JP2019167081A - 偏向した状態のフラップに密着するように設計された、予め変形させた航空機のスポイラー及び垂下パネル - Google Patents

偏向した状態のフラップに密着するように設計された、予め変形させた航空機のスポイラー及び垂下パネル Download PDF

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Abstract

【課題】飛行中の異なる負荷及び構造条件の結果であるスポイラーに関連する形状寸法の変化を低減させる方法及び装置を提供する。【解決手段】スポイラー又は垂下パネルを含む空力システムとを設計する方法が記載されている。後縁可変キャンバ(TEVC)システムを提供するフラップシステムを用いて翼上にスポイラー及び垂下パネルを展開させることができる。飛行中に、翼の固定部分、フラップ、スポイラー及び垂下パネルが全て変形しうる。スポイラー又は垂下パネルの各々は、飛行中に空力負荷下で第2の形状に変形しうるように、地上において第1の形状に予め変形させておくことができる。スポイラー又は垂下パネルは、第2の形状において、フラップに対してより良く密着するように構成される。スポイラー又は垂下パネルは、TEVCシステムの一部としてフラップが占める全ての位置においてフラップに密着するように構成されうる。【選択図】図5A

Description

本開示は概して、飛行機の翼に関する。より具体的には、本開示は翼用のスポイラー及び垂下パネルに関する。
大型旅客機等の現代の航空機は、離陸中及び着陸中の低速、及び巡航中の高速を含む様々な速度で運用する必要がある。様々な速度での運用に対応するために、航空機の翼は動翼を含む。通常、動翼は、翼の固定部分に対して作動可能である。翼の固定部分に対して動翼の位置を変更することによって、様々な空力効果が得られる。空力効果を利用して、航空機が制御される。
動翼の一種は、スポイラーである。大抵、スポイラーは、スポイラーが翼フラップの一部を覆うように、翼上の翼フラップに隣接して、翼上の翼フラップの前に装着される。スポイラーは、飛行中、翼の上を流れる空気中へ上方に延びるように設計されうる。延びているときに、スポイラーの後ろの翼の一部の上に制御下の失速が起き、その翼セクションの揚力が低下し、抗力が増加する。スポイラーを展開させる1つの利点は、速度が増加せずに航空機の降下率が増加することである。
着陸において、飛行機がタッチダウンしたら、スポイラーを完全に上方に展開させることができる。抗力の増加により、ブレーキ効果が増し加わる。更に、揚力の喪失により、車輪に更に重量が移り、機械的ブレーキ処理を助ける。
離陸及び上昇中だけでなく着陸中の進入時にも、フラップとスポイラーとの間の間隙を制御し最適化するために、スポイラー及び垂下パネルを延びているフラップに向かって下方に引き込むことができる。スポイラーについては、これは作動させることによって達成される。スレーブ垂下パネルについては、これはパネルを接合フラップ又はフラッペロンに機械的にリンク接続させることによって達成される。
巡航条件において、スポイラーはほとんどの場合展開されず、スポイラー面とフラップ面により最良の空力性能を有する空力形状が形成されるように位置づけされている。しかしながら、巡航条件における空力負荷下で、翼、フラップ及びスポイラーが全て変形する。
この変形の不一致により、形状寸法の変化が起こり、翼の空力性能が低下しうる。例えば、スポイラーとフラップとの間、又は隣接するスポイラー間に間隙が形成される場合があり、これにより翼の後縁の空洞内に空気が流れ込む可能性がある。更に、スポイラー間、又はスポイラーとフラップとの間の不一致により、不要に突出した抗力が生じる。この好ましくない気流及び不一致により、翼の空力性能が低下する。このことから、飛行中の異なる負荷及び構造条件の結果であるスポイラーに関連する形状寸法の変化を低減させる方法及び装置が必要である。
スポイラー又は垂下パネルを設計する方法が記載される。一実施形態では、後縁可変キャンバ(TEVC)システムを提供するフラップシステムを用いて翼上にスポイラー及び垂下パネルを展開させることができる。TEVCシステムでは、巡航中に翼のキャンバを修正するために、フラップをフラップのヒンジ線の周りで回転させることができる。スポイラー又は垂下パネルを翼上のフラップの前方に配置することができ、スポイラー又は垂下パネルは対応する後縁(CTE)を含みうる。スポイラー又は垂下パネルは、TEVCシステムの一部としてフラップが占める全ての位置において、CTEに沿ってフラップに密着するように構成されうる。
飛行中に、翼の固定部分、フラップ、スポイラー及び垂下パネルが全て変形する。スポイラー又は垂下パネルの各々は、飛行中にスポイラー又は垂下パネルが空力下で第2の形状に変形しうるように、地上において第1の形状に予め変形させておくことができる。スポイラー又は垂下パネルは、第2の形状において、フラップに対してより良く密着するように構成される。スポイラー又は垂下パネルの各々が、地上において予め変形させてあり、各々が異なる形状を有する、スポイラーと垂下パネルのシステムが提供されうる。
形状寸法の修正、例えば下方に湾曲したエッジを、スポイラー又は垂下パネルのCTEに加えることが可能である。形状寸法の修正は、各スポイラー又は垂下パネルが隣接するフラップに密着する条件の範囲を広げる助けとなりうる。一実施形態では、スポイラーの形状寸法の修正は、スポイラーに連結されたアクチュエータを介して加えられた回転力の結果として、またスポイラーへの空力負荷の結果として、フラップ上にスポイラーが押し付けられたときに、形状寸法の修正により平坦化が起き、スポイラーのCTEに沿って密着部が形成されるほど十分に柔軟なものでありうる。
本発明の一態様は概して、航空機の空力システムとして特徴づけられうる。空力システムは、1)翼の固定部分と、2)翼の固定部分に連結された可動フラップと、3)翼に連結されたスポイラー又は垂下パネルとを含みうる。スポイラー又は垂下パネルは、i)スポイラー又は垂下パネルの後縁を形成している第1の部分と、ii)第1の部分を受容し且つ翼の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分とを含む予め変形させた形状を有しうる。飛行していない間、予め変形させた形状のスポイラー又は垂下パネルは、可動フラップに当接するように配置されたときに可動フラップと部分的に接触し、フラップに対して完全には密着していない。ところが、一又は複数の飛行条件において、スポイラー又は垂下パネルは、空力下で予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、スポイラー又は垂下パネルが可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラー又は垂下パネルと可動フラップとの間の気流を減少させる。
本発明の別の態様は概して、翼用のスポイラー又は垂下パネルを生産する方法として特徴づけられうる。本方法は、1)翼の固定部分、可動フラップの形状、及びスポイラー又は垂下パネルの予め変形させた形状を決定することであって、スポイラー又は垂下パネルは、翼に対して回転できるように翼に機械的に連結され、スポイラー又は垂下パネルは、スポイラー又は垂下パネルの後縁を形成している第1の部分と、第1の部分を受容し且つ翼の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分とを含む、翼の固定部分、可動フラップの形状、及びスポイラー又は垂下パネルの予め変形させた形状を決定することと、2)翼の第1の構造及び第1の材料と、フラップの第2の構造及び第2の材料と、スポイラー又は垂下パネルの第3の構造及び第3の材料とを決定することと、3)飛行条件を特定することとを含んでいてよく、飛行していない間、予め変形させた形状のスポイラー又は垂下パネルは、可動フラップに当接するように配置されたときに可動フラップと部分的に接触し、飛行条件において、スポイラー又は垂下パネルが空力下で予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、スポイラー又は垂下パネルが可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラーと可動フラップとの間、又は垂下パネルと可動フラップとの間の気流を減少させる。
本発明の更に別の態様は概して、翼を有する航空機として特徴づけられうる。航空機は、各翼上に、1)翼の固定部分と、2)翼の固定部分に連結された複数の可動フラップと、3)翼に連結され、予め変形させた形状を有し、スポイラー又は垂下パネルの後縁を形成している第1の部分と、第1の部分を受容し且つ翼の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分とを含む、スポイラー又は垂下パネルとを含みうる。飛行していない間、予め変形させた形状のスポイラー又は垂下パネルは、複数の可動フラップの第1の可動フラップに当接するように配置されたときに複数の可動フラップの第1の可動フラップと部分的に接触する。一又は複数の飛行条件において、スポイラー又は垂下パネルが空力下で予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、スポイラー又は垂下パネルが複数の可動フラップの第1の可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラーと可動フラップとの間、又は垂下パネルと可動フラップとの間の気流を減少させる。
本発明のまた別の態様は概して、航空機用の空力システムとして特徴づけられうる。航空機用の空力システムは、1)翼の固定部分と、2)翼の固定部分に連結された複数の可動フラップと、3)各々が、翼に連結され、飛行していない間は種々の予め変形させた形状を有し、スポイラーの後縁を形成している第1の部分と、第1の部分を受容し且つ翼の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分とを含む、複数のスポイラーとを含みうる。
