JP2019170245A - 山羊乳由来の粉乳とビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌とを含む組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残性が高く、より栄養組成に優れた粉乳を提供することを課題とする。【解決手段】山羊乳由来の粉乳とビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌からなる群から選択される1又は複数の細菌とを含む組成物である。前記粉乳が乳児用調製粉乳、乳幼児用調製粉乳、低出生体重児用調製粉乳、アレルギー用ミルク、病者用粉乳、特殊ミルク、成人用調製粉乳、全脂粉乳、脱脂粉乳からなる群から選択される1又は複数の粉乳であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は山羊乳由来の粉乳とビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌とを含む組成物に関する。
ビフィドバクテリウム属細菌や乳酸菌は、腸内環境改善や重症感染症、腸疾患の予防、免疫増強、発がん抑制作用、アレルギー予防等様々な有用な効果があることが知られており、人の健康に大きく寄与している。特にビフィドバクテリウム属細菌は乳児の腸内菌叢において優位に存在することが分かっており、腸疾患の予防やアレルギー予防等、乳幼児の健康に有用な効果があることが開示されている(非特許文献1)。しかし、腸内菌叢中のビフィドバクテリウム属細菌の割合は加齢とともに減少し、悪玉菌の割合が増えていく。それに伴い、アンモニアやイノシトールといった腐敗産物が増え、ガン等の疾病の原因になることが示唆されている。そのため、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌を食品やサプリメント等から継続的に摂取し、腸内菌叢のバランスを整えることが重要である。
ところで山羊乳は牛乳と比較して脂肪球が小さく、摂取した際に胃で形成されるカードが少ないことが知られており、また乳糖が少ないため、より消化しやすいことが開示されている(非特許文献3)。また、山羊乳には、乳アレルギーや炎症の主な原因となるカゼインA1やその他のアレルゲン物質が含まれず、低アレルゲンであることが知られている(非特許文献4)。さらに山羊乳はカルシウムだけでなくミネラル、ビタミン類が多く含まれ、中鎖脂肪酸の比率が高く脂肪酸組成に優れており(非特許文献5)、鉄の生体吸収効率が高い等、栄養面で優れていることが知られている(非特許文献6)。
このように、ビフィドバクテリウム属細菌等の有用性及び山羊乳の消化のしやすさや栄養価の高さから、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌と山羊乳由来の粉末とを組み合わせた成人向けカプセルタイプのサプリメントが販売されている。また、腸内菌叢の改善、アレルギー予防等を目的として、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌が添加された牛乳由来の乳児用調製粉乳、幼児用調製粉乳、アレルギー用ミルク等が数多く販売されている。
Patole他,PLoS One,第9巻,第e89511頁,2014年
Martinez他,Int.Dairy J.,第16巻,第173−181頁,2006年
Alison他,Food Chemistry,第245巻,15号、第275−281頁,2018年
E.I.El−Agamy,Small ruminant research,第68巻,第64−72頁,2007年
Y.W.Park他,Small ruminant research,第68巻,第88−113頁,2007年
Park他,J.Dairy Sci.,第69巻,10号,第2608−2615頁,1986年
ビフィドバクテリウム属細菌や乳酸菌が含まれる牛乳由来の粉乳やサプリメントが数多く販売されているが、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌の示す効果が長期間維持され、より栄養組成に優れ、消化しやすく、人の健康に寄与する粉乳の開発が求められていた。また、ビフィドバクテリウム属細菌を山羊乳由来の粉乳に添加した粉乳は従来知られていなかった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであって、ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残性が高く、栄養組成に優れた粉乳を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ビフィドバクテリウム属細菌と山羊乳由来の粉乳とを混合することで、ビフィドバクテリウム属細菌の生残性が高く、栄養組成に優れた粉乳を得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、前記課題を解決する本発明は、山羊乳由来の粉乳と、ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌からなる群から選択される1又は複数の細菌とを含む、組成物である。
前記粉乳が乳児用調製粉乳、乳幼児用調製粉乳、低出生体重児用調製粉乳、アレルギー用ミルク、病者用粉乳、特殊ミルク、成人用調製粉乳、全脂粉乳、脱脂粉乳からなる群から選択される1又は複数の粉乳であることが好ましい。
前記細菌が細菌及び/又はその培養物であることが好ましい。
前記細菌及び/又はその培養物が濃縮物、噴霧乾燥物、凍結真空乾燥物、加熱殺菌物からなる群から選択されるいずれかの形態で調製されるものであることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス、及びビフィドバクテリウム・ビフィダムからなる群から選択される1又は複数のビフィドバクテリウム属細菌であることが好ましい。
前記乳酸菌がラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトコッカス・クレモリス、ストレプトコッカス・サーモフィラスからなる群から選択される1又は複数の乳酸菌であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ブレーベがビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ブレーベがビフィドバクテリウム・ブレーベ FERM BP−11175であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムがビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスがビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP−02623であることが好ましい。
