JP2019157728A - Fuel injection valve - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、内燃機関に用いられるのに好適な燃料噴射弁に関する。 The present invention relates to a fuel injection valve suitable for use in an internal combustion engine.
本技術分野の背景技術として、特開2016−118208号公報(特許文献1)に記載されている燃料噴射弁がある。特許文献1の要約には、簡素な構造で燃料噴射率を変更可能な燃料噴射弁を提供するために、固定コア、ニードル、可動コア、及び、ニードル及び可動コアと磁気コアとの間に電磁吸引力を発生させるコイルを備えた燃料噴射弁が記載されている。ニードルは、磁性材料から形成され本体より外径が大きいニードル大径部を有する。可動コアは、大径内壁面の内側にニードル大径部が位置し小径内壁面の内側に本体が位置する状態でニードルとともにハウジング内を往復移動可能に固定コアの弁座側に設けられている。可動コアは、シール部と弁座とが当接しているときニードルの第2段差面と固定コアの弁座側の端面との距離d1が弁座とは反対側の端面と固定コアの端面との距離d2より長くなるよう形成されている。
As a background art of this technical field, there is a fuel injection valve described in JP-A-2006-118208 (Patent Document 1). In summary of
また特許文献1の段落0033〜0043には、コイルに流れる電流値が第1の電流値A11の場合と、第1の電流値A11よりも大きな第2の電流値A12の場合と、における燃料噴射弁の作動状態が記載されている。第1の電流値A11の場合、電磁吸引力F11は、ニードルに作用する燃料圧力とスプリング付勢力との合力に相当する抗力F1より大きな値となるが、固定コアとニードルとを当接させるだけの大きさがない。このため第1の電流値A11では、可動コアの弁座側とは反対側の端面が固定コアの弁座側の端面に当接し、ニードルの第2段差面と固定コアの弁座側の端面とは当接せず、d1−d2だけ離間した作動状態となる(段落0039,0040)。一方、第2の電流値A12の場合、電磁吸引力F12は、噴孔が開放されて燃料が噴射されニードルに燃料圧力が作用しない状態において、スプリング付勢力に相当する抗力F2よりも大きな値となる。このため第2の電流値A12では、可動コアの弁座側とは反対側の端面が固定コアの弁座側の端面に当接した状態から、ニードルがさらにd1−d2だけリフトし、ニードルの第2段差面が固定コアの弁座側の端面に当接した作動状態となる(段落0041,0043)。
Further, in paragraphs 0033 to 0043 of
特許文献1の燃料噴射弁では、ニードル(弁体)のリフト量を小さくする場合に電磁吸引力がF11となるようにコイル電流が第1の電流値A11に制御され、弁体のリフト量を大きくする場合に電磁吸引力がF12となるようにコイル電流が第2の電流値A12に制御される。この場合、弁体のリフト量を小さくする場合及び弁体のリフト量を大きくする場合の両方において、スプリング付勢力が弁体に対して同じように作用する構成である。
In the fuel injection valve of
弁体のリフト量を小さくする場合には、弁体のリフト量はコイル電流(第1の電流値A11)のみで制御されることになり、電磁吸引力F11は弁体(ニードル)の第2段差面が固定コアの弁座側の端面に当接しない大きさになるように制御される必要がある。このため、第1の電流値A11の制御は正確に行われなければならない。 When reducing the lift amount of the valve body, the lift amount of the valve body is controlled only by the coil current (first current value A11), and the electromagnetic attractive force F11 is the second of the valve body (needle). It is necessary to control the stepped surface so that it does not contact the end surface of the fixed core on the valve seat side. For this reason, the control of the first current value A11 must be performed accurately.
また、弁体のリフト量を小さくする場合には、電磁吸引力F11による弁体の駆動力は、弁体に作用する燃料圧力とスプリング付勢力との合力に相当する抗力F1に対抗するため、燃料圧力の変動の影響を受ける。燃料圧力の変動は弁体の駆動力に影響を及ぼす一要因であるが、弁体のリフト量をコイル電流のみで制御する場合、燃料圧力の変動を含む種々の要因を考慮したコイル電流の制御が必要になり、弁体のリフト量を安定化させることは容易ではない。 Further, when reducing the lift amount of the valve body, the driving force of the valve body by the electromagnetic attractive force F11 opposes the drag F1 corresponding to the resultant force of the fuel pressure acting on the valve body and the spring biasing force. Influenced by fluctuations in fuel pressure. The fluctuation of fuel pressure is one factor that affects the driving force of the valve body. However, when the lift amount of the valve body is controlled only by the coil current, the coil current is controlled in consideration of various factors including the fluctuation of the fuel pressure. Therefore, it is not easy to stabilize the lift amount of the valve body.
本発明の目的は、弁体のリフト量を安定化させることができる燃料噴射弁を提供することにある。 The objective of this invention is providing the fuel injection valve which can stabilize the lift amount of a valve body.
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射弁は第1ばねにより閉弁方向に付勢される弁体と、磁気コアに吸引されることで前記弁体と係合して前記弁体を開弁方向に押し上げる可動子と、第2ばねにより閉弁方向に付勢される付勢部材を備え、前記可動子が前記磁気コアに衝突する前に、前記可動子により前記第1ばねの付勢力に抗して前記弁体を第1リフト量、リフトさせた場合に、前記弁体が前記付勢部材と接触することにより、前記第2ばねは前記第1ばねに加えて前記弁体を閉弁方向に付勢するように構成された。 In order to achieve the above object, a fuel injection valve according to the present invention is engaged with the valve body by being attracted by a magnetic core and a valve body biased in a valve closing direction by a first spring. And a biasing member that is biased in the valve closing direction by a second spring, and before the mover collides with the magnetic core, the mover pushes the first spring of the first spring. When the valve body is lifted by a first lift amount against the urging force, the valve body comes into contact with the urging member, so that the second spring is added to the first spring and the valve body. Is configured to be biased in the valve closing direction.
本発明の燃料噴射弁によれば、弁体のリフト量を安定化させることができる燃料噴射弁を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。 According to the fuel injection valve of the present invention, it is possible to provide a fuel injection valve capable of stabilizing the lift amount of the valve body. Problems, configurations, and effects other than those described above will be clarified by the following description of embodiments.
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。 Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[実施例1]
本実施例では、燃料噴射弁の一実施例として、電磁式燃料噴射弁について説明する。また図1の電磁式燃料噴射弁は、筒内直接噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁の例であるが、本発明はポート噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁にも適用可能である。また本発明は、電磁式燃料噴射弁に限らず、ピエゾ素子や磁歪素子で駆動される燃料噴射弁にも適用可能である。本発明の効果は、ポート噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁や、ピエゾ素子や磁歪素子で駆動される燃料噴射弁においても有効である。
[Example 1]
In this embodiment, an electromagnetic fuel injection valve will be described as an embodiment of the fuel injection valve. The electromagnetic fuel injection valve in FIG. 1 is an example of an electromagnetic fuel injection valve for a direct injection gasoline engine in a cylinder, but the present invention is also applicable to an electromagnetic fuel injection valve for a port injection gasoline engine. Applicable. Further, the present invention is not limited to an electromagnetic fuel injection valve, but can be applied to a fuel injection valve driven by a piezo element or a magnetostrictive element. The effect of the present invention is also effective in an electromagnetic fuel injection valve for a port injection type gasoline engine and a fuel injection valve driven by a piezo element or a magnetostrictive element.
