JP2019150808A - 集塵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力損失の上昇を防ぎながら直径1μm以下の粉塵を高い集塵効率で集塵することができ、また、構造が簡単で、常に新品同様の集塵効率を維持することができる集塵装置を提供する。【解決手段】上流側から順に空気流入口2と、水供給部6と、複数の孔を有する孔開き板12と前記孔開き板の下流側に設けた衝突板13の一組で構成された慣性集塵体7による集塵部3と、空気流出口4とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、水滴を用いて空気中の粉塵を取り除く集塵装置に関するものである。
空気中の粉塵を慣性力で捕集し、粒子径の大きさごとに分級することが可能な分析用粉塵分級集塵装置として、特許文献1の第12図が示すアンダーセンサンプラーがよく知られている。以下、そのアンダーセンサンプラーについて説明する。
図39に示すようにアンダーセンサンプラー101は上流側から順に空気流入口102、慣性集塵体106を複数積層して形成される集塵部103、空気流出口104で構成される。空気流出口104の下流側には送風機105が接続されており、空気は空気流入口102から入って集塵部103を通過し、空気流出口104から排出される。慣性集塵体106は孔開き板107とその下流側に設けられた衝突板109の一組で構成される。空気は孔開き板107に複数設けられた孔108を通過して衝突板109に当たって曲がるが、空気が曲がる時に空気中の粉塵が自身の重量に起因する慣性力を受けて空気の流線からずれて衝突板109に付着し、集塵される。
粉塵が衝突板109に付着して集塵されるかどうかは慣性力および粉塵の大きさに相関を持つ空気抵抗力とのつりあいから流線とどれだけずれるかを計算することで求めることができる。具体的には孔108の径の大きさ、空気が孔108を通過する速度、粉塵の直径および密度で決まり、日本工業標準調査会の定めるJISK0302に記載されるように、1μm以下の粉塵において50%集塵される粉塵の直径は以下の式で求められる。
Dp50=−1.26×λ+√(1.58×λ^2+((1.08×π×N×Ψ50×Dc×(172+0.4×θ)×0.1)/(4×Q)))
ただし、λ^2はλのべき乗を示す。
また、各記号は以下に示す。
Dp50:その粉塵が50%集塵される直径(μm)
θ:温度(℃)
λ:粉塵の平均自由行程(μm)、以下の式で計算できる。
λ=0.000021×(172+0.4×θ)×√(273+θ)
N:孔開き板107における孔108の数(個)
Ψ50:50%集塵される粉塵の直径に対する慣性パラメータ(孔が円形の場合、0.14)
Dc:孔108の直径(mm)
Q:空気の流量(L/min)
アンダーセンサンプラー101はカスケードインパクターとも呼ばれ、孔108の径の大きい、もしくは孔108の数の多い孔開き板107を有する慣性集塵体106を上流側に置き、それよりも下流側に孔108の径の小さい、もしくは孔108の数の少ない孔開き板107を有する慣性集塵体106を置くことで上流側から順に直径の大きい粉塵を集塵し、衝突板109の上に集めることができる。したがって各慣性集塵体106の衝突板109の上に直径ごとに分けられた粉塵が集塵され、衝突板109の重量増分を調べることで空気中に存在する粉塵の直径の分布を調べることができる。また、衝突板109の上に集められた各直径の粉塵の形状を顕微鏡で観察することができる。また、各衝突板109の上に集められた粉塵の組成を分析することで、各直径の粉塵がどこからやってきたかの由来や、人間が吸込んで気管支よりも奥に入り込む可能性のある直径を有する粉塵が健康に与える影響を知ることができるなど、空気中の粉塵を調べる装置として有益に用いられている。
また、一般的なため特に先行文献を挙げないが、直径1μm以下の微粒子を高い集塵効率で集塵する装置として直径数μm以下の繊維を積層してシート状にしたろ過シートを用いた繊維層フィルタや、コロナ放電を用いた荷電部で微粒子を帯電し、帯電した粒子を0Vおよび高電圧が印加された電極板を交互に積層した集塵部で捕集する電気集塵装置の2つが挙げられる。
直径1μm以下の粉塵は力学的挙動が空気分子に近くて空気と同じように動くため空気から取り除くことが困難であり、高い集塵効率で集塵することが可能な主な集塵装置は、逆に言えば上記2つ以外に現状存在しない。そして直径1μm以下の粉塵は気管支を通り越して肺まで吸込まれ、人の健康に大きな影響を及ぼすため、直径1μm以下の粉塵を集塵できる集塵装置は人の健康を守る装置として非常に重要である。
特開2009−25191号公報(第12図)
