JP2019164511A - 工程管理システム及びその復旧方法 - Google Patents

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康裕 野澤
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Abstract

【課題】工程管理システムの停止に起因する生産ラインの停止時間を低減させ、生産ラインの生産性の低下を抑止し得る工程管理システム及びその復旧方法を提案する。【解決手段】生産ライン上の所定ポイントごとにそれぞれ配置され、対応するポイントを通過する生産物から当該生産物の固体識別情報を取得すると共に、当該生産物の当該ポイントの通過時刻を取得する情報取得部と、各情報取得部によりそれぞれ取得された、対応するポイントを通過した各生産物の固体識別情報及び通過時刻に基づいて、各生産物の生産ライン上の位置をトラッキング情報として管理する工程管理サーバとを工程管理システムに設け、工程管理サーバが、生産ライン上の各生産物の位置を管理できない状態から復旧した際に、生産ライン上の各生産物の現在の位置をそれぞれ予測し、予測結果に基づいて、トラッキング情報を更新するようにした。【選択図】 図10

Description

本発明は工程管理システム及びその復旧方法に関し、例えば、自動車の生産工程を管理する工程管理システムに適用して好適なものである。
従来、自動車の生産に関する技術として、特許文献1〜3に開示された技術がある、例えば、特許文献1には、自動車車体の組立てラインにおいて、設備故障の際の生産量の低下を必要最少限度に止めるための管理方法が開示され、特許文献2には、処理手段を搭載したID(IDentification)タグなどを有効利用することでより、生産効率の良い工程づくりを行うための管理方法が開示されている。また特許文献3には、自動車生産ラインでエンジン等の部品の取付け前の登録情報と取り付け後の実績情報の整合性確保する技術が開示されている。
特開平02−284853号公報 特開2010−191769号公報 特開2014−81885号公報
ところで、自動車の生産現場では、生産ライン上の各車両の位置をトラッキング情報としてサーバ(以下、これを工程管理サーバと呼ぶ)により管理している。しかしながら、工程管理サーバが何らかの障害により動作を停止した場合、工程管理サーバが停止してから作業員により生産ラインが停止される間での間は生産ラインが稼動し続けるため、工程管理サーバが停止直前に保持していた各車両のトラッキング情報と、実際の各車両の位置との間にずれが生じることとなる。
このようなずれが生じた場合、工程管理サーバがその後の工程管理を正確に行えなくなるため、工程管理サーバの復旧後に工程管理サーバが保持するトラッキング情報のリカバリが必要となる。しかしながら、従来、このようなリカバリは作業員の手作業により行われているために工程管理サーバの復旧までには相応の時間を要し、その間生産ラインを稼動することができないことから、生産ラインの生産性が低下するという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、工程管理システムの停止に起因する生産ラインの停止時間を低減させ、生産ラインの生産性の低下を抑止し得る工程管理システム及びその復旧方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、生産ライン上を搬送される各生産物の生産工程を管理する工程管理システムにおいて、前記生産ライン上の所定ポイントごとにそれぞれ配置され、対応する前記ポイントを通過する前記生産物から当該生産物の固体識別情報を取得すると共に、当該生産物の当該ポイントの通過時刻を取得する情報取得部と、各前記情報取得部によりそれぞれ取得された、対応する前記ポイントを通過した各前記生産物の前記固体識別情報及び前記通過時刻に基づいて、各前記生産物の前記生産ライン上の位置をトラッキング情報として管理する工程管理サーバとを設け、前記工程管理サーバが、前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態から復旧した際に、前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置をそれぞれ予測し、予測結果に基づいて、前記トラッキング情報を更新するようにした。
また本発明においては、生産ライン上を搬送される各生産物の生産工程を管理する工程管理システムの復旧方法において、前記工程管理システムは、前記生産ライン上の所定ポイントごとにそれぞれ配置され、対応する前記ポイントを通過する前記生産物から当該生産物の固体識別情報を取得すると共に、当該生産物の当該ポイントの通過時刻を取得する情報取得部と、各前記情報取得部によりそれぞれ取得された、対応する前記ポイントを通過した各前記生産物の前記固体識別情報及び前記通過時刻に基づいて、各前記生産物の前記生産ライン上の位置をトラッキング情報として管理する工程管理サーバとを有し、前記工程管理サーバが、前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態から復旧した際に、前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置をそれぞれ予測する第1のステップと、前記工程管理サーバが、予測結果に基づいて、前記トラッキング情報を更新する第2のステップとを設けるようにした。
本工程管理システム及びその復旧方法によれば、工程管理サーバが前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態から復旧した段階で、当該工程管理サーバが保持するトラッキング情報が現状に応じた内容に修正(リカバリ)されるため、手作業によるトラッキング情報のリカバリが不要となり、その分、より早く生産ラインを再稼動させることができる。
本発明によれば、工程管理サーバの停止に起因する生産ラインの停止時間を低減させ、生産ラインの生産性の低下を抑止し得る工程管理システム及びその復旧方法を実現できる。