なお、燃料噴射弁100の中心線100aに沿う方向において、燃料噴射孔116の側を下流側、燃料供給口112の側を上流側として説明する。また、説明の中で、例えば「上端面」や「下端面」のように上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は各図面の上下方向に基づいており、燃料噴射弁の実装状態における上下方向を指定するものではない。
In the direction along the
図1は、本発明の実施例に係る燃料噴射弁100の構造を示す断面図である。
FIG. 1 is a cross-sectional view showing the structure of a
燃料噴射弁100は、EDU(駆動回路)121及びECU(エンジンコントロールユニット)120により、駆動される。燃料噴射弁100の駆動装置は、燃料噴射弁100の駆動電圧を発生する装置であって、図1のEDU121に相当する。EDU121はECU120と一体となったものであってもよい。
The
ECU120では、エンジン(内燃機関)の状態を示す信号を各種センサーから取り込み、エンジンの運転条件に応じて適切な駆動パルスの幅や噴射タイミングの演算を行う。ECU120より出力された駆動パルスは、信号線123を通して燃料噴射弁100のEDU121に入力される。EDU121は、コイル108に印加する電圧を制御して、コイル108に電流を供給する。ECU120は、通信ライン122を通して、EDU121と通信を行っており、燃料噴射弁100に供給する燃料の圧力や運転条件によってEDU121によって生成する駆動電流を切替えることが可能である。EDU121は、ECU120との通信によって制御定数を変化できるようになっており、制御定数に応じて電流波形を変化させる。
The ECU 120 takes in signals indicating the state of the engine (internal combustion engine) from various sensors, and calculates appropriate drive pulse widths and injection timings according to engine operating conditions. The drive pulse output from the
燃料噴射弁100における全体構成と燃料の流れについて説明する。
The overall configuration and fuel flow in the
燃料噴射弁100の上端部には燃料供給口112が設けられ、下端部に燃料噴射孔116が設けられている。燃料は燃料供給口112から燃料噴射弁100の内部に供給され、燃料噴射弁100の上端部から下端部に向かって中心線100aに沿う方向に流れ、燃料噴射孔116から噴射される。
A
燃料噴射弁100は、内部に燃料流路の開閉を行う弁体101を有し、弁体101の対向する位置には、弁座部材102が設けられている。弁座部材102には燃料噴射孔116及び弁座115が形成される。弁体101は、弁座115と接触してシール部を形成する。コイル108に通電がないときには、弁体101が第1ばね110によって弁座115に押し付けられ、燃料をシールする構造となっている。すなわち、弁体101及び弁座115は協働して燃料噴射孔116に至る燃料通路の開閉を行う。
The
燃料噴射弁100は、弁体101の駆動部として、可動子(可動コア)201、固定コア107及びコイル108を備える。可動子201、固定コア107及びヨーク109により磁気回路が形成される。コイル108は固定コア107の外周側に配置され、ヨーク109はコイル108の外周側を覆うように配置される。コイル108に通電することにより、可動子201と固定コア107との間に磁気的な吸引力(電磁吸引力)を発生させ、弁体101を開弁方向に駆動する。
The
固定コア107と可動子201とは、可動子201の燃料供給口112側の端面(上端面)201Aと固定コア107の弁座115側の端面(下端面)107Bとが対向するように配置される。磁気的な吸引力は可動子201の上端面201Aと固定コア107の下端面107Bとの間に作用する。
The fixed
可動子201は、固定コア107に対して、可動コアと呼ぶ場合もある。
The
本実施例では、可動子201、固定コア107及びコイル108は電磁駆動部として構成される。燃料噴射弁100の駆動部は、ピエゾ素子や磁歪素子等で構成される駆動部であってもよい。
In this embodiment, the
弁体101及び可動子201は、筒状部材で構成されるノズルホルダ111に内包され、可動部を構成する。弁体101と可動子201とは別体で独立した構成である。すなわち、可動子201と弁体101とは異なる部材として構成され、弁体101は可動子201に対して開閉弁方向に相対変位可能に構成されている。なお、可動子201の弁体101に対する開弁方向への変位は、弁体101の段付き部129によって規制される。
The
弁体101は、可動子201の径方向(中心線100aに垂直な方向)の中央部に形成された貫通孔128に挿通され、固定コア107側の端部の近傍に段付き部129を有する。弁体101及び可動子201は、開閉弁動作を行う際に、段付き部129が可動子201と係合することにより、一体となって連動する。段付き部129が可動子201と係合していない状態では、弁体116と可動子201とは、中心軸線100aに沿う方向(開閉弁方向)において相対変位可能なように、独立した構成である。
The
弁体101の上端にはキャップ132が取り付けられており、キャップ132の上端面132D(図2参照)が第1ばね110の下端部と当接している。第1ばね110は第1調整子54とキャップ132との間に圧縮された状態で設けられており、弁体101は第1ばね110により下流方向(閉弁方向)に付勢される。第1ばね110は弁体101を閉弁方向に付勢するため、閉弁スプリングと呼ぶ場合もある。第1調整子54は固定コア107の貫通孔107C内に圧入固定され、中心線100aに沿う方向における固定位置を調整することにより、弁体101に対する第1ばね110の付勢力が調整される。
A
また本実施例では、弁体101のリフト量を可変にする可変リフトを行うために、係合部材140、第2ばね141及び第2調整子55を備えている。係合部材140は、開弁時に弁体101と係合して、弁体101のリフト量を所定の条件で後述する第1リフト量g2に制限する部材である。第2ばね141は第2調整子55と係合部材140との間に圧縮された状態で設けられており、係合部材140は第2ばね141によって閉弁方向に付勢されると共に、第一調整子54によって閉弁方向の変位を規制されている。すなわち、第一調整子54は係合部材140の閉弁方向の変位を規制する係合部材変位規制部を兼ねる。第2ばね141は係合部材140を閉弁方向に付勢するため、係合部材付勢スプリングと呼ぶ場合もある。第2調整子55は固定コア107の貫通孔107C内に圧入固定され、中心線100aに沿う方向における固定位置を調整することにより、係合部材140に対する第2ばね141の付勢力が調整される。
In the present embodiment, the
また本実施例では、弁体101の予備リフトを可能にするために、キャップ132と可動子201及び段付き部129との間に中間スプリング(第3ばね)134及び中間部材133が設けられている。予備リフトは、開弁時に、弁体101が閉弁した状態のまま、可動子201が開弁方向への移動(リフト)を開始する動作である。この予備リフトについては後で詳細に説明する。
In this embodiment, an intermediate spring (third spring) 134 and an
なお可動子201は、ノズルホルダ111に設けられたスプリング保持部材114との間に、ゼロスプリング(第4ばね)204が圧縮状態で設けられ、第4ばね204によって開弁方向に付勢されている。
Note that a zero spring (fourth spring) 204 is provided in a compressed state between the
駆動回路121よりコイル108に駆動電流が流れることで、磁気コア107と可動子201との間には磁気的な吸引力が生じる。詳細は後で説明するが、可動子201が固定コア107に向かって移動する際に可動子201が弁体101と係合して弁体101をリフトし、燃料噴射弁100を開弁させる。
When a drive current flows from the
ここで、弁体101の閉弁状態における構成について、図2を用いて、詳細に説明する。図2は、本発明の第一実施例に係る燃料噴射弁100の可動子201近傍の拡大図であり、コイル108が非通電の状態を示す断面図である。なお、図2には図示していないが、弁体101は弁座115に接触することで閉弁状態となっている。
Here, the structure in the valve-closing state of the
弁体101の弁座115側とは反対側の端部には、弁体101の中で外径が最も大きい段付き部129を有する頭部が設けられている。段付き部129は弁体101の外周面から鍔状に張り出した鍔部(拡径部)を構成する。段付き部129の上端面129Aから上部は段付き部129の外径よりも小径の突起部131が設けられており、突起部131の上端部には閉弁スプリング(第1ばね)110の着座面132Dが形成されたキャップ132が設けられている。キャップ132は突起部131に圧入固定されている。
A head portion having a stepped
可動子201は弁体101が貫通する貫通孔128を中央に備え、ノズルホルダ111にはスプリング保持部材114が取り付けられ、可動子201とスプリング保持部材114の間には、ゼロスプリング(第4ばね)204が取り付けられる。具体的には、第4ばね204は一端部が燃料噴射弁100の本体側(本実施例ではノズルホルダ111に取り付けられたスプリング保持部材114)に支持され、他端部が可動子201の下端面201Bに当接しており、可動子201を開弁方向(スプリング保持部材114から引き離す方向)に付勢している。すなわち第4ばね204は、可動子201に対して固定コア107側とは反対側に配置され、可動子201を開弁方向に付勢する。
The
第4ばね204の付勢力(セット荷重)は第1ばね110による付勢力(セット荷重)とは逆向きに可動子201に作用している。すなわち、第1ばね110は弁体101を閉弁方向に付勢し、ゼロスプリング204は可動子201を固定コア107の側とは反対側から開弁方向に付勢している。なお、第1ばね110の一端部は燃料噴射弁100の本体側(本実施例では第1調整子54の下端面54A)に支持されている。
The biasing force (set load) of the
