JP2019162566A - 空気浄化装置および加湿機能付き空気浄化装置 - Google Patents

空気浄化装置および加湿機能付き空気浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】摩擦帯電および細繊維の低自己支持性を利用して、長期間に亘り高い捕集効率を発揮可能なエアフィルタおよびそれを利用した空気浄化装置を提供する。【解決手段】エアフィルタ2の気流の上流側に摩擦装置を備え、エアフィルタ2は、基材層と、太繊維からなる太繊維層と細繊維からなる細繊維層を隣接した層、もしくは前記太繊維と細繊維の混合層とで構成され、前記摩擦装置は、棒状のブラシ11と、ブラシ11を回転および移動をさせる可動装置と、ブラシ11の上流側半分を格納する格納ケーシング10と、格納ケーシング10内においてブラシ11の繊維であるブラシの繊維12と接触する突起部とを備え、前記太繊維を形成する材料と前記細繊維を形成する材料とブラシの繊維12を形成する材料はいずれも摩擦帯電列上で異なる材料であり、ブラシ11は前記可動装置によりエアフィルタ2のプリーツの折目方向に対して平行移動すると同時に回転動作をする。【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦帯電を利用したエアフィルタおよびそれを組み込んだ空気浄化装置に関する。
マスクや空気浄化用のエアフィルタ等の分野で使用される摩擦帯電濾材は、2種以上の繊維濾材において帯電列の関係を利用しており、一方の繊維濾材が正または負の電荷を帯びやすく、接触あるいは摩擦すると他方の繊維濾材は反対極性の電荷を帯びやすくなる(例えば特許文献1〜3参照)。上記用途で使用するためには、長期間に亘り高い帯電性能を維持することが望まれているが、高い帯電性能を長期間維持する手段は未だ確立されていない。一般的に、摩擦帯電濾材は、マイクロオーダーの繊維径の不織布で構成されており、太い繊維径による高い自己支持性を利用して、濾材に対して外部から物理的な力を印加して再度帯電させることが可能な手法もある。しかしながら、空気浄化用のエアフィルタ用途に代表される、プリーツ加工を施したエアフィルタユニットの帯電性能を長期に亘って維持すること、さらにはプリーツ加工したエアフィルタを摩擦帯電によって再度帯電させることは、技術的に困難であった(例えば特許文献4参照)。
特開2011−520号公報 特開2011−5398号公報 特表2003−512147号公報 特開平3−105907号公報
このような従来の摩擦帯電濾材は、例えば二つのギアロール間に、繊維混合層を噛み合わせて通過させながら摩擦を行う手法や、ニードルパンチ処理によって摩擦と交絡を同時に行う手法など、物理的な外力によって帯電性能を付与することが多い。しかしながら、上記手法による帯電付与には限度があり、製造初期の集塵性能は数十%程度と、空気浄化用のエアフィルタとしては低い集塵効率であり、集塵する粒子径の範囲や使用用途が制限されてしまうという課題があった。
さらには、一般的な摩擦帯電濾材の繊維径はマイクロオーダーと太く、圧力損失の観点から考えると、空気分子の動きを阻害しやすく、圧力損失が増大する。これにより、エアフィルタを組み込んだ空気浄化装置内の送風機構において、所望の風量を満たすために、ファンあるいはモーター設計が難しくなるという課題も考えられる。
特許文献4では、エレクトレット化した部材に対して、コロナ放電を利用し再度エレクトレット加工する手法を利用している。
しかしながら、プリーツ加工されたエアフィルタにおいては、エアフィルタ濾材の山部と谷部が存在するため、コロナ放電による荷電粒子は、深さ方向、すなわちプリーツ形状の谷部に侵入し難く、谷部の再帯電効果は弱くなるため、山部と谷部で帯電状態が異なる。そのため、エアフィルタ全体の帯電分布は不均一となり、製造初期の帯電状態に戻ることはなく、製造初期同等の捕集性能を再現することは難しかった。
また、上記以外にも、プリーツ加工したエアフィルタの外枠を外し、エアフィルタ濾材を再展開した後、再度エレクトレット化させる手法も考えられるが、エアフィルタの分解や再接着加工等の工程が必要となり、工数だけでなく、コストの問題も露見してしまう。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、従来の摩擦帯電濾材と比較して、低圧力損失ながら製造初期の集塵効率が高く、長期間に亘って帯電性能を維持可能なエアフィルタおよびそれを用いた空気浄化装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る空気浄化装置は、吸気口と送風手段と送風口を有した本体ケーシングと、プリーツ加工を施し前記吸気口に配置したエアフィルタと、前記エアフィルタの気流の上流側に配置した摩擦装置と、前記本体ケーシングの内部で前記吸気口と送風口を連通させる空気清浄経路とを備え、前記エアフィルタは、基材層と、太繊維からなる太繊維層と細繊維からなる細繊維層を隣接した層、もしくは前記太繊維と細繊維の混合層とで構成され、前記摩擦装置は、棒状のブラシと、前記ブラシを回転および移動をさせる可動装置と、前記ブラシの上流側半分を格納する格納ケーシングと、前記格納ケーシング内において前記ブラシの繊維であるブラシの繊維と接触する突起部とを備え、前記太繊維を形成する材料と前記細繊維を形成する材料と前記ブラシの繊維を形成する材料はいずれも摩擦帯電列上で異なる材