは、ROM34aに格納された遊技プログラムPgに則り、入力ポート36aに接続された各種センサの検出信号に応じて、出力ポート37aに接続された各表示器および駆動部の制御、ならびに副制御部32bへのコマンドの送信を行なう。また、主制御部32aは、後述する大当たり遊技後の時短回数を記憶する時短回数記憶手段38a、大当たり抽選において抽選当選確率を低値または高値に制御する当選確率制御手段38bを含む。
また、詳細については後述するが、主制御部32aは、第一特図表示装置26aに所定の大当たり図柄が表示された場合に、遊技球の入賞が極めて困難な開放態様で第一大入賞口23bを開放する第一大当たり遊技を実行する第一大当たり遊技実行手段38cと、第二特図表示装置26bに所定の大当たり図柄が表示された場合に、遊技球の入賞が極めて容易な開放態様で第二大入賞口23eを開放する第二大当たり遊技を実行する第二大当たり遊技実行手段38dと、普図表示装置26cに所定の当選図柄が表示された場合に、第二始動口23dを閉塞状態から所定時間開放状態に遷移させる第二始動口開放手段38eと、第一または第二特図表示装置26a、26bに大当たり図柄が表示された場合に、大当たり図柄が表示された特図表示装置の種別と、大当たり図柄の態様とに基づき、第一および第二抽選手段による抽選の結果が、対応する特図表示装置に大当たり図柄を表示すべき大当たりとなる確率たる大当たり確率を低値または高値のいずれかに設定する大当たり確率設定手段38fとを備える。
また、詳細については後述するが、主制御部32aは、非時短遊技モード中に第一または第二特図表示装置26a、26bに大当たり図柄が表示された場合に、大当たり図柄が表示された特図表示装置の種別と、大当たり図柄の態様と、大当たり図柄表示時の遊技モードとに基づき、大当たり遊技後時短遊技モードへ移行させるか否かを決定する時短遊技モード移行手段38gと、時短遊技モード中の第一または第二特図表示装置26a、26bに大当たり図柄が表示された場合に、大当たり図柄が表示された特図表示装置の種別と、大当たり図柄の態様と、大当たり図柄表示時の遊技モードとに基づき、時短遊技モード中に再度大当たりを引き当てる引き戻し確率が100%または略100%となる第一時短終了条件、および引き戻し確率が100%を大きく下回る第二時短終了条件のうち、いずれかの時短終了条件を設定して時短遊技モードを継続させる時短遊技モード継続手段38hと、非時短遊技モード中に第一特図表示装置26aに大当たり図柄が表示された場合に、時短遊技モード移行手段により非時短遊技モードが継続される確率を時短遊技モードへ移行される確率よりも極めて高く設定すると共に、時短遊技モード継続手段によって第一時短終了条件が設定される確率を第二時短終了条件が設定される確率よりも極めて高く設定する設定手段38iとを備える。
また、詳細については後述するが、主制御部32aは、第一特図表示装置26aに所定の小当たりが表示された場合に、第一大当たり遊技と同一の開放態様で第一大入賞口23bを開放する小当たり遊技を実行する小当たり遊技実行手段38jと、第一抽選手段による抽選結果と、現在の遊技モードとに基づき、第一飾り図柄表示部22aでの複数の第一飾り図柄の変動停止時に表示すべき出目を決定する第一飾り図柄出目決定手段38kと、第二抽選手段による抽選結果と、現在の遊技モードとに基づき、第二飾り図柄表示部22bでの複数の第一飾り図柄の変動停止時に表示すべき出目を決定する第二飾り図柄出目決定手段38lとを備える。
ここで、遊技モードについて説明する。パチンコ遊技機11は、所定の遊技モードとして、時短遊技モードと、非時短遊技モードとを含む。時短遊技モードとは、普図変動時間が例えば、通常時(パチンコ遊技機の初期化時等)の30秒から3秒に短縮されると共に、普図抽選当選時に実行される後述の普通遊技処理における第二始動口23dの開放時間が通常時よりも長く、特図の変動時間が相対的に短くなる遊技モードである。従って、時短遊技モードにおいては、通常時の非時短遊技モードに比べて、第二始動口23dの長時間開放が頻繁に発生することになり、その結果、第二始動口23dへの入賞が非時短遊技モードよりも容易となると共に、いわゆる保留数の消化も早くなる。また、第二始動口23dの長時間開放に起因して遊技球の第二始動口23dへの入賞数が多くなるため、持球が大幅に増加することはないが、持球を減らさずに遊技することができる。すなわち、時短遊技モードは、遊技者に有利な利益遊技モードである。
一方、非時短遊技モードとは、いわゆる通常時の遊技状態を示し、普図変動時間が例えば30秒と長く、かつ、第二始動口23dの開放時間が短い。したがって、第二始動口23dへの入賞が困難となり、いわゆる保留数の消化も遅いものとなる。また、非時短遊技モードにおいては、第二始動口23dへの入賞はほとんどない。よって、遊技時間の経過と共に、持球は減っていく。すなわち、非時短遊技モードは、遊技者に不利益な不利益遊技モードである。
また、非時短遊技モードは、第一始動口23aへの遊技球の入賞を契機に行われる第一大当たり抽選に係る大当たり確率を相対的に低値とする第一遊技モードと、第一大当たり抽選に係る大当たり確率を相対的に高値とする第二遊技モードとを含む。また、時短遊技モードは、第二始動口23dへの遊技球の入賞を契機に行われる第二大当たり抽選に係る大当たり確率を相対的に低値とする第三遊技モードと、第二大当たり抽選に係る大当たり確率を相対的に高値とする第四遊技モードとを含む。遊技者は、第一〜第四のいずれかの遊技モード状態において遊技する。
同様に、副制御部32bは、CPU33b、ROM34b、RAM35b、入力ポート36b、および出力ポート37bを備え、副制御部32bの入力ポート36bには、左/中/右ボタンに対する操作の有無をそれぞれ検出する左/中/右ボタンセンサ43a、43b、43cが電気的に接続されている。副制御部32bの出力ポート37bには、第一飾り図柄表示部22aと、第二飾り図柄表示部22bと、遊技情報表示部22cと、時短回数表示部22dと、一対の警告灯22eと、第一特図保留数表示部22fと、第二特図保留数表示部22gと、スピーカ19a、19bと、ランプ44とが、それぞれ電気的に接続されている。副制御部32bのCPU33bは、ROM34bに格納された演出プログラムQgに則り、主制御部32aからのコマンドと、入力ポート36bに接続された各種センサの検出信号とに応じて、出力ポート37bに接続された第一飾り図柄表示部22a等を制御する。RAM35bには、演出プログラムQgの実行に必要な情報が逐次記憶される。また、副制御部32bは、第一飾り図柄表示部22aに表示される第一特図に係る出目の演出等を行なう第一演出実行手段39a、および第二飾り図柄表示部22bに表示される第二特図に係る出目の演出等を行なう第二演出実行手段39bを含む。以下、主制御部32aのCPU33aによって実行される各種処理手続から、図面に沿って詳細に説明する。
(A)第一始動口への入賞処理
遊技球が第一始動口23aに入賞した場合の処理について説明する。図5は、第一始動口23aに入賞した際の処理の流れを示すフローチャートである。図5を参照して、第一始動口入賞処理では、第一始動口23aへの入賞の有無を監視すると共に、入賞した場合には、各種乱数の取得処理並びに賞球払出処理を実行する。