可動子201の上端面201A側に中間部材133が設けられている。中間部材133の下面133D側には上方に向けて凹部133Aが形成されており、この凹部133Aは弁体101の段付き部129が収まる直径(内径)と深さを有している。すなわち、凹部133Aの直径(内径)は段付き部129の直径(外径)よりも大きく、凹部133Aの深さ寸法は段付き部129の上端面129Aと下面129Bとの間の長さ寸法よりも大きい。なお、中間部材133の凹部133Aの深さ寸法から段付き部129の上面129Aと下面129Bとの間の高さ寸法(間隔)を引いた長さ寸法が、間隙g1の長さ寸法となっている。
An
凹部133Aの底部133Eには弁体101の突起部131が貫通する貫通孔133Bが形成されている。中間部材133とキャップ132との間には第3ばね(中間スプリング)134が保持されており、中間部材133の上端面133Cは第3ばね134の一端部が当接するばね座を構成する。
A through-hole 133B through which the
第4ばね(ゼロスプリング)204による付勢力Fzの絶対値と第3ばね134の付勢力Fmの絶対値とでは、第3ばね134の絶対値の方が大きくなるように、各ばね204,134の付勢力が設定されている。このため、第3ばね134は、中間部材133を介して可動子201を固定コア107側から閉弁方向(弁座115側)に付勢する。その結果、図2の状態では、中間部材133の凹部133Aの底面133Eと弁体101の段付き部129の上面129Aとが接触すると共に中間部材133の下端面133Dと可動子201の上端面201Aとが接触し、弁体101の段付き部129の下面129Bと可動子201の上端面201Aとが離間して、下面129Bと上端面201Aとの間に間隙g1が存在する。間隙g1は予備リフトにおける可動子201の移動を可能にする。
Each of the
本実施例では、予備リフトを可能にするために、弁体101は、可動子201に対して固定コア107側で当接して可動子201の固定コア107側への相対変位を規制する段付き部129と、可動子201の段付き部129に当接する当接部(上端面201A)と段付き部129の可動子201に当接する当接部(下面129B)との間に間隙g1を形成する中間部材133と、中間部材133を閉弁方向に付勢する第3ばね134と、を備える。中間部材133及び第3ばね134は、弁体101に一体に組み付けられている。
In this embodiment, in order to enable a preliminary lift, the
また、キャップ132の上端面132Dと係合部材140の下端面140Dとの間に間隙g2(第1リフト量)が存在し、さらに、可動子201側の衝突面(上端面201A)と固定コア107側の衝突面(下端面107B)との間に間隙g3が存在する。なお、g1、g2及びg3の大小関係は、g1<g2<g3の関係にある。
Further, a gap g2 (first lift amount) exists between the
本実施例では、固定コア107の下端面107Bが可動子201の開弁方向(上流方向)の変位を規制する可動子変位規制部を構成する。閉弁時において、可動子201と可動子変位規制部107Bとの間の間隙の長さ(距離)g3は、弁体101側の第2ばね141側(係合部材140)に連結される部位132Dと第2ばね141側(係合部材140)の弁体101側に連結される部位140Dとの間に構成される間隙の長さ(距離)g2よりも大きく設定される。
In this embodiment, the
さらに本実施例では、第2ばね141により閉弁方向に付勢され、弁体101が第1リフト量g2だけリフトした場合に弁体101と係合する係合部材140と、係合部材140の閉弁方向の変位を規制する係合部材変位規制部(第1調整子54の上端面54B)と、を備える。さらに第2ばね141側の弁体101側に連結される部位140Dは、係合部材140に構成され、第2ばね141は係合部材140を介して弁体101に連結される。
Furthermore, in this embodiment, the
中間部材133の上方に位置するキャップ132の上端部には径方向に張り出した鍔部132Aが形成されており、鍔部132Aの下端面132Bに第3ばね134の他端部が当接するばね座が構成されている。キャップ132の鍔部132Aの下端面132Bから下方に筒状部132Cが形成されており、筒状部132Cに突起部131が圧入固定されている。
A
キャップ132と中間部材133とがそれぞれ第3ばね134のばね座を構成するため、中間部材133の貫通孔133Bの直径(内径)はキャップ132の鍔部132Aの直径(外径)よりも小さい。従って、中間部材133と第3ばね134とは、キャップ132と突起部131との圧入工程の前に、弁体101に組み付けられる。
Since the
キャップ132の上方に間隙g2(第1リフト量)を介して付勢部材140を有する。係合部材140は、係合部材140の外径で最も大きい外径の段付き部140Aを有する。段付き部140Aは係合部材140の外周面から鍔状に張り出した鍔部を構成する。
An urging
係合部材140は第1調整子54の径方向中央部を貫通する貫通孔54Cに挿通され、段付き部140Aの下面140Bは第1調整子54の上端面54Bに当接している。係合部材140の段付き部140Aの上面140Cには第2ばね141の着座面が形成されている。なお、第2ばね141の一端部は燃料噴射弁100の本体側(本実施例では第2調整子55の下端面55A)に支持されている。
The engaging
上述したように、本実施例では、第1ばね(閉弁スプリング)110、第2ばね(係合部材付勢スプリング)141、第3ばね(中間スプリング)134、及び第4ばね(ゼロスプリング)204の、4つのばねを備え、4つのばねは中心線100aに沿って同列(一列)に配置されている。
As described above, in this embodiment, the first spring (valve closing spring) 110, the second spring (engaging member biasing spring) 141, the third spring (intermediate spring) 134, and the fourth spring (zero spring). 204 includes four springs, and the four springs are arranged in the same row (one row) along the
すなわち本実施例では、第1ばね110は、係合部材変位規制部54Bに対して可動子201側に配置され、第2ばね141は、係合部材変位規制部54Bに対して可動子201側とは反対側に配置される。そして、第1ばね110と第2ばねとは、燃料噴射弁100の中心線100aに沿う方向において同列(一列)に配置される。さらに本実施例では、第1ばね110、第2ばね141、第3ばね134、及び第4ばね204は、コイルばねで構成されると共に、燃料噴射弁100の中心線100aに沿う方向において同列に配置される。
That is, in the present embodiment, the
これにより、燃料噴射弁100の径方向寸法の増大を抑制することができる。
Thereby, the increase in the radial dimension of the
本実施例では、第1ばね110、第2ばね141、第3ばね134、及び第4ばね204はいずれもコイルばねで構成している。第1ばね110、第2ばね141、及び第3ばね134は、固定コア107の貫通孔107C内に配設されるため、各ばね110,141,134の外径は、貫通孔107Cの直径(内径)よりも小さい。一方、第4ばね204は、貫通孔107Cに対して下方に配設されるため、その外径は比較的自由に設定できる。
In the present embodiment, the
本実施例では、第1ばね110及び第2ばね141は、同じ形状で同じばね定数を有するばねで構成されている。すなわち、第1ばね110の外径寸法と第2ばね141の外径寸法とは等しい。第1ばね110の付勢力(セット荷重)は第1調整子54で設定することができ、第2ばね141の付勢力(セット荷重)は第2調整子55で設定することができ、それぞれのばね110,141の付勢力(セット荷重)を異なる大きさに設定することができる。これにより、部品が共通化される。
In the present embodiment, the
本実施例では、弁体101の段付き部129、キャップ132、中間部材133、第3ばね134、係合部材140、第1調整子54、第2調整子55、第1ばね110、及び第2ばね141は、可動子201に対して上流側(燃料供給口112側)に配置されている。中間部材133、第3ばね134、係合部材140、第1調整子54、第2調整子55、第1ばね110、及び第2ばね141の各外径は、いずれも固定コア107の貫通孔107Cの直径(内径)よりも小さい。また弁体101の段付き部129及びキャップ132の最大外径も、貫通孔107Cの直径(内径)よりも小さい。
In this embodiment, the stepped
このため、第4ばね204、可動子201及び固定コア107をノズルホルダ111に組み付けた後で、キャップ132、中間部材133及び第3ばね134を組み付けた弁体101を、貫通孔107Cの可動子201側とは反対側の端部から貫通孔107C内に挿入して、燃料噴射弁100内に組み付けることができる。更にその後から、第1ばね110、第1調整子54、係合部材140、第2ばね141、及び第2調整子55を貫通孔107C内に挿入して燃料噴射弁100内に組み付けることができる。弁体101、第1ばね110、第1調整子54、係合部材140、第2ばね141、及び第2調整子55は、この順番に燃料噴射弁100内に組み付ける。
For this reason, after assembling the
このように、本実施例の燃料噴射弁100は、弁体101、第1ばね110、第1調整子54、係合部材140、第2ばね141、及び第2調整子55は、固定コア107の貫通孔107Cの可動子201側とは反対側の端部から、この順番に組み付け可能に構成れている。
As described above, the
この場合、係合部材140、第2ばね141、及び第2調整子55を除く構成とすることにより、本実施例における2段リフトの構成を1段リフトの構成に変更することができる。すなわち、弁体101、第1ばね110、第1調整子54を燃料噴射弁100内に組み付け、係合部材140、第2ばね141、及び第2調整子55は組付けない構成とする。
In this case, by adopting a configuration excluding the engaging
これにより、2段リフトの燃料噴射弁100の構成及び部品の一部を1段リフトの燃料噴射弁の構成及び部品と共通化することができ、生産性を向上することができる。また、生産設備の一部を共通化することが可能となる。このため、2段リフトの燃料噴射弁100を含む燃料噴射弁の生産コストを低減することができる。また、弁体101(キャップ132、中間部材133、第3ばね134)、係合部材140、第1調整子54、第2調整子55、第1ばね110、及び第2ばね141の部品交換が容易になり、燃料噴射弁100の生産性が向上する。
