JP2019148801A - 落射蛍光顕微鏡を使用する方法、イメージング装置を使用する方法、及び落射蛍光顕微鏡 - Google Patents

落射蛍光顕微鏡を使用する方法、イメージング装置を使用する方法、及び落射蛍光顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2019148801A
JP2019148801A JP2019052628A JP2019052628A JP2019148801A JP 2019148801 A JP2019148801 A JP 2019148801A JP 2019052628 A JP2019052628 A JP 2019052628A JP 2019052628 A JP2019052628 A JP 2019052628A JP 2019148801 A JP2019148801 A JP 2019148801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microscope
imaging
image
optical
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019052628A
Other languages
English (en)
Inventor
クナル ゴーシュ
Ghosh Kunal
クナル ゴーシュ
ラウリー バーンズ
Burns Laurie
ラウリー バーンズ
アッバス エルガマル
Abbas El Gamal
アッバス エルガマル
マーク ジェイ シュニッツァー
J Schnitzer Mark
マーク ジェイ シュニッツァー
エリック コッカー
Cocker Eric
エリック コッカー
タット ウェイ ホ
Tatt Wei Ho
タット ウェイ ホ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Leland Stanford Junior University
Original Assignee
Leland Stanford Junior University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Leland Stanford Junior University filed Critical Leland Stanford Junior University
Priority to JP2019052628A priority Critical patent/JP2019148801A/ja
Publication of JP2019148801A publication Critical patent/JP2019148801A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

【課題】落射蛍光顕微鏡及び落射蛍光顕微鏡を使用する方法を提供する。【解決手段】落射蛍光顕微鏡100は、光センサのアレイを含むイメージ捕捉回路118を含む。光学配置124が、約1mW未満の励起光104を、少なくとも0.5mm2である視野126内の対象物体114に向けるように、そして、励起光104によって引き起こされた落射蛍光エミッション116を、光センサのアレイに向けるように構成される。光学配置124と、光センサのアレイとは、視野126のイメージについて、少なくとも2.5μmの解像度を提供するために、それぞれ、対象物体114に十分に近い。落射蛍光顕微鏡を使用する方法は、正確な顕微鏡アライメントを可能にするために、支持構造物のベースプレートに、落射蛍光顕微鏡を取り付けるステップ、及び再度取り付けるステップを含む。【選択図】図1