前記組成物が水分活性0.3以下の組成物であることが好ましい。
前記組成物が前記細菌を1.0×103〜1.0×1011CFU/g含有する組成物であることが好ましい。
前記細菌が細菌及び/又はその培養物であることが好ましい。
前記細菌及び/又はその培養物が濃縮物、噴霧乾燥物、凍結真空乾燥物、加熱殺菌物からなる群から選択されるいずれかの形態で調製されるものであることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス、及びビフィドバクテリウム・ビフィダムからなる群から選択される1又は複数のビフィドバクテリウム属細菌であることが好ましい。
前記乳酸菌がラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトコッカス・クレモリス、ストレプトコッカス・サーモフィラスからなる群から選択される1又は複数の乳酸菌であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ブレーベがビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ブレーベがビフィドバクテリウム・ブレーベ FERM BP−11175であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムがビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621であることが好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスがビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP−02623であることが好ましい。
前記組成物が水分活性0.3以下の組成物であることが好ましい。
前記組成物が前記細菌を1.0×103〜1.0×1011CFU/g含有する組成物であることが好ましい。
本発明によれば、ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残性が高く、栄養組成に優れた粉乳を提供することが可能である。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明は、山羊乳由来の粉乳とビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌からなる群から選択される1又は複数の細菌とを含む、組成物である。
本明細書において「ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残性が高い」とは、本発明に係る組成物を45℃1週間の条件で保存した場合のビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残率が70%以上であることを意味する。生残率とは、保存前の組成物の含有する生菌数に対する保存後の組成物の含有する生菌数の割合(%)を意味する。
本明細書において、ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の細菌数はCFU/gで表す。CFUとはColony Forming Unit(コロニー形成単位)であり、CFU/gとは、試料1gあたりのコロニー形成単位数を意味する。
本発明は、山羊乳由来の粉乳とビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌からなる群から選択される1又は複数の細菌とを含む、組成物である。
本明細書において「ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残性が高い」とは、本発明に係る組成物を45℃1週間の条件で保存した場合のビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残率が70%以上であることを意味する。生残率とは、保存前の組成物の含有する生菌数に対する保存後の組成物の含有する生菌数の割合(%)を意味する。
本明細書において、ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の細菌数はCFU/gで表す。CFUとはColony Forming Unit(コロニー形成単位)であり、CFU/gとは、試料1gあたりのコロニー形成単位数を意味する。
山羊乳由来の粉乳は、山羊乳からほとんどすべての水分を除去して粉末状に乾燥したものである。
山羊乳由来の粉乳は、乳児用調製粉乳、乳幼児用調製粉乳、低出生体重児用調製粉乳、アレルギー用ミルク、病者用粉乳、特殊ミルク、成人用調製粉乳、全脂粉乳、脱脂粉乳等を用いることが可能である。これらの粉乳を用いることで、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌の生残性の高い調製粉乳等を得ることができる。
山羊乳由来の粉乳は、乳児用調製粉乳、乳幼児用調製粉乳、低出生体重児用調製粉乳、アレルギー用ミルク、病者用粉乳、特殊ミルク、成人用調製粉乳、全脂粉乳、脱脂粉乳等を用いることが可能である。これらの粉乳を用いることで、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌の生残性の高い調製粉乳等を得ることができる。
ビフィドバクテリウム属細菌は、公知のものを適宜用いることが可能であるが、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム等を使用することが可能である。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムとしては、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621が好ましい。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスとしては、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP−02623が好ましい。ビフィドバクテリウム・ブレーベとしては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622、ビフィドバクテリウム・ブレーベ FERM BP−11175が好ましい。これらのビフィドバクテリウム属細菌を用いることで、ビフィドバクテリウム属細菌の生残性が高い組成物を得ることができる。