As a result, the configuration and parts of the
詳細は後で説明するが、本実施例では、弁体101は第1リフト量g2だけリフトした場合に係合部材140に当接し、開弁方向への移動(リフト)が規制される。弁体101は、係合部材140に当接した後、更に開弁方向に移動しようとすると、第1ばね110による閉弁方向の付勢力に加えて第2ばね141による閉弁方向の付勢力を受ける。
Although details will be described later, in this embodiment, when the
つまり本実施例の燃料噴射弁100は、第1ばね110により閉弁方向に付勢される弁体101と、固定コア107に吸引されることで弁体101と係合して弁体101を開弁方向に押し上げる可動子201と、可動子201が固定コア107に衝突する前に、可動子201により第1ばね110の付勢力に抗して弁体101を第1リフト量g2、リフトさせた場合に第1ばね110に加えて弁体101を閉弁方向に付勢する第2ばね1411と、を備える。或いは、協働して燃料通路の開閉を行う弁座115及び弁体101と、弁体101を開弁方向にリフトする可動子201と、弁体101を閉弁方向に付勢する第1ばね110と、第1ばね110の付勢力に抗して弁体101を第1リフト量g2だけリフトした場合に、弁体101に連結されて弁体101を閉弁方向に付勢する第2ばね141と、を備える。この場合、弁体101は、第1リフト量g2よりも大きな第2リフト量(g3−g1)にリフトされる際に、第1ばね110の付勢力に加えて第2ばね141の付勢力に抗してリフトされるように構成される。
That is, the
図3を参照して、開弁時における可動子201の初動状態について説明する。図3は、図2の状態からコイル108が通電状態となって、可動子201が開弁方向に動いて、可動子201の上端面201Aが弁体101の段付き部129の下面129Bに衝突した状態を示す断面図である。
With reference to FIG. 3, the initial movement state of the needle |
図2の状態より、コイル108に通電されると、磁気回路を構成する磁気コア107、ヨーク109及び可動子201に磁束が生じ、固定コア107と可動子201との間に磁気吸引力が発生する。
From the state of FIG. 2, when the
式(1)は、可動子201が開弁方向への運動を開始するときの、磁気吸引力Fa、第3ばね(中間スプリング)134の付勢力Fm、及び第4ばね(ゼロスプリング)204の付勢力Fzの関係を示している。
Fa>Fm−Fz 式(1)
式(1)に示すように、可動子201と固定コア107の間に作用する磁気吸引力Faが、第3ばね134の付勢力Fmと第4ばね204の付勢力Fzの差よりも大きくなると、可動子201は固定コア107側に吸引されて開弁方向の運動を開始する。
The expression (1) indicates that the magnetic attraction force Fa, the urging force Fm of the third spring (intermediate spring) 134, and the fourth spring (zero spring) 204 when the
Fa> Fm-Fz Formula (1)
As shown in Expression (1), when the magnetic attractive force Fa acting between the
図3では、弁体101が閉弁状態を維持した状態で、可動子201が間隙g1分だけ固定コア107側に変位した状態を示している。すなわち、可動子201が中間部材133を持ち上げ、可動子201の上端面201Aは弁体101の段付き部129の下面129Bに接触する。このとき、中間部材133の底面133Eと段付き部129の上面129Aとの間には、間隙g1に相当する間隙が形成される。図2では固定コア107と可動子201の上端面201Aとの間には間隙g3が存在していたが、図3では間隙はg3’(g3’=g3−g1)に減少する。なお間隙g2は、図2と同じ状態である。
FIG. 3 shows a state in which the
このとき、可動子201に蓄えられた運動エネルギが、弁体101の開弁動作に使用される。よって、間隙g1(予備リフト)が設定されていることで可動子201の運動エネルギを利用でき、開弁動作の応答性を向上させることができる。したがって、高い燃料圧力下でも迅速に開弁することが可能となる。
At this time, the kinetic energy stored in the
図4は、図3の状態から更に可動子201が変位して、キャップ132の鍔部132Aの上端面132Dが付勢部材140の下端面140Dに衝突した状態を示す断面図である。
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a state in which the
図3の状態からコイル108への通電を継続し、キャップ132の上端面132Dと係合部材140の下端面140Dとの間に予め設けられた間隙g2(第1リフト量)分だけ、可動子201及び弁体101が変位すると、図4に示す状態となる。図4の状態では、キャップ132の上端面132Cが係合部材140の下端面140Dに衝突し、弁体101が上流方向(開弁方向)へ向かう動きが規制される。このように、係合部材140は弁体101のリフトを規制する部材であり、リフト規制部材と呼ぶ場合もある。
The
このときにコイル108に通電される駆動電流について、図7Aを用いて説明する。図7Aは、弁体のリフト量が小さい場合(小リフト時)の駆動電流波形(Current:上図)及び弁体変位(Needle Lift:下図)を示す図である。
A drive current energized to the
図7Aに示すように、コイル108に通電する最大駆動電流401を予め設定した閾値I1よりも小さくすると、式(2)および式(3)の力の関係が満たされる。
Ff + Fp < Fa 式(2)
Ff + Fs + Fp > Fa 式(3)
なお、402は最大駆動電流401を流した後に可動子201が磁気コア107に吸引されたまま維持できる保持電流を意味する。
As shown in FIG. 7A, when the maximum drive current 401 to be passed through the
Ff + Fp <Fa Formula (2)
Ff + Fs + Fp> Fa Formula (3)
式(2)は可動子201の磁気吸引力Faの方が、弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffとの和よりも大きくなる条件を示す。また式(3)は可動子201の磁気吸引力Faが、弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffと第2ばね141による付勢力Fsとの和よりも小さくなる条件を示す。
Equation (2) indicates a condition in which the magnetic attraction force Fa of the
つまり、可動子201に作用する磁気吸引力Faによって、可動子201及び弁体101は、弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffとの合力に打ち勝って、キャップ132が係合部材140に接触するまで移動することができる。しかし、閾値I1に満たない最大駆動電流401による磁気吸引力Faでは、差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffと第2ばね141による付勢力Fsとの合力に打ち勝つことができず、可動子201及び弁体101の開弁方向へ向かう動きが規制される。そのため図4に示すように、キャップ132と係合部材140との間の間隙g2がなくなり、可動子201と固定コア107との間に間隙g3’’(g3’’=g3−g1−g2)が残った状態となる。図3の状態から図4の状態に至る間に、弁体101は間隙g2に相当する距離(第1リフト量)だけリフトされる。図4の状態を小リフト状態(第1リフト状態)と呼ぶ。
That is, due to the magnetic attractive force Fa acting on the
繰り返しになるが、第2ばね141により閉弁方向に付勢される係合部材140を備え、可動子201により第1ばね110の付勢力に抗して弁体101を第1リフト量、リフトさせた場合に、弁体101が係合部材140と接触することにより、第2ばね141の付勢力は第1ばね110の付勢力に加えて弁体101を閉弁方向に付勢する。
Again, the
図4の状態(小リフト状態)から、コイル108への電流を遮断すると、可動子201と固定コア107との間に生じている磁束が消失する。そして、磁気吸引力Faが弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffよりも小さくなると、可動子201は下流方向への変位を開始する。この動きに伴って弁体101は閉弁方向(下流方向)への変位を開始し、その後、弁体101は弁座115と当接し、燃料噴射弁100は閉弁する。
When the current to the
小リフトの場合には図2及び図3に示すように、弁体101はキャップ132と付勢部材140との間に設けられた間隙g2(第1リフト量)分(図7Aの弁体変位403)だけ変位する。弁体101は、弁体101の運動を規制する部材に衝突することによって軸方向(中心線100a方向)の変位が規制される。本実施例では、小リフト状態において弁体101の運動を規制する部材は、係合部材140である。弁体101は静止した係合部材140に当接して運動を規制されるため、弁体101のリフト量を安定させることができる。その結果、安定した量の燃料を噴射することができる。
In the case of a small lift, as shown in FIGS. 2 and 3, the
図7Bは、弁体のリフト量が大きい場合(小リフト時)の駆動電流波形(Current:上図)及び弁体変位(Needle Lift:下図)を示す図である。 FIG. 7B is a diagram showing a drive current waveform (Current: upper diagram) and valve body displacement (Needle Lift: lower diagram) when the lift amount of the valve element is large (at the time of small lift).
