JP2019165426A - 電力線通信用フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の技術においては、変圧器等の電力機器の二次側から一次側への電力線通信の信号の通過および遮断を適切に制御できなかった。【解決手段】電力機器である変圧器10の二次側配線L1,L2、または一次側配線P1,P2に対して接続され、変圧器10の二次側配線L1,L2と一次側配線P1,P2との間における電力線通信の信号の通過を遮断するコンデンサ201を備えた電力線通信用フィルタ20により、変圧器10の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過および遮断を適切に制御することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、電力線通信(PLC)用のフィルタに関するものである。
従来の技術として、変圧器から需要家へと延びる単相3線式の低圧配電線に設置する電力線通信システムであって、低圧配電線は、変圧器から延びる幹線から分岐した第1及び第2の支線を含み、第1の電力線モデムは、第1の支線に誘導結合方式により接続されて第1の支線に第1の信号を重畳すると共に、第2の支線に誘導結合方式により接続されて第2の支線に前記第1の信号の逆相の信号である第2の信号を重畳することを特徴とする電力線通信システムが知られていた。(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の技術においては、変圧器等の電力機器の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過を適切に遮断できない、という課題があった。
例えば、変圧器は、鉄心の渦電流損等の影響により、一次側と二次側との間において高周波信号の通過を妨げるが、完全には通過を遮断することができず、電力線通信の信号や数MHz程度の高次高調波が、ある程度通過していた。このため、変圧器の二次側において送信される電力線通信の高周波の信号が、変圧器を通過して一次側に漏れてしまうという問題があった。なお、一次側とは、例えば、高電圧側や系統側である。また、二次側とは、例えば、低電圧側や負荷側である。同様に、一次側において送信された電力線通信の高周波の信号が、変圧器を通過して二次側に漏れてしまうという問題があった。
同様に、PAS(気中負荷開閉器)やUGS(地中線用負荷開閉器)等の、変圧器以外の電力機器においても、二次側から一次側へのPLC信号の漏れや、一次側から二次側へのPLC信号の漏れを防ぐことができないという問題があった。
また、上記のような電力機器において、二次側と一次側との間における電力線通信の信号が遮断される程度や信号の減衰量等を、適宜変更することができないという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、電力機器の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過を適切に遮断できる電力線通信用フィルタを提供することを目的とする。
本発明の電力線通信用フィルタは、電力機器の二次側配線または一次側配線に対して接続され、当該電力機器の二次側配線と一次側配線との間における電力線通信の信号の通過を遮断する素子を備えた電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力の通過を妨げずに、電力機器の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過を適切に遮断することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子は、複数の素子であり、当該複数の素子の中から、前記二次側配線と接続される1以上の素子を切替える切替手段を更に備えた電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、二次側配線と接続される1以上の素子を切替えて、合成インピーダンスを調節して、電力線通信の信号の通過および遮断を細かく制御することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記切替手段は、直列または並列に接続されて前記二次側配線と接続される素子を切替える電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、二次側配線と接続される素子を切替えて、一の素子または、直列接続または並列接続した複数の素子を二次側配線に接続することができ、合成インピーダンスを調節して、電力線通信の信号の通過および遮断を細かく制御することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記複数の素子は、電力線通信の信号の通過を遮断する特性である通過特性が異なり、前記切替手段は、前記通過特性が異なる複数の素子の中から、前記二次側配線と接続される一の素子を切替える電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、二次側配線と接続する素子を切替えることで通過特性を変更して、電力線通信の信号の通過および遮断を細かく制御することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタのうちの少なくとも2以上の電力線通信用フィルタが直列または並列に接続された電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、合成インピーダンスを細かく制御することが可能となり、電力線通信の信号の通過および遮断を細かく制御することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記切替手段は、接続する素子の切替を遠隔操作可能なものである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力線通信の信号の通過と遮断とを遠隔操作することができ、電力線通信用フィルタを、変圧器等に接続して使用している状態においても、離れた場所から容易に電力線通信の信号の通過と遮断とを制御することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子と二次側配線との間に、当該素子と二次側配線との接続と切断とを切替える接続手段を備えた電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力線通信の信号の二次側と一次側との間における通過を遮断するか否かを容易に切替えることができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記接続手段は、接続と切断との切替を遠隔操作可能なものである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力線通信用フィルタを、変圧器等に接続して使用している状態においても、離れた場所から容易に電力線通信の信号の二次側と一次側との間における通過を遮断するか否かを容易に切替えることができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子は、前記二次側配線と接地との間に接続されるコンデンサである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、コンデンサを二次側線路と接地との間に接続することで、電力線通信の信号を、コンデンサを通過させて接地側に送信するとともに、低周波の電力の接地側への通過を防ぐことができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子は、前記二次側配線と接地との間に接続される容量が変更可能な可変コンデンサである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力線通信の信号の遮断の程度を、可変コンデンサの容量を変更することで、容易に行なうことができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子は、前記二次側配線に挿入されるインダクタである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、インダクタを二次側線路に挿入することで、インダクタによって電力線通信の信号を電力機器側に通過させないようにすることができるとともに、低周波の電力を遮断しないようにすることができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子は、前記二次側配線に挿入されるインダクタンスが変更可能な可変インダクタである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力線通信の信号の遮断の程度を、可変インダクタのインダクタンスを変更することで、容易に行なうことができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子は、フェライトコアに巻付けられた前記二次側配線に挿入される導線を有する電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、フェライトコアに巻付けられた導線によって、電力線通信の信号を電力機器側に通過させないようにすることができるとともに、低周波の電力を遮断しないようにすることができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子が、電力機器の二次側配線間または一次側配線間に接続されるコンデンサである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力線通信の信号を、コンデンサを通過させて二次側配線間または一次側配線間で送信するとともに、低周波の電力のコンデンサの通過を防ぐことができ、電力の通過を妨げずに、電力機器の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過を適切に遮断することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記電力機器が、単相3線式の変圧器である電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、単相3線式の変圧器の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過を適切に遮断することができる。
また、本発明の電力線通信用フィルタは、前記電力線通信用フィルタにおいて、前記素子が、三相3線式の電力機器の、3本の二次側配線または3本の一次側配線から選択した異なる1組以上の二本の配線間をそれぞれ接続するコンデンサである電力線通信用フィルタである。
かかる構成により、電力線通信の信号を、コンデンサを通過させて二次側配線間または一次側配線間で送信するとともに、低周波の電力のコンデンサの通過を防ぐことができ、電力の通過を妨げずに、三相3線式の電力機器の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過を適切に遮断することができる。
本発明による電力線通信用フィルタによれば、電力機器の二次側と一次側との間における電力線通信の信号の通過を適切に遮断することができる。
以下、電力線通信用フィルタ等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における電力線通信用フィルタを示す図(図1(a))、およびその変形例を示す図(図1(b)〜(d))である。ここでは、電力機器である変圧器の二次側配線が、電力線通信を行なうための回路や機器(図示せず)等と接続されており、電力線通信用フィルタが、変圧器の二次側配線の、変圧器と、電力線通信を行なうための回路や機器等との間に接続されている例を挙げて説明する。電力線通信を行なうための回路や機器とは、例えば、電力線通信用のモデムや、電力線通信の信号を出力するコンピュータ等の機器である。電力線通信は、例えば、電力線搬送通信とも呼ばれる。
図1は、本実施の形態における電力線通信用フィルタを示す図(図1(a))、およびその変形例を示す図(図1(b)〜(d))である。ここでは、電力機器である変圧器の二次側配線が、電力線通信を行なうための回路や機器(図示せず)等と接続されており、電力線通信用フィルタが、変圧器の二次側配線の、変圧器と、電力線通信を行なうための回路や機器等との間に接続されている例を挙げて説明する。電力線通信を行なうための回路や機器とは、例えば、電力線通信用のモデムや、電力線通信の信号を出力するコンピュータ等の機器である。電力線通信は、例えば、電力線搬送通信とも呼ばれる。