異なるスポイラーの各々は、翼上の異なる翼長上の場所に位置していてよく、種々の予め変形させた形状は、一又は複数の飛行条件において発生する、異なる翼長上の場所の各々における空力の差を考慮して選択されうる。一又は複数の飛行条件において、各スポイラーは空力下で種々の予め変形させた形状から第2の形状に変形することができ、これにより、第2の形状において、各スポイラーが複数の可動フラップの第1の可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラーと複数の可動フラップの第1の可動フラップとの間の気流を減少させる。
このように、本開示の実施例を一般的な用語で記載してきたが、ここで添付の図面を参照する。添付の図面は必ずしも正確な縮尺率ではなく、幾つかの図面を通じて同じ又は同様の部品には、同様の参照文字が指定されている。
本開示の一態様に係る、飛行機及び空力高揚力装置を示す斜視図である。 本開示の一態様に係る、独立して作動するスポイラー、内側フラップに機械的にリンク接続された内側垂下パネル(IDP)、及びフラッペロンと機械的にリンク接続されたフラッペロンヒンジパネル(FHP)を含む翼の平面図である。 本開示の一態様に係る、空力負荷下で巡航条件において起こる形状の変形を含む、翼の一部におけるスポイラー及びフラップの斜視図である。 本開示の一態様に係る、空力負荷下で巡航条件において起こる形状の変形を含む、翼の一部におけるスポイラー及びフラップの斜視図である。 本開示の一態様に係る、空力負荷下で巡航条件において起こる形状の変形を含む、翼の一部におけるスポイラー及びフラップの斜視図である。 本開示の一態様に係る、スポイラーの上面図である。 本開示の一態様に係る、フラップとスポイラーの接触面を含むフラップとスポイラーの側面図である。 本開示の一態様に係る、フラップとスポイラーの接触面を含むフラップとスポイラーの側面図である。 本開示の一態様に係る、アクチュエータ制御の結果として異なる配向にあるフラップ及びスポイラーアセンブリの断面図である。 本開示の一態様に係る、アクチュエータ制御の結果として異なる配向にあるフラップ及びスポイラーアセンブリの断面図である。 本開示の一態様に係る、アクチュエータ制御の結果として異なる配向にあるフラップ及びスポイラーアセンブリの断面図である。 本開示の一態様に係る、アクチュエータ制御の結果として異なる配向にある内側垂下パネルに機械的に連結された内側フラップの斜視図である。 本開示の一態様に係る、アクチュエータ制御の結果として異なる配向にある内側垂下パネルに機械的に連結された内側フラップの断面図である。 本開示の一態様に係る、アクチュエータ制御の結果として異なる配向にある内側垂下パネルに機械的に連結された内側フラップの断面図である。 本開示の一態様に係る、フラップを設計する方法のブロック図である。 本開示の一態様に係る、スポイラーを設計する方法のブロック図である。 本開示の一態様に係る、航空機を制御する方法のブロック図である。 本開示の一態様に係る、図1〜6Bに関連して記載されるフラップを用いうる、航空機の製造及び保守方法のブロック図である。 本開示の一態様に係る、図1〜6Bのフラップを用いうる航空機の概略図である。
以下の記載において、本概念の完全な理解が得られるように、多数の具体的な詳細が提供される。本概念は、これらの具体的な詳細の一部又は全てがなくても、実行することが可能である。その他の場合、記載された概念を不必要にわかりにくくしないように、既知の処理工程は詳細には記載していない。一部の概念を特定の実施例とともに記載するが、これらの実施例は限定することを意図していないことが理解されるだろう。
本書で参照する「一実施例」又は「一態様」とは、その実施例又は態様に関連して記載される一又は複数の特徴、構造、又は特性が少なくとも一実行形態に含まれるということを意味する。本明細書内の様々な場所における「一実施例」又は「一態様」という表現は、同じ実施例又は態様を参照している場合があり、また参照していない場合がある。
序論
スポイラーを設計する方法が記載される。一実施形態では、後縁可変キャンバ(TEVC)システムを提供するフラップシステムを用いて、翼上でスポイラーを展開させることができる。TEVCシステムでは、巡航中に翼のキャンバを修正するために、可動フラップをそれらのヒンジ線の周りで回転させることができる。スポイラーを翼上のフラップの前方に配置することができ、スポイラーは対応する後縁(CTE)を含みうる。スポイラーは、TEVCシステムの一部としてフラップが占める全ての位置においてCTEに沿ってフラップに密着するように構成されうる。
飛行中に、翼の固定部分、フラップ及びスポイラーが全て変形しうる。スポイラーの各々は、飛行中にスポイラーが空力負荷下で第2の形状に変形するように、地上において第1の形状に予め変形させておくことができる。スポイラーは、第2の形状において、フラップに対してより良く密着するように構成される。より良い密着性には、スポイラー(又は垂下パネル)と可動フラップとの間の気流を減少させるような、可動フラップとの大きい接触面積が含まれうる。スポイラーのシステムは、スポイラーの各々が、地上において予め変形させてあり、種々の形状を有するところに配設されうる。
より詳細には、飛行機及び航空機上で使用される空力面が図1に関連して記載される。図2に関しては、スポイラーの位置を含む翼の平面図を説明する。図3A、3B、3C及び3Dに関しては、巡航条件等の、空力負荷下での変形を考慮して、スポイラーの形状を予め変形させることを説明する。図4A、4B及び4Cに関しては、フラップ、スポイラー、及びスポイラーとフラップの接触面が記載される。図5A、5B及び5Cに関しては、フラップ及びスポイラーアセンブリを説明する。図5D、5E及び5Fに関しては、フラップ及び垂下パネルアセンブリを説明する。
図2〜5Cは、ボーイング777x構成に関連する。しかしながら、この実施例は、単なる例示の目的で提供される。本書に記載の製造品及び方法は、多くの異なる種類の現代の航空機で使用可能である。これらの航空機は、異なる数のフラップ、スポイラー、並びにフラップ構成及びスポイラー構成を有しうる。このゆえに、この実施例は限定するものではない。
図6A及び6Bに関しては、フラップ及びスポイラーを設計する方法が記載される。図6Cに関しては、図6A及び6Cで設計されたスポイラーを使用する方法を説明する。図7に関しては、図1〜6Cに関して記載された空力システムを用いうる航空機の製造及び保守方法が記載される。最後に、図8に関しては、図1〜6Cに係る空力システムを用いうる航空機の概略図を説明する。
航空機の高揚力装置面
図1は、飛行機2と、飛行機2に関連する空力高揚力装置面を示す斜視図である。翼25では、各翼の前縁近くにスラット5が使用される。各翼の後縁近くには、スポイラー4、内側(IB)フラップ6、フラッペロン8及び外側(OB)フラップ10、並びにエルロン12が配設される。上述したように、このフラップ構成は、単なる例示の目的で記載されており、これに限定されるわけではない。内側フラップ6等の高揚力装置面は、翼25に対して何らかの形の接合部を提供するように構成されうる。
尾翼27は、垂直安定板13、ラダー16及びラダータブ18とともに配設される。水平安定板14は、昇降舵20とともに配設される。ラダー16及びラダータブ18は、垂直安定板に対して移動するように構成されていてよく、昇降舵は、水平安定板に対して移動するように構成されていてよい。
上記の構成は、既存のボーイング777(登録商標)構成に関連している。ボーイング777x構成は、単一の溝穴付きフラップを含む。777x構成は、翼ごとに3つのフラップを含み、他の構成は翼ごとに2つのフラップのみを含む。フラッペロンは、高揚力及びロール制御を提供する。ある航空機では、フラッペロンは内側(IB)エルロンである。ボーイング737には、フラッペロン/IBエルロンがない。その代わり、この翼におけるフラップは一体型である。したがって、本書に記載の翼の実施例は、単なる例示の目的で提供されており、これに限定されるわけではない。
一実施形態では、翼は後縁可変キャンバシステムを含みうる。後縁可変キャンバシステムは、垂下スポイラー及びフラップ機構(図2の外側スポイラーシステム110及び内側スポイラーシステム114を参照)と、機械垂下式の内側垂下パネル(IDP)及び機械垂下式のフラッペロンヒンジパネル(図2のフラッペロン103、FHP109、内側フラップ102及びIDP113を参照)とを含みうる。後縁可変キャンバシステムは、巡航条件において空力的に密着可能なフラップとスポイラーの位置範囲を提供しうる。後縁可変キャンバシステムは、翼長の揚力分布を調節することによって航空機がその任務の間飛行するときの燃料燃焼が最適化されるように、フラップをフラップアップ(巡航)位置にわずかに調節しうる。
スポイラーの設計方法
図2は、翼100の平面図である。翼構成は777xの変形に関連し、単なる例示の目的で提供されており、これに限定されるわけではない。翼は、固定部分と可動部分とを含む。可動部分は、内側フラップ102、フラッペロン103、中央フラップ104、外側フラップ106、OBスポイラー108a〜f及びFHP109を含む外側スポイラーシステム110、及びIBスポイラー112a〜c及びIDP113とを含む内側スポイラーシステム114を含む。距離105は、約106フィートでありうる。異なる飛行機では、距離105はもっと短くてよい、あるいはもっと長くてよい。
外側スポイラーシステム110は、6つのスポイラー(108a、108b、108c、108d、108e及び108f)と、FHP109とを含む。スポイラー108a、108b及び108cは、外側フラップ106の前方に位置づけされる。スポイラー108d、108e及び108fは、中央フラップ104の前方に位置づけされ、FHP109はフラッペロン103の前方に位置づけされる。内側スポイラーシステム114は、内側フラップの前方に位置づけされた3つのスポイラー112a、112b及び112cと、IDP113とを含む。
この実施例では、スポイラーの翼弦は深さ約20〜35インチ、翼長は長さ75〜105インチでありうる。各フラップの上のスポイラーの数と、それらの寸法は変更可能である。したがって、フラップ、FHP及びIDPパネルの上の3つ又は4つのスポイラーと、それらに関連した寸法の実施例は、単なる例示の目的で提供されている。
スポイラー及び垂下パネルの各々は、ヒンジ線の周りでの回転を可能にする取付機構を用いて翼100に取り付けられうる。スポイラーと翼との間の取付点の数により、翼に関連する曲げ負荷等の負荷がどのようにスポイラーに移るかが決まりうる。負荷は、飛行中にどのようにスポイラーが変形するかに影響を与えうる。一実施形態では、翼とスポイラーとの間に4つの取付点が用いられうる。しかしながら、より多い、又はより少ない取付点を使用することができ、4つの取付点は単なる例示のために提供されている。
