JP2019159207A - 情報表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行速度と停止距離の関係を考慮してドライバーの視点移動を低減およびより安全な運転を可能にする情報表示装置を提供する。【解決手段】乗り物に映像情報を表示する情報表示装置であって、前記乗り物のフロントガラスと前記乗り物のインストルメントパネルとの間に配置されたHUD装置を備え、前記HUD装置は、前記映像情報を表示する前記HUD装置から出射された光を前記フロントガラスで反射させることで前記映像情報の虚像を前記乗り物の前方に表示させる虚像光学系を有し、前記虚像の表示位置を前記乗り物の走行速度に対応して設定するように構成されている。【選択図】図5
Description
本発明は、自動車や電車や航空機等の人を乗せて移動する、いわゆる、乗り物のフロントガラスに画像を投影する情報表示装置に関する。
自動車のフロントガラスに映像光を投写して虚像を形成し、ルート情報や渋滞情報などの交通情報や燃料残量や冷却水温度等の自動車情報を表示する、いわゆる、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up-Display)装置は、例えば、以下の特許文献1により既に知られており、HUD装置本体を運転者の座席前方のステアリングとウインドガラスの間に配置するため小型化が望まれている。
この種の情報表示装置においては、運転者が情報を認識し易くすることを目的として、運転者の視認位置に応じて複数の位置に虚像を形成すること、すなわち虚像の形成する距離を運転者の視認位置に合わせることが求められている。このため、例えば以下の特許文献2にも開示されるように、運転者から遠方(遠距離)および近傍(近距離)のそれぞれに像を形成するものがある。
上記の従来技術によるHUD装置では、自動車のフロントガラスに映像光を投写して虚像を形成してドライバーに対して各種の情報を提供するが、しかしながら、次世代の技術であるビッグデータ(高精度3D地図情報)やAI情報(予測危険情報等)を利用した大画面化を考慮した情報の提供については、未だ十分には考慮されていなかった。そのため、後にも詳述するが、ドライバーの視点移動を低減して安全性を向上する観点からは、なお改善する余地があり、また、虚像表示位置の最適位置への設定を可能にするためのHUD装置の構造(特に、HUDのセット容積の増大)についても十分には考慮されていなかった。
そこで、本発明は、車両の走行速度と停止距離との関係を考慮して観視者の視点移動をよりスムーズにした情報の表示が可能な映像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記背景技術および課題に鑑み、その一例を挙げるならば、乗り物に映像情報を表示する情報表示装置であって、前記乗り物のフロントガラスと前記乗り物のインストルメントパネルとの間に配置されたHUD装置を備え、前記HUD装置は、前記映像情報を表示する前記HUD装置から出射された光を前記フロントガラスで反射させることで前記映像情報の虚像を前記乗り物の前方に表示させる虚像光学系を有し、前記虚像の表示位置を前記乗り物の走行速度に対応して設定するように構成されている、情報表示装置が提供される。
本発明によれば、車両の走行速度と停止距離との関係を考慮した情報の表示により、ドライバーの視点移動を低減して、より安全な運転を可能にする。特に、車両前方の歩行者や先行する車両の存在を警告するための情報である、いわゆる、アラート表示(情報)等に適用することによれば、自車両の停止距離より遠方の危険物に対して表示することが可能となる。
以下、図面等を用いて、本発明の一実施の形態および各種実施例について説明する。なお、以下の説明は実施の形態の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。なお、以下には、本発明の実施の形態の説明に先立ち、本発明の特徴となる虚像の表示位置について述べる。
図1(a)は、本発明の情報表示装置を搭載した自動車の上面図であり、自動車本体101の運転席前部には、被投影部材6としてのフロントガラスが存在する。なお、このフロントガラスは、自動車のタイプによって、車体に対する傾斜角度が異なる。さらに、発明者らは、最適な虚像光学系を実現するため、この曲率半径についても調査した。その結果、フロントガラスは、図1(b)に示すように、自動車の接地面に対して平行な水平方向の曲率半径Rhと、水平軸に対して直交する垂直方向の曲率半径Rvとで異なり、RhとRvは一般的には下記の関係がある。
Rh>Rv
Rh>Rv
また、この曲率半径の違い、すなわち、Rvに対するRhは、1.5倍から2.5倍の範囲にあるものが多いことも判明した。