特許文献1に記載されたアンダーセンサンプラーを集塵装置として見てみると、最下流側に設置した孔開き板の孔の直径は0.25mmで、孔を通過する空気の速度は44.5m/sであり、この値から算出されるDp50は0.43μmである。すなわち直径0.43μmの粉塵の集塵効率は50%であり、もし粉塵の大きさがそれよりも小さい0.3μmなどであれば集塵効率は30%以下とさらに小さくなる。したがってアンダーセンサンプラーは1μm以下の小さな粉塵を集塵する性能が低い、すなわち直径1μm以下の粉塵を高い集塵効率で集塵できないという課題を有する。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、直径1μm以下の粉塵を高い集塵効率で集塵することができ集塵装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、上流側から順に空気流入口と、水供給部と、複数の孔を有する孔開き板と前記孔開き板の下流側に設けた衝突板の一組で構成された慣性集塵体による集塵部と、空気流出口とを備えた集塵装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、直径1μm以下の粉塵を高い集塵効率で集塵することができ、また、構造が簡単で、長期に渡り初期の集塵効率を維持することができる集塵装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1の集塵装置の斜視図 同実施の形態1の集塵装置の斜視断面図 同実施の形態1の集塵装置の側面断面図 同実施の形態1の慣性集塵体の斜視断面図 同実施の形態1の孔開き体の斜視図 同実施の形態1の衝突板の斜視図 同実施の形態1の別の形状の衝突板の斜視図 同実施の形態1の貯水部の斜視図 同実施の形態1の水供給部の斜視図 同実施の形態1の水滴の直径の分布を示す図 同実施の形態1の試作機1、2、3、4の性能を示す図 同実施の形態1の試作機5、6、7の性能を示す図 同実施の形態1の試作機1〜7の性能指数を示す図 同実施の形態1の試作機2の衝突距離ごとの性能を示す図 同実施の形態1の試作機2の衝突距離ごとの性能指数を示す図 本発明の実施の形態2の集塵装置の斜視断面図 同実施の形態2の集塵装置の側面断面図 同実施の形態2の荷電部の斜視断面図 同実施の形態2の対向電極部の斜視図 同実施の形態2の放電電極部の斜視図 同実施の形態2の試作機8のコロナ放電あり(放電電流10μA)、なし(放電電流0μA)の性能を示す図 同実施の形態2の試作機8のコロナ放電あり(放電電流10μA)、なし(放電電流0μA)の性能を示す図 本発明の実施の形態3の集塵装置の斜視断面図 同実施の形態3の集塵装置の側面断面図 同実施の形態3の集塵部を俯瞰する断面図 同実施の形態3の各層の孔開き体の孔径と孔数と孔内速度を示す図 同実施の形態3の試作機9の水滴濃度ごとの性能を示す図 同実施の形態3の試作機9の水滴濃度ごとの性能を示す図 同実施の形態3の試作機9の集塵効率と圧力損失の時間変化を示す図 本発明の実施の形態4の集塵装置の斜視断面図 同実施の形態4の集塵装置の側面断面図 同実施の形態4の最下流に位置する慣性集塵体の斜視断面図 同実施の形態4の試作機10の水滴濃度ごとの性能を示す図 同実施の形態4の試作機10の水滴濃度ごとの性能を示す図 本発明の実施の形態5の集塵装置の斜視断面図 同実施の形態5の集塵装置の側面断面図 同実施の形態5の試作機11の水投入量ごとの性能を示す図 同実施の形態5の試作機11の水投入量ごとの性能を示す図 従来のアンダーセンサンプラーの斜視断面図
本発明の請求項1に係る集塵装置は、気流の上流側から順に空気流入口と、水供給部と、複数の孔を有する孔開き板と前記孔開き板の下流側に設けた衝突板の少なくとも一組で構成された慣性集塵体による集塵部と、空気流出口とを備えたものである。
これにより、粉塵を水供給部もしくは孔の中で水と結合させて、孔を飛び出した後で慣性力によって衝突板に集めることが可能となる。そのため慣性力のみでは元来は不可能な、1μm以下の微細な粉塵を高い集塵効率と低い圧力損失で集塵することができる。
また、請求項2に係る集塵装置は、前記慣性集塵体の孔開き板と衝突板との距離が10mm以下であるものである。
これにより、結合した粉塵と水とを衝突板に衝突させ、1μm以下の粉塵を高い集塵効率で集塵することが可能となる。
また、請求項3に係る形態の集塵装置は、前記集塵部が前記慣性集塵体を複数組積層して構成されるものである。
これにより、積層した慣性集塵体ごとに粉塵と水との結合効果を得ることができ、1μm以下の微細な粉塵をより高い集塵効率で集塵することができる。更に言えば水によって孔が少し塞がれて圧力損失の上昇が起き、同時に高い集塵効率が得られるが、上流側に位置する慣性集塵体によって水による孔塞ぎ作用を最小限に抑えることで圧力損失の上昇を最小限に押さえながら更に高い集塵効率を長い時間に渡り得たい時に有用な方法となる。
また、請求項4に係る形態の集塵装置は、前記水供給部として、水が貯められた超音波振動槽の底に超音波素子を備え、前記超音波素子を振動させて水面から水滴を発生させる装置を備えたものである。
これにより、孔の中もしくは孔を飛び出した後に粉塵と水とを高い割合で結合させることができ、そのためより高い集塵効率で1μm以下の微細な粉塵を集塵することができる。