特定の実施形態では、各スポイラーに一又は複数のアクチュエータが関連付けられうる。一又は複数のアクチュエータは、翼の固定部分に対してスポイラーのうちの1つの位置を変えるために、各スポイラーを上方に、あるいは下方に回転させるように構成されうる。スポイラーは、相互に、またフラップに対して作動するように構成されうる。ある場合は、以下により詳細に記載するように、スポイラーが可動フラップに当接して配置されているときにフラップとより良く密着する又は更に接触するようにスポイラーを回転させることができる。
一実施形態では、一又は複数のスポイラーは、フラップのうちの1つに従属して移動するように構成されうる。したがって、フラップと垂下パネル又はフラッペロンとヒンジパネルとの間に機械的リンク機構が設けられうる。機械的リンク機構を介して、フラップ/フラッペロンが作動したときに、従属パネルも移動しうる(例:図5D、5E及び5Fに例示の垂下パネル及びフラップ用の機械的リンク機構を示す)。本書に記載のスポイラーシステムは、IDP及びFHPなどの垂下パネルを含んだ一般的な説明として提供されているが、フラップ又はフラッペロン等の高揚力装置の前方に位置づけされた他のパネルに限定されるわけではない。
内側フラップ102及び/又は外側フラップは、後縁可変キャンバ(TEVC)システムの一部でありうる。TEVCシステムでは、巡航中に翼のキャンバを修正するために、フラップをフラップそれぞれのヒンジ線の周りで回転させることができる。スポイラーは、スポイラーの対応する後縁(CTE)位置におけるフラップのTEVCの全ての巡航位置において、スポイラーの後部でフラップに密着するように構成されうる。通常、内側フラップ102は上に回転させることができ、外側フラップ106は下に回転させることができ、またその逆も可能である。これらの動きを通じて、翼の全体的なねじれを変えることができる。各フラップに適用される回転量を含むこれらの動きは、燃料の消費に起因して重量が変化するときに飛行機の性能を補正し最適化するために、運航の間中ずっと調節することが可能である。
飛行制御システムは、特定のフラップのTEVC位置の各々においてフラップと一致するようにスポイラーを位置づけするようにプログラミングされうる。一実施形態では、この目的のためにルックアップテーブルが提供されうる。スポイラー位置は、現在のフラップのTEVC位置以外にも、高度及び飛行機の速度を補正するために調節可能である。飛行テストデータは、これらすべての場合において、スポイラーの命令された位置づけが、スポイラーのCTEをフラップに確実に密着させるのに有用になりうるほど十分に、これらの変数が外の気圧に影響を及ぼすことを示している。このスポイラーの位置づけは、飛行機のレベル要件でありうる。
各スポイラーに対し、一又は複数のアクチュエータが、所定の位置までスポイラーを回転させるようにプログラミングされうる。この位置を決定するために、フライトコンピュータが積分を実行しうる多数の変数が存在する。この場合も、決定は、飛行制御システムが関与している「ルックアップテーブル」と呼ばれるデータベースに基づくものでありうる。一般に、スポイラーが移動して、翼の空力揚力を「損ない(spoil)」、抗力を加える及び/又は飛行機にロールさせる上位置がある。更に、全てのTEVC位置(後縁の約1.5度上から後縁の0.7度下までの範囲の約20の異なる個別のTEVDのフラップ角度)を通じて、スポイラーが移動して、フラップとスポイラーのCTEとの間の密着性を確保する巡航位置があり、スポイラーが移動して、着陸及び離陸性能における7つの異なる高揚力の変化に対してスポイラーとフラップとの間に所望の間隙を達成する下位置がある。図5A、5B及び5Cに、飛行制御システム及び幾つかのスポイラー位置を示す。
次に、飛行中の空力負荷下での形状の変形が及ぼす影響の幾つかを記載する。図3A、3B、3C及び3Dは、図2に示す翼100の翼セグメント120上のスポイラー及びフラップの斜視図である。翼セグメント120は、翼の固定部分と、外側フラップ106と、中央フラップ104と、外側スポイラ―システム110のスポイラーとを含む(図2参照)。
形状の変形が及ぼす何らかの影響を決定するために、翼、フラップ及びスポイラーシステムに翼の所望の空力形状等の初期形状を指示することができる。次に、材料及び取付点を含む、各構成要素の構造がモデル化されうる。次に、巡航条件等において、空力負荷がシミュレーションされ、シミュレーション構造に加えられて、形状の変形が決定されうる。
第1の実施例では、翼、フラップ及びスポイラーには、これらが地上において互いに滑らかに適合するような形状が付与されている。そして、巡航条件において空力負荷が翼、フラップ及びスポイラーに加わる。図2に示す翼100の翼セグメント120について、この結果を図3A及び3Bに示す。
図3Aでは、巡航条件における空力負荷に応じて、中央フラップ104と外側フラップ106が変形する。例えば、外側フラップ106は、固定構造122に対して上方にねじれている。図3Bに、中央フラップ104とスポイラー108d、108e及び108fに関連する変形の詳細124を示す。翼長方向において、スポイラー108eは角で上方に曲がり、弧を形成している。翼弦において、スポイラー108eは後縁で上方に曲がり、中央フラップ104から離れるように湾曲している。
スポイラー108eの後縁での上方の湾曲により、スポイラー108eと中央フラップ104との間に段差付間隙128が生じる。この間隙のサイズは、翼長方向に変化する。空力は、スポイラーごとに変化する。したがって、スポイラー108eは、スポイラー108fよりも曲がっている。この結果、スポイラー108eとスポイラー108fとの間に段差付間隙130が形成される。中央フラップ104も変形するため、最終的に、中央フラップ104と隣接する構造126との間に段差132が形成される。108fと隣接する構造126との間にも望ましくない段差が形成される。更なる実施形態では、IDPの機械的リンク機構(図5D、5E及び5F参照)における偏向により、IDPとフラップとの間に大幅な間隙が生じうる。その結果、垂下パネル(IDP及びFHP等)は、作動スポイラーには存在しない更なる課題を有しうる。
巡航条件において、これらの変形により、翼の空力性能が低下しうる。例えば、段差132により、空気が翼の上面から下面へ流出し、揚力を低下させることが可能になりうる。別の実施例として、流れの中に突き出たスポイラーにより、抗力が増加しうる。
変形に対処する1つの方法は、巡航条件下で、フラップとスポイラーが所望の空力形状に変形するように、フラップとスポイラーを第1の形状に予め変形させることである。例えば、地上において、中央フラップ104と外側フラップ106、及び図3Aと3Bのスポイラーは、初期の滑らかな空力形状を有しうる。負荷下で、フラップとスポイラーは、図3A及び3Bに示す形状に変形する。負荷下で滑らかな空力形状を得るために、フラップとスポイラーには、図3A及び3Bに示す形状とは逆の形状が付与されうる。
したがって、以下の処理が提案される。まず、空力負荷を考慮せずに、翼、フラップ及びスポイラーの空力形状を特定する。次に、負荷下で変形した形状を決定するために、第1の空力形状に負荷を加える。次に、変形した形状の逆の形状を決定する。その後、負荷なしの地上における第2の空力形状として、翼、フラップ及びスポイラーに逆の形状を付与する。次に、負荷がかかっている間、翼、フラップ及びスポイラーが互いに滑らかに適合するか否かを決定するために、第2の空力形状に負荷を加える。翼、フラップ及びスポイラーが負荷下で互いに滑らかに適合しない場合、第2の空力形状の調節を行って第3の空力形状を得た後に、再び第3の空力形状に負荷を加えることができる。この処理は、必要に応じて繰り返すことができる。
一実施例として、中央フラップ104と外側フラップ106を、図3A及び3Bに示す形状とは逆の形状に予め変形させることができる。この結果、飛行中に逆に変形して滑らかな空力形状となる可能性があり、図3A及び3Bに示す段差付間隙が大幅に縮小されうる。図6A及び6Bに対し、この方法の更なる詳細を記載する。
図3C及び3Dに、巡航条件において所望の形状が得られるように地上において予め変形させた、フラップ及びスポイラーの一実施例を示す。図3Cは、地上及び巡航条件におけるスポイラー108aの形状(図2参照)を示す図である。形状152は、地上における予め変形させた形状である。予め変形させた形状152のスポイラーが可動フラップに当接して配置されたとき、スポイラーの湾曲した形状により、スポイラーとフラップとの間に間隙が存在しうる。一実施形態では、予め変形させた形状152はたわんでいる場合がある。巡航条件においては、空力下でスポイラーが変形するため、形状150はかなり平坦である。例えば、予め変形させた形状152はたわんでいてよく、その後空力下でまっすぐになりうる。
形状150により、スポイラーとフラップとの間の密着性の改善が可能になりうる。したがって、予め変形させた形状152のスポイラー又は垂下パネルは、可動フラップに当接して配置されたときに可動フラップと部分的に接触しうる。一又は複数の飛行条件において、スポイラー又は垂下パネルが空力下で予め変形させた形状から第2の形状(例:形状150)に変形することにより、第2の形状において、スポイラー又は垂下パネルが可動フラップとのより大きい接触面積を有するようになり、又は可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラーと可動フラップ、又は垂下パネルと可動フラップとの間の気流を減少させる。スポイラー又は垂下パネルの種々の予め変形させた形状は、一又は複数の飛行条件において発生する、異なる翼長上の場所の各々における空力の差を考慮して選択されうる。
一実施形態では、巡航中の形状150から予め変形させた地上の形状152への変形量は、形状150の翼弦の長さ155の0〜5%でありうる。例えば、エッジ158において、翼弦の長さ155であるときに、予め変形させた地上の形状152が、翼弦の長さ155の0〜5%である量156だけ下に移動する(また、移動量はゼロで、幾つかの場所において表面がアライメントされうる)。下方の移動量、したがって翼弦の長さの割合は、予め変形させた地上の形状152の表面にわたって変化する。図示していないが、予め変形させた地上の形状152は、ある場所における形状150の表面の上でも移動しうる。