まず、第一始動口入賞センサ41aが、第一始動口23aへの遊技球の入賞を検知したか否かを判断する(図5において、ステップS11、以下、ステップを省略する)。入賞を検知した場合(S11において、YES)、第一始動口23aへの入賞時に取得され大当たり抽選を保留している大当たり抽選乱数の数(以下、第一特図保留数)が4か否かを判断する(S12)。第一特図保留数が4であると判断した場合には(S12において、NO)、賞球払出処理のみを実行して(S16)、S11へ戻る。第一特図保留数が4でないと判断した場合には(S12において、YES)、第一特図保留数に1加算する(S13)。そして、大当たり抽選乱数R1を取得してRAM35aの第一特図保留記憶領域に記憶し(S14)、大当たり種別抽選乱数R2、および特図変動時間抽選乱数R3の現在値をRAMの第一特図保留記憶領域に記憶する(S15)。そして、賞球払出処理を実行して(S16)、S11へ戻る。
ここで、大当たり抽選乱数R1は、主制御部32aのCPU33a内蔵の乱数発生器によって極短周期(例えば、33μ秒周期)で更新されるハード乱数であって、0〜66535の数値範囲を有する。一方、大当たり種別抽選乱数R2および特図変動時間抽選乱数R3は、遊技プログラムPg内で逐次更新されるカウンタ型のソフト乱数であって、大当たり種別抽選乱数R2は0〜79、特図変動時間抽選乱数R3は0〜2047の数値範囲をそれぞれ有する。
(B)第二始動口への入賞処理
次に、遊技球が第二始動口23dに入賞した場合の処理について説明する。図6は、第二始動口23dに入賞した際の処理の流れを示すフローチャートである。図6を参照して、第二始動口入賞処理では、第二始動口23dへの入賞の有無を監視すると共に、入賞した場合には、各種乱数の取得処理並びに賞球払出処理を実行する。
まず、第二始動口入賞センサ41bが、第二始動口23dへの遊技球の入賞を検知したか否かを判断する(図6において、S21)。入賞を検知した場合(S21において、YES)、第二始動口23dへの入賞時に取得され大当たり抽選を保留している大当たり抽選乱数の数(以下、第二特図保留数)が4か否かを判断する(S22)。第二特図保留数が4であると判断した場合には(S22において、NO)、賞球払出処理のみを実行して(S26)、S21へ戻る。第二特図保留数が4でないと判断した場合には(S22において、YES)、第二特図保留数に1加算する(S23)。そして、大当たり抽選乱数R1を取得してRAMの第二特図保留記憶領域に記憶し(S24)、大当たり種別抽選乱数R2、および特図変動時間抽選乱数R3の現在値をRAMの第二特図保留記憶領域に記憶する(S25)。そして、賞球払出処理を実行して(S26)、S21へ戻る。
(C)ゲート処理
次に、遊技球がゲート23cを通過した際のゲート処理を実行する場合の処理について説明する。図7は、ゲート処理を実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。図7を参照して、ゲート処理では、遊技球がゲート23cを通過したか否かを監視し、通過した場合には普図抽選乱数の取得処理を実行する。
まず、ゲートセンサ41cが、遊技球によるゲート23cの通過を検知したか否かを判断する(S31)。通過を検知した場合(S31において、YES)、遊技球がゲート23cを通過したときに取得され普図抽選を保留している普図抽選乱数の数(以下、普図保留数という)が4か否かを判断する(S32)。普図保留数が4でないと判断した場合(S32において、YES)、普図保留数に1加算する(S33)。そして、普図抽選乱数R5の現在値をRAMの普図保留記憶領域に記憶して(S34)、S31へ戻る。S32において、普図保留数が4であると判断した場合(S32において、NO)にも、S31へ戻る。ここで、普図抽選乱数R5は、大当たり種別抽選乱数R2および特図変動時間抽選乱数R3と同様に、遊技プログラムPg内で逐次更新されるカウンタ型のソフト乱数であって、0〜251の数値範囲を有する。
(D)普図処理
次に、普図処理を実行する場合の処理について説明する。図8は、普図処理を実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。図8を参照して、普図処理では、遊技球がゲート23cを通過としたときに取得した普図抽選乱数R5に基づく普図抽選処理と、抽選結果に応じた普図表示部の表示制御とを実行する。
まず、普図保留数が0か否かを判断する(S41)。普図保留数が0でないと判断すれば(S41において、YES)、普図保留数を1減算する(S42)。そして、抽選対象となる最先取得に係る普図抽選乱数R5の退避処理、並びに退避処理によって空きのできた普図保留記憶領域の前詰処理を行う(S43)。その後、普図抽選を行なう(S44)。
ここで、普図抽選に際し、遊技状態が時短遊技モードか否かを判断する(S45)。遊技状態が非時短遊技モードであれば、すなわち、時短遊技モードでなければ(S45において、NO)、普図抽選乱数R5の値が1〜29の場合は当選、それ以外の値の場合は外れと判定する。従って、普図抽選に当選する確率は、29/252である。そして、普図の変動時間を30秒にセットする(S46)。この場合、非時短遊技モードにおいては、上記したように普図抽選に当選する確率は29/252であって非常に低確率であるため、ほとんどの場合で、当選することはない。すなわち、非時短遊技モードにおいては、主として30秒という相対的に長い普図の変動時間と当選確率の低い抽選が行なわれる。
一方、遊技状態が時短遊技モードであれば(S45において、YES)、普図抽選乱数R5の値が1〜250の場合は当選、それ以外の値の場合は外れと判定する。従って、普図抽選に当選する確率は、250/252である。そして、普図の変動時間を3秒にセットする(S47)。この場合、時短遊技モードにおいては、上記したように普図抽選に当選する確率は、250/252であって非常に高確率であるため、ほとんどの場合で外れることはない。すなわち、時短遊技モードにおいては、主として3秒という相対的に短い普図の変動時間と当選確率の高い抽選が行なわれる。
次に、普図変動を開始する(S48)。その後、S46またはS47でセットした変動時間が経過したか否かを判断する(S49)。変動時間が経過すれば(S49において、YES)、普図変動を停止する(S50)。そして、普図抽選に当選したか否かを判断する(S51)。この場合、当選した場合には普図表示部の緑色発光ダイオード、外れた場合には普図表示部の赤色発光ダイオードがそれぞれ点灯する。普図抽選に当選すると(S51において、YES)、普通遊技処理を実行し(S52)、その後、S41へ戻る。一方、普図抽選に外れた場合には(S51において、NO)、そのままS41へ戻る。
(E)普通遊技処理
次に、普通遊技処理について説明する。図9は、普通遊技処理の流れを示すフローチャートである。図9を参照して、普通遊技処理では、第二始動口23dの開放に関する制御、すなわち、普図表示部における普図変動後、普図表示部に普図抽選に当選したことを示す図柄が停止表示された場合(具体的には、緑色発光ダイオードが点灯)に実行される制御を実行する。