本実施の形態による工程管理システムの全体構成を示すブロック図である。 (A)〜(D)は、工程管理サーバが保持するトラッキング情報と現実との間に発生するずれの説明に供する概念図である。 計算用パラメータの説明に供する図表である。 工程管理サーバの論理構成を示すブロック図である。 工程管理サーバが保持するトラッキング情報の説明に供する概念図である。 通過履歴データ管理テーブルの構成例を示す図表である。 車両検知情報の説明に供する図である。 トラッキング画面の画面構成例を示す図である。 トラッキング修正画面の画面構成例を示す図である。 トラッキング情報再計算部の処理内容の説明に供するシーケンス図である。 復帰作業指示処理部の処理内容の説明に供するシーケンス図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)本実施の形態による工程管理システムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態による工程管理システムを示す。この工程管理システム1は、自動車の組立工場において生産ライン2上を搬送される車両の生産工程を管理するためのシステムであり、工程管理サーバ3と、管理端末4とを備えて構成される。
生産ライン2は、溶接工程、塗装工程及びエンジン取付け工程といった、工程ごとの生産ライン(以下、これらを工程別生産ラインと呼ぶ)2Aから構成される。これらの工程別生産ライン2Aを順番に経由して自動車車両(以下、これを単に車両と呼ぶ)が組み立てられる。
各車両には、全工程を通じて一貫して利用されるその車両に固有の固体識別情報(以下、これをアクチャルキーと呼ぶ)がそれぞれ付与される。そして各車両は、自己に付与されたアクチャルキーが記録されたRFID(Radio Frequency Identifier)や2次元バーコードなどから構成されるIDタグが所定位置に貼着された状態で生産ライン2上を搬送される。
各工程別生産ライン2Aは、その工程別生産ライン2Aにおいて行われる作業ごとにゾーン2AZと呼ばれる領域に区分されて管理される。例えば、塗装工程は、さび止めを塗布するさび止め下塗り作業と、雨漏りを防ぐシーリング剤を塗布するシーリング作業と、中塗りを行う中塗り作業と、最終的な塗料を塗布する上塗り作業となどの複数の作業から構成される。このため塗装工程の工程別生産ライン2Aは、ライン上のこれらの作業を行う各領域がそれぞれゾーン2AZとして管理される。
また各工程別生産ライン2Aにおける各ゾーン2AZ間には、それぞれこれらゾーン2AZ間を搬送される車両のIDタグからその車両のアクチャルキーを読み取るIDタグ検知部6が配置される。そして、これらIDタグ検知部6は、読み取ったアクチャルキー等を車両検知情報として工程管理サーバ3に送信する。
工程管理サーバ3は、生産ライン2上の各IDタグ検知部6から送信される車両検知情報に基づいて、組立て対象の各車両の生産ライン2上の位置を管理する機能を有するコンピュータ装置であり、CPU(Central Processing Unit)10、メモリ11及び補助記憶装置12などの情報処理資源を備えて構成される。
CPU10は、工程管理サーバ3全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ11は、DRAM(Dynamic RAM(Random ACCESS Memory))やSRAM(Static RAM)などの揮発性の半導体メモリから構成され、各種プログラムや必要なデータを一時的に保持するために利用される。後述するトラッキング情報再計算プログラム13、復帰作業指示処理プログラム14及び仕掛位置追従処理プログラム15は、このメモリ11に格納されて保持される。
また補助記憶装置12は、例えば、ハードディスク装置やSSD(Solid State Device)などの大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、プログラムやデータを長期間保持するために利用される。後述する管理情報16は、この補助記憶装置12に格納されて保持される。
管理端末4は、作業員が工程管理サーバ3に対して各種指示を与えたり、工程管理サーバ3から与えられる情報を表示する機能を有するコンピュータ装置であり、LAN(Local Area Network)等の工場内ネットワーク5を介して工程管理サーバ3及び生産ライン2とそれぞれ接続される。
管理端末4は、いずれも図示しないCPU、メモリ及び補助記憶装置と、入力装置及び表示装置とを備えて構成される。CPU、メモリ及び補助記憶装置は工程管理サーバ3の対応部位(CPU10、メモリ11又は補助記憶装置12)と同様の機能及び構成を有するものであるため、ここでの説明は省略する。
入力装置は、作業員が管理端末4を操作するために用いられる装置であり、例えばキーボードやマウスなどから構成される。また表示装置は、必要な情報を表示するための装置であり、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルなどから構成される。
(2)本実施の形態によるトラッキング情報修正機能
次に、本実施の形態の工程管理サーバ3に搭載されたトラッキング情報修正機能について説明する。まず、工程管理サーバ3が保持する生産ライン2上の各車両の位置情報(トラッキング情報)と、実際の生産ライン2上の各車両の位置との間に発生するずれについて説明する。ここでは、何らかの障害により工程管理サーバ3が動作を停止した場合について説明を進める。
例えば、工程管理サーバ3が動作を停止する直前の、生産ライン2上のある工程別生産ライン2Aにおける各車両の位置が図2(A)のような状態であったものとする。この図2(A)の例では、ある工程別生産ライン2Aが「Aゾーン」、「Bゾーン」、「Cゾーン」、……という複数のゾーン2AZ(図1)に区分され、組立て対象の車両が「Aゾーン」、「Bゾーン」、「Cゾーン」、……の順番で搬送されるものとしている。また図中の楕円形のオブジェクトOはそれぞれ車両を表しており、そのオブジェクトO内の数字はその車両に付与されたアクチャルキーを表しているものとする。図2(A)では、「1」から始まる連番がアクチャルキーとして各車両に順次付与された場合を例示している。
従って、図2(A)では、アクチャルキーが「1」〜「4」の各車両は、それぞれ「Aゾーン」及び「Bゾーン」での作業が完了して現在は「Cゾーン」に位置し、アクチャルキーが「5」〜「16」の各車両は、それぞれ「Aゾーン」での作業が完了して現在は「Bゾーン」に位置し、アクチャルキーが「17」及び「18」の各車両は、現在は「Aゾーン」に位置していることが示されている。また図2(A)において、旗形状のオブジェクトOはIDタグ検知部6(図1)を示しており、IDタグ検知部6が各ゾーン2AZ(図1)間に配置されていることが示されている。