図3Dは、外側フラップ106に当接して配置されている、巡航条件における形状150を有するスポイラー108aを示す図である。より滑らかなスポイラー108aの形状150は、外側フラップ106に対して、予め変形させていないフラップよりも良好な密着を提供しうる。予め変形させた地上の形状152も図示されている。この実施例では、予め変形させた地上の形状152は、外側フラップ106の上面の下に延びている。地上において作動中、スポイラー108aが外側フラップ106に衝突しないように、スポイラー108aをそのヒンジ線の周りで回転させることが可能である。
上述したように、各スポイラーに適用される予変形は、翼に沿った異なる翼長上の場所においてスポイラーごとに変化しうる。異なる予変形の形状は、一又は複数の飛行条件において発生する、異なる翼長上の場所の各々における空力の差を考慮しながら選択されうる。更に、スポイラー(又は垂下パネル)の位置は、翼上の各翼長上の場所において異なる翼弦位置を有する場合もある。翼上の翼弦位置は、特定の場所における空力、したがって特定の場所においてスポイラーに適用される予変形の量に影響を与えうる。このため、予め変形させた地上の形状152は、単なる例示の目的で提供されており、これに限定されるわけではない。
様々な実施形態では、スポイラー又は垂下パネルは、例えば図3Cの下方の曲線153a及び153b等を介して、翼弦方向にのみ変形しうる。したがって、曲線153a及び153bは同じであってよい。更に、曲線153aと153bとの間で、中間曲線は一定であってよい。
他の実施形態では、下方の湾曲は翼長方向において変化しうる。例えば、図3Cにおいて、例えば曲線153bに対し、曲線153aはもっと下方の湾曲である等、曲線153a及び153bは異なっていてよい。翼長方向において、中間曲線は、2つの曲線153aと153bとの間で線形に変化しうる。別の実施形態では、曲線153a及び153bは同様の形状であってよい。しかしながら、図3Cに示すように、翼長方向の中間曲線において、下方の湾曲の量は、曲線153a及び153bの下方の湾曲よりも大きくてよい、又は小さくてよい。
一般に、曲線153aは、第1の下方の湾曲を有していてよく、曲線153bは第2の下方の湾曲を有していてよく、翼長方向における中間曲線の下方の湾曲は、翼長方向の曲線153a又は153bの一方又は両方のいずれかの下方の湾曲よりも大きくてよい、あるいは小さくてよい。一実施例として、図3Cにおいては、翼長方向における中間曲線の下方の湾曲の量が減少し、その後曲線153aと153bとの間で増加する。上述したように、翼長方向におけるその他の変化も可能であり、図3Cは単なる例示の目的で提供されている。
図4A、4B及び4Cに関しては、スポイラーと、スポイラーとフラップとの接触面が記載されている。図4は、スポイラー205の上面図である。図4Aでは、スポイラー205は、対応する後縁(CTE)を有する第1の部分212と、CTEを有する第1の部分を受容するように構成された第2の部分202とを含む。
一実施形態では、スポイラー205の第2の部分202は、例えばアルミニウム又は炭素混合物等、例えば炭素接合アセンブリ等の金属から形成されうる。別の実施形態では、CTEを有する第1の部分212は、炭素固体積層板又はグラスファイバー固体積層板等の炭素混合物から形成されうる。通常、第1の部分は、第1の部分を受容するように構成された第2の部分よりも更に柔軟でありうる。
図4Bは、フラップ204及びスポイラー205の側面図を含む、システム200を示す図である。この実施例において、フラップ204の勾配204aは、スポイラー205の勾配204bと一直線である。一実施形態では、第1の部分212は、勾配204aと一致する一定の勾配を有しうる。これゆえに、第1の部分は、接触点においてフラップ204に対する実質的な接線でありうる。
別の実施形態では、勾配204a及び204bが一直線であるとき、第1の部分212のCTEがフラップ204の面の幾何学的観点から下に延びるように、第1の部分が下方に角度を有していてよい、あるいは下方に湾曲していてよい。機械的に、フラップ204の上面が硬いと、勾配204a及び204bが一直線であるときに、第1の部分212はフラップ204に延びることができない。代わりに、第1の部分212をフラップの面との接触から上方に押すことができる。その結果、第1の部分212が平坦化しまっすぐになる傾向がある。この下方に角度を有する又は湾曲した特徴は、スポイラーとフラップとの間の密着性を強化する助けとなりうる。
別の実施形態では、スポイラー205は、第1の部分212がフラップ204に軽く当接して配置されるように、スポイラー205自体のヒンジ線の周りで上方に回転しうる。第1の部分212は、空力負荷下で変形し、平坦化しうる。様々な実施形態では、第1の部分212の地上の形状を指示することができる。その後、アクチュエータを介して、空力を介して、あるいはそれらの組み合わせを介して加わった力に応じて、第1の部分212の地上の形状が変形しうる。アクチュエータの場合、スポイラー205の固定位置に対しフラップ204が第1の部分212の方へ回転して、第1の部分212が変形しうる。更に、フラップの固定位置に対しスポイラー205がフラップ204の方へ回転して、第1の部分212が変形しうる。加えて、スポイラー205及びフラップ204の各々は、互いの方へ回転して、第1の部分が変形しうる。
図4Cに、図4Bの詳細210を示す。線207は、フラップ204の勾配204a及び第1の部分212の勾配204bと一直線である。第2の部分は、第1の部分212を受け入れるように構成された第1のセクション214を含む。第1の部分212は、第1のセクション214において第2の部分に取り付けられうる。
第1の部分212は、線207の下に延びるCTE216を含む。一実施形態では、CTE216を含む第1の部分212は勾配付きで湾曲しており、勾配は、線207の勾配から線209の勾配まで複数の増分において変化しうる。ある場合には、CTE216は連続的に湾曲していてよい。別の実施形態では、CTE216は、線207の勾配から線209の勾配までの変化が単一の場所で非連続的に起こるように、角度を有していてよい。
CTEが線207の下に延びる量は、図3Cに示すように、予め変形させた状態で、CTEに沿った場所ごとに翼長方向に変化しうる。加えて、CTE216が線207の下に延びる量、及びフラップ204の面の幾何学的観点から下に延びる量は、スポイラーごとに変化しうる。典型的ではないが、CTE216は、CTE216が線207の上に延びるように上方に曲がっていてよい。
次に、アクチュエータを用いたスポイラー及びフラップの構成を記載する。図5A、5B及び5Cは、アクチュエータ制御の結果、異なる配向にあるフラップ及びスポイラーアセンブリの断面図である。図5Aは、フラップ314、対応する後縁316を有するスポイラー310、フラップ314、スポイラーアクチュエータ308及びフラップアクチュエータ305を含む空力システム300の側面図である。スポイラーアクチュエータ308は、スポイラー310の位置を調節するように構成することができ、フラップアクチュエータ305は、フラップ314の位置を制御するように構成することができる。したがって、スポイラーアクチュエータ308は、スポイラー310の回転位置を制御しうる。
飛行制御システム(FCS)306は、パイロット入力302及びセンサ入力304等の入力を受信するように構成されうる。センサ入力には、現在の高度、現在の速度、現在のフラップ314の位置及び現在のスポイラー310の位置などの飛行情報が含まれうる。飛行制御システム306は、パイロット入力及び/又はセンサ入力304に応じてスポイラー310の位置を制御するように構成されうる。
一実施形態では、上述したように、飛行制御システム306は、飛行条件においてフラップ314に対してより良く密着するようにスポイラー310の位置を調節するように構成されうる。例えば、飛行条件において、スポイラー310により、対応する後縁316がフラップ314に押しつけられるようにスポイラー310を回転させるよう、スポイラーアクチュエータ308に命令しうる。対応する後縁316がフラップ314に押しつけられると、フラップ314とスポイラー310との間により良い密着部ができうる。飛行制御システム306は、このようにアクチュエータを用いて各スポイラーを制御するように構成されうる。
図5Aの、フラップ314及びスポイラー310の配向は、巡航条件を表しうる。上述したように、TEVCの一部として、飛行制御システム306は、フラップアクチュエータ305を使用して、様々な巡航条件においてフラップ314の位置をわずかに上方に及び下方に調節しうる。フラップ314の位置が調節されるときに、飛行制御システム306も、フラップ314とスポイラー310との間の密着性を改善するために、スポイラーアクチュエータ308を使用してスポイラー310の位置を調節するように構成することができる。これらの調節は、速度及び高度の関数として決定されうる。加えて、スポイラーの位置を決定するのに、飛行テストから受信したデータも使用可能である。
図5Bに、フラップ314の上の流れを損うようにスポイラー310が上方に角度を有している、フラップ314及びスポイラーの配向320を示す。スポイラー310は、飛行制御システム306によって制御されるスポイラーアクチュエータ308の作動に応じて上方に角度を有している。この位置は通常、着陸中に使われうる。スポイラーのCTE316はこの位置において下方に角度を有し、それ自体の地上の形状に近い。
図5Cでは、フラップ314の配向330は下方に角度を有している。フラップ314は、飛行制御システム306からフラップアクチュエータ305へ送られたコマンドに応じて下方に角度を有していてよい。スポイラー310も、飛行制御システム306からスポイラーアクチュエータ308へ送られたコマンドに応じて下方に角度を有している。スポイラー310が下方に角度を有することにより、翼の固定部分からフラップ314上へのスポイラーを介した空力的な流れを改善することができる。スポイラー310の角度は、流れが「損なわれない」ように、すなわち流れの分離が起こらないように選択されうる。