変圧器10は、一次巻線101、二次巻線102、および鉄心103を備えている。変圧器10は、例えば、配電用の変圧器である。配電用の変圧器とは、例えば、発電設備や変電設備から送電される高圧の電圧を、需要家が利用可能な低電圧に変圧して配電するための変圧器である。配電用の変圧器としては、例えば、変電設備等から送電される6kV程度の高圧の電流を、例えば200Vや100Vの電圧に変圧して一般家庭に配電するための柱上変圧器等がある。本実施の形態においては、変圧器10が、単相三線式の変圧器である場合を例に挙げて説明する。ただし、他の構造の変圧器であってもよい。
一次巻線101は、両端に一次側配線P1および一次側配線P2が接続されている。一次側配線とは、変圧器の一次巻線の両端にそれぞれ接続された配線である。一次側配線P1および一次側配線P2は、例えば、一次巻線101を構成する導線の延長であっても良く、この場合も、一次巻線101に接続された配線と考えて良い。なお、以下、変圧器10と接続された一次側配線(具体的には、変圧器10の一次巻線101と接続された一次側配線)を変圧器10の一次側配線と呼ぶ。一次巻線101は、通常、高圧側の巻線として用いられる。一次巻線101の一次側配線P1および一次側配線P2は、例えば、高圧線(一般的に6kV)に接続される。
二次巻線102は、両端に二次側配線L1および二次側配線L2が接続されている。二次側配線とは、変圧器の二次巻線の両端に接続された配線である。二次側配線L1およびL2は、二次巻線102を構成する導線の延長であっても良く、この場合も、二次巻線の両端に接続された配線と考えても良い。なお、以下、変圧器10と接続された二次側配線(具体的には、変圧器10の二次巻線102と接続された二次側配線)を変圧器10の二次側配線と呼ぶ。二次巻線102は、通常、低圧側の巻線として用いられる。二次側配線L1および第二のL2は、例えば、低圧線(一般的に100または200V)に接続される。この二次側配線L1およびL2が、ここでは、電力線通信を行なう回路(図示せず)等と接続されている。
ここでは変圧器10が単相三線式であるため、二次巻線102の中央には、中性線Gが接続されている。中性線Gは、例えば、接地線として用いられる配線であり、接地されている。通常、二次側配線L1と中性線Gとの間の電位差と、二次側配線L2と中性線との間の電位差とが等しい電位差となるよう中性線Gが接続されている。変圧器10の詳細な構成については、公知技術であるため、ここでは説明は省略する。
電力線通信用フィルタ20は、変圧器10の二次側配線L1と二次側配線L2とに対してそれぞれ設けられている。例えば、電力線通信用フィルタ20は、二次側配線L1またはL2の、変圧器10と、電力線通信を行なうための回路や機器との間に接続されている。電力線通信用フィルタ20は、変圧器10の二次側配線L1またはL2に対してそれぞれ接続された素子であって、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、変圧器10の一次側配線P1およびP2への通過を遮断する1以上の素子を備えている。ここでの素子は、変圧器10の二次側配線L1またはL2に送信される電力線通信の信号の、変圧器10の一次側配線P1およびP2への通過を遮断することが可能な素子であればどのような素子であってもよい。ここでの電力線通信の信号の遮断は、完全な遮断であってもよく、完全な遮断でなくてもよい。例えば、電力線通信の信号の遮断は、電力線通信の信号の部分的な遮断であってもよい。また、この素子の二次側配線L1またはL2に対する接続のしかたは、電力線通信の信号の、変圧器10の一次側配線P1およびP2への通過を遮断することが可能であれば、どのような接続であってもよい。例えば、素子は、素子が有する一の端子だけが、二次側配線L1またはL2に対して接続されていてもよい。また、素子は、二次側配線L1またはL2に対して挿入されていてもよい。ここでは、電力線通信用フィルタ20が、上述した電力線通信の信号の通過を遮断する1以上の素子として、二次側配線L1または二次側配線L2と、中性線Gと、の間に接続されたコンデンサ201を備えている場合について説明する。なお、二次側配線L1またはL2に接続される素子は、二次側配線L1またはL2に直接接続されていてもよく、例えば、同様の他の素子や、スイッチ等を介して、二次側配線L1またはL2に接続されていてもよく、このような場合も、素子が二次側配線L1またはL2に接続されると考えてもよい。
中性線Gが接地されているため、電力線通信用フィルタ20のコンデンサ201は、二次側配線L1と接地との間、および二次側配線L2と接地との間に接続されていることとなる。コンデンサ201は、周波数が低い成分に対しては、インピーダンスが高くなり、周波数が高い成分に対しては、インピーダンスが低くなるため、変圧器10の二次側配線L1およびL2を流れる低周波数の電力(例えば、50Hzまたは60Hz等の商用周波数等の電力)は通過させないとともに、電力線通信に用いられるような、例えば2M〜30MHzの高周波信号は通過させることとなる。従って、二次側配線L1およびL2の、電力線通信用フィルタ20のコンデンサ201が接続されている位置よりも二次側、すなわちコンデンサ201が接続されている位置に対して変圧器10の反対側となる部分において送信された電力線通信の信号は、高周波に対するインピーダンスが小さいコンデンサ201を介して中性線Gに流れ、接地側に流れることとなる。これにより、電力線通信の信号が、電力線通信用フィルタ20が接続されている位置よりも変圧器10側に流れないようにすることができ、電力線通信の信号が、一次側配線P1およびP2に流れないようにすることができる。これにより、例えば、二次側から一次側への電力線通信の信号の通過を遮断することができる。
なお、コンデンサ201の容量は、例えば、変圧器10等によっても異なるが、数千pF以上であることが好ましい。ただし、容量が大きすぎる場合、50Hzや60Hzの低周波電力まで遮断される可能性があるため、約10000pF以下とすることが好ましい。
以上、本実施の形態においては、変圧器10の二次側配線L1およびL2とのそれぞれと、変圧器10の接地された中性線Gとの間にそれぞれ接続されたコンデンサ201を備えたことにより、低周波電力が遮断されることなく、二次側配線L1およびL2に送信される電力線通信の信号の、変圧器10の一次側への通過を遮断することができる。
また、本実施の形態においては、コンデンサ201の一端を、接地された中性線Gと接続するようにしたことにより、コンデンサ201を接地するための接地された線路等を別途用意する必要がなく、構成を簡易化することができる。
なお、ここでは、2つの電力線通信用フィルタ20を、変圧器10の二次側配線L1およびL2のそれぞれと、中性線Gとの間にそれぞれ設けた場合について説明したが、1つの電力線通信用フィルタ20を、二次側配線L1およびL2のいずれか一方と、中性線Gとの間だけに設けるようにしてもよい。
また、コンデンサ201の一端を、接地された中性線Gに接続する代わりに、図示しない接地された線路と接続するようにしてもよい。すなわちコンデンサ201の一端を接地するようにしてもよい。このようにコンデンサ201の一端を接地した場合においても、コンデンサ201によって電力線通信の信号の一次側配線への通過を遮断することができる。かかることは、以下においても同様である。
(変形例1)
図1(b)に示すように、図1(a)に示した電力線通信用フィルタ20において、二次側配線L1またはL2と電力線通信の信号の通過を遮断する素子であるコンデンサ201との間に、コンデンサ201と二次側配線L1との、接続と切断とを切替える接続手段2011を備えるようにしてもよい。接続手段2011は、例えば、コンデンサ201と、二次側配線L1またはL2との接続と切断とを切り替え可能なスイッチである。
図1(b)に示すように、図1(a)に示した電力線通信用フィルタ20において、二次側配線L1またはL2と電力線通信の信号の通過を遮断する素子であるコンデンサ201との間に、コンデンサ201と二次側配線L1との、接続と切断とを切替える接続手段2011を備えるようにしてもよい。接続手段2011は、例えば、コンデンサ201と、二次側配線L1またはL2との接続と切断とを切り替え可能なスイッチである。
このような変形例においては、接続手段2011によってコンデンサ201と二次側配線L1またはL2とを接続した場合には、電力線通信用フィルタ20によって、二次側配線L1またはL2に送信される電力線通信の信号を、一次側配線に通過させないようにすることができ、接続手段2011によってコンデンサ201と二次側配線L1またはL2とを切断した場合には、二次側配線L1またはL2に送信される電力線通信の信号の一次側配線への通過を遮断しないようにすることができる。このように接続手段2011を設けたことにより、二次側配線に送信される電力線通信の信号の通過を遮断するか否かを、切替えることが可能となる。
なお、接続手段2011は、遠隔操作で接続と切断とを切替え可能な装置であることが好ましい。例えば、接続手段2011は、遠隔操作で接続と切断とを切替え可能なスイッチであることが好ましい。このようにすることで、変圧器10および電力線通信用フィルタ20等を設置した後においても、遠隔操作で通過の遮断を行なうか否か等を切替えることができ、必要等に応じて容易に電力線通信の信号の遮断を制御することができる。このようなスイッチ等の装置については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
(変形例2)
また、図1(c)に示すように、電力線通信用フィルタ20のコンデンサ201を、可変コンデンサ201aに変更してもよい。可変コンデンサ201aとは、電気容量を変更できるコンデンサである。
また、図1(c)に示すように、電力線通信用フィルタ20のコンデンサ201を、可変コンデンサ201aに変更してもよい。可変コンデンサ201aとは、電気容量を変更できるコンデンサである。
可変コンデンサ201aを操作して、電気容量を大きくすると、可変コンデンサ201aのインピーダンスが小さくなり、電力線通信の信号を流しやすくなる。このため、可変コンデンサ201aを操作して電気容量を変更することで、電力線通信の信号の、中性線G(すなわち接地)へ通過する程度を変更することができる。これにより、一次側配線に通過する電力線通信の信号の遮断の程度を制御することができる。なお、可変コンデンサ201aは、手動操作できるものであっても良いが、遠隔操作で容量を変更できるものであることが好ましい。
(変形例3)
なお、電力線通信用フィルタ20の代わりに、図1(d)に示すように二次側配線L1またはL2と中性線G(または接地)との間に接続される4つのコンデンサ202a〜202dと、4つのコンデンサ202a〜202dの中から二次側配線L1またはL2と接続される1以上のコンデンサを切替える1以上の切替手段2020と、二次側配線L1またはL2と接続される第一の端子2023と、中性線G(または接地)と接続される第二の端子2024と、を備えた電力線通信用フィルタ21を用いるようにしてもよい。
なお、電力線通信用フィルタ20の代わりに、図1(d)に示すように二次側配線L1またはL2と中性線G(または接地)との間に接続される4つのコンデンサ202a〜202dと、4つのコンデンサ202a〜202dの中から二次側配線L1またはL2と接続される1以上のコンデンサを切替える1以上の切替手段2020と、二次側配線L1またはL2と接続される第一の端子2023と、中性線G(または接地)と接続される第二の端子2024と、を備えた電力線通信用フィルタ21を用いるようにしてもよい。
切替手段2020は、4つのコンデンサ202a〜202dの二次側配線L1またはL2と接続される側と、第一の端子2023との間にそれぞれ設けられ、4つのコンデンサ202a〜202dのそれぞれと、第一の端子203との接続と切断とを切替える第一のスイッチ2021a〜2021dと、4つのコンデンサ202a〜202dの中性線G側(または接地側)と、第二の端子204の間にそれぞれ設けられ、4つのコンデンサ202a〜202dのそれぞれと、第二の端子204との接続と切断とを切替える第二のスイッチ2022a〜2022dとを備えている。この切替手段2020は、例えば、4つのコンデンサ202a〜202dの中から、並列に接続されて二次側配線L1またはL2と接地との間に接続される素子を切替える切替手段である。なお、この場合、一つの素子が二次側配線L1またはL2と接地との間に接続されるよう切替えることも、並列に接続した素子が二次側配線L1またはL2と接地との間に接続されるよう切替えることの一態様と考えてもよい。この切替手段2020は、例えば、二次側配線L1またはL2と接地との間に接続される1のコンデンサ、または並列接続されて二次側配線L1またはL2と接地との間に接続される2以上のコンデンサを切替える切替手段と考えてもよい。なお、第一の端子2023は、切替手段2020が二次側配線L1またはL2側と接続される部分と考えてもよい。また、第二の端子2024は、切替手段2020が中性線G側(または接地側)と接続される部分と考えてもよい。また、この場合、第一の端子2023および第二の端子2024は省略してもよい。かかることは、後述する第一の端子2033および第二の端子2034、並びに後述する第一の端子4033および第二の端子4034においても同様である。
