以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
●実施形態●
●システム構成
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示す情報処理システムは、複数の情報処理装置10の間で設定情報を同期(共有)させることができるシステムである。さらに、情報処理システムは、同期すべきでない(同期しない)設定項目を自動的に同期対象から除外することができるので、ユーザ操作によって同期対象の設定項目を選別する手間を省略し、ユーザの利便性を向上させることができる。
情報処理システムは、複数の情報処理装置10(10a、10b、10c、以下、区別する必要のないときは、情報処理装置10とする。)によって構成されている。情報処理システムは、例えば、オフィス、会議室、倉庫、工場または特定の生産ライン等の顧客環境において構築される。情報処理装置10a、情報処理装置10bおよび情報処理装置10cは、ネットワーク5を介して通信可能に接続されている。
ネットワーク5は、インターネットまたはLAN(Local Area Network)等を用いた通信網である。なお、ネットワーク5は、ファイアウォールを介して、インターネットとイントラネットが接続された通信網であってもよい。
情報処理装置10は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product:複合機)、ファクシミリ、スキャナ、またはプリンタ等の画像処理機能並びに通信機能を備える画像形成装置である。図1に示す情報処理システムにおいて、情報処理装置10aおよび情報処理装置10bは、MFPであり、情報処理装置10cは、プリンタである。
なお、情報処理装置10は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。情報処理装置10は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
情報処理システムは、例えば、情報処理装置10aに設定された設定情報を、情報処理装置10bおよび情報処理装置10cに対して同期処理を行う。情報処理システムは、例えば、予め同期対象とする情報処理装置10を登録する。そして、情報処理システムは、新たに導入された情報処理装置10の初期設定時または設定情報の変更時において、親機となる情報処理装置10(例えば、情報処理装置10a)に設定された設定情報を、他の情報処理装置10(例えば、情報処理装置10bおよび情報処理装置10c)に同期させる。これによって、情報処理システムは、例えば、顧客環境において、複数台の情報処理装置10が設置されている場合、個別に設定値の入力等のセットアップ処理を行う必要がなく、一台の情報処理装置10に設定された設定情報を共有することができる。
また、情報処理装置10は、設定情報のうち、他の情報処理装置10と同期したくない(同期すべきでない)設定項目のみを、同期しないように設定する。同期したくない設定項目は、他の装置との間で排他関係にある設定項目であり、例えば、情報処理装置10のIPアドレスである。これによって、情報処理システムは、同期したくない設定項目を自動的に同期対象から除外することができるので、ユーザ操作によって同期対象の設定項目を選別する手間と時間を省くことができる。
なお、情報処理システムは、ネットワーク5に接続された他の装置を含んでもよい。情報処理装置10は、例えば、情報処理装置10に対して設定値の登録を行うノートPC等の管理者端末を含んでもよい。この場合、管理者端末は、Webブラウザまたは専用のアプリケーション等を用いて、親機となる情報処理装置10の設定操作を行う。
また、情報処理システムは、例えば、システムを構成する情報処理装置10または設定情報を管理する外部サーバを含んでもよい。この場合、外部サーバは、WEBサーバとしての機能を有し、設定値の読み込みおよび書き込みを行う機能を情報処理装置10にそれぞれ提供する構成であってもよい。
●ハードウエア構成
図2は、一実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、図2に示すハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を備えていてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。情報処理装置10は、コントローラ120を備える。コントローラ120は、CPU(Central Processing Unit)101、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)102、フラッシュメモリ103、HDD(Hard Disk Drive)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105およびネットワークインターフェース(I/F)106を備える。
ASIC105は、CPUインターフェース、SDRAMインターフェース、ローカルバスインターフェース、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスインターフェース、MAC(Media Access Controller)およびHDDインターフェース等を備える多機能デバイスボードである。
CPU101は、ASIC105を介して本発明に係るプログラム等の各種プログラムを、HDD104から読み取り実行する。情報処理装置10は、例えば、本発明に係るプログラムをCPU101が実行することによって、本発明に係る情報設定方法を実現する。SDRAM102は、各種プログラムを記憶するプログラムメモリ、またはCPU101が各種プログラムを実行する際に使用するワークメモリ等として機能する。なお、SDRAM102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)を用いてもよい。