Description

本特許文献は、「Microscopy Imaging Device with Advanced Imaging Properties(高度なイメージング特性を有する顕微鏡イメージング装置)」と題され、2010年8月27日に出願された、米国仮特許出願第61/377,591号の、35 U.S.C.§119に基づく利益を主張するものである。本特許文献、及び、基となる仮出願において提出された付録は、それらの中で引用された参考文献を含めて、参照によって本明細書中に全面的に援用される。
本開示の態様は、一般に、顕微鏡イメージング装置(例えば、ミニチュア落射蛍光イメージング装置)に関する。
光学顕微鏡は、多くの場合、かなりのサイズ及び経費の機器として設計される。
バイオメディスンにおけるイメージングの役割が増大しており、光学顕微鏡のミニチュア化された統合が、多くの新しい応用分野の進歩を促進する。例えば、大量生産可能な、ごく小さい顕微鏡は、自由に行動している動物内の、特に脳内の、細胞のイメージングのために有用な可能性があり、このイメージングは、細胞動力学が、動物行動にどのように関係しているかを理解するために有用である。
以下に限定されないが、本開示の態様は、大量生産可能な部品から作られた、ミニチュアの(<2g)、統合された蛍光顕微鏡に関し、これは、半導体光源と、イメージセンサとを含み、〜0.5mmの領域全体にわたるイメージングを可能にする。そのような装置は、十分なイメージ品質、及び/又は解像度での、細胞動力学の高速観察のために構成されてもよく、そのような観察は、最大100Hzのフレーム取得レートにおいて、活動中のマウスの脳の動力学を見るために有用である。ミニチュア顕微鏡の使用は、様々な異なる用途(例えば、9つの小脳マイクロゾーンにわたって延在する最大200を超えるプルキンエ神経細胞における、Ca2+スパイキングを同時に追跡すること)のために有用であり得る。
本開示の態様は、落射蛍光顕微鏡に関する。この顕微鏡は、光センサのアレイを有するイメージ捕捉回路を含む。光学配置が、約1mW未満の励起光を、少なくとも0.5mmである視野内の対象物体に向けるように、そして、励起光によって引き起こされた落射蛍光エミッションを、光センサのアレイに向けるように構成される。光学配置と、光センサのアレイとは、視野のイメージについて、少なくとも2.5μmの解像度を提供するために、それぞれ、対象物体に十分に近い。
本開示のいくつかの実施形態は、6mW未満を提供するエネルギー源から励起光を生成するように構成された、光源を有する、落射蛍光顕微鏡に関する。この顕微鏡は、センサアレイを含むイメージング回路と、少なくとも0.5mmである視野について、少なくとも2.5μmのイメージ解像度を提供するために、光源、イメージセンサアレイ、及び対象物体に十分に接近して動作するように構成された、対物レンズとを含む。
本開示の他の実施形態は、1立方インチ(約16.39cm)未満を占める落射蛍光顕微鏡に関する。そのような顕微鏡は、光を、イメージング対象を含む視野に向けるように構成された、光励起配置を含む。光センサアレイを含むイメージング回路が、向けられた光と、イメージング対象との間の相互作用によって引き起こされた蛍光から、イメージデータを生成するように構成される。光学配置が、蛍光を、光センサアレイに、(イメージデータが、0.20mmにわたって、かつ、少なくとも3μmの解像度で描かれるための、十分な強度及びフォーカスを伴って)向けるように構成される。他の実施形態では、イメージデータのための強度及びフォーカスは、少なくとも0.5mmである視野について、少なくとも2.5μmのイメージ解像度で描くために十分なものである。
本開示の他の実施形態と一致して、イメージング装置は、サイズが1立方インチ(約16.39cm)未満であるポータブルハウジングを含む。ポータブルハウジングは、励起光を提供するように構成された、励起源を含む、いくつかの要素を含む。構造物も含まれ、この構造物は、第1の端と、第2の端とを有する、光学経路を提供するように構成される。構造物は、光学経路の第1の端における対物レンズと、励起光を、対物レンズに向けるように構成及び配置された、1つ以上の励起要素と、対物レンズから受け取られた落射蛍光エミッション光から、光学経路の第2の端における焦点面を提供するように構成及び配置された、1つ以上のエミッション要素とを含む。イメージング回路は、焦点面において配置された、かつ、落射蛍光エミッション光から、対象物体のイメージを捕捉するように構成及び配置された、光センサのアレイを含み、イメージは、複数の個々の毛細血管を捕捉するための十分な視野と、個々の毛細血管を相互に区別するための十分な解像度とを有する。
本開示のいくつかの態様が、複数の説明される実施及び適用例において例示され、それらのうちのいくつかは、図面内に示され、特許請求の範囲において特徴付けられる。上記の概要は、本開示の、各説明される実施形態、又は全ての実施を説明することを意図するものではない。
本開示の態様は、以下の、本開示の様々な実施形態の詳細な説明を、添付の図面と関連付けて考慮することによって、より完全に理解されるであろう。
本開示の実施形態と一致する、落射蛍光顕微鏡装置のブロック図を示す。 本発明の実施形態と一致する、外部光源を有する落射蛍光顕微鏡装置のブロック図を示す。 本開示の実施形態と一致する、ミニチュア蛍光顕微鏡の断面を示す。 本開示の実施形態と一致する、対物レンズと、その中の光線伝搬とを示す。 本開示の実施形態と一致する、2つのレンズ要素と、追加のスペクトルフィルタリング構成要素とを使用した、イメージング経路の光線追跡図を示す。 本開示の実施形態と一致する、顕微鏡システムのブロック図を示す。
本開示は、様々な修正及び代替形態に適用できるが、それらのうちの特定のものが、例示の目的のために、図面内に示され、更に詳細に説明される。しかし、その目的は、説明される特定の実施形態に開示を限定することではないということを理解されたい。反対に、その目的は、本開示の精神及び範囲内に入る全ての修正、均等物、及び代替物を網羅することである。
本開示は、様々な異なるタイプの装置、及びプロセスに適用可能であると考えられ、本開示は、落射蛍光イメージング用途に特に好適であることが見い出された。本開示は、そのような用途に必ずしも限定されないが、本開示の様々な態様は、この状況を使用した様々な例の説明を介して評価されてもよい。
本発明のいくつかの例示的実施形態と一致して、落射蛍光イメージングは、顕微鏡装置、及びシステムの使用を介して促進される。例えば、装置、及び/又はシステムの、特定の態様は、対象物体、又は細胞内に、落射蛍光を生成するために使用される、励起光についての、超低レベルの使用を可能にする。いくつかの態様は、広い視野の、高解像度を有するイメージングを可能にする。更に別の態様は、リアルタイム、又はほぼリアルタイムで見られることが可能な、イメージの高速捕捉に関する。これらの促進事項は、限定的なものではないが、これらは、本開示の複数の異なる実施形態に関連する。
特定の態様は、励起光の光源と、イメージングのための対象物体、又は細胞との間の近接に関する。落射蛍光イメージングの場合、励起光と、対象物体との間の相互作用が、イメージング蛍光の生成を引き起こす。励起光は、対象物体に向けられ、そして、蛍光体、蛍光マーカー、又は蛍光プローブによって吸収されるように構成された特定の波長を有する。蛍光体は、次に、異なる(例えば、より長い)波長における光を放出する。吸収される光の量は、対象物体に送達される励起光の量に関連する。このようにして、生成される蛍光の量は、励起光の量と相互に関連する。様々な光送達メカニズムが、光が媒体を介して進行するにつれての、光の減衰を減少させるのに役立つ可能性があるが、光の減衰は、媒体を介した進行の距離が増加するにつれて、増加する。また、空気、及びその他の媒体を使用する場合、媒体の組成、及びその他の分散属性が、光の送達、及び/又は減衰において重要な役割を果たす可能性があり、その一方で、光路長の減少(主として、空気を介した光の進行の減少をもたらす)は、減衰を減少させることにはほとんど関与しない。顕微鏡装置、及びシステムの設計は、励起光の光源の、対象物体に近接した配置を可能にし、これにより、短い光路の使用が促進される。これは、低パワーの光源の使用を促進するために、及び/又は、低レベルの光を使用してイメージを捕捉するために、特に有用である。
様々な蛍光源が、本明細書で説明する1つ以上の実施形態と一致して使用されてもよい。特定の蛍光源についての言及は、その他の蛍光源(例えば、GFP、GCaMP、及びその変異体などの、遺伝子的にコードされた蛍光タンパク質)の使用を必ずしも除外するものではない。
本開示の他の態様は、光学部品、フィルタ、及びカメラの、1つのハウジング内への統合に関し、これは、ファイババンドル、及びその関連する制限の全ての、除去のために特に有用な可能性がある。
更に他の態様は、落射蛍光からイメージデータを捕捉するための、イメージセンサに相対的な、対象物体、又は細胞の近接に関する。イメージ解像度、及びイメージング時間は、イメージセンサによって収集、及び検出されることが可能な、落射蛍光の量に関連する。対象物体と、イメージセンサとの間の光路の特性に起因する、落射蛍光の減衰は、望ましくない可能性がある。顕微鏡装置、及びシステムの、注意深い設計は、イメージセンサの、対象物体に近接した配置を可能にし、これにより、短い光路の使用が促進される。
また、本開示によれば、顕微鏡装置の対物レンズの近接は、対象物体のイメージング中に、対象物体に相対的に設定される。対物レンズと、対象物体との間の大きな距離は、対象物体において受け取られる励起光の量、及び、対物レンズによって受け取られ、収集される、蛍光の量に対して、有害な影響を有する可能性がある。従って、対象物体に相対的な、対物レンズの近接を設定することは、有利な可能性がある。
本開示の実施形態は、比較的広い視野にわたってイメージデータを捕捉し、イメージデータが対象物体の高解像度を提供する、顕微鏡装置、及びシステムに関する。本開示の1つのそのような実施形態は、視野をイメージングするために提供される、センサ要素又はピクセルのアレイを有する、イメージ捕捉回路を含む。センサ要素は、視野の様々な部分にわたって、落射蛍光を検出する。センサ要素は、イメージの捕捉、及び生成を促進するための、十分な感度、及び対象物体への近接を有するように構成されてもよい。
本開示の他の実施形態は、イメージ捕捉のための、露光時間の長さに関する。蛍光体が励起されるにつれて、蛍光体は、その、蛍光を発する能力を失い始める可能性があり、これは、フォトブリーチングと呼ばれる場合がある。その上、落射蛍光イメージングは、対象物体による励起光の吸収を含む。この吸収された光のうちのいくらかは、熱に変換される。この生成された熱は、露光時間に制限を課す可能性がある(例えば、生物材料/細胞の加熱は、細胞損傷、及び、更には、細胞死をもたらす可能性がある)。露光時間は、しかし、励起光の強度が減少させられた場合、増加させられてもよい。励起光の強度は、例えば、対象物体と、イメージセンサとの間の光結合が向上した場合、減少させられることが可能である。光毒性作用は、局部加熱より有害な可能性がある。本開示の態様は、イメージ捕捉、及びデータの関連する処理に悪影響を及ぼす、これらの作用を、減らす、又は除去する。
本開示の特定の実施形態は、特定の目標(例えば、イメージ捕捉レート、解像度、視野サイズ、又はイメージング深度)のために、イメージ品質、イメージを向上させるための、露光時間の調節と組み合わせた励起光強度の調節に関する。
本開示の他の態様によれば、比較的低い光学ズームが、小さなサイズの対象物体のための視野の高解像度イメージングに関連して使用される。特定のレベルのイメージングのために必要とされる、光学ズームに対する制約は、本明細書で説明する様々な態様と一致する顕微鏡装置、及びシステムの、注意深い設計、及び適用を介して、減らされることが可能である。
本開示の実施形態は、本明細書で説明する態様と一致する顕微鏡装置、及び/又はシステムを使用した、対象物体のリアルタイムイメージングに関する。これらの実施形態のうちのいくつかでは、イメージングレートは、一定の解像度を保ちながら、視野を減少させることによって、増加させられ、イメージ捕捉時間は、露光時間、及び/又は達成可能なフレームレートを減少させることによって、減少させられ、なぜならば、そのようなリアルタイムイメージングは、全視野のサイズ、及び所望されるイメージ解像度と相互に関連するからである。必要に応じてこれと共に実施される別のファクターは、使用されるイメージセンサのタイプ、及び応答性を含む。イメージをリアルタイムで見ることが望ましい場合、更に他のファクターは、表示のためにイメージデータを伝送、及び処理する能力に関する。
本開示の更に他の実施形態は、インビボの、又はインビトロの、落射蛍光イメージングの促進に関する。例えば、生きている対象の、インビボのイメージングは、外部刺激、及びその他のファクターを、捕捉されたイメージと相互に関連付けるために、特に有用な可能性がある。この相互関連は、例えば、捕捉されたイメージの特性を、外部刺激と関連付けることによって、診断/調査ツールとして使用されてもよい。高フレームレートにおけるリアルタイムイメージングは、そのような相互関連を、時間の関数として、更に提供することが可能である。
本開示の一実施形態は、顕微鏡装置の様々な構成要素の取り外し、及び再取り付けを容易にする、モジュラー設計を有する、顕微鏡装置、及び/又はシステムに関する。取り外し、及び再取り付けは、モジュラー構成要素を、新たな、及び/又は異なるモジュラー構成要素と交換するために使用されてもよい。例えば、光源は、同じ、又は異なる光学及び電気特性を有する、新たな光源と交換されてもよい。光センサのアレイ、及び/又は光方向付け要素(例えば、鏡、フィルタ、及びレンズ)も、除去、及び交換されてもよい。所望される場合、光センサも、除去、及び交換されてもよい。
本開示と一致するいくつかのその他の実施形態では、イメージング装置のうちの1つ以上は、外部光学データ処理(記録、及び/又は設定)システムとインタフェースするための、同期化回路を含む。同期化回路は、フレーム基準/アクティブ信号を通信するように構成及び配置された、ロジック回路(例えば、プログラマブル、又はセミプログラマブルチップ(マイクロコントローラ、又はASIC))を含む。一般的な適用例では、フレームアクティブ信号が、(例えば、IEEE通信標準において規定されているような)同期化情報を、イメージング装置と、外部システムとの間で通信されるデータのために、それらのデータと共に提供する。そのような光学データ記録/設定システムは、ソフトウェアをインストールするため、実験及び手順のためのセットアップパラメータを設定するため、そのような実験及び手順の間に視覚フィードバックを提供するため、並びに、操作及び更なる調査のために光学データを記録するために、使用されてもよい。
更に別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されたイメージ装置を使用する方法に関する。装置のうちのいくつかは、支持/安定性を提供し、更に、顕微鏡(再)アライメントを可能にする、基礎構造物として働く、ベースプレートを含む。これらの方法は、顕微鏡アライメントが正確であることを可能にするために、落射蛍光顕微鏡をベースプレートに取り付けるステップ、及び再度取り付けるステップを含む。そのような正確さは、例えば、慢性実験の間の、共通イメージング位置の反復イメージングのために十分なものでなければならない。
ここで図面を参照すると、図1は、本開示の一実施形態と一致する、落射蛍光顕微鏡装置のブロック図を示す。落射蛍光顕微鏡装置100は、寸法120及び122内に、複数の構成要素を含む。寸法120及び122に対して垂直に延在する、更なる寸法は、図示されていない。必ずしも限定されないが、これらの寸法のそれぞれは、1インチ(約2.54cm)未満であってもよい。その他の実施形態と一致して、寸法は、わずかにより大きい(例えば、数センチメートル程度)。
落射顕微鏡装置100は、光源102を含む。この光源102は、励起光104を生成する。特定の実施では、光源102は、発光ダイオード(LED)、又は有機発光ダイオード(OLED)である。励起光104は、光学配置124によって、対象物体114に、そのイメージングのために向けられる。光学配置は、1つ以上の対物レンズ112と、(ダイクロイック)ミラー110と、励起フィルタ108と、エミッションフィルタ(図示せず)とを含んでもよい。対象物体114からの落射蛍光116は、対物レンズから/によって、イメージ捕捉回路118に向けられる。落射蛍光顕微鏡装置100は、視野126からの光を方向付けて、視野126についてのイメージデータを捕捉するように構成される。
本開示の様々な実施形態では、顕微鏡装置100は、イメージフォーカシング光学要素(例えば、アクロマティックレンズ)、及びエミッションフィルタのうちの、1つ以上を更に含んでもよい。これら、及びその他の要素は、顕微鏡装置100の光学特性を制御するのに役立つ可能性がある。
一実施形態と一致して、示された要素は、それぞれ、例えば、寸法120、122を有する1つのハウジング内の、比較的小さな領域内に統合される。様々な構成要素のそのような統合は、光源102から対象物体114までの、そして、イメージ捕捉回路118に戻るまでの、光学経路の長さを減少させるために特に有用な可能性がある。この光学経路の減少は、顕微鏡装置100の複数の異なる特性及び機能を促進する、設定パラメータの一部であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、顕微鏡は、面積が最大1mmのイメージング視野について、1umまでの解像度を有するイメージを提供することが可能である。
特定の例示的実施形態は、光センサのアレイ118を使用して構成される。光学配置124は、約1mW未満の励起光104(様々な実施形態は、より高い励起パワー(例えば、100mW)を提供する)を、少なくとも0.5mmである視野126内の対象物体114に向けるように、かつ、励起光104によって引き起こされた落射蛍光エミッション116を、光センサのアレイ118に向けるように構成される。様々な実施形態では、視野126は、少なくとも1mmであってもよい。光学配置124、及び光センサのアレイ118は、それぞれ、視野126のイメージについて、少なくとも2.5μmの解像度を提供するために、対象物体114に十分に接近して構成される。他の実施形態では、光学配置124、及び光センサのアレイ118は、少なくとも1μmの解像度を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、試料における励起光パワーは可変であり、特定の構成、及びイメージング制約に応じて、100μW〜100mWの範囲内であってもよい。
本開示の一実施形態と一致して、光源102は、最大37ルーメン又は6mWの光を送達してもよい。しかし、光源102がそのような強度の光を提供することは、必ずしも必要条件ではない。その上、対象物体によって受け取られる光の量は、光源102によって提供される光の量より(減衰率に応じて)少ない。例えば、一実施形態の減衰は、光源における6mWが、対象物体において送達される1mWの励起パワーに対応することをもたらす。同様に、試料における100mWの励起パワーを送達するために、光源は、最大600mWを提供するように構成されてもよい。
図1は、様々な構成要素を、寸法120、122内にあるものとして示すが、その他の実施形態が可能である。例えば、図2は、本発明の一実施形態と一致する、外部光源を有する落射蛍光顕微鏡装置のブロック図を示す。落射蛍光顕微鏡装置200は、外部光源214を含む。この外部光源214は、寸法216及び218内に複数の構成要素を含む、光学配置250に結合される。寸法216及び218に対して垂直に延在する、更なる寸法は、図示されていない。必ずしも限定されないが、これらの寸法のそれぞれは、1立方インチ(約16.39cm)未満であってもよい。その他の実施形態と一致して、寸法は、数センチメートル程度である。
本開示の一実施形態と一致して、外部光源214は、光ファイバケーブル212を介して、光学配置250に結合される。外部光源214、及び光ファイバケーブル212からの、励起光は、(省略可能な)励起フィルタ208を通過する。(ダイクロイック)ミラー204、及び対物レンズ206は、励起光を、対象物体210に向ける。特に、励起光は、視野220に向けられる。励起光は、対象物体210内の蛍光体が、落射蛍光を発することを引き起こす。この落射蛍光は、(ダイクロイック)ミラー204、及び対物レンズ206によって、光センサ202に向けられる。
本開示の様々な実施形態では、顕微鏡装置200は、イメージフォーカシング光学要素(例えば、アクロマティックレンズ)、及びエミッションフィルタのうちの1つ以上を、イメージング経路内に更に含んでもよい。これら、及びその他の要素(図1には図示せず)は、顕微鏡装置200の光学特性を制御するのに役立つ可能性がある。
光源214は、光学配置250に近接して配置されないが、対象物体210、対物レンズ206、及び/又は光センサ202の間の近接に起因して、対象物体210に送達される励起光の量は依然として低レベルに設定されることが可能である。特に、この近接は、対象物体と、光センサとの間の有効な光結合を提供するために、特に有用であり得る。従って、落射蛍光は、イメージ特性の割に、低い強度のものであってもよい。その上、対象物体210におけるより低レベルの励起強度は、フォトブリーチング、加熱、又はその他の悪影響がファクターとなる前の、励起光へのより長い露光を可能にし得る。
以下の説明は、実験的実施形態の詳細を提供する。実験的実施形態は、様々なパラメータ及び結果に関する、例及び詳細を提供するが、これらの態様は、本開示の様々なその他の実施形態を必ずしも限定するものではない。実験的実施形態は、小さな落射蛍光顕微鏡を提供するように構成及び配置された。顕微鏡は、光源、光学部品、フィルタ、及びカメラを、1つのハウジング内に含む、特別に統合された配置を含むものであった。
ミニチュア落射蛍光顕微鏡についての、統合のレベル、及び、結果として得られるサイズ規模は、多数の適用例における使用のために構成されてもよい。特に困難な適用例は、例えば、マウス、又は類似した生体内の、インビボの脳イメージングに関する。少なくとも1つのそのような適用例において、顕微鏡は、目をさまして行動している間の、インビボの脳イメージングのために、マウスの頭の上に取り付けられるように設計される。これ、及びその他の適用例のために構成されるようにするために、顕微鏡は、厳しい物理的サイズ及び質量の要件を考慮して設計された(例えば、目をさまして活発に行動している間、マウスによって容易に運ばれるように)。例えば、成体マウスが質量約25gであるとすると、顕微鏡は、3g以下であるように設計された。その他の設計考慮事項は、イメージ品質、信頼性、及び速度を中心とするものであった。
一実施形態は、高速な、細胞レベルの脳イメージングの、イメージングのために構成された。大規模製造のコスト及び容易さは、蛍光顕微鏡の設計におけるもう1つのファクターであった。特定の実施形態は、低コストで大量生産可能な(例えば、スケーラブルな、かつ大量生産に適した)統合された装置として構成及び設計された。
図3は、そのような考慮事項、及び本開示のその他の実施形態と一致して設計された、ミニチュア蛍光顕微鏡の断面を示す。縦の矢印は、励起(下向き矢印)、及びエミッション(上向き矢印)の経路を示す。1つのハウジング300は、光源314、及びイメージ捕捉回路302、並びに、蛍光フィルタセット(エミッションフィルタ306、及び励起フィルタ316)、及びマイクロ光学部品(コレクタレンズ312、ダイクロイックミラー310、アクロマティックレンズ308、対物レンズ318、及びフォーカシングメカニズム304)を含む。光源、及びカメラと、フィルタセット、及び顕微鏡光学部品との、この統合は、インビボのイメージングなどの、様々な用途における、高解像度イメージ捕捉を促進する。
一実施形態と一致して、小さく、集光光学部品との統合に適しており、低コストで大量生産可能な、半導体発光ダイオード(LED)が、励起光源のために使用される。相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサが、カメラのために使用される。
本開示の特定の実験的実施形態では、図3に示すLED光源は、カスタマイズされた6mm×6mmのプリント回路基板(PCB)(これは、ヒートシンクも含む)上に取り付けられた、青色LED314を使用して実施されてもよい。ドラムマイクロレンズ312が、イルミネーションを収集するために使用され、イルミネーションは、次に、4mm×4mmの励起フィルタ316を通過し、ダイクロイックミラー310から偏向されて出て、イメージング経路に入る。勾配屈折率(GRIN)対物マイクロレンズ318が、イルミネーションを、サンプル上にフォーカスさせる。サンプルからの蛍光エミッションは、対物レンズ318、ダイクロイック310、4mm×4mmエミッションフィルタ306、及びアクロマティックダブレットチューブレンズ308を通って戻り、アクロマティックダブレットチューブレンズ308は、イメージを、電力及び信号調整電子回路を有する8.4mm×8.4mmのPCB上に取り付けられた、CMOSイメージセンサ302(640×480ピクセル)上にフォーカスさせる。LED光源と、CMOSカメラと、光学構成要素とは、モジュラー設計を使用して、顕微鏡ハウジング300内に統合され、モジュラー設計は、励起LED、及びCMOSカメラチップなどの、個々の構成要素が、様々な用途ニーズのために交換されることを可能にする。その上、メモリ回路が、イメージデータを記憶するために統合されてもよい。モジュラー態様は、顕微鏡をイメージング対象から除去することなしに、メモリ回路が除去、及び交換されることを可能にする(例えば、顕微鏡は生体に取り付けられたままであってもよい)。従って、捕捉されたイメージは、ローカルに記憶され、次に、メモリ回路の除去によって回収され、メモリ回路は、ラップトップコンピュータなどの、外部装置とインタフェースするように構成されてもよい。
例示的実施形態では、顕微鏡ハウジングは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用して製造され、カメラ位置の調節によってサブミクロン精度までのフォーカシングを可能にする、内蔵の機械的イメージフォーカシング機能を有する。その他の材料(例えば、生体適合性、及び耐溶剤性材料)も、様々な所望される用途に一致して、使用されてもよい。顕微鏡は、標準USBインタフェースを有する外部データ取得PCBを介して、コンピュータにプラグ接続されて、リアルタイムイメージ取得、表示、並びに、カメラ及び光源制御を提供してもよい。
本開示の実施形態は、イメージング経路の設計及び制御、並びに、落射蛍光顕微鏡の設計に関する。イメージング経路は、対物レンズを、その他の光調整及び指向構成要素と共に含む。追加の構成要素は、例えば、スペクトルフィルタリング構成要素、及び/又は、アクロマティックダブレットイメージングチューブレンズを含んでもよい。
図4は、本開示の一実施形態と一致する、対物レンズと、その中の光線伝搬とを示す。特定の実施形態では、対物レンズ402は、GRIN対物レンズである。GRIN対物レンズは、径方向に沿って減少する屈折率プロファイルを有する円柱レンズであり、これは、図4に示すように、対象物体404から来た光線406が、正弦波経路内を伝搬することをもたらす。GRINレンズは、小さなフォームファクター、及び他のマイクロ光学部品との統合のしやすさにより、並びに/あるいは、他のタイプの対物レンズに比較して光路長が減少することにより、特に有用であり得る。
本開示の一実験的実施形態では、試料からの蛍光エミッションを収集するために使用されるGRIN対物レンズは、直径2mm、ピッチ長0.245である。ピッチ長1は、1つの完全な正弦波経路の光線伝搬に対応し、従って、ピッチ長0.245は、図4に示すように、平行光線と考えられるものに近い光線をもたらす。対物レンズ開口数(NA)は、0.45である。収集された蛍光エミッションは、ダイクロイックミラー、及びミニチュアエミッションフィルタを通過し、蛍光イメージは、次に、15mmの焦点距離を有するアクロマティックレンズによって、CMOSイメージセンサ上にフォーカスさせられる。
図5は、本開示の一実施形態と一致する、2つのレンズ要素と、追加のスペクトルフィルタリング構成要素とを有する、イメージング経路の、光線追跡図を示す。光線は、試料面上の点が、CMOSカメラ上に、どのようにイメージングされるかを示す。光線(502、504、506、508、510)が、試料面内の5つの別個の点源から、CMOSカメラ上のイメージング点まで追跡されている。イメージング経路の設計、及び光線追跡シミュレーションは、ソフトウェアモデリングを使用して実行された。対象物体512から発する光線は、GRIN対物レンズ514を通過する。GRIN対物レンズ514は、光線を平行にする。光線は、次に、ダイクロイックミラー516によって、アクロマティックレンズ518に向けられる。エミッションフィルタ520は、反射された励起光などの、望ましくない光波長をフィルタリングして除去する。光線は、次に、センサアレイ/カメラ522に当たり、ここで、光線は、記録され、対象物体512のイメージを生成するために使用される。
イメージング経路によって提供される光学倍率、及び、光学要素は、所望される用途に応じて構成されてもよい。その上、光学倍率に対する要求は、対物レンズの、対象物体への近接、及び、対象物体と、対物レンズと、イメージ捕捉回路との間の近接によって補われてもよく、これにより、低い光学倍率(1〜4×)で、1mmより大きな、広い試料視野をイメージングし、同時に、少なくとも1μmの、高い空間解像度を依然として提供することを可能にし得る実施形態がもたらされる。
実験、及び関連する実施形態と一致して、顕微鏡光学倍率範囲は、4.5〜5.5×である。作動距離、すなわち、対物レンズの表面近傍から、焦点が合っている試料面内の点までの距離は、約150〜200μm、又は約50〜250μmである(これらの寸法は、焦点面の正確な位置付けに依存する可能性がある)。光学設計の性能は、その解像度能力によって評価されてもよく、この1つの尺度は、光学的点拡がり関数の半値全幅(FWHM)である。この手法で計算された、イメージング経路の、軸上の、横方向空間解像度は、約1.2μmであり、視野の周辺においては、約1.6μmまで劣化した。この測定は、しかし、必ずしも限定的なものではなく、なぜなら、達成可能な空間解像度は、カメラピクセルサイズ(但し、これに限定されない)を含む、様々なファクターの関数でもあるからである。
本開示の態様は、対象物体と、励起源と、イメージセンサとの間の、イルミネーション経路の特性に関する。例えば、イルミネーション経路の注意深い設計は、観察中の試料の、効率的、かつ均一な励起を提供することが可能である。励起光源の、イルミネーション経路への結合は、試料を励起するための、十分な、かつよく制御されたイルミネーションを提供するために有用であり得る。一実験的実施では、470nm付近における、イルミネーションのスペクトルピークを有する、青色LEDが、励起光源として使用された。LEDは、ヒートシンクを備えた6mm×6mmのPCB上に取り付けられた。ヒートシンクは、LED接合温度を、動作中に安定に保つために役立つ。
LEDイルミネーション出力は、局所領域にわたってのみ、駆動電流と比較して(一次)線形である(実際の伝達関数は、曲線である)。しかし、出力は、温度依存性を示す。実験結果は、試料において必要とされるイルミネーションパワーを送達するために、20〜30mAの駆動電流で十分であることを示した。この駆動電流は、LEDの駆動電流の最大定格の、約50分の1(1/50)であった(例えば、最大駆動電流は1Aであり、一般的な駆動電流は20mAである)。所与の駆動電流に対して、LED接合は、一般に、LEDがオンになった後、約60秒で、平衡温度に達し、LEDイルミネーション出力は安定した。いくつかの実施形態では、フィードフォワード、又はフィードバックシステムと結合された、組み込み型の、又は外部の温度測定を介して、LED光出力は、温度変化の間、リアルタイムで安定させられてもよい。例えば、温度センサ(例えば、感温抵抗体、又は温度検出用ダイオード)、及び/又は電流センサから受け取ったデータが、LEDに提供される電力の量を制御するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような制御を提供する制御回路は、製造中に、又はその後の時点において、較正されてもよい。
一実験的実施形態と一致して、LEDイルミネーションは、ドラムレンズによって収集され、ミニチュア蛍光励起フィルタを通過し、次に、ダイクロイックミラーから反射されて出て、ダイクロイックミラーによって、イルミネーションは、GRIN対物レンズ内に、そして、試料に向けられる。システムは、試料視野全体にわたる、平均光パワー密度における、空間的に均一な、一様なイルミネーションを達成するための、試料への光の収集及び送達のために設計された。これは、ケーラーイルミネーションを近似することによって達成されてもよい。ケーラーイルミネーションでは、光源と、試料面とは、別個の共役面の組の上にあり、これにより、光源が試料上にイメージングされないことが確実にされ、平均光パワー密度における、試料の均一なイルミネーションがもたらされる。
一実験的実施形態によれば、蛍光フィルタセットは、励起イルミネーションを、蛍光エミッションから分離するように構成される。フィルタセットは、励起フィルタ、ダイクロイックミラー、及びエミッションフィルタという、3つの部分を含む。フィルタ、及びダイクロイックの、スペクトルプロファイルは、青の励起、及び緑のエミッションを可能にするように構成された。これらのスペクトルプロファイルは、フルオレセインとその反応性誘導体、及び、緑色蛍光タンパク質(GFP)などの遺伝子的にコードされた蛍光タンパク質などの、幅広い範囲の合成蛍光プローブのイメージングに適している。特定の実験的実施について、特定のスペクトル特性、及びフィルタセットの寸法は、以下の通りであった。励起フィルタは、帯域通過フィルタであり、480/40nmのスペクトルと、4mm×4mm×1.05mmの寸法とを有し、エミッションフィルタも、帯域通過フィルタであり、535/50nmのスペクトルと、同様の、4mm×4mm×1.05mmの寸法とを有し、ダイクロイックミラーは、506nmを超える波長を通過させる、長い通過スペクトルプロファイルを有し、4mm×4.8mm×1.05mmの寸法を有していた。他の実施形態では、フィルタセットは、様々な励起/エミッションスペクトルを有する、複数の蛍光マーカの励起及びイメージングのための、複数の波長励起を可能にするように構成されてもよい。
本開示の実施形態は、CMOSイメージセンサの使用に関する。CMOSイメージセンサは、CMOSで設計及び製造された、デジタルイメージングセンサである。これは、低コストで大量生産されることが可能なイメージセンサを提供するために、特に有用であり得る。その上、CMOS技術の使用は、低電力、及び高速の、両方において動作する解決法を提供するために有用であり得る。CMOSイメージセンサは、デジタルピクセルを使用して実施されることが可能であり、ここで、光子からビットへの変換は、ピクセルごとのアナログ−デジタルコンバータと、ダイナミックメモリとを使用して、ピクセルレベルにおいて直接行われる。これは、高速イメージング用途のために、及び、ダイナミックレンジエンハンスメントなどの、高速捕捉から利益を得る静止及びビデオレートイメージング用途のために、特に有用な可能性がある。
特定の実施では、640×480ピクセルの解像度を有し、各ピクセルが5.6μm×5.6μmの寸法を有する、CMOSイメージセンサが使用された。CMOSイメージセンサは、5.6mm×5.8mmのチップスケールパッケージ内にパッケージされた。センサ出力は、シリアル化デジタル低電圧差動信号(LVDS)フォーマットにおけるものであった。そのようなLVDSフォーマットは、最小数の相互接続を使用してインタフェースすることを促進するために特に有用であり、これは、顕微鏡に取り付けられる線の数を最小にするための、重要な考慮事項であり得る。
センサの、表1に示す実験的特徴付けについて、以下に簡単に説明する。暗電流ショットノイズからのノイズ寄与が些細であるように、完全な暗闇の中で、十分に短い露光によって取得された、1000イメージフレームにおける、ピクセル強度の標準偏差を計算することによって、ピクセル読み出しノイズが評価された。暗電流と、暗信号不均一性(DSNU)(デバイスの不一致に起因する、ピクセルのアレイ間での暗電流のばらつき)とが、暗闇の中で、十分に長い露光時間によって、1000フレームを捕捉し、次に、時間ノイズを理想的に平均する目的で、フレームを平均して1つのイメージとすることによって評価された。暗電流と、暗信号不均一性とは、次に、平均されたイメージ内のピクセルの平均、及び標準偏差から見い出された。これらの実験的に特徴付けられたセンサ仕様と、センサのその他の既知の電子特性とを使用して、CMOSイメージセンサが解析的にモデル化され、一連の入射光子束密度にわたるイメージング忠実度が評価された。
実験結果は、例示的なものであり、限定的であることを意図するものではない。例えば、表1のフレームレート/イメージ捕捉速度(36Hz)は、特定の実験パラメータの状況におけるものと理解されるべきである。例えば、捕捉された視野(FOV)は、少なくとも0.5mmであったが、これは、最大1mm、又はそれ以上であってもよい。より小さなFOVは、より高いフレームレートを可能にする(例えば、100Hzにおいて370μm370μm)。
本開示の実施形態と一致する一適用例は、インビボのマウス脳イメージング実験に関する。一般的なインビボのマウス脳イメージング実験の場合、センサ面上に入射する光子束密度は、1011光子/cm/秒程度であり、これは、20,000電子/ピクセル/秒に対応するため、CMOSイメージセンサは、インビボのマウス脳イメージング実験の場合、光子ショットノイズ制限領域内で動作する。従って、イメージングが低光量状態において実行される適用例についての、CMOSイメージセンサのピクセル読み出しノイズ、及び暗電流の数値、関連する考慮事項は、イメージング忠実度にわずかな影響しか与えない。評価された60dBのセンサダイナミックレンジと共に、これは、インビボの脳イメージングデータセットにおいて観察される信号強度の範囲を捕捉するために十分すぎるほどであると考えられ、CMOSイメージセンサのイメージング性能メトリクスは、用途ニーズに応えるのに適していることが示された。
本開示の実施形態は、顕微鏡装置への、イメージデータ、制御信号、及び/又は電力の、通信に関する。多くの適用例について、顕微鏡の侵入性(intrusiveness)は、関連する考慮事項である。この側面は、顕微鏡装置に、通信、及び/又は電力を提供するために使用される、線の数によって悪影響を及ぼされる可能性がある。従って、本開示の様々な態様は、顕微鏡と、(制御、並びに/あるいは、イメージ記憶及び処理機能を提供することが可能な)外部システムとの間の、線の数を減らすことに関する。特定の実験的実施と一致して、2線式I2Cインタフェースが、制御情報を顕微鏡装置と通信するために使用される。I2Cインタフェースは、線を、SCLK、及びSDATAとして定義し、シリアルインタフェースを使用して通信し、これにより、線の数が少ない解決法を提供する。いくつかの実施形態では、動きを容易にするため、及び、接続線へのねじれ歪みを減らす、又は除去するために、追加の回転要素(例えば、コミュテータ)が使用されてもよい。様々なその他のプロトコル、及び通信解決法が可能である。
本開示の特定の実施形態と一致して、入力電力供給は、イメージセンサに送達される前に、低ドロップアウト電圧レギュレータ(LDO)によって、ステップダウンされ、調整される。入力クロック信号(162MHz)は、イメージセンサに送信される前に、クロックバッファに伝送され、クロックバッファによって復元される。受信されたクロック信号は、次に、27MHzマスタクロック信号を内部で生成するために使用される。センサのイメージデータ出力は、10ビットデジタル化フォーマットにおけるものであり、2線式シリアルLVDSプロトコルを介して伝送される。本開示は、しかし、いかなる特定の通信プロトコルにも、電力提供メカニズムにも、必ずしも限定されるものではない。
図6は、本開示の一実施形態と一致する、顕微鏡システムのブロック図を示す。顕微鏡600の、電子的にアクティブな構成要素のうちの2つは、光励起源602と、センサアレイ604とを含む。いくつかの実施形態では、顕微鏡600は、電力、及び制御信号を、外部インタフェースモジュール650から受信する。これは、様々な回路及び構成要素(例えば、電力供給、メモリ記憶、及び/又はイメージ処理)が、顕微鏡から遠く離れて配置されることを可能にする。インタフェースモジュール650は、独立型の構成要素として機能するように、又は、コンピュータなどの、別の装置と接続するように設計されてもよい。
いくつかの実施形態では、インタフェースモジュール650は、顕微鏡データの取得及び制御を提供するように構成され、かつ、顕微鏡イメージング装置の外部にある。別の実施形態では、(入力/出力(I/O)インタフェース616を有する、又は有さない)インタフェースモジュール650は、顕微鏡装置600と統合されてもよい(例えば、重量/サイズが、そのような統合を排除しない用途のために)。
本開示の一実施形態によれば、インタフェースモジュール650は、入力/出力(I/O)インタフェース606(送信器/受信器/トランシーバ回路)を含む。このI/Oインタフェース606は、顕微鏡600に電力、制御を提供するために、及び、顕微鏡600からのイメージデータを伝送するために、使用されてもよい。例えば、電力が、1つ以上の電力レギュレータ610から提供されてもよく、制御信号が、制御インタフェース614から提供されてもよく、光励起源602に電力を供給するためのドライバ信号608、イメージデータが、(イメージ)データ処理ユニット又は回路612に通信されてもよい。従って、顕微鏡600も、インタフェースモジュール650との通信を可能にするための、1つ以上の送信器/受信器/トランシーバ回路を有するように構成されてもよい。
本開示の一実施形態では、I/Oインタフェース606は、顕微鏡600に、有線接続を使用して接続される。有線接続は、電力、及び通信信号を、任意の数の異なるプロトコルを使用して伝送してもよい。特定の用途(例えば、活動中の生体のインビボのイメージング)は、軽く、柔軟で、かつ、その他の点で、イメージングの対象による動きに適した、有線接続から利益を得る。従って、いくつかの実施形態は、ピン/線の数が少ない通信プロトコル、及び解決法を実施する。
本開示の他の実施形態と一致して、I/Oインタフェース606は、無線通信を使用するように設計される。顕微鏡イメージング装置の無線制御、及び無線データ転送は、いくつかの動いているイメージング対象が、相互に十分に近接して、並行してイメージングされている場合に、特に有用な可能性がある。非限定的な一例では、I/Oインタフェース606は、ISO/IEC 14443から導かれるニアフィールド通信などの、磁界誘導を使用してもよい。ニアフィールド通信は、例えば、誘導結合を介して、電力が、顕微鏡に、無線で提供されることも可能にする。その他の無線通信プロトコル、及び解決法も可能である。
様々な実施形態と一致して、インタフェースモジュール650は、ラップトップ/デスクトップコンピュータなどの、別の装置とインタフェースする、入力/出力(I/O)インタフェース616を有するように設計される。この入力/出力(I/O)インタフェース616は、顕微鏡600からの、捕捉されたイメージを提示するための、表示画面も含んでもよい。いくつかの実施形態と一致して、I/Oインタフェース616は、インタフェースモジュール650の一部として統合されてもよく、又は、(例えば、有線又は無線通信リンクを介して接続された)別個の構成要素であってもよい。
I/Oインタフェース606及び616について本明細書で説明する様々な例は、限定的なものではない。I/Oインタフェースは、カスタム設計されてもよく、又は、既存の通信プロトコルに適合するように実施されてもよい。
いくつかの実施形態では、メモリ618は、イメージデータを、並びに/あるいは、データ処理ユニット又は回路612による実行のためのソフトウェア命令を、記憶するために使用されてもよく、データ処理ユニット又は回路612は、特殊化されたプロセッサ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、又は、特殊化されたソフトウェア命令を実行するように構成された汎用マイクロプロセッサを使用して、実施されてもよい。メモリ618は、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュ)、及び/又は、揮発性メモリ(例えば、揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM))を提供する回路を含んでもよい。
本開示の特定の実施形態は、顕微鏡600内に含まれる2枚のプリント回路基板(PCB)を使用して実施される。第1のPCB602は、発光ダイオード(LED)を含む。第2のPCB604は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージング/カメラチップを含む。これらのPCBは、両方が、外形1.5mmのポリ塩化ビニル(PVC)の1つのシース内に入れられた9本の細くて柔軟な線(LED PCB602への2本の線、及びカメラPCB604への7本の線)を介して、カスタム外部システム650に接続される。外部システム650は、汎用USBイメージングデータ捕捉アダプタを介して、コンピュータとインタフェースする。この構成は、リアルタイムの顕微鏡制御及びデータ取得、並びに、イメージの即時表示を可能にするために特に有用な可能性がある。
集積回路間(I2C)シリアル通信インタフェースが、I2Cコントローラ614を使用して提供される。I2Cインタフェースは、PCB604の一部である(CMOS)イメージング/カメラチップの動作及び機能を制御するために使用されてもよい。イメージング/カメラチップから出力されたイメージデータは、シリアル化され、デジタル低電圧差動スイング(LVDS)フォーマットに従って伝送される。
本明細書で説明する様々な実施形態と一致して、実験的蛍光顕微鏡は、製造、組み立て、及びテストされてもよい。顕微鏡の製造、組み立て、及びテストのプロセスは、本質的に、分散され、能率化されて実施されてもよい。カメラPCBと、LED PCBとは、別個に製造されてもよく、また、レンズと、フィルタとは、別々に生産又は調達される。顕微鏡ハウジングは、その製造を容易にするために、一揃いの、個々の部品として製造されてもよい。
イメージング光学部品を使用して、又は使用せずに、カメラPCBは、電力、カメラ制御、及び有効な出力データの存在について、テストされてもよい。LED PCBのテストは、イルミネーション出力が監視されている間の、LEDの駆動を含んでもよい。完全に組み立てられた後、顕微鏡ハウジングは、光学部品と、LED PCB、及びカメラPCBとの、アライメントを維持するように設計される。顕微鏡ハウジングは、軽量で、化学的耐性があり、堅く、機械加工が可能な、黒いポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作られた。黒いハウジングが、迷光の大部分を吸収したが、黒いフェルト又はその他の吸光材料の薄い層が、光を反射する傾向がある位置に貼られてもよい(例えば、接着されてもよい)。カメラPCBを保持するハウジング部分と、顕微鏡本体との間の、ねじ込み式インタフェース(threaded interface)は、それら2つの間の間隔の細密調整を提供するように構成される(焦点が合っている試料面を、取得されるイメージ内に設定するために)。顕微鏡設計のモジュラー性は、必要に応じた、様々な部品(例えば、カメラPCB、LED PCB、フィルタ、及びダイクロイックセット)の除去、及び交換を可能にする。
この方法と一致して製造された実験的顕微鏡は、様々な特徴についてテストされた。表2は、活動中のマウスの脳の、インビボのイメージングに使用された、実験的に製造されたミニチュア蛍光顕微鏡(イメージアライメントなし)についての様々な仕様を示す。
顕微鏡の変調伝達関数(MTF)に基づく、シミュレートされた顕微鏡解像度は、2.3μmであると判定された。測定された顕微鏡解像度は、上の表2に記載したように、約2.5μmであると経験的に評価された。顕微鏡解像度は、シーメンススター解像度テストパターンをイメージングすることによって測定された。
実験的顕微鏡の解像度能力をテストするために、鋭いエッジ、傾斜したバーが、合成シーンとして使用され、仮想顕微鏡を使用してイメージングされた。平均エッジ応答、又は線広がり関数が、次に、傾斜したバーのデジタルイメージの様々な断面において導かれ、MTFが、次に、計算された。結果は、カメラピクセルピッチによって判定された、ナイキストレートが、89サイクル/mmであることが見い出されたことを支持する。これは、試料面内の2.2μmの特徴サイズに対応する。MTF10、すなわち、コントラストが、理想的なコントラストの10%に劣化する解像度は、2.3μmであることが示された。
本開示の、明示的に説明した実施形態からの、複数の変形が可能である。例えば、顕微鏡は、バッテリなどの、ローカルパワーサプライを含むように構成されてもよい。他の例では、顕微鏡のアレイが、対象物体のそれぞれのイメージを捕捉するように配置されてもよい。
特定の実施形態は、生体の、インビボのイメージングに関する。以下で説明する様々な実施形態は、統合された顕微鏡の、頭蓋上への取り付けによって、移動、及びその他のマウス行動と同時に、微小循環を調べるための、小脳虫部のイメージングに関する。それにもかかわらず、本開示は、これに限定されるものではなく、様々な異なる分野、及び用途に適用可能である。
インビボのイメージングに関する特定の実験的実施形態では、(複数の実験において)マウス脳上に固定されたミニチュア顕微鏡を使用した、脳イメージングが、活発な歩行活動を示しているマウスについて、1回実施された。顕微鏡は、マウスが麻酔をかけられている間に取り付けられ、イメージングは、麻酔から解除されてから約15〜60分後に開始された。頭蓋に取り付けられた顕微鏡を使用して、マウス行動、及び、相互に関連する、虫部における微小循環の、複数のビデオクリップが、様々な行動について捕捉可能である。例えば、行動領域内を歩き回っているマウスは、第1の行動を表し、運動用回し車上で走っているマウスは、第2の行動を表す。一実験的実施では、FITCデキストランの静脈注射に続いて、100Hzでイメージを捕捉する統合された顕微鏡を使用して、微小循環が記録された。この蛍光染料は、血漿を標識し、これにより、赤血球が暗いレリーフ内で見られること(to be seen in dark relief)を可能にした。個々の赤血球が、毛細血管を通って流れるのが目撃された。生理機能における光誘起変化の可能性を減らすために、各イメージングセッションについて、連続イルミネーションの期間、及び平均電力は、<5分、及び<600μWに制限された。少なくとも2分が、イメージングセッションの間に経過することが可能にされ、実験の間の総イメージング期間は、一般に約45分であった。フレーム取得レートは、小脳血管系、及び微小循環イメージング実験については、約100Hz、カルシウムイメージング調査については、30〜46Hzであった。
いくつかのインビボの適用例について、本明細書で説明したが、本開示の装置、及び方法は、その他のイメージング解決法(形態判定、薬剤スクリーニング、及びその他の適用例など)のために使用されることが可能である。
一実施形態と一致して、本明細書で説明した統合された顕微鏡の使用は、様々な生体についての表現型の識別を容易にする。これは、際立った特徴を識別するために使用されることが可能な、高解像度イメージングによって容易にされる。例えば、表現型は、野生型、及びerbb3突然変異体のゼブラフィッシュについて、Alexa−488を用いたミエリン塩基性タンパク質の蛍光免疫標識を使用して、識別されてもよい。脊髄、及び後外側神経が、イメージングされ、野生型の魚における区別のために使用されてもよい。erbb3の魚では、シュワン細胞が、後外側神経を発達させない。
別の実施形態と一致して、統合された顕微鏡の使用は、ウェルプレート内の正確な細胞計数分析を容易にする。例えば、カルボキシフルオレセインを使用して標識された、生きているMCF7ヒト乳がん細胞の、塩基濃度(CO≒4.0×105細胞/mL)が、6つの濃度のそれぞれについて、8サンプルウェルを使用して、希釈されてもよい。必要に応じて、自動化アルゴリズムが、イメージ内の細胞の、高速、かつ効率的な計数を提供するために使用されてもよい。
一実施形態と一致して、自動化アルゴリズムは、カスタム細胞計数アルゴリズム内の、連続した解析ステージを使用する。(コンピュータ)プロセッサ回路(例えば、メモリ回路/プロセス命令を提供するための媒体を含む)などの、ロジック回路が、カルボキシフルオレセインを使用して標識された、生きているMCF7ヒト乳がん細胞の(生)蛍光イメージに対して、コントラスト等化を実行する。プロセッサ回路は、次に、結果として得られたイメージを、バイナリフォーマットに変換し、これに対して、初期セグメンテーションが実行される。単一の細胞が、次に、識別され、計数される。形態学的フィルタリングの、反復のラウンドが、初期セグメンテーションの後に残っていた、複数の細胞のクラスタの、個々の細胞へのセグメンテーションを可能にする。
本開示の実施形態は、顕微鏡イメージング装置を、より大きな光学システムの一部として使用することに関する。例えば、顕微鏡イメージング装置は、長期の、慢性イメージングを容易にするために、インビボで埋め込まれてもよい。これは、モバイル電源と、制御/処理回路とを提供することによって容易にされ得る。これら、及びその他の要素は、顕微鏡イメージング装置のハウジング内に統合されてもよく、又は、(例えば、対象上の他の場所に配置された制御ユニットへの有線接続を使用して)外部接続されてもよい。別の例では、顕微鏡イメージング装置は、例えば、インビボの内視鏡検査を容易にするために、又は、外科手術的処置の間、対象を監視するために、特殊化された光学装置と接続して使用されてもよい。
上述の、及び図に示した、様々な実施形態は、説明の目的のためにのみ提供されたものであり、本開示を限定するものと解釈されるべきではない。上記の説明及び例示に基づいて、当業者は、本明細書中に例示及び記載された、例示的実施形態及び適用例に厳密に従うことなく、本開示に対して、様々な修正及び変更が行われ得ることを、容易に認識するであろう。例えば、インビボのイメージング以外の適用例が、同様のアプローチを使用した実施に適している可能性がある。加えて、上記の例示的実施形態及び実施のうちの1つ以上は、デジタル及び/又はアナログ回路、並びに/あるいは、ソフトウェアベースのアプローチを含む、様々なアプローチを使用して実施されてもよい。これらのアプローチは、本開示の様々な例示的実施形態に関連して実施される。そのような修正及び変更は、特許請求の範囲に記載されたものを含む、本開示の真の範囲から、逸脱するものではない。
上述のように、本開示に関する、特定の適用例、及び背景の詳細について、上記で、以下の説明において、及び本明細書中で引用された参考文献の全体を通して、説明した。付録内の実施形態は、上述の実施形態及び実施のうちの1つ以上に関連して、並びに、図面に示したもの、及び以下に記載するものに関連して、実施されてもよい。基となる仮出願において提出された、参照によって本明細書中に全面的に援用される付録が参照される。
付録A