乳酸菌は、公知のものを適宜用いることが可能であるが、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトコッカス・クレモリス、ストレプトコッカス・サーモフィラス等を使用することが可能である。これらの乳酸菌を用いることで、乳酸菌の生残性が高い組成物を得ることができる。
前記ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌は、細菌そのものを用いることが可能であり、その培養物を用いることも可能である。細菌及びその培養物は、例えば、濃縮物、噴霧乾燥物、凍結真空乾燥物、加熱殺菌物等の形態で調製されたものを用いることが可能である。
前記ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌は、細菌そのものを用いることが可能であり、その培養物を用いることも可能である。細菌及びその培養物は、例えば、濃縮物、噴霧乾燥物、凍結真空乾燥物、加熱殺菌物等の形態で調製されたものを用いることが可能である。
本発明の組成物は前記必須の成分以外にマルトデキストリン、ラクトース、ラクチュロース等の糖類、パームオイル、サンフラワーオイル等の植物油脂、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、葉酸等のビタミン類、炭酸カルシウム、アミノ酸等を含むことが可能である。
組成物の水分活性は0.30以下が好ましく、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.20以下である。この組成物の水分活性の範囲内であれば、ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残性が高められるため好ましい。
組成物はビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌を1.0×103〜1.0×1011CFU/g含有することが可能である。この範囲のビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌を組成物中に含有することで、腸内環境を整える効果が良好に得られるため好ましい。
組成物の水分活性は0.30以下が好ましく、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.20以下である。この組成物の水分活性の範囲内であれば、ビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌の生残性が高められるため好ましい。
組成物はビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌を1.0×103〜1.0×1011CFU/g含有することが可能である。この範囲のビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌を組成物中に含有することで、腸内環境を整える効果が良好に得られるため好ましい。
本発明に係る組成物は、前記ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌を前記山羊乳由来の粉乳に添加、混合することにより製造することが可能である。ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌の山羊乳由来の粉乳に対する混合割合は、0.0001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜3質量%であることがより好ましい。この混合割合であれば、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌の生残性を高めた組成物を得ることができるため好ましい。
また、山羊乳由来の粉乳に、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌とともに糖類、植物油脂、ビタミン類等を混合することが可能である。
また、山羊乳由来の粉乳に、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌とともに糖類、植物油脂、ビタミン類等を混合することが可能である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1は山羊乳由来の乳児用調製粉乳中でのビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622の保存安定性を確認するために行った。
(1)試料の調製
ビフィドバクテリウム属細菌として、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622を用いて本発明に係る組成物を調製した。2.0×1011CFU/gの細菌濃度のビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622細菌末を山羊乳由来の乳児用調製粉乳(Holle社製)とよく混合して、後記表1の組成からなる試験試料1を調製した。また、比較として、2.0×1011CFU/gのビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622を牛乳由来の乳児用調製粉乳(森永乳業社製)とよく混合して、後記表2の組成からなるビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622を含有する比較試料2を調製した。
実施例1は山羊乳由来の乳児用調製粉乳中でのビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622の保存安定性を確認するために行った。
(1)試料の調製
ビフィドバクテリウム属細菌として、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622を用いて本発明に係る組成物を調製した。2.0×1011CFU/gの細菌濃度のビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622細菌末を山羊乳由来の乳児用調製粉乳(Holle社製)とよく混合して、後記表1の組成からなる試験試料1を調製した。また、比較として、2.0×1011CFU/gのビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622を牛乳由来の乳児用調製粉乳(森永乳業社製)とよく混合して、後記表2の組成からなるビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622を含有する比較試料2を調製した。