フラッシュメモリ103は、不揮発性メモリであり、情報処理装置10を起動させるブートローダ(ブートプログラム)、OS(Operation System)、SDK(Software Development Kit)、API(Application Programming Interface)等のプログラムを記憶する。また、フラッシュメモリ103は、各プログラムを記憶するアプリケーションメモリとして機能する。さらに、フラッシュメモリ103は、各サービス(コピーサービス、プリントサービス、ファクシミリサービス)のソフトウェアを記憶するサービスメモリとして機能する。
また、フラッシュメモリ103は、ファームウエアを記憶するファームメモリ、またはネットワークアドレスもしくは機種機番等を記憶するデータメモリとして機能する。なお、フラッシュメモリ103は、RAM(Random Access Memory)と電池を利用したバックアップ回路を集積した不揮発性RAM、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の他の不揮発性メモリを使用してもよい。
HDD104は、情報処理装置10の電源のオン、オフに関わりなくデータを記憶する不揮発性の記憶媒体である。HDD104は、フラッシュメモリ103内に記憶されたプログラムおよびデータ以外のプログラム、並びにデータを記録する。なお、HDD104は、ファームメモリとして使用してもよい。ネットワークインターフェース(I/F)106は、有線LAN(Ethernet(登録商標))またはWi−Fi(登録商標)等の無線LANによりネットワークを介して通信(接続)を行うためのインターフェースである。ネットワークインターフェース(I/F)106は、アンテナ、無線部、MAC部等を含む。
操作パネル107は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等を用いてコントローラ120と接続されている。操作パネル107は、各種の操作キー、表示装置としてのLCD(Liquid Crystal Display)もしくはCRT(Cathode-Ray Tube)の文字表示器、並びにタッチパネルを有する。情報処理装置10は、操作パネル107を操作することにより、データの入力、ジョブの実行、表示をすることができる。
さらに、コントローラ120は、PCIバス115を介して、ファックス制御ユニット108、記録メディア109aが脱着可能なUSB109、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394(110)、プロッタエンジン111、スキャナエンジン112、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)モジュール113およびタイマ114が接続されている。これにより、情報処理装置10は、コピーサービス、プリントサービス、ファクシミリサービス等の各サービスを提供することができる。プロッタエンジン111は、電子写真方式またはインクジェット方式のいずれの方式を採用していてもよい。
なお、図2に図示する構成は一例に過ぎず、情報処理装置10のハードウエア構成は、図2の構成には限られない。ネットワークインターフェース(I/F)106は、例えば、PCIバス115に接続されていてもよい。さらに、ネットワークインターフェース(I/F)106は、電話回線網に接続するDSU(Digital Service Unit)またはモデムを有していてもよい。ネットワークインターフェース(I/F)106は、携帯電話網に接続する通信装置を有していてもよい。
●機能構成
続いて、一実施形態に係る情報処理システムの機能構成について説明する。図3は、一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。なお、図3は、一台の情報処理装置10の機能構成を説明するが、情報処理システムを構成する他の情報処理装置10は、同様の機能構成を有する。情報処理装置10は、操作部100および初期設定サーバ部200の機能を有する。
操作部100は、図2に示した操作パネル107によって実現される機能である。操作部100は、操作パネル107へのユーザの入力操作を受け付ける。また、操作部100は、情報処理装置10の設定画面等を操作パネル107に表示させることにより、ユーザに入力操作を行わせるための画面UI(ユーザインターフェース)を、ユーザに提示する。操作部100は、送受信部11、入力受付部12および表示制御部13を含む。
送受信部11は、ネットワーク5を介して、他の情報処理装置10と各種データの送受信を行う機能である。送受信部11は、例えば、初期設定サーバ部200の送受信部21へ、入力受付部12によって受け付けられた設定値のデータを送信する。送受信部11は、例えば、図2に示したネットワークインターフェース(I/F)部106およびCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。
入力受付部12は、図2に示した操作パネル107へのユーザによる入力操作を受け付ける機能である。入力受付部12は、例えば、図2に示した操作パネル107およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。入力受付部12は、受付手段の一例である。
表示制御部13は、図2に示した操作パネル107に、ユーザによる入力操作を受け付ける操作画面等を表示させる機能である。表示制御部13は、例えば、WEBブラウザを用いて、HTML(HyperText Markup Language)等により作成されたWebページを、操作パネル107に表示させる。表示制御部13は、例えば、図2に示した操作パネル107、およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。
初期設定サーバ部200は、WEBサーバとして動作し、設定値の読み込みおよび書き込み処理および設定情報の同期処理等を実行するための機能である。初期設定サーバ部200は、情報処理装置10の初期設定時のみならず、設定情報の変更が行われるたびに実行される。初期設定サーバ部200は、送受信部21、設定変更部22、同期処理部23、算出部24、登録部25、記憶・読出部26および記憶部27を含む。