まず、時短遊技モードか否かを判断する(S61)。時短遊技モードであると判断した場合(S61において、YES)には、最大開放時間に1.5秒、最大開放回数に3をセットする(S62)。一方、時短遊技モードではないと判断した場合(S61において、NO)には、最大開放時間に0.5秒、最大開放回数に1をセットする(S63)。次に、最大カウント数に9、開放回数に1をそれぞれセットし、カウント数に0をセットする(S64、S65、S66)。その後、第二始動口開閉駆動部42cを駆動して第二始動口23dを開放する(S67)と共に、開放時間の計測を開始する。
第二始動口23dの開放中には、第二始動口入賞センサ41bが入賞を検知したかを判断する(S68)。入賞を検知したと判断すれば(S68において、YES)、カウント数に1加算する(S69)。そして、カウント数が最大カウント数以上となったか否かを判断する(S70)。カウント数が最大カウント数以上となったと判断すれば(S70において、YES)、第二始動口開閉駆動部42cを駆動して、第二始動口23dを閉塞する(S71)。
一方、第二始動口入賞センサ41bが入賞を検知しなかった場合(S68において、NO)や、カウント数が最大カウント数以上となっていない場合(S70において、NO)、第二始動口23dを開放後、最大開放時間が経過したか否かを判断する(S72)。最大開放時間が経過していると判断した場合には(S72において、YES)、第二始動口23dを閉塞する(S71)。一方、最大開放時間が経過していないと判断した場合には(S72において、NO)、S68へ戻る。次に、開放回数が最大開放回数に等しいか否かを判断する(S73)。ここで、開放回数が最大開放回数に等しくないと判断した場合には(S73において、NO)、開放回数に1加算すると共に計時を開始する(S74)。その後、インターバル時間が経過したか否かを判断する(S76)。インターバル時間が経過したと判断した場合(S76において、YES)、S67へ戻る。一方、開放回数が最大開放回数に等しいと判断した場合には(S73において、YES)、普通遊技処理を終了してリターンする。
(F)特図遊技処理
次に、特図遊技処理について説明する。図10は、特図遊技処理の流れを示すフローチャートである。図11は、後述する大当たり種別と大当たり遊技後に設定される時短回数との関係を示す表である。図10および図11を参照して、特図遊技処理では、第一始動口23aまたは第二始動口23dへの入賞時に取得した各種乱数に基づく各種抽選処理と、各種抽選処理の結果に応じた第一特図表示装置26aもしくは第二特図表示装置26bの表示制御とを実行する。ここでは、第二特図に係る第二始動口23dへの入賞球あるいは保留球を、第一特図に係る第一始動口23aへの入賞球あるいは保留球よりも優先して処理する制御を実行する。
まず、第二特図保留数が0か否かを判断する(S81)。第二特図保留数が0であると判断した場合には(S81において、YES)、次に、第一特図保留数が0であるか否かを判断する(S82)。第一特図保留数が0でないと判断した場合には(S82において、NO)、第一特図保留数を1減算する(S83)。そして、抽選対象となる最先取得に係る各乱数R1〜R3の退避処理、並びに退避処理によって空きのできた第一特図保留記憶領域の前詰処理を行う(S84)。その後、第一特図抽選処理および特図変動時間抽選処理を行う(S85、S86)。
ここで、第一特図抽選処理の内容について説明する。第一特図抽選処理では、まず、大当たり抽選乱数R1と、高確率に係る遊技モードか低確率に係る遊技モードかに基づき、大当たりおよび小当たりのいずれかに当選か、いずれにも当選しない外れかを決定する当否判定抽選処理を実行する。具体的には、大当たり確率が低値の遊技モードであるとき、大当たり抽選乱数R1の値が1〜6553の場合は小当たりに当選、6554〜13104の場合は大当たりに当選、0または13105〜65535の場合は外れと判定する。一方、大当たり確率が高値の遊技モードであるとき、大当たり抽選乱数R1の値が1〜6553の場合は小当たりに当選、6554〜13106の場合は大当たりに当選、0または13107〜65535の場合は外れと判定する。すなわち、大当たりに当選する確率は、大当たり確率が低値の遊技モードの場合は6551/65536、大当たり確率が高値の遊技モードの場合は6553/65536に設定している。この場合の大当たり確率の差は、2/65536であり、非常に小さい。また、小当たりに当選する確率は、遊技モードに関わらず、一定の6553/65536に設定している。
第一特図抽選処理にて大当たりに当選した場合、大当たり種別抽選乱数R2に基づく大当たり種別抽選を実行する。具体的には、大当たり種別抽選乱数R2の値が0〜59の場合は大当たり種別1、60〜69の場合は大当たり種別2、70〜79の場合は大当たり種別3としている。すなわち、各大当たり種別への振分確率をそれぞれ、6/8、1/8、1/8に設定している。
次に、特図変動時間抽選処理の内容について説明する。特図変動時間抽選処理では、上記した大当たり抽選処理にて外れた場合、小当たりに当選した場合、および大当たりに当選した場合毎に、処理を分岐する。
具体的に、大当たりに当選した場合には、大当たり時に第一または第二飾り図柄表示部22a、22bにて実行すべき複数種類の飾り図柄変動演出の実行に要する時間に合わせてそれぞれ設定された複数種類の特図変動時間のうち、特図変動時間抽選乱数R3の値に基づき、いずれかの特図変動時間が設定される。
同様に、小当たりに当選した場合には、小当たり時に第一または第二飾り図柄表示部22a、22bにて実行すべき複数種類の飾り図柄変動演出の実行に要する時間に合わせてそれぞれ設定された複数種類の特図変動時間のうち、特図変動時間抽選乱数R3の値に基づき、いずれかの特図変動時間が設定される。
一方、外れた場合には、時短遊技モード中の場合には第二特図保留数と特図変動時間抽選乱数R3の値、非時短遊技モード中の場合には第一特図保留数と、特図変動時間抽選乱数R3の値とに基づき、特図変動時間を決定する。具体的には、時短遊技モード中には、第二特図保留数が多い場合は少ない場合に比べて、平均特図変動時間が短くなるように設定している。同様に、非時短遊技モード中には、第一特図保留数が多い場合は少ない場合に比べて、平均特図変動時間が短くなるように設定している。これにより、各特図保留数が多い場合には、平均特図変動時間を短くすることにより、各特図保留数が最大の4である場合の各始動口への入賞、すなわち、各種乱数が取得されない各始動口への入賞を抑制すると共に、各特図保留数が少ない場合には、平均特図変動時間を長くすることにより、特図変動中の各始動口への入賞、すなわち、各特図保留数の増加を促進することができる。
上記したように第一特図抽選処理および特図変動時間抽選処理を行った後、特図変動開始コマンド送信を行う(S87)。ここで、特図変動開始コマンド送信により、大当たり種別および送信時における遊技モードの情報が、副制御部32bに送信される。すなわち、副制御部32bは、特図変動開始コマンドにより、大当たり種別および送信時における遊技モードの情報を取得する。
その後、送信された情報に基づき、第一特図の変動開始および第一特図の変動時間の計測を開始する(S88)。第一特図変動時間が経過した後(S89)、特図変動停止コマンドを送信する(S90)。そして、第一特図表示装置26aに第一特図抽選結果に応じた図柄を停止させ、表示させる(S91)。この場合、第一飾り図柄表示部22aにおいても、第一特図抽選結果に応じた図柄を表示させる。これについては、後述する。
