JP2019148777A - 表示装置、表示装置の制御方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

表示装置、表示装置の制御方法、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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康夫 鈴木
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Abstract

【課題】2枚以上のパネルを有する表示装置において、2重像弊害による画像の表示品質低下を防止しながら、画像に合成する合成成分の解像度低下を防止する。【解決手段】本発明の表示装置は、発光手段と、前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、入力画像信号に基づいて前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、前記第1パネル信号に対して高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号に基づいて前記第1パネルを制御し、前記入力画像信号の高周波成分に対応する前記第2パネル信号の領域に所定の画像処理を施した第2の制御信号に基づいて前記第2パネルを制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置、表示装置の制御方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
現在、高コントラストを実現する技術として、2枚の液晶パネルを重ね合わせた液晶表示装置が用いられている。この液晶表示装置は、バックライト、背面パネルおよび前面パネルによって構成され、背面パネルはバックライトからの照射された光を変調し、前面パネルは背面パネルによって変調された光を受け変調することで、コントラストの高い画像を表示する。
ここで、上記の液晶表示装置では、背面パネルと前面パネルの変調は、入力される画像信号に基づいて決定される。このため、背面パネルと前面パネルの画素数(解像度)が同等であり、且つ画像信号そのものもしくは、輝度信号をそのまま表示する場合には、液晶パネル同士の画素のズレに起因して、画像が2重に見える現象である2重像弊害が発生する。
特許文献1には、背面パネルに入力される画像信号にフィルタ処理を行うことで2重像弊害を低減する技術が開示されている。
国際公開第2007/040127号
ところで、表示装置で情報表示を行う際、表示画像に情報が重畳される場合がある。例えば、撮像装置から入力される画像信号の輪郭成分を着色して表示し、撮影時のフォーカス合わせのアシストを行う機能(以下、ピーキングと称する。)がある。
しかしながら、ピーキングは高周波帯域成分を着色(合成)するため細い合成成分が画像の輪郭に合成されるため、特許文献1のフィルタ処理を適用すると、細い合成成分の解像度低下(ぼやけ)が生じ、撮影時のフォーカス合わせが困難になる問題が発生する。
そこで、本発明では、2枚以上のパネルを有する表示装置において、2重像弊害による画像の表示品質低下を防止しながら、画像に合成する合成成分の解像度低下を防止する技術を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、
発光手段と、
前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
入力画像信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
前記第1パネル信号に対して高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号に基づいて前記第1パネルを制御し、
前記入力画像信号の高周波成分に対応する前記第2パネル信号の領域に所定の画像処理を施した第2の制御信号に基づいて前記第2パネルを制御する、
ことを特徴とする表示装置である。
本発明の第二の態様は、
発光手段と、
前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
入力画像信号に対して高周波成分を強調する所定の画像処理を施した処理信号を生成し、
前記処理信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理のフィルタ強度を画素ごとに決定し、
前記第1パネル信号に対して前記第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号で前記第1パネルを制御し、
前記第2パネル信号に基づく第2の制御信号で前記第2パネルを制御する、
ことを特徴とする表示装置である。
本発明の第三の態様は、
発光手段と、
前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
を備える表示装置の表示制御方法であって、
入力画像信号を取得する取得ステップと、
前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御ステップと、
を含み、
前記制御ステップでは、
入力画像信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
前記第1パネル信号に対して高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号に基づいて前記第1パネルを制御し、
前記入力画像信号の高周波成分に対応する前記第2パネル信号の領域に所定の画像処理を施した第2の制御信号に基づいて前記第2パネルを制御する、
ことを特徴とする表示装置の制御方法である。
本発明の第四の態様は、
発光手段と、
前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
を備える表示装置の表示制御方法であって、
入力画像信号を取得する取得ステップと、
前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御ステップと、
を含み、
前記制御ステップでは、
前記入力画像信号に対して高周波成分を強調する所定の画像処理を施した処理信号を
生成し、