(2)保存試験の実施
調製後の試験試料1、比較試料2の水分活性を0.25未満とした混合物をそれぞれアルミ袋に入れて密閉し、45℃1週間、37℃1ヵ月、25℃1ヵ月、10℃1ヵ月間の条件で保存し、保存前後の生菌数を測定し、保存開始からの生残率を計算した。また保存期間中、各試料の水分活性はいずれも0.25未満であった。
調製後の試験試料1、比較試料2の水分活性を0.25未満とした混合物をそれぞれアルミ袋に入れて密閉し、45℃1週間、37℃1ヵ月、25℃1ヵ月、10℃1ヵ月間の条件で保存し、保存前後の生菌数を測定し、保存開始からの生残率を計算した。また保存期間中、各試料の水分活性はいずれも0.25未満であった。
<ビフィドバクテリウム属細菌の生菌数の測定>
ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622の生菌数は、培養法(混釈法)によって測定した。
まず、KH2PO4:4.5g、Na2HPO4:6.0g、L−システインHCL・H2O:0.5g、Tween80:0.5g、寒天:1.0g、精製水:1.0Lを混合し、懸濁用希釈液を調製した。また、二次希釈液として、0.85質量%生理食塩水を調製した。尚、各懸濁用希釈液は、その後オートクレーブにて121℃15分の条件で滅菌処理を行った。
試験試料1、比較試料2をそれぞれ5gと、懸濁用希釈液95gとを滅菌済の容器に入れ激しく攪拌し、懸濁液を調製した。次に、二次希釈液である生理食塩水を用いて、各懸濁液を適宜希釈した。調製した希釈物を、強化クロストリジア寒天培地(Reinforced clostridial medium Agar)(OXOID社製)を使用して、混釈法により37℃の温度条件で嫌気培養を行った。
3日間培養後、培地に生育したコロニー数をカウントし、各試料中の生菌数を求めた。保存前の各試料の含有する生菌数に対する保存後の各試料の含有する生菌数の割合から、生残率(%)を算出した。
ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622の生菌数は、培養法(混釈法)によって測定した。
まず、KH2PO4:4.5g、Na2HPO4:6.0g、L−システインHCL・H2O:0.5g、Tween80:0.5g、寒天:1.0g、精製水:1.0Lを混合し、懸濁用希釈液を調製した。また、二次希釈液として、0.85質量%生理食塩水を調製した。尚、各懸濁用希釈液は、その後オートクレーブにて121℃15分の条件で滅菌処理を行った。
試験試料1、比較試料2をそれぞれ5gと、懸濁用希釈液95gとを滅菌済の容器に入れ激しく攪拌し、懸濁液を調製した。次に、二次希釈液である生理食塩水を用いて、各懸濁液を適宜希釈した。調製した希釈物を、強化クロストリジア寒天培地(Reinforced clostridial medium Agar)(OXOID社製)を使用して、混釈法により37℃の温度条件で嫌気培養を行った。
3日間培養後、培地に生育したコロニー数をカウントし、各試料中の生菌数を求めた。保存前の各試料の含有する生菌数に対する保存後の各試料の含有する生菌数の割合から、生残率(%)を算出した。
(3)試験結果
試験結果を表3に示す。
表3に示すように、45℃1週間、37℃1ヶ月、25℃1ヶ月の条件で保存した場合は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622は、牛乳由来の粉乳と混合した比較試料2と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した試験試料1において長期にわたって生残することが分かった。一方、10℃1ヶ月の条件で保管した場合は、ビフィドバクテリウム属細菌の生残率は試験試料1、比較試料2で同じ94%であった。
この結果より、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622は牛乳由来の粉乳と混合した場合と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した場合において生残性が高められることが分かった。
試験結果を表3に示す。
表3に示すように、45℃1週間、37℃1ヶ月、25℃1ヶ月の条件で保存した場合は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622は、牛乳由来の粉乳と混合した比較試料2と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した試験試料1において長期にわたって生残することが分かった。一方、10℃1ヶ月の条件で保管した場合は、ビフィドバクテリウム属細菌の生残率は試験試料1、比較試料2で同じ94%であった。
この結果より、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622は牛乳由来の粉乳と混合した場合と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した場合において生残性が高められることが分かった。
<実施例2>
実施例2は山羊乳由来の乳児用調製粉乳中でのビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621の保存安定性を確認するために行った。
(1)試料の調製
ビフィドバクテリウム属細菌として、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621を用いて本発明に係る組成物を調製した。1.0×1011CFU/gの細菌濃度のビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621細菌末を山羊乳由来の乳児用調製粉乳(Holle社製)とよく混合して、後記表4の組成からなるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621を含有する試験試料3を調製した。また、比較として、1.0×1011CFU/gの細菌濃度のビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621細菌末を牛乳由来の乳児用調製粉乳(森永乳業社製)とよく混合して、後記表5の組成からなる比較試料4を調製した。
実施例2は山羊乳由来の乳児用調製粉乳中でのビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621の保存安定性を確認するために行った。
(1)試料の調製