また、請求項5に係る形態の集塵装置は、前記水供給部の供給する水滴の直径が1μm以上かつ10μm以下、もしくは4μm付近であるものである。
これにより、粉塵と結合しやすい水滴を高濃度で発生させることができ、高い集塵効率で1μm以下の微細な粉塵を集塵することができる。
また、請求項6に係る形態の集塵装置は、前記集塵部の上流側に放電電極と対向電極からなり、コロナ放電を起こす荷電部を備えたものである。
これにより、気流の影響を受けて垂直下方向から水平方向に曲がる粉塵および水滴に対して、垂直下方向への慣性力に加えて垂直下方向へのクーロン力を働かせることが可能となる。それにより、さらに高い集塵効率で1μm以下の微細な粉塵を集塵することができる。もしくはより大きな孔を用いながら高い集塵効率で1μm以下の微細な粉塵を集塵できるようになり、圧力損失を下げることが可能となる。
また、請求項7に係る形態の集塵装置は、コロナ放電を起こす荷電部を備え、前記荷電部は、少なくとも前記集塵部の最下流側の慣性集塵体において、孔開き板の表面に孔開き板導電層を設けて高電圧を印加し、該孔開き板導電層の下流側に位置する衝突板に0kVを印加するものである。
これにより、垂直下方向から水平方向に曲がる粉塵および水滴に対してより大きなクーロン力を働かせることが可能となり、さらに高い集塵効率で1μm以下の微細な粉塵を集塵することができる。
また、請求項8に係る集塵装置は、前記慣性集塵体の孔開き板と衝突板との距離が2.8mmであるものである。
これにより、慣性集塵体の孔開き板と衝突板との間で垂直下方向から水平方向に曲がる粉塵および水滴に対してより大きなクーロン力を働かせることが可能となり、さらに高い集塵効率で1μm以下の微細な粉塵を集塵することができる。
また、請求項9に係る形態の集塵装置は、前記水供給部が前記集塵部の上流側に水を供給する給水ノズルからなるものである。
これにより、より簡単な方法で粉塵と水滴とを結合させることができ、高い集塵効率で1μm以下の微細な粉塵を集塵する効果を長い時間持続することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図中の実線の矢印Aは空気の流れを、点線の矢印Wは水の流れを示す。図1、図2および図3に示すように、本実施の形態の集塵装置1は、上流側から順に空気流入口2、水供給部6、集塵部3、貯水部8、空気流出口4で構成されている。集塵部3と貯水部8、集塵部3と水供給部6との接合部分にはそれぞれゴムパッキン19が設けられており、接合部分での外からの空気の流入を防いでいる。空気流出口4には送風機5が接続されており、空気は空気流入口2から入って水供給部6、集塵部3を通り、空気流出口4から出ていく。
図4に示す集塵部3は、慣性集塵体7によって構成される。したがって本実施の形態においては集塵部3と慣性集塵体7は同一である。慣性集塵体7は孔開き板12を有する孔開き体20と、その下流側に設けた衝突板13とで構成される。図5に示すように孔開き板12には複数の孔18が設けられている。粉塵を含んだ空気は、図4に示すように孔18の中を通過して垂直下方向に進んだ後に衝突板13に当たり、水平方向に進路を変える。衝突板13に当たって曲がり、垂直下方向から水平方向に進路を変える時、粉塵は曲がりの遠心方向に慣性力を受け、空気の流線から遠心方向にずれ、垂直下方向の衝突板13に当たって付着し、集塵される。
図8に示すように、貯水部8の縁には衝突板固定台21が設けられている。衝突板13は貯水部8に設けられた衝突板固定台21の上に設置される。衝突板固定台21の上部には突起が設けられており、置いた衝突板13が水平方向に動かないようになっている。衝突板固定台21によって衝突板13と貯水部8の縁との間には均一な隙間が生じ、この隙間を通過して空気は下流側へと流れる。
また、図6に示すように、衝突板13は孔開き体20にちょうどはまる大きさの位置固定爪22を有しており、衝突板固定台21上部の突起だけでなく位置固定爪22によっても水平方向に動かないように衝突板13は固定されている。
衝突板13は上に位置する孔18を通過して垂直下方向に進む空気の衝突を受けるのであれば形状に制限はなく、図7に示すように孔と重ならない位置に衝突板スリット23を有する形状のものでもよい。
図9に示すように、水供給部6は、給水ノズル16と、給水ノズル16から出てくる水を受ける超音波振動槽24、超音波振動槽24の底部に設けられた超音波振動子26、上から見て超音波振動槽24を中央に固定する4本の振動槽支持足27で構成される。送水ポンプ9は任意時間、任意のタイミングで吸水管14を通じて貯水部8に貯められた貯水部水15を吸い上げ、送水管10を通じて給水ノズル16へと水を送る。送られた水は給水ノズル16から出て、振動槽水25として超音波振動槽24に貯められる。
振動槽水25は一定量貯められており、その水面は超音波振動子26から一定の距離を維持する。超音波振動子26が数MHzの周波数で振動すると振動槽水25の水面から水柱が立ち、同時に水滴17が発生する。