料であり、前記ブラシは前記可動装置により前記エアフィルタのプリーツの折目方向に対して平行移動すると同時に回転動作をするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、吸気口と送風手段と送風口を有した本体ケーシングと、プリーツ加工を施し前記吸気口に配置したエアフィルタと、前記エアフィルタの気流の上流側に配置した摩擦装置と、前記本体ケーシングの内部で前記吸気口と送風口を連通させる空気清浄経路とを備え、前記エアフィルタは、基材層と、太繊維からなる太繊維層と細繊維からなる細繊維層を隣接した層、もしくは前記太繊維と細繊維の混合層とで構成され、前記摩擦装置は、棒状のブラシと、前記ブラシを回転および移動をさせる可動装置と、前記ブラシの上流側半分を格納する格納ケーシングと、前記格納ケーシング内において前記ブラシの繊維であるブラシの繊維と接触する突起部とを備え、前記太繊維を形成する材料と前記細繊維を形成する材料と前記ブラシの繊維を形成する材料はいずれも摩擦帯電列上で異なる材料であり、前記ブラシは前記可動装置により前記エアフィルタのプリーツの折目方向に対して平行移動すると同時に回転動作をする空気浄化装置としたことにより、前記可動装置によって移動した前記ブラシの繊維が、前記エアフィルタのプリーツ折部に入り込むことで、エアフィルタを構成する各繊維層と接触摩擦が発生し、前記太繊維あるいは前記細繊維を帯電させ、帯電性能の劣化を抑制することによって長期間に亘り集塵効率の高いエアフィルタを提供できる。
また、前記ブラシの繊維の回転動作によって、エアフィルタの上流側に捕集された埃や塵、花粉、PM2.5といった粉塵を、ブラシで掻き取ることとなり、目詰まりによる圧力損失増加や帯電性能の劣化を抑制することができる。
さらに、空気浄化装置可動時に発生するエアフィルタを通る風の流れによって、低自己支持性の前記細繊維は微振動し、自己支持性の高い前記太繊維と接触摩擦を起こし、帯電列の関係を利用して帯電をさせ、繊維の帯電性能を回復させ、長期に亘り集塵効率の高いエアフィルタを提供できる。さらに、繊維径が細いことによって低圧力損失化が図れ、空気清浄装置本体の設計を易化することが可能となる。また、前記太繊維は、1500nm以上の平均繊維径で構成され、前記太繊維層を形成する高分子材料の体積抵抗率が1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下であるため、製造初期段階から帯電性能が高く、さらに前述した低自己支持性の細繊維との接触摩擦により、繊維中あるいは繊維表面に電荷が付与されるため、エアフィルタとして長期間に亘り、安定的に高い捕集効率を発揮することが可能であるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1および2の空気浄化装置の断面図 本発明の実施の形態のエアフィルタの斜視図 本発明の実施の形態のブラシの概略図((a)ブラシの斜視図、(b)ブラシおよびエアフィルタの拡大側面図、(c)ブラシの平面図) 本発明の実施の形態のエアフィルタ濾材の断面図 本発明におけるエアフィルタの構成パターン((a)第一構成例を示す図、(b)第二構成例を示す図、(c)第三構成例を示す図、(d)第四構成例を示す図、(e)第五構成例を示す図、(f)第六構成例を示す図) 細繊維と太繊維との接触摩擦現象を説明する模式図((a)細繊維と太繊維が重なっている状態を示す図、(b)細繊維と太繊維が重なっている部分拡大図、(c))太繊維の上に細繊維が重なっている状態を示す図) 電界紡糸法を説明する概略図 本発明の実施の形態のエアフィルタ濾材の製造工程を説明する概略図 本発明の実施の形態3の加湿機能付き空気浄化装置の断面図
本発明の請求項1に係わる空気浄化装置は、吸気口と送風手段と送風口を有した本体ケーシングと、プリーツ加工を施し前記吸気口に配置したエアフィルタと、前記エアフィルタの気流の上流側に配置した摩擦装置と、前記本体ケーシングの内部で前記吸気口と送風口を連通させる空気清浄経路とを備え、前記エアフィルタは、基材層と、太繊維からなる太繊維層と細繊維からなる細繊維層を隣接した層、もしくは前記太繊維と細繊維の混合層とで構成され、前記摩擦装置は、棒状のブラシと、前記ブラシを回転および移動をさせる可動装置と、前記ブラシの上流側半分を格納する格納ケーシングと、前記格納ケーシング内において前記ブラシの繊維であるブラシの繊維と接触する突起部とを備え、前記太繊維を形成する材料と前記細繊維を形成する材料と前記ブラシの繊維を形成する材料はいずれも摩擦帯電列上で異なる材料であり、前記ブラシは前記可動装置により前記エアフィルタのプリーツの折目方向に対して平行移動すると同時に回転動作をする空気浄化装置としたものである。
これにより、前記ブラシの繊維は、プリーツ加工されたエアフィルタのプリーツの折目方向に対して平行移動しながら回転し、エアフィルタのプリーツ折部に入り込み、エアフィルタの上流面と接触摩擦を引き起こす。ブラシの繊維と、太繊維あるいは細繊維は、互いの繊維中や繊維表面に摩擦帯電による多くの電荷を生じさせることができるので、エアフィルタの集塵層の帯電劣化の抑制が可能となり、長期に亘り高い集塵性能を発揮することが可能である。