また図2(B)は、工程別生産ライン2Aが図2(A)の状態にあるときに工程管理サーバ3が管理している各車両の位置情報(トラッキング情報)の内容を示す。この図2(B)において、楕円形のオブジェクトO及びそのオブジェクトO内の数値の意味は図2(A)のオブジェクトOと同様である。また図中、楕円形のオブジェクトOの下側に並んだ長方形状のオブジェクトO内の数字は、工程管理サーバ3が管理する対応するゾーン2AZでのその車両の順位(以下、これをゾーン内車両順位と呼ぶ)を示す。工程管理サーバ3は、ゾーン2AZに新たに車両が搬送されてくるごとに、そのゾーン2AZ内の各車両に対してゾーン内車両順位を付与して各ゾーン2AZ内における各車両の位置を管理する。このゾーン内車両順位は、車両がゾーン2AZに入車した当初は「1」が付与され、その後、他の車両がそのゾーン2AZに搬入されてくるごとにインクリメント(1ずつカウントアップ)される。
従って、図2(B)は、アクチャルキーが「1」の車両は「Cゾーン」に位置し、そのゾーン内車両順位が「4」、アクチャルキーが「2」の車両も「Cゾーン」に位置し、そのゾーン内車両順位が「3」、……、アクチャルキーが「5」の車両は「Bゾーン」に位置し、そのゾーン内車両順位が「12」、アクチャルキーが「6」の車両も「Bゾーン」に位置し、そのゾーン内車両順位が「11」、……、アクチャルキーが「17」の車両は「Cゾーン」に位置し、そのゾーン内車両順位が「2」、アクチャルキーが「18」の車両も「Cゾーン」に位置し、そのゾーン内車両順位が「1」であると工程管理サーバ3が認識していることを示している。
一方、図2(C)は、工程管理サーバ3が動作を停止後、復旧した直後の図2(A)と同じ工程別生産ライン2Aの様子を示す。この図2(C)における楕円形のオブジェクトO、そのオブジェクトO内に表記された数字及び旗印のオブジェクトOの意味は図2(A)と同様であるため、ここでの説明は省略する。
工程管理サーバ3が動作を停止した場合においても、生産ライン2は作業員により停止されるまでの間稼動する。そこで図2(C)では、図2(A)の状態からさらにアクチャルキーが「5」の車両と、アクチャルキーが「6」の車両とが「Bゾーン」での作業を終えて「Cゾーン」に搬入されていることが示されている。このため、工程管理サーバ3が復旧直後に認識している図2(B)について上述したトラッキング情報と、図2(C)に示す実際に各車両が位置するゾーン2AZ(図1)やゾーン内車両順位との間にずれが生じていることが分かる。
このようなずれを生じさせた状態のまま工程管理サーバ3を稼動した場合、工程管理サーバ3が各車両の生産ライン2上の位置を正確に管理することができず、不具合が発生する。このため、従来では、工程管理サーバ3が動作を停止し、その後、復旧した段階で、工程管理サーバ3が保持するトラッキング情報を実際の生産ライン2上の各車両の位置に従って図2(D)のように修正していた。なお図2(D)における楕円形のオブジェクトO及びこれらオブジェクトO内の数字の意味並びに四角形状のオブジェクトO内の数字の意味は図2(B)と同様である。
しかしながら、このような修正は作業員の手作業により行われているために相応の時間を要し、さらにその間は生産ライン2を停止させる必要があるため、生産ライン2全体としての生産性が低下する問題があった。
そこで、本実施の形態の工程管理サーバ3には、生産ライン2の稼働中に工程管理サーバ3が障害により生産ライン2上の各車両の位置を管理できなくなった場合に、その後、工程管理サーバ3が障害から復旧した段階で、現在の各車両の生産ライン2上の位置を予測し、その予測結果を必要に応じて作業員に修正してもらった上で、その予測結果に基づいて自己が管理するトラッキング情報を修正するトラッキング情報修正機能が搭載されている。
実際上、本工程管理システム1では、上述のように各工程別生産ライン2A(図1)における各ゾーン2AZ間にIDタグ検知部6(図1)が配置されており、これらIDタグ検知部6が、対応するゾーン2AZ間を搬送される車両から読み取ったその車両のアクチャルキーと、その時刻と、その車両の搬送先のゾーン2AZの識別情報とを車両検知情報として工程管理サーバ3に送信する。
一方、工程管理サーバ3は、各IDタグ検知部6から送信されてくる車両検知情報を蓄積して管理すると共に、この車両検知情報に基づいて、生産ライン2上の各車両の位置をトラッキング情報として管理している。また生産ライン2の稼動中に工程管理サーバ3が障害により動作を停止した場合、作業員は、工程管理サーバ3が復旧した後に、管理端末4を介して図3に示すような計算用パラメータPAと、その障害により生産ライン2を停止した時刻(以下、これを生産ライン停止時刻と呼ぶ)とを工程管理サーバ3に与える。
この計算用パラメータPAは、工程管理サーバ3が生産ライン2上の各車両の現在位置を予測するために必要なパラメータであり、生産ライン2における車両の搬送速度(「ライン速度」)と、生産ライン2上の台車分を含む車両間隔(「車体長」)と、各ゾーン2AZの長さ(「ゾーン長))とが含まれる。
そして工程管理サーバ3は、復旧後、障害発生直前まで蓄積していた各IDタグ検知部6からの車両検知情報と、管理端末4から与えられた計算用パラメータPA及び生産ライン停止時刻とに基づいて、生産ライン2上の各車両の現在位置を予測し、予測結果を管理端末4に表示させる。
かくして作業員は、管理端末4に表示された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果を、実際の生産ライン2上の各車両の現在位置と比較し、必要に応じて管理端末4に表示された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果を修正する。また、この修正結果は、この後、工程管理サーバ3に通知される。そして工程管理サーバ3は、生産ライン2上の各車両の位置の予測結果をこの修正結果に従って修正し、修正した予測結果に従って自己が保持するトラッキング情報を更新する。そして、この後、工程管理サーバ3及び生産ライン2が再稼動される。
このような本実施の形態によるトラッキング情報修正機能に関する一連の流れを実現するための手段として、工程管理サーバ3は、図4に示すように、トラッキング情報20及び通過履歴データ管理テーブル21を管理情報として補助記憶装置12に保持している。また工程管理サーバ3は、仕掛位置追従処理部22、トラッキング情報再計算部23及び復帰作業指示処理部24を備えている。
トラッキング情報20は、生産ライン2上の各車両の位置等を管理するために利用される情報であり、図5に示すように、1つのアクチャルテーブル30と、複数のゾーンテーブル31とから構成される。
アクチャルテーブル30は、生産対象の各車両の製造スケジュール及び仕様などの情報(以下、これをアクチャル情報と呼ぶ)を管理するために利用されるテーブルであり、生産対象の車両ごとのアクチャル情報30Aがそれぞれ格納される。このアクチャル情報30Aには、対応する車両に付与された生産ライン2上での管理番号(「管理番号」)と、その車両の納期や製造開始予定日及び製造終了予定日などの製造スケジュール(「アクチャルスケジュール」)と、車種型式、基準車系、仕向地、ボディカラー及び各オプションの有無などのデータ(「可変データ」)とが含まれる。
