JP2019170652A - 消火装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示された消火装置の消火ノズルは、遠方まで放水する遠投ヘッド、中距離まで放水する中投ヘッド及び近距離に放水する近投ヘッドの3つのヘッドが設けられて、火源位置が決定されると3つ全てのヘッドから放水するというものである。
これに対して、放水ノズルと火災検知センサが一つの筐体内に収納されるものではないが、例えば特許文献2には、火源の距離に応じて放水ノズルの俯仰角度を調整することで、火源方向の放水領域を所定の区画に限定するいわゆる区画放水式の消火装置が開示されている。
他方、特許文献2のものでは、火源方向で無駄な放水を少なくすることはできても、放水ノズルの俯仰角度を変えるための機構が複雑であり、装置自体が大型化し、また、放水ノズルの真下や放水ノズルの背面側に向けて放水することは困難であるという課題もある。
前記火源の位置に応じて前記放水ノズルの放水軌道に進入し、放水距離および放水方向を変更するデフレクタを備え、
該デフレクタは、前記筐体が設置されている位置の下方や該下方よりも後方側にも放水をガイド可能なガイド部を有することを特徴とするものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
筐体3は、前面に開口部11を有し、開口部11には図示しない扉体が設けられている。
筐体3内には、主な機器として放水ノズル5、火災検知センサ7、及び制御部13が収納されている。
放水ノズル5は、旋回用モータ15によって旋回する旋回軸17に取り付けられ、旋回軸17を中心にして旋回可能に設けられ、火災時には開口部11から露出して消火水を火源に対して放水する。
旋回角度や停止位置は図示しないエンコーダの情報によって旋回用モータ15を制御部13で制御することによって行われる。
なお、本実施の形態では、放水ノズル5の俯仰角度を変更することはできないが、それに代えてデフレクタ9によって区画放水を行うものである。
火災検知センサ7は、熱源を検知する機能と、炎を検知する機能を有することが好ましく、この点では、赤外線リニアセンサと炎感知器の2つのセンサがそれぞれ別の防水の箱体に収納されたようなものでもよい。
もっとも、本実施の形態では、熱源を検知する機能と炎を検知する機能を、一つの防水箱体内に収納した例を示している。
デフレクタ9は、火源の位置に応じて放水ノズル5の放水軌道に進入し、放水距離および放水方向を変更する機能を有するものである。
本実施の形態では、デフレクタ9は放水ノズル5に後述する駆動機構23を介して取り付けられて、駆動機構23によって駆動され、図1の破線で示すように、放水軌道から外れた状態、放水軌道の一部に進入した状態、放水軌道の全てを塞ぐ位置に進入した状態まで無段階で移動することができる。
図2は、衝突板19を取付部材21に取り付けた状態の斜視図、図3は取付部材21を横倒しにして下面側から見た状態の図、図4は衝突板19の斜視図である。
なお、駆動機構23を駆動する駆動用モータ45は、放水ノズル5と同様に制御部13によって制御される。
まず、図2〜図4に基づいて、取付部材21と衝突板19について説明する。
取付部材21は、衝突板19を取り付ける機能を有するものであり、図2、3に示すように、軸方向直交断面がコ字状の溝形状をしており、放水ノズル5の先端部の両側を上方から覆うことができるようになっている。
取付部材21の先端部の側壁には、外側に広がるように形成された拡幅部25が設けられ、衝突板19を取付易くすると共に、放水ノズル5から放水される消火水をガイドし、散水範囲を広げている。
また、取付部材21の先端部の天板から下方に向けて延出して、衝突板19を支持する支持部材27が設けられている。支持部材27は、衝突板19の背面側から放水圧力が作用した際に、衝突板19の前面側に当接して、衝突板19をその前面側から支持する。
衝突板19は、図4に示すように、全体形状が略矩形状で、取付部材21の前端開口を覆うことができる形状になっている。
衝突板19は、矩形状の衝突面部29と、その両側に後方に向けて折曲形成された側壁部31と、衝突面部29の下部の中央に後方側に向けて折曲形成された第1ガイド面部33と、第1ガイド面部33の両側に、前方側斜め下方に向けて折曲形成された一対の第2ガイド面部35と、各第2ガイド面部35に後方側斜め下方向に向けて延出するように取り付けられたガイド棒37とを有している。
これら、第1ガイド面部33(板状体に相当)、第2ガイド面部35及びガイド棒37(棒状体に相当)が本発明における放水を真下及び/又は後方側にガイド可能するガイド部に相当する。
縦スリット39の両側には、衝突面部29の両側端から中央に向けて延出する横スリット41が設けられ、横スリット41の内側端には上方に向けて伸びる短スリット43が設けられている。即ち、横スリット41は、縦スリット39を挟んで両側に設けられて横方向に延出するものである。
図5は、取付部材21に取り付けられた衝突板19が放水軌道をほぼ完全に塞ぐように進入した状態で、放水ノズル5からの放水が衝突板19に衝突している状態を示し、図中の白抜き矢印が水の流れの方向を示している。