図5Cでは、フラップ314は、後方への平行移動等の平行移動も可能である。例えば、フラップ314は、スポイラーから離れるように後方へ平行移動し、下方に回転することが可能である。スポイラー310は、スポイラー310が空力負荷下で変形したときに長く伸び、後方にシフトした/平行移動したフラップにより良く密着しうる。
次に、図5D、5E及び5Fに関連してフラップ及び垂下パネル構成を記載する。図2に関連して上述したように、フラップ及び垂下パネル構成の2つの実施例は、1)フラッペロン103及びフラッペロンヒンジパネル(FHP)109、及び2)内側フラップ102及び内側垂下パネル(IDP)113である。図5D、5E及び5Fに関連して、内側フラップ102及びIDP113の一実施形態を例示の目的で記載する。図5Dは、IDP113を含む斜視図である。IDP113は、飛行中に内側フラップ102等のフラップに対して密着しうる、対応する後縁(CTE)332を含む。IDP113は、固定ヒンジ334a及び334bを介して翼の固定部分の構成要素であるスポイラービーム338に連結されうる。
機械的リンク機構は、内側フラップ102が動くことによりIDP113が動くように、IDP113を内側フラップ102に機械的に連結しうる。機械的リンク機構は、部材340、342a、342b及び344を含む。部材340は、固定ヒンジ336を介してスポイラービームに取り付けられる。
部材342a及び342bは、一方の端部が部材340に連結され、他方の端部がIDP113に連結される。部材342a及び342bは、リンク機構346a及び346bを介してIDP113に連結される。部材344は、一方の端部が部材340に取り付けられ、他方の端部がリンク機構を介して内側フラップ102に取り付けられる(図5E参照)。
作動中に、内側フラップ102がスポイラービーム338から離れるように移動すると、部材340を固定ヒンジ336の周りで時計回りに回転させる力が部材344を通して加わる。時計回りの回転により、部材342a及び342bを通して力が伝達され、IDP113が下方に引っ張られる。下方に引っ張られることにより、IDP113が固定ヒンジ334a及び334bの周りで時計回りに回転し、下方に移動する。
内側フラップ102がスポイラービーム338に向かって移動すると、部材340を固定ヒンジ336の周りで反時計回りの方向に回転させる力が部材344を通して加わる。反時計回りの回転により、部材342a及び342bを通して力が伝達され、IDP113が上方に押される。上方に押されることにより、IDP113は固定ヒンジ334a及び334bの周りで反時計回りに回転し、上方に移動する。
次に、図5E及び5Fに関連して、IDP113と内側フラップ102との間の機械的リンク機構、及びその作動形態を更に記載する。図5Eは、巡航条件の配向335におけるIDP113と内側フラップ102を示す側面図である。点線は、巡航条件の配向335における公称翼形状341を示す。
図5Eでは、部材342aは、一方の端部がリンク機構346aを介してIDP113に取り付けられ、他方の端部がリンク機構348に介して部材340に取り付けられる。リンク機構348により、部材342a及び部材340が互いに対して回転することが可能になる。部材344は、一方の端部がリンク機構349を介して内側フラップ102に取り付けられ、他方の端部がリンク機構343を介して部材340に取り付けられる。リンク機構349により、内側フラップ102が部材344に対して回転することが可能になる。リンク機構343により、部材344が部材340に対して回転することが可能になる。
図5Fは、公称翼形状341からフラップが下方に展開されている条件370におけるIDP113と内側フラップ102を示す側面図である。図5Cに関連して上述したように、フラップに連結されたアクチュエータにより、フラップが下方に移動しうる。内側フラップ102の下方の動きにより、部材340、342a、342b及び344を含む機械的リンク機構を介して、IDP113が下方に引っ張られ、IDP113が固定ヒンジ334aの周りで時計回りに回転する。
図6Aは、本開示の一態様に係るフラップの設計方法350のブロック図である。352において、初期の翼形状が決定される。初期の翼形状は、飛行機の初期の設計仕様書、性能要件及び空力シミュレーションに基づくものでありうる。ある場合には、いずれかの高揚力装置面をモデル化する、あるいは高揚力装置面を一部のみ指定することなく、三次元の初期の翼形状を連続的な構成要素として初期の仕様書に含むことが可能である。初期の翼形状を設計するのに使用される空力シミュレーションは、離着陸から巡航条件までの飛行条件範囲をカバーしうる。
354において、初期の翼上のフラップのサイズ及び場所が指定されうる。初期の翼の形状が連続的であり、高揚力装置面を含まない場合、フラップを収容するために初期の翼の一セクションを取り除くことができる。更に、取付接触面とこれらの場所が指定されうる。取付接触面は、フラップを翼に取り付け、翼に対して移動させることを可能にするハードウェアを含む。
また、フラップの動きの範囲が指定されうる。動きの範囲は、フラップの底部からフラップが回転する軸である軸の距離、及びフラップアセンブリを収容するのに必要な翼のフェアリング等の取付接触面の設計に影響を与えうる。フラップが後縁可変キャンバ(TEVC)システムに使用される場合、動きの範囲は、このシステムに関連するフラップの位置も含みうる。上述したように、施工完了時のフラップの形状は、TEVCシステムに関連する異なる位置においてフラップが適切に密着するように設計されうる。
356において、初期のフラップの形状が選択されうる。例えば、初期のフラップの形状は、フラップが取り外されたところの翼の形状におおむね沿うように選択されうる。フラップの前縁に隣接する翼の固定部分の後縁は、比較的平坦な垂直面でありうる。しかしながら、フラップの前縁は、上述したように丸くてもよい。高揚力性能のために下に展開されたときのフラップの空力性能が改善されるように、フラップの前縁を成形することができる。
358において、翼の構造及び材料が指定されうる。翼の構造は、外板、リブ、スパー、及びストリンガ並びにこれらに関連する場所等の構成要素の仕様を含みうる。アルミニウム(一般の金属)又は複合材料等の材料を使用して、翼を組み立てることができる。翼の構造は、加わった空力負荷下で翼がどれくらいねじれ、曲るかに影響を及ぼす。空力負荷下でのフラップの変形を決定するために、指定された翼の構造及び材料を有限要素解析に使用することができる。
360において、翼の場合と同様に、フラップの構造及び材料を指定することができる。フラップの内部構造は、移動するように設計されている、燃料を運搬しない、翼とは異なる負荷がかかる、個別の場所において翼に取り付けられる等の要因のために、翼とは異なる。したがって、フラップの硬さは、翼の硬さとは異なっていてよい。このため、フラップの空力弾性応答は、翼とは異なる。空力負荷下でのフラップの変形を決定するために、指定されたフラップの構造及び材料を有限要素解析に使用することができる。
362において、一又は複数の飛行条件及び飛行機の重量配分が指定されうる。これらの条件は、翼及びフラップの空力弾性応答に影響を及ぼす。具体的には、空力弾性応答の大きさは、条件ごとに変化しうる。フラップの空力弾性が所望の運用エンベロプ内で十分であるか否かを決定するために、幾つかの異なる条件でシミュレーション及び実験的試験が行われうる。
一実施例として、ボーイング777の典型的な巡航速度は、巡航高度35000フィートにおいて約マッハ0.84(時速554マイル)である。運用空虚重量は、モデルによって300000〜400000ポンドの間で変化しうる。最大離陸重量は、モデルによって545000〜775000ポンドの間で変化しうる。最大着陸重量は、モデルによって445000〜557000ポンドでありうる。したがって、いずれかの特定の飛行機モデルにおいて、特定の飛行条件における燃料及び貨物負荷を、翼及びフラップのテストエンベロプとして指定することができる。
364において、特定の飛行条件における翼とフラップの形状が決定されうる。例えば、特定の飛行条件は、それ自体の空虚重量を上回るある重量まで荷物を積み込んだ飛行機の巡航条件でありうる。翼及びフラップへの空力負荷の数値シミュレーションを決定することができ、次に翼及ぶフラップの変形量が決定されうる。上述したように、変形量は、空力負荷、飛行機の重量、翼及びフラップの構造、及び翼及びフラップの初期の無負荷三次元形状等の要因によって変化する。
ある実施形態では、翼及びフラップが変形すると空力負荷が変化しうるため、このプロセスが何度も繰り返されうる。例えば、翼及びフラップの初期形状を使用して決定された空力負荷に基づいて、翼及びフラップの第2の形状が決定されうる。次に、翼及びフラップの第2の形状を使用して、新たな空力負荷が決定されうる。新たな空力負荷に基づいて、第2の形状から第3の形状への変形が決定されうる。この反復プロセスは、翼及びフラップの形状が特定の条件セットにおける特定の形状に集結するまで繰り返されうる。その後、飛行中に可動フラップは、空力下で第1の予め変形させた形状から所望の第2の形状へと変形する。
選択された飛行条件の各々において、このプロセスが繰り返されうる。この実施例において、初期の無負荷形状は同じである。しかしながら、空力に対する形状の影響、及び形状に対する空力の影響は結合させて考慮される。このため、プロセスは反復性を持つ。代替的な実施形態では、空力に対する形状変化の影響が考慮されない場合がある。
366において、シミュレーション条件においてフラップの形状が密着部と接触するか否かを決定するためのチェックが実施されうる。フラップが密着しない場合、372において、新たなフラップの形状が決定されうる。例えば、フラップが密着しない場合、これは空力弾性効果に起因してフラップが一方向に曲がるためである。この効果を軽減するために、フラップの形状をそれ自体の無負荷状態において反対方向に調節することが可能である。同様に、フラップが空力弾性効果に起因して一方向にねじれ、ねじれにより密着が阻害される場合、この効果を軽減するために、初期のフラップの形状を反対方向にねじっておくことができる。