図3.1. 小型蛍光顕微鏡の断面のコンピュータ支援設計(CAD)図面
上記図3.1は、設計思想を具体化して上記原理概説を案内して設計された小型蛍光顕微鏡の断面を示している。現代の蛍光顕微鏡のコアにおける特徴落射蛍光アーキテクチャは、光源及びカメラ−従来の蛍光顕微鏡における卓上要素−が小型蛍光フィルタセット及びマイクロ光学部とここで単一の装置に統合されるという注目すべき事実を除き、それぞれ励起及びエミッション経路を示す青(左向きの矢印及び下向きの矢印)及び緑(上向きの矢印)の矢印から明らかなように保持されている。「統合による小型化」を容易とするための鍵は、フィルタセット及び顕微鏡光学系と光源及びカメラを統合することができることである。半導体エレクトロニクスにおける進歩の活用は、そのような統合を可能とし、そうすることで、述べられた設計目標の実現を可能としている。固体発光ダイオード(LED)−小型で集光光学系との統合に適しており且つ低コストで大量生産可能−が励起光源のために使用される。相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサがカメラのために使用される。CMOSイメージセンサは、モバイル撮像のニーズによって推進されて近年著しく進歩しており、そのようなイメージセンサを使用することは、携帯電話カメラにおけるそれらのユビキタス使用によってもたらされているいくつかの利点−小型のフォームファクタ、エレクトロニクスとの統合に対する従順性及び低コストで大量に入手の可能性−全て小型蛍光顕微鏡の設計及び開発によく適していることを利用する。
図3.1に示されたLED光源は、ヒートシンクを有するカスタム6mm×6mmのプリント回路基板(PCB)上に搭載された青色LEDである。ドラムマイクロレンズは、その後に4mm×4mmの励起フィルタを通過し、ダイクロイックミラーから偏向し、イメージング経路に入る照明を集光するために使用される。勾配屈折率(GRIN)対物マイクロレンズは、試料上に照明をフォーカスする。試料からの蛍光エミッションは、対物レンズ、ダイクロイック、4mm×4mmエミッションフィルタ、及び、電源及び信号調整電子回路を有するカスタム8.4mm×8.4mmのPCBに搭載されたCMOSイメージセンサ(640×480画素)上にイメージをフォーカスするアクロマートダブレットチューブレンズを通って戻る。LED光源、CMOSカメラ及び全ての光学部品は、励起LED及びCMOSカメラチップなどの個々の要素が異なる用途のニーズのために交換されるのを可能とする本質的にモジュラー設計を有する顕微鏡ハウジングに統合される。顕微鏡ハウジングは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作製され、カメラ位置を調整することによってサブミクロンの精度までフォーカスするのを可能とする内蔵された機械的焦点能力を有する。顕微鏡は、標準USBインターフェースを有する外部データ収集PCBを介してコンピュータにプラグインされることができ、リアルタイムイメージを提供する。
以下のサブセクションにおいて、顕微鏡モジュール及び要素構成の設計が関連する性能メトリックによって詳細に検討される。
3.1.1 画像形成の経路
イメージング経路は、通常、あらゆる顕微鏡設計の中心であり、顕微鏡のこの特定のモジュールの設計を開始することがおそらく自然である。先に示唆したように、(スペクトルフィルタリング要素を有しない)イメージング経路は、2つのレンズ素子−GRIN対物レンズ及びアクロマートダブレット・イメージングチューブレンズから構成される。GRINレンズは、以下の図3.2に示されるように、正弦波経路内を伝播する光線をもたらす放射状に減少する屈折率分布を有するシリンドリカルレンズである。
対物レンズとしてのGRINレンズの選択は、その小型フォームファクタ及び他のマイクロ光学系のとの統合の容易さ、すなわち、−光ファイバ通信に利用され且つそのようなレンズの開発を最初に推進した属性、及び、−深い撮像対象にアクセスするためのその内視鏡状の幾何学的配置、を利用する。


図3.2. 勾配屈折率(GRIN)レンズにおける光線伝播
試料からの蛍光エミッションを集光するために使用される特定のGRIN対物レンズは、0.245のピッチ長を有し直径が2mmである。1のピッチ長は、光線伝播の完全な正弦波光路に対応する。それゆえに、0.245のピッチ長は、図3.2に示されるように平行光束をもたらす。客観的な開口数(NA)は0.45である。集光された蛍光エミッションは、ダイクロイックミラー及び小型エミッションフィルタを通過し、蛍光イメージがCMOSイメージセンサ上に15mmの焦点距離を有するアクロマートレンズによってフォーカスされる。
以下の図3.3は、2つのレンズ素子及び追加のスペクトルフィルタリング要素を有するイメージング経路全体の光学的光線追跡図である。光線の着色グループは、どのように試料面における点がCMOSカメラ上にイメージングされているかを示している。光線は、試料面における5つの異なる点ソースからCMOSカメラ上のイメージング点まで追跡される。イメージング経路及び全ての光学的光線追跡シミュレーションの設計は、ZEMAXソフトウェアを使用して行われた。


図3.3. 顕微鏡イメージング経路の光学的光線追跡の概略図
顕微鏡の倍率は、4.5−5.5xの範囲に及び、作動距離、すなわち、対物レンズの裏面から焦点が合っている試料面における点までの距離は、焦点面の正確な位置決めに依存し、約150−200μmである。光学的設計の性能は、大抵の場合その解像度によって評価され、これの1つの尺度は、光学的点広がり関数の半値全幅(FWHM)である。軸上においてこの方法で計算されたイメージング経路の横方向の空間解像度は、約1.2μmであり、視野の周辺においては約1.6μまで低下する。しかしながら、達成可能な空間解像度はまた、カメラの画素サイズの関数であることに留意すべきである。
3.1.2 照明経路
照明経路の適切な設計は、観察中の試料の効率的且つ均一な励起を確保するために重要である。励起光源自体は、おそらく照明経路の最も不可欠な要素であり、試料を励起するために十分でよく制御された照明を提供することができるかどうかを決定する。上述したように、約470nmにおいて照明のスペクトルピークを有する青色LEDが励起光源として使用された。以下の図3.4は、LEDの放射を示しており、図3.5は、その測定されたスペクトルプロファイルを示している。LEDは、ヒートシンクを備えたカスタム6mm×6mmのPCB上に搭載された。ヒートシンクの目的は、動作中にLEDの接合部温度を安定に維持することを目的としている。LED照明出力は、一次オーダーで駆動電流によって線形であるが、強い温度依存性を呈する。20−30mAの駆動電流は、LED定格の最大駆動電流の約0.1倍であり、試料において必要な照明電力を供給するのに十分であった。通常、所定の駆動電流について、LED接合部は、LEDがオンになり且つLED照明出力が安定した後、約60秒で平衡温度に到達した。