空気流入口2から入った空気の中に、水供給部6から発生した水滴17は均一に分布し、空気と一緒になって集塵部3を通過する。すなわち孔開き板12の有する孔18を空気中の粉塵と水滴が一緒に通過する。孔18の中で粉塵と高濃度の水滴とが結合し、粉塵の重力が増すことで曲がりによる慣性力が高まって衝突板13に付着する割合が増える、もしくは孔開き板12の上に付着して塊になった水が空気の流れに巻き込まれて吸い込まれた際に、孔18の中でしぶきとなり、空気中の粉塵と結合する、もしくは水滴17が曲がって慣性力を受けて衝突板13に付着する時に、水滴17の付着する動きに巻き込まれて粉塵が水滴17と一緒に衝突板13に集塵される、もしくは衝突板13の表面に付着して集められた水の塊によって、粉塵が跳ね返らずに衝突板13の表面に集塵される割合が増える、といった作用が生じることで、水滴17がない場合と異なり粉塵は高い集塵効率で集塵される。
水滴17および粉塵は集塵部3すなわち慣性集塵体7によって集塵され、衝突板13の上に集められる。衝突板13の表面は集塵した水滴によって濡れているため、集塵した粉塵が空気の流れによって飛散することはない。
水滴17は気化することで消費されるため、貯水部8の水が減ったら給水口11を通じて水を補給する。また、集塵しつづけて一定期間が経った時、衝突板13に溜まった粉塵および粉塵を含む水を下流側の貯水部へと洗い流すために、送風機5を止めた状態で送水ポンプ9を動かして給水ノズル16から水を出し続けて超音波振動槽24から水を溢れ出させ、溢れた水を下流側の慣性集塵体7に送って洗浄してもよい。洗浄に使われた水は垂直下側に位置する貯水部8に再度貯められる。
<圧力損失ΔPの測定方法>
空気流入口2と空気流出口4との差圧を差圧計で測定し、集塵装置の圧力損失(以下ΔP)とした。
<本実施の形態で扱う大気塵濃度の測定方法>
ここで、以下に示す各条件で集塵部3を構成し、大気中に自然に浮遊している一般大気塵を用いて空気流入口2および空気流出口4それぞれの直径0.3μm以上0.5μm以下の粉塵の個数濃度をレーザーパーティクルカウンター(リオン製KC−52、以下LPC)で測定した。空気流出口4の圧力が大気圧よりもかなり低くなるとLPCが空気をサンプリングできなくなるため、LPCの採取口および排出口の両方とも空気流出口4とつなぐことでLPCと空気流出口4とが同じ圧力となるようにした。
<集塵効率ηの算出>
集塵効率(以下η)の算出式は以下の通りである。
集塵効率η(%)=(1−空気流出口の粉塵個数濃度/空気流出口の粉塵個数濃度)×100
ここで、直径0.3μm以上0.5μm以下の粉塵の個数濃度から算出した集塵効率をη(0305)と表記する。
<性能指数qDの算出>
集塵効率ηおよび圧力損失ΔPによって、集塵装置の性能の指標となる性能指数(以下qD)を以下の式で算出することができる。この式は直列に重ねた場合の集塵部3の数と通過率1−ηの自然対数にマイナスをかけた値は反比例し、集塵部3の数とΔPは比例することを示しており、qDはその比例定数を表している。qDが大きいほど集塵装置の性能は高い。孔18を空気が通過する時の速度を孔内速度と以後表記するが、孔内速度の異なる条件(異なる孔の直径、空気流量の条件)であってもqDであれば単純に横に並べて比較することができる。
qD(Pa−1)=(−Ln(1−集塵効率))/ΔP
<集塵に用いる水滴の分布の測定>
また、集塵に用いた水滴17の直径ごとの分布を知るために、水溶性油を1%となるように溶かした水を振動槽水25に使い、超音波振動子26を2.4MHzで振動させた時に発生した水滴17をアンダーセンサンプラーで吸い込んで水滴17の直径ごとに分けて集塵し、集塵した衝突板13を乾燥させて重量増分を測ることで水滴17の直径ごとの分布を調べた結果が図10である。その結果、水滴は4μmを中心に直径1〜10μmで分布した。
<水滴の濃度と具体的な評価方法>
4μmを中心にして直径1〜10μmに分布する水滴を、濃度が0g/m(水滴なし)および96g/mとなるよう発生させ、各条件で空気流入口2および空気流出口4それぞれの大気塵濃度およびΔPを測定し、得た大気塵濃度からη(0305)を算出した。
ちなみに水供給部6から水滴を発生させた場合、LPCが水滴を計測して空気流入口の粉塵個数濃度よりも空気流出口の粉塵個数濃度が大きくなってηがマイナスの値を示すことがあるが、結果をわかりやすくするためにその時は集塵できていないとみなしてη(0305)=0%に置き換えた。その時qDも0となる。
<各試作機の孔開き板の仕様>
以下の条件で試作機1〜7を作成し、η(0305)、ΔP、qDを測定および算出した。試作機1のみ衝突板13を設置しなかった。それ以外の試作機2〜9は全て厚さ1.2mmの衝突板13を設置している。また、試作機2〜9において慣性集塵体7を構成する孔開き板12の下面と衝突板13の上面の距離(以下衝突距離DI)は2.8mmで共通である。試作機2のみ、DIを変化させた時のη、ΔPを測定しqDを算出した。
・試作機1:孔の直径1.2mm、孔の数10個(衝突板13なし)