一実施形態では、フラップの形状を調節すること以外に、フラップ上の取付点の場所が調節されうる。例えば、取り付ける場所を互いの遠くへ、あるいは近くへ動かすことができる。更に別の実施形態では、特定の場所において更に硬さを増す、あるいは硬さを和らげるようにする等、フラップの内部構造又はフラップにおいて使用される材料を変更することが可能である。内部構造の変更は、フラップのどこがどれくらい変形するかに影響を与えうる。これにより、密着性能が改善されうる。別の実施形態では、フラップの密着特性を改善するために、密着部の形状、場所及び/又はサイズを調節することが可能である。
368において、フラップの形状が製造制約を満たしているか否かの決定がなされうる。例えば、翼/フラップの接触面におけるフラップの勾配が多少連続的になるように、すなわち、翼の後縁における翼の勾配と翼の後縁に隣接するフラップの勾配とが、互いに何%か以内、5%以内等になるように指定することができる。別の実施例では、翼の後縁の高さと翼の後縁に隣接するフラップの高さとの差が、ある指定された限度内になるように指定することができる。更に別の実施例では、フラップが、ある量以上に密着部を押し下げないように指定することができる。別の実施例では、翼への取付点における負荷が、ある最大値未満になるように指定することができる。更に別の実施例では、フラップの前縁とフラップの後縁との間の距離が、ある最小距離を上回り、ある最大距離を下回ったままになるように指定することができる。
372において、製造制約が満たされない場合、フラップの形状が調節されうる。例えば、フラップの形状は、翼の後縁の勾配とより良く一致する形状にフラップが変形するように調節されうる。別の実施例として、フラップの形状は、翼への取付点における負荷を軽くするように調節されうる。
345において、フラップが密着し、製造制約が満たされた場合、様々な飛行条件における翼とフラップを組み合わせた空力性能が決定されうる。この解析には、様々な条件、例えば離陸又は着陸における翼とフラップのシミュレーションを実施することが伴いうる。更に、様々な位置、例えば着陸のために下に延ばされた位置におけるフラップのシミュレーションを実施することが可能である。
空力制約は、密着制約とは幾分か無関係でありうる。例えば、フラップの形状は、フラップが完全に密着しているかどうかは重要ではない飛行条件において空力性能が高まるように調節されうる。したがって、調節された形状が所望の条件、例えば巡航条件において密着している限り、空力性能を改善するためにフラップに微調整を行うことが可能でありうる。例えば、空力性能を改善するために、フラップの前縁を更に丸くすることができる。
374において、フラップが密着している場合、製造制約が満たされ、空力制約が満たされ、そしてフラップの施工完了時の形状が確定されうる。複合フラップは、ジグにおいて構築される。したがって、ジグの形状が指定されうる。ジグの形状は、航空機に設置可能な無負荷形状である。次に、図6で設計されたフラップを含みうる航空機の幾つかの詳細を、図7及び8に関連して記載する。
図6Bは、本開示の一態様に係る、スポイラーの設計方法402のブロック図である。402において、図6Aのフラップの設計方法350から翼及びフラップの設計を入手することができる。翼及ぶフラップの設計は、フラップの場所を含む、翼及ぶフラップの内部構造、材料及び外形の仕様書を含みうる。上述したように、一実施形態では、一又は複数のフラップを地上で予め変形させることにより、一又は複数のフラップが飛行中に、より最適化された空力形状を取ることが可能になる。
404において、スポイラーの場所及びサイズが決定されうる。通常、スポイラーはフラップの前方に位置する。サイズは、翼のサイズとフラップのサイズによって変化しうる。この実施例では、上述したように、スポイラーは翼弦方向におおよそ30インチ、翼長方向に約85インチでありうる。しかしながら、サイズはスポイラーごとに変化しうる。更に、異なるサイズ設定の翼及びフラップを有する異なる飛行機の構成は、異なるサイズ設定の、より小さいあるいはより大きいスポイラーを含みうる。したがって、これらの実施例は、単なる例示の目的で提供される。
スポイラーの一部は、少なくとも1つのアクチュエータに連結されうる。アクチュエータにより、スポイラーの位置を、隣接するフラップとは関係なく調節することが可能になりうる。具体的には、アクチュエータは、スポイラーを翼の固定部分に対して上方に、あるいは下方に回転させるように構成されうる。ある実施形態では、機械的リンク機構を介して垂下パネルをフラップに連結させることができる。したがって、垂下パネル及びフラップは、一体として移動するように構成される。この場合、フラップと垂下パネルとの間の密着性を改善する等のために、垂下パネルの位置をフラップとは関係なく調節することはできない。
接触面は、翼の固定部分への幾つかのスポイラーの取付点、及びこれらの場所を含みうる。一実施形態では、各スポイラーは、各スポイラーがその周りで回転しうるヒンジ線への4つの取付点を含みうる。取付点の数は、4つより多くてよい、あるいは少なくてよい。また、取付点の数は、スポイラーごとに変化しうる。
406において、スポイラーの形状が決定されうる。上述したように、ある実施形態では、スポイラーは第1の部分と第2の部分とを有していてよく、第1の部分は対応する後縁(CTE)を含む。第1の部分は、第2の部分に取り付けられうる。特定の実施形態では、CTEを含む第1の部分は下方に角度を有している、あるいは湾曲している場合があり、下方に曲がったエッジを含む。この形状は、より広い条件範囲にわたってフラップとスポイラーとの間の密着性を改善する助けとなりうる。具体的には、第1の部分の形状は、可動フラップと、スポイラー又は垂下パネルとの間の密着性を強化するように選択されうる。
408において、スポイラーの内部構造と材料が決定されうる。第1の部分は、第2の部分に取り付けることができ、第2の部分よりも柔軟な材料から形成されうる。一実施形態では、第2の部分は、アルミニウム又は炭素複合材料等の金属から形成されうる。第2の部分に使用される材料は、スポイラーごとに変化しうる。例えば、スポイラーの一部はアルミニウムから形成され得、一部は炭素複合材料から形成されうる。
410において、飛行条件及び飛行機の重量配分が決定されうる。これらの条件の幾つかは、図6Aのフラップの設計方法350から入手することができる。更に、空力負荷を含む負荷条件も、フラップの設計方法350から入手することができる。412において、負荷下の翼、フラップ及びスポイラーの形状が決定されうる。
414において、各スポイラーに対し、密着条件がチェックされうる。例えば、TEVCシステム内のフラップの全ての位置において、各スポイラーがフラップに対して密着するか否かの決定がなされうる。これにより、可動フラップに当接して配置されたときに予め変形させた形状のスポイラー又は垂下パネルが可動フラップと部分的に接触することが可能になる。一又は複数の飛行条件において、スポイラー又は垂下パネルが空力下で予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、スポイラー又は垂下パネルが可動フラップとのより大きい接触面積を有するようになり、スポイラー又は垂下パネルと可動フラップとの間の気流が減少しうる。
416において、選択された形状のスポイラーを製造することはコスト効率が高いか否か等の製造制約がチェックされうる。418において、空力制約がチェックされうる。空力制約は、スポイラー間、又はスポイラーとフラップとの間の全ての間隙又は段差が許容誤差内であるか否か等の決定を含みうる。
密着制約、製造制約又は空力制約のうちの一又は複数が満たされない場合、次に420において、一又は複数の新たなスポイラーの形状が決定されうる。新たなスポイラーの形状は、下方に変位したスポイラーの第1の部分のCTEの量の調節を含みうる。第1の部分が下方に湾曲している場合、この形状は、下方の事前屈曲(pre−curl)又は下方湾曲と称されうる。
422において、密着制約、空力制約及び製造制約が満たされた場合、スポイラーの設計が受け入れられ、構築されうる。424において、スポイラーを有する飛行機が組み立てられ得、その後426において飛行が実施される。428において、飛行データが受信されうる。飛行データは、飛行中の一又は複数のスポイラーの相互に対する位置を示す写真を含みうる。
430において、428で受信した飛行データに基づき、一又は複数のスポイラーの位置が調節され、この結果スポイラーの新たな位置が得られうる。例えば、一又は複数のスポイラーの位置が上方に、あるいは下方に調節されうる。調節により、フラップとスポイラーとの間の密着性が改善されうる。さらに、調節により、隣接するスポイラー間の段差を減らすことができ、空力性能が改善されうる。これらの調節は、高度及び速度等の異なる飛行条件に応じて変更されうる。例えば、スポイラーの位置は、可動フラップのうちの1つの位置の変更に応じて調節されうる。ある場合、位置の変更により、スポイラーと可動フラップとの間の接触量が増加しうる、すなわち、スポイラー(又は垂下パネル)が可動フラップに、より完全に接触しうることで、接触面積が増加しうる。飛行制御システムは、これらの調節を自動的に行うように構成されうる。432において、これらのプログラミングされた調節を用いて、飛行機を飛行させることが可能である。
図6Cは、本開示の一態様に係る、航空機を制御する方法450のブロック図である。452において、図6A及び6Bの方法によって設計された翼、フラップ及びスポイラーを有する飛行機が受領されうる。更に、飛行機は、複数の飛行条件において適切な密着性を確保し、空力欠陥を最小限に抑えるためにスポイラーの位置を制御するように構成された飛行制御システムを含みうる。上述したように、幾つかのスポイラーの位置は、受信した飛行データに基づいて選択されうる。
454において、飛行機が飛行中に、飛行情報及びセンサ入力が受信されうる。飛行情報は、高度及び速度だけでなく、パイロット入力も含みうる。456において、飛行情報に基づいて、飛行制御システムはスポイラーの位置を決定しうる。458において、飛行制御システムは、456からの決定されたスポイラーの位置にスポイラーを配向させるように、スポイラーアクチュエータに命令しうる。
航空機での適用例
本書に提示のプロセス及びシステムの様々な特徴をより良く例示するために、図7に示す航空機の製造及び保守方法500と、図8に示す航空機600をここに記載する。航空機寿命のいずれかの段階、例えば試作、製造、運用及び保守で、胴体架台支持アセンブリを使用することができる。上述したように、架台支持アセンブリの設計は、他の種類の物体を支持するのに使用可能であり、機体を支持することのみに限定されない。例えば、架台支持アセンブリを使用して、製造中にタンク又はロケットセクションを支持することができる。
