JP2019152228A - Lubrication structure of tolerance ring - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、トレランスリングの潤滑構造に関する。 The present invention relates to a lubricating structure for a tolerance ring.
特許文献1には、車両の動力伝達装置において、モータのロータシャフトと出力側回転軸との間に、トレランスリングを配置することが開示されている。このトレランスリングによって、ロータシャフトと出力側回転軸との間でガタによる歯打ち音の発生を抑制することができる。 Patent Document 1 discloses disposing a tolerance ring between a rotor shaft of a motor and an output-side rotation shaft in a vehicle power transmission device. With this tolerance ring, it is possible to suppress the occurrence of rattling noise caused by rattling between the rotor shaft and the output side rotating shaft.
上述したように、トレランスリングは二つの回転軸の間に挟まれているため、回転軸との接触面が周方向に摺動する。そのため、この摺動部分を油によって潤滑する必要がある。特許文献1に記載の構成では、トレランスリングに潤滑油を供給するための油路を、回転軸の内部に設け、その油路の供給口が回転軸の外周面に開口している。しかしながら、この構造では回転軸に精細な加工を施す必要が生じ、コストアップを招く虞がある。そこで、回転軸に供給口を設けない構造が考えられるものの、この構造では、回転軸の遠心力によって油が外周側に張り付いてしまい、トレランスリングの内周面側に潤滑油が供給され難くなってしまう。 As described above, since the tolerance ring is sandwiched between the two rotating shafts, the contact surface with the rotating shaft slides in the circumferential direction. Therefore, it is necessary to lubricate this sliding part with oil. In the configuration described in Patent Document 1, an oil passage for supplying lubricating oil to the tolerance ring is provided inside the rotating shaft, and a supply port of the oil passage is opened on the outer peripheral surface of the rotating shaft. However, with this structure, it is necessary to finely process the rotating shaft, which may increase the cost. Therefore, although a structure in which no supply port is provided on the rotating shaft is conceivable, in this structure, the oil sticks to the outer peripheral side due to the centrifugal force of the rotating shaft, and it is difficult for the lubricating oil to be supplied to the inner peripheral surface side of the tolerance ring. turn into.
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、簡易な構造で潤滑性能を向上させることができるトレランスリングの潤滑構造を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object thereof is to provide a lubrication structure for a tolerance ring that can improve the lubrication performance with a simple structure.
本発明は、ロータシャフトとギヤシャフトとの間に挿入されたトレランスリングの潤滑構造であって、トレランスリングの内周面とギヤシャフトの外周面とが摺動する摺動部は、ロータシャフトの内周部とギヤシャフトの外周部とがスプライン嵌合する嵌合部よりも径方向外側に位置し、トレランスリングは、摺動部から嵌合部側に延びている突出部を有し、突出部は、ロータシャフトとギヤシャフトとの隙間によって形成される油路上に配置され、その内周面が油路を遮蔽することを特徴とする。 The present invention is a lubrication structure of a tolerance ring inserted between a rotor shaft and a gear shaft, and a sliding portion on which the inner peripheral surface of the tolerance ring and the outer peripheral surface of the gear shaft slide is provided on the rotor shaft. The inner peripheral portion and the outer peripheral portion of the gear shaft are located radially outside the fitting portion where the spline is fitted, and the tolerance ring has a protruding portion that extends from the sliding portion to the fitting portion side, and protrudes. The portion is disposed on an oil passage formed by a gap between the rotor shaft and the gear shaft, and an inner peripheral surface thereof shields the oil passage.
本発明では、トレランスリングとギヤシャフトとの摺動部がロータシャフトとギヤシャフトとの嵌合部よりも径方向外側に位置し、トレランスリングのうち摺動部から嵌合部側に延びる突出部が油路を遮蔽している。これにより、油路を嵌合部側からトレランスリング側に向けて流れる油が遠心力によって油路の外周側に張り付いた場合でも、油路を遮蔽するトレランスリングの突出部によって、油を摺動部に導くことができる。その結果、摺動部での潤滑性能を向上させることができる。 In the present invention, the sliding part between the tolerance ring and the gear shaft is located radially outside the fitting part between the rotor shaft and the gear shaft, and the protruding part extends from the sliding part to the fitting part side of the tolerance ring. Is blocking the oil passage. As a result, even when oil flowing from the fitting portion side toward the tolerance ring side sticks to the outer periphery side of the oil passage due to centrifugal force, the oil is slid by the protruding portion of the tolerance ring that shields the oil passage. It can be led to the moving part. As a result, the lubrication performance at the sliding portion can be improved.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるトレランスリングの潤滑構造について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。 Hereinafter, a lubricating structure for a tolerance ring in an embodiment of the present invention will be specifically described with reference to the drawings. Note that the present invention is not limited to the embodiments described below.