送受信部21は、ネットワーク5を介して、他の情報処理装置10との間で各種データの送受信を行う機能である。送受信部21は、例えば、同期対象となる他の情報処理装置10へ、設定変更部22によって変更された設定値のデータを含む設定情報を送信する。送受信部21は、例えば、図2に示したネットワークインターフェース(I/F)部106およびCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。送受信部21は、送信手段の一例である。
設定変更部22は、情報処理装置10の機能を実行するための設定情報を変更する機能である。設定変更部22は、操作部100の入力受付部12によって受け付けられた設定値のデータに基づいて、設定情報の変更を行う。設定変更部22は、例えば、図2に示したCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。
同期処理部23は、ネットワーク5を介して接続された他の情報処理装置10との間で、設定情報の同期処理を行う機能である。同期処理部23は、例えば、設定変更部22により変更された設定値に対応する設定項目に応じて、設定情報の同期処理を行うか否かを判断する。同期処理部23による判断処理の詳細は、後述する。同期処理部23は、例えば、図2に示したCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。同期処理部23は、判断手段の一例である。
算出部24は、設定情報の同期処理に要する処理時間を算出する機能である。算出部24は、例えば、同期処理を行う設定項目の項目数および同期対象の情報処理装置10の台数に基づいて、同期処理に要する予測処理時間を算出する。算出部24は、例えば、図2に示したタイマ114およびCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。算出部24は、算出手段の一例である。
登録部25は、同期対象とする情報処理装置10の登録を行う機能である。登録部25は、例えば、操作部100の表示制御部13によって操作パネル107に表示された表示画面へのユーザの入力操作により、同期対象とする情報処理装置10の登録を受け付ける。登録部25は、同期対象とする情報処理装置10を、後述する同期対象テーブル60に記憶して登録させる。登録部25は、例えば、図2に示したCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。
記憶・読出部26は、記憶部27に各種データを記憶し、記憶部27から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部26および記憶部27は、例えば、図2に示したフラッシュメモリ103、HDD104およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。記憶部27は、記憶手段の一例である。また、記憶部27は、設定情報管理テーブル50および同期対象テーブル60を記憶している。
○設定情報管理テーブル
続いて、記憶部27に記憶されたデータの詳細について説明する。図4は、一実施形態に係る設定情報管理テーブルの一例を示す図である。図4に示す設定情報管理テーブル50は、情報処理装置10に設定されている設定情報を管理している。設定情報管理テーブル50は、設定項目および設定値を関連づけて記憶して管理している。
設定項目は、設定名および項目IDを含む。設定名は、情報処理装置10に反映させる設定の内容を示す名称である。項目IDは、情報処理装置10に反映させる設定の内容を識別するための識別情報である。図4に示す設定情報管理テーブル50において、例えば、設定名「用紙トレイ1 サイズ設定」の項目IDは、「1001」である。
また、設定項目は、それぞれの設定内容を階層づけて項目分けすることができる。図4に示す設定情報管理テーブル50において、設定名「機器IPアドレス」の項目IDは、「400X」であり、設定名「機器IPアドレス」に関連する設定内容は、項目ID「4001」、「4002」等が付与される。なお、設定項目は、情報処理システムの管理者によって設定され、機能の追加・削除等に伴い適宜修正・変更可能である。
設定値は、それぞれの設定項目に対応する情報処理装置10の現在の設定値を示す。図4に示す設定情報管理テーブル50において、例えば、設定名「用紙トレイ1 サイズ設定」(項目ID「1001」)の設定値は、「A4」である。また、設定名「機器IPアドレス」(項目ID「400X」)の設定値は、「192.168.01」である。なお、それぞれの設定項目に対応する設定値は、ユーザによって設定されてもよいし、自動的に設定されてもよい。
○同期対象テーブル
図5は、一実施形態に係る同期対象テーブルの一例を示す図である。図5に示す同期対象テーブル60は、情報処理装置10の設定項目ごとに、設置情報の同期対象となる機器の情報を管理するものである。同期対象テーブル60は、設定項目および同期処理情報を関連づけて記憶して管理している。
設定項目は、設定名および項目IDを含む。設定名および項目IDは、図4に示した設定情報管理テーブル50に含まれる設定名および項目IDに対応した内容である。設定情報管理テーブル50と同期対象テーブル60は、同一の設定項目を介して、設定情報管理テーブル50に含まれる設定値と同期対象テーブル60に含まれる同期処理情報とを関連づけることができる。なお、設定情報管理テーブル50と同期対象テーブル60は、一つのテーブルとして記憶部27に記憶されていてもよい。
同期処理情報は、同期可否を示す情報と同期対象を示す情報を含む。同期可否を示す情報は、関連づけられた設定項目ごとに、設定値を他の情報処理装置10と同期するか否かを示す情報である。例えば、設定名「用紙トレイ1 サイズ設定」(項目ID「1001」)の設定値は、同期可否が「可」であり、他の情報処理装置10と同期を行うことを示す。
一方で、設定名「機器IPアドレス手動設定」(項目ID「4002」)の設定値は、同期可否が「否」であり、他の情報処理装置10と同期を行わないことを示す。同期可否を示す情報は、例えば、機器のIPアドレスのような他の情報処理装置10との間で排他的な関係を有する設定内容の場合、同期処理を行うべきではないため、「否」の情報が設定される。