・試作機2:穴の直径1.2mm、孔の数10個(衝突板13あり)
・試作機3:孔の直径1.2mm、孔の数25個(衝突板13あり)
・試作機4:孔の直径1.2mm、孔の数45個(衝突板13あり)
・試作機5:孔の直径0.92mm、孔の数10個(衝突板13あり)
・試作機6:孔の直径0.54mm、孔の数25個(衝突板13あり)
・試作機7:孔の直径0.25mm、孔の数102個(衝突板13あり)
<比較条件と実施条件>
それぞれの比較条件および実施条件を以下のとおり定義した。
・比較条件1:衝突板13を設置しない条件(試作機1が該当)。
・比較条件2:水供給部6から水滴17を発生させない条件(水滴濃度0g/m
・実施条件1:水供給部6から水滴濃度96g/mで水滴17を発生させ、衝突板13を設置した条件。
<評価の結果:比較対象および実施対象のη(0305)と圧力損失ΔPおよび性能指数qD>
試作機1、2、3および4を評価した結果を図11に、試作機5、6および7を評価した結果を図12にまとめた。96g/mの濃度で水滴を発生させた時の全試作機の、孔内速度を横軸に、性能指数qDを縦軸にしたグラフを図13に示す。
水滴濃度0g/mの場合、全ての試作機でqDは0付近となった。そして、水供給部6から96g/mの濃度で水滴17を発生した場合、試作機1ではη(0305)およびqDは0のままだったが、試作機1以外の試作機全てにおいてΔPが上がると同時にη(0305)も上がり、水滴発生なしと比べてqDが0付近から大きく上がった。水滴17および衝突板13の存在によって大きな集塵効果が得られており、この結果は両者が不可欠の要素であることを示している。このように実施条件1によって高いη(0305)を得られることがわかった。
また、孔の直径が1.2mmで、25個および45個の孔数を有する試作機3および試作機4を用いて評価した結果、図13に示すように孔の直径が1.2mmの場合、qDは孔内速度10m/s付近で極大を示した。このことは孔内速度が速すぎればΔPが大幅に上がってqDが下がり、孔内速度が遅すぎれば水滴を用いた慣性集塵効果が十分に得られずにqDが上がらないことから、qDを最大化するための最適な孔内速度が存在することを示している。
<衝突距離の最適化>
次に試作機2の衝突距離DIを変化させてη(0305)と圧力損失ΔPを測定した結果を図14および図15に示す。DI以外は試作機2と同じであり、孔開き板の孔の直径は1.2mmで、孔の数は10個である。孔内速度は11.8m/s、水供給部から発生させた水滴の濃度は96g/mで固定した。図15に示すとおり、DIが10mmより大きいとqDは0となり、DIが10mm以下でqDは0より大きい値を得る。そしてDI=2mmの時にqDは最大の値を示した。DIが10mm以下の時に0.3μm以上0.5μm以下の粉塵は水滴と一緒に衝突板13に衝突して集塵され、そのη(0305)は図14に示すようにDI=3.8mm付近で最大となることがわかった。
(実施の形態2)
本実施の形態2の集塵装置1は、図16、図17に示すように実施の形態1の集塵装置1において、水供給部6と集塵部3との間に荷電部28を設けたものとなっている。その他の構造については実施の形態1の集塵装置1と同一であるため解説を省く。水供給部6からは水滴17が発生しており、粉塵と水滴17は一緒になって集塵部3に到達する。
図18に示すとおり、荷電部28は水供給部6と接続するための荷電部上接合部31を上流側に、集塵部3と接続するための荷電部下接合部32を下流側にそれぞれ設けている。
荷電部28は図19に示す対向電極部33と図20に示す放電電極部34とを組み合わせた構造となっている。対向電極部33は対向電極板30と荷電部上接合部31とが一体化した構造となっている。また、放電電極部34は放電電極部ケース35に放電電極29と荷電部下接合部32とを設けた構造となっている。
つまり、荷電部28の電極は、下流側の線状の放電電極29と上流側の対向電極板30とで構成されている。
対向電極板30は導電性を有しており、0Vの電圧が印加されている。放電電極部ケース35は絶縁性を有しており、そこに導電性を有する放電電極29が設けられている。放電電極29には3〜8kVの高電圧が印加されている。対向電極部33と放電電極部34とを組み合わせた時に、対向電極板30どうしの中心に位置するように放電電極29は設けられており、絶縁性を有する放電電極部ケース35によって放電電極29と対向電極板30は電気的に絶縁されている。図には示さないが高圧電源によって放電電極29には数kVの高電圧が印加されており、0Vが印加された対向電極板30との間に電場が形成されている。
放電電極29の直径は250μm以下であり、細い線の表面に多くの電気力線が入る。そのため放電電極29の表面近傍は非常に大きな電場となっており、電子なだれが起こってコロナ放電が発生する。コロナ放電が発生すると大量の電子、空気分子に電子が付着したマイナスイオン、もしくは電子を放出した空気分子であるプラスイオンが発生し、例えば放電電極29にプラスの高電圧を印加して対向電極板30に0kVを印加した場合は放電電極29から対向電極板30に向かって大量のプラスイオンが空間にシャワーのように浴びせるように移動する。
