JP2019154403A - インゲンマメ属検出用プライマー及び検出方法 - Google Patents

インゲンマメ属検出用プライマー及び検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食品等の対象物から抽出したDNAを用いて、インゲンマメ属を迅速、簡便かつ高感度に検出可能な系を構築する。【解決手段】インゲンマメ属に特異的に反応するPCRプライマーを開発した。また、本PCRプライマーを用いて、PCR法による特定の増幅産物の検出結果からインゲンマメ属を特異的に検出することができる。特に、対象食品から抽出したDNAを利用してこれらのPCRプライマーを用いた検出結果からインゲンマメ属の存在を判断することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、食品等の対象物にインゲンマメ属植物が存在するかを迅速に判断するためのインゲンマメ属植物のDNAに特異的な配列を利用したPCRプライマー及び当該プライマーを利用したインゲンマメ属植物の検出方法に関するものである。
“インゲンマメ属”は加工食品によく用いられる植物の一つである。一方、近年“インゲンマメ属“の植物のアレルゲン性も示唆されており、食品原料や製品中に含まれている微量インゲンマメ属植物に対して、高感度に検出する簡便な手段が求められている。
このような観点から、微量のサンプル量であっても迅速に検査できる遺伝子を用いた検
査方法を利用できれば便利である。すなわち、対象物からDNAを抽出し、その遺伝子の配
列を調べる方法であれば、少ないサンプル量を用いて迅速に検査をすることができる。
一方、このような遺伝子の配列を調べる方法として例えば、特許文献1が開示されてい
る。特許文献1は内部転写スペーサー領域1(ITS1)又は内部転写スペーサー領域2(
ITS2)をターゲットとし、ITS1又はITS2の各々の両側に存在する領域の塩基
配列に基づいて設計された2つの植物ユニバーサルプライマーセットを構成し、そのプラ
イマーセットを用い、異物から調製したDNAを鋳型とした増幅反応を行っている。この
方法におけるサンプルの同定法は、増幅された核酸断片の塩基配列決定し、その塩基配列
より生物種を特定するものである。
特開2004-337069
上記特許文献1の方法によってインゲンマメ属植物を区別することはできる。しかし、この方法によっては塩基配列を決定するというステップが必要となるため煩雑さを伴う。更に、加工食品では複数の植物が混合されている場合が多く、コンタミネーションの影響から植物ユニバーサルプライマーセットでの配列決定は困難である。
また、上記のような目的を考えた場合、インゲンマメ属植物DNAに特異的なプライマーがあれば、当該プライマーを利用することで、増幅産物の有無によって迅速に検出することができる。一方、従来までインゲンマメ属植物をターゲットとするPCRプライマーは存在しなかった。
そこで、本発明者らは、対象物から抽出したDNAを用いて、インゲンマメ属植物に存在を確認できるように、インゲンマメ属について特異的遺伝子を高感度で検出することができるプライマー及びその検出方法を開発することを課題とした。
本発明者らは上記課題の解決のために、インゲンマメ属に対して特異的なプライマーを作成することを試みた。本発明者らは、まず、植物種の同定に汎用されるリブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ[ribulose 1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase]:rbcL領域をターゲットとして当該範囲特異的領域を検討した。しかし、近縁種との相同性が非常に高く、区別可能な領域が少なく、特異的領域を見出すことは困難であった。
一方、リボソームDNA(Ribosomal DNA; rDNA)のITS領域は生物種ごとに特異的な塩基配列を有しているため、品種による差別化を図りやすく、近縁種との区別が可能であった。そこで、本法では、変化に富むITS領域をターゲットとして、特定的なDNA領域を検討した結果、インゲンマメ属植物に特異的な領域を見出した。また、加工食品中でも検出可能な200bp付近の増幅産物が得られるプライマーを設計し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明者らはインゲンマメ属特異プライマーを作製した。そして、これらのプライマーを利用することでインゲンマメ属を検出できるような検出方法を構築することができた。