量産試作中、航空機の製造及び保守方法500は、航空機600の仕様及び設計504と、材料の調達506とを含みうる。製造段階には、航空機600のコンポーネント及びサブアセンブリの製造508と、システムインテグレーション510が伴う。システムインテグレーションは、材料の調達506の前に行うことも可能である。航空機600のスポイラーシステムの仕様及び設計の態様は、図1〜6Cに関連して上述されている。その後、航空機600は認可及び納品512を経て、運航514に供されうる。顧客によって運航されている間、航空機600には定期的な整備及び保守516(部分改造、再構成、改修等も含みうる)が予定される。本書に記載の実施形態は概して、民間機の運航に関するが、これらの実施形態を、航空機の製造及び保守方法500の他の段階で実行することが可能である。
航空機の製造及び保守方法500の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又は管理者(例:顧客)によって実施されうる、又は実行されうる。本記載の目的において、システムインテグレータは、非限定的に、任意の数の航空機製造者及び主要システム下請け業者を含んでいてよく、第三者は、例えば非限定的に、任意の数の販売業者、下請け業者、及び供給業者を含んでいてよく、管理者は、航空会社、リース会社、軍事体、サービス組織等であってよい。
図8に示すように、図7の例示の航空機の製造及び保守方法500によって製造された航空機600は、複数の高水準システム620と内装622とを有する機体618を含みうる。高水準システム620の実施例は、一又は複数の推進システム624、電気システム626、油圧システム628、及び環境システム630を含む。任意の数の他のシステムも含まれうる。例えば、上述したフラップの設計を、図1に示す空力制御システムの一部として使用することが可能である。
本書に示される、又は記載される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法500の一又は複数の段階のいずれかにおいて用いることができる。例えば、航空機600が運航中に製造されるコンポーネント及びサブアセンブリと同様の方法で、コンポーネント及びサブアセンブリの製造608に対応するコンポーネント及びサブアセンブリを作製しうる、あるいは製造しうる。また、例えば、航空機600のアセンブルを大幅に促進することによって、あるいは航空機600の費用を削減することによって、装置、方法、又はこれらの組み合わせの一又は複数の態様を、ステップ508及び510に用いることも可能である。同様に、装置又は方法の現実化、又はこれらの組み合わせの一又は複数の態様を、例えば非限定的に、航空機600の運航中、例えば整備及び保守516中に用いることが可能である。
結論
様々な構成要素、特徴、及び機能性を含む、装置及び方法の異なる実施例及び態様を本書に開示した。具体的には、航空機で使用される翼のスポイラーシステムに関連する装置及び方法を説明した。本書に開示の装置及び方法の様々な実施例及び態様が、本書に開示の装置及び方法の任意の他の実施例及び態様の任意の構成要素、特徴、及び機能性をいずれの組み合わせにおいても含むことができ、上記可能性は全て、本開示の主旨及び範囲内であることを理解すべきである。
条項1.
航空機であって、
翼100の固定部分と、
翼100の固定部分に連結された複数の可動フラップ(104、106)と、
翼100に連結されたスポイラー310であって、予め変形させた形状を有し、スポイラー310の後縁を形成している第1の部分212と、第1の部分212を受容し且つ翼100の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分202とを含む、スポイラー310と
を備え、
飛行していない間、予め変形させた形状のスポイラー310は、複数の可動フラップの第1の可動フラップに当接するように配置されたときに複数の可動フラップの第1の可動フラップと部分的に接触し、一又は複数の飛行条件において、スポイラー310が空力下で予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、スポイラー310が複数の可動フラップの第1の可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラー310と可動フラップ314との間の気流を減少させる、航空機。
条項2.
垂下パネル113が、機械的リンク機構を介して、翼100に連結され、複数の可動フラップの第1の可動フラップに機械的に連結され、予め変形させた形状を有し、垂下パネル113の後縁を形成している第1の部分212と、第1の部分212を受容し且つ翼100の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分202とを含み、飛行していない間、予め変形させた形状の垂下パネル113は、複数の可動フラップの第1の可動フラップに当接するように配置されたときに複数の可動フラップの第1の可動フラップと部分的に接触し、一又は複数の飛行条件において、垂下パネル113が空力下で予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、垂下パネル113が複数の可動フラップの第1の可動フラップとより完全に接触するようになり、垂下パネル113と可動フラップ314との間の気流を減少させる、条項1に記載の航空機。
条項3.
複数のスポイラーを更に備え、複数のスポイラーの各々は、翼100に連結され、種々の予め変形させた形状を有し、各々が、スポイラー310の後縁を形成している第1の部分212と、第1の部分212を受容し且つ翼100の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分202とを含み、
飛行していない間、種々の予め変形させた形状のスポイラーの各々は、複数の可動フラップの第1の可動フラップに当接するように配置されたときに複数の可動フラップの第1の可動フラップと部分的に接触し、一又は複数の飛行条件において、スポイラーの各々が空力下で種々の予め変形させた形状から第3の形状に変形することにより、第3の形状において、スポイラーの各々が可動フラップの第1の可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラー310と可動フラップの第1の可動フラップとの間の気流を減少させる、条項1に記載の航空機。
条項4.
航空機用の空力システムであって、
翼100の固定部分と、
翼100の固定部分に連結された複数の可動フラップ(104、106)と、
複数のスポイラー(108a、108b、108c、108d、108e、108f)であって、複数のスポイラーの各々は、翼100に連結され、飛行していない間は種々の予め変形させた形状を有し、各々が、スポイラー310の後縁を形成している第1の部分212と、第1の部分212を受容し且つ翼100の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分202とを含む、複数のスポイラー(108a、108b、108c、108d、108e、108f)と
を備え、
複数のスポイラーの各々は、翼100の異なる翼長上の場所に位置し、種々の予め変形させた形状は、一又は複数の飛行条件において発生する異なる翼長上の場所の各々における空力の差を考慮して選択され、一又は複数の飛行条件において、スポイラーの各々が空力下で種々の予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、スポイラーの各々が複数の可動フラップの第1の可動フラップとより完全に接触するようになり、スポイラー310と複数の可動フラップの第1の可動フラップとの間の気流を減少させる、航空機用の空力システム。
条項5.
一又は複数の垂下パネルを更に備え、垂下パネルの各々が、機械的リンク機構を介して翼100と可動フラップの1つに連結され、飛行していない間は種々の予め変形させた形状を有し、各々が、垂下パネルの後縁を形成している第1の部分212と、第1の部分212を受容し且つ翼100の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分202とを含み、
垂下パネルの各々は翼100の異なる翼長上の場所に位置し、種々の予め変形させた形状は、一又は複数の飛行条件において発生する異なる翼長上の場所の各々における空力の差を考慮して選択され、
一又は複数の飛行条件において、垂下パネルの各々が空力下で種々の予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、垂下パネルの各々が複数の可動フラップの第2の可動フラップとより完全に接触するようになり、垂下パネルと複数の可動フラップの第2の可動フラップとの間の気流を減少させる、条項4に記載の空力システム。
条項6.
航空機用の空力システムであって、
翼100の固定部分と、
翼100の固定部分に連結された可動フラップ314と、
翼100に連結されたスポイラー310又は垂下パネル113であって、予め変形させた形状を有し、スポイラー310の後縁を形成している第1の部分212と、第1の部分212を受容し且つ翼100の固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分202とを含む、スポイラー310又は垂下パネル113と
を備え、
飛行していない間、予め変形させた形状のスポイラー310又は垂下パネル113は、可動フラップ314に当接するように配置されたときに可動フラップ314と部分的に接触し、一又は複数の飛行条件において、スポイラー310又は垂下パネル113が空力下で予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、第2の形状において、スポイラー310又は垂下パネル113が可動フラップ314とのより大きい接触面積を有するようになり、スポイラー310又は垂下パネル113と可動フラップ314との間の気流を減少させる、空力システム。
条項7.