前記処理信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理のフィルタ強度を画素ごとに決定し、
前記第1パネル信号に対して前記第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号で前記第1パネルを制御し、
前記第2パネル信号に基づく第2の制御信号で前記第2パネルを制御する、
ことを特徴とする表示装置の制御方法である。
本発明の第五の態様は、上記方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明の第六の態様は、上記プログラムを記憶するコンピュータが読み取り可能な記憶媒体である。
本発明によれば、2枚以上のパネルを有する表示装置において、2重像弊害による画像の表示品質低下を防止しながら、画像に合成する合成成分の解像度低下を防止することができる。
実施形態1に係る表示装置の一例を示す機能ブロック図 実施形態1に係る入力画像信号の階調特性を示す図 実施形態1に係る補正信号の分配の一例を示す図 実施形態1に係るフィルタ処理における注目画素の一例を示図 実施形態1に係る視覚画像の一例を示す図 実施形態2に係る表示装置の一例を示す機能ブロック図 実施形態2に係る視覚画像の一例を示す図 実施形態3に係る表示装置の一例を示す機能ブロック図 実施形態4に係る表示装置の一例を示す機能ブロック図 実施形態4に係る線幅検出処理の一例を示す図 実施形態4に係るフィルタ強度決定の一例を示す図 実施形態4の変形例に係る表示装置の一例を示す機能ブロック図 実施形態4の変形例に係るフィルタ強度決定の一例を示す図 比較例に係る視覚画像の一例を示す図
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1について説明する。
本実施形態に係る表示装置は、2枚の液晶パネルを有する画像表示装置である。このような表示装置は、2枚の液晶パネルのそれぞれに対して画像表示を行い、それらを重ね合わせることで高コントラストの画像を表示している。また、本実施形態に係る表示装置は、入力画像に対して、入力画像とは異なる画像を重畳表示する。本実施形態では、撮像装置におけるピーキング画像を表示する例について説明する。ピーキングとは、撮像時のフォーカス合わせのアシスト機能であり、画像の特定の輪郭成分を着色(合成)することでフォーカスが合っている箇所をユーザに示す機能である。本実施形態では、2枚の液晶パネルのうちバックライトから遠い方に位置する前面液晶パネルにのみ、上記のピーキング画像を表示する例について説明する。以下、本実施形態に係る表示装置の全体構成、ピーキング処理、合成処理について順に説明する。
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る表示装置1の一例を示す機能ブロック図である。表示装置1は、バックライト10、背面液晶パネル11、前面液晶パネル12および表示制御装置100等を有する。表示装置1は、2枚の液晶パネルを重ね合わせることで高コントラストの画像を画面に表示することが可能である。
バックライト10は、複数の光源を備え、前方に光を照射する発光装置である。例えば、光源は、白色光を発するLEDである。なお、光源は、赤色の光を発する赤色LED、緑色の光を発する緑色LED、および青色の光を発する青色LED、から構成されていてもよい。また、青色LEDと、入射した青色の光を赤色の光および緑色の光に変換して出力する量子ドット等の波長変換部材を含む部材と、から光源が構成されていてもよい。バックライト10は、あらかじめ設定された光量の光を、前方に照射する。なお、表示制御装置100の制御により、照射する光の量を可変としてもよい。
背面液晶パネル11は、バックライト10の前方に設けられ、バックライト10から照射された光を変調する変調部材である。背面液晶パネル11は、複数の液晶素子を備え、表示制御装置100から出力された画像信号に応じて、各液晶素子の光の透過率を制御する。即ち、表示制御装置100によって背面液晶パネル11における光の変調が制御されるともいえる。なお、背面液晶パネル11は、特定の波長の光を透過するためのカラーフィルタを有しないことが好ましい。
前面液晶パネル12は、背面液晶パネル11の前方に設けられ、バックライト10から照射され、背面液晶パネル11で変調された光をさらに変調する変調部材である。前面液晶パネル12は、複数の液晶素子を備え、表示制御装置100から出力された画像信号に応じて、各液晶素子の光の透過率を制御する。即ち、表示制御装置100によって前面液晶パネル12における光の変調が制御されるともいえる。なお、前面液晶パネル12は、複数の液晶素子それぞれに対応するカラーフィルタを備える。カラーフィルタは、赤色、緑色、および青色のいずれかの光を透過するフィルタである。また、前面液晶パネル12の複数の液晶素子と、背面液晶パネル11の複数の液晶素子は、少なくとも画像を表示する領域において同数(同解像度)であることが好ましい。
表示制御装置100は、入力画像信号に基づいて、少なくとも、背面液晶パネル11および前面液晶パネル12を制御する制御装置である。表示制御装置100は、入力部101、補正部102、分配部103、合成部104、フィルタ処理部105、ピーキング処理部106、制御部107等を有する。以下、表示制御装置100の各機能部について説明する。
表示制御装置100は、演算装置(プロセッサ)、メモリ、記憶装置、入出力装置等を含む情報処理装置(コンピュータ)である。記憶装置に格納されたプログラムを表示制御装置100が実行することで、入力部101、補正部102、分配部103、合成部104、フィルタ処理部105、ピーキング処理部106、制御部107等の機能が提供される。これらの機能の一部または全部は、ASICやFPGAなどの専用の論理回路により実装されてもよい。本実施形態では、表示制御装置100は、入力画像信号に基づいて、少なくとも、背面液晶パネル11および前面液晶パネル12を制御する。以下、表示制御装置100の各機能部について説明する。
(表示制御装置100の各機能部)
入力部101は、表示制御装置100に入力される入力画像信号を取得する機能部である。また、入力部101は、取得した入力画像信号に、所定の階調特性変換処理(ガンマ変換処理)を施す。例えば、入力画像信号は、RGBそれぞれの10ビットの信号で表さ