またゾーンテーブル31は、生産ライン2上の各ゾーン2AZ(図1)にそれぞれ対応付けて設けられ、対応するゾーン2AZに位置する各車両の車両情報31AがFIFO(First-In First-Out)方式で順番に並べて格納される。この車両情報31Aは、対応する車両の生産ライン2上での管理番号と、アクチャルテーブル30に格納されているその車両のアクチャル情報30Aへのポインタとから構成されるもので、トラッキングキーデータと呼ばれる。工程管理サーバ3は、このトラッキングキーデータを実際の車両のゾーン2AZ間の移動と同期して対応するゾーンテーブル31間で移動させるようにして、生産ライン2上の各車両の位置を管理する。
通過履歴データ管理テーブル21は、各IDタグ検知部6(図1)からそれぞれ与えられる車両検知情報に基づいて、生産ライン2上の各車両がそれぞれ通過したゾーン2AZやその通過時刻などを管理するために利用されるテーブルである。この通過履歴データ管理テーブル21は、図6に示すように、管理番号欄21A、アクチャルキー欄21B、車種型式欄21C、基準車系欄21D、仕向地欄21E、カラー欄21F、通過時刻欄21G及び通過ゾーン欄21Hなどを備えて構成される。通過履歴データ管理テーブル21では、1つの行が1つの車両に対応する。
そして管理番号欄21Aには、対応する車両に付与された生産ライン2上での管理番号が格納され、アクチャルキー欄21Bには、その車両に付与されたアクチャルキーが格納される。また車種型式欄21C、基準車系欄21D、仕向地欄21E及びカラー欄21Fには、それぞれその車両の車種型式、基準車系、仕向地又はカラーが格納される。さらに通過時刻欄21Gには、その車両についていずれかのIDタグ検知部6から最後に通知されたその車両がそのIDタグ検知部6を通過した時刻が格納され、通過ゾーン欄21Hには、その通知に基づき認識されるその車両が現在位置するゾーン2AZのゾーン名が格納される。なお、通過時刻欄21G及び通過ゾーン欄21Hに格納された情報は、その車両について、いずれかのIDタグ検知部6からその車両が通過した旨の通知が与えられる度に最新の情報に更新される。
一方、仕掛位置追従処理部22(図4)は、工程管理サーバ3のCPU10(図1)がメモリ11に格納された仕掛位置追従処理プログラム15(図1)を実行することにより具現化される機能部である。仕掛位置追従処理部22は、生産ライン2の各IDタグ検知部6から順次送信されてくる図7のような車両検知情報(図7の各行の情報)に基づき、必要に応じてトラッキング情報20を参照して、その車両検知情報を含む必要なデータ(図6の1行分のデータであり、以下、これを通過履歴データと呼ぶ)を通過履歴データ管理テーブル21に登録したり、既に登録されている対応する通過履歴データを更新する機能を有する。
実際上、仕掛位置追従処理部22は、IDタグ検知部6から1つの車両検知情報が与えられると、その車両検知情報に含まれるアクチャルキーが通過履歴データ管理テーブル21に登録されているか否か(いずれかの行のアクチャルキー欄21Bにそのアクチャルキーが格納されているか否か)を判定する。
そして仕掛位置追従処理部22は、そのアクチャルキーが通過履歴データ管理テーブル21に登録されていない場合には、トラッキング情報20を構成するアクチャルテーブル30(図5)から、そのアクチャルキーが付与された車両の車種型式や、基準車系、仕向地及びカラーといった必要な情報(可変データ)を取得し、取得したこれらの情報を通過履歴データ管理テーブル21の未使用の行に格納する。また仕掛位置追従処理部22は、その車両検知情報に含まれるそのIDタグ検知部6がその車両を検知した時刻と、その車両の移動先のゾーン2AZのゾーン名とを、その行の通過時刻欄21G及び通過ゾーン欄21Hにそれぞれ格納する。
これに対して、仕掛位置追従処理部22は、そのアクチャルキーが通過履歴データ管理テーブル21に既に登録されていた場合には、通過履歴データ管理テーブル21におけるそのアクチャルキーがアクチャルキー欄12Bに格納されている行の通過時刻欄21Gに格納された時刻を、その車両検知情報に含まれるそのIDタグ検知部6がその車両を検知した時刻に書き換える。また仕掛位置追従処理部22は、その行の通過ゾーン欄21Hに格納されているゾーン名を、その車両検知情報に含まれるその車両の移動先のゾーン2AZのゾーン名に書き換える。
他方、トラッキング情報再計算部23は、工程管理サーバ3のCPU10(図1)がメモリ11に格納されたトラッキング情報再計算プログラム13を実行することにより具現化される機能部である。トラッキング情報再計算部23は、工程管理サーバ3が障害から復旧した後に、生産ライン2上の各車両の現在位置をそれぞれ予測する機能を有する。
実際上、トラッキング情報再計算部23は、工程管理サーバ3が障害から復旧後、通過履歴データ管理テーブル21に登録されている自工程管理サーバ3に障害が発生する直前まで保持していた各車両の通過履歴データと、そのとき管理端末4を介して作業員から与えられる上述の計算用パラメータPA(図3)及び生産ライン停止時刻とに基づいて、生産ライン2上の各車両の現在位置をそれぞれ予測する。このようなトラッキング情報再計算部23の具体的な処理内容については後述する。
復帰作業指示処理部24は、工程管理サーバ3のCPU10(図1)がメモリ11に格納された復帰作業指示処理プログラム14(図1)を実行することにより具現化される機能部である。復帰作業指示処理部24は、工程管理サーバ3が障害から復旧した段階で、その工程管理サーバ3が保持するトラッキング情報20(生産ライン2上の各車両の位置情報であり、より具体的な必要なゾーンテーブル31)を、トラッキング情報再計算部23により算出された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果に対して作業員が管理端末4を用いて行った修正を反映した内容と同じ内容になるように更新する機能を有する。
実際上、復帰作業指示処理部24は、上述のようにしてトラッキング情報再計算部23により生産ライン2上の各車両の現在位置が予測されると、その予測結果を管理端末4に通知する。この結果、この予測結果が管理端末4に表示される。そして復帰作業指示処理部24は、この後、この予測結果が上述のように作業員により実際の各車両の現在位置に従って修正されると、工程管理サーバ3が保持するトラッキング情報20を、作業員により修正された予測結果の内容と同じ内容になるように修正する。
(3)各種画面の構成