4つのコンデンサ202a〜202dは、電力線通信の信号の通過特性が同じであるコンデンサであってもよく、通過特性が異なるコンデンサを含んでいてもよい。例えば、全ての通過特性が異なっていてもよい。電力線通信の信号の通過特性とは、電力線通信の信号の通過を遮断する特性である。電力線通信の信号の通過特性は、例えば、電力線通信の信号の通過の程度や度合い(言い換えれば、信号の遮断の程度や度合い)、通過する信号の減衰量や、通過する周波数帯等である。例えば、コンデンサにおいては、その容量により変化することから、電力線通信の信号の通過特性が変化することから、電力線通信の信号の通過特性が同じであるコンデンサは、例えば、容量が同じであるコンデンサであり、通過特性が異なるコンデンサは、容量が異なるコンデンサである。
この電力線通信用フィルタ21は、電力線通信用フィルタ20の代わりに、二次側配線L1と中性線G(または接地)との間、および二次側配線L2と中性線G(または接地)との間に設けられる。
例えば、切替手段2020の第一のスイッチ2021aと第二のスイッチ2022aとの組の両方を接続した状態とすることで、コンデンサ202aを第一の端子2023と第二の端子2024との間(すなわち、二次側配線L1またはL2と、中性線Gとの間)に接続することができ、少なくとも一方、好ましくは両方を切断した状態とすることで、コンデンサ202aを第一の端子2023と第二の端子2024との間に接続しないようにすることができる。かかることは、第一のスイッチ2021bと第二のスイッチ2022bとの組、第一のスイッチ2021cと第二のスイッチ2022cとの組、および第一のスイッチ2021dと第二のスイッチ2022dとの組についても同様である。このため、切替手段2020の第一のスイッチ2021aと第二のスイッチ2022aとの組、第一のスイッチ2021bと第二のスイッチ2022bとの組、第一のスイッチ2021cと第二のスイッチ2022cとの組、および第一のスイッチ2021dと第二のスイッチ2022dとの組のうちの2以上の組を接続した状態とすることで、4つのコンデンサ202a〜202dのうちの2以上を、第一の端子2023と第二の端子2024との間(すなわち、二次側配線L1またはL2と、中性線Gとの間)に並列接続することができる。また、一つの組だけを接続した状態とすることで、4つのコンデンサ202a〜202dのうちの一つのコンデンサだけを接続することができる。また、第一のスイッチ2021a〜2021dと第二のスイッチ2022a〜2022dとの全てを切断状態とすることで、4つのコンデンサ202a〜202dを全て接続しないようにして、電力線通信の信号の一次側配線への通過を妨げないようにすることができる。
複数のコンデンサを並列接続した場合、コンデンサの合成容量が増加するため、インピーダンスが小さくなり、電力線通信の信号を流しやすくなる。このため、この電力線通信用フィルタ21を、電力線通信用フィルタ20の代わりに、二次側配線L1と中性線G(または接地)との間、および二次側配線L2と中性線G(または接地)との間にそれぞれ設け、切替手段2020によって、4つのコンデンサ202a〜202dのうちの二次側配線L1と中性線Gとの間に並列接続するコンデンサの数を切替えることで、電力線通信の信号が中性線G(すなわち接地)へ送信される程度を変更して、一次側配線に通過する電力線通信用信号の遮断の程度を変更することができる。また、切替手段2020によって、全てのコンデンサ202a〜202dを接続しないようにすることで、電力線通信の信号の一次側配線への通過を遮断しないようにすることができる。ここでの切替手段2020による並列に接続するコンデンサの切替は、例えば、並列接続するコンデンサ数の切替と考えてもよい。
なお、切替手段2020が有する第一のスイッチ2021a〜2021dおよび第二のスイッチ2022a〜2022dは、遠隔操作可能なスイッチであることが好ましい。また、切替手段2020の、同じコンデンサに接続された第一のスイッチおよび第二のスイッチは、同時に接続と切断とが切り替え可能なスイッチであることが好ましい。
また、ここでは、電力線通信用フィルタ21が、並列接続可能な4つのコンデンサ202a〜202dを有する場合について説明したが、電力線通信用フィルタ21が有する並列接続可能なコンデンサは、2以上であればその数は問わない。また、切替手段2020は、各コンデンサの二次側配線側と、中性線G側(または接地側)とに、それぞれ第一のスイッチと、第二のスイッチとを有していればよい。
この変形例3においては、電力線通信の信号の通過を遮断する素子であるコンデンサ202a〜202dを複数備えているとともに、複数のコンデンサ202a〜202dの中から、二次側配線L1またはL2に接続される1または2以上のコンデンサ、具体的には、二次側配線L1またはL2と中性線G(すなわち接地)との間に並列接続される1または2以上のコンデンサを切替える切替手段2020を備えるようにしたから、切替手段2020によって、並列に接続する1または2以上のコンデンサを切替えて、並列接続するコンデンサ数等を変更することにより、電力線通信の信号の接地側への通過特性を変更することができ、一次側配線に通過する電力線通信の信号の遮断の程度を適切に制御することができる。
なお、ここでは、切替手段2020が、複数のコンデンサ(例えば、コンデンサ202a〜202d)の中から並列に接続する1または2以上のコンデンサを切替えられるようにした場合について説明したが、切替手段2020は、複数のコンデンサ(例えば、コンデンサ202a〜202d)の中から直列に接続する1または2以上のコンデンサを切替えられるようにしてもよい。すなわち、切替手段2020は、例えば、複数のコンデンサ(例えば、コンデンサ202a〜202d)の中から、直列に接続されて二次側配線L1またはL2と接地との間に接続される素子を切替える切替手段と考えてもよい。なお、この場合、1の素子が接続されるよう切替えることも、直列に接続されて二次側配線L1またはL2と接地との間に接続される素子を切替えることの一態様と考えてもよい。この切替手段2020は、二次側配線L1またはL2と接地との間に接続される1のコンデンサ、または二次側配線L1またはL2と接地との間に直列接続される2以上のコンデンサを切替える切替手段と考えてもよい。
また、ここで示した切替手段2020は一例であり、切替手段2020は、電力線通信用フィルタ21が有する複数のコンデンサの中から、二次側配線L1またはL2と接続、具体的には、二次側配線L1またはL2と、接地との間に接続されるコンデンサであって、並列または直列に接続される1または2以上のコンデンサを切替えることが可能な切替手段であれば、どのような構成を有していてもよい。
(変形例4)
図2(a)は、本実施の形態における電力線通信用フィルタの変形例を示す図である。
上記実施の形態において、電力線通信用フィルタ20の代わりに、図2(a)に示すように、変圧器10の二次側配線L1またはL2と中性線G(または接地)との間に接続される通過特性が異なる4つのコンデンサ203a〜203dと、この4つのコンデンサ203a〜203dの中から、二次側配線L1またはL2と接続される一のコンデンサを切替える切替手段2030と、二次側配線L1またはL2と接続される第一の端子2033と、中性線G(または接地)と接続される第二の端子2034と、を備えた電力線通信用フィルタ22を用いるようにしてもよい。
図2(a)は、本実施の形態における電力線通信用フィルタの変形例を示す図である。
上記実施の形態において、電力線通信用フィルタ20の代わりに、図2(a)に示すように、変圧器10の二次側配線L1またはL2と中性線G(または接地)との間に接続される通過特性が異なる4つのコンデンサ203a〜203dと、この4つのコンデンサ203a〜203dの中から、二次側配線L1またはL2と接続される一のコンデンサを切替える切替手段2030と、二次側配線L1またはL2と接続される第一の端子2033と、中性線G(または接地)と接続される第二の端子2034と、を備えた電力線通信用フィルタ22を用いるようにしてもよい。
ここでは、通過特性が異なる4つのコンデンサ203a〜203dが、容量が異なる4つのコンデンサである例について説明する。
切替手段2030は、4つのコンデンサ203a〜203dの二次側配線L1またはL2と接続される側にそれぞれ接続された端子である4つの第一切替用端子2035a〜2035dのうちの一つを切替えて、第一の端子2033と接続する第一のセレクタスイッチ2031と、4つのコンデンサ203a〜203dの中性線G(または接地)と接続される側にそれぞれ接続された端子である4つの第二切替用端子2036a〜2036dのうちの一つを切替えて、第二の端子2034と接続する第二のセレクタスイッチ2032とを備えている。
この電力線通信用フィルタ22は、電力線通信用フィルタ20の代わりに、二次側配線L1と中性線G(または接地)との間、および二次側配線L2と中性線G(または接地)との間にそれぞれ設けられる。
例えば、切替手段2030の第一のセレクタスイッチ2031と第二のセレクタスイッチ2032とをそれぞれ操作して、第一の端子2033と第二の端子2034とを、コンデンサ203aに接続された第一切替用端子2035aと第二切替用端子2036aとにそれぞれ接続した状態とすることで、コンデンサ203aを第一の端子2023と第二の端子2024との間、結果的には、二次側配線L1またはL2と中性線Gとの間、に接続することができる。また、切替手段2030の第一のセレクタスイッチ2031と第二のセレクタスイッチ2032とを、それぞれ操作して、第一の端子2033と第二の端子2034とを、コンデンサ203bに接続された第一切替用端子2035bと第二切替用端子2036bとにそれぞれ接続した状態とすることで、コンデンサ203bを、第一の端子2023と第二の端子2024との間、結果的には、二次側配線L1またはL2と、中性線Gとの間に接続することができる。同様に、第一のセレクタスイッチ2031と第二のセレクタスイッチ2032とを操作して、第一の端子2033と第二の端子2034とを、コンデンサ203cに接続された第一切替用端子2035cと第二切替用端子2036cとにそれぞれ接続した状態とすることで、コンデンサ203cを第一の端子2033と第二の端子2034との間に接続することができる。同様に、第一のセレクタスイッチ2031と第二のセレクタスイッチ2032とを操作して、第一の端子2033と第二の端子2034とを、コンデンサ203dに接続された第一切替用端子2035dと第二切替用端子2036dとにそれぞれ接続した状態とすることで、コンデンサ203dを第一の端子2033と第二の端子2034との間に接続することができる。
このように、切替手段2030の第一のセレクタスイッチ2031と第二のセレクタスイッチ2032とをそれぞれ切替え操作することで、二次側配線L1またはL2と、中性線(または接地)との間に接続する電力線通信の信号の一次側配線への通過を遮断するコンデンサを、通過特性が異なる4つのコンデンサ203a〜203d、具体的には、容量が異なる4つのコンデンサ203a〜203dのいずれか一つに切替えることができ、二次側配線L1またはL2から、中性線(または接地)に流れる電力線通信の信号の通過特性を変更して、一次側配線に通過する電力線通信の信号の遮断の程度を変更することができる。
なお、切替手段2030が有する第一のセレクタスイッチ2031および第二のセレクタスイッチ2032は、遠隔操作可能なスイッチであることが好ましい。また、第一のセレクタスイッチ2031および第二のセレクタスイッチ2032は、同じコンデンサに同時に接続されるよう接続先が切り替わるスイッチであることが好ましい。
また、ここでは、電力線通信用フィルタ22が、切替え接続可能な4つのコンデンサ203a〜203dを有する場合について説明したが、電力線通信用フィルタ22が有する切替え接続可能なコンデンサは、2以上であればよく、その数は問わない。
なお、第一のセレクタスイッチ2031および第二のセレクタスイッチ2032の少なくとも一方、好ましくは両方が、上述した切替に加えて、いずれのコンデンサとも接続されない状態にも切り替え可能なセレクタスイッチであってもよい。
なお、切替手段2030は、電力線通信用フィルタ22が有する通過特性が異なる2以上のコンデンサの中から、二次側配線L1またはL2と接続される一のコンデンサを切替えることが可能な手段であれば、上記以外のどのような構成を有していても良い。
また、変形例3においては、二次側配線と接地との間に、直列または並列に接続される1以上のコンデンサを切替える切替手段を備えた場合について説明し、変形例4においては、二次側配線と接地との間に接続される通過特性が異なる一のコンデンサを切替える切替手段を備えた場合について説明したが、電力線通信用フィルタは、例えば、変圧器10の二次側配線に送信される電力線通信の信号の、変圧器10の一次側配線への通過を遮断する素子である複数のコンデンサと、複数のコンデンサの中から、二次側配線L1またはL2に接続される1以上のコンデンサを切替える切替手段を有しているものであればよい。このような構成により、切替手段を操作すること等により電力線通信用フィルタの通過特性を制御して、電力線通信の信号の通過と遮断とを制御することができる。なお、ここでの二次側配線L1またはL2に接続される1以上のコンデンサは、具体的には、二次側配線L1またはL2と接地とに接続される1以上のコンデンサである。なお、二次側配線L1またはL2と、接地との間に接続されるコンデンサが複数である場合、ここでの接続は、直列接続であってもよく、並列接続であってもよく、接続されるコンデンサが3以上である場合、直列接続と並列接続とが混在していてもよい。