次に、発明者等はフロントガラスの傾斜角度についても市販品を調査した。その結果、車体タイプによっても異なるが、軽自動車や1Boxタイプでは20度〜30度、セダンタイプでは30度〜40度、スポーツタイプでは40度以上であった。
図2(a)は、本発明の情報表示装置を搭載した自動車の運転席からフロントガラス6を見た場合の概略図であり、図にも示すように、ステアリング43の前面のフロントガラス6の中央部近辺には大型化したHUDの画像表示領域(エリア)を有している。図2(b)は、HUDの画像表示領域(エリア)の詳細を示しており、図に矢印で示すように、俯角の変動に応じて上下に移動すると共に、その横幅を視野角(横)の変動に応じて移動する。具体的には、一例として、30〜60km/hの市街地走行時(市街地モード)では俯角を3.0°に、60〜100km/hの高速走行時(高速モード)では1.9°に切り替える(下げる)。また、視野角(横)は、市街地モードでは10°であり、高速モードでは9°に狭める。なお、視野角(縦)は、例えば、2.2°で一定である。かかるHUDの画像表示領域(エリア)では、後にも述べるが、高速モード(俯角=1.9°)では、その上端部は車両前方100mであり、その下端部では25mである。また、市街地モード(俯角=3.0°)では、その上端部は車両前方25mであり、その下端部では19mである。なお、市街地モードと高速モードの間の切り替えは、以下にも述べるナビゲーションシステムからの情報を基に行うことが可能であろう。
図3は、視点(EYE Point)の設定条件を説明する図である。このEYEPointは、人体(模型)の大腿部と胴体部の回転軸であるR Point、シートを一番後ろ、シート高さを一番下、シートの角度を25deg(度)とした状態で人体(模型)を着座させた時のH Pointによって設定されており、このEYE PointからHUD表示の中心線までの角度により俯角が決定される。
<車両の走行速度と停止距離との関係>
通常、走行している車両が停止するまでに必要な距離(停止距離)は、図4にも示すように、車両の走行速度に比例して変化する。すなわち、時速30km/hで走行中の車両は、空走距離と制動距離を合わせた14mの停止距離が必要であり、時速70km/hでは52m、さらに、時速100km/hでは93mもの停止距離が必要となる。
通常、走行している車両が停止するまでに必要な距離(停止距離)は、図4にも示すように、車両の走行速度に比例して変化する。すなわち、時速30km/hで走行中の車両は、空走距離と制動距離を合わせた14mの停止距離が必要であり、時速70km/hでは52m、さらに、時速100km/hでは93mもの停止距離が必要となる。
一方、情報表示装置であるHUD装置は、自動車のフロントガラスに映像光を投写して虚像を形成してドライバーに対して各種の情報を提供するが、通常、その表示位置は車両前方の予め設定された位置に表示されるものが主流であった。しかしながら、上述した車両の走行速度と停止距離との関係を考慮した場合、特に、車両前方の歩行者や先行する車両の存在を警告するための情報である、いわゆる、アラート表示(情報)等は、自車両の停止距離より遠方の危険物に対して表示することによれば、ドライバーの視点移動を低減して、より安全な運転を可能にすることが可能となることが分かった。
すなわち、本発明では、上述した車両の走行速度と停止距離との関係を考慮してより安全な運転を可能にするHUD装置を提供すると共に、虚像の表示位置(車両前方の距離)を可変にする場合におけるHUD装置の問題点、すなわち、上記従来技術でも用いられる凹面ミラーを含む光学系の大型化による装置容量の増大をも解決することの可能なHUD装置を提供するものである。
<情報表示装置>
図5は、本発明の一実施形態であるHUD装置100の周辺機器構成を示すブロックと概略構成図であり、ここでは、その一例として、特に、自動車のフロントガラスに画像を投影するHUD装置について説明する。
図5は、本発明の一実施形態であるHUD装置100の周辺機器構成を示すブロックと概略構成図であり、ここでは、その一例として、特に、自動車のフロントガラスに画像を投影するHUD装置について説明する。
このHUD装置100は、運転者の視線8において自車両の前方における複数の位置それぞれに虚像V1〜V3を形成するため、被投影部材6(本実施形態ではフロントガラス)にて反射された各種情報を虚像VI(Virtual Image)として表示する装置である。なお、被投影部材6は、情報が投影される部材であればよく、前述したフロントガラスだけではなく、その他、コンバイナであってもよい。すなわち、本実施の形態のHUD装置100では、運転者の視線8において自車両の前方における複数の位置それぞれに虚像を形成して運転者に視認させるものであり、虚像として表示する情報としては、例えば、車両前方の歩行者や先行する車両の存在を警告するアラート表示(情報)であり、さらには、車両情報や監視カメラやアラウンドビュアーなどのカメラ(図示せず)で撮影した前景情報を含んでもよい。