図1は、実施形態のトレランスリングの潤滑構造を示す断面図である。図2は、トレランスリングの潤滑構造を説明するための拡大断面図である。なお、本実施形態は、車両の動力伝達装置100に適用されるトレランスリング10の潤滑構造である。
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a lubrication structure of a tolerance ring according to an embodiment. FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view for explaining the lubrication structure of the tolerance ring. The present embodiment is a lubrication structure of the
本実施形態で対象とする車両は、動力源としてエンジンおよびモータ・ジェネレータMGを備えるハイブリッド車両である。図1に示すように、車両の動力伝達装置100において、ロータシャフト20とギヤシャフト30との間に、トレランスリング10が配置されている。トレランスリング10は、ギヤシャフト30に取り付けられた状態でロータシャフト20の内部に挿入されている。モータ・ジェネレータMGから出力されるトルクは、ロータシャフト20から出力側の回転軸であるギヤシャフト30に伝達される。なお、図1に示す一点鎖線RCは、動力伝達装置100を構成する回転部材の回転中心軸線を表す。
The target vehicle in the present embodiment is a hybrid vehicle including an engine and a motor / generator MG as power sources. As shown in FIG. 1, a
トレランスリング10は、略円環状に形成されている基部11と、基部11から径方向外側に向かって隆起する隆起部12とを有する。
The
基部11は、周方向の一部に設けられた切欠によって弾性変形することが可能であり、ギヤシャフト30に予め嵌め付けることができる。基部11には、周方向に沿って連続的に形成された円筒状の内周面として、隆起部12の軸方向両側でギヤシャフト30の外周面30aと接触する内周面11a,11bと、外周面30aとは非接触の内周面11cとが含まれる。内周面11a,11bは、外周面30a上を摺動する摺動面である。内周面11cは、ロータシャフト20の内周面20aとギヤシャフト30の外周面30aとの隙間(径方向隙間)によって形成される油路40上で、油路40を流れる油を堰き止める面となる。
The
隆起部12は、基部11の軸方向中央に配置されており、ロータシャフト20の内周面20aに当接している。この隆起部12は、周方向で等間隔に複数配置されており、周方向で隣り合う隆起部12の間に平坦部が形成されている。例えば、隆起部12は軸方向から見てそれぞれ台形状に形成されている。
The raised
また、ロータシャフト20の内周部とギヤシャフト30の外周部とがスプライン嵌合している。ロータシャフト20は中空軸であり、その内周部には内周スプライン歯21が設けられている。ギヤシャフト30は、一方端側がロータシャフト20の内部に挿入された中空軸であり、その外周部には外周スプライン歯31が設けられている。外周スプライン歯31と内周スプライン歯21とが噛み合う部分が嵌合部(スプライン嵌合部)50となる。嵌合部50は、ルーズ嵌合であり、潤滑油が流動可能な隙間を有する。この嵌合部50の隙間は、油路40の一部に含まれる。
Further, the inner peripheral portion of the
また、ロータシャフト20は、モータ・ジェネレータMGのロータ22と一体回転する入力側の回転軸であり、軸受61を介してケース70に対して回転自在に支持されている。軸受61は、ロータシャフト20の外周部に嵌合する内輪61aと、ケース70に嵌合する外輪61bとを有する転がり軸受により構成される。
The
ギヤシャフト30は、図示しないギヤと一体回転する出力側の回転軸であり、軸受62を介してケース70に対して回転自在に支持されている。軸受62は、ギヤシャフト30の外周部に嵌合する内輪62aと、ケース70に嵌合する外輪62bとを有する転がり軸受により構成される。
The
例えば、トレランスリング10は金属製の弾性材料から構成される。このトレランスリング10が組付け後にロータシャフト20とギヤシャフト30との間で径方向に圧縮変形させられることで、ギヤシャフト30とトレランスリング10との接触面、およびロータシャフト20とトレランスリング10との接触面との間で、互いの面を垂直に押圧する押圧力が発生する。この押圧力と、接触面の間の摩擦係数とに基づいて周方向の摩擦抵抗が発生するため、トレランスリング10によってロータシャフト20とギヤシャフト30とが周方向で互いにガタつくことなく保持される。これにより、嵌合部50においてガタが詰まらない状態であっても、トレランスリング10によって、ロータシャフト20とギヤシャフト30とがガタつくことなく保持されるため、嵌合部50で発生する歯打ち音が抑制される。
For example, the
ギヤシャフト30とトレランスリング10との接触面には、内周面11aと外周面30aとが摺動する第1の摺動部80Aと、内周面11bと外周面30aとが摺動する第2の摺動部80Bとが含まれる。第1の摺動部80Aは、隆起部12よりも嵌合部50側に位置し、第2の摺動部80Bは、隆起部12に対して嵌合部50とは反対側に位置する。各摺動部80A,80Bでは、所定幅(所定軸方向長さ)の範囲で内周面11a,11bがギヤシャフト30の外周面30aと面接触し、周方向に摺動するため、潤滑油による潤滑が必要な部分(潤滑必要部)となる。本実施形態では、図1および図2に示すように、第1および第2の摺動部80A,80Bは、ロータシャフト20とギヤシャフト30との嵌合部50よりも径方向外側に位置している。例えば、ロータシャフト20の内周面20aには、内周スプライン歯21の歯底部分21aよりも径方向外側の位置に、段差部23が設けられている。
On the contact surface between the