スポイラー310に連結され、スポイラー310を翼100の固定部分に対して上方に又は下方に回転させるように構成されたアクチュエータ308を更に備える、条項6に記載の空力システム。
条項8.
可動フラップ314と垂下パネル113とを一体として移動させる、垂下パネル113と可動フラップ314との間の機械的リンク機構を更に備える、条項6に記載の空力システム。
本開示内容に関係する当業者には、上述の記載及び関連の図面に提示された教示内容の恩恵を有する、本書に記載の開示内容の多くの修正及び他の実施例が思い当たることであろう。

Claims (17)

  1. 航空機用の空力システムであって、
    翼(100)の固定部分と、
    前記翼(100)の前記固定部分に連結された可動フラップ(314)と、
    前記翼(100)に連結されたスポイラー(310)又は垂下パネル(113)であって、予め変形させた形状を有し、前記スポイラー(310)の後縁を形成している第1の部分(212)と、前記第1の部分(212)を受容し且つ前記翼(100)の前記固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分(202)とを含む、スポイラー(310)又は垂下パネル(113)と
    を備え、
    飛行していない間、前記予め変形させた形状の前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)は、前記可動フラップ(314)に当接するように配置されたときに前記可動フラップ(314)と部分的に接触し、一又は複数の飛行条件において、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)が空力下で前記予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、前記第2の形状において、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)が前記可動フラップ(314)とのより大きい接触面積を有するようになり、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)と前記可動フラップ(314)との間の気流を減少させる、空力システム。
  2. 前記第1の部分(212)は下方に湾曲したエッジを有する、請求項1に記載の空力システム。
  3. 前記一又は複数の飛行条件は巡航条件を含む、請求項1又は2に記載の空力システム。
  4. 前記予め変形させた形状が、空力下でたわむ、及びまっすぐになる、請求項1に記載の空力システム。
  5. 前記第1の部分(212)が前記第2の部分(202)よりも柔軟な材料から形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の空力システム。
  6. 前記飛行条件を特徴づけている飛行情報を受信し、前記飛行情報に応じて前記スポイラー(310)の回転位置を調節するようにアクチュエータ(308)に命令するように構成された飛行制御システム(306)を更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の空力システム。
  7. 前記第1の部分(212)を可動フラップ(314)に押し付けることで、前記第1の部分(212)を変形させて前記可動フラップ(314)と前記スポイラー(310)との間の密着性を強化するために、前記スポイラー(310)の前記回転位置が下方に調節される、請求項6に記載の空力システム。
  8. 複数の巡航条件を更に含み、前記第1の部分(212)の形状は、前記複数の巡航条件の各々において、前記可動フラップ(314)と前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)との間の密着性が強化されるように選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の空力システム。
  9. 前記翼(100)の前記固定部分に対する前記可動フラップ(314)の第1の位置が前記複数の巡航条件の各々において変更され、前記スポイラー(310)の第2の位置が前記可動フラップ(314)の前記第1の位置の変更に応じて調節される、請求項8に記載の空力システム。
  10. 前記可動フラップ(314)は第1の予め変形させた形状を有し、一又は複数の飛行条件において、前記可動フラップ(314)が空力下で前記第1の予め変形させた形状から第3の形状に変形することにより、前記第3の形状において、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)が前記可動フラップ(314)とより完全に接触するようになり、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)と前記可動フラップ(314)との間の気流を減少させる、請求項1から9のいずれか一項に記載の空力システム。
  11. 複数のスポイラーを更に備え、前記複数のスポイラーの各々は、前記翼(100)に連結され、種々の予め変形させた形状を有し、各々が、前記スポイラーの後縁を形成している前記第1の部分(212)と、前記第1の部分(212)を受容し且つ前記翼(100)の前記固定部分に取り付けられるように構成された前記第2の部分(202)とを含み、飛行していない間、前記種々の予め変形させた形状の前記スポイラーの各々は、前記可動フラップ(314)に当接するように配置されたときに前記可動フラップ(314)と部分的に接触し、一又は複数の飛行条件において、前記スポイラーの各々が空力下で前記種々の予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、前記第2の形状において、前記スポイラーの各々が前記可動フラップ(314)とより完全に接触するようになり、前記スポイラー(310)と前記可動フラップ(314)との間の気流を減少させる、請求項1から10のいずれか一項に記載の空力システム。
  12. 前記複数のスポイラーの第1のスポイラーと第2のスポイラーとが前記可動フラップ(314)に当接するように配置されたときに、飛行していない間、前記第1のスポイラーの第1の後縁の第1の角と前記第2のスポイラーの第2の後縁の第2の角との間に段差付間隙が存在し、一又は複数の飛行条件において、前記第1のスポイラーが空力下で第1の予め変形させた形状から第3の形状に変形し、前記第2のスポイラーが空力下で第2の予め変形させた形状から第4の形状に変形することにより、前記段差付間隙が縮小する、請求項11に記載の空力システム。
  13. 前記複数のスポイラーの各々に連結された少なくとも1つのアクチュエータ(308)と、前記アクチュエータに連結された飛行制御システム(306)とを更に備え、前記アクチュエータの各々は、前記翼(100)の前記固定部分に対して前記複数のスポイラーのうちの1つの位置を上方へあるいは下方へ回転させるように構成され、前記飛行制御システムは、前記飛行条件を特徴づける飛行情報を受信し、前記飛行情報に応じて、各アクチュエータに、前記複数のスポイラーのうちの1つの位置を調節して、1)前記可動フラップ(314)と前記複数のスポイラーのうちの1つとの間の密着性を強化すること、2)隣接するスポイラー間の段差付間隙を縮小させること、又はそれらの組み合わせを行うように、命令するように構成されている、請求項11に記載の空力システム。
  14. 第2の可動フラップと第2のスポイラーを更に備え、各々が前記翼(100)の前記固定部分に連結され、前記第2のスポイラーは、前記予め変形させた形状とは異なる第2の予め変形させた形状を有し、前記第2のスポイラーの前記後縁を形成している第3の部分と、前記第3の部分を受容し且つ前記翼(100)の前記固定部分に取り付けられるように構成された第4の部分とを含み、飛行していない間、前記第2の予め変形させた形状の前記第2のスポイラーは、前記第2の可動フラップに当接するように配置されたときに前記第2の可動フラップに部分的に接触し、前記一又は複数の飛行条件において、前記第2のスポイラーが前記空力下で前記第2の予め変形させた形状から第3の形状に変形することにより、前記第3の形状において、前記第2のスポイラーが前記第2の可動フラップとより完全に接触するようになり、前記第2のスポイラーと前記第2の可動フラップとの間の気流を減少させる、請求項1から13のいずれか一項に記載の空力システム。
  15. 翼(100)用のスポイラー(310)又は垂下パネル(113)を生産する方法であって、
    前記翼(100)の固定部分、可動フラップ(314)の形状、及び前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)の予め変形させた形状を決定することであって、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)は前記翼(100)に対して回転することができるように前記翼(100)に機械的に連結され、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)は前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)の後縁を形成している第1の部分(212)と、前記第1の部分(212)を受容し且つ前記翼(100)の前記固定部分に取り付けられるように構成された第2の部分(202)とを含む、前記翼(100)の固定部分、可動フラップ(314)の形状、及び前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)の予め変形させた形状を決定することと、
    前記翼(100)の第1の構造及び第1の材料と、前記可動フラップ(314)の第2の構造及び第2の材料と、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)の第3の構造及び第3の材料とを決定することと、
    飛行条件を特定することと
    を含み、
    飛行していない間、前記予め変形させた形状の前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)は、前記可動フラップ(314)に当接するように配置されたときに前記可動フラップ(314)に部分的に接触し、前記飛行条件において、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)が空力下で前記予め変形させた形状から第2の形状に変形することにより、前記第2の形状において、前記スポイラー(310)又は前記垂下パネル(113)が前記可動フラップ(314)とより完全に接触するようになり、前記スポイラー(310)と前記可動フラップ(314)との間、又は前記垂下パネル(113)と前記可動フラップ(314)との間の気流を減少させる、方法。
  16. 複数の異なる飛行条件を特定することと、
    前記異なる飛行条件の各々において、前記スポイラー(310)と前記可動フラップ(314)との間、又は前記垂下パネル(113)と前記可動フラップ(314)との間の接触量を決定することと、
    前記スポイラー(310)と前記可動フラップ(314)との間、又は前記垂下パネル(113)と前記可動フラップ(314)との間の接触量が許容範囲内にあるか否かを決定することと、
    前記接触量が許容範囲にない場合、前記接触量を増加させるために前記第1の部分(212)の第1の形状を調節することと
    を更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記飛行条件と、前記複数の異なる飛行条件の少なくとも第1の飛行条件とを含む複数の異なる飛行条件において前記スポイラー(310)の第1の形状を含む飛行データを受信することと、
    前記翼(100)の空力性能を高めるために前記スポイラー(310)の新たな位置を決定することと、
    前記飛行条件の前記第1の飛行条件において前記スポイラー(310)の前記新たな位置を実行するように飛行制御システムを構成することと
    を更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
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