れたHDR画像信号である。HDR画像信号は、撮像装置等において、輝度範囲に対して画像信号をLogで関連付けることによって、従来よりも広いダイナミックレンジの画像を表現することが可能な画像信号である。なお、輝度範囲に対する画像信号の関係(OETF:Opto−Electronic Transfer Function)は、Logに限らない、ST.2084等の規格で規定されたカーブを用いることも可能である。
図2は、入力画像信号の階調特性(OETF)を示す図である。なお、以降では簡単のために、RGBのうちRの信号のみについて説明を行う。なお、G,Bの各信号もRと同様に処理される。図2の横軸は、輝度を相対値で示したものであり、図2の縦軸は、対応する画像信号(階調値)である。また、輝度の増加分に対する画像信号(階調値)の増加分を、輝度差を感知しづらい明領域であるほど小さくし、暗領域であるほど大きくすることにより、より広いダイナミックレンジ(輝度範囲)を表現することが可能となる。
なお、入力部101は、例えば、SDI(Serial Digital Interface)に対応したインターフェースを介して、入力画像信号を取得してもよい。また、入力部101は、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)に対応したインターフェースを介して、入力画像信号を取得してもよい。また、入力部101は、表示装置1内部の不図示の記憶媒体から入力画像信号を読み出してもよい。
また、入力部101は、入力画像信号を所定の階調特性を有する画像信号に変換する。入力画像信号の階調特性(例えば、Log)と、表示装置1の階調特性(ガンマ2.2)とは必ずしも一致しない。したがって、入力画像信号をそのまま表示装置1で表示しても、所望の階調性が得られない場合がある。したがって、入力部101は、入力画像信号の階調特性と、表示装置1の階調特性との違いを補正するように、入力画像信号の階調特性を補正する。例えば、入力画像信号の階調特性が、Logであり、表示装置1の階調特性がガンマ2.2である場合、入力部101は、入力画像信号に対してLogの逆関数を適用したのち、ガンマ2.2の逆関数(ガンマ0.45)を適用する。入力部101が変換処理を施した入力画像信号を階調変換信号IDと称する。階調変換信号IDは、ガンマ0.45の階調特性を有する画像信号である。入力部101は、階調変換信号IDを補正部102に出力する。
補正部102は、後段の背面液晶パネル11と前面液晶パネル12を通して画像表示した際の表示色精度を高めるための補正処理を行う機能部である。色精度の基準色規格は、入力画像信号で規定される色基準で決定される。例えば、BT.2020やDCI−P3などが色精度の基準色規格として採用される。本実施形態では、補正部102は、3次元ルックアップテーブルなどを使用し階調変換信号IDを補正する。具体的には、補正部102が、予め用意されたテーブルの補正値を階調変換信号IDに適用させ補正する。そして、補正部102は、補正後の信号を後述の分配部103およびピーキング処理部106へ出力する。なお、補正信号Cは、各画素に対して階調値(画素値)が指定された画像信号である。
分配部103は、補正信号Cを、背面液晶パネル11に出力するための背面パネル信号Sと、前面液晶パネル12に出力するための前面パネル信号Sとに変換し分配する機能部である。背面パネル信号Sと前面パネル信号Sとは、背面液晶パネル11と前面液晶パネル12の階調特性に応じて、それぞれ補正信号Cから生成された画像信号である。また、分配部103は、背面パネル信号Sを後述するフィルタ処理部105へ、前面パネル信号Sを後述する合成部104へ出力する。
図3は、補正信号C、背面パネル信号Sおよび前面パネル信号Sの特性を表す。図3において、横軸は輝度を示し、縦軸は画像信号の画素値を示す。なお、画像信号は、最大値が1となるように規格化している。例えば、画像信号が10ビット信号である場合、図3の画像信号における1は、10ビット信号における1023に対応する。図3の実線22は、補正信号Cの階調特性を示す。本実施形態では、補正信号Cは、階調変換信号IDと同様にガンマ0.45の特性を持つ。図3の破線21は、背面パネル信号Sの階調特性と前面パネル信号Sの階調特性を示す。背面パネル信号Sの階調特性と前面パネル信号Sの階調特性とは、互いを乗算して補正信号Cの階調特性となるように設定される。例えば、補正信号Cの階調特性の平方根を、背面パネル信号Sの階調特性と前面パネル信号Sの階調特性としてもよい。この場合、背面パネル信号Sの階調特性と前面パネル信号Sの階調特性とは同じであるから、同一の破線21で表される。なお、背面パネル信号Sの階調特性と前面パネル信号Sの階調特性とは、同一でなくともよい。例えば、各液晶パネルの特性に応じて、互いに異なる階調特性とすることも可能である。
合成部104は、分配部103から出力された前面パネル信号Sのうち、入力画像信号の高周波成分に対応する領域を強調する処理を施して、合成画像信号PSを生成する機能部である。具体的には、合成部104は、分配部103から出力された前面パネル信号Sと後述するピーキング成分信号Pとを合成し、合成画像信号PS(制御信号)を生成する。合成部104は、生成した合成画像信号PSを前面液晶パネル12へ出力する。合成部104の処理の詳細については、後述する。
フィルタ処理部105は、背面パネル信号Sの画素値に対して空間的なローパスフィルタ処理(画素値における高周波成分を抑制するフィルタ処理)を施してフィルタ処理後の画像信号F(制御信号)を出力する機能部である。ローパスフィルタ処理は、例えば、背面パネル信号Sの対象画素を中心としたM×Mの領域(フィルタ領域)に含まれる画素の画素値を平均化した値(平均値)を、フィルタ処理後の画像信号Fにおける対象画素の画素値とする処理である。上記のMは、例えば7である。なお、本実施形態では、Mは制御部107により、係数設定値Mとして入力される。処理部106は、各画素を対象画素として、ローパスフィルタ処理を実行してフィルタ処理後の画像信号Fを背面液晶パネル11へ出力する。なお、本実施形態では、フィルタ処理部105は、画素値の平均値をフィルタ処理画像信号としたが、平均値に限定されない。例えば、画素値の中間値や、ガウシアンフィルタを用いて注目画素に比重を置いたフィルタ処理(平滑化処理)により得られる値をフィルタ処理画像信号として用いてもよい。本実施形態では、空間方向に対してフィルタ処理を行う例を説明する。