図3.4. 発光ダイオード(LED)励起光源


図3.5. 測定されたLED照明出力スペクトルプロファイル
LED照明は、ドラムレンズによって集光され、小型蛍光励起フィルタを通過し、その後、GRIN対物レンズに及び試料に照明を向けるダイクロイックミラーで反射される。試料に対するLED照明集光及び供給の設計目標は、試料においてケーラー照明を近似すること、すなわち、試料の視野にわたって平均光パワー密度で空間的に均一で均質な照明を実現することであった。ケーラー照明において、光源及び試料面は、共役面の別個のセットであり、光源が試料上にイメージングされないことを保証し、平均光パワー密度で試料の均一な照明を生み出す。
3.1.3 フィルタセット
蛍光フィルタセットは、蛍光エミッションから励起照明を分離し、且つ、励起フィルタ、ダイクロイックミラー及びエミッションフィルタという3つの部品からなる落射蛍光アーキテクチャのコア要素である。使用されたフィルタのセットが従来の卓上蛍光顕微鏡において使用されるものの小型バージョンであったということを除き、これらの3つの部品からなる標準的な蛍光フィルタセットが顕微鏡に使用された。フィルタ及びダイクロイックのスペクトルプロファイル−フルオレセイン及びその反応性誘導体などの合成蛍光プローブ並びに緑色蛍光タンパク質(GFP)などの遺伝的にコード化された蛍光タンパク質の広いパレットをイメージ化するのに適しているスペクトルプロファイルの共通セットが青色励起及び緑色エミッションを可能とするために選択された。特定のスペクトル特性及びフィルタセットの寸法は、以下のとおりである。励起フィルタは、480/40nmのスペクトル及び4mm×4mm×1.05mmの寸法を有するバンドパスフィルタであり、エミッションフィルタはまた、535/50nmのスペクトル及び4mm×4mm×1.05mmの同様の寸法を有するバンドパスフィルタであり、ダイクロイックミラーは、506nmを超える波長を通過し且つ4mm×4.8mm×1.05mmの寸法を有するロングパススペクトルプロファイルを有する。
3.1.4 カメラ
カメラのためのCMOSイメージセンサの使用は、述べられた設計目標の達成及び小型顕微鏡の実現に向けた手段を可能とする鍵である。CMOSイメージセンサは、CMOS−今日多くの用途のために最も集積回路の設計において一般に使用される技術−で設計及び製造されたデジタルイメージセンサである。しかし、アナログのフィルムベースのイメージングからデジタル電子イメージングへの移行は、CMOSデジタルイメージセンサによってもたらされなかった。電荷結合素子(CCD)技術は、シリコン内の画素のアレイにおいて光子を電子に変換してシーンのデジタルイメージを生成する物理的手段を示すために最初に使用された−デジタルイメージングの時代の先駆けとなり、実際に、CCD技術の2人の先駆者であるウィラード・ボイル及びジョージ・スミスに授与された物理学についての2009年ノーベル賞の半分によってそうすることでその役割について認識された。しかしながら、CMOSイメージングの出現は、デジタルイメージングの進化における重要なマイルストーンであった。CCDデジタルイメージセンサを製造するために必要とされる特殊な半導体ファウンドリとは対照的に、CMOSデジタルイメージセンサは、従来の半導体製造工場で製造されることができる。結果として、CMOSイメージセンサは、非常に低コストで大量生産されることができる。さらにまた、CMOS技術を使用することは、いくつかの固有の性能上の利点を可能とするプラットフォームを提供する。低消費電力で高速なデジタルイメージセンサが実現可能であり、追加回路は、信号処理能力を組み込んで用途ニーズを要求するための新規なアーキテクチャを実装するために画素レベル又はチップレベルで統合することができる。そのような能力の例示は、デジタル画素を有するCMOSイメージセンサの設計及び開発である、すなわち−光子からビットへの変換は画素単位のアナログ−デジタル変換器及びダイナミックメモリによって画素レベルで直接行われ、−例えば、高速イメージング用途のために10000フレーム/秒までのイメージング及びダイナミックレンジ拡大などの高速撮像からの利点を受ける静止及びビデオレートイメージング用途の実装を可能とする[70]。高ダイナミックレンジイメージングの要件は、大抵の場合、赤外線(IR)イメージングに遭遇し、高速での高ダイナミックレンジイメージングのための且つ高い信号忠実度を有するCMOS読み出し回路及びアーキテクチャが実証されている。CMOSイメージセンサはまた、統合された低コストの新たなDNAシーケンシングプラットフォームを可能とするために使用される1つの研究において、生命科学に対する影響を有しており、CMOSイメージセンサは、過剰な用途において今日使用されており、非常に洗練されたカスタムイメージセンサは、より多くの用途を生む可能性が高い能力を有して設計されている。最近の研究は、最先端のCMOSイメージセンサデバイス、回路及びアーキテクチャを具体化しており、サブミクロン画素構造を有する新規な複数の開口アーキテクチャによるイメージングを実証している。
上記引用されたものなどのカスタムCMOSイメージセンサの設計及び製造は、ターゲット用途に対してイメージセンサを調整するための能力及び柔軟性を提供するものの、モバイルイメージング装置におけるCMOSイメージセンサの普及は、それらが通常は実証済み設計を表し、結果的にイメージングシステムへの検証及び組み込みの迅速なルートを表すことから、特に魅力的である市販のCMOSイメージセンサの好況な市場を形成している。CMOSイメージセンサの低コスト生産及び低消費電力化は、それらを携帯電話及び携帯情報端末機(PDA)においてユビキタスとしている。モバイルイメージングのニーズは、CMOSイメージセンサの開発を推進し続け、実際に、それらの低コストでの利用可能性に加えて、小型PCB上の他の電子機器との統合に対する小型フォームファクタ及び従順性などのいくつかの進歩の保証は、小型顕微鏡の設計目標に対してよく連携している。
これらの検討事項に基づいて、市販のCMOSイメージセンサは、小型蛍光顕微鏡に一体化されるであろうカメラの中心部を形成するために選択された。選択されたCMOSイメージセンサは、各画素が5.6μm×5.6μmの寸法を有する640×480画素の解像度を有し、特に小型の5.6mm×5.8mmのチップスケールパッケージにパッケージ化される。センサ出力は、−顕微鏡に取り付けられた配線数を最小化する重要な検討事項である、最小数の配線とのインターフェースを容易とするシリアル化されたデジタル低電圧差動振幅(LVDS)フォーマットにおけるものである。以下の図3.6は、米国10セント硬貨の隣に撮像されたパッケージ化されたCMOSイメージセンサを示している。


図3.6. 顕微鏡と統合するために選択されたCMOSイメージセンサ
他の電子部品との統合のための小型フォームファクタ及び従順は必要であるが、確実にカメラ用の市販のCMOSイメージセンサを使用する可能性を決定するのに十分な条件ではない。イメージング性能及び評価用途にフィットする特性も非常に重要である。以下の表3.1は、選択されたCMOSイメージセンサのイメージング性能に関連する重要な仕様及び特性評価結果を示している。


表3.1. CMOSイメージセンサの仕様及びイメージング性能特性評価結果
高フレームレートは、関心のある小窓を超えることができる(例えば、300×300画素で100fps)
上記示された結果のいくつかを決定するためのセンサの実験的特性評価が以下のように簡単に説明される。画素読み出しノイズは、暗電流ショットノイズからのノイズの寄与が重要でないように完全に暗闇で且つ十分に短露光で取得された1000イメージフレームにおける画素強度の標準偏差を計算することによって推定された。暗電流、及び装置の不整合に起因する画素のアレイにわたる暗電流のばらつきである暗信号非均一性(DSNU)は、十分に長い露光時間で暗闇において1000フレームを撮像した後、理想的には時間ノイズを平均化する目的で全フレームを単一イメージに平均化することによって推定された。そして、暗電流及び暗信号非均一性は、平均化されたイメージにおける全画素の平均値及び標準偏差から見出された。これらの実験的に評価されたセンサの仕様と、センサの他の既知の電子的特性により、CMOSイメージセンサは、入射光量子束密度の範囲についてイメージング忠実度を推定するために分析的にモデル化された。読者は、分析モデル化の詳細について付録Iを参照されたい。代表的な生体マウス脳イメージング実験についてセンサ面に入射する光量子束密度は、20,000電子/画素/秒に対応する1011光子/cm/秒のオーダーであるため、CMOSイメージセンサは、インビボ内マウス脳イメージング実験−小型蛍光顕微鏡のための主要な用途−について光子ショットノイズが制限された領域で動作する。( ファイバ束ベースのファイバスコープを使用してインビボマウス脳イメージング実験前に取得された測定結果及びイメージングデータから経験的に決定される。)それゆえに、イメージングが低光条件下で行われる場合の用途についての重要な検討事項であるCMOSイメージセンサの画素読み出しノイズ及び暗電流の数値は、イメージング忠実性にほとんど影響を与えない。付録Iは、47dBであると推定されたピーク信号対ノイズ比(SNR)で−信号ショットノイズのポアソン統計によって制限される−脳からの蛍光エミッション信号がイメージ化されることができる忠実度の推定値を提供する。インビボ脳イメージングデータセットにおいて観察された信号強度の範囲を撮像するために十分以上である60dBの推定されたセンサのダイナミックレンジとともに、CMOSイメージセンサのイメージング性能メトリックは、用途のニーズに応えるのに十分に適している。ターゲット用途の文脈におけるそのようなセンサの特性評価、分析モデル及びイメージング性能の評価の重要性は、カメラとして使用するためのCMOSイメージセンサの特定の選択が重要な設計上の決定であることから、十分に強調することができない。CMOSイメージセンサは、一般に、確かに「統合することによる小型化」を容易とするが、選択されたセンサが顕微鏡の製造前に必要なイメージング性能を有しているかどうかの評価は−特にそのような顕微鏡が大量生産されることになる場合には重要である。
CMOSイメージセンサは、電力及び信号調整回路を有するカスタム8.4mm×8.4mmのPCB上に統合された。PCB自体は、イメージング面を調整することによって精細なフォーカスを可能とするために調整可能なその垂直位置によって小型顕微鏡の上方に搭載されるように設計される。以下の図3.7は、電力規制及び調整並びにイメージセンサクロック信号の調整を行うためのCMOSイメージセンサ及び集積回路要素を有するPCBの概略図を示している。


図3.7. CMOSイメージセンサ並びに電力及び信号調整集積回路を有するPCBの概略図
PCBは、CMOSイメージセンサと接続して顕微鏡からイメージングデータを取得するために必要な最小数のI/Oを有する。SCLK及びSDATA入力接続は、2線式I2Cインターフェースを介してセンサを制御するために使用される。入力電源は、センサに送られる前に低ドロップアウト電圧レギュレータ(LDO)によって降圧されて調整される。入力CLK信号(162MHz)は、27MHzマスタCLK信号を内部で生成するためにそれを使用するセンサに送られる前にCLKバッファによって復元される。上述したように、センサの出力は、10ビットのデジタル化されたフォーマットであり、2線式シリアルLVDSプロトコルを介して送信される。
3.2 設計方法論
イメージング及び照明経路などの顕微鏡モジュール構成を独立して設計すること、及びカメラなどの主要な顕微鏡要素を特徴付けて評価することは、−互いに独立し且つ統合された装置としての顕微鏡の評価に役立つであろう全体的な設計の観点の種類なしではあるが、顕微鏡の各部の最適化及び評価を可能とする。顕微鏡の製造前にカメラ−すなわちCMOSイメージセンサのイメージング性能が用途のニーズにとって十分であるかどうかを決定するのと同様に、それは、さらに一歩進み、製造前に顕微鏡自体が統合された装置として動作する方法を問うことは、想像力の飛躍ではない。この質問に答える1つのアプローチは、顕微鏡をモデル化することである。そのようなアプローチはまた、大量生産前に集積回路の設計に使用されたものと同様のモデルベースの顕微鏡設計手法を採用することが可能となる。これは、設計プロセス中に顕微鏡性能の最適化を行うのみならず、大量生産前にそのような顕微鏡にわたる「プラグアンドプレイ」動作をシミュレートして評価するのを可能とする。
3.2.1 画像ベースモデリングにおける統合顕微鏡
イメージング性能は、いかなる顕微鏡についての評価の基礎を形成し、これらの小型の接眼レンズを欠く統合された顕微鏡の特定の場合において、撮像されたデジタル画像は、試料読み出しの唯一の手段として機能することから、試料の入力から試料の撮像されたデジタル画像の最終的な出力までのイメージングシステムパイプラインとして顕微鏡をモデル化することは、上述した包括的なモデリングベースの設計手法を実装するためのフレームワークを提供する。試料をイメージングするプロセスは、モデル化されてシミュレートされることができ、顕微鏡の全体的な性能の評価を可能とし、顕微鏡の異なる部分は、全体的な方法で同時に協調設計されて最適化されることができる。具体的には、装置全体のイメージング性能又はシステムメリット関数を最適化する目的で、顕微鏡のイメージング光学系及びカメラの協調設計は、設計者がイメージング電子回路及び処理において洗練した光学系におけるトレードオフの複雑性を探求するのを可能とすることができる。例えば、イメージング光学系における欠陥及び光学収差についての正確性を補償するために、イメージセンサ及び画像処理アルゴリズムにおける進歩を利用することは、最終的な画像品質を犠牲にすることなく、簡便で小型で且つ低コストのイメージング光学系の使用を可能とすることができる。
以下のセクションは、このイメージベースの顕微鏡のモデル化フレームワーク及び関連ツールフローの開発について説明する。ツールフローは、試料シーンを画像合成するために使用可能であり且つ小型の統合された顕微鏡の画像ベースの評価を可能とすることができる「仮想」顕微鏡の構築を容易とする。
3.2.2 統合顕微鏡のモデル化のためのツールフロー
ZEMAX及びコードVなどの商用光学設計ツールは、顕微鏡のイメージング光学系の分析的最適化及び評価を可能とするが、それらは、ユーザ定義のマルチスペクトルシーンによるイメージベースの分析に容易に適しておらず、それだけで、光学像をデジタル画像に変換するために必要な後続ステップのいずれかから分離される。それゆえに、イメージングシステムパイプラインとして、すなわち統合されたイメージング装置として顕微鏡をモデル化するために開発されるいかなるツールも、最低でも2つのステップを実行する必要がある。第1に、ユーザは、特定の用途のための典型的なイメージング条件によって決定されるような既知の照明特性によって試料(合成シーン)のモデルを指定することができなければならず、この合成シーンが与えられると、設計されたイメージング光学系を使用して光学像を形成するプロセスがモデル化されなければならない。第2に、カメラを使用してこの光学像を撮像してデジタル画像を生成する処理がモデル化されなければならない。それゆえに、そのようなツールフローは、統合された顕微鏡設計のイメージベースの評価を可能とし、設計者にフィードバックを提供し、例えば、最適化された統合顕微鏡装置の設計が達成されるまで反復的にイメージング光学系及びセンサの設計のトレードオフの調査を容易とする。イメージングシステムパイプラインの欠陥を矯正するか又は画像ベースの処理をさらに実行するために、ツールフローにカスタムの取得後の画像処理ルーチンを組み込むオプションはまた、そのようなモデル化ベースの顕微鏡の設計手法及び関連ツールフローの有用性及び利用可能性を向上させることになる特徴である。
上記ステップを実行するために開発されたツールフローは、通常のデジタルカメラのイメージングシステムパイプラインをモデル化し且つカメラ画質を評価する目的で以前に開発された、オープンソースMATLABベースツールのコアセット、画像システム評価ツールボックス(ISET)を中心に構築される。ISETは、シーンのユーザ定義の放射表現、イメージング光学系のモデル及びデジタル画像撮像装置のモデルを特定するためのプラットフォームを提供し、光学モデル及びカメラモデルの使用をシミュレートしてそれぞれ、シーンの照射光学像への変換、デジタル画像への光学像の変換するのに使用することができる。開発された統合顕微鏡モデル化ツールフローは、ZEMAX光学的光線追跡設計に基づいてイメージング光学系のモデルを作成して特定するために光学設計ツール(ZEMAX)を使用して且つCMOSイメージセンサの特性評価及び仕様から得られたパラメータに基づいて仮想カメラモデルを作成するためにISETにおける仮想カメラシミュレータであるVCAMを使用して、イメージングシステムパイプラインをモデル化するためにこの基本的な枠組みを利用する。開発環境のオープンソースの性質を考えると、プラットフォームは、生のデジタル画像に基づいて任意のカスタム後処理アルゴリズムを統合するために容易に受け入れられる。以下の図3.8は、この包括的な画像ベースの統合顕微鏡モデル化ツールフローを図示している。


図3.8. 小型顕微鏡の画像ベースモデル化のためのツールフロー
VCAM:仮想カメラ、デジタルカメラシミュレータ
ツールフローに含まれるステップ及びプロセスは、以下に詳細に記載される。
ステップ1:シーンの作成
統合された顕微鏡をモデル化における第1のステップは、イメージングシステムパイプラインに対する入力となる試料のモデルを作成している。第1のレンズ面からの試料面の距離及び試料の視野寸法は、ユーザ入力であり、離散シーンを表すために使用される画素数もまた指定することができる。通常の照明強度及びスペクトル特性(すなわち、平均光子束及び波長の分布)の知識を考えると、合成試料ターゲットの放射表現はその後に作成され、各画素は、光子/秒/nm/sr/mの単位で表される。
標準の光学ターゲットは、大抵の場合、合成試料のシーンをシミュレートする前に一般的なイメージング性能を評価するための基礎となる。一例として、USAF 1951ターゲット又はEIA 1956解像度チャートの正規化されたデジタル画像は、試料のイメージング条件を近似する幾何学的寸法及び照明特性を有する入力シーンとして使用することができる。そのようなシーンの作成において、ユーザは、視野の寸法及び光学系からのシーンの距離、並びにシーンFOVを表す画素数を提供するであろう。より少ない画素数は計算時間を低減するが、画素の最小数は、シーンの離散化がさらに下流のシーンを含む正確な計算のために十分に微細であるように要求される。ユーザはまた、シーンの照明条件をモデル化するのに役立つであろう波長スペクトルにわたる光子束の分布、シーンの放射表現を定義するオプションを有するであろう。このようにして、試料又はイメージングターゲットの表現である任意の正規化されたデジタル画像は、定義された幾何学的寸法を有するマルチスペクトル放射シーンに変換することができる。
ステップ2:光学像の形成
モデル化プロセスの次のステップは、設計された顕微鏡光学系を使用してマルチスペクトル放射シーンの光学像を形成することである。顕微鏡光学系のモデルは、光学設計パッケージ(すなわち、ZEMAX)から生成されて抽出され、基本的にイメージング経路の等価レンズ表現である。モデルは、以下の3つの主要要素から構成されている。1)例えば有効焦点距離及び倍率などの経路についての等価近軸光学パラメータ、2)幾何学的歪み及び相対的な照明パラメータ、並びに3)フィールドポイント及び波長依存点広がり関数(PSF)。光学像は、上記モデル要素に対応する3つの連続した段階で計算される。理想的な常軌を逸していない幾何学的イメージが、抽出された近軸光学パラメータから最初に計算される。画像形状及び幾何学的形状の変化並びに口径食及び瞳収差などの影響による軸外点における照明の減少を構成する幾何学的歪み及び相対的な照明パラメータは、それぞれ、物体面における指定された各フィールドポイントにおいて抽出され、視野全体にわたってこれらのパラメータのマップを生成するために、経験的に導出されたn次の多項式との最小二乗フィッティングにおいて使用される。中間の歪んだ光学像は、このプロセスで作成される。最終的な光学像は、この中間像とフィールドポイント及び波長依存性のPSFをコンボリューションすることによって形成される。理想的な線形のシフト不変のイメージングシステムにおいて、PSFは、システムのインパルス応答関数であり、そのため、回折の影響及び光学的非理想を取り込む最終的なフィルタリングされた光学像におけるPSFの結果と中間画像におけるフィールドポイントのコンボリューションが行われる。しかしながら、ほとんどの光学系は、シフト不変でなく、それゆえに、最終的な変換は、線形、回転対称及びシフト変化の光学系を前提としている。したがって、中間画像は、指定されたフィールドポイントの数に対応するいくつかの回転対称アイソプラナティック画像部分に分割され、各画像部分は、その画像部分の境界フィールドポイントにおいて抽出されたPSFから補間されたローカルPSFとコンボリューションされた後、結果が加算される。これらの演算は、マルチスペクトルシーン放射輝度をカメラ面上に入射するマルチスペクトル光学像照射(光子/秒/nm/m)に変換するために全波長にわたって繰り返される。
ISETイメージングシステムモデリングプラットフォームとZEMAX光学的設計を統合するという概念は、顕微鏡イメージング光学系を設計及びモデル化するために標準のよく開発された光学設計パッケージの利用を可能とし、実際の統合は非自明であり、機械的な詳細のいくつかは言及に値する。3つの主要なモデル要素の抽出は、ZEMAX環境内で行われ、ZEMAXスクリプト(.ZPL)を介して自動化される。スクリプトは、所定数の波長及び物体面フィールドポイント(又は近軸像高)について指定された特定のレンズ構成をシミュレートすることによってモデルパラメータを生成する。理想的な幾何学的画像の計算のために近軸像パラメータを抽出するモデルの第1の要素は、標準.ZPLプログラミング関数によって容易である。各フィールドポイントにおける相対照度及び幾何学的歪みのパラメータを抽出することもまた、.ZPLプログラミング関数を使用して容易に行われる。しかしながら、視野全体にわたってこれらのパラメータのマップを生成することは、計算プロセスの後段階で最小二乗フィッティングを含むことから、ユーザがZEMAXにおいて指定するフィールドポイントの最小数は、最小二乗フィッティングに使用される多項式の次数以上である必要がある。より多くのフィールドポイントはまた、光画像形成プロセスにおける最終ステップの精度を向上させるのに役立つ。PSFは、各フィールドポイントにおいてZEMAXから生成されて抽出され、フィールドポイント数に対応するアイソプラナティック画像部分とコンボリューションされることから、いくつかのフィールドポイントを指定することは、より多くの「ローカル」PSF及び微細なアイソプラナティック画像部分の生成をもたらし、光学系のシフト変化性質の良好な近似を提供する。しかしながら、これは、計算時間の増加を犠牲にして到達する。各フィールドポイントにおけるPSFは、それぞれ、PSFの広がりの程度及びシーン画素ピッチ間隔によって決定されたPSFのサイズ及びグリッド間隔パラメータを使用して、ZEMAXにおいてホイヘンスのPSF法を使用して計算される。PSFと対応するアイソプラナティック画像部分との間の2次元コンボリューションが正確であるために、PSFサンプリング及びシーン画素ピッチが一致していなければならない(理想的には、イメージング面における倍率後のシーン画素ピッチは、PSFサンプリング密度以下でなければならない)ことから、後者は特に重要である。ZEMAXから上記のように抽出された全ての光学モデルパラメータは、ファイルのセットに出力され、このファイルのセットは、次いで、シーンから最終的な光学像への変換が先に述べた計算ステップ及び手順を使用して行われる場合にISETモデル化プラットフォームにインポートされる。ISETプラットフォームとカスタム光学設計の統合に関連するこれらの考慮のいくつかもまた議論される。
ステップ3:デジタル画像の形成
統合顕微鏡のモデル化における最後のステップは、光学像の撮像及びそのデジタル画像への変換をシミュレートすることである。デジタルイメージング装置(すなわち、カメラ)のモデルが必要であり、そのようなモデルは、画素及びアレイサイズ、画素量子効率、変換利得、アナログ−デジタル(A/D)変換器の仕様及びカメラノイズパラメータなどの既知の実験的に導出されたカメラパラメータを使用してISETプラットフォーム内で構築することができる。カメラ撮像及びデジタル画像形成プロセスをシミュレートするために、センサ信号への入射光量子束密度の変換が正確にモデル化されなければならない。光量子束密度は、画素量子効率を使用して電流密度に最初に変換され、その後、画素のフォトダイオード領域上に空間的に統合され、理想的には飽和までの入射光強度に正比例する電子におけるセンサあたりの画素信号数(電荷)を生み出す所定のユーザ指定のカメラ露光時間に時間的に統合される。収集された電荷を読み出し電圧に変換するために画素変換利得が使用され、アナログ画素強度をデジタル画素値に変換するためにカメラのA/Dの解像度及び画素のフルスケール範囲が使用され、それにより、生のデジタル画像への光照射画像の変換が完了する。以下の図3.9は、一連のステップをまとめたものである。