また、空気清浄装置を長期に亘り稼働すると、エアフィルタの上流側には埃や塵、アレルゲン物質等が堆積し、物理的捕集力は向上するものの、集塵層のもつ帯電力は阻害され、集塵効率は低下傾向になる。さらに、目詰まりによる圧力損失の増加が課題として挙げられる。しかしながら、支持棒に配置された繊維がエアフィルタのプリーツ折部に入り込み接触摩擦することから、エアフィルタに捕集されている埃や塵、アレルゲン物質等を掻き取ることができる。これにより、集塵効率の低下および目詰まりによる圧力損失の増加を抑制することが可能となり、省メンテナンスで長期使用が可能な空気清浄機構を提供できる。
また、本体ケーシングの吸気口から、大気粉塵を含む汚染された空気が吸い込まれてエアフィルタを通過することにより浄化され、清浄な空気を室内に排気し、室内の空気質を清浄化することができる。
また、本発明の請求項2に係わる空気浄化装置は、前記細繊維は30nm以上1000nm未満の平均繊維径で構成され、前記太繊維は、1500nm以上の平均繊維径を有し、前記太繊維を形成する高分子材料の体積抵抗率が1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下であり、前記太繊維を形成する材料は、前記細繊維を形成する材料と接触あるいは摩擦することで、正または負に帯電しやすい性質をもち、前記太繊維は前記細繊維と異符号の電荷を帯びやすいことを特徴とする。
ナノオーダー程度の繊維径、すなわち30nm以上1000nm未満の平均繊維径を有する細繊維は、自己支持性が低く、ハンドリングが難しく、細繊維層単体での使用には工夫が必要となる。しかしながら、本発明の構成においてはエアフィルタに自己支持性の低い細繊維を含むことが重要である。自己支持性の高い太繊維と自己支持性の低い細繊維が接触していることで、空気の流れ、さらには支持棒に配置された繊維との接触を受けて、細繊維は断続的に微振動を起こし、自己支持性の高い太繊維との間での摩擦回数を増加させることができる。また、エアフィルタを構成する基材層が上流側に配置させている場合でも、支持棒に配置された繊維と基材層が接触することで、基材層と隣接する集塵層が微振動を起こし、上述のような太繊維と細繊維の接触摩擦を引き起こすことが可能である。
これにより、太繊維と細繊維は帯電列を考慮した材料選択をすることで、繊維中あるいは繊維表面に摩擦帯電による多くの電荷を生じさせることができ、長期間の使用において、帯電性能の劣化を抑制することができ、高い集塵効率を維持することが可能である。自己支持性とは、形状を保ちうる性質を意味する。繊維同士が重なり合う場合、一つの繊維は、他の繊維によって2点で支えられる部分が存在する。前記2点間において、繊維が形状を保つことができるものを意味する。
また、太繊維層は、紡糸時あるいはエレクトレット処理時に付与された多くの電荷を安定保持することが可能で、高い電界強度を長期間にわたって保持することができるため、クーロン力による捕集効率も長期間維持することが可能である。大気中の粉塵や水蒸気といった負荷環境下に曝されても、太繊維内部で分極された双極子は影響を受けづらく、大気中への電荷放出を抑えることができ、長期に亘って帯電能力が維持され、高い捕集効率を発揮することが可能となる。
また、本発明の請求項3に係わる加湿機能付き空気浄化装置は、請求項1に記載の空気浄化装置の空気清浄経路内に、加湿手段を備えたものである。
これにより、本体ケーシングの吸気口から吸い込まれてエアフィルタを通過した空気の一部または全部がこの加湿手段を通過して加湿され、送風手段によって本体ケーシングの外部へと排出される。このようにして、本発明の加湿機能付き空気浄化装置は、本体ケーシングに吸引した空気を空気清浄するとともに空気の加湿を行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明におけるエアフィルタを備えた空気浄化装置の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する内容は実施の一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に空気浄化装置の断面図を示す。図2には、エアフィルタ2の斜視図を示す。また図3には、ブラシ11の斜視図およびエアフィルタ2の拡大側面図、ブラシ11の平面図を示す。
図1に示すように、本実施の形態の空気浄化装置36は、本体ケーシング1内に、エアフィルタ2と送風手段3とを備えている。
本体ケーシング1は、例えば、縦長の箱型形状をしており、本体ケーシング1の前面側にエアフィルタ2の通風面と同サイズの吸気口4を備え、本体ケーシング1の天面部には、四角形状の排気口5を備え、空気の流れを整流するルーバー6を設けている。排気口5は送風手段3の上部において送風手段3の吐出口41に連通している。
送風手段3は、本体ケーシング1内に形成して吸気口4と排気口5とを連通する内部風路42に設けられている。送風手段3の構成は、スクロール形状のファンケーシング7と、このファンケーシング7内に備えられた遠心送風ファンである羽根8と、この羽根8を回転させるモーター9とからなる。
エアフィルタ2は、本体ケーシング1内の吸気口4に配置されている。
すなわち、空気浄化装置36において、室内の空気は吸気口4からエアフィルタ2、内部風路42、送風手段3、排気口5へと連通し、再び室内へ吹き出される構成になっている。
本実施の形態のエアフィルタ2は、図2のように、山部と谷部を有するプリーツ形状をしており、その外周には、プリーツ形状を保持するための形状保持部13が設けられている。