同期対象を示す情報は、設定情報の同期処理を行う情報処理装置10を示す情報である。同期対象を示す情報は、設定項目ごとに、設定内容の種類や性質に基づいて、同期対象の機器が限定されている。同期対象を示す情報は、例えば、操作パネル107に表示された表示画面へのユーザの入力操作によって、同期対象テーブル60に登録される。
例えば、設定名「用紙トレイ1 サイズ設定」(項目ID「1001」)の設定値に対応する同期対象の情報は、「全て」であり、情報処理システムを構成するすべての情報処理装置10に対して同期処理を行うことを示す。また、例えば、設定名「コピー排紙先設定」(項目ID「2001」)の設定値に対応する同期対象の情報は、「192.168.0.2」および「192.168.0.3」であり、該当するIPアドレスが割り当てられた情報処理装置10に対して同期処理を行うことを示す。さらに、例えば、設定名「プリンタ排紙先設定」(項目ID「3002」)の設定値に対応する同期対象の情報は、「プリンタ搭載機器」であり、情報処理システムを構成する情報処理装置10のうち、プリンタを搭載した機器に対して同期処理を行うことを示す。
また、例えば、設定名「機器IPアドレス自動取得設定」(項目ID「4001」)の設定値に対応する同期対象の情報は、「全て」であり、情報処理システムを構成するすべての情報処理装置10に対して同期処理を行うことを示す。これは、「機器IPアドレス自動取得設定」の設定内容が、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバからIPアドレスを取得するか否かを示しているため、他の情報処理装置10と同期処理を行っても問題ないためである。
一方で、例えば、設定名「機器IPアドレス手動設定」(項目ID「4002」)の設定値に対応する同期対象の情報は、関連づけられた同期可否の情報が「否」であるため、「自機のみ」であり、他の情報処理装置10と同期を行わないことを示す。
また、例えば、設定名「サブネットマスク手動設定」(項目ID「5001」)の設定値に対応する同期対象の情報は、「同一のサブネット内」であり、同一のサブネット内に位置する情報処理装置10に対して同期処理を行うことを示す。言い換えれば、設定名「サブネットマスク手動設定」(項目ID「5001」)の設定値は、同一のサブネット内に位置しない情報処理装置10とは同期を行わない。同一のサブネット内に位置しない情報処理装置10の場合、サブネットマスクが異なる場合があるためです。なお、設定名「機器IPアドレス手動設定」(項目ID「4002」)および設定名「サブネットマスク手動設定」(項目ID「5001」)の設定項目は、設定名「機器IPアドレス自動取得設定」(項目ID「4001」)の設定項目が選択(利用)されていない場合にのみ、有効となる。
ここで、同期対象機器の登録処理について説明する。図6は、一実施形態に係る同期対象機器の登録画面の一例を示す図である。図6に示す登録画面310は、項目ID「2001」である設定項目(設定名「コピー排紙先設定」)の同期処理を行う同期対象機器の登録画面である。操作部100の表示制御部13は、入力受付部12によって同期対象機器の登録要求を受け付けた場合、操作パネル107に登録画面310を表示させる。
まず、操作部100の入力受付部12は、ユーザの入力操作によって、登録画面310上方の「編集」アイコンの選択を受け付けるとともに、同期対象機器の登録を行う設定項目に対応する項目IDの入力を受け付ける。ユーザによって項目IDが入力された場合、登録画面310は、図5に示した同期対象テーブルの内容に基づいて、入力された項目IDに対応する設定項目が、同期可能であるか否かを表示する。
次に、操作部100の入力受付部12は、ユーザの入力操作によって、登録画面350右端の「編集」アイコンの選択を受け付けるとともに、登録する情報処理装置10のIPアドレスの入力を受け付ける。また、操作部100の入力受付部12は、ユーザの入力操作によって、「自動登録」アイコンの選択を受け付けてもよい。情報処理装置10は、ネットワーク5に接続する情報処理装置10を検索して自動的に登録する。この場合、情報処理装置10の検索は、SNMP(Simple Network Management Protocol)等のよって行われる。
そして、初期設定サーバ部200の登録部25は、ユーザによって登録画面310右上の「OK」アイコンが選択されることによって、入力されたIPアドレスに対応する情報処理装置10を、同期対象機器として登録する。
●設定情報の同期処理
続いて、複数の情報処理装置10間における設定情報の同期処理について説明する。図7は、一実施形態に係る情報処理システムにおける設定情報の同期方法の一例を示すシーケンス図である。図7は、情報処理装置10aにおいて設定値が変更された設定情報を、情報処理装置10bおよび情報処理装置10cと共有する場合の例である。
ステップS101において、情報処理装置10aの操作部100aは、初期設定サーバ部200aへ、現在の設定値を要求する。具体的には、操作部100aの送受信部11aは、入力受付部12aによる所定のユーザ入力操作を受け付けた場合、初期設定サーバ部200aへ、情報処理装置10aの現在の設定値の通知要求を送信する。
ステップS102において、情報処理装置10aの初期設定サーバ部200aは、設定値の通知要求を受信した場合、記憶部27aに記憶された設定情報管理テーブル50aを読み出す。具体的には、初期設定サーバ部200aの送受信部21aは、設定値の通知要求を受信した場合、記憶・読出部26aへ、設定情報管理テーブル50aの読出要求を出力する。記憶・読出部26aは、出力された読出要求を検知した場合、記憶部27aに記憶された設定情報管理テーブル50aを読み出す。そして、記憶・読出部26aは、読み出した設定情報管理テーブル50aを、送受信部21aへ出力する。