(変形例5)
図2(b)は、本実施の形態における電力線通信用フィルタの変形例を示す図である。
電力線通信用フィルタは、図2(b)に示すように、上述した変形例3において説明した電力線通信用フィルタ21を2つ直列に接続したような構成を有する電力線通信用フィルタであってもよい。例えば、電力線通信用フィルタ23は、4つのコンデンサ202a〜202dと、この4つのコンデンサ202a〜202dの中から、二次側配線L1またはL2と並列に接続される1以上のコンデンサを切替える切替手段2020との組を二組有するようにし、それぞれの組の切替手段2020が切替えて並列に接続した1以上のコンデンものであって、直列に接続されるよう、それぞれの組の切替手段2020同士を接続したものであってもよい。
図2(b)は、本実施の形態における電力線通信用フィルタの変形例を示す図である。
電力線通信用フィルタは、図2(b)に示すように、上述した変形例3において説明した電力線通信用フィルタ21を2つ直列に接続したような構成を有する電力線通信用フィルタであってもよい。例えば、電力線通信用フィルタ23は、4つのコンデンサ202a〜202dと、この4つのコンデンサ202a〜202dの中から、二次側配線L1またはL2と並列に接続される1以上のコンデンサを切替える切替手段2020との組を二組有するようにし、それぞれの組の切替手段2020が切替えて並列に接続した1以上のコンデンものであって、直列に接続されるよう、それぞれの組の切替手段2020同士を接続したものであってもよい。
このような変形例においては、各切替手段2020によって並列接続するコンデンサの数を変更でき、更に、各切替手段2020で並列接続したコンデンサを直列接続できるため、電力線通信用フィルタ23の、二次側配線L1またはL2と、接地との間に接続されるコンデンサの合成容量を各切替手段2020の切替によって細かく変更して、電力線通信の信号の遮断の程度を細かく制御することができる。
なお、ここでは、電力線通信用フィルタ23が、2つの電力線通信用フィルタ21を直列に接続した構成を有する場合について説明したが、電力線通信用フィルタは、3以上の電力線通信用フィルタ21を直列に接続したような構成を有していても良い。また、各電力線通信用フィルタ21が有するコンデンサの数は問わない。
また、ここでは、電力線通信用フィルタ23が、複数の電力線通信用フィルタ21を直列に接続した構成を有する場合について説明したが、電力線通信用フィルタは、複数の電力線通信用フィルタ21を並列に接続したような構成を有していても良く、並列接続と直列接続が混在するよう、複数の電力線通信用フィルタ21を接続してもよい。
また、ここでは、変形例3において説明した複数の電力線通信用フィルタ21を直列または並列に接続したものを電力線通信用フィルタ23として用いる場合について説明したが、変形例4において説明した複数の電力線通信用フィルタ22を直列または並列に接続したものを電力線通信用フィルタとして用いてもよく、変形例3において説明した1以上の電力線通信用フィルタ21と、変形例4において説明した1以上の電力線通信用フィルタ22とを直列または並列に接続したものを、電力線通信用フィルタとして用いてもよい。つまり、電力線通信用フィルタは、電力線通信用フィルタ21と電力線通信用フィルタ22とのうちの少なくとも一方の2以上を、直列または並列となるよう接続したものと考えてもよい。なお、この場合の電力線通信用フィルタ21と電力線通信用フィルタ22との接続順番等は問わない。
なお、この変形例の電力線通信用フィルタは、変圧器10等の電力機器の二次側配線に対して接続され、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の一次側配線への通過を遮断する複数のコンデンサと、この複数のコンデンサの中から、二次側配線と接続される1以上のコンデンサを切替える1以上の切替手段との2以上の組を、異なる組においてそれぞれ切替えられた1以上のコンデンサ間が直列接続または並列接続されるよう備えている(例えば、接続されている)ものと考えてもよい。
また、この変形例の電力線通信用フィルタは、変圧器10等の電力機器の二次側配線に対して接続され、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の一次側配線への通過を遮断する複数のコンデンサと、複数のコンデンサのうちの二次側配線と直列または並列に接続される1以上のコンデンサを切替える切替手段との組、および変圧器10等の電力機器の二次側配線に対して接続され、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の一次側配線への通過を遮断する複数のコンデンサであって、電力線通信の信号の通過を遮断する特性である通過特性が異なる複数のコンデンサと、通過特性が異なる複数のコンデンサの中から、二次側配線と接続される一のコンデンサを切替える切替手段との組、のうちの少なくとも一方の2以上を、異なる組においてそれぞれ切替えられたコンデンサ間が直列接続または並列接続されるよう有している(例えば、接続されている)ものと考えてもよい。
なお、変形例3〜5に示した電力線通信用フィルタにおいて、更に、変形例1において説明したような接続手段2011を、二次側配線L1またはL2側に設けてもよい。
(実施の形態2)
上記実施の形態においては変圧器10の二次側配線と中性線(または接地)との間に電力線通信用フィルタを接続した場合について説明したが、本実施の形態においては、上記実施の形態の電力線通信用フィルタを変圧器10以外の電力機器である開閉器の二次側配線に接続した場合について説明する。
上記実施の形態においては変圧器10の二次側配線と中性線(または接地)との間に電力線通信用フィルタを接続した場合について説明したが、本実施の形態においては、上記実施の形態の電力線通信用フィルタを変圧器10以外の電力機器である開閉器の二次側配線に接続した場合について説明する。
図3は、本発明の実施の形態2にかかる電力線通信用フィルタを示す図である。図において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示している。なお、ここでは、開閉器が、3相の気中負荷開閉器(以下、PASと称す)50である場合を例に挙げて説明する。ただし、開閉器は、地中線用負荷開閉器等の他の開閉器であってもよい。
PAS50は、3本の一次側配線Pa1〜Pa3と、これらとそれぞれ接続される3本の二次側配線La1〜La3とを備えている。PASの構成については、公知技術であるため、詳細な説明は省略する。なお、PAS等の、変圧器10以外の電力機器の一次側配線は、例えば、系統側や電力供給元側の配線であり、二次側配線は、負荷側や需要家側の配線である。ここでは、二次側配線La1〜La3が、電力線通信が行なわれる回路(図示せず)等と接続されているものとする。
3つの電力線通信用フィルタ20は、二次側配線La1〜La3のそれぞれと、接地との間に接続されている。電力線通信を行なうための回路や機器等は、二次側配線La1〜La3のそれぞれの電力線通信用フィルタ20が接続されている位置よりも後段側に接続されているものとする。
各二次側配線La1〜La3は、電力線通信用フィルタ20のコンデンサ201を介して設置されているため、二次側配線La1〜La3の、電力線通信用フィルタ20のコンデンサ201が接続されている位置よりも二次側、すなわち、コンデンサ201が接続されている位置に対して電力機器であるPAS50の反対側となる部分において送信された電力線通信の信号は、高周波に対するインピーダンスが小さいコンデンサ201を介して接地側に流れることとなる。これにより、電力線通信の信号が、PAS50側に流れないようにすることができ、電力線通信の信号が、PAS50を通過して、一次側配線Pa1〜Pa3に流れないようにすることができる。これにより、例えば、二次側から一次側への電力線通信の信号の漏洩を防ぐことができる。
以上、本実施の形態においては、PAS50の二次側配線La1〜La3のそれぞれと、接地との間にそれぞれ接続されたコンデンサ201を備えたことにより、二次側配線La1〜La3に送信される電力線通信の信号の、PAS50の一次側への通過を遮断することができる。
なお、上記実施の形態において、電力線通信用フィルタ20の代わりに、上記実施の形態1において説明した変形例1〜5と同様の電力線通信用フィルタを設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、変圧器以外の電力機器がPASである場合について説明したが、電力機器は、PAS以外の開閉器や、開閉器や変圧器以外の他の電力機器であってもよい。ここでの電力機器とは、電力の蓄積、電力の電圧変換、電力の接続・遮断などを行う機器である。電力の配電を行なう配電機器等も電力機器と考えてもよい。このような場合においても、電力機器の二次側配線(図示せず)と、接地との間に、電力線通信用フィルタ20のコンデンサ201を接地することにより、上記実施の形態と同様の効果を奏する。なお、ここでの電力機器とは、電力の蓄積、電力の電圧変換、電力の接続・遮断などを行う機器である。電力の配電を行なう配電機器等も電力機器と考えてもよい。
(実施の形態3)
上記実施の形態においては、二次側配線と接地との間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、変圧器等の電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子として、コンデンサの代わりに、二次側配線に挿入されるインダクタを有するようにした電力線通信用フィルタについて説明する。
上記実施の形態においては、二次側配線と接地との間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、変圧器等の電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子として、コンデンサの代わりに、二次側配線に挿入されるインダクタを有するようにした電力線通信用フィルタについて説明する。
図4は、本実施の形態3の電力線通信用フィルタを示す図(図4(a))、およびその変形例を示す図(図4(b)〜図4(d))である。図4において、図1および図2と同一符号は同一または相当する部分を示している。ここでは、電力機器である変圧器の二次側配線が、電力線通信を行なうための回路や機器(図示せず)等と接続されており、電力線通信用フィルタが、変圧器の二次側配線に接続されている例を挙げて説明する。
電力線通信用フィルタ30は、変圧器10の二次側配線L1またはL2にそれぞれ設けられている。電力線通信用フィルタ30は、二次側配線L1またはL2にそれぞれ挿入されたインダクタ301を有する。インダクタ301は、一端が、二次側配線L1またはL2の変圧器10側に接続され、他端が、二次側配線L1またはL2の負荷側、すなわち変圧器10側とは反対側に接続されている。
各二次側配線L1およびL2には、それぞれ電力線通信用フィルタ30のインダクタ301が挿入されているおり、インダクタ301は、電力線通信の信号のような周波数が高い成分に対してはインピーダンスが高くなり、信号を流しにくくなる性質があることから、変圧器10の二次側配線L1およびL2を流れる低周波数の電力はインダクタ301を通過するともに、電力線通信に用いられるような、例えば2M〜30MHzの高周波信号は通過させないこととなる。従って、二次側配線L1およびL2の、電力線通信用フィルタ30のインダクタ301が接続されている位置よりも二次側において送信された電力線通信の信号は、高周波に対するインピーダンスが高いインダクタ301を通過しなくなり、電力線通信の信号が、変圧器10側に流れないようにすることができ、電力線通信の信号が、一次側配線P1およびP2に流れないようにすることができる。これにより、例えば、二次側から一次側への電力線通信の信号の漏洩を防ぐことができる。
(変形例1)
なお、上記実施の形態において、図4(b)に示すように、電力線通信用フィルタ30が、インダクタ301と、バイパス用線路302と、インダクタ301の第一の端子3011aまたはバイパス用線路302の第一の端子3021aと、二次側配線L1またはL2の変圧器10側との接続を切替える第一のセレクタスイッチ3031と、インダクタ301の第二の端子3011bまたはバイパス用線路302の第二の端子3021bと、二次側配線L1およびL2の、変圧器10側とは反対側の部分との接続を切替える第二のセレクタスイッチ3032とを有するようにしても良い。この第一のセレクタスイッチ3031及び第二のセレクタスイッチ3032は、例えば、インダクタ301と二次側配線L1およびL2との間に設けられ、インダクタ301と二次側配線L1またはL2との接続と切断とを切替える接続手段と考えてもよい。