エアフィルタ2の構成に関しては、図4に示すように、気流の上流側から下流側に向けて、細繊維層17と太繊維層18と基材層19が配置され、細繊維層17と太繊維層18とが隣接あるいは細繊維層と太繊維層が混在した層20であれば、細繊維層17と太繊維層18の配置は順序を問わないものである(基材層19が最下流にあればよい)。図4に示すのは、本実施の形態のエアフィルタ2の一例であり、これに限定されるものではない。
図5(a)、(b)、(c)にエアフィルタ2の構成例を示し、説明する。
すなわち、本実施の形態でのエアフィルタ2の構成は3種類ある。
第一構成例は、気流の上流から下流に向けて、細繊維層17、太繊維層18、基材層19の順に配置した(図5(a))。
第二構成例は、気流の上流から下流に向けて、太繊維層18、細繊維層17、基材層19の順に配置した(図5(b))。
第三構成例は、上流から下流に向けて、細繊維層17と太繊維層18が混在した層20、基材層19の順に配置した(図5(c))。
エアフィルタ2の気流の上流側には、摩擦装置38が配置されている。
摩擦装置38は、棒状のブラシ11と、ブラシ11を回転および移動をさせる可動装置14と、ブラシ11の上流側半分を格納する格納ケーシング10と、前記ケース内においてブラシ11の繊維であるブラシの繊維12と接触する突起部16とを備えている。
ブラシ11は円柱状の支持棒15とブラシの繊維12から構成される。ブラシの繊維12は支持棒15の円柱面から法線方向に放射状に配置されている。支持棒15の上下に位置する両端はブラシ11の固定部であって可動装置14に連結している。
ブラシの繊維12は、エアフィルタ2のプリーツ折部39に入り込んでいる。可動装置14は支持棒15および格納ケーシング10を平行移動させるものである。すなわち、支持棒15に配置されたブラシの繊維12がエアフィルタ2の濾材表面に接触し、摩擦や微振動を引き起こす仕組みである。
突起部16は、回転させたブラシの繊維12を接触させることにより、ブラシの繊維12から埃や塵等を脱離させるものである。
本実施の形態の構成では、ブラシの繊維12と、細繊維層17あるいは太繊維層18のどちらか一方が接触摩擦すると、細繊維層17あるいは太繊維層18は正または負に摩擦帯電し、ブラシの繊維12と逆極性の帯電電荷を帯びやすい特徴をもつ。また、細繊維層17および太繊維層18は互いに接触摩擦すると、細繊維層17は正または負に帯電し、太繊維層18は、細繊維層17の帯電電荷と逆極性の電荷を帯びやすい特徴をもつ。
これは2種類以上の異なる材質を摩擦させた際に、片方の材料が正または負に帯電し、他方の材料は逆極性の電荷を帯びやすい現象を利用している。
そこで、太繊維層18を形成する材料と細繊維層17を形成する材料と前記ブラシの繊維12を形成する材料はいずれも摩擦帯電列上で異なる材料を用いる。摩擦帯電列の関係上、太繊維層18、細繊維層17、ブラシの繊維12を形成する繊維材料の接触摩擦における帯電傾向の好ましい組み合わせは以下の通りである。
細繊維層17と太繊維層18は互いに逆極性に帯電し易い材料で構成され、ブラシの繊維12を形成する材料は、細繊維層17と太繊維層18の摩擦帯電列の間に位置することが好ましい。具体的には、細繊維層17が正に帯電し易く、太繊維層18が負に帯電し易く、ブラシの繊維12は、摩擦帯電列上で細繊維層17よりも負に帯電し易く、太繊維層18よりも正に帯電し易い材料構成である。あるいは、細繊維層17が負に帯電し易く、太繊維層18が正に帯電し易く、ブラシの繊維12は、摩擦帯電列上で細繊維層17よりも正に帯電し易く、太繊維層18よりも負に帯電し易い材料構成である。
図6に示すように、細繊維層17と太繊維層18が重なるとその境界部部分で細繊維21と太繊維22が接触する部分ができる。図6(b)、(c)に示すように、細繊維層17の細繊維21には、太繊維層18の太繊維22に対して接着材によって固定されている部分、固定点23とその間に位置して接触しているだけの部分、接触点24がある。微振動を起こした細繊維層17中の細繊維21は、隣接した太繊維層18中の太繊維22と接触点24で接触摩擦を起こし、前述した帯電列の関係を利用し、各繊維中に帯電電荷を新たに発生させることが可能である。
すなわち、本実施の形態の構成によると、ブラシの繊維12がエアフィルタ2のプリーツ折部39に入り込み可動し、細繊維層17と太繊維層18で構成された集塵層40と接触摩擦を起こすことによって、細繊維層17あるいは太繊維層18は摩擦帯電を引き起こす。これにより、細繊維層17あるいは太繊維層18に帯電電荷が付与され、集塵効率が回復する。さらに、ブラシの繊維12の接触によって発生した微振動や空気分子が繊維に衝突することで発生する乱流により、細繊維層17および太繊維層18は互いに接触摩擦を引き起こし、ブラシの繊維12との摩擦で付与された帯電電荷が増幅される。これにより、長期に亘って高い集塵性能を維持し続けることが可能である。
細繊維層17について説明をする。
細繊維層17を構成する細繊維21は、繊維径が細く、粉塵や水蒸気曝露といった負荷環境下において、電荷が抜けやすいものの、細繊維21は比表面積が大きいため、太繊維22との接触面積が増え、摩擦帯電による電荷付与の影響を受けやすく、長期間に亘り繊維中に電荷を保持することができる。
細繊維21は、繊維の平均繊維径が30nm以上1000nm未満であることにより、繊維一本の強度が低い、すなわち自己支持性が低く、僅かな外力に対しても微振動を起こしやすくすることができる。なお、自己支持性とは、形状を保ちうる性質を意味する。繊維同士が重なり合う場合、一つの繊維は、他の繊維によって2点で支えられる部分が存在する。前記2点間において、繊維が形状を保つことができるものを意味する。