ステップS103において、初期設定サーバ部200aの送受信部21aは、読み出した設定情報管理テーブル50aに含まれる設定値のデータを、操作部100aへ送信する。ステップS104において、情報処理装置10aの操作部100aは、受信した設定値のデータを、操作パネル107に表示させる。具体的には、操作部100aの表示制御部13aは、送受信部11aによって設定値のデータが受信された場合、設定値の情報を含む設定情報変更画面を、操作パネル107に表示させる。設定情報変更画面は、情報処理装置10aに設定された設定情報の変更要求をユーザから受け付けるための表示画面である。
ステップS105において、情報処理装置10aの操作部100aは、ユーザによる入力操作によって、設定情報の変更操作を受け付ける(受付ステップの一例)。具体的には、操作部100aの入力受付部12aは、操作パネル107に表示された設定情報変更画面に対して行われた、ユーザによる入力操作を受け付ける。
ここで、情報処理装置10aの操作パネル107に表示される設定情報の変更画面について説明する。図8は、一実施形態に係る設定情報変更画面(その1)の一例を示す図である。図8に示す設定情報変更画面320は、情報処理装置10aの用紙トレイに関する設定項目に対応する設定情報の変更を受け付けるための表示画面である。操作部100の表示制御部13は、送受信部11によって用紙トレイに関する設定項目に対応する設定値のデータを受信した場合、操作パネル107に設定情報変更画面320を表示させる。
図8に示す設定情報変更画面320は、設定項目として、トレイ番号、用紙サイズ、コピー排紙先指定およびプリンタ排紙先指定の項目を含む。ユーザは、設定情報変更画面320の各設定項目の設定値を選択することによって、設定情報の変更を行うことができる。設定情報変更画面320は、トレイ番号「トレイ2」および用紙サイズ「A4」が選択された状態である。なお、設定情報変更画面320に含まれる設定項目は、すべて選択される必要はなく、設定値を変更したい設定項目のみがユーザによって選択されていればよい。
情報処理装置10aの入力受付部12aは、ユーザによる「OK」アイコンの選択が受け付けられることによって、情報処理装置10aの設定情報が、選択された設定値に変更される。なお、設定情報変更画面320に含まれる設定項目は、すべて選択される必要はなく、設定値を変更したい設定項目のみがユーザによって選択されていればよい。
図9は、一実施形態に係る設定情報変更画面(その2)の一例を示す図である。図9に示す設定情報変更画面330は、情報処理装置10aの機器IPアドレスに関する設定情報の変更を受け付けるための表示画面である。操作部100の表示制御部13は、送受信部11によって機器IPアドレスに関する設定項目のデータを受信した場合、操作パネル107に設定情報変更画面330を表示させる。
図9に示す設定情報変更画面330は、IPアドレスの自動取得の可否、IPアドレス、サブネットマスクの設定項目を含む。入力受付部12によってIPアドレスの自動取得を「する」ことが選択された場合、設定変更部22は、ネットワーク5に接続する情報処理装置10を検索して、検索結果であるIPアドレスの値を設定値として設定情報管理テーブル50に記憶させる。
一方で、入力受付部12によってIPアドレスの自動取得を「しない」ことが選択された場合、設定情報変更画面330は、IPアドレスおよびサブネットマスクの設定項目に対するユーザ入力を行うことが可能となる。設定情報変更画面330は、IPアドレスとして「192.168.0.1」およびサブネットマスクとして「255.255.255.0」の値が入力された状態である。
情報処理装置10aの入力受付部12aは、ユーザによる「OK」アイコンの選択が受け付けられることによって、情報処理装置10aの設定情報が、選択された設定値に変更される。
図7に戻り、情報処理システムにおける設定情報の同期方法の説明を続ける。ステップS106において、情報処理装置10aの操作部100aは、設定情報の変更要求を、初期設定サーバ部200aへ送信する。具体的には、操作部100aの送受信部11aは、入力受付部12aによって図8または図9に示した設定情報変更画面の「OK」アイコンの選択を受け付けた場合、選択された設定値のデータを、初期設定サーバ部200aへ送信する。図8に示した設定情報変更画面320の場合、送受信部11aは、トレイ番号「トレイ2」、用紙サイズ「A4」の設定値のデータを、初期設定サーバ部200aへ送信する。また、図9に示した設定情報変更画面330の場合、送受信部11aは、IPアドレス「192.168.0.1」およびサブネットマスク「255.255.255.0」の設定値のデータを、初期設定サーバ部200aへ送信する。
ステップS107において、情報処理装置10aの初期設定サーバ部200aは、設定情報の変更処理を実行する。具体的には、初期設定サーバ部200aの設定変更部22aは、送受信部21aによって受信された設定値のデータに設定情報を変更して、情報処理装置10aに反映させる。そして、設定変更部22aは、反映させた設定情報を、設定情報管理テーブル50aに記憶させる。
ステップS108において、情報処理装置10aの初期設定サーバ部200aは、変更した設定情報の他の情報処理装置10との同期可否を判断する。具体的には、初期設定サーバ部200aの同期処理部23aは、設定変更部22aによって変更された設定値に対応する設定項目に応じて、設定情報の同期処理を行うか否かを判断する(判断ステップの一例)。
ここで、同期処理部23において実行される処理の詳細について説明する。図10は、一実施形態に係る情報処理装置における設定情報の同期可否の判断処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、同期処理部23は、設定変更部22による設定情報の変更を検知した場合、処理をステップS202へ移行させる。一方で、同期処理部23は、設定変更部22による設定情報の変更を検知していない場合、ステップS201の処理を繰り返す。