なお、上記実施の形態において、図4(b)に示すように、電力線通信用フィルタ30が、インダクタ301と、バイパス用線路302と、インダクタ301の第一の端子3011aまたはバイパス用線路302の第一の端子3021aと、二次側配線L1またはL2の変圧器10側との接続を切替える第一のセレクタスイッチ3031と、インダクタ301の第二の端子3011bまたはバイパス用線路302の第二の端子3021bと、二次側配線L1およびL2の、変圧器10側とは反対側の部分との接続を切替える第二のセレクタスイッチ3032とを有するようにしても良い。この第一のセレクタスイッチ3031及び第二のセレクタスイッチ3032は、例えば、インダクタ301と二次側配線L1およびL2との間に設けられ、インダクタ301と二次側配線L1またはL2との接続と切断とを切替える接続手段と考えてもよい。
このような構成とすることで、第一のセレクタスイッチ3031と、第二のセレクタスイッチ3032とを操作して、インダクタ301を二次側配線L1またはL2に挿入されるよう接続することで、電力線通信の信号を遮断できるとともに、第一のセレクタスイッチ3031と、第二のセレクタスイッチ3032とを操作して、インダクタ301の代わりにバイパス用線路302を二次側配線L1またはL2に挿入されるよう接続することで、電力線通信の信号の遮断を行なわないようにすることができる。
なお、ここでは、第一のセレクタスイッチ3031と、第二のセレクタスイッチ3032とで、インダクタ301の、二次側配線L1またはL2への接続と切断とを切替えるようにしたが、インダクタ301の、二次側配線L1またはL2への接続と切断とを切替えることが可能であれば、どのような接続手段を設けるようにしてもよい。
(変形例2)
また、図1(d)に示したような、上記実施の形態1の変形例3において説明した電力線通信用フィルタ21の複数のコンデンサを複数のインダクタでそれぞれ置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態3の電力線通信用フィルタの代わりに接続するようにしてもよい。このような構成とすることで、切替手段2020を切替えることで、1つのインダクタ、または2以上の並列接続したインダクタを二次側配線L1またはL2に接続することが可能となる。例えば、複数のインダクタを並列に接続すると、インダクタンスが減少してインピーダンスが低くなり、電力線通信の信号を通過させやすくなるため、電力線通信の信号の通過特性を変更することが可能となる。これにより電力線通信の信号の遮断の程度を制御することが可能となる。この場合に置き換えられる各インダクタは、例えば、同じインダクタンスのインダクタであってもよく、異なるインダクタンスのインダクタであってもよい。なお、この電力線通信フィルタが有するインダクタの数は、複数であればその数は問わない。
また、図1(d)に示したような、上記実施の形態1の変形例3において説明した電力線通信用フィルタ21の複数のコンデンサを複数のインダクタでそれぞれ置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態3の電力線通信用フィルタの代わりに接続するようにしてもよい。このような構成とすることで、切替手段2020を切替えることで、1つのインダクタ、または2以上の並列接続したインダクタを二次側配線L1またはL2に接続することが可能となる。例えば、複数のインダクタを並列に接続すると、インダクタンスが減少してインピーダンスが低くなり、電力線通信の信号を通過させやすくなるため、電力線通信の信号の通過特性を変更することが可能となる。これにより電力線通信の信号の遮断の程度を制御することが可能となる。この場合に置き換えられる各インダクタは、例えば、同じインダクタンスのインダクタであってもよく、異なるインダクタンスのインダクタであってもよい。なお、この電力線通信フィルタが有するインダクタの数は、複数であればその数は問わない。
(変形例3)
また、図2(a)に示したような、上記実施の形態1の変形例4において説明した電力線通信用フィルタ22の異なる容量のコンデンサを、異なるインピーダンスのインダクタでそれぞれ置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態3の電力線通信用フィルタの代わりに接続するようにしてもよい。このような構成とすることで、切替手段2030により、二次側配線L1またはL2に接続するインダクタを容量が異なるインダクタに切替えて、電力線通信用フィルタのインピーダンスを変更することができ、電力線通信の信号の通過特性を変更して、電力線通信の信号の遮断の程度を制御することが可能となる。例えば、複数のインダクタを直列に接続すると、インダクタンスが増加して、インピーダンスが高くなり、電力線通信の信号を通過させにくくなる。また、複数のインダクタを並列に接続すると、インダクタンスが減少してインピーダンスが低くなり、電力線通信の信号を通過させやすくなる。このため、上記実施の形態1の変形例4の電力線通信用フィルタのコンデンサをインダクタに置き換えた電力線通信用フィルタを用いて、二次側配線に接続する一のインダクタを切替えることで、電力線通信の信号の通過特性を変更して、一次側配線に通過する電力線通信の信号を制御することが可能となる。なお、この電力線通信フィルタが有するインダクタの数は、複数であればその数は問わない。
また、図2(a)に示したような、上記実施の形態1の変形例4において説明した電力線通信用フィルタ22の異なる容量のコンデンサを、異なるインピーダンスのインダクタでそれぞれ置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態3の電力線通信用フィルタの代わりに接続するようにしてもよい。このような構成とすることで、切替手段2030により、二次側配線L1またはL2に接続するインダクタを容量が異なるインダクタに切替えて、電力線通信用フィルタのインピーダンスを変更することができ、電力線通信の信号の通過特性を変更して、電力線通信の信号の遮断の程度を制御することが可能となる。例えば、複数のインダクタを直列に接続すると、インダクタンスが増加して、インピーダンスが高くなり、電力線通信の信号を通過させにくくなる。また、複数のインダクタを並列に接続すると、インダクタンスが減少してインピーダンスが低くなり、電力線通信の信号を通過させやすくなる。このため、上記実施の形態1の変形例4の電力線通信用フィルタのコンデンサをインダクタに置き換えた電力線通信用フィルタを用いて、二次側配線に接続する一のインダクタを切替えることで、電力線通信の信号の通過特性を変更して、一次側配線に通過する電力線通信の信号を制御することが可能となる。なお、この電力線通信フィルタが有するインダクタの数は、複数であればその数は問わない。
(変形例4)
なお、図4(c)に示すように、上記実施の形態3の電力線通信用フィルタ30の代わりに、複数のインダクタの接続を切替えて、1以上のインダクタを二次側配線L1またはL2に直列接続できるようにした電力線通信用フィルタ31を用いてもよい。以下、この変形例について図4(c)を用いて説明する。ここでは、インダクタの数が4つである場合を例に挙げて説明するが、インダクタの数は2以上であればよい。
なお、図4(c)に示すように、上記実施の形態3の電力線通信用フィルタ30の代わりに、複数のインダクタの接続を切替えて、1以上のインダクタを二次側配線L1またはL2に直列接続できるようにした電力線通信用フィルタ31を用いてもよい。以下、この変形例について図4(c)を用いて説明する。ここでは、インダクタの数が4つである場合を例に挙げて説明するが、インダクタの数は2以上であればよい。
電力線通信用フィルタ31は、4つのインダクタ301a〜301dと、切替手段4020と、二次側配線L1またはL2の変圧器10側と接続される端子4033と、二次側配線L1またはL2の変圧器10側とは反対側の部分と接続される端子4034と、を有している。インダクタ301a、301b、301c、および301dは、この順番に直列に接続されており、インダクタ301aのインダクタ301bと接続されていない側に、端子4033が設けられている。インダクタ301a〜301dは、インダクタンスが同じインダクタであってもよく、インダクタンスが異なるインダクタを含んでいてもよい。インダクタンスが同じインダクタは、例えば、巻数が同じインダクタであり、インダクタンスが異なるインダクタは、例えば、巻数が異なるインダクタである。切替手段4020は、インダクタ301aとインダクタ301bとが接続されている部分、インダクタ301bとインダクタ301cとが接続されている部分、インダクタ301cとインダクタ301dとが接続されている部分、およびインダクタ301dのインダクタ301cと接続されていない側にそれぞれ接続された切替用端子4036a〜4036dの一つと、端子4034とを切替えて接続するセレクタスイッチ4032とを有している。切替用端子4036a〜4036dは、例えば、二次側配線L1またはL2に接続するインダクタ数を切替えるために用いられる端子である。セレクタスイッチ4032は、遠隔操作可能なスイッチであることが好ましい。
この電力線通信用フィルタ31においては、セレクタスイッチ4032を操作することによって、セレクタスイッチ4032が端子4034と接続する切替用端子を、切替用端子4036a〜4036dのいずれか1つに切替えることができ、二次側配線L1またはL2に挿入される直列接続したインダクタの数を変更することができる。例えば、切替用端子4036aを接続することで、インダクタ301a一つだけを二次側配線L1またはL2に対して直列に接続することができ、切替用端子4036cを接続することで、直列接続した3つのインダクタ301a〜301cを、二次側配線に対して挿入することができる。直列接続するインダクタの数を増加させると、インダクタの合成インダクタンスが増加して、インピーダンスが増加し、電力線通信の信号を通過しにくくすることができる。これにより、電力線通信の信号の通過特性を変更して、電力線通信の信号の遮断の程度を制御することが可能となる。
(変形例5)
上記実施の形態1の変形例5において説明したように、本実施の形態の変形例2〜4の少なくとも1つにおいて説明した電力線通信用フィルタの少なくとも2以上を、直列または並列に接続できるようにしてもよい。このようにすることで、合成インピーダンスを細かく制御でき、通信の遮断の程度等を細かく制御できる。
上記実施の形態1の変形例5において説明したように、本実施の形態の変形例2〜4の少なくとも1つにおいて説明した電力線通信用フィルタの少なくとも2以上を、直列または並列に接続できるようにしてもよい。このようにすることで、合成インピーダンスを細かく制御でき、通信の遮断の程度等を細かく制御できる。
なお、上記実施の形態においては、電力機器が、変圧器10である場合を例に挙げて説明したが、電力機器は、PAS等の変圧器10以外の電力機器であってもよく、このような場合においても、二次側配線に電力線通信用フィルタ30を設けることで上記と同様の効果を奏する。
(変形例6)
図4(d)に示すように、図4(a)に示した上記実施の形態の電力線通信用フィルタ30のインダクタ301を、可変インダクタ301aに変更してもよい。可変インダクタ301aとは、インダクタンスを変更可能なインダクタである。可変インダクタ301aは、例えば、スライダック(登録商標)等の出力電圧が変更可能な変圧器であっても良く、タップチェンジャー付インダクタ等であっても良い。
図4(d)に示すように、図4(a)に示した上記実施の形態の電力線通信用フィルタ30のインダクタ301を、可変インダクタ301aに変更してもよい。可変インダクタ301aとは、インダクタンスを変更可能なインダクタである。可変インダクタ301aは、例えば、スライダック(登録商標)等の出力電圧が変更可能な変圧器であっても良く、タップチェンジャー付インダクタ等であっても良い。
可変インダクタ301aを操作して、インダクタンスを大きくすると、可変インダクタ301aのインピーダンスが増加し、電力線通信の信号を通過しにくくすることができる。このため、可変インダクタ301aを操作してインダクタを変更することで、電力線通信の信号の通過する程度を変更することができ、一次側配線に通過する電力線通信の信号の遮断の程度を制御することができる。なお、可変インダクタ301aは、手動操作できるものであっても良いが、遠隔操作でインダクタンスを変更できるものであることが好ましい。
(実施の形態4)
上記実施の形態1および2においては、電力機器の二次側配線と接地との間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、コンデンサの代わりに、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、変圧器等の電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子として、フェライトコアと、このフェライトコアに巻付けられて、二次側配線に挿入される導線とを有する素子を用いた電力線通信用フィルタ20について説明する。
上記実施の形態1および2においては、電力機器の二次側配線と接地との間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、コンデンサの代わりに、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、変圧器等の電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子として、フェライトコアと、このフェライトコアに巻付けられて、二次側配線に挿入される導線とを有する素子を用いた電力線通信用フィルタ20について説明する。