また、縦スリット39の両側の横スリット41を通過する放水は、放水距離は期待していないが、縦スリット39を通過した放水の両側において、火源の近傍に散水し、また水量を補助する役割をする。
また、第2ガイド面部35では、ガイド棒37によって後方にガイドされるものと、第2ガイド面部35によって真下、真下よりも前方側にガイドされるものがあり、これらによって、後方側、ほぼ真下、さらには真下よりも少し前方側に放水がガイドされる。
駆動機構23は、取付部材21を支持して、図1の破線で示すように、取付部材21の先端側、すなわち衝突板19が放水ノズル5側を中心として円弧を描くように駆動するものである。
駆動機構23は、駆動用モータ45からの駆動力を受ける第1リンク47、第1リンク47に第1連結部材49を介して連結された第2リンク51、第2リンク51に第2連結部材53を介して連結された第3リンク55、第3リンク55に第3連結部材57を介して連結された第4リンク59を備えている。
第1リンク47〜第4リンク59は、それぞれの回転中心O1〜O4を中心に回転可能に支持部に取り付けられている。
このように、本実施の形態の駆動機構23によれば、第1リンク47の小さい動きを増幅して第4リンク59に伝達できるので、駆動用モータ45を駆動距離がわずかなものにすることができ、駆動用モータ45を小型化することができる。
なお、駆動機構23のリンクの数は4つに限られず、またリンクの数が奇数の場合(例えば、第1リンク47を削除した場合)には、矢印a、bと矢印A、Bの関係は入れ替わる。
火災によって火災信号が制御部13に送出されると、制御部13は、旋回用モータ15を起動させて、火災検知センサ7による熱源の探査を開始する。熱源が探査できると、次に、制御部13は、その場で炎検知機能によって火源確認させる。火災検知センサ7が火源を捉えると、火災信号を制御部13に出力して火源確定される。
また、火源の位置が中程度の距離の場合には、上述したように、衝突板19が放水軌道の半分くらいを覆うようにデフレクタ9を放水軌道に進入させて放水を行う。
さらに、火源の位置が近く、また放水ノズル5の真下や後方にあるような場合には、上述したように、衝突板19が放水軌道の全部を覆うようにデフレクタ9を放水軌道に進入させて放水を行う。この場合には、放水ノズル5の真下や後方まで放水することができる。
・遠投
放水パターン;ソリッド、衝突板の進入度合い;退避
・中投
放水パターン;ソリッド、衝突板の進入度合い;若干放水軌道に入り込む
・近投
放水パターン;ソリッド、衝突板の進入度合い:完全に放水軌道に入り込む
このパターンは、放水形状の変化を完全に衝突板19に依存するものである。
・遠投
放水パターン;ソリッド、衝突板の進入度合い;退避
・中投
放水パターン;ソリッドとフルコーンの中間程度のコーン状、衝突板の進入度合い:若干放水に入り込む
なお、放水パターンがフルコーンの場合には、衝突板を退避させてもよい場合がある。
・近投
放水パターン;フルコーン、衝突板の進入度合い:完全に放水軌道に入り込む
ソリッドが最も射程距離が稼げ、コーン状にしていくほど射程距離が落ちつつ拡散するため、射程と放水範囲の兼ね合いから上記のように放水パターンと衝突板の位置を適宜組み合わせるようにすることで、より適切な区画放水を行うことができる。
3 筐体
5 放水ノズル
7 火災検知センサ
9 デフレクタ
11 開口部
13 制御部
15 旋回用モータ
17 旋回軸
19 衝突板
21 取付部材
23 駆動機構
25 拡幅部
27 支持部材
29 衝突面部
31 側壁部
33 第1ガイド面部
35 第2ガイド面部
37 ガイド棒
39 縦スリット
41 横スリット
43 短スリット
45 駆動用モータ
47 第1リンク
49 第1連結部材
51 第2リンク
53 第2連結部材
55 第3リンク
57 第3連結部材
59 第4リンク
61 駆動部
O1〜O4 回転中心
Claims (3)
- 設置面に設置される筐体と、該筐体に設けられる放水ノズルとを備え、火災発生時、火源の位置を特定する火災検知センサで火源の位置を特定し、前記放水ノズルから前記火源に向けて放水する消火装置であって、
前記火源の位置に応じて前記放水ノズルの放水軌道に進入し、放水距離および放水方向を変更するデフレクタを備え、
該デフレクタは、前記筐体が設置されている位置の下方や該下方よりも後方側にも放水をガイド可能なガイド部を有することを特徴とする消火装置。 - 前記ガイド部は、背面側に延出する板状体及び/又は棒状体であることを特徴とする請求項1記載の消火装置。
- 前記デフレクタは、放水が衝突する衝突面部を有し、該衝突面部には、縦方向に延出する縦スリットと、該縦スリットを挟んで両側に設けられて横方向に延出する横スリットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の消火装置。
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