ステップS202において、同期処理部23は、記憶部27に記憶された設定情報管理テーブル50および同期対象テーブル60の読み出しを行う。具体的には、同期処理部23は、設定情報の変更を検知した場合、記憶・読出部26へ、設定情報管理テーブル50および同期対象テーブル60の読出要求を出力する。記憶・読出部26は、出力された読出要求を検知した場合、記憶部27に記憶された設定情報管理テーブル50および同期対象テーブル60を読み出す。そして、記憶・読出部26は、読み出した設定情報管理テーブル50および同期対象テーブル60を、同期処理部23へ出力する。
ステップS203において、同期処理部23は、設定情報管理テーブル50の中で、変更された設定項目に対応する項目IDを特定する。ステップS204において、同期処理部23は、特定した項目IDに対応する設定項目が同期可能であるか否かを判断する。具体的には、同期処理部23は、読み出した同期対象テーブル60に含まれる同期可否の情報のうち、特定した項目IDに関連づけられた同期可否を示す情報を抽出する。そして、同期処理部23は、抽出した同期可否を示す情報が同期を行うことを示す(例えば、図5に示す「可」)場合、処理をステップS205へ移行させる。
ステップS205において、同期処理部23は、特定した項目IDに関連づけられた同期対象機器を特定する。具体的には、同期処理部23は、読み出した同期対象テーブル60に含まれる同期対象を示す情報のうち、特定した項目IDに関連づけられた同期対象を示す情報を抽出する。そして、同期処理部23は、抽出した同期対象を示す情報に含まれる同期対象機器を特定する。
ステップS206において、同期処理部23は、特定した同期対象機器への設定情報の変更要求を、送受信部11へ出力する。設定情報の変更要求は、変更された設定値のデータを含む。一方で、ステップS204において、同期処理部23は、抽出した同期可否を示す情報が同期を行わないことを示す(例えば、図5に示す「否」)場合、処理を終了する。
図7に戻り、情報処理システムにおける設定情報の共有方法の説明を続ける。ステップS109において、情報処理装置10aの初期設定サーバ部200aは、同期対象機器の台数や種別に基づいて、同期処理に係る予測処理時間を算出する。具体的には、初期設定サーバ部200aの算出部24aは、同期処理部23aによって特定された設定項目の数および同期対象機器の台数を用いて、予測処理時間を算出する。なお、一台の同期対象機器に対して一つの設定項目の同期処理を行う場合に要する時間は、予め記憶部27に記憶されているものとする。以下は、当該時間が200msであるものとして説明するが、これに限られず、システムの管理者等によって適宜設定可能である。
例えば、一つの設定項目を10台の同期対象機器に対して同期処理を行う場合、予測処理時間は、「1×200ms×10台=2s(2秒)」となる。また、例えば、五つの設定項目を12台の同期対象機器に対して同期処理を行う場合、予測処理時間は、「5×200ms×12台=12s(12秒)」となる。
さらに、複数の同期対象機器に対する同期処理は、並列に行う構成であってもよい。この場合、同期処理に要する処理時間は、削減される。例えば、最大10台に対する同期処理を並列処理できる場合、一つの設定項目を10台の同期対象機器に対して同期処理を行う場合に要する予測処理時間は、「1×200ms(10台同時)=200ms」となる。また、五つの設定項目を12台の同期対象機器に対して同期処理を行う場合に要する予測処理時間は、「5×200ms×2(10台同時+2台)=2s(2秒)」となる。ステップS110において、初期設定サーバ部200aの送受信部21aは、算出部24aによって算出された予測処理時間のデータを、操作部100aへ送信する。
ステップS111において、情報処理装置10aの操作部100aは、初期設定サーバ部200aにより算出された予測処理時間を操作パネル107上に表示させる。具体的には、操作部100aの送受信部11aは、初期設定サーバ部200aから予測処理時間を示す時間情報を受信する。送受信部11aは、受信した時間情報を、表示制御部13aへ出力する。そして、表示制御部13aは、図11に示すように、出力された時間情報である予測処理時間を含む表示画面340を操作パネル107に表示させる。
ステップS112において、情報処理装置10aの初期設定サーバ部200aは、設定情報の変更要求を、情報処理装置10bへ送信する。具体的には、初期設定サーバ部200aの送受信部21aは、同期処理部23aから出力された設定情報の変更要求を、情報処理装置10bへ出力する。
ステップS113において、情報処理装置10bの初期設定サーバ部200bは、設定情報の変更要求を受信した場合、受信した変更要求に含まれる設定値のデータを設定情報に反映させる。具体的には、初期設定サーバ部200bの設定変更部22bは、送受信部21bによって設定情報の変更要求を受信した場合、受信した変更要求に含まれる設定値のデータを設定項目に反映させる。そして、設定変更部22bは、反映した設定値のデータを、記憶部27bに記憶された設定情報管理テーブル50bに記憶させる。これによって、情報処理装置10bは、情報処理装置10aから送信された設定値のデータに基づいて、情報処理装置10aとの設定情報の同期処理を完了させる。
ステップS114において、情報処理装置10bの初期設定サーバ部200bは、同期処理結果を、情報処理装置10aへ送信する。具体的には、初期設定サーバ部200bの送受信部21bは、設定変更部22bによって設定情報の変更が行われた場合、情報処理装置10aへ、処理結果を送信する。
ステップS115において、情報処理装置10aの初期設定サーバ部200aは、設定情報の変更要求を、情報処理装置10cへ送信する。具体的には、初期設定サーバ部200aの送受信部21aは、同期処理部23aから出力された設定情報の変更要求を、情報処理装置10cへ出力する。
ステップS116において、情報処理装置10cの初期設定サーバ部200cは、設定情報の変更要求を受信した場合、受信した変更要求に含まれる設定値のデータを設定情報に反映させる。具体的には、初期設定サーバ部200cの設定変更部22cは、送受信部21cによって設定情報の変更要求を受信した場合、受信した変更要求に含まれる設定値のデータを設定項目に反映させる。そして、設定変更部22cは、反映した設定値のデータを、記憶部27cに記憶された設定情報管理テーブル50cに記憶させる。これによって、情報処理装置10cは、情報処理装置10aから送信された設定値のデータに基づいて、情報処理装置10aとの設定情報の同期処理を完了させる。