一方、空気分子の可動領域を考慮すると、繊維径が1000nm以上の場合、空気分子が繊維に衝突することで圧力損失が発生するが、本実施の形態の細繊維21のように、繊維径が1000nmよりも細くなるに伴い、空気分子が繊維上を滑るようにして通過するスリップフロー現象が発生し、圧力損失が低下する。また、繊維径が30nm未満になると、空気分子が繊維の網目空間を歪ませて通過するため、圧力損失の増大を招いてしまう。
つまり、摩擦帯電による電荷付与の効果と圧力損失の低減の効果を考慮すると細繊維21の平均繊維径が30nm以上1000未満であれば、低圧力損失ながら長期に亘り電荷を保持し続けることができる。
太繊維層18について説明を加える。
太繊維層18は、帯電性を確保するために、太繊維層18を形成する太繊維22の体積抵抗率を、1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下の条件を満たす高分子にすることが好ましい。規格JIS K 6911(工業標準化法に基づく規格)およびASTM D257(米国試験材料協会策定の規格)に準拠して測定した太繊維層18そのものの体積抵抗値が1016Ωcm以上であればよい。体積抵抗率が1016Ωcmより低いと、高電圧印加時の繊維への電荷付与が不十分となり、捕集効率が低下する。また、誘電正接が0.001より大きいと、繊維に付与された電荷の保持が不安定になり、湿度の高い状況下、すなわち水蒸気に曝露されると電荷が大気中に放出されやすく、捕集効率が低下してしまう。つまり、体積抵抗率は1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下の高分子材料が好ましい。
また、太繊維層18の平均繊維径を1500nm以上とすることにより、単位長さ当たりの繊維体積が増えるので、繊維内部の分極量が増加し、帯電性能は強化される。すなわち、大気粉塵や水蒸気曝露といった負荷環境下に曝されても、繊維内部の分極は保持され、帯電性能は劣化しにくくなり、長期に亘り高い集塵性能を発揮し続けることが可能となる。
太繊維層18および細繊維層17を形成する材料に関しては、異なる材質同士の接触摩擦により、一方が正または負、他方がその逆極性に帯電しやすい組み合わせであればよい。例えば、ポリオレフィン系高分子、スチレン系高分子、ポリエーテル系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、ポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリイミド系高分子、ポリアミドイミド系高分子、ウレタン系高分子、エポキシ系高分子、フッ素系高分子、セルロース系高分子、アクリル系高分子、塩化ビニル系高分子、フェノール系高分子、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコン、ガラス繊維などが挙げられ、この中から、帯電列の関係に基づいて、異なる2種類の材料を選択可能である。例えば、細繊維層17を形成する材料がガラス繊維、太繊維層18を形成する材料がポリプロピレン(PP)であれば、接触摩擦により、細繊維層17は正、太繊維層18は負の電荷を帯びやすくなる。また、ガラス繊維に対する繊維の帯電性能を考慮すると、太繊維層18を形成する材料としては、特に、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)など、あるいはこれらの混合物の中から選択するとなおよい。
ブラシの繊維12について説明を加える。
ブラシの繊維12を形成する材料に関しては、図5に示したエアフィルタ2の構成パターンを考慮し、前述した細繊維層17と太繊維層18を形成する材料群の中からも選択可能である。本実施の形態のブラシの繊維12を形成する材料の選定基準を以下に説明する。
図5(a)に示した最上流面に細繊維層17が配置されている場合、細繊維層17を形成する材料と逆極性に帯電しやすい材料を選定する。図5(b)に示した最上流面に太繊維層18が配置されている場合、太繊維層18を形成する材料と逆極性に帯電しやすい材料を選定する。図5(c)に示した最上流面に細繊維層と太繊維層が混在した層20が配置されている場合、ブラシの繊維12を形成する材料は、細繊維層17と太繊維層18の摩擦帯電列の間に位置する材料を選定する。
基材層19について説明を加える。
基材層19は細繊維層17および太繊維層18を支持する支持体となる部材である。
基材層19を形成する繊維の平均繊維径は、1〜30μm程度が好ましい。平均繊維径が1μm以下であると、単繊維の強度が弱く、支持体としての強度が不十分となるため、プリーツ加工を施したフィルタ形状の維持が困難になる。一方、平均繊維径が30μm以上であると、基材層19の厚みが増し、圧力損失が大きくなるので、好ましくない。
<製造方法について>
エアフィルタ2に関しては、図2に示すように、プリーツ加工を施したエアフィルタ濾材25と、このエアフィルタ濾材25をプリーツ形状に保持すべくエアフィルタ濾材25の外周に設けた枠形状の形状保持部13とから形成される。すなわち、形状保持部13はプリーツ形状のエアフィルタ濾材25の周縁に位置し、エアフィルタ濾材25は、接着部材43により形状保持部13に固定されている。