また、HUD装置100は、情報を表示する映像光を投射する映像投写装置11と、当該映像投写装置11からの光を結像させる中間像結像部4と、当該中間像結像部4において結像した映像情報(映像光)を収束または発散させる光学部品5と、そして、上記映像投写装置11を制御する制御装置30とを備えている。なお、上記の光学部品5は、以下に述べる虚像光学系であり、光を反射させる凹面形状のミラーを含んでいる。また、この光学部品5において反射した光は、被投影部材6にて反射されて運転者の視線8(EyeBox:後に詳述する)へと向かう。
上記の中間像結像部(または、中間像表示部)4は、映像投写装置11からの光を結像する機能を有しており、例えば、マイクロレンズを2次元状に配置したマイクロレンズアレイにより構成される。本実施形態においては、中間像結像部4と、接眼光学系を形成する上記凹面反射ミラーから成る光学部品5との間には、光学素子21および光学素子22が配置されている。これら光学素子21および光学素子22の配置は、第一の目的として、虚像の形成位置を自車両の前方の複数個所(図5においては3箇所)とするためである。さらに第二の目的として、中間像結像部4と接眼光学系を形成する光学部品5との間において、当該中間像結像部4からの映像光が分離する位置において、それぞれ、収差補正を行うためである。なお、これらの光学素子による収差補正によれば、虚像が異なる位置に形成されても、同一の虚像光学系を用いることにより、複数の虚像を異なる倍率で表示することが可能となる。
より具体的には、最も近傍に位置する虚像V1を形成する光束の収差改善は、光学素子21により行い、同時に、中間に位置する虚像V2の収差補正は、光学素子22により行う。また、最も遠方に形成される虚像V3は、本来の虚像光学系で収差が最適設計されているため、ここでは光学素子を設けていないが、さらに収差補正能力を向上させるために最適設計された光学素子を設けても、本発明の技術的思想または範囲を逸脱するものではないことは言うまでもない。なお、ここでは、一例として、虚像V1は車両前方の14mまたはそれ以上の距離に、虚像V2は52mまたはそれ以上の距離に、そして、虚像V3は93mまたはそれ以上の距離に表示する。
また、本実施例では、説明の都合上、虚像の発生位置を遠方虚像V3、中間虚像V2、近接虚像V1に分割し、それぞれ、個別に光学素子21および22を設けた例について説明したが、これに限定されることはない。例えば、虚像の表示位置を遠方から近接位置まで、連続的に変化させるためには、空間的な光学距離を変化させ、より具体的には光学素子の画面垂直方向の厚さを変化させることで連続的に虚像が発生する位置を変化させ光学素子の両面のレンズ形状を偏心非球面形状または自由曲面形状とすることで十分な収差補正能力を持たせる。この結果、光学素子を1枚として対応しても、やはり、本発明の技術的思想または範囲を逸脱するものではないことは言うまでもない。
一方、制御装置30は、記憶装置31と、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と記す)32とを備えている。記憶装置31は、記憶内容を書き換え可能な不揮発性の記憶装置からなる。マイコン32は、電源が切断されても記憶内容を保持する必要がある処理プログラムやデータを格納するROM34と、処理プログラムやデータを一時的に収納するRAM33と、上記ROM34やRAM33に記憶された処理プログラムに従って各種処理を実行するCPU35とを有したコンピュータとを中心にして構成されている。
このうち、ROM34には、車両情報や前景情報などの各種情報が被投影部材6に投影されるように映像投写装置11を制御する情報表示処理をマイコン32が実行するための処理プログラムが格納されている。そして、制御装置30には、車両情報や前景情報の取得元として、少なくとも、ナビゲーションシステム61と運転支援電子制御装置(以下、「運転支援ECU(Electronic Control Unit)と記載)62とが接続されている。
ナビゲーションシステム61は、位置検出装置にて検出した現在位置を地図データ記憶部に記憶されている地図データに照合した結果に従って、設定された目的地までの経路を案内する装置である。地図データには、道路の制限速度や車線数、交差点に関する情報などの各種情報が含まれる。
制御装置30は、このようなナビゲーションシステム61から、自車両が走行している現在位置に対応する道路の制限速度や車線数、ナビゲーションシステム61に設定された自車両の移動予定経路などの情報を前景情報(すなわち、上記虚像により自車両の前方に表示する情報)として取得する。