具体的には、本発明は、以下のPCRプライマー、PCRプライマーセット及びインゲンマメ属の検出方法を提供する。
項1.配列表の配列番号1における塩基番号14〜25の塩基配列を3´末端側に含む最大3
0塩基のDNAからなるPCRプライマー
項2.配列表の配列番号2における塩基番号13〜24の塩基配列を3´末端側に含む最大3
0塩基のDNAからなるPCRプライマー
項3. 請求項1記載のプライマーと請求項2記載のプライマーとからなるPCRプライマーセット。
項4.試料からDNAを抽出する工程と、このDNAを鋳型として、請求項3記載のプライマーセットを用いてPCRを行う工程と、増幅されたDNAを検出することにより試料中にインゲンマメが存在しているか否かを検出する工程とを含むインゲンマメ属の検出方法。
本発明のプライマーを用いてPCR検査することによりインゲンマメ属の存在を迅速に判断することができる。
本プライマーのインゲンマメ属植物への反応性を示した電気泳動図である。 本プライマーの検出限界を示した電気泳動図である。 市販加工食品中のインゲンマメ属由来DNAの検出結果を示す電気泳動図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
インゲンマメ属検出用プライマー
本発明のPCRプライマーセットは、インゲンマメ属に対して特徴的な塩基配列を有
する。ここで、インゲンマメ属(Phaseolus)とはマメ亜科に属する属の一つであり、インゲンマメ(P. vulgaris)、ベニバナインゲン(P. coccineus)、及びライマメ(P. lunatus)を含む。本発明は、これらのインゲンマメ属を対象とする。
尚、ライマメはシアン化合物を含むものが多いことから日本では一般に販売、流通することがないため、インゲンマメとベニバナインゲンマメを合わせて「インゲン」と総称する場合もある。
本プライマーセットを用いて、PCR法によってインゲンマメ属の特定領域を増幅させ、増幅されたDNA断片を、アガロースゲル電気泳動して、その電気泳動のパターンより特定のサイズのDNA断片を検出することで、インゲンマメ属由来のDNAの存在を判断することができる。
また、リアルタイムPCR装置であれば、ゲル電気泳動に加えて、増幅されたDNA断片の融解曲線分析によっても、インゲンマメ属由来のDNAの存在を判断することができる。
さらに、他生物種と交差、且つプライマーダイマーを形成しないようプライマー設計し
た。また、プライマーを併用する場合を考慮し、プライマー使用条件を一律に設定できる
ように設計した。
本発明が提供するプライマーの塩基配列は以下のとおりである。Sはセンスプライマー
を表し、ASはアンチセンスプライマーを表す。
配列番号1(インゲンマメ属S):CACCCCTTCATCCACACTGAACTAG
配列番号2(インゲンマメ属AS):GATAAGTCCGTTACGTCGGAGTCC
また、上記の各プライマーは、その5´末端側には任意の配列が付加されて全体として
最大30塩基のプライマーであってもよい。さらに、それぞれのプライマーについては、3
´端から12塩基が鋳型DNAとマッチしていれば検出が可能である。
そこで、本発明は、まず第1のプライマーとして、配列表の配列番号1における塩基番
号14〜25の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーを提案する。次に第2のプライマーとして、配列表の配列番号2における塩基番号13〜24の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーを提案する。また、これらのプライマーをセットで用いることが好ましい。これらのプライマーをセットで用いることで、インゲンマメ属を検出することができる。
インゲンマメ属の検出方法
・検査対象物
本検出方法における検査対象物は特に限定されないが、具体的には、食品又は異物等が
挙げられる。また、飲料等も可能である。具体的には、食品として生又は加熱した原材料
や加工食品等が挙げられる。また、本発明はPCR法を用いるため微量のDNAが存在すれ
ば検出可能である。従って微量の食品等があれば検出することができる。
・DNAの抽出工程
検査対象物からのDNAの抽出については試料の形態については特に限定されない。一般
的な公知のDNA抽出法(厚生労働省医薬局食品保健部長通知、アレルギー物質を含む食品