図7Bに示すように、コイル108に通電する最大駆動電流値404を予め設定した閾値I1よりも大きくすると、式(4)に示す条件が満たされる。
As shown in FIG. 7B, when the maximum drive
Ff + Fs + Fp < Fa 式(4)
なお、405は最大駆動電流404を流した後に可動子201が固定コア107に吸引されたままの状態を維持できる保持電流を意味する。式(4)は、可動子201の磁気吸引力Faが、弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffと第2ばね141による付勢力Fsとの和(合力)よりも大きくなるという条件を示す。
Ff + Fs + Fp <Fa Formula (4)
図5は、図4の状態から更に可動子201が変位して、可動子201の上端部201Aが固定コア107の下端面107Bに衝突した状態を示す断面図である。
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a state where the
図7Bに示す駆動電流を流すと、可動子201及び弁体101は、図4に示す状態に移動し、さらにその後、可動子201が固定コア107との間の間隙g3’’の分だけ開弁方向に変位する。可動子201の変位に伴って、弁体101及び係合部材140も開弁方向に変位する。
When the drive current shown in FIG. 7B is applied, the
図5では、可動子201の上端部201Aが固定コア107の下端面107Bに衝突し、弁体101が上流方向へ向かう動きが規制される。このとき係合部材140の段付き部140Aの下面140Bと第1調整子54の上端面54Bとの間には間隙g3’’(g3’’=g3−g1−g2)が形成される。結果として、弁体101は、間隙g2(第1リフト量)と間隙g3’’との和に相当する距離(第2リフト量:g3−g1)だけリフトされる。図5の状態を大リフト状態(第2リフト状態)と呼ぶ。
In FIG. 5, the
つまり、本実施例の燃料噴射弁100は、可動子201により第1ばね110の付勢力に抗して弁体101を第1リフト量、リフトさせた後、可動子201により第1ばね110及び第2ばね141の付勢力に抗して弁体101を第2リフト量、リフトさせた場合に、可動子201が固定コア107に当接するように構成される。すなわち、燃料噴射弁100は、可動子201を電磁力により吸引する固定コア107を備えており、固定コア107の下端面107Bが可動子201の開弁方向(上流方向)の変位を規制する可動子変位規制部を構成する。なお、可動子変位規制部107Bは弁体101が第2リフト量にリフトされる状態で可動子201の開弁方向の変位を規制する。
That is, the
大リフト状態において、可動子201の開弁方向の変位は、可動子201の運動を規制する静止部材に当接することによって規制される。本実施例では、可動子201の運動を規制する静止部材は固定コア107である。一方、弁体101は、第1ばね110及び第2ばね141により、固定コア107に当接して静止した可動子201に押し付けられる。そのため、弁体101の挙動は安定し、安定した量の燃料を噴射することができる。
In the large lift state, the displacement of the
つまり、本実施例の燃料噴射弁100は、第1ばね110により閉弁方向に付勢される弁体101と、固定コア107に吸引されることで弁体101と係合して弁体101を開弁方向に押し上げる可動子201と、可動子201が固定コア107に吸引されて衝突(当接)する衝突部材(当接部材:基本的には固定コア)と、第2ばね141により付勢され、可動子201により第1ばね110の付勢力に抗して弁体101が第1リフト量、リフトした場合に衝突(当接)する係合部材(リフト規制部材)140と、を備え、閉弁した状態において、可動子201と衝突部材との間の距離が、弁体101と係合部材140との間の距離よりも大きく設定される。
That is, the
図5に示す大リフト状態から、コイル108への電流が遮断されると、可動子201に生じている磁束が消失する。そして磁気吸引力が弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffと第2ばね141による付勢力Fsとの合力よりも小さくなると、可動子201が下流方向(閉弁方向)へ変位する。可動子201が下流方向へ間隙g3’’の分だけ変位すると弁体101も下流方向へ間隙g3’’の分だけ変位し、係合部材140の段付き部140Aの下面140Bと第1調整子54の上端面54とBが当接し、ここで第2ばね141による付勢力Fsは可動子201に対して作用しなくなる。
When the current to the
可動子201が下流方向へ間隙g3’’の分だけ変位した後は、磁気吸引力が弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffとの合力により、さらに可動子201及び弁体101は下流方向へ変位し、その後、弁体101は弁座115と当接し、燃料噴射弁100は閉弁する。
After the
結果として、図7Bに示すように、弁体101は大リフト状態の弁変位406となる。
As a result, as shown in FIG. 7B, the
燃料噴射弁100に供給する電流により、弁体101の変位を大リフト状態と小リフト状態とに切り替え可能にするためには、図2の閉弁状態における間隙g1、間隙g2(第1リフト量)及び間隙g3の寸法関係は、大きい順にg3、g1、g2となるように設定する。
In order to switch the displacement of the
図6は、本発明の第一実施例に係る燃料噴射弁100の弁体101及び可動子201の挙動を並べて示す概略図である。
FIG. 6 is a schematic view showing the behavior of the
図6(a)は図2に、図6(b)は図3に、図6(c)は図4に、図6(d)は図5に、それぞれ対応した状態を示している。 6A shows a state corresponding to FIG. 2, FIG. 6B shows a state corresponding to FIG. 3, FIG. 6C shows a state corresponding to FIG. 4, and FIG. 6D shows a state corresponding to FIG.