図5は、本実施の形態4の電力線通信用フィルタを示す図(図5(a))、およびその変形例を示す図(図5(b))である。図5において、図1〜図4と同一符号は同一または相当する部分を示している。ここでは、電力機器である変圧器の二次側配線が、電力線通信を行なうための回路(図示せず)等と接続されており、電力線通信用フィルタが、変圧器の二次側配線に接続されている例を挙げて説明する。
電力線通信用フィルタ40は、変圧器10の二次側配線L1およびL2にそれぞれ設けられている。電力線通信用フィルタ40は、フェライトコア400と、このフェライトコア400に巻付けられ、二次側配線L1およびL2にそれぞれ挿入された導線401とを有する素子を備えている。導線401の一端が、変圧器10の二次側配線L1またはL2の変圧器10側に接続され、他端が、二次側配線L1またはL2の変圧器10側とは反対側(例えば負荷側)に接続されている。図5(a)においては、導線401がフェライトコア400に一回巻付けられている例を示しているが、巻付け数は問わない。なお、導線401は、二次側配線L1またはL2の、フェライトコア400に巻付けられた一部であってもよい。
フェライトコア400に巻付けられた導線401は、高周波に対して高いインピーダンスを有するため、各二次側配線L1およびL2にそれぞれ挿入されたフェライトコア400に巻付けられた導線401は、二次側配線L1およびL2に送信される電力線通信の信号の、変圧器10の一次側配線P1およびP2への通過を遮断する素子となる。このため、導線401は、変圧器10の二次側配線L1およびL2を流れる低周波数の電力は導線401を通過されるが、電力線通信に用いられるような、例えば2M〜30MHzの高周波信号は通過させないこととなる。従って、二次側配線L1およびL2の、電力線通信用フィルタ30の導線401が接続されている位置よりも二次側、すなわち接続されている位置に対して変圧器10と反対側となる部分において送信された電力線通信の信号は、高周波に対するインピーダンスが高いフェライトコア400に巻付けられた導線401を通過しなくなり、電力線通信の信号が、変圧器10側に通過しないようにすることができ、電力線通信の信号が、一次側配線P1およびP2に通過しないようにすることができる。これにより、例えば、二次側から一次側への電力線通信の信号の漏洩を防ぐことができる。
なお、上記のようにフェライトコア400を用いる場合、フェライトコア400に巻きつける導線401のターン数によって、インピーダンスを調整することができ、電力線通信用フィルタで通過させない電力線通信の信号の程度を調整することができる。
(変形例1)
図5(b)に示す変形例のように、図4(b)に示した上記実施の形態3の変形例1の電力線通信用フィルタのインダクタ301を、上記実施の形態のフェライトコア400と、このフェライトコア400に巻付けた導線401とを有する素子に置き換えた電力線通信用フィルタ41を、上記実施の形態4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いるようにしてもよい。
図5(b)に示す変形例のように、図4(b)に示した上記実施の形態3の変形例1の電力線通信用フィルタのインダクタ301を、上記実施の形態のフェライトコア400と、このフェライトコア400に巻付けた導線401とを有する素子に置き換えた電力線通信用フィルタ41を、上記実施の形態4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いるようにしてもよい。
このような構成とすることで、第一のセレクタスイッチ3031と、第二のセレクタスイッチ3032とを操作して、導線401を二次側配線L1またはL2に挿入されるよう接続することで、電力線通信の通過を遮断できるとともに、第一のセレクタスイッチ3031と、第二のセレクタスイッチ3032とを操作して、導線401の代わりにバイパス用線路302を接続することで、電力線通信の遮断を行なわないようにすることができる。
なお、ここでは、第一のセレクタスイッチ3031と、第二のセレクタスイッチ3032とで、フェライトコア400に巻付けられた導線401の、二次側配線L1またはL2への接続と切断とを切替えるようにしたが、フェライトコア400に巻付けられた導線401の、二次側配線L1またはL2への接続と切断とを切替えることが可能であれば、どのような接続手段を設けるようにしてもよい。
(変形例2)
上記実施の形態1の変形例3において説明した図1(d)に示したような電力線通信用フィルタにおいて、複数のコンデンサの代わりに、切替手段2020で切り替え可能なフェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有する複数の素子を用いた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いてもよい。このような電力線通信用フィルタにおいては、切替手段2020を操作することで、フェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有する1以上の素子を並列に接続できるとともに、並列接続する素子数を変更できるため、合成インピーダンスを変更して、電力線通信の信号の通過特性を変更して、電力線通信用信号の遮断の程度を制御することができる。なお、この場合の並列接続可能なフェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有する素子の数は、複数であればその数は問わない。フェライトコアに巻付けられた導線を有する複数の素子は、同じインピーダンスであってもよく、インピーダンスが異なるものを含んでいてもよい。
上記実施の形態1の変形例3において説明した図1(d)に示したような電力線通信用フィルタにおいて、複数のコンデンサの代わりに、切替手段2020で切り替え可能なフェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有する複数の素子を用いた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いてもよい。このような電力線通信用フィルタにおいては、切替手段2020を操作することで、フェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有する1以上の素子を並列に接続できるとともに、並列接続する素子数を変更できるため、合成インピーダンスを変更して、電力線通信の信号の通過特性を変更して、電力線通信用信号の遮断の程度を制御することができる。なお、この場合の並列接続可能なフェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有する素子の数は、複数であればその数は問わない。フェライトコアに巻付けられた導線を有する複数の素子は、同じインピーダンスであってもよく、インピーダンスが異なるものを含んでいてもよい。
(変形例3)
上記実施の形態1の変形例4において説明した電力線通信用フィルタの容量が異なる複数のコンデンサを、それぞれ、フェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有するインピーダンスが異なる複数の素子に置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態1の変形例4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いてもよい。
上記実施の形態1の変形例4において説明した電力線通信用フィルタの容量が異なる複数のコンデンサを、それぞれ、フェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有するインピーダンスが異なる複数の素子に置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態1の変形例4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いてもよい。
図6(a)は、このような本実施の形態の電力線通信用フィルタの変形例3を示す図である。この電力線通信用フィルタ42は、図2(a)に示した電力線通信用フィルタ22の容量の異なる4つのコンデンサ203a〜203dを、4つのフェライトコア400a〜400dと、各フェライトコア400a〜400dにそれぞれ巻付けられた導線401a〜401dと、を有する4つの素子であって、インダクタンスが異なる4つの素子にそれぞれ置き換えたものである。ここでは、一例として、4つのフェライトコア400a〜400dと、各フェライトコア400a〜400dにそれぞれ巻付けられた導線401a〜401dと、を有する4つの素子が、異なるインピーダンスを有するようにするために、導線401a〜401dのそれぞれのフェライトコア400a〜400dに対する巻付け数を異なるものとしている。具体的には、導線401aから導線401dに向かって、巻付け数が増加するようにしている。フェライトコアに導線を巻付けた素子においては、導線の巻付け数を増やすことでインピーダンスを増加させているものとする。なお、巻付け数を変更せずに、素子のインピーダンスを異なるインピーダンスとしてもよい。なお、ここでは、フェライトコアと、フェライトコアに巻付けた導線とを有するインダクタンスの異なる複数の素子が4つである場合を例に挙げて説明するが、素子の数は、複数であればその数は問わない。また、フェライトコアに巻付けられた複数の導線を有する複数の素子が、一のフェライトコアを共用してもよい。この場合、共用される一のフェライトコアを、それぞれの複数の素子のフェライトコアとと考えてもよい。
このような変形例においては、切替手段2030が有する第一のセレクタスイッチ2031と第二のセレクタスイッチ2032とを操作して、変圧器10の二次側配線L1またはL2に接続されるフェライトコアに導線を巻付けた一の素子をインピーダンスが異なる素子に切替えることで、二次側配線L1またはL2に挿入されるインピーダンスを切替えて、電力線通信の信号の遮断の程度を変更して、電力線通信の信号の一次側配線への通過および遮断を適切に制御することができる。
(変形例4)
上記実施の形態3の変形例4において説明した電力線通信用フィルタの直列接続された複数のインダクタを、それぞれ、一のフェライトコアに巻付けられて直列接続された複数の導線を有する4つの素子に置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いてもよい。
上記実施の形態3の変形例4において説明した電力線通信用フィルタの直列接続された複数のインダクタを、それぞれ、一のフェライトコアに巻付けられて直列接続された複数の導線を有する4つの素子に置き換えた電力線通信用フィルタを、上記実施の形態4の電力線通信用フィルタ40の代わりに用いてもよい。
図6(b)は、このような本実施の形態の電力線通信用フィルタの変形例4を示す図である。この電力線通信用フィルタ42は、図4(c)に示した電力線通信用フィルタ31の直列接続された4つのインダクタ301a〜301dを、1つのフェライトコア400にそれぞれ巻付けられて直列接続された4つの導線402a〜402dを有する4つの素子で置き換えた電力線通信用フィルタ43である。この4つの素子は、一のフェライトコア400を共用しているものと考えてもよい。4つの導線402a〜402dは、導線401と同様の導線である。なお、4つの導線402a〜402dのそれぞれの巻数は同じであってもよく、少なくとも一部が異なっていてもよい。また、ここでは、フェライトコア400に巻付けた導線を有するインピーダンスの異なる複数の素子が4つである場合を例に挙げて説明するが、素子の数は、複数であればその数は問わない。
この電力線通信用フィルタ42においては、フェライトコア400に巻付けられた4つの導線402a、402b、402c、および402dは、この順番に直列に接続されており、切替用端子4036a〜4036dは、導線402aと導線402bとが接続されている部分、導線402bと導線402cとが接続されている部分、導線402cと導線402dとが接続されている部分、および導線402dの導線402cと接続されていない側にそれぞれ接続されている。このため、セレクタスイッチ4032を操作することによって、セレクタスイッチ4032が端子4034と接続する切替用端子を、切替用端子4036a〜4036dの40いずれかに切替えることができ、二次側配線L1またはL2に直列接続されて挿入されるフェライトコア400に巻付けられた導線の数を変更することができる。なお、フェライトコア400に巻付けられた導線の数を変更することは、フェライトコア400に巻付けられた導線を有する直列接続された素子の数や、フェライトコア400に巻付けられた導線の巻付け数を変更することと考えてもよい。なお、導線が直列接続される、ということは、例えば、フェライトコア400に巻付けられた導線を有する素子が直列接続されることと考えてもよい。