粉塵と水滴17がその空間を通過するとプラスイオンが接触して付着し、プラスに帯電する。プラスに帯電した粉塵と水滴17が孔開き板12の孔18に入ると孔18の壁面との間に電界を作って壁面に移動し接触して集塵される。または帯電していない一部の粉塵や水滴17との間に電界を作って接触結合する。帯電した粉塵および水滴17は孔を出て垂直下方向に進んだ後に衝突板によって曲がり、水平方向に向きを変える。粉塵と水滴が曲がる時に遠心力によって空気の流線から遠心方向にずれて衝突板に衝突し集塵されるが、帯電した粉塵と水滴は衝突板と電界を作り、衝突板に引き寄せられる力を受ける。引き寄せられる力によって空気の流線とのずれが大きくなり、より多くの粉塵および水滴が衝突板に衝突し集塵される。
つまり、気流の影響を受けて垂直下方向から水平方向に曲がる粉塵および水滴に対して、垂直下方向への慣性力に加えて垂直下方向へのクーロン力を働かせることが可能となる。それにより、さらに高い集塵効率で微細な粉塵を集塵することができる。
ここで、放電電極29として直径100μmのタングステンワイヤーを用いた荷電部28を用意した。用意した荷電部28を用いて作成した集塵装置1を試作機8と名付けた。集塵部3には直径1.2mmの孔18を45個備えた孔開き板12を用いた慣性集塵体7を用いた。衝突距離DIは2.8mmである。放電電極29に0kVを印加してコロナ放電を起こさない条件、もしくは4.4kVを印加して放電電流10μAのコロナ放電を起こした条件それぞれで、実施の形態1と同様の方法で試作機8の圧力損失ΔP、集塵効率η(0305)および性能指数qDを測定算出した。結果を図21および図22に示す。
図21および図22に示すとおり、荷電部でコロナ放電を起こして粉塵や水滴を帯電することで試作機8のqDは向上する。特に孔内速度4.7ms以下の低い領域でqDは大幅に向上しており、特に2.6m/sで1.0から168に値が上がっている。孔内速度が4.7m/sを超える高い領域ではqDはそれほど上がっていない。これは、孔内速度が低い領域で帯電による集塵効果が大きくなることを示しており、水滴による慣性集塵効果との相乗効果は孔内速度の低い領域で大きく発揮されることを示している。このように、帯電させた粉塵や水滴17を孔18に通して衝突板13に衝突させることで1μm以下の微細な粉塵に対して孔内速度が小さい時の集塵効果を大きく向上させることができる。
(実施の形態3)
図23および図24に示すように、本実施の形態の集塵装置1は集塵部3として慣性集塵体7を8個直列に積層したものを用いている。図26に示す第0段から第7段までの8個の慣性集塵体7を上流側から下流側へと順に積層している。集塵部3の最下流側に位置する第7段の慣性集塵体7を構成する衝突板13は、貯水部8の縁に設けられた衝突板固定台21の上に置かれている。
慣性集塵体7どうし、もしくは慣性集塵体7と貯水部8や水供給部6との接合部分にはゴムパッキン19が設けられており、接合部分での外からの空気の流入を防いでいる。その他の構造については実施の形態1と同一であるため解説を省く。
実際に集塵装置1を作成して試作機9と名付け、水滴濃度を変えながら実施の形態1と同様の方法で試作機9のΔP、η(0305)およびqDを測定算出した。空気流量は28L/minである。図26に示すとおり、この時の集塵部3を構成する、積層されたそれぞれの慣性集塵体7の孔の直径、孔の数、孔内速度は以下のとおりである。
・第0段:孔の直径1.2mm、孔の数800個、孔内速度0.5m/s
・第1段:孔の直径1.2mm、孔の数400個、孔内速度1.0m/s
・第2段:孔の直径0.92mm、孔の数400個、孔内速度1.8m/s
・第3段:孔の直径0.72mm、孔の数400個、孔内速度2.9m/s
・第4段:孔の直径0.54mm、孔の数400個、孔内速度5.1m/s
・第5段:孔の直径0.35mm、孔の数400個、孔内速度12.3m/s
・第6段:孔の直径0.25mm、孔の数400個、孔内速度24.0m/s
・第7段:孔の直径0.25mm、孔の数216個、孔内速度44.5m/s
各慣性集塵体7の衝突距離DIは全て2.8mmである。図27および図28に示すように、水滴発生なしではη(0305)は29%だったのが、水滴濃度を上げるに従って大きくなり、水滴濃度96g/mで98%となった。ΔPは水滴発生なしの5.32kPaから5.39kPaとなり、小幅に変化した。そのためqDは0.07から0.73に向上した。本実施の形態の集塵装置1は、圧力損失の上昇を最小限に抑えながらη(0305)およびqDを向上できることがわかった。