運転支援ECU62は、周辺監視装置63での監視の結果として検出された障害物に従って駆動系や制御系を制御することで、運転支援制御を実現する制御装置であり、運転支援制御としはクルーズコントロール、アダプティブクルーズコントロール、プリクラッシュセーフティ、レーンキーピングアシストなどの周知技術を含む。
周辺監視装置63は、自車両の周辺の状況を監視する装置であり、一例としては、自車両の周辺を撮影した画像に基づいて自車両の周辺に存在する物体を検出するカメラや、探査波を送受信した結果に基づいて自車両の周辺に存在する物体を検出する探査装置などである。
制御装置30は、このような運転支援ECU62からの情報(例えば、先行車両までの距離および先行車両の方位、障害物や標識が存在する位置など)を前景情報として取得する。さらに、制御装置30には、イグニッション(IG)信号、および、自車状態情報が入力される。これらの情報の内、自車状態情報とは、車両情報として取得される情報であり、例えば、内燃機関の燃料の残量や冷却水の温度など予め規定された異常状態となったことを表す警告情報を含んでいる。また、方向指示器の操作結果や自車両の走行速度、シフトポジションなどの情報も含まれている。以上述べた制御装置30はイグニッション信号が入力されると起動する。以上が本発明の一実施形態である情報表示装置の全体システムの説明である。
<虚像表示位置の最適化>
続いて、上述した情報表示装置により生成された虚像のHUD画像表示領域における表示位置(範囲)について、特に、アラート表示を例にして、以下に詳細に説明する。
続いて、上述した情報表示装置により生成された虚像のHUD画像表示領域における表示位置(範囲)について、特に、アラート表示を例にして、以下に詳細に説明する。
本発明の情報表示装置では、上述したように、停止距離よりも遠方の危険物(例えば、車両前方の歩行者や先行する車両など)にアラート表示するものとして、自車両の走行速度と停止距離の関係から、アラート表示に必要な表示位置(範囲)を求め、最適な視野角(FOV)を含めて表示位置を決定する。例えば、走行速度が30Km/hの場合、14m以上遠方にアラート表示を行って危険を回避する。
図6は、上記のアラート表示を歩行者に対して行う際の状況を示しており、図からも明らかなように、市街地走行時には、歩行者に対するアラート表示は、上記図2に示したHUDの画像表示領域(エリア)の下端部付近に行う。このことによれば、HUD画像表示領域(エリア)の下端部付近に行われたアラート表示は、図の左部からも明らかなように、車両前方19m近傍に表示されることとなる。他方、高速走行時においては、図の左部からも明らかなように、上端部付近に行う。このことによれば、HUD画像表示領域(エリア)の上端部付近に行われたアラート表示は、車両前方100m近傍に表示されることとなる。
図7は、上記のアラート表示を先行する車両に対して行う際の状況を示しており、図からも明らかなように、市街地走行時には、先行車両に対するアラート表示は、上記図2に示したHUDの画像表示領域(エリア)の下端部付近に行う。これによれば、図の左部からも明らかなように、HUD画像表示領域(エリア)の下端部付近に行われたアラート表示は、車両前方19m近傍に表示されることとなる。他方、高速走行時においては、図の左部からも明らかなように、上端部付近に行う。このことによれば、HUD画像表示領域(エリア)の上端部付近に行われたアラート表示は、車両前方100m近傍に表示されることとなる。
すなわち、上述した虚像表示位置の最適化によれば、車両の走行速度と停止距離との関係を考慮し、特に、車両前方の歩行者や先行する車両の存在を警告するための情報であるアラート表示(情報)等は、自車両の停止距離より遠方の危険物に対して表示することが可能となる。
<情報表示装置の容積>
続いて、上述した情報表示装置の容積と図2に示した大型化するHUDの画像表示領域(エリア)との関係について図8を参照して説明する。すなわち、情報表示装置の容積は、HUD画像表示領域(エリア)の視野角(横(H)、縦(V))の増大に伴って増加している。具体的には、(視野角[10×7]、虚像距離(20m)では、凹面ミラーを含む光学系の大型化によってHUDのセット容積が18Lを越えてしまい、当該装置の搭載場所であるフロントガラスとステアリングとの間の空間内に収納することが出来ないという問題が指摘される。そこで、以下では、HUD画像表示領域(エリア)の視野角の増大に伴う装置容量の増大を解決するための情報表示装置の構造について述べる。
続いて、上述した情報表示装置の容積と図2に示した大型化するHUDの画像表示領域(エリア)との関係について図8を参照して説明する。すなわち、情報表示装置の容積は、HUD画像表示領域(エリア)の視野角(横(H)、縦(V))の増大に伴って増加している。具体的には、(視野角[10×7]、虚像距離(20m)では、凹面ミラーを含む光学系の大型化によってHUDのセット容積が18Lを越えてしまい、当該装置の搭載場所であるフロントガラスとステアリングとの間の空間内に収納することが出来ないという問題が指摘される。そこで、以下では、HUD画像表示領域(エリア)の視野角の増大に伴う装置容量の増大を解決するための情報表示装置の構造について述べる。