このように弁体101を閉弁方向に付勢する第1ばね110と、第2ばね141と、係合部材140と、を備え、コイル108への駆動電流を変えることで、弁体101の変位を二段階に可変とすることができる。
As described above, the
さらに可動子201を一部材で構成し、弁体101を閉弁方向に付勢するばねを複数に分割し、弁体101のリフト量を第1リフト量に規制する係合部材140を設けた構成により、第1リフト状態における弁体101のリフト量を正確かつ安定した状態に維持することができる。
Further, the
[実施例2]
図8を用いて、本発明に係る第2実施例の構成について説明する。図8は、本発明の第二実施例に係る燃料噴射弁100の可動子201近傍の拡大図であり、コイル108が非通電の状態を示す断面図である。第1実施例と同様な構成には、第1実施例と同じ符号を付し、説明を省略する。なお、図8には図示していないが、弁体101は弁座部材102に設けられた弁座115に接触することで、閉弁状態となっている。
[Example 2]
The configuration of the second embodiment according to the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 8 is an enlarged view of the vicinity of the
本実施例では、係合部材140が設けられておらず、第1ばね(閉弁スプリング)110、第2ばね(係合部材付勢スプリング)141、間隔形成部材135、第1調整子54、及び第2調整子55の構成が第1実施例と異なる。以下の説明では、異なる構成を中心に説明し、同じ構成については説明を省略する。
In this embodiment, the
固定コア107の内周には、間隔形成部材135が圧入によって固定されている。間隔形成部材135は、第1調整子54及び第2調整子55に対して、可動子201側に配置されている。閉弁状態では、キャップ132の上端面132Dは、間隔形成部材135の上端面135Bに対して、間隙g2(第1リフト量)に相当する長さ寸法だけ低い位置(弁座115側)に配置されている。
An
本実施例では、係合部材140が設けられていないため、第2ばね141は係合部材140を付勢するスプリングではない。
In this embodiment, since the engaging
間隔形成部材135の上端面135Aには第2ばね141の着座面が形成され、第2ばね141の一端部(上端部)は間隔形成部材135の上端面135Aに支持されている。すなわち、第2ばね141は、弁体101側の端部における、弁体101側に向かう変位が間隔形成部材135により規制されている。第2ばね141の他端部(下端部)は燃料噴射弁100の本体側(本実施例では第2調整子55の下端面55A)に支持されている。
A seating surface of the
一方、第1ばね110の一端部(上端部)は第1調整子54の下端面54Aに支持され、第1ばね110の他端部(下端部)はキャップ132の上端面132Dに支持されている。
On the other hand, one end (upper end) of the
間隔形成部材135は、径方向中央部に、中心線100aに沿う方向に貫通する貫通孔135Bを有する。貫通孔135Bはキャップ132の配置スペース形成し、キャップ132は間隔形成部材135の内周側(径方向内側)に配置されている。この間隔形成部材135及びキャップ132の配置に関連して、第1ばね110は第2ばね141の内周側(径方向内側)に配置されている。
The space |
なお、このばね配置に関連して、第1ばね110及び第2ばね141は、共にコイルばねである。第1実施例も第2実施例と同様に、第1ばね110及び第2ばね141は、共にコイルばねで構成している。
In relation to this spring arrangement, both the
キャップ132の上端面132Dと間隔形成部材135の上端面135Bとの間隙g2が設けられていることにより、閉弁状態では、第2ばね141の下端部はキャップ132の上端面132Dに当接していない。すなわち、第2ばね141の下端部とキャップ132の上端面132Dとの間に、間隙g2(第1リフト量)に相当する隙間が存在する。
By providing a gap g2 between the
これにより弁体101は、閉弁状態からg2(第1リフト量)に相当する距離をリフトした場合に、第2ばね141の下端部に当接し、第1ばね110による閉弁方向の付勢力に加えて第2ばね141による閉弁方向の付勢力を受ける。
As a result, when the
なお本実施例では、第2調整子55の下端面55Aは、中心線100aに沿う方向において、第1調整子54の下端面54Aに対して、間隔形成部材135側に位置する。しかし、第2調整子55の下端面55Aは、第1調整子54の下端面54Aと同位置に配置されてもよいし、第1調整子54の下端面54Aに対して、間隔形成部材135側とは反対側に配置されてもよい。要は、閉弁スプリング(110の付勢力(セット荷重)と第2ばね141の付勢力(セット荷重)とが適切に設定されればよい。
In the present embodiment, the
また第1調整子54は、外周面に図示しない切り欠きが設けられており、この切り欠きを通じて燃料通路が第1調整子54の下流側に流れる。
Further, the
第1実施例及び第2実施例では、中心線100aに沿う方向の異なる2カ所で、弁体101の開閉弁方向における移動を案内する。2カ所の案内部は従来と同様に適宜設けることができる。本実施例では、2カ所の案内部のうち上流側に設けられる案内部を間隔形成部材135の内周面135Bで構成する。
In 1st Example and 2nd Example, the movement in the on-off valve direction of the
具体的に説明すると、弁体101は、弁体101側の第2ばね141の下端部に連結される部位に固定されたキャップ(キャップ部材)132を備える。そして間隔形成部材135は、キャップ132の鍔部132Aの外周と摺接し、中心線100aに沿う方向(開閉弁方向)におけるキャップ132の移動を案内する内周面135Bを有する。
More specifically, the
これにより、間隔形成部材135の内周面135Bは、弁体101の移動を案内する案内面となる。間隔形成部材135を弁体101の案内面とすることで、間隔形成部材135の材料として耐摩耗性に優れた材料を選択することができ、信頼性の高い燃料噴射弁100にすることができる。
Thereby, the inner
次に図8〜図11を用いて、コイル108に電流が印可された際の動作について説明する。
Next, the operation when a current is applied to the
図8はコイル108に通電がない状態(閉弁状態)を示している。この状態では、図示していないが、弁体101は第1ばね110による付勢力で閉弁方向に付勢され、弁体101の弁体シート部115は弁座部材102に設けられた弁座115に当接している。
FIG. 8 shows a state where the
キャップ132の上端面132Cと間隔形成部材135の上端面135Aとの間に間隙g2(第1リフト量)が存在する。
A gap g2 (first lift amount) exists between the upper end surface 132C of the
図9は、図8の状態からコイル108が通電状態となって、可動子201が開弁方向に動いて、可動子201の上端面201Aが弁体101の段付き部129の下面129Bと衝突した状態を示す断面図である。
In FIG. 9, the
図8の状態で、コイル108に図7Aの電流が通電されると、固定コア107、ヨーク109及び可動子201により構成される磁気回路に磁束が生じ、固定コア107と可動子201との間に磁気吸引力(電磁吸引力)が発生する。
In the state of FIG. 8, when the current of FIG. 7A is applied to the
図9の状態では、図8の状態から、弁体101の段付き部129の下面129Bと可動子201の上端面201Aとの間に予め設けられた間隙g1分だけ、可動子201が変位した状態を示す。この状態では、可動子201の上端面201Aと固定コア107の下端面との間には、間隙g3’(g3’=g3−g1)が存在する。
In the state of FIG. 9, the
図10は、図9の状態から更に可動子201が変位して、キャップ132の鍔部132Aの上端面132Dが第2ばね141衝突し、間隔形成部材135の上端面135Aがキャップ132の上端面132Dと同一面となった状態を示す断面図である。
In FIG. 10, the
図10の状態では、図9の状態からコイル108への通電を継続することにより、キャップ132の上端面132Dと間隔形成部材135の上端面135Bとの間に予め設けられた間隙g2(第1リフト量)分だけ、可動子201及び弁体101が変位する。すなわち、弁体101が第1リフト量g2分だけリフトした状態(小リフト状態、第1リフト状態)になる。
In the state of FIG. 10, by continuing energization to the
図10の状態では、キャップ132の上端面132Dが第2ばね141の下端部に接触し、弁体101が上流方向(開弁方向)へ向かう動きが規制される。
In the state of FIG. 10, the
小リフトの場合には、図10に示すように、弁体101は可動子201と一体となって間隙g2(第1リフト量)分だけ変位する(図7Aの弁体変位403)。この状態では、キャップ132の上端面132Dと間隔形成部材135の上端面135Aとは、中心線100aに沿う方向の位置が雄ねじになり、両端面135D,132Aは同一面となる。
In the case of a small lift, as shown in FIG. 10, the
弁体101は、弁体101あるいは可動子201の運動を規制する部材(本実施例では第2ばね141)に当接することによって軸方向の変位が規制される。これにより、弁体101のリフト量を安定させることができるため、安定した燃料量を噴射することができる。
The axial displacement of the
なお小リフトの場合、可動子201の上端面201Aと固定コア107の下端面との間には、間隙g3’’(g3’’=g3’−g2)が存在する。
In the case of a small lift, a gap g3 ″ (g3 ″ = g3′−g2) exists between the
図10の状態(小リフト状態)から、コイル108への電流を遮断すると、可動子201と固定コア107との間に生じている磁束が消失する。そして、磁気吸引力Faが、弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第1ばね110による付勢力Ffよりも小さくなると、可動子201は下流方向(閉弁方向)への変位を開始する。この動きに伴って弁体101は閉弁方向への変位を開始して弁座115と当接し、燃料噴射弁100が閉弁する。