ビフィドバクテリウム属細菌として、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621を用いて本発明に係る組成物を調製した。1.0×1011CFU/gの細菌濃度のビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621細菌末を山羊乳由来の乳児用調製粉乳(Holle社製)とよく混合して、後記表4の組成からなるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621を含有する試験試料3を調製した。また、比較として、1.0×1011CFU/gの細菌濃度のビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621細菌末を牛乳由来の乳児用調製粉乳(森永乳業社製)とよく混合して、後記表5の組成からなる比較試料4を調製した。
(2)保存試験の実施
保存試験及び保存前後の生菌数の測定は、実施例1と同じ方法にて行った。
保存試験及び保存前後の生菌数の測定は、実施例1と同じ方法にて行った。
(3)試験結果
実施例2の結果を表6に示す。
表6に示すように、45℃1週間、37℃1ヶ月、25℃1ヶ月の条件で保存した場合は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621は、牛乳由来の粉乳と混合した比較試料4と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した試験試料3において長期にわたって生残することが分かった。一方、10℃1ヶ月の条件で保存した場合は、ビフィドバクテリウム属細菌の生残率は試験試料3、比較試料4で同じ100%であった。
この結果より、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621は牛乳由来の粉乳と混合した場合と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した場合において生残性が高められることが分かった。
実施例2の結果を表6に示す。
表6に示すように、45℃1週間、37℃1ヶ月、25℃1ヶ月の条件で保存した場合は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621は、牛乳由来の粉乳と混合した比較試料4と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した試験試料3において長期にわたって生残することが分かった。一方、10℃1ヶ月の条件で保存した場合は、ビフィドバクテリウム属細菌の生残率は試験試料3、比較試料4で同じ100%であった。
この結果より、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621は牛乳由来の粉乳と混合した場合と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した場合において生残性が高められることが分かった。
以上の結果より、ビフィドバクテリウム属細菌は、牛乳由来の粉乳と混合した場合と比較して、山羊乳由来の粉乳と混合した場合において、長期にわたって生残性が維持されることが分かった。
Claims (12)
- 山羊乳由来の粉乳とビフィドバクテリウム属細菌及び乳酸菌からなる群から選択される1又は複数の細菌とを含む、組成物。
- 前記粉乳が乳児用調製粉乳、乳幼児用調製粉乳、低出生体重児用調製粉乳、アレルギー用ミルク、病者用粉乳、特殊ミルク、成人用調製粉乳、全脂粉乳、脱脂粉乳からなる群から選択される1又は複数の粉乳である、請求項1に記載の組成物。
- 前記細菌が細菌及び/又はその培養物である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記細菌及び/又はその培養物が濃縮物、噴霧乾燥物、凍結真空乾燥物、加熱殺菌物からなる群から選択されるいずれかの形態で調製されるものである、請求項3に記載の組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス、及びビフィドバクテリウム・ビフィダムからなる群から選択される1又は複数のビフィドバクテリウム属細菌である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記乳酸菌がラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトコッカス・クレモリス、ストレプトコッカス・サーモフィラスからなる群から選択される1又は複数の乳酸菌である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベがビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP−02622である、請求項5に記載の組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベがビフィドバクテリウム・ブレーベ FERM BP−11175である、請求項5に記載の組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムがビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02621である、請求項5に記載の組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスがビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP−02623である、請求項5に記載の組成物。
- 前記組成物が水分活性0.3以下の組成物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が前記細菌を1.0×103〜1.0×1011CFU/g含有する組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
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CN112136895A (zh) * | 2020-10-10 | 2020-12-29 | 西安朵拉倍拉生物科技有限公司 | 乳酸菌配方羊奶粉及其制备方法 |
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- 2018-03-28 JP JP2018062181A patent/JP2019170245A/ja active Pending
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