ステップS117において、情報処理装置10bの初期設定サーバ部200bは、同期処理結果を、情報処理装置10aへ送信する。具体的には、初期設定サーバ部200bの送受信部21bは、設定変更部22bによって設定情報の変更が行われた場合、情報処理装置10aへ、処理結果を送信する。
なお、ステップS112〜ステップS114の処理とステップS115〜ステップS117の処理の順序は、前後してもよく、または並行して行われてもよい。また、情報処理装置10aから送信される設定情報の変更要求の送信先は、二台の情報処理装置10(情報処理装置10aまたは情報処理装置10b)に限られず、同期対象のすべての情報処理装置10へ送信される。この場合、設定情報の変更要求を受信した情報処理装置10は、ステップS113並びにステップS114、またはステップS116並びにステップS117と同様の処理を行う。
ステップS118において、情報処理装置10aの初期設定サーバ部200aは、設定情報の変更要求の送信先である情報処理装置10から受信した処理結果の情報を、操作部100へ送信する。具体的には、初期設定サーバ部200aの送受信部21aは、情報処理装置10bおよび情報処理装置10cから受信した処理結果の情報を、操作部100へ送信する。
ステップS119において、情報処理装置10aの操作部100aは、設定情報の変更要求の送信先である情報処理装置10における処理結果を、操作パネル107に表示させる。具体的には、操作部100aの表示制御部13aは、送受信部11aによって受信された情報処理装置10bおよび情報処理装置10cにおける処理結果の情報を、画像データとして、操作パネル107に表示させる。これによって、情報処理装置10aのユーザは、操作パネル107に表示された表示画面を目視することによって、他の情報処理装置10に対する同期処理結果を確認することができる。
●実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置10aの設定情報に含まれる設定値が変更した場合、同期対象テーブル60を用いて、他の情報処理装置10の間で、変更した設定値の同期処理を行うか否かを判断する。そして、情報処理システムは、同期処理を行うと判断した場合、他の情報処理装置10へ設定情報の変更要求を送信して、設定情報の同期処理を行う。一方で、情報処理システムは、同期処理を行わないと判断した場合、他の情報処理装置10へ、設定情報の変更要求を送信せず、設定情報の同期処理を行わない。そのため、実施形態に係る情報処理システムは、複数の情報処理装置10の間で設定情報が同期される場合において、同期すべきでない(同期しない)設定情報を自動的に同期対象から除外することができる。
●実施形態の変形例●
次に、実施形態の変形例に係る情報処理システムついて説明する。実施形態の変形例に係る情報処理システムは、設定情報の同期処理を行わないと判断された設定項目において、設置情報の変更処理を行った情報処理装置10が、変更した設定値とは異なる値のデータを、他の情報処理装置10へ送信する。これによって、実施形態の変形例に係る情報処理システムは、情報処理装置10の初期設定に要する手間や時間をより削減することができる。
図12は、実施形態の変形例に係る設定情報変更画面の一例を示す図である。図12に示す設定情報変更画面は、情報処理装置10aの機器IPアドレスに関する設定情報の変更を受け付けるための表示画面である。図12(a)に示す設定情報変更画面350aは、図9に示した設定情報変更画面330において、IPアドレスの自動取得を「する」が選択された状態である。図5に示すように、「IPアドレスの自動取得」の設定項目は、同期処理を行うことが可能である。そのため、設定情報変更画面350aに基づく設定情報の変更が行われた場合、同期処理部23は、図10に示した処理と同様の処理を行う。
図12(b)に示す設定情報変更画面350bは、IPアドレスの自動取得を「しない」が選択され、かつ同一サブネット内の他の機器IPアドレスの登録を「しない」が選択された状態である。また、図12(c)に示す設定情報変更画面350cは、IPアドレスの自動取得を「しない」が選択され、かつ同一サブネット内の他の機器IPアドレスの登録を「する」が選択された状態である。
図5に示すように、「機器IPアドレス手動設定」の設定項目は、同期処理を行うことができない。そこで、設定情報変更画面350bまたは設定情報変更画面350cを用いて設定情報の変更が行われた場合、同期処理部23aは、例えば、ネットワーク5のIPアドレスの空き状態に基づいて、変更された設定値とは異なる値(第2の設定値の一例)を類推する。
IPアドレスの空き状態は、ARP(Address Resolution Protocol)およびpingを利用して、同一のサブネット内のIPアドレスを総当たりに検索する等の方法により確認される。設定値と異なる値は、入力されたIPアドレスとサブネットマスクの設定値から、同一サブネット内の次のIPアドレスを採用する等の方法によって特定される。図12(b)および図12(c)の例において、サブネットは、「192.168.0.xxx」となるため、設定値である「192.168.0.2」の次のIPアドレス「192.168.0.3」が他の情報処理装置10へ送信される。
図13は、実施形態の変形例に係る情報処理装置における設定情報の同期方法の一例を示すフローチャートである。なお、設定情報の同期処理を行う場合のステップS301〜ステップS306の処理は、図10に示した処理(ステップS201〜ステップS206)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS304において、同期処理部23は、特定した項目IDに基づいて抽出した同期可否を示す情報が同期を行わないことを示す(例えば、図5に示す「否」)場合、処理をステップS307へ移行させる。