次に、96g/mの濃度で水滴17を10分間発生させた後に水滴発生を120分間止め続け、再度、水滴17を発生させた時の試作機9のη(0305)とΔPの時間変化がどうなるかを調べた。図29に示すように、η(0305)は水滴発生して1分後に29%から98%となり、qDは0.07から0.73に上昇した。水滴17を発生させ続けた10分間、上昇したqDを維持した。10分後に水滴発生を止めた後もη(0305)は低下せず、水滴発生を止めてから80分間、90%以上の値を維持した。
その後η(0305)は低下し、水滴発生を止めてから120分後に53%まで低下したが、その後96g/mの濃度で、再度、水滴17を発生させたところη(0305)は1分後に97%に上昇し、qDは向上した。全ての間においてΔPは5.32kPaから5.39kPaの範囲に収まっており大きく上昇しなかった。
このように、本実施の形態の集塵装置1は水滴17の発生を止めても数十分の長い間高いη(0305)とqDを維持することができ、低下しても再度、水滴17を発生すれば高いη(0305)とqDが得られることがわかった。したがって常に水滴17を発生させなくとも、一定期間、水滴17を発生させては止めることを繰り返すことで常にη(0305)とqDを得ることができる。
本実施の形態の集塵装置1がΔPを大きく上昇させることなく高いη(0305)を得られる理由は以下のように考えられる。孔18の直径が大きく、孔18の数が多い上流側の慣性集塵体7が水滴17の過剰分を取り除きながら同時に粉塵と水滴17を結合させる。
孔18の直径が大きく数も多い第0段や第1段の慣性集塵体のみでは水滴17の発生があってもなくてもη(0305)は0%であることがわかっており、結合した粉塵と水滴17は衝突板13に衝突集塵されないが、下流側に設けられた、より小さい孔18を有する慣性集塵体7によって結合した粉塵と水滴17が衝突板に衝突集塵される。この時、上流側の慣性集塵体7によって水滴17の過剰分が取り除かれているため下流側の慣性集塵体7の孔18を水滴17で目詰まりさせることなく粉塵を集塵することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4の集塵装置1は、図30および図31に示すように実施の形態3の集塵装置1に対して、集塵部3に荷電部28を設けたものとなっている。すなわち、集塵部3の最下流側の慣性集塵体7において、孔開き板12の表面に孔開き板導電層36を設けて高電圧を印加し、該孔開き板導電層36の下流側に位置する衝突板13に0kVを印加している。その他の構造については実施の形態3の集塵装置1と同一であるため解説を省く。荷電部28は、図18、図19および図20に示した実施の形態2のものと同一であるためこちらも解説を省く。
荷電部28のコロナ放電によって粉塵および水滴17はプラスに帯電する。プラスに帯電した粉塵および水滴17は集塵部3を構成する最下流側の慣性集塵体7に到達する。最下流側の慣性集塵体7を構成する孔開き体20は全体が絶縁性を有しており、図30に示すように孔開き体20を構成する孔開き板12の上流側の表面には孔18が開いた状態で孔開き板導電層36が設けられている。高圧電源37によって孔開き板導電層36には高電圧が印加されている。そして孔開き板12の下流側に位置する衝突板13には0kVが印加されている。
例えば孔開き板導電層36にプラスの高電圧が印加された場合、プラスに帯電した粉塵は孔開き板導電層36から衝突板13に向かう方向にクーロン力を受ける。粉塵は孔18を通過して垂直下方向へ進み、衝突板13に当たって水平方向へと曲がって向きを変える。粉塵は慣性力を受けて空気の流線から曲がりの遠心方向へとずれるが、前述したクーロン力は慣性力による遠心方向へのずれを促進する方向へと作用するため、粉塵が衝突板13によって集塵されやすくする。
本実施の形態では電場を設けた慣性集塵体7を最下流側に設けたが、これは水滴17がたくさんやってくる上流側に設けると孔開き板導電層36と衝突板13とが水によって短絡してしまう可能性があるためである。したがって短絡しなければ、どの位置の慣性集塵体7にも電場を設けてよい。
ここで、実施の形態4と同じ集塵装置1を作成して試作機10と名付け、水滴濃度を変えながら実施の形態1と同様の方法で試作機10のΔP、η(0305)およびqDを測定算出した。空気流量は28L/minである。集塵部3は試作機9と同様に図25および図26に示すとおりの、上流側から順に第0段から第7段の計8段の慣性集塵体7を積層したものを用いた。ただし最下流側となる第7段の慣性集塵体7を構成する孔開き体20を絶縁体とし、孔開き板12の上に導電塗料を塗布して孔開き板導電層36を設け、4kVの電圧を印加した。そして第7段の慣性集塵体7を構成する衝突板13に0kVの電圧を印加した。荷電部28も試作機9と同様のものを用いた。放電電極29に4.8kVの電圧を印加し、放電電流50μAのコロナ放電を起こした。
その結果、図33および図34に示すように、全ての水滴濃度で高いη(0305)およびqDを示した。特にη(0305)は水滴発生なしで99.8%以上となり、水滴濃度96g/m以上で100%となった。ΔPは水滴発生させても5.32kPaから5.39kPaとなり、増加は小幅だった。