図3.9.デジタル画素値への光量子束密度の変換
上述したデジタル画像形成プロセスは、理想的なプロセスである。デジタル画像への光学像の変換は、非理想的なプロセスであり、大抵の場合、任意のイメージングシステムにおいて付加ノイズの顕著なソースである。そのため、それは顕微鏡イメージングシステムパイプラインにおけるこの段階でノイズをモデル化するために有益且つ重要でもある。ノイズモデル化は、現実的なデジタル画像のレンダリングを可能とし、イメージング信号忠実度の評価を可能とし、ノイズの存在下でのこれらのアルゴリズムの有効性及び性能の良好なテストとして役立つ信頼できる入力により、光学系の収差を補正するために、デコンボリューションアルゴリズムなどの下流の後処理アルゴリズムを提供する。したがって、カメラノイズパラメータ及び信号光子ショットノイズの存在を組み込む加法性ノイズモデルは、ノイズを有するデジタル画像を生成するために使用される。読者は、デジタル画像形成プロセスにおけるノイズのモデル化の詳細について付録Iを参照されたい。
上述したツールフローは、その設計の様々な段階において小型顕微鏡をモデル化するために使用され、設計のフィードバックを提供し、顕微鏡のイメージング性能の最適化を可能とした。ツールフローは、モデルベースの顕微鏡設計手法の採用、具体的には顕微鏡のイメージング光学系の評価及び設計最適化の支援を容易とした。実際に、セクション3.1.1において提示されたイメージング経路の設計は、選択されたCMOSイメージセンサとは異なる候補となる光学設計のイメージベースのモデル化のための記載されたツールフローを使用することに基づいて最適化された設計に収束した結果である。開発されたツールフローは、照明シーンを想定していることから、すなわち、既知の試料の照明特性を使用して試料の放射表現を作成することから、照明経路はモデル化されず、それゆえに、その設計は、独立したままである。しかしながら、照明経路の設計は、形成される試料照明の仮定を検証するために容易に試作することができる。
3.2.3 シミュレーションによる顕微鏡の性能
このセクションは、ツールフローを使用した顕微鏡の画像ベースのモデル化からシミュレーション結果を提供する。最終的な小型顕微鏡の設計のモデルを使用した合成シーンのシミュレーション結果がツールフローにおけるステップを説明するために提示される。「仮想」小型顕微鏡からシミュレートされた光学像及びデジタル画像は、顕微鏡のイメージング性能全体を定性的に評価するのを補助するが、ツールフローはまた、イメージングの忠実度及び空間解像度を考慮して、最終的な小型顕微鏡の設計のイメージング性能を定量的に評価するために使用される。
画像USAF 1951分解ターゲットに対する仮想顕微鏡の使用
ツールフローを説明するために、合成試料シーンとして標準USAF 1951解像度テストターゲットが使用される。以下の図3.10は、−インビボマウス脳のイメージング実験の代表である−焦点面に入射した平均光量子束密度が1011光子/cm/秒であるような照明によるこのシーンの放射表現−ツールフローにおける第1のステップの結果−を示している。照明は、蛍光エミッション波長の帯域内で550nmの波長で単色であると仮定される。シーンの寸法は、500μm×500μmである。


図3.10. USAF 1951合成シーンの放射表現
次のステップは、設計された顕微鏡のイメージング光学系のモデルを使用した光学像照度への放射シーンの変換をモデル化することである。以下の図3.11は、このステップの結果−光画像形成がセクション3.1.1において提示されたイメージング経路設計を使用してモデル化される−ツールフローにおける第2のステップ−を示している。予想されるように、軸上の空間解像度は、分解ターゲットの中央の外側グリッド上にある1−2μmオーダーの線を分解することができるように十分高い(点広がり関数のFWHMは、セクション3.1.1において報告されたように1.2μmである)。光学収差は、視野の周辺において明白である。


図3.11. USAF 1951分解ターゲットの光学像照度。光学像の寸法は、約5倍の光学倍率に対応する約2.5mm×2.5mmである。使用されるイメージング光学モデルは、セクション3.1.1において提示されたイメージング経路の設計に基づいている。
仮想顕微鏡によるシーンのイメージングのモデル化における最後のステップは、選択されたCMOSイメージセンサ(セクション3.1.4)に基づいてカメラのモデルを使用したデジタル画像への光学像照度の変換をモデル化することである。以下の図3.12は、30msの露光時間を想定したこのステップの結果を示している。デジタル画像における各画素は、10ビットのデジタル数字である−センサに入射する光子を感知し、入射した光子数に比例した電荷を収集し、収集した画素あたりの電荷を電圧に変換した後に、10ビットのアナログ−デジタル変換器によって画素電圧をデジタル化するプロセスの最終結果である。平均画像SNRは約35dBである。セクション3.1.4において提示された分析的センサモデル化の結果から予想されるように、イメージング忠実度は、光子ショットノイズによって制限される。もちろん、ツールフローにおけるデジタル画像形成をモデル化するプロセスがセクション3.1.4及び付録Iにおいて提示されて述べられた同じ分析モデル及びセンサ入力パラメータに基づいていることを考えると、シミュレートされた画像の平均SNRはまた、分析的センサモデル化から予想されるものと一致している。


図3.12. USAF 1951分解ターゲットのデジタル画像。画像は、CMOSイメージセンサのアクティブ領域に対応する3.6mm×2.7mmである。
顕微鏡の空間解像度を推定するための仮想顕微鏡の使用
任意の顕微鏡の性能を評価するための最も重要なメトリックの1つは、その解像度、すなわち、達成可能なイメージング空間解像度である。セクション3.1.1において先に触れたように、小型顕微鏡の達成可能なイメージング空間解像度は、イメージング光学系及びカメラの双方の関数−具体的にはCMOSイメージセンサの画素ピッチである。顕微鏡のイメージング光学系の点広がり関数のFWHMは、1.2μmであるが、CMOSイメージセンサの画素ピッチが5.6μmであり、光学倍率が約5倍であることから、達成可能なイメージング空間解像度は、カメラの画素ピッチによって決定されるナイキスト周波数によって制限される。したがって、イメージング空間解像度は、光学系ではなくカメラによって制限される。光学点広がり関数のFWHMがもはや顕微鏡の解像度を評価するための適切なメトリックとしての役割を果たさないことを考えると、顕微鏡の解像能力は、他の手段によって評価されなければならない。USAF 1951テストターゲットなどのイメージング分解ターゲットが有用であるが、顕微鏡の変調伝達関数(MTF)を計算することは、顕微鏡の解像度を定量化するための他の手段を提供する。光学系について、MTFは、点広がり関数のフーリエ変換の振幅であり、それゆえに、周波数にわたるコントラストの低下の指標を提供する周波数領域におけるフィルタである。小型顕微鏡などのイメージング光学系及びカメラを有する統合イメージングシステムについて、統合イメージングシステムのMTFは、システムを介して撮像された鋭いエッジの特定の断面における線広がり関数(LSF)から同様に計算することができる。そのような顕微鏡システムのMTFは、光学MTF及びセンサMTFの双方の効果を取り込み、達成可能な顕微鏡の解像能力及びイメージング空間解像度の尺度を提供する。


図3.13. 傾斜バーのシミュレートされた画像から計算された小型顕微鏡の変調伝達関数(MTF)
上記図3.13は、視野の中心で計算された(イメージング光学系のMTFと比較した)顕微鏡MTFのプロットである。シャープエッジ−傾斜バー−は、合成シーンとして使用され、仮想顕微鏡によって撮像された。そして、平均エッジ応答又は線広がり関数は、上述したように、FOVの中心においてLSFから計算されたMTFを示す図3.13により、傾斜バーのデジタル画像の異なる断面で得られ、その後にMTFが計算された。プロットに示されるように、カメラの画素ピッチによって決定されるナイキストレートは、試料面における2.2μmの特徴サイズに対応する89サイクル/mmである。MTF 10、すなわち、コントラストが理想的なコントラストの10%まで低下した解像度は、顕微鏡の予想される解像能力の尺度とみなすことができる2.3μmである。
したがって、画像ベースのモデル化フレームワーク及び開発された関連するツールフローは、述べられ且つそのような集積顕微鏡の設計の体系的且つ系統的な手段を確立する上で不可欠であるモデルベースの設計手法を容易として可能とするのみならず、予想される顕微鏡のイメージング性能の定量化を可能とする上で価値があった。モデルによって提供されるシミュレーション及び結果は、もちろん、モデルの妥当性に依存している。例えばモデルパラメータを意図的に乱してそれらの効果を評価するなど、画像ベースのモデル化フレームワーク及びツールフローの開発の過程でいくつかの健全性チェックが行われたが、最終的に、モデルの妥当性は、モデルから得られた結果を製造された顕微鏡から実験的に得られたものと比較することによって最良に裏付けられる。
3.3 付録I
この付録は、CMOSイメージセンサにおけるノイズのモデル化とセクション3.1.4、3.2.2及び3.2.3において言及された分析的モデルについてのさらなる詳細を提供する。光量子束密度からセンサ信号への変換のためにここで開発されたノイズモデルは、(時間的及び空間的に均一な照明下での)経時的な各センサ画素信号の変動を考慮した時間的ノイズと、アレイ内の画素全体の信号の空間的変動を考慮した固定パターンノイズ(FPN)の双方を組み込む入力換算加法性ノイズモデルである。時間的ノイズは、信号及び暗光子ショットノイズ、センサ読み出しノイズ及びリセットノイズを含む様々なソースから発生する。FPNは、装置及び読み出し回路のミスマッチに起因する画素にわたる固有の不均一性から発生し、オフセット成分及びゲイン成分を有し、後者は信号に依存している。イメージセンサは、大抵の場合、一般的なオンチップノイズ抑制技術を実行する。そのような技術の1つは、各画素出力が2回サンプリングされ、すなわち、画素がリセットされた直後、及びに統合後の第2の時間が経過したにサンプリングされ、信号読み出しの前に差分がとられる相関二重サンプリング(CDS)である。この操作を介して、CDSは、リセットノイズ及びFPNのオフセット成分を低減する。CDSが常に実行されて(高照度下でのみ著しい)ゲインFPNを無視すると仮定すると、入力信号として画素の光電流を有する画素加法性ノイズモデルあたりのイメージセンサは、以下のように簡略化することができる。


図3.14. CMOSイメージセンサ信号及び加法性ノイズモデル
ここで、iphは、画素光電流であり、idcは、Aにおける画素暗電流である。
Q(i)は、収集された全電荷への全画素電流の変換を表す関数であり、
0<i<qQmax/tintの場合、Q(i)=1/q(Itint)電子、
i≧qQmax/tintの場合、Q(i)=Qmax電子
である。ここで、qは、電子電荷であり、tintは、積分時間(カメラ露出)であり、Qmaxは、ウェル容量であり、Qshotは、積分に起因するノイズ電荷を表すr.v.(ポアソン分布ショットノイズ)であり、ゼロ平均及び分散1/q(iph+idc)tint電子を有するガウス分布である。
readは、カメラ読み出しノイズ(読み出し回路及び量子化に起因するノイズ)に起因するノイズ電荷を表すr.v.であり、ゼロ平均及び標準偏差σread電子を有する。
dsnuは、暗信号不均一性(CDSによってキャンセルされないオフセットFPNの成分)に起因するノイズ電荷を表すr.v.であり、ゼロ平均及び標準偏差σdsnu=σidtint/q電子を有すると仮定される。
gは、V/電子におけるセンサ変換利得である。
それゆえに、全入力換算平均ノイズ電力は、


によって与えられる。
入力信号が積分中に変化しないと仮定すると、センサ信号対ノイズ比(SNR)は、


によって与えられる。
したがって、SNRは、センサ読み出しノイズ、暗電流及びDSNUの知識を考えると、特定の入射光量子束及び指定された積分時間に対応する任意の与えられた入力信号光電流についての上式を使用して推定することができる。
4.1 顕微鏡の明細及び画像形成の性能


図4.1. 標識された主要な要素を有する典型的な製造された小型蛍光顕微鏡。 スケールバーは、メインの写真及び全ての挿入図に適用される。
上記図4.1は、全ての構成部品によって完全に組み立てられた典型的な製造された顕微鏡を示している。挿入図は、上から時計回りに、上部に搭載されたCMOSイメージセンサを有するカメラのPCBと、搭載されたLED及び統合されたヒートシンクを有するLEDのPCBと、蛍光フィルタ及びダイクロイックセットとを示している。


図4.2. 10セント硬貨の隣に撮像された、製造されて完全に組み立てられた顕微鏡


図4.3. 手のひらの上で撮像された、いくつかの製造されて完全に組み立てられた顕微鏡
上記図4.2及び図4.3は、達成された小型化のレベルにおける全体像を提供する、製造されて完全に組み立てられた顕微鏡の写真である。