直列接続されるフェライトコア400に巻付けられた導線の数を変更すると、二次側配線L1またはL2に挿入されるインピーダンスが変更され、二次側配線に送信される電力線通信の信号の遮断の程度を変更することが可能となる。例えば、セレクタスイッチ4032を操作して、直列接続されるフェライトコア400に巻付けられる導線の数を増加させることで、二次側配線L1またはL2に挿入されるインピーダンスを増加させ、電力線通信の信号をより強く遮断することが可能となる。
このように、変形例4においては、セレクタスイッチ4032を操作して、一のフェライトコア400に巻付けられた導線を有する素子が直列接続される数(すなわち、導線の巻付け数)を切替えることにより、二次側配線L1またはL2に挿入されるインピーダンスを切替えて、電力線通信の信号の遮断の程度を変更して、電力線通信の信号の一次側配線への通過および遮断を制御することができる。
(変形例5)
上記実施の形態1の変形例5と同様に、本実施の形態の変形例2〜4の少なくとも1つにおいて説明した電力線通信用フィルタの少なくとも2以上を、直列または並列に接続した電力線通信用フィルタを用いてもよい。このようにすることで、合成インピーダンスを細かく制御でき、通信の遮断の程度等を細かく制御できる。
上記実施の形態1の変形例5と同様に、本実施の形態の変形例2〜4の少なくとも1つにおいて説明した電力線通信用フィルタの少なくとも2以上を、直列または並列に接続した電力線通信用フィルタを用いてもよい。このようにすることで、合成インピーダンスを細かく制御でき、通信の遮断の程度等を細かく制御できる。
また、上記実施の形態においては、電力機器が、変圧器10である場合を例に挙げて説明したが、電力機器は、PAS等の変圧器10以外の電力機器であってもよく、このような場合においても、二次側配線に電力線通信用フィルタ40を設けることで上記と同様の効果を奏する。
(実施の形態5)
上記実施の形態1においては、二次側配線と接地との間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器である変圧器の一次側配線への通過を遮断する素子として、変圧器の二次側配線間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明する。
上記実施の形態1においては、二次側配線と接地との間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器である変圧器の一次側配線への通過を遮断する素子として、変圧器の二次側配線間に接続したコンデンサを有する電力線通信用フィルタについて説明する。
図7は、本実施の形態の電力線通信用フィルタを説明するための図(図7(a))、およびその変形例を示す図(図7(b))である。図7において、図1および図2と同一符号は同一または相当する部分を示している。ここでは、電力機器である単相3線式の変圧器10の二次側配線が、電力線通信を行なうための回路や機器(図示せず)等と接続されており、電力線通信用フィルタが、変圧器10の二次側配線間に接続されている例を挙げて説明する。
図7(a)に示すように、電力線通信用フィルタ70は、変圧器10の二次側配線L1と二次側配線L2と間に接続されている。電力線通信用フィルタ70は、二次側配線L1と二次側配線L2との間に接続されたコンデンサ201を有する。具体的には、コンデンサ201は、一端が、二次側配線L1と接続され、他端が、二次側配線L2と接続されている。
電力線通信用フィルタ70のコンデンサ201が、変圧器10の二次側配線L1と二次側配線L2との間を流れる低周波数の電力は通過させないとともに、電力線通信に用いられる高周波信号は通過させることとなるため、電力線通信の信号が、電力線通信用フィルタ20が接続されている位置よりも変圧器10側に流れにくくようにすることができ、電力線通信の信号が、一次側配線P1およびP2に流れないようにすることができる。これにより、例えば、二次側から一次側への電力線通信の信号の通過を防ぐことができる。
図8は、本実施の形態の電力線通信用フィルタを説明するためのシミュレーションに用いられた変圧器モデルの等価回路図(図8(a))、およびそのシミュレーション結果を示すグラフ(図8(b))である。図8の等価回路図が示すモデルは、非特許文献「野田琢、他2名「過渡現象解析のための配電用柱上変圧器モデル」電気学会論文誌B、120巻、2000年8−9号』に記載された変圧器モデルであり、この回路の詳細については、この文献を参照されたい。
ここでは、図8(a)に示した変圧器モデルの二次側配線の端子801および端子802間に電力線通信に利用される周波数を含む異なる周波数の高周波の信号を入力した場合の、入力信号と、変圧器モデルの一次側配線の端子803および端子804から出力される出力信号との電流比(dB)をそれぞれシミュレーションにより取得した。シミュレーション結果81は、二次側配線の端子801と端子802との間に1μFのコンデンサを接続した場合の結果を示し、シミュレーション結果82は、二次側配線の端子801と802との間に1000pFのコンデンサを接続した場合の結果を示している。このシミュレーションにおける二次側配線の端子801と端子802との間に接続されたコンデンサは、電力線通信用フィルタ70に相当している。また、シミュレーション結果83は、二次側配線の端子801と端子802との間にコンデンサを接続しない場合の比較例の結果を示している。シミュレーションソフトウェアとして、LTspice(リニアテクノロジー社製)を用いた。
図8(b)のグラフに示すように、変圧器モデルの二次側配線の端子801と端子802との間にコンデンサを接続したシミュレーション結果81および82と、コンデンサを接続しないシミュレーション結果83とを比べると、コンデンサを接続した方が、変圧器モデルの一次側に通過する信号がほとんどの周波数で低減されることがわかる。また、シミュレーション結果81とシミュレーション結果82との比較から、接続するコンデンサの容量を増加させると、通過する信号が低減されることがわかる。
以上、本実施の形態によれば、変圧器10の二次側配線L1と二次側配線L2との間を接続するコンデンサ201を有する電力線通信用フィルタ70を設けることで、変圧器10の二次側から一次側への電力線通信信号の通過を防ぐことができる。
(変形例)
電力線通信用フィルタ70を、図7(a)のように、変圧器10の二次側配線L1と二次側配線L2との間に電力線通信用フィルタ70を設ける代わりに、図7(b)に示すように、変圧器10の一次側配線P1と一次側配線P2との間に電力線通信用フィルタ70を設けるようにしてもよい。すなわち、変圧器10の一次側配線P1と一次側配線P2とを接続するコンデンサ201を有する電力線通信用フィルタ70を設けるようにしてもよい。このような構成により、二次側配線L1およびL2に入力された電力線通信用信号が、変圧器10を通過したとしても、一次側配線P1と一次側配線P2との間に設けられた電力線通信用フィルタ70よりも一次側(電力線通信用フィルタ70に対して変圧器10とは反対側となる部分)には流れないようにすることができ、結果として、電力線通信用の信号が、変圧器10の一次側から二次側に流れないようにすることができる。なお、電力線通信用フィルタ70を、変圧器10の二次側配線間と、一次側配線間との両方に設けるようにしても良い。
電力線通信用フィルタ70を、図7(a)のように、変圧器10の二次側配線L1と二次側配線L2との間に電力線通信用フィルタ70を設ける代わりに、図7(b)に示すように、変圧器10の一次側配線P1と一次側配線P2との間に電力線通信用フィルタ70を設けるようにしてもよい。すなわち、変圧器10の一次側配線P1と一次側配線P2とを接続するコンデンサ201を有する電力線通信用フィルタ70を設けるようにしてもよい。このような構成により、二次側配線L1およびL2に入力された電力線通信用信号が、変圧器10を通過したとしても、一次側配線P1と一次側配線P2との間に設けられた電力線通信用フィルタ70よりも一次側(電力線通信用フィルタ70に対して変圧器10とは反対側となる部分)には流れないようにすることができ、結果として、電力線通信用の信号が、変圧器10の一次側から二次側に流れないようにすることができる。なお、電力線通信用フィルタ70を、変圧器10の二次側配線間と、一次側配線間との両方に設けるようにしても良い。
また、ここでは、電力線通信用フィルタ70が、単相3線式の変圧器の二次側配線間、または一次側配線間を接続するコンデンサ201を備えている場合について説明したが、電力線通信用フィルタ70は、単相3線式の変圧器以外の変圧器等の他の電力機器の二次側配線間、または一次側配線間を接続するコンデンサを備えているものであってもよい。
なお、上記実施の形態の電力線通信用フィルタ70の代わりに、上記実施の形態1において説明した変形例1〜5と同様の電力線通信用フィルタを設けるようにしてもよい。
(実施の形態6)
上記実施の形態2においては、開閉器の各二次側配線と、接地との間に、それぞれ接続される電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、電力機器である開閉器の二次側配線間にそれぞれ接続される電力線通信用フィルタについて説明する。
上記実施の形態2においては、開閉器の各二次側配線と、接地との間に、それぞれ接続される電力線通信用フィルタについて説明したが、本実施の形態においては、電力機器である開閉器の二次側配線間にそれぞれ接続される電力線通信用フィルタについて説明する。
図9は、本発明の実施の形態2にかかる電力線通信用フィルタを説明するための回路図(図9(a))、および変形例を示す図(図9(b)〜図9(e))である。図において、図3と同一符号は同一または相当する部分を示している。ここでは、上記実施の形態2と同様に、開閉器として三相の気中負荷開閉器であるPAS50を用いた場合を例に挙げて説明する。ただし、PAS50の代わりに、地中線用負荷開閉器等の他の開閉器を用いてもよい。ただし、三相3線式の開閉器であることが好ましい。
3つの電力線通信用フィルタ80は、3本の二次側配線La1〜La3から選択した異なる3組の二本の配線間にそれぞれ接続されている。すなわち、電力線通信用フィルタ80は、それぞれ、二次側配線La1と二次側配線La2との間、二次側配線La2と二次側配線La3との間、および二次側配線La3と二次側配線La1との間に接続されている。各電力線フィルタ80は、3本の二次側配線La1〜La3のうちの二本の配線間に接続されたコンデンサ201を有している。なお、この3つの電力線通信用フィルタ80の1以上(例えば、すべて)を、一の電力線通信用フィルタと考えてもよい。
電力線通信用フィルタ80のコンデンサ201が、PAS50の二次側配線La1、La3間、二次側配線La1、La2間、二次側配線La2、La3間において、低周波数の電力は通過させないとともに、電力線通信に用いられる高周波信号は通過させることとなるため、電力線通信の信号が、電力線通信用フィルタ80が接続されている位置よりもPAS50側に流れにくくようにすることができ、電力線通信の信号が、一次側配線Pa1〜Pa3に流れないようにすることができる。これにより、例えば、二次側から一次側への電力線通信の信号の通過を防ぐことができる。
以上、本実施の形態によれば、PAS50の3本の二次側配線La1〜La3から選択した異なる3組の二本の配線間をそれぞれ接続するコンデンサ201を備えた電力線通信用フィルタ70を設けることで、変圧器10の二次側から一次側への電力線通信信号の通過を防ぐことができる。
(変形例1)
なお、上記実施の形態においては、電力線通信用フィルタ80が、PAS50の3本の二次側配線La1〜La3から選択した異なる3組の二本の配線間にそれぞれ接続されている場合について説明したが、電力線通信用フィルタ80は、PAS50の3本の二次側配線La1〜La3から選択した異なる1以上の組の二本の配線間にそれぞれ接続されていてもよい。例えば、電力線通信用フィルタ80が、図9(b)に示すように、二次側配線La1と二次側配線La3との間にだけ接続されていても良く、図9(c)に示すように、二次側配線La1と二次側配線La2との間にだけ接続されていても良く、二次側配線La2と二次側配線La3との間にだけ接続されていても良い。また、例えば、電力線通信用フィルタ80が、図9(d)に示すように、二次側配線La1と二次側配線La3との間、および二次側配線La1と二次側配線La2との間に、それぞれ接続されていても良く、二次側配線La1と二次側配線La3との間、および二次側配線La2と二次側配線La3との間に、それぞれ接続されていても良く、二次側配線La1と二次側配線La2との間、および二次側配線La2と二次側配線La3との間に、それぞれ接続されていても良い。ただし、電力線通信は、二次側配線La1〜La3のうちの、配線間が電力線通信用フィルタ80を介して接続された二本の二次側配線間で行なうようにすることが好ましい。