ピーキング処理部106は、前面パネル信号Sに着色合成するピーキング成分信号P(処理信号)を生成する機能部である。ここで、ピーキングとは、撮影時のフォーカス合わせのアシスト機能である。フォーカスが合うと、画像の輪郭エッジが立ち、画像輪郭部の高周波成分が大きくなる。この特徴より、ピーキング処理部106では、まず、高周波成分を抽出し、次に高周波成分に対応する前面パネル信号Sの領域、すなわち高周波成分が大きい画素について着色する(信号の値を高める)ための成分を生成する。ピーキング処理部106の処理の詳細については、後述する。
制御部107は、表示制御装置100の各機能ブロックを制御するプロセッサである。また、制御部107は、不図示のメモリから各機能ブロックが用いるパラメータを読出し、各機能ブロックに設定する。本実施形態において、制御部107は、各ブロックで使用する係数や閾値等の設定値(パラメータ)を出力する。なお、パラメータは、ハードディスクや磁気テープなどから読み出されてもよい。また、この設定値は予め決定しておいてもよいし、ユーザにより設定させてもよい。
<処理内容>
(ピーキング処理)
ピーキング処理部106は、補正信号Cを入力して、画素毎に前面パネル信号Sに着色合成するためのピーキング成分信号Pを出力する。具体的には、ピーキング処理部106は、補正信号Cに対して空間方向にハイパスフィルタ処理(画素値における高周波成分を強調するフィルタ処理)を行い、得られる信号のうち所定の閾値以上である信号をピーキング成分信号Pとして出力する。
まず、ピーキング処理部106は、補正信号Cの画像の画素毎に、以下の式(1)を用いてRGB値を輝度値Yに変換する。
Figure 2019148777
ここで、C,C,Cは、それぞれ補正信号Cの色毎の画素値を示す。
次に、ピーキング処理部106は、輝度値Yから高周波成分を抽出する。高周波成分は水平・垂直方向のフィルタ(ハイパスフィルタ)処理により抽出される。本実施形態では、空間方向に対してフィルタ処理を行う例を説明する。また、本実施形態では、フィルタ処理に使用する画素幅(サイズ)とハイパスフィルタ(HPF)のフィルタ係数fHPFは、制御部107から出力される。例えば、サイズが5である場合は、フィルタ係数fHPFは5つの要素からなり、(−1/16,−4/16,10/16,−4/16,−1/16)等として出力される。この時、フィルタ係数fHPFの値は−1から1の範囲の値を取り、全ての値の合計値が0である例について説明する。
まず、ピーキング処理部106は、制御部107から出力されるフィルタ係数fHPFに従って、水平方向のフィルタ処理を行う。ピーキング処理部106は、上記の輝度値Yに対して、フィルタ係数fHPFのサイズが5の場合、図4(A)に示す注目画素を中心に、以下の式(2)を用いて水平フィルタ処理後の画素値V(x,y)を求めることができる。
Figure 2019148777
ここで、フィルタサイズに応じて上記式(2)のaの値は適宜変更される。
次に、ピーキング処理部106は、垂直方向のフィルタ処理を行う。ピーキング処理部106は、水平方向のフィルタ処理により算出された画素値Vに対して、フィルタ係数fHPFのサイズが5の場合、図4(B)に示す注目画素を中心に、以下の式(3)を用いて垂直フィルタ処理後の画素値Vhvを求めることができる。
Figure 2019148777
輝度値Yの画素毎に式(2),式(3)の演算を行う事で、水平方向と垂直方向のハイパスフィルタ処理後の信号が抽出される。
なお、上述の例では、垂直および水平方向に分けてフィルタ処理を行う例について説明したが、フィルタ係数fHPFを2次元で定義して、以下の式(4)を用いてフィルタ処理が行われてもよい。
Figure 2019148777
最後に、ピーキング処理部106は、上述の空間フィルタ処理後の画素値Vhvに基づいて、ピーキング成分信号Pを以下の式(4)を用いて決定する。本実施形態では、画素値Vhvが所定の閾値以下の画素については、ピーキング成分信号Pは0である。
Figure 2019148777
ここで、Tは所定の閾値を示す。以上に示す処理によりピーキング処理が行われる。
(合成処理)
合成部104は、前面液晶パネル12に対して、上述のピーキング成分信号Pの大きさに応じて着色を行う。ここでは着色は赤色とする。なお、ピーキング成分信号Pが0の画素については着色を行わない。ピーキング成分信号Pが0以外の時は、ピーキング成分信号Pの大きさにより着色量を決定する。ここで、ピーキング成分信号Pの最大値をPmaxとすると、以下の式(6)を用いて画素毎の着色量Color(x,y)を決定する。
Figure 2019148777
なお、上述の例では、合成部104は、ピーキング成分信号Pの大きさに応じて着色量を決定したが、ピーキング成分信号Pが0以外の時は、ピーキング成分信号Pの大きさによらず、R=1023,G=0,B=0の着色を行ってもよい。また、着色を行う色は、上記に限定されず、緑、青またはその他の色でもよい。
<本実施形態の作用効果>
上述のように、背面パネル信号には従来通りフィルタ処理を行うことで2重像弊害による画像の表示品質低下を防止しながら、前面パネル信号にピーキング成分を合成することで画像に合成する合成成分の解像度低下を防止することが可能となる。以下、図14に示す比較例を用いて、図5に示す本実施形態の作用効果について説明する。
(比較例)
図14(A)は、入力画像信号にピーキング成分を合成した画像を示す。図14(A)に示す信号に特許文献1の技術を適用すると、前面液晶パネル12の表示は図14(B)に示すようになり、背面液晶パネル11の表示はフィルタ処理により図14(C)に示すように画像信号とピーキング成分が鈍った表示となる。よって、人が視覚できる画像は、図14(D)示すように、ピーキング成分がぼやけてしまう。
(本実施形態の適用例)
図5(A)は、入力画像信号の画像を示す。図5(B)は、本実施形態に係る合成画像信号PSを示しており、前面パネル信号Sおよびピーキング成分信号Pが合成されている。図5(C)は、フィルタ処理後の画像信号Fを示しており、背面パネル信号Sに対してローパスフィルタ処理が行われている。図5(D)は、背面液晶パネル11および前面液晶パネル12の表示画像を重ねて、ユーザが視覚する画像(視覚画像)を示す。背
面パネル信号Sのみに対してローパスフィルタ処理を施すことで、2重像弊害を防止しながら、ピーキング成分信号Pの解像度を保持することができる。
<実施形態1の変形例>