図8は、工程管理サーバ3のトラッキング情報再計算部23により算出された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果を受領した管理端末4に表示されるトラッキング画面40の画面構成を示す。このトラッキング画面40は、受領した生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果を表示するための画面である。
なお、図8は、塗布工程の工程別生産ライン2Aだけを表示している場合を例示しているが、工程管理サーバ3のトラッキング情報再計算部23により算出された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果を、このように工程別生産ライン2Aごとに表示するようにしても、また生産ライン2全体に渡る予測結果を一括して表示するようにしてもよい。
このトラッキング画面40では、生産ライン2内の各ゾーン2AZ(図1)にそれぞれ対応させた複数のゾーン情報表示オブジェクト41が表示される。このゾーン情報表示オブジェクト41は、ゾーン名表示部41A、ゾーン情報表示部41B及びゾーン内車両数表示部41Cとから構成される。
そしてゾーン名表示部41Aには、そのゾーン2AZのゾーン名が表示される。またゾーン情報表示部41Bには、生産ライン2におけるそのゾーン2AZの識別情報と、そのゾーン2AZ内に存在可能な車両数に対する予測された現在の車両数とが表示される。さらにゾーン内車両数表示部41Cには、そのゾーン2AZ内に存在可能な車両数に対応した数のマーク41CA(図8の「□」又は「■」)が表示され、これらマーク41CAうちのそのゾーン2AZ内に存在すると予測された車両数に対応した数のマーク41CAが例えば黒色に塗りつぶされた形態(図8の「■」)で表示される。
従って、図8の例の場合、例えば、「前処理ストレージ」というゾーン名のゾーン2AZは、そのゾーン2AZの識別情報が「PZ301」で、そのゾーン2AZには10台の車両が位置することができるのに対して現在は5台の車両が存在(「5/10」)すると予測されていることが示されている。
またトラッキング画面40では、車両が搬送されるゾーン2AZの順番で、対応するゾーン情報表示オブジェクト41間が矢印42で結ばれる。従って、図8の例の場合、対応する生産ライン2(図8では塗布工程の工程別生産ライン2A)が「前処理ストレージ」、「前処理」、「電着オープン」及び「電着ストレージ」という4つのゾーン2AZに区分されて管理されており、この順番で車両が各ゾーン2AZに搬送されていくことが示されている。
さらにトラッキング画面40には、閉じるボタン43、再表示ボタン44及びトラッキング修正ボタン45が表示されている。そして、トラッキング画面40では、閉じるボタン43をクリックすることによりこのトラッキング画面40を閉じることができる。またトラッキング画面40では、再表示ボタン44をクリックすることにより、そのとき管理端末4が保持している上述の予測結果(後述のように修正された後の予測結果も含む)に基づくトラッキング画面40を再表示させることができる。
一方、トラッキング画面40では、トラッキング修正ボタン45をクリックすることにより、トラッキング画面40に重ねて図9に示すようなトラッキング修正画面50を表示させることができる。このトラッキング修正画面50は、トラッキング画面40に表示された工程管理サーバ3のトラッキング情報再計算部23により算出された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果を、実際の生産ライン2の状況に従って作業員が修正するための画面である。
このトラッキング修正画面50は、修正元トラッキングゾーン指定ボックス51、修正先トラッキングゾーン指定ボックス52、前進ボタン53、後退ボタン54、実行ボタン55及び閉じるボタン56を備えて構成される。
そして、トラッキング画面40において、いずれかのゾーン(以下、これを第1のゾーンと呼ぶ)2AZの車両数として表示されている車両数が実際の生産ライン2上でその第1のゾーン2AZ内に存在する車両の数よりも多く、かつ、当該第1のゾーン2AZの次のゾーン(以下、これを第2のゾーンと呼ぶ)2AZの車両数として表示されている車両数が実際の生産ライン2でその第2のゾーン2AZ内に存在する車両の数よりも少ない場合、作業員は、第1のゾーン2AZのゾーン名を修正元トラッキングゾーン指定ボックス51に記入すると共に、第2のゾーン2AZのゾーン名を修正先トラッキングゾーン指定ボックス52に記入し、その後、前進ボタン53をクリックした上で、実行ボタン55をクリックするようにする。
この結果、管理端末4内部において、当該管理端末4が保持する工程管理サーバ3のトラッキング情報再計算部23により算出された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果が、第1のゾーン2AZ内の最も先頭の車両(第1のゾーン2AZに最も先に搬入された車両)を第2のゾーン2AZに移動させた状態に修正される。また、この後、トラッキング画面40(図8)の再表示ボタン44(図8)をクリックすることにより、そのときトラッキング画面40に表示されているかかる予測結果を、このように修正された予測結果に基づく内容に更新させることができる。
また、トラッキング画面40において、第1のゾーン2AZの車両数として表示されている車両数が実際の生産ライン2上でその第1のゾーン2AZ内に存在する車両の数よりも少なく、かつ当該第1のゾーン2AZの前のゾーン(以下、これを第3のゾーンと呼ぶ)2AZの車両数として表示されている車両数が実際の生産ライン2上でその第3のゾーン2AZ内に存在する車両の数よりも多い場合、作業員は、第3のゾーン2AZのゾーン名を修正元トラッキングゾーン指定ボックス51に記入すると共に、第1のゾーン2AZのゾーン名を修正先トラッキングゾーン指定ボックス52に記入し、その後、後退ボタン54をクリックした上で、実行ボタン55をクリックするようにする。
この結果、管理端末4内部において、当該管理端末4が保持する工程管理サーバ3のトラッキング情報再計算部23により算出された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果が、第3のゾーン2AZ内の最も先頭の車両(第3のゾーン2AZに最も先に搬入された車両)を第1のゾーン2AZに移動させた状態に修正される。また、この後、トラッキング画面40(図8)の再表示ボタン44(図8)をクリックすることにより、そのときトラッキング画面40に表示されているかかる予測結果を、このように修正された予測結果に基づく内容に更新させることができる。
なおトラッキング修正画面50は、閉じるボタン56をクリックすることにより閉じることができる。