なお、上記実施の形態においては、電力線通信用フィルタ80が、PAS50の3本の二次側配線La1〜La3から選択した異なる3組の二本の配線間にそれぞれ接続されている場合について説明したが、電力線通信用フィルタ80は、PAS50の3本の二次側配線La1〜La3から選択した異なる1以上の組の二本の配線間にそれぞれ接続されていてもよい。例えば、電力線通信用フィルタ80が、図9(b)に示すように、二次側配線La1と二次側配線La3との間にだけ接続されていても良く、図9(c)に示すように、二次側配線La1と二次側配線La2との間にだけ接続されていても良く、二次側配線La2と二次側配線La3との間にだけ接続されていても良い。また、例えば、電力線通信用フィルタ80が、図9(d)に示すように、二次側配線La1と二次側配線La3との間、および二次側配線La1と二次側配線La2との間に、それぞれ接続されていても良く、二次側配線La1と二次側配線La3との間、および二次側配線La2と二次側配線La3との間に、それぞれ接続されていても良く、二次側配線La1と二次側配線La2との間、および二次側配線La2と二次側配線La3との間に、それぞれ接続されていても良い。ただし、電力線通信は、二次側配線La1〜La3のうちの、配線間が電力線通信用フィルタ80を介して接続された二本の二次側配線間で行なうようにすることが好ましい。
(変形例2)
なお、上記実施の形態において説明した電力線通信用フィルタ80を、PAS50の一次側配線Pa1〜Pa3に対して接続するようにしても良い。例えば、電力線通信用フィルタ80は、PAS50の3本の一次側配線Pa1〜Pa3から選択した異なる1以上の組の二本の配線間にそれぞれ接続されていてもよい。また、例えば、図9(e)に示すように、電力線通信用フィルタ80は、PAS50の3本の一次側配線Pa1〜Pa3から選択した異なる3組の二本の配線間にそれぞれ接続されたコンデンサ201を備えていてもよい。なお、上記実施の形態において説明した電力線通信用フィルタ80を、PAS50の一次側配線Pa1〜Pa3と、二次側配線La1〜La2との両方に対してそれぞれ接続するようにしても良い。
なお、上記実施の形態において説明した電力線通信用フィルタ80を、PAS50の一次側配線Pa1〜Pa3に対して接続するようにしても良い。例えば、電力線通信用フィルタ80は、PAS50の3本の一次側配線Pa1〜Pa3から選択した異なる1以上の組の二本の配線間にそれぞれ接続されていてもよい。また、例えば、図9(e)に示すように、電力線通信用フィルタ80は、PAS50の3本の一次側配線Pa1〜Pa3から選択した異なる3組の二本の配線間にそれぞれ接続されたコンデンサ201を備えていてもよい。なお、上記実施の形態において説明した電力線通信用フィルタ80を、PAS50の一次側配線Pa1〜Pa3と、二次側配線La1〜La2との両方に対してそれぞれ接続するようにしても良い。
なお、上記実施の形態の電力線通信用フィルタ80の代わりに、上記実施の形態1において説明した変形例1〜5と同様の電力線通信用フィルタを設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、電力機器がPASである場合について説明したが、上記実施の形態2と同様に、電力機器は、PAS以外の開閉器や、開閉器以外の他の電力機器(例えば、三相3線式の電力機器)であってもよい。
なお、3以上の電力機器が並列接続されている場合のおいて、この並列接続された3以上の電力機器のうちの2以上を介して電力線通信を行う場合においては、上記実施の形態5または実施の形態6において説明した電力線通信用フィルタ70または電力線通信用フィルタ80を用いて、この電力線通信が行われる2以上の電力機器以外の並列接続された電力機器における電力線通信の信号の通過を遮断するようにしてもよい。
例えば、特高・高圧から3KV程度の中間電圧に降圧する変圧器等の、一の変圧器に対して、ツリー状に3以上の変圧器の一次側配線が並列に接続されている場合等のように、3以上の変圧器が並列接続されている場合において、この並列接続された3以上の変圧器のうちの2以上を介して電力線通信を行う場合においては、上記実施の形態5において説明した電力線通信用フィルタ70を用いて、この電力線通信を行う変圧器以外の並列接続された変圧器における電力線通信の信号の通過を遮断するようにしてもよい。このようにすることで、通信に関係ないエリアを任意に遮断することができる。例えば、並列接続される変圧器が増加して分岐が増えることにより、信号が届く通信エリアが広がると、減衰量が大きくなり、通信特性が悪くなる(例えば、通信範囲が狭まる、通信速度が落ちる)ことが考えられるが、電力線通信を行わない変圧器における電力線通信用の信号の通過を、電力線通信用フィルタ70を用いて遮断することで、実質的に分岐を減らして信号が届く通信エリアを狭くして、通信特性を改善することできる。また、意図的に通信信号の流れるエリアを制限することができ、通信を行えるようにするための課金を行ったり、盗聴リスクを低減させたり、外部への放射電磁界の軽減を行うことが可能となる。
なお、電力線通信用フィルタ70を用いて変圧器に対する電力線通信の信号の通過を遮断することは、例えば、電力線通信用フィルタ70を変圧器に取付けることであっても良く、例えば、3以上の変圧器の一次側配線や、二次側配線に対して、予め上記実施の形態1の変形例1等において説明したような接続手段を設けた電力線通信用フィルタを取付けておくようにし、電力線通信の信号を遮断する変圧器に取付けられた電力線通信用フィルタの接続手段を接続状態として、電力線通信用フィルタ20を利用可能な状態とすること等であっても良い。
また、例えば、3以上のPAS等が接続されている場合において、この並列接続された3以上のPASのうちの2以上を介して電力線通信を行う場合においては、上記実施の形態6において説明した電力線通信用フィルタ80を用いて、上記と同様に、この電力線通信を行うPAS以外の並列接続されたPASにおける電力線通信の信号の通過を遮断するようにしてもよく、このような場合も上記と同様の効果を奏する。
なお、上記実施の形態5または6において説明した電力線通信用フィルタの代わりに、上記実施の形態1〜4において説明した電力線通信用フィルタを用いて、並列接続された3以上の電力機器のうちの、電力線通信が行われる2以上の電力機器以外の電力機器における電力線通信の信号の通過を遮断するようにしてもよい。
なお、上記各実施の形態においては、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子が、コンデンサ、インダクタ、またはフェライトコアとフェライトコアに巻付けられた導線とを有する素子である場合を例に挙げて説明したが、これらの素子の2以上を組み合わせて用いてもよいことはいうまでもない。例えば、電力線通信用フィルタは、実施の形態1において説明した電力線通信用フィルタが有する1以上のコンデンサと、実施の形態3において説明した電力線通信用フィルタが有する1以上のインダクタとを有するものであってもよい。また、電力線通信用フィルタは、例えば、実施の形態1〜実施の形態6のうちの2以上の実施の形態において説明した2以上の電力線通信用フィルタを有する電力線通信用フィルタであっても良い。例えば、電力線通信用フィルタは、実施の形態1において説明した1以上の電力線通信用フィルタと、実施の形態3において説明した1以上の電力線通信用フィルタとを有する電力線通信用フィルタであってもよい。
また、上記各実施の形態においては、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子が、コンデンサ、インダクタ、またはフェライトコアとフェライトコアに巻付けられた導線とを有する素子である場合を例に挙げて説明したが、これら以外の他の素子であってもよい。なお、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子として、コンデンサ以外の素子を用いる場合、実施の形態1の変形例4に示したような容量が異なる複数のコンデンサを、通過特性が異なる複数の素子に置き換えるようにすればよい。
なお、上記各実施の形態において説明した電力線通信用フィルタを用いることにより、電力機器の一次側配線から二次側配線への電力線通信の信号の通過を適切に遮断することもできる。つまり、上記各実施の形態の、二次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の一次側配線への通過を遮断する素子は、一次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の二次側配線への通過を遮断する素子と考えても良く、上記各実施の形態の電力線通信用フィルタが有する上記各実施の形態の電力線通信用フィルタは、電力機器の二次側配線または一次側配線に対して接続され、一次側配線に送信される電力線通信の信号の、電力機器の二次側配線への通過を遮断する素子を備えた電力線通信用フィルタと考えてもよい。すなわち、上記の電力線通信用フィルタは、電力機器の二次側配線または一次側配線に対して接続され、電力機器の二次側配線と一次側配線との間における電力線通信の信号の通過を遮断する素子を備えた電力線通信用フィルタと考えてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる電力線通信用フィルタは、電力機器の二次側配線または一次側配線に接続される電力線通信用フィルタとして適しており、電力機器の二次側配線および一次側配線の少なくとも一方を用いて電力線通信が行なわれる場合に用いられる電力線通信用フィルタ等として有用である。
10 変圧器,20〜23、30、31、40〜43、70、80 電力線通信用フィルタ,101 一次巻線,102 二次巻線,103 鉄心,201、202a〜202d、203a〜203d コンデンサ,201a 可変コンデンサ,301、301a〜301d インダクタ,302 バイパス用線路,400、400a〜400d フェライトコア,401、401a〜401d 導線,2011 接続手段,2020、2030、4020 切替手段,2021a〜2021d 第一のスイッチ,2022a〜2022d 第二のスイッチ,2031、3031 第一のセレクタスイッチ,2032、3032 第二のセレクタスイッチ,4032 セレクタスイッチ
Claims (14)
- 電力機器の二次側配線または一次側配線に対して接続され、当該電力機器の二次側配線と一次側配線との間における電力線通信の信号の通過を遮断する素子を備えた電力線通信用フィルタ。
- 前記素子は、複数の素子であり、
当該複数の素子の中から、前記二次側配線と接続される1以上の素子を切替える切替手段を更に備えた請求項1記載の電力線通信用フィルタ。 - 前記切替手段は、前記複数の素子の中から、直列または並列に接続されて前記二次側配線と接続される素子を切替える請求項2記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記複数の素子は、電力線通信の信号の通過を遮断する特性である通過特性が異なり、
前記切替手段は、前記通過特性が異なる複数の素子の中から、前記二次側配線と接続される一の素子を切替える請求項2記載の電力線通信用フィルタ。 - 請求項2、請求項3および請求項4のうちの少なくとも一項に記載された2以上の電力線通信用フィルタが直列または並列に接続された電力線通信用フィルタ。
- 前記切替手段は、接続する素子の切替を遠隔操作可能なものである請求項2から請求項5いずれか一項記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記素子と二次側配線との間に、当該素子と二次側配線との接続と切断とを切替える接続手段を備えた請求項1から請求項6いずれか一項記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記接続手段は、接続と切断との切替を遠隔操作可能なものである請求項7記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記素子は、前記二次側配線と接地との間に接続されるコンデンサである請求項1から請求項8いずれか一項記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記素子は、前記二次側配線に挿入されるインダクタである請求項1から請求項8いずれか一項記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記素子は、フェライトコアに巻付けられた前記二次側配線に挿入される導線を有する請求項1から請求項8いずれか一項記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記素子は、電力機器の二次側配線間または一次側配線間に接続されるコンデンサである請求項1から請求項8いずれか一項記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記電力機器は、単相3線式の変圧器である請求項12記載の電力線通信用フィルタ。
- 前記素子は、三相3線式の電力機器の、3本の二次側配線または3本の一次側配線から選択した異なる1組以上の二本の配線間をそれぞれ接続するコンデンサである請求項1から請求項8いずれか一項記載の電力線通信用フィルタ。
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