の検査方法について、平成14年11月06日、食発第1106001号)や市販の各種DNA抽出キット[例えば、Nucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kits(Amersham Bios
ciences Corp., USA)、DNA Extraction IsoplantII kit(Nippon Gene Co. Ltd., Japan
)、DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen GmbH, Hilden, Germany)等]によって、DNAの回収
が可能な試料であれば、上記の検出法に適用することができる。
・本プライマーセットを用いたPCR工程
本発明のインゲンマメ属検出方法は、試料からDNAを抽出する工程と、このDNAを鋳型として上記説明した本発明のプライマーセットを用いてPCRを行う工程と、増幅されたDNAを検出することにより試料中にインゲンマメ属が存在していたかどうかを確認できる。
PCR反応工程では、抽出されたDNAを鋳型として、インゲンマメ属検出用のプライマーセットを用いてPCRを行う。PCR装置としては、例えば、ブロックタイプ、キャピラリータイプの市販の装置を使用できる。また、キャピラリータイプのリアルタイムPCR装置を用いれば、増幅産物であるDNA断片の増加をリアルタイムでモニタリングすることができるため、インゲンマメ属DNAの存在の有無を迅速に確認することができる。
・増幅されたDNA断片の検出
PCR増幅産物であるDNA断片の有無の確認は、通常のPCR装置であれば、増幅産物をゲル
電気泳動することによって、また、リアルタイムPCR装置であれば、さらに、増幅産物の
融解曲線分析を行い、その分析からPCR増幅産物の融解温度(Tm)値を導くことにより
、PCR増幅産物が目的の増幅産物であるかどうかを確認できる。具体的には、本プライマーセットにより、インゲンマメ属のDNAが検出できる。各々の種に対するPCR増幅による理論DNA断片の大きさ及びTmは、概ね、以下の表1のようになる。
Figure 2019154403

上記のインゲンマメ属特異プライマーを用いてPCR工程を行えば、インゲンマメ属を特異的に識別・検出することができる。
以下に本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[試験例1]
─インゲンマメ属DNA検出用プライマーセットを用いた検出の確認─
インゲンマメ属に対するPCRプライマーの検出を確認するために以下の試験を行った。
・使用したインゲンマメ
次に示すインゲンマメの5種を用いた。
(1)つるありいんげん モロッコ(インゲンマメ)
(2)つるなしインゲン アーロン(インゲンマメ)
(3)つるありインゲン ケンタッキーワンダー(インゲンマメ)
(4)つるなしいんげん さつきみどり(インゲンマメ)
(5)白花豆(ベニバナインゲン)
・DNA抽出方法
試料とした上記のインゲンマメ属植物5種は市販の種子を購入した。これらの精製DNAは、各々の試料を発芽させ、組織の一部を70%エタノールで洗浄し、さらに、滅菌水で素早く洗浄後、マルチビーズショッカー(安井器械、大阪)で破砕した試料からDNeasy plant Mini kits(Qiagen GmbH, Germany)を用いて調製したものを使用した。上述したように準備した各種植物DNA量を測定後、滅菌水を用いて、DNAの濃度を1 ng/μLに調製した。尚、抽出時には、RNA分解酵素によるRNAの除去操作も実施した。
・PCRの反応条件
PCRに供与する2μLのDNA試料液を含む20μL容量の反応液は、タカラバイオ社のSYBR Premix Ex TaqTM (Tli RNaseH Plus)(Takara Bio Inc., Japan)を用いて調製した。反応液は、SYBR Premix Ex TaqTMをベースとし、250nMセンスプライマー、250nMアンチセンスプライマーを含む組成として、調製した。PCR反応は、LightCycler(Roche Diagnostics GmbH, Germany)で行い、増幅反応条件は以下の通りである。
95℃で1分間のサイクルを一回実施後、20℃/秒の速度で95℃まで昇温後、10秒間同温度で保温、次に20℃/秒の速度で62℃(アニーリング温度)まで降温後、20秒間同温度で保温、さらに10℃/秒の速度で72℃まで昇温後、20秒間同温度で保温する3つのステップからなる増幅サイクルを35回実施した。