(4)トラッキング情報修正機能に関連する各種処理
次に、かかるトラッキング情報修正機能に関連して工程管理サーバ3のトラッキング情報再計算部23及び復帰作業指示処理部24によりそれぞれ実行される処理の具体的な処理内容について説明する。
(4−1)トラッキング情報再計算処理
図10は、かかるトラッキング情報修正機能に関連して、障害から復旧した工程管理サーバ3のトラッキング情報再計算部23により実行されるトラッキング情報再計算処理の具体的な処理手順を示す。
トラッキング情報再計算部23は、工程管理サーバ3の復旧後、作業員の操作に応じて管理端末4からトラッキング情報20を再計算すべき旨の指示が与えられると(S1)、まず、生産ライン2上に現在存在する各車両の通過履歴データを通過履歴データ管理テーブル21(図6)から取得する(S2)。具体的に、トラッキング情報再計算部23は、通過履歴データ管理テーブル21の各行のうち、通過ゾーン欄21H(図6)に生産ライン2上の最後のゾーン2AZ以外の他のゾーン2AZのゾーン名が格納されたすべての行の情報をそれぞれ取得する。
続いて、トラッキング情報再計算部23は、生産ライン2のゾーン2AZごとに、ステップS2で取得した各車両の通過履歴データの中から、最後にそのゾーン2AZを通過した車両の通過履歴データをそれぞれ抽出する(S3)。具体的に、トラッキング情報再計算部23は、ゾーン2AZごとに、そのゾーン2AZのゾーン名が通過ゾーン欄21H(図6)に格納されているすべての行を抽出し、これら行の通過時刻欄21G(図6)にそれぞれ格納されている通過時刻の中から最新の通過時刻を抽出する。
次いで、トラッキング情報再計算部23は、ステップS3で抽出したゾーン2AZごとの通過時刻の中から最新の通過時刻を、工程管理サーバ3が動作を停止した時刻として取得する(S4)。
この後、トラッキング情報再計算部23は、作業員の操作に応じて、管理端末4から生産ライン2が停止した時刻と、上述の計算用パラメータPA(図3)とが管理端末4から送信されてくると(S5,S6)、工程管理サーバ3内に保存している各ゾーン2AZの停止時間実績(図示せず)に基づいて、ゾーンごとの手直し時間をそれぞれ算出する(S7)。
ここで、「手直し時間」とは、そのゾーン2AZの稼働時間に対する、作業ミスなどによりそのゾーン2AZのラインが停止していた時間の割合であり、次式
Figure 2019164511
により算出することができる。なお、(1)式において、「ライン停止時間の平均」とは、そのとき対象としているゾーン2AZのラインが作業ミスなどにより停止していた平均時間を意味し、「ライン停止回数の平均」とは、そのゾーン2AZのラインが作業ミスなどにより停止する単位時間当たりの平均回数を意味する。
続いて、トラッキング情報再計算部23は、工程管理サーバ3が停止した時刻としてステップS4で取得した時刻と、ステップS5で管理端末4から送信されてきた生産ライン2の稼動が停止された時刻とに基づいて、工程管理サーバが停止してから生産ライン2が停止するまでの時間(サーバ停止後稼動時間)を算出する(S8)。
次いで、トラッキング情報再計算部23は、そのとき保持しているトラッキング情報20(工程管理サーバ3が動作を停止する直前のトラッキング情報20)と、ステップS6で管理端末4から送信されてきた計算用パラメータPA(図3)と、ステップS7で算出した各ゾーン2AZの手直し時間と、ステップS8で算出した生産ライン2のサーバ停止後稼動時間とに基づいて、生産ライン2上の各車両の現在位置をそれぞれ予測する(S9)。
この予測は、以下の手順により行うことができる。まず、生産ライン2上の1つの車両を選択し、その車両について、その車両が存在していたゾーン2AZ内における工程管理サーバ3が動作を停止した時点でのその車両の位置を、その車両のそのゾーン2AZの先頭からの距離L1として算出する。
この距離L1は、そのとき工程管理サーバ3が保持するその車両のトラッキング情報20に基づき認識されるそのゾーン2AZでのその車両のゾーン内車両順位と、かかる計算用パラメータPAに含まれる「車体長」とを利用して、次式
Figure 2019164511
により算出することができる。
次に、生産ライン2が稼動停止された時点におけるその車両の位置を、その車両のそのゾーン2AZの先頭から距離L2として算出する。この距離L2は、上述のサーバ停止後稼動時間と、かかる計算用パラメータPA(図3)に含まれるその生産ラインの「ライン速度」と、ステップS7で算出した「手直し時間」とを利用して、次式
Figure 2019164511
により算出することができる。
そして、上述のようにして算出した、生産ライン2が停止した時点におけるその車両の位置が、そのゾーン2AZ内であるか否かを判定する。具体的に、(3)式で得られた距離L2と、かかる計算用パラメータPAに含まれるそのゾーン2AZのゾーン長とを利用して、次式
Figure 2019164511
が成り立つか否かを判断する。この(4)式が成り立つ場合には、その車両は次のゾーン2AZに移動していると判断でき、(4)式が成り立たない場合には、その車両は工程管理サーバ3が動作を停止した時点でその車両が存在していたゾーン2AZに未だ存在すると判断できる。
そしてトラッキング情報再計算部23は、これと同様にしてすべての車両についてその車両の現在位置(ゾーン2AZ)をそれぞれ予測し、予測結果を車両現在位置予測情報として管理端末4に送信する(S10)。
かくして、管理端末4は、工程管理サーバ3から与えられる車両現在位置予測情報に基づいて、工程管理サーバ3(トラッキング情報再計算部23)により算出された各車両の現在位置の予測結果が図8について上述した形態で表示されたトラッキング画面40を表示する。
(4−2)トラッキング情報修正及び再稼動処理
一方、図11は、図10について上述した一連の処理後に本工程管理システム1において実行される一連の処理の流れを示す。
上述のように工程管理サーバ3(トラッキング情報再計算部23)により算出された各車両の現在位置の予測結果が管理端末4に表示されると(S11)、作業員は、その内容を確認し、当該予測結果と、現実の生産ライン2上の各車両の位置とを比較する(S12)。
そして作業員は、かかる予測結果が現実と異なる場合には、図9について上述したトラッキング修正画面50を利用して、現実に合わせるようにかかる予測結果を修正する(S13)。かくして、管理端末4は、このような作業員による修正操作に応じて、工程管理サーバ3から与えられた生産ライン2上の各車両の位置の予測結果を修正し(S14)、修正した予測結果(又は修正された部分の情報のみ)を修正予測結果情報として工程管理サーバ3に送信する(S15)。