その後、大当たりに当選したか否かを判断する(S92)。大当たりに当選したと判断した場合には(S92において、YES)、後述する大当たり遊技処理に移行する(S93)。大当たり遊技処理が終了した後、S81に戻る。
一方、大当たりに当選しなかった場合には(S92において、NO)、次に、小当たりに当選したか否かを判断する(S94)。後述する小当たりに当選したと判断した場合には(S94において、YES)、小当たり遊技処理に移行する(S95)。その後、時短回数更新処理を行って(S96)、S81に戻る。
一方、第二特図保留数が0でないと判断した場合には(S81において、NO)、第二特図保留数を1減算する(S97)。そして、抽選対象となる最先取得に係る各乱数R1〜R3の退避処理、並びに退避処理によって空きのできた第二特図保留記憶領域の前詰処理を行う(S98)。次に、第二特図抽選処理および特図変動時間抽選処理を行う(S99、S100)。特図変動時間抽選処理については、上述の通りである。
ここで、第二特図抽選処理の内容について説明する。第二特図抽選処理では、まず、大当たり抽選乱数R1と、高確率に係る遊技モードか低確率に係る遊技モードかに基づき、大当たりに当選か外れかを決定する当否判定抽選処理を実行する。第二特図抽選処理の当否判定抽選処理では、上述の第一特図抽選処理の当否判定抽選処理とは異なり、小当たりを抽選対象に含まない。具体的には、大当たり確率が低値の遊技モードであるとき、大当たり抽選乱数R1の値が1〜6551の場合は大当たりに当選、0または6552〜65535の場合は外れと判定する。一方、大当たり確率が高値の遊技モードであるとき、大当たり抽選乱数R1の値が1〜6553の場合は大当たりに当選、0または6554〜65535の場合は外れと判定する。すなわち、大当たりに当選する確率は、大当たり確率が低値の遊技モードの場合は6551/65536、大当たり確率が高値の遊技モードの場合は6553/65536に設定しており、これについては、上述の第一特図抽選処理の当否判定抽選処理と同等である。
第二特図抽選処理にて大当たりに当選した場合、大当たり種別抽選乱数R2に基づく大当たり種別抽選を実行する。具体的には、大当たり種別抽選乱数R2の値が0〜69の場合は大当たり種別4、70〜64の場合は大当たり種別5、65〜69の場合は大当たり種別6としている。すなわち、各大当たり種別への振分確率をそれぞれ、70/80、5/80、5/80に設定している。
ここで、上記した第一および第二特図抽選処理において、大当たり種別が3、5および6の大当たりは、大当たり遊技終了後、確変状態、すなわち、大当たり確率が高値の遊技モードとなる確変大当たりである。具体的には、高確率の遊技モードに滞在中の場合には、そのままその遊技モードに滞在し、低確率の遊技モードである場合には、高確率の遊技モードへ移行する。一方、大当たり種別が1、2および4の大当たりは、大当たり遊技終了後、通常状態、すなわち、大当たり確率が低値のモードとなる通常大当たりである。具体的には、低確率の遊技モードに滞在中の場合には、そのままその遊技モードに滞在し、高確率の遊技モードである場合には、低確率の遊技モードへ移行する。第一および第二特図抽選処理にて大当たりに当選した場合に、大当たり遊技終了後、確変状態へ移行する確率(以下、確変突入割合という)は、いずれも1/8に設定している。
上記したように第二特図抽選処理および特図変動時間抽選処理を行った後、特図変動開始コマンド送信を行う(S101)。ここで、特図変動開始コマンド送信により、大当たり種別および送信時における遊技モードの情報が、副制御部32bに送信される。すなわち、副制御部32bは、特図変動開始コマンドにより、大当たり種別および送信時における遊技モードの情報を取得する。
その後、送信された情報に基づき、第二特図の変動開始および第二特図の変動時間の計測を開始する(S102)。第二特図変動時間が経過した後(S103)、特図変動停止コマンドを送信する(S104)。そして、第二特図表示装置26bに第二特図抽選結果に応じた図柄を停止させ、表示させる(S105)。この場合についても、第二飾り図柄表示部22bにおいて、第二特図抽選結果に応じた第二飾り図柄の組合せを表示させる。これについても、後述する。
その後のS92の大当たりに当選したか否かの判断以降の処理については、上記した第一特図の場合と同様である。なお、第一特図および第二特図の保留数がいずれも0であった場合にも(S81およびS82において、YES)、S81に戻る。
(G)大当たり遊技処理
次に、上記した図10中のS93における大当たり遊技処理について、説明する。図12は、大当たり遊技処理の流れを示すフローチャートである。
図12を参照して、まず、大当たり遊技開始コマンドを送信する(S111)。そして、大当たり種別(特図種別)に応じて、最大ラウンド数、大入賞口の最大開放時間、および各ラウンドで許容される大入賞口への入賞の最大カウント数を設定する(S112)。具体的には、大当たり種別が1、2あるいは3であれば、最大ラウンド数を2ラウンド、最大開放時間を0.3秒に設定する。一方、大当たり種別が4、5あるいは6であれば、最大ラウンド数を2ラウンド、最大開放時間を29秒に設定する。また、最大カウント数としては、大当たり種別1〜6のいずれの場合にも、4カウントを設定する。
次に、ラウンド数に1、カウント数に0をそれぞれセットした後(S113、S114)、第一または第二特図に係る大当たりに応じて、第一または第二大入賞口開閉駆動部42a、42bを作動して、第一または第二大入賞口23b、23eを開放すると共に、開放時間の計測を開始する(S115)。
第一または第二大入賞口23b、23eの開放中には、第一または第二大入賞口入賞センサ41d、41eが入賞を検知したか否かを判断する(S116)。ここで、入賞があったと判断した場合には(S116において、YES)、カウント数に1加算する(S117)。そして、カウント数が最大カウント数以上となったか否かを判断する(S118)。カウント数が最大カウント数以上となったと判断した場合(S118において、YES)、第一または第二大入賞口開閉駆動部42a、42bを作動して、第一または第二大入賞口23b、23eを閉塞する(S120)。一方、入賞がないと判断した場合(S116において、NO)、およびカウント数が最大カウント数以上となっていないと判断した場合(S118において、NO)、第一または第二大入賞口23b、23eを開放後、最大開放時間が経過したか否かを判断する(S119)。最大開放時間が経過したと判断した場合(S119において、YES)、第一または第二大入賞口開閉駆動部42a、42bを作動して第一または第二大入賞口23b、23eを閉塞する(S120)。最大開放時間が経過していないと判断した場合(S119において、NO)には、S116へ戻る。