細繊維層17の製造方法に関しては、所望の平均繊維径を満たす製造方法であれば制限はない。例えば、メルトブローン法、エレクトロスピニング法、フラッシュ紡糸法、遠心紡糸法などが挙げられる。一般的に、紡糸後に帯電処理であるエレクトレット化が必要となるが、エレクトロスピニング法では、製造工程の中で、高電圧を印加する製造方法であるため、エレクトレット化が不要である。そのため、本実施の形態では、一例として、電荷を帯びた細繊維を容易に形成可能なエレクトロスピニング法を用いたエアフィルタ濾材25の製造方法を記載する。
図7に示すように、電界紡糸法は、紡糸用ノズル26の先端と高分子原料を有機溶剤などに溶解させて得られる紡糸溶液27との間に高電圧を印加する(図示せず)ことで、紡糸用ノズル26の先端付近の液滴が帯電し、同極性の電荷による静電反発力が液滴の表面張力を上回ると、紡糸溶液27がアース処理を施された搬送手段28に向かって噴霧され細繊維を形成する方法である。さらに、製造時に高電界を印加し、細繊維集合体29に多くの電荷を付与することができ、後工程での帯電処理が必要ない。
図8に示すように、本実施の形態のエアフィルタ濾材25の製造設備は、水平移動が可能な搬送手段28と、搬送手段28の上方に製造ラインの上流側から順番に配置された細繊維層を形成する高分子溶液専用ノズル30、接着成分専用ノズル31、さらに加熱部32とロール加圧部33で構成している。
製造方法として、まず、基材層19は、搬送手段28によって搬送されている。次に、細繊維層を形成する高分子溶液専用ノズル30を用いて、細繊維層17を形成する高分子溶液を下方へ、すなわち基材層19に向けて噴霧し、細繊維層17を形成する。ここで、高分子溶液を噴霧する際、細繊維層を形成する高分子溶液専用ノズル30には±20kV程度の高電圧が印加され、アース処理を施した搬送手段28との間での電位差によって、アース方向に高分子溶液が紡糸され、細繊維層17が得られる。そして、基材層19の上面に吹き付けられた細繊維層17の最上面表層部に、接着成分専用ノズル31から粉末状の接着成分を噴霧し、加熱部32を通過すると接着成分が溶融する。最後に、細繊維層17の上方から太繊維層18を重ね合せ、ロール加圧部33で圧着処理を行い、エアフィルタ濾材25を形成するものである。細繊維層17と太繊維層18は、このようにして貼り合わされているが、溶融した接着成分は細繊維層17全面に付着しているわけではなく、接着部を点在させるものである。そのため、微視的には細繊維21と太繊維22が接触摩擦を引き起こす空隙部は多数存在している。
また、図8では、基材層19の上方に細繊維層17を形成する高分子溶液を噴霧しているが、これに限定されず、エアフィルタ濾材25の構成次第では、基材層19の上面に太繊維層18を張り合わせた濾材の上面に向けて、細繊維層17を形成する高分子溶液を噴霧してもよい。さらには、細繊維層17を形成する高分子溶液および太繊維層18を形成する高分子溶液を同時に紡糸し、細繊維21および太繊維22が混在した繊維層を形成してもよい。
なお電界紡糸法において、高分子原料を溶解させる溶媒としては、高分子を溶解させることが可能であれば特に限定されない。溶媒としては、水、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロパノール、クロロホルム、ベンジルアルコール、シクロヘキサン、N, N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N, N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、四塩化炭素、酢酸、ギ酸、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ヘキサフロロイソプロパノール(HFIP)などが用いられる。さらに、これらの溶媒を2種類以上混合させて用いることも可能である。
太繊維層18の平均繊維径が1500nm以上であれば、製造方法に制限はない。例えば、メルトブローン法、エレクトロスピニング法、スパンボンド法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、湿式法などである。細繊維層17と同様、エレクトロスピニング法を用いた場合、製造工程の中で、高電圧を印加する製造方法であるため、エレクトレット化が不要である。
また、基材層19は細繊維層17および太繊維層18を支持する支持体となる部材である。基材層19の製法としては、スパンボンド法、乾式または湿式抄紙法、メルトブローン法、エアレイド法、サーマルボンド法などが挙げられる。
上記構成により、空気浄化装置36を稼働する場合に、まず摩擦装置38が駆動される。摩擦装置38は、エアフィルタ2の上流側からブラシの繊維12がエアフィルタ2のプリーツ折部39に入り込み可動し、細繊維層17と太繊維層18で構成された集塵層40と接触摩擦を起こす。気流の上流側に配置した細繊維層17あるいは太繊維層18が接触摩擦を受けることで帯電電荷が付与され、集塵効率が回復する。
さらに、ブラシの繊維12の接触によって発生した微振動や空気分子が繊維に衝突することで乱流が発生する。特に、細繊維層17は、自己支持性が低いので、エアフィルタ2を通過する空気分子が繊維に衝突すること、繊維の一本一本が微振動を起こすことになるので、太繊維層18との間で接触摩擦を引き起こし、ブラシの繊維12との摩擦で付与された帯電電荷が増幅することができる。