表4.1. 製造された小型蛍光顕微鏡の仕様及び評価されたイメージング性能
上記表4.1は、典型的な製造された顕微鏡のイメージング性能を特徴とする小型蛍光顕微鏡の仕様及びファイバ束ベースのファイバスコープの性能との比較を列挙している。
インビボマウス脳イメージング用途の文脈において、小型蛍光顕微鏡が主に設計された。列挙された仕様は、設計目標が満たされていることを示している。顕微鏡は、アクティブ動作中にマウスの頭部に負担するのに十分小さい。イメージング性能はまた、高速で、細胞レベルの脳イメージングのために十分であり、実際に期待される性能向上の多くが達成されている(セクション4.1.2を参照)。
4.1.1 シミュレーションされた顕微鏡のパフォーマンスとの比較
顕微鏡の設計及びそのイメージング性能のシミュレーションから予想されたものと製造された顕微鏡の仕様及び実験的に評価されたイメージング性能を比較することは、顕微鏡のイメージング性能をシミュレートするために開発されて使用された設計プロセス及び画像ベースのモデル化フレームワークの有効性の確証に対してフィードバックを提供する。
解像度
おそらく、比較に値する最も重要な性能メトリックは解像度である。顕微鏡のMTFに基づいてシミュレートされた顕微鏡の解像度(セクション3.2.3、図3.13)は、2.3μmであると決定された。上記表4.1に記載されたような測定された顕微鏡の解像度は、約2.5μmであると経験的に推定された。顕微鏡の解像度は、シーメンスのStar解像度テストパターンを撮像することによって測定された。
視野
CMOSイメージセンサアレイのサイズ及び光学倍率によって決定される視野もまた、4.5倍の光学倍率で撮像された試料FOV領域に対応する表4.1において報告されたFOVによる期待値と一致している。
イメージング忠実度(SNR)
先において、それは、典型的なインビボ脳イメージング信号が1011光子/cm/秒のオーダーであり、その大きさの信号に対するSNRの観点で予想されるイメージング忠実度は、約35dBである(分析センサのモデル化及びシミュレーション、セクション3.1.4及びセクション3.2.3)と述べられた。上記表4.1は、センサ上に入射した平均光量子束密度が約3×1011光子/cm/秒である信号について37dBのSNRを報告している。予想されるよりも僅かに低いSNR(3×1011光子/cm/秒の平均信号について、分析センサモデル化は39−40dBのSNRを予測するであろう)は、例えば、高信号レベルで現れるゲインFPNに起因して加法性ノイズ成分を組み込んでいないノイズモデル化における簡略化に起因し得る可能性が最も高い。
以上のことから、したがって、測定結果は、一般に、シミュレーション結果及び予想と一致すると結論付けるのに心強いものである。
4.1.2 従来のファイバースコープとの比較
表4.1はまた、ファイバ束ベースのファイバスコープとの小型蛍光顕微鏡の仕様及びイメージング性能を比較している。ファイバ束の除去は、いくつかの性能上の利点を実現することが予想された。改善の予想領域は、以下にまとめられており、それらの予想の実現について説明する。
マウスの行動
ファイバ束の原理の欠点の1つは、剛性であって全く柔軟でなく、マウスの行動の範囲を制限するということであった。小型顕微鏡により、観察されたマウスの行動の範囲は格段に豊富である。データ取得及び制御設定に対して顕微鏡を接続するポリ塩化ビニル(PVC)シースに包まれたワイヤの束があるが、全ての電気信号を伝達するこのケーブルは、非常に薄くて(1.5mmの全直径を有する)柔軟である。
次のセクションにおけるインビボマウス脳イメージングからの実験結果の議論で明らかなように、神経科学の応用の観点からの主要な設計目標の1つ−インビボ脳イメージング中に自由でアクティブなマウスの行動を可能とすること−は、確かに達成された。
画像アライメント
コミュテータは、マウスが移動するのにともないファイバ束が回転するのを可能とすることによってより多くの行動の自由度を有するマウスを提供しようとするが、これは、オフライン画像レジストレーションすることによって生の画像のセットの回転の計算的な再アライメントを必要とする視野の回転もたらす。さらにまた、照明フィールドが画像とともに回転せず且つ常に僅かに不均一であることから、時間依存性の照明の不均一性は、計算処理された回転アライメントされた画像に存在する。小型顕微鏡により、顕微鏡全体がマウスに取り付けられていることから、撮像された画像は、常に基準の同じフレームにあることから、そのような制限はもはや存在しない。さらにまた、画像は、電気ケーブルを介して伝送されるときに既にデジタル化される。視野は回転せず、画像の計算的再アライメントは必要とされず、回転するFOVに関連付けられた照明の不均一性は存在しない。
解像度
ファイバ束−シングルコア、ステップインデックス光ファイバの集合体−は画素化され、達成可能な空間解像度を制約する。小型顕微鏡の測定された解像度は、実際にファイバスコープによって達成されるよりも優れているが、小型顕微鏡の解像度は、カメラによって制限され、且つ、CMOSイメージセンサ技術の進歩及び顕微鏡のイメージング光学系のいかなる再設計も有しない画素スケーリングの現在の傾向を単に利用することにより、光学的に制限される1.2μmの解像度に向けたさらなるスケーリングのための可能性を有することに留意することが重要である。したがって、小型蛍光顕微鏡の解像度は、1.2μm(及び光学的再設計及び/又は解像度向上技術を超えて)にスケーラブルであるのに対して、ファイバスコープによって達成可能な解像度は、ファイバ束の画素化によって本質的に制約されたままである。
視野
小型顕微鏡によって撮像することができる試料の視野領域は、ファイバスコープによって撮像することができるものよりも4−5倍大きい。ファイバスコープについて、撮像可能な試料FOV領域は、ファイバ束径によって制約されるのに対して、小型顕微鏡によって撮像することができるFOV領域は、CMOSイメージセンサのアクティブ領域及び光学倍率によって決定される。
光子スループット
ファイバスコープの主な制限は、ファイバ束に起因するエミッション光子スループットの損失であった。典型的な脳イメージング実験中におけるシステムの様々な点での光子束レベルの経験的評価は、試料に近かったファイバ束の端部からEMCCDカメラまでの光子スループットにおける合計で約5倍の損失を明らかにした。ファイバ束の除去により、約5倍の光子スループットの予想される改善が小型顕微鏡によって達成された。それゆえに、表4.1において報告されたように、励起パワーと同じレベルにより、エミッション光子スループットにおける5倍の改善は、イメージング忠実度(SNR)における約7dBの改善をもたらす。エミッション光子スループットの改善による利益はまた、励起パワーの低減を実現することができ、それにより、より長いイメージング期間を可能とする。低減した励起パワーは、光退色及び光毒性の影響を軽減する。例えば、約30dBのさらに良好なイメージング忠実度が得られる約5倍の励起パワーの低減は、はるかに大きなデータセットの生成を可能とするほぼ5倍長いイメージング期間を可能とする。
以上のことから、小型蛍光顕微鏡は、インビボ脳イメージングのための必要なイメージング性能を保有するのみならず、自由に行動するマウスにおけるインビボ脳イメージングのための先の最先端の蛍光顕微鏡により、実際にファイバスコープに比べていくつかの面で明確に良好に機能することは明らかである。顕微鏡の総質量は、−アクティブ行動中にマウスが負担するのに十分小さい−指定されていた3gの質量予算の3分の2未満である。完全に機能する顕微鏡のバッチの製造は、小型顕微鏡の設計が最終的な量産にとってスケーラブルであるという主張に信憑性を貸す役割を果たしてきた。したがって、本質的にスケーラブルな設計をもたらすことに加えてファイバ束を除去することによっていくつかの性能利益を実現するという目的に関連して最初に述べられた設計目標−光源、光学系、フィルタ及びカメラを単一の装置に統合することによるベンチトップ蛍光顕微鏡の小型化−が達成された。
4.2
動物の行動と因果細胞プロセスを相関させるための探求の中で自由に行動するマウスにおいて蛍光顕微鏡によってインビボ脳イメージングを実行するための有効な手段でそれらを提供する技術を神経科学者が備えるという目標は、小型蛍光顕微鏡の開発のための包括的なインスピレーションであり、2つの特定の実験的パラダイムは、特定の科学的な関心であり、顕微鏡の性能を検証するために役立った。第1は、自由でアクティブなマウス運動行動時の−運動制御の正確な調整及び運動学習に関与している脳の領域−である小脳における血管系及び微小循環系のイメージングへの欲求であった。そのようなパラダイムは、血行動態、脳活動及び行動の結びつきをより良好に理解するために、細胞レベルでの血行動態を研究しようとし、脳血管疾患の研究に向けられる。第2は、同様にマウスが自由且つアクティブな行動に従事するときの小脳におけるプルキンエ細胞のカルシウム動態のイメージングへの欲求であった。このパラダイムは、神経科学者に興味がある対応する動物の行動と神経活動を相関させる研究の種類を例示する。これらの2つの実験パラダイムの科学的な目的及びそれぞれからの結果は、詳述されて後続するサブセクションにおいて説明される。しかしながら、それらの議論を進める前に、小型蛍光顕微鏡による行動マウスのインビボ脳イメージングを実行する方法が簡単に提示される。
小型蛍光顕微鏡がインビボ脳イメージングのために使用可能である前に実行する必要のある2つのステップがある。第1のステップは、イメージングのためにマウスを準備し、顕微鏡が配置されることができるイメージングされる脳領域に光学窓を生成することである。次のステップは、特定のターゲットの蛍光標識であり、蛍光標識及び標識戦略は、実験の性質並びに研究される構造及びプロセスに依存する。全ての血管系及び微小循環系のイメージング実験のためには、血漿が蛍光標識されるのに対して、全てのカルシウムイメージング実験のためには、Ca2+と結合する蛍光標識が使用される。
マウスの外科的調製及び蛍光標識の後、イメージングされるべき適切な脳の視野及び焦点深度を決定するために、マウスは、常に最初に麻酔下でイメージングされる。麻酔下のマウス(イソフルラン)とともに、小型顕微鏡は、光学窓の上方に配置され、蛍光標識された表面構造が弱い照明下で視認可能となるまで(通常は試料面において90−200μWの照明電力)、並進ステージを使用して脳に向かって下降される。適切な記録部位及び焦点深度を配置した後、照明がオフにされ、顕微鏡は、Cerebond(商標)接着剤及び歯科用アクリルを使用して脳に搭載されたカスタム金属ヘッド板に固定される。そして、マウスは、透明なアクリル製の45cm×45cm×15cmの行動アリーナに配置される前に麻酔から回復されるのが可能とされる。通常、マウスにとって快適な環境を提供するために、アリーナの内部に、寝具の薄層、いくつかの食物ペレット及び運動ホイールが配置される。麻酔から除去された後に通常15−60分、マウスが活発な運動行動を呈すると、マウスの脳上に固定された小型顕微鏡を使用して、脳イメージングが開始する。生理学的な光誘起変化の可能性を最小限に抑えるために、連続照明の期間及び電力は、通常、各イメージングセッションについて<5分且つ<600μWに制限される。少なくとも2分は、イメージングセッション間に経過するのを可能とし、実験の過程における総イメージング期間は、通常、約45分である。フレーム取得レートは、通常、小脳の血管系及び微小循環系のイメージング実験については100Hz、カルシウムイメージング研究については30−46Hzである。インビボ脳イメージング中の対応するマウスの行動を記録するために、アリーナ上に位置する高解像度レンズを有する外部ビデオレートモノクロCMOSカメラ又はアリーナに隣接して配置されたビデオレートカラーCCDカメラのいずれかが使用される。アリーナ照明用の2つのセットの赤外LEDアレイを有するオーバーヘッドカメラが使用される。薄暗い室内照明でカラーカメラが使用される。
撮像されている脳領域に励起照明を提供する小型顕微鏡におけるLEDは、外部のプログラム可能な定電流源又はデジタルパルス幅変調(PWM)ベースの電流源のいずれかによって給電される。イメージング日において、LEDは、平均駆動電流の範囲にわたって試料に送達される照明パワーを決定するために較正される。
リアルタイム画像の取得及び表示は、顕微鏡のフォーカスを容易とするのに重要である。実験の過程で取得された生画像データは、ハードディスクにスプールされた後、バックアップ及び分析のために実験後に外部ディスクに転送される。以下の図4.4は、(写真を撮る目的のために室内光がオンにされた)実験セットアップを示している。


図4.4. インビボ脳イメージング実験のための行動アリーナ及び実験セットアップ
4.2.1
小脳皮質におけるバルク血行動態応答は、より多くの行動中に発生することが知られている。個々の毛細血管が行動中にどのように反応するかは、研究されていないままであるが、脳機能マッピングに広く使用される血行動態信号の生理学的基盤の理解に向けて検討されなければならない。これらの目標に対処することは、覚醒して行動するマウスにおける小脳血管系及び微小循環系の高速な細胞レベルのイメージングを実行する必要性のための基礎を形成する。
実験は、全部で7匹のマウスについて行われた。以下の図4.5は、動画からの皮質血管系の代表画像である。血管系を流れる赤血球は、蛍光標識された血漿に対して暗く見える。


図4.5. 微小循環系の動画からの単一フレーム
上記図4.5は、麻酔下でマウスを撮像した血管系の完全な視野(800μm×600μm)の単一フレーム画像であり、小型顕微鏡によって撮像可能な様々な径を有する皮質血管系の画像の種類を説明するのに役立つ。しかしながら、赤血球流速及び血管径の変化を異なる行動にわたって推定することができるように、特定の科学的関心は、自由でアクティブな運動行動中において小脳皮質における非常に小さな径(毛細血管)を有し且つ高速(100Hz)での血管系のイメージングである。個々の毛細血管における血流速度及び血管径の変調を定量化すること及び対応するマウスの行動とそれらの相関をとることは、行動中に−個々の血管のレベルで−血行動態が変更される方法に関する基本的な質問に対処しようとする。その目的に向かって、後肢及び前肢の調整に関与する小脳皮質の領域である小脳虫部の小葉V及びVIのイメージングに焦点を当てた3つの実験からのデータが収集されて分析された。以下の図4.6は、マウスの行動及び撮像された対応する脳領域を示す実験の1つにおけるイメージングセッションからのコンポジットビデオからのフレームである。


図4.6. 行動するマウス及び撮像された対応する脳FOVのコンポジットビデオからのスナップショット。(左)行動アリーナにおいて運動ホイール上を走っている、小型顕微鏡が脳に搭載されたマウス。(右)リアルタイムで撮像された対応する脳FOV。
上記図4.6において説明のために使用された実験は、セクション4.2の導入部において記載された方法で行われた。マウスは、実験中に行動の範囲に従事し、例えば、上記スナップショットに示すように運動ホイール上での走行を約45分持続した。右図に示される対応する370μm×370μmの脳FOVは、リアルタイムで100Hzで撮像された。
3つの実験(3匹のマウス)にわたる赤血球流速及び血管径の変調が以下の3つの行動状況にわたって分析された:マウスが覚醒しているが休んでいたときの期間;行動アリーナを歩き回っているときの期間;又は運動ホイール上を走っているときの期間。分析は、双方の運動状態は、マウスが休んでいたときと比較して有意な血行動態の変化を誘発するが、走行は、歩行よりも流速や毛細血管径の大きな増加を誘発したことを明らかにした。
上記報告された実験結果は、アクティブ行動時のマウスにおけるインビボ脳イメージングのための小型顕微鏡の性能を検証するのみならず、血行動態、脳活動及び行動との関連についての仮説を検証しようとする科学的研究を行うための有効なツールとしての使用を実証するのに役立つ。
4.2.2
第2のインビボ脳イメージング実験は、−神経科学における長年の目標である−小型蛍光顕微鏡が動物の行動と神経回路活動とを相関させようとする研究における有効なツールとして使用可能な方法を実証するのに役立つ。全部で4匹のマウスについての異なる行動状態にわたって小脳虫部における小脳プルキンエ細胞の樹状突起のCa2+スパイク活動が検討された。小脳皮質への蛍光Ca2+標識の注入後、マウスの頭蓋上に配置された小型蛍光顕微鏡は、同時に最大で206個の個々の神経細胞からのCa2+スパイクの記録を提供することができた。これらのスパイクは、プルキンエ神経細胞の複合体(Na及びCa2+)活動電位のCa2+成分を表す。以下の図4.7は、イメージングセッション中におけるCa2+スパイク活動及び対応するマウスの行動のコンポジットビデオからのスナップショットを示している。