段差部23は、径方向位置が各摺動部80A,80Bの径方向位置を跨ぐ位置に設けられ、所定の径方向長さ(段差)に形成されている。内周面20aは各摺動部80A,80Bよりも径方向内側の部分(小径部分)と各摺動部80A,80Bよりも径方向外側の部分(大径部分)とが段差部23を介して繋がっている。また、段差部23の軸方向位置は第1の摺動部80Aよりも嵌合部50側である。
The
さらに、トレランスリング10は、基部11が第1の摺動部80Aよりも嵌合部50側に延びている突出部13を有する。突出部13は、基部11の軸方向一方側の端部を含み、油路40の空間を径方向の外側と内側とに遮る位置に配置される。図1および図2に示すように、突出部13の軸方向一方側の端部は、ロータシャフト20の段差部23に接触している。そして、突出部13の内周面は上述した内周面11cであり、油路40上で油路40の径方向内側の空間を遮蔽している。これにより、突出部13は、油路40内を嵌合部50側からトレランスリング10側に流れる潤滑油がトレランスリング10の内周面側の潤滑必要部(各摺動部80A,80B)に供給されることを促進する機能を発揮する。
Further, the
ここで、油路40内での潤滑油の流れについて説明する。一例として、油路40内を嵌合部50側からトレランスリング10側に油が流れる場合を説明する。嵌合部50がルーズ嵌合であるため、その隙間が油路40の一部を形成する。この油路40内を嵌合部50側からトレランスリング10側に流れる油は、遠心力によって径方向外側に移動してロータシャフト20の内周面20aに張り付く。そして、油路40上には、トレランスリング10の突出部13が、第1の摺動部80Aから嵌合部50側に突出して、油路40を流れる油を遮る位置に設けられている。この突出部13の内周面11cが油路40の径方向内側の空間を遮蔽している。さらに、嵌合部50よりも径方向外側に各摺動部80A,80Bが配置されている。そのため、嵌合部50側から供給される油が、突出部13の内周面11cに沿って軸方向に流れるため、第1の摺動部80Aに向けて導入される。そして、第1の摺動部80Aに供給された油は、軸方向で反対側の第2の摺動部80Bにも供給される。このようにして、トレランスリング10とギヤシャフト30とが摺動する各摺動部80A,80Bに潤滑油が供給される。そして、各摺動部80A,80Bに供給された油は、軸方向で他方端側から流出して、ロータシャフト20の先端部20b側の隙間から径方向外側に向けて流れる。
Here, the flow of the lubricating oil in the
以上説明した通り、実施形態によれば、ロータシャフト20とギヤシャフト30との間にトレランスリング10が挿入された構造について、各摺動部80A,80Bが嵌合部50よりも径方向外側に位置し、突出部13が油路40上を遮蔽しているため、油路40内を流れる油を突出部13の内周面11cによって各摺動部80A,80Bに導くことができる。これにより、簡易な構造でトレランスリング10の潤滑性能を向上させることができる。
As described above, according to the embodiment, in the structure in which the
また、トレランスリング10を適用可能な車両例は、上述したモータ・ジェネレータMGを第2のモータ・ジェネレータ(MG2)とする車両を含む。また、動力伝達装置100は、ギヤシャフト30が図示しない自動変速機の入力軸として機能する構成であってもよい。
Further, examples of vehicles to which the
10 トレランスリング
11 基部
11a,11b,11c 内周面
12 隆起部
20 ロータシャフト
20a 内周面
21 内周スプライン歯
21a 歯底部分
23 段差部
30 ギヤシャフト
30a 外周面
31 外周スプライン歯
40 油路
50 嵌合部(スプライン嵌合部)
80A,80B 摺動部
100 動力伝達装置
DESCRIPTION OF
80A,
Claims (1)
前記トレランスリングの内周面と前記ギヤシャフトの外周面とが摺動する摺動部は、前記ロータシャフトの内周部と前記ギヤシャフトの外周部とがスプライン嵌合する嵌合部よりも径方向外側に位置し、
前記トレランスリングは、前記摺動部から前記嵌合部側に延びている突出部を有し、
前記突出部は、前記ロータシャフトと前記ギヤシャフトとの隙間によって形成される油路上に配置され、その内周面が前記油路を遮蔽する
ことを特徴とするトレランスリングの潤滑構造。 A lubrication structure of a tolerance ring inserted between the rotor shaft and the gear shaft,
The sliding portion where the inner peripheral surface of the tolerance ring and the outer peripheral surface of the gear shaft slide is larger in diameter than the fitting portion where the inner peripheral portion of the rotor shaft and the outer peripheral portion of the gear shaft are spline-fitted. Located outside the direction,
The tolerance ring has a protruding portion extending from the sliding portion toward the fitting portion,
The lubricating structure for a tolerance ring, wherein the protrusion is disposed on an oil passage formed by a gap between the rotor shaft and the gear shaft, and an inner peripheral surface thereof shields the oil passage.
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