上述の実施形態では、合成部104は、ピーキング成分信号Pが小さくなると着色量も小さくなる例について説明したが、入力画像信号の輝度値に応じて着色量を調整しても良い。具体的には、入力画像信号の輝度値が低い暗部画像における画像の着色量(輪郭エッジ)は小さくなりピーキング成分信号Pは小さくなるため、撮影時のフォーカス合わせ時に着色している部分が視認しづらくなる。そこで、合成部104は、前面パネル信号Sの画素毎に、暗部の着色量を明部の着色量より大きくすることで、暗部における着色部を視認しやすくすることが可能となる。
上述の実施形態では、合成部104は、前面パネル信号Sにピーキング成分信号Pを合成する例を示したが、ピーキング成分信号Pの強調度合を設定可能としてもよい。例えば、ピーキング成分信号Pを強調する第1表示モードと、強調しない第2表示モードが選択可能に設けられてもよい。この場合、第1表示モードでは、合成部104は、上述の実施形態と同様に制御を行う。そして、第2表示モードでは、合成部104は、第1表示モードよりピーキング成分信号Pを強調しないようにするため、上述の着色量を小さくする。なお、第2表示モードでは、表示制御装置100は、ピーキング成分信号Pの合成処理(画像処理)を施さない前面パネル信号Sに基づいて前面液晶パネルを制御してもよい。
[実施形態2]
本実施形態では、フィルタ処理部105によって出力されるフィルタ処理画像信号Fに対して、背面液晶パネル11用のピーキング成分信号Pを合成した画像信号PFを用いて、背面液晶パネル11の光の透過率を抑制する例について説明する。以下、実施形態1と異なる構成や処理について詳しく説明し、実施形態1と同様の構成や処理については同じ番号を付し説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る表示装置2の機能ブロック図を示す。本実施形態に係る表示装置2の表示制御装置200は、実施形態1の構成に加え、合成部208、ピーキング分配部209を備える。また、表示装置2は、実施形態1の分配部103および合成部104に代わり、分配部203および合成部204を備える。本実施形態では、ピーキング分配部209は、ピーキング成分信号Pを取得する。そして、ピーキング分配部209は、液晶パネルの階調特性に基づいて、各パネル用のピーキング成分信号を出力する。そして、合成部208は、フィルタ処理後の画像信号Fに対して上記のピーキング成分信号を合成する。
分配部203は、上述の分配部103の機能に加えて、背面パネル信号Sと前面パネル信号Sとに分配する際の分配比率rをピーキング分配部209へ出力する機能部である。本実施形態では、分配比率rは、背面パネル信号Sと前面パネル信号Sとの強度の比率である。
ピーキング分配部209は、ピーキング成分信号Pおよび上記の分配比率rを取得して、分配比率rに応じてピーキング成分信号Pを変換して、前面液晶パネル12用のピーキング成分信号Pを合成部104へ出力する機能部である。また、ピーキング分配部209は、背面液晶パネル11用のピーキング成分信号Pを後述する合成部208へ出力する。本実施形態では、分配比率rは、前面パネル信号Sと背面パネル信号Sとの比率と同一である。また、上述と同様、背面液晶パネル11用のピーキング成分信号Pの階調特性と前面液晶パネル12用のピーキング成分信号Pの階調特性とは、互いを乗算し
てピーキング成分信号Pの階調特性となるように設定される。
合成部204は、分配部103から出力された前面パネル信号Sと上述の前面パネル用のピーキング成分信号Pとを合成し、合成画像信号PS(制御信号)を生成する機能部である。図7(B)は、合成画像信号PSを示す。
合成部208は、フィルタ処理後の画像信号Fと背面液晶パネル11用のピーキング成分信号Pとを取得し、合成画像信号PF(制御信号)を生成する機能部である。図7(C)は、合成画像信号PFを示す。
図7(D)は、背面液晶パネル11と前面液晶パネル12との表示画像を重ねて、人が視覚する視覚画像を示す。上述の図14(D)に示す比較例と比較して、本実施形態では、ピーキング成分信号にはローパスフィルタ処理を施していないため、画像に合成する合成成分の解像度低下を防止することができる。また、背面パネル信号にはローパスフィルタ処理を施しているため、表示画像における2重像弊害による画像の表示品質低下を抑制している。
[実施形態3]
本実施形態では、入力画像信号にあらかじめピーキング成分信号が合成された合成画像信号PCを分配して各パネル用の制御用の画像信号を生成する例について説明する。また、本実施形態では、表示制御装置は、フィルタ処理部305のフィルタ強度をピーキング成分信号Pに基づいて制御する。具体的には、表示制御装置は、ピーキング成分信号Pを重畳表示する画素に対するローパスフィルタ処理を行わないことで、ピーキング成分に生じるぼやけを抑制する。以下、実施形態1と異なる構成や処理について詳しく説明し、実施形態1と同様の構成や処理については同じ番号を付し説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る表示装置3の機能ブロック図を示す。本実施形態に係る表示装置3の表示制御装置300は、実施形態1の構成に加え、フィルタ強度決定部310を備える。また、表示装置3は、実施形態1の分配部103および合成部104に代わり、分配部303および合成部304を備える。本実施形態では、実施形態1と異なる点として、合成部304は、補正信号Cとピーキング成分信号Pとを合成する。そして、分配部303は、上記の合成信号を背面パネル信号Sと前面パネル信号Sとに分配する。また、本実施形態では、フィルタ強度決定部310は、フィルタ処理部305のフィルタ強度を決定する。
合成部304は、補正部102より出力された補正信号Cとピーキング処理部106より出力されたピーキング成分信号Pとを合成し、合成画像信号PCを生成する機能部である。生成された合成画像信号PCは、分配部303に出力される。
分配部303は、合成画像信号PCを、背面液晶パネル11に出力するための背面パネル信号Sと、前面液晶パネル12に出力するための前面パネル信号Sとに変換し分配する機能部である。
フィルタ強度決定部310は、ピーキング成分信号Pに応じて、フィルタ強度信号Iを生成し、フィルタ処理部305へ出力する機能部である。具体的には、フィルタ強度決定部310は、画素毎にピーキング成分信号Pが0より大きい場合(処理信号において画素値が閾値Th1以上である場合)は、ピーキング成分(合成成分)があると判定し、対象画素のフィルタ強度信号Iを1をとする。また、フィルタ強度決定部310は、ピーキング成分信号Pが0の時は、ピーキング成分が無いと判定し、対象画素のフィルタ強度信号Iを0とする。