PCR増幅産物は、SYBR Green I依存性の蛍光量として、各々のサイクルの最終ステップに記録した。増幅サイクル終了後、メルティングカーブは、20℃/秒の速度で97℃まで昇温後、次に20℃/秒の速度で60℃まで降温し、10秒間同温度で保温後、さらに0.2℃/秒の速度で97℃に至るまでのゆるやかな昇温中に、0.2秒毎の蛍光強度を記録することによって得た。同PCR装置のソフトウェアによってメルティングカーブから得られたPCR増幅産物のTm値は、PCRによる特異的な増幅産物の有無を推定するために使用した。さらに、3.0%(wt/vol)アガロースゲル電気泳動によってPCR増幅産物(反応液の5μL)を分離し、分離後のゲルをエチジウムブロマイドで染色後、UV照射下において増幅産物を視覚化することによって、増幅産物の有無を確認した。分子量マーカーとして100bp DNA Ladder(TOYOBO CO., Japan)を使用した。これらのPCRの結果を表2に記載した。表中の+(プラス)は電気泳動により標的サイズの増幅産物が検出されたことを示し、−(マイナス)は当該増幅産物が検出されなかったことを示す。また、電気泳動の結果を図1に示す。
尚、標的サイズの増幅産物の検出は、インゲンマメ属特異プライマーを使用した場合、200 bpの下の位置にバンドを確認すれば陽性とみなし、バンドがいずれの位置にも確認されない、もしくはその他の位置にバンドが確認された場合、陰性とみなした。
Figure 2019154403
<結果及び考察>
新規PCRプライマーは、インゲンマメ属5品種全てと反応し、インゲンマメ属のDNA増幅作用を有することが示された。
[試験例2]
─インゲンマメ属DNA検出用プライマーセットを用いたPCR分析の検出感度の確認─
インゲンマメ属に対するPCRプライマーの検出感度を確認するために以下の試験を行った。
・使用したDNA
試験例1で使用した、つるありいんげん モロッコ(インゲンマメ)を試験例1で示したDNAの抽出方法によって調製したものを利用した(DNAの濃度を1 ng/μLに調製したもの)。当該DNAをPCRに供与する2μLのDNAを利用した。当該DNA溶液を滅菌水で希釈し、約0.001pg/μl、約0.01pg/μl、約0.1pg/μl、約1pg/μl、約10pg/μl、約100pg/μl及び約1ng/μlのDNA溶液希釈液2μl をPCR分析に供試した。その他の試験条件は試験例1に示したものと同様である。結果を表3に示す。
<PCR条件>
95℃,1分-(95℃,10秒-62℃,20秒-72℃,20秒)x35サイクルで実施した。その他の試験条件は試験例1に示したものと同様である。
Figure 2019154403
<結果及び考察>
表中の+(プラス)は電気泳動により標的サイズの増幅産物が検出されたことを示し、−(マイナス)は当該増幅産物が検出されなかったことを示す。新規PCRプライマーの検出感度は、2pgDNA/分析であった。また、電気泳動の結果を図2に示す。
[試験例3]
─本発明のPCRプライマーの反応特異性の確認─
本発明のPCRプライマーがインゲンマメ属に特異的に反応し、他の生物種(インゲンマメ属以外の他の植物種及び動物種)には反応しないことを確認した。
・使用したDNA
ヒトの精製DNAは、セマイン社(CeMines, LLC, USA)から購入したものを使用した。
ウシ、ブタ、ニワトリ、マサバ、コウイカ、マダコの精製DNAは、商店から購入した各々の試料の(筋)肉質部分を凍結後、マルチビーズショッカー(安井器械、大阪)で破砕した試料からNucleon PhytoPure, plantand fungal DNA extraction kits(Amersham Biosciences Corp., USA)または、DNA Extraction IsoplantII kit(Nippon Gene Co. Ltd., Japan)を用いて調製したものを使用した。
コムギ及びコーンDNAは、バイオチェイン・インスティテュート社(BioChain Institute, Inc., USA)から購入したものを使用した。ソバの精製DNAは、商店から購入したそば粉をマルチビーズショッカーで、さらに粉砕した試料からNucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kitsを用いて調製したものを使用した。