このように、本実施の形態の集塵装置1は、水供給部6と集塵部3との間に荷電部28を設けたことで直径1μm以下の微細な粉塵に対して100%に近い集塵効率を示し、圧力損失の増大を最小限にできることがわかった。
(実施の形態5)
本実施の形態に示す集塵装置1は、送水ポンプ9から送られた水を単純に給水ノズル16から出すものを水供給部6として用いている。その他の構造は実施の形態3と同一のため解説を省く。図35および図36に示すように、本実施の集塵装置1は、水供給部6に給水ノズル16のみが設けられており、貯水部8から送水ポンプ9が汲み上げた水を、送水管10を通じて給水ノズル16から間欠的に出す構造となっている。出された水はそのまま集塵部3へと吸い込まれる。本実施の形態の集塵装置1と同様のものを実際に作成して試作機11と名付け、給水ノズル16から水を10gずつ投入しながら実施の形態1と同様の方法で試作機10のΔP、η(0305)およびqDを測定算出した。集塵部3は試作機9と同様に図25および図26に示すとおりの、上流側から順に第0段から第7段の計8段の慣性集塵体7を積層したものを用いた。
図37および図38に示すように、0mlから始めて給水ノズル16から水を1回につき10ml、計5回出した時のΔPはそれぞれ5.30kPa、5.31kPa、5.62kPa、6.49kPa、6.77kPa、6.80kPaとなった。η(0305)は順に29%、43%、91%、95%、94%、94%となった。合計20ml以上の水を出した後は29%だったη(0305)が90%以上になり、合計30ml出した後はΔPが1.19kPa上昇し、η(0305)は95%になった。その結果qDは0.07から0.43へと向上した。水を合計40ml以上出すとΔPが1.47kPa以上上昇し、η(0305)は95%よりも上がらなかった。その時のqDは0.41となった。
したがって給水ノズル16から出す水の量は20ml以上30ml以下がよいことになり、その時ΔPは0.31〜1.19kPa上がり、η(0305)は90%以上となることがわかった。超音波振動子26で直径4μmを中心にした直径1〜10μmの水滴17を発生させるよりもΔPが上昇しやすく、またη(0305)も低いが、水をかけ流すだけというより簡単な方法でη(0305)が90%以上になり、直径1μm以下の微細な粉塵に対して高い集塵効率が得られることがわかった。
本開示にかかる集塵装置は圧力損失の上昇を防ぎながら、人の健康に大きな影響を及ぼす直径1μm以下の粉塵を高い集塵効率で集塵することができ、また、構造が簡単で、常に新品同様の集塵効率を維持することができる。そのため室内で空気を循環する際、または室外の空気を室内に入れる際に空気を浄化する装置として有用である。
1 集塵装置
2 空気流入口
3 集塵部
4 空気流出口
5 送風機
6 水供給部
7 慣性集塵体
8 貯水部
9 送水ポンプ
10 送水管
11 給水口
12 孔開き板
13 衝突板
14 吸水管
15 貯水部水
16 給水ノズル
17 水滴
18 孔
19 ゴムパッキン
20 孔開き体
21 衝突板固定台
22 位置固定爪
23 衝突板スリット
24 超音波振動槽
25 振動槽水
26 超音波振動子
27 振動槽支持足
28 荷電部
29 放電電極
30 対向電極板
31 荷電部上接合部
32 荷電部下接合部
33 対向電極部
34 放電電極部
35 放電電極部ケース
36 孔開き板導電層
37 高圧電源

Claims (9)

  1. 上流側から順に空気流入口と、水供給部と、複数の孔を有する孔開き板と前記孔開き板の下流側に設けた衝突板の少なくとも一組で構成された慣性集塵体による集塵部と、空気流出口とを備えた集塵装置。
  2. 前記慣性集塵体の、孔開き板と衝突板との距離が10mm以下である請求項1記載の集塵装置。
  3. 前記集塵部が前記慣性集塵体を複数組積層して構成される請求項1記載の集塵装置。
  4. 前記水供給部として、水が貯められた超音波振動槽の底に超音波素子を備え、前記超音波素子を振動させて水面から水滴を発生させる装置を備えた請求項1から3のいずれか一つに記載の集塵装置。
  5. 前記水供給部の供給する水滴の直径が1μm以上かつ10μm以下、もしくは4μm付近である請求項4記載の集塵装置。
  6. 前記集塵部の上流側に放電電極と対向電極からなり、コロナ放電を起こす荷電部を備えた請求項1から5のいずれか一つに記載の集塵装置。
  7. コロナ放電を起こす荷電部を備え、前記荷電部は、少なくとも前記集塵部の最下流側の慣性集塵体において、孔開き板の表面に孔開き板導電層を設けて高電圧を印加し、該孔開き板導電層の下流側に位置する衝突板に0kVを印加するものである請求項6記載の集塵装置。
  8. 前記慣性集塵体の、孔開き板と衝突板との距離が2.8mmである請求項7記載の集塵装置。
  9. 前記水供給部が、前記集塵部の上流側で孔開き板に水を供給する送水ノズルからなる請求項3記載の集塵装置。
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