フィルタ処理部305は、フィルタ強度信号Iに基づいて上述のフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の画像信号Fを背面液晶パネル11へ出力する機能部である。具体的には、フィルタ処理部305は、フィルタ強度信号Iが1の時は、合成成分があると判断し、合成成分の解像度低下を防ぐためにフィルタ処理を行わない。また、フィルタ処理部305は、フィルタ強度信号Iが0の時は、合成成分が無いと判断し、画像の2重像弊害を低減するためにフィルタ処理を行う。
以上のように、ピーキング成分信号Pに基づいて、フィルタ処理を制御することで、入力画像信号に合成するピーキング成分画像Pの解像度低下を防止しながら、画像全体として2重像弊害による表示画像の表示品質低下を抑制している。本実施形態に係る表示装置3は、上述の実施形態1のような前面パネル信号Sと背面パネル信号Sの各々に画像合成できないシステムにおいて好適に処理することできる。
[実施形態3の変形例]
上述の実施形態では、フィルタ強度決定部310は、ピーキング成分信号Pに応じてフィルタ処理の有無(フィルタ強度信号Iが0または1であるか)を判断したが、ピーキング成分信号Pに応じて決定されるローパスフィルタのフィルタ強度は連続値でもよい。例えば、フィルタ強度決定部310は、ピーキング成分信号Pの値が小さいほど、上記のフィルタ強度を高くしてもよい。この場合、フィルタ処理部305は、上記のフィルタ強度に基づいてローパスフィルタ処理を行うことで、ピーキング成分に生じるぼやけを低減させることができる。
上述の実施形態では、合成部304は、補正信号Cにピーキング成分信号Pを合成する例を示したが、ピーキング成分信号Pの強調度合を設定可能としてもよい。例えば、ピーキング成分信号Pを強調する第1表示モードと、強調しない第2表示モードが選択可能に設けられてもよい。この場合、第1表示モードでは、合成部304は、上述の実施形態と同様に制御を行う。そして、第2表示モードでは、合成部304は、第1表示モードよりピーキング成分信号Pを強調しないようにするため、上述の着色量を小さくする。なお、第2表示モードでは、表示制御装置300は、ピーキング成分信号Pの合成処理(画像処理)を施さない補正信号Cに基づいて前面パネル信号Sと背面パネル信号Sとを生成してもよい。この場合、表示制御装置300は、背面パネル信号Sに対して上述のフィルタ処理を行って得られる画像信号Fに基づいて背面液晶パネルを制御し、前面パネル信号Sに基づいて前面液晶パネルを制御してもよい。
[実施形態4]
本実施形態では、ピーキング成分信号Pにおけるピーキング成分を有する画素幅に応じて、ローパスフィルタ処理のフィルタ強度を制御する例について説明する。本実施形態では、ピーキング成分信号Pの画素幅が大きい場合、フィルタ処理によるピーキング成分の解像度低下は視認しづらいため、2重像弊害の低減を優先させる。以下、実施形態3と異なる構成や処理について詳しく説明し、実施形態3と同様の構成や処理については同じ番号を付し説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る表示装置4の機能ブロック図を示す。本実施形態に係る表示装置4の表示制御装置400は、実施形態3の構成に加え、線幅検出部411を備える。また、表示装置4は、フィルタ強度決定部310およびフィルタ処理部305に代わり、フィルタ強度決定部410およびフィルタ処理部405を備える。
線幅検出部401は、ピーキング成分信号Pを取得して、ピーキング成分信号の画素幅を検出する機能部である。具体的には、線幅検出部401は、着色がある画素のうち注目
画素から着色がない画素までの画素数が一番小さいものを画素幅とする。
図10は、ピーキング成分信号Pを示す。図10の黒色点は注目画素、灰色点はピーキング成分信号の値が0より大きい画素(着色を行う画素)、白色点はピーキング成分信号Pの値が0である画素(着色を行わない画素)を示す。ここで、線幅検出部401は、注目画素から着色がない画素までの画素数の最小値をピーキング成分信号Pの画素幅として検出する。図10の例では、注目画素から着色がない画素までの画素数の最小値は2(画素)であるため、当該注目画素の画素幅は2として出力される。また、注目画素が着色無し画素の場合は、線幅情報Lの最大値を出力する。本実施形態では、最大値を255とする。
フィルタ強度決定部410は、線幅情報Lに応じて、フィルタ強度信号Iを生成し、フィルタ処理部405へ出力する機能部である。本実施形態では、フィルタ強度決定部410は、制御部107から取得される所定の閾値Aおよび所定の閾値Bを用いてフィルタ強度を決定する。
図11は、本実施形態に係るフィルタ強度の決定方法を示す。横軸は線幅情報L(0〜255)を示し、縦軸はフィルタ強度信号I(0〜1)を示す。ここで、閾値Aおよび閾値Bは、0〜255のいずれかの値を取るものとする(0≦閾値A<閾値B≦255)。
フィルタ強度決定部410は、線幅情報Lの値が閾値Aから閾値Bの間にある場合は、線幅情報Lの値が大きいほど、フィルタ強度を高くする。これは、線幅が大きいほど、着色画素が多くなり、フィルタ処理による画像合成成分の解像度低下は視認しづらいと考えられるためである。また、線幅情報Lの値が小さいほど、着色画素が少なくなり、当該画素に対するフォーカスの精度を高くしていることがわかる。この場合、フィルタ処理による画像合成成分の解像度低下を低減したいため、フィルタ強度を低くする。
ここで、フィルタ強度決定部410は、線幅情報Lの値が0から閾値Aの間にある(線幅情報Lが非常に小さい)場合は、線幅情報Lの値が小さいほど、フィルタ強度を高くする。その理由は、着色画素の画素幅が非常に小さくなると、着色画素部の2重像弊害が視認できるようになり、フォーカス合わせが困難なるからである。なお、フィルタ強度決定部410は、線幅情報Lの値が閾値B以上の場合は、フィルタ強度信号の値は1とする。なお、フィルタ強度の決定方法は上記に限定されず、例えば、閾値Aを0として、線幅情報Lの値が大きいほど、フィルタ強度を高くしてもよい。また、線幅情報Lの値が閾値Aの場合のフィルタ強度信号Iを0としてもよく、線幅情報Lの値が閾値B以上の場合のフィルタ強度信号Iを255より小さい値としてもよい。さらに、閾値はユーザによって設定されても良い。
フィルタ処理部405は、フィルタ強度信号Iに基づいて、上述のフィルタ処理により得られる暫定フィルタ処理後の画像信号Fと背面パネル信号Sとを加重平均して、フィルタ処理後の画像信号Fを出力する機能部である。本実施形態に係るフィルタ処理後の画像信号Fは、以下の式(7)を用いて求められる。