図4.7. プルキンエ細胞におけるCa2+スパイク活動及び対応するマウスの行動のコンポジットビデオからのスナップショット。(左)行動アリーナにおいて運動ホイール上を走っている小型顕微鏡が脳に搭載されたマウス。マウスの行動の映像は、薄暗い部屋の照明でカラーCCDカメラによって撮像された。(右)リアルタイムで撮像された対応する脳FOV。
上記図4.7において説明のために使用された実験は、セクション4.2の導入部において記載された方法で行われた。マウスは、実験の過程で(約45分の期間)行動の範囲に従事し、上図の左側パネルに同様に示されるホイール走行を行った。示される(右側パネル)対応する脳FOVは、約450μm×450μmであり、40Hzで撮像され、ベースライン蛍光レベルに基づいて正規化される。
神経細胞における蛍光強度の時間的変化は、細胞内のCa2+濃度の変化の結果であり、すなわち、そのCa2+スパイク活動に対応する。それゆえに、経時的な個々の神経細胞からの蛍光信号の分析は、異なるマウスの行動状態にわたって脳FOV内の全ての神経細胞についての神経細胞スパイクレートの抽出を可能とした。一般に、神経細胞は、マウスが休んでいたときと比較して運動行動状態中に高いスパイクレートを呈した。より広く言えば、神経細胞の集団にわたる単一神経細胞特異性を有するスパイクレートのそのような分析は、単一神経細胞精度での回路レベルの神経活動の読み出しを提供し、行動と神経活動のパターンの研究を可能とする基礎となる集団統計を生成する。
要約すると、小型蛍光顕微鏡は、それらが設計された主要な用途−自由に行動するマウスにおけるインビボ脳イメージング−における研究及び実験のためのツールとして正常に使用された。上述したように、性能の大幅な向上は、以前のファイバ束ベースのファイバスコープを超えて達成された。より自由なマウスの動き及び結果としてマウスの行動のより広範なパレットを可能とすることは、それらの行動中において統計的に関連するデータセットを収集するのに十分な長さの期間だけ対応するインビボ脳イメージングを行う能力と相まって、可能な調査の範囲を劇的に拡張した。量産に適している本質的にスケーラブルな設計により、これらの顕微鏡は、行動の神経生物学及び神経回路の基礎を解明しようとする大規模な研究を容易とすることができる。
付録B
行動する動物における光学顕微鏡のための従来の方法は、最も標準的な齧歯類行動アッセイと互換性のない卓上の光学機器を必要としており、多くのマウスを並列にイメージングすることはできなかった5−10。ここで説明した蛍光顕微鏡は、全ての光学部品と統合され且つ自由に行動するマウスの頭蓋に搭載されるように十分に小さい小型化された装置であることから、これらの課題の双方をクリアする。顕微鏡の設計は、小さいが明るい発光ダイオード(LED)及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサを含む安価で高品質の光学部品の大量利用可能性をもたらしている半導体光電子工学における最近の進歩を利用する11。これは、1つのパッケージ−体積で2.4cmの範囲内に光源からカメラまでの全ての光学部品を組み込むことを可能とした(図1a)(方法)。
顕微鏡の照明光源は、カスタム6mm×6mmのプリント回路基板(PCB)上に存在する青色LEDである(図1b、右下の挿入図)。ドラムレンズは、その後に4mm×4mmの光励起フィルタを通過し(図1b、左下の挿入図)、ダイクロイックミラーで偏向し、イメージング経路に入るLEDのエミッションを集光する。勾配屈折率(GRIN)対物レンズは、試料上に照明をフォーカスする。試料からの蛍光エミッションは、対物レンズ、ダイクロイック、エミッションフィルタ、及び、カスタム8.4mm×8.4mmのPCB上に搭載されたCMOSイメージセンサ(640×480画素)上に画像をフォーカスするアクロマートダブレット・チューブレンズを介して戻る(図1b、右上の挿入図)。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で製造された顕微鏡ハウジングは、カメラ位置の調整によってサブミクロン精度までフォーカスするのを可能とする。電子部品は、300×300画素のサブ領域にわたって36Hzで又は最高で100Hzまでフルフレーム画像取得を可能とする(図S1)。視野は、焦点位置に応じて、最大で600μm×800μmの広さであり、横方向の光学解像度は、2.5μmである(方法)。この光学設計はまた、CMOSイメージセンサが進歩するにつれて視野及び解像度におけるさらなる利点が実現されるのを容易に可能とする。
まず、覚醒した行動するマウス(n=7匹のマウス)における脳微小循環系をイメージングすることによって生体動物における顕微鏡の性能を評価した。後肢及び前肢の調整に関与する小脳皮質の領域である小脳虫部の小葉V及びVIにフォーカスした(図2a)12−14。小脳皮質におけるバルク血行動態応答は、運動行動中に発生することが知られている6,15。個々の毛細血管が運動行動中にどのように応答するかは、未研究のままであるが、脳機能マッピングに広く使用される血行動態信号についての生理学的基礎の理解に向けて検討されなければならない16
以下の3つの行動状態にわたる個々の血管における赤血球流速及び毛細血管径を追跡した:マウスが覚醒しているが休んでいたときの期間;その包囲を歩き回っているときの期間;又は運動ホイール上を走っているときの期間(図2b−h)。詳細な分析は、マウスのサブセットにフォーカスし、休息期間に比べて双方の運動状態が流速の増加(走行:83±20μm/秒;歩行:21±11μm/秒;平均±s.e.m;)(図2e、g)を及び毛細血管径の増加(走行:0.52±0.12μm;歩行:0.27±0.08μm)(図2f、h)を誘発したことを明らかにした。これらの変化は、歩行によって誘発される流速の上昇を除き全て有意であった(n=3匹のマウス;97本の血管位置;p≦10−3;ウィルコクソンの符号順位検定)。視野内の全ての毛細血管が運動行動中に均一に速度及び直径の増加を受けるであろうことを予想していた。驚くべきことに、毛細血管の空間的に散在する少数派のみが運動中の赤血球速度及び血管径の大幅な上昇調整を呈した(図2e−h)。これは、数十ミクロンのみだけ分離された血管についてであっても、同じ血管床内にある毛細血管が不均一に制御され、血管のサブセットの変化が集約効果を支配するようにみえることを示している。今後の課題は、脳血管障害や機能的なヒト脳イメージングの理解の向上に向けて、血管調整におけるこの予想外の空間精度にあるメカニズムを特定する必要がある。
次に、自由に行動するマウスの小脳虫部におけるプルキンエ神経細胞による樹状のCa2+スパイクの研究に統合された顕微鏡を適用した。これらのCa2+スパイクは、下オリーブからファイバ入力を登ることによって誘発され、小脳運動学習のために重要であると考えられている3,4プルキンエ神経細胞の複合体(Na及びCa2+)活動電位7,9,17のCa2+成分を表している。小脳皮質(n=4匹のマウス)への細胞浸透性蛍光Ca2+標識であるオレゴン−グリーン−BAPTA−1−AMの注入後に>200個の個々の神経細胞からのCa2+スパイクを同時に記録するために頭蓋に固定された統合顕微鏡が使用された(図3a、b)。これは、行動する動物において以前に監視されたものよりもプルキンエ神経細胞のはるかに大きいセットである7,9,18,19。さらに、電極分離に起因して100−200μm離隔されたプルキンエ神経細胞が監視される多電極記録とは異なり18,19、我々の光学記録は、高密度に小脳皮質の単一のパッチを並べて表示する細胞からなるものであった。このサンプリング構成は、膨大数の同時に監視される神経細胞と相まって、被検体間で再現性があり且つ身体の特定の部分にそれぞれマッピングされる基本的な小脳部門である個々のミクロゾーン内での大規模な協調活動の、以前に報告されていない形態の発見に導いた20
個々のプルキンエ神経細胞を識別して画像データからそれらのCa2+活動追跡を抽出するために確立された計算法を使用した後(図3a、b)(方法)、ミクロゾーンを特定して評価することに初期分析をフォーカスした。ミクロゾーンの境界をみつけるために、プルキンエ神経細胞のCa2+スパイク活動の対の相互相関曲線を検討した。これは、有意な対ごとの同期によって7−36個の細胞の局所ミクロゾーンへのプルキンエ神経細胞の空間的クラスタリングを明らかにした7,21(図3c)。顕微鏡の広視野は、個々の記録において最大で9ミクロゾーンにわたって拡張した。
安静、グルーミング、移動又は他の行動期間にマウスの行動を分類するためにビデオ記録を使用することにより(方法)、前作業におけるようにミクロゾーンが異なる行動にわたってそれらの安定したアイデンティティを維持し、遠位ミクロゾーンと比較して近隣における細胞との対の相関を上昇させたことを観察した(図3c)。詳細に3匹のマウスからのデータを分析し、各ミクロゾーンにおけるほぼ全ての細胞対が、安静中(対の84%)及び運動中(98%)において有意に相関がある(p<0.01、尤度比テスト)ことを見出した。別個のミクロゾーンにおける細胞対の9%のみが安静中に相関があり、運動中に19%まで上昇した。ゾーン間の細胞対の相関係数は、安静中におけるr=0.12±0.004(平均±s.e.m)から運動中にr=0.21±0.004まで上昇した(n=3985ゾーン間の対;p<10−50、ウィルコクソンの符号順位検定)。比較すると、ゾーン間の細胞対についての平均相関係数ははるかに小さく、双方の行動条件下で同様であったが(r=0.01±0.001;n=21,434ゾーン間の対)、隣接するミクロゾーンからの細胞対については有意に高かった(r=0.02−0.04;n=6314対)(図3c)。
これらのペアワイズ相関を超えて、我々の分析は、運動行動中におけるミクロゾーンの生理的動態に関する印象的な発見をもたらした。主に運動行動中に、個々のミクロゾーン内の最大で>30のプルキンエ神経細胞の大集団は、同時のCa2+スパイクを発火した(図4a)。ミクロゾーン内の視認可能な神経細胞の>35%又は>50%のいずれかのミクロゾーン行動を定義するために同期スパイクの2つの代替の閾値が使用されるこれらの大規模なイベントの我々の分析は、50ミリ秒間隔内でスパイクする必要があった。いずれかの定義及び全ての行動条件を使用して、ミクロゾーン行動は、所定の細胞の個々のスパイクレートの機会に起因して非常に上方の(〜10−1010)予想レートを発生した(方法)。細胞の平均スパイクレートは、安静と比較して移動中において230±10%(s.e.m)上昇したのに対して(n=336細胞;p<10−50、ウィルコクソンの符号順位検定)、(ミクロゾーン内の細胞の>50%がともにスパイクする)移動中のミクロゾーン行動の平均速度は、740±360%まで上昇し、誤差バーは、安静時の値の図4におけるグラフに一致しない(n=16ミクロゾーン;p<10−3)(図4b、c)。運動期間中に発生したとして非常に短い又は僅かな動きを分類しなかったことから、この値は、安静中の同期活動の割合の保守的な過大評価に基づいている。ビデオの厳重な検査は、大抵の場合、安静として分類された期間中に生じた同期されたCa2+活性にともなうマウスの微妙な動きを明らかにした。連続した運動行動中において、ミクロゾーン行動は、全ての記録されたかなりの割合のCa2+スパイクを表現した;細胞のミクロゾーン行動中に生じたCa2+スパイク活性の中央値割合は、>20%と大きかった(図4d)。
これらの知見は、個々のミクロゾーン内の神経活動の大規模な同期が運動行動の小脳制御のための基本的な力学モチーフであるかもしれないことを示している。内側−外側寸法において約50−100μmの広さがあるが、ミクロゾーンは、吻側−尾側寸法においてミリメートルを拡張し22、ミクロゾーン行動中において、数百から数千のプルキンエ神経細胞は、統合された顕微鏡を介して観察されたサブセットと同時に作用することができることを示唆する。それゆえに、ここで発見されたミクロゾーン行動は、アンサンブル活性化の基礎となる範囲やメカニズム、そのように符号化された情報、及び運動行動におけるその役割に関する多くの質問を促す。
有名なMarr−Albus−Ito仮説によって推測されたように、プルキンエ神経細胞のCa2+スパイクは、これらの細胞の登上線維入力を介して送られた運動学習及び符号化行動誤差に重要な役割を果たす3,4,23。このアイデアの理論及び実験的な探査は、単一のプルキンエ神経細胞のダイナミクスにフォーカスしてきた3,4。これは、有益な概念の簡素化とすることができるが、それらの多様性及び解剖学的接続に起因して、プルキンエ神経細胞は、個々のダイナミクスを介して学習を促進する可能性は低いようにみえる。プルキンエ神経細胞ミクロゾーン内の協調したCa2+スパイクは、学習を促進する運動情報を符号化するためのより妥当な生理学的基質を提供する。それゆえに、我々のデータは、コヒーレントなミクロゾーンの活性が、興奮した神経細胞がギャップ結合を介して同期することができる脳幹領域である下オリーブから伝達される運動誤差を符号化するための基本単位を表すMarr−Albus−Ito理論の再定式化を提案する20。動物の非行動時には、個々のプルキンエ神経細胞は、現在進行中のCa2+スパイクを呈するのに対して、ミクロゾーン行動は、大きな低減レートで停止又は存続するようにみえる。したがって、我々の再定式化は、運動誤差信号が運動行動がなく存続する理由に関してMarr−Albus−Ito理論における長年の問題を潜在的に解決する24;ミクロゾーンが誤差信号を伝達する場合、この問題は存在しないことがある。小脳運動適応のための行動アッセイと組み合わせた場合、蛍光Ca2+イメージングのために統合顕微鏡を使用することは、理論の元のバージョン及び再定式化されたバージョンの双方を同時に直接テストするのを可能とすべきである。
以前の小型化形式の蛍光イメージングへのアプローチは、卓上光学器具である付属品を必要とした9,25−27。画像生成のための光学流体チップは、蛍光コントラストと適合性がなく、ゼロ光学作業距離において所定速度で流れていたことなど、試料についての特殊な仮定を必要とした28−30。サイトメトリー用途のためのレンズレスのイメージング装置は、直接画像を生成しないが、むしろ固定された作業距離において固定化細胞によって生成される散乱光の回折パターンを解読することを含む31。蛍光イメージングについての汎用的な機能のために、統合された顕微鏡は、以前の全ての小型化イメージングシステムに対して区別している。変更された設計はまた、暗視野又は位相コントラストイメージングを可能とする。大量生産可能なマイクロ光学部品及び半導体部品への依存は、統合された顕微鏡が広範に普及するのに適応する。顕微鏡の複数の複製品が、長期にわたるイメージング研究を可能とする遺伝的に符号化された蛍光Ca2+標識とともに使用される場合32,33、並行してかなりの数のマウスの長期間の脳イメージングを行うことが可能であるべきである。これは、豊富なデータセットの取得を容易とし且つ多くの候補治療薬が迅速にテストされるのを可能とすることによって基本的な神経科学及び脳疾患の動物モデルの大規模な研究を推進するであろう。細胞レベルの落射蛍光イメージングが生体齧歯類において良好に作用することができる脳領域は、小脳、嗅球34、海馬35及び新皮質36を含む。
脳イメージングを超えて、統合された顕微鏡は、広範囲のインビボ内及びインビトロ用途についての有効な技術である可能性が高い。後者の用途は、携帯型蛍光アッセイ、高スループットの画像ベーススクリーニング又はインキュベーターなどの他の機器内部のイメージングを含む可能性がある。顕微鏡はまた、マイクロ流体又は遺伝子チップなどのバイオテクノロジーにおいて使用される他の統合された要素と組み合わせることがある。インビトロイメージング用途における可能性を探るために、4つの統合された顕微鏡のアレイを作製した(図S2)。中枢神経系ではなく周辺における神経髄鞘形成を妨害するErbB受容体シグナリングに障害を有するerbb3変異体と混ぜられる野生型ゼブラフィッシュを検討した37,38。4つの顕微鏡によって撮像された画像は、明確に、野生型魚においてみられた後部側線神経及び背部神経根の欠如を含む変異体魚の表現型を明らかにした(図S2b)。これらのデータは、パラレルスクリーニング戦略の基礎となることができる統合された顕微鏡の概念実証証拠アレイを提供する。今日、小型モデル生物を使用した遺伝的又は化学的なスクリーニングは、大抵の場合、蛍光マーカーに依存するが、スクリーニングは、従来の顕微鏡において逐次行われ39、これは通常、継続的に監視しなければならない大きな試料セットや複数の試料には不十分であり得る。
また、統合された顕微鏡のアレイが標準的な形式の96ウェルプレートにおいて行われる広く使用される細胞計数アッセイを容易とする可能性がある方法を検討した。市販の細胞カウンタは、大抵の場合、ウェルプレートにおける細胞数40,41及びベンチトップから床置機器までのサイズの範囲を決定するためにイメージングに依存する。4つの顕微鏡アレイがカルボキシフルオレセインで蛍光的に標識された生体MCF7ヒト乳癌細胞の培養された試料を使用することによって正確な細胞数を提供することができるかどうかをテストした。約2.5オーダーの細胞密度の大きさにわたり、顕微鏡アレイ及び画像セグメンテーションアルゴリズムの使用(図S2c、S3)は、デジタルイメージングを使用する市販のカウンタの精度に匹敵する424−16%(s.e.m)まで正確な数を得た(図S2d)。これは、従来のカウンタよりもはるかに高いスループットを有するより大きなアレイ顕微鏡に基づくカウンタに対する方法を指している。
技術の近代的な理解は、低コスト生産を容易とし且つ改善された性能及び予測されない新たな用途を一般にもたらす極めて重要な進歩として小型化統合を認識する43。これは、電気通信、コンピューティング及びゲノミクスを含む多様なアリーナで発生した。統合された技術は、通常、急速に進行し、CMOSイメージセンサに対する今後の改善に生かすことができる我々の設計上の選択を動機付けた。これらは、微細なサイズの画素を有する大きな領域をカバーすることから、既存の光路(図1a)は、1.15mm程度に広いフィールドにわたって1.5μm程度に微細な解像度をサポートする。回折限界イメージングについてなど44、マイクロレンズの進歩は、さらに画像の属性を高めるべきである。CMOS技術は、最新のエレクトロニクスを支えていることから、「インテリジェントな」統合された顕微鏡は、迅速な分析、スクリーニング又は診断評価を容易とするために内蔵電子計算能力を有するセンサによって出現する可能性が高いようである。
方法の概要
顕微鏡の設計。組み立てられたときに約8.4mm×13mm×22mmの体積及び<2gの質量であった同一の設計の8つの小型化された統合顕微鏡を作製した。各顕微鏡は、青色発光LED、蛍光イメージングのためのダイクロイックフィルタセット及びCMOSイメージセンサを有していた。ハウジングは、ポリエーテルエーテルケトンで製造された。
脳イメージング。全ての手順は、スタンフォードAPLACによって承認された。7−14週齢の雄のCD−I野生型マウスを使用した。手術は、記載されたようにイソフルラン麻酔下で行われた6,9。簡単に言えば、撮像する前の1−6日間は、頭蓋骨を小脳の上に露出させて洗浄した。頭蓋へのアクセスを可能とする金属板は、歯科用アクリルで頭蓋骨に固定された。イメージング日において、開頭(1.5−2.5mm径)が開かれ、アガロースで充填し、カバースリップによって覆われた。Ca2+イメージングのために、小脳皮質がCa2+標識であるオレゴン−グリーン−488−BAPTA−1−アセトキシメチルをボーラスロードすることによって蛍光標識された6,9。循環系の研究のために、フルオレセインデキストランの尾静脈注射によって血漿を蛍光標識した。カバースリップ上に顕微鏡を配置した。適切な記録部位を配置した後、金属ヘッド板に顕微鏡を固定した。イメージングは、イソフルランから除去した後に〜15−60分、マウスが積極的な運動行動を呈すると開始された。分析は、MATLABで記述されたカスタムルーチンを使用して行われた。
ゼブラフィッシュイメージング。受精後5日であり且つ野生型及びシュワン細胞欠損ErbB突然変異体の未知の混合を含む50匹のゼブラフィッシュが固定され、ミエリン塩基性タンパク質について蛍光的に免疫染色され、スライド上に配置された。アレイにおける4つの顕微鏡が魚の上に配置された。全てのLEDは、試料に対して〜600μWを送出するように設定された。いかなる照明不均一性又はスライドから生じる背景蛍光も補正するために背景画像とともに4セットの画像を撮像した。
細胞計数。MCF7癌細胞は、カルボキシフルオレセインジアセテート、スクシンイミジルエステルで標識され、6つの異なる濃度にシリアルに希釈され、96個のウェルプレートのウェルに配置され、4つの顕微鏡アレイによって撮像された。カウントは、画像分析によって行われた。
図の説明文
図1:統合された蛍光顕微鏡の設計及び検証
a. 断面における統合された顕微鏡のコンピュータ支援設計。青及び緑の矢印は、それぞれ、照明及びエミッション経路をマーキングしている。
b. 統合された顕微鏡の組み立て。挿入図は、左下から時計回りに、ダイクロイックミラー並びに励起及びエミッションフィルタを保持するフィルタキューブ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラチップを保持するプリント回路基板(PCB)、発光ダイオード(LED)照明光源を保持するPCBを示している。
スケールバーは、5mmであり、(a,b)における全てのパネル及び挿入図に適用される。
図2:自由に行動するマウスで研究された微小循環動態及び調整
a. フルオレセインデキストラン色素の血管内注射後における自由に行動するマウスの小脳皮質における微小血管系。示された画像は、血管系を強調表示する計算である10個の動画の標準偏差である(方法)。着色ドットは、(c,d)における対応する動的測定値の位置をマーキングしている。(a,b)におけるスケールバーは50μmである。
b. (a)の血管系についての赤血球流速のマップ。
c,d. (a)においてマーキングされた4つの血管系についての(c)赤血球流速及び(d)血管径の変化。青色濃淡は、ケージまわりの運動の期間をマーキングしている。赤色濃淡は、運動ホイール上を走っていることを示している。白色濃淡は、マウスが休んでいるか又はほとんど動かない場合をマーキングしている。黒色縦線は、同じマウス及び試料フィールドからの他の記録を分離している。
e,f. 安静時と運動行動期間との間で比較した(e)赤血球速度及び(f)血管径。各データは、血管系内の単一の位置を表している。対角線上のデータ点は、運動行動中の速度又は径の上方調整を示している(青色点、ケージまわりの移動;赤色点、ホイール走行)。濃淡青色及び赤色領域は、対角線以下のデータを使用して計算された測定値変動の1つのs.d.推定値の境界を定めている。
g,h. 安静期間と比較した歩行中(青色)又は走行中(赤色)の(g)血管流速の変化及び(h)径の累積ヒストグラム。(挿入図)平均値±s.e.m.は、安静と比較して変化する。()は、歩行と走行との間の有意な差異を示している(p<10−2);(†)は、ウィルコクソンの符号順位検定を使用した安静からの有意な差異を示している(p≦10−3)。着色破線で囲まれた領域の上方及び右のヒストグラム部分は、(e,f)における対応する濃淡領域の色の上方にある血管位置についてのデータを表している。
(e−h)におけるデータは、3匹のマウスからの97個の測定位置を含む。
図3:運動行動中における小脳プルキンエ神経細胞のCa2+スパイクダイナミクス。
a. 自由に行動するマウスで同定され、Ca2+標識オレゴン−グリーン−BAPTA−1−AMの注入後に小脳表面の平均蛍光画像に重ねられた206個のプルキンエ神経細胞の樹状ツリーの輪郭。各色は、9個の識別されたミクロゾーンのいずれかを示している。塗りつぶされた輪郭は、その活性がb.に示されている神経細胞をマーキングしている。スケールバーは、100μmである。
b. (c)におけるように付番され、(a)においてマーキングされた、塗りつぶされた神経細胞からの蛍光の相対的変化(ΔF/F)。黒色点は、検出されたCa2+スパイクをマーキングしている。スケールバーは、1秒(横);3%ΔF/F(縦)である。
c. 安静、グルーミング及び移動の3つの異なる行動についての神経細胞の対についてのスパイク列相関係数。着色された輪郭は、相関係数のクラスタ分析によって識別されたローカルミクロゾーンを示しており、(a)において示されたミクロゾーンに対応している。
図4:運動行動中における大規模な同期したCa2+スパイクを呈する小脳ミクロゾーン。
a. Ca2+スパイク(黒色点)は、図3aの神経細胞についてのラスタプロットである。着色濃淡は、マウスの行動(桃色、グルーミング;緑色、移動;灰色、安静;他の小さな動き、青色)を示している。ミクロゾーンラスタ(着色点)は、各ミクロゾーンにおいて識別された神経細胞の>35%(オープンドット)又は>50%(閉鎖点)によるCa2+スパイクを示している。挿入図は、マーキングされた間隔を拡張している。スケールバーは、5秒である。
b. 個々の神経細胞のスパイク(上)及び同期したミクロゾーン行動(下:塗りつぶされていないバー、>35%の細胞が同期;塗りつぶしバー、>50%の細胞)の平均±s.e.mレートは、行動(橙色、グルーミング;緑色、移動;灰色、安静)間の有意な差異を明らかにしている(p<10−27、神経細胞のスパイクレート;p<10−4、同期した行動の速度;ウィルコクソンの符号順位検定)。
c. グルーミング対安静(黄色点)又は移動対安静(緑色点)の期間についてプロットされた個々の細胞についてのスパイクレート(小さなデータ点)及び同期したミクロゾーン行動(>35%の細胞、大きな塗りつぶされていない点;>50%の細胞、大きな塗りつぶし点)。
d. 同期した行動中に発生する細胞のスパイクレートの累積ヒストグラム(>35%の行動、塗りつぶされていない点;>50%の行動、塗りつぶし点;移動、緑色;グルーミング、黄色;安静、灰色)。
(b−d)のデータは、3匹のマウス、336個の細胞及び16個のミクロゾーンからのものである。
図S1:リアルタイムの画像取得及び制御のための電子回路の概略図
2つのプリント回路基板(PCB)は、各統合された顕微鏡内に含まれており(図1)、1つが発光ダイオード(LED)用であり、1つが相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラチップ用である。これらの基板は、双方とも、外径1.5mmの単一のポリ塩化ビニル(PVC)シースに全て包まれている9本の薄くて柔軟なワイヤ(2本のワイヤがLED基板に且つ7本のワイヤがカメラに)を介してカスタム外部PCBに接続されている。外部PCBは、汎用USBイメージングデータ取得アダプタPCB(カリフォルニア州サンノゼのアプティナイメージング)を介してコンピュータとインターフェースし、リアルタイムの顕微鏡制御及びデータ取得並びに画像の即時表示を可能とする。ここに示されている標識された要素及びシグナリング経路は、給電、LEDの制御、CMOSカメラの制御、画像取得及びデータの転送を担う回路構成の概要を提供する。略語:PD、フラッシュプログラミング装置;OSC、水晶発振器;I2C、2線式集積回路間シリアル通信インターフェース。
図S2:統合された顕微鏡のアレイは、パラレルイメージング用途を容易とすることができる。
a. アレイに組み立てられた4つの顕微鏡の概略図。スケールバーは、1cmである。
b. 複数の顕微鏡は、Alexa−488によるミエリン塩基性タンパク質の蛍光免疫標識後に、野生型及びerbb3変異体ゼブラフィッシュの表現型を明らかにする。白色矢印は、脊髄をマーキングしている。黄色矢印は、野生型魚における背部横神経をマーキングしている。erbb3魚において、シュワン細胞は、この神経上で発展しない。各画像は、異なる顕微鏡によって撮像され、背景蛍光の減算を施した。50μmのスケールバーは、全てのパネルに適用される。
c. 統合された顕微鏡は、96個のウェルプレートにおいて正確な細胞計数アッセイを可能とする。カルボキシフルオレセインで標識された生体MCF7ヒト乳癌細胞のベース濃度(Co=4.0×10細胞/mL)が6つの濃度のそれぞれについて8個の試料ウェルに希釈された。自動化されたアルゴリズムは、画像において細胞をカウントした(図S2)。パネルは、色で示された4つの異なる濃度で識別された個々の細胞による計数結果を示している。生画像は、4つの異なる顕微鏡によって撮像された。100μmのスケールバーは、全ての画像に適用される。
d. 試料希釈に基づく予想に対する測定細胞濃度。線形フィッティング(実線)は、r=0.995を有する。誤差バーは、各希釈からの8個の試料にわたるs.e.m.である。
図S3:細胞計数のための反復画像セグメンテーションアルゴリズム
カスタム細胞計数アルゴリズム内の分析の連続的な段階(方法)。説明のためにここで使用される生画像は、図S2cの左側パネルに示されている細胞数をもたらした。
(a)カルボキシフルオレセインで標識された生体MCF7ヒト乳癌細胞の生蛍光画像(上)は、コントラスト等化が施された(中央)。そして、画像は、バイナリ形式に変換され、初期セグメンテーションが施された(下)。単一細胞として識別された領域は色でマーキングされている。白色矩形内の領域のさらなる分析は、(b)に図示されている。スケールバーは、100μmである。
(b)形態学的フィルタリングの反復ラウンドは、個々の細胞(中央及び下)への初期セグメンテーション(上)後に残った複数の細胞のクラスタをセグメンテーションした。示された領域は、(a、下方)の白色矩形内に含まれるサブ領域に対応する。収縮及び膨張の2回の反復からの結果が示されている。視野内の全ての細胞は、2回目の反復によって計数された。スケールバーは、50μmである。
動画1:頭蓋に搭載された統合された顕微鏡によってマウスにおいて同時に記録されたマウスの行動及び小脳虫部における微小循環
この動画は、2つの例示行動についてのマウスの行動及び小脳虫部における微小循環系の同時ビデオクリップを提示している。第1の例は、行動アリーナを歩き回るマウスを示している。第2の例は、運動ホイール上を走っているマウスを示している。
行動データ(左パネル)は、オーバーヘッドカメラ及び赤外線照明を用いて30Hzで記録された。微小循環系(右パネル)は、FITCデキストランの静脈内注射後に100Hzで統合された顕微鏡を使用して記録された。この蛍光色素は、血漿を明るく標識し、赤血球が暗いレリーフにおいてみえるのを可能とする。個々の赤血球が毛細血管内を流れているのが明らかである。スケールバーは、100μmである。
参考文献
1 Hayden, E. C. Microscopic marvels: Microscope for the masses. Nature 459, 632-633, doi:459632a [pii]10.1038/459632a (2009).
2 Wilt, B. A. et al. Advances in light microscopy for neuroscience. Annu Rev Neurosci 32, 435-506, doi:10.1146/annurev.neuro.051508.135540 (2009).
3 Thach, W. T. A role for the cerebellum in learning movement coordination. Neurobiol Learn Mem 70, 177-188 (1998).
4 Raymond, J. L., Lisberger, S. G. Mauk, M. D. The cerebellum: a neuronal learning machine Science 272, 1126-1131 (1996).
5 Helmchen, F., Fee, M., Tank, D. & Denk, W. A miniature head-mounted two-photon microscope: high-resolution brain imaging in freely moving animals. Neuron 31, 903- 912 (2001).
6 Nimmerjahn, A., Mukamel, E. A. & Schnitzer, M. J. Motor behavior activates Bergmann glial networks. Neuron 62, 400-412, doi:S0896-6273(09)00244-X [pii]10.1016/j.neuron.2009.03.019 (2009).
7 Mukamel, E. A., Nimmerjahn, A. & Schnitzer, M. J. Automated analysis of cellular signals from large-scale calcium imaging data. Neuron 63, 747-760, doi:S0896-6273(09)00619-9 [pii]10.1016/j.neuron.2009.08.009 (2009).
8 Dombeck, D. A., Khabbaz, A. N., Collman, F., Adelman, T. L. & Tank, D. W. Imaging large-scale neural activity with cellular resolution in awake, mobile mice. Neuron 56, 43-57 (2007).
9 Flusberg, B. A. et al. High-speed, miniaturized fluorescence microscopy in freely moving mice. Nat Methods 5, 935-938 (2008).
10 Sawinski, J. et al. Visually evoked activity in cortical cells imaged in freely moving animals. PNAS (2009).
11 El Gamal, A. Eltoukhy, H. CMOS image sensors. IEEE Circuits and Device Magazine 21, 6-20 (2005).
12 Andersson, G. Armstrong, D. M. Complex Spikes in Purkinje-Cells in the Lateral Vermis (B-Zone) of the Cat Cerebellum during Locomotion. Journal of Physiology-London 385, 107-134 (1987).
13 Leicht, R. Schmidt, R. F. Somatotopic Studies on Vermal Cortex of Cerebellar Anterior Lobe or Unanesthetized Cats. Experimental Brain Research 27, 479-490 (1977).
14 Jomtell, H., Ekerot, C, Garwicz, M. Luo, X. L. Functional organization of climbing fibre projection to the cerebellar anterior lobe of the rat. J Physiol 522 Pt 2, 297-309 (2000).
15 Glickstein, M., Sultan, F. & Voogd, J. Functional localization in the cerebellum. Cortex, doi:S0010-9452(09)00263-9 [pii]10.1016/j .cortex.2009.09.001 (2009).
16 Logothetis, N. K. Wandell, B. A. Interpreting the BOLD signal. Ann Rev Physiol 66, 735-769 (2004).
17 Ozden, I., Lee, H. M., Sullivan, M. R. Wang, S. S. Identification and clustering of event patterns from in vivo multiphoton optical recordings of neuronal ensembles. J Neurophysiol 100, 495-503, doi:01310.2007 [pii]10.1152/jn.01310.2007 (2008).
18 Fukuda, M., Yamamoto, T. & Llinas, R. The isochronic band hypothesis and climbing fibre regulation of motricity: an experimental study. Eur J Neurosci 13, 315-326, doi:ejnl394 [pii] (2001).
19 Welsh, J. P., Lang, E. J., Suglhara, I. & Llinas, R. Dynamic organization of motor control within the olivocerebellar system. Nature 374, 453-457, doi:l 0.1038/374453 a0 (1995).
20 Apps, R. Garwicz, M. Anatomical and physiological foundations of cerebellar information processing. Nat Rev Neurosci 6, 297-311, doi:nrn1646 [pii]10.1038/nrml646 (2005).
21 Ozden, L, Sullivan, M. R., Lee, H. M. Wang, S. S. Reliable coding emerges from coactivation of climbing fibers in microbands of cerebellar Purkinje neurons. J Neurosci 29, 10463-10473, doi:29/34/10463 [pii]10.1523/JNEUROSCI.0967-09.2009 (2009).
22 Andersson, G. Oscarsson, O. Climbing fiber microzones in cerebellar vermis and their projection to different groups of cells in the lateral vestibular nucleus. Exp Brain Res 32, 565-579 (1978).
23 Marr, D. A theory of cerebellar cortex. J Physiol 202, 437-470 (1969).
24 Kim, J. J., Krupa, D. J. Thompson, R. F. Inhibitory cerebello-olivary projections and blocking effect in classical conditioning. Science 279, 570-573 (1998).
25 Engelbrecht, C. J., Johnston, R. S., Seibel, E. J. Helmchen, F. Ultra-compact fiberoptic two-photon microscope for functional fluorescence imaging in vivo. Opt Express 16, 5556-5564, doi: 157085 [pii] (2008).
26 Rogers, J. D. et al. Imaging performance of a minature integrated microendoscope. J Biomedical Optics 13, 054020(054021)-054020(054026) (2008).
27 Breslauer, D. N., Maamari, R. N., Switz, N. A., Lam, W. A. & Fletcher, D. A. Mobile phone based clinical micrscopy for global health applications. PLoS ONE 4, 1-7 (2009).
28 Cui, X. et al. Lensless high-resolution on-chip optofluidic microscopes for Caenorhabditis elegans and cell imaging PNAS 105, 10670-10675 (2008).
29 Heng, X. et al. Optofluidic microscopy - a method for implementing a high resolution optical microscope on a chip. Lab On a Chip 6, 1274-1276 (2006).
30 Wu, J., Cui, X., Lee, L. M. Yang, C. The application of Fresnel zone plate based projection in optofluidic microscopy. Optics Express 16, 15595-15602 (2008).
31 Seo, S., Su, T., Tseng, D. K., Erlinger, A. Ozcan, A. Lensfree holographic imaging for on-chip cytometry and diagnostics. Lab On a Chip 9, 777-787 (2009).
32 Tian, L. et al. Imaging neural activity in worms, flies and mice with improved GCaMP calcium indicators. Nat Methods 6, 875-881, doi:nmeth.l398 [pii] 10.1038/nmeth.l398 (2009).
33 Mank, M. et al. A genetically encoded calcium indicator for chronic in vivo two-photon imaging. Nat Methods 5, 805-811, doi:10.1038/nmeth.l243 (2008).
34 Carey, R. M., Verhagen, J. V., Wesson, D. W., Pirez, N. Wachowiak, M. Temporal structure of receptor neuron input to the olfactory bulb imaged in behaving rats. J Neurophysioi 101, 1073-1088, doi:90902.2008 [pii] 10.1152/jn.90902.2008 (2009).
35 Jung, J. C, Mehta, A. D., Aksay, E., Stepnoski , R. & Schnitzer, M. J. In vivo mammalian brain imaging using one-and two-photon fluorescence microendoscopy. J Neurophysiol 92, 3121-3133, doi:10.1152/jn.00234.200400234.2004 [pii] (2004).
36 Murayama, M. et al. Dendritic encoding of sensory stimuli controlled by deep cortical interneurons. Nature 457, 1137-1141, doi:nature07663 [pii] 10.1038/nature07663 (2009).
37 Lyons, D. A. et al. erbb3 and erbb2 are essential for Schwann cell migration and myelination in zebrafish. Current Biology 15, 513-524 (2005).
38 Pogoda, H. M. et al. A genetic screen identifies genes essential for development of myelinated axons in zebrafish. Dev Biol 298, 118-131, doi:S0012-1606(06)00924-9[pii] 10.1016/j.ydbio.2006.06.021 (2006).
39 Pepperkok, R. Ellenberg, J. High-throughput fluorescence microscopy for systems biology. Nat Rev Mol Cell Biol 7, 690-696, doi:nrml979 [pii]10.1038/nrml979 (2006).
40 Kachouie, N., Kang, L. & Khademhosseini, A. Arraycount, an algorithm for automatic cell counting in microwell arrays. Biotechniques 47, x-xvi, doi:000113202 [pii]10.2144/000113202 (2009).
41 Brinkmann, M., Lutkemeyer, D., Gudermann, F. Lehmann, J. New technologies for automated cell counting based on optical image analysis ;The Cellscreen'. Cytotechnology 38, 119-127, doi:10.1023/A:1021118501866 (2002).
42 Stone, L. R., Gray, D. R., Remple, K. L. Beaudet, M. P. Accuracy and precision comparison of the hemocytometer and automated cell counting methods. FASEB J 23_MeetingAbstracts, 827 (2009).
43 Arthur, W. B . The Nature of Technology: What It Is and How It Evolves. (Free Press, 2009).
44 Barretto, R. P., Messerschmidt, B. & Schnitzer, M. J. In vivo fluorescence imaging with high-resolution microlenses. Nat Methods 6, 511-512, doi:nmeth.l339 [pii]10.1038/nmeth.1339 (2009).