第一または第二大入賞口23b、23eを閉塞した後には、ラウンド数が最大ラウンド数に等しいか否かを判断する(S121)。ラウンド数が最大ラウンド数に等しくないと判断した場合には(S121において、NO)、ラウンド数に1を加算して(S124)、S114へ戻る。一方、ラウンド数が最大ラウンド数に等しいと判断した場合には(S121において、YES)、大当たり遊技後の遊技状態設定処理へ移行し(S122)、大当たり遊技の遊技状態設定処理の終了後、大当たり遊技終了コマンドを送信して(S123)、リターンする。
ここで、大当たり遊技時における賞球数について説明する。大当たり遊技時における賞球数は、第一特図で大当たりした場合、理論上最高24個であり、第二特図で大当たりした場合、最高120個である。この場合、第一大入賞口23bの1Rの開放時間は0.3秒であるため、ほとんど遊技球が入賞することはない。したがって、この第一特図での大当たりは、いわゆる出球無し大当たりである。すなわち、最高24個の入賞が可能であるが、開放時間が0.3秒と非常に短いため、ほとんど賞球を得ることはできない。一方、第二特図で大当たりした場合、第二大入賞口23eの開放時間は、最大29秒である出球有り大当たりである。すなわち、最高120個の入賞をほぼ確実に得ることができる。
(H)小当たり遊技処理
次に、上記した図10中のS95における小当たり遊技処理について、説明する。図13は、小当たり遊技処理の流れを示すフローチャートである。
図13を参照して、まず、小当たり遊技開始コマンドを送信する(S131)。そして、最大ラウンド数、大入賞口の最大開放時間、および各ラウンドで許容される大入賞口への入賞の最大カウント数を設定する(S132)。この場合、最大ラウンド数として、2ラウンド、最大開放時間として0.3秒、最大カウント数として4カウントを設定する。
次に、開放回数に1、カウント数に0をそれぞれセットした後(S133、S134)、第一大入賞口開閉駆動部42aを作動して、第一大入賞口23bを開放すると共に、開放時間の計測を開始する(S135)。
第一大入賞口23bの開放中には、第一大入賞口入賞センサ41dが入賞を検知したか否かを判断する(S136)。ここで、入賞があったと判断した場合には(S136において、YES)、カウント数に1加算する(S137)。そして、カウント数が最大カウント数以上となったか否かを判断する(S138)。カウント数が最大カウント数以上となったと判断した場合(S138において、YES)、第一大入賞口開閉駆動部42aを作動して、第一大入賞口23bを閉塞する(S145)。一方、入賞がないと判断した場合(S136において、NO)、およびカウント数が最大カウント数以上となっていないと判断した場合(S138において、NO)、第一大入賞口23bを開放後、開放時間が経過したか否かを判断する(S139)。開放時間が経過したと判断した場合(S139において、YES)、第一大入賞口開閉駆動部42aを作動して第一大入賞口23bを閉塞する(S140)。開放時間が経過していないと判断した場合(S139において、NO)には、S136へ戻る。
第一大入賞口23bを閉塞した後、開放回数が最大開放回数に等しいか否かを判断する(S141)。開放回数が最大開放回数に等しくないと判断した場合には(S141において、NO)、開放回数に1を加算して(S143)、インターバル時間が経過したか否かを判断する(S144)。インターバル時間が経過したと判断した場合には(S144において、YES)、S134へ戻る。開放回数が最大開放回数に等しいと判断した場合には(S141において、YES)、小当たり遊技終了コマンドを送信して(S142)、リターンする。
ここで、小当たり遊技時における第一大入賞口23bの開放態様について説明すると、第一特図で大当たりしたときの開放態様と全く同じである。また、小当たり遊技時における賞球数はほとんどなく、ほとんど賞球を得ることができないものである。
(I)大当たり遊技後の遊技状態設定処理
大当たり遊技後においては、大当たり種別および大当たり時の遊技モードに応じて、大当たり遊技後の時短回数の設定がなされる。具体的には、以下のように設定される。
まず、第一特図の場合について説明する。遊技モードが第一遊技モード(低確率、非時短遊技モード)である場合において、大当たり種別が1、2、および3のいずれの場合においても、時短回数を0回とする。遊技モードが第二遊技モード(高確率、非時短遊技モード)である場合、大当たり種別が1および3の場合においては、時短回数を0回とする。一方、第二遊技モードにおいて、大当たり種別が2の場合、時短回数を99回とする。この第二遊技モードにおいて大当たり種別が2となる場合は、非時短遊技モードから時短遊技モードとなる場合である。
遊技モードが第三遊技モード(低確率、時短遊技モード)である場合において、大当たり種別が1および2の場合、時短回数は99回であり、大当たり種別が3の場合は、時短回数は次回までとする。遊技モードが第四遊技モード(高確率、時短遊技モード)である場合において、大当たり種別が1および2の場合、時短回数は99回であり、大当たり種別が3の場合は、時短回数は次回までとする。なお、第三および第四遊技モードにおいては、第二特図に係る大当たり抽選が主に行なわれるため、第三および第四遊技モードについて設定された時短回数が適用される可能性はほとんどない。すなわち、ほとんどの場合で、時短回数0回が設定される。
次に、第二特図の場合について説明する。第一および第二遊技モードにおいて、大当たり種別が4および5の場合は、時短回数は99回であり、大当たり種別が6の場合は、時短回数は次回までとする。第三遊技モードにおいて、大当たり種別が4、および5の場合、時短回数は99回であり、大当たり種別が6の場合は、時短回数は次回までとする。第四遊技モードにおいて、大当たり種別が4の場合は、時短回数は99回であり、大当たり種別が5の場合は、時短回数は11回であり、大当たり種別が6の場合は、時短回数は次回までとする。この第四遊技モードにおいて大当たり種別が5となる場合は、時短遊技モードから非時短遊技モードへ転落する可能性がある場合である。なお、第一および第二遊技モードにおいて、第二特図で大当たりすることはほとんどないため、第一および第二遊技モードについて設定された時短回数が適用される可能性はほとんどない。
すなわち、時短遊技モードに含まれる第三および第四遊技モードにおいては、時短遊技モード中に再度大当たりを引き当てる時短引戻し確率として、時短回数が次回までである100%または時短回数が99回である略100%となる第一振分確率、または時短引戻し確率として時短回数が11回である100%から大きく下回る第二振分確率のいずれかとなるよう、時短遊技モードの終了条件が設定される。そして、時短遊技モード終了条件において、第一振分確率を、第二振分確率よりも極めて大きくしている。
次に、副制御部32bでの制御について説明する。
(J)第一特図に係る副制御部での制御
第一特図に係る大当たりにおいて、第二遊技モード中に大当たりが発生し、さらに、大当たり種別抽選において大当たり種別が2である場合には、非時短遊技モードから時短遊技モードへの移行となる。この場合、第一飾り図柄の組合せにおいて、特定の第一出目としての「33」または「77」を出現させる。
また、上記以外の第一特図に係る大当たりまたは小当たりが発生すると、第一飾り図柄において、特殊出目を発生させる。ここで、特定の第二出目としての特殊出目とは、「3○」(○は3以外の0〜9までの数値または絵柄)、または「7△」(△は7以外の0〜9までの数値または絵柄)である。この場合、特殊な効果音を特殊出目の出現と同時に発生させてもよい。