そして、この修正予測結果情報を受領した工程管理サーバ3の復帰作業指示処理部24は、この修正予測結果情報に従って、自己が保持する図5について上述したトラッキング情報20(正確には必要なゾーンテーブル31)を必要に応じて修正する(S16)。これにより、工程管理サーバ3が保持するトラッキング情報20が、トラッキング情報再計算部23により算出され、作業員により修正された予測結果と同じ内容に更新される。また復帰作業指示処理部24は、この後、工程管理サーバ3が保持するトラッキング情報20の修正が完了した旨の完了通知を管理端末4に送信する(S17)。
管理端末4は、工程管理サーバ3が保持するトラッキング情報20が修正されたことをかかる完了通知により確認すると(S18)、所定のメッセージを表示するなどして生産ライン2の再始動を作業員に促すと共に、生産ライン2上の各車両の位置管理を再始動するよう工程管理サーバ3に指示を与える(S19)。この結果、作業員により生産ライン2を再始動するための所定の操作が行われると共に(S20)、工程管理サーバ3による生産ライン2上の各車両の位置管理が再始動される(S21)。
(5)本実施の形態の効果
以上のように本工程管理システム1では、工程管理サーバ3が、障害から復旧後、通過履歴データ管理テーブル21に蓄積した通過履歴データと、管理端末4を介して作業員から与えられるライン停止時刻及び計算用パラメータとに基づいて生産ライン2上の各車両の現在位置を予測し、予測結果を管理端末4に表示し、表示された予測結果に対して作業員が修正した修正結果に従ってトラッキング情報20を更新する。
従って、本工程管理システム1によれば、工程管理サーバ3が障害から復旧した段階で、当該工程管理サーバ3が管理するトラッキング情報20が現状に応じた内容にリカバリされるため、作業員の手作業によるトラッキング情報20のリカバリが不要となる。この結果、より早く生産ライン2を再稼動させることができ、かくして工程管理サーバ3の停止に起因する生産ライン2の停止時間を低減させ、生産ライン2の生産性の低下を抑止することができる。
また本工程管理システム1では、工程管理サーバ3により算出された生産ライン2上の各車両の現在位置の予測結果を管理端末4に表示させ、その予測結果を必要に応じて作業員に修正させた上で、かかる予測結果に基づいてトラッキング情報20を更新するようにしているため、トラッキング情報20を間違いなく現状に応じた内容に更新することができる。これによりトラッキング情報20が現状と一致しないことによる不具合の発生を未然かつ有効に防止することができる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を自動車の生産工程を管理する工程管理システム1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、管理対象が車両でなくてもよく、要は、生産ライン上を搬送される何らかの生産物の生産工程を管理する工程管理システムであれば、本発明を適用することができる。
また上述の実施の形態においては、IDタグ検知部6を各ゾーン2AZ間にそれぞれ配置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、IDタグ検知部6を各ゾーン2AZ間以外の所定ポイント(例えば、一定間隔のポイント)に配置するようにしてもよい。このようにしても工程管理サーバ3が障害から復旧後に、上述した実施の形態による処理と同様にして工程管理サーバ3が保持するトラッキング情報20のリカバリを行うことができる。
さらに上述の実施の形態においては、アクチャルキーが記録されたIDタグを各車両に貼着するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、車両にそのアクチャルキーを印刷するようにしてもよく、車両にアクチャルキーを記録する方法としては、この他種々の方法を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、各車両からアクチャルキーを取得する情報取得部としてIDタグ検知部6を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上述のように車両にそのアクチャルキーを印刷する場合には、かかる情報取得部として画像認識によりアクチャルキーを読み取る画像認識装置を適用することができる。このように、かかる情報取得部としては、車両にアクチャルキーを記録するために適用した方法に応じた種々の構成の装置を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、図10について上述したトラッキング情報再計算処理や図11について上述したトラッキング情報修正及び再稼動処理を、工程管理サーバ3が動作を停止した場合に実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、工程管理サーバ3が動作の停止以外の何らかの原因により生産ライン2上の各車両の位置を管理できない状態から復旧した場合の復旧処理としても本発明を適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、図10のステップS6のタイミングで図3について上述した計算用パラメータPAを工程管理サーバ3に提供するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、かかる計算用パラメータPAを生産ライン2の稼動前に予め工程管理サーバ3に与えておくようにしてもよい。この場合、工程管理サーバ3は、この計算用パラメータPAをメモリ11や補助記憶装置12に格納して保持し、必要時にメモリ11や補助記憶装置12から読み出して利用するようにすればよい。
さらに上述の実施の形態においては、生産ライン2上の各車両の現在位置の予測方法として、(2)式〜(4)式について上述した方法を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の予測方法を広く適用することができる。この場合、計算用パラメータPAの内容はその予測方法に応じた内容とすればよい。
本発明は、生産ライン上を加工されながら順次搬送される生産物の生産工程を管理する種々の構成の工程管理システムに広く適用することができる。
1……工程管理システム、2……生産ライン、2A……工程別生産ライン、2AZ……ゾーン、3……工程管理サーバ、4……管理端末、6……IDタグ検知部、10……CPU、16……管理情報、20……トラッキング情報、21……通過履歴データ管理テーブル、22……仕掛位置追従処理部、23……トラッキング情報再計算部、24……復帰作業指示処理部、30……アクチャルテーブル、31……ゾーンテーブル、31A……車両情報、40……トラッキング画面、50……トラッキング修正画面、PA……計算用パラメータ。