Claims (26)

  1. 光センサのアレイを含むイメージ捕捉手段と、
    約1mW未満の励起光を、少なくとも0.5mmである視野内の対象物体に向けるように、そして、前記励起光によって引き起こされた落射蛍光エミッションを、光センサの前記アレイに向けるように構成された、光学機器とを備え、前記光学機器と、光センサのアレイとは、前記視野のイメージについて、少なくとも2.5μmの解像度を提供するために、それぞれ、前記対象物体に十分に近い、
    落射蛍光顕微鏡。
  2. 前記光学機器は、対物レンズと、発光ダイオードと、CMOSイメージセンサアレイとを含み、それぞれが、サイズが1立方インチ(約16.39cm)未満である統合されたハウジング内に含まれる、請求項1に記載の顕微鏡。
  3. 前記光学機器は、対物レンズと、発光ダイオードと、CMOSイメージセンサアレイとを含み、それぞれが、統合されたハウジング内に含まれ、ここで、前記光学機器と、光センサのアレイとは、重量が2グラム未満である、請求項1に記載の顕微鏡。
  4. 前記イメージ捕捉手段における、かつ、前記対象物体の、光学倍率は、5以下である、請求項1に記載の顕微鏡。
  5. 前記光学機器は、前記励起光を提供する光源と、光センサの前記アレイと、対物レンズとの間の、セルフアライメントを提供するように構成される、請求項1に記載の顕微鏡。
  6. 前記光学機器は、リアルタイムイメージングの間、光センサの前記アレイと、対物レンズとの間の距離を調節することによって、イメージのフォーカシングを提供するように構成される、請求項1に記載の顕微鏡。
  7. 少なくとも1つの光学フィルタ要素と、前記励起光を生成する光源とを更に含み、ここで、前記少なくとも1つの光学フィルタ要素と、前記光源と、光センサの前記アレイとは、前記顕微鏡から取り外される、及び前記顕微鏡に再取り付けされるように構成される、請求項1に記載の顕微鏡。
  8. 前記光学機器と、光センサの前記アレイとは、前記視野のイメージについて、少なくとも2.5μmの解像度を、少なくとも36Hzのレートにおいて提供するために、それぞれ、前記対象物体に十分に近い、請求項1に記載の顕微鏡。
  9. 6mW未満を提供するエネルギー源から励起光を生成するように構成された、光源と、
    センサアレイを含むイメージング回路手段と、
    少なくとも0.5mmである視野について、少なくとも2.5μmのイメージ解像度を提供するために、前記光源、前記イメージセンサアレイ、及び対象物体に十分に接近して動作するように構成された、対物レンズと
    を備える、落射蛍光顕微鏡。
  10. サイズが1立方インチ(約16.39cm)未満である落射蛍光顕微鏡であって、前記顕微鏡は、
    光を、イメージング対象を含む視野に向けるように構成された、光励起配置と、
    向けられた光と、前記イメージング対象との間の相互作用によって引き起こされた蛍光から、イメージデータを生成するように構成された、光センサアレイを含むイメージング回路と、
    前記蛍光を、前記光センサアレイに、0.5mmにわたって、かつ、少なくとも2.5μmの解像度で描かれるための前記イメージデータのため、十分な強度及びフォーカスを伴って向けるように構成された、光学配置と
    を備える、顕微鏡。
  11. サイズが1立方インチ(約16.39cm)未満であるポータブルハウジング
    を備える、イメージング装置であって、前記ポータブルハウジングは、
    励起光を提供する、励起源と、
    第1の端と、第2の端とを有する、光学経路を提供する、細長い機器と
    を備え、前記細長い機器は、
    前記光学経路の前記第1の端における対物レンズと、
    前記励起光を、前記対物レンズに向けるように構成及び配置された、1つ以上の励起要素と、
    前記対物レンズから受け取られた落射蛍光エミッション光から、前記光学経路の前記第2の端における焦点面を提供するように構成及び配置された、1つ以上のエミッション要素と
    前記焦点面において配置された、かつ、前記落射蛍光エミッション光から、対象物体のイメージを捕捉するように構成及び配置された、光センサのアレイを含む、イメージング回路と
    を含み、前記イメージは、複数の個々の毛細血管を捕捉するための十分な視野と、前記個々の毛細血管を相互に区別するための十分な解像度とを有する、イメージング装置。
  12. 前記対物レンズは、ほぼ平行にされた落射蛍光エミッション光を、前記光学経路内に向け、前記十分な解像度は、毛細血管を通って流れている個々の赤血球を区別する、又は解像することが可能である、請求項11に記載のイメージング装置。
  13. 光センサの前記アレイは、CMOSセンサを含む、請求項11に記載のイメージング装置。
  14. 前記細長い機器は、前記対物レンズと、光センサの前記アレイとの間の、前記光学経路内に配置された、アクロマティックレンズを更に含み、前記アクロマティックレンズは、前記対物レンズからの、平行にされた落射蛍光を受け取り、前記平行にされた落射蛍光を、光センサの前記アレイに対応する焦点面上にフォーカスさせるように構成される、請求項11に記載のイメージング装置。
  15. 前記励起源は、発光ダイオードである、請求項11に記載のイメージング装置。
  16. 前記細長い機器は、前記光学経路内に配置された、かつ、前記励起源からの前記励起光を、前記対物レンズに反射し、前記対物レンズからの前記落射蛍光エミッション光を通過させるように構成された、ダイクロイックミラーを更に含む、請求項11に記載のイメージング装置。
  17. 前記イメージング装置は、前記対象物体の連続したイメージを、少なくとも50Hzのレートで捕捉するように構成及び配置され、前記イメージは、複数の個々の毛細血管を捕捉するための十分な視野と、前記個々の毛細血管を相互に区別する、かつ、毛細血管を通って流れている個々の赤血球を区別するための、十分な解像度とを有する、請求項11に記載のイメージング装置。
  18. 前記励起源は、前記励起源を別の励起源と交換することを可能にする、締結要素を使用して、前記細長い機器に物理的に接続される、請求項11に記載のイメージング装置。
  19. 前記細長い機器は、前記対物レンズと、光センサの前記アレイとの間の、前記光学経路内に配置された、エミッションフィルタを更に含み、前記エミッションフィルタは、前記落射蛍光エミッション光の波長を含む、帯域通過を有するように構成される、請求項11に記載のイメージング装置。
  20. 前記細長い機器は、前記イメージのフォーカシングを可能にするために、前記光学経路内の光学要素を調節するように構成される、請求項11に記載のイメージング装置。
  21. 前記イメージング装置は、移動している生体の、インビボのイメージを捕捉するように構成される、請求項11に記載のイメージング装置。
  22. 捕捉されたイメージを、デジタルデータとして送信する、送信器回路を更に含む、請求項11に記載のイメージング装置。
  23. 前記ハウジングに結合された、別の光学システムへの、インタフェースを更に含む、請求項11に記載のイメージング装置。
  24. 前記装置は、外部光学データ記録/設定システムとインタフェースするための、同期化回路を含み、ここで、前記同期化回路は、前記イメージング装置と、前記外部光学データ記録/設定システムとの間で通信されるデータのための、同期化情報を提供する、フレームアクティブ信号を通信するように構成及び配置される、請求項11に記載のイメージング装置。
  25. 慢性実験の間の、共通イメージング位置の反復イメージングのための、正確な顕微鏡アライメントを可能にするために、支持構造物のベースプレートに、前記落射蛍光顕微鏡を取り付けるステップ、及び再度取り付けるステップを含む、請求項1に記載の顕微鏡装置を使用する方法。
  26. 慢性実験の間の、共通イメージング位置の反復イメージングのための、正確な顕微鏡アライメントを可能にするために、支持構造物のベースプレートに、前記落射蛍光顕微鏡を取り付けるステップ、及び再度取り付けるステップを含む、請求項10に記載のイメージング装置を使用する方法。
JP2019052628A 2019-03-20 2019-03-20 落射蛍光顕微鏡を使用する方法、イメージング装置を使用する方法、及び落射蛍光顕微鏡 Pending JP2019148801A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019052628A JP2019148801A (ja) 2019-03-20 2019-03-20 落射蛍光顕微鏡を使用する方法、イメージング装置を使用する方法、及び落射蛍光顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019052628A JP2019148801A (ja) 2019-03-20 2019-03-20 落射蛍光顕微鏡を使用する方法、イメージング装置を使用する方法、及び落射蛍光顕微鏡

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016001864A Division JP2016118792A (ja) 2016-01-07 2016-01-07 高度なイメージング特性を有する顕微鏡イメージング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019148801A true JP2019148801A (ja) 2019-09-05

Family

ID=67850552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019052628A Pending JP2019148801A (ja) 2019-03-20 2019-03-20 落射蛍光顕微鏡を使用する方法、イメージング装置を使用する方法、及び落射蛍光顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019148801A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111458312A (zh) * 2020-03-09 2020-07-28 哈尔滨工业大学 一种软脆光学晶体加工表层微区荧光性缺陷检测光学系统
CN111583292A (zh) * 2020-05-11 2020-08-25 浙江大学 一种面向双光子钙成像视频数据的自适应图像分割方法
CN112415002A (zh) * 2020-11-10 2021-02-26 之江实验室 一种基于图像传感器的多模态传感器件
CN113827192A (zh) * 2021-10-08 2021-12-24 北京大学 无线微型荧光显微成像装置及其应用
CN116500010A (zh) * 2023-06-25 2023-07-28 之江实验室 荧光显微成像系统及其方法、荧光显微检测装置
US20230389777A1 (en) * 2022-06-07 2023-12-07 Karl Storz Imaging, Inc. Sterile Calibrating Cap and Methods for Using the Same on an Endoscope
CN117705775A (zh) * 2024-02-05 2024-03-15 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 多色荧光显微成像系统、成像方法、自动聚焦方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111458312A (zh) * 2020-03-09 2020-07-28 哈尔滨工业大学 一种软脆光学晶体加工表层微区荧光性缺陷检测光学系统
CN111583292A (zh) * 2020-05-11 2020-08-25 浙江大学 一种面向双光子钙成像视频数据的自适应图像分割方法
CN111583292B (zh) * 2020-05-11 2023-07-07 浙江大学 一种面向双光子钙成像视频数据的自适应图像分割方法
CN112415002A (zh) * 2020-11-10 2021-02-26 之江实验室 一种基于图像传感器的多模态传感器件
CN113827192A (zh) * 2021-10-08 2021-12-24 北京大学 无线微型荧光显微成像装置及其应用
CN113827192B (zh) * 2021-10-08 2023-12-05 北京大学 无线微型荧光显微成像装置及其应用
US20230389777A1 (en) * 2022-06-07 2023-12-07 Karl Storz Imaging, Inc. Sterile Calibrating Cap and Methods for Using the Same on an Endoscope
CN116500010A (zh) * 2023-06-25 2023-07-28 之江实验室 荧光显微成像系统及其方法、荧光显微检测装置
CN116500010B (zh) * 2023-06-25 2024-01-26 之江实验室 荧光显微成像系统及其方法、荧光显微检测装置
CN117705775A (zh) * 2024-02-05 2024-03-15 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 多色荧光显微成像系统、成像方法、自动聚焦方法
CN117705775B (zh) * 2024-02-05 2024-04-26 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 多色荧光显微成像系统、成像方法、自动聚焦方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2015272003B2 (en) Microscopy imaging device with advanced imaging properties
JP2019148801A (ja) 落射蛍光顕微鏡を使用する方法、イメージング装置を使用する方法、及び落射蛍光顕微鏡
Scott et al. Imaging cortical dynamics in GCaMP transgenic rats with a head-mounted widefield macroscope
Ghosh et al. Miniaturized integration of a fluorescence microscope
Rumyantsev et al. Fundamental bounds on the fidelity of sensory cortical coding
JP2016118792A (ja) 高度なイメージング特性を有する顕微鏡イメージング装置
Skocek et al. High-speed volumetric imaging of neuronal activity in freely moving rodents
US11199691B2 (en) Imaging signal extraction apparatus and methods of using same
Aharoni et al. Circuit investigations with open-source miniaturized microscopes: past, present and future
Adams et al. In vivo fluorescence imaging with a flat, lensless microscope
Wang et al. Cable-free brain imaging for multiple free-moving animals with miniature wireless microscopes
Scherrer et al. A novel optical design enabling lightweight and large field-of-view head-mounted microscopes
Zhang et al. A Systematically Optimized Miniaturized Mesoscope (SOMM) for large-scale calcium imaging in freely moving mice
US20230218173A1 (en) Endoscopic imaging and patterned stimulation at cellular resolution
Ghosh Miniature and Mass-Producible Fluorescence Microscopes for Biomedical Imaging
JP2019082708A (ja) 高度なイメージング特性を有する顕微鏡イメージング装置、落射蛍光顕微鏡装置、及び落射蛍光顕微鏡装置を使用する方法
Xue Computational Miniature Mesoscope for large-scale 3D fluorescence imaging
Kwan Toward reconstructing spike trains from large‐scale calcium imaging data
Aharoni Miniscope-LFOV: A large field of view, single cell resolution, miniature microscope for wired and wire-free imaging of neural dynamics in freely behaving animals

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190320

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200512

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210427