一方、第一特図に係る抽選において外れの場合には、「33」および「77」以外の出目を出現させる。ここで、外れ時においても、遊技モードに応じた所定の確率で、特殊出目、すなわち、「3○」および「7△」を出現させる。具体的には、大当たりにより第一遊技モードから第二遊技モードへ移行する場合、特殊出目の出現確率が0%、100%、および50%の3つのモードのうち、それぞれの振分確率を1%、1%、98%とした振分を行なう。一方、大当たりにより第二遊技モードから第一遊技モードへ移行する場合、特殊出目の出現確率が50%、10%の2つのモードのうち、それぞれの振分確率を25%、75%とした振分を行なう。そして、これらの確率に基づき特殊出目の出現確率を振分け、特殊出目を出現させる。すなわち、小当たり抽選手段に当選した場合、および第一大当たり抽選手段により大当たりに当選し、かつ、大当たり遊技後に時短遊技モードに移行しない場合に、第一出現確率により、特定の第一飾り図柄の組合せの一部と同じ第一飾り図柄を表示し、第一大当たり抽選手段により抽選に外れた場合に、第二出現確率で、特定の第一飾り図柄の組合せの一部と同じ図柄を表示し、第一出現確率は、第二出現確率よりも高くなるよう構成する。
こうすることにより、外れ時に特殊出目が出ない、または必ず特殊出目が出る場合は、第二遊技モードに滞在していることが確定し、遊技者がこれを認識することができる。また、特殊出目が半分ぐらいの確率で出現する場合には、第二遊技モードに滞在している可能性が高いこととなり、遊技者がこれを認識することができる。
さらに、非時短遊技モードにおいては、特殊出目の出現頻度が異なる特殊演出モードおよび通常演出モードを含むよう構成してもよい。特殊演出モードとは、特殊出目の出現頻度が4/5の割合のモードであり、通常演出モードとは、特殊出目の出現頻度が1/5の割合のモードである。第二遊技モードにおいては、特殊演出モードで第一飾り図柄を表示する。一方、第一遊技モードにおいては、小当たりに当選したことを契機に特殊演出モードと通常演出モードとを所定の確率、例えば1/2の確率で行き来させる。すなわち、小当たりに当選すれば、演出モード移行抽選を行い、抽選に当選すれば特殊演出モードと通常演出モードとの間で演出モードを移行させる。
こうすることにより、実際には第一遊技モードに滞在している場合でも、小当たりの当選、および演出モード移行抽選の当選により、特殊出目の出現する確率が高い特殊演出モードに移行する可能性があるため、第一遊技モードおよび第二遊技モードのいずれの遊技モードに滞在しているかが分かりにくくなり、遊技の止め時を不明確として、稼働率の向上を図ることができる。すなわち、遊技継続に対するモチベーションを維持させることができる。
(K)第二特図に係る副制御部での制御
第二特図に係る大当たりにおいて、第四遊技モード中の大当たり遊技終了後、大当たり種別が5の場合、時短回数が11回と時短遊技モード継続率が100%を大きく下回る時短終了条件を設定する。この場合、第二飾り図柄の組合せにおいて、「111」または「555」を出現させる。
上記以外の第二特図に係る大当たりが発生すると、時短回数が99回または次回までと略100%または100%の時短遊技モードが設定される。この場合、第二飾り図柄の組合せにおいて、「111」、「333」、「555」、「777」のいずれかを出現させる。この場合、第二飾り図柄の組合せにおいて、その一部が同じとなる。具体的には、「111」および「555」が同じである。すなわち、第二大当たり抽選手段により大当たりに当選し、かつ、時短遊技モード終了条件が第一振分確率の場合に、第二飾り図柄に係る特定の複数の第二飾り図柄の組合せのうちの一部と同じ第二飾り図柄を表示する。
一方、外れの場合、上記以外、すなわち、「111」、「333」、「555」、「777」以外の出目を出現させる。
これにより、遊技者は、大当たり時において、「333」または「777」が出現した場合には、時短遊技モードが継続中の状態であり、「111」または「555」が出現した場合には、時短遊技モードが終了するかもしれない状態であると認識することができる。したがって、上記したような出目の出現態様を採ることにより、大当たり後に付与される時短回数の多少に関する時短遊技モード継続の期待度を報知することができる。
(L)遊技方法
次に、遊技方法について遊技モードの移行状態等と共に説明する。図14は、遊技モードの移行状態を示す図である。RAMをクリアしつつ電源をオンにした状態が「第一遊技モード」となる。この第一遊技モードは、大当たり確率が低確率であり、非時短状態である。このとき、遊技者は、第一始動口23aに入賞させるべく、遊技球を発射する。第二始動口23dはほとんど開くことがないため、実質上入賞は困難である。つまり、大当たりは第一特図で発生し、第二特図ではほとんど発生しない。
第一始動口23aに入賞すると、上記した大当たり抽選を行なう。ここで、大当たりに当選したか否か、および小当たりに当選したか否かを判断する。この場合、約1/10の確率で大当たり、約1/10の確率で小当たりとなる。
大当たりまたは小当たりに当選したときは、特殊出目が出現する。特殊出目が出現したときは、外れ、大当たり、および小当たりのうちのいずれかである。大当たりおよび小当たりの場合は、0.3秒×2回の第一大入賞口23bの開放がある。この第一遊技モードでは、大当たり遊技時と小当たり遊技時の第一大入賞口23bの開放態様が同じであるため、表面上は、大当たりであるか小当たりであるかの区別はつかない。厳密にいうと、特図から判断することは不可能ではないが、非常に困難である。一方、外れのときは、第一大入賞口23bは閉塞したままであり、モード移行は行なわれない。特殊出目が出現したとしても、第一大入賞口23bが閉塞したままの状態であると、遊技者は外れであると認識する。
大当たりの場合において、大当たり種別の振分確率が6/8で大当たり種別が1となり、振分確率が1/8で大当たり種別が2となる。この場合、通常大当たりとなり、第一遊技モードにそのまま滞在する(図14中の矢印A1)。すなわち、合計7/8の振分割合で、第一遊技モードに滞在する。大当たり種別の振分確率が1/8である大当たり種別3の場合、第二遊技モードへの移行がある。一方、小当たりの場合、モード移行は行なわれない。すなわち、遊技者は、第一飾り図柄が「3○」または「7○」であり、0.3秒×2回の第一大入賞口23bの開放があると、遊技球の賞球を得ることはできないが、この開放は大当たり種別3に係る大当たりであって、所定の確率で時短遊技モードへの移行する第二遊技モードへ移行している可能性があると期待する。
第一遊技モードで、振分確率が1/8である大当たり種別が3となった場合に、大当たり遊技終了後、第二遊技モードに移行する(図14中の矢印A2)。第二遊技モードでも非時短遊技モードなので、第一特図に係る第一始動口23aへの入賞を狙う。第一始動口23aに入賞すると、上記した大当たり抽選を行なう。
ここで、大当たりした際、6/8の振分確率で大当たり種別が1となり、通常大当たりとなって、大当たり遊技終了後、第一遊技モードに転落する(図14中の矢印A3)。1/8の振分確率で大当たり種別が3となり、確変大当たりとなって、大当たり遊技終了後、再び第二遊技モードに滞在する(図14中の矢印A4)。