Figure 2019148777
これにより、フィルタ強度信号Iが大きいほどフィルタ処理を強く施したいため、暫定フィルタ処理後の画像信号Fの割合が大きくなるようにする。なお、暫定フィルタ処理後の画像信号Fを用いずに、フィルタ強度信号Iに基づいて調整されるフィルタ係数fLPFと背面パネル信号Sとを用いてフィルタ処理後の画像信号Fを求めてもよい。
以上のように、ピーキング成分信号の線幅情報Lに基づいて、フィルタ処理を制御することで、好適に合成成分の解像度低下を防止しながら、2重像弊害による画像の表示品質低下を抑制することが可能となる。
[実施形態4の変形例]
上述の実施形態では、フィルタ強度決定部410は、ピーキング成分の線幅情報Lに基づいてフィルタ強度を決定したが、ピーキング処理のフィルタ係数fHPFから求まる周波数特性に基づいてフィルタ強度を決定しても良い。
図12は、本変形例に係る表示装置5の機能ブロック図を示す。本変形例に係る表示装置5の表示制御装置500は、実施形態4のフィルタ強度決定部410および線幅検出部411に代わり、フィルタ強度決定部510および周波数特性解析部511を備える。
周波数特性解析部511は、ピーキング処理のフィルタ係数fHPFから周波数特性解析を行い、周波数特性信号ωを出力する機能部である。具体的には、周波数特性解析部511は、フィルタ係数fHPFからインパルス応答を算出し、このインパルス応答をフーリエ変換することで周波数特性信号ωを抽出することができる。ここで、本実施形態では、周波数特性信号ωは0〜255の値を取るものとし、0は高周波特性、255は低周波特性を表す。
フィルタ強度決定部510は、周波数特性信号ω、閾値Aおよび閾値Bを取得して、フィルタ強度信号Iを生成し、フィルタ処理部405へ出力する機能部である。
図13は、本変形例に係るフィルタ強度の決定方法を示す。横軸は周波数特性信号ω(0〜255)を示し、縦軸はフィルタ強度I(0〜1)を示す。
フィルタ強度決定部510は、上述の実施形態と同様に閾値Aから閾値Bの間にある場合は、周波数特性信号ωが大きい(低周波)ほど、フィルタ強度信号Iを大きくする。これは、周波数特性信号ωの値が大きいほど、着色画素が多くなり、フィルタ処理による画像合成成分の解像度低下は視認しづらいと考えられるためである。
以上、周波数特性信号ωを生成することで、成就の実施形態4に係る線幅情報Lに基づく制御と同様な効果が得られる。
[その他]
上述の実施形態では、表示装置の内部に表示制御装置が含まれる例について説明したが、表示装置とは別体として設けられる表示制御装置のみで上述の処理を実施してもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10:バックライト
11:背面液晶パネル
12:前面液晶パネル
103:分配部
104:合成部
105:フィルタ処理部
106:ピーキング処理部
107:制御部

Claims (19)

  1. 発光手段と、
    前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
    前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
    前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    入力画像信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
    前記第1パネル信号に対して高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号に基づいて前記第1パネルを制御し、
    前記入力画像信号の高周波成分に対応する前記第2パネル信号の領域に所定の画像処理を施した第2の制御信号に基づいて前記第2パネルを制御する、
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 前記所定の画像処理は、前記入力画像信号の高周波成分に対応する領域において前記第2パネル信号の値を高める処理である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記制御手段は、前記入力画像信号に高周波成分を強調する第2のフィルタ処理を施した処理信号と前記第2パネル信号とを合成して、前記第2の制御信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1の制御信号に前記処理信号を合成した合成信号に基づいて、前記第1パネルを制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1パネル信号の強度および前記第2パネル信号の強度の比率に応じて、前記第1の制御信号に合成する前記処理信号の強度および前記第2パネル信号に合成する前記処理信号の強度を決定する、
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の表示装置。
  6. 前記制御手段は、前記入力画像信号の輝度が低いほど、前記第2のフィルタ処理のフィルタ強度を高くする、
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の表示装置。
  7. 前記入力画像信号の高周波成分を強調して画像を表示する第1表示モードと、前記入力画像信号の高周波成分を前記第1表示モードよりも強調しない画像を表示する第2表示モードとを選択するための選択手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記第1表示モードが選択された場合、前記第1の制御信号に基づいて前記第1パネルを制御し、前記第2の制御信号に基づいて前記第2パネルを制御し、
    前記第2表示モードが選択された場合、前記第1の制御信号に基づいて前記第1パネルを制御し、前記所定の画像処理を施さない前記第2パネル信号に基づいて前記第2パネルを制御する、
    ことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 発光手段と、
    前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