When the current to the
図11は、図10の状態から更に可動子201が変位して、可動子201の上端部201Aが固定コア107の下端面107Bに衝突した状態を示す断面図である。
FIG. 11 is a cross-sectional view showing a state where the
図7Bに示す駆動電流を流すと、弁体101及び可動子201が間隙g2(第1リフト量)に相当する距離を移動した後、さらに間隙g3’’ に相当する距離を開弁方向に変位する。この変異により、可動子201の上端部201Aは固定コア107の下端面101Bに当接し、可動子201の上流方向(開弁方向)へ向かう動きが規制される。このときキャップ132の上端面132Cと間隔形成部材135の上端面135Aとの間には間隙g3’’が形成される。すなわち、キャップ132の上端面132Cは間隔形成部材135の上端面135Aから間隙g3’’に相当する長さ分、上流側に突出する。結果として、弁体101は、間隙g2(第1リフト量)と間隙g3’’ との和に相当する距離(第2リフト量)だけ変位して、大リフト状態となる。結果として、図7Bに示すように、弁体101は大リフト状態の弁変位406となる。
When the driving current shown in FIG. 7B is flowed, after the
大リフト状態においても、可動子201の開弁方向の変位は、可動子201の運動を規制する静止部材に当接することによって規制される。本実施例では、可動子201の運動を規制する静止部材は固定コア107である。一方、弁体101は、第1ばね110及び第2ばね141により、固定コア107に当接して静止した可動子201に押し付けられる。そのため、弁体101の挙動は安定し、安定した噴射量を供給することができる。
Even in the large lift state, the displacement of the
つまり、本実施例の燃料噴射弁100は、第1ばね110により閉弁方向に付勢される弁体101と、固定コア107に吸引されることで弁体101と係合して弁体101を開弁方向に押し上げる可動子201と、可動子201が固定コア107に吸引されて衝突(当接)する衝突部材(当接部材:基本は固定コア)と、可動子201により第1ばね110の付勢力に抗して弁体101が第1リフト量、リフトした場合に衝突(当接)する第2ばね141と、を備え、閉弁した状態において、可動子201と衝突部材との間の距離が、弁体101と第2ばね141との間の距離よりも大きく設定される。
That is, the
図11に示す大リフト状態から、コイル108への電流が遮断されると、可動子201に生じている磁束が消失する。そして磁気吸引力が弁体101に作用する流体による差圧力Fp、第1ばね110による付勢力Ff、及び第2ばね141による付勢力Fsの和(合力)よりも小さくなると、可動子201が下流方向へ変位する。弁体101及び可動子201が下流方向へ間隙g3’’の分だけ変位すると、キャップ132の上端面132Dと間隔形成部材135の上端面135Aとが同一面となり、ここで第2ばね141による付勢力Fsは弁体101及び可動子201に対して作用しなくなる。その後、弁体101及び可動子201は、弁体101に作用する流体による差圧力Fp、及び第1ばね110による付勢力Ffを受けて、下流方向(閉弁方向)に変位して弁座115に当接し、燃料噴射弁100が閉弁する。
When the current to the
本実施例においても、第1実施例と同様に、燃料噴射弁100に供給する電流により弁体101の変位を大リフト状態と小リフト状態とに切り替え可能にするために、間隙g1、間隙g2(第1リフト量)及び間隙g3の寸法関係は、大きい順にg3、g1、g2(第1リフト量)の順番となるように設定する。
Also in the present embodiment, as in the first embodiment, the gap g1 and the gap g2 are provided so that the displacement of the
図12は、本発明の第二実施例に係る燃料噴射弁100の弁体101、可動子201の挙動を並べて示す概略図である。
FIG. 12 is a schematic view showing the behavior of the
図12(a)は図8に、図12(b)は図9に、図12(c)は図10に、図12(d)は図11に、それぞれ対応した状態を示している。 FIG. 12A shows a state corresponding to FIG. 8, FIG. 12B shows a state corresponding to FIG. 9, FIG. 12C shows a state corresponding to FIG. 10, and FIG.
このように弁体101を閉弁方向に付勢する第1ばね110と第2ばね141とを備え、コイル108への駆動電流を変えることで、弁体101の変位を二段階に可変とすることができる。
As described above, the
本実施例では、第1実施例と同様に、協働して燃料通路の開閉を行う弁座115及び弁体101と、弁体101を開弁方向にリフトする可動子201と、弁体101を閉弁方向に付勢する第1ばね110と、第1ばね110の付勢力に抗して弁体101を第1リフト量g2だけリフトした場合に、弁体101に連結されて弁体101を閉弁方向に付勢する第2ばね141と、を備える。この場合、弁体101は、第1リフト量g2よりも大きな第2リフト量(g3−g1)にリフトされる際に、第1ばね110の付勢力に加えて第2ばね141の付勢力に抗してリフトされるように構成される。
In the present embodiment, similar to the first embodiment, the
さらに本実施例では、固定コア107の下端面107Bが可動子201の開弁方向(上流方向)の変位を規制する可動子変位規制部を構成する。閉弁時において、可動子201と可動子変位規制部107Bとの間の間隙の長さ(距離)g3は、弁体101の第2ばね141の側(第2ばね141)に連結される部位132Dと第2ばね141の側(第2ばね141)の弁体101に連結される部位(第2ばね141の下端部)との間に構成される間隙の長さ(距離)g2よりも大きく設定される。
Furthermore, in this embodiment, the
上述した第2実施例の構成において、第2ばね141及び第1ばね110はコイルばねで構成されている。第2ばね141は、第1ばね110の外周側に配置され、弁体101側の端部における、弁体101側に向かう変位が間隔形成部材135により規制されている。第2ばね141側の弁体101側に連結される部位は、第2ばね141の弁体101側の端部(下端部)である。弁体101側の第2ばね141側に連結される部位は、弁体101側の第2ばね141の前記端部に連結される部位132Dである。間隔形成部材135は、閉弁時に、第2ばね141の弁体101側の前記端部(下端部)と弁体101側の第2ばね141の前記端部に連結される部位132Dとの間に間隙g2を形成する。
In the configuration of the second embodiment described above, the
また、固定コア107の組付け前に弁体101を組付けると、組立途中に弁体101が各部と擦れ合うことで、燃料噴射弁100の内部に異物が発生するリスクが高まる場合がある。上述した各実施例では、固定コア107の組付け後に弁体101を組付けることができるため、異物が発生するリスクを低減することができる。
In addition, when the
上述した各実施例では、リフト量を小リフト状態と大リフト状態との2段階に変化させる例(2段リフト)を説明している。第1実施例における係合部材140及び第2ばね141や、第2実施例における間隔形成部材135及び第2ばね141をさらに多段に配置して、リフト量をさらに多段階に変化させるように構成してもよい。
In each of the above-described embodiments, an example (two-stage lift) in which the lift amount is changed in two stages of a small lift state and a large lift state is described. The
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。 In addition, this invention is not limited to each above-mentioned Example, Various modifications are included. For example, the above-described embodiments have been described in detail for easy understanding of the present invention, and are not necessarily limited to those having all the configurations. Further, a part of the configuration of one embodiment can be replaced with the configuration of another embodiment, and the configuration of another embodiment can be added to the configuration of one embodiment. Further, it is possible to add, delete, and replace other configurations for a part of the configuration of each embodiment.
54…第1調整子、55…第2調整子、101…弁体、102…弁座部材、107…固定コア、110…第1ばね(閉弁スプリング)、115…弁座、116…燃料噴射孔、132…キャップ、133…中間部材、141…第2ばね、103…第3ばね(中間スプリング)、204…第4ばね(ゼロスプリング)、112…燃料供給口、135…間隔形成部材、140…係合部材(付勢部材)、201…可動子。
54 ... 1st regulator, 55 ... 2nd regulator, 101 ... Valve body, 102 ... Valve seat member, 107 ... Fixed core, 110 ... 1st spring (valve closing spring), 115 ... Valve seat, 116 ...