Claims (8)

  1. 生産ライン上を搬送される各生産物の生産工程を管理する工程管理システムにおいて、
    前記生産ライン上の所定ポイントごとにそれぞれ配置され、対応する前記ポイントを通過する前記生産物から当該生産物の固体識別情報を取得すると共に、当該生産物の当該ポイントの通過時刻を取得する情報取得部と、
    各前記情報取得部によりそれぞれ取得された、対応する前記ポイントを通過した各前記生産物の前記固体識別情報及び前記通過時刻に基づいて、各前記生産物の前記生産ライン上の位置をトラッキング情報として管理する工程管理サーバと
    を備え、
    前記工程管理サーバは、
    前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態から復旧した際に、前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置をそれぞれ予測し、
    予測結果に基づいて、前記トラッキング情報を更新する
    ことを特徴とする工程管理システム。
  2. 前記工程管理サーバは、
    各前記情報取得部がそれぞれ取得した、対応する前記ポイントを通過した各前記生産物の前記固体識別情報及び前記通過時刻をそれぞれ通過履歴情報として蓄積し、
    前記工程管理サーバには、
    前記工程管理サーバが前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態となったことに起因して前記生産ラインが停止された時刻がライン停止時刻として与えられると共に、前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置を予測するのに必要な計算用パラメータが与えられ、
    前記工程管理サーバは、
    蓄積した前記通過履歴情報に基づいて自己が前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態となった時刻を推定し、推定した当該時刻と、前記ライン停止時刻及び前記計算用パラメータとに基づいて、前記生産ライン上の各前記生産物の現在位置を予測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の工程管理システム。
  3. 前記計算用パラメータは、
    前記生産ラインのライン速度と、前記生産ライン上の前記生産物の間隔と、各前記ポイント間の距離とを含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の工程管理システム。
  4. 前記工程管理サーバは、
    前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置の予測結果を作業員に提示し、
    前記作業員により前記予測結果が修正された場合には、修正された前記予測結果に基づいて前記トラッキング情報を更新する
    ことを特徴とする請求項3に記載の工程管理システム。
  5. 生産ライン上を搬送される各生産物の生産工程を管理する工程管理システムの復旧方法において、
    前記工程管理システムは、
    前記生産ライン上の所定ポイントごとにそれぞれ配置され、対応する前記ポイントを通過する前記生産物から当該生産物の固体識別情報を取得すると共に、当該生産物の当該ポイントの通過時刻を取得する情報取得部と、
    各前記情報取得部によりそれぞれ取得された、対応する前記ポイントを通過した各前記生産物の前記固体識別情報及び前記通過時刻に基づいて、各前記生産物の前記生産ライン上の位置をトラッキング情報として管理する工程管理サーバと
    を有し、
    前記工程管理サーバが、前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態から復旧した際に、前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置をそれぞれ予測する第1のステップと、
    前記工程管理サーバが、予測結果に基づいて、前記トラッキング情報を更新する第2のステップと
    を備えることを特徴とする工程管理システムの復旧方法。
  6. 前記工程管理サーバは、
    各前記情報取得部がそれぞれ取得した、対応する前記ポイントを通過した各前記生産物の前記固体識別情報及び前記通過時刻をそれぞれ通過履歴情報として蓄積し、
    前記工程管理サーバには、
    前記工程管理サーバが前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態となったことに起因して前記生産ラインが停止された時刻がライン停止時刻として与えられると共に、前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置を予測するのに必要な計算用パラメータが与えられ、
    前記第1のステップにおいて、前記工程管理サーバは、
    蓄積した前記通過履歴情報に基づいて自己が前記生産ライン上の各前記生産物の位置を管理できない状態となった時刻を推定し、推定した当該時刻と、前記ライン停止時刻及び前記計算用パラメータとに基づいて、前記生産ライン上の各前記生産物の現在位置を予測する
    ことを特徴とする請求項5に記載の工程管理システムの復旧方法。
  7. 前記計算用パラメータは、
    前記生産ラインのライン速度と、前記生産ライン上の前記生産物の間隔と、各前記ポイント間の距離とを含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の工程管理システムの復旧方法。
  8. 前記第1のステップにおいて、前記工程管理サーバは、
    前記生産ライン上の各前記生産物の現在の位置の予測結果を作業員に提示し、
    前記第2のステップにおいて、前記工程管理サーバは、
    前記作業員により前記予測結果が修正された場合には、修正された前記予測結果に基づいて前記トラッキング情報を更新する
    ことを特徴とする請求項7に記載の工程管理システムの復旧方法。
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WO2021192052A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 株式会社日立製作所 データ生成システムおよびデータ生成方法

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