    前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
    前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    入力画像信号に対して高周波成分を強調する所定の画像処理を施した処理信号を生成し、
    前記処理信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
    高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理のフィルタ強度を画素ごとに決定し、
    前記第1パネル信号に対して前記第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号で前記第1パネルを制御し、
    前記第2パネル信号に基づく第2の制御信号で前記第2パネルを制御する、
    ことを特徴とする表示装置。
  9. 前記制御手段は、前記処理信号において画素値が第1閾値以上である画素に対応する前記第1パネル信号の画素に対して、前記第1のフィルタ処理を行わない、
    ことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記制御手段は、前記処理信号において前記所定の画像処理が施された画素の幅に関する値が大きいほど、前記第1のフィルタ処理のフィルタ強度を高くする、
    ことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
  11. 前記処理信号は、前記入力画像信号に高周波成分を強調する第2のフィルタ処理を施した処理信号であって、
    前記制御手段は、前記第2のフィルタ処理のフィルタ係数に基づいて周波数特性を求め、周波数が小さいほど、前記第1のフィルタ処理のフィルタ強度を高くする、
    ことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
  12. 前記入力画像信号の高周波成分を強調して画像を表示する第1表示モードと、前記入力画像信号の高周波成分を前記第1表示モードよりも強調しない画像を表示する第2表示モードとを選択するための選択手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記第1表示モードが選択された場合、前記処理信号を生成し、前記第1の制御信号で前記第1パネルを制御し、前記第2パネル信号に基づく第2の制御信号で前記第2パネルを制御し、
    前記第2表示モードが選択された場合、前記所定の画像処理が施されない前記入力画像信号に基づいて、第3パネル信号と第4パネル信号とを生成し、前記第3パネル信号に対して高周波成分を抑制する処理を施した第3制御信号で前記第1パネルを制御し、前記第4パネル信号で前記第2パネルを制御する、
    ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の表示装置。
  13. 前記処理信号は、撮影時のフォーカスを合わせる際に使用する画像輪郭に合成するための画像信号である、
    ことを特徴とする請求項3から12のいずれか1項に記載の表示装置。
  14. 前記第1パネル信号と前記第2パネル信号は同一である、
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の表示装置。
  15. 前記制御手段は、前記第1パネルと前記第2パネルの階調特性に応じて、前記第1パネル信号と前記第2パネル信号とを生成する、
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の表示装置。
  16. 発光手段と、
    前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
    前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
    を備える表示装置の表示制御方法であって、
    入力画像信号を取得する取得ステップと、
    前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御ステップと、
    を含み、
    前記制御ステップでは、
    入力画像信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
    前記第1パネル信号に対して高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号に基づいて前記第1パネルを制御し、
    前記入力画像信号の高周波成分に対応する前記第2パネル信号の領域に所定の画像処理を施した第2の制御信号に基づいて前記第2パネルを制御する、
    ことを特徴とする表示装置の制御方法。
  17. 発光手段と、
    前記発光手段から照射された光を透過する第1パネルと、
    前記第1パネルを透過した光を透過して画面に画像を表示する第2パネルと、
    を備える表示装置の表示制御方法であって、
    入力画像信号を取得する取得ステップと、
    前記第1パネルおよび前記第2パネルそれぞれの透過率を制御する制御ステップと、
    を含み、
    前記制御ステップでは、
    前記入力画像信号に対して高周波成分を強調する所定の画像処理を施した処理信号を生成し、
    前記処理信号に基づいて、前記第1パネルを制御するために用いる第1パネル信号と、前記第2パネルを制御するために用いる第2パネル信号とを生成し、
    高周波成分を抑制する第1のフィルタ処理のフィルタ強度を画素ごとに決定し、
    前記第1パネル信号に対して前記第1のフィルタ処理を施した第1の制御信号で前記第1パネルを制御し、
    前記第2パネル信号に基づく第2の制御信号で前記第2パネルを制御する、
    ことを特徴とする表示装置の制御方法。
  18. 請求項16または17に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  19. 請求項18に記載のプログラムを記憶するコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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