Claims (12)
前記弁体を開弁方向にリフトする可動子と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する第1ばねと、
前記第1ばねの付勢力に抗して前記弁体を第1リフト量だけリフトした場合に、前記弁体に連結されて前記弁体を閉弁方向に付勢する第2ばねと、
を備え、
前記弁体は、前記第1リフト量よりも大きな第2リフト量にリフトされる際に、前記第1ばねの付勢力に加えて前記第2ばねの付勢力に抗してリフトされるように構成された燃料噴射弁。 A valve seat and a valve body that cooperate to open and close the fuel passage;
A mover for lifting the valve body in a valve opening direction;
A first spring that biases the valve body in a valve closing direction;
A second spring coupled to the valve body for biasing the valve body in a valve closing direction when the valve body is lifted by a first lift amount against the biasing force of the first spring;
With
The valve body is lifted against the biasing force of the second spring in addition to the biasing force of the first spring when the valve body is lifted to a second lift amount larger than the first lift amount. Configured fuel injection valve.
前記可動子の開弁方向の変位を規制する可動子変位規制部を備え、
閉弁時において、前記可動子と前記可動子変位規制部との間の間隙の長さが、前記弁体側の前記第2ばね側に連結される部位と前記第2ばね側の前記弁体側に連結される部位との間に構成される間隙の長さよりも大きく設定された燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 1, wherein
A mover displacement restricting portion for restricting displacement of the mover in the valve opening direction;
When the valve is closed, the length of the gap between the mover and the mover displacement restricting portion is set to a portion connected to the second spring side on the valve body side and to the valve body side on the second spring side. A fuel injection valve that is set larger than the length of the gap formed between the connected parts.
前記第2ばねにより閉弁方向に付勢され、前記弁体が第1リフト量だけリフトした場合に前記弁体と係合する係合部材と、
前記係合部材の閉弁方向の変位を規制する係合部材変位規制部と、
を備え、
前記第2ばね側の前記弁体側に連結される前記部位は前記係合部材に構成され、
前記第2ばねは前記係合部材を介して前記弁体に連結される燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 2,
An engagement member that is urged in the valve closing direction by the second spring and engages the valve body when the valve body is lifted by a first lift amount;
An engaging member displacement restricting portion for restricting displacement of the engaging member in the valve closing direction;
With
The portion connected to the valve body side on the second spring side is constituted by the engaging member,
The second spring is a fuel injection valve connected to the valve body via the engagement member.
前記第1ばねは、前記係合部材変位規制部に対して前記可動子側に配置され、
前記第2ばねは、前記係合部材変位規制部に対して前記可動子側とは反対側に配置され、
前記第1ばねと前記第2ばねとは、燃料噴射弁の中心線に沿う方向において同列に配置された燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 3,
The first spring is disposed on the movable element side with respect to the engagement member displacement restricting portion,
The second spring is disposed on the side opposite to the mover side with respect to the engagement member displacement restricting portion,
The first spring and the second spring are fuel injection valves arranged in the same row in a direction along a center line of the fuel injection valve.
前記第1ばねと前記第2ばねとは、同じ外径寸法のばねで構成されている燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 4, wherein
The fuel injection valve, wherein the first spring and the second spring are constituted by springs having the same outer diameter.
前記可動子を電磁力により吸引する固定コアを備え、
前記可動子変位規制部は前記固定コアにより構成されると共に、
前記可動子変位規制部は前記弁体が第2リフト量にリフトされる状態で前記可動子の開弁方向の変位を規制する燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 2,
A fixed core for attracting the mover by electromagnetic force;
The mover displacement restricting portion is constituted by the fixed core,
The movable element displacement restricting portion is a fuel injection valve that restricts displacement of the movable element in a valve opening direction in a state where the valve body is lifted to a second lift amount.
前記可動子と前記弁体とは異なる部材として構成され、
前記弁体は前記可動子に対して開閉弁方向に相対変位可能に構成されている燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 6, wherein
The movable element and the valve body are configured as different members,
The fuel injection valve is configured such that the valve body is relatively displaceable in the direction of the on-off valve with respect to the mover.
前記弁体は、
前記可動子に対して前記固定コア側で当接して前記可動子の前記固定コア側への相対変位を規制する段付き部と、
前記可動子の前記段付き部に当接する当接部と前記段付き部の前記可動子に当接する当接部との間に間隙を形成する中間部材と、
前記中間部材を閉弁方向に付勢する第3ばねと、
を備え、
前記中間部材及び前記第3ばねは、前記弁体に一体に組み付けられている燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 7,
The valve body is
A stepped portion that abuts on the fixed core side with respect to the mover and restricts relative displacement of the mover toward the fixed core;
An intermediate member that forms a gap between a contact portion that contacts the stepped portion of the mover and a contact portion that contacts the mover of the stepped portion;
A third spring that biases the intermediate member in the valve closing direction;
With
The fuel injection valve, wherein the intermediate member and the third spring are integrally assembled with the valve body.
前記可動子に対して前記固定コア側とは反対側に配置され、前記可動子を開弁方向に付勢する第4ばねを備え、
前記第1ばね、前記第2ばね、前記第3ばね、及び前記第4ばねは、コイルばねで構成されると共に、燃料噴射弁の中心線に沿う方向において同列に配置された燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 8,
A fourth spring disposed on the side opposite to the fixed core side with respect to the mover and biasing the mover in a valve opening direction;
The first spring, the second spring, the third spring, and the fourth spring are constituted by coil springs, and are fuel injection valves arranged in the same row in a direction along the center line of the fuel injection valve.
燃料噴射弁の中心線に沿う方向に貫通する貫通孔を有し前記可動子を電磁力により吸引する固定コアと、
前記第1ばねの付勢力を調整する第1調整子と、
前記第2ばねの付勢力を調整する第2調整子と、
を備え、
前記係合部材変位規制部は前記第1調整子に構成され、
前記弁体、前記第1ばね、前記第1調整子、前記係合部材、前記第2ばね、及び前記第2調整子は、前記固定コアの前記貫通孔の前記可動子側とは反対側の端部から、この順番に組み付け可能に構成れた燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 3,
A fixed core having a through-hole penetrating in the direction along the center line of the fuel injection valve, and attracting the mover by electromagnetic force;
A first adjuster for adjusting the biasing force of the first spring;
A second adjuster for adjusting the biasing force of the second spring;
With
The engagement member displacement restricting portion is configured in the first adjuster,
The valve body, the first spring, the first adjuster, the engagement member, the second spring, and the second adjuster are opposite to the mover side of the through hole of the fixed core. A fuel injection valve configured to be assembled in this order from the end.
前記第2ばね及び前記第1ばねはコイルばねで構成され、
前記第2ばねは、前記第1ばねの外周側に配置されると共に、前記弁体側の端部における、前記弁体側に向かう変位が間隔形成部材により規制されており、
前記第2ばね側の前記弁体側に連結される前記部位は、前記第2ばねの前記弁体側の前記端部であり、
前記弁体側の前記第2ばね側に連結される前記部位は、前記弁体側の前記第2ばねの前記端部に連結される部位であり、
前記間隔形成部材は、閉弁時に、前記第2ばねの前記弁体側の前記端部と前記弁体側の前記第2ばねの前記端部に連結される前記部位との間に間隙を形成する燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 2,
The second spring and the first spring are coil springs,
The second spring is disposed on the outer peripheral side of the first spring, and the displacement toward the valve body side at the end on the valve body side is restricted by the interval forming member,
The portion connected to the valve body side on the second spring side is the end portion on the valve body side of the second spring,
The part connected to the second spring side on the valve body side is a part connected to the end of the second spring on the valve body side,
The gap forming member forms a gap between the end of the second spring on the valve body side and the portion connected to the end of the second spring on the valve body when the valve is closed. Injection valve.
前記弁体は、前記弁体側の前記第2ばねの前記端部に連結される前記部位に固定されたキャップ部材を備え、
前記間隔形成部材は、開閉弁方向における前記キャップ部材の移動を案内する内周面を有する燃料噴射弁。 The fuel injection valve according to claim 11, wherein
The valve body includes a cap member fixed to the portion connected to the end of the second spring on the valve body side,
The said space | interval formation member is a fuel injection valve which has an internal peripheral surface which guides the movement of the said cap member in an on-off valve direction.
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