その後、空気浄化装置36のモーター9が回転することにより、遠心送風ファンの羽根8が回転し、吸気口4から本体ケーシング1内に、室内の空気が吸引され、エアフィルタ2、本体ケーシング1内の内部風路42、送風手段3を介して排気口5へと送風される。このときに、帯電電荷が付与されたエアフィルタ2は、室内の空気に含まれる粉塵を吸着して浄化することができるので、空気浄化装置36は、清浄な空気を室内へと送風するものである。
このように、ブラシの繊維12の動きと細繊維21の低自己支持性を利用することで、接触摩擦による帯電効果を最大限発揮し、長期間の使用による帯電劣化を抑制し、高い集塵効率を維持し続けることが可能となる。
また、空気浄化装置36を稼働時にエアフィルタ2に埃や塵が捕集されている場合には、エアフィルタ2の濾材からブラシの繊維12が埃や塵等を掻き取ることもできる。ブラシの繊維12が掻き取った埃や塵等は、ブラシの繊維12が突起部16に接触することにより、離脱させ格納ケーシング10下部へ捕集することができる。
つまり、空気浄化装置36の稼働によってエアフィルタ2の濾材上流側に捕集された埃や塵、花粉、PM2.5といった粉塵を、ブラシ11に配置されたブラシの繊維12が掻き取る。これにより、本実施の形態のエアフィルタ2は省メンテナンスで、目詰まりによる圧力損失の上昇を抑制することが可能である。
(実施の形態2)
図5(d)、(e)、(f)に示す実施の形態2では、エアフィルタ2の構成において、基材層19が気流の最上流にあるという点で実施の形態1と異なる。なお、実施の形態1と同様の作用や効果を有する構成については同一の符号を用いて、重複する部分に関しては省略して記載する。
本実施の形態のエアフィルタ2の構成例を説明する。構成例の番号は、実施の形態1の構成例に続けた連番で示している。
第四構成例は、気流の上流から下流に向けて、基材層19、細繊維層17、太繊維層18の順に配置した(図5(d))。
第五構成例は、気流の上流から下流に向けて、基材層19、太繊維層18、細繊維層17の順に配置した(図5(e))。
第六構成例は、気流の上流から下流に向けて、基材層19、細繊維層と太繊維層が混在した層20の順に配置した(図5(f))。
本実施の形態では、前述した実施の形態1と同様に、細繊維層17および太繊維層18は互いに接触摩擦すると、細繊維層17は正または負に帯電し、太繊維層18は、細繊維層17の帯電電荷と逆極性の電荷を帯びやすい特徴をもつ。
また、本実施の形態の構成によると、ブラシの繊維12がエアフィルタ2のプリーツ折部39に入り込み可動し、気流の最上流面の基材層19と接触する。この接触により、エアフィルタ2の濾材に微振動が発生するため、下流側の細繊維層17と太繊維層18、細繊維層と太繊維層が混在した層20は直接的な接触はないものの、細繊維21と太繊維22との接触摩擦を誘起することができる。
すなわち、ブラシの繊維12と基材層19との接触によって発生した微振動や空気分子が繊維に衝突することで発生する乱流により、細繊維層17および太繊維層18は互いに接触摩擦を引き起こし、帯電電荷が増加する。これにより、細繊維21と太繊維22で構成された集塵層40に直接触れることなく、高い集塵性能を維持し続けることが可能である。
すなわち、本実施の形態の構成によると、ブラシの繊維12がエアフィルタ2のプリーツ折部39に入り込み可動し、細繊維層17と太繊維層18で構成された集塵層40と接触摩擦を起こすことによって、細繊維層17あるいは太繊維層18は摩擦帯電を引き起こす。これにより、細繊維層17あるいは太繊維層18に帯電電荷が付与され、集塵効率が回復する。さらに、ブラシの繊維12の接触によって発生した微振動や微振動の際に空気分子が繊維に衝突することで発生する乱流により、細繊維層17および太繊維層18は互いに接触摩擦を引き起こし、ブラシの繊維12との摩擦で付与された帯電電荷が増幅される。これにより、長期に亘って高い集塵性能を維持し続けることが可能である。
また、細繊維層17および太繊維層18を形成する材料は、前述した実施の形態1と同様である。しかしながら、ブラシの繊維12を形成する材料に関しては、ブラシの繊維12と、集塵層40を形成する細繊維21および太繊維22は直接的な物理接触がないため、摩擦帯電列に基づく材料選定に制限はない。
また、ブラシの繊維12がエアフィルタ2のプリーツ折部39に入り込み可動し、基材層19と接触することで、基材層19に堆積した花粉や沈降性大気塵といった約1μm以上の比較的大きな粒子を格納ケーシング10に掻き取ることができる。これにより、目詰まりによる圧力損失の増加を抑制することができる。
(実施の形態3)
本発明における加湿機能付き空気浄化装置37について記載する。実施の形態1および2と同様の作用や効果を有する構成については同一の符号を用いて、重複する部分に関しては省略して記載する。以下に記載する内容は本発明の一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
図9は、実施の形態3における加湿機能付き空気浄化装置37の本体構成を示す概略図である。
図9に示すように、例えば実施の形態1および2における空気浄化装置36の内部風路42に、送風手段3によって送風される空気を加湿する加湿手段34が介在されている。すなわち、本体ケーシング1の下部に水を貯蔵する桶形状の加湿トレイ35と加湿に使用される水を貯蔵するための図示しない加湿タンクが配置されており、加湿トレイ35の内部空間には、加湿手段34が設置され、この加湿手段34はエアフィルタ2と送風手段3との間に配置されている。