ステップS307において、同期処理部23は、設定変更部22により変更された設定値とは異なる値を示す第2の設定値を特定する。具体的には、図12(b)に示すように、設定値がIPアドレス「192.168.0.2」である場合、同期処理部23は、「192.168.0.2」の次のIPアドレス「192.168.0.3」を、第2の設定値として特定する。なお、第2の設定値の特定方法は、この限りではない。
ステップ308において、送受信部21は、同期処理部23によって特定された第2の設定値を、他の情報処理装置10へ送信する。この場合、第2の設定値の送信先となる情報処理装置10は、同期対象の情報処理装置10と同様に制限される構成にしてもよいし、情報処理システムを構成するすべての情報処理装置10であってもよい。
このように、実施形態の変形例に係る情報処理システムは、設定情報の同期処理を行わないと判断された設定項目において、設置情報の変更処理を行った情報処理装置10は、変更した設定値とは異なる値のデータを、他の情報処理装置10に送信する。これによって、実施形態の変形例に係る情報処理システムは、情報処理装置10の初期設定に要する手間や時間を、より低減させることができる。
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、ネットワーク5を介して接続された他の装置との間で、設定情報の同期処理(共有)を行う情報処理装置10であって、設定情報に含まれる設定値の変更を受け付け、変更された設定値に対応する設定項目に応じて、設定情報の同期処理(共有)を行うか否かを判断する。そして、情報処理装置10は、設定情報の同期処理(共有)を行うと判断した場合、他の装置へ設定情報の変更要求を送信する。そのため、情報処理装置10は、同期(共有)すべきでない(共有しない)設定項目を同期(共有)対象から除外するときのユーザの利便性を向上させることができる。
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、同期可否情報(共有可否情報に一例)に加え、設定情報の同期処理(共有)を行う他の装置の識別情報を、設定項目ごとに関連づけて記憶し、設定情報の同期処理(共有)を行うと判断した設定項目に関連づけられた他の装置へ、設定情報の変更要求を送信する。そのため、情報処理装置10は、設定項目ごとに同期処理(共有)を行う他の装置を異ならせることができるので、設定情報をより柔軟に同期(共有)させることができる。
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、設定情報の同期処理(共有)を行わないと判断した場合、変更した設定値とは異なる第2の設定値を特定し、特定した第2の設定値を他の装置へ送信する。そのため、情報処理装置10は、情報処理装置10の初期設定に要する手間や時間を、より低減させることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、他の装置との設置情報の同期処理(共有)に要する処理時間を算出し、他の装置へ設定情報の変更要求を送信するとともに、算出した処理時間を表示させる。そのため、情報処理装置10は、設定情報の同期処理(共有)に要する時間を、ユーザに提示することができる。
また、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、ネットワーク5に接続された複数の情報処理装置10の間で、所定の情報処理装置10に設定された設定情報の同期処理(共有)を行う情報処理システムであって、設定情報に含まれる設定値の変更を受け付け、変更された設定値に対応する設定項目に応じて、設定情報の同期処理(共有)を行うか否かを判断する。そして、情報処理システムは、設定情報の同期処理(共有)を行うと判断した場合、他の装置へ設定情報の変更要求を送信する。そのため、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、同期(共有)すべきでない(共有しない)設定項目を同期(共有)対象から除外するときのユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る設定情報の共有方法は、ネットワーク5を介して接続された他の装置との間で、設定情報の同期処理(共有)を行う情報処理装置10が実行する設定情報の同期(共有)方法であって、設定情報に含まれる設定値の変更を受け付ける受付ステップと、変更された設定値に対応する設定項目に応じて、設定情報の同期処理(共有)を行うか否かを判断する判断ステップと、設定情報の同期(共有)を行うと判断された場合、他の装置へ前記設定情報の変更要求を送信する送信ステップと、を実行する。そのため、本発明の一実施形態に係る設定情報の共有方法は、同期(共有)すべきでない(共有しない)設定項目を同期(共有)対象から除外するときのユーザの利便性を向上させることができる。
●補足●
なお、各実施形態の機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
また、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、CD−RW(Re-Writable)、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SDカード、MO(Magneto-Optical disc)等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することもできる。
さらに、各実施形態の機能の一部または全部は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、またはASICとして実装することができ、各実施形態の機能をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog−HDL等により記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
これまで本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、設定情報の共有方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。