一方、1/8の振分確率で大当たり種別が2となり、大当たり遊技終了後、利益遊技モードである第三遊技モードに移行する(図14中の矢印A5)。この場合、第一飾り図柄に「33」または「77」が出現する。ここで、0.3秒×2回の第一大入賞口23bの開放があるが、この第一大入賞口23bへの入賞は困難である。しかし、時短遊技モードである利益遊技モードに移行しており、大当たり遊技後は、右打ちにより、上記したように持球をほとんど消化することなく、かつ、第二始動口23dの頻繁な開放等に起因する第二大入賞口23eへの入賞により、多くの賞球を得ることができる。遊技者は、これを期待する。なお、この大当たりとなれば、遊技情報表示部22cにおいて、右打ちを示唆する「右方向矢印」の誘導表示を行なう。また、この場合、時短回数表示部22dにおいて、時短残回数を表示する。
第二遊技モードでの時短遊技モードに移行する期待値は、大当たり確率約1/10×大当たり種別2の振分確率1/8=約1/80である。すなわち、この場合において、第二遊技モードから時短遊技モードへ移行する移行確率は約1/80であり、大当たり確率約1/10よりも低く構成されている。もちろん、第一遊技モードに滞在している場合には、直接時短遊技モードへ移行することはない、すなわち、移行確率は0であるため、非時短遊技モードから時短遊技モードへ移行する移行確率は、大当たり確率約1/10よりも低く構成されている。遊技の多くの時間は、低確率であっても高確率であっても大当たり確率は約1/10と非常に高い状態での遊技となり、第一遊技モードと第二遊技モードとを行き来することになる。
第三遊技モードは、第二遊技モードで大当たり種別2に当選したときに、大当たり遊技終了後、移行する遊技者利益遊技モード(低確率、時短)である。この第三遊技モードは、時短遊技モードであるため、いわゆる右打ちして、第二特図に係る第二始動口23dに入賞させることにより、持球を減らすことなく、大当たりに当選する遊技モードである。大当たりは通常の出球有り大当たりである(但し、2R)。第二始動口23dに入賞すると、上記した第二特図に係る大当たり抽選を行なう。ここで、大当たりしたか否かを判断する。低確率、時短遊技状態である第三遊技モードは、大当たりしたとき、70/80の振分確率で、大当たり種別4が選択され、大当たり遊技終了後、通常大当たり状態を継続する。そして、時短遊技モード終了条件として、時短回数99回が設定される。この場合、時短回数99回の間にほとんど大当たりに当選する(図14中の矢印A6)。
一方、5/80の振分確率で大当たり種別5となり、確変大当たりとなって、大当たり遊技終了後、第四遊技モードに移行する(図14中の矢印A7)。この場合も、時短遊技モード終了条件として、時短回数99回が設定される。また、5/80の振分確率で、大当たり種別6となり、確変大当たりとなって、大当たり遊技終了後、第四遊技モードに移行する。この場合、設定された時短遊技モード終了条件により、次回大当たりまで時短遊技が継続する(図14中の矢印A7)。
高確、時短遊技状態である第四遊技モードにおいて、大当たりした場合、70/80の振分確率で大当たり種別4となり、大当たり遊技終了後、通常(低確)遊技モードへ移行し、時短遊技モード修了条件として時短99回が設定される。つまり、第三遊技モードに移行する(図14中の矢印A9)が、ほとんどの場合、時短99回の間に大当たりになる。また、5/80の振分確率で大当たり種別6となり、確変大当たりとなって、大当たり遊技終了後、再び第四遊技モードに滞在する(図14中の矢印A10)。この場合、時短遊技モード終了条件として、次回までの時短がセットされる。すなわち、再び大当たりに当選するまで、第四遊技モードに滞在する。
一方、5/80の振分確率で大当たり種別5となり、大当たり遊技終了後、再び第四遊技モードに滞在する(図14中の矢印A10)。そして、時短遊技モード終了条件として、時短回数11回がセットされる。時短回数が11回なので、この時短11回内に大当たりしないとき、すなわち、時短11回をスルーしたときは、第二遊技モードに転落する(図14中の矢印A8)。一方、時短回数11回内で大当たりしたときは、第四遊技モードに滞在する。
ここで、第二飾り図柄表示部22bに表示される大当たりに係る第二飾り図柄として、大当たりに係る第二飾り図柄の組合せについては、「111」、「333」、「555」、および「777」の4つの態様がある。すなわち、外れの場合は、上記以外の数字や記号の図柄の組合せが表示される。そして、時短遊技モード終了条件が時短回数99回、または次回までの時短の場合、上記4つの大当たりに係る組合せのうち、「333」または「777」が選択される。一方、時短遊技モード終了条件が時短回数11回の場合、上記4つの組合せのうちのいずれか一つが選択される。
遊技者は、大当たりに係る第二飾り図柄が「111」または「555」のときは、11回時短、99回時短、および次回までの時短のうちのいずれかであると認識する。一方、「333」または「777」のときは、99回時短または次回までの時短であると認識する。
ここで、利益遊技モードに一旦突入したときの時短遊技モードの継続確率は約98%であり、約2%の確率で非時短遊技モードである第二遊技モードに転落する。これについては、図14中の矢印A11において、第二特図で大当たり後の時短遊技モード終了条件で設定された時短内での大当たり(98%)でループすることで図示している。すなわち、この場合において、時短遊技モードから非時短遊技モードへ移行する移行確率、すなわち転落確率は、2%であり、大当たり確率約1/10、すなわち約10%よりも低く構成されている。
11回転の時短が選択されたときに、11回転以内に大当たりしなかったときは、時短遊技モードが終了し、非時短遊技モードに含まれる第二遊技モードへ移行する。このとき、大当たりに当選する直前まで右打ちを実行しているために、第二特図の保留球がある場合がほとんどである。その保留球は、第二特図の保留球であるが、一旦連荘が終了したことを明確にするために、第一飾り図柄で行なう。要するに、時短遊技モード中は第二飾り図柄を使用し、非時短遊技モード中は第一飾り図柄を使用するということである。このような演出を実行することにより、保留球で再び大当たりした場合、遊技者の感覚として、一旦連荘が終了しても、すぐにまた連荘が始まることとなり、スピーディな演出をすることができる。
なお、時短終了時の第二特図の保留数と引戻し率、すなわち、再び利益遊技モードに移行する確率については、保留数が1個の場合、引戻し率は10%、保留数が2個の場合、引戻し率は19%、保留数が3個の場合、引戻し率は27%、保留数が4個の場合、引戻し率は34%となっている。ここで、第二特図の保留数は最大、すなわち、4個となっている場合がほとんどであるため、34%の確率で保留による引き戻しが行なわれる。
時短遊技モード突入後の時短回数による大当たり引戻しは、時短回数が99回のときは、ほぼ100%時短内に大当たりするが、時短回数が11回のときは、時短内に大当たりする期待値は、約68.6%である。