ここで、加湿手段34として、例えば、吸水性のある不織布を蛇腹状に折り曲げたものや、少なくとも一部に耐水性および吸水性のある合成繊維を使用して編んで作製した立体編物の一端を加湿トレイ35に貯蔵した水に沈めて吸水させ、これに空気を通過させて水が気化する作用により加湿を行う方法や、耐水性のある合成繊維を編み込んで作製して保水性を持たせた立体編物を電動機等の駆動手段によって加湿トレイ35に貯蔵した水への浸水と取出しを定期的に繰り返すようにし、この立体編物に空気を通過させて水が気化する作用により加湿を行う方法、または、円盤状の回転部材をその円盤面を水平になるように配置し、円盤中心を通り円盤面に垂直な方向を回転軸として回転させ、この回転部材の上面に加湿トレイ35に貯蔵された水を供給し、回転による遠心力によって水を微細な水滴に分裂させ、この微細な水滴に対して空気を当てるように通過させ、水滴を気化させて加湿を行う方法、超音波領域の振動数で振動する超音波振動子を加湿トレイ35に貯蔵した水に浸漬させるように配置し、この超音波振動子の振動によって水を微細な水滴に分裂させ、この微細な水滴に対して空気を当てるように通過させて水滴を気化させて加湿を行う方法、電熱線またはセラミックヒーターなどの発熱素子によって加湿トレイ35に貯蔵した水を加熱し、蒸発した水蒸気と空気を混合させることによって加湿を行う方法などが挙げられる。
上記構成において、加湿機能付き空気浄化装置37を運転すると、本体ケーシング1の吸気口4から吸い込まれてエアフィルタ2を通過した空気の一部または全部が加湿手段34を通過して加湿され、送風手段3によって本体ケーシング1の外部へと排出される。このようにして、本発明の加湿機能付き空気浄化装置37は、本体ケーシング1に吸引した空気を空気清浄するとともに空気の加湿を行うことができるものである。
このように、空気浄化装置36の風路内に加湿手段34を備えた加湿機能付き空気浄化装置37において本発明のエアフィルタ2を用いることにより、加湿手段34の下流側における風量が増加するため、加湿能力を向上させることができる。
以上のように、本発明におけるエアフィルタおよび摩擦帯電を利用した空気浄化装置は、大気粉塵や水蒸気曝露といった負荷環境下においても高い帯電性能を維持し続けることが可能で、長期間にわたって安定した捕集性能維持が可能であるため、大気中の塵や埃、花粉などのアレルゲン物質を除去し浄化する空気浄化装置として利用することができる。
1 本体ケーシング
2 エアフィルタ
3 送風手段
4 吸気口
5 排気口
6 ルーバー
7 ファンケーシング
8 羽根
9 モーター
10 格納ケーシング
11 ブラシ
12 ブラシの繊維
13 形状保持部
14 可動装置
15 支持棒
16 突起部
17 細繊維層
18 太繊維層
19 基材層
20 細繊維層と太繊維層が混在した層
21 細繊維
22 太繊維
23 固定点
24 接触点
25 エアフィルタ濾材
26 紡糸用ノズル
27 紡糸溶液
28 搬送手段
29 細繊維集合体
30 細繊維層を形成する高分子溶液専用ノズル
31 接着成分専用ノズル
32 加熱部
33 ロール加圧部
34 加湿手段
35 加湿トレイ
36 空気浄化装置
37 加湿機能付き空気浄化装置
38 摩擦装置
39 プリーツ折部
40 集塵層
41 吐出口
42 内部風路
43 接着部材

Claims (3)

  1. 吸気口と送風手段と送風口を有した本体ケーシングと、プリーツ加工を施し前記吸気口に配置したエアフィルタと、前記エアフィルタの気流の上流側に配置した摩擦装置と、前記本体ケーシングの内部で前記吸気口と送風口を連通させる空気清浄経路とを備え、前記エアフィルタは、基材層と、太繊維からなる太繊維層と細繊維からなる細繊維層を隣接した層、もしくは前記太繊維と細繊維の混合層とで構成され、前記摩擦装置は、棒状のブラシと、前記ブラシを回転および移動をさせる可動装置と、前記ブラシの上流側半分を格納する格納ケーシングと、前記格納ケーシング内において前記ブラシの繊維であるブラシの繊維と接触する突起部とを備え、前記太繊維を形成する材料と前記細繊維を形成する材料と前記ブラシの繊維を形成する材料はいずれも摩擦帯電列上で異なる材料であり、前記ブラシは前記可動装置により前記エアフィルタのプリーツの折目方向に対して平行移動すると同時に回転動作をする空気浄化装置。
  2. 前記細繊維は30nm以上1000nm未満の平均繊維径で構成され、前記太繊維は、1500nm以上の平均繊維径を有し、前記太繊維を形成する高分子材料の体積抵抗率が1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下であり、前記太繊維を形成する材料は、前記細繊維を形成する材料と接触あるいは摩擦することで、正または負に帯電しやすい性質をもち、前記太繊維は前記細繊維と異符号の電荷を帯びやすいことを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
  3. 請求項1に記載の空気浄化装置の空気清浄経路内に、加湿手段を備えた加湿機能付き空気浄化装置。
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