エンドウ、ササゲ、緑豆、ソラマメ、ヒヨコマメ、レンズマメ、落花生、ネギ、タマネギ、イネ、ダイズ、ゴマ、ニンジン、ゴボウ、キャベツ、トウガラシ、ニラ、トマト、パクチー、パセリは商店から購入した。これらの精製DNAは、各々の試料の一部を70%エタノールで洗浄し、さらに、滅菌水で素早く洗浄後、マルチビーズショッカー(安井器械、大阪)で破砕した試料からDNeasy plant Mini kits(Qiagen GmbH, Germany)を用いて調製したものを使用した。バチルス・セレウス菌(Bacillus cereus ATCC 11950)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、及びフザリウム(Fusarium crookwellense)の精製DNAは、各々の菌株を適切な培地で培養後、その培養液からPuregene Yeast and Gram-Positive DNA Isolation kit(Gentra Systems Inc., USA)を用いて調製したものを使用した。なお、いずれの精製DNAもRNA分解酵素によるRNAの除去操作を実施してある。その他の試験条件は試験例1に示したものと同様である。結果を表4に示す。
<PCR条件>
95℃,1分-(95℃,10秒-62℃,20秒-72℃,20秒)x35サイクルで実施した。その他の試験条件は試験例1に示したものと同様である。
Figure 2019154403
<結果及び考察>
新規PCRプライマーは、インゲンマメ属以外の植物(マメ科植物を含む)、及びその他動物や細菌類等のDNAとは反応しなかったことから、インゲンマメ属植物に対する反応特異性を有することが示された。
[試験例4]
─インゲンマメ属DNA検出用プライマーセットを用いたPCR分析による市販加工食品中のインゲンマメ属由来DNAの検出─
インゲンマメ属を原材料として使用することを明記されている市販製品に対し、本発明のインゲンマメ属プライマーを用い、実際に検出することができるかどうかを確認するために実施試験を行った。
試料としては、インゲンマメ属植物を原料として使用することを明記されている市販乾燥食品、及び不使用の市販乾燥食品を準備し、各試料を全食粉砕した後、試験例1と同様にしてDNAを抽出後、DNA約10ng/μl溶液2μlを PCR分析に供試した。
尚、抽出時には、RNA分解酵素によるRNAの除去操作も実施した。また、供試試料としては、以下の商品を使用した。結果を表5に示す。
インゲンマメ含有商品
(1)カップヌードルチリトマトヌードル(日清食品株式会社)
(2)カップヌードルライトプラス ビーフと野菜のボルシチ(日清食品株式会社)
(3)日清カップヌードルリゾット チリトマト(日清食品株式会社)
(4)フレンチヌードル デミグラスソース風(日清食品株式会社)
(5)スープカレーワンタン(東洋水産株式会社)
インゲンマメを含まない商品
(6)カップヌードル(日清食品株式会社)
(7)日清のどん兵衛 天ぷらそば(日清食品株式会社)
(8)日清カレーメシ ビーフ(日清食品株式会社)
<PCR条件>
95℃,1分-(95℃,10秒-62℃,20秒-72℃,20秒)x35サイクルで実施した。その他の試験条件は試験例1に示したものと同様である。結果を表5に示す。
Figure 2019154403
<結果及び考察>
原材料としてインゲンマメ属が使用されている商品のみにおいて正確に検出することができた。また、電気泳動の結果を図3に示す。

Claims (4)

  1. 配列表の配列番号1における塩基番号14〜25の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩
    基のDNAからなるPCRプライマー
  2. 配列表の配列番号2における塩基番号13〜24の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩
    基のDNAからなるPCRプライマー
  3. 請求項1記載のプライマーと請求項2記載のプライマーとからなるPCRプライマーセット。
  4. 試料からDNAを抽出する工程と、このDNAを鋳型として、請求項3記載のプライマーセットを用いてPCRを行う工程と、増幅されたDNAを検出することにより試料中にインゲンマメ属が存在しているか否かを検出する工程とを含むインゲンマメ属の検出方法。
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