図9および図10には、小型化に適した情報表示装置であるHUD装置100の構成と配置(レイアウト)が示されている。これらの図において、下流側から順に、フロントガラス6を介して虚像を形成する映像光を投射する凹面(自由曲面)ミラー、その際に発生する歪や収差を補正するための補正用のレンズ群、映像表示装置、バックライトを構成する発光ダイオードを光源としたバックライト光源が設けられている。なお、7は外装ケースである筐体である。さらに、HUD装置100の内部に侵入する太陽光のP波成分を抑制するため、その一例として、レンズ群と映像表示装置の間には、P波成分を抑制するための光学手段3が設けられている。そして、筐体7の上面には、映像光が自動車のフロントガラスに向かって投射される開口部が形成されており、当該開口部は防眩板9(グレアトラップ)によって覆われている。また、ここでは図示しないが、上記凹面ミラーの位置を調整するための電動モータ等により構成される凹面ミラー駆動部が凹面ミラーと一体に設けられている。そして、LCDと凹面ミラーとの間の距離を最小限に確保しながら、これら構成部品はモジュール化されてコンパクトに形成されている。
かかる構成・配置において、視野角を拡大するためには、例えば、凹面ミラーを回転駆動することにより、また、虚像距離の遠方化を実現するためには、コリメート光学系を適切に設定することなどによって所望の特性を実現することが出来る。または、レーザ光をMEMS素子でフロントガラスにスキャンして実像を得る第2の情報表示装置を加えてHUD画像表示領域(エリア)を拡大することも可能であろう。
すなわち、上述した構成・配置のHUD装置100を採用することによれば、上述したHUD画像表示領域(エリア)の視野角の増大に伴う装置容量の増大を解決して、HUD装置をその搭載場所であるフロントガラスとステアリングの間の空間内に収納することが可能となる。
以上、本発明の種々の実施例からなる情報表示装置について述べた。しかしながら、本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
3…光学手段、4…中間像結像部、5…光学部品、6…被投影部材(フロントガラス)、7…筐体、8…運転者の視線、9…防眩板(グレアトラップ)、11…映像投写装置、21、22…光学素子(レンズ)、30…制御装置、31…記憶装置、32…マイクロコンピュータ(マイコン)、33…RAM、34…ROM、61…ナビゲーションシステム、62…運転支援電子制御装置(運転支援ECU)、63…周辺監視装置、100…HUD装置、101…自動車本体。
Claims (8)
- 乗り物に映像情報を表示する情報表示装置であって、
前記乗り物のフロントガラスと前記乗り物のインストルメントパネルとの間に配置されたHUD装置を備え、
前記HUD装置は、前記映像情報を表示する前記HUD装置から出射された光を前記フロントガラスで反射させることで前記映像情報の虚像を前記乗り物の前方に表示させる虚像光学系を有し、前記虚像の表示位置を前記乗り物の走行速度に対応して設定するように構成されている、情報表示装置。 - 請求項1に記載の情報表示装置において、
前記HUD装置は、前記虚像の表示位置を、前記乗り物の走行速度における車両の空走距離と制動距離を合わせた停止距離以上の距離に設定する、情報表示装置。 - 請求項1に記載の情報表示装置において、
前記虚像により表示する映像情報は、アラート表示情報である、情報表示装置。 - 請求項3に記載の情報表示装置において、
前記アラート表示情報は、前記乗り物の前方における歩行者、および/または、先行車に対して表示される、情報表示装置。 - 請求項1に記載の情報表示装置において、
前記HUD装置は、映像表示装置から出射された光を反射して前記フロントガラスへ向けて投射する凹面ミラーを有する、情報表示装置。 - 請求項5に記載の情報表示装置において、
前記凹面ミラーは回転機構を有する、情報表示装置。 - 請求項1に記載の情報表示装置において、
前記HUD装置は、前記映像情報を表示する映像表示装置から出射された光による表示が、前記フロントガラス上で形成する画像表示領域において、前記乗り物の走行速度に対応してその位置が移動するように構成さている、情報表示装置。 - 請求項7に記載の情報表示装置において、
前記映像情報を表示する前記HUD装置から出射された光による表示は、前記乗り物の走行速度が他の走行速度よりも高い場合には、前記他の走行速度の前記画像表示領域における位置よりも高い位置に表示される、情報表示装置。
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