上記したように、第一始動口23aへの入賞によって大当たりを引き当てたとしても、すなわち、第一特図表示装置26aに大当たり図柄が表示されても、大当たり遊技中にほとんど出球が得られないため、出球を得るためには、第二始動口23dへの入賞により大当たりを引き当てなくてはならない。すなわち、第二特図表示装置26bに大当たり図柄を表示させなくてはならない。しかしながら、第二始動口23dが開放状態となることがほとんどない非時短遊技モード時には、第二始動口23dへ入賞させること自体が困難であるため、まずは、第一始動口23aへの入賞によって大当たりを引き当て、第二始動口23dへの入賞が容易となる時短遊技モードへ移行させる必要がある。
また、非時短遊技モードから時短遊技モードへ移行した場合には、第二始動口23dへの入賞が非時短遊技モードに比べて容易となり、頻繁な第二始動口23dへの入賞により得られる多くの賞球によって、持球の減少が抑制させるばかりでなく、時短遊技モード中に第二特図表示装置26bに大当たり図柄が表示されたときは大当たり遊技にて出球が得られると共に、大当たり遊技後も時短遊技モードが継続する。また、この際、時短終了条件は、次回大当たりまでという100%、あるいは時短中引戻し率が略100%となるように、極めて高い第一振分確率で設定されるため、時短遊技モード中の大当たり、出球のある大当たり遊技、再度時短遊技モードへ移行という一連の流れが繰り返される可能性が極めて高い。
さらにまた、時短遊技モード中に第二特図表示装置26bに大当たり図柄が表示されたにも拘らず、大当たり遊技後、時短中引戻し率が100%を大きく下回るような時短終了条件が設定される場合も第二振分確率という低い確率であるが、この場合にも、時短遊技中に第二特図表示装置26bに大当たり図柄を表示させることができれば、時短中引戻し率が100%または略100%となる図柄終了条件が設定される確率が高いため、遊技者の遊技継続に対するモチベーションを維持させることができる。
以上のように、この発明に係るパチンコ遊技機は、遊技者に有利な時短遊技モードへの移行確率および時短遊技モード継続確率を制御することにより、出球性能を制御することが可能になる。このため、大当たり確率を任意に設定することが可能となり、この結果、遊技機設計の自由度が向上する。したがって、大当たり確率を高く設定することも可能であり、これにより、従来のマックスタイプのパチンコ遊技機に比べて、大当たりを引き当てるまでの外れの連続回数を大幅に短縮することが可能となるばかりでなく、上記した時短遊技モードへの移行確率を極めて低く設定すると共に、時短遊技モード継続確率を時短遊技モードから遊技者に不利な非時短遊技モードへ転落する転落確率に比べて極めて低く設定することにより、従来のマックスタイプのパチンコ遊技機と同等の出球性能を有するパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技状態が遊技者に不利な不利益遊技モードに滞在している場合において、遊技者に有利な利益遊技モードに移行する可能性のない第一遊技モードに滞在しているときも、遊技者に有利な利益遊技モードに移行する可能性のある第二遊技モードに滞在しているときと同じ演出が実行されるので、遊技者は止め時を判断し難くなる。また、利益遊技モードから不利益遊技モードへ移行する場合も、一旦遊技者に有利な利益遊技モードに移行する可能性のある第二遊技モードに移行するので、止め時が明確にならない。したがって、遊技機の稼働率を向上することができる。
また、一般のパチンコ遊技機では、本遊技時の利益遊技モードに相当する連荘モードから転落したときが遊技の止め時になるのであるが、本遊技機では、時短遊技モードから転落しても、再び時短遊技モードへ移行する可能性のある第二遊技モードへ移行するので、止め時が明確ではなく、遊技機の稼働率が向上するという効果を奏する。
(M)演出
利益遊技モードに突入すれば、継続率は98%なので、多くの連荘を実現することができる。ここで、連荘回数の増加に応じて、例えば、警告灯22eの色を青色、緑色、橙色、紫色、白色、虹色というように変更するようにしてもよい。
また、利益遊技モード滞在中に、第四遊技モードで大当たり種別5を引き当てた場合、大当たり遊技終了後、時短回数が11回となるよう時短遊技モード終了条件が設定され、この場合、例えば、警告灯22eにおいて、赤色を表示すると共に、スピーカ19a、19bから特異な効果音を発するようにするようにしてもよい。
なお、時短回数と特図の変動時間および停止時間の関係については、例えば、時短回数が11回の場合には、変動時間は4秒、停止時間は2.0秒とし、時短回数が99回、または時短回数が次回まで続く場合には、変動時間は1秒、停止時間は、0.5秒とするよう構成してもよい。時短回数11回のときは、利益遊技モードから不利益遊技モードへの転落の危機なので、特図の変動時間および停止時間を長くした演出を実行するようにしてもよい。
(N)他の実施例
なお、パチンコ遊技機の初期状態において、遊技者が有利な利益遊技モードへの移行を容易にするような構成としてもよい。図15は、この場合における大当たり種別と大当たり遊技後に設定される時短回数との関係を示す表である。図16は、この場合におけるパチンコ遊技機のモード移行状態を示す図である。図15は、上記した図11に対応し、図16は、上記した図14に対応する。図15および図16を参照して、上記した図11および図14との大きな相違は、低確率モードと高確率モードとが入れ替わっている点である。すなわち、第一遊技モードと第二遊技モードとが入れ替わり、第三遊技モードと第四遊技モードとが入れ替わっている構成である。この場合、いわゆる低確率モードから高確率モードへ転落するという考えになる。その他の構成の説明については、省略する。こうすることにより、パチンコ遊技機の立上げ時から、いきなり利益遊技モードへの移行が可能となり、いわゆるモーニング機能の搭載を実現することができる。
また、上記の実施の形態においては、非時短遊技モードから時短遊技モードに直接移行することはないが、本パチンコ遊技機は、一度時短遊技モードに移行すると長く滞在可能であるスペックとなっているため、その一方で、なかなか非時短遊技モードから抜けることはできない。よって、確率は低いものの、非時短遊技モードに含まれる第一遊技モードでの大当たり遊技終了後、直接時短遊技モードに移行することが可能となるよう構成してもよい。
ここで、確率変動の抽選を、特別図柄とは別の専用の乱数で行なうよう構成してもよい。すなわち、第一および第二大当たり抽選手段に係る大当たり抽選と、第一および第二飾り図柄表示部に表示させる第一および第二飾り図柄の組合せの抽選とは、異なるよう構成する。こうすることにより、大当たり後に移行する遊技状態の判別が、特図の態様によっても不可能となるため、より一層止め時が不明となると共に、特殊出目の表示頻度によって遊技状態を判別しようと遊技に熱中することになり、パチンコ遊技機の稼働率が向上する。
なお、上記の実施の形態において、第一飾り図柄表示部および第二飾り図柄表示部を別途設けることとしたが、これに限らず、一つの飾り図柄表示部を兼用してもよい。
また、上記した抽選手段による大当たりの確率や遊技モードの移行確率については、出球状況や障害釘の配置状況、要求される遊技性等に応じて、任意に変更可能である。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。