JP2019150465A - 生体センサ用積層体および生体センサ - Google Patents

生体センサ用積層体および生体センサ Download PDF

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Abstract

【課題】配線層の剥離の発生を抑制することができる生体センサ用積層体および生体センサを提供すること。【解決手段】生体センサ用積層体1は、生体に貼付するための感圧接着層2と、感圧接着層2の上面に配置され、伸縮性を有する基材層3と、基材層3の上面に埋設される配線層4とを備え、基材層3は、アミン系シランカップリング剤を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、生体センサ用積層体および生体センサ、詳しくは、医療用や衛生材料用を含む各種用途に用いられる生体センサ用積層体および生体センサに関する。
従来、人の皮膚などに貼付して生体信号を検出する生体センサが知られている。
そのような生体センサとして、例えば、特許文献1には、粘性を有する第1層と、その上面に配置される第2層(ポリマー層)と、第2層の下面に配置され、皮膚と接触する電極と、第1層の上面に配置されるデータ取得用モジュールと、第2層の上面に配置され、電極およびモジュールを接続する配線とを備える生体適合性ポリマー基板が記載されている。
そして、特許文献1に記載の生体適合性ポリマー基板では、第1層が人の皮膚に貼り付けられて、電極が生体信号、例えば心筋由来の電圧信号を検出し、データ取得用モジュールが心筋由来電圧信号を受信して記録する。
特開2012−10978号公報
ところで、生体センサは、人の皮膚に貼り付けられて使用されるため、貼付場所によっては、人の皮膚の動きに応じて、生体センサが、厚み方向に折り曲げられたり、面方向に引っ張られる場合が生じる。その結果、配線が、ポリマー層表面から剥離する不具合が生じる。
また、生体センサを皮膚に貼付しやすくするために、ポリマー基板の上面全体に支持フィルム(バッキングフィルム)を使用直前まで被覆しておき、貼付後に支持フィルムを剥離する使用形態がある。この際、支持フィルムに配線が密着することによって、配線が支持フィルムに引っ張られる場合が生じる。その結果、配線がポリマー層表面から剥離する不具合が生じる。
これらの不具合は、断線などの破損の原因となる。
本発明は、配線層の剥離の発生を抑制することができる生体センサ用積層体および生体センサを提供する。
本発明[1]は、生体に貼付するための感圧接着層と、前記感圧接着層の上面に配置され、伸縮性を有する基材層と、前記基材層の上面に埋設される配線層とを備え、前記基材層は、アミン系シランカップリング剤を含有する、生体センサ用積層体を含む。
本発明[2]は、前記基材層は、ポリウレタン樹脂を含有する[1]に記載の生体センサ用積層体を含む。
本発明[3]は、前記アミン系シランカップリング剤は、前記ポリウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上含有する、[2]に記載の生体センサ用積層体を含む。
本発明[4]は、前記アミン系シランカップリング剤は、第1級アミンおよび第2級アミンを有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の生体センサ用積層体を含む。
本発明[5]は、前記配線層が、銅配線から形成される、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の生体センサ用積層体を含む。
本発明[6]は、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の生体センサ用積層体と、前記配線層に電気的に接続されるように、前記基材層に実装される電子部品とを備える、生体センサを含む。
本発明の生体センサ用積層体および生体センサは、アミン系シランカップリング剤を含有する基材層と、基材層の上面に配置される配線層とを備えるため、基材層と配線層との密着性を向上させることができる。その結果、基材層と配線層との剥離を抑制することができる。
図1は、本発明の生体センサ用積層体の一実施形態の平面図を示す。 図2Aおよび図2Bは、図1に示す生体センサ用積層体の断面図であり、図2Aが、A−A線に沿う断面図、図2Bが、B−B線に沿う断面図を示す。 図3A〜図3Dは、図2Aに示す生体センサ用積層体の製造工程図であり、図3Aが、基材層および配線層を準備する工程、図3Bが、感圧接着層および基材層を貼り合わせる工程、図3Cが、開口部を形成し、プローブ部材を準備する工程、図3Dが、プローブ部材を開口部に嵌め込む工程、および、接続部を形成する工程を示す。 図4Aおよび図4Bは、本発明の生体センサ用積層体の変形例(支持フィルムを備える形態)の断面図であり、図4Aが、図1のA−A線に対応する断面図、図4Bが、図1のB−B線に対応する断面図を示す。
<一実施形態>
本発明の一実施形態である生体センサ用積層体1を、図1〜図3Dを参照して説明する。
図1において、紙面左右方向は、生体センサ用積層体1の長手方向(第1方向)である。紙面右側は、長手方向一方側(第1方向一方側)であり、紙面左側は、長手方向他方側(第1方向他方側)である。
図1において、紙面上下方向は、生体センサ用積層体1の短手方向(長手方向に直交する方向、幅方向、第1方向に直交する第2方向)である。紙面上側は、短手方向一方側(幅方向一方側、第2方向一方側)であり、紙面下側は、短手方向他方側(幅方向他方側、第2方向他方側)である。
図1において、紙面紙厚方向は、生体センサ用積層体1の上下方向(厚み方向、第1方向および第2方向に直交する第3方向)である。紙面手前側は、上側(厚み方向一方側、第3方向一方側)であり、紙面奥側は、下側(厚み方向他方側、第3方向他方側)である。方向は、各図面に記載の方向矢印に準拠する。
これらの方向の定義により、生体センサ用積層体1および貼付型心電計30(後述)の製造時および使用時の向きを限定する意図はない。
図1〜図2Bに示すように、生体センサ用積層体1は、長手方向に延びる略平板形状を有する。生体センサ用積層体1は、感圧接着層2と、感圧接着層2の上面に配置される基材層3と、基材層3に埋設される配線層4と、感圧接着層2に埋設されるプローブ5と、配線層4およびプローブ5を電気的に接続する接続部6とを備える。
(感圧接着層)
感圧接着層2は、生体センサ用積層体1の下面を形成する。感圧接着層2は、生体センサ用積層体1の下面を生体表面(皮膚33など)に対して貼付するために、生体センサ用積層体1の下面に感圧接着性を付与する層である。感圧接着層2は、生体センサ用積層体1の外形形状を形成している。感圧接着層2は、長手方向に延びる平板形状(シート形状)を有する。具体的には、例えば、感圧接着層2は、長手方向に延びる帯状を有し、長手方向中央部が短手方向両外側に向かって膨らむ形状を有する。また、感圧接着層2において、長手方向中央部の短手方向両端縁は、長手方向中央部以外の短手方向両端縁に対して、短手方向両外側に位置する。
感圧接着層2は、その長手方向両端部のそれぞれに接着開口部11を有する。2つの接着開口部11のそれぞれは、平面視略リング形状を有し、感圧接着層2の厚み方向を貫通する。接着開口部11には、接続部6(後述)が充填される。また、接着開口部11の内側における下面は、プローブ5(後述)に対応する接着溝10を有する。
感圧接着層2の材料は、感圧接着性を有する材料であり、好ましくは、生体適合性をさらに有する材料が挙げられる。そのような材料としては、例えば、アクリル系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤などが挙げられ、好ましくは、アクリル系感圧接着剤が挙げられる。
アクリル系感圧接着剤(アクリル系感圧接着組成物)は、アクリルポリマーを含有する。
アクリルポリマーは、アクリル系感圧接着剤における主成分であって、感圧接着成分である。
アクリルポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル(具体的には、アクリル酸イソノニル、アクリル酸メトキシエチルなど)を主成分(モノマー成分における含有割合が70質量%以上、99質量%以下)とし、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマー(具体的には、アクリル酸など)を任意成分(モノマー成分における含有割合が30質量%以下、1質量%以上)として含有するモノマー成分を重合したポリマーである。アクリルポリマーとしては、例えば、特開2003−342541号公報に記載のアクリルポリマーなどが挙げられる。
アクリル系感圧接着剤は、好ましくは、カルボン酸エステルをさらに含有する。
アクリル系感圧接着剤におけるカルボン酸エステルは、アクリルポリマーの感圧接着力を低減して、感圧接着層2の感圧接着力を調整する感圧接着力調整剤である。また、カルボン酸エステルは、アクリルポリマーと相溶可能なカルボン酸エステルである。
具体的には、基材層3で後述する基材組成物におけるカルボン酸エステルと同様のものが挙げられ、好ましくは、トリ脂肪酸グリセリルが挙げられる。
カルボン酸エステルの含有割合は、アクリルポリマー100質量部に対して、例えば、30質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、100質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。
また、アクリル系感圧接着剤は、必要により、架橋剤を含有することもできる。架橋剤は、アクリルポリマーを架橋する架橋成分である。架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、過酸化化合物、尿素化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、アミン化合物などが挙げられる。これらの架橋剤は、単独使用または併用することができる。架橋剤としては、好ましくは、ポリイソシアネート化合物(多官能イソシアネート化合物)が挙げられる。
架橋剤の含有割合は、アクリルポリマー100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、1質量部以下である。
感圧接着層2の厚み(ただし、接着溝10の領域を除く)は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、50μm以下である。
(基材層)
基材層3は、図1に示すように、生体センサ用積層体1の上面を形成する。基材層3は、感圧接着層2とともに生体センサ用積層体1の外形形状を形成している。基材層3の平面視形状は、感圧接着層2の平面視形状と同一である。基材層3は、感圧接着層2の上面全面に配置されている。基材層3は、感圧接着層2を支持する支持層である。基材層3は、長手方向に延びるシート形状を有する。
基材層3の上面には、図2A〜Bに示すように、配線層4に対応する基材溝14が形成されている。基材溝14は、平面視において、配線層4と同一のパターン形状を有する。基材溝14は、上側に向かって開放される。
また、基材層3は、接着開口部11に対応する基材開口部15を有する。基材開口部15は、接着開口部11に厚み方向に連通する。基材開口部15は、接着開口部11と同一形状および同一寸法の平面視略リング形状を有する。
基材層3の破断伸度は、例えば、100%以上、好ましくは、200%以上、より好ましくは、300%以上であり、また、例えば、2000%以下である。破断伸度は、JIS K 7127(1999年)に従い、引張速度5mm/分、試験片タイプ2で、測定される。
また、基材層3の20℃における引張強度(チャック間100mm,引張速度300mm/min,破断時の強度)は、例えば、0.1N/20mm以上、好ましくは、1N/20mm以上であり、また、例えば、20N/20mm以下である。引張強度は、JIS K 7127(1999年)に基づいて、測定される。
さらに、基材層3の20℃における引張貯蔵弾性率E’は、例えば、2,000MPa以下、好ましくは、1,000MPa以下、より好ましくは、100MPa以下、さらに好ましくは、50MPa以下、とりわけ好ましくは、20MPa以下であり、また、例えば、0.1MPa以上である。20℃における引張貯蔵弾性率E’は、周波数1Hzおよび昇温速度10℃/分の条件で基材層3を動的粘弾性測定することにより求められる。
そして、(1)破断伸度が100%以上、(2)引張強度が20N/20mm以下、(3)引張貯蔵弾性率E’が2,000MPa以下の少なくともいずれか1つの要件、好ましくは、2つ以上の要件、より好ましくは、3つすべての要件を満たせば、基材層3の材料が、伸縮性を有する。
基材層3の銅箔に対する剥離強度(ピール強度)は、例えば、0.5N/cm以上、好ましくは、1.0N/cm以上、より好ましくは、2.0N/cm以上、さらに好ましくは、2.5N/cm以上である。剥離強度が上記下限以上であれば、基材層3と配線層4との剥離をより確実に抑制することができる。剥離強度は、例えば、幅1cmのサンプル(基材層3および銅箔の積層体)に対して、引張試験機を用いて、剥離角度180度、剥離速度30mm/分の条件で基材層3を銅箔から剥離することにより測定される。
基材層3は、基材組成物から形成されている。基材組成物は、基材樹脂、および、アミン系シランカップリング剤を含有する。
基材樹脂は、基材組成物における主成分であって、例えば、基材層3に適度な伸縮性、可撓性、靱性を付与できる可撓性樹脂である。
基材樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリウレタン樹脂が挙げられる。これにより、基材層3が、より優れた伸縮性を確保することができる。また、アミン系カップリング剤との相互作用ないし相溶性によって、配線層4との密着性を確実に向上させることができる。
ポリウレタン樹脂は、例えば、イソシアネートと、ポリオールとのポリマーである。
イソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールなどが挙げられる。好ましくは、ポリエーテルグリコールが挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、テトラハイドロフランとネオペンチルグリコールとの共重合体などが挙げられる。好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
イソシアネートと、ポリオールとのモル比は、例えば、イソシアネート:ポリオール=1:99〜50:50、好ましくは、2:98〜30:70、より好ましくは、3:97〜9:91である。モル比が上記範囲であれば、配線層4と基材層3との密着性をより一層向上させることができる。
基材組成物(基材層3)における基材樹脂の含有割合は、例えば、70質量%以上、好ましくは、80質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
アミン系シランカップリング剤は、アミンおよび加水分解性シリル基を併有する化合物である。
アミンとしては、例えば、第1級アミン(アミノ基(−NH))、第2級アミン(−NH−)、第3級アミン(−N=)のいずれであってもよい。好ましくは、第1級アミンが挙げられ、より好ましくは、第1級アミンおよび第2級アミンの組合せが挙げられる。
加水分解性シリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基、例えば、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基などのジアルコキシシリル基などが挙げられる。好ましくは、反応性の観点から、トリアルコキシシリル基が挙げられ、より好ましくは、トリメトキシシリル基が挙げられる。
具体的には、アミン系シランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などが挙げられる。これらのアミン系シランカップリング剤は、単独使用または併用することができる。
好ましくは、第1級アミンおよび第2級アミンを併有するアミノ系シランカップリング剤が挙げられ、具体的には、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。このアミノ系シランカップリング剤を用いることにより、基材層3と配線層4との密着性をより一層向上させることができる。
基材樹脂100質量部に対するアミン系カップリング剤の含有割合は、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.2質量部以上、より好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、15質量部以下、好ましくは、10質量部以下、より好ましくは、8.0質量部以下である。基材組成物(基材層3)におけるアミン系カップリング剤の含有割合は、例えば、0.3質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下、より好ましくは、15質量%以下である。アミン系カップリング剤の含有割合が上記範囲内であれば、基材層3と配線層4との密着性をより一層向上させることができる。
基材組成物は、好ましくは、カルボン酸エステルをさらに含有する。基材組成物におけるカルボン酸エステルは、生体センサ用積層体1に柔軟性を付与するための弾性調整剤である。
カルボン酸エステルは、例えば、カルボン酸と、アルコールとのエステルである。
カルボン酸としては、分子中にカルボキシル基を1個含有する脂肪酸が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、吉草酸、カプロン酸、エタント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの直鎖状の飽和脂肪酸、例えば、2−エチルヘキサン酸、ジメチルオクタン酸、イソステアリン酸などの分岐状の飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸などのモノカルボン酸が挙げられる。
また、カルボン酸としては、例えば、フマル酸、フタル酸などのジカルボン酸などの、分子中にカルボキシル基を2個以上含有する多価カルボン酸も挙げられる。さらに、カルボン酸としては、例えば、乳酸などのヒドロキシカルボン酸なども挙げられる。
カルボン酸としては、好ましくは、分子中にカルボキシル基を1個含有する脂肪酸、より好ましくは、直鎖状の飽和脂肪酸、さらに好ましくは、炭素数6以上18以下の直鎖状の飽和脂肪酸が挙げられ、とりわけ好ましくは、カプリル酸(炭素数8)が挙げられる。
アルコールとしては、例えば、1価アルコール、多価アルコールなどが挙げられる。
1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、例えば、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価アルコールなどが挙げられる。
アルコールとしては、好ましくは、多価アルコール、より好ましくは、3価アルコール、さらに好ましくは、グリセリンが挙げられる。
具体的には、カルボン酸エステルとしては、例えば、トリカプリル酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンなどの、カルボン酸(脂肪酸)と3価アルコールとのエステルが挙げられる。また、カルボン酸エステルとしては、例えば、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコールなどの、カルボン酸と2価アルコールとのエステルが挙げられる。また、カルボン酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、ミリスチン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ジメチルオクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸イソセチル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、コハク酸ジオクチルなどの、カルボン酸と1価アルコールとのエステルが挙げられる。さらに、カルボン酸エステルとしては、乳酸セチル、乳酸ミリスチルなどが挙げられる。これらのカルボン酸エステルは、単独使用または併用することができる。
カルボン酸エステルとしては、好ましくは、脂肪酸と3価アルコールとのエステルが挙げられ、より好ましくは、相溶性の観点から、脂肪酸とグリセリンとのエステルが挙げられ、さらに好ましくは、直鎖状の飽和脂肪酸とグリセリンとのエステル、とりわけ好ましくは、トリカプリル酸グリセリルが挙げられる。
基材樹脂100質量部に対するカルボン酸エステルの含有割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。基材組成物(基材層3)におけるカルボン酸エステルの含有割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは、25質量%以上であり、また、例えば、45質量%以下、好ましくは、35質量%以下である。
基材層3の厚み(ただし、基材溝14の領域を除く)は、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。基材層3の厚みが上記下限以上であれば、基材層3を確実に保形することができるため、生体センサ用積層体1の取扱い性に優れる。基材層3の厚みが上記上限以下であれば、基材層3を生体に確実に貼付することができる。
(配線層)
配線層4は、図2A〜Bに示すように、基材層3の基材溝14に埋設されている。詳しくは、配線層4は、基材層3の上面から露出するように、基材層3の上端部に埋め込まれている。配線層4の下面の全部および側面の全部は、基材層3に接触している。配線層4の上面は、基材層3の上面から露出している。配線層4の上面は、基材層3の上面とともに、生体センサ用積層体1の上面を形成しており、配線層4の上面は、基材層3の上面と面一である。
配線層4は、図1に示すように、接続部6と、電子部品31(後述)および電池32(後述)とを接続する配線パターンを有する。具体的には、配線層4は、第1配線パターン41と、第2配線パターン42とを独立して備える。
第1配線パターン41は、基材層3における長手方向一方側に配置される。第1配線パターン41は、第1配線16Aと、それに連続する第1端子17Aおよび第2端子17Bとを備える。
第1配線パターン41は、平面視略T字形状を有する。詳しくは、第1配線パターン41は、基材層3の長手方向一端部から長手方向他方側に向かって延び、基材層3の長手方向中央部で分岐して、短手方向両外側に向かって延びる。
第1端子17Aおよび第2端子17Bのそれぞれは、基材層3の長手方向中央部における短手方向両端部のそれぞれに配置されている。第1端子17Aおよび第2端子17Bのそれぞれは、平面視略矩形状(ランド形状)を有する。第1端子17Aおよび第2端子17Bのそれぞれは、基材層3の長手方向中央部において短手方向両外側に延びる第1配線16Aの両端部のそれぞれに連続する。
第2配線パターン42は、第1配線パターン41の長手方向他方側に間隔を隔てて設けられる。第2配線パターン42は、第2配線16Bと、それに連続する第3端子17Cおよび第4端子17Dとを備える。
第2配線パターン42は、平面視略T字形状を有する。詳しくは、第2配線パターン42は、基材層3の長手方向他端部から長手方向一方側に向かって延び、基材層3の長手方向中央部で分岐して、短手方向両外側に向かって延びる。
第3端子17Cおよび第4端子17Dのそれぞれは、基材層3の長手方向中央部における短手方向両端部のそれぞれに配置されている。第3端子17Cおよび第4端子17Dのそれぞれは、平面視略矩形状(ランド形状)を有する。第3端子17Cおよび第4端子17Dのそれぞれは、基材層3の長手方向中央部において短手方向両外側に延びる第2配線16Bの両端部のそれぞれに連続する。
配線層4の材料としては、例えば、銅、ニッケル、金、それらの合金などの導体が挙げられる。配線層4は、好ましくは、銅から形成される銅配線が挙げられる。
配線層4の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、100μm未満、好ましくは、50μm以下、より好ましくは、5μm以下である。
(プローブ)
プローブ5は、感圧接着層2が生体表面に貼付されたときに、生体表面に接触して、生体からの電気信号や温度、振動、汗、代謝物などをセンシングする電極である。
プローブ5は、図2A〜Bに示すように、感圧接着層2の接着溝10に埋設されている。詳しくは、プローブ5は、接着開口部11の内側において、感圧接着層2の下端部に埋め込まれている。プローブ5は、平面視略碁盤目形状(あるいは略メッシュ形状)を有する。プローブ5の下面は、感圧接着層2の下面から露出している。
プローブ5の材料としては、配線層4で例示した材料(具体的には、導体)が挙げられる。
プローブ5の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、100μm未満、好ましくは、50μm以下、より好ましくは、10μm以下である。
(接続部)
接続部6は、図2A〜Bに示すように、基材開口部15および接着開口部11に対応して設けられており、それらと同一形状を有する。接続部6は、基材層3および感圧接着層2を厚み方向(上下方向)に貫通(通過)しており、基材開口部15および接着開口部11に充填されている。接続部6は、軸線が厚み方向に延びる略円筒形状を有する。
接続部6の内側面は、プローブ5、接着開口部10内側の感圧接着剤層2、および、基材開口部15内側の基材層3に接触している。接続部6の外側面は、配線層4(第1配線16A、第2配線16B)、接着開口部10外側の感圧接着剤層2、および、基材開口部15外側の基材層3に接触している。これにより、接続部6は、配線層4とプローブ5とを電気的に接続する。
接続部6の材料としては、例えば、金属、導電性樹脂(導電性高分子を含む)などが挙げられ、好ましくは、導電性樹脂などが挙げられる。
(製造方法)
次に、生体センサ用積層体1の製造方法の一実施形態を説明する。
図3Aに示すように、この方法では、まず、基材層3および配線層4を準備する。
例えば、特開2017−22236号公報、特開2017−22237号公報に記載される方法に準拠して、配線層4が基材溝14に埋設されるように、基材層3および配線層4を準備する。なお、基材層3の準備には、上記した基材樹脂およびアミンカップリング剤を含有する基材組成物を用いる。
図3Bに示すように、次いで、感圧接着層2を基材層3の下面に配置する。
感圧接着層2を配置するには、例えば、まず、感圧接着層2の材料(例えば、上記したアクリル系感圧接着剤)を含有する塗布液を調製し、続いて、塗布液を剥離シート19の上面に塗布し、その後、加熱により乾燥させる。これによって、感圧接着層2を剥離シート19の上面に配置する。剥離シート19は、例えば、長手方向に延びるシート形状を有する。剥離シート19の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂が挙げられる。
次いで、感圧接着層2および基材層3を、例えば、ラミネータなどにより、貼り合わせる。具体的には、感圧接着層2の上面と、基材層3の下面とを接触させる。
なお、この時点では、感圧接着層2および基材層3のそれぞれは、接着開口部11および基材開口部15のそれぞれを有しない。
図3Cに示すように、次いで、積層開口部20を、感圧接着層2および基材層3に形成する。
積層開口部20は、感圧接着層2および基材層3の積層体を貫通する。積層開口部20は、接着開口部11を区画する外周面と、基材開口部15を区画する外周面とによって区画される平面視略円形状の穴(貫通穴)である。積層開口部20は、上側に向かって開口される。一方、積層開口部20の下端は、剥離シート19によって閉塞されている。
積層開口部20を形成するには、感圧接着層2および基材層3を、例えば、パンチング、または、ハーフエッチングする。
次いで、プローブ部材18を準備し、これを積層開口部20内に嵌め込む。
プローブ部材18は、平面視略円形状を有する。プローブ部材18は、プローブ5と、プローブ5を埋設する感圧接着層2と、感圧接着層2の上面に配置される基材層3とを備える。
プローブ部材18を準備するには、プローブ含有シートを準備し、プローブ含有シートをパンチングなどによって外形加工する。プローブ含有シートは、例えば、特開2017−22236号公報、特開2017−22237号公報に記載される方法に準拠して、感圧接着剤層2とその下面に埋設されるプローブ1とを作製し、続いて、感圧接着剤層2の上面に基材層3を積層することにより、準備される。
その後、図3Cの矢印で示すように、プローブ部材18を、積層開口部20内に嵌め込む。
この際、プローブ部材18の感圧接着層2、基材層3およびプローブ5と、積層開口部20の周囲の感圧接着層2および基材層3との間に、間隔を隔てる。つまり、基材開口部15および接着開口部11が形成されるように、プローブ部材18を積層開口部20内に嵌め込む。
その後、図3Dに示すように、接続部6を、基材開口部15および接着開口部11内に設ける。
接続部6の材料が導電性樹脂組成物である場合には、導電性樹脂組成物を基材開口部15および接着開口部11に注入する。その後、必要により、導電性樹脂組成物を加熱する。
これにより、生体センサ用積層体1を得る。
このようにして得られる生体センサ用積層体1は、感圧接着層2と、基材層3と、配線層4と、プローブ5と、接続部6と、剥離シート19とを備える。なお、生体センサ用積層体1は、図2Aおよび図2Bに示すように、剥離シート19を備えず、感圧接着層2と、基材層3と、配線層4と、プローブ5と、接続部6とのみからなっていてもよい。
そして、この生体センサ用積層体1は、アミン系シランカップリング剤を含有する基材層3と、基材層3の上面に配置される配線層4とを備える。このため、基材層3と配線層4との密着性が向上している。よって、生体センサ用積層体1を生体の皮膚33に貼付した際に、厚み方向に折り曲げられたり、面方向に引っ張られた場合においても、基材層3と配線層4との剥離を抑制することができる。
また、配線層4が基材層3の上面に埋設されている。このため、基材層3と配線層4との接触面積が増大しており、基材層3と配線層4との密着性がさらに向上している。また、面方向からの外部からの衝撃に対して、基材層3が配線層4を保護することができる。
したがって、この生体センサ用積層体1は、生体の皮膚33に貼付した場合において、断線の発生を抑制することができる。
特に、基材樹脂がポリウレタン樹脂である場合、アミノ系カップリング剤との相互作用ないし相溶性の観点から、配線層4(特に、銅配線)との密着性をより確実に向上させることができる。
生体センサ用積層体1は、単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。具体的には、生体センサ用積層体1は、次に説明する電子部品31および電池32(図1の仮想線参照)とは別に、単独で流通することができる。つまり、生体センサ用積層体1は、電子部品31および電池32を実装しておらず、貼付型心電計30などの生体センサを製造するための部品である。
(生体センサ)
次に、生体センサの一例として、生体センサ用積層体1を備える貼付型心電計30を説明する。
図1および図2A〜Bに示すように、貼付型心電計30を製造するには、例えば、まず、生体センサ用積層体1、電子部品31および電池32のそれぞれを用意する。
電子部品31としては、例えば、プローブ5で取得した生体からの電気信号を処理して記憶するためのアナログフロントエンド、マイコン、メモリ、さらには、電気信号を電波に変換し、これを外部の受信機に無線送信するための通信IC、送信機などが挙げられる。電子部品31は、これらのうち一部あるいは全てを有していてもよい。電子部品31は、その下面に設けられる2つあるいは3つ以上の端子(図示せず)を有する。
電池32は、その下面に設けられる2つの端子(図示せず)を有する。
次いで、電子部品31の2つの端子を、第1端子17Aおよび第3端子17Cと電気的に接続する。また、電池32の2つの端子を、第2端子17Bおよび第4端子17Dと電気的に接続する。
これにより、生体センサ用積層体1と、それに実装される電子部品31および電池32とを備える貼付型心電計30を得る。
貼付型心電計30を使用するには、まず、剥離シート19(図3Dの矢印および仮想線が参照)を、感圧接着層2およびプローブ5から剥離する。
図2Aの仮想線で示すように、次いで、感圧接着層2の下面を、例えば、人体の皮膚33に接触させる。具体的には、感圧接着層2を皮膚33の表面に感圧接着(貼付)させる。これにより、プローブ5の下面も、皮膚33の表面に接触する。
続いて、プローブ5が心臓の活動電位を電気信号としてセンシングし、プローブ5でセンシングした電気信号が、接続部6および配線層4を介して、電子部品31に入力される。電子部品31は、電池32から供給される電力に基づいて、電気信号を処理して情報として記憶する。さらには、必要により、電気信号を電波に変換し、これを外部の受信機に無線送信する。
この貼付型心電計30は、生体センサ用積層体1を備えるため、基材層3と配線層4との密着性が向上している。したがって、生体の皮膚33に貼付して、長時間使用した場合においても、配線層4の断線を抑制することができ、耐久性に優れる。
<変形例>
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例を適宜組み合わせることができる。さらに、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第1変形例)
上記した貼付型心電計30は、基材層3の上面が露出されているが、例えば、図4に示すように、貼付型心電計30は、基材層3の上面に配置される支持フィルム40を備えることができる。
支持フィルム40は、貼付型心電計30の貼付前には、電子部品31および電池32を保護し、貼付時には、貼付型心電計30に適度な機械的強度を付与して、貼付型心電計30を皮膚33に貼付し易くし、貼付型心電計30の使用時には、貼付型心電計30から剥離される。
支持フィルム40は、基材層3、配線層4、電子部品31および電池32の上面に配置されている。具体的には、支持フィルム40は、基材層3の上面、配線層4の上面、電子部品31の上面および側面および電池32の上面および側面を被覆するように、これらの上面に配置されている。支持フィルム40は、長手方向に延びるシート形状を有する。
支持フィルム40としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムなどが挙げられる。
支持フィルム40の下面は、好ましくは、粘着性を有する。
支持フィルム40の基材層3に対する粘着力(剥離強度)は、例えば、0.01N/20mm以上、好ましくは、0.1N/20mm以上であり、また、例えば、6.0N/20mm以下、好ましくは、3.0N/20mm以下である。粘着力の測定は、例えば、幅20mmのサンプル(基材層3および支持フィルム40の積層体)に対して、引張試験機を用いて、剥離角度180度、剥離速度300mm/分の条件で支持フィルム40を剥離することにより測定される。
支持フィルム40の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
この貼付型心電計30では、基材層3および配線層4の密着性が優れている。そのため、貼付型心電計30の使用時に支持フィルム40を基材層3および配線層4から剥離した場合であっても、配線層4が基材層3から剥離しにくい。よって、配線層4の断線を抑制することができる。
(第2変形例)
上記一実施形態では、図2A〜Bに示すように、配線層4の側面の全部は、基材層3に接触しているが、例えば、図示しないが、配線層4の側面の下部が、基材層3に接触し、配線層4の側面の上部が、基材層3の上面から露出することができる。つまり、配線層4の上部が基材層3の上面から突出し、配線層4の下部が基材層3に埋め込まれている。
好ましくは、基材層3および配線層4の密着性の観点から、図2A〜Bに示す一実施形態が挙げられる。
(第3変形例)
図1および図2A〜Bに示す一実施形態では、本発明の生体センサの一例として貼付型心電計30を挙げたが、例えば、図示しないが、生体信号をセンシングして生体の健康状態をモニタできる装置などが挙げられ、具体的には、貼付型脳波計、貼付型血圧計、貼付型脈拍計、貼付型筋電計、貼付型温度計などが挙げられる。
なお、生体は、人体および人体以外の動物を含むが、好ましくは、人体である。
以下に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
する。
<基材組成物の調製>
(実施例1)
ポリウレタン含有溶液(後述するポリウレタンA:20質量%、メチルエチルケトン(溶媒):40質量%、ジメチルホルムアミド(溶媒):40質量%を含有)と、トリカプリル酸グリセリル(商品名「ココナード」、花王社製)と、シランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、商品名「KBM−603」、信越化学社製)とを、ポリウレタン:トリカプリル酸グリセリル:シランカップリング剤の質量比(固形分)が100:10:0.1となるように、混合撹拌して、基材組成物溶液を調製した。
(実施例2〜10)
ポリウレタンおよびシランカップリング剤の種類および処方を表1の種類および処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、基材組成物溶液を調製した。
(比較例1〜6)
ポリウレタンおよびシランカップリング剤の種類および処方を表1の種類および処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、基材組成物溶液を調製した。
<感圧接着組成物の調製>
アクリル酸イソノニル65質量部、アクリル酸メトキシエチル30質量部およびアクリル酸5質量部を共重合させてアクリルポリマーを調製した。続いて、アクリルポリマー100質量部と、トリカプリル酸グリセリル60質量部と、多官能イソシアネート化合物0.01質量部とを撹拌混合して、アクリル系感圧接着組成物を調製した。
<評価>
(剥離強度の測定)
各実施例および各比較例の基材組成物溶液を、銅箔(幅5cm、長さ10cm)に塗布し、130℃で5分間、乾燥して、銅箔の上面に厚み30μmの伸縮性を有する基材層を形成した。これにより、剥離強度測定用のサンプルを得た。
引張試験機(島津製作所製、「オートグラフAGS50NX」、卓上形精密万能試験機)を用いて、銅箔を支持台に固定し、サンプルを幅1cmとなるようにカットし、剥離角度180度、剥離速度30mm/分の条件で基材層を長さ方向に引っ張ることにより、銅箔から剥離した。このときの剥離強度の測定結果を表1に示す。
(配線の剥離性)
各実施例および各比較例の基材組成物溶液を用いて基材層(厚み8μm)を形成し、上記のアクリル系感圧接着組成物を用いて感圧接着層(厚み25μm)を形成することにより、図1〜図2Bに示す生体センサ用積層体を製造した。なお、配線として、銅配線(厚み4μm、幅(短手方向長さ)300μm)を用いた。また、銅配線は、基材層の基材溝に埋設されており、銅配線の上面は、基材層の上面と面一であった。
各実施例および各比較例の生体センサ用積層体を、人体の関節部(手首)に貼付し、関節を繰り返し折り曲げた。
このとき、基材層上面の基材溝に埋設された銅配線が、基材溝から完全に飛び出している箇所が観察された場合を×と評価し、銅配線が基材溝から飛び出しているが、完全には飛び出していない箇所が観察された場合を△と評価し、銅配線の上部のみがわずかに基材溝から飛び出している箇所が観察された場合を〇と評価し、銅配線に変化が観察されなかった場合を◎と評価した。結果を表1に示す。
Figure 2019150465
表に記載の成分などの詳細を下記に示す。
ポリウレタンA:商品名「エスストランET−370」、BASF社製、ジフェニルメタンジイソシアネート(8モル%)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(92モル%)との共重合体
ポリウレタンB:商品名「PANDEX T−8180N」、DICコベストロポリマー社製、ジフェニルメタンジイソシアネート(10モル%)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(90モル%)との共重合体
KBM603:商品名、信越化学社製、アミン系シランカップリング剤、第1級アミンおよび第2級アミン併有型、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
KBM903:商品名、信越化学社製、アミノ系シランカップリング剤、第1級アミン型、3−アミノプロピルトリメトキシシラン
KBM403:商品名、信越化学社製、エポキシ系シランカップリング剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
KBM503:商品名、信越化学社製、メタクリル系シランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
KBM5103:商品名、信越化学社製、アクリル系シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
KBE9007:商品名、信越化学社製、イソシアネート系シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
1 生体センサ用積層体
2 感圧接着層
3 基材層
4 配線層
30 貼付型心電計
31 電子部品

Claims (6)

  1. 生体に貼付するための感圧接着層と、
    前記感圧接着層の上面に配置され、伸縮性を有する基材層と、
    前記基材層の上面に埋設される配線層と
    を備え、
    前記基材層は、アミン系シランカップリング剤を含有することを特徴とする、生体センサ用積層体。
  2. 前記基材層は、ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の生体センサ用積層体。
  3. 前記アミン系シランカップリング剤は、前記ポリウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上含有することを特徴とする、請求項2に記載の生体センサ用積層体。
  4. 前記アミン系シランカップリング剤は、第1級アミンおよび第2級アミンを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体センサ用積層体。
  5. 前記配線層が、銅配線から形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体センサ用積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体センサ用積層体と、
    前記配線層に電気的に接続されるように、前記基材層に実装される電子部品と
    を備えることを